説明

有益剤送達組成物

本出願は、有益剤送達組成物、かかる有益剤送達組成物を含む組成物、パッケージ化製品、及びディスプレイ、並びに、かかる有益剤送達組成物、組成物、パッケージ化製品、ディスプレイを製造及び使用する方法を提供する。かかる組成物は、組成物及び/又は部位に、向上した有益特性を付与できる向上した付着及び保持特性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、有益剤送達組成物、かかる有益剤送達組成物を含む組成物、パッケージ化製品、及びディスプレイ、並びに、かかる有益剤送達組成物及び、かかる有益剤送達組成物を含む組成物、パッケージ化製品及びディスプレイを製造及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
香料、光沢剤、昆虫忌避剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、冷却剤、布地柔軟化剤、及びスキンケア剤のような有益剤は、パーソナルケア組成物、洗浄組成物、及び布地ケア組成物において高濃度で使用される場合に、高価であって、効果が弱いことがある。結果として、かかる有益剤の効率を最大限にすることが望ましい。このような目的を達成する1つの方法は、かかる有益剤の送達効率を高めることである。残念ながら、かかる薬剤の物理的特性又は化学的特性が失われる恐れがあるか、かかる薬剤が、他の組成成分又は処理される部位と不適合である恐れがあるか、又はかかる薬剤がすすぎ若しくは乾燥などの適用後プロセス中に失われる恐れがある場合、有益剤の送達効率を改善するのは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、改善された有益剤の送達効率を提供する有益剤送達組成物が必要とされている。理論に束縛されるものではないが、出願人は、本明細書に開示される有益剤送達組成物は、かかる組成物が、有益剤の送達効率において所望の増加をもたらす、増加した付着特性及び保持特性を有するという要望を満たすと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願は、有益剤送達組成物、かかる有益剤送達組成物を含む組成物、パッケージ化製品、及びディスプレイ、並びに、かかる有益剤送達組成物を含む組成物、パッケージ化製品、及びディスプレイを製造及び使用する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
定義
本明細書で使用するとき、「消費者製品」は、販売される形態での使用又は消費を意図し、後続する商業的製造又は修正を意図しない、ベビーケア、ビューティケア、衣類及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック、及び/又は飲料製品若しくは装置を意味する。かかる製品には、おむつ、よだれかけ、拭き取り用品;脱色、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングを含む毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)の処理に関連する製品及び/又は方法;防臭剤及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;消費者使用のためのクリーム、ローション、及び他の局所適用製品の適用を含むスキンケア;並びにシェービング製品、空気ケア、車ケア、食器洗浄、布地コンディショニング(柔軟化など)、洗濯洗浄、洗濯及びすすぎ補助剤及び/又はケア、硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者用又は業務用の他の洗浄などの、布地、硬質表面、並びに布地及びホームケア領域内の任意の他の表面処理に関する製品及び/又は方法;トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、紙ハンカチ、及び/又は紙タオルに関連する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;練り歯磨き、歯用ジェル、歯用リンス、義歯接着剤、歯ホワイトニングなどの口腔ケアに関連する製品及び/又は方法;咳及び風邪治療薬、鎮痛剤、処方薬、ペットヘルスと栄養、及び水精製などの店頭販売のヘルスケア;主として慣習的な食事間用又は食事随伴物としての消費が意図される加工食品(非限定的な実施例としては、ポテトチップス、トルティーヤチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップス、シリアルバー、野菜チップス又はクリスプ、スナックミックス、パーティミックス、マルチグレインチップス、スナッククラッカー、チーズスナック、ポークラインズ、コーンスナック、ペレットスナック、押出成形スナック及びベーグルチップが挙げられる);並びにコーヒーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0006】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄及び/又はトリートメント組成物」としては、特に指示のない限り、顆粒又は粉末状の多目的すなわち「強力」洗浄剤、特に洗浄洗剤;液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体高級衣類用洗剤;手洗い食器洗浄剤又は軽質食器洗浄剤、特に泡立ちのよいもの;家庭又は業務用の各種の錠剤、顆粒、液体、及びすすぎ補助剤型などの食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用型、手洗い石鹸、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、歯磨剤、車又はカーペット用シャンプー、浴室洗浄剤などの液体洗浄殺菌剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワージェル及び発泡入浴剤、並びに金属洗浄剤;並びに、漂白補助剤、及び「ステインスティック」又は前処理用型などの洗浄助剤、又はドライヤー付与シート、乾燥及び湿潤型拭取り布並びにパッド、不織布基材、及びスポンジなどの基材付与製品;並びにスプレー剤、及びミスト剤が挙げられる。
【0007】
本明細書で使用するとき、用語「布地ケア組成物」には、特に指示がない限り、布地柔軟化組成物、布地向上組成物、布地フレッシュニング組成物及びこれらの組み合わせを含む。
【0008】
本明細書で使用するとき、「アミン」という用語は、特に指示がない限り、一級、二級、三級及び四級アミンを含む。
【0009】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」のような冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、1以上の請求又は記載されるものを意味するものと理解される。
【0010】
本明細書で使用するとき、「含む」、「挙げられる」及び「含んでいる」(“include”, “includes” and “including”)という用語は、「含まれる(挙げられる)が、これらに限定されない」という表現と同義であることを意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、塊、及び錠剤の製品形態を含む。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「部位(situs)」は、紙製品、繊維、衣服、硬い表面、毛髪、及び皮膚を含む。
【0013】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、当該構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる構成成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0014】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、重量で計算されている。百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算されている。
【0015】
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、それらが本明細書に明確に記載されているかのように包含することを理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最小数値限定には、それよりも大きいあらゆる数値限定が、あたかもこうしたそれよりも大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含される。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる数値範囲には、こうしたより広い数値範囲内に入る、それよりも狭いあらゆる数値範囲が、あたかもこうしたそれよりも狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように包含される。
【0016】
有益剤送達組成物
1つの態様では、有益剤、高分子材料及び任意の架橋剤を含む有益剤送達組成物を開示する。
【0017】
かかる有益剤送達組成物は、約5重量%〜約95重量%、約30重量%〜約85重量%、更には約40重量%〜約60重量%の有益剤;約5重量%〜約70重量%、約20重量%〜約60重量%、更には約30重量%〜約55重量%の、カルボン酸部分を含有する高分子化合物;及び約0重量%〜約50重量%、約0重量%〜約10重量%、更には約1重量%〜約7重量%の架橋剤を含んでもよい。
【0018】
好適な有益剤としては、シリコーン、酵素、芳香剤、香料、香料原材料、芳香剤原材料、防臭剤、臭気中和剤、悪臭、精油、エーテル、エステル、ケトン、アルコール、グリコール、シリコーン炭化水素、環状炭化水素、アルデヒド、テルピン、揮発性又は不揮発性殺虫剤、揮発性又は不揮発性昆虫忌避剤、揮発性又は不揮発性農薬、揮発性又は不揮発性抗微生物剤、揮発性又は不揮発性殺真菌剤、揮発性又は不揮発性除草剤及びこれらの混合物が挙げられる。1つの態様では、架橋剤による酸の架橋反応の可能性が低下するために、揮発性又は不揮発性の酸を含むのは避ける。
【0019】
1つの態様では、有益剤は、香料原材料、芳香剤、香料、精油、殺虫剤、昆虫忌避剤、農薬、除草剤、着臭剤、悪臭中和剤、臭気マスキング剤、冷却剤、ビタミン、柔軟化剤、スキンケア剤、シリコーン、柔軟化剤、カプセル化香料及びこれらの組み合わせを含む。
【0020】
1つの態様では、有益剤は芳香剤及び/又は香料を含む。
【0021】
有用な香料材料には、表1の香料、表2の香料、表3の香料、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が含まれる。
【表1−1】

【表1−2】

【0022】
1つの態様では、好適な表1の香料原材料としては、1番〜39番の香料原材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0023】
1つの態様では、好適な表1の香料原材料としては、1番〜29番の香料原材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
1つの態様では、250℃以下の沸点及び2.5を超えるClogPを有する好適な香料原材料は、以下の表2に列挙される材料であって、かかる材料は表2の香料原材料として定義されている。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【0025】
1つの態様では、好適な表2の香料原材料としては、1番〜116番の香料原材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
1つの態様では、好適な表2の香料原材料としては、1番〜79番の香料原材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
1つの態様では、250℃を超え280℃以下の沸点を有する好適な香料原材料は、以下の表3に列挙される材料であって、かかる材料は表3の香料原材料として定義されている。
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【0028】
1つの態様では、好適な表3の香料原材料としては、1番〜58番の香料原材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0029】
1つの態様では、好適な表3の香料原材料としては、1番〜39番の香料原材料及びこれらの混合物が挙げられる。
【0030】
1つの態様では、好適な香料原材料は、4−メトキシベンズアルデヒド;4−フェニルブタン−2−オン;3,7−ジメチル−2−メチレン−6−オクテナール;4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)ブタ−3−エン−2−オン;2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;2−メチル−3−(パライソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド;2−ブテン−1−オン,1−(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−イル)−;1−シクロヘキシル−エチレン−クロトネート;1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン;3−メチルシクロペンタデセノン;4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)ブタン−2−オン;2,5−ジメチル−2−オクテン−6−オン;ジヒドロ−ノル−シクロペンタジエニルアセテート;3−(o−(及びp−)エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド;3−(3−イソプロピルフェニル)ブタナール;3−ブテン−2−オン,3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−;α−メチル−3,4(メチレンジオキシ)ヒドロシンナムアルデヒド;n−ヘキシルオルソヒドロキシベンゾエート;7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7,テトラメチルナフタレン;4−(1−エトキシビニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン−1−オン;2−シクロヘキセン−1−オン,2−メチル−5−(1−メチルエテニル)−,(R)−;2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オル;2,6−ジメチル−5−ヘプテナール;メチルジヒドロジャスモネート;メチルノニルアセトアルデヒド;6,6−ジメトキシ−2,5,5−トリメチルヘキサ−2−エン;2−シクロヘキセン−1−オン,2−メチル−5−(1−メチルエテニル)−,(R)−;オクトアルデヒド;2−シクロヘキシル−1,6−ヘプタジエン−3−オン及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0031】
好適な高分子材料は、それぞれ独立してカルボン酸、ヒドロキシル、エステル、アミド、アミン、ニトリル及びチオール部分から選択することができる、少なくとも2個の部分を含み得る。
【0032】
1つの態様では、前記高分子化合物は、高分子化合物あたり、カルボン酸部分、アミン部分、ヒドロキシル部分及びニトリル部分からなる部分から選択される少なくとも2個の部分を含む。1つの態様では、高分子材料は、各高分子に、2個又はそれ以上のカルボン酸部分を含有する。1つの態様では、高分子材料は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリブタジエン/スチレン、ポリブタジエン/アクリロニトリル、カルボキシル末端ポリブタジエン/アクリロニトリル又はこれらの組み合わせの主鎖を含有することが可能である。別の態様では、好適な高分子材料は、アミン末端、エポキシ末端、又はビニル末端ポリマーを包含する。これらのポリマーの好適な分子量は、約1,000〜約10,000,000の範囲である。1つの態様では、好適なポリマーは、約1,000〜約10,000,000又は約2,000〜約50,000の範囲の分子量を有することができる。好適な高分子材料は、ノベオン(NOVEON)(米国オハイオ州クリーブランド(Cleveland))及びサートマー(SARTOMER)(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア(Philadelphia))から入手可能である。好適な材料としては、ノベオン又はエメラルド・パフォーマンス・マテリアルズ(Emerald Performance Materials)(米国オハイオ州カイヤホガフォールズ(Cuyahoga Falls)製のハイカー(HYCAR)(登録商標)材料CTB 2000x162、CTBNX 1300x18、CTBNX 1300x9、CTBN 1300x8、CTBN 1300x31、ATB 2000x173、ATBN 1300x21、ATBN 1300x16、ATBN 1300x45、ATBN 1300x35、ATBN 1300x42、VTB 2000x168、VTBNX1300x33、VTBNX1300x43、ETBN 1300x40及びETBN 1300x44及びサートマー製のクラソール(Krasol)(登録商標)LBH5000が挙げられる。
【0033】
1つの態様では、有益送達組成物は架橋剤を含むことができる。任意の態様では、かかる架橋剤は、共有架橋及び/又はイオン性架橋を提供することができる。1つの態様では、有益剤送達組成物は、高分子材料の当量と同じ濃度で架橋剤を含む。1つの態様では、組成物内の、架橋剤当量とカルボン酸当量との比は、約0.5〜約2.0である。1つの態様では、当量比は、約0.8〜約1.2である。架橋剤は、カルボン酸含有ポリマーの存在下に置かれたとき、架橋を提供する任意の材料であり得る。好適な架橋剤としては、ポリアミン、エポキシド(expoxide)及びポリカルボジイミドが挙げられる。1つの態様では、ポリカルボジイミド架橋剤化合物は、ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)(米国ミシガン州ミッドランド(Midland)の子会社であるアンガス・ケミカル社(Angus Chemical Company)により製造されているゾルジン(ZOLDINE)(商標)XL−29SEであってもよい。1つの態様では、ポリアミンは、ジエチレントリアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン及び/又はエチレンジアミン部分を含むことができる。
【0034】
1つの態様では、架橋剤は、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、N,N−ビス−(3−アミノプロピル)メチルアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン又はこれらの混合物を含むことができる、ポリアミンを含む。
【0035】
好適なポリアミンとしては、BASF(ドイツ、ルートヴィヒシェイブン(Ludwigshaven))により供給されるルパソール(Lupasol)(登録商標)WF、SK、PS、PO100、P、HF、G500、G35、G20無水、G20、G100、FG、FC及びR8515製品が挙げられる。
【0036】
他の材料を、本明細書に開示する有益剤送達組成物に添加してもよい。例えば、染料及び色素を含む着色剤をかかる有益剤送達組成物に添加してもよい。着色剤は、1種又はそれ以上の油容性染料であってもよい。かかる染料を、本明細書に開示する有益剤送達組成物の形成前に、有益剤に添加してもよい。酸化防止剤を本明細書に開示する有益剤送達組成物に添加してもよい。かかる酸化防止剤は、酸化から、芳香剤を含む有益剤を保護することができる。好適な酸化防止剤としては、イーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Company)(米国テネシー州キングスポート(Kingsport))により供給されるBHAが挙げられる。紫外線阻害剤を、本明細書に開示する有益剤送達組成物に添加してもよく、これは変色を防止することができる。好適な紫外線阻害剤としては、チバ(Ciba)(登録商標)(スイス、バーゼル(Basel))により供給されるチヌビン(TINUVIN)(登録商標)市販品が挙げられる。
【0037】
本明細書に開示する有益剤送達組成物に添加してもよい他の物質は、溶媒、希釈剤、界面活性剤、脂肪酸、ポリマー、のような有益剤送達組成物の加工を補助する物質であり、好適な物質は、ベンジルベンゾエートのような希釈剤、TAE80のような非イオン性界面活性剤、ココヤシ油のような脂肪酸、PEG4000のようなポリマーである。
【0038】
1つの態様では、本発明の有益剤送達組成物は透明であってもよい。しかしながら、このような組成物は不透明であってもよい。このような組成物は、不透明化剤の添加により不透明にすることができる。好適な不透明化剤としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、無機塩類、ワックス、水及び当業者に周知である他の有機不透明化剤が挙げられる。
【0039】
追加の物質を、本明細書に開示する有益剤送達組成物に添加してもよい。このような物質は、揮発性であってもなくてもよい。このような物質としては、溶媒、油、エステル、フタレート、脂肪酸、トリグリセリド、エーテル、油、脂肪族物質、炭化水素、可塑剤及びアルコールが挙げられる。このような物質は親水性であっても親水性でなくてもよい。好適な親水性物質としては、水、グリコール及びアルコールが挙げられる。1つの態様では、界面活性剤を本明細書に開示する有益剤送達組成物に添加してもよい。好適な界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性界面活性剤が挙げられ、これらの例は当業者に周知である。界面活性剤の含有は、本明細書に開示する有益剤送達組成物への親水性物質の含有を促進することができる。
【0040】
有益剤送達組成物の製造プロセス
本出願に開示する有益剤送達組成物は、米国特許出願公開第2006/0067963(A1)号及び本明細書に開示する実施例の教示を介して作製することができる。
【0041】
本出願に開示する有益剤含有組成物は、米国特許第6,451,751 B1号、同第6,972,276 B1号、同第6,764,986 B1号、同第6,740,713 B1号、及び本明細書に開示する実施例の教示に従って加工することができる。このような有益剤送達組成物において好適な形態としては、粒塊、エマルション、溶液、小球、ビーズ又はカプセル化物を含む固体及び流体が挙げられる。製品に有益剤送達組成物を使用する際、前記粒塊、エマルション、溶液、小球、ビーズ又はカプセル化物における有益剤送達組成物の粒径は、約0.1ミクロン〜約100ミクロン、約1ミクロン〜約60ミクロン、更には約5〜40ミクロンであってもよい。上記に加えて、本発明の有益剤送達組成物は、米国特許出願公開第2007/0196502 A1号の教示に従って更に加工し、有益剤送達組成物が、得られる粒子の1層若しくはそれ以上の層の少なくとも一部又は全てさえ含む粒子を得ることができる。
【0042】
1つの態様では、
a.)約15重量%〜約95重量%の揮発性疎水性液体と、約3重量%〜約40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを含む前記第1混合物が完全に混合されるまで混合する工程;及び、前記第1混合物に、約1.5重量%〜約40重量%の架橋剤を混合する工程;又は
b.)約15重量%〜約95重量%の揮発性疎水性液体と、約3重量%〜約40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを含む前記第1混合物が完全に混合されるまで混合する工程;及び、前記第1混合物に、約0重量%〜約40重量%の架橋剤を混合する工程;又は
c.)約15重量%〜約95重量%の揮発性疎水性液体と、約3重量%〜約40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを含む前記第1混合物が完全に混合されるまで混合する工程;及び、前記第1混合物に、約15重量%〜約95重量%の揮発性疎水性液体と、約1.5重量%〜約40重量%の架橋剤とを含む第2混合物を混合する工程;又は
d.)前記第1混合物が完全に混合されるまで、約15重量%〜約95重量%の揮発性疎水性液体と、約3重量%〜約40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを組み合わせる工程;及び前記第1混合物に、約0重量%〜約40重量%の架橋剤を混合する工程と
e.)所望により、a.)、b.)、c.)及び/若しくはd.)で製造された混合物と、希釈剤及び/若しくは界面活性剤とを組み合わせる工程;及び/又は、a.)、b.)、c.)及び/若しくはd.)で製造された混合物を更に加工して、粒子、ビーズ及び/又は粒塊を形成する工程と、
を含む、有益剤送達組成物を作製する方法を開示する。
【0043】
1つの態様では、有益剤送達組成物は、予め作製され、消費者に添加される。
【0044】
1つの態様では、有益剤送達組成物の成分は、消費者製品に別々に添加され、消費者の使用前、使用中及び/又は使用後に消費者が有益剤送達組成物を形成することができる。
【0045】
1つの態様では、追加の有益剤及び/又は有益剤送達系、例えば香料及び/又はカプセル化香料を使用して粒子、ビーズ及び/又は粒塊を形成するとき、前記追加の有益剤及び/又は有益剤送達系を前記粒子、ビーズ及び/又は粒塊に添加する前、添加中、又は添加した後に、本発明の有益剤送達組成物を添加することができる。
【0046】
1つの態様では、追加の有益剤及び/又は有益剤送達系、例えば香料及び/又はカプセル化香料を使用するとき、前記追加の有益剤及び/又は有益剤送達系を消費者に添加する前、添加中、又は添加した後に、本発明の有益剤送達組成物を添加することができる。
【0047】
本明細書に開示するプロセスで用いるのに好適な設備としては、連続攪拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン攪拌器、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウシェアミキサー(ploughshear mixer)、リボンブレンダー、縦軸造粒機、二軸押出成形機及びドラムミキサー(両方とも、バッチ式及び入手可能なときは連続プロセス構成である)、噴霧乾燥機並びに押出成形機を挙げることができる。このような設備は、ロッジ社(Lodige GmbH)(ドイツ、パーデルボルン(Paderborn))、リトルフォード・デイ社(Littleford Day, Inc.)(米国ケンタッキー州フローレンス(Florence))、フォーベルグ社(Forberg AS)(ノルウェー、ラルヴィク(Larvik))、グラット・エンジニア・テクニック社(Glatt Ingenieurtechnik GmbH)(ドイツ、ワイマール(Weimar))、ニロ社(Niro)(デンマークのセーボルク(Soeborg))、ホソカワ・ベペックス社(Hosokawa Bepex Corp.)(米国ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis))、アルデ・バリンコ社(Arde Barinco)(米国ニュージャージー州)、ウェンガー(Wenger)(米国カンザス州ザベタ(Sabetha))から入手可能である。
【0048】
有益剤送達組成物を含む組成物
本出願の組成物は、本出願に開示する有益剤送達組成物の実施形態を含む。1つの態様では、このような組成物は消費者製品であり得る。使用される有益剤送達組成物の正確な濃度は、かかる組成物を含む製品の種類及び最終用途に依存するが、洗浄化及び/又は布地処理製品を含む製品は、製品の総重量を基準として、約0.001%〜約25%、約0.01%〜約5%、又は更には約0.05%〜約3%の有益剤送達組成物を含むことができる。
【0049】
1つの態様では、本明細書に開示される有益剤送達組成物、及び、出願人による有益剤送達システムに加えて、界面活性剤、酵素、ポリマー、染料、純香料、香料送達システム、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料の少なくとも1つの実施形態を含む消費者製品が開示されている。好適な香料送達システムは、米国特許出願公開第2007/0275866 A1号に記載されている。
【0050】
本発明の態様には、洗濯洗剤組成物(例えば、タイド(TIDE)(商標))、硬質表面洗浄剤(例えば、ミスター・クリーン(MR CLEAN)(商標))、自動食器洗浄用液体(例えば、カスケード(Cascade)(商標))、食器洗浄用液体(例えば、ダウン(DAWN)(商標))、及び床洗浄剤(例えば、スウィファ(SWIFFER)(商標))中での本発明の有益剤送達組成物の使用が挙げられる。洗浄組成物の非限定的な例としては、米国特許第4,515,705号;4,537,706号;4,537,707号;4,550,862号;4,561,998号;4,597,898号;4,968,451号;5,565,145号;5,929,022号;6,294,514号;6,376,445号;7,169,741 B2号及び7,297,674 B2号、並びに、米国特許出願公開第2005/0130864 A1号に記載されるものが挙げられる。本明細書に開示される洗浄化組成物は、水性洗浄化操作での使用中に、洗浄水のpHが約5〜約12、又は約7.5〜10.5となるように配合することができる。液体食器洗浄製品の処方は、典型的には、約6.8〜約9.0のpHを有する。洗浄製品は、典型的には、約7〜約12のpHを有するように処方される。推奨使用濃度でpHを制御する技術には、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用が挙げられ、当業者には周知である。
【0051】
本明細書に開示される布地トリートメント組成物は、典型的には、布地柔軟化活性物質(「FSA」)を含む。好適な布地柔軟化活性物質には、第四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、ポリサッカライド、脂肪油、ポリマーラテックス、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
補助剤物質
本発明の目的は必須ではないが、以下に例示される補助剤の非限定的な一覧は、本組成物において使用するのに適しており、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄化される基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料等を用いる場合のように組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込むことができる。このような補助剤は、本出願人らの送達粒子及びFSAを介して供給される成分に追加されると理解される。これらの追加的構成成分の明確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質によって決まる。好適な補助剤物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移行防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、発泡抑制剤、染料、付加香料及び香料送達システム、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加え、このような他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812 B1号、及び同第6,326,348 B1号に記載されており、これらは参照により組み込まれる。
【0053】
上述のように、補助剤成分は、本出願人らの洗浄化及び布地ケア組成物にとって必須ではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態では、以下の補助剤材料の1つ以上を含有しない:漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、起泡抑制剤、染料、付加香料及び香料送達システム、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤及び/又は顔料。しかし、1つ以上の補助剤が存在する場合、このような1つ以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0054】
界面活性剤−本発明による組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含むことができ、界面活性剤は、非イオン性及び/若しくはアニオン性及び/若しくはカチオン性界面活性剤並びに/又は両性及び/若しくは双極性及び/若しくは半極性非イオン性界面活性剤から選択できる。界面活性剤は、典型的には、洗浄組成物の約0.1重量%から、約1重量%から、又は更には約5重量%から、洗浄組成物の約99.9重量%まで、約80重量%まで、約35重量%まで、又は更には約30重量%までの濃度で存在する。
【0055】
ビルダー−本発明の組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含むことができる。存在する場合、組成物は、典型的に、少なくとも約1重量%のビルダー、又は約5重量%若しくは10重量%〜約80重量%、50重量%まで、又は更には30重量%までの前記ビルダーを含む。ビルダーとしては、ポリホスフェートの、アルカリ金属、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノシリケートビルダー、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の種々のアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、並びにメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、及びこれらの可溶性塩のようなポリカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
キレート化剤−本明細書の組成物はまた、任意で1つ以上の銅、鉄及び/又はマンガンのキレート化剤を含有してもよい。使用される場合、キレート化剤は、一般に本明細書の組成物の約0.1重量%〜約15重量%、又は更には本明細書の組成物の約3.0重量%〜約15重量%を構成する。
【0057】
移染防止剤−本発明の組成物はまた、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の組成物中に存在する場合、移染防止剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%から、約0.01重量%から、約0.05重量%から、洗浄組成物の約10重量%まで、約2重量%まで、又は更には約1重量%までの濃度で存在する。
【0058】
分散剤−本発明の組成物は分散剤も含むことができる。好適な水溶性有機物質は、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はこれらの塩であり、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに2個を超えない炭素原子によって離間されている少なくとも2個のカルボキシル基を含んでもよい。
【0059】
酵素−組成物は、洗浄性能効果、及び/又は布地ケア効果を提供する1つ以上の洗浄性酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素をアミラーゼと組み合わせた混液である。
【0060】
酵素安定剤−組成物、例えば洗剤において使用するための酵素類は、種々の技術によって安定化することができる。本明細書で採用される酵素は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。
【0061】
触媒金属錯体−本出願人らの組成物は、触媒金属錯体を包含してもよい。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属カチオン、亜鉛又はアルミニウムのカチオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全く有さない補助金属カチオン、並びに触媒金属及び補助金属のカチオンに対して規定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びこれらの水溶性塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示される。
【0062】
必要に応じて、本明細書の組成物は、マンガン化合物を用いて触媒され得る。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0063】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、既知の手順、例えば、米国特許第5,597,936号、及び同第5,595,967号において教示されているような手順によって容易に調製される。
【0064】
本明細書の組成物はまた、好適には、大多環状の剛性配位子(「MRL」と省略される)の遷移金属錯体を含んでもよい。実用的な事柄として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び洗浄方法は、水性洗浄媒体において少なくとも約1億分の1の有益剤MRL種を提供するように調整することができ、MRLを洗浄溶液中に約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更には約0.1ppm〜約5ppmに設定できる。
【0065】
本遷移金属漂白剤触媒中の好適な遷移金属としては、マンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。本明細書における好適なMRLは、架橋した特定の種類の超剛性配位子、例えば、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンである。
【0066】
好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、PCT国際公開特許第00/32601号及び米国特許第6,225,464号で教示されているような手順によって容易に製造される。
【0067】
好適な増粘剤/構造化剤、及びこれらの有用なレベルは、米国特許出願公開第2005/0130864 A1号及び米国特許第7,169,741 B2号及び7,297,674 B2号に記載されている。
【0068】
組成物の製造及び使用方法
本発明の組成物は、任意の好適な形態に配合することができ、配合者によって選択される任意の方法によって調製することができるが、その非限定的な具体例は、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号;同第5,574,005号;同第5,569,645号;同第5,565,422号;同第5,516,448号;同第5,489,392号;同第5,486,303号に記載されており、その全てが本明細書に参照することにより組み込まれる。
【0069】
使用方法
本明細書に開示される有益剤送達組成物を含有する組成物は、ある部位、とりわけ表面又は布地を洗浄化又は処理するために使用することができる。通常、前記場所の少なくとも一部は、希釈されない形態又は希釈された液体、例えば洗浄液の、本出願人らの組成物の実施形態と接触され、そしてその後、任意に、その場所が洗浄及び/又はすすがれてもよい。1つの態様では、ある部位が任意で洗浄及び/又はすすがれ、本発明による粒子に又は前記粒子を含む組成物に接触され、次に任意で洗浄及び/又はすすがれる。本発明の目的上、洗浄には、擦ること及び機械的攪拌が挙げられるが、これらに限定されない。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯又は処理することが可能な大部分の任意の布地を含んでもよい。開示される組成物を含み得る液体のpHは、約3〜約11.5であってもよい。こうした組成物は、典型的に、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水であるとき、水温は、典型的には、約5℃〜約90℃であり、部位が布地を含むとき、水と布地との割合は、典型的には、約1:1〜約30:1である。
【0070】
有益剤送達組成物を含むパッケージ
1つの態様では、有益剤送達組成物を含むパッケージが開示されている。かかる包装は、消費者製品のような製造物をパッケージするのに使用され得る。本発明の有益剤送達組成物は、かかるパッケージの任意の場所に付着されるか、取り付けられてもよい。このようなパッケージは、包装紙又は容器を含む任意の形態をとることができる。1つの態様では、本明細書に開示される有益剤送達組成物は、このようなパッケージの外面及び/又は内面に付着されるか、取り付けられてもよい。1つの態様では、前記パッケージは、キャップ及び本明細書に開示される前記有益剤送達組成物を含み、前記キャップの外面又は内面に付着されるか、取り付けられる容器を含んでもよい。
【0071】
有益剤送達組成物を含むディスプレイ
1つの態様では、有益剤送達組成物を含むディスプレイが開示されている。このようなディスプレイは、消費者製品などの製品に注意を引き、製品の販売を全体的又は部分的に促進及び/又は補助するために使用されてもよい。本発明の有益剤送達組成物は、このようなディスプレイの任意の場所に付着されるか、取り付けられてもよい。このようなディスプレイは、ポスター、販売及び/又はマーケティング資料又は容器を含む、任意の形態をとることができる。1つの態様では、本明細書に開示される有益剤送達組成物は、このようなディスプレイの外面及び/又は内面に付着されるか、取り付けられる。
【実施例】
【0072】
本発明の特定の実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0073】
(実施例1):
等量の香料組成物とノベオン製アミン末端ハイカー(登録商標)ATBN1300X42を計量し、必要に応じてウルトラ−ツラックス(Ultra−Turrax)を用いて5分間混合する。使用/混合前に、成分を60℃の温水浴中に1時間置く。混合後、混合物を60℃の温水浴中に±12時間置く。均質な、粘稠かつ粘着性のある物質が得られる。
【0074】
上記で記載されるのと同様の方法で、組成物間において異なる比率を使用することが可能である:
【表4】

【0075】
(実施例2):
50%の香料組成物と、40%のノベオン製カルボキシル末端ハイカー(登録商標)1300X18(CAS番号0068891−50−9)(混合前に1時間60℃の温水浴中に置く)と、10%のBASF製ルパソール(登録商標)WF(CAS番号09002−98−6)(混合前に1時間60℃の温水浴中に置く)とを含む混合物。ウルトラ−ツラックスT25基本装備(IKA製)を用いて5分間混合することにより、混合を達成する。混合後、混合物を12時間60℃の温水浴中に置く。均質な、粘稠かつ粘着性のある物質が得られる。
【0076】
上記で記載されるのと同様の方法で、組成物間において異なる比率を使用することが可能である:
【表5】

【表6】

【0077】
(実施例3):
50%の香料組成物と、40%のノベオン製カルボキシル末端ハイカー(登録商標)CTBN1300X18(混合前に1時間60℃の温水浴中に置く)と、10%のBASF製ルパソール(登録商標)WF(CAS番号09002−98−6)(使用前に1時間60℃の温水浴中に置く)とを含む混合物を形成する。
【0078】
ウルトラ−ツラックスT25基本装備(IKA製)を用いて5分間混合することにより、混合を達成する。混合後、混合物を±12時間60℃の温水浴中に置く。均質な、粘稠かつ粘着性のある物質が得られる。
【0079】
(実施例4)
調製の最初の工程で、15%のBASF製ルパソール(登録商標)WF(CAS番号09002−98−6)を、35%のカルボキシル末端ハイカー(登録商標)CTBN1300X18と組み合わせ、17%のこのポリマーミックスを83%のベンジルベンゾエートで希釈して、機能可能な溶液を作製する。上記物質を、上記比で、電磁攪拌器を用いて攪拌しながら、ホットプレート上の80℃のガラスジャー内に一緒に入れる。次に、ポリマープレミックスと香料組成物とを、1:1の比で混合する。このポリマー−香料ミックスを、次いで、布地強化組成物に添加する。
【0080】
(実施例5):粉末洗剤で用いるための有益剤送達組成物−香料系の集塊
上記実施例1〜3のいずれかから開始する:
得られた、均質な、粘稠かつ粘着性のある物質を、集塊プロセスの開始前に、±2時間60℃で保持する。次に、40%の粘稠かつ粘着性のあるサンプルと、60%の融解したTAE80とを含む混合物を、ウルトラ−ツラックスT25基本装備(IKA製)で5〜10分間組み合わせ、混合することにより形成する。次いで、一部のTAE80/粘着性サンプルを、ブラウン・キッチン・ロボット(Braun kitchen robot)を用いて0.6部の軽灰に非常にゆっくり添加し、粒塊を形成する。
【0081】
得られた粒塊を、次いで、粉末洗剤中で用いる。
【0082】
(実施例6):液体応用
上記実施例1〜3のいずれかから開始する:
得られた、均質な、粘稠かつ粘着性のある物質を、希釈プロセスの開始前に、±2時間60℃で保持する。
【表7】

【0083】
上記実施例1〜3のいずれかに記載したように得た粘稠で粘着性のある物質を、得られた混合物を液体洗剤に添加する前に、上記表に列挙した濃度で、ウルトラ−ツラックスT25基本装備(IKA製)を用いて5分間、様々な比で、安息香酸ベンジルと混合する。
【0084】
(実施例7):消費者有益送達剤系を得る様々なプロセス様式材料をプレミックスすることなく、様々な成分を添加する。
【0085】
形成する前に、プレミックスすることなく以下を混合する。
【表8】

【0086】
(実施例8)
有益剤送達組成物を含有する製品配合の非限定的な例を、以下の表に要約する。
【表9】

残部
N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド。
メチルビス(タローアミドエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート。
脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での反応生成物を、塩化メチルで四級化し、得られるN,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリドとN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロリドとの1:1モル比混合物。
ナショナル・スターチ(National Starch)から商標名カトー(CATO)(登録商標)で入手可能なカチオン性高アミローストウモロコシデンプン。
米国特許第5,574,179号、第15欄、1〜5行目の式を有する、エチレンオキシドとテレフタレートとのコポリマーであって、式中、各Xはメチルであり、各nは40であり、uは4であり、各R1は本質的に1,4−フェニレン部分であり、各R2は、本質的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はこれらの混合物である。
ワッカー(Wacker)製のSE39
ジエチレントリアミン5酢酸
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co.)から入手可能なカトン(KATHON)(登録商標)CG。「PPM」は、「百万分の一」である。
グルタルアルデヒド
商品名DC2310でダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)から入手可能なシリコーン消泡剤。
ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co.)から商品名アキュラン(Aculan)44で入手可能な、疎水変性エトキシル化ウレタン。
【0087】
(実施例9):乾燥洗濯配合中の有益剤送達組成物
【表10】

【0088】
(実施例10):液体洗濯配合(HDL)
【表11】

【0089】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙した値と、その値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0090】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれ、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における用語のいずれかの意味又は定義と相反する範囲では、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0091】
本発明の特定の実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.)0.001%〜10%の消費者有益剤送達組成物であって、
(i)5重量%〜95重量%の有益剤、好ましくは30重量%〜85重量%の有益剤、より好ましくは40重量%〜60重量%の有益剤と、
(ii)5重量%〜70重量%の高分子化合物、好ましくは20重量%〜60重量%の高分子化合物、より好ましくは30重量%〜55重量%の高分子化合物であって、好ましくは前記高分子化合物がポリブタジエン、ポリブタジエン−スチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン−アクリロニトリル又はこれらの混合物を含む、高分子化合物と、
(iii)0重量%〜50重量%の架橋剤、好ましくは0重量%〜10重量%の架橋剤、より好ましくは1重量%〜7重量%の架橋剤であって、好ましくは前記架橋剤がポリアミンを含み、より好ましくは前記架橋剤が、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、N,N−ビス−(3−アミノプロピル)メチルアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン又はこれらの混合物を含む前記ポリアミンを含む、架橋剤と、を含む、消費者有益剤送達組成物と、
b.)消費者製品成分と、
を含む、消費者製品組成物。
【請求項2】
前記有益剤が、香料原材料、芳香剤、香料、精油、殺虫剤、昆虫忌避剤、農薬、除草剤、着臭剤、悪臭中和剤、臭気マスキング剤、冷却剤、ビタミン、柔軟化剤、スキンケア剤、シリコーン、柔軟化剤、カプセル化香料及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記高分子化合物が、高分子化合物あたり、カルボン酸部分、アミン部分、ヒドロキシル部分及びニトリル部分からなる部分から選択される少なくとも2個の部分を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
a.)15重量%〜95重量%の揮発性疎水性液体と、3重量%〜40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを含む第1混合物が完全に混合されるまで混合する工程;及び、前記第1混合物に、1.5重量%〜40重量%の架橋剤を混合する工程;又は
b.)15重量%〜95重量%の揮発性疎水性液体と、3重量%〜40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを含む前記第1混合物が完全に混合されるまで混合する工程;及び、前記第1混合物に、0重量%〜40重量%の架橋剤を混合する工程;又は
c.)15重量%〜95重量%の揮発性疎水性液体と、3重量%〜40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを含む前記第1混合物が完全に混合されるまで混合する工程;及び、前記第1混合物に、15重量%〜95重量%の揮発性疎水性液体と、1.5重量%〜40重量%の架橋剤とを含む第2混合物を混合する工程;又は
d.)前記第1混合物が完全に混合されるまで、15重量%〜95重量%の揮発性疎水性液体と、3重量%〜40重量%のカルボン酸を含有する高分子化合物とを組み合わせる工程;及び、前記第1混合物に、0重量%〜40重量%の架橋剤を混合する工程と
e.)所望により、a.)、b.)、c.)及び/又はd.)で製造された混合物と、希釈剤及び/又は界面活性剤とを組み合わせる工程;及び/又は、a.)、b.)、c.)及び/又はd.)で製造された混合物を更に加工して、粒子、ビーズ及び/又は粒塊を形成する工程と、
を含み、好ましくは、前記疎水性液体が、芳香剤、香料、香料マイクロカプセル、精油、殺虫剤、昆虫忌避剤、農薬、除草剤、着臭剤、悪臭中和剤、臭気マスキング剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、高分子化合物が、ポリブタジエン、ポリブタジエン−スチレン、ポリイソプレン、ポリブタジエン−アクリロニトリル又はこれらの混合物を含み、より好ましくは、前記高分子化合物が、1個の高分子化合物の1基あたり、少なくとも2.0個のカルボン酸、アミン若しくはヒドロキシル基を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
【請求項5】
前記組成物が前記包装に取り付けられる又は接着される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を含む消費者製品。
【請求項6】
前記組成物が前記展示品材料に取り付けられる又は接着される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を含む展示品。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物と、少なくとも1種の清浄化及び/若しくは処理組成物、又は布地ケア補助剤成分とを含む、清浄化及び/若しくは処理組成物又は布地ケア組成物。
【請求項8】
部位を処理及び/又は清浄化する方法であって、
a.)所望により、前記部位を洗浄する及び/又はすすぐ工程と、
b.)前記部位を、請求項1〜3及び/又は7のいずれか一項に記載の組成物と接触させる工程と、
c.)所望により前記部位を洗浄する及び/又はすすぐ工程と、
を含む方法。
【請求項9】
請求項1〜3及び/又は7のいずれか一項に記載の組成物で処理された部位。

【公表番号】特表2010−516863(P2010−516863A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547335(P2009−547335)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/002120
【国際公開番号】WO2008/100625
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】