説明

未焼結シリコン粒子膜及び半導体シリコン膜、並びにそれらの製造方法

【課題】本発明は、新規な未焼結シリコン粒子膜及び半導体シリコン膜、並びにそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の未焼結シリコン粒子膜130は、互いに未焼結のシリコン粒子からなり、且つ不活性ガス雰囲気中において1気圧の圧力及び600℃の温度で加熱したときに脱離する脱離性ガスの量が、未焼結シリコン粒子膜の質量に基づいて、500質量ppm以下である。未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法は、(a)シリコン粒子分散体を、基材上100に塗布して、シリコン粒子分散体膜110を形成する工程、(b)シリコン粒子分散体膜110を乾燥して、乾燥シリコン粒子膜120を形成する工程、及び(c)乾燥シリコン粒子膜120を焼成することによって、未焼結シリコン粒子膜130を形成する工程を含む。本発明の半導体シリコン膜140は、互いに焼結されているシリコン粒子からなり、且つ炭素原子を実質的に含有していない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な未焼結シリコン粒子膜及び半導体シリコン膜、並びにそれらの製造方法に関する。また、本発明は、このような半導体シリコン膜を有する半導体デバイス、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体シリコン膜、例えばアモルファスシリコン膜及びポリシリコン膜等は、半導体デバイス、例えば薄膜トランジスタ(TFT)及び薄膜型太陽電池のために使用されている。
【0003】
このような半導体シリコン膜を半導体デバイスで使用する場合、半導体シリコン膜を、スパッタリングのような物理気相堆積(PVD)、プラズマ化学気相堆積のような化学気相堆積(CVD)等の真空プロセスにより基材の全面に形成することが行われてきた。また、半導体シリコン膜が所望のパターン、例えば回路パターンを有することが必要である場合、基材の全面に形成された半導体シリコン膜の不要部分を、フォトリソグラフィー等によって除去して、所望のパターンを有する半導体シリコン膜を提供することが行われてきた。
【0004】
しかしながら、これらの従来の方法では、大掛かりな装置が必要であること、多大なエネルギーを消費すること、原料が気体であるので扱いにくいこと、大量の廃棄物が発生すること等の問題を有しており、それによって複雑かつ高コストの方法であった。また特に、半導体シリコン膜が所望のパターンを有することが必要である場合、基材の全面に形成された半導体シリコン膜の不要部分を除去するので、原料の使用効率が悪いこと(5%未満)も問題であった。
【0005】
上記のような問題に関して、近年、液相法によって半導体膜を形成することが検討されている。
【0006】
これに関して、特許文献1では、シリコン粒子を含有する分散体を用いて、半導体シリコン膜を形成することを提案している。ここで、この特許文献1では、シリコン粒子からなる乾燥シリコン粒子膜をレーザーで照射して、シリコン粒子を焼結させることを提案している。
【0007】
また、液相法では、半導体シリコン膜の所望のパターンを基材上に直接に描く直接描画技術を利用することも検討されている。直接描画技術としては、半導体シリコン膜の構成材料を含む原料液を塗布印刷する印刷法、例えばインクジェットプリンティング法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
【0008】
このような印刷法では、真空プロセスは不要であり、また直接描画によりパターン形成を行うことができるので、簡易かつ低コストで、半導体デバイスを製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2010−514585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載のように、シリコン粒子からなる乾燥シリコン粒子膜をレーザーで照射して、シリコン粒子を焼結させることが提案されている。この場合には、比較的低温でシリコン粒子の焼結を達成することができるものの、用途によっては、得られる半導体膜の特性に改善の余地があった。
【0011】
また、シリコン粒子からなる乾燥シリコン粒子膜を加熱して、シリコン粒子を焼結させることも知られている。しかしながら、この場合にも、用途によっては、得られる半導体膜の特性に改善の余地があった。またこの場合には、加熱によって基板及び他の層の性能が劣化する恐れがあった。
【0012】
したがって、本発明の目的は、優れた半導体特性を有するシリコン半導体膜をシリコン粒子から提供すること、特に比較的高い温度での熱処理を用いずに、優れた半導体特性を有するシリコン半導体膜をシリコン粒子から提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本件発明者は、鋭意検討の結果、下記の本発明に想到した。
【0014】
〈1〉互いに未焼結のシリコン粒子からなり、且つ不活性ガス雰囲気中において1気圧の圧力及び600℃の温度で加熱したときに脱離する脱離性ガスの量が、未焼結シリコン粒子膜の質量に基づいて、500質量ppm以下である、未焼結シリコン粒子膜。
〈2〉上記脱離性ガスが、シラン化合物、有機溶媒、及びそれらの組合せからなる群より選択される、上記〈1〉項に記載の未焼結シリコン粒子膜。
〈3〉50〜2000nmの厚さを有する、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の未焼結シリコン粒子膜。
〈4〉上記シリコン粒子が、レーザー熱分解法によって得られたシリコン粒子である、上記〈1〉〜〈3〉項のいずれか一項に記載の未焼結シリコン粒子膜。
〈5〉(a)分散媒及び上記分散媒中に分散しているシリコン粒子を含有するシリコン粒子分散体を、基材上に塗布して、シリコン粒子分散体膜を形成する工程、
(b)上記シリコン粒子分散体膜を乾燥して、乾燥シリコン粒子膜を形成する工程、及び
(c)上記乾燥シリコン粒子膜を300℃以上900℃以下の温度で焼成することによって、未焼結シリコン粒子膜を形成する工程
を含む、未焼結シリコン粒子膜の製造方法。
〈6〉工程(c)において、上記焼成を500℃以上の温度で行う、上記〈5〉項に記載の方法。
〈7〉工程(c)において、上記焼成を800℃以下の温度で行う、上記〈5〉又は〈6〉項に記載の方法。
〈8〉互いに焼結されているシリコン粒子からなり、且つ炭素原子を実質的に含有していない、半導体シリコン膜。
〈9〉1,000℃を超える温度での熱処理を受けていない、上記〈8〉項に記載の半導体シリコン膜。
〈10〉上記〈8〉又は〈9〉項に記載の半導体シリコン膜を半導体膜として有する、半導体デバイス。
〈11〉太陽電池である、上記〈10〉項に記載の半導体デバイス。
〈12〉上記〈5〉〜〈7〉項のいずれか一項に記載の方法によって未焼結シリコン粒子膜を得る工程、
上記未焼結シリコン粒子膜に光を照射し又は熱を適用して、上記未焼結シリコン粒子膜中の上記シリコン粒子を焼結させ、それによって半導体シリコン膜を形成する工程
を含む、半導体シリコン膜の製造方法。
〈13〉上記〈1〉〜〈4〉項のいずれか一項に記載の上記未焼結シリコン粒子膜に光を照射し又は熱を適用して、上記未焼結シリコン粒子膜中の上記シリコン粒子を焼結させる工程を含む、半導体シリコン膜の製造方法。
〈14〉上記焼結を、レーザーを用いた光照射によって行なう、上記〈12〉又は〈13〉項に記載の方法。
〈15〉上記焼結を非酸化性雰囲気下で行なう、上記〈12〉〜〈14〉項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の効果】
【0015】
脱離性ガス含有率が低い本発明の未焼結シリコン粒子膜によれば、この未焼結シリコン粒子膜を光照射又は加熱によって焼結させることによって、良好な半導体特性を有する半導体シリコン膜を提供することができる。また、この未焼結シリコン粒子膜を光照射によって焼結させる場合には、比較的高い温度を用いずに、良好な半導体特性を有する半導体シリコン膜を提供することができる。
【0016】
炭素含有率が低い本発明の半導体シリコン膜によれば、良好な半導体特性を提供することができる。
【0017】
本発明の方法によれば、本発明の未焼結シリコン粒子膜及び半導体シリコン膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の未焼結シリコン粒子膜、及び本発明の半導体シリコン膜の製造方法を示す図である。
【図2】図2は、従来の半導体シリコン膜の製造方法を示す図である。
【図3】図3は、乾燥シリコン粒子膜についての昇温脱離ガス分析法(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)結果を示す図である。
【図4】図4は、実施例及び比較例で作成した太陽電池の構成を示す図である。
【図5】図5は、実施例で作成した太陽電池の電流−電圧(I−V)特性を示す図である。
【図6】図6は、比較例で作成した太陽電池の電流−電圧(I−V)特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
《本発明の未焼結シリコン粒子膜》
本発明の未焼結シリコン粒子膜は、互いに未焼結のシリコン粒子からなり、且つ不活性ガス雰囲気中において1気圧の圧力及び600℃の温度で加熱したときに脱離する脱離性ガスの量が、未焼結シリコン粒子膜の質量に基づいて、500質量ppm以下、300質量ppm以下、100ppm以下、又は50ppm以下である。ここで、このシリコン粒子膜が互いに未焼結のシリコン粒子からなっていることは、このシリコン粒子膜が、シリコン粒子を焼結させるような高温での処理、例えば1,000℃を超える温度、900℃を超える温度、又は800℃を超える温度での熱処理を受けていないこと、且つ/又はこのようなシリコン粒子膜を半導体膜として使用するためには焼結処理が必要であることを意味している。
【0020】
このような脱離性ガス含有率が低い本発明の未焼結シリコン粒子膜は、光照射又は加熱によってそのシリコン粒子を焼結させることによって、予想外に良好な特性を有する半導体シリコン膜を提供することができる。理論に限定されるものではないが、これは、焼結される未焼結シリコン粒子膜が、脱離性ガスを含有する場合には、この脱離性ガスに由来する不純物、例えば炭素原子が、焼結後の半導体シリコン膜において、半導体特性を妨げていたことによると考えられる。
【0021】
(脱離性ガス)
本発明の未焼結シリコン粒子膜に関して、「脱離性ガス」は、不活性ガス雰囲気中において1気圧の圧力及び600℃の温度で加熱したときに脱離するガス成分、したがって例えばシリコン粒子に脱離可能に物理吸着又は化学吸着しているガス成分を意味する。ここで、不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等を用いることができる。
【0022】
「脱離性ガス」としては具体的には、シラン化合物、有機溶媒、及びそれらの組合せからなる群より選択されるガス成分を挙げることができる。ここで、脱離性ガスとしてのシラン化合物は例えば、シリコン粒子、シリコン粒子と有機溶媒との反応生成物等に由来するものである。また、脱離性ガスとしての有機溶媒は例えば、未焼結シリコン粒子膜を液相法で形成する際に用いた分散媒に由来するものである。
【0023】
ここで、この脱離性ガスの量は例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)によって測定することができる。
【0024】
(膜厚)
本発明の乾燥シリコン粒子膜の厚さは例えば、50nm以上、100nm以上、又は200nm以上であって、2000nm以下、1000nm以下、500nm以下、又は300nm以下であってよい。具体的には、例えば電界効果トランジスタ(FET)を得る場合には、乾燥シリコン粒子膜の厚さが、50nm以上、100nm以上であって、500nm以下、300nm以下であるように、塗布を行うことができる。また、太陽電池を得る場合には、乾燥シリコン粒子膜の厚さが、100nm以上、200nm以上であって、2000nm以下、1000nm以下、500nm以下、又は300nm以下であるように、塗布を行うことができる。
【0025】
(平均一次粒子径)
また、シリコン粒子は好ましくは、平均一次粒子径が、100nm以下である。したがってシリコン粒子は例えば、1nm以上、又は5nm以上であって、100nm以下、50nm以下、又は30nm以下であってよい。平均一次粒子径が100nm以下であることは、光によるシリコン粒子の焼結を行うために好ましい。
【0026】
ここで、本発明においては、粒子の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)、透過型電子顕微鏡(TEM)等による観察によって、撮影した画像を元に直接粒子径を計測し、集合数100以上からなる粒子群を解析することで、数平均一次粒子径として求めることができる。
【0027】
(分散)
シリコン粒子の分散は、200nm以下、100nm以下、80nm以下、50nm以下、30nm以下、10nm以下、又は5nm以下であってよい。
【0028】
シリコン粒子の分散が大きすぎる場合、光によって焼結したときに、小さい粒子(すなわち体積に対して光を受ける表面積の割合が大きい粒子)が優先的に溶融し、それによって小さい粒子が大きい粒子の周囲に集まって焼結されると推測される。したがって、この場合、均一な膜を得ることが困難になる場合がある。
【0029】
なお、シリコン粒子の分散(σ2)は、個々の粒子の粒子径を、x1、x2、x3、…、xnとしたときに、下記の式によって求められる値である:
【数1】

【0030】
(シリコン粒子の製造方法)
本発明の未焼成シリコン粒子膜を構成するシリコン粒子は、本発明の目的及び効果を損なわない限り制限されるものではなく、例えば特許文献1で示されるようなシリコン粒子を用いることができる。具体的には、このシリコン粒子としては、レーザー熱分解法、特にCOレーザーを用いたレーザー熱分解法によって得られたシリコン粒子を挙げることができる。
【0031】
このシリコン粒子は、多結晶又は単結晶のコア、及びアモルファスの外側層からなるシリコン粒子であってよい。この場合には、多結晶又は単結晶のコアによる半導体特性と、アモルファスの外側層による焼結容易性との組合せを利用することができる。
【0032】
《未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法》
未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法は、下記の工程(a)〜(c)を含む:
(a)分散媒及び分散媒中に分散しているシリコン粒子を含有するシリコン粒子分散体を、基材上に塗布して、シリコン粒子分散体膜を形成する工程、
(b)シリコン粒子分散体膜を乾燥して、乾燥シリコン粒子膜を形成する工程、及び
(c)乾燥シリコン粒子膜を300℃以上900℃以下の温度で焼成することによって、未焼結シリコン粒子膜を形成する工程。
【0033】
具体的には例えば、未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法は、図1に示すようにして行うことができる。
【0034】
すなわち、本発明の方法の工程(a)では、図1(1)で示すように、分散媒(15)及びシリコン粒子(10)を含有するシリコン粒子分散体を、基材(100)上に塗布して、シリコン粒子分散体膜(110)を形成する。
【0035】
工程(b)では、図1(2)で示すように、シリコン粒子分散体膜(110)を乾燥して、乾燥シリコン粒子膜(120)を形成する。このような乾燥では通常、見た目には分散媒が残留していない場合であっても、乾燥シリコン粒子膜のシリコン粒子の表面には、分散媒等の脱離性ガス(15a)が吸着して残留している。
【0036】
工程(c)では、図1(3)で示すように、乾燥シリコン粒子膜を、分散媒の乾燥に必要な温度よりも高い温度で焼成して、すなわちシリコン粒子の表面に吸着して残留していた分散媒等の脱離性ガスを除去することによって、未焼結シリコン粒子膜(130)を形成する。
【0037】
なお、図1(4)で示すように、本発明の未焼結シリコン粒子膜(130)に、光(150)を照射してシリコン粒子(10)を焼結させること、又は本発明の未焼結シリコン粒子膜(130)を加熱してシリコン粒子(10)を焼結させることによって、本発明の半導体シリコン膜(140)を形成することができる。ここでは、焼結される未焼結シリコン粒子膜(130)の脱離性ガス含有率が小さいことによって、得られる本発明の半導体シリコン膜(140)では、脱離性ガス含有率に由来する不純物、特に炭素原子の含有率が低く、それによって優れた半導体特性を有することができる。
【0038】
ここで、光によってシリコン粒子を焼結させる従来の方法では、工程(c)のような焼成工程を用いていなかった。すなわち、従来の方法では、図2(1)で示すように、シリコン粒子分散体膜(110)を形成し、そして図2(2)で示すように、シリコン粒子分散体膜(110)を乾燥して乾燥シリコン粒子膜(120)を得た後で、図1(3)で示すような焼成工程を用いずに、図2(4)で示すように光(150)を照射してシリコン粒子(10)を焼結させること、又は加熱してシリコン粒子(10)を焼結させることによって、半導体シリコン膜(145)を形成していた。
【0039】
《未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法−各工程》
以下では、未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法の各工程について、詳細に説明する。
【0040】
《未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法−工程(a)》
本発明の方法の工程(a)では、分散媒及び分散媒中に分散しているシリコン粒子を含有するシリコン粒子分散体を、基材上に塗布して、シリコン粒子分散体膜を形成する。
【0041】
(分散媒)
シリコン粒子分散体の分散媒は、本発明の目的及び効果を損なわない限り制限されるものではなく、したがって例えば有機溶媒、特にシリコン粒子と反応しない有機溶媒を用いることができる。具体的にはこの分散媒は、非水系溶媒、例えばアルコール、アルカン、アルケン、アルキン、ケトン、エーテル、エステル、芳香族化合物、又は含窒素環化合物、特にイソプロピルアルコール(IPA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等であってよい。また、アルコールとしては、エチレングリコールのようなグリコール(2価アルコール)を用いることもできる。なお、分散媒は、シリコン粒子の酸化を抑制するために、脱水溶媒であることが好ましい。
【0042】
(シリコン粒子)
本発明の方法で使用できるシリコン粒子に関しては、本発明の未焼結シリコン粒子膜に関する記載を参照できる。
【0043】
(基材)
本発明の方法で用いられる基材は、本発明の目的及び効果を損なわない限り制限されるものではない。したがって例えば、基材としてはシリコン基材、ガラス基材、ポリマー基材を用いることができる。
【0044】
(塗布)
シリコン粒子分散体の塗布は、シリコン粒子分散体を所望の厚さ及び均一性で塗布できる方法であれば特に限定されず、例えばインクジェット法、スピンコーティング法等によって行うことができる。
【0045】
《未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法−工程(b)》
本発明の方法の工程(b)では、シリコン粒子分散体膜を乾燥して、乾燥シリコン粒子膜を形成する。
【0046】
この乾燥は、シリコン粒子分散体膜中の分散媒を蒸発させることができる方法であれば特に限定されず、例えばシリコン粒子分散体膜を有する基材を、ホットプレート上に配置して行うことができる。
【0047】
乾燥温度は例えば、シリコン粒子分散体膜中の分散媒を蒸発させるのに充分な温度として決定することができ、特に分散媒の沸点±30℃、分散媒の沸点±20℃、又は分散媒の沸点±10℃の範囲で行うことができる。また、この乾燥は、不活性雰囲気、特に窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等において行うことができる。
【0048】
なお、この乾燥は、工程(a)の塗布と一体の工程として行うことができ、例えば工程(a)の塗布をスピンコーティングによって行って、塗布と乾燥を同時に行うこともできる。すなわち、乾燥は、塗布と一体の工程としてのみ行い、塗布と別の工程として行わなくてもよい。また、この乾燥は、工程(c)の焼成と一体の工程として行うことができ、したがって工程(b)の乾燥と工程(c)の焼成とを続けて行うこともできる。
【0049】
《未焼結シリコン粒子膜を製造する本発明の方法−工程(c)》
本発明の方法の工程(c)では、乾燥シリコン粒子膜を300℃以上900℃以下の温度で焼成することによって、未焼結シリコン粒子膜を形成する。
【0050】
本発明の方法では、工程(c)において、シリコン粒子分散体膜の乾燥に必要とされる温度よりも高い温度で、乾燥シリコン粒子膜を焼成することによって、乾燥シリコン粒子膜のシリコン粒子の表面に吸着して残留している分散媒等の脱離性ガスの少なくとも一部、好ましくは実質的に全てを除去する。したがって、本発明の方法によれば、脱離性ガスの含有率が低い未焼結シリコン粒子膜、特に本発明の未焼結シリコン粒子膜を得ることができる。
【0051】
乾燥シリコン粒子膜を焼成する温度は、300℃以上、400℃以上、450℃以上、500℃以上、又は600℃以上であって、900℃以下、800℃以下、又は700℃以下であってよい。この焼成温度は、脱離性ガス除去の所望の程度、許容できる焼成温度等を考慮して決定することができる。また、この焼成は、不活性雰囲気、特に窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等において行うことができる。また、乾燥シリコン粒子膜を焼成する時間は、1秒以上、10秒以上、30秒以上、1分以上、5分以上、10分以上、20分以上、又は30分以上であって、3時間以下、2時間以下、又は1時間以下であってよい。また随意に、乾燥シリコン粒子膜の焼成は、減圧を伴って脱離性ガスの除去を促進してもよい。
【0052】
《本発明の半導体シリコン膜》
本発明の半導体シリコン膜は、互いに焼結されているシリコン粒子からなり、且つ炭素原子を実質的に含有していない。このような本発明の半導体シリコン膜は、炭素原子を実質的に含有していないことによって、優れた半導体特性を有することができる。
【0053】
本発明の半導体シリコン膜は1つの態様では、1,000℃を超える温度、900℃を超える温度、又は800℃を超える温度を超える温度での熱処理を受けていない。このような本発明の半導体シリコン膜は、比較的高温での焼結を行った従来の半導体シリコン膜と比較して、その基材及び他の周囲の層が熱による劣化を受けていない。
【0054】
本発明の半導体シリコン膜に関して、「炭素原子」は、特に、シリコン粒子を溶液法で適用する際に用いる分散媒に由来する炭素原子である。
【0055】
《半導体シリコン膜を製造する本発明の方法》
半導体シリコン膜を製造する本発明の方法は、1つの態様では、本発明の方法によって未焼結シリコン粒子膜を得る工程、及び未焼結シリコン粒子膜に光を照射し又は熱を適用して、未焼結シリコン粒子膜中のシリコン粒子を焼結させ、それによって半導体シリコン膜を形成する工程を含む。また、半導体シリコン膜を製造する本発明の方法は、他の態様では、本発明の未焼結シリコン粒子膜に光を照射し又は熱を適用して、未焼結シリコン粒子膜中のシリコン粒子を焼結させる工程を含む。
【0056】
(照射される光)
未焼結シリコン粒子膜に光を照射して、シリコン粒子を焼結させる場合、照射される光としては、未焼結シリコン粒子膜中のシリコン粒子の焼結を達成できれば任意の光を用いることができ、例えばレーザー光、特に波長600nm以下、500nm以下又は400nm以下であって、300nm以上のレーザーを用いて行なうことができる。また、シリコン粒子の焼結は、キセノンフラッシュランプのようなフラッシュランプを用いて行うこともできる。
【0057】
比較的短波長のパルス状の光(例えば波長355nmのYVOレーザー)を用いて照射を行う場合、パルス状の光の照射回数は例えば、1回以上、2回以上、5回以上、又は10回以上であって、100回以下、80回以下、又は50回以下にすることができる。また、この場合、パルス状の光の照射エネルギーは例えば、15mJ/(cm・shot)以上、50mJ/(cm・shot)以上、100mJ/(cm・shot)以上、150mJ/(cm・shot)以上、200mJ/(cm・shot)以上300mJ/(cm・shot)以上であって、1,000mJ/(cm・shot)以下、800mJ/(cm・shot)以下にすることができる。さらに、この場合、パルス状の光の照射時間は、例えば200ナノ秒/shot以下、100ナノ秒/shot以下、50ナノ秒/shot以下にすることができる。
【0058】
また、比較的長波長のパルス状の光(例えば波長532nmのグリーンレーザー)を用いて照射を行う場合、パルス状の光の照射回数は例えば、5回以上、10回以上、25回以上、又は50回以上であって、300回以下、200回以下、又は100回以下にすることができる。また、この場合、パルス状の光の照射エネルギーは例えば、100mJ/(cm・shot)以上、300mJ/(cm・shot)以上、500mJ/(cm・shot)以上、900mJ/(cm・shot)以上、又は1300mJ/(cm・shot)以上であって、3000mJ/(cm・shot)以下、2000mJ/(cm・shot)以下、又は1500mJ/(cm・shot)以下にすることができる。さらに、この場合、パルス状の光の照射時間は、例えば例えば50ナノ秒/shot以上、100ナノ秒/shot以上、又は150ナノ秒/shot以上であって、300ナノ秒/shot以下、200ナノ秒/shot以下、又は180ナノ秒/shot以下にすることができる。
【0059】
ここで、光の照射回数が少なすぎる場合には、所望の焼結を達成するために必要とされる1回のパルス当たりのエネルギーが大きくなり、したがって半導体シリコン膜が破損する恐れがある。また、1回のパルス当たりのエネルギーが小さすぎる場合には、必要とされる処理時間が過度に長くなる恐れがある。
【0060】
また、上記のようにパルス状の光の照射回数、照射エネルギー、及び照射時間を選択することは、基材材料の劣化を抑制しつつ、シリコン粒子の焼結を達成するために好ましいことがある。
【0061】
(適用される熱)
未焼結シリコン粒子膜に熱を適用してシリコン粒子を焼結させる場合、シリコン粒子の焼結を達成できる任意の温度を用いることができる。したがって例えば、シリコン粒子の焼結は、800℃超、900℃超、又は1,000℃超の温度で行うことができる。
【0062】
(焼結雰囲気)
シリコン粒子を焼結するための光照射又は加熱は、非酸化性雰囲気、例えば水素、希ガス、窒素、及びそれらの組合せからなる雰囲気において行うことが、シリコン粒子の酸化を防ぐために好ましい。ここで、希ガスとしては、特にアルゴン、ヘリウム、及びネオンを挙げることができる。なお、雰囲気が水素を含有することは、乾燥シリコン粒子膜のシリコン粒子の酸化を抑制するために好ましい。また、非酸化性雰囲気とするために、雰囲気の酸素含有率は、1体積%以下、0.5体積%以下、0.1体積%以下、又は0.01体積%以下とすることができる。
【0063】
《半導体デバイス》
本発明の半導体デバイスは、本発明の半導体シリコン膜を半導体膜として有する。本発明の半導体デバイスは例えば、電界効果トランジスタ、太陽電池等であってよい。
【0064】
本発明の半導体デバイスは、その製造方法は特に限定されないが、例えば本発明の方法によって得ることができ、各構成要素の詳細については、半導体デバイスを製造する本発明の方法に関する記載を参照できる。
【0065】
《半導体デバイスの製造方法》
半導体デバイス、例えば電界効果トランジスタ(FET)又は太陽電池を製造する本発明の方法は、本発明の方法によって半導体シリコン膜を作る工程を含む。例えば、電界効果トランジスタを製造する本発明の方法は更に、ゲート絶縁体を製造する工程、ソース及びドレイン電極を製造する工程等を含むことができる。また例えば、太陽電池を製造する本発明の方法は、本発明の方法によってN型及びP型半導体の少なくとも一方を製造する工程、集電電極を形成する工程等を含むことができる。
【実施例】
【0066】
〈実施例1〉
(シリコン粒子分散体の調製)
リン(P)ドープシリコン粒子を、SiHガス及びPHガスを原料として、COレーザーを用いたレーザー熱分解(LP:Laser Pyrolysis)法により作製した。得られたリンドープシリコン粒子は、平均一次粒子径が約7nm、最小粒子径4nm、粒径分布の分散が3nm、ドーピンク濃度が1×1021原子/cmであった。このリンドープシリコン粒子を、イソプロピルアルコール(IPA)(沸点:約82℃)中に超音波分散させて、固形分濃度2wt%のリンドープシリコン粒子分散体を得た。
【0067】
なお、シリコン粒子の平均一次粒子径は、TEM観察を行い、10万倍の倍率により画像解析を行うことで行った。500以上の粒子の粒子径に基づいて、シリコン粒子分散体の平均一次粒子径、及び分散を算出した。
【0068】
(基材の準備)
ホウ素(B)ドープシリコン基材(厚さ280μm、比抵抗5Ωcm以下)を、アセトン及びイソプロピルアルコール中で各5分間ずつ超音波洗浄し、5%フッ化水素水溶液中で10分間にわたって酸化膜除去し、そして洗浄液(Frontier Cleaner、関東化学製)でパーティクル除去を行い、清浄化された基材を準備した。
【0069】
(塗布)
リンドープシリコン粒子分散体を基材上に数滴滴下し、500rpmで5秒間にわたって、そして4000rpmで10秒間にわたって、スピンコートすることにより、基材にシリコン粒子分散体を塗布した。
【0070】
(乾燥)
リンドープシリコン粒子分散体が塗布された基材を、70℃のホットプレート上で乾燥させることによって、シリコン粒子分散体中の分散媒であるイソプロピルアルコールを除去し、それによってシリコン粒子を含む乾燥シリコン粒子膜(膜厚200nm)を形成した。
【0071】
(乾燥シリコン薄膜の焼成)
乾燥シリコン薄膜を、アルゴン雰囲気下、1気圧及び600℃で1時間熱処理して、脱離性ガスを除去することによって、未焼結シリコン薄膜を形成した。
【0072】
(光照射)
次に、この未焼結シリコン粒子膜に対して、レーザー光照射装置(Quantronix社製、商品名Osprey 355−2−0)を用いて、アルゴン雰囲気でYVOレーザー(波長355nm)を照射し、未焼結シリコン粒子膜中のシリコン粒子を焼結して、半導体シリコン膜を得た。
【0073】
ここで、照射したYVOレーザーは、断面が直径73μmの円形であり、それを基材上で走査させることにより、シリコン粒子を焼結した。レーザー光照射条件は、照射エネルギー500mJ/(cm・shot)、ショット数20回、及び照射時間30ナノ秒/ショットとした。
【0074】
(評価1−脱離ガス分析)
乾燥シリコン粒子薄膜、すなわち熱処理によって脱離性ガスを除去する前のシリコン粒子膜について、昇温脱離ガス分析(TDS:Thermal Desorption Spectroscopy)にて分析した。具体的には、乾燥シリコン粒子薄膜を、不活性ガス(ヘリウムガス)雰囲気下において、50℃から800℃まで、10℃/minで昇温させ、脱離ガスをGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析)で分析した。ここで、分析の際の圧力は1気圧にした。
【0075】
脱離ガスの定量は、検量線を作成して算出した。なお、ケイ素化合物については、オクタメチルソクロテトラシロキサンで検量線を作成し、他については、トルエンで検量線(標準曲線)を作成した。
【0076】
この昇温脱離ガス分析の結果を図3に示す。この図3からは、約500℃程度までの温度では、脱離ガスが観察されるが、それよりも高い温度では、脱離ガスが実質的に観察されないことを示している。なお、図3において、520℃を超える温度において、測定値が0でなく、約5×10で一定になっているのは、バックグランド値の影響であり、これは、サンプルからの脱離ガスが実質的に観察されないことを示している。
【0077】
また、昇温脱離ガス分析によって脱離したガスを大まかに脱離温度毎に分類すると下記の表1で示す結果になった。
【0078】
【表1】

【0079】
この表1からは、溶媒であるイソプロピルアルコールに由来する脱離性ガスが、約250℃〜約470℃の温度範囲で脱離していることが理解される。なお、表1における「発生量」は、シリコン粒子膜の質量に対する脱離性ガスの質量比である。
【0080】
なお、使用した熱分解炉は、PY−2020iD型 ダブルショットパイロライザー(フロンティア・ラボ)であり、また使用したGC−MS(ガスクロマトグラフ−質量分析)装置は、HP5973(アジレント・テクノロジーズ社)であった。
【0081】
(評価2−太陽電池性能)
光照射を行って作製された半導体シリコン膜に対して、スパッタリング装置を用いて、透明電極としての酸化インジウム−亜鉛(IZO)薄膜(200nm)を形成し、基材側に対して、蒸着装置を用いて銀(Ag)薄膜(200nm)を形成して、図4に示す太陽電池を作製した。
【0082】
ここでは、図4に示すように、この太陽電池(200)では、ホウ素(B)ドープシリコン基材(210)上に、リン(P)ドープされた半導体シリコン膜(220)が積層されている。また、この太陽電池(200)では、リン(P)ドープされた半導体シリコン膜(220)側に、透明電極としての酸化インジウム−亜鉛(IZO)薄膜(232)が積層されており、ホウ素(B)ドープシリコン基材(210)上に、電極としての銀(Ag)薄膜(234)が積層されている。
【0083】
作製された太陽電池の電流−電圧(I−V)特性評価を、ソーラーシミュレータ(朝日分光製、HAL−320)を用いて行った。電極間に−100〜500mVの可変電圧を印加して、電極間に流れる電流の変化を調べた。この太陽電池の電流−電圧(I−V)特性評価の結果を、表2及び図5に示す。
【0084】
〈比較例〉
未焼結シリコン薄膜の熱処理を行わない以外は実施例と同様にして、太陽電池を作製した。この太陽電池のI−V特性評価の結果を、表2及び図6に示す。
【0085】
【表2】

【0086】
実施例の太陽電池と比較例の太陽電池とを比較すると、実施例の太陽電池は太陽電池として明らかに優れた特性を有していた。
【符号の説明】
【0087】
10 シリコン粒子
15 分散媒
15a 脱離性ガス
100 基材
110 シリコン粒子分散体膜
120 乾燥シリコン粒子膜
130 未焼結シリコン粒子膜
140 本発明の半導体シリコン膜
145 半導体シリコン膜
150 光200 太陽電池
210 ホウ素(B)ドープシリコン基材
220 リン(P)ドープ半導体シリコン膜
232 酸化インジウム−亜鉛(IZO)薄膜(透明電極)
234 銀(Ag)薄膜(電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに未焼結のシリコン粒子からなり、且つ不活性ガス雰囲気中において1気圧の圧力及び600℃の温度で加熱したときに脱離する脱離性ガスの量が、未焼結シリコン粒子膜の質量に基づいて、500質量ppm以下である、未焼結シリコン粒子膜。
【請求項2】
前記脱離性ガスが、シラン化合物、有機溶媒、及びそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の未焼結シリコン粒子膜。
【請求項3】
50〜2000nmの厚さを有する、請求項1又は2に記載の未焼結シリコン粒子膜。
【請求項4】
前記シリコン粒子が、レーザー熱分解法によって得られたシリコン粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の未焼結シリコン粒子膜。
【請求項5】
(a)分散媒及び前記分散媒中に分散しているシリコン粒子を含有するシリコン粒子分散体を、基材上に塗布して、シリコン粒子分散体膜を形成する工程、
(b)前記シリコン粒子分散体膜を乾燥して、乾燥シリコン粒子膜を形成する工程、及び
(c)前記乾燥シリコン粒子膜を300℃以上900℃以下の温度で焼成することによって、未焼結シリコン粒子膜を形成する工程
を含む、未焼結シリコン粒子膜の製造方法。
【請求項6】
工程(c)において、前記焼成を500℃以上の温度で行う、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程(c)において、前記焼成を800℃以下の温度で行う、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
互いに焼結されているシリコン粒子からなり、且つ炭素原子を実質的に含有していない、半導体シリコン膜。
【請求項9】
1,000℃を超える温度での熱処理を受けていない、請求項8に記載の半導体シリコン膜。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の半導体シリコン膜を半導体膜として有する、半導体デバイス。
【請求項11】
太陽電池である、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法によって未焼結シリコン粒子膜を得る工程、
前記未焼結シリコン粒子膜に光を照射し又は熱を適用して、前記未焼結シリコン粒子膜中の前記シリコン粒子を焼結させ、それによって半導体シリコン膜を形成する工程
を含む、半導体シリコン膜の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記未焼結シリコン粒子膜に光を照射し又は熱を適用して、前記未焼結シリコン粒子膜中の前記シリコン粒子を焼結させる工程を含む、半導体シリコン膜の製造方法。
【請求項14】
前記焼結を、レーザーを用いた光照射によって行なう、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記焼結を非酸化性雰囲気下で行なう、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−248702(P2012−248702A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119599(P2011−119599)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000003001)帝人株式会社 (1,209)
【Fターム(参考)】