説明

架橋されたポリマーを調製する方法

本発明は、
(a)0.37より多い炭素−炭素二重結合の全量/1000炭素原子を有する不飽和ポリオレフィンと架橋剤との架橋性ブレンドの調製において、該ブレンド段階が該不飽和ポリオレフィンの押出の前および/またはその間に実施され、かつ該架橋剤が該不飽和ポリオレフィンと接触するときに液体状態にある、上記調製をする段階、
(b)該ブレンドを押出機で押出す段階、
(c)該押出されたブレンドを基体上に施与する段階、および
(d)該押出されたブレンドを架橋条件下に処理する段階
を含む、架橋されたポリマー組成物を調製する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋されたポリマー組成物および該架橋されたポリマーを含んでいる積層物品、特に電力ケーブルを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンのようなポリオレフィンを包含する多くのポリマーは、特定の架橋技術を使用して架橋されることができる。該方法は、ポリマー鎖間に化学結合を本質的に形成し、それによって高分子量の稠密なポリマー網状組織をもたらす。得られたポリマーは、熱的または機械的応力を受けると、より低度に易動性になり、それによって熱変形、クリープおよび耐摩耗性または耐環境応力亀裂性のような特性が改良される。該ポリマーが同種の架橋されていないポリマーよりも高い実用温度で使用されることが、架橋によって可能になる。
【0003】
架橋は、ポリマー科学において周知の変性方法であり、たとえば過酸化物のような特定の架橋剤によってまたは照射によって達成されることができる。ポリエチレンのようなポリオレフィンの架橋は、多くの用途、たとえば押出(たとえば、管、ケーブル絶縁物質またはケーブル外被の押出)、ブロー成形、または回転成形と密接に関連している。特に、ケーブルの技術においては、高温度におけるケーブルの耐変形性が改良されるので、架橋は特別に関心を持たれている。
【0004】
特許文献1に、架橋構造物を製造するためにポリエチレン組成物を使用する方法が開示されている。
【0005】
電力ケーブルの調製方法では、架橋性ポリオレフィンが、押出によって電力ケーブル上にコーティング層として施与される。このような押出方法では、金属性導体は一般に、まず半導電層によって、引き続いて絶縁層およびもう一つの半導電層によって被覆される。これらの層は普通、架橋されており、普通には架橋されたエチレンホモポリマーおよび/またはエチレンコポリマーから造られている。
【0006】
過酸化物のようなフリーラジカル発生剤をポリマーに添加することによって、ポリオレフィンの架橋は達成されることができる。該ポリマーが押出に付されるようであれば、そのブレンド段階は、押出機中においてか、あるいは押出前に実施されることができる。しかし、これら両方の場合とも、ポリマーと架橋剤との均一な混合物を造ることが必要である。ポリマー内における過酸化物のような架橋剤の不均一な分布は、架橋方法に、したがって結果として最終架橋物質に有害な影響を及ぼす。
【0007】
さらに、短時間内の混合によって均一性を達成することが望まれる。というのは、ブレンド時間を短くすると、押出プロセスの処理速度が増加するからである。しかし、たとえば押出機に過酸化物を直接、供給することによって、押出機中において十分な混合時間を与えることなくブレンドが実施されるならば、有意の量の過酸化物がポリマー中へと拡散しないで、ポリマー溶融物を潤滑してしまうだろう。その結果、押出機内のせん断が低減され、これは該溶融物の均一性に有害な影響を及ぼす。ポリマーに添加される過酸化物の量が多過ぎても、同じ問題が生じる。
【0008】
過酸化物の量が下げられれば、十分な均一性がより容易に達成されることができるであろう。さらに、過酸化物の量が下げられれば、同じ均一度がより短い時間内に達成されるから、押出の処理速度は増加するであろう。しかし、他方において、ポリマー溶融物がそれでもなお十分に架橋されていて、適切な熱的および機械的特性をもたらすことができることが確保されなければならない。
【特許文献1】国際公開第93/08222号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の問題を考慮し、架橋剤の量を下げてもポリマー組成物が架橋されることができ、かつブレンドが改良されるが、それでもなお高架橋効率をもたらす方法を提供することが、本発明の目的である。さらに、この方法は架橋されたポリマーを高い製造速度で調製するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(a)0.37より多い炭素−炭素二重結合の全量/1000炭素原子を有する不飽和ポリオレフィンと架橋剤との架橋性ブレンドの調製において、該ブレンド段階が該不飽和ポリオレフィンの押出の前および/またはその間に実施され、かつ該架橋剤が該不飽和ポリオレフィンと接触するときに液体状態にある、上記調製をする段階、
(b)該ブレンドを押出機で押出す段階、
(c)該押出されたブレンドを基体上に施与する段階、および
(d)該押出されたブレンドを架橋条件下に処理する段階
を含む、架橋されたポリマー組成物を調製するための本発明の方法によって、上記の目的は解決される。
【0011】
本発明の文脈において、「炭素−炭素二重結合の全量」の語句は、ビニル基、ビニリデン基およびトランスビニレン基から生じる二重結合を言う。二重結合の各タイプの量は、実験の部に示されたように測定される。
【発明の効果】
【0012】
ポリオレフィン成分の中に本発明に従う炭素−炭素二重結合の全量を含ませると、改良された架橋特性を達成することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
好まれる実施態様では、炭素−炭素二重結合の全量は、少なくとも0.40/1000C原子である。別の好まれる実施態様では、炭素−炭素二重結合の全量は、少なくとも0.45、少なくとも0.50、少なくとも0.55、少なくとも0.60、少なくとも0.65、少なくとも0.70、少なくとも0.75または少なくとも0.80/1000C原子である。
【0014】
ビニル基の全量は、好ましくは0.11/1000炭素原子より多い。別の好まれる実施態様では、これは少なくとも0.15、少なくとも0.20、少なくとも0.25、少なくとも0.30、少なくとも0.35、少なくとも0.40、少なくとも0.45、少なくとも0.50、少なくとも0.55、少なくとも0.60、少なくとも0.65、少なくとも0.70、少なくとも0.75、または少なくとも0.80ビニル基/1000炭素原子である。もちろん、ビニル基は炭素−炭素二重結合の特定のタイプであるので、所定の不飽和ポリオレフィンについてのビニル基の全量は、その二重結合の全量を超えない。
【0015】
二つのタイプのビニル基が識別されることができる。一つのタイプのビニル基は、重合プロセスによって(たとえば、二級ラジカルのβ開裂によって)生成され、またはビニル基を導入する連鎖移動剤の使用から得られる。もう一つのタイプのビニル基は、不飽和ポリオレフィンの調製のために使用される多不飽和コモノマーから生じることができ、後でより極めて詳細に説明される。
【0016】
好ましくは、多不飽和コモノマーから生じるビニル基の量は、少なくとも0.03/1000炭素原子である。別の好まれる実施態様では、多不飽和コモノマーから生じるビニル基の量は、0.06、少なくとも0.09、少なくとも0.12、少なくとも0.15、少なくとも0.18、少なくとも0.21、少なくとも0.25、少なくとも0.30、少なくとも0.35または少なくとも0.40/1000炭素原子である。
【0017】
多不飽和コモノマーから生じるビニル基に加えて、ビニル基の全量はさらに、プロピレンのようなビニル基を導入する連鎖移動剤から生じるビニル基を含んでいてもよい。
【0018】
本発明の好まれる不飽和ポリオレフィンは、0.860、0.880、0.900、0.910、0.915、0.917、または0.920g/cmより高い密度を有することができる。
【0019】
該ポリオレフィンは、単峰性または多峰性、たとえば双峰性であることができる。
【0020】
好ましくは、該不飽和ポリオレフィンは0.1〜30g/10分、より好ましくは0.3〜20g/10分、さらにより好ましくは0.5〜10g/10分、最も好ましくは0.5〜6g/10分のメルトフローレートMFR2.16/190℃を有する。メルトフローレートがこれらの範囲内の値に調整されると、不飽和ポリオレフィンと架橋剤とのブレンドが改良される。さらに、その後の押出が改良されて、高められた架橋性能と組み合わされて、本発明のプロセス全体を通して、より高い生産性をもたらす。
【0021】
本発明においては、不飽和ポリオレフィンは好ましくは、不飽和ポリエチレンまたは不飽和ポリプロピレンである。最も好ましくは、不飽和ポリオレフィンは不飽和ポリエチレンである。低密度の不飽和ポリエチレンが好まれる。好まれる実施態様では、不飽和ポリエチレンは、エチレンモノマー単位を少なくとも60重量%有する。別の好まれる実施態様では、不飽和ポリエチレンは、エチレンモノマー単位を少なくとも70重量%、少なくとも80重量%または少なくとも90重量%有する。
【0022】
好ましくは、少なくとも1のオレフィンモノマーと少なくとも1の多不飽和コモノマーとを共重合することによって、不飽和ポリオレフィンは調製される。好まれる実施態様では、該多不飽和コモノマーは、少なくとも8の炭素原子および非共役二重結合間に少なくとも4の炭素原子を有する炭素直鎖からなり、該非共役二重結合のうち少なくとも1は末端にある。
【0023】
エチレンおよびプロピレンが、好まれるオレフィンモノマーである。最も好ましくは、エチレンがオレフィンモノマーとして使用される。コモノマーとしては、ジエンコモノマー、たとえば1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、またはこれらの混合物が好まれる。さらに、7−メチル−1,6−オクタジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、またはこれらの混合物のようなジエンが挙げられることができる。
【0024】
以下の式
CH=CH−[Si(CH−O]−Si(CH−CH=CH(ここで、n=1以上である。)
を有するシロキサンが、多不飽和コモノマーとして使用されることもできる。例として、ジビニルシロキサン、たとえばα,ω−ジビニルシロキサンが挙げられることができる。
【0025】
多不飽和コモノマーに加えて、さらなるコモノマーが任意的に使用されることができる。C〜C20アルファオレフィン、たとえばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−ノネン、極性コモノマー、たとえばアクリレート、メタクリレートまたはアセテートから、このようなコモノマーは選択される。
【0026】
例として、架橋性ブレンドは、1以上の極性コモノマー単位の少量、たとえば不飽和ポリオレフィングラム当たり極性コモノマー単位を1〜100マイクロモル、2〜80マイクロモルおよび5〜60マイクロモル有してもよい。
【0027】
任意の慣用の重合プロセスによって、不飽和ポリオレフィンは製造されることができる。好ましくは、これはラジカル重合、たとえば高圧ラジカル重合によって製造される。高圧重合は、管状反応器またはオートクレーブ反応器中で達成されることができる。好ましくは、これは管状反応器である。高圧ラジカル重合についてのさらなる詳細は、特許文献1に示され、その内容は引用によって本明細書に取り込まれる。しかし、配位重合のような他のタイプの重合プロセスによって、たとえば任意のタイプの担持および非担持重合触媒を使用する低圧プロセスで、不飽和ポリオレフィンは調製されることもできる。該重合触媒の例として、デュアルサイト(dual site)およびシングルサイト(single site)を包含するマルチサイト(multi−site)の触媒系、たとえばチーグラー・ナッタ、クロム、遷移金属化合物のメタロセン、後周期遷移金属化合物の非メタロセンがあり、当該遷移金属化合物および後周期遷移金属化合物は、周期表(IUPAC 1989年)の第3〜10族に属する。配位重合プロセスおよび上述の触媒は、当該分野において周知であり、商業的に入手できまたは公知の文献に従って製造されることができる。
【0028】
本発明に従うと、不飽和ポリオレフィンは架橋剤とブレンドされる。
【0029】
本発明の文脈では、ラジカル開始重合を開始することができるラジカルを発生する能力がある任意の化合物であると、架橋剤は定義される。好ましくは、少なくとも1の−O−O−結合または少なくとも1の−N=N−結合を、架橋剤は有する。より好ましくは、架橋剤は過酸化物である。
【0030】
架橋剤、たとえば過酸化物は、架橋性ブレンドの重量当たり好ましくは0.1〜3.0重量%、より好ましくは0.15〜2.6重量%、最も好ましくは0.2〜2.2重量%の量で添加される。
【0031】
架橋に使用される過酸化物として、以下の化合物、すなわち過酸化ジ−t−アミル、2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、過酸化t−ブチルクミル、過酸化ジ(t−ブチル)、過酸化ジクミル、ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシベンゾエート、過酸化ジベンゾイルが挙げられることができる。
【0032】
好ましくは、2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、過酸化ジクミル、過酸化t−ブチルクミル、過酸化ジ(t−ブチル)、またはこれらの混合物から、過酸化物は選択される。最も好ましくは、過酸化物は過酸化ジクミルである。
【0033】
本発明に従うと、不飽和ポリオレフィンの押出の前および/またはその間に、該ポリオレフィンと架橋剤との架橋性ブレンドは調製される。さらに、架橋剤が不飽和ポリオレフィンと接触するときに、該架橋剤は液体状態にある。本発明の文脈では、架橋剤の融点またはガラス転移点より上の温度まで加熱されたときに、該架橋剤は液体状態にある。さらに、本発明の文脈では、少なくとも1の液状添加剤中に溶解され、または少なくとも1の添加剤と混合されてその得られた混合物が液体状態中にあるときに、該架橋剤は液体状態にある。必要ならば、熱処理によって該混合物は液体状態にされる。
【0034】
好まれる実施態様では、架橋剤は押出前の不飽和ポリオレフィンとブレンドされる。ブレンド段階はブレンド容器中で実施され、そこから該ブレンドは押出機へ供給されることができる。
【0035】
ブレンド速度およびブレンドの均一性を改良するために、不飽和ポリオレフィンは好ましくは予熱される。該ポリオレフィンは、予熱されても溶融しないことが好まれる。好ましくは、該ポリオレフィンは70℃、より好ましくは80℃の温度まで予熱される。さらに、ペレットまたは粉体の形態をした不飽和ポリオレフィンを用意することが好まれる。
【0036】
室温で固形である架橋剤が使用されるならば、該架橋剤はその融点より上まで加熱され、該溶融物が不飽和ポリオレフィンに添加される。
【0037】
好ましくは、機械的混合によってブレンドの均一性はさらに改良される。任意の慣用の混合機が使用されることができる。
【0038】
別の好まれる実施態様では、不飽和ポリオレフィンの押出の間に、ブレンド段階は実施される。この好まれる実施態様では、該ポリオレフィンの溶融物が既に押出機中に用意されており、架橋剤が押出機中へと、たとえばホッパーを経由してまたは射出によって、直接、供給される。室温で固形である架橋剤が使用されるならば、押出機中へ供給される前に、該架橋剤は好ましくはその融点より上まで加熱される。
【0039】
本発明のブレンド段階(a)では、不飽和ポリオレフィンと接触するときに好ましくは液体状態にあるさらなる添加剤が、任意的に添加されることができる。可能な添加剤として、酸化防止剤、スコーチ(焼け)防止剤、架橋助剤、安定剤、加工助剤、難燃添加剤、酸捕捉剤、無機フィラー、電圧安定剤、またはこれらの混合物が挙げられることができる。
【0040】
本発明の文脈では、添加剤は、その融点またはガラス転移点より上まで加熱されたときに液体状態にある。さらに、液状の添加剤および/若しくは架橋剤中に溶解され、または少なくとも1の添加剤および/若しくは架橋剤と混合されてその得られた混合物が液体状態にあるときに、該添加剤は液体状態にある。必要ならば、液体状態に達するまで、該混合物は加熱される。
【0041】
「スコーチ防止剤」は、ポリマー組成物を押出す際に、当該スコーチ防止化合物なしに押出された同じポリマー組成物と比較して、スコーチの生成を低減する化合物であると定義される。スコーチを防止する特性に加えて、スコーチ防止剤は同時に架橋性能を促進する、すなわち高めるようなさらなる効用をもたらす。
【0042】
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、置換若しくは非置換ジフェニルエチレン、キノン誘導体、ハイドロキノン誘導体、単官能性ビニル含有エステルおよびエーテル、またはこれらの混合物から、有用なスコーチ防止剤は選択されることができる。より好ましくは、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、置換若しくは非置換ジフェニルエチレン、またはこれらの混合物から、スコーチ防止剤は選択される。最も好ましくは、スコーチ防止剤は2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンである。
【0043】
好ましくは、スコーチ防止剤の量は、架橋性ブレンドの重量当たり0.005〜1.0重量%の範囲内、より好ましくは0.01〜0.8重量%の範囲内にある。さらに好まれる範囲は、架橋性ブレンドの重量当たり0.03〜0.75重量%、0.05〜0.70重量%および0.07〜0.50重量%である。
【0044】
典型的な架橋助剤は、アリル基を有する化合物、たとえばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、およびジ、トリ、またはテトラアクリレートを包含することができる。
【0045】
酸化防止剤として、ヒンダードまたはセミヒンダードフェノール、芳香族アミン、脂肪族ヒンダードアミン、有機ホスフェート、チオ化合物、およびこれらの混合物が挙げられることができる。
【0046】
酸化防止剤が、任意的には2以上の酸化防止剤の混合物が使用されるならば、添加される量は、不飽和ポリオレフィンの重量当たり0.005〜2.5重量%の範囲であることができる。不飽和ポリオレフィンが不飽和ポリエチレンであるならば、(1または複数の)酸化防止剤は好ましくは、該不飽和ポリエチレンの重量当たり0.005〜0.80重量%、より好ましくは0.01〜0.60重量%、さらにより好ましくは0.05〜0.50重量%の量で添加される。不飽和ポリオレフィンが不飽和ポリプロピレンであるならば、(1または複数の)酸化防止剤は好ましくは、該不飽和ポリプロピレンの重量当たり0.005〜2重量%、より好ましくは0.01〜1.5重量%、さらにより好ましくは0.05〜1重量%の量で添加される。
【0047】
さらなる添加剤は0.005〜3重量%、より好ましくは0.005〜2重量%の量で存在することができる。難燃添加剤および無機フィラーは、これより多い量で添加されることができる。
【0048】
押出の前および/またはその間に、添加剤は添加されることができる。さらに、同時にまたは様々な順番で、添加剤は添加されることができる。例として、該不飽和ポリオレフィンは、架橋剤とのブレンドが実施される前に、少なくとも1の添加剤、たとえば1以上の酸化防止剤とブレンドされることができる。あるいは、架橋剤および少なくとも1の添加剤は、不飽和ポリオレフィンとともに同時にブレンドされる。上述のように、架橋剤が1以上の添加剤とブレンドされるときは、得られた混合物は液体状態になければならない。必要により、該混合物は加熱されて液体状態にされる。その後、該液状混合物は不飽和ポリオレフィンとブレンドされる。好まれるブレンド段階についてのさらなる詳細が以下に示される。
【0049】
好まれる実施態様に従うと、不飽和ポリオレフィンは1以上の酸化防止剤と、ひょっとしたらさらなる添加剤と一緒に、固形のペレットまたは粉体の状態で混合されるか、あるいは溶融混合によって混合され、引き続いて該溶融物からペレットが形成される。その後、架橋剤、好ましくは過酸化物が第二段階で、任意的にスコーチ防止剤と一緒に該ペレットまたは粉体に添加される。既に上述のように、架橋剤が少なくとも1の添加剤と一緒に添加されるならば、これらは好ましくは互いに溶解され、液状混合物をもたらす。あるいは、スコーチ防止剤が添加されるならば、これは既に第一段階で、(1または複数の)酸化防止剤とともに添加されることができた。最終ペレットは押出機に供給される。
【0050】
別の好まれる実施態様に従うと、2段階プロセスの代わりに、好ましくはペレット若しくは粉体の形態をした不飽和ポリオレフィン、任意的にスコーチ防止剤と一緒にされた架橋剤、1以上の酸化防止剤および/またはさらなる添加剤が、単軸または二軸のコンパウンドの押出機に加えられる。好ましくは、コンパウンド押出機は注意深い温度制御の下に稼動される。
【0051】
別の好まれる実施態様に従うと、任意的にスコーチ防止剤と一緒にされた架橋剤、(1または複数の)酸化防止剤および/またはさらなる添加剤が、不飽和ポリオレフィンから造られたペレットまたは粉体上に添加される。
【0052】
別の好まれる実施態様に従うと、不飽和ポリオレフィンから造られたペレットが、任意的にさらに(1または複数の)酸化防止剤およびさらなる添加剤を含有して、第一段階で、たとえば溶融混合によって調製される。これらのペレットは、次にケーブルの押出機中に供給される。その後、架橋剤が、任意的にスコーチ防止剤と一緒にホッパーへ供給されるか、あるいはケーブル押出機中に直接、供給される。
【0053】
別の好まれる実施態様に従うと、不飽和ポリオレフィンから何らの追加の成分も含まないで造られたペレットが、該押出機に供給される。その後、任意的に(1または複数の)酸化防止剤と一緒にされた架橋剤、スコーチ防止剤および/またはさらなる添加剤が、ホッパーへ供給されるか、あるいはケーブル押出機内のポリマー状溶融物中に直接、供給される。
【0054】
別の好まれる実施態様に従うと、非常に高濃度のマスターバッチが調製される。該マスターバッチは1以上の酸化防止剤、スコーチ防止剤および架橋剤を含んでいることができる。このマスターバッチは次に不飽和ポリオレフィンに添加され、混合される。あるいは、これらの成分のうち2のみが出発マスターバッチ中に存在し、他方、第三の成分(すなわち、(1または複数の)酸化防止剤、架橋剤、またはスコーチ防止剤のいずれか)が別途に液体の形態で添加される。
【0055】
架橋性ブレンドの均一性は、得られる架橋された物質の特性を改良することができるので、均一な混合物が得られるまで、不飽和ポリオレフィンと架橋剤とのブレンドを続けることが好まれる。本発明の文脈内で、「均一な混合物」とは、不飽和ポリオレフィンおよび架橋剤が分離された相を形成しないで、全ての架橋剤がポリマー状物質内に存在することを意味する。
【0056】
本発明の不飽和ポリオレフィンは架橋剤の量を下げる能力があり、かつ液状架橋剤を任意的にさらなる液状添加剤と一緒に添加することによってブレンドが促進されるので、架橋効率および架橋度に有害な影響を及ぼすことなく、ブレンド時間が有意に短縮されることができる。
【0057】
本発明に従うと、ブレンド段階(a)で得られた架橋性ブレンドは押出機で押出される。該押出段階のためには、任意の慣用の押出機、たとえば単軸押出機および二軸押出機が選択されることができる。好ましくは、押出速度を最適化するが、スコーチをできるだけ少なく抑え、それでいて十分な均一化を達成するように、押出機内の温度プロフィールは選択される。
【0058】
本発明に従うと、押出されたブレンドは基体上に施与される。
【0059】
好ましくは、電力ケーブルの金属性導体および/またはその少なくとも1のコーティング層、たとえば半導電層または絶縁層上へと、ブレンドは押出される。本発明の文脈では、電力ケーブルは、任意の電圧で作用するエネルギーを移送するケーブルであると定義される。電力ケーブルにかけられる電圧は、交流(AC)、直流(DC)、または過渡(インパルス)であることができる。好まれる実施態様では、該多層物品は1kVより高い電圧で使用される電力ケーブルである。別の好まれる実施態様では、本発明に従って調製された電力ケーブルは、6kVより高い、10kVより高い、33kVより高い、または66kVより高い電圧で使用される。
【0060】
本発明に従うと、押出されたブレンドは架橋条件下に処理され、これは加硫としても知られている。
【0061】
高温度における、たとえば少なくとも160℃の温度における処理によって、架橋は達成されることができる。過酸化物が使用されるときは一般に、対応する過酸化物の分解温度まで温度を上げることによって、架橋は開始される。
【0062】
不飽和ポリオレフィン内に0.37より多い炭素−炭素二重結合の全量/1000炭素原子が存在する故に、より低い架橋温度が使用されることができ、それによって十分に高い架橋レベルがそれでもなお到達される。温度に敏感な物質が使用される場合には、より低い架橋温度は有益である。
【0063】
同じ理由により、同じ架橋度を達成するのに必要な架橋剤の量が、下げられることができる。さらに、ポリオレフィン/架橋剤のブレンドの均一性が改良されており、この理由から分解生成物も、架橋されるポリマーマトリックス全体により均一に分布される。その結果、架橋の際に生成される副生成物の量が低減されることができ、該副生成物はより穏やかな脱ガス条件下に除去されることができる。
【0064】
好ましくは、架橋された組成物が175%以下の、IEC 60811−2−1に従って測定された、200℃におけるホットセットの伸び値を示すまで、架橋条件は維持される。この方法は「ホットセット」とも呼ばれ、架橋度を表す。より小さいホットセット値はより小さい熱変形、したがってより大きい架橋度を意味する。より好ましくは、ホットセット伸び値は120%以下、さらにより好ましくは100%以下、最も好ましくは90%以下である。
【0065】
さらに、本発明の架橋された組成物が好ましくは15%より小さい、さらにより好ましくは10%より小さい永久歪を示すまで、架橋条件は維持される。実験の部で「(c)ホットセット測定」の下に説明されるように、永久歪は測定される。
【0066】
本発明は、これから以下の実施例によってさらに詳細に説明される。
【0067】
実施例
【0068】
試験方法/測定方法
【0069】
(a)二重結合含有量の測定
【0070】
二重結合/1000C原子の量の測定手順は、ASTM D3124−72法に基づく。この方法には、ビニリデン基/1000C原子の測定についての詳細な説明が、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンに基づいて示されている。このサンプル調製手順は、本発明におけるビニル基/1000C原子、ビニリデン基/1000C原子およびトランスビニレン基/1000C原子の測定にも適用された。しかし、これら3タイプの二重結合の吸光係数の測定については、以下の3化合物、すなわちビニルについて1−デセン、ビニリデンについて2−メチル−1−ヘプテンおよびトランスビニレンについてトランス−4−デセンが使用され、ASTM−D3124セクション9に記載された手順に従った。
【0071】
二重結合の全量が赤外分光測定法によって分析され、それぞれビニル結合、ビニリデン結合およびトランスビニレン結合の量として示された。
【0072】
0.5〜1.0mmの厚さを有する薄膜がプレス成形された。実際の厚さが測定された。FT−IR分析がPerkin Elmer 2000で実施された。四回の走査が4cm−1の分解能で記録された。
【0073】
980cm−1から約840cm−1までベースラインが引かれた。ビニリデンについて約888cm−1、ビニルについて約910cm−1およびトランスビニレンについて約965cm−1において、ピーク高さが測定された。二重結合の量/1000炭素原子が、以下の式を使用して計算された(ASTM D3124−72)。
ビニリデン/1000C原子=(14×A)/(18.24×L×D)
ビニル/1000C原子=(14×A)/(13.13×L×D)
トランスビニレン/1000C原子=(14×A)/(15.14×L×D)
ここで、
A:吸光度(ピーク高さ)
L:mmでの膜厚
D:該物質の密度
【0074】
(b)メルトフローレートMFR2.16/190℃
【0075】
メルトフローレート(MFR)はISO 1133に従って測定され、g/10分で示される。MFRはポリマーの流動性、したがって加工性の指標である。メルトフローレートが高ければ高いほど、ポリマーの粘度はそれだけ低くなる。MFR2.16/190℃は、190℃および2.16kgの荷重で測定される(MFR)。
【0076】
(c)ホットセット測定
【0077】
ホットセットの伸び並びに永久歪は、架橋された板から打ち抜かれたダンベル形の試料片について測定された。該架橋された板は、以下の手順に従って調製された。すなわち、まず、115℃、約20バールで2分間、ペレットが溶融された。圧力が200バールまで上げられ、引き続いて温度が165℃まで徐々に上げられた。この物質は165℃に25分間保たれ、その後15℃/分の冷却速度で室温まで冷却された。板の厚さは約1.8mmであった。該特性がIEC 60811−2−1に従って測定された。ホットセット試験では、試験される物質のダンベルに20N/cmに相当するおもりが付けられる。この試料片が200℃のオーブン中に入れられ、15分後、伸びが測定される。その後、おもりが除かれ、サンプルは5分間放置緩和される。それから、サンプルはオーブンから取り出され、室温まで冷却される。永久歪が測定される。
【0078】
(d)架橋度のエラストグラフ測定
【0079】
架橋度がエラストグラフ(Gottfert Elastograph)で測定された。まず、圧力をかけずに120℃で2分間、引き続いて5トンで2分間かけて円板がプレスされた。それから、該円板は室温まで冷却された。エラストグラフで、180℃における架橋時間の関数として、トルクの増大が測定される。種々のサンプルの架橋度が同等であることを監視するために、この試験は使用された。
【0080】
報告されたトルク値は、180℃における架橋10分間後に到達されたものである。
【0081】
物質
【0082】
ポリマー1:
ポリ(エチレン−コ−1,7−オクタジエン)、MFR2.16/190℃=2.7g/10分
【0083】
ポリマー2:
ポリ(エチレン−コ−1,7−オクタジエン)ポリマー、MFR2.16/190℃=2.1g/10分
【0084】
ポリマー3:
ポリ(エチレン−コ−1,7−オクタジエン)ポリマー、MFR2.16/190℃=2.0g/10分
【0085】
ポリマー4(参照ポリマー):
低密度ポリエチレン(LDPE)、MFR2.16/190℃=2.0g/10分
【0086】
各ポリマーの二重結合の量は表1にまとめられる。

【0087】
多不飽和コモノマー(すなわち、この実施例では1,7−オクタジエン)から生じるビニル基の量毎1000炭素原子は、以下のように測定された。
【0088】
本発明のポリマー1〜3および参照ポリマー4は、同じ反応器で、基本的に同じ条件、すなわち同じような温度、圧力および製造速度を使用して製造された。各ポリマーのビニル基の全量は、上記のようにFT−IR測定によって測定された。ここで、ビニル基の基礎レベル、すなわちビニル基をもたらす連鎖移動剤を添加しないでおよび多不飽和コモノマーを存在させないで、上記のプロセスによって生成されるビニル基は、参照ポリマーおよびポリマー1〜3について同じであると仮定される。この基礎レベルが次にポリマー1〜3中のビニル基の測定量から引かれて、これによって多不飽和コモノマーから得られたビニル基の量/1000C原子が得られる。
【0089】
高圧管状反応器中で1000〜3000バールの圧力および100〜300℃の温度において、全てのポリマーが重合された。0.920〜0.925g/cmの範囲内の密度を、全てのポリマーが有する。
【実施例1】
【0090】
以下の組成物1および比較組成物1が調製された。
組成物1:ポリマー1+酸化防止剤0.19重量%+過酸化ジクミル1.21重量%
比較組成物1:ポリマー4+酸化防止剤0.19重量%+過酸化ジクミル2.2重量%
酸化防止剤:4,4'−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)
【0091】
両組成物において、約0.6Nmの同じトルク値が得られるように、過酸化ジクミルの量は選択された。
【0092】
二重結合の量が増加すると、同じ架橋度を達成するのに必要な過酸化物の量が有意に下げられることを、この実施例は明白に示す。
【0093】
非常に似たホットセット伸び値によって、同じ架橋度であることはさらに裏付けられる。
組成物1のホットセット値:45.6%、永久歪:1.6%
比較組成物1のホットセット値:48.4%、永久歪:1.6%
【実施例2】
【0094】
以下の組成物2および比較組成物2が調製された。
組成物2:ポリマー2+酸化防止剤0.19重量%+過酸化ジクミル1.8重量%
比較組成物2:ポリマー4+酸化防止剤0.19重量%+過酸化ジクミル2.1重量%
酸化防止剤:4,4'−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)
【0095】
両組成物において、0.62Nmの同じトルク値が得られるように、過酸化ジクミルの量は選択された。
【0096】
この実施例においても、二重結合の量を増加することによって、同じ架橋度を達成するのに必要な過酸化物の量は明らかに低減される。
【実施例3】
【0097】
ポリマー3から組成物3は調製され、これにブチルアクリレート17重量%を有するエチレン/ブチルアクリレートコポリマーが添加されて、全組成物中において24マイクロモルのブチルアクリレートコモノマー単位が得られた。組成物3はさらに酸化防止剤(4,4'−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール))0.16重量%および過酸化ジクミル1.7重量%を含有していた。
【0098】
ポリマー4から比較組成物3は造られ、これにブチルアクリレート17重量%を有するエチレン/ブチルアクリレートコポリマーが添加されて、全組成物中において24マイクロモルのブチルアクリレートコモノマー単位が得られた。比較組成物3はさらに酸化防止剤(4,4'−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール))0.16重量%および過酸化ジクミル2.1重量%を含有していた。
【0099】
両組成物において、0.62Nmの同じトルク値が得られるように、過酸化ジクミルの量は選択された。
【0100】
この実施例においても、二重結合の量を増加することによって、同じ架橋度を達成するのに必要な過酸化物の量は明らかに低減される。
【実施例4】
【0101】
吸収実験
【0102】
(a)70℃より高くまでペレットが予熱された。過酸化ジクミルが別の容器中で溶融された。溶融された過酸化物が予熱されたペレット上に注がれ、次にペレットが乾燥するまで混合物は回転された。ペレットに溶融過酸化物が添加されてからペレットが乾燥してしまうまでの時間が、ブレンド時間であると定義される。
【0103】
組成物1は乾燥してしまうのに20分間を要し、他方、比較組成物1は乾燥してしまうのに25分間を要した。より少ない過酸化物を含有する組成物1ははるかに短いブレンド時間を持ち、これによってケーブル生産のための製造速度の増加が可能であることを、このことは明白に示す。
【0104】
(b)以下の組成物が用意された。
組成物4:ポリマー1+酸化防止剤0.17重量%+過酸化t−ブチルクミル1.10重量%
比較組成物4:ポリマー4+酸化防止剤0.19重量%+過酸化t−ブチルクミル1.80重量%
酸化防止剤:4,4'−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)
【0105】
両組成物において、約0.63Nmの同じトルク値が得られるように、過酸化t−ブチルクミルの量は選択された。
【0106】
上記のように吸収実験が行われた。組成物4についてブレンド時間は9分間であり、他方、比較組成物4についてはブレンド時間は14分間であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.37より多い炭素−炭素二重結合の全量/1000炭素原子を有する不飽和ポリオレフィンと架橋剤との架橋性ブレンドの調製において、該ブレンド段階が該不飽和ポリオレフィンの押出の前および/またはその間に実施され、かつ該架橋剤が該不飽和ポリオレフィンと接触するときに液体状態にある、上記調製をする段階、
(b)該ブレンドを押出機で押出す段階、
(c)該押出されたブレンドを基体上に施与する段階、および
(d)該押出されたブレンドを架橋条件下に処理する段階
を含む、架橋されたポリマー組成物を調製する方法。
【請求項2】
ブレンドのために、液状架橋剤がブレンド容器中で不飽和ポリオレフィンと接触し、引き続いて該ブレンドが押出機へ供給される、請求項1に従う方法。
【請求項3】
不飽和ポリオレフィンがブレンド段階の前に予熱される、請求項1または2に従う方法。
【請求項4】
不飽和ポリオレフィンを押出機中に用意し、架橋剤を該押出機中に直接に、供給することによって、ブレンドが調製される、請求項1に従う方法。
【請求項5】
1以上の添加剤が不飽和ポリオレフィンとブレンドされ、その際、該添加剤が該不飽和ポリオレフィンと接触するときに液体状態にある、請求項1〜4のいずれか1項に従う方法。
【請求項6】
添加剤が、酸化防止剤、スコーチ防止剤、架橋助剤、安定剤、加工助剤、酸捕捉剤、またはこれらの混合物から選択される、請求項5に従う方法。
【請求項7】
不飽和ポリオレフィンが、架橋剤とのブレンドが実施される前に、少なくとも1の添加剤とブレンドされる、請求項5または6に従う方法。
【請求項8】
少なくとも1の添加剤が酸化防止剤である、請求項7に従う方法。
【請求項9】
架橋剤および少なくとも1の添加剤が同時に、不飽和ポリオレフィンとブレンドされる、請求項5または6に従う方法。
【請求項10】
少なくとも一部の炭素−炭素二重結合がビニル基である、請求項1〜9のいずれか1項に従う方法。
【請求項11】
不飽和ポリオレフィンが、0.11より多いビニル基の全量/1000炭素原子を有する、請求項10に従う方法。
【請求項12】
不飽和ポリオレフィンが、オレフィンモノマーと少なくとも1の多不飽和コモノマーとを共重合することによって調製される、請求項1〜11のいずれか1項に従う方法。
【請求項13】
不飽和ポリオレフィンが、多不飽和コモノマーから生じる少なくとも0.03のビニル基の量/1000炭素原子を有する、請求項12に従う方法。
【請求項14】
少なくとも1の多不飽和コモノマーがジエンである、請求項12または13に従う方法。
【請求項15】
ジエンが、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、9−メチル−1,8−デカジエンまたはこれらの混合物から選択される、請求項14に従う方法。
【請求項16】
ジエンが、以下の式
CH=CH−[Si(CH−O]−Si(CH−CH=CH(ここで、n=1以上である。)
を有するシロキサンから選択される、請求項14に従う方法。
【請求項17】
オレフィンモノマーがエチレンである、請求項12〜16のいずれか1項に従う方法。
【請求項18】
不飽和ポリエチレンが、高圧ラジカル重合によって製造される、請求項17に従う方法。
【請求項19】
架橋剤が過酸化物である、請求項1〜18のいずれか1項に従う方法。
【請求項20】
過酸化物が、架橋性ブレンドの重量当たり0.1〜3.0重量%の量で添加される、請求項19に従う方法。
【請求項21】
架橋性ブレンドがその上へと押出されるところの基体が、電力ケーブルの金属性導体および/またはその少なくとも1のコーティング層である、請求項1〜20のいずれか1項に従う方法。
【請求項22】
架橋されたポリマー組成物の、200℃の温度において測定されたホットセット伸び値が175%より小さくなるまで、電力ケーブルが架橋条件下に処理される、請求項21に従う方法。
【請求項23】
架橋されたポリマー組成物の、室温において測定された永久歪が15%より小さくなるまで、電力ケーブルが架橋条件下に処理される、請求項22に従う方法。

【公表番号】特表2008−531795(P2008−531795A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557402(P2007−557402)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001793
【国際公開番号】WO2006/089793
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(500224380)ボレアリス テクノロジー オイ (39)
【Fターム(参考)】