説明

案内マップ

【課題】複数の案内対象物が存在するエリアにおいて所望の案内対象物に容易に辿り着かせる。
【解決手段】複数の案内対象物をそれぞれ示す複数の動物アイコン12a〜12jと、複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報15とが表示されてなる案内マップ1において、案内マップ1の現在位置を取得する通信部25と、複数の案内対象物のうち指定された案内対象物を示す動物アイコンと、複数の案内対象物のうち通信部25にて取得された現在位置に最も近い案内対象物を示す動物アイコンとを強調表示する表示ユニット22a〜22j及び制御基板26とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート媒体上に、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークと、複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報とが表示されてなる案内マップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、動物園や遊園地、博物館等といったアミューズメント施設においては、園内あるいは館内の案内マップが準備され、入場者に配布されている。このような案内マップにおいては、案内の対象物とその対象物を結ぶ経路とが表示されており、入場者は、この案内マップを参照しながら園内あるいは館内を回ることになる。
【0003】
ここで、地名等が表示されたボタンを押下すると、地図上のその地名に応じた領域が光る情報表示板が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。この情報表示板に用いられた技術を上述したような案内マップに適用することにより、案内マップに表示された案内対象物のうち、入場者によって指定された案内対象物が光ることになり、入場者は、案内マップに表示されている案内の対象物のうち所望の対象物の位置を把握しやすくなる。
【特許文献1】特開平3−294889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したように、案内マップに表示された案内対象物のうち、入場者によって指定された案内対象物が光るものにおいては、入場者の所望の対象物の絶対位置を把握しやすくなるものの、入場者が現在いる位置がわからない場合、入場者が所望の案内対象物に容易に辿り着けるとは言い難い。
【0005】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、複数の案内対象物が存在するエリアにおいて所望の案内対象物に容易に辿り着かせることができる案内マップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、
シート媒体上に、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークと、前記複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報とが表示されてなる案内マップにおいて、
当該案内マップの現在位置を取得する位置取得手段と、
前記複数の案内対象物のうち指定された案内対象物を示すマークを強調表示するとともに、前記位置取得手段にて取得された現在位置を前記経路情報上に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
上記のように構成された本発明においては、位置取得手段にて案内マップの現在位置が取得されると、シート媒体上に表示された、複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報上に案内マップの現在位置が表示され、また、複数の案内対象物の中から案内対象物が指定されると、指定された案内対象物を示すマークが強調表示される。そのため、案内マップを所持する者は、現在自分がいる位置と指定した案内対象物との相対位置を認識することができ、所望の案内対象物に容易に辿り着くことができる。
【0008】
また、シート媒体上に、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークと、前記複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報とが表示されてなる案内マップにおいて、
当該案内マップの現在位置を取得する位置取得手段と、
前記複数の案内対象物のうち指定された案内対象物を示すマークと、前記複数の案内対象物のうち前記位置取得手段にて取得された現在位置に最も近い案内対象物を示すマークとを強調表示する表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】
上記のように構成された本発明においては、位置取得手段にて案内マップの現在位置が取得されると、シート媒体上に表示された、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークのうち、位置取得手段にて取得された現在位置に最も近い案内対象物を示すマークが強調表示され、また、複数の案内対象物の中から案内対象物が指定されると、指定された案内対象物を示すマークが強調表示される。そのため、案内マップを所持する者は、現在自分がいるおおよその位置と指定した案内対象物との相対位置を認識することができ、所望の案内対象物に容易に辿り着くことができる。
【0010】
また、表示制御手段によって、位置取得手段にて取得された現在位置の履歴が経路情報上に表示されれば、案内マップを所持する者が、自分が移動してきた経路を認識することができ、移動方向を把握しやすくなる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明においては、シート媒体上に、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークと、複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報とが表示されてなる案内マップにおいて、案内マップの現在位置を取得する位置取得手段と、複数の案内対象物のうち指定された案内対象物を示すマークを強調表示するとともに、位置取得手段にて取得された現在位置を経路情報上に表示する表示制御手段とを有する構成としたため、複数の案内対象物が存在するエリアにおいて所望の案内対象物に容易に辿り着かせることができる。
【0012】
また、シート媒体上に、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークと、複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報とが表示されてなる案内マップにおいて、案内マップの現在位置を取得する位置取得手段と、複数の案内対象物のうち指定された案内対象物を示すマークと、複数の案内対象物のうち位置取得手段にて取得された現在位置に最も近い案内対象物を示すマークとを強調表示する表示制御手段とを有する構成としたものにおいても、複数の案内対象物が存在するエリアにおいて所望の案内対象物に容易に辿り着かせることができる。
【0013】
また、表示制御手段が、位置取得手段にて取得された現在位置の履歴を経路情報上に表示するものにおいては、案内マップを所持する者が、自分が移動してきた経路を認識することができ、移動方向を把握しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の案内マップの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は断面図、(c)は(b)に示した制御シート部20の構造を示す図である。
【0016】
本形態は図1に示すように、紙等ならなるシート媒体である2枚の表面シート10a,10bにシート状の制御シート部20が挟み込まれ、これらが粘着剤(不図示)によって互いに貼着されて構成されている。
【0017】
表面シート10aには、図1(a)に示すように、この案内マップ1を用いて案内される動物園にて公開されている案内対象物となる動物が飼育されている場所に、その動物を示すマークとなる動物アイコン12a〜12jがそれぞれ表示されており、また、これら動物が飼育されている場所間の経路を示す経路情報15が表示されている。また、トイレやレストランの場所もアイコンでそれぞれ表示されており、そのトイレやレストランの混雑状況を3段階で示す混雑メーター14a〜14cが表示されている。さらに、動物アイコン12a〜12jが表示された動物のそれぞれについて、動物アイコン12a〜12jを点灯あるいは点滅させるためのボタン11a〜11jがその動物の絵柄によって表示されており、また、これらの動物について、ショーや餌やり等のイベントが行われる旨を示すイベントアイコン13a〜13fが表示されている。
【0018】
制御シート部20においては、図1(c)に示すように、ボタン11a〜11jに対向する領域にスイッチ21a〜21jがそれぞれ配置されるとともに、動物アイコン12a〜12j、イベントアイコン13a〜13f及び混雑メーター14a〜14cに対向する領域に表示ユニット22a〜22j,23a〜23f,24a〜24cがそれぞれ配置されている。さらに、案内マップ1の現在位置情報や、トイレやレストランの混雑状況や、ショーや餌やり等のイベント情報を取得する位置取得手段となる通信部25と、スイッチ21a〜21jの押下や通信部25にて取得した情報に基づいて、表示ユニット22a〜22j,23a〜23f,24a〜24cの表示を制御する制御基板26が設けられており、制御基板26と、通信部25、スイッチ21a〜21j及び表示ユニット22a〜22j,23a〜23f,24a〜24cとは、表面シート10bに印刷された配線によって互いに電気的に接続されている。この表示ユニット12a〜12jと制御基板26から本願発明の表示制御手段が構成されている。スイッチ21a〜21jは、薄型のゴムの裏面に導電剤が塗布され、押下された場合に、表面シート10bのスイッチ21a〜21jに対向する領域に印刷された2つの配線をこの導電剤によって短絡させるものである。また、表示ユニット22a〜22j,23a〜23f,24a〜24cは、発色層が2枚の透明電極によって挟み込まれ、透明電極に印加される電圧によって発色層が発色することにより点灯あるいは点滅するものである。このような表示ユニット22a〜22j,23a〜23f,24a〜24cとしては、垂直型電気泳動方式のものや有機EL(Electro Luminescence)を用いたもの、あるいはエレクトロクロミック方式のもの等が考えられるが、電圧が印加されなくなった後でも点灯を維持する必要がある場合は、垂直型電気泳動方式のものやエレクトロクロミック方式のものが好ましい。また、制御基板26は、フィルム等のフレキシブルな基板上に、小型のICチップやコンデンサ、抵抗等の回路素子が搭載されるとともに、これらを接続する配線が設けられたものである。制御シート部20は、上述したような構成であることから、可撓性を有しており、それにより、案内マップ1を折り畳むことができる。
【0019】
以下に、上記のように構成された案内マップ1の使用方法について説明する。
【0020】
図2は、図1に示した案内マップ1が使用されるアミューズメント施設である動物園内のマップを示す図である。
【0021】
図2に示すように、図1に示した案内マップ1が使用される動物園2には、この動物園2にて公開されている動物が飼育されている場所のそれぞれに基地局3a〜3jが設置されている。この基地局3a〜3jは、動物園2内あるいは外部に設置されたサーバ(不図示)からの制御によって案内マップ1に情報を送信するものであって、互いに干渉しない通信範囲を有している。基地局3a〜3jにおける通信方式は、電波や赤外線等が考えられる。また、基地局3a〜3jの通信範囲は、互いに干渉しないようなものとなっているが、電波を用いた場合は周波数や時間、赤外線を用いた場合は時間をそれぞれ基地局3a〜3j毎に割り当てて情報を送信すれば、通信範囲が若干重なるものとしても案内マップ1にて基地局3a〜3jから送信された情報を基地局3a〜3jを識別して受信することができる。
【0022】
動物園2への入場者が案内マップ1を所持し、動物園2内を回る際、まず、案内マップ1の通信部25において、案内マップ1の現在位置が取得される。動物園2に設置された基地局3a〜3jのそれぞれからは、基地局3a〜3jをそれぞれ識別可能な基地局IDが送信されている。この基地局IDは基地局3a〜3jの通信範囲に存在する案内マップ1の通信部25にて受信される。
【0023】
案内マップ1の通信部25にて受信された基地局IDは制御基板26に通知され、制御基板26において、表示ユニット22a〜22jのうち、通信部25から通知された基地局IDに対応する表示ユニットが点灯あるいは点滅するように制御される。制御基板26においては、ICチップのメモリ内に、基地局IDと表示ユニット22a〜22jとが対応づけて記憶されており、この対応づけに基づいて基地局IDに対応する表示ユニットが点灯あるいは点滅するように制御される。
【0024】
図3は、図1に示した案内マップ1にて案内マップ1の現在位置と目的地が強調表示された状態を示す図である。
【0025】
上述したように、表示ユニット22a〜22jは、表面シート10aに表示された動物アイコン12a〜12jに対向する領域に配置されている。そのため、制御基板26においては、その動物アイコン12a〜12jによって示される場所に設置された基地局3a〜3jの基地局IDと、動物アイコン12a〜12jに対向する領域に配置された表示ユニット22a〜22jとが対応づけられている。そして、例えば、案内マップ1を所持する入場者が、動物園2のライオンが飼育されている場所の近くにいる場合、ライオンが飼育されている場所に設置された基地局3aの基地局IDが通信部25にて受信され、制御基板26によって表示ユニット22aが点灯あるいは点滅するように制御される。それにより、案内マップ1にてライオンが飼育されている場所に表示された動物アイコン12aが点灯あるいは点滅されることで強調表示される。すなわち、動物園2の動物が飼育されている場所のうち、案内マップ1の現在位置に最も近い場所を示す動物アイコン12aが強調表示されることになる。
【0026】
また、案内マップ1を所持する入場者が、案内マップ1に表示されたボタン11a〜11jのうち、見たい動物の絵柄が表示されたボタンを押下することによって動物が指定されると、そのボタンに対向する領域に配置されたスイッチが押下されることにより、制御基板26においてそのボタンが押下されたことが認識され、押下されたボタンに対応する表示ユニットが点灯あるいは点滅するように制御される。制御基板26においては、ICチップのメモリ内に、ボタンと表示ユニット22a〜22jとが対応づけて記憶されており、この対応づけに基づいてボタンに対応する表示ユニットが点灯あるいは点滅するように制御される。表面シート10aに表示されたボタン11a〜11jは、動物園2にて公開されている動物の絵柄によって表示されており、この絵柄の動物と、表示ユニット22a〜22jに対向する領域に配置された動物アイコン12a〜12jによって示される動物とが対応するように、制御基板26において、ボタンと表示ユニット22a〜22jとが対応づけて記憶されている。そのため、例えば、案内マップ1を所持する入場者が、ペンギンを見たい場合にボタン11a〜11jのうち、ペンギンが表示されたボタン11fを押下することによってペンギンが指定されると、そのボタンに対向する領域に配置されたスイッチ21fが押下され、制御基板26によって表示ユニット22fが点灯あるいは点滅するように制御される。そして、案内マップ1にてペンギンが飼育されている場所に表示された動物アイコン12fが点灯あるいは点滅されることで強調表示される。なお、スイッチ21a〜21jの押下による表示ユニット22a〜22jの点灯は、制御基板26を介さずに、電源と表示ユニット22a〜22jとをスイッチ21a〜21jをそれぞれ介して接続することでも制御することができる。
【0027】
これにより、案内マップ1を所持する入場者は、現在自分がいる場所と指定した動物が飼育されている場所との相対位置を認識することができ、所望の動物に容易に辿り着くことができる。
【0028】
また、基地局3a〜3jから送信されて案内マップ1の通信部25にて受信される情報は、上述した基地局IDに限らない。基地局3a〜3jを制御するサーバにおいては、動物園2内に設置されたトイレやレストランの混雑状況が管理されており、この混雑状況が3段階で示された情報が基地局3a〜3jに送信されている。この情報は基地局3a〜3jを介して基地局IDとともに送信されており、基地局3a〜3jから基地局IDを受信した案内マップ1の通信部25にて受信される。通信部25にて受信された情報は、基地局IDと同様に制御基板26に通知され、制御基板26において、通信部25から通知された情報に基づいて、表示ユニット24a〜24cが点灯するように制御され、それにより、混雑メーター14a〜14cにおいてトイレやレストランの混雑状況に応じた表示がされる。混雑メーター14a〜14cのそれぞれは、3つの表示部を有しており、トイレやレストランの混雑状況に応じた数の表示部が点灯するように制御されたり、点灯する色を変えたりすることによって混雑状況が3段階で表示されることになる。この混雑メーター14a〜14cの表示は、トイレやレストランの混雑状況が3段階で示された情報が基地局3a〜3jから送信されてくる度に自動的に更新される。そのため、案内マップ1を所持する入場者は、トイレやレストランの現在の混雑状況を知ることができる。
【0029】
また、動物園2においては、公開している動物に対してショーや餌やり等のイベントを予め決められた時間で行うことが企画されている。基地局3a〜3jを制御するサーバにおいては、この時間がイベントを行う動物毎に管理されており、その時間になると、イベントの種類及びイベントを行う動物を示す情報がサーバから基地局3a〜3jを介して送信される。この情報は、基地局3a〜3jから基地局IDを受信した案内マップ1の通信部25にて受信される。通信部25にて受信された情報は、基地局IDと同様に制御基板26に通知され、制御基板26において、通信部25から通知された情報に基づいて、表示ユニット23a〜23fが点灯あるいは点滅するように制御され、それにより、イベントアイコン13a〜13fのうち、イベントが行われる動物についてその種類のアイコンが点灯あるいは点滅する。
【0030】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の案内マップの第2の実施の形態を示す図である。
【0031】
本形態は図4に示したように、第1の実施の形態に示したものに対して、経路情報15上に、案内マップ101の現在位置及び案内マップ101を所持する入場者が移動した履歴を表示する履歴マーク16が配置されている点のみが異なるものであり、制御シート部20の履歴マーク16に対向する領域には、表示ユニット22a〜22j,23a〜23f,24a〜24cと同様の表示ユニットがそれぞれ配置されている。
【0032】
以下に、本形態における案内マップ101の使用方法について説明する。なお、ボタン11a〜11jの押下による動物アイコン12a〜12jの強調表示や、混雑メーター14a〜14c及びイベントアイコン13a〜13fの表示については、第1の実施の形態にて示したものと同様であるので説明を省略する。
【0033】
図5は、図4に示した案内マップ101にて案内マップ101の現在位置及び移動履歴が表示されるとともに目的地が強調表示された状態を示す図である。
【0034】
動物園2内においては、動物が飼育されている場所間の経路に沿って、履歴マーク16に対応する場所に、図2に示した基地局3a〜3jと同様の基地局が設置されており、それらの基地局からは上記同様に基地局IDが送信されている。
【0035】
基地局から送信された基地局IDは、上記同様に、案内マップ101の通信部25にて受信され、それにより、案内マップ101の現在位置が取得される。通信部25にて受信された基地局IDは制御基板26に通知され、制御基板26において、通信部25から通知された基地局IDに対応する表示ユニットが点灯するように制御され、それにより、履歴マーク16のうち、基地局IDが受信された基地局が設置された位置、すなわち、案内マップ101の現在位置に対応する履歴マークが点灯する。なお、基地局IDと表示ユニットとの対応づけは、上述した基地局IDと表示ユニット22a〜22jと同様に、制御基板25のICチップのメモリ内に予め記憶されている。
【0036】
これにより、案内マップ101を所持する入場者は、自分の現在位置を認識することができる。
【0037】
この案内マップ101の現在位置、すなわち、基地局から受信された基地局IDは、制御基板25のICチップのメモリ内に所定の時間毎に位置履歴情報として記憶される。
【0038】
その後、案内マップ101を所持した入場者が移動すると、上記同様に、案内マップ101の通信部25においては、案内マップ101が通信範囲に入った基地局から送信された基地局IDが受信され、その基地局IDが制御基板25に通知される。制御基板25においては、通知された基地局IDに対応する表示ユニットと、ICチップのメモリ内に位置履歴情報として記憶された基地局IDに対応する表示ユニットとが点灯するように制御され、それにより、案内マップ101を所持した入場者が移動してきた経路上の履歴マーク16が点灯し、案内マップ101にて取得された案内マップ101の現在位置の履歴が表示されることになる。これにより、案内マップ101を所持した入場者は、自分が移動してきた経路を認識することができ、移動方向を把握しやすくなる。
【0039】
ここで、上記のようにして点灯する履歴マークの明るさを変えることによって、案内マップ101を所持した入場者の移動方向をさらに把握しやすくすることもできる。制御基板25においては、通信部25から通知された基地局IDに対応する表示ユニットと、ICチップのメモリ内に位置履歴情報として記憶された基地局IDに対応する表示ユニットとが点灯するように制御されるが、その際、制御基板26において、通信部25から通知された基地局IDに対応する表示ユニットの方が、ICチップのメモリ内に位置履歴情報として記憶された基地局IDに対応する表示ユニットよりも明るくなるように表示ユニットにて発色する色を制御する。さらに、ICチップのメモリ内に位置履歴情報として記憶された基地局IDが複数ある場合は、ICチップのメモリ内に位置履歴情報として記憶された基地局IDのうち先に記憶された基地局IDに対応する表示ユニットよりも後に記憶された基地局IDに対応する表示ユニットの方が明るくなるように制御する。それにより、例えば、図5に示すように、案内マップ101を所持した入場者の現在位置の履歴マーク16aが点灯し、さらに、この入場者が移動してきた経路上の履歴マーク16b,16cのうち、現在位置に近い履歴マーク16bが、履歴マーク16aよりも暗く、かつ、現在位置から遠い履歴マーク16cよりも明るく点灯することとなり、案内マップ101を所持した入場者は、移動方向をさらに把握しやすくなる。
【0040】
また、案内マップ101においては、案内マップ101を所持する入場者がボタン11fを押下することにより指定されたペンギンの動物アイコン12fが点灯あるいは点滅している。
【0041】
なお、本形態においては、案内マップ101の現在位置を、動物が飼育されている場所間の経路に沿って設置された基地局から送信された基地局IDによって認識しているが、通信部25に一般的なGPS(Global Positioning System)機能を搭載し、案内マップ101の現在位置を取得する構成としてもよい。
【0042】
また、上述した2つの実施の形態を組み合わせることも可能である。すなわち、図4に示した構成を有する案内マップ101において、図1に示した案内マップ1のように、案内マップ101の現在位置に最も近い動物アイコンを点灯あるいは点滅させることもできる。
【0043】
また、上述した案内マップ1,101において、制御シート部20に、ピエゾ素子や振動板からなるシート状の音声出力手段を設けることにより、例えば、案内マップ1,101の現在位置やイベント情報、あるいは指定した動物についての情報を音声によって出力することもできる。その場合、出力される音声情報は基地局3a〜3jから送信されることや、制御基板26のICチップのメモリ内に記憶しておくこと等が考えられるが、基地局3a〜3jと通信部25との通信を赤外線等の簡易な方法で行う場合は、制御基板26のICチップのメモリ内に記憶しておくが好ましい。
【0044】
また、本形態においては、案内マップ1,101として、動物園2の園内を案内するものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、遊園地や博物館といったアミューズメント施設等、案内対象物が複数配置されている施設に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の案内マップの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は断面図、(c)は(b)に示した制御シート部の構造を示す図である。
【図2】図1に示した案内マップ1が使用されるアミューズメント施設である動物園内のマップを示す図である。
【図3】図1に示した案内マップにて案内マップの現在位置と目的地が強調表示された状態を示す図である。
【図4】本発明の案内マップの第2の実施の形態を示す図である。
【図5】図4に示した案内マップにて案内マップの現在位置及び移動履歴が表示されるとともに目的地が強調表示された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1,101 案内マップ
2 動物園
3a〜3j 基地局
10a,10b 表面シート
11a〜11j ボタン
12a〜12j 動物アイコン
13a〜13f イベントアイコン
14a〜14c 混雑メーター
15,115 経路情報
16,16a〜16c 履歴マーク
20 制御シート部
21a〜21j スイッチ
22a〜22j,23a〜23f,24a〜24c 表示ユニット
25 通信部
26 制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート媒体上に、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークと、前記複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報とが表示されてなる案内マップにおいて、
当該案内マップの現在位置を取得する位置取得手段と、
前記複数の案内対象物のうち指定された案内対象物を示すマークを強調表示するとともに、前記位置取得手段にて取得された現在位置を前記経路情報上に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする案内マップ。
【請求項2】
シート媒体上に、複数の案内対象物をそれぞれ示す複数のマークと、前記複数の案内対象物間を結ぶ経路を示す経路情報とが表示されてなる案内マップにおいて、
当該案内マップの現在位置を取得する位置取得手段と、
前記複数の案内対象物のうち指定された案内対象物を示すマークと、前記複数の案内対象物のうち前記位置取得手段にて取得された現在位置に最も近い案内対象物を示すマークとを強調表示する表示制御手段とを有することを特徴とする案内マップ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の案内マップにおいて、
前記表示制御手段は、前記位置取得手段にて取得された現在位置の履歴を前記経路情報上に表示する案内マップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−91515(P2010−91515A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263994(P2008−263994)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】