説明

検査用プローブ及び検査装置、検査用プローブの製造方法

【課題】プローブ側端子ピッチを小さくすることができ、検査対象機器を良好に検査できる検査用プローブを提供する。
【解決手段】検査用プローブ1は、シリコン基板2と、シリコン基板2上に設けられた樹脂からなる突起部3と、突起部3上に設けられ、液晶パネルディスプレイ100の端子206,306と接触する第1導電部4と、シリコン基板2上のうち、突起部3が設けられた領域以外の領域に設けられ、第1導電部4と電気的に接続する第2導電部5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査用プローブ及び検査装置、検査用プローブの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶パネルディスプレイの製造工程においては、短絡や断線、あるいは表示特性等に関して検査する検査工程が設けられており、そのような検査工程においては、検査用プローブを有する検査装置が使用される。この検査用プローブは、検査対象機器である液晶パネルディスプレイの走査線端子又はデータ線端子に接続する複数の接続端子を含む導電部を有しており、その接続端子間の距離(以下、適宜「プローブ側端子ピッチ」と称する)は、液晶パネルディスプレイの走査線端子間の距離又はデータ線端子間の距離(以下、適宜「検査対象側端子ピッチ」と称する)に対応している。下記特許文献1には、検査用プローブを備えた検査装置に関する技術の一例が開示されている。この特許文献1に開示されている検査用プローブは、ポリイミド等からなる可撓性基板上に、前記接続端子を含む導電部を設けたものである。
【特許文献1】特開2000−56285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した従来技術においては以下に述べる課題が存在する。近年における液晶パネルディスプレイの更なる高精細化に伴って、検査対象側端子ピッチは小さく(狭く)なってきている。したがって、検査用プローブのプローブ側端子ピッチも小さく(狭く)する必要がある。ところが、上述した従来技術のように、可撓性基板上に接続端子を含む導電部を形成する構成では、プローブ側端子ピッチを狭くすることが困難である。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、プローブ側端子ピッチを小さくすることができ、検査対象機器を良好に検査できる検査用プローブ、その検査用プローブを備えた検査装置、並びに検査用プローブの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の検査用プローブは、検査対象機器の端子に電気的に接続する導電部を有する検査用プローブにおいて、シリコン基板と、前記シリコン基板上に設けられた樹脂からなる突起部と、前記突起部上に設けられ、前記端子と接触する第1導電部と、前記シリコン基板上のうち、前記突起部が設けられた領域以外の領域に設けられ、前記第1導電部と電気的に接続する第2導電部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、シリコン基板上に導電部を形成するようにしたので、微細な導電部を得ることができる。したがって、検査用プローブは検査対象側端子ピッチの狭小化に対応することができる。また、検査対象機器の端子に直接的に接触する第1導電部は、樹脂からなる突起部上に設けられているので、第1導電部が検査対象機器の端子に接触したとき、その第1導電部の下地である樹脂からなる突起部の弾性作用によって、検査対象機器の端子に対して良好に接触することができる。
【0007】
本発明の検査用プローブにおいて、前記第1導電部は、前記端子に応じて第1の方向に複数並んで設けられた第1配線パターンを含み、前記第2導電部は、前記第1配線パターンに応じて複数設けられた第2配線パターンを含む構成を採用することができる。
【0008】
本発明によれば、第1導電部は、第1の方向に複数並んで配置された検査対象機器の端子に対応するように、第1の方向に複数並んで配置された第1配線パターンを含むので、第1配線パターンと端子とを接触することで、検査用プローブは検査対象機器を良好に検査することができる。また、第2導電部は、第1配線パターンに応じてシリコン基板上に形成された第2配線パターンを含む構成であり、検査用プローブは、微細な第2配線パターンを有することができる。
【0009】
本発明の検査用プローブにおいて、前記突起部は、前記複数の第1配線パターンのそれぞれが設けられるように前記第1の方向に延びている構成を採用することができる。
【0010】
本発明によれば、突起部は、第1配線パターンの配列方向に沿った第1の方向に延びるように形成されているので、複数の第1配線パターンを同一の突起部上に設けることができる。したがって、第1配線パターンの高さ方向に関する位置のばらつきを抑えることができる。
【0011】
本発明の検査用プローブにおいて、前記突起部の表面のうち、前記第1配線パターンが設けられた領域以外の領域は凹んでいる構成を採用することができる。
【0012】
本発明によれば、突起部の表面のうち、前記第1配線パターンが設けられた領域以外の領域、具体的には第1配線パターンどうしの間の領域が凹んでいるので、第1配線パターンが検査対象機器の端子に接触したとき、その第1配線パターンの下地である突起部が撓み変形する。したがって、その撓み変形によって、第1配線パターンは検査対象機器の端子に対して良好に接触することができる。
【0013】
本発明の検査用プローブにおいて、前記突起部の表面は、前記シリコン基板と反対側に向かって膨らむ断面視円弧状に形成されている構成を採用することができる。
【0014】
本発明によれば、第1導電部は、断面視円弧状の突起部の表面に設けられているので、端子に対して良好に接触することができる。また、突起部の表面が断面視円弧状に形成されているので、第1導電部を突起部の表面に設けるとき、第1導電部を突起部の表面に良好に密着させることができる。
【0015】
本発明の検査用プローブにおいて、前記シリコン基板と前記第2導電部との間に第1絶縁層が設けられている構成を採用することができる。
【0016】
本発明によれば、シリコン基板と第2導電部とを第1絶縁層によって電気的に絶縁することができ、検査対象機器を良好に検査することができる。
【0017】
本発明の検査用プローブにおいて、前記第1絶縁層は有機物を含む構成を採用することができる。
【0018】
本発明によれば、第1絶縁層を有機物、具体的には有機系樹脂によって形成することで、その上層に設けられる第2導電部と外部機器との良好な接触を得ることができる。
【0019】
本発明の検査用プローブにおいて、前記第2導電部を覆う第2絶縁層が設けられている構成を採用することができる。
【0020】
本発明によれば、第2導電部を第2絶縁層で保護することができる。
【0021】
本発明の検査用プローブにおいて、前記シリコン基板のうち前記突起部及び導電部が設けられた第1面と反対側の第2面には樹脂からなる第3絶縁層が設けられている構成を採用することができる。
【0022】
本発明によれば、樹脂からなる第3絶縁層によってシリコン基板の第2面側を保護したり、シリコン基板の破損を防止することができる。
【0023】
本発明の検査用プローブにおいて、前記第3絶縁層はシート状部材を含む構成を採用することができる。
【0024】
本発明によれば、シリコン基板の第2面にシート状部材を貼付するといった簡単な構成で、シリコン基板の第2面に第3絶縁層を設けることができる。
【0025】
本発明の検査用プローブにおいて、前記シリコン基板上に、前記端子に対して電気信号を供給する電子部品が実装されている構成を採用することができる。
【0026】
本発明によれば、例えば検査対象機器がディスプレイ装置である場合、高精細な表示検査が可能となる。
【0027】
本発明の検査装置は、上記記載の検査用プローブを備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、検査対象機器の検査対象側ピッチの狭小化に対応した検査用プローブを使って、その検査対象機器を良好に検査することができる。
【0029】
本発明の検査装置において、前記第2導電部の一部に、前記端子に対して電気信号を供給する電子部品を実装した第2基板が電気的に接続される構成を採用することができる。
【0030】
本発明によれば、電子部品は、検査対象機器に直接接続される検査用プローブとは別の第2基板に実装されており、その第2基板と検査用プローブの第2導電部の一部とを接続することで、検査対象機器がディスプレイ装置である場合、高精細な表示検査が可能となる。更に、検査対象機器に直接接続される検査用プローブが例えば劣化しても、電子部品を新たなものと交換することなく、検査用プローブのみを交換することができる。
【0031】
本発明の検査装置において、前記第2基板はシリコン製の基板を含む構成を採用することができる。
【0032】
本発明によれば、第2基板もシリコン基板とすることで、微細化が実現されている検査用プローブの導電部に対応する導電部をその第2基板上に形成することができる。
【0033】
本発明の検査装置において、前記第2基板はガラス製の基板を含む構成を採用することができる。
【0034】
本発明によれば、第2基板はガラス基板なので、例えば第2基板の導電部と検査用プローブの第2導電部とを目視(あるいは光学的な位置検出装置)により位置合わせしつつ接続する際、ガラス製の第2基板を介して、第2基板上の導電部と検査用プローブの第2導電部との接続状態を把握することができる。したがって、接続時の位置合わせ作業を円滑に行うことができる。
【0035】
本発明の検査用プローブの製造方法は、検査対象機器の端子に電気的に接続する導電部を有する検査用プローブの製造方法において、シリコン基板上に樹脂からなる突起部を設ける工程と、前記突起部上に、前記端子と接触する第1導電部を設ける工程と、前記シリコン基板上のうち、前記突起部が設けられた領域以外の領域に、前記第1導電部と電気的に接続する第2導電部を設ける工程とを含むことを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、シリコン基板上に導電部を形成するようにしたので、微細な導電部を得ることができる。したがって、検査用プローブは検査対象側端子ピッチの狭小化に対応することができる。また、検査対象機器の端子に直接的に接触する第1導電部は、樹脂からなる突起部上に設けられているので、第1導電部が検査対象機器の端子に接触したとき、その第1導電部の下地である樹脂からなる突起部の弾性作用によって、検査対象機器の端子に対して良好に接触することができる。
【0037】
本発明の製造方法において、前記突起部を第1の方向に延びるように設け、前記第1導電部として、前記第1の方向に並ぶ複数の第1配線パターンを前記突起部上に設ける構成を採用することができる。
【0038】
本発明によれば、突起部は、第1配線パターンの配列方向に沿った第1の方向に延びるように形成されているので、複数の第1配線パターンを同一の突起部上に設けることができる。したがって、第1配線パターンの高さ方向に関する位置のばらつきを抑えることができる。
【0039】
本発明の製造方法において、前記突起部の表面のうち、前記第1配線パターンが設けられた領域以外の領域をハーフエッチングして凹ませる構成を採用することができる。
【0040】
本発明によれば、突起部の表面のうち、前記第1配線パターンが設けられた領域以外の領域、具体的には第1配線パターンどうしの間の領域が凹んでいるので、第1配線パターンが検査対象機器の端子に接触したとき、その第1配線パターンの下地である突起部が撓み変形する。したがって、その撓み変形によって、第1配線パターンは検査対象機器の端子に対して良好に接触することができる。
【0041】
本発明の製造方法において、前記突起部は、その表面が前記シリコン基板と反対側に向かって膨らむ断面視円弧状に形成される構成を採用することができる。
【0042】
本発明によれば、第1導電部は、断面視円弧状の突起部の表面に設けられているので、端子に対して良好に接触することができる。また、突起部の表面が断面視円弧状に形成されているので、第1導電部を突起部の表面に設けるとき、第1導電部を突起部の表面に良好に密着させることができる。
【0043】
本発明の製造方法において、前記突起部を形成するための樹脂を含む機能液を液滴吐出ヘッドより前記シリコン基板上に吐出して前記突起部を形成する構成を採用することができる。
【0044】
本発明によれば、材料の無駄を省いた状態で突起部を円滑に形成することができる。
【0045】
本発明の製造方法において、前記第2導電部を覆う第2絶縁層を設ける構成を採用することができる。
【0046】
本発明によれば、第2導電部を第2絶縁層で保護することができる。
【0047】
本発明の製造方法において、前記シリコン基板を薄くする工程を有する構成を採用することができる。
【0048】
本発明によれば、シリコン基板を薄くして可撓性を付与することで、検査用プローブの取り扱いが容易となり、また、検査対象機器の端子との良好な接触や、第2導電部と他の機器(上記第2基板等)との良好な接触を得ることができる。
【0049】
本発明の製造方法において、前記シリコン基板のうち前記突起部及び導電部が設けられた第1面と反対側の第2面に樹脂からなる第3絶縁層を設ける構成を採用することができる。
【0050】
本発明によれば、樹脂からなる第3絶縁層によってシリコン基板の第2面側を保護することができるとともに、薄くなったシリコン基板の破損を防止することができる。
【0051】
本発明の製造方法において、前記第3絶縁層として前記シリコン基板の前記第2面にシート状部材を貼付する構成を採用することができる。
【0052】
本発明によれば、シリコン基板の第2面にシート状部材を貼付するといった簡単な構成で、シリコン基板の第2面に第3絶縁層を設けることができる。
【0053】
本発明の製造方法において、前記第3絶縁層を設ける前に、前記第2面を処理して前記シリコン基板を薄くする構成を採用することができる。
【0054】
本発明によれば、シリコン基板を薄くすることで可撓性を付与できるとともに、その薄くなったシリコン基板の破損等を防止することができる。
【0055】
本発明の製造方法において、前記検査用プローブを同一のシリコン基板に複数略同時に形成した後、前記シリコン基板を前記検査用プローブ毎に切断する構成を採用することができる。
【0056】
本発明によれば、シリコン基板上に複数の検査用プローブを略同時に形成し、その後、そのシリコン基板を検査用プローブ毎に切断することで、効率良く検査用プローブを製造することができ、検査用プローブの低コスト化を実現できる。
【0057】
本発明の製造方法において、前記切断する前に、前記シリコン基板のうち前記突起部及び導電部が設けられた第1面と反対側の第2面にシート状部材を貼付し、前記シート状部材と一緒に前記シリコン基板を切断する構成を採用することができる。
【0058】
本発明によれば、切断処理する前にシート状部材をシリコン基板に貼付することで、切断処理を円滑に行うことができる。そして、その切断処理に使用したシート状部材をそのまま第3樹脂層として用いることで、製造工程の工数を少なくすることができ、検査用プローブの低コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。更には、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0060】
<検査用プローブ>
(第1の実施形態)
検査用プローブの第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る検査用プローブ1とその検査対象機器である液晶パネルディスプレイの一部を示す斜視図、図2は検査用プローブ1(1A)の側断面図、図3は検査用プローブ1Aを+X側から見た図である。
【0061】
これらの図において、検査用プローブ1(1A、1B)は、シリコン基板2と、シリコン基板2上に設けられた樹脂からなる突起部3と、シリコン基板2上に設けられ、検査対象機器である液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206又はデータ線端子306に電気的に接続する導電部9とを備えている。導電部9は、シリコン基板2上の突起部3上に設けられた第1導電部4と、シリコン基板2上のうち、突起部3が設けられた領域以外の領域に設けられ、第1導電部4と電気的に接続する第2導電部5とを含んで構成されている。シリコン基板2と第2導電部5との間には第1絶縁層6が設けられており、第2導電部5は第1絶縁層6の上面に設けられている。また、突起部3も第1絶縁層6の上面に設けられている。また、シリコン基板2のうち、第1絶縁層6、突起部3、及び第1、第2導電部4、5等が設けられた上面2Aと反対側の下面2Bには、樹脂からなる第3絶縁層7が設けられている。
【0062】
検査用プローブ1は、検査対象機器である液晶パネルディスプレイ100の短絡や断線、あるいは表示特性等に関して検査するものである。図1に示すように、液晶パネルディスプレイ100は、ガラス等からなる2つの基板200、300を備えており、それら基板200、300どうしが互いに対向するように接合される。そして、基板200と基板300との間の間隙に液晶が封入される。2つの基板200、300のうち、一方の基板200の下面(基板300と対向する面)200Aには複数の走査線202がX軸方向に沿って互いに平行となるように形成されており、他方の基板300の上面(基板200と対向する面)300Aには、複数のデータ線302がY軸方向に沿って互いに平行となるように形成されている。そして、基板200の下面200Aのうち、−X側端部の所定領域204には、走査線202を外部に引き出すための走査線端子206がY軸方向に複数並んで設けられている。同様に、基板300の上面300Aのうち、−Y側端部の所定領域304には、データ線302を外部に引き出すためのデータ線端子306がX軸方向に複数並んで設けられている。
【0063】
なお、このような構造となる液晶パネルディスプレイ100は、一般には、TFD(Thin Film Diode)素子のような2端子形非線形素子を用いて画素電極を駆動するアクティブマトリクス方式のものや、非線形素子を用いなパッシブマトリクス方式のものが該当する。ただし、本発明は、これに限られず、一方の基板において走査線とデータ線とを外部に引き出すための端子が設けられた液晶表示パネル、たとえば、画素電極をスイッチングする素子としてTFT(Thin Film Transistor)素子のような3端子形非線形素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示パネルでも適用可能である。
【0064】
走査線端子206は、基板200に形成された複数の走査線202の先端部分である。ここで、本実施形態にかかる検査装置により正常と判別された液晶パネルディスプレイ100にあっては、各走査線を駆動するベアチップが、走査線端子206と、所定領域204において前記走査線端子206と離れた位置で対向するように設けられた外部端子(不図示)とのそれぞれに接続される。ベアチップは、例えばCOG(Chip On Glass)等の技術により基板200に実装され、前記外部端子には、前記ベアチップに制御信号を外部から供給するためのFPC(Flexible Printed Circuit)が接続される。同様に、基板300のデータ線端子306部分においても、ベアチップ及びFPCが接続されるようになっている。ただし本実施形態においては、検査前の液晶パネルディスプレイ100を対象とするので、ベアチップもFPCもこの時点では実装・接続されていない。
【0065】
以下、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206に接続することで検査する検査用プローブ1(1A)について説明するが、データ線端子306に接続することで検査する検査用プローブ1(1B)も同等の構成を有するため、その説明を省略する。
【0066】
検査用プローブ1(1A)の第1導電部4は、走査線端子206に応じてY軸方向に複数並んで設けられた第1配線パターン4Lを含んで構成されている。第1配線パターン4Lは、走査線端子206のそれぞれに接続するように設けられており、第1配線パターン4L間の距離(プローブ側端子ピッチ)は、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206間の距離(検査対象側端子ピッチ)に対応している。また、第2導電部5は、第1配線パターン4Lに応じて複数設けられた第2配線パターン5Lを含んで構成されている。第2配線パターン5Lのそれぞれは第1配線パターン4Lに接続しており、シリコン基板2(第1絶縁層6)上のうち、突起部3が設けられた領域以外の領域において、X軸方向に延びるように設けられ、X軸方向に関して複数並んで設けられている。
【0067】
第1導電部4や第2導電部5を形成するための形成材料としては、金(Au)、銅(Cu)、銀(Ag)、チタン(Ti)、タングステン(W)、チタンタングステン(TiW)、ニッケル(Ni)、ニッケルバナジウム(NiV)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)等が挙げられる。
【0068】
第1配線パターン4Lは、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206に対応するように、Y軸方向に複数並んで配置されているので、第1配線パターン4Lと走査線端子206とを接触することで、検査用プローブ1は液晶パネルディスプレイ100を良好に検査することができる。また、第1導電部4(第1配線パターン4L)の形成材料として、銀(Ag)のようなやわらかい材料を用いることにより、走査線端子206との良好な密着性を得ることができる。
【0069】
突起部3は、シリコン基板2上の+X側端部において、複数の第1配線パターン4Lのそれぞれを支持可能なように、すなわち複数の第1配線パターン4Lのそれぞれが設けられるように、Y軸方向に延びるように設けられている。突起部3の表面は、シリコン基板2と反対側に向かって、すなわち上側(+Z)側に向かって膨らむように断面視円弧状に形成されており、全体として蒲鉾状に形成されている。また、図3に示すように、突起部3の表面のうち、第1配線パターン4Lが設けられた領域以外の領域は凹んでおり、第1配線パターン4Lどうしの間には凹部3Dが形成されている。
【0070】
このように、突起部3は、第1配線パターン4Lの並び方向に沿ったY軸方向に延びるように形成されているので、複数の第1配線パターン4Lを同一の突起部3上に設けることができる。したがって、第1配線パターン4Lの高さ方向に関する位置のばらつきを抑えることができる。また、第1導電部4の第1配線パターン4Lは、蒲鉾型の突起部3の表面に設けられているので、走査線端子206に対して良好に接触することができる。また、突起部3の表面が断面視円弧状に形成されているので、第1配線パターン4Lを突起部3の表面に形成するとき、第1配線パターン4Lを突起部3の表面に良好に密着させることができる。また、突起部3の表面のうち、第1配線パターン4Lどうしの間の領域が凹部3Dとなっているので、第1配線パターン4Lが走査線端子206に接触したとき、その第1配線パターン4Lの下地である突起部3が撓み変形する。したがって、その撓み変形によって、第1配線パターン4Lは走査線端子206に対して良好に接触することができる。ここで、樹脂部3の凹部3Dの深さは、5μm以上が好ましい。これにより、突起部3の十分な撓み変形を得ることができる。
【0071】
上述したように、突起部3は樹脂(合成樹脂)によって形成されている。突起部3を形成するための形成材料としては、、ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、BCB(benzocyclobutene)、及びPBO(polybenzoxazole)等が挙げられる。
【0072】
第1絶縁層6は、シリコン基板2と第2導電部5とを電気的に絶縁するものであって、シリコン基板2の表面に設けられている。第1絶縁層6はSiO等の無機物であってもよいし有機物(樹脂)であってもよい。ここで、第1絶縁層6を有機物(有機系樹脂)で形成した場合、その弾性作用によって、第1絶縁層6の上層に設けられる第2導電部5と外部機器(後述するベアチップ10や第2基板20)との良好な接触を得ることができる。また、第2導電部5(第2配線パターン5L)の形成材料として、銀(Ag)のようなやわらかい材料を用いることにより、外部機器との良好な密着性を得ることができる。
【0073】
シリコン基板2上において、第2導電部5(第2配線パターン5L)には、走査線端子206に対して電気信号を供給することにより、走査線202のそれぞれを駆動するベアチップ(電子部品)10が、例えば異方性接着剤によって実装されている。そして、第2配線パターン5Lの一端部(+X側端部)は、上述した接続端子としての第1配線パターン4Lに接続しており、他端部(−X側端部)は、外部機器と接続するための接続端子として機能する。第2導電部5の他端部である接続端子5Tは、ベアチップ10に制御信号を供給する不図示の回路基板に接続される。ここで、ベアチップ10は、例えば、検査後において基板200の所定領域204に実装されるものと同じものである。これにより、液晶パネルディスプレイ100を検査する際、実際の駆動状況に応じた高精細な表示検査が可能となる。
【0074】
第1導電部4、接続端子5T、及びベアチップ10の実装領域以外の領域には、第2絶縁層8が設けられている。第2絶縁層8は、外部端部5T及びベアチップ10の実装領域以外の領域において第2導電部5を覆うものであって、これにより、第2導電部5は第2絶縁層8で保護される。第2絶縁層8を形成するための形成材料としては、ポリイミド樹脂等の合成樹脂を用いることができる。
【0075】
シリコン基板2は、その厚みが200μm以下となるように設けられている。これにより、液晶パネルディスプレイ100の基板200との並行出しを容易に行うことができる。また、シリコン基板2の下面2Bには、樹脂からなる第3絶縁層7が設けられているので、その第3絶縁層7によってシリコン基板2の下面2Bを保護することができ、また、シリコン基板2の破損(割れ)を防止することができる。
【0076】
第3絶縁層7の形成材料としてはポリイミド樹脂等の公知の材料を用いることができる。また、前記形成材料を含む溶液(分散液)をシリコン基板2の下面2Bに、例えばスピンコート法に基づいて塗布することで、第3絶縁層7を形成してもよいし、前記形成材料を含むシート状部材をシリコン基板2の下面2Bに貼付することで、第3絶縁層7を形成してもよい。第3絶縁層7を形成するためにシート状部材を用いることにより、シリコン基板2の下面2Bにシート状部材を貼付するといった簡単な構成で、シリコン基板2の下面2Bに第3絶縁層7を設けることができる。
【0077】
上述した構成を有する検査用プローブ1(1A、1B)を使って液晶パネルディスプレイ100を検査する際には、図1に示すように、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206に対して、検査用プローブ1Aの第1導電部4(第1配線パターン4L)が接触される。そして、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206と検査用プローブ1Aの第1配線パターン4Lとが位置合わせされた状態で、不図示の弾性体からなる押圧部材によって、液晶パネルディスプレイ100の基板200に対して検査用プローブ1Aのシリコン基板2が押圧される。これにより、走査線端子206と第1配線パターン4Lとが密着され、電気的な接続が得られる。同様に、液晶パネルディスプレイ100のデータ線端子306と検査用プローブ1Bの第1配線パターン4Lとが位置合わせされた状態で、不図示の弾性体からなる押圧部材によって、液晶パネルディスプレイ100の基板300に対して検査用プローブ1Bのシリコン基板2が押圧される。これにより、データ線端子306と第1配線パターン4Lとが密着され、電気的な接続が得られる。
【0078】
そして、検査用プローブ1A、1Bそれぞれの接続端子5Tには、ベアチップ10への制御信号(電気信号)が供給される。これによって、基板200における複数の走査線202、及び基板300における複数のデータ線302には、ベアチップ10によって基板200、300の端子部分にCOG実装された場合と同じ駆動信号が供給される状態となる。したがって、この状態における液晶表示をCCD等による画像解析や目視等により判別すれば、画素欠陥等の表示検査を行うことが可能となる。
【0079】
以上説明した構成を有する検査用プローブ1においては、シリコン基板2上に導電部9を形成するようにしたので、微細な導電部9を得ることができる。したがって、液晶パネルディスプレイ100の高精細化に伴って走査線端子ピッチやデータ線端子ピッチが狭小化しても、検査用プローブ1はその狭小化に対応することができる。また、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206やデータ線端子306に直接的に接触する第1導電部4は、樹脂からなる突起部3上に設けられているので、第1導電部4が液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206やデータ線端子306に接触したとき、その第1導電部4の下地である樹脂からなる突起部3の弾性作用によって、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206及びデータ線端子306に対して良好に接触することができる。
【0080】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した第1の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
【0081】
上述した第1の実施形態では、ベアチップ10はシリコン基板2上に設けられているが、第2の実施形態においては、ベアチップ10は、シリコン基板2とは別の第2基板20に設けられている点が特徴部分である。
【0082】
図4に示すように、シリコン基板2上にはベアチップ10は設けられておらず、第2絶縁層8は、接続端子5Tを除いて第2導電部5のほぼ全域を覆っている。また、第2基板20の下面20Bには、第2導電部5の第2配線パターン5Lの−X側端部によって構成される接続端子5Tに応じた第3配線パターンが形成されている。ベアチップ10は、第2基板20の下面20Bに設けられた第3配線パターンに実装されている。そして、第2基板20の第3配線パターンと、シリコン基板2の接続端子5Tとが電気的に接続することで、ベアチップ10から、それら第3配線パターン、接続端子5T、第2配線パターン5L、及び第1配線パターン4Lを介して、液晶パネルディスプレイ100の走査線端子206に電気信号が供給される。
【0083】
第2基板20はガラス基板によって形成されている。こうすることにより、例えば第2基板20の下面20Bに設けられた第3配線パターンとシリコン基板2の第2導電部5の接続端子5Tとを目視(あるいは光学的な位置検出装置)により位置合わせしつつ接続する際、ガラス製の第2基板20を介して(第2基板20を透かして)、第2基板20の第3配線パターンとシリコン基板2の接続端子5Tとの接続状態を把握することができる。したがって、接続時の位置合わせ作業を円滑に行うことができる。
【0084】
あるいは、第2基板20はシリコン製であってもよい。第2基板20もシリコン基板とすることで、微細化が実現されている検査用プローブ10の接続端子5T(第2配線パターン5L)に対応する第3配線パターンをその第2基板20上に形成することができる。
【0085】
<検査用プローブの製造方法>
次に、検査用プローブ1を製造する方法について図5〜図7を参照しながら説明する。ここで、本実施形態においては、検査用プローブ1は同一のシリコン基板2上に複数(図では2つ)同時に一括して形成されるものとする。
【0086】
まず、図5(A)に示すように、シリコン基板2の上面2Aに第1絶縁層6が形成される。次いで、図5(B)に示すように、第1絶縁層6上の所定領域に、突起部3を形成するための樹脂が配置される。突起部3は、シリコン基板2上において、所定方向(Y軸方向)に延びるように蒲鉾状に設けられる。本実施形態においては、突起部3は液滴吐出法(インクジェット法)に基づいて形成される。液滴吐出法においては、図5(B)に示すように、突起部3を形成するための樹脂を含む機能液の液滴3Dが液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)50よりシリコン基板2(第1絶縁層6)上に吐出される。これにより、シリコン基板2上には、その表面がシリコン基板2とは反対側(すなわち上側)に向かって膨らむ断面視円弧状の突起部3が形成される。液滴吐出法に基づいて突起部3を設けることにより、材料の無駄を省いて突起部3を円滑に形成することができる。なお、突起部3をフォトリソグラフィ法に基づいて形成してもよい。この場合、突起部3は感光性樹脂を含む。露光、現像、及び硬化条件等により、断面視略円弧状の突起部3を容易に且つ高精度に形成することができる。次に、図5(C)に示すように、突起部3上及び第1絶縁層6上のそれぞれに、第1、第2導電部4、5を含む導電部9が形成される。導電部(配線パターン)9は、スパッタ法、めっき法、及び液滴吐出法(インクジェット法)を用いて形成することができる。突起部3上においては、走査線端子206に接触する第1導電部4として、突起部3の長手方向に並ぶ複数の第1配線パターン4Lが形成され、突起部3が設けられた領域以外の領域には、第1配線パターン4Lと電気的に接続する第2配線パターン5Lが形成される。
【0087】
次に、図6(A)に示すように、Oプラズマ処理が施される。Oプラズマ処理により、突起部3の表面のうち、第1配線パターン4Lを設けられた領域以外の領域が、第1配線パターン4Lをマスクとして、選択的にハーフエッチングされる。これにより、図3で示したように、第1配線パターン4Lどうしの間に凹部3Dが形成される。次に、図6(B)に示すように、第2導電部5を覆う第2絶縁層8が設けられる。次に、シリコン基板2の下面2Bに対して研磨処理等の所定の処理が施され、その処理より、シリコン基板2は所望の厚み(200μm以下)に薄くされる。
【0088】
次に、図7(A)に示すように、シリコン基板2のうち突起部3及び導電部9が設けられた上面2Aと反対側の下面2Bに、第3絶縁層7として機能するシート状部材が貼付される。上述したように、本実施形態においては、検査用プローブ1を同一のシリコン基板2上に複数形成している。そこで、前記貼付したシート状部材をダイシング用シートとして、図7(B)に示すように、シリコン基板2が検査用プローブ1毎にシート状部材と一緒にダイシング(切断)される。このように、シリコン基板2上に複数の検査用プローブ1を略同時に形成し、その後、そのシリコン基板2を検査用プローブ1毎に切断することで、効率良く検査用プローブ1を製造することができ、検査用プローブ1の低コスト化を実現できる。そして、そのダイシング処理に使用したシート状部材をそのまま第3樹脂層7として用いることで、製造工程の工数を少なくすることができ、検査用プローブ1の低コスト化を実現することができる。ダイシングした後、図7(C)に示すようにベアチップ10を実装することにより、検査用プローブ1を得ることができる。
【0089】
<検査装置>
図8は上述した検査用プローブ1を有する検査装置70の一例を示す概略図である。図8において、検査装置70は、検査対象機器である基板200を保持するホルダ72と、基板200を保持したホルダ72の位置及び姿勢を調整可能な調整機構71とを備えている。ホルダ72は、基板200のうち所定領域204以外の領域を保持している。ホルダ72に保持された基板200の所定領域204と対向する位置には、検査用プローブ1のうち突起部3上に設けられた第1導電部4が配置されている。また、第1導電部4と基板200を挟んで上方側には弾性体からなる押圧部材73が設けられている。検査装置70においては、基板200の走査線端子206と検査用プローブ1の第1導電部4とが位置合わせされた状態で、弾性体からなる押圧部材73によって、検査用プローブ1に対して基板200が押圧される。これにより、走査線端子206と第1導電部4とが密着され、電気的な接続が得られる。基板200における複数の走査線202には、ベアチップ10によって基板200の走査線端子206部分にCOG実装された場合と同じ駆動信号が供給される状態となる。したがって、この状態における液晶表示をCCD等による画像解析や目視等により判別すれば、画素欠陥等の表示検査を行うことが可能となる。また、検査装置70においては、図4を参照して説明したような第2基板20を有した構成であってもよい。
【0090】
なお本発明に係る検査用プローブ及び検査装置の検査対象機器としては、液晶パネルディスプレイに限られず、端子を有した機器であれば、本発明に係る検査用プローブ及び検査装置を使って検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】検査用プローブの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】検査用プローブの断面図である。
【図3】検査用プローブの拡大断面図である。
【図4】第2の実施形態を示す斜視図である。
【図5】検査用プローブの製造工程の一例を説明するための図である。
【図6】検査用プローブの製造工程の一例を説明するための図である。
【図7】検査用プローブの製造工程の一例を説明するための図である。
【図8】検査装置の一実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0092】
1…検査用プローブ、2…シリコン基板、2A…上面(第1面)、2B…下面(第2面)、3…突起部、3D…凹部、4…第1導電部、4L…第1配線パターン、5…第2導電部、5L…第2配線パターン、6…第1絶縁層、7…第3絶縁層、8…第2絶縁層、9…導電部、10…ベアチップ(電子部品)、20…第2基板、100…液晶パネルディスプレイ(検査対象機器)、206…走査線端子、306…データ線端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象機器の端子に電気的に接続する導電部を有する検査用プローブにおいて、
シリコン基板と、
前記シリコン基板上に設けられた樹脂からなる突起部と、
前記突起部上に設けられ、前記端子と接触する第1導電部と、
前記シリコン基板上のうち、前記突起部が設けられた領域以外の領域に設けられ、前記第1導電部と電気的に接続する第2導電部とを備えた検査用プローブ。
【請求項2】
前記第1導電部は、前記端子に応じて第1の方向に複数並んで設けられた第1配線パターンを含み、前記第2導電部は、前記第1配線パターンに応じて複数設けられた第2配線パターンを含む請求項1記載の検査用プローブ。
【請求項3】
前記突起部は、前記複数の第1配線パターンのそれぞれが設けられるように前記第1の方向に延びている請求項2記載の検査用プローブ。
【請求項4】
前記突起部の表面のうち、前記第1配線パターンが設けられた領域以外の領域は凹んでいる請求項2又は3記載の検査用プローブ。
【請求項5】
前記突起部の表面は、前記シリコン基板と反対側に向かって膨らむ断面視円弧状に形成されている請求項1〜4のいずれか一項記載の検査用プローブ。
【請求項6】
前記シリコン基板と前記第2導電部との間に第1絶縁層が設けられている請求項1〜5のいずれか一項記載の検査用プローブ。
【請求項7】
前記第1絶縁層は有機物を含む請求項6記載の検査用プローブ。
【請求項8】
前記第2導電部を覆う第2絶縁層が設けられている請求項1〜7のいずれか一項記載の検査用プローブ。
【請求項9】
前記シリコン基板のうち前記突起部及び導電部が設けられた第1面と反対側の第2面には樹脂からなる第3絶縁層が設けられている請求項1〜8のいずれか一項記載の検査用プローブ。
【請求項10】
前記第3絶縁層はシート状部材を含む請求項9記載の検査用プローブ。
【請求項11】
前記シリコン基板上に、前記端子に対して電気信号を供給する電子部品が実装されている請求項1〜10のいずれか一項記載の検査用プローブ。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれか一項記載の検査用プローブを備えた検査装置。
【請求項13】
前記第2導電部の一部に、前記端子に対して電気信号を供給する電子部品を実装した第2基板が電気的に接続される請求項12記載の検査装置。
【請求項14】
前記第2基板はシリコン製の基板を含む請求項13記載の検査装置。
【請求項15】
前記第2基板はガラス製の基板を含む請求項13記載の検査装置。
【請求項16】
検査対象機器の端子に電気的に接続する導電部を有する検査用プローブの製造方法において、
シリコン基板上に樹脂からなる突起部を設ける工程と、
前記突起部上に、前記端子と接触する第1導電部を設ける工程と、
前記シリコン基板上のうち、前記突起部が設けられた領域以外の領域に、前記第1導電部と電気的に接続する第2導電部を設ける工程とを含む検査用プローブの製造方法。
【請求項17】
前記突起部を第1の方向に延びるように設け、
前記第1導電部として、前記第1の方向に並ぶ複数の第1配線パターンを前記突起部上に設ける請求項16記載の製造方法。
【請求項18】
前記突起部の表面のうち、前記第1配線パターンが設けられた領域以外の領域をハーフエッチングして凹ませる請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
前記突起部は、その表面が前記シリコン基板と反対側に向かって膨らむ断面視円弧状に形成される請求項16〜18のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項20】
前記突起部を形成するための樹脂を含む機能液を液滴吐出ヘッドより前記シリコン基板上に吐出して前記突起部を形成する請求項16〜19のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項21】
前記第2導電部を覆う第2絶縁層を設ける請求項16〜20のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項22】
前記シリコン基板を薄くする工程を有する請求項16〜21のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項23】
前記シリコン基板のうち前記突起部及び導電部が設けられた第1面と反対側の第2面に樹脂からなる第3絶縁層を設ける請求項16〜22のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項24】
前記第3絶縁層として前記シリコン基板の前記第2面にシート状部材を貼付する請求項23記載の製造方法。
【請求項25】
前記第3絶縁層を設ける前に、前記第2面を処理して前記シリコン基板を薄くする請求項23又は24記載の製造方法。
【請求項26】
前記検査用プローブを同一のシリコン基板に複数略同時に形成した後、前記シリコン基板を前記検査用プローブ毎に切断する請求項16〜25のいずれか一項記載の製造方法。
【請求項27】
前記切断する前に、前記シリコン基板のうち前記突起部及び導電部が設けられた第1面と反対側の第2面にシート状部材を貼付し、前記シート状部材と一緒に前記シリコン基板を切断する請求項26記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−78319(P2006−78319A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262273(P2004−262273)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】