説明

極低速で回転する高出力発電機

【課題】 この高出力発電機は,ステータへの巻線の巻き数を低減するため2つの第1巻線と第2巻線に分割してインダクタンスを低減し,各相間にコンデンサを介在させ,コンデンサに電流を溜め,電圧を上昇させて出力をアップさせる。
【解決手段】 U相,V相及びW相の三相巻線14を構成する互いに独立した第1巻線18と第2巻線19は,1又は2スロット11分ずらして櫛部10に巻き上げられている。三相巻線14の各相の出力ライン36,37,38,42間にはコンデンサ30がそれぞれ配置され,第1巻線18の出力ライン36,38にはスイッチ26,27,及び第2巻線19の出力ライン37,42にはスイッチ24,43がそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,ハウジングに取り付けられたステータ,及びステータに対して回転する永久磁石部材を備えたロータを有する高出力発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,永久磁石式発電機では,発電した電圧を一定電圧にするためには,スイッチングレギュレタ等を用いて電流を切り刻む操作をしなければならないが,大電圧及び/又は大電流をオン・オフするためには大型のパワートランジスタが必要になり,装置が大型化し,冷却損失が大きくなり,高価になったり,また,発電電圧を一定にするために,電流を切り刻む時に発生する過大な突入電流によって電波障害を起こしたり,ノイズを発生させたり,それらの問題を低減する対策が大変である。
【0003】
また,永久磁石式発電機について,本発明者は自己電圧制御型のものを開発して先に特許出願した。該永久磁石式発電機は,コイルを発電機の外側に配置し,コイルでブレーキ電圧を発生させて常に一定電圧を発電させるものであり,巻線によって三相交流を発生させるそれぞれのU相,V相及びW相の端子に,巻線に発生する発電電圧を抑制させる巻き数に設定されたコイルがスイッチを介してそれぞれ接続されている。コイルの端子は電動機に接続されている。コイルは,継鉄に逆向きに巻き上げられて変圧器の一次側を構成し,変圧器の継鉄に巻き上げられたコイルは二次側を構成し,コイルが一定電圧を出力する出力端子に接続されている(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,本発明者は,永久磁石式発電・電動機として,磁束制御装置を備え,巻線として櫛部に異なった巻数で巻き上げられた複数個の巻線群である3群の巻線群に分けられたものを開発して先に特許出願した。コントローラは,ロータの回転数に応答して筒部材のステータコアに対する位置制御と巻線群の直列及び/又は並列の結線の制御を行なうことによって予め決められた所定の電圧を得るように制御している。コントローラは,例えば,高い電圧側は,巻線群を直列に結線して高電圧を発生させ,また,低い電圧で電流の多い側は巻線群を並列に結線して低電圧で大電流を発生させ,そして,ステータコアに巻き上げられた分割型の巻線では,高電圧側は途中から引き出された巻線の線材から出力するように構成してロータの回転数の増加に従って巻線の巻数が減少するように制御する。また,三相交流を発生させる巻線は,1U,2U及び3U,1V,2V及び3V,及び1W,2W及び3Wが結線部においてそれぞれ直列に結線され,結線部にはラインを通じてスイッチがそれぞれ設けられている。コントローラは,ロータの回転数(RPM)に応答して,筒部材を構成する半筒部材のステータに対する位置制御と巻線群の直列及び/又は並列の結線を,スイッチのスイッチングの制御を行なうことによって予め決められた所定の交流電圧を三相交流電源として得ることができるように制御する(例えば,特許文献2参照)。
【0005】
また,本発明者は,発電機として2系統の電力発電特性を持つものを開発して先に特許出願した。該発電装置は,ステータが,ロータの外周との間に隙間を形成した内側円筒部,該内側円筒部上に円周方向に隔置してスロット部を形成するように立設した櫛部の先端部に位置する外側円筒部,予め決められたスロット部間に跨がって櫛部に分布巻き又は集中巻きされた少ない巻数の低電力用巻線と多い巻数の高電力用巻線とから構成された2系統の巻線,及び所定の低電力用巻線と高電力用巻線とに接続された端子を備えた端子線から構成され,ロータの極に対応する界磁極を中心に集中巻き又は分布巻きされた巻線は,発電される電圧を調整するため,ロータの回転の上昇に応じて複数個結線した直列結線を複数の並列結線に分割されており,巻線の端子線を結線する接続線にそれぞれ設けられスイッチがオン・オフによって発生する電力が調整されるものである(例えば,特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2003−264996号公報
【特許文献2】特開2002−204556号公報
【特許文献3】特開2001−298926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願人の発明者は,永久磁石式発電機について,上記の問題を解決するため,上記特許文献1〜3に示すように,ステータとロータとの間にステータに対して相対移動する磁束制御リングを配置し,磁束制御リングをステータに対して移動させ,磁束制御リングの歯部とステータの櫛部との間の磁路空隙を増減させ,それによってステータ側への磁束の流れを制御し,予め決められた所定の一定電圧を発電させることを開発した。
【0007】
しかしながら,上記の永久磁石式発電機は,例えば,自動車等の移動車では,ロータは高速から低速まで変化し,特に,極低速に対応するには,十分なものではなかった。即ち,永久磁石式発電機が高速回転で回転するエンジンに用いられる場合,その回転変動の幅は10倍から15倍に達する。しかも,永久磁石式発電機の発電能力は,アイドリングから7000rpmまで非常に高いレベルを要求されるので,この間の電圧を一定にすることは容易ではない。従来,永久磁石式発電機では,永久磁石の持つ磁力をロータとステータと間の空隙を設けることにより,制御していたが,限られた空隙で磁束制御を行うことには限度があり,特に回転数が小さい領域においても発電電圧が小さくならず,所定の一定電圧を発電できるものが望まれている。
【0008】
この発明の目的は,上記の問題を解決するため,ロータの回転数の小さい領域である極低速でも発電電圧が小さくならず所定の一定電圧を得るために,三相巻線の巻き数を余り大きくせずに,2つの巻線に分割してステータにそれぞれ巻き上げ,それぞれの三相巻線間にコンデンサをそれぞれ配置し,コンデンサに電流を溜めることを可能にし,それによって発電電圧を上昇させ,出力をアップさせることを特徴とする高出力発電機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は,ハウジングに回転可能に支持された回転軸,前記回転軸に固定され且つ周方向に隔置した永久磁石片を持つ永久磁石部材を備えたロータ,及び前記ハウジングに固定され且つ周方向に隔置して立設された櫛部間に巻き込まれた巻線を備えたステータを有する永久磁石式発電機において,
前記巻線はU相,V相及びW相の三相であるそれぞれ独立した第1巻線と第2巻線から構成され,前記第1巻線と前記第2巻線とは前記櫛部間の1又は2スロット分ずらして前記櫛部に巻き上げられ,
前記第1巻線と前記第2巻線との全巻端部及び中間部からの前記U相,V相及びW相の出力を三相全波整流回路に接続すると共に各相間にコンデンサをそれぞれ挿入した回路を,並列又は直列にそれぞれ接続するスイッチング動作を出力に合わせて切換え制御することを特徴とする高出力発電機に関する。
【0010】
また,この高出力発電機は,前記第1巻線の前記三相のそれぞれの第1出力ラインには第1スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第1出力ライン間には第1コンデンサがそれぞれ配置され,前記第2巻線の前記三相のそれぞれの第2出力ラインには第2スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第2出力ライン間には第2コンデンサがそれぞれ配置され,前記第1巻線の中間部に設けられた前記三相のそれぞれの第1中間出力ラインには第3スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第1中間出力ライン間には第3コンデンサがそれぞれ配置され,前記第2巻線の中間部に設けられた前記三相のそれぞれの第2中間出力ラインには第4スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第2中間出力ライン間には第4コンデンサがそれぞれ配置され,前記第1と第2出力ライン及び前記第1と第2中間出力ラインは,前記三相全波整流回路における整流器を介して負荷にそれぞれ接続されているものである。
【0011】
また,前記整流器は,前記第1出力ラインが第6スイッチを介して接続された第1整流器,前記第2出力ラインが第7スイッチを介して接続された第2整流器,前記第1中間出力ラインが第9スイッチを介して接続された第3整流器,前記第2中間出力ラインが第10スイッチを介して接続された第4整流器,前記第1整流器と前記第2整流器とを第5スイッチを介して接続され,前記第3整流器と前記第4整流器とを第8スイッチを介して接続されている。
【0012】
前記第1と前記第2整流器の出力端子及び前記第3と前記第4整流器の出力端子は,第1整流器と第2整流器との出力及び第3整流器と第4整流器との出力が直列又は並列になるように前記第5〜第10スイッチを介して前記負荷に接続されている。
【0013】
前記第1〜第10スイッチは,前記ロータの回転速度に応答してオン・オフ制御され,予め決められた所定の一定電圧が発電される。
【0014】
この高出力発電機は,特に,前記ロータの極低速に応答して前記第1出力ラインと前記第2出力ラインとを直列に接続し,前記ロータの低中速に応答して前記第1出力ラインと前記第2出力ラインとを並列に接続し,前記ロータの高速に応答して前記第1巻線の前記第1中間出力ラインと前記第2巻線の前記第2中間出力ラインとを並列に接続する制御を行うことに特徴を有している。
【0015】
この高出力発電機は,例えば,前記ロータの極低速に応答して前記第1,第2及び第5スイッチがオンして前記第3,第4,第6及び第7スイッチがオフし,前記第1巻線と前記第2巻線を付勢して前記第1整流器と前記第2整流器とを直列に接続する制御を行うものである。また,この高出力発電機は,例えば,前記ロータの低中速に応答して前記第1,第2,第6及び第7スイッチがオンして前記第3,第4及び第5スイッチがオフし,前記第1巻線と前記第2巻線を付勢して前記第1整流器と前記第2整流器とを並列に接続する制御を行うものである。また,この高出力発電機は,例えば,前記ロータの高速に応答して前記第1,第2,第5及び第8スイッチをオフして前記第3,第4,第6,第7,第9及び第10スイッチがオンし,前記第2巻線の前記第1と第2中間出力ラインを付勢して前記第1整流器と前記第2整流器及び前記第3整流器と前記第4整流器とを並列に接続する制御を行うものである。従って,この高出力発電機は,前記ロータの回転速度に応答して,前記第1〜第10スイッチのオン・オフ制御することによって,予め決められた所定の電圧を確保するため,最適の出力を発電させることができる。
【発明の効果】
【0016】
この高出力発電機は,上記のように構成されているので,三相巻線の巻き数を低減して2つの三相巻線から構成し,三相間にそれぞれコンデンサを配置して該コンデンサに電流を蓄え,その電流によって発電電力をアップさせることができる。この高出力発電機は,例えば,上記段落15では3つの状態の出力を確保する結線を例示したが,その他の結線の制御を行うことも可能であり,ロータの回転速度に応答して第1〜第10スイッチのオン・オフ制御を行うことによって,予め決められた所定の電圧を確保するため,最適の出力を発電させることができる。
一般的に,永久磁石をロータとする永久磁石式発電機では,特に回転数の小さい領域では発電電圧が小さく,発電電力も小さいものである。
発電機の起電力E0は,次式で示される。
E0=4.44・Φ・f・Ws ・・・・・・・(1)
E=E0 −I・〔R2 +(2π・f・L)2 1 / 2 ・・・・・・・(2)
但し,E0 :起電電圧,Φ:磁力,f:周波数(回転数),Ws:巻線の巻き数,
E:作動電圧,I:電流,L:巻線インダクタンス
起電力E0は,巻線の巻き数,磁力及び周波数が大きくならないと,大きくならず,特に,低回転速度(低回転数)では起電力が大きくならないので,出力も大きくならない。巻線の巻き数を大きくすると,上記(2)に示すように,巻線のインダクタンスが大きくなり,発電電流が大きくならない。
【0017】
この高出力発電機は,低速での電圧を大きくし,発電電力を大きくするためには巻線の巻き数を余り大きくせず,言い換えれば,インダクタンスを小さくした巻線を2個重ね合わせることが効果的であることに着眼し,各極,各相の巻線を2分割し,その相を1〜2スロット分ずらしてステータの櫛部に巻き込み,それぞれの相間にコンデンサを挟み込み,それぞれに出力電流を3相整流し,整流出力を並列,又は直列に重ね合わせることにより,発電電圧,発電電力を1.5倍以上に上昇させることができた。即ち,この高出力発電機は,巻線をスロットを1列又は2列ずらして巻き込み,並列に接続した場合,2つの巻線は相互に干渉を起し,巻線に環電流が流れ,発熱,出力ロスが発生するので,それをカバーするため,2つの巻線間にコンデンサをそれぞれ挟み込み,巻線を3相整流し,これらの出力を重ね合わせると,干渉がなく,積層効果によって電圧が上昇し,出力が上昇するようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下,図面を参照して,この発明による高出力発電機の一実施例を説明する。この高出力発電機は,例えば,自動車等の負荷が大幅に変動する移動体に搭載されたエンジンからの動力で発電する発電機に適用して好ましいものである。
【0019】
この高出力発電機は,永久磁石式発電機に関し,永久磁石式発電機では,電圧(V)と電流(A)との相関は,概略的には図3に示すようになっており,ロータ3の回転数が大きいと発生する電圧が大きくなり,また,無負荷電圧状態が電流の上昇によって逆起電力の作用により,電圧が徐々に降下し,垂下する。ロータ3の回転数が大きければ,無負荷電圧が上昇するが,垂下電流は変わらない。永久磁石式発電機では,低速で出力を大きくするためには,無負荷電圧を大きくする必要があるが,巻線14(総称)の巻き数を大きくすると垂下電流が小さくなり,巻線14の巻き数を小さくすると垂下電流は大きくなるが,電圧は大きくならない。そこで,電力(I×E)を増やすため,電流Iを大きくしなければならないが,そのためには上記式(2)のL(巻線インダクタンス)を小さくしなければならない。この発明による高出力発電機は,L(巻線インダクタンス)を小さくするため,巻線14を第1巻線18(18U,18V,18W)と第2巻線19(19U,19V,19W)とに二分割し,それぞれの巻線数を小さく構成し,更に,各相間にコンデンサ30を介在させて電流を一旦溜めるように構成したものである。
【0020】
この高出力発電機は,上記の現象を実現するため,図1及び図2に示すように,三相巻線の巻線14の巻き数を小さくして独立した三相巻線の第1巻線18と第2巻線19とに分割し,第1巻線18と第2巻線19とを重ね合わせることにより,電圧を大きくし,出力を大きくするものであり,そのために第1巻線18と第2巻線19とをステータ4の櫛部10間の1又は2スロット11分ずらして櫛部10に巻き上げて出力が干渉することなく重ね合わせた構造に構成されている。即ち,この高出力発電機は,図示のように,低速時の電圧上昇効果と出力向上効果を得るため,第2巻線19を第1巻線18に対して1又は2個のスロット11分ずらしてステータ4の櫛部10に巻き上げている。図2では,第1巻線18と第2巻線19とは,スロット1つ分ずれて櫛部10に巻き上げられているタイプが示されている。この高出力発電機は,特に,第1巻線18と第2巻線18との全巻端部からの出力ライン17,37及び中間部28,35からの中間出力ライン38,42からのU相,V相及びW相の出力を三相全波整流回路に接続すると共に各相間にコンデンサ30をそれぞれ挿入した回路を,並列又は直列にそれぞれ接続するスイッチング動作を出力に合わせて切換え制御することを特徴としている。
【0021】
この高出力発電機は,具体的には,第1巻線18と第2巻線19のU相,V相及びW相の出力ライン36(36U,36V,36W)間,出力ライン37(37U,37V,37W)間,中間出力ライン38(38U,38V,38W)間,及び中間出力ライン42(42U,42V,42W)間に,コンデンサ30をそれぞれ挟み込むことにより,極が移動する時に発生する逆起電電流がコンデンサ30に一旦蓄えられ,N極がS極に変化し,電流の流れが徐々に逆転する時,その変換電流を放出し,電力を増加させ,出力を向上させる。従来の回路(図示せず)のように,3相間にコンデンサがない場合には,N極からS極への変換時にS極波形にN極の変換時に発生する大きな逆流電流が流れるので,波形が凹形になり,3相に重ね合わせた時,電圧上昇降下が少なくなる。
【0022】
また,この高出力発電機は,第1巻線18(18U,18V,18W)の出力ライン36(36U,36V,36W)及び第2巻線19(19U,19V,19W)の出力ライン37(37U,37V,37W)には,スイッチ26(26U,26V,26W)(第1スイッチ),及びスイッチ24(24U,24V,24W)(第2スイッチ)がそれぞれ設けられている。更に,この高出力発電機は,それぞれの3相の第1巻線18(18U,18V,18W)の全出力端17(17U,17V,17W)から延びる出力ライン36(36U,36V,36W),及び3相の第2巻線19(19U,19V,19W)から延びる出力ライン37(37U,37V,37W)は,三相全波整流回路におけるツェナダイオードである三相整流器23(第1整流器),三相整流器29(第2整流器)にそれぞれ結線されており,整流電力が直流又は並列に接続され,三相整流器23,29を通じて負荷12に接続されている。
【0023】
この高出力発電機には,第1巻線18は中間部28(28U,28V,28W)に中間出力ライン38(38U,38V,38W)が接続され,U相,V相及びW相の中間出力ライン38(38U,38V,38W)間にはコンデンサ30がそれぞれ設けられており,また,中間出力ライン38(38U,38V,38W)にはスイッチ27(27U,27V,27W)(第3スイッチ)がそれぞれ設けられ,中間出力ライン38(38U,38V,38W)はツェナダイオードである三相整流器44(第3整流器)を通じて負荷12に接続されている。また,この高出力発電機には,第2巻線19は中間部35(35U,35V,35W)に中間出力ライン42(42U,42V,42W)が接続され,U相,V相及びW相の中間出力ライン42(42U,42V,42W)間にはコンデンサ30がそれぞれ設けられており,また,中間出力ライン42(42U,42V,41W)にはスイッチ43(43U,43V,43W)(第4スイッチ)がそれぞれ設けられ,中間出力ライン42(42U,42V,42W)はツェナダイオードである三相整流器45(第4整流器)を通じて負荷12に接続されている。
【0024】
この高出力発電機は,例えば,図5と図6に示すように,回転子のロータ3と固定子のステータ4とを収容すると共に磁路の一部を構成するハウジング1,ハウジング1に一対の軸受13を介して回転可能にそれぞれ支持されている回転軸2,回転軸2に固定されている永久磁石部材5を持つロータ3,ロータ3の外周から隔置してハウジング1に固定されているステータ4,及びステータ4の内周側にステータ4に対して相対回転可能にハウジング1に絶縁軸受(図示せず)を介して回転可能に取り付けられた磁束制御リング7から成る磁束制御機構,及び磁束制御リング7をロータ3の駆動状態に応じてステータ4に対して相対移動させる電磁弁又はモータ等のアクチュエータ25から構成されている。ロータ3の一端には,押さえ板の端板34を介して回転軸2にねじ等で固定されたストッパが位置し,他端には同様に押さえ板の端板34を介して回転軸2にナット33が螺入され,ナット33を締め付けることによってロータ3が回転軸2の所定位置に固定される。また,回転軸2は,例えば,一端側に配置された軸受13と他端側に配置された軸受13とによって,ハウジング1に回転自在に支持されている。
【0025】
この高出力発電機では,ステータ4は,ハウジング1に固定され,櫛部10間にコイル即ち巻線14(総称)を巻き上げるスロット11を形成する櫛部10を備えている。ロータ3は,ハウジング1に回転可能に支持された回転軸2に固定され且つ周方向に隔置して配置された複数の永久磁石片20を持つ永久磁石部材5を備えている。磁束制御リング7は,ステータ4とロータ3との間の隙間22に配置され,ステータ4に対して相対回転して磁束を制御する。ハウジング1は,例えば,両側の一対の本体とこれらを連結する連結ボルト31から成る。また,磁束制御リング7は,例えば,絶縁材から成る絶縁軸受(図示せず)を介してハウジング1に回転自在に支持され,ステータ4に対して回転移動可能に支持されている。ステータ4は,ステータコア15とステータコア15に巻き上げられた巻線14とから構成されている。ステータコア15は,例えば,櫛歯状に周方向に隔置状態で位置する櫛部10と櫛部10間に形成されたスロット11から形成されている。この高出力発電機では,ステータ4の櫛部10に巻き上げられた巻線14は,例えば,U相,V相及びW相の3相電流を通電できる複数の第1巻線18(18U,18V,18W)と第2巻線19(19U,19V,19W)とから構成されている。
【0026】
磁束制御リング7は,周方向に隔置して配置され且つステータ4の櫛部10と相対する突起した歯部8の角部にチャンファ部(図示せず)が設けられている。また,この高出力発電機は,ステータ4における先端部のチャンファ部(図示せず)と磁束制御リング7の歯部8のチャンファ部との間の空隙,ステータ4の先端部と歯部8の底部との間の空隙,及び磁束制御リング7の歯部8の先端とステータ4のスロット11との間の空隙は,磁路空隙を形成するものである。この高出力発電機は,回転軸2の回転速度に応答して磁束制御リング7を移動させてステータ4との磁路空隙を増減させてステータ4を通る磁束を制御し,予め決められた所定の一定電圧を発電させる機能を有している。また,ロータ3は,例えば,回転軸2の外周に配置された継鉄6,継鉄6の外周面に配置された永久磁石部材5,及び永久磁石部材5の外周面に固定された一種の保持パイプである補強部材16を備えている。永久磁石部材5は,周方向に隔置状態に配置され且つ軸方向に延びる永久磁石片20と,隣接する永久磁石片20間に介在された非磁性材21とから構成されている。また,ロータ3の永久磁石部材5は,12個の円弧状の永久磁石片20を備え,永久磁石片20は周方向に約30°にわたって延びている。永久磁石部材5を構成する永久磁石片20は,周方向に隣接する永久磁石片20が交互に異なった磁極即ちN極とS極とが交互に配置されるように配列されている。
【0027】
この高出力発電機は,上記のように構成されており,永久磁石片20の作用によって磁力を小さくすることができないので,高速時にロータ3とステータ4との隙間22を磁束制御リング7の作動により増減することにより磁束を制御する機能を持っており,発電電圧を抑制することを図っている。ところで,磁束制御装置による磁束制御量は,50〜60%であるので,例えば,1000rpmで所定の出力が出力されるようにセットされると,2000rpmまでは負荷変動,回転変動があっても自由自在に出力を得ることができる。しかしながら,この高出力発電機は,回転数が小さい領域の極低速では,発電電圧が小さく,発電電力も小さい。起電力E0は,巻線数,磁力,周波数が大きくないと大きくならず,特に,低回転速度では起電力が大きくならないので出力も大きくならない。そこで,起電力E0をアップするため,巻線数を大きくすると,巻線14のインダクタンスが大きくなり,発電電流が大きくならない。
【0028】
この高出力発電機は,特に,低速での電圧を大きくし,発電出力を大きくするために,巻線14の巻線数を余り大きくせず,そのため,巻線14を第1巻線18と第2巻線19とに分割し,それぞれのインダクタンスを小さく構成し,これらの第1巻線18と第2巻線19とを重ね合わせることによって,巻線14のインダクタンスを上げずに発電出力をおおきくすることを特徴としている。この高出力発電機は,具体的には,ステータ4の櫛部10に巻き上げられた巻線14は,例えば,U,V及びW相の3相電流を通電できる複数の第1巻線18(18U,18V,18W)と第2巻線19(19U,19V,19W)とから構成され,それぞれの相U,V,Wの巻線間,即ち,18Uと18Vとの間,18Uと18Wとの間,18Vと18Wとの間,19Uと19Vとの間,19Uと19Wとの間,19Vと19Wとの間にコンデンサ30がそれぞれ配設されていることを特徴としている。第1巻線18と第2巻線19は,それぞれを独立した2個の巻線14から三相巻線に構成され,第2巻線19を第1巻線18に対して櫛部10間の1個又は2個のスロット11分ずらして櫛部10に巻き込まれている。
【0029】
また,この高出力発電機は,三相巻線の第1巻線18(18U,18V,18W)の全出力端17(17U,17V,17W)から負荷12への延びる出力ライン36(36U,36V,36W)にはスイッチ26(26U,26V,26W)がそれぞれ設けられ,また,三相巻線の第2巻線19(19U,19V,19W)の出力ライン24(24U,24V,24W)にはスイッチ24(24U,24V,24W)がそれぞれ設けられている。第1巻線18は三相整流器23を通じて負荷12に接続され,次いで,第2巻線19は三相整流器29を通じて負荷12に接続されている。また,三相整流器23の出力側には,スイッチ(第7スイッチ)40が設けられ,また,三相整流器29の出力側には,スイッチ(第6スイッチ)41が設けられている。三相整流器23と三相整流器29との間にはスイッチ(第5スイッチ)39が設けられている。更に,巻線14のうち第1巻線18は,中間部28(28U,28V,28W)に出力端が設けられて中間出力ライン38(38U,38V,38W)が延びており,中間出力ライン38(38U,38V,38W)のU相,V相,W相の相間にはコンデンサ30がそれぞれ設けられ,中間出力ライン38(38U,38V,38W)にはスイッチ27(27U,27V,27W)がそれぞれ設けられ,出力ライン38(38U,38V,38W)には並列に結線された三相整流器44,45を通じて負荷12に接続されている。三相整流器45には,スイッチ43(43U,43V,43W)(第4スイッチ)が設けられている。
【0030】
この高出力発電機は,上記の構成されており,図4に示すように,コントローラは,例えば,ロータ3の回転速度に応答して各スイッチを切り換え制御し,予め決められた所定の一定電圧を発電する。この例示は,代表的なものを示しており,その他のスイッチの切換え制御を行うことができることは勿論である。
(1)ロータ3が極低速の場合には,スイッチ24,スイッチ26及びスイッチ39がオンし,スイッチ27,スイッチ40,スイッチ41,スイッチ43及びスイッチ46〜48がオフし,第1巻線18及び第2巻線19が付勢し,整流器23と整流器29が直列に結線される。従って,この高出力発電機は,ロータ3が極低速の場合には,整流器23と整流器29が直列に結線されて第1巻線18と第2巻線19とが直列に結線され,しかも各相間に配設されたコンデンサ30の機能,即ち,コンデンサ30に電流を溜め,溜められた電流は次の電流流れに加算され,その分の電圧がアップされ,発電電力がアップされ,予め決められた所定の一定電圧が発電されて負荷12に出力する。
(2)ロータ3が低中速の場合には,スイッチ24,スイッチ26,スイッチ40,及びスイッチ41がオンし,スイッチ27,スイッチ39,スイッチ43,及びスイッチ46〜48がオフし,第1巻線18及び第2巻線19が付勢し,整流器23と整流器29が並列に結線される。従って,この高出力発電機は,ロータ3が低中速の場合には,整流器23と整流器29が並列に結線されて第1巻線18と第2巻線19とが並列に結線され,しかも各相間に配設されたコンデンサ30の機能,即ち,コンデンサ30に電流を溜め,溜められた電流は次の電流流れに加算され,その分の電圧がアップされ,発電電力がアップされ,予め決められた所定の一定電圧が発電されて負荷12に出力する。
(3)ロータ3が高速の場合には,スイッチ24,スイッチ26,スイッチ39,及びスイッチ47がオフし,スイッチ27,スイッチ40,スイッチ41,スイッチ43,スイッチ46及びスイッチ48がオンし,第1巻線18の中間部28(第1中間部)と第2巻線19の中間部35(第1中間部)から出力され,整流器24と整流器45が並列に結線される。従って,この高出力発電機は,ロータ3が高速の場合には,整流器44と整流器45が並列に結線され,第1巻線18と第2巻線19との全出力ライン36,37は働かず,出力は第1巻線18の中間部28と第2巻線19の中間部35からの中間出力ライン38,42を通じて並列に結線された整流器44と整流器45で整流され,しかも各相間に配設されたコンデンサ30の機能,即ち,コンデンサ30に電流を溜め,溜められた電流は次の電流流れに加算され,その分の電圧がアップされ,発電電力がアップされ,予め決められた所定の一定電圧が発電されて負荷12に出力する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明による高出力発電機は,例えば,負荷が大幅に変動し,特に,ロータの回転が極低速になるような自動車等に搭載された永久磁石式発電機に適用して好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明による高出力発電機の一実施例を示す回路図である。
【図2】図1の回路におけるステータへの巻線の巻き構造を示す説明図である。
【図3】永久磁石式発電機における電圧と電流との相関を示すグラフである。
【図4】この高出力発電機における負荷に対するスイッチのオン・オフを示す説明図である。
【図5】この高出力発電機の一実施例を示す断面図である。
【図6】図5の高出力発電機におけるA−A断面をハウジングを除いた状態で示す断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ハウジング
2 回転軸
3 ロータ
4 ステータ
5 永久磁石部材
10 櫛部
11 スロット
12 負荷
14 巻線(総称)
17,17U,17V,17W 全出力端
18,18U,18V,18W 第1巻線
19,19U,19V,19W 第2巻線
20 永久磁石片
23 整流器(第1整流器)
24,24U,24V,24W スイッチ(第2スイッチ)
26,26U,26V,26W スイッチ(第1スイッチ)
27,27U,27V,27W スイッチ(第3スイッチ)
28,28U,28V,28W 中間部(第1中間部)
29 整流器(第2整流器)
30 コンデンサ
35,35U,35V,35W 中間部(第2中間部)
36,36U,36V,36W 出力ライン(第1巻線)
37,37U,37V,37W 出力ライン(第2巻線)
38,38U,38V,38W 中間出力ライン(第1中間出力ライン)
39 スイッチ(第5スイッチ)
40 スイッチ(第6スイッチ)
41 スイッチ(第7スイッチ)
42,42U,42V,42W 中間出力ライン(第2中間出力ライン)
43,43U,43V,43W スイッチ(第4スイッチ)
44 整流器(第3整流器)
45 整流器(第4整流器)
46 スイッチ(第10スイッチ)
47 スイッチ(第8スイッチ)
48 スイッチ(第9スイッチ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに回転可能に支持された回転軸,前記回転軸に固定され且つ周方向に隔置した永久磁石片を持つ永久磁石部材を備えたロータ,及び前記ハウジングに固定され且つ周方向に隔置して立設された櫛部間に巻き込まれた巻線を備えたステータを有する永久磁石式発電機において,
前記巻線はU相,V相及びW相の三相であるそれぞれ独立した第1巻線と第2巻線から構成され,前記第1巻線と前記第2巻線とは前記櫛部間の1又は2スロット分ずらして前記櫛部に巻き上げられ,
前記第1巻線と前記第2巻線との全巻端部及び中間部からの前記U相,V相及びW相の出力を三相全波整流回路に接続すると共に各相間にコンデンサをそれぞれ挿入した回路を,並列又は直列にそれぞれ接続するスイッチング動作を出力に合わせて切換え制御することを特徴とする高出力発電機。
【請求項2】
前記第1巻線の前記三相のそれぞれの第1出力ラインには第1スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第1出力ライン間には第1コンデンサがそれぞれ配置され,前記第2巻線の前記三相のそれぞれの第2出力ラインには第2スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第2出力ライン間には第2コンデンサがそれぞれ配置され,前記第1巻線の中間部に設けられた前記三相のそれぞれの第1中間出力ラインには第3スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第1中間出力ライン間には第3コンデンサがそれぞれ配置され,前記第2巻線の中間部に設けられた前記三相のそれぞれの第2中間出力ラインには第4スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第2中間出力ライン間には第4コンデンサがそれぞれ配置され,前記第1と第2出力ライン及び前記第1と第2中間出力ラインは,前記三相全波整流回路における整流器を介して負荷にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の高出力発電機。
【請求項3】
前記整流器は,前記第1出力ラインが第6スイッチを介して接続された第1整流器,前記第2出力ラインが第7スイッチを介して接続された第2整流器,前記第1中間出力ラインが第9スイッチを介して接続された第3整流器,前記第2中間出力ラインが第10スイッチを介して接続された第4整流器,前記第1整流器と前記第2整流器とを第5スイッチを介して接続され,前記第3整流器と前記第4整流器とを第8スイッチを介して接続されていることを特徴とする請求項2に記載の高出力発電機。
【請求項4】
前記第1と前記第2整流器の出力端子及び前記第3と前記第4整流器の出力端子は,第1整流器と第2整流器との出力及び第3整流器と第4整流器との出力が直列又は並列になるように前記第5〜第10スイッチを介して前記負荷に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の高出力発電機。
【請求項5】
前記第1〜第10スイッチは,前記ロータの回転速度に応答してオン・オフ制御され,予め決められた所定の一定電圧が発電されることを特徴とする請求項4に記載の高出力発電機。
【請求項6】
前記ロータの極低速に応答して前記第1出力ラインと前記第2出力ラインとを直列に接続し,前記ロータの低中速に応答して前記第1出力ラインと前記第2出力ラインとを並列に接続し,前記ロータの高速に応答して前記第1巻線の前記第1中間出力ラインと前記第2巻線の前記第2中間出力ラインとを並列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の高出力発電機。
【請求項7】
前記ロータの極低速に応答して前記第1,第2及び第5スイッチがオンして前記第3,第4,第6及び第7スイッチがオフし,前記第1巻線と前記第2巻線を付勢して前記第1整流器と前記第2整流器とを直列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の高出力発電機。
【請求項8】
前記ロータの低中速に応答して前記第1,第2,第6及び第7スイッチがオンして前記第3,第4及び第5スイッチがオフし,前記第1巻線と前記第2巻線を付勢して前記第1整流器と前記第2整流器とを並列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の高出力発電機。
【請求項9】
前記ロータの高速に応答して前記第1,第2,第5及び第8スイッチをオフして前記第3,第4,第6,第7,第9及び第10スイッチがオンし,前記第2巻線の前記第1と第2中間出力ラインを付勢して前記第1整流器と前記第2整流器及び前記第3整流器と前記第4整流器とを並列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の高出力発電機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに回転可能に支持された回転軸,前記回転軸に固定され且つ周方向に隔置した永久磁石片を持つ永久磁石部材を備えたロータ,及び前記ハウジングに固定され且つ周方向に隔置して立設された櫛部間に巻き込まれた巻線を備えたステータを有する永久磁石式発電機において,
前記巻線はU相,V相及びW相の三相であるそれぞれ独立した第1巻線と第2巻線から構成され,前記第1巻線と前記第2巻線とは前記櫛部間の1又は2スロット分ずらして前記櫛部に巻き上げられ,
前記第1巻線と前記第2巻線との全巻端部及び中間部からの前記U相,V相及びW相の出力を三相全波整流回路に接続すると共に各相間にコンデンサをそれぞれ挿入した回路を,並列又は直列にそれぞれ接続するスイッチング動作を出力に合わせて切換え制御することを特徴とする高出力発電機。
【請求項2】
前記第1巻線の前記三相のそれぞれの第1出力ラインには第1スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第1出力ライン間には第1コンデンサがそれぞれ配置され,前記第2巻線の前記三相のそれぞれの第2出力ラインには第2スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第2出力ライン間には第2コンデンサがそれぞれ配置され,前記第1巻線の中間部に設けられた前記三相のそれぞれの第1中間出力ラインには第3スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第1中間出力ライン間には第3コンデンサがそれぞれ配置され,前記第2巻線の中間部に設けられた前記三相のそれぞれの第2中間出力ラインには第4スイッチがそれぞれ設けられ且つ前記第2中間出力ライン間には第4コンデンサがそれぞれ配置され,前記第1と第2出力ライン及び前記第1と第2中間出力ラインは,前記三相全波整流回路における整流器を介して負荷にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の高出力発電機。
【請求項3】
前記整流器は,前記第1出力ラインが第スイッチを介して接続された第1整流器,前記第2出力ラインが第スイッチを介して接続された第2整流器,前記第1中間出力ラインが第9スイッチを介して接続された第3整流器,前記第2中間出力ラインが第10スイッチを介して接続された第4整流器,前記第1整流器と前記第2整流器とを第5スイッチを介して接続され,前記第3整流器と前記第4整流器とを第8スイッチを介して接続されていることを特徴とする請求項2に記載の高出力発電機。
【請求項4】
前記第1と前記第2整流器の出力端子及び前記第3と前記第4整流器の出力端子は,第1整流器と第2整流器との出力及び第3整流器と第4整流器との出力が直列又は並列になるように前記第5〜第10スイッチを介して前記負荷に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の高出力発電機。
【請求項5】
前記第1〜第10スイッチは,前記ロータの回転速度に応答してオン・オフ制御され,予め決められた所定の一定電圧が発電されることを特徴とする請求項4に記載の高出力発電機。
【請求項6】
前記ロータの極低速に応答して前記第1出力ラインと前記第2出力ラインとを直列に接続し,前記ロータの低中速に応答して前記第1出力ラインと前記第2出力ラインとを並列に接続し,前記ロータの高速に応答して前記第1巻線の前記第1中間出力ラインと前記第2巻線の前記第2中間出力ラインとを並列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の高出力発電機。
【請求項7】
前記ロータの極低速に応答して前記第1,第2及び第5スイッチがオンして前記第3,第4,第6及び第7スイッチがオフし,前記第1巻線と前記第2巻線を付勢して前記第1整流器と前記第2整流器とを直列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の高出力発電機。
【請求項8】
前記ロータの低中速に応答して前記第1,第2,第6及び第7スイッチがオンして前記第3,第4及び第5スイッチがオフし,前記第1巻線と前記第2巻線を付勢して前記第1整流器と前記第2整流器とを並列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の高出力発電機。
【請求項9】
前記ロータの高速に応答して前記第1,第2,第5及び第8スイッチをオフして前記第3,第4,第6,第7,第9及び第10スイッチがオンし,前記第2巻線の前記第1と第2中間出力ラインを付勢して前記第1整流器と前記第2整流器及び前記第3整流器と前記第4整流器とを並列に接続する制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の高出力発電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−345592(P2006−345592A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166461(P2005−166461)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(599014518)フジセラテック株式会社 (12)
【Fターム(参考)】