説明

樹脂シート材

【課題】剛性が高い樹脂成形体を容易に成形できるようにした樹脂シート材を提供する。
【解決手段】樹脂シート材1は、シート材本体3と、シート材本体3の少なくとも一側面に配置されて、加圧成形の際に一側面にインサートされる繊維シート5とを備えている。縫製糸9が、シート材本体3を貫通し、シート材本体3に繊維シート5を縫い止めている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形型により加圧されて樹脂成形体に成形される樹脂シート材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂シート材を成形型により加圧して樹脂成形体に成形する成形方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、樹脂成形体の剛性を向上させるために、成形型内にシート材本体と、補強材としてのガラスマットとを配置してプレス成形する成形方法が開示されている。
【特許文献1】特許第2866394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の成形方法では、成形型に、シート材本体と補強材とを別々にセットするため、型閉じの際に、それらシート材本体と補強材とが位置ずれする場合がある。このように補強材がずれると、樹脂成形体の剛性が充分に得られなくなる。そのため、位置ずれしないようにシート材本体と補強材とを配置せねばならず、この配置作業が面倒で工数が増え、量産性に乏しいという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、補強材としての繊維シートと共に成形して剛性が高い樹脂成形体を容易に成形できるようにした量産性の高い樹脂シート材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明に係る樹脂シート材は、成形型により加圧されて樹脂成形体に成形される樹脂シート材であって、シート材本体と、上記シート材本体の少なくとも一側面に配置されて、上記加圧成形の際に該一側面にインサートされる繊維シートと、上記シート材本体を貫通し、該シート材本体に上記繊維シートを縫い止める縫製糸とで構成されている。
【0007】
第2の本発明に係る樹脂シート材は、成形型により加圧されて樹脂成形体に成形される樹脂シート材であって、複数のシート材本体と、上記シート材本体間に配置されて、上記加圧成形の際に該各シート材本体にインサートされる繊維シートと、上記シート材本体間に上記繊維シートが挟持された状態で、該相隣るシート材本体および繊維シートを貫通し、該相隣るシート材本体を縫い止める縫製糸とで構成されている。
【0008】
第3の本発明に係る樹脂シート材は、上記繊維シートは、該繊維シートを構成する繊維が互いに同じ方向に配向されている。
【0009】
第4の本発明に係る樹脂シート材は、上記繊維シートは、該繊維シートを構成する繊維がテキスタイル状に構成されている。
【0010】
第5の本発明に係る樹脂シート材は、上記縫製糸が、上記シート材本体の表裏面側で折り返されるように連続している。
【発明の効果】
【0011】
上記第1の発明によれば、縫製糸によって、シート材本体の側面に配置された繊維シートをシート材本体に縫い止めているので、成形型に樹脂シート材を配置する際に、シート材本体と繊維シートとを位置ずれさせることなく一緒に配置することができる。このため、互いに縫い止められているシート材本体と繊維シートとをそのまま成形型に配置すればよいこととなり、その配置作業が極めて簡単で、その工数増大を招来することがないので、量産性を向上することができる。
【0012】
また、シート材本体の側面に配置された繊維シートが、該シート材本体にインサートされるので、樹脂成形体の剛性を向上させることができる。
【0013】
また、シート材本体の任意の箇所に、繊維シートを縫い止めてインサートすることで、樹脂成形体の必要な箇所の剛性を部分的に向上させることもできる。
【0014】
さらに、縫製糸はシート材本体を貫通しているので、樹脂成形体を成形したとき、シート材本体内に縫製糸が固着する。このシート材本体内に固着する縫製糸によって、樹脂成形体の剛性を向上させることができる。
【0015】
上記第2の発明によれば、繊維シートをシート材本体間に挟持した状態で、相隣るシート材本体同士を縫製糸によって縫い止めている。このため、シート材本体と繊維シートとを位置ずれさせることなく、一緒に成形型に配置することができるので、その配置作業が極めて簡単で、その工数増大を招来することがなく、量産性を向上することができる。
【0016】
また、シート材本体間に配置された繊維シートが、該相隣るシート材本体にインサートされるので、樹脂成形体の内部に繊維シートが含まれることとなり、樹脂成形体の剛性を向上させることができる。
【0017】
また、シート材本体間の任意の箇所に、繊維シートを縫い止めてインサートすることで、樹脂成形体の必要な箇所の剛性を部分的に向上させることもできる。
【0018】
また、縫製糸が、相隣るシート材本体および繊維シートを貫通しているので、樹脂成形体を成形したときに、シート材本体および繊維シート内に縫製糸が固着され、樹脂成形体の剛性をさらに向上させることができる。
【0019】
上記第3の発明によれば、繊維シートを構成する繊維が互いに同じ方向に配向されているため、各繊維が延びる方向の樹脂成形体の曲げ剛性および引張り剛性を向上させることができる。
【0020】
また、繊維の配向方向によって、樹脂成形体の曲げ剛性および引張り剛性の高い方向が設定できる。このため、樹脂成形体の使用用途、使用箇所等に合わせて、曲げ剛性および引張り剛性の高い方向に樹脂成形体を配置することができる。
【0021】
上記第4の発明によれば、繊維シートを構成する繊維がテキスタイル状に、すなわち、組物、編物または織物の形態で構成されている。このため、繊維シートをシート材本体に縫製する際、繊維シートが移動せず、縫製作業が容易である。
【0022】
上記第5の発明によれば、縫製糸が、シート材本体の表裏面側で折り返されるように連続している。このため、樹脂成形体を成形したときに、連続した縫製糸が樹脂成形体に固着するので、樹脂成形体の剛性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
(樹脂シート材の構成)
図1は、本発明の実施形態1に係る樹脂シート材1を示し、この樹脂シート材1は、後述する成形型により加圧されて樹脂成形体に成形されるものである。
【0024】
樹脂シート材1は、矩形状のシート材本体3と、このシート材本体3の両側面に配置される繊維シート5,5とを備えている。
【0025】
シート材本体3は、例えば、不飽和ポリエステル(UP)、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)等の熱硬化性樹脂または、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアミド樹脂(PA)等の熱可塑性樹脂よりなる。これらの樹脂に、カーボンファイバーやガラスファイバー等の強化繊維が混合されたものであってもよい。
【0026】
繊維シート5は、化学繊維や天然繊維等の複数の繊維7により構成されており、これらの繊維7が、シート材本体3の一側面及び他側面側の各々において同じ方向に配向され、繊維7同士が当接または近接してシート状になっている。繊維7の配向方向は、シート材本体3の一側面側と他側面側とにおいて、互いに直交する向きとなっている。具体的には、シート材本体3の一側面(図1において上側の面)に配置されている繊維シート5の繊維7は、シート材本体3の長手方向に沿って、一方、シート材本体3の他側面(図1において下側の面)に配置されている繊維シート5の繊維7は、シート材本体3の幅方向に沿ってそれぞれ配向されている。
【0027】
繊維シート5は、シート材本体3に工業用ミシン等により縫製糸9によって縫い止められている。この縫製糸9は、シート材本体3を貫通し、シート材本体3の表裏面側で折り返されるように連続している。
【0028】
具体的には、縫製糸9は、例えば、シート材本体3を貫通して、その一側面側の繊維シート5の繊維7の周りに沿って折り返された後、シート材本体3を貫通してその他側面側に延び、その他側面側の繊維シート5の繊維7の周りに沿って折り返されるようにシート材本体3の幅方向に沿って連続し、繊維シート5,5をシート材本体3一側面(表面)および他側面(裏面)に縫い止めている。繊維シート5,5とシート材本体3とは、シート材本体3の長手方向に間隔をあけて、複数箇所で縫製糸9によって縫い止められている。縫製糸9は、綿、絹、ナイロン等の一般的な材料からなる。
【0029】
(樹脂成形体の成形)
次に、本発明の実施形態1に係る上記樹脂シート材1により、図2に示すように、樹脂成形体11としての自動車のバンパービーム13を成形する方法について説明する。
【0030】
図3に、樹脂シート材1を加圧して樹脂成形体11を成形する成形型21の断面を示す。成形型21は、下側の固定型23と、この固定型23に対向配置された上側の可動型25とを備えている。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、固定型23の成形面23a上に、上記樹脂シート材1を載置する。この場合、樹脂シート材1は、その一側面(図1の上側)が固定型23の上側に向くように載置する場合と、これとは逆に、上記一側面が固定型23の下側(固定型23の成形面23a側)に向くように載置する場合との2つの載置方法がある。
【0032】
次に、図3(b)に示すように、可動型25を下降させ、成形型21を型閉じして樹脂シート材1を加圧する。ここで、シート材本体3が熱硬化性樹脂からなっている場合は、この熱硬化性樹脂の温度は、該熱硬化性樹脂が軟化状態でかつ硬化反応が促進しにくい15℃〜20℃となるようにし、成形型21の型温を110℃〜150℃とする。シート材本体3が熱可塑性樹脂からなっている場合は、成形型21の型温を220℃〜300℃とする。
【0033】
樹脂シート材1は、固定型23および可動型25により押圧されて、これらの型23,25からの加熱により軟化し、樹脂成形体11が成形される。この樹脂成形体11の成形とともに、シート材本体3の両側面に繊維シート5,5がインサートされ、シート材本体3を貫通している縫製糸9はシート材本体3内で固着される。
【0034】
樹脂シート材1が固化した後、可動型24を上昇させ、成形型21を型開きする。
【0035】
このようにして一対の樹脂成形体11を成形する。この一対の樹脂成形体11は、その幅方向の両端に、長手方向に沿って延びるフランジ部11a,11aが形成され、図2に示すように、両樹脂成形体11,11同士を両者間に中空部15が形成されるように、各々のフランジ部11a,11aにて接合させる。
【0036】
ここで、シート材本体3が熱硬化性樹脂によりなる場合は、上記各フランジ部11a,11aの結合は、接着剤による接合か、ビス等による機械的接合により行う。一方、シート材本体3が熱可塑性樹脂によりなる場合は、上記接着剤による接合、機械的接合に加えて、振動または熱溶着によっても行うことができる。
【0037】
このように、一対の樹脂成形体11を接合させて、バンパービーム13を形成する。ここで、バンパービーム13が、図2の上側が車両の前側となるように使用される場合、前側の樹脂成形体11の表面側(図2の上側)は、繊維シート5の繊維7が該樹脂成形体11の幅方向に配向され、裏面側(中空部15側)は、繊維7が該樹脂成形体11の長手方向(車幅方向)に配向されている。一方、後側の樹脂成形体11の表面側(図2の下側)は、繊維シート5の繊維7が長手方向に配向され、裏面側(中空部15側)は、繊維7が幅方向に配向されている。
【0038】
(実施形態1の効果)
上記樹脂シート材1は、シート材本体3の両側面に配置された繊維シート5,5を縫製糸9によってシート材本体3に縫い止めているので、上記成形型21に樹脂シート材1を配置する際に、シート材本体3と繊維シート5,5とを位置ずれすることなく一緒に配置することができる。このため、互いに縫い止められているシート材本体3と繊維シート5,5とをそのまま成形型21に配置すればよいこととなり、その配置作業が極めて簡単で、その工数増大を招来することがないので、量産性を向上することができる。
【0039】
また、縫製糸9はシート材本体3を貫通しているので、樹脂成形体11を成形したとき、シート材本体3内に縫製糸9が固着する。このため、繊維シート5によって樹脂成形体11の剛性が向上することに加え、このシート材本体3内に固着する縫製糸9によって、樹脂成形体11の剛性をさらに向上させることができる。
【0040】
また、繊維シート5を構成する繊維7が互いに同じ方向に配向されている。そして、繊維7の配向方向は、シート材本体3の一側面側と他側面側とにおいて、互いに直交する向きとなっている。このため、シート材本体3の長手方向と幅方向との両方向における樹脂成形体11の曲げ剛性を向上させることができる。すなわち、バンパービーム13に、その上面(図2の上側が自動車の前方)に衝突荷重が加わると、バンパービーム13は長手方向に撓もうとするが、樹脂成形体11には、同方向に繊維7が配向された繊維シート5がインサートされているため、これにより曲げ剛性が向上して、上記衝突荷重によるバンパービーム13の破損を防止することができる。
【0041】
また、上記衝突荷重によって、バンパービーム13の樹脂成形体11が中空部15側に加圧されて撓もうとするが、該樹脂成形体11には、幅方向に繊維7が配向された繊維シート5がインサートされているため、これにより曲げ剛性が向上して、上記衝突荷重によるバンパービーム13の破損を防止することができる。
【0042】
また、バンパービーム13は、上記のように各々の樹脂成形体11における自動車の後方側の面に、繊維7が長手方向に配向された繊維シート5がインサートされている。このため、バンパービーム13の上面に衝突荷重が加わると、各樹脂成形体11の撓んで凸となる側の面に、繊維7が長手方向にそれぞれ配向されているので、2つの樹脂成形体11,11でもって、より曲げ剛性が向上し、上記衝突荷重によるバンパービーム13の破損をより防止することができる。
【0043】
さらに、縫製糸9が、シート材本体3の表裏面側で折り返されるように連続している。このため、連続した縫製糸9が樹脂成形体11に固着するので、樹脂成形体11の剛性をさらに向上させることができる。
《発明の実施形態2》
次に、図4により、本発明の実施形態2に係る樹脂シート材1について、詳細に説明する。なお、図1〜3と同じ構成要素については同じ符号を付し、実施形態1と同じ部分については、その詳細な説明は省略する。
【0044】
図4に示すように、実施形態2に係る樹脂シート材1は、2つのシート材本体3,3を備え、このシート材本体3,3間に繊維シート5が配置されている点で、実施形態1に係る樹脂シート材1と異なる。
【0045】
繊維シート5は、シート材本体3の矩形の長手方向に沿って繊維7が配向されている。
【0046】
縫製糸9は、シート材本体3,3間に繊維シート5が挟持された状態で、一方のシート材本体3、繊維シート5および他方のシート材本体3を貫通して、他方のシート材本体3で折り返された後、該他方のシート材本体3、繊維シート5および一方のシート材本体3を貫通して、一方のシート材本体3側で折り返されるように、シート材本体3の幅方向に沿って連続して、シート材本体3,3同士を縫い止めている。
【0047】
その他の構成は、実施形態1と同じである。
【0048】
この樹脂シート材1が加圧されて成形されるとき、繊維シート5は相隣る(一方および他方の)シート材本体3,3にインサートされる。
【0049】
本実施形態2の樹脂シート材1によれば、実施形態1と同様の効果を奏することができることに加え、シート材本体3,3間に配置された繊維シート5が、相隣るシート材本体3,3にインサートされるので、樹脂成形体11の内部に繊維シート5が含まれることとなり、樹脂成形体11の剛性をさらに向上させることができる。
【0050】
なお、上記実施形態2では、縫製糸9は、シート材本体3の表裏面側で折り返されるように連続しているが、例えば、図5に示すように、複数箇所を、単独の縫製糸9によって、相隣るシート材本体3,3を縫い止めるようにしてもよい。このとき、各箇所において、縫製糸9は、シート材本体3,3および繊維シート5を貫通し、シート材本体3の一側面側(図5の下側)で折り返された後、シート材本体3,3および繊維シート5を貫通して他側面側(図5の上側)に延び、この他側面側で両端が互いに結ばれ留められる。このように縫い止めることによっても、実施形態2と同様の作用効果を得ることができる。
《その他の実施形態》
なお、上述の実施形態は、本発明の例示であって、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0051】
例えば、以下のような構成としてもよい。
【0052】
すなわち、上記各実施形態では、繊維シート5を構成する繊維7を互いに同じ方向に配列されたが、繊維7をテキスタイル状、すなわち、組物、編物または織物の形態に構成させてもよい。繊維7をテキスタイル状に構成することで、繊維シート5をシート材本体3,3に縫製する際、繊維シート5が移動せず縫製作業が容易である。
【0053】
また、上記実施形態1では、シート材本体3の両側面に繊維シート5を配置したが、繊維シート5は、シート材本体3の一側面だけに配置してもよい。
【0054】
また、上記実施形態1では、繊維7の配向方向を、シート材本体3の一側面側と他側面側とにおいて、互いに直交する向きとしたが、互いに同じ向きに配向してもよい。この場合、繊維7の延びる方向(配向方向)における樹脂成形体11の曲げ剛性をさらに向上させることができる。
【0055】
このように、繊維7の配向方向によって、樹脂成形体11の曲げ剛性の高い方向が設定される。このため、樹脂成形体11の使用用途、使用箇所等に合わせて、曲げ剛性の高い方向に樹脂成形体11を配置することができる。
【0056】
また、上記実施形態1では、繊維シート5は、シート材本体3の両側面に全体に亘って配置したが、必要に応じてシート材本体3の任意の箇所に、部分的に任意の形状でもって配置してもよい。成形される樹脂成形体11の用途に合わせて、シート材本体3の任意の箇所に、繊維シート5を縫い止めてインサートすることで、樹脂成形体11の必要な箇所の剛性を部分的に向上させることができる。
【0057】
また、上記各実施形態では、バンパービーム13の曲げ剛性を向上させるために、樹脂成形体11によって、バンパービーム13を成型したが、樹脂成形体11は、このように曲げ剛性を向上させる樹脂成形体11のみならず、繊維シート5の繊維7の配向を引張り方向に設定することによって、引張り剛性が向上した樹脂成形体11を成形することができる。
【0058】
また、上記実施形態2では、縫製糸9は各箇所において両端を互いに結んで留めたが、各端を玉結びのように結んで、シート材本体3から抜けないようにしてもよい。
【0059】
また、上記各実施形態では、固定型23と可動型25とからなる成形型21を用いた成形方法より樹脂成形体11を成形したが、液圧成形による成形方法により成形してもよい。すなわち、中空部を有する膨張可能な中子の外周面全体に上記樹脂シート材1を巻き付けて成形型内に配置した状態で、この中子の内部に液体を加圧供給することにより、中子を膨張させて樹脂シート材1を成形型の成形面に押圧することによって、樹脂成形体11を成形してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、本発明は、成形型により加圧されて樹脂成形体に成形される樹脂シート材について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態1に係る樹脂シート材の斜視図である。
【図2】樹脂シート材によって成形されたバンパービームの斜視図である。
【図3】樹脂成形体を成形する成形型の断面図であり、(a)は、樹脂シート材が配置された状態を示し、(b)は、樹脂成形体が成形された状態を示す。
【図4】本発明の実施形態2に係る樹脂シート材の斜視図である。
【図5】その他の実施形態に係る樹脂シート材の斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
1 樹脂シート材
3 シート材本体
5 繊維シート
7 繊維
9 縫製糸
11 樹脂成形体
21 成形型

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形型により加圧されて樹脂成形体に成形される樹脂シート材であって、
シート材本体と、
上記シート材本体の少なくとも一側面に配置されて、上記加圧成形の際に該一側面にインサートされる繊維シートと、
上記シート材本体を貫通し、該シート材本体に上記繊維シートを縫い止める縫製糸とで構成されていることを特徴とする樹脂シート材。
【請求項2】
成形型により加圧されて樹脂成形体に成形される樹脂シート材であって、
複数のシート材本体と、
上記シート材本体間に配置されて、上記加圧成形の際に該各シート材本体にインサートされる繊維シートと、
上記シート材本体間に上記繊維シートが挟持された状態で、該相隣るシート材本体および繊維シートを貫通し、該相隣るシート材本体を縫い止める縫製糸とで構成されていることを特徴とする樹脂シート材。
【請求項3】
請求項1または2の樹脂シート材において、
上記繊維シートは、該繊維シートを構成する繊維が互いに同じ方向に配向されていることを特徴とする樹脂シート材。
【請求項4】
請求項1または2の樹脂シート材において、
上記繊維シートは、該繊維シートを構成する繊維がテキスタイル状に構成されていることを特徴とする樹脂シート材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂シート材において、
上記縫製糸が、上記シート材本体の表裏面側で折り返されるように連続していることを特徴とする樹脂シート材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−30288(P2008−30288A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205805(P2006−205805)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(390026538)ダイキョーニシカワ株式会社 (492)
【Fターム(参考)】