説明

歩行者用ナビゲーションシステム

【課題】三次元的多層階構造を有した場所であっても、円滑に歩行者の経路誘導を行うことが可能な歩行者用ナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】経路案内情報配信サーバは、携帯通信端末から送信された経路案内要求情報に含まれる現在位置情報及び移動目的位置情報に対応するブロックを、三次元方向に組み合わされた空間データからそれぞれ特定し、この特定されたブロック間の経路を探索し、探索された結果を地図データと対応付けて経路案内情報として携帯通信端末に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信端末を用いて歩行者を移動目的位置に経路案内する歩行者用ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用のためのナビゲーションシステムとして、GPS(Global Positioning System) 衛星を利用したカーナビゲーションシステムが広く知られている。このようなカーナビゲーションシステムの場合、車は道路に沿って移動を行う、車は急激な速度変化や方向転換はできないといった車両に特有の制約条件を考慮して、GPSで取得した現在位置から経路上の現在位置を推定する、「マップマッチング」と呼ばれる方式により経路案内が行われている。
【0003】
カーナビゲーションシステムを歩行者向けのナビゲーションに利用しようとした場合、歩行者の歩行に関する挙動形態は車両の場合とは大きく異なり、例えば、進行速度が遅い、急激な移動方向の転換等の特性上の差異が存在する。そのため、カーナビゲーションシステムで用いられる「マップマッチング」方式は、歩行者用のナビゲーションには適さない。
【0004】
従来、歩行者に適したナビゲーション技術が提案されており、例えば、出発位置から移動目的位置への経路上に設けられた複数の監視ポイントに対応づけて設けられた監視ゾーンに、歩行者が進入した際に、その歩行者の進行方向角度範囲に適合した案内情報を監視ゾーン毎に提供する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−45156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、歩行者が移動可能な範囲は二次元方向のみばかりでなく、階段やエレベータを利用することにより上下の移動を含めた三次元方向に移動することも考慮する必要がある。この点に関し、特許文献1の歩行者用ナビゲーション技術では、二次元方向に対しては、ナビゲーションすることが可能であるが、三次元方向の自由度は考慮されていない。そのため、例えば、鉄道駅構内、地下街、ビル内等の多層階構造を有する建造物内において、建造物内の移動目的位置に到達するために上下の階に移動するような場合、適切にナビゲーションすることは困難である。また、建造物内等の屋内では電波が遮られてしまうため、GPS衛星を利用できないという問題がある。
【0006】
また、従来のナビゲーション技術では、現在地点から目的地点までを端点(ノード)と線(リンク)で結ぶことによって得られる二次元平面上の線形情報に基づいて経路探索を行うことで移動目的位置までの経路案内を行っていたが、上記同様、歩行者の三次元方向の自由度は考慮されていないため、三次元的な多層階構造を有する建造物内でのナビゲーションには適さない。
【0007】
本発明の課題は、三次元的多層階構造を有した場所であっても、円滑に歩行者の経路誘導を行うことが可能な歩行者用ナビゲーションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
携帯通信端末と、当該携帯通信端末から送信される経路案内要求情報に基づいて経路案内情報を前記携帯通信端末に配信する経路案内情報配信サーバと、を有する歩行者用ナビゲーションシステムであって
前記携帯通信端末は、所定の領域における携帯通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、前記所定の領域における移動目的位置を示す移動目的位置情報を入力可能な移動目的位置情報入力手段と、前記現在位置情報及び移動目的位置情報を前記経路案内要求情報として送信する経路案内要求情報送信手段と、を備え、
前記経路案内情報配信サーバは、多面体状の複数のブロックを仮想的に互いに面で接する状態で三次元方向に組み合わせて前記所定の領域の立体構造と対応するよう形成した空間データと前記所定の領域の地図データとを対応付けて記憶する記憶手段と、前記送信された経路案内要求情報に含まれる前記現在位置情報及び移動目的位置情報に対応するブロックを前記空間データからそれぞれ特定するブロック特定手段と、前記特定されたブロック間の経路を探索する経路探索手段と、前記探索された結果を前記地図データと対応付けて前記経路案内情報を生成する経路案内情報生成手段と、前記生成された経路案内情報を前記携帯通信端末に配信する経路案内情報配信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記携帯通信端末は、当該携帯通信端末の向きを示す方向情報を取得する方向情報取得手段をさらに備え、
前記経路案内要求情報送信手段は、前記取得された方向情報を前記経路案内要求情報として前記経路案内情報配信サーバに送信し、
前記経路探索手段は、前記送信された方向情報に基づいて前記特定されたブロック間の経路を探索することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記記憶手段は、前記領域内の各位置に関連する関連情報を、該各位置に対応するブロックと対応付けて記憶し、
前記ブロック特定手段は、前記送信された移動目的位置情報に対応するブロックを前記関連情報に基づいて前記空間データから特定することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記経路案内情報生成手段は、前記ブロック特定手段により特定されたブロックに対応する関連情報を前記地図データと対応付けて前記経路案内情報を生成することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記関連情報は、当該関連情報が有する方向特性に基づいて、前記ブロックが有する各面にそれぞれ対応付けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記経路案内情報生成手段は、前記ブロック特定手段により特定されたブロックが有する面から前記方向情報に対応する面を特定し、当該特定された面に対応付けられた関連情報を前記地図データと対応付けて前記経路案内情報を生成することを特徴としている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記関連情報は、前記領域内に設けられた施設を示す施設情報を有することを特徴としている。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項3〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記関連情報は、前記領域内を案内するための案内情報を有することを特徴としている。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の発明において、
前記施設情報及び案内情報は、複数の言語に対応した多言語データを有することを特徴としている。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記携帯通信端末は、前記現在位置から移動目的位置に至るまでの経路における所定の条件を指示する条件情報を入力可能な条件情報入力手段をさらに備え、
前記経路案内要求情報送信手段は、前記条件情報を前記経路案内要求情報として前記経路案内情報配信サーバに送信し、
前記ブロック特定手段は、前記送信された条件情報に対応するブロックを前記関連情報に基づいて前記空間データ内から特定し、
前記経路探索手段は、前記特定されたブロックを経由又は回避するよう経路を探索することを特徴としている。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1、2、10の何れか一項に記載の発明において、
前記経路探索手段は、前記特定されたブロック間に存在するブロックの接合面に基づいて経路を探索することを特徴としている。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記所定の領域は、通路若しくは道路、建造物又は部屋空間であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、携帯通信端末から送信された経路案内要求情報に含まれる現在位置情報及び移動目的位置情報に対応するブロックを、三次元方向に組み合わされた空間データからそれぞれ特定し、この特定されたブロック間の経路を探索する。このように、現在位置情報と移動目的位置情報とを、三次元の広がり有する多角形のブロックに基づいて特定することにより、ブロックの範囲に応じたおまかな範囲で現在位置と移動目的位置とを特定することが可能である。そのため、例えば、複数の移動目的位置が1のブロックの範囲内に含まれるような場合には、そのブロック単位で複数の移動目的位置を括ることができるため、現在位置と移動目的位置との関係を単純化することが可能であるため、経路の探索を効率的に行うことができる。また、三次元の広がりを有する多角形のブロックに基づいて経路の探索を行うため、歩行者の三次元方向の自由度を考慮した経路の探索を行うことができる。
【0021】
また、請求項1に記載の発明によれば、経路探索された結果を地図データと対応付けて経路案内情報を生成し、この、生成された経路案内情報を携帯通信端末に配信する。このことにより、歩行者は、経路探索された結果を地図データと対応付けられた状態で確認することが可能であるため、三次元的多層階構造を有するような場所であっても、円滑な経路誘導を行うことができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、経路案内要求情報として送信された方向情報に基づいて経路を探索する。このことにより、歩行者が向いている方向を考慮した経路の探索を行うことができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、領域内の各位置に関連する関連情報を、該各位置に対応するブロックと対応付けて記憶手段に記憶し、ブロック特定手段は、送信された移動目的位置情報に対応するブロックを関連情報に基づいて空間データから特定する。このことにより、関連情報に記憶されている項目を移動目的位置情報として指定することができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、経路案内情報生成手段は、ブロック特定手段により特定されたブロックに対応する関連情報を地図データと対応付けて経路案内情報を生成する。このことにより、歩行者は、関連情報を地図データと対応付けられた状態で確認することが可能であるため、三次元的多層階構造を有するような場所であっても、円滑な経路誘導を行うことができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、関連情報は、当該関連情報が有する方向特性に基づいて、前記ブロックが有する各面にそれぞれ対応付けられている。ここで、方向特性とは、特定のブロック内における、関連情報の存在する方向を示すような情報であって、例えば、関連情報が店舗などの施設を示すような情報であった場合、このブロック内における店舗が存在する方向と、この存在方向に対応するブロックの特定の面とが一致するよう対応付けられている。このことにより、ブロック内における詳細な経路誘導を行うことができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、経路案内情報生成手段は、ブロック特定手段により特定されたブロックが有する面から方向情報に対応する面を特定し、当該特定された面に対応付けられた関連情報を地図データと対応付けて経路案内情報を生成する。このことにより、歩行者は、ブロックの各面に対応した関連情報を地図データと対応付けられた状態で確認することが可能であるため、三次元的多層階構造を有するような場所であっても、円滑な経路誘導を行うことができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、関連情報は領域内に設けられた施設を示す施設情報を有している。このことにより、領域内に設置されている特定の施設を移動目的位置情報として指定することが可能であるとともに、この施設情報を経路案内情報として提供することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、関連情報は、領域内を案内するための案内情報を有している。このことにより、案内情報が有する情報を移動目的位置情報とすることが可能であるとともに、この案内情報を経路案内情報として提供することができる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、施設情報及び案内情報は、複数の言語に対応した多言語データを有している。このことにより、歩行者の使用言語に応じた言語で移動目的位置情報を指示することが可能であるとともに、歩行者の使用言語に応じた言語で経路案内情報を提供することができる。
【0030】
請求項10に記載の発明によれば、ブロック特定手段は、経路案内要求情報として送信された条件情報に基づいて、この条件情報に対応するブロックを空間データ内から特定し、経路探索手段は、この特定された条件情報に対応するブロックを経由又は回避するよう経路を探索する。このことにより、歩行者が所望する条件に応じた経路の探索を行うことが可能である。
【0031】
請求項11に記載の発明によれば、経路探索手段は、現在位置から移動目的位置までの経路を、ブロック特定手段により特定された現在位置に対応するブロックと移動目的位置に対応するブロックとの間に存在するブロックの接合面に基づいて経路を探索する。このことにより、三次元の広がりを有する多角形のブロック間の接合面に基づいて経路探索を行うことが可能であるため、三次元的多層階構造を有した場所であっても効率的な経路の探索を行うことができるとともに、歩行者の三次元方向の自由度を考慮した経路の探索を行うことができる。
【0032】
請求項12に記載の発明によれば、所定の領域は、通路若しくは道路、建造物又は部屋空間である。このことにより、三次元的多層階構造を有した通路若しくは道路、建造物又は部屋空間であっても、円滑な経路誘導を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されないものとする。
【0034】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における歩行者用ナビゲーションシステム100の構成を示す。
図1に示すように、歩行者用ナビゲーションシステム100は、携帯通信端末としての携帯電話機10と、経路案内情報配信サーバとしてのWeb(World Wide Web)サーバ20と、経路案内情報配信サーバとしての経路案内情報配信サーバ30と、を有して構成され、必要に応じて、現在位置の特定にGPS(Global Positioning System)衛星による現在位置情報が用いられる。
【0035】
まず、携帯電話機10の機能的構成について説明する。
図2に示すように、携帯電話機10は制御部11、操作部12、表示部13、記憶部14、カメラ部15、画像処理部16、音声入出力部17、通信部18を備え、これら各部はバス19を介して互いに接続されている。
【0036】
制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、内部RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、CPUにおいて、内部RAMの所定領域を作業領域としてROMに記憶されている各種制御プログラムに従い、上記各部に制御信号を送って携帯電話機10の動作全般を統括制御する。
【0037】
また制御部11は、所定のプログラムに基づき、GPS衛星等を利用することにより、この携帯電話機10の現在位置を示す現在位置情報を取得する。この際、現在位置情報とともに、当該携帯電話機10の先端が示す方向を示した方向情報を取得する。なお、現在位置情報及び方向情報の取得方法は、特に問わないものとする。
【0038】
また、制御部11は、カメラ部15を介して二次元コードを撮影することにより、この二次元コードに記録された各種情報の取得を行う。
【0039】
操作部12は、携帯電話機10に対する操作指示を入力するための数字キー、文字キー、機能キーなどの各種キーや、小型のスティック状のポインティングデバイス等を含んで構成される。また、歩行者は、表示部13に表示される画面を参照しながら操作部12を操作することにで、携帯電話機10に対する各種操作指示を入力することが可能であり、移動目的位置情報入力手段として移動目的位置情報を、条件情報入力手段として条件情報を入力することができる。
【0040】
ここで、移動目的位置情報とは、所定の領域内における歩行者が到達を所望する移動目的位置を示す情報であって、例えば、東経、北緯等の位置の特定が可能な情報や、建造物内に存在する店舗名等を指定する情報であり、また、店舗種別等の特定のカテゴリを指定するような情報等であってもよい。
【0041】
また、条件情報とは、現在位置から移動目的位置に至るまでの経路において、歩行者が所定の条件を所望するような場合に入力される情報であって、例えば、多層階構造を有する建造物内において、移動目的位置に到達するために階を移動しなければならないような場合に、エレベータの利用を所望する旨の情報等を入力することができる。
【0042】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成されており制御部11から入力された表示データに基づいて上記ディスプレイ上に画像を表示する。
【0043】
記憶部14は、揮発メモリ、磁気的・光学的記録媒体又は不揮発性メモリなどで構成され、OS(Operating System)、各種動作プログラム等の各種データを格納する。
【0044】
カメラ部15は、ガラスやプラスチックなどからなる光学レンズ、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの
撮像素子、及びAFE(Analog Front End)から構成されており(いずれも図示しない)、制御部11から動画又は静止画の撮影を行う指示が入力されると、光学レンズを介して入力され、撮像素子上で結像する被写体の像を撮像素子で電気信号に変換して、AFEでデジタル画像データを生成し、制御部11へ出力する。
【0045】
また、本カメラ部15を介してQRコード(登録商標)等の二次元コードが撮影されると、制御部11によりQRコードが解析され、解析されたQRコードの情報が文字データ化される。なお、本実施の形態では、QRコードを読み取ることとするが、PDF417、Data Matrix、Maxi Code等の二次元コード、JANコード、UPCコード、CDDE39、CODE93等の一次元バーコードやカラーバーコードであってもよく、その種類は問わないものとする。
【0046】
画像処理部16は、画像用DSP(Digital Signal Processor)等からなり、制御部11から入力される画像データの画素補完、又はホワイトバランス調整などの各種画像処理を行い、制御部11へ出力する。また、画像処理部16は、上記画像データの圧縮/復号化処理を行い、制御部11へ出力する。
【0047】
音声入出力部17は、音声用スピーカ及びマイクなどからなり、通話時のユーザの音声等を前記マイクにより音声入力信号として制御部11へ出力し、制御部11からの音声出力信号を前記音声用スピーカにより音声として出力する。
【0048】
通信部18は、無線通信回路181、GPS回路182、通信処理回路183を有しており、所定の通信方式により、データ又は音声信号の送受信を無線で行う。
【0049】
無線通信回路181は、後述する通信処理回路183からのアナログ信号を元に、GSM(Global System for Mobile communication)方式、GPRS(General Packet Radio System ;汎用パケット無線システム)方式、PDC(Personal Digital Cellular)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、PHS(Personal Handyphone System)方式、Bluetooth無線通信方式、無線LAN(Local Area Network)等のように各種携帯電話や無線モデムの規格や通信方式により、図示しない通信業者の無線基地局と携帯電話機10に備えられた図示しない通信用アンテナとの間で、データ通信や通話データなどを無線で送受信し、受信されたアナログ信号を通信処理回路183へ出力する。
【0050】
また、無線通信回路181は、図示しないGPSアンテナにより、GPS衛星からの現在位置情報を示す信号を受信して、GPS回路182へ出力する。
【0051】
GPS回路182は、上記複数のGPS衛星からの現在位置情報を示す信号を元に携帯電話機10の現在位置を計算して、現在位置情報として制御部11へ出力する。
【0052】
通信処理回路183は、AFE、通信用DSP等からなり(いずれも図示しない)、無線通信回路181から入力されるアナログ受信信号を、通信データ、画像データ、又は音声データなどの各種デジタルデータに復号化した後、制御部11へ出力する。また、通信処理回路183は、制御部11から入力される上記各種デジタルデータを圧縮などの処理を行った後、アナログ信号に変換して、無線通信回路181へ出力する。
【0053】
また、通信部18は、現在位置情報、方向情報、移動目的位置情報及び条件情報を、経路案内情報を要求する経路案内要求情報として、Webサーバ20に送信する。なお、本実施の形態では、上記した現在位置情報、方向情報、移動目的位置情報及び条件情報を経路案内要求情報として送信することとしたが、これに限らず、他の情報を経路案内要求情報として同時に出力することとしてもよい。例えば、Webサーバ20を介して経路案内情報配信サーバ30から配信される経路案内情報の配信形態が画像又は音声により配信されるよう指示する情報を経路案内要求情報として送信することとしてもよく、このような情報が送信された場合には、経路案内情報配信サーバ30は、当該情報に指示された配信形態で経路案内情報の配信を行うこととする。
【0054】
次に、Webサーバ20の機能的構成について説明する。
Webサーバ20は、HTTPを実装したWebサーバであって、記憶部24に記憶された所定のコンテンツデータを、携帯電話機10がネットワークNを介して閲覧可能に提供する。また、Webサーバ20は、携帯電話機10から送信される経路案内要求情報を受信し、この経路案内要求情報に所定の処理を施した後、処理後の経路案内要求情報を経路案内情報配信サーバ30に転送を行う。また、Webサーバ20は、経路案内情報配信サーバ30から送信された経路案内情報を受信し、この経路案内情報を携帯電話機10に配信する。
【0055】
図3に示すように、Webサーバ20は制御部21、操作部22、表示部23、記憶部24、通信制御部25を備え、これら各部はバス26を介して互いに接続されている。
【0056】
制御部21は、図示しないCPU、内部RAM、ROM等を備え、CPUにおいて、内部RAMの所定領域を作業領域としてROMに記憶されている各種制御プログラムに従い、上記各部に制御信号を送ってWebサーバ20の動作全般を統括制御する。
【0057】
操作部22は、Webサーバ20に対する操作指示を入力するための数字キー、文字キー、機能キーなどの各種キーや、マウス、トラックボール等のポインティングデバイスを含んで構成される。
【0058】
表示部23は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD等から構成されており制御部21から入力された表示データに基づいて上記ディスプレイ上に画像を表示する。
【0059】
記憶部24は、揮発メモリ、磁気的・光学的記録媒体又は不揮発性メモリなどで構成され、OS、各種動作プログラム等の各種データを格納する。
【0060】
また記憶部24は、制御部21との協働によりHTTPの実装を行うための各種プログラム、データを記憶し、該HTTPの実装により、閲覧可能となる所定のコンテンツデータを記憶している。
【0061】
通信制御部25は、例えばLANカード等の通信制御カードにより構成され、LANケーブル等の通信回線を介してネットワークNに接続された携帯電話機10、Webサーバ20等の外部の装置との間で各種データの送受信を行う。
【0062】
次に、経路案内情報配信サーバ30の機能的構成について説明する。
図4に示すように、経路案内情報配信サーバ30は制御部31、操作部32、表示部33、記憶部34、通信制御部35、データベース部36、経路探索部37、経路案内情報生成部38を備え、これら各部はバス39を介して互いに接続されている。
【0063】
制御部31は、図示しないCPU、内部RAM、ROM等を備え、CPUにおいて、内部RAMの所定領域を作業領域としてROMに記憶されている各種制御プログラムに従い、上記各部に制御信号を送って経路案内情報配信サーバ30の動作全般を統括制御する。
【0064】
また、制御部31は、Webサーバ20を介して携帯電話機10から送信された経路案内要求情報に含まれる現在位置情報に基づいて、データベース部36に記憶された空間データ361から、この現在位置情報に対応するブロックを特定する。
【0065】
また、制御部31は、Webサーバ20を介して携帯電話機10から送信された経路案内要求情報に含まれる移動目的位置情報に基づいて、データベース部36に記憶された空間データ361から、この移動目的位置情報に対応するブロックを特定する。この際、移動目的位置情報が、特定位置の位置座標を示す情報であるような場合には、この特定位置に対応するブロックを空間データ361から特定するが、移動目的位置情報が、例えば、店舗名、店舗種別等を指定するような情報であった場合には、この指定された情報に対応するデータを関連情報363の施設情報363aから読み出し、この読み出されたデータに対応するブロックを空間データ361から特定する。
【0066】
また、制御部31は、Webサーバ20を介して携帯電話機10から送信された経路案内要求情報に条件情報が含まれているような場合には、この条件情報に基づいて、データベース部36に記憶された空間データ361から、この条件情報に対応するブロックを特定する。具体的には、例えば、エレベータの利用を所望する旨の条件情報が指示されているような場合には、関連情報363の施設情報363aからエレベータが存在する位置を特定し、この特定された位置に対応するブロックを空間データ361から特定する。
【0067】
このように条件情報に対応するブロックが特定された場合、経路探索部37により現在位置に対応するブロックから、この条件情報に対応するブロックを経由又は回避して移動目的位置に対応するブロックへ至るような経路が探索されることになる。
【0068】
このことにより、歩行者が所望する条件に応じた経路の探索を行うことが可能であるため、例えば、現在位置から移動目的位置への移動に際して車椅子やベビーカーを利用している等の理由からエレベータの利用を所望する指示が条件情報として歩行者から送信された場合、エレベータを利用して現在位置から移動目的位置に至る経路が探索されるため、歩行者の条件に応じた経路案内情報を提供することが可能となる。
【0069】
操作部32は、経路案内情報配信サーバ30に対する操作指示を入力するための数字キー、文字キー、機能キーなどの各種キーや、マウス、トラックボール等のポインティングデバイスを含んで構成される。
【0070】
表示部33は、CRTやLCD等から構成されており制御部31から入力された表示データに基づいて上記ディスプレイ上に画像を表示する。
【0071】
記憶部34は、揮発メモリ、磁気的・光学的記録媒体又は不揮発性メモリなどで構成され、OS、各種動作プログラム等の各種データを格納する。
【0072】
通信制御部35は、例えばLANカード等の通信制御カードにより構成され、LANケーブル等の通信回線を介してネットワークNに接続されたWebサーバ20等の外部の装置との間で各種データの送受信を行う。
【0073】
データベース部36は、リレーショナル型等のデータベースであって、空間データ361、地図データ362、関連情報363を相互に対応付けて記憶している。
【0074】
ここで、空間データ361について、図5(a)、(b)及び図6(a)、(b)を参照して説明する。空間データ361は、図5(a)に示すような三次元の単位ブロックから構成されており、このブロックを図5(b)に示すように仮想的に互いの面で接する形で組み合わせることによって、所定の領域が有する立体構造と対応するよう形成された三次元の情報を有するデータである。ここで、所定の領域とは、例えば、三次元的多層階構造を有するような通路若しくは道路、建造物又は部屋空間等である。
【0075】
例えば、所定の領域として建造物の立体構造が、図6(a)に示すような立体構造であるような場合、この立体構造に対応するようにブロックが組み合わされて、図6(b)に示すような空間データが形成される。
【0076】
ここで、図6(a)の1Fで示される面は、本建造物の1階部分の通行可能な領域を示しており、2Fで示される面は、本建造物の2階部分の通行可能な領域を示している。また、四角柱で示される領域Eは、この領域に1階と2階とを連絡するエレベータが存在することを示しており、略三角柱で示される領域Tは、この領域に1階と2階とを連絡する階段が存在することを示している。このように、通行可能な区画に基づいて空間データ361を形成することにより、各ブロックを連結する連結面に基づいて経路探索を効率的に行うことができる。
【0077】
ブロックは、互いのブロックを識別可能な識別情報を有しており、この識別情報に基づいて空間データ361の各ブロックと、後述する地図データ362及び関連情報363が対応付けられている。さらに、この識別情報は、携帯電話機10から送信される現在位置情報、移動目的位置情報と対応付けられており、この対応関係に基づいて各位置に対応するブロックが特定される。なお、この識別情報には、各ブロックが有する各面を識別するための面識別情報がさらに含まれているものとする。
【0078】
空間データ361を形成する各ブロックは、本実施の形態では、立方体及び/又は直方体の形状であるものとするが、これに限らず、その他の多角形の立体であるとしてもよいし、曲面を有する立体であるとしてもよい。また、全て同一形状のブロックを組み合わせて空間データ361を形成することとしてもよいし、異なる形状のブロックを組み合わせて空間データ361を形成することとしてもよい。なお、各ブロックが有する単位体積、つまり各ブロックの大きさは、建造物内において、歩行者が視認することが可能な範囲に基づいて定められることが好ましい。
【0079】
図6(a)、(b)の例では、建造物内の実際の立体構造に基づいて空間データ361が形成されることとしたが、これに限らず、例えば、後述する地図データ362に描かれた建造物の構造に基づいて空間データ361が形成されることとしてもよく、この両空間データ361を、配信する経路案内情報の表示形態等に応じて適宜使い分けることが好ましい。なお、地図データ362に基づいて空間データ361を作成する方法は後述する。
【0080】
地図データ362は、所定の領域内の各位置に対応する複数の見取り図データを有している。図7(a)、(b)に、所定の領域として建造物を駅舎とした場合の地図データ362の一例を示す。
【0081】
図7(a)は、駅構内を平面図で表した地図データ362である。また、図7(b)は、駅構内が有する多層階構造を斜視図で表した地図データ382である。なお、地図データ362に記憶される見取り図データは、このような図法・図面表現方法に限らず、他の図法・図面表現方法で作成されていてもよいものとするが、建造物内の位置毎に、複数の図法・図面表現方法を用いた複数の画像データを対応させて記憶させておくことが好ましい。
【0082】
この地図データ362に基づいて空間データ361を形成することとしてもよく、例えば、図7(a)に示した地図データ362の場合、図8(a)に示すように所定の範囲を有した区画で地図データ362を格子状に区分けし、該区分けされた区画をZ軸方向(図面に対し、鉛直上向き方向)に延設することにより、図8(b)に示すブロックが組み合わされた空間データ361が形成することができる。
【0083】
ここで、柱や壁面等により地図データ362上の通行不可能な区画(図8(a)の×で示した区画)に対しては、Z軸方向への延設を行わないとしている。このように、通行可能な区画に基づいて空間データ361を形成することにより、各ブロックを連結する連結面に基づいて経路探索を効率的に行うことができる。なお、この地図データ362に描かれた領域を有する建造物が多層階構造を有しているような場合には、異なる階の同じ領域を示す地図データから、上記方法で空間データを形成し、各階のブロックが示す領域が一致するようブロックの上面又は下面に対応付けられて空間データ361が形成されるものとする。
【0084】
関連情報363は、領域内の各位置に関連する複数の情報が記憶されたデータであって、その領域内の各位置に対応するブロックと対応付けられて記憶されている。ここで、関連情報363は、当該関連情報363に記憶された複数の情報が有する方向特性に基づいて、その方向特性が示す方向とブロックが有する各面とがそれぞれ対応するよう記憶されている。ここで、方向特性とは、ブロック内における関連情報363の各情報が存在する方向等を示すものであって、この方向特性と、ブロックの中心からみた際の各面の方向とが、それぞれ一致するよう関連情報363が各面に対応付けて記憶されている。例えば、特定のブロック内に店舗が存在しており、この店舗が、ブロックの中心から見た際に特定の面側に存在しているような場合には、その特定の面とこの店舗に関する関連情報363とが対応付けられて記憶されることになる。
【0085】
ここで、関連情報363は、施設情報363aと案内情報363bとを有している。
施設情報363aは、領域内の各位置に設置された施設状況を示す情報であって、例えば、エレベータ、階段、スロープ等の存在を示す情報、店舗名やその店舗の種別等を示す情報が記憶されている。なお、施設情報363aとして記憶される情報の形態は、特に問わないものとするが、例えば、テキストデータ、画像データ、動画データ、音声データ等としてもよく、さらには、その建造物の利用者状況に応じて、多言語化することが好ましい。
【0086】
案内情報363bは、領域内を案内するための情報であって、例えば、建造物内の特定位置までの経路を誘導するための情報や、建造物が駅舎であるような場合には、特定位置(プラットホーム)に対応する時刻表情報などが記憶されている。また、施設情報363aに記憶された情報に関して案内する情報としてもよく、例えば、施設情報363aとして店舗名等を示す情報が記憶されている場合には、この店舗の営業時間や広告等を示す情報が記憶される。なお、案内情報363bとして記憶される情報の形態は、特に問わないものとするが、例えば、テキストデータ、画像データ、動画データ、音声データ等としてもよく、さらには、その建造物の利用者状況に応じて、多言語化することが好ましい。
【0087】
経路探索部37は、制御部31により特定された現在位置情報、移動目的位置情報に対応するブロック間の最短経路を、携帯電話機10から送信された方向情報に基づいて探索する。
【0088】
ここで、図5(b)を参照して、経路探索部37により行われる経路探索について説明する。図5(b)は、8つのブロックが組み合わされて形成された空間データを示している。ここで、現在位置情報に対応する現在位置が「●」が印されたブロックの領域内に、移動目的位置情報に対応する移動目的位置が「▲」が印されたブロックの領域内に存在すると制御部31により特定されたような場合、ブロック「●」からブロック「▲」に至るには、ブロック「●」から面F1又は面F2を通過してブロック「▲」に到達する二つの経路が存在している。
【0089】
ここで、携帯電話機10から送信された方向情報が、図中矢印で示した方向であるとすると、経路探索部37は、この方向情報に基づいて面F1に向かう経路を選定し、現在位置と移動目的位置とに対応するブロック間に存在するブロックの接合面に基づいて経路を探索し、図中斜で示した面F1、F3〜F5を通過する経路を導出する。このように、方向情報を利用することにより、歩行者が向いている方向を考慮した経路の探索を行うことができる。また、ブロック間の接合面に基づいて経路探索を行うことにより、歩行者の三次元方向の自由度を考慮した経路の探索を効率的に行うことができる。
【0090】
なお、移動目的位置に対応するブロックが制御部31により複数特定された場合には、全てのブロックに至る経路を探索することとしてもよいし、現在位置に対応するブロックから最も近い移動目的位置に対応するブロックに至る経路のみを探索することとしてもよい。
【0091】
経路探索部37は、制御部31により条件情報に対応するブロックが特定されていたような場合、この条件情報に対応するブロックを経由して移動目的位置至る経路を探索する。歩行者から条件情報が送信された場合の経路探索について、図6(a)、(b)を参照して説明する。
【0092】
図6(a)において、歩行者が「●」で印した位置に存在しており図中矢印で示した方向を向いているとし、この位置で、「▲」で印した位置に移動したい旨の経路案内情報要求情報が送信されたとする。このような場合、制御部31により図6(b)に示した空間データ361において「●」が印されたブロックが現在位置情報に対応するブロックとして、「▲」が印されたブロックが移動目的位置情報に対応するブロックとして特定され、図中矢印で示す向きが方向情報として判定される。
【0093】
このような状況において、例えば、歩行者から移動目的位置に移動する際にエレベータの利用を所望する条件情報が経路案内要求情報として送信されたとすると、制御部31により、データベース部36に記憶された関連情報363に基づいてエレベータの存在するブロックが特定される。図6(a)では、領域Eで示した位置にエレベータが存在するため、この領域Eに対応する空間データ361のブロックとして、図6(b)の「■」が印されたブロックが特定される。
【0094】
ブロック「●」からブロック「▲」に至るまでの経路は、図6(a)に領域Tで示した階段を利用する経路と、領域Eで示したエレベータを利用する経路との二つの経路が存在するが、経路探索部37は、ブロック「●」からブロック「▲」に至るまでの経路において、ブロック「■」を経由する経路、つまり、エレベータを利用する経路を、方向情報、現在位置と移動目的位置とに対応するブロック間に存在するブロックの接合面に基づいて探索し、面F11〜F20を通過する経路を導出する。
【0095】
上記例では、条件情報に対応する複数のブロックが連続する形で特定された場合を示したが、条件情報に対応する複数のブロックが離れた位置に存在するような非連続的な形で特定された場合には、経路探索部37は、特定されたブロックのうち、移動目的位置に至る最短経路となるブロックについてのみ探索するものとしてもよいし、特定された全てのブロックを経由して移動目的位置に至る経路を探索するものとしてもよいし、条件情報に対応するブロック毎にそのブロックを経由して移動目的位置に至る経路をそれぞれ探索することとしてもよい。また、条件情報に対応するブロックがただ一つ特定された場合には、その特定されたブロックを必ず経由して移動目的位置に至る経路が検索される。
【0096】
なお、上記例では、条件情報に対応するブロックを経由する経路を探索することとしたが、条件情報が特定の施設等を回避するような指示であった場合には、経路探索部37は、その条件情報に対応するブロックを回避する経路を探索する。
【0097】
経路案内情報生成部38は、経路探索部37で探索された経路探索結果をデータベース部36に記憶された地図データ362と対応付けて経路案内情報を生成する。なお、経路案内情報の生成については後述する。
【0098】
次に、図9を参照して、携帯電話機10から送信される経路案内要求情報に基づいて、経路案内情報配信サーバ30から経路案内情報を前記携帯電話機10に配信する際の処理の流れを説明する。なお、ステップM11〜M15までの処理は、携帯電話機10の制御部11の制御により行われ、ステップN11〜N15(N141〜N145)までの処理は、経路案内情報配信サーバ30の制御部31の制御により行われ、携帯電話機10と経路案内情報配信サーバ30との各種データの授受は、Webサーバ20のWebサーバ機能を介して行われるものとする。また、本処理において、所定の建造物は三次元的多層階構造を有した駅舎であるとし、携帯電話機10は駅構内の任意の位置に存在しているとする。
【0099】
まず、駅構内における携帯電話機10の現在位置を示す現在位置情報と、その携帯電話機10の向きを示す方向情報と、が取得される(ステップM11)。
【0100】
ここで、現在位置情報は、GPS衛星を利用して取得することが可能であるが、三次元的多層階構造を有する建造物内では、屋根や壁面等により電波が遮られてしまうことからGPS衛星との通信ができない場合がある。そのため、本実施例では、駅構内の所定の位置に、この位置に対応した位置情報を記録したQRコードを設置し、このQRコードがカメラ部15を介して読み取られることで現在位置情報が取得されるものとする。なお、ここでQRコードには、該QRコードが設置された位置を示す東経や北緯等の座標や、本駅構内において位置を特定可能な位置識別情報等が予め記録されているものとする。
【0101】
また、上記QRコードに携帯電話機10の向きを示す方向情報を予め記録されているものとし、該QRコードを、カメラ部15を介して読み取ることで方向情報を取得することとする。なお、ここでQRコードに予め記録される方向情報とは、当該QRコードが携帯電話機10により撮影される方向に基づいて記録されているとする。なお、本実施の形態では、QRコードにWebサーバ20にアクセスするためのURL等のアドレス情報がさらに記録されているものとする。
【0102】
上記のように、QRコードによる現在位置情報の取得を行う場合には、QRコードを駅構内に所定間隔毎に設置し、ユーザが撮影しやすいよう駅構内に設置されている案内板、壁面、床面等に設置することが好ましい。なお、現在位置情報及び方向情報を、QRコードを介して取得することとしたが、PDF417、Data Matrix、Maxi Code等の二次元コード、JANコード、UPCコード、CDDE39、CODE93等の一次元バーコードやカラーバーコードであってもよく、上記した現在位置情報及び方向情報が記録されていれば、その種類は問わないものとする。
【0103】
また、現在位置情報及び方向情報の取得方法は、上記した例に限られず、その方法は問わないものとする。例えば、Suica(Super urban intelligent card:登録商標)等の非接触型のICチップを内蔵したカード(以下、ICカードという)に、予め携帯電話機10の電話番号やメールアドレス等の通達可能なアドレス情報を記録しておき、駅構内に設置された改札装置に、このICカードを読み取らせて通過する際に、当該通過した改札装置の設置位置情報をICカードに記録されたアドレス情報宛に送信するよう改札装置やサーバ等のシステムを構成することにより、現在位置情報が取得できることとしてもよい。このような場合、改札装置が設置されている方向を方向情報として利用することとしてもよい。
【0104】
なお、駅構内等の屋内ではGPS衛星との通信ができない場合が考えられるが、GPS衛星との通信が可能な場合は、通信部18を介してGPS衛星を利用することで、現在位置情報及び方向情報を取得することとしてもよい。また、携帯電話機10がジャイロやコンパス等を備えているような場合は、このジャイロやコンパスを利用して方向情報を取得することとしてもよい。
【0105】
次に、駅構内における移動目的位置を示す移動目的位置情報が、ユーザにより設定される(ステップM12)。なお、本実施例では、現在位置情報として本駅構内の特定のプラットホームが、移動目的位置情報として本駅構内の特定の改札口が設定されることとする。ここで、移動目的位置情報は、例えば、操作部12を介して手入力で入力して設定することとしてもよいし、予め移動目的位置別の情報を記録したQRコードを駅構内の案内板等に設置し、このQRコードをカメラ部15を介して撮影することで入力することとしてもよい。
【0106】
次いで、ユーザにより操作部12を介して現在位置から移動目的位置までの経路案内を要求する指示がなされ、この指示に基づいて経路案内要求情報がWebサーバ20に送信される(ステップM13)。なお、経路案内要求情報の送信は、QRコードに予め記録されたWebサーバ20のアドレス情報に基づき、HTTP形式で送信されるものとするが、これに限定されず、例えば、電子メール形式で送信されてもよい。
【0107】
一方、Webサーバ20では、携帯電話機10から送信された経路案内要求情報に対し、所定の処理を行った後、当該処理後の経路案内要求情報を経路案内情報配信サーバに転送する。ここで所定の処理とは、携帯電話機10から経路案内要求情報が送信された際の時刻を示す時刻情報、経路案内要求情報の送信の際に使用されたプログラム等に係る情報等、携帯電話機10に固有の情報等を含んだ付加情報を経路案内要求情報に付加する処理等を意味しており、この付加情報には、携帯電話機10で使用されている言語を示す言語情報が含まれているものとする。
【0108】
経路案内情報配信サーバ30では、Webサーバ20を介して携帯電話機10から送信された経路案内要求情報が受信されると(ステップN11)、この経路案内要求情報に含まれる現在位置情報と移動目的位置情報とに対応するブロックが、データベース部36に記憶された空間データ361のブロック内からそれぞれ特定され(ステップN12)、この特定されたブロック間の経路探索が方向情報に基づいて行われた後(ステップN13)、経路案内情報生成処理(ステップN14)が行われる。
【0109】
ここで、経路案内情報生成処理(ステップN14)について図10を参照して説明する。
まず、ステップN12で特定された複数のブロックに対応する見取り図データが、データベース部36に記憶された地図データ362から読み出される(ステップN141)。
【0110】
ここで、特定された複数のブロックに対応して読み出される見取り図データは、少なくとも携帯電話機10から送信された経路案内要求情報のうち、現在位置情報と移動目的位置情報とに対応する位置を含んだ見取り図データが地図データ362から読み出されることが好ましい。
【0111】
次いで、経路案内情報生成部38により、ステップN13で経路探索部37により経路探索された結果が、読み出された見取り図データに合成される(ステップN142)。
【0112】
図11(a)に、ステップN142で経路探索結果が合成された見取り図データの一例を示す。
ここで「●」はプラットホームにおける現在位置を示しており、「▲」は移動目的位置である改札口を示している。ここで、経路探索部37により、経路探索された結果が、図中矢印で示すようにユーザに認識し易い形態で表示させる。なお、表示形態はこれに限らないものとする。
【0113】
図10に戻り、Webサーバ20から経路案内要求情報として付加された付加情報が確認され(ステップN143)、この付加情報に応じた施設情報、案内情報等の関連情報363が読み出される(ステップ144)。次に、この読み出され関連情報363が、経路案内情報生成部38により見取り図データに合成され、経路案内情報として生成される(ステップN145)。
【0114】
例えば、付加情報としてWebサーバ20から送信された携帯電話機10の使用言語が、ステップN143で英語であると確認されると、ステップN144では、英語で表現された施設情報、案内情報が読み出される。また、付加情報としてWebサーバ20から送信された時刻情報が、ステップN143で確認されると、ステップN144では、この時刻情報に対応した施設情報、案内情報が読み出される。このようにすることにより、現在時刻に応じたリアルタイム性のある情報や、歩行者の使用言語に応じた経路案内情報を提供することができる。
【0115】
図11(b)に、ステップN145で施設情報及び案内情報が合成された見取り図データの一例を示す。図10(b)は、本見取り図データの各位置に対応する施設情報として、アイコン画像や文字情報で示した情報が、本見取り図データに対応した施設情報として、領域G内に示した情報が、本見取り図データに対応した案内情報として合成された状態を示している。
【0116】
領域G内に示された案内情報には、Webサーバ20から送信された時刻情報に応じた情報の例として、現在の列車の遅延状態を伝える情報を示している。このように、列車の運行状況等のような、リアルタイム性を要する情報であっても、時刻情報を利用することにより経路案内情報として携帯電話機10に配信することができる。
【0117】
なお、ここでは、アイコン画像や文字情報を用いて施設情報を示すこととしたが、これに限らず、他の表示、表現形態で示すようにしてもよい。また、領域G内に文字情報を用いて案内情報を示すこととしたが、これに限らず、他の表示、表現形態で示すようにしてもよく、例えば、音声データを携帯電話機10に別途配信するようにしてもよい。
【0118】
また、携帯電話機10から送信された方向情報を利用して、経路案内情報の表示が実際の空間的な位置関係と一致するような処理を、経路案内情報生成の際に行うこととしてもよい。このような処理を行うことにより、ユーザは、経路案内情報と実際の空間的な位置関係とを把握し易くなるため、より円滑に経路誘導を行うことが可能となる。
【0119】
図9に戻り、ステップN14で生成された経路案内情報が通信制御部35を介してWebサーバ20に送信され(ステップN15)、この配信された経路案内情報がWebサーバ20により携帯電話機10にHTTP形式で配信されて、経路案内情報配信サーバ30の処理は終了する。
【0120】
一方、携帯電話機10では、Webサーバ20を介して配信された経路案内情報が受信されると(ステップM14)、この経路案内情報が表示部13に表示されて(ステップM15)、携帯電話機10の処理は終了する。
【0121】
歩行者は、携帯電話機10の表示部13に表示された経路案内情報を確認しながら、移動目的位置まで移動することができるため、本実施例の駅構内のような三次元的多層階構造を有するような場所であっても、円滑な経路誘導を行うことができる。
【0122】
本歩行者用ナビゲーションシステム100では、空間データ361の各ブロックに基づいて現在位置及び移動目的位置に対応する位置を特定するため、その移動目的位置は端点(ノード)ではなく、ブロックの大きさに応じた範囲を有することとなる。このような場合、例えば、移動目的位置として特定の店舗を指定したような場合、移動目的位置に対応するブロック内において、その店舗がブロック内のどのあたりに存在するかの確認を、歩行者が所望するような場合がある。このような場合、経路案内情報配信サーバ30は、携帯電話機10からWebサーバ20を介して送信される現在位置情報及び方向情報に基づいてブロック周辺の情報を経路案内情報として携帯電話機10に配信する。
【0123】
図12を参照して、特定のブロック周辺の情報を経路案内情報として配信する際の処理の流れを説明する。なお、ステップM21〜M24までの処理は、携帯電話機10の制御部11の制御により行われ、ステップN21〜N26までの処理は、経路案内情報配信サーバ30の制御部31の制御により行われ、携帯電話機10と経路案内情報配信サーバ30との各種データの授受は、Webサーバ20のWebサーバ機能を介して行われるものとする。また、本処理において、所定の建造物は三次元的多層階構造を有した駅舎であるとし、本処理は、その駅構内の歩行者が移動目的位置とした位置に対応するブロック内で行われるものとする。
【0124】
まず、駅構内における携帯電話機10の現在位置を示す現在位置情報と、その携帯電話機10の向きを示す方向情報と、が取得されて(ステップM21)、この現在位置情報及び方向情報がWebサーバ20を介して経路案内情報配信サーバ30に送信される(ステップM22)
【0125】
一方、Webサーバ20では、携帯電話機10から送信された現在位置情報及び方向情報に対し、所定の処理を行った後、当該処理後の現在位置情報及び方向情報を経路案内情報配信サーバに転送する。ここで所定の処理とは、携帯電話機10から経路案内要求情報が送信された際の時刻を示す時刻情報、経路案内要求情報の送信の際に使用されたプログラム等に係る情報等、携帯電話機10に固有の情報等を含んだ付加情報を経路案内要求情報に付加する処理等を意味しており、この付加情報には、携帯電話機10で使用されている言語を示す言語情報が含まれているものとする。
【0126】
経路案内情報配信サーバ30では、Webサーバ20を介して携帯電話機10から送信された現在位置情報及び方向情報が受信されると(ステップN21)、この現在位置情報に対応するブロックが、データベース部36に記憶された空間データ361のブロック内から特定される(ステップN22)。
【0127】
次いで、Webサーバ20から経路案内要求情報として付加された付加情報が確認され(ステップN23)、ステップN22で特定されたブロック内において、方向情報で示された方向に対応するブロックの面が有する識別情報に対応付けられて記憶された施設情報、案内情報等の関連情報363が付加情報に応じて読み出される(ステップN24)。このようにすることにより、現在時刻に応じたリアルタイム性のある情報や、歩行者の使用言語に応じた特定のブロック周辺の案内情報を提供することができる。
【0128】
次に、経路案内情報生成部38により、ステップN24で読み出された関連情報363が、この関連情報363に対応するブロックに対応付けられた地図データ362の見取り図データに合成され、経路案内情報として生成される(ステップN25)。
【0129】
次いで、生成された経路案内情報が通信制御部35を介してWebサーバ20に送信され(ステップN26)、この配信された経路案内情報がWebサーバ20により携帯電話機10にHTTP形式で配信されて、経路案内情報配信サーバ30の処理は終了する。
【0130】
一方、携帯電話機10では、Webサーバ20を介して配信された経路案内情報が受信されると(ステップM23)、この経路案内情報が表示部13に表示されて(ステップM24)、携帯電話機10の処理は終了する。
【0131】
上記した、ブロック周辺の情報が経路案内情報を、歩行者が携帯電話機10を介して取得するまでの動作の説明を、図13を参照して説明する。
【0132】
図13は、空間データ361が有する特定のブロックにおいて、駅構内の床面と対応するブロック下面を中心としてブロック側面をD1〜D4の四方に展開した状態を模式的に示した図である。なおブロック上面は不図示としている。
【0133】
このブロックの各面に対応する方向には各種施設等が存在しており、D1で示した方向には「中央出口」が、D2で示した方向には「AA商店、AB商店、AC商店」が、D3で示した方向には「新幹線ホーム」が、D4で示した方向には「BA商店」と「掲示物」が存在するものとし、それぞれの施設に関する情報が関連情報363として、ブロックの各面に対応付けて記憶されているものとする。
【0134】
ここで、このブロック内に携帯電話機10を携帯した歩行者が存在するものとし、歩行者により携帯電話機10の先端をD1で示した方向に向けて、現在位置情報及び方向情報が送信されたとすると、ブロックのD1方向の面に対応付けて記憶された関連情報363として「中央出口」に関する情報が経路案内情報配信サーバ30により読み出され、この「中央出口」に関する情報が、このブロックに対応する地図データ362に合成され経路案内情報として携帯電話機10に配信されることになる。
【0135】
以下、同様に携帯電話機10の先端をD2に向けた場合には、「AA商店、AB商店、AC商店」に関する情報が、D3に向けた場合には、「新幹線ホーム」に関する情報が、D4に向けた場合には、「BA商店及び掲示物」に関する情報が携帯電話機10に経路案内情報として配信されることになる。
【0136】
なお、経路案内情報として配信される内容は、特に問わないものとし、例えば、携帯電話機10の先端をD2に向けた場合に配信される「AA商店、AB商店、AC商店」に関する情報として、各店舗の営業時間、業務内容等を示した情報を配信することとしてもよいし、携帯電話機10の先端をD3に向けた場合に配信される「新幹線ホーム」に関する情報として、新幹線の時刻表情報や、新幹線ホームまでの行き先案内情報等を配信するようにしてもよい。
【0137】
また、本実施例では、ブロック周辺の関連情報363を地図データ362に合成して経路案内情報として配信することとしたが、これに限らず、例えば、ブロック周辺の関連情報363のみを経路案内情報として配信することとしてもよいし、既に携帯電話機10の表示部13に地図データを含む経路案内情報が表示されているような場合には、その表示された経路案内情報に関連情報363を合成表示させる指示を含んだ情報を経路案内情報として配信することとしてもよい。
【0138】
上記本実施の形態における歩行者用ナビゲーションシステム100の細部構成および詳細動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0139】
例えば、本実施の形態では、携帯通信端末として携帯電話機10とすることとしたが、これに限らず、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートパソコン等であってもよい。
【0140】
また、本実施の形態では、Webサーバ20を有する構成としたが、これに限らず、例えば、Webサーバ20が有する機能を経路案内情報配信サーバ30が備えることとしてもよい。また、本実施の形態では、経路案内情報をWebサーバ20のHTTPを介して携帯電話機10に配信することとしたが、配信形態はこれに限らず、例えば、メールサーバ機能を有する装置を別途用意し、このメールサーバを介して電子メールで経路案内情報を配信することとしてもよい。
【0141】
また、本実施の形態では、データベース部36を経路案内情報配信サーバ30が有する構成としたが、これに限らず、経路案内情報配信サーバ30がアクセス可能な外部の装置がデータベース部36を有することとしてもよいし、経路案内情報配信サーバ30がアクセス可能な外部の複数の装置が、空間データ361、地図データ362、関連情報363をそれぞれ分散して記憶することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明に係る実施の形態の歩行者用ナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図2】携帯電話機の要部構成を示すブロック図である。
【図3】Webサーバの要部構成を示すブロック図である。
【図4】経路案内情報配信サーバの要部構成を示すブロック図である。
【図5】(a)空間データを形成するブロックを説明するための図である。(b)空間データを説明するための図である。
【図6】(a)建造物が有する空間構造の一例を示す図である。(b)建造物が有する実際の立体構造に基づいて形成された空間データの一例を示す図である。
【図7】(a)地図データの一例を示す図である。(b)地図データの一例を示す図である。
【図8】(a)地図データに基づいて空間データが形成される様子を説明するための図である。(b)地図データに基づいて形成された空間データの一例を示す図である。
【図9】経路案内情報取得処理に関するフローチャートである。
【図10】経路案内情報生成処理に関するフローチャートである。
【図11】(a)経路探索結果が合成された見取り図データの一例を示す図である。(b)施設情報及び案内情報が合成された見取り図データの一例を示す図である。
【図12】特定のブロック周辺を案内するための経路案内情報生成処理に関するフローチャートである。
【図13】特定のブロック周辺を案内するための経路案内情報を取得するまでの動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0143】
100 歩行者用ナビゲーションシステム
10 携帯電話機(携帯通信端末)
11 制御部
12 操作部(移動目的位置情報入力手段、条件情報入力手段)
13 表示部
14 記憶部
15 カメラ部(現在位置情報取得手段、移動目的位置情報入力手段、方向情報取得手段)
16 画像処理部
17 音声入出力部
18 通信部(現在位置情報取得手段、方向情報取得手段、経路案内要求情報送信手段)
181 無線通信回路
182 GPS回路(現在位置情報取得手段、方向情報取得手段)
183 通信処理回路
19 バス
20 Webサーバ
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 記憶部
25 通信制御部
26 バス
30 経路案内情報配信サーバ(経路案内情報配信サーバ)
31 制御部(ブロック特定手段)
32 操作部
33 表示部
34 記憶部
35 通信制御部(経路案内情報配信手段)
36 データベース部(記憶手段)
361 空間データ(空間データ)
362 地図データ(地図データ)
363 関連情報(関連情報)
363a 施設情報(施設情報)
363b 案内情報(案内情報)
37 経路探索部(経路探索手段)
38 経路案内情報生成部(経路案内情報生成手段)
39 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信端末と、当該携帯通信端末から送信される経路案内要求情報に基づいて経路案内情報を前記携帯通信端末に配信する経路案内情報配信サーバと、を有する歩行者用ナビゲーションシステムであって
前記携帯通信端末は、所定の領域における携帯通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、前記所定の領域における移動目的位置を示す移動目的位置情報を入力可能な移動目的位置情報入力手段と、前記現在位置情報及び移動目的位置情報を前記経路案内要求情報として送信する経路案内要求情報送信手段と、を備え、
前記経路案内情報配信サーバは、多面体状の複数のブロックを仮想的に互いに面で接する状態で三次元方向に組み合わせて前記所定の領域の立体構造と対応するよう形成した空間データと前記所定の領域の地図データとを対応付けて記憶する記憶手段と、前記送信された経路案内要求情報に含まれる前記現在位置情報及び移動目的位置情報に対応するブロックを前記空間データからそれぞれ特定するブロック特定手段と、前記特定されたブロック間の経路を探索する経路探索手段と、前記探索された結果を前記地図データと対応付けて前記経路案内情報を生成する経路案内情報生成手段と、前記生成された経路案内情報を前記携帯通信端末に配信する経路案内情報配信手段と、を備えたことを特徴とする歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記携帯通信端末は、当該携帯通信端末の向きを示す方向情報を取得する方向情報取得手段をさらに備え、
前記経路案内要求情報送信手段は、前記取得された方向情報を前記経路案内要求情報として前記経路案内情報配信サーバに送信し、
前記経路探索手段は、前記送信された方向情報に基づいて前記特定されたブロック間の経路を探索することを特徴とする請求項1に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記領域内の各位置に関連する関連情報を、該各位置に対応するブロックと対応付けて記憶し、
前記ブロック特定手段は、前記送信された移動目的位置情報に対応するブロックを前記関連情報に基づいて前記空間データから特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記経路案内情報生成手段は、前記ブロック特定手段により特定されたブロックに対応する関連情報を前記地図データと対応付けて前記経路案内情報を生成することを特徴とする請求項3に機記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記関連情報は、当該関連情報が有する方向特性に基づいて、前記ブロックが有する各面にそれぞれ対応付けられていることを特徴とする請求項3に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記経路案内情報生成手段は、前記ブロック特定手段により特定されたブロックが有する面から前記方向情報に対応する面を特定し、当該特定された面に対応付けられた関連情報を前記地図データと対応付けて前記経路案内情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項7】
前記関連情報は、前記領域内に設けられた施設を示す施設情報を有することを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項8】
前記関連情報は、前記領域内を案内するための案内情報を有することを特徴とする請求項3〜7の何れか一項に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項9】
前記施設情報及び案内情報は、複数の言語に対応した多言語データを有することを特徴とする請求項7又は8に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記携帯通信端末は、前記現在位置から移動目的位置に至るまでの経路における所定の条件を指示する条件情報を入力可能な条件情報入力手段をさらに備え、
前記経路案内要求情報送信手段は、前記条件情報を前記経路案内要求情報として前記経路案内情報配信サーバに送信し、
前記ブロック特定手段は、前記送信された条件情報に対応するブロックを前記関連情報に基づいて前記空間データ内から特定し、
前記経路探索手段は、前記特定されたブロックを経由又は回避するよう経路を探索することを特徴とする請求項4に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項11】
前記経路探索手段は、前記特定されたブロック間に存在するブロックの接合面に基づいて経路を探索することを特徴とする請求項1、2、10の何れか一項に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。
【請求項12】
前記所定の領域は、通路若しくは道路、建造物又は部屋空間であることを特徴とする請求項1に記載の歩行者用ナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−10563(P2006−10563A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189693(P2004−189693)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(592145268)ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 (53)
【出願人】(594128647)株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所 (6)
【Fターム(参考)】