説明

残差補間を用いた超解像処理方法及び装置

【課題】画像列の解像度及び質を向上し、グリッドアーチファクトを低減した超解像処理の方法及び装置を提供する。
【解決手段】補間を行って最初の高解像度推定画像を生成し、位置合わせを行って位置合わせ画像を生成し、高解像度推定画像を不鮮明化し、不鮮明化画像と位置合わせ画像とを減算して残差画像を生成し、欠損していない周辺画素の残差値を用いて欠損残差を補間し、点拡がり逆関数を用いて残差画像から逆投影画像を生成し、平滑化画像と逆投影画像とを組み合わせて強調係数を生成し、強調係数を高解像度推定画像に更新して新たな高解像度推定画像を生成することにより、欠損画素の残差値を欠損していない周辺画素の残差値から補間する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、あらゆる画像・映像処理、特に画像・映像超解像処理に利用可能である。
【背景技術】
【0002】
超解像処理は、複数の低解像度画像から高解像画像を生成する技術である。この技術をプラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)などの表示装置に用いて、表示対象の入力画像列の解像度及び質を向上させることができる。超解像処理をハードディスクレコーダやDVD(Digital Versatile Disc)レコーダなどの記録装置において用いた場合、トランスコーディングや格納の対象となる画像の解像度及び質を向上することができる。また、超解像度は印刷目的でも利用可能である。この場合、カメラレコーダやデジタルカメラからの画像列を処理して一枚の高解像度・高画質画像を生成できる。同様に、監視に応用した場合、顔や車両のナンバープレートの解像度及び画質を向上できる。
【0003】
超解像処理方法には画像の位置合わせを伴う方法がある。同方法では、観測された低解像度画像を動き補償し、位置合わせ画像と呼ばれる共通の高解像度グリッドに変換する。高解像度フレームの最初の推定フレームは、バイキュービック補間などの空間補間方法を用いて得られる。この推定フレームは、不鮮明化、フレーム差分、点広がり逆関数、正則化、及び細密化の処理を繰り返すことで改善される。残差画像はフレーム差分を求める動作中に生成される。これによって、位置合わせ画像は、不鮮明化された高解像度推定フレームから減算される。超解像処理の詳細に関しては、例えば米国特許出願番号2004/0156561 A1及び米国特許出願番号2005/0019000 A1などを参照されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
良質な超解像画像を得るためには、位置合わせ画像が良質であることが重要である。正確な位置合わせを行うためには、正確な動き補償、及び対象画像と周辺画像との間のサブピクセルシフトを行う必要がある。サブピクセルシフトを行わなければ、位置合わせ画像に欠損画素が生じる。結果として、残差画像にも同様の欠損画素が生じる。高解像度推定画像における対応の欠損画素は、欠損画素のないものに比べて細密化される度合いが低くなる。問題となるのは、これらの欠損画素は周期的に発生し、結果としてグリッドアーチファクトが発生してしまうことである。このため、エッジがぎざぎざ又は鋸歯状に見えてしまう。例えば、2倍解像度アップサンプリングの場合、画素毎に輝度が高かったり、低かったり、また高かったりと、交互のパターンなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、上記グリッドアーチファクトの問題を解決するために残差補間を用いる。残差補間において、欠損画素の残差値を、欠損していない周辺画素の残差値から補間する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、グリッドアーチファクトを防ぐために残差補間を用いている点で新しい。高解像度推定画像に対し平滑化の拘束条件を加えることで、正則化によってもグリッドアーチファクトを防ぐことができる。しかしながら、平滑化の拘束条件は画像全体に適用されるため、平滑化の強度を制御する必要がある。平滑化を必要としない領域では不鮮明化が発生し、強度が適切に設定されなかった場合は、不鮮明化が過度になったり不十分になったりする。
【0007】
残差補間は欠損画素に対して行われるため、画素が欠損していない領域は不鮮明化されない。また、残差補間の強度は、必然的に残差そのものの値に応じて設定される。残差値が大きければ補間された値も大きくなり、逆もまた同様である。
【0008】
結果として、正則化を用いた場合と比較して、より鮮明な画像を生成できるより優れた超解像のアルゴリズムが得られる。
【0009】
残差補間は正則化と併用可能である。この併用により、正則化の強度を抑えて不鮮明化が過度に行われることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
後処理又は前処理装置
図2は後処理又は前処理装置における超解像処理装置の使用を示すブロック図である。入力D252は、映像及び/又は音声ソースなどで構成される。必要であれば、逆多重化器202を用いて映像ソースを他のソースから分離する。また必要であれば、他のソース又は他のビットストリームD256を他の処理装置で処理する。また、映像ソースを圧縮してもよい。この場合、符号化された映像ビットストリームD258を映像デコーダ204で復号し、復号化画像列D262を生成する。また映像ソースは圧縮されなくてもよい。この場合、非圧縮画像列D254を用いる。オプションで前処理装置206を用いて画像列D262及びD254を処理し、処理画像列D264を生成してもよい。超解像処理装置208は画像列を処理して超解像度化画像列D266を生成する。超解像処理装置208は残差補間も行う。映像ソースを圧縮した場合、超解像処理装置は、符号化映像ビットストリームからの補助データD260をオプションで用いることができる。補助データの例として、動きベクトル、量子化パラメータ、デブロッキングフィルタ強度などがある。超解像度化画像列は、さらに後処理装置210で処理されてもよい。処理済み超解像度化画像列D268は、表示装置214を用いて表示できる。オプションとして、記憶装置212を用いて格納されてもよい。また記憶装置212において、格納のために圧縮を用いてもよい。
【0011】
符号化装置及び復号装置
図3a及び図3bは、符号化装置(エンコーダ)及び復号装置(デコーダ)における超解像処理装置の使用をそれぞれ示す2枚のブロック図である。エンコーダにおいて、画像列はイントラ符号化又はインター符号化される。イントラ予測処理装置306は、対象フレームの情報を用いて予測を行う。動き検出処理装置302は、他のフレームを参照して動き補償予測を行う。その結果として処理装置302及び306から得られる画像は、次に変換処理装置304、量子化処理装置308、次いでエントロピ処理装置310で処理され、符号化映像ビットストリームが生成される。対象フレームは、逆量子化処理装置312、逆変換処理装置314、動き補償処理装置318、及び逆イントラ予測処理装置316を備えるローカルデコーダを用いて再構成され、動き検出処理装置302が用いる参照フレームとして格納される。本発明では、動き検出処理装置302及び動き補償装置318が用いる参照フレームの質及び解像度を向上させるために、超解像処理装置320を用いる。超解像処理装置320は残差補間も行う。オプションとして、動きベクトル、量子化パラメータ、デブロッキングフィルタ強度などの補助データを超解像処理装置320において用いることができる。
【0012】
デコーダにおいて、エントロピ復号処理装置340、逆量子化処理装置342、逆変換処理装置344、逆イントラ予測処理装置346、及び動き検出処理装置350を用いて、符号化映像ビットストリームから画像列を再構成する。エンコーダと同様に、超解像処理装置348を用いて参照フレームの質と解像度を向上させる。超解像処理装置348は残差補間も行う。オプションとして、動きベクトル、量子化パラメータ、デブロッキングフィルタ強度などの補助データを超解像処理装置348において用いることができる。超解像処理装置348は、さらに、表示された画像も改善させる。
【0013】
説明したエンコーダ及びデコーダは簡略化されたものである。現在、デブロッキングフィルタなど、画質をさらに向上させるための高度なツールを使用するエンコーダやデコーダがある。本発明では、図3a及び図3bに示されるとおりに符号化と復号が行われる必要はない。ここでは、動き検出、動き補償予測、及び表示に用いる参照フレームを改善することで符号化効率又はピクチャの質を向上させるためにエンコーダ及びデコーダにおいて超解像処理を用いることができることの一例を示しているに過ぎない。
【0014】
レイヤ間予測符号化装置及び復号装置
図4a及び図4bは、符号化装置(エンコーダ)及び復号装置(デコーダ)におけるレイヤ間イントラ予測のための超解像処理装置の使用をそれぞれ示す2枚のブロック図である。符号化効率を向上させるために、階層符号化にレイヤ間予測を用いる。レイヤ間予測を用いる階層符号化の一例として、ISO/IEC1496―10にスケーラブル拡張を適用するというワーキングドラフトがあり、スケーラブル映像符号化としても知られている。基本レイヤ符号化処理装置402を用いて基本レイヤ画像列を符号化する。拡張レイヤ符号化処理装置412を用いて拡張レイヤ画像列を符号化する。拡張レイヤ符号化処理装置412は、レイヤ間予測を用いて拡張レイヤと基本レイヤとの間の冗長性を削減することで、拡張レイヤだけを符号化する場合と比較して符号化効率を向上させる。レイヤ間残差予測処理装置404を用いて拡張レイヤ残差と基本レイヤ残差との間の冗長性を削減する。レイヤ間動きデータ予測処理装置406を用いて拡張レイヤと基本レイヤとにおける動きデータ間の冗長性を削減する。動きデータの例として、マクロブロック毎に用いられるパーティションサイズ及びタイプ、並びに予測方向、動きベクトルなどがある。レイヤ間イントラ予測処理装置408は、拡張レイヤの画像を符号化するための追加の参照画像として、基本レイヤのイントラ画像又は基本レイヤの再構成画像を利用する。これらの追加の参照画像を改善するために、超解像処理装置410を用いる。超解像処理装置410は残差補間も行う。オプションとして、動きベクトル、量子化パラメータ、デブロッキングフィルタ強度などの補助データを超解像処理装置410において用いることができる。
【0015】
デコーダにおいて、基本レイヤ復号処理装置422を用いて基本レイヤビットストリームを復号する。拡張レイヤ復号処理装置432は、レイヤ間残差予測処理装置424、レイヤ間動きデータ予測処理装置426、及びレイヤ間イントラ予測処理装置428を用いて拡張レイヤビットストリームを復号する。エンコーダと同様に、レイヤ間イントラ予測処理装置428からの参照ピクチャを改善するために超解像処理装置430を用いる。超解像処理装置430は残差補間も行う。オプションとして、動きベクトル、量子化パラメータ、デブロッキングフィルタ強度などの補助データを超解像処理装置430において用いることができる。
【0016】
超解像処理装置
図1aは超解像処理装置内の処理装置(機能ブロック)を示すブロック図である。補間処理装置110は、超解像度化の対象となるフレームを補間する。補間方法には、公知であるバイリニア補間、バイキュービック補間、Lanczos補間などがある。補間された画像は高解像度バッファ112に格納される。これが最初の高解像度推定画像となる。122における処理装置によって、画像列の位置合わせが行われる。122は、参照フレームと対象フレームとの間のワーピングベクトルを算出する動き検出処理装置102を備える。位置合わせ処理装置104はワーピングベクトルに基づいて位置合わせを行う。点拡がり関数処理装置114は、高解像度バッファ112における高解像度推定画像を不鮮明化する。フレーム差分処理装置106は位置合わせ画像と不鮮明化された高解像度推定画像との間の差分(残差)を算出する。残差補間処理装置124は、欠損画素の残差値を、欠損していない周辺画素の残差値から補間する。点拡がり逆関数処理装置108は差分(残差)を高解像度グリッドに逆投影する。高解像度推定処理装置116は逆投影された差分と平滑化の拘束条件とを組み合わせて強調係数を生成する。次にこの強調係数を用いて高解像度推定画像を更新する。これにより、向上処理の繰り返しが1サイクル完了する。この処理を、処理装置114、106、124、108、116、及び118を用いて繰り返す。この処理は所定のサイクル数になるまで繰り返してもよいし、強調係数の値が一定のしきい値以下になるまで繰り返してもよい。また、適応向上処理を画素単位で行って、特定の画素のみを選択し、さらなる向上処理を行ってもよい。
【0017】
図1bは、図1aと同様の超解像処理装置内の処理装置(機能ブロック)を示すブロック図である。図1bは、照度マスキング及び/又は照度補償処理装置120と正則化処理装置118とが追加されている点で異なる。これら2つの処理装置はオプションである。処理装置120は、位置合わせ処理装置104が用いる照度補償値と照度マスクとを算出する。処理装置118は、処理装置116が用いる平滑化の拘束条件を算出するために用いられる。
【0018】
残差補間(一般的ケース)
図5は一般的なケースを対象とした残差補間を示すフロー図である。残差画像における全ての画素が走査される。走査順序はラスタ走査順又は逆ラスタ走査順である。ラスタ走査では、最初の行を左から右へ走査し、次に2番目の行を左から右へ走査するといった具合に最後の行まで走査する。逆ラスタ走査では、最初の列を上から下に走査し、次に2番目の列を上から下へ走査するといった具合に最後の列まで走査する。他の走査順序を用いてもよい。ステップS502では、対象画素が残差を持つか否かを確認する。すなわち、対象画素が欠損画素であるか否かを確認する。残差を持たない場合、ステップS504において、補間に十分な残差が周辺画素にあるか否かを確認する。例えば、2タップフィルタを用いる場合、該当する場所に2つの残差値があるはずである。又は、残差画像の局所特性に合うように補間フィルタを変化させてもよい。例えば、通常、6つの値が存在する場合は6タップAVCフィルタを用い、エッジにおいて2つの値しか存在しない場合は2タップバイリニアフィルタを用いることができる。十分な残差がある場合、ステップS506において、対象画素の残差値を周辺画素から補間する。ステップS510は、ステップS502において対象画素が残差を持つと確認された場合、又はステップS504において補間に十分な周辺残差がない場合、又はステップS506の後に実行される。ステップS510において、他にも画素が存在するか否かを確認する。存在しない場合、処理を終了する。存在する場合、ステップS508において、走査順で次の画素を対象画素として設定し、ステップS502の処理を繰り返す。
【0019】
処理を繰り返し、次の処理において他の欠損画素を補間するために、現在の処理における補間残差が用いられている。また、最初の残差補間処理をラスタ走査及び水平補間フィルタを用いて行い、2番目の残差補間処理を逆ラスタ走査及び垂直補間フィルタを用いて行うことも可能である。これは2次元分離型補間フィルタを用いる場合に有用である。
【0020】
残差補間(具体例)
図6bは2倍スケール比及び2タップバイリニアフィルタという具体的なケースを対象とする残差補間を示すフロー図である。図6aは、本具体例における残差602及び補間残差604の位置の一例を示す。スケール比が2倍であるため、欠損画素は交互に位置する。2パス処理を行い、1番目のパスではラスタ走査を用いた水平補間を行い、2番目のパスでは逆ラスタ走査を用いた垂直補間を行う。それぞれのパスにおいて次に挙げるステップが実行される。すなわち、ステップS606において、対象画素が残差を持つか否かを確認する。持たない場合、ステップS608において、走査順において直前の画素と次の画素とが残差を持つか否かを確認する。これは2タップバイリニア補間フィルタを用いているためである。もし可能であれば、ステップS610において、対象画素の残差値は、直前の画素の残差値と次の画素の残差値との平均値となる。ステップS614において、他にも画素が存在するか否かを確認する。存在しない場合、処理を終了する。存在する場合、ステップS612において、走査順で次の画素を対象画素として設定し、ステップS606の処理を繰り返す。
【0021】
システムLSI
残差補間を用いた超解像処理装置の各機能ブロックは典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integrated)回路として実現される。このLSIは1チップ化されても良いし、複数チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0022】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0023】
さらには、製造技術の進歩によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1a】超解像処理装置内の処理装置を示すブロック図である。
【図1b】正則化処理装置と照度マスキング及び/又は照度補償処理装置とが追加されている点を除いて図1aと同様の超解像処理装置内の処理装置を示すブロック図である。
【図2】後処理又は前処理を目的とする超解像処理装置の使用を示すブロック図である。
【図3a】エンコーダにおける超解像処理装置の使用を示すブロック図である。
【図3b】デコーダにおける超解像処理装置の使用を示すブロック図である。
【図4a】レイヤ間予測を用いるエンコーダにおける超解像処理装置の使用を示すブロック図である。
【図4b】レイヤ間予測を用いるデコーダにおける超解像処理装置の使用を示すブロック図である。
【図5】一般的なケースを対象とした残差補間を示すフロー図である。
【図6a】2倍スケール比及び2タップバイリニア補間フィルタという具体的なケースを対象とする残差及び補間残差の位置を示す図である。
【図6b】2倍スケール比及び2タップバイリニア補間フィルタという具体的なケースを対象とする残差補間を示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像列に対して残差補間を用いた超解像処理を行うための方法であって、
補間を行って最初の高解像度推定画像を生成するステップ(110)と、
位置合わせを行って位置合わせ画像を生成するステップ(122)と、
以下のステップを繰り返すステップとを備えることを特徴とする方法。
点拡がり関数を用いて前記高解像度推定画像を不鮮明化し、不鮮明化画像を生成するステップ(114)
前記不鮮明化画像と前記位置合わせ画像とを減算し、残差画像を生成するステップ(106)
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間するステップ(124)
点拡がり逆関数を用いて前記残差画像を逆投影し、逆投影画像を生成するステップ(108)
平滑化画像と前記逆投影画像とを組み合わせ、強調係数を生成するステップ(116)
前記強調係数を高解像度推定画像に更新し、新たな高解像度推定画像を生成するステップ(112)
【請求項2】
位置合わせを行って位置合わせ画像を生成する請求項1記載の方法であって、
動き補償を行ってワーピングベクトルを生成するステップ(102)と、
前記ワーピングベクトルに基づいて位置合わせを行い、位置合わせ画像を生成するステップ(104)と
を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間する請求項1に記載の方法であって、
対象画素が残差値を持つか否かを確認するステップ(S502)と、
前記対象画素が残差値を持たない場合に、補間を行うのに十分な残差を周辺画素が持つか否かを確認するステップ(S504)と、
前記対象画素が残差値を持たない場合、かつ補間を行うのに十分な残差を周辺画素が持たない場合に、前記対象画素の残差値を前記周辺画素の残差値から補間するステップ(S506)と、
他の画素が存在するか否かを確認するステップ(S510)と、
他の画素が存在しない場合に、前記対象画素を走査順における次の画素として設定するステップ(S508)と、
他の画素が存在しない場合に、前記対象画素が残差値を持つか否かを確認するステップから処理を繰り返すステップと、
他の画素が存在しないと確認された場合に、処理を終了するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項4】
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間する請求項3記載の方法であって、
前記走査順は、ラスタ走査、逆ラスタ走査、及び任意の走査順序のいずれかである
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間する請求項1記載の方法であって、さらに、
補間された残差値を用いてさらに新たな補間残差値を生成できるように請求項3記載の方法を繰り返すステップ
を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間する請求項1記載の方法であって、さらに、
残差補間のパス毎に異なる走査順を用いるステップ
を備えることを特徴とする方法。
【請求項7】
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間する請求項1に記載の方法であって、
対象画素が残差値を持つか否かを確認するステップ(S606)と、
前記対象画素が残差値を持たない場合に、前の画素と次の画素とが残差を持つか否かを確認するステップ(S608)と、
前記対象画素が残差値を持たない場合、かつ前記前の画素と次の画素とが残差値を持つ場合に、前記対象画素の残差値を前記前の画素と次の画素との残差値から補間するステップ(S610)と、
他の画素が存在するか否かを確認するステップ(S614)と、
他の画素が存在しない場合に、前記対象画素を走査順における次の画素として設定するステップ(S612)と、
他の画素が存在しない場合に、前記対象画素が残差値を持つか否かを確認するステップから処理を繰り返すステップと、
他の画素が存在しないと確認された場合に、処理を終了するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
画像列に対して残差補間を用いた超解像処理を行うための装置であって、
補間を行って最初の高解像度推定画像を生成する手段(110)と、
位置合わせを行って位置合わせ画像を生成する手段(122)と、
以下のステップを繰り返す手段とを備えることを特徴とする装置。
点拡がり関数を用いて前記高解像度推定画像を不鮮明化し、不鮮明化画像を生成する手段(114)
前記不鮮明化画像と前記位置合わせ画像とを減算し、残差画像を生成する手段(106)
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間する手段(124)
点拡がり逆関数を用いて前記残差画像を逆投影し、逆投影画像を生成する手段(108)
平滑化画像と前記逆投影画像とを組み合わせ、強調係数を生成する手段(116)
前記強調係数を高解像度推定画像に更新し、新たな高解像度推定画像を生成する手段(112)
【請求項9】
画像列に対して残差補間を用いた超解像処理を行うためのLSI(Large Scale Integrated)回路であって、
補間を行って最初の高解像度推定画像を生成するユニット(110)と、
位置合わせを行って位置合わせ画像を生成するユニット(122)と、
以下のステップを繰り返すユニットとを備えることを特徴とするLIS回路。
点拡がり関数を用いて前記高解像度推定画像を不鮮明化し、不鮮明化画像を生成するユニット(114)
前記不鮮明化画像と前記位置合わせ画像とを減算し、残差画像を生成するユニット(106)
欠損していない周辺画素の残差値を用いて、前記残差画像から欠損残差を補間するユニット(124)
点拡がり逆関数を用いて前記残差画像を逆投影し、逆投影画像を生成するユニット(108)
平滑化画像と前記逆投影画像とを組み合わせ、強調係数を生成するユニット(116)
前記強調係数を高解像度推定画像に更新し、新たな高解像度推定画像を生成するユニット(112)
【請求項10】
前処理装置又は後処理装置において、残差補間を用いて超解像処理を行う装置であって、
入力源を必要に応じて逆多重化し、非圧縮画像列又は符号化映像ビットストリームと他のビットストリームとを生成する手段(202)と、
前記符号化映像ビットストリームを必要に応じて復号し、復号化画像列と、オプションで補助データとを生成する手段(204)と、
オプションで、前記復号化画像列又は前記非圧縮画像列に対して前処理を行い、処理画像列を生成する手段(206)と、
前記処理画像列に対して、請求項1〜9記載の残差補間を用いた超解像処理を行い、超解像度化画像列を生成する手段(208)と、
オプションで、前記超解像度化画像列に対して後処理を行い、処理済み超解像度化画像列を生成する手段(210)と、
オプションで圧縮を行って、オプションで前記処理済み超解像度化画像列を格納する手段(212)と、
オプションで前記処理済み超解像度化画像列を表示する手段(214)と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項11】
エンコーダにおいて、残差補間を用いて超解像処理を行う装置であって、
イントラ予測を行う手段(306)と、
動き検出を行う手段(302)と、
変換を行う手段(304)と、
量子化を行う手段(308)と、
エントロピ符号化を行う手段(310)と、
逆量子化を行う手段(312)と、
逆変換を行う手段(314)と、
逆イントラ予測を行う手段(316)と、
動き補償を行う手段(318)と、
前記動き検出及び動き補償に用いる参照画像に対して、請求項1〜9記載の残差補間を用いた超解像処理を行う手段(320)と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項12】
デコーダにおいて、残差補間を用いて超解像処理を行う装置であって、
エントロピ復号を行う手段(340)と、
逆量子化を行う手段(342)と、
逆変換を行う手段(344)と、
逆イントラ予測を行う手段(346)と、
動き補償を行う手段(350)と、
前記動き補償に用いる参照画像に対して、請求項1〜9記載の残差補間を用いた超解像処理を行う手段(348)と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
レイヤ間予測を用いるエンコーダにおいて、残差補間を用いて超解像処理を行う装置であって、
基本レイヤを符号化する手段(402)と、
レイヤ間予測を用いて拡張レイヤを符号化する手段(412)と、
前記拡張レイヤと基本レイヤとの間でレイヤ間残差予測を行う手段(404)と、
前記拡張レイヤと基本レイヤとの間でレイヤ間動きデータ予測を行う手段(406)と、
前記拡張レイヤと基本レイヤとの間でレイヤ間イントラ予測を行う手段(408)と、
前記拡張レイヤを符号化するための追加的な参照として用いられる前記基本レイヤのイントラ画像又は復号化画像に対して、請求項1〜9記載の残差補間を用いた超解像処理を行う手段(410)と
を備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
レイヤ間予測を用いるデコーダにおいて、残差補間を用いて超解像処理を行う装置であって、
基本レイヤを復号する手段(422)と、
レイヤ間予測を用いて拡張レイヤを復号する手段(432)と、
前記拡張レイヤと基本レイヤとの間でレイヤ間残差予測を行う手段(424)と、
前記拡張レイヤと基本レイヤとの間でレイヤ間動きデータ予測を行う手段(426)と、
前記拡張レイヤと基本レイヤとの間でレイヤ間イントラ予測を行う手段(428)と、
前記拡張レイヤを復号するための追加的な参照として用いられる前記基本レイヤのイントラ画像又は復号化画像に対して、請求項1〜9記載の残差補間を用いた超解像処理を行う手段(430)と
を備えることを特徴とする装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2007−316161(P2007−316161A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−143276(P2006−143276)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】