説明

気化器および成膜装置

【課題】 気化器の使用を繰り返しても、気化室内における原料の気化効率を極端に低下させることなく、安定的に原料ガスを供給することが可能な気化器および該気化器を備えた成膜装置を提供する。
【解決手段】 気化器30は、気化室32を形成する壁面に、複数の山形突起40が設けられ、それぞれの山形突起40は、気化室32へ向けて突設され、気化ノズル35から噴霧されるミストの流れのうち壁面近傍の流れを遮るように作用する。これにより気化室32の壁面に、気化ノズル35から噴霧されるミストの流れに対して蔭になる領域が形成される。この蔭になる領域には付着物がほとんど付着することないため、熱交換効率の極端な低下が防止され、ミストの気化性能を安定的に維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気化器および成膜装置に関し、詳細には液状原料を気化して被処理体表面に堆積させる成膜プロセスに用いられる気化器および成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの方法により、被処理体に成膜を行なう成膜装置では、液状の原料を安定的かつ大量に気化し、原料ガスとして成膜室に供給する目的で気化器が用いられる。このような気化器としては、液状原料をノズルから加熱された気化室内にミストの状態で噴霧することにより気化するミスト方式の気化器が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ミスト方式の気化器の一般構成を図6に示す。気化器200は、加熱手段を備えた本体201に形成された気化室202を有しており、ノズル203から噴霧された原料のミスト210が、気化室202内の熱雰囲気、および気化室202の壁面との接触、によって加熱されて原料ガスとなり、図示しない成膜室に供給される。
【特許文献1】特開平11−342328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の気化器200においては、使用を繰り返す間に、原料のミスト210から溶媒だけが揮発することによって生成した固化物や、加熱により生じた原料の熱分解物、原料中に含まれる不純物などの固形物が、気化室202の壁面に付着して気化効率が低下してくるという問題があった。特に、気化対象となる液状原料にハフニウム系の有機金属化合物を含む場合には、気化室202の壁面に付着物が形成されやすい傾向がある。CVD装置では、均質な薄膜形成を行なうため、成膜室に安定的に原料ガスを供給する必要があるが、気化器200での気化効率が低下すると、ミスト210の一部が気化されないまま原料ガスに混入して成膜室に流入し、被処理体へのパーティクル付着や膜質不良などの成膜トラブルを引き起こす原因となる。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、気化器の使用を繰り返しても、気化室内における原料の気化効率を極端に低下させることなく、安定的に原料ガスを供給することが可能な気化器および該気化器を備えた成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点によれば、加熱手段を備えた中空容器内に形成された気化室と、
前記気化室に液状原料を噴霧するノズルを備えた噴霧手段と、
前記気化室から、気化されたガスを導出する導出部と、
を備えた気化器であって、
前記気化室の壁面に複数の凸部を設けたことを特徴とする、気化器が提供される。
【0007】
上記第1の観点において、前記凸部は、前記ノズルから噴霧されるミストの流れに対して蔭になる領域を形成するように設けられていることが好ましい。
また、前記凸部は、前記ノズルから噴霧されるミストの流れのうち前記気化室の壁面近傍の流れを遮るように設けられていることが好ましい。
また、前記凸部は、前記ノズルから噴霧されるミスト由来の固形物が堆積される堆積領域と、該固形物が堆積されない非堆積領域とを形成するように設けられていることが好ましい。
【0008】
前記凸部は、前記気化室へ向けて山状に突設され、あるいは、前記気化室へ向けて板状に突設されていることが好ましい。
また、前記凸部は、少なくとも前記ノズルに対向する壁面およびその近傍に設けられており、前記気化室の壁の略全面に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、前記気化室は、前記ノズルから該ノズルに対向する壁面までの距離がこれと直交する方向の壁面間の距離より長尺な円筒状に形成されていることが好ましい。ここで、前記導出部は、前記ノズルと該ノズルに対向する壁面との間において、前記ノズルに近い位置に設けられていることが好ましい。
【0010】
以上の第1の観点の気化器は、CVD法により成膜を行なう成膜室に接続され、該成膜室に原料ガスを供給するものであることが好ましい。
【0011】
また、本発明の第2の観点によれば、上記第1の観点の気化器と、
該気化器から供給される原料ガスを用いて被処理体に成膜を行なう成膜室と、を備えたことを特徴とする、成膜装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、気化室の壁面に複数の凸部を設けることにより、気化器における気化効率を安定させることが可能となり、気化器から成膜室に持ち越されるミストに起因するパーティクルの発生や成膜不良を確実に予防することができる。これにより、成膜の生産性を向上させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい形態について説明する。
図1は、本発明の気化器を備えた成膜装置100の概略構成例を示す図面である。この成膜装置100は、例えば、半導体ウエハW(以下、単に「ウエハW」と記す)上にCVDによりHf(ハフニウム)酸化膜を成膜するものであり、処理部を構成するチャンバ10と、Hfを含む液状原料を供給する液状原料供給源20と、液状原料供給源20から供給される液状原料を気化して原料ガスを生成する気化器30と、生成された原料ガスをチャンバ10に供給する原料ガス配管50とを備えている。
【0014】
チャンバ10は略円筒状をなし、真空排気可能に構成されており、その中には被処理体であるウエハWを水平に支持するためのサセプタ11が円筒状の複数の支持部材12(ここでは、1本のみ図示)により支持された状態で配置されている。また、サセプタ11にはヒータ14が埋め込まれており、このヒータ14は電源15から給電されることにより被処理体であるウエハWを所定の温度に加熱する。
【0015】
チャンバ10の底壁10bには、排気ポート17が形成されており、この排気ポート17には排気系18が接続されている。そして排気系18によりチャンバ10内を所定の真空度まで減圧することができる。
【0016】
チャンバ10の天壁10aには、シャワーヘッド19が取り付けられている。このシャワーヘッド19には供給制御弁19aを介して原料ガス配管50が接続されており、気化器30で気化されて形成された原料ガスが、シャワーヘッド19内に導入される。シャワーヘッド19は内部空間19bを有しており、サセプタ11に対する対向面に多数のガス吐出孔19cを有している。したがって、原料ガス配管50を介してシャワーヘッド19の内部空間19bに導入された原料ガスがガス吐出孔19cからサセプタ11上の半導体ウエハWに向けて吐出される。
【0017】
本実施形態の成膜装置100において、液状原料供給源20は、ハフニウム系有機金属化合物を貯留しており、液状原料を、原料配管20aを通じて気化器30に向けて送出する。ここで、ハフニウム系有機金属化合物としては、例えば、テトラターシャリーブトキシ・ハフニウム[Hf(Ot−Bu)]、テトラジエチルアミノ・ハフニウム[Hf(NEt]、テトラキスメトキシメチルプロポキシ・ハフニウム[Hf(MMP)]、テトラジメチルアミノ・ハフニウム[Hf(NMe]、テトラメチルエチルアミノ・ハフニウム[Hf(NMeEt)]、テトラキストリエチルシロキシ・ハフニウム[Hf(OSiEt]等のハフニウム系有機金属化合物を挙げることができる。
【0018】
なお、成膜対象はハフニウム酸化膜に限らず、有機金属化合物としては、例えば、ペンタエトキシ・タンタル[Ta(O−Et)]、テトラターシャリーブトキシ・ジルコニウム[Zr(Ot−Bu)]、テトラエトキシ・シリコン[Si(OEt)]、テトラジメチルアミノ・シリコン[Si(NMe]、テトラキスメトキシメチルプロポキシ・ジルコニウム[Zr(MMP)]、デイスエチルサイクロペンタジエニル・ルテニウム[Ru(EtCp)]、ターシャリーアミルイミドトリジメチルアミド・タンタル[Ta(Nt−Am)(NMe]、トリスジメチルアミノシラン[HSi(NMe]などを用いることもできる。
【0019】
上記有機金属化合物は、常温で液体もしくは固体であり、例えばオクタンなどの有機溶媒により希釈もしくは溶解して使用することができる。
【0020】
図1のような構成の成膜装置100において、液状原料が完全に気化しない場合、一部が微細なミストのまま原料ガスに混じって原料ガス配管50に送出され、チャンバ10に至る場合がある。チャンバ10内に混入したミストは、パーティクルの発生要因になるとともに、ハフニウム酸化膜の膜質を低下させる要因となる。このため本実施形態では、気化器30として図2に示す構成のものを用いる。
【0021】
図2は、本発明の第1実施形態に係る気化器30の概略構成例を示す断面図である。気化器30は、気化室32が内部に設けられた本体31と、この気化室32を取り囲むように配置されたヒータ33およびヒータ34を備えている。本体31は、図示しない複数のブロックを組み合わせることにより気化室32を形成できるように構成されている。本体31は、例えばSUSなどの熱伝導性の高い材質で構成することができる。
【0022】
気化室32の一端には、気化ノズル35が配置されており、この気化ノズル35は、原料流量制御弁35a、原料配管20aを介して液状原料供給源20に接続され、噴霧手段を構成している。そして、気化ノズル35を形成するノズルブロック35bの周囲には、キャリアガス噴出部38aが設けられており、このキャリアガス噴出部38aには、キャリアガス配管36、キャリアガス制御弁37を介してキャリアガス源(図示せず)に接続されたキャリアガス通路38が連通している。ここで、キャリアガスとしては、例えばN、He、Arなどの不活性ガスが好適に用いられる。
【0023】
気化室32は、気化ノズル35から、該気化ノズル35に対向する壁面31aまでの距離(つまり、ミスト噴射方向の長さ)がこれと直交する方向の壁面間の距離より長尺となるような略円筒形に形成されている。これによって、気化ノズル35から噴霧されたミストの飛行距離を長くとることが可能となり、ミストは飛行中に気化室32内のガスから熱供給を受け効率良く気化される。気化ノズル35から、気化ノズル35に対向する壁面31aまでの距離は、気化室32の温度分布、ミストの噴射量、キャリアガス量などに応じて適宜設定することが可能であり、例えば、これと直交する方向の壁面間の距離に対して3〜5倍程度の比に設定することが好ましい。
【0024】
気化室32を形成する壁面には、凸部としての複数の山形突起40が設けられている。それぞれの山形突起40は、その頂部が気化室32へ向かうように断面視山形に突設されている。山形突起40は、前記気化ノズル35から噴霧されるミストの流れのうち壁面近傍の流れを遮るように設けられている。これにより気化室32の壁面に、気化ノズル35から噴霧されるミストの流れに対して蔭になる領域が形成される。この蔭になる領域には固形物がほとんど付着することないため、気化室32の壁からの供給熱量の極端な低下が防止され、ミストの気化性能を安定的に維持できる。この山形突起40の作用については後述する。
【0025】
本体31の側面には、気化室32を原料ガス配管50に連通させるガス導出部としての原料ガス導出路39が設けられている。この原料ガス導出路39は、気化ノズル35と該気化ノズル35に対向する壁面31aとの間において、気化ノズル35に近い側に配置されている。このような配置により、気化ノズル35から対向する壁面31aに向けてミストとして噴霧された液状原料は、気化した後に気化室32内を循環して原料ガス導出路39から排出されるようになり、ミストが直接原料ガス導出路39から排出される可能性を低減できる。
【0026】
そして、気化ノズル35から液状原料を気化室32の内部に噴霧するとともに、窒素ガス等のキャリアガスをキャリアガス噴出部38aから導入することにより、液状原料は気化室32内に拡散されつつ迅速に気化され、キャリアガスと混合し、原料ガスとなって原料ガス導出路39から原料ガス配管50に送出される。気化室32におけるミストの気化は、ミストが直接気化室32を形成する本体31の壁面に接触し、加熱されて気化する場合と、気化室32内に充満するガスが壁面と熱交換して加熱され、このガスを介して間接的にミストが加熱されて気化する場合と、の二通りの機構によって行なわれる。
【0027】
ここで、山形突起40の作用について、図3および図4を参照しながらさらに詳しく説明を行なう。なお、図3および図4では、気化室の壁面からの供給熱量の大きさを白矢印で示している。
まず、従来の気化器200(図6参照)における問題点について説明する。従来の気化器200における気化室202の壁面要部の断面構造を図3(a)、(b)に模式的に示す。気化室200の本体201において、円筒状の気化室202を形成する壁面は、横断方向には凹状の曲面として形成され、ミスト流れ方向(長手方向)には略平坦に構成されている。
【0028】
気化器200の使用初期においては、図3(a)に示すように、壁面は金属などの材質が露出しているため、気化室202内のガスに対して充分な熱量が供給される。しかし、繰り返し気化器200を使用する間に、図3(b)に示すように壁面に徐々に固形物が付着して付着物層300が形成される。付着物層300が形成されると、加熱された壁面と気化室202内のガスとの熱交換効率が徐々に低下していく。このため、ノズル203から供給されたミストの気化が不十分になり、ミストが気化しないまま成膜室まで持ち越され、パーティクルや成膜不良の原因となる。
【0029】
本実施形態にかかる気化器30の場合は、山形突起40が、気化ノズル35から噴霧されるミストの流れのうち気化室32の壁面近傍の流れを遮るように設けられている。その結果、気化室32の壁面に、気化ノズル35から噴霧されるミストの流れに対して蔭になる領域が形成される。具体的には、図4(a)の領域40aによりミストの流れが遮られ、領域40bはミストの流れに対して蔭になる。
【0030】
気化器30の使用を続けていくと、図4(b)に示すように、領域40aには固形物が付着して付着物層300が形成されるが、領域40bには固形物の付着が殆ど起こらず、付着物層300は形成されない。つまり、領域40aはミスト由来の固形物が堆積される堆積領域となり、領域40bは固形物が堆積されない非堆積領域となる。従って、この領域40bでは、白矢印で示す壁面からの熱供給量が低下しない。その結果、気化室32内の壁面全面積に対する領域40bの面積比率に対応する熱量の供給が維持、確保されることになる。
【0031】
このように山形突起40を設けることにより、気化室32の壁(本体31)と気化室32内のガスとの熱交換効率の極端な低下が回避され、ミストの気化性能が安定的に維持される。凸部としての山形突起40は、固形物の付着が発生しやすい部位、例えば、少なくとも気化ノズル35に対向する壁面31aおよびその近傍に設けることが好ましく、気化室32の壁面全体に設けることがより好ましい。
なお、山形突起40の数や突起の高さや、蔭となる領域40bの比率などは、例えば、液状原料中の有機金属化合物の種類(固形物の生成しやすさ)、気化室32の大きさや形状、気化ノズル35から噴霧されるミストの強さ、キャリアガスの噴出量などを勘案して決定することができる。
【0032】
以上述べたように、気化器30を組み込んだ成膜装置100では、長期間使用しても気化室32内のガスに対し常に一定の供給熱量が維持されるため、ミストが気化せずにチャンバ10に移行することを防止できる。よって、ミストに起因するパーティクルの発生や成膜不良を予防し、良質な薄膜を安定的に成膜することが可能になる。
【0033】
図5は、本発明の第2実施形態に係る気化器130の概略構成を示す図面である。なお、第2実施形態の気化器130において、図2に示す第1実施形態の気化器30と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
気化器130では、板状に突設された壁体41を複数設けている。壁体41はリング状に形成されている。壁体41は、本体31とは別の材質の部材を接合することにより形成してもよいが、本体31と一体的に形成してもよい。本体1と同じ熱伝導性に優れた材質、例えばSUSなどで構成することが好ましい。
【0035】
壁体41の作用は、図2の山形突起40と基本的に同様であり、気化室32の壁面に、気化ノズル35から噴霧されるミストの流れに対して蔭になる領域を形成する。壁体41の上面(ミストの流れ方向に向き合う面)には固形物が付着するが、壁体41の下面や、壁体41と壁体41の間に露出する壁面(本体31の露出面)には、壁体41の蔭となって固形物による付着物層300が形成されにくい。従って、これら付着物層300のない領域では供給熱量が低下することなく、気化室32内のガスへ充分な熱供給がなされ、ミストの気化が安定的に行なわれる。
【0036】
以上、本発明の実施形態を述べたが、本発明は上記実施形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
上記第1実施形態(図2)および第2実施形態(図5)では、凸部として山形突起40および板状の壁体41を設けた構成を挙げたが、凸部の形態はこれらに限るものではなく、ミストの流れに対して蔭となる領域を形成できるものであればよい。
【0037】
また、例えば上記第1実施形態では、凸部を形成するために、気化室32へ向けて山形突起40を形成したが、気化室32の壁を構成する本体31に溝を刻設することによっても、実質的に同様の凸部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明にかかる成膜装置の構成例を示す図面。
【図2】本発明の第1実施形態に係る気化器の概略構成を示す断面図。
【図3】従来技術の気化器の壁面の状態を示す模式部。
【図4】第1実施形態にかかる気化器の壁面の状態を示す模式図。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる気化器の概略構成を示す断面図。
【図6】従来技術の気化器の概要を示す図面。
【符号の説明】
【0039】
10…チャンバ
10a…天壁
10b…底壁
11…サセプタ
12…支持部材
14…ヒータ
15…電源
17…排気ポート
18…排気系
19…シャワーヘッド
19a…供給制御弁
19b…内部空間
19c…ガス吐出孔
20…液状原料供給源
20a…原料配管
30…気化器
31…本体
32…気化室
33…ヒータ
34…ヒータ
35…気化ノズル
35a…原料流量制御弁
35b…ノズルブロック
36…キャリアガス配管
37…キャリアガス制御弁
38…キャリアガス通路
38a…キャリアガス噴出部
39…原料ガス導出路
40…山形突起
41…壁体
50…原料ガス配管
100…成膜装置
130…気化器
W…半導体ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段を備えた中空容器内に形成された気化室と、
前記気化室に液状原料を噴霧するノズルを備えた噴霧手段と、
前記気化室から、気化されたガスを導出する導出部と、
を備えた気化器であって、
前記気化室の壁面に複数の凸部を設けたことを特徴とする、気化器。
【請求項2】
前記凸部は、前記ノズルから噴霧されるミストの流れに対して蔭になる領域を形成するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の気化器。
【請求項3】
前記凸部は、前記ノズルから噴霧されるミストの流れのうち前記気化室の壁面近傍の流れを遮るように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の気化器。
【請求項4】
前記凸部は、前記ノズルから噴霧されるミスト由来の固形物が堆積される堆積領域と、該固形物が堆積されない非堆積領域とを形成するように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の気化器。
【請求項5】
前記凸部は、前記気化室へ向けて山状に突設されていることを特徴とする、請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の気化器。
【請求項6】
前記凸部は、前記気化室へ向けて板状に突設されていることを特徴とする、請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の気化器。
【請求項7】
前記凸部は、少なくとも前記ノズルに対向する壁面およびその近傍に設けられていることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の気化器。
【請求項8】
前記凸部は、前記気化室の壁の略全面に設けられていることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の気化器。
【請求項9】
前記気化室は、前記ノズルから該ノズルに対向する壁面までの距離がこれと直交する方向の壁面間の距離より長尺な円筒状に形成されていることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の気化器。
【請求項10】
前記導出部は、前記ノズルと該ノズルに対向する壁面との間において、前記ノズルに近い位置に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の気化器。
【請求項11】
CVD法により成膜を行なう成膜室に接続され、該成膜室に原料ガスを供給するものである、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の気化器。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の気化器と、
該気化器から供給される原料ガスを用いて被処理体に成膜を行なう成膜室と、を備えたことを特徴とする、成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−135053(P2006−135053A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321873(P2004−321873)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】