説明

水平多関節ロボットおよびそれを備えた基板搬送システム

【課題】アームの駆動性を向上させて位置決めを向上させながらも、水平多関節ロボットのアームを薄型・小型化できるようにする。
【解決手段】第1アーム3が、第1アーム3の先端部上面において第1アーム3の基端側上面よりも高い面を有する第1アーム凸部43を有し、第2アーム27が、第2アーム27の先端部下面において第2アーム27の基端側下面よりも低い面を有する第2アーム凸部44を有し、第1アーム凸部43と第2アーム凸部44とが、上下方向の配置高さ範囲の少なくとも一部が互いに重なるように配置されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体や液晶の製造装置において半導体ウェハや液晶ガラスなどの基板を搬送する水平多関節ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体や液晶の製造装置、露光装置、及び基板検査装置において(以下、まとめて半導体製造装置と記載する)、特に半導体ウェハ、液晶といった基板を搬送する際、一般的に水平多関節型の搬送ロボットが使用されている。水平多関節ロボットは、ボディに複数のアームが多段に連結されていて、それらの先端に設けられたフォーク上に基板が載置される。複数のアームとフォークとは互いに回転可能な構成になっていて、これら複数のアームとフォークとを回転させることによって基板を所望の位置から所望の位置まで搬送する。
従来の水平多関節ロボットでは、各アームやフォークの駆動源であるモータや減速機をボディの内部に収納し、プーリとベルトなどの伝達機構でモータの回転力をアームやフォークに伝達していた(例えば特許文献1参照)。このようにすべてのモータをボディに収納する構成は、アームの内部構造を簡単にできるので、アームを小型化したり、薄型化したりするのに都合が良い。アームがコンパクトになれば、半導体製造装置の内部のように限られた狭い空間での動作範囲が広がる。しかし、この構成ではモータから駆動対象までの距離が長いのでベルトなどの伝達機構が長くなり、アームやフォークを精密に駆動できなくなる。つまり、アームやフォークの駆動性が悪化する。このことは、昨今の半導体製造装置のように基板の搬送精度が求められるのに対して適さない。また、この構成ではボディの内部構造が複雑になるとともに、伝達機構が長く、増加するという課題もある。
そこで、アーム上やアーム内にモータや減速機を配置して伝達機構を簡素化するとともに駆動性を向上させることが考えられている(例えば、特許文献2,3,4参照)。アーム上やアーム内にモータや減速機を配置する構成は、モータから駆動対象までの距離が短いので、すべてのモータをボディに収納する構成よりはアームやフォークの駆動性が向上する。しかしながら、この構成ではモータや減速機をアーム内に収納するので、アームが大きくなり、複数のアームのうちボディに近いアームを駆動するモータが容量不足に陥ったり、それに伴って駆動性が低下したりする、という問題が発生する。
また、半導体製造装置に使用される搬送ロボットには、単位時間当たりの搬送可能枚数の向上も求められている。そこで、ロボットが搬送可能な枚数を向上させるために、1組のアームに対して複数のフォークを備えるものが提案されている(例えば、特許文献5参照)。フォークには、通常、基板を保持するために使用する流体用チューブや、基板が正しく保持されたかを確認するセンサ用のケーブルなどが接続されている。これらチューブなどは、ボディからアームの内部を経由してフォークまで配線される。従って、アームには、上述したモータや伝達機構を収容することはもちろんのこと、これら複数のフォークへと接続されるチューブなどを、適切に処理するスペースまでもが必要となっていて、アームがより大型化する原因となっている(例えば、特許文献6参照)。
以上のように、特に半導体製造装置に使用される搬送ロボットのアームの構成には、駆動性、コンパクト性が求められていて、アームの形状や構成の開発において多大な努力がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−24075号公報
【特許文献2】特開2008−137115号公報
【特許文献3】特開平1−240288号公報
【特許文献4】特開2006−289555号公報
【特許文献5】特開2002−184834号公報
【特許文献6】特開2007−237342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、アームの駆動性を向上させながらも、水平多関節ロボットのアームを薄型・小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、基板を搬送するための水平多関節ロボットにおいて、ボディと、前記ボディに第1関節部で回転可能に支持される第1アームと、前記第1アームの先端部上の第2関節部で基端部が回転可能に支持される第2アームと、前記第2アームの先端部上の第3関節部で基端部が回転可能に支持され、前記基板を載置するフォークと、を備え、前記第1アームが、前記第1アームの先端部上面において前記第1アームの基端側上面よりも高い面を有する第1アーム凸部を有し、前記第2アームが、前記第2アームの先端部下面において前記第2アームの基端側下面よりも低い面を有する第2アーム凸部を有し、前記第1アーム凸部と前記第2アーム凸部とが、上下方向の配置高さ範囲の少なくとも一部が互いに重なるように配置されている、水平多関節ロボットとするものである。
請求項2に記載の発明は、前記第2アームの回転の駆動源であって、前記ボディの内部に設けられた第2アーム駆動モータと、前記第1アームの内部に収容され、前記第2アーム駆動モータによって回転する第1関節プーリと、前記第1関節プーリに巻装された第1ベルトと、前記第1ベルトによって前記第1関節プーリとともに回転する第2アーム駆動減速機入力プーリと、前記第2アーム減速機入力プーリの回転が入力される第2アーム駆動減速機と、前記第2アーム駆動減速機の出力軸に設けられた第2アーム減速機出力プーリと、前記第2アーム減速機出力プーリに巻装された第2ベルトと、前記第2アームの基端部に連結され、前記第2ベルトによって前記減速機出力プーリとともに回転する第2関節プーリと、を備え、前記第2アーム減速機入力プーリと、前記第2アーム駆動減速機と、前記第2アーム減速機出力プーリと、前記第2ベルトと、前記第2関節プーリとが、前記第1アーム凸部の内部に収容された水平多関節ロボットとするものである。
請求項3に記載の発明は、前記第2アーム減速機出力プーリと前記第2関節プーリの間隔よりも、前記第1関節プーリと前記第2アーム減速機入力プーリの間隔のほうがより長くなるよう配置された水平多関節ロボットとするものである。
請求項4に記載の発明は、前記第2アーム減速機入力プーリの回転軸中心と、前記第2アーム駆動減速機の出力軸中心と、前記第2アーム減速機出力プーリの回転軸中心と、が互いに同軸になるよう配置され、前記第2アーム減速機出力プーリが、前記第2アーム駆動減速機を内包するようカップ形状に形成され、前記第2アーム駆動減速機の外周側面を覆う外周部に前記第2ベルトと噛み合うベルト歯が形成された水平多関節ロボットとするものである。
請求項5に記載の発明は、前記第1ベルトと前記第2ベルトとにおいて、前記第2ベルトのベルト幅よりも前記第1ベルトのベルト幅が狭く形成された水平多関節ロボットとするものである。
請求項6に記載の発明は、前記第2関節プーリの内側に収容されたフォーク駆動モータと、前記第2アームの内部に収容され、前記フォーク駆動モータによって回転するフォーク駆動用プーリと、前記フォーク駆動用プーリに巻装されたフォーク駆動用入力ベルトと、前記フォーク駆動用入力ベルトによって前記フォーク駆動用プーリとともに回転するフォーク駆動減速機入力プーリと、前記フォーク駆動減速機入力プーリの回転が入力されるフォーク駆動減速機と、前記フォーク駆動減速機の出力軸に設けられたフォーク駆動減速機出力プーリと、前記フォーク駆動減速機出力プーリに巻装されたフォーク駆動用出力ベルトと、前記フォークの基端部に連結され、前記フォーク駆動用出力ベルトによって前記フォーク駆動減速機出力プーリとともに回転する第3関節プーリと、を備え、前記フォーク駆動用減速機入力プーリと、前記フォーク駆動減速機と、前記フォーク駆動減速機出力プーリと、前記フォーク駆動用出力ベルトと、前記第3関節プーリとが、前記第2アーム凸部の内部に収容された水平多関節ロボットとするものである。
請求項7に記載の発明は、前記フォーク駆動減速機出力プーリと前記第3関節プーリの間隔よりも、前記フォーク駆動用プーリと前記フォーク駆動減速機入力プーリの間隔のほうがより長くなるよう配置された水平多関節ロボットとするものである。
請求項8に記載の発明は、前記フォーク駆動用入力ベルトと前記フォーク駆動用出力ベルトとにおいて、前記フォーク駆動用出力ベルトのベルト幅よりも前記フォーク駆動用入力ベルトのベルト幅が狭く形成された水平多関節ロボットとするものである。
請求項9に記載の発明は、前記フォークが前記第3関節部において同軸上で互いに回転可能な第1フォークと第2フォークとからなる場合、前記フォーク駆動モータが、第1フォーク駆動モータと第2フォーク駆動モータとからなり、前記第1フォーク駆動モータによって回転する第1フォーク駆動用プーリと、前記第2フォーク駆動モータによって回転する第2フォーク駆動用プーリと、前記第1フォーク駆動用プーリに巻装された第1フォーク駆動用入力ベルトと、前記第2フォーク駆動用プーリに巻装された第2フォーク駆動用入力ベルトと、前記第1フォーク駆動用入力ベルトによって前記第1フォーク駆動用プーリとともに回転する第1フォーク駆動減速機入力プーリと、前記第2フォーク駆動用入力ベルトによって前記第2フォーク駆動用プーリとともに回転する第2フォーク駆動減速機入力プーリと、前記第1フォーク駆動減速機入力プーリの回転が入力される第1フォーク駆動減速機と、前記第2フォーク駆動減速機入力プーリの回転が入力される第2フォーク駆動減速機と、前記第1フォーク駆動減速機の出力軸に設けられた第1フォーク駆動減速機出力プーリと、前記第2フォーク駆動減速機の出力軸に設けられた第2フォーク駆動減速機出力プーリと、前記第1フォーク駆動減速機出力プーリに巻装された第1フォーク駆動用出力ベルトと、前記第2フォーク駆動減速機出力プーリに巻装された第2フォーク駆動用出力ベルトと、前記第1フォークの基端部に連結され、前記第1フォーク駆動用出力ベルトによって前記第1フォーク駆動減速機出力プーリとともに回転する第1フォーク用第3関節プーリと、前記第2フォークの基端部に連結され、前記第2フォーク駆動用出力ベルトによって前記第2フォーク駆動減速機出力プーリとともに回転する第2フォーク用第3関節プーリと、を備え、前記第1フォーク駆動用プーリと、前記第2フォーク駆動用プーリと、前記第1フォーク駆動減速機入力プーリと、前記第2フォーク駆動減速機入力プーリとが、上下方向の配置高さ範囲の少なくとも一部が互いに重なるように配置され、平面視において、前記第1フォーク駆動用プーリと前記第1フォーク駆動用入力ベルトと前記第1フォーク駆動減速機入力プーリとで囲まれた空間に、前記第2フォーク駆動用プーリと前記第2フォーク駆動用入力ベルトと前記第2フォーク駆動減速機入力プーリとが配置された水平多関節ロボットとするものである。
請求項10に記載の発明は、前記ボディから前記第1アームと前記第2アームの内部を経由して前記フォークに配線されるフォーク用ケーブルと、前記第3関節プーリが連結される前記フォークの基端部に設けられた巻取り部と、前記第2アームの内部に形成され、平面視において、前記フォーク駆動用プーリと前記フォーク駆動減速機入力プーリとの間に張られた前記フォーク駆動用入力ベルトの下部に形成されたケーブル開放スペースと、前記巻取り部と前記ケーブルスペースとを繋ぐとともに、前記フォーク駆動減速機の側部を通って前記第2アームの長手方向に沿って形成されたケーブル用通路と、を備え、前記フォーク用ケーブルは、前記ケーブル処理スペースと前記ケーブル用通路と前記巻取り部とを経由して前記フォークへ配線され、前記フォークが前記第3関節部において一方向に回転する際、前記巻取り部の周囲に巻きつき、前記フォークが前記第3関節部において他方向に回転する際、前記ケーブル開放スペースに開放される水平多関節ロボットとするものである。
請求項11に記載の発明は、上端が前記第1アームに固定された筒状の第1アーム駆動シャフトと、前記ボディの内部に設けられ、前記第1アーム駆動シャフトを回転させる第1アーム駆動モータと、を備え、前記第1アーム駆動シャフトが、前記第2アーム駆動モータを収容するように配置された水平多関節ロボットとするものである。
請求項12に記載の発明は、前記第1アーム駆動シャフトを上下に昇降させる昇降機構が、前記ボディに収容された水平多関節ロボットとするものである。
請求項13に記載の発明は、上記水平多関節ロボットを備えた基板搬送システムとするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第1アーム凸部と第2アーム凸部とを形成することで、第1アームと第2アームとが重なってもアーム全体の高さを低く抑えることができる。さらに、第1アームや第2アームの個々の厚みを薄くしたり小型化したりすることができる。さらに、各アームやフォークの駆動性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明が適用された水平多関節ロボットの斜視図
【図2】本発明が適用された水平多関節ロボットを備える基板搬送システムの側面図
【図3】本発明が適用された水平多関節ロボットのアームを示す図
【図4】本発明の水平多関節ロボットのアームの一実施形態を示す断面図
【図5】図4における第2アームの上面図
【図6】図5におけるケーブル開放スペースでのケーブルの動作について説明する要部の上面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明が適用された水平多関節ロボット50の斜視図を示している。また、図2は本発明が適用された水平多関節ロボット50を備える基板搬送システム45の側面図を示している。図2のように、水平多関節ロボット50は、例えば基板搬送システム45に設置されて基板47を搬送するのに使用される。基板搬送システム45は、例えば、洗浄、エッチング、アッシング、CVD、露光といった処理を基板に施す処理装置49に併設されている。基板搬送システム45は囲まれた空間を有していて、この空間内に水平多関節ロボット50が設置されている。基板搬送システム45の上部にはFFU51が搭載されていて、空間内を清浄な気体が充満するように構成されている。水平多関節ロボット50は、例えばこのような空間内に設置されるので、個々のアームやアーム全体をコンパクトにして動作範囲を広げる必要がある。基板搬送システム45の外壁にはカセットステージ48が設置されている。カセットステージ48は、基板47を収納したカセット46が載置されるための機構となっている。水平多関節ロボット50は基板47をカセット46に対して入れ替えたり、カセット46と処理装置49との間で搬送したりする。なお、図2の基板搬送システム45はあくまで一実施形態であり、水平多関節ロボット50は半導体製造装置においてさまざまな箇所に設置されて基板47を所望の位置の間で搬送する。
【0010】
図1がよく示すように、水平多関節ロボット50は基台となるボディ2を有している。ボディ2の上部には第1アーム3が第1関節部31で回転可能に支持される。第1アーム3の先端部上の第2関節部32において、第2アーム27の基端部が回転可能に支持される。第2アーム27の先端部上の第3関節部33において、第1フォーク36あるいは第2フォーク35の基端部が回転可能に支持される。第1フォーク36と第2フォーク35は基板47を載置可能である。本実施形態では第1フォーク36と第2フォーク35のように、水平多関節ロボット50が2つのフォークを備えている。2つのフォークは、例えば処理装置49において未処理の基板47と処理済みの基板47とをそれぞれのフォークで搬送することができる。また、単位時間当たりの基板47の搬送可能枚数を向上させることができる。第1フォーク36と第2フォーク35は第3関節部33において同軸上で互いに自由に回転可能である。また、第1アーム3、第2アーム27は、いずれも水平面において互いに自在に回転が可能である。これらの回転を実現するための詳細な構成は後述する。そして、水平多関節ロボット50は、第1アーム3、第2アーム27、第1フォーク36、第2フォーク35を互いに回転させることで、第1フォーク36、第2フォーク35に載置した基板47を所望の位置の間で搬送する。
【0011】
図3は、本発明が適用された水平多関節ロボットのアームを示す図である。図3(a)は図1において図中X方向から見た図であって、第1アーム3と第2アーム27とが上面から見たときに重なった状態であるときの側面図を示している。また、図3(b)は図3(a)において第2アーム27のみを下から見た図である。また、図3(c)は図3(a)において第1アーム3のみを上から見た図である。図3(a)から明らかなように、本実施例の場合、第1アーム3の第1関節部31から第2関節部32までのリンク長と、第2アーム27の第2関節部32から第3関節部33までのリンク長とは実質的に同じ長さに構成されている。そして、同じく図3(a)から明らかなように、第1アーム3には、第1アーム3の先端部の上面部分において第1アーム3の基端側の上面部分よりも高い面を有する第1アーム凸部43が形成されている。第1アーム凸部43は第2関節部32を含んでいるが、第1関節部31を含んでいない。また、第2アーム27には、第2アーム27の先端部の下面部分において第2アーム27の基端側の下面部分よりもさらに低い面を有する第2アーム凸部44が形成されている。第2アーム凸部44は第3関節部33を含んでいるが、第2関節部32を含んでいない。そして、第1アーム凸部43と第2アーム凸部44とは、上下方向の配置高さ範囲において、少なくとも一部が互いに重なる高さに配置されている。詳細は後述するが、本実施例では第2アーム27の下面にケーブル下部カバー54が装着されているので、第1アーム凸部43の第1アーム3基端側の上面からの突出高さL1は、ケーブル下部カバー54と接触しない程度の高さになっている。一方、第2アーム凸部44の第2アーム27の基端側の下面からの突出高さL2は、第1アーム3の基端側の上面と接触しない程度の高さとなっている。また、第1アーム凸部43と第2アーム凸部44は、図3(b)と図3(c)が示すように、平面視において互いに接触しない形状になっている。従って、第2アーム27が第1アーム3に対して第2関節部32において回転したとしても、第1アーム凸部43と第2アーム凸部44は互いに接触することはない。このように形成された第1アーム凸部43と第2アーム凸部44は、後述するように、第2アーム27、第2フォーク35あるいは第1フォーク36を駆動する駆動源と伝達機構を収容できるので、第1アーム3や第2アーム27の小型化に貢献する。また、従来のようにボディの内部にすべての駆動源と伝達機構を備える構成と比較して、アームの駆動性を向上できる。
【0012】
次に、水平多関節ロボット50におけるボディ2、第1アーム3、第2アーム27の内部構成について詳細に説明する。
まず、ボディ2の内部構成について図4を使って説明する。図4は、本発明の水平多関節ロボット50の一実施形態を示す側断面図を示している。ボディ2は本実施形態では箱型に形成されている。ボディ2の内部には第1アーム駆動モータ1が設置されている。場合によって第1アーム駆動モータ1の先端部には減速機が取り付けられる。第1アーム駆動モータ1はプーリやベルトを介して第1アーム駆動シャフト4を回転させる。第1アーム駆動シャフト4の先端付近はボディ2の上面から突出していて、第1アーム駆動シャフト4の上端が第1アーム3の基端部の下面に固定されている。この構成によって第1アーム駆動モータ1は第1アーム3を第1関節部31において回転させる。なお、ボディ2の内部には昇降機構52が設けられる場合がある。昇降機構52は第1アーム駆動シャフト4を昇降させるための機構であって、本実施形態ではモータとボールネジを利用したものが図示されている。昇降機構52については公知のものを利用すればよい。
【0013】
次に、第1アーム3の内部構成について図4を使って説明する。第1アーム3の基端部の下面には第2アーム27の駆動源である第2アーム駆動モータ5が固定されている。上述した第1アーム駆動シャフト4は筒状のシャフトに形成されていて、第1アーム駆動シャフト4はその上端付近の筒の内部に第2アーム駆動モータ5を収容している。第2アーム駆動モータ5のフレームはボディ2の内部に入り込む位置に配置されていて、一方、第2アーム駆動モータ5の回転軸の先端は第1アーム3の内部へ突出しており、その先端に第1関節プーリ6が固定されている。よって第1関節プーリ6は第2アーム駆動モータ5によって回転する。第2アーム駆動モータ5のフレームは実質的にボディ2の内部に収容されるので、第1アーム3の基端部側の厚さを薄くできる。また、第2アーム駆動モータ5が第1アーム駆動シャフト4の内部に収容されるので、第2アーム駆動モータ5の回転軸付近から排出される微小な粉塵が、外部に出ることが無い。第1関節プーリ6には第1ベルト11が巻装されている。第1ベルト11は第1アーム3の内部において第1アーム3の先端部側へと張架されていて、第2アーム駆動減速機入力プーリ7にも巻装されている。従って第1関節プーリ6と第2アーム駆動減速機入力プーリ7は第1ベルト11によってともに回転する。第2アーム駆動減速機入力プーリ7は第2アーム駆動減速機8の下部に設置されていて、第2アーム駆動減速機入力プーリ7の回転は第2アーム駆動減速機8に入力される。この構成により、第1関節プーリ6と第2アーム駆動減速機入力プーリ7と第2アーム駆動減速機8は、第1アーム3の内部において底部付近に配置されることになる。また、第1アーム3の基端部付近には第1関節プーリ6と第1ベルト11を最低限含むように形成すればよいので、第1アーム3の基端部側を薄く形成できる。第2アーム駆動減速機8は所定の減速比を有していて、第2アーム駆動減速機入力プーリ7の回転を減速する。第2アーム駆動減速機8の外周と上面とを覆うように第2アーム減速機出力プーリ9が配置されている。第2アーム減速機出力プーリ9は第2アーム駆動減速機8の出力軸に固定されている。第2アーム減速機出力プーリ9の回転軸中心と、第2アーム駆動減速機8の出力軸中心と、第2アーム駆動減速機入力プーリ7の回転軸中心とは、互いに同軸になるよう配置されている。第2アーム減速機出力プーリ9は第2アーム駆動減速機8を内包するようカップ形状に形成され、第2アーム駆動減速機8の外周側面を覆う外周部に第2ベルト12と噛み合うベルト歯が形成され、第2ベルト12が巻装されている。第2ベルト12は第2関節プーリ10にも巻装されている。第2関節プーリ10は第2アーム27の先端部の内部に配置され、その上端部が第2アーム27の下面の基端部に固定されている。
従って、第2アーム駆動モータ5の回転が第1関節プーリ6と第1ベルト11と第2アーム駆動減速機入力プーリ7によって第2アーム駆動減速機8に入力され、第2アーム駆動減速機8で減速された回転が第2アーム減速機出力プーリ9と第2ベルト12と第2関節プーリ10とによって第2アーム27を回転させる。
【0014】
以上のように、本実施形態では、第2アーム駆動モータ5と第2アーム駆動減速機8とが第1アーム3内部で別れて配置されている。また、第2アーム減速機出力プーリ9と第2関節プーリ10も第1アーム3内部で別れて配置されている。また、第2アーム減速機出力プーリ9と第2関節プーリ10の間隔よりも第1関節プーリ6と第2アーム駆動減速機入力プーリ7の間隔のほうがより長くなるよう配置されている。そして、第1アーム凸部43が第1アーム3の先端側上面付近に形成され、その内部で第2アーム駆動減速機入力プーリ7と第2アーム駆動減速機8と第2アーム減速機出力プーリ9と第2ベルト12と第2関節プーリ10を収容している。
従って、まず、第2アーム駆動モータ5は第1アーム3の基端部付近にあって、かつボディ2内に収容されているので第1アーム3の基端部側は薄く形成できる。また、第2アーム駆動減速機8と第2関節プーリ10とが第1アーム3の先端部側の内部で別れて配置されるので、第1アーム凸部43の突出量つまり第1アーム3の先端部側の厚みを抑えることができる。さらに、第2アーム減速機出力プーリ9をカップ形状に形成し、本実施形態のように配置すれば第1アーム凸部43は最小限の容積で形成できる。また、第2アーム駆動モータ5が第1アーム3の基端部付近に配置されているものの、第2アーム駆動減速機8が第2関節部32に近い位置に配置されるので、第2アーム駆動減速機8の出力軸と第2アーム27の基端部とが近くなり、第2ベルト12が短くなるので、駆動源と駆動対象とが近くなり、ベルトによる駆動性の低下の恐れが少なくなる。
さらに、本実施形態では、第1ベルト11のほうが第2ベルト12よりもベルト幅が狭いものが使用されている。第2アーム駆動モータ5と第1関節プーリ6との間には減速機を使用していないので、第1関節プーリ6と第1ベルト11と第2アーム駆動減速機入力プーリ7は、第2アーム駆動モータ5の回転軸の回転数と同じ回転数で回転する。一方、第2アーム減速機出力プーリ9と第2関節プーリ10と第2ベルト12は、第2アーム駆動減速機8によって減速された回転数で回転する。つまり、第1ベルト11は第2ベルト12よりも実質的に長く、かつ速く回転する。よって、第1ベルト11はベルトの剛性が低いが、第2アーム駆動減速機8を覆うように形成された第2アーム減速機出力プーリ9の外周に巻装された第2ベルト12は、第1ベルト11よりもベルト幅が大きく、かつベルトの長さも短いので、ベルトとしての剛性が高く、さらに第2アーム27の駆動性を向上させる。
【0015】
次に、第2アーム27の内部構成について図4と図5を使って説明する。図5は図4における第2アーム27の上面図を示している。図4のように、上述した第2関節プーリ10は筒状に形成されている。筒の上端部が第2アーム27の下面の基端部に固定されている。筒状の第2関節プーリ10の内側には、第1フォーク駆動モータ13と第2フォーク駆動モータ14が収容されるように配置されている。第1フォーク駆動モータ13と第2フォーク駆動モータ14は第2フォーク35と第1フォーク36の駆動源である。第1フォーク駆動モータ13と第2フォーク駆動モータ14のフレームの下部付近が第2関節プーリ10の内側に収容されており、第1フォーク駆動モータ13と第2フォーク駆動モータ14のフレームの上部付近と回転軸とが第2アーム27の基端側の内部に突出するように配置されている。第1フォーク駆動モータ13の回転軸には第1フォーク駆動用プーリ15が固定されている。第2フォーク駆動モータ14の回転軸には第2フォーク駆動用プーリ17が固定されている。また、図5が示すように、第1フォーク駆動モータ13と第2フォーク駆動モータ14は、第2アーム27の長手方向に沿って並ぶように配置されている。第1フォーク駆動用プーリ15は第2フォーク駆動用プーリ17よりもプーリ直径が大きい。第1フォーク駆動用プーリ15には第1フォーク駆動用入力ベルト23が巻装されている。第2フォーク駆動用プーリ17には第2フォーク駆動用入力ベルト24が巻装されている。第1フォーク駆動用入力ベルト23と第2フォーク駆動用入力ベルト24は第2アーム27の先端部側へと張架されている。第2アーム27の先端側には、第2関節部32に近いほうから順に、第2フォーク駆動減速機入力プーリ18と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16が配置されている。第2フォーク駆動減速機入力プーリ18に第2フォーク駆動用入力ベルト24が、第1フォーク駆動減速機入力プーリ16に第1フォーク駆動用入力ベルト23が、それぞれ巻装されている。第2フォーク駆動減速機入力プーリ18は第2フォーク駆動用プーリ17と同じプーリ直径を有している。第1フォーク駆動減速機入力プーリ16は第1フォーク駆動モータ13と同じプーリ直径を有している。従って、第1フォーク駆動用入力ベルト23と第2フォーク駆動用入力ベルト24は、第2アーム27の長手方向に沿って互いに平行になるよう張られている。また、図4が示すように、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16、第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18、が、上下方向の配置高さにおいて、少なくとも一部が互いに重なる高さになるように配置されている。本実施形態においては、これらがほぼ同じ高さになるように配置されている。また、図5が示すように、平面視において、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動用入力ベルト23と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16とで囲まれた空間に、第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動用入力ベルト24と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18とが配置されるようになっている。これらの構成は第2アーム27の薄型化に貢献する。
図4が示すように、第2フォーク駆動減速機入力プーリ18の下部には第2フォーク駆動減速機29が配置されている。第2フォーク駆動減速機入力プーリ18は第2フォーク駆動減速機29の入力軸と固定されていて、第2フォーク駆動減速機入力プーリ18の回転が第2フォーク駆動減速機29に入力される。第1フォーク駆動減速機入力プーリ16の下部には第1フォーク駆動減速機30が配置されている。第1フォーク駆動減速機入力プーリ16は第1フォーク駆動減速機30の入力軸と固定されていて、第1フォーク駆動減速機入力プーリ16の回転が第1フォーク駆動減速機30に入力される。第2フォーク駆動減速機29のさらに下部には第2フォーク駆動減速機出力プーリ21が配置されている。第2フォーク駆動減速機出力プーリ21は第2フォーク駆動減速機29の出力軸に固定されている。第1フォーク駆動減速機30のさらに下部には第1フォーク駆動減速機出力プーリ19が配置されている。第1フォーク駆動減速機出力プーリ19は第1フォーク駆動減速機30の出力軸に固定されている。第1フォーク駆動減速機出力プーリ19と第2フォーク駆動減速機出力プーリ21はそれぞれ配置高さが異なり、第1フォーク駆動減速機出力プーリ19のほうが第2フォーク駆動減速機出力プーリ21よりも高い位置で回転するように配置されている。第2フォーク駆動減速機出力プーリ21には第2フォーク駆動用出力ベルト26が、第1フォーク駆動減速機出力プーリ19には第1フォーク駆動用出力ベルト25が、それぞれ巻装されている。一方、第2フォーク35の基端部には、第2アーム27の先端部内部において第2フォーク用第3関節プーリ22が連結されている。第2フォーク用第3関節プーリ22は第2フォーク駆動減速機出力プーリ21と同じ高さになるよう配置されている。第2フォーク用第3関節プーリ22と第2フォーク駆動減速機出力プーリ21とに第2フォーク駆動用出力ベルト26が巻装されている。同様に、第1フォーク36の基端部には、第2アーム27の先端部内部において第1フォーク用第3関節プーリ20が連結されている。第1フォーク用第3関節プーリ20は第1フォーク駆動減速機出力プーリ19と同じ高さになるよう配置されている。第1フォーク用第3関節プーリ20と第1フォーク駆動減速機出力プーリ19とに第1フォーク駆動用出力ベルト25が巻装されている。
従って、第2フォーク駆動モータ14の回転が第1フォーク駆動用プーリ17と第1フォーク駆動用入力ベルト24と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18によって第2フォーク駆動減速機29に入力され、第2フォーク駆動減速機29で減速された回転が第2フォーク駆動減速機出力プーリ21と第2フォーク駆動用出力ベルト26と第2フォーク用第3関節プーリ22とによって第2フォーク35を回転させる。また、第1フォーク駆動モータ13の回転が第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動用入力ベルト23と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16とによって第1フォーク駆動減速機30に入力され、第1フォーク駆動減速機30で減速された回転が第1フォーク駆動減速機出力プーリ19と第1フォーク駆動用出力ベルト25と第1フォーク用第3関節プーリ20とによって第1フォーク36を回転させる。
【0016】
以上のように、本実施形態では、第1フォーク駆動モータ13あるいは第2フォーク駆動モータ14と、第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30と、が第2アーム27内で別れて配置されている。また、第2フォーク駆動減速機出力プーリ21と第2フォーク用第3関節プーリ22の間隔(あるいは第1フォーク駆動減速機出力プーリ19と第1フォーク用第3関節プーリ20の間隔)よりも、第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18の間隔(あるいは第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16の間隔)のほうがより長くなるよう配置されている。そして、第2アーム凸部44は第2アーム27の先端側下面付近に形成されて、その内部で第2フォーク駆動減速機入力プーリ18あるいは第1フォーク駆動減速機入力プーリ16、第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30、第2フォーク駆動減速機出力プーリ21あるいは第1フォーク駆動減速機出力プーリ19、第1フォーク駆動用出力ベルト25あるいは第2フォーク駆動用出力ベルト26、第1フォーク用第3関節プーリ20あるいは第2フォーク用第3関節プーリ22を収容している。
従って、まず、第1フォーク駆動モータ13あるいは第2フォーク駆動モータ14は第2アーム27の基端部付近にあって、かつそれらのフレームの一部が第2関節プーリ10内に収容されているので第2アーム27の基端部側は薄く形成できる。また、第2フォーク駆動減速機29と第2フォーク用第3関節プーリ22とが(あるいは第1フォーク駆動減速機30と第1フォーク用第3関節プーリ20とが)第2アーム27の先端部側の内部で別れて配置されるので、第2アーム凸部44の突出量つまり第2アーム凸部44の先端部側の厚みを抑えることができ、第2アーム凸部44を最小限の容積で形成できる。また、第1フォーク駆動モータ13あるいは第2フォーク駆動モータ14が第2アーム27の基端部付近に配置されているものの、第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30が第3関節部33に近い位置に配置されるので、第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30の出力軸と第2フォーク35あるいは第1フォーク36の基端部とが近くなり、第1フォーク駆動用出力ベルト25あるいは第2フォーク駆動用出力ベルト26が短くなるので、駆動源と駆動対象とが近くなり、ベルトによる駆動性の低下の恐れが少なくなる。
さらに、本実施形態では、第1フォーク駆動用入力ベルト23あるいは第2フォーク駆動用入力ベルト24のほうが、第1フォーク駆動用出力ベルト25あるいは第2フォーク駆動用出力ベルト26よりもベルト幅が狭いものが使用されている。第1フォーク駆動モータ13あるいは第2フォーク駆動モータ14と第1フォーク駆動用プーリ15あるいは第2フォーク駆動用プーリ17との間には減速機を使用していないので、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動用入力ベルト23と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16、あるいは第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動用入力ベルト24と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18は、第1フォーク駆動モータ13あるいは第2フォーク駆動モータ14の回転軸の回転数と同じ回転数で回転する。一方、第2フォーク駆動減速機出力プーリ21と第2フォーク駆動用出力ベルト26と第2フォーク用第3関節プーリ22、あるいは第1フォーク駆動減速機出力プーリ19と第1フォーク駆動用出力ベルト25と第1フォーク用第3関節プーリ20は、第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30によって減速された回転数で回転する。つまり、第1フォーク駆動用入力ベルト23あるいは第2フォーク駆動用入力ベルト24は第1フォーク駆動用出力ベルト25あるいは第2フォーク駆動用出力ベルト26よりも実質的に長く、かつ速く回転する。
従って、第1フォーク駆動用入力ベルト23あるいは第2フォーク駆動用入力ベルト24はベルトの剛性が低いが、第2フォーク駆動用出力ベルト26あるいは第1フォーク駆動用出力ベルト25は、第1フォーク駆動用入力ベルト23あるいは第2フォーク駆動用入力ベルト24よりもベルト幅が大きく、かつベルトの長さも短くなるので、ベルトとしての剛性が高く、さらに第2フォーク35あるいは第1フォーク36の駆動性を向上させる。
さらに、本実施形態では、第2アーム27の先端に複数のフォークを有する場合、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16、第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18、を、上下方向の配置高さにおいて、少なくとも一部が互いに重なる高さになるように配置されている。そして、平面視において、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動用入力ベルト23と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16とで囲まれた空間に、第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動用入力ベルト24と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18とが配置されるようになっている。
よって、複数のフォークを有する場合であっても、第2アーム27の厚みを抑えることができる。
【0017】
次に、第2フォーク35や第1フォーク36に配線されるフォーク用ケーブル34について説明する。第2フォーク35や第1フォーク36は、基板47を摩擦力によって保持する場合があるが、本実施形態では吸着力によって基板47を保持する。本実施形態のほか、基板47を機械的に把持する場合もある。また、第2フォーク35や第1フォーク36には、基板47の有無を検出するセンサやカセット46に収容されている基板47の位置を検出するためのセンサなどが搭載される場合がある。従って、第2フォーク35や第1フォーク36には、吸着力、把持力を実現するための気体が供給されるチューブや電線などがボディ2から第1アーム3や第2アーム27の内部を経由して第2フォーク35や第1フォーク36に配線される必要がある。便宜上、これらをまとめてフォーク用ケーブル34と呼ぶ。フォーク用ケーブル34は第2フォーク35あるいは第1フォーク36へと配線されるので、第2フォーク35あるいは第1フォーク36が第3関節部33において回転したときでも、フォーク用ケーブル34は第2フォーク35あるいは第1フォーク36の動作を妨げることがあってはならない。また、アームの内部の機器の妨げになってもならない。なお、本実施形態では第2フォーク35や第1フォーク36に対してフォーク用ケーブル34が必要な場合について、アームを小型にしつつも適切に配線処理ができる配線構成について説明する。しかし、そもそもフォーク用ケーブル34の配線が必要ではない場合など、後述するフォーク用ケーブル34の配線構成が不要である場合もある。
以下、本実施形態におけるフォーク用ケーブル34の配線処理の構成について、図4と図5を参照しながら説明する。フォーク用ケーブル34はボディ2の内部から第1アーム3と第2アーム27の内部を経由して第2フォーク35や第1フォーク36に到達するように配線される。フォーク用ケーブル34の基端側は、ボディ2の内部あるいは外部に設けられる水平多関節ロボット50のコントローラ部や流体の供給源へと接続される。フォーク用ケーブル34は、まず第1アーム駆動シャフト4の内部を通って第1アーム3の内部へと配線される。第1アーム3の内部では第1ベルト11の近傍を通って第1アーム3の先端側へと配線される。第1アーム3の先端側では第2関節プーリ10の内部を通って第2アーム27の内部へと配線される。そして、第1フォーク駆動モータ13あるいは第2フォーク駆動モータ14の近くで第2アーム27の内部の底面から第2アーム27の下面へと配線される。第2アーム27の下面にはケーブル下部カバー54が設けられていて、第2アーム27の下面へと配線されてきたフォーク用ケーブル34を収容している。ケーブル下部カバー54は第2アーム27の下面において第2アーム凸部44よりも基端側にあって、第2アーム凸部44と第2関節部32との間に位置している。ケーブル下部カバー54へ収容されたフォーク用ケーブル34はケーブル下部カバー54内部においてさらに第2アーム27の先端側へと配線される。そして、第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30に近い位置で、再び第2アーム27の内部に形成されているケーブル開放スペース41へと配線される。ケーブル開放スペース41は、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16の間、あるいは第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18の間に張られた第1フォーク駆動用入力ベルト23あるいは第2フォーク駆動用入力ベルト24の下部に形成されている。ケーブル開放スペース41の上側、つまり第1フォーク駆動用入力ベルト23と第2フォーク駆動用入力ベルト24の直下には、フォーク用ケーブル34を覆う仕切り板28が配置されている。仕切り板28はフォーク用ケーブル34が後述するように動作したとき、第1フォーク駆動用入力ベルト23や第2フォーク駆動用入力ベルト24に接触しないために設けられる。ケーブル開放スペース41へ配線される位置は、第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30よりも第2アーム27の基端側である。ケーブル開放スペース41内の周囲には、多数のコロ53が設けられている。本実施例ではコロ53の各々は鉛直の回転軸を有するローラで構成されている。コロ53は後述するようにフォーク用ケーブル34が動作する際に、フォーク用ケーブル34と接触しながら回転することで、フォーク用ケーブル34が円滑に動作させるためのものである。ケーブル開放スペース41内へ配線されてきたフォーク用ケーブル34は、ケーブル開放スペース41に対して固定されること無く、ケーブル開放スペース41内において一旦第2アーム27の基端側を周ってケーブル開放スペース41内の周囲を輪を描くように配線される。そして第2アーム27の長手方向に沿って第2アーム27の先端部側へと配線される。第2アーム27の内部における第2フォーク駆動減速機29あるいは第1フォーク駆動減速機30の側部には、第2アーム27の長手方向に沿ってケーブル用通路42が形成されていて、フォーク用ケーブル34はここを通って第3関節部33へと配線される。ケーブル用通路42にもコロ53が多数配置されている。さらに、第1フォーク用第3関節プーリ20あるいは第2フォーク用第3関節プーリ22が連結されている第2フォーク35あるいは第1フォーク36の基端部には巻取り部40が形成されていて、フォーク用ケーブル34は巻取り部40に巻きつくように配線される。そして、フォーク用ケーブル34は、第2フォーク35あるいは第1フォーク36に設けられている吸着などのための機構あるいはセンサへと接続される。
【0018】
以上で説明したフォーク用ケーブル34の配線処理の構成について、その作用動作を図6を使って説明する。図6は図5におけるケーブル開放スペース41でのフォーク用ケーブル34の動作について説明する要部の上面図である。図6(a)は第2フォーク35あるいは第1フォーク36が他方向に回転したときのケーブル開放スペース41でのフォーク用ケーブル34の状態を示す。図6(b)は第2フォーク35あるいは第1フォーク36が一方向に回転したときのケーブル開放スペース41でのフォーク用ケーブル34の状態を示す。上述したフォーク用ケーブル34は、本実施形態では、図6(a)が示すように、複数のフラットケーブルから構成されている。例えば、フラットチューブ37は第1フォーク36のための流体用チューブの何本かが平らに束ねられたものである。また、フラットケーブル38は第1フォーク36に設けられている機器に接続される電線が平らに束ねられたものである。また、フラットケーブル39は第2フォーク35あるいは第1フォーク36に設けられている機器に接続される電線が平らに束ねられたものである。これらフラットチューブ37、フラットケーブル38、フラットケーブル39は、少なくともケーブル開放スペース41内では1つに結束されておらず、第2フォーク35あるいは第1フォーク36が、第2アーム27に対する回転動作範囲の中間位置にあるとき、互いに一定の隙間Sが形成されるように配線されている。そして、図6(b)のように、第2フォーク35あるいは第1フォーク36が第3関節部33において一方向に回転すると、フォーク用ケーブル34はケーブル用通路42を通って巻取り部40に巻き取られる。そのときケーブル開放スペース41内では、フラットチューブ37、フラットケーブル38、フラットケーブル39が互いに接触して隙間Sが無くなり、比較的小さな輪を形成するようにまとまる。また、図6(a)のように、第2フォーク35あるいは第1フォーク36が第3関節部33において他方向に回転すると、巻取り部40に巻き取られていたフォーク用ケーブル34はケーブル用通路42を通ってケーブル開放スペース41内へ開放される。そのときケーブル開放スペース41内では、フラットチューブ37、フラットケーブル38、フラットケーブル39は、第2フォーク35あるいは第1フォーク36が中間位置にあるときに互いに形成していた隙間Sよりもさらに広い隙間S’を形成しながら、ケーブル開放スペース41内の外側に向けて広がる。フラットケーブル37、フラットケーブル38、フラットチューブ39のように、フラットケーブル同士の間に隙間Sを設けることで、動作時におけるフラットケーブル同士のひっかかりを抑制し、スムーズな動作を可能にする。
【0019】
以上のように、本実施形態における配線処理の構成によれば、ケーブル開放スペース41が、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16の間、あるいは第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18の間、に張られた第1フォーク駆動用入力ベルト23あるいは第2フォーク駆動用入力ベルト24の下部に形成されているので、第2アーム27の厚みを最小限に抑えつつ、第2フォーク35や第1フォーク36の動作に支障がないようにフォーク用ケーブル34を処理できる。
また、本実施形態のように、第2フォーク35と第1フォーク36のように複数のフォークを備える場合であっても、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16、第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18、を、上下方向の配置高さにおいて、少なくとも一部が互いに重なる高さになるように配置されていて、第1フォーク駆動用プーリ15と第1フォーク駆動用入力ベルト23と第1フォーク駆動減速機入力プーリ16とで囲まれた空間に、第2フォーク駆動用プーリ17と第2フォーク駆動用入力ベルト24と第2フォーク駆動減速機入力プーリ18とが配置されるようになっているので、ケーブル開放スペース41を設けたとしても第2アーム27の厚みを抑えることができる。
【0020】
以上のように、本発明では、第1アーム凸部43と第2アーム凸部44とを形成することで、第1アーム3と第2アーム27が重なってもアーム全体の高さを低く抑えることができる。さらに、第1アーム3や第2アーム27の個々の厚みを薄くしたり小型化したりする構成を開示している。そして、同時に、各アームの駆動性を向上させて水平多関節ロボット50としてのアームの位置決め精度を向上させている。
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0021】
1 第1アーム駆動モータ
2 ボディ
3 第1アーム
4 第1アーム駆動シャフト
5 第2アーム駆動モータ
6 第1関節プーリ
7 第2アーム駆動減速機入力プーリ
8 第2アーム駆動減速機
9 第2アーム減速機出力プーリ
10 第2関節プーリ
11 第1ベルト
12 第2ベルト
13 第1フォーク駆動モータ
14 第2フォーク駆動モータ
15 第1フォーク駆動用プーリ
16 第1フォーク駆動減速機入力プーリ
17 第2フォーク駆動用プーリ
18 第2フォーク駆動減速機入力プーリ
19 第1フォーク駆動減速機出力プーリ
20 第1フォーク用第3関節プーリ
21 第2フォーク駆動減速機出力プーリ
22 第2フォーク用第3関節プーリ
23 第1フォーク駆動用入力ベルト
24 第2フォーク駆動用入力ベルト
25 第1フォーク駆動用出力ベルト
26 第2フォーク駆動用出力ベルト
27 第2アーム
28 仕切り板
29 第2フォーク駆動減速機
30 第1フォーク駆動減速機
31 第1関節部
32 第2関節部
33 第3関節部
34 フォーク用ケーブル
35 第2フォーク
36 第1フォーク
37 フラットチューブ
38 フラットケーブル
39 フラットケーブル
40 巻取り部
41 ケーブル開放スペース
42 ケーブル用通路
43 第1アーム凸部
44 第2アーム凸部
45 基板搬送システム
46 カセット
47 基板
48 カセットステージ
49 処理装置
50 水平多関節ロボット
51 FFU
52 昇降機構
53 コロ
54 ケーブル下部カバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送するための水平多関節ロボットにおいて、
ボディと、
前記ボディに第1関節部で回転可能に支持される第1アームと、
前記第1アームの先端部上の第2関節部で基端部が回転可能に支持される第2アームと、
前記第2アームの先端部上の第3関節部で基端部が回転可能に支持され、前記基板を載置するフォークと、を備え、
前記第1アームが、前記第1アームの先端部上面において前記第1アームの基端側上面よりも高い面を有する第1アーム凸部を有し、
前記第2アームが、前記第2アームの先端部下面において前記第2アームの基端側下面よりも低い面を有する第2アーム凸部を有し、
前記第1アーム凸部と前記第2アーム凸部とが、上下方向の配置高さ範囲の少なくとも一部が互いに重なるように配置されている、水平多関節ロボット。
【請求項2】
前記第2アームの回転の駆動源であって、前記ボディの内部に設けられた第2アーム駆動モータと、
前記第1アームの内部に収容され、前記第2アーム駆動モータによって回転する第1関節プーリと、
前記第1関節プーリに巻装された第1ベルトと、
前記第1ベルトによって前記第1関節プーリとともに回転する第2アーム駆動減速機入力プーリと、
前記第2アーム減速機入力プーリの回転が入力される第2アーム駆動減速機と、
前記第2アーム駆動減速機の出力軸に設けられた第2アーム減速機出力プーリと、
前記第2アーム減速機出力プーリに巻装された第2ベルトと、
前記第2アームの基端部に連結され、前記第2ベルトによって前記減速機出力プーリとともに回転する第2関節プーリと、
を備え、
前記第2アーム減速機入力プーリと、前記第2アーム駆動減速機と、前記第2アーム減速機出力プーリと、前記第2ベルトと、前記第2関節プーリとが、前記第1アーム凸部の内部に収容された、請求項1記載の水平多関節ロボット。
【請求項3】
前記第2アーム減速機出力プーリと前記第2関節プーリの間隔よりも、前記第1関節プーリと前記第2アーム減速機入力プーリの間隔のほうがより長くなるよう配置された、請求項2記載の水平多関節ロボット。
【請求項4】
前記第2アーム減速機入力プーリの回転軸中心と、前記第2アーム駆動減速機の出力軸中心と、前記第2アーム減速機出力プーリの回転軸中心と、が互いに同軸になるよう配置され、
前記第2アーム減速機出力プーリが、前記第2アーム駆動減速機を内包するようカップ形状に形成され、前記第2アーム駆動減速機の外周側面を覆う外周部に前記第2ベルトと噛み合うベルト歯が形成された、請求項2記載の水平多関節ロボット。
【請求項5】
前記第1ベルトと前記第2ベルトとにおいて、前記第2ベルトのベルト幅よりも前記第1ベルトのベルト幅が狭く形成された、請求項2記載の水平多関節ロボット。
【請求項6】
前記第2関節プーリの内側に収容されたフォーク駆動モータと、
前記第2アームの内部に収容され、前記フォーク駆動モータによって回転するフォーク駆動用プーリと、
前記フォーク駆動用プーリに巻装されたフォーク駆動用入力ベルトと、
前記フォーク駆動用入力ベルトによって前記フォーク駆動用プーリとともに回転するフォーク駆動減速機入力プーリと、
前記フォーク駆動減速機入力プーリの回転が入力されるフォーク駆動減速機と、
前記フォーク駆動減速機の出力軸に設けられたフォーク駆動減速機出力プーリと、
前記フォーク駆動減速機出力プーリに巻装されたフォーク駆動用出力ベルトと、
前記フォークの基端部に連結され、前記フォーク駆動用出力ベルトによって前記フォーク駆動減速機出力プーリとともに回転する第3関節プーリと、
を備え、
前記フォーク駆動用減速機入力プーリと、前記フォーク駆動減速機と、前記フォーク駆動減速機出力プーリと、前記フォーク駆動用出力ベルトと、前記第3関節プーリとが、前記第2アーム凸部の内部に収容された、請求項2記載の水平多関節ロボット。
【請求項7】
前記フォーク駆動減速機出力プーリと前記第3関節プーリの間隔よりも、前記フォーク駆動用プーリと前記フォーク駆動減速機入力プーリの間隔のほうがより長くなるよう配置された、請求項6記載の水平多関節ロボット。
【請求項8】
前記フォーク駆動用入力ベルトと前記フォーク駆動用出力ベルトとにおいて、前記フォーク駆動用出力ベルトのベルト幅よりも前記フォーク駆動用入力ベルトのベルト幅が狭く形成された、請求項6記載の水平多関節ロボット。
【請求項9】
前記フォークが前記第3関節部において同軸上で互いに回転可能な第1フォークと第2フォークとからなる場合、
前記フォーク駆動モータが、第1フォーク駆動モータと第2フォーク駆動モータとからなり、
前記第1フォーク駆動モータによって回転する第1フォーク駆動用プーリと、
前記第2フォーク駆動モータによって回転する第2フォーク駆動用プーリと、
前記第1フォーク駆動用プーリに巻装された第1フォーク駆動用入力ベルトと、
前記第2フォーク駆動用プーリに巻装された第2フォーク駆動用入力ベルトと、
前記第1フォーク駆動用入力ベルトによって前記第1フォーク駆動用プーリとともに回転する第1フォーク駆動減速機入力プーリと、
前記第2フォーク駆動用入力ベルトによって前記第2フォーク駆動用プーリとともに回転する第2フォーク駆動減速機入力プーリと、
前記第1フォーク駆動減速機入力プーリの回転が入力される第1フォーク駆動減速機と、
前記第2フォーク駆動減速機入力プーリの回転が入力される第2フォーク駆動減速機と、
前記第1フォーク駆動減速機の出力軸に設けられた第1フォーク駆動減速機出力プーリと、
前記第2フォーク駆動減速機の出力軸に設けられた第2フォーク駆動減速機出力プーリと、
前記第1フォーク駆動減速機出力プーリに巻装された第1フォーク駆動用出力ベルトと、
前記第2フォーク駆動減速機出力プーリに巻装された第2フォーク駆動用出力ベルトと、
前記第1フォークの基端部に連結され、前記第1フォーク駆動用出力ベルトによって前記第1フォーク駆動減速機出力プーリとともに回転する第1フォーク用第3関節プーリと、
前記第2フォークの基端部に連結され、前記第2フォーク駆動用出力ベルトによって前記第2フォーク駆動減速機出力プーリとともに回転する第2フォーク用第3関節プーリと、
を備え、
前記第1フォーク駆動用プーリと、前記第2フォーク駆動用プーリと、前記第1フォーク駆動減速機入力プーリと、前記第2フォーク駆動減速機入力プーリとが、上下方向の配置高さ範囲の少なくとも一部が互いに重なるように配置され、
平面視において、前記第1フォーク駆動用プーリと前記第1フォーク駆動用入力ベルトと前記第1フォーク駆動減速機入力プーリとで囲まれた空間に、前記第2フォーク駆動用プーリと前記第2フォーク駆動用入力ベルトと前記第2フォーク駆動減速機入力プーリとが配置された、請求項6記載の水平多関節ロボット。
【請求項10】
前記ボディから前記第1アームと前記第2アームの内部を経由して前記フォークに配線されるフォーク用ケーブルと、
前記第3関節プーリが連結される前記フォークの基端部に設けられた巻取り部と、
前記第2アームの内部に形成され、平面視において、前記フォーク駆動用プーリと前記フォーク駆動減速機入力プーリとの間に張られた前記フォーク駆動用入力ベルトの下部に形成されたケーブル開放スペースと、
前記巻取り部と前記ケーブルスペースとを繋ぐとともに、前記フォーク駆動減速機の側部を通って前記第2アームの長手方向に沿って形成されたケーブル用通路と、を備え、
前記フォーク用ケーブルは、
前記ケーブル処理スペースと前記ケーブル用通路と前記巻取り部とを経由して前記フォークへ配線され、
前記フォークが前記第3関節部において一方向に回転する際、前記巻取り部の周囲に巻きつき、
前記フォークが前記第3関節部において他方向に回転する際、前記ケーブル開放スペースに開放される、請求項6記載の水平多関節ロボット。
【請求項11】
上端が前記第1アームに固定された筒状の第1アーム駆動シャフトと、
前記ボディの内部に設けられ、前記第1アーム駆動シャフトを回転させる第1アーム駆動モータと、を備え、
前記第1アーム駆動シャフトが、前記第2アーム駆動モータを収容するように配置された、請求項2記載の水平多関節ロボット。
【請求項12】
前記第1アーム駆動シャフトを上下に昇降させる昇降機構が、前記ボディに収容された、請求項11記載の水平多関節ロボット。
【請求項13】
請求項1記載の水平多関節ロボットを備えた、基板搬送システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−224743(P2011−224743A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98054(P2010−98054)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】