説明

油圧式ダブルクラッチのクラッチ・パックに用いる作動制御装置

油圧式ダブルクラッチのクラッチ・パック(K、K)に用いる作動制御装置(1)であり、注入バルブ(3)を有し、油圧源から第1のクラッチ・パック(K)へ通じる第1の圧力ライン(2)と、注入バルブ(5)を有し、油圧源から第2のクラッチ・パック(K)へ通じる第2の圧力ライン(4)とを具備し、排出バルブ(6、7)が、注入バルブ(3、5、各々)と第1と第2のクラッチ・パック(K、K)各々の間に第1の圧力ライン(2)と第2の圧力ライン(4)の両方にそれぞれ配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧式ダブルクラッチのクラッチ・パックに用いる作動制御装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
油圧式ダブルクラッチは、ダブルクラッチ・トランスミッションに使用され、油圧源から各圧力ラインにそれぞれ設けられた注入バルブを介して、第1及び第2のクラッチ・パックへ通じる第1及び第2の圧力ラインからなる。
【発明の開示】
【0003】
本発明の根本にある目的は、より安全な動作特性が得られるように改良した、請求項1の前提部分に記載した作動制御装置を提供することである。
【0004】
この目的の解決策は、請求項1の特徴によって達成される。
【0005】
本発明による作動制御装置は、注入バルブとクラッチ・パックの間に各圧力ラインにそれぞれ設けた排出バルブを備える。これにより、排出時の圧力降下を最小にする利点が得られるとともに、いずれかのバルブ故障の場合に冗長制御オプションを提供する。したがって、両方の圧力ラインは、クラッチ・パックへ油を供給し、それによりクラッチ圧力を制御することを主目的とした一つのバルブと排出を目的にしたもう一つのバルブを具備しており、作動制御装置全体の反応時間がより短縮されるので、トルク伝達を最適化できる。
【0006】
従属請求項は、本発明の有利な実施形態を含む。
【0007】
注入バルブは、好ましくは、比例減圧バルブである。排出バルブは、好ましくは、オン・オフ3/2バルブである。
【0008】
特に好適な実施形態によれば、排出バルブのスプールの直径は、注入バルブのスプールの直径よりも大きい。
【0009】
さらに、排出バルブは対称形のスプール設計とすることができ、注入バルブは非対称形のスプール設計とすることができる。しかし、一般的には、両方のバルブ・タイプを同じスプール設計とすることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面として添付した単一の図(図1)についての以下の説明から明らかになるであろう。
【0011】
図面として添付した単一の図(図1)は、ダブルクラッチ・トランスミッション(図示しない)と共に使用される油圧式ダブルクラッチのクラッチ・パック(矢印KとKで表わした)に用いる作動制御装置1の概略を示す簡略図を示す。
【0012】
作動制御装置1は、注入バルブ3と注入バルブ3の下流に排出バルブ7を備える第1の圧力ライン2を含む。したがって、排出バルブ7は注入バルブ3とクラッチ・パックKの間に配置される。
【0013】
さらに、注入バルブ5と注入バルブ5の下流に排出バルブ6を有する第2の並列の圧力ライン4が備えられる。同様に、排出バルブ6は注入バルブ5とクラッチ・パックKの間に配置される。
【0014】
言うまでもなく、これらの圧力ライン2と4は、本図に示していない油圧源に接続される。
【0015】
圧力ライン2と4へのバルブ端子P、T、Aの接続は、開示の目的で添付し明示的に参照される図から推測できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の作動制御装置の概略を示す簡略図
【符号の説明】
【0017】
1 作動制御装置
2 第1の圧力ライン
3 第1の圧力ライン2上の注入バルブ
4 第2の圧力ライン
5 第2の圧力ライン4上の注入バルブ
6 第2の圧力ライン4上の排出バルブ
7 第1の圧力ライン2上の排出バルブ
P、T、A バルブ端子
油圧式ダブルクラッチの第1のクラッチ・パック
油圧式ダブルクラッチの第2のクラッチ・パック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧式ダブルクラッチのクラッチ・パック(K、K)に用いる作動制御装置 (1)であり、
注入バルブ(3)を有し、油圧源から第1のクラッチ・パック(K)へ通じる第1の圧力ライン(2)と、
注入バルブ(5)を有し、前記油圧源から第2のクラッチ・パック(K)へ通じる第2の圧力ライン(4)と、を具備し、
排出バルブ(6、7)が、注入バルブ(3、5、各々)と第1と第2のクラッチ・パック(K、K)各々の間に第1の圧力ライン(2)と第2の圧力ライン(4)の両方にそれぞれ配置される、作動制御装置。
【請求項2】
注入バルブは比例減圧バルブ(6)であり、排出バルブはオン・オフ3/2バルブ(7)である請求項1記載の作動制御装置。
【請求項3】
排出バルブ(6、7)のスプールの直径は、注入バルブ(3、5)のスプールの直径よりも大きい、請求項1または請求項2記載の作動制御装置。
【請求項4】
排出バルブ(6、7)は対称形のスプール設計とすることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の作動制御装置。
【請求項5】
注入バルブ(3、5)は非対称形のスプール設計とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の作動制御装置。
【請求項6】
第1及び第2の圧力ライン(2と4)は、油圧源へ至る中心圧力ラインから分岐し、並列に配置される、請求項1から請求項5いずれかに記載の作動制御装置。


【図1】
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【公表番号】特表2008−538806(P2008−538806A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508141(P2008−508141)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003825
【国際公開番号】WO2006/114282
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(505250063)ヘアビーガー アントリープステクニーク ゲーエムベーハー (12)
【Fターム(参考)】