説明

流体船積みおよび/または荷降ろしシステム用の直接制御、特に比例制御および/または直線的制御式装置

本発明は、海洋船積みシステム(2)用の結合器の動きと位置決めのための制御装置に関する。前記海洋船積みシステムは、ベースに固定されているライン端部を有する少なくとも1つの流体移送ラインと、目標ダクトへの接続用に適合されている結合器が設けられている可動ライン端部とを備え、前記システムは、ベースに対して少なくとも3自由度を結合器が有するように、複数の機械的接続部を更に有しており、制御装置は、それぞれが自由度においてシステムの動きを比例的に制御する少なくとも3つの比例式制御アクチュエータ(27、28、29)と、各自由度を追尾するシステムの位置センサ(30、31、32)と、結合器を動かすコマンドを入力するためのコマンド入力インタフェース(60)と、結合器の瞬間的位置を、センサから提供される情報から計算し、コマンド入力インタフェースの動きコマンド入力から、アクチュエータの組み合わされた動きが、コマンド入力インタフェースにおいてオペレータにより提供される動きコマンドに対応する結合器の動きとなるように、アクチュエータのそれぞれに与える同時制御指令を計算する計算機(41)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、流体の船舶への船積み(ローディング)および/または荷降ろし(アンローディング)システムに関し、通常は、海洋船積みシステムと呼ばれている。これらのシステムは、液体または気体製品を船舶と埠頭の間、または2つの船舶間で移送するために使用される。
【0002】
より特別には、本発明は、そのような船積みおよび/または荷降ろしシステムの動きと位置決めを制御する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、海洋船積みシステムは、ベースに固定され且つ移送される流体のタンクに接続されている、流体移送ライン端部と、可動で且つ目標のダクトへの接続用に構成されている結合器(カップリング)が設けられ且つそれ自身が流体タンクに接続されている、反対側ライン端部と、を有している。
【0004】
船舶用の流体船積みシステムとしては2つのグループが知られており、それは、その構造で区別される。つまり、剛性パイプにより移送するシステムと柔軟(フレキシブル)パイプにより移送するシステムである。
【0005】
剛性パイプによる移送システムのグループにおいては、船積みアームシステムとパンタグラフシステムが区別される(特徴的である)。
【0006】
船積みアームは、関節式接続チューブ装置であり、流体タンクに接続されているベースを有し、その上には、内部パイプと称される第1パイプが搭載され、90度屈曲したチューブの部分を介して、1つの端部の垂直軸の周りの回転と、他端の水平軸の周りの回転とが可能になる。内部パイプの反対側端部においては、外部パイプと称される第2パイプが水平軸の周りで回転可能に搭載されている。結合器(カップリング)は、外部パイプの端部に搭載されている。
【0007】
この3種類の回転のそれぞれは、オン/オフ制御のジャッキまたは油圧モータにより制御される。オペレータは、それぞれの動きを独立して制御できるコマンドインタフェースを有している。
【0008】
パンタグラフシステムは、船積みアームのように、タンクに接続されているベースを有している。クレーンが、そのベース上に回転可能に搭載されている。クレーンは、流体用のパイプを運ぶブームを有している。ブームの端部においては、流体用の関節式接続パイプから構成されているパンタグラフが搭載されており、パンタグラフの自由端に搭載されている結合器を動かすことができる。パンタグラフの傾斜は、ブームの端部の回転により制御される。パンタグラフの動きは、ベース上の回転用の油圧モータまたはジャッキにより制御される。
【0009】
最後に、柔軟パイプシステムは、一般的には、流体製品が搬送されるラインと、ラインを操作可能にする機械的システムを有している。操作システムにはいくつかのタイプがあるが、すべての場合において、柔軟パイプへの接続のための結合器をサポートする操作クレーンまたは構造が含まれている。
【0010】
実際には、ほとんどのシステムにおいては、結合器は、3つの回転に対して、その端部で自由に関節式に接続されており、接続のために目標のダクトに対して結合器が向けられたときに、オペレータにより手動で精度よく操作できる。
【0011】
船積み装置のこの2つのグループは、構造上の違いがあるが、その制御システムは、操作に関して同じ一般原則に従って設計されている。すべての場合において、結合器は、ダクトの固定端を支持するベースに対して少なくとも3自由度を有しており、これらの自由度のそれぞれにおける動きは、アクチュエータにより独立して制御されるということに留意されたい。
【0012】
各アクチュエータは、オン/オフタイプの独立した制御器により別々に制御される。オペレータは、船積みシステムの特別部材を制御するための制御器のそれぞれを独立に操作することができる。アクチュエータのグループに対しての組み合わせられた操作により、空間の所望の点に結合器を位置決めすることが可能となる。
【0013】
一般的に、使用されるアクチュエータは油圧式であり、例えば、油圧モータまたはジャッキであるが、例えば、電気モータのような電動式アクチュエータの使用もまた知られており、空気圧式アクチュエータも知られている。すべての場合において、アクチュエータを装備している海洋船積みシステムは、オン/オフ制御により制御され、動きの速度は一定であり、ある場合には、2つの動きの速度を自由に設定できる可能性もある。
【0014】
実際には、これらの制御装置は、オペレータが海洋船積みシステムの運動力学を完全に知っていなければならず、同時にそれぞれのアクチュエータの動きを独立に組み合わせて、すべての動きを合計することにより、オペレータがシステムに与えたいと所望する動きに対応する結合器の組み合わされた動きを得るという点において、操作するには慎重さを要するものである。動きは、一定速度でオン/オフ制御のアクチュエータにより実施されるので、オペレータが直線的および/または一定速度で結合器を動かすことは困難であり、ときには不可能でもある。より一般的に、オペレータが結合器の動きに正確に精通することは困難であり、そのため、結合器が障害物に当たったり、目標ダクトに当たったりする危険性が増大する。これは、結合器の密封材を損傷する可能性がある。
【発明の概要】
【0015】
これらの観測に基づいて、本発明は、オペレータによる結合器(カップリング)の動きを制御する操作を、より直感的に操作できるようにすることで容易にすることを目的とし、それにより、オペレータは望ましくない海の状況においても結合器の接続を可能にし、より一般的には、接合を容易にし、すべての場合においてより迅速に行うことができるようにし、一方においては、結合器が衝突して、特に密封材を損傷するという危険性を減少することを目的とする。
【0016】
その目的のため、本発明は、海洋船積みシステム用の結合器の動きおよび位置決めのための制御装置を提供し、前記海洋船積みシステムは、ベースに固定されたライン端部を有する少なくとも1つの流体移送ラインと、目標ダクトへの接続のために適合されている結合器が設けられた可動ライン端部とを備えており、該システムは更に、結合器がベースに対して少なくとも3自由度を有するように、複数の機械的接続部を有し、前記制御装置は、それぞれが自由度内におけるシステムの動きを比例的に制御する少なくとも3つの比例式制御アクチュエータと;各自由度を追尾するシステムの位置センサと;結合器を動かすコマンドを入力するためのコマンド(オペレータ)入力インタフェースと;センサから提供される情報から、結合器の瞬間的な位置を計算し、コマンド入力インタフェースの動きコマンド入力から、各アクチュエータに与える同時制御指令を計算して、それにより、組み合わされた動きが、オペレータによりコマンド入力インタフェースにおいて与えられた動きコマンドに対応する結合器の動きを結果として生じる、計算機と;を備えることを特徴とする。
【0017】
本装置は、オペレータが結合器の動きを直感的に制御することを可能にし、いくつかの制御器を同時に操作することにより、その動きを補正する必要がないという利点を有している。言い換えれば、本発明による本装置は、船積みシステムの運動力学について心配する必要なく、ユーザが直接、結合器の動きを制御することを可能にする。本発明による本装置により、オペレータは、計算機により必要な操作が行われるので、同時にいくつかの制御器を操作して運動力学の動きを組み合わせる必要性から解放される。オペレータはこのように結合器の動きを直接制御でき、特に、直線的および/または一定の速度の結合器の動きを達成できる。
【0018】
本発明は、柔軟パイプによる移送用のシステムと共に、剛性パイプによる移送用のシステムに対して、海洋船積みシステムの任意のタイプに適合されているという利点を有している。
【0019】
本発明の有利な特徴によれば、コマンド入力インタフェースは少なくとも1つの比例式制御器を有しており、それにより、より大きなまたは、より小さな規模で前記比例式制御器に作用すれば、アクチュエータの少なくとも1つに対してそれぞれ、より大きなまたは、より小さな規模の少なくとも1つの比例制御指令を出すことになり、それぞれ、より速いまたは、より遅い動きの速度での結合器の動きを結果として生じる。
【0020】
各制御器は比例式であれば有利であり、これは実際には、制御器における動きの振幅は、アクチュエータにおける、より速いまたは、より遅い速度を結果として生じることを意味している。
【0021】
組み合わせが可能な有利な特徴によれば、
・システムの位置センサの少なくとも1つは、角度センサである。
・比例式制御アクチュエータの少なくとも1つは、比例式制御弁と協働する油圧アクチュエータである。
・比例式制御アクチュエータの少なくとも1つは、比例式制御電気モータである。
・コマンド入力インタフェースと計算機の間の通信は無線によるものであり、コマンド入力インタフェースは、計算機に接続されている受信機と無線通信を行う送信機に接続されている。
・コマンド入力インタフェースは、3自由度の少なくとも2つにおいて結合器に動きコマンドを供給するように設計されている、少なくとも1つの操作部材を有している。
・いくつかの海洋船積みシステムは計算機に接続されており、セレクタ(選択機)が、計算機に接続されている船積みシステムの1つを選択的に制御するためにコマンド入力インタフェースにおいて設けられている。
【0022】
別の形態によれば、本発明は、上述した装置用のオートマトンを提供し、オートマンは、各自由度におけるシステムの位置センサによる位置信号出力を受信し、結合器を動かすコマンドを入力するためのコマンド入力インタフェースからの制御信号を受信するための入力部を備えており、入力に基づいて、各アクチュエータに、その組み合わせの動きが、コマンド入力インタフェースにオペレータが提供した動きコマンドに対応する結合器の動きを結果として生成するような同時制御指令を計算するように構成され、前記オートマトンは、アクチュエータが接続される出力部を備え、各オートマトンは、アクチュエータに対して計算された制御指令を出力部に与える。
【0023】
別の形態によれば、本発明は、上述のようなオートマトンの計算方法を提供し、下記の計算ステップを備える。
・位置センサにより提供される情報に基づいて、予め定義されている原点に対する結合器の位置の空間座標を計算するステップと、
・コマンド入力インタフェースにおいて行われたオペレータによるコマンド入力に基づいて、船積みシステムの少なくとも3自由度における動きの速度を計算するステップと、
・結合器の位置の空間座標と、所望の速度に基づいて、コマンド入力インタフェースにおいて行われたコマンド入力に従って、船積みシステムの動きを制御するために、アクチュエータそれぞれに与えられる出力指令を計算するステップ。
【0024】
本発明の説明は、ここで、下記に非制限的な例として示される一実施の形態の詳細な記載により、付随する図面を参照して続行される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明による制御装置を備える船積みアームの透視模式図である。
【図2】図2は、本発明による、特別には、図1による装置の動作の動作概観図である。
【図3】図3は、図2による制御装置の動作の原理を示す機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明による制御装置1を備えている船積み(ローディング)アーム2を非常に模式的に表現している。船積みアームの表現は、ここでは非常に簡略化されており、これに関連して、本発明による制御装置は、任意のタイプの海洋船積みシステム、特に、上述の船積みシステムに適合できるということを思い出してもらいたい。
【0027】
図1の船積みアームはベース21を有しており、ベース21は、それが固定されている表面22の下部に位置する流体タンクに接続されており、表面22は、例えば、埠頭または船舶のデッキであってよい。べースの頂上には、回転可能に関節式に接続されている屈曲チューブ23があり、屈曲チューブ23上に、内部チューブ24と称されている第1チューブが関節式接続され、内部チューブ24は反対側の端部において、外部チューブ25と称されている第2チューブに関節式に接続されている。外部チューブの端部には、例えば船舶上の目標ダクト(図示せず)に接続されるように構成されている結合器(カップリング)26が備えられている。それ自体知られているように、結合器は、外部チューブの端部に対して、回転における3自由度を有している。これら3種類の回転は自由であり、それにより、オペレータは、目標パイプへの結合器の接続のためのアプローチの最終段階の間に、結合器の角度を自由に調整できる。
【0028】
一般的に、このタイプの船積みアームそれ自体は知られており、ここではこれ以上詳細には述べない。更に、本発明による制御装置は、すべての海洋船積みシステムに適合し、本発明による制御装置の、任意のタイプの船積みシステム、特に、上述したシステムの1つへの適合は、当業者にとっては能力範囲であるということに留意されたい。
【0029】
図1に示されているように、本発明による装置においては、アクチュエータ27、28、29が、船積みアームの3箇所の関節式接続部(双方向矢印A、B、およびCにより示されている)のそれぞれにおいて設けられている。より具体的には、第1アクチュエータ27は、ベース21の頂上と屈曲チューブ23の間に設けられており、屈曲チューブ23をベースに対して水平方向に回転する。第2アクチュエータ28は、屈曲チューブ23の端部と内部チューブ24の間に設けられており、内部チューブを垂直方向に回転する。そして、第3アクチュエータ29は、内部チューブ24と外部チューブ25の間の設けられており、外部チューブ25を垂直方向に回転する。
【0030】
3つのアクチュエータ27、28、29は、ここでは図1に非常に模式的に表現されている油圧ジャッキである。例示しない変形例においては、1つ以上の油圧ジャッキが、油圧モータにより置き換えられる。例示しない別の変形例によれば、アクチュエータは、電気または空気圧式モータである。
【0031】
角度センサ30、31、32は、船積みアームの各部材間の関節接続部において設けられている。角度センサ30は、ベース21と屈曲チューブ23の間に設けられており、角度センサ31は、屈曲チューブ23と内部チューブ24の間に設けられており、角度センサ32は、内部チューブ24と外部チューブ25の間に設けられている。角度センサは、図2から分かるように、アクチュエータ自体の上に配置すると好都合である。
【0032】
表現されていない有利な変形例によると、角度センサ31と32は、内部および外部アーム上にそれぞれ配置される振り子センサにより置き換えられて、振り子により与えられる垂直に対する傾斜角が与えられる。
【0033】
それぞれのセンサは、実際は、電気制御キャビネット40内に配置されているオートマトン(automaton)である、同じ制御計算機41に接続される。
【0034】
油圧装置42は、アクチュエータの動作に必要な油圧エネルギーをアクチュエータに供給するために設けられている。油圧装置42はオートマトンにより制御される。
【0035】
図2は、本発明による装置の、より特別には図1に表現されている装置の一般的動作の原理を示すブロック図である。
【0036】
ブロック図から分かるように、船積みアームは、比例式制御弁により制御されるアクチュエータ27、28、29を備えている。油圧装置42は、前記比例式制御弁を介して、アクチュエータの動作に必要な油圧エネルギーをアクチュエータに供給する。弁に向かうすべての制御信号を集めるために、ジャンクションボックス(BJ)51が設けられている。
【0037】
アクチュエータアームには、更に、角度センサ30、31、32が備えられ、それぞれはジャンクションボックス(BJ)52に接続されており、角度センサによる信号出力を集める。
【0038】
電気制御キャビネットは、防爆エンビロープ(筐体)43を有しており、キャビネットの中身を、例えば、船積みシステムを介する炭化水素の移送中に、近くで起こり得る偶発的な爆発から保護する。
【0039】
オートマトンは更に、電力継電器を制御して、油圧装置の開始と終了を制御する。油圧装置は、油圧モータまたはジャッキを起動するために油圧流体をポンプにより送り込むように適合されているポンプ(図示せず)を備えている。
【0040】
ユーザ入力インタフェース60により、船積みシステムを制御することが可能になる。例示されている実施の形態においては、このインタフェースは、送信機61が設けられているリモート制御ユニットであり、電気制御キャビネット内のオートマトンに接続されている受信機62と交信する。送信機と受信機は、電波で交信する。変形例として、送信機と受信機は、例えば、赤外線波のような光波で交信する。
【0041】
例示しない変形例によれば、入力インタフェースは、ケーブルによりオートマトンに接続されており、オートマトンと交信する。
【0042】
図2において見ることができるリモート制御ユニットにおいては、オペレータは、「x」軸に沿って船積みアームを動かすための制御器と、「y」軸に沿って動かすための制御器とを有しており、これらの軸は、図1において見ることができる。「x」および「y」軸に沿う動きのための制御器は、制御レバー63の形状の同じ操作部材と組み合わされている。分離制御レバー64は、「z」軸に沿ってアームを動かすことを可能にする。それぞれの制御レバーは、比例式タイプであり、実際は、制御レバーの動きの振幅が、比例式制御弁の、より広いまたは、より狭い開口部という結果になり、アクチュエータにおける、より速いまたは、より遅い速度という結果になることを意味している。
【0043】
例示しない変形例においては、「x」および「z」軸に沿う動きに対する制御器は、同じ制御レバー上に一緒にグループ化されている。分離制御レバーは、アームを「y」軸に沿って動かすことを可能にする。制御器をグループ化して一緒にする他の組み合わせは、当業者の能力範囲であるということは分かるであろう。
【0044】
例示しない別の変形例においては、「x」、「y」、および「z」軸に沿う動きのための制御器は、同じ操作部材上に一緒にグループ化されている。
【0045】
例示しない別の変形例においては、いくつかのアームが同じオートマトンにより制御される。リモート制御ユニット上に設けられるセレクタ(選択機)は、同じオートマトンに連結されている複数の船積みアームを、同じ原理および同じ制御レバーを使用して制御することを可能にする。
【0046】
図3は、機能図において、本発明による、特には、図1と2による制御装置の操作原理を表現している。
【0047】
船積みアームの3箇所の関節接続部それぞれに配置されている角度センサ30、31、2により出力される3つの信号は、オートマトンに送られる。角度データに基づいて、オートマトンは、事前に定義された原点に対する結合器の位置の空間座標(x、y、およびz軸による)を計算する。
【0048】
平行して、オートマトンは、コマンドインタフェース(リモート制御ユニット)において行われたオペレータのコマンド入力に基づいて、x、y、およびz軸に沿う所望のVx、Vy、およびVz速度を計算する。
【0049】
結合器の位置の空間座標と所望の速度に基づいて、オートマトンは、ユーザにより所望された動きを得るために、3箇所の関節接続部において将来必要な角度を計算する。
【0050】
そしてオートマトンは、既に計算された角度を得るために各アクチュエータ27、28、29のそれぞれに加えられる動きを計算して、オペレータによるコマンド入力に従う船積みアームの動きを制御するために各アクチュエータに加えられる出力指令を計算する。
【0051】
実際は、オートマトンは随時、結合器26の空間座標を計算し、ユーザによりコマンド入力インタフェース60が操作されると即座に将来必要な角度を計算する。
【0052】
例示しない別の変形例においては、それ自体知られているように、本発明による制御装置は、結合器を固定または取り外すことを可能にする第4アクチュエータを有している。
【0053】
多数の他の変形例が状況により可能であり、これに関連して、本発明は、記載され、示された例に制限されないということに留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋船積みシステム用の結合器(26)の動きと位置決めのための制御装置(1)であって、
前記海洋船積みシステムは、ベース(21)に固定されているライン端部を有する少なくとも1つの流体移送ラインと、目標ダクトへの接続用に適合されている結合器(26)が設けられている可動ライン端部とを備え、前記システムは、前記ベースに対して少なくとも3自由度を前記結合器が有するように、複数の機械的接続部を更に有しており、
前記制御装置は、
それぞれが自由度(A、B、C)において前記システムの前記動きを比例的に制御する少なくとも3つの比例式制御アクチュエータ(27、28、29)と、
各自由度を追尾する前記システムの位置センサ(30、31、32)と、
前記結合器を動かすコマンドを入力するためのコマンド入力インタフェースと、
前記結合器の瞬間的位置を、前記センサから提供される情報から計算し、前記コマンド入力インタフェース(60)の動きコマンド入力から、前記アクチュエータの組み合わされた動きが、前記コマンド入力インタフェースにおいて前記オペレータにより提供される前記動きコマンドに対応する前記結合器の動きとなるように、前記アクチュエータのそれぞれに与える同時制御指令を計算する計算機(41)と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記コマンド入力インタフェース(60)は少なくとも1つの比例式制御器(63、64)を有しており、それにより、より大きなまたは、より小さな規模で前記比例式制御器に作用すれば、前記アクチュエータ(27、28、29)の少なくとも1つに対してそれぞれ、より大きなまたは、より小さな規模の少なくとも1つの比例制御指令を出すことになり、それぞれ、より速いまたは、より遅い動きの速度での前記結合器の動きを生じるという結果になることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記システムの前記位置センサ(30、31、32)の少なくとも1は、角度センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記比例式制御アクチュエータ(27、28、29)の少なくとも1つは、比例式制御弁と協働する油圧アクチュエータであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記比例式制御アクチュエータ(27、28、29)の少なくとも1つは、比例式制御電気モータであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記コマンド入力インタフェース(60)と前記計算機(41)の間の通信は無線によるものであり、前記コマンド入力インタフェースは、前記計算機(41)に接続されている受信機(62)との無線による交信を行う送信機(61)に接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記コマンド入力インタフェース(60)は、前記3自由度のうちの少なくとも2自由度における前記結合器に動きコマンドを供給するように設計されている少なくとも1つの操作部材(63)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
いくつかの海洋船積みシステムが前記計算機に接続され、前記コマンド入力インタフェースにおいてセレクタが設けられて、選択的に前記計算機に接続されている前記海洋船積みシステムの1つを制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置(1)用のオートマトン(41)であって、
前記オートマンは、各自由度における前記システムの位置センサ(30、31、32)により出力される位置信号を受信し、前記結合器を動かすコマンドを入力するためのコマンド入力インタフェース(60)からの制御信号を受信するための入力部を備えており、
前記オートマンは、前記入力に基づいて、前記アクチュエータ(27、28、29)の組み合わされた動きが、前記コマンド入力インタフェースに対して前記オペレータが提供する前記動きコマンドに対応する前記結合器の動きを結果として生成するように、前記アクチュエータのそれぞれに与える同時制御指令を計算するように構成され、
前記オートマトンは、前記アクチュエータが接続される出力部を備え、
各オートマトンは、前記アクチュエータに対する前記計算された制御指令を前記出力部に適用することを特徴とするオートマトン。
【請求項10】
請求項9に記載のオートマトンのための計算方法であって、
前記位置センサ(30、31、32)により提供される情報に基づいて、事前に定義された原点に対する前記結合器(26)の前記位置の前記空間座標を計算するステップと、
前記コマンド入力インタフェース(60)において行われた前記オペレータによる前記コマンド入力に基づいて、前記船積みシステムの少なくとも3自由度における動きの速度を計算するステップと、
前記結合器の前記位置の前記空間座標と前記所望の速度に基づいて、前記コマンド入力インタフェースにおいて行われた前記コマンド入力に対応する前記船積みシステムの前記動きを制御するために前記アクチュエータのそれぞれに加える出力指令を計算するステップと、を備えることを特徴とする計算方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−515280(P2011−515280A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545567(P2010−545567)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002628
【国際公開番号】WO2009/098540
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(505394208)エフエムセ テクノロジーズ ソシエテ アノニム (9)
【Fターム(参考)】