浄化機構を備えた食品分配器
本発明は、食品送出機構及び浄化機構(700)を含む食品分配器(100)に関する。食品分配機構は、食品源(211)と、そこから食品成分(211a)を受け入れるように食品源(211)と関連した食品導管(600)と、導管(600)からの食品成分(211a)の給仕物を分配するように構成された分配機構(500)とを含む。浄化機構(700)は、食品送出機構に対して浄化動作を実施するための条件下で食品送出機構に浄化関連した流路(987a)に沿って浄化流体を向けるように食品送出機構と関連した浄化導管(800)を含む。所定の条件に基づいて自動的に浄化動作を実施するための制御器(1000)を設けることができる。制御器(1000)、供給機構及び浄化機構(700)は、オペレータからの実質的な介入を伴わずに、一日に複数回の間隔で、給仕物の分配と浄化動作を切り換えるように構成されうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照によって本明細書に全面的に援用されている、2002年12月24日に出願された米国出願第10/328,826号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、食品分配装置に関し、より詳細には、オペレータ入力を低減した、食品分配器の部分の浄化に関する。
【背景技術】
【0003】
食品サービス分野では、濃縮液又はシロップをいくつかの分量の水と混合し、次いでその混合物を要求に応じて分配して、ジュース、コーヒ又は紅茶の如き高温又は低温飲料を再構成する後混合飲料分配器がよく知られている。オン・デマンド調製飲料の組成物に入り込むことが可能である低酸度始動成分の如き微生物に敏感な製品について、深刻な衛生問題が生じうる。ソフト・アイスクリーム給仕機の如き他のタイプの食品分配器は、細菌汚染及び繁殖に容易に影響されうる。
【0004】
例えば、ミルクは、本来、pHが約6.7の比較的安定した比率のタンパク質、脂質及び流体を含む低酸度液である。この配合物は、危険な細菌繁殖の好適な場所を提供する。ミルクは、汚染された水分、ホコリ及び流体等に接触すると急速に劣化しうるため、当該製品の適切な処理及び分配が困難になる。
【0005】
したがって、食品分配器処理液体ミルク・ベース成分は、食品に接触する配管及び機械部品において、それらが適切に浄化されるように、食品残余物を除去し、微生物の繁殖を抑制するための適切な浄化液で定期的且つ完全に浄化することを必要とする。この処理は、手で行うと、極めて面倒で、時間がかかり、人件費が高くなる。洗浄処理には、機械の主たる機能部品を解体し、再度組み立てることが必要である。例えば、カプチーノ送出機又は視覚的ボウル分配器を適切に洗浄するのに必要な従業員労働には、一日に平均で30分間を要する。また、浄化処理における見落とし又は誤りは、飲料の品質に影響を与えるだけでなく、深刻な衛生上の危険をもたらすおそれがある。
【0006】
米国特許第6,287,515号(Koosman他)は、現場洗浄(「CIP」)食品飲料自動分配機のための浄化及び消毒組立品に関する。該組立品は、少なくとも1つの水ラインと、少なくとも1つの水ラインからの水を調整するための少なくとも1つの消毒剤を導入するための少なくとも1つの消毒剤ラインとを含む。少なくとも1つの消毒剤は、空気フィルタ/ドライヤで濾過、乾燥され、次いで空気流動装置において水に加えられる空気からオゾン生成器によって生成されたオゾンであってもよい。典型的には、消毒水は、通常は食品混合物を含むタンクを通じて分配機に導入される。消毒水は、各液溜の頂部を横切る洗浄管又はスプレー・ノズルを通じてタンク内に分散される。タンクに接触することが必要になった場合は、洗浄管とスプレー・ノズルの両方をタンクから取り外すことができる。洗浄管及びスプレー・ノズルを覆うカバーは、消毒水の跳ねかけを防ぐ。消毒水は、タンクから、分配機全体を通って自己洗浄食品飲料接触面に進む。しかし、このようなシステムを備えたオゾン生成器を使用することには、いくつかの短所がある。オゾン生成器は、高価でかさばる傾向がある。また、米国環境保護局は、空気中のオゾン濃度に厳しい制限を設けている。オゾンを吸い込むと肺を損なう可能性がある。したがって、水を純化するために使用されるオゾン装置は、オゾンが水から放出されて、分配器を囲む空気中に高い局所的オゾン濃度が生成されることを防ぐ必要がある。オゾン生成器は、酸素からオゾンを生成するために、通常はコロナ放電の使用に依存するため、高電圧生成をも必要とする。その結果、高電圧の使用による安全性の問題も生じる。ときには、純化されたオゾン源も必要とされる。さらに、オゾンは極めて反応性が高いため、水中で保存されることができず、システムによって要求に応じて生成されなければならない。
【0007】
米国特許第6,240,952号(Schroeder)は、実質的に従来の無菌製品源及び実質的に従来の製品分配器に流体連通して挿入された衛生接続組立品を含む無菌製品分配システムに関する。衛生接続部に自動洗浄システムを設けることにより、加圧ガス、洗浄流体及び/又は消毒液の組合せを衛生接続組立品に注入し、その後そこから排出する。選択された流体を衛生接続部、及び分配器全体に選択的に送出するために、制御器が各流体源に接続されている。次いで、選択された流体は、分配器の終端弁を通じて排出される。洗浄プロトコルは、まず水が循環させられ、次いで消毒液が循環させられ、浸漬サイクルに一定時間維持されるようなものである。最後に、加圧ガスが循環させられ、システムに残留する水及び/又は消毒液を分配弁まで移動させる。この現場洗浄システムは、消毒/洗浄ラインの数、及びそれらのラインに対応する同数の消毒/洗浄源の数により、扱いにくく、複雑である。したがって、このシステムは、さらに、外部に設置され、従来的な分配器に接続されるように構成される。また、そのシステムは、消毒剤が分配器を流れ、分配弁を通じて排出されるという意味で、極めて多くの消毒剤を消費するものである。分配器を流れる消毒剤の量を減少させるために、洗浄プロトコルは、消毒剤がシステム内に一定時間残留する浸漬サイクルを規定している。しかし、効果的にするために、数時間にわたって浸漬が維持されなければならず、それは、全洗浄プロトコルは夜通し実施されてはじめて可能なことを意味する。
【0008】
当該技術分野で知られている食品分配器の消毒は、典型的には、完了するのに多大な時間をとる。一日の特定時間においてのみ一般に商業的に実用可能な従来の食品分配器では、洗浄液を加熱するための時間を含む全水洗洗浄サイクルは、20分から1時間以上の時間をとることになる。衛生的に敏感な製品のような特定の製品を分配するには、より頻度の高い洗浄が必要である。例えば、微生物の繁殖率は、半時間毎にその数を倍増させ、数時間のうちに不健康な微生物数になる可能性がある。化学消毒剤は、流路、及び洗浄すべきすべての表面とくまなく接触することが必要である。
【0009】
「Machine for the treatment and/or the preservation of beverage or liquid or pasty food mixes」という名称の欧州特許第0245641号には、分配製品が分配器ノズルを出る、すなわち外部環境に接触する時点で、食品/飲料分配器を「無菌」状態に維持することができるシステムが記載されている。
【0010】
同様に、「Cleaning Conduits, Especially in Milk Vending Machines」という名称の英国特許第2367105号には、次の洗浄を自動的に開始するために、最後の洗浄動作後の時間、体積又は分配数を監視する制御システムが詳述されている。しかし、このシステムは、ミルクが排出管に接触するだけでなく、混合ボウル、ホイッパ及びノズルを含むはるかに蛇行性の強い流路に接触する後混合飲料分配器に適合するように設計されていない。英国特許第2367105号では、後混合分配器には実用的でない、消毒を目的とした紫外線の併用も推奨されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、分配器の衛生状態を保証する、知られているシステムより便利で、手間と時間のかからない現場洗浄システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、食品送出機構と、浄化機構と、制御器とを含む自動食品分配器に関する。食品送出機構は、食品又は食品成分を受け取るように構成された食品源と、食品源に関連して食品又は食品成分をそこから受け取るための食品導管と、分配路に沿って導管からの食品又は食品成分の給仕物を分配するように構成された分配機構とを含む。浄化機構は、分配路の少なくとも一部分に対して浄化動作を実施するための条件下で、食品送出機構と浄化関連された浄化流路に沿って浄化流体を向けるための、食品送出機構に関連した浄化導管を含む。制御器は、所定の条件に応じて、分配路の部分を自動的に浄化するように浄化機構を作動させるために、浄化機構に動作可能に関連される。制御器、送出機構及び浄化機構は、オペレータによる実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で、給仕物の分配と浄化動作を切り換えるように構成される。
【0013】
本発明のさらなる態様に従って、送出機構を実質的に中断することなく浄化動作を実施するように浄化機構を構成することが可能である。好ましくは、浄化動作は、約10分から約20分の時間を有する。
【0014】
本発明の他の態様に従って、オペレータ報知器をさらに含み、制御器は、報知器がオペレータに浄化動作を作動させることを促すように、報知器に動作関連した分配器が提供される。該分配器は、タイマ及びセンサの少なくとも一方を含むこともでき、タイマは、浄化動作の間隔を計時するように構成され、制御器は、タイマ及びセンサの少なくとも一方から受け取った情報に基づいて浄化機構を作動するためにタイマ及びセンサの少なくとも一方関連している。
【0015】
本発明のさらなる態様によれば、浄化動作は、高温水による消毒動作を含む。本発明のこの態様によれば、消毒動作は、所定の時刻に75℃と95℃の間の温度の水を自動的に送出するように構成される。
【0016】
本発明の他の態様によれば、浄化機構は、互いに異なる第1及び第2の浄化動作を実施するように構成されうる。制御器は、第1及び第2の浄化動作を選択的に実施するように浄化機構を自動的に動作させるように構成されうる。第1の浄化動作は、消毒動作を含むことが可能で、第2の浄化動作は、洗浄及び消毒動作を含むことが可能である。さらに、第1の浄化動作は洗浄動作で、第2の浄化動作は消毒動作でありうる。制御器は、第1の浄化動作を一日数回実施するように構成されうる。浄化機構は、(i)洗剤、(ii)苛性物質及び(iii)酸性物質の少なくとも1つを含む浄化流体を使用する第1の浄化動作、並びに高温水を使用する第2の浄化動作を実施するように構成されうる。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、分配器は、個々の消費に応じてサイズ設定される約10以下の給仕物を同時に分配するように構成されうる。分配器は、単一の給仕物を同時に分配するように構成されることも可能である。
【0018】
本発明のさらなる態様によれば、浄化機構は、浄化流体を浄化流路に再循環させるように構成されうる。分配器は、浄化流体を浄化流路に再循環させながら浄化流体を加熱するように構成された加熱装置をさらに含むことも可能である。浄化機構は、浄化流体の体積を保持するように構成された浄化流路と流体連通する液溜を含むことも可能である。
【0019】
本発明の他の態様によれば、制御器は、送出機構の一部分を消毒するために、所定の間隔で浄化機構を作動させるように構成されうる。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、分配器は、食品源と、食品導管と、分配機構と、浄化機構とを収容する分配器筐体をさらに含むことが可能である。したがって、分配器は、オペレータが、分配又は浄化動作を実施するために、外部の食品又は洗浄液源を接続する必要がなくなるように構成されうる。
【0021】
本発明のさらに他の態様に従って、浄化機構が食品導管及び分配路に動作関連して、食品導管、分配機構及び浄化機構の各々を浄化することが可能である。
【0022】
本発明は、また、食品分配器を動作させるための方法に関する。該方法は、分配路に沿って食品送出機構から食品又は食品成分の給仕物を分配すること、分配路の少なくとも一部に対して浄化動作を実施するために、食品送出機構と動作可能に関連している浄化流路に沿って浄化流体を向けること、及びオペレータの実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で、食品又は食品成分の分配と浄化動作の実施とを切り換えることを含む。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、浄化流体は、浄化流路の一部を消毒するために浄化流路に沿って向けられる水を含むことが可能である。水は、流路に沿う流れを生じるために、約0.2m/sと約2.0m/sの間の平均流速で向けられうる。さらに、水は、約75℃と約95℃の間の温度で向けられうる。浄化流体は、約10分から約12時間に一度向けられうる。さらに、水は、約30秒から約30分間にわたって向けられうる。
【0024】
本発明の他の態様によれば、第1の浄化動作を第1の間隔で複数回実施してから、第2の異なる浄化動作を第2の間隔で実施する。該方法は、浄化流体を浄化流路内で加熱することをさらに含むことが可能である。
【0025】
本発明のさらに他の態様によれば、該方法は、浄化動作が始まるときを制御器・装置によって自動的に決定すること、及び浄化開始信号を送信して、浄化動作を開始することをさらに含むことができる。浄化開始信号は、浄化動作を自動的に開始することができる及び/又は浄化動作を作動させるようオペレータに通知することができる。
【0026】
先述の全般的な説明、及び以下の詳細な説明は例示的なもので、請求対象の発明のさらなる説明を提供することを意図したものであることが理解されるべきである。
【0027】
本発明のシステム、方法及び機械読取り可能プログラムを例示し、その理解をさらに深めるために、本明細書に組み込まれ、その構成部分をなす添付の図面が含められている。図面は、記述と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【実施例】
【0028】
次に、その一例が図面に示されている本発明の現在の好ましい実施例について詳細に述べる。ここに示す装置は、液体又は粉末ベースの食品を分配するのに特に適している。「食品」という用語は、飲料、デザート・トッピング、並びに日配及び非日配製品などを含むが、それらに限定されない、分配器によって分配することが可能な固体又は液体の形態のあらゆる可食物を包括する。本発明は、食品流路内でのミルク・ベース食品の劣化を回避するのに役立つことができるプログラム可能自己洗浄機構を含むため、ミルク・ベース液体食品の混合及び分配に特に適している。本発明は、また、ミルク又は液体ミルク・ベース濃縮液、並びにデザート・トッピング等の他の食品を使用する飲料分配器の自動洗浄に関する。特に、所定の周波数、時間及び温度で分配器を循環しているときに当該装置を消毒するのに高温水を使用することが可能である。さらに、本発明のいくつかの実施例では、冷凍製品の分配などに冷凍を用いることができるが、非冷凍製品を分配することも可能である。
【0029】
濃縮液サプライから供給された化学洗浄濃縮液と、水サプライから供給された水とを混合して、浄化流体として使用される化学洗浄剤を生成することによって、分配器内に浄化流体の供給を生成することが可能である。本明細書に用いられるように、「浄化」という用語は、一般には、流路を洗浄、水洗又は消毒するのに使用する流体を包括し、広義には、異なる浄化剤を使用する多くの異なるタイプの洗浄及び消毒処理を包括することを意図する。洗浄とは、一般には流路の汚れを除去することを意味するのに対して、消毒とは、一般には、胞子量を含む微生物量の低減を意味する。
【0030】
出願人は、直接的な実験を通じて、設定された時間にわたって、予め選定された温度で、浄化機構によって、一定条件下において所定の間隔で循環される浄化流体、特には消毒液として高温水を使用することにより、微生物の繁殖を低減できることを見いだした。また、浄化機構は、場合によって、浄化剤の干渉容量を受け取るように構成された液溜と、液溜と関連し、流体を液溜から流路を循環させ、液溜に戻すように構成されたループ・ラインと、流体を除去するために該組立品に関連されたドレインとを含むことが可能である。
【0031】
好ましくは、浄化機構は、送出機構を実質的に中断することなく浄化動作を実施するように構成される。例えば、日常の業務時間中は、業務時間中に10から20分間より長く分配を中断するのは望ましくないため、浄化機構は、10から20分間より長く機械の動作を中断しないのが好ましい。より好ましくは、浄化機構は、わずか5から15分間、又はさらにより好ましくは30秒から7分間にわたって動作する。したがって、送出機構の実質的な中断を回避することができる。
【0032】
緩衝液溜に加えて、又はその代わりに、本発明では、流路内のインライン加熱器(図18に示される加熱装置990等)を使用して、少量の水又は他の浄化流体を連続的に加熱再循環させることも可能である。液溜を除くことができるため、食品分配器の設計をより小さくし、それに伴ってコストを節約できる。水サプライからの水をある温度でヒータにより加熱し、消毒効果を提供するのに有効な間隔及び時間にわたって循環させることによって、浄化流体を生成することができる。いずれにせよ、浄化流体は、流路上又は流路中を流動しながら流路を洗浄する。
【0033】
さらに、浄化処理を制御するために制御器を使用することが可能である。制御器は、一般には、タイマ又は他の周期的作動装置を含むことになる。分配器は、制御パネルを含むことができ、中央制御器の如き制御器は、ユーザの要望に応じて全洗浄動作を実行するようにプログラム化されうる。代替的又は追加的に、中央制御器は、一洗浄サイクルの浄化流体を流路に時間制御送出した後に、少なくとも一消毒サイクルの浄化流体を流路に時間制御送出することを自動的に実行するようにプログラム化されうる。
【0034】
水以外の浄化流体を使用することが望まれる場合は、分配器は、浄化流体濃縮物を含む除去可能容器の如き浄化流体源を含むことが可能である。浄化流体源は、流路において、浄化濃縮液を送出し、場合によってその量を計量するように制御器によって制御される遮断弁に接続されるのが好ましい。この濃縮液は液溜を使用せずに循環されてよく、或いは流路を浄化するための洗浄剤を調製するための液溜を介して循環されてもよい。
【0035】
浄化流体の循環は、ユーザの要望に応じて、又は所定の時間間隔で自動的に、分配器を使用しない周期的な間隔で自動的に実施されうる。望まれるならば、浄化流体を循環させる前に、流路を予備洗浄することができる。また、流路の一部分を、流路の残りの部分が浄化流体を受け取ることができるように閉鎖することが可能である。
【0036】
本発明のさらなる態様によれば、流路を介して浄化流体をループ形で再循環させるように装置を制御するための命令をさらに含む機械読取り可能プログラムが提供される。浄化流体は、例えば、制御器によって制御されるポンプ、又はより高圧の液体を流体ループに導入することによって流れを流体ループに向けることが可能な弁マニホールドによって再循環されうる。場合によって、循環浄化流体を分配器から定期的に排出し、廃棄するように分配器のいくつかの部分を設けることができる。当該部分は、例えば、液溜の重力又は圧力被動除液を可能にするように制御器によって選択的に開放できるドレイン・ライン内に配置されるソレノイド動作弁を含むことが可能である。
【0037】
代替的又は追加的に、混合ボウルを洗浄するために、分配器内の混合ボウルに及び混合ボウルの下流に配置された流路に浄化流体を向けるための装置も設けられてよい。当該装置は、例えば、制御器によって選択的に開閉することが可能なソレノイド動作弁を含む弁マニホールドを含むことができ、マニホールドは、水、又は洗浄濃縮液を含む水をベースとした溶液を混合ボウル、又は混合ボウルの下流の流路の部分に向けるように選択的に構成されてよい。
【0038】
さらに本発明によれば、制御器内等に機械読取り可能プログラムが提供されてよい。制御器は、浄化機構を使用して、浄化流体をオーバーフローするまで混合ボウルに充填することによって混合ボウルを浄化するように機械読取り可能プログラムにより構成されうる。浄化装置は、混合ボウルをオーバーフロー状態になるまで満たすように制御器により制御されうるソレノイド作動弁マニホールドを含むことが可能である。ボウルからオーバーフローする流体を回収するための装置は、例えば、ドレイン・ラインに接続される、混合ボウルを囲むスカートを含むことが可能である。回収された流体を選択的に液溜に向けるための装置は、弁を選択的に開閉させ、及び/又はポンプを駆動して、回収された流体を緩衝液溜、及び/又は回収された流体を分配器から除去するためのドレインに向けるように構成される制御器によって制御されたソレノイド作動弁マニホールドを含むことが可能である。
【0039】
追加的又は代替的に、機械読取り可能プログラムは、浄化流体を、分配器を使用しない周期的な間隔で、又はユーザの要望に応じて循環させるように浄化機構を自動的に動作させるようにさらに構成されうる。
【0040】
限定ではなく、説明及び例示を目的として、本発明による該装置の代表的な実施例が図1に示されており、全体的に参照記号100で指定されている。ここでは特定の食品分配器が示されているが、本発明は、システムを定期的に浄化して、それを維持することが望まれる実質的に任意の構成の食品分配器に適用可能である。当該分配器としては、ジュース、飲用ヨーグルト及びデザート・トッピング等の食品を分配するように構成された分配器を挙げることができる。
【0041】
本発明に従って、自動食品分配器は、ミルク・ベース流体の液溜の如き食品源からのミルク・ベース流体の如き食品の供給を確立するように構成されるインターフェース接続部と、ミルク・ベース流体を受け取り、ミルク・ベース製品を調製するように構成された混合装置と、混合装置と流体関連して、ミルク・ベース製品を分配するノズルと、ミルク・ベース製品を、インターフェース接続部から混合装置を通じてノズルに流れるように向けるように構成された流路と、分配器内に配置され、浄化流体のサプライと、浄化流体を流路に又は流路を通じて送出するように構成される流路とを含む浄化機構とを備える。
【0042】
分配器100は、ミルク・ベース流体の液溜211の如き食品源からのミルク・ベース流体211aの供給を確立するように構成されるインターフェース接続部233と、ミルク・ベース流体211aを受け取り、ミルク・ベース製品を調製するように構成された混合装置400と、混合装置400と流体関連して、ミルク・ベース製品を分配するノズル500と、ミルク・ベース製品を、インターフェース接続部233から混合装置400を通じてノズル500の如き分配機構に流れるように向けるように構成された食品導管又は流路600と、分配器100内に配置され、浄化流体のサプライ987aと、浄化流体を流路600に送るか又は流路600に通すように構成される流路800とを含む浄化機構700とを含む。浄化機構700は、少なくとも部分的又は完全に分配器100の筐体1500内に収容される(図3参照)。さらにより好ましくは、浄化動作を実施するために、外部の洗浄流体源(例えば洗剤)を分配器100に接続することが必ずしも必要ではない。
【0043】
上記特徴の各々を以下にさらに詳細に説明し、その後、製品の調製及び送出、並びに装置の自己洗浄動作のいくつかの代表的な形態を含めて装置全体について説明する。
【0044】
図2は、インターフェース接続部233、及びそれと関連した構造体を示す図である。インターフェース接続部233は、ミルク・ベース流体の液溜211から分配ライン620へのミルク・ベース流体211aの供給を確立するように構成される。マニホールド230は、マニホールド230に着脱可能に取りつけられる使い捨て小組立品又は容器組立品210を含む。マニホールド230は、容器組立品210から分配ライン620への飲料又は食品の流体接続を確立するためのインターフェース接続部233を有する筐体232を備える。マニホールド・システムは、浄化流体によって横切られ、フラッシング・ライン235を介してフラッシングされるように構成される。浄化流体は、高温水820又は低温水810、化学剤、蒸気、及びそれらの組合せを包括してよい。例えば、フラッシング・ライン235を浄化流体源に流体連通することができ(図1参照)、プログラム可能制御器1000によって制御される弁を選択的に開閉することによって、浄化流体を選択的にフラッシング・ライン235に送ることが可能である。
【0045】
本実施例では、ミルク・ベース流体を分配するように描かれているが、他の実施例は他の製品を分配することが可能である。例えば、ミルク・ベース飲料、並びに日配をベースとしたデザートなどの微生物に敏感な他の食品を含む他のタイプの食品を分配することもできる。微生物に敏感な他の食品も分配器100を使用して分配することが可能である。さらに、食品は、濃縮形態、並びに即席使用(すなわち非濃縮)形態で提供されうる。液体及び粉末濃縮形態の如き様々な濃縮形態を用いることが可能である。
【0046】
容器組立品210は、好ましくは、食品を収容するパッケージ又は液溜211と、装備品300によって終端するホース212とを含む。パッケージ又は液溜211は、典型的には、バッグ・イン・ボックス型パッケージ、又は輸送及び保管が容易で便利な任意の同様の使い捨て軟質パッケージであってもよい。しかし、オペレータが充填できる受容ビンの如き他の選択肢も可能である。ホース212は、好ましくは、パッケージ・ポート215に直接シール又はクランピングされ、パッケージ材料とのシールに対応可能な材料で構成されうる。好ましくは、充填前に、放射線などによって、容器組立品210をその膜350と共に滅菌することができる。液体食品の充填は、無菌で行われる。無菌充填は、パッケージそのものに設けられた充填ポート又は開口によって、或いは後に適切にシールされるホースに取りつけられた装備品300を充填することによって実施されうる。したがって、当該容器組立品210を、膜350を破壊するか、或いは剥がすまで無菌状態に維持することができ、それは、冷凍を必要とせずに、外気温で容器組立品210を輸送し、保管し、分配ユニットに装填するのに有益性を提供する。当該軟質の液溜及びホース組立品は、その内容が参照により本明細書に明確に援用されている、「Dispenser System」という名称の米国特許第6,024,252号(Clyde)にさらに詳細に記載されている。
【0047】
容器組立品210は、マニホールド・システム230に接続され、その装備品300は、インターフェース接続部233に接続され、ホース212は、ピンチ弁260、又はホース212及びパッケージ又は液溜211の上流部分212aを無菌状態に維持することが可能な同様の構造体に係合される。分配ライン620への製品の流れの制御を保証するために、弁216のような追加的な弁及びポンプ203が通常設けられる(図1参照)。マニホールド230は、本発明の端末装備品300に便宜的且つ取外し可能に相補的に係合する保持手段を備える。結合手段236の構成は、インターフェース接続部233に固定される装備品のタイプ及び形状に応じて大きく変動しうる。結合手段は、容器組立品210とマニホールド230の分配ライン620との間に確実でしっかりした流体連通を確立するために、インターフェース接続部233に防水接続部を提供できなければならない。好ましくは、装備品300を弾力的にインターフェース接続部233に押しつける装備品300の結合手段236に係合するように構成されたばね装填保持システム237が設けられる。装備品300とマニホールド・システム230の間の接続をカム又はレバー型機構の如き任意の他の同等の手段によって実施しても、本発明の主旨を逸脱することなく、実質的に同じ結果を与えることが可能であることは明らかである。
【0048】
洗浄モードにおいて、マニホールド・システム230は、容器組立品のこの部分を規則的に浄化するように、装備品300内の浄化流体をピンチ点266まで向けることが可能である。当該構成において、ピンチ弁260は、容器組立品210の上流部を隔離及び無菌状態に維持する。重要なことは、装備品300の構造を短くすることで、浄化を必要とするホース212の下流部分212bを効果的に小さくすることが可能であることを容易に理解できる。装備品300は、また、流体との接触が短い環状の内面に沿うものに限定されるため、微生物が住みつく可能性を極めて小さくする。したがって、分配された食品の衛生状態を順調に向上させることができ、細菌汚染及び繁殖の危険性がそれに応じて低減される。その結果、比較的低い水分活性を有するミルク濃縮液の如き低酸度濃縮液を収容する無菌処理容器を、容器を冷凍することなく、分配ユニットにおいて外気温で分配することが可能になる。
【0049】
本発明に従って、食品を受け取り、例えばミルク・ベース製品を調製するように構成された混合装置をさらに備える自動食品分配器が提供される。
【0050】
図1及び図3は、本発明による混合装置400を示す図である。本発明の本実施例を使用するに際して、オペレータは、装置の指令パネル1100から所望の飲料、例えばカプチーノを選択する。このユーザ入力に応じて、電子制御器1000は、ミルク・ベース飲料の調製処理を開始し、本明細書に記載されている分配器100装置の異なる部分を動作させる。上述したように、ミルク・ベース流体211aの如き食品の液溜211からの流れを、マニホールド230を介して供給することが可能である。ポンプ203、好ましくは、蠕動ポンプは、ミルク・ベース流体211aを、ピンチ弁260を通って、ホイッパ409に接続される混合ボウル406に送るための圧力を提供することが可能である。
【0051】
混合ボウル406及びホイッパ409は、混合装置400の一部である。ミルク・ベース流体211aが混合ボウル406に流れる間に、高温水供給弁950が開放されて、高温水820の高温水タンク751から、高温水820とミルク・ベース流体211aが混合を開始する混合ボウル406への流れを開始する。混合ボウル406は、高温水820とミルク・ベース流体211aとの配合物を混合するように作動される。次いで、再構成された高温のミルク混合物211bは、ボウル406から、ホイッパ409、そして分配ノズル500を通って、分配部418で受け取られるカップ516の如き受器へ流入する。この工程は、所定の期間にわたって行われて、飲料の個別的な給仕物を調製するための適量の高温水820及びミルク・ベース流体211aを達成する。この期間の後で、ポンプ203が停止される。分配部418は、好ましくは、飲用カップ又はグラスを受け入れ、ノズルを飲料面から約10cm未満の高さに位置づけるように寸法設定されるが、他の実施例では他の距離が採用される。
【0052】
所定の遅れ、好ましくは約1秒間の遅れの後に、ホイッパ409が遮断され、コーヒ濃縮液を、好ましくは管理された適量で、コーヒ容器412から混合ボウル406に送出するためにコーヒ・ポンプ411がオンにされる。或いは、要請された飲料製品がホット・チョコレート飲料である場合は、チョコレート容器412aからチョコレート濃縮液をサンプリングするために、ポンプ411aがオンにされる。容器412及び412aは、液溜211と同じ又は類似の種類の構造、例えば機密密封された取外し可能なパウチであるが、他の実施例では互いに全く異なっていてもよい。コーヒ及び高温水820は、混合ボウル406に流入し、ホイッパ409、そしてノズル500を通って、所定時間にわたって、選択された速度でカップ516に流入して、所望の適量のコーヒ及び高温水を達成する。コーヒの適量が達成された後に、コーヒ・ポンプ411がオフにされる。ここでは、ポンプで送出された液体濃縮物が具体化されているが、オーガ・ビット等の適切な機構によって送出される粉末濃縮物が使用されてもよい。さらに、分配器100を使用して、2つ又はそれ以上の食品を混合して、濃縮又は即席使用形態で分配することが可能である。
【0053】
さらに本発明に従って、混合装置と流体関連したノズルを利用して、食品を分配する自動食品分配器が提供される。図3に示されるように、分配ノズル500が設けられる。好ましくは、ノズル500は、自己洗浄が可能である。図4を参照すれば、ノズル500は、全体的に円筒形の胴体508を有する。胴体508は、中間部508aと、それぞれ中間部508aの直径より小さい直径を有する2つの末端部508b及び508cとを備える。胴体508には、胴体508の中心で縦に延びる貫通導管550が設けられている。導管550は、ノズル・ヘッド512が接続される第1の末端部分551と、導管を介して液体送給ラインに接続されることになる第2の末端部分552とを備える。本実施例では、ノズル・ヘッド512は、胴体508の部分508bの自由端にねじ止めされ、コネクタ514が、部分508cの自由端に固定される。ノズル・ヘッド512は、導管510に接続された第1の部分509aと、外側に開いた第2の部分509bとを有し、傾斜シリンダ513がねじ止めされている直角のチャネル屈曲部を備える。傾斜シリンダ513は、チャネル509の部分509bによって、その形状が流体噴射の形状を決定づける環状の流体又は飲料口518の範囲を定める。図4に示される例では、噴射は、点線で示される円錐Cの形状を有する。したがって、コネクタ514は、流体又は飲料入口516を定め、流体又は飲料開口518は、流体又は飲料出口を定める。
【0054】
ノズル・ヘッド512を胴体508にねじ止めし、傾斜シリンダ513をノズル・ヘッド512にねじ止めすることで、これらの要素を容易に交換し、有利には分配ノズル500を柔軟にすることが可能になることが注目される。特に、分配ノズル500は、飲料出口518に対する異なるサイズ、又は異なる噴射形状を必要とする飲料に迅速且つ容易に適応されうる。分配ノズル500は、両端が開いた円筒状スリーブの全体形状を有するコレクタ部材520をさらに備える。収集スリーブ520は、収束する平頭の前部520bによって拡張された円筒状の後部520aを有する。スリーブ520は、ブラケット506a及び506bに固定されている。示されている例では、スリーブ520は、前記スリーブ部分の壁の厚さで縦に延びる複数のねじ522によって互いに接続された2つの部分で構成される。胴体508及びノズル・ヘッド512は、スリーブ520の内側を軸方向に案内され、滑動する。
【0055】
より厳密には、胴体508及びノズル・ヘッド512は、ノズル・ヘッド512がスリーブ520から解放される、すなわち飲料を受器Rに分配できるようにスリーブ520の外側にくる、図4に示される分配位置と呼ばれる第1の位置と、スリーブ520の少なくとも一部が飲料出口518の前方に配置されて、飲料出口518から出る洗浄流体984aを収集する、図5に示される洗浄位置と呼ばれる第2の位置との間をスリーブ520に対して相対的に移動可能である。
【0056】
分配位置では、ノズル・ヘッド512はスリーブ520の前部520bから突出し、図4の太線で表される、導管550を介して到達する飲料Bは、ノズル・ヘッド512の飲料出口518を通じて、飲料出口518の下に配置された受器R内に分配されうる。
【0057】
洗浄位置では、スリーブ520の内壁524は、胴体508の外面526と共に、ノズル・ヘッド512、特には飲料出口518が収容される洗浄室528を定める。洗浄室528は、スリーブ520の内壁に配置されたドレイン開口530を介して外部と連通する。具体的な場合に応じて、ドレイン開口530は、タンク及びポンプ装置を介する閉鎖回路における循環に洗浄流体を戻すことを可能にするために、下水システム(不図示)又は再生タンク(CIPタンク980等、図1を参照)に接続される。2つの密封ガスケット、すなわち前部ガスケット532及び後部ガスケット534が、飲料出口518の両側に配置され、洗浄室528を密封する働きをする。
【0058】
好ましくは、前部ガスケット532は、密封ジョイントによって形成され、スリーブ520の前部開口の周囲の平頭部520bの前面536と、ノズル・ヘッド512の前部に設けられたカラー540によって定められる相補面538との間に配置される。
【0059】
カラー540は、分配ノズル500が、分配位置にあっても洗浄位置にあってもスリーブ520の外側に配置されることが注目される。前面536及び相補面538は、洗浄位置での洗浄室528の適正な密封を保証するために、平面であるのが好ましいことが注目される。後部ガスケット534は、スリーブ520の内壁524の円筒形部分と、胴体508の中央部508aとの間に配置された密封ジョイントによって形成される。典型的には、前部密封ガスケット532はOリング型のジョイントで、後部密封ガスケット534はリップ・シール型のジョイントである。洗浄位置では、洗浄室528を防水状態にするために、カラー540が前面536に当接するように、胴体508が移動される。
【0060】
したがって、水に加えて、又は水以外の浄化流体を使用する場合は、導管550を流れる、図5の太線で表された洗剤含有流体又は浄化液984aがノズル・ヘッド512の導管509に向けられ、次いで洗浄室528に向けられ、出口530を流れる前にノズル・ヘッド512の周囲でドレイン開口又は再生タンクに向けられることができる。水以外の適切な浄化媒体としては、とりわけ洗剤、苛性及び酸性溶液、蒸気、ホルムアルデヒド、オゾン、高温水及び紫外線等が挙げられる。
【0061】
スリーブ520と胴体508の間の相対的な移動を保証するために、胴体508は、基板504に固定された作動手段542に接続される。好ましくは、作動手段542は、戻しばね545に関連したソレノイド電磁アクチュエータ544で形成される。アクチュエータ544のロッド546は、胴体508の部分508aに固定され、戻しばね545は、胴体508とアクチュエータ544の間のロッド546の周囲に配置される。
【0062】
したがって、制御器1000から発生する制御信号(例えば図3を参照)に応答して、作動手段542は、分配ノズル500を自動的にその分配及び洗浄位置に移動させることを可能にする。より具体的には、アクチュエータ544に信号が存在しない場合は、ソレノイドは不活性化され、戻しばね545は、胴体508が、矢印F1の方向で、分配装置100を図4に示される分配位置に移動させるようにする。アクチュエータ544に信号が存在する場合は、ソレノイド電磁アクチュエータ544は活性化され、胴体508が、矢印F2の方向で、分配装置100を図5に示される洗浄位置に移動させるようにする傾向がある。並進移動がスリーブ520に対して胴体508を押しつけるのを可能にするのであれば、任意の他のタイプのアクチュエータを使用できることは言うまでもない。例として、電磁アクチュエータ544を歯車付きの駆動装置又は電気アクチュエータに代えることを想定することが可能である。
【0063】
そのすべてが参照により本明細書に援用されている、2002年10月11日に出願された「FLUID DISPENSING DEVICE WITH SELF−CLEANING NOZZLE AND METHODS OF USE」という名称の同時係属米国特許出願第10/133,126号(Peter W.Carhuff他)には、自己洗浄ノズルに関するさらなる詳細が記載されている。
【0064】
ここでは、上記の作動可能ノズルについて説明したが、本発明の代替的な実施例では通常のノズルを使用することも可能である。当該ノズルは、浄化流体をそこに向けることによる浄化動作で浄化されうる。この代替的な実施例によれば、例えば、浄化動作時にオペレータが管をノズルに取りつけることによって、浄化用再循環ループが確立されうる。このように、分配ノズルは、浄化機構700と選択的に流体連通して配置されるように構成されうる。
【0065】
本発明の他の態様によれば、図1及び図3を参照すると、調理に必要とされる高温水820の残りを送出するための小さな遅れの後に、高温水供給弁950がオフにされる。食品(例えばミルク・ベース流体211a及びコーヒ)が加えられた後の高温水820の残りには、ホイッパ・ボウル406及びホイッパ409における食品の残りのほとんどをシステムからカップ516に回収できる利点がある。
【0066】
次いで、以下に説明するように、注水弁413が好ましくは数秒間にわたってオンにされて、水810を噴霧ノズル414に供給して、カップ516において調製されたカプチーノ飲料の頂部の泡に水810を吹きつける。コーヒ分配の実施例では、この噴霧相は、泡の最上層から茶色のコーヒ材料を洗って、カプチーノの発泡トッピングの上層を漂白する。それは、また、より大きい気泡を破壊し、泡を湿らせて、発泡構造を精製し、発泡トッピングに泡及びクリーム状の外観を与え、その外観のクリーム性及び均一性を高める。
【0067】
泡層の適切な噴霧を完遂し、泡の良好な漂白及び外観を達成するためには、水滴のサイズに注意すべきである。好適な水滴サイズは、ノズル口のサイズと、ノズル口の設計と、噴霧ノズルに供給される水810の圧力との組合せによって得られる。ノズル414は、好ましくは約0.1mmから約1mm、より好ましくは0.50mmから0.85mm、最も好ましくは0.7mmから0.8mmのサイズの口を有する。0.762mmのサイズの口を有するノズルで最適な結果が得られた。
【0068】
ノズル414は、好ましくは、泡の表面の収束構成に水滴を分布させるように動作する。収束構成は、真直構成と比較してより小さい水滴を与え、表面に凹部を形成することなく泡に対する広範且つ均一な洗浄効果を形成することが証明されているが、真直又は他の構成を代替的に用いることが可能である。ノズル414は、好ましくは、約45度から約60度、より好ましくは約50度から約55度の範囲の収束噴霧角を形成するように構成された先細の口を有する。
【0069】
その全体が参照により本明細書に援用されている、2002年10月11日に出願された「FROTH SHOWERING」という名称の同時係属米国特許出願第10/268,777号(Peter W.Carhuff他)には、散水を用いて泡を処理するための材料及び方法に関するさらなる詳細が記載されている。
【0070】
さらに本発明に従って、食品を、インターフェース接続部から混合装置を通ってノズルに流れるように向けるように構成された流路をさらに備える自動食品分配器が提供される。
【0071】
ここに具体化されているように、図1及び図2を具体的に参照すると、本発明の分配装置100は、液溜211と流対連通するように挿入されたマニホールド230と、上述した混合装置400、送出導管710及びノズル500に到達することが可能な下流分配ライン620とを全体的に含むことが示されている。
【0072】
ここに具体化されているように、流路500は、食品が横切る任意の流路、並びに浄化流体が横切る任意の流路を含む。例えば、分配器100の通常の動作時に、流路は、食品と接触するあらゆる表面を含むことになる。これは、勿論、少なくとも液溜211と、ホース212と、装備品300と、インターフェース接続部233と、分配ライン620と、混合装置400と、送出導管710と、ノズル500とを含むことが可能である。それは、ポンプ411及び411aと、容器412及び412aとを含むことも可能である。流路を構成する濃縮液容器、ポンプ及び分配ラインの数は、分配装置100の所望の複雑さ及びタイプにのみ依存する。
【0073】
さらに本発明に従って、分配器内に配置され、浄化流体のサプライと、浄化流体を流路に送出するか、又は流路を通じて送出するように構成される流路とを含む浄化機構をさらに備える自動食品分配器が提供される。
【0074】
ここに具体化されるように、図1及び図2を参照すると、本発明による衛生マニホールド200は、マニホールド230と、現場洗浄(「CIP」)システムの部分とを含む。CIPシステムの部分は、例えば、現場洗浄又は「緩衝」液溜980(設けられる場合)、浄化流体を含む容器986a及び987aに接続された弁986及び浄化弁987、CIPポンプ988、高温水タンク751、並びに弁750、755、945、950、955及び989を含むことが可能である。CIPシステムを使用して、分配器100の任意の部分を浄化することが可能である。しかし、弁、液溜等、及びフラッシング・ラインの様々な配置のいずれか1つを用いて、本発明に従って食品を分配し、システムを定期的に洗浄することが可能である。CIPシステムは、デスケールする目的にも使用できる。この場合は、酸性溶液の容器を制御弁と共に配置して、酸性溶液をシステムに供給することができる。酸性溶液は濃縮形態で提供され、CIP液溜980において水で希釈されることができる。要望に応じて、酸性溶液を定期的にそこに循環させることによって、ボイラ(高温水タンク751)及び付帯設備をデスケールするように分配器100を装備することが可能である。分配器の他の部分についても同様にデスケールすることができる。
【0075】
図2を参照すると、マニホールド230は、洗浄ライン703又は消毒ライン704から到来する高温水820、蒸気及び化学消毒剤の如き浄化流体が選択的に横切って流れるように構成される。洗浄ライン703又は消毒ライン704の選択及び開放は、制御器1000によって制御された弁705及び706によって行うことができる(図1及び図2を参照)。典型的には、ミルク・ベース濃縮液に対しては、苛性ソーダ、低発泡洗剤溶液、或いは塩素化溶液又はフェノル化溶液を含む群の中から選択されることになる。しかし、上述したように、消毒の目的に高温水のみを使用することが可能である。浄化流体は、酸性溶液の如きデスケーリング剤を包括することもできる。
【0076】
本発明の一実施例において、浄化流体は、約0.2m/sから約2.0m/s、さらにより好ましくは約0.4m/sから約0.8m/sの平均流体速度で流路を循環される。浄化流体が洗剤及び/又は苛性成分を含むときは、浄化流体は、好ましくは、約50℃と約85℃の間、さらにより好ましくは約60℃と約75℃の間の流体温度で循環される。浄化流体が酸性成分を含むときは、浄化流体は、好ましくは、約40℃と約70℃の間の流体温度で循環される。さらにより好ましくは、酸性の浄化流体は、約50℃と約65℃の間の流体温度で循環される。
【0077】
浄化工程が水洗工程であるときは、その工程は、好ましくは約10秒間と約10分間の間の、より好ましくは約30秒間と約5分間の間、さらにより好ましくは約1分間と約3分間の間の持続時間を有する。浄化工程が(例えば洗剤を使用する)洗浄工程であるときは、その工程は、好ましくは約15秒間と約20分間の間、より好ましくは約30秒間と約10分間の間、さらにより好ましくは約1分間と約5分間の間の時間を有する。
【0078】
図2及び図6を参照すれば、好ましいマニホールド230は、実質的に円筒形の筐体232を含む。筐体232の第1の末端231には、容器組立品210の装備品300を取外し可能に受け入れるように構成されたインターフェース接続部233が設けられる。筐体232は、移動可能浄化流体ライン組立品733を中心穴744内に同軸に装着することを可能にする中心穴744を備えた中空構成を有する。浄化流体ライン組立品733は、浄化流体が、中心穴744の縦軸に対して約90度でマニホールド230に進入するための入口735を定める第1のコネクタ734を備える。したがって、コネクタ734は、浄化流体の流れを縦軸に沿って向かわせ、自らを第3の接続部737に接続するライン組立品の第2の中間L形接続部736に接続する。第3の接続部737は、突起部材738の端末槍743の近くに配置された流体ポート741まで浄化流体を輸送するための軸方向導管739を含む突起部材738に接続される。
【0079】
槍743は、突起部材738が往復動の態様で前方に作動すると、装備品300の部材350(図参照)を切断することが可能な鋭い末端732を有する。部品734、736、737、738及び743は、互いに固定的に接続されているため、ライン組立品733全体が筐体232の穴744に沿って往復動することが可能である。図7に示されるように、槍743は、好ましくは、膜350を切り開き、固体沈殿物が容易に沈降しうるゾーンを保持することなく、ミルク・ベース流体211aの流れが適切に装備品300を横切るのに十分に広い開口部を装備品300に設けるように配置された複数の円周方向に配向した切断針743aを備える。また、スプライン743aは、浄化流体の流れを容器組立品210の装備品300及びホース212の方へ向ける役割も果たす。
【0080】
ここにさらに具体化されているように、突起部材738の一部分は、筐体232の内部胴体745の穴744の部分に沿って軸方向に綿密に案内される。内部胴体745は、ねじの如き接続手段によって前部胴体部746に接続される。前部胴体746は、インターフェース接続部233から、室747に対して直角に配置された排出導管748に内側に延びる環状の空間の境界を定めるように、突起部材738の外径より大きい径の室747を備える。室747及び排出導管748は、共に排出口761によって終端する排出ライン760を形成する。排出ライン760の内部を防水状態にするために、内部胴体745と突起部材738の間に密封ガスケット749が設けられる。
【0081】
筐体232の後端には、アクチュエータ762、好ましくは筐体232の後部中空体部763上に同軸に装着された電磁ソレノイド・アクチュエータが設けられる。アクチュエータ762は、浄化流体ライン組立品に係合して装着され、より具体的には第2の接続部763に対して装着される。アクチュエータ762は、プッシュプル・ソレノイド型でありうる。したがって、制御回路から発生する制御信号に応答して、アクチュエータは、流体ライン組立品733を図6に示される矢印Aの方向に押し、それは、槍743の先端がインターフェース接続部233を越えて伸びる挿入位置で突起部材738及びその槍743を前進させる効果を有する。アクチュエータ762が不活性化されると、突起部材738は挿入位置で停止する。アクチュエータ762が再び活性化されると、後退位置、すなわち槍743がインターフェース接続部233に対して挿入される位置に配置される矢印Bの位置にライン組立品733を押し戻す傾向がある。アクチュエータ762は、プッシュ型のみであり得て、ソレノイドが不活性化されると、突起部材738を後退位置に押し戻す、本体部745とコネクタの間に挿入された戻しばねと組み合わせることが可能であることに注目できる。図6に示されるように、筐体232の後部胴体部763は、入口及びコネクタ734及び735が流体ライン組立品全体の一体部品として軸方向に移動するように構成された形状及びサイズの長形口を備える。勿論、ソレノイド・アクチュエータ762を、カム機構、ウォーム歯車又はラック・ピニオン・システムの如き同等の作動手段に代えることも可能である。図8に示されるように、マニホールド230は、容器組立品210の端末300に相補的に係合する結合手段を備える。結合手段の構成は、所定の位置に固定される装備品300のタイプ及び形状に応じて大幅に異なる。結合手段は、ホース212の部分とマニホールド・システムの分配ライン620との間に確実でしっかりした流体連通を確立し、システム外部への流体漏出の危険性を回避するために、インターフェース接続部233に防水接続部を提供できるものである。好ましいモードにおいて、図8に示されるように、装備品300の相補的に成形された環状溝723に係合するように構成された環状リップ770を有するばね装填ホルダ766が設けられる。装備品300は、筐体232の胴体部746の一部にねじ止めされると、ホルダ766に徐々に力を加える止めナット768によって、インターフェース接続部233の周囲に配置されたシール771に対して筐体232の末端面に当接するように付勢される。要素の永久的な変形を回避するために、ある程度の弾力性がホルダ766に与えられ、ばね、又はホルダ766と胴体部746の間に挿入される他の弾力手段780によるバックラッシュを補償する。
【0082】
カム型機構又はレバー型機構などの他の同等の機械的手段によって装備品とマニホールド・システムの間の接続を行って、本発明の主旨を逸脱することなく同じ結果を提供することが可能であることは明らかである。装備品の受け入れ手段は、環状溝ではなく、突出部から形成され、ホルダは、環状リップの代わりに、装備品の突出部がホルダの凹部に相補的に嵌合することになる凹部から形成されうることも明らかである。
【0083】
図2及び図9を参照すると、マニホールド・システム230は、好ましくはインターフェース接続部233にできるだけ近づけて配置され、容器組立品210のホース212の部分に外部から係合する外部弁をさらに備える。外部弁は、好ましくは、ピンチ部材261、ピンチ・ブロック262及び引張ばね263を備えたばね装填ピンチ弁260である。引張ばね263は、ホース及びピンチ・ブロック262に対するピンチ点266におけるピンチ部材261の一定の圧締圧力を絶えず維持する。引張ばね263の張力により、弁260は、静止構成で受動的に作用する。弁260によって加えられた圧力は、典型的には、ポンプ203が活動していないときは、ピンチ点266においてホース212を気密的に閉鎖するのに十分である。したがって、ピンチ点266の上流に配置されたホース212の部分をこの静止状態で無菌状態に維持することが可能である。ポンプが活動しているときは、ホース212の上流部212aにおける濃縮液の流れによって加えられた圧力は、引張ばね263の限界張力値を超えることで、ピンチ弁260を開放させるのに十分である。
【0084】
生成された流れ力、及び流れの方向により、微生物は、無菌状態に維持されているホースの上流部に達することができない。浄化流体が、装備品300内のマニホールド・システム230及びホース212の下流部212bから圧力により押し出される洗浄状態では、ピンチ部材261に対するばね張力を増加させる追加的な圧力を加えるピンチ・アクチュエータ267によって、ピンチ弁260の限界張力をより高い値にすることが可能である。したがって、弁260の限界張力は、浄化流体の圧力より十分に高められて、浄化流体が容器組立品210の無菌部分に進入できないようになる。したがって、あらゆる条件において、ピンチ点266を通ったホース212の部分212aを確実に無菌状態に維持し、膜350が破断した後に無菌状態でなくなる、ピンチ点266の前のホース212の部分212bを定期的に洗浄、水洗することが可能である。その結果、微生物に敏感な流体、例えばミルク濃縮液の送出条件は確実に制御され、分配ユニット100での冷凍は必要なくなる。
【0085】
次に、再び図8を参照して、新たな容器組立品210を所定の場所に導入し、マニホールド230に接続するときの浄化動作を説明する。容器組立品210は、装備品と、容易に無菌状態に維持できず、装備品300がマニホールド・システム230の結合手段に結合された後に分配ライン620と接合する膜350との外部を含むため、予備浄化動作モードは、好ましくは、新たな容器組立品210が所定の場所に導入されるときに、分配ライン620の直接的な汚染を防ぐために、新たな容器組立品210毎に実施される。
【0086】
そのすべてが参照により本明細書に援用されている、2002年7月28日に出願された「SANITARY MANIHOLD SYSTEM AND METHOD FOR HYGIENICALLY DISPENSING FLUIDS」という名称の同時係属米国特許出願第10/187,939号(Peter W.Carhuff他)には、マニホールド230及び衛生マニホールド200に関するさらなる詳細が記載されている。
【0087】
さらに本発明に従って、インターフェース接続部が食品の液溜に係合するように構成され、食品(例えば微生物に敏感な流体)の液溜が軟質ホース部及び装備品を含む、自動食品分配器が提供される。
【0088】
ここで具体化されるように、図10及び図12を参照すると、装備品300は2つの主要部品、すなわち第1の胴体部材301及び環状スリーブ302から構成され、これらは、組み立てられて、共にホース212の端末部又は末端303に固定されると、装備品300とホース212の間に防液性の組立品を形成する。
【0089】
図11に示されるように、装備品300の第1の胴体部材301は、縦軸Iに沿って伸びる管又はソケット304の一部を含む。ソケット304は、ホース212の内径と係合するように構成される外部分と環状係合面を形成する。好ましくは、ホース212は、ソケット304にピッタリと嵌合するようにわずかに伸縮する弾力性プラスチック材料で構成される。軸Iの中央流体入口の境界を定めるソケット304の第1の末端に端末圧接壁305が設けられる。ホース212がソケット304に嵌合すると、ホース212は当接壁305に当接する。
【0090】
装備品は、内部の穴308がホース末端と第2の係合面を形成するリングの形を有することが好ましいスリーブである第2の部材3072をさらに備える。スリーブ307の穴は、図12に示されるように、流体密封の接続部を形成するように、ホース末端の外面にきちんと係合するように構成される。より具体的には、ソケット304及び穴308は、ホース212が、引っ張りによる離脱に抵抗できるように、ホース212の末端に楔作用を形成するように構成された異なる表面形状を有する。好ましい実施例において、ソケット304は、ホース212の方向に徐々に先細りして、縦軸Iに対して傾斜θ1を形成する係合面309を有する。同様に、穴308は、スリーブ307の外半径面311付近でホース212を挟む楔部320を形成するように、同じ方向で、しかしθ1より大きい傾斜θ2で徐々に先細りする係合面310を有する。したがって、穴212は、ソケット304とスリーブ307の間に適切に固定され、「T」で定められる縦方向の引張力に抵抗する。スリーブ307は、分配ラインの保持手段と係合するように構成された結合手段312をさらに支持する。装備品300が結合手段312によって分配ラインに固定されると、方向Tでホース212に加えられた縦方向の力により、スリーブ307がホース212をさらに強く締めつけることによって、ホース212を装備品300内の所定の位置に保持する。ホースの外径Dは、例えば、通常は約1cmから約1.5cmであってもよく、装備品の長さLは、通常は約0.5cmから約1.2cmの範囲であってもよい。Dが1.2cmで、Lが0.8cmの場合に優れた結果が得られた。装備品は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン又はテトラフルオロポリエチレンの如き食品グレードのプラスチックで構成される。そのすべてが参照により本明細書に援用されている、2002年6月28日に出願された「HOSE FITMENT FOR DISPOSABLE FOOD CONTAINER」という名称の同時係属米国特許出願第10/187,941号(Peter W.Carhuff)には、装備品、及び装備品がマニホールドと相互作用する様式に関するさらなる詳細が記載されている。
【0091】
本発明は、本発明による分配器を使用する異なる方法にも対応する。これらの方法の最も好ましい実施例を以下の実施例において提示する。
【0092】
本発明は、本発明による分配器を動作するための命令を含む機械読取り可能フォーマットにおけるコンピュータ・プログラムにも対応する。そのコンピュータ・プログラムは、ソフトウェアで、メモリ・チップの如きハードウェアでも具現化されうる。そのコンピュータ・プログラムは、当該技術分野でよく知られている技術を用いて記述され、機械コードに変換されうる。本発明によるコンピュータ・プログラムは、分配器を動作するための命令を有する。好ましくは、機械読取り可能フォーマットの命令は、制御パネルがオペレータによって操作されるときに制御器1000がアクセスする分配器100内のコンピュータ・チップに収容されることになる。したがって、食品を分配するか、又は洗浄動作を実施するために、オペレータが制御パネル1100のボタンを押すと、例えば、装置読取り可能フォーマットの命令を収容したコンピュータ・チップが制御器によってアクセスされて、分配器100を動作させる。しかし、そのコンピュータ・プログラムは、ソフトウェア・プログラムでも具現化され、装置の内部又は外部に配置されたコンピュータから実行されうる。
【0093】
また、指定された時間間隔において、本発明により洗浄動作を自動的に実施できるように、機械読取り可能プログラムを構成することもできる。したがって、機械読取り可能プログラムは、定期的な動作を実施するために、タイマと共に動作するように構成されうる。以下の実施例において、制御器1000は、オペレータが作業を実施することが規定されていなければ、装置の動作における活動のすべてを実施することが好ましい。しかし、オペレータは、オペレータの都合及び必要性に従って(弁の開閉の如き)動作のいずれかを実施することが可能である。また、制御器1000は、制御パネル1100において物理的に具現化される必要はない。制御器1000は、好ましくは分配器100の内部に配置されるが、分配器100の外部に配置されてもよい。
【0094】
さらに、制御器1000、送出機構及び浄化機構700は、食品給仕物の分配と、オペレータの実質的な介入を伴わない浄化動作とを切り換えるように構成されうる。ここに記載されているように、分配器1000は、自動的に動作するように構成されうる。例えば、1つ以上の飲料を分配し、次いで浄化動作を開始するように制御器1000をプログラムすることが可能である。その動作を自動的に開始するか、又はオペレータに浄化サイクルを開始するよう指示する信号を報知器に送ることによって開始することが可能である。したがって、オペレータによる実質的な入力を伴わずにシステムを動作させることが可能である。
【0095】
制御器1000は、好ましくは、所定の条件に応じて食品送出機構の部分を自動的に浄化するために浄化機構を作動させるように、(現場洗浄システムの如き)浄化機構700と動作関連している。当該条件は、分配器が最後に使用された時間、並びに最後に分配された食品のタイプに基づくものとすることができる。例えば、分配された最後の食品が微生物に敏感な材料(例えばミルク・ベース製品)を含んでいれば、より頻繁に浄化動作を実施することが望ましいといえる。対照的に、さほど敏感でない材料を分配するときは、間隔をより長くしても衛生条件を十分に維持できる。
【0096】
これらの所定の条件は、一日に複数の間隔で存在しうる。例えば、レストラン又はカフェテリアの通常の営業時間中に、飲料を分配するのに分配器が規則的に使用されるときは、短時間(例えば1分間から5分間)の浄化動作を実施して、分配器100における生物の繁殖を最小限にすることが可能であるが、長時間にわたって分配器100の使用を実質的に中断することはない。
【0097】
また、制御器1000は、所定の条件に応じて、分配器100における浄化動作を作動するようオペレータに促すように構成され、又はオペレータの介入を伴わずに自動的にそれを行うことができる。制御器1000は、また、浄化動作が行われている、又は完了したことをオペレータに確認するように構成されうる。
【0098】
本発明のこの態様によれば、分配器100は報知器1400を含むことができ、制御器1000は、報知器1400が、浄化動作を作動させるようオペレータに促すように、報知器1400に動作関連している。報知器は、例えば、制御器に応答して発光する指示灯及び/又はブザー、若しくは可聴音を生成できる他の装置を含むことが可能であり、或いはラジオ周波数や電子メール等によってメッセージをオペレータに送るなどの他の形態をとることもできる。報知器1400を制御器1000の内部に配置することもできるし(図1)、その外部に配置することもできる(図3)。
【0099】
制御器1000は、また、浄化動作が開始されるときを自動的に決定し、浄化動作を開始するための浄化開始信号を送るように構成されうる。浄化開始信号は、例えば浄化機構700を作動することによって、浄化動作を自動的に開始するように構成されうる。或いは、浄化開始信号は、報知器1400を作動し、上述したように浄化動作を作動するようにオペレータに通知するように構成されうる。
【0100】
分配器100は、浄化動作の間隔を計時するように構成されたタイマをさらに含むことができ、制御器1000は、計時された間隔に基づいて浄化機構700を作動するようにタイマと関連している。さらに、分配器100は、制御器1000と連絡している少なくとも1つのセンサを含むことも可能である。制御器1000は、タイマ及びセンサの少なくとも一方から受け取った情報に基づいて、浄化動作(例えば消毒動作)を作動させるように構成されうる。
【0101】
センサとしては、温度センサ、伝導度センサ、近接センサ及びリミット・スイッチ等を挙げることができる。
【0102】
図1に示すように、例えば、CIP液溜、又は緩衝液タンク980及び高温水タンク751に温度センサ991を設けることが可能である。液溜980には、図1に示されるように、ヒータ993を設けることが可能である。これらのセンサは、CIP、高温水洗浄及び高温飲料の分配に対して水温が低すぎる場合にシステムを「ロック・アウト」するように構成されうる。交換動作時に、食品(例えばミルク)バッグ/容器及び関連配管を熱シールするために熱電対を設けることができる。
【0103】
例えば、液溜980又は高温水タンク751におけるレベル・センサとして、或いは洗剤の存在を感知するために洗剤容器987a又は液溜980までのその付随送給ラインに伝導度センサ995を採用することが可能である。
【0104】
液溜211の如き異なる食品源容器の内容物を(例えばばねシステムによる)重量測定によって検出し、装備品300などについての適正な装備品配列及び接続を保証するために、近接センサ996を設けることが可能である。
【0105】
引き戻し分配ノズル500、及びピンチ弁260に対する槍743の移動を制限するためにリミット・スイッチ997を設けることができる(図1)。
【0106】
それらのセンサ及びリミット・スイッチの各々は、好ましくは、分配及び浄化動作を実施するように制御器1000に動作可能に接続される。
【0107】
制御器1000は、浄化機構700を使用して、互いに異なる第1及び第2の浄化動作を実施するように構成されうる。制御器1000は、第1及び第2の浄化動作を選択的に実施するように浄化機構1000を自動的に動作させるように構成されうる。例えば、制御器1000は、消毒動作を実施し、その後に洗浄及び消毒動作を含む第2の動作を実施するように構成されうる。制御器1000は、また、浄化動作を実施し、その後に消毒動作を実施するように構成されうる。消毒動作は、一日に数回実施され、洗浄及び消毒動作は毎日、又は好ましくは営業時間外の夜に実施されうる。洗剤、苛性又は酸性物質、あるいは洗剤と苛性物質の組合せを使用する浄化動作が実施され、その後に分配器を消毒する高温水浄化動作が実施される。さらに、他の浄化剤を使用することなく、高温水を使用する消毒を一日に数回実施することが可能である。
【0108】
分配器100は、また、異なる量の食品を分配するように構成されうる。例えば、分配器100は、個々の消費に合わせてサイズ設定された約10までの給仕物、2から8の給仕物、3から5の給仕物を一度に分配するように構成され、又は単一の給仕物を一度に分配するように構成されうる。
【0109】
ここに示されているように、分配器100は、営業日にわたって数百もの飲み物を分配することが可能であるレストラン、カフェテリア及び/又はオフィス型設定での使用を目的とするが、それに限定されない、個々の消費に合わせて製品を分配する食品給仕機械である。分配器100は、毎日数千もの食品を分配する工場設定のアセンブリ・ラインの一部のような食品材料の大量生産及び梱包に使用することを目的としたものではない。
【0110】
分配器100は、食品源、食品導管、分配機構及び浄化機構、そして場合によっては制御器を収容する分配器筐体1500(図3)をさらに含むことが可能である。分配器100は、自己収容されるように構成されうるため、浄化又は分配動作を実施するために外部源を接続又は切断する必要がない。
【0111】
浄化機構は、好ましくは、食品導管及び分散路に動作関連し、食品導管、分配機構及び浄化機構の各々を浄化するように構成される。さらに、分配器100は、好ましくは、すべての食品接触面を浄化機構700によって浄化できるように構成される。
【0112】
「実施例」
本発明による自動食品分散機の好ましい動作モードを例示するために以下の実施例を提示する。これらの動作モードの各々は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を制限することを目的としていない。例えば、以下に記載する実施例の多くは、ミルク・カプチーノ分配器に向けられているが、分配器100は、冷凍及び非冷凍食品、並びに微生物に敏感な食品及び微生物に敏感でない食品等を含む多くの異なるタイプの食品を分配するように構成されうる。
【0113】
「実施例1」
新たな液溜接続
次に、例示のみを目的とし、図1から図3を参照して、新たな液溜211を設置して空の液溜と交換する、本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0114】
本実施例において、液溜211は、オペレータによって交換されることになる。ここに具体化されるように、機械オペレータは、液溜211を交換することを指示するために制御パネル1100のボタン1110を押す。次いで、ピンチ弁216を開放する。本実施例において、第2のピンチ弁260を引張ばね263によってばね装填し、ピンチ部材261をピンチ・ブロック262から引き抜くことによって開放して、ホース212及び液溜211を取り除くことを可能にする。
【0115】
次いで、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動し、突起部材738及び槍743を装備品300の領域から後方に移動させ、槍743が引き出されると、アクチュエータ762が作動停止する。次いで、分散ノズル500の電磁アクチュエータ544を作動し、分配器ノズル500を浄化位置にする。ノズル500がこの位置にくれば、アクチュエータ544が作動停止する。
【0116】
次に、ホース212の末端の(膜350が完全な状態の)装備品301を分配器100のマニホールド230上のホルダ766に滑り込ませる。止めナット768を捻り、装備品300を押し下げ、それをマニホールド230に対して正確に引っ張ることによって、ホルダ766を手動で閉鎖する。液溜組立品210からの配管をピンチ弁260及び216、並びに供給蠕動ポンプ203にねじ込む。
【0117】
次いで、高温水弁750を開放し、高温水820が、マニホールド230の突起部材738を通って、装備品部材350の面を横切り、混合ボウル406に流入することを可能にする。ホイッパ409をオンにし、ドレイン弁930を開放し、高温水820を、ホイッパ406、そしてノズル500を通って、ドレイン弁930からドレイン開口940に流す。ここで、高温水820は、高温水供給弁750からシステムを経由して、弁930からドレイン開口に流れ、それが横切る流路を消毒する。
【0118】
これにより、装備品300上の膜350を含むミルク供給及び製品領域の消毒が開始される。膜350はまだ完全な状態である。この高温水820の消毒流は、好ましくは所定の時間、好ましくは約1分間から約2分間にわたって継続することになる。所定時間が経過した後に、弁750を閉鎖する。その後まもなく、好ましくは数秒後に、ホイッパ409を停止する。次いで、弁930を閉鎖する。次いで、アクチュエータ544を再び作動させ、分配器ノズル500を分配位置に戻し、次いで作動停止する。この後でピンチ弁216を閉鎖する。次に、アクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300に押しつけ、膜350に穴をあける。次いで、アクチュエータ762を作動停止させる。好ましくは1秒間のオーダの短時間の遅れの後に、アクチュエータ762を再び作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300の領域から後方に移動させる。槍743がこの位置にくると、アクチュエータ762が作動停止する。この点では、液溜211は交換されており、その内容物は分配の準備が整っているが、以下の実施例2で詳細に説明する。
【0119】
「実施例2」
製品分配
次に、例示のみを目的とし、図1から図3及び図13を参照して、食品を分配器によって分配する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0120】
本例において、分配器は、ミルク・ベースカプチーノ飲料食品を分配するようにオペレータによって動作される。ここに具体化されるように、機械オペレータは、製品選択として、制御パネル1100上のカプチーノに対するボタン1120を押す。その指令に応答して、制御器1000は、弁216を開放し、蠕動ポンプ203をオンにして、ミルク・ベース流体211aの流れを開始させる。ポンプ203によって生成された圧力は、ミルク・ベース流体211aをばね装填ピンチ弁260に通す。
【0121】
次に、制御器は、高温水弁950を開放して、高温水820の流れを開始させる。高温水820は、水送給ライン960を流れ、ミルク・ベース流体211aは、分配ライン620を流れ始めて、混合ボウル406に達し、そこでそれらが混合を開始する。ミルク・ベース流体211aの流路は、図13において流路1292で表され、高温水820の流路は流路1290で示される。次いで、制御器1000は、ホイッパ409をオンにする。それらが混合されているときに、ミルク・ベース流体211a及び高温水820は、混合ボウル406から流下してホイッパ409に流入し、そこでともにホイップされて、実質的に均一の混合物になり、最終的には分配ノズル500を通じてカップ516に流入する。この工程は、適切な量のミルク混合物211bを達成するために、所定の時間にわたって行われる。この時間の後に、ポンプ203は制御器1000によってオフにされる。その後まもなく、好ましくは1秒間のオーダの後に、ホイッパ409をオフにし、コーヒ・ポンプ411をオンにする。この時点で、コーヒ及び温水820は、混合ボウル406に流入し、(この時点では動作していない)ホイッパ409を通り、適量を達成するための所定の時間にわたってノズル500を通ってカップ516に流入する。この動作におけるコーヒの流路は、図13では流路1293で示され、高温水820の流路は流路1290で示される。
【0122】
コーヒの適量が達成された後に、コーヒ・ポンプ411をオフにする。飲料配合に必要な適切な量の高温水820を得るための数秒間のオーダの小さな遅れの後に、高温水弁をオンにする。ミルク混合物211b及びコーヒをカップ516に加えた後で高温水820の残りをカップ516に加えると、ミルク混合物211b及びコーヒをカップ516に流し込むことによって、システムの流路600からのミルク混合物211b及びコーヒの大部分の回収が容易になることに留意されたい。
【0123】
次に、注水弁413を制御器1000により数秒間にわたってオンにして、水810を噴霧ノズル414に送る。この流路は、図13において流路1295で示される。噴霧ノズル414は、泡をカップの頂部に噴霧する、泡の最上層を洗って、それを漂白し、より大きい気泡を破壊し、泡を湿らせて、その外観を向上させる。所定時間後に、制御器1000によって注水弁413をオフにして、噴霧を停止する。好ましくは1秒間のオーダの短い遅れの後に、アクチュエータ544をオンにし、分配ノズル500を洗浄及び/又は消毒位置に移動させる。ノズル500がその位置に到達すると、アクチュエータ544が停止する。
【0124】
次に、制御器1000によって高温水供給弁950を開放して、高温水820が混合ボウル406に流入することを可能にする。ホイッパ409を低速度でオンにし、ドレイン弁930を開放する。高温水820は、混合ボウル406、ホイッパ409及びノズル500を流れて、システムから残留する食品を洗浄する。高温水820の流路1290を図14に示す。弁930を介してドレイン開口940まで洗浄する。この高温水820は、システムに存在しうる微生物を洗浄撲滅することによって、システムを衛生に維持するのを支援する。好ましくは数秒間の短い遅れの後に、高温水供給弁950をオフにする。さらに数秒後に、ホイッパ409をオフにし、制御器1000によってドレイン弁930を閉鎖する。次いで、制御器によってノズル・アクチュエータ544を作動させ、分配ノズル500を分配位置に移動させる。それがその位置に到達すると、アクチュエータ544は、制御器1000によって作動停止される。
【0125】
「実施例3」
衛生保守
次に、例示のみを目的とし、図1から図3及び図6を参照して、衛生保守を目的として、分配ライン620及び分配ノズル500を含む流路600の部分を定期的に洗浄する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。制御器1000は、この機能を任意の特定間隔で果たすようにプログラム化されうる。好ましくは、分配器が作動停止される所定の時間に到達した後で、そのような衛生保守を実施する。例えば、分配器を使用して、2時間から4時間のような一定の時間にわたって飲料を分配した場合は、分配器は、衛生保守動作を実施することになる。
【0126】
まず、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300の方へ押す。槍先端743aは、装備品300の中へ突出する。槍743がこの位置にくると、アクチュエータ762は作動停止される。
【0127】
次に、ピンチ・アクチュエータ267を作動し、追加的な圧力をばね装填ピンチ弁260に加えて、高温水820がピンチ弁260を通じて無菌のミルク領域に漏れないようにする。ピンチ部材261が所定の点に達する(したがって、所定の閉鎖圧力に達する)と、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。
【0128】
この時点で、分配ノズル500のアクチュエータ544を作動させ、分配器ノズル500を洗浄及び/又は消毒位置にする。ノズル500がこの位置にくると、アクチュエータ544は作動停止する。この後に、高温水側路弁750、及びドレイン弁930を開放する。ここで、高温水820は、高温水タンク751から、弁750、そしてマニホールド230の突起部材738を通って、槍743を通過し、装備品300の領域に流入し、マニホールド230、そして衛生マニホールド分配ライン620を通って、混合ボウル406に流入する。混合ボウル406は高温水820で満たされ、次いで、高温水820は、混合ボウル406からスカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965を通り、ドレイン弁930を介してドレイン開口940に流入する。ピンチ弁260は、この代表的な動作モードにおいて閉鎖状態を維持し、高温水820が、液溜211からホース212に進入し、液溜内のミルク・ベース流体211aと混ざり合ってそれを汚染するのを防ぐ。混合ボウルの高温水820のオーバーフローは、所定の時間、典型的には約30秒間にわたって継続し、次いで停止する。
【0129】
高温水820のオーバーフローの時間が終了した後に、ホイッパ409をオンにし、高温水820を混合ボウル406から分配ノズル500を通じて、弁930を介してドレイン開口940まで送る。この高温水820の流れは、好ましくは、所望の時間、好ましくは1分間、さらにより好ましくは2分間にわたって継続する。この時間間隔の終わりに、高温水供給弁750を閉鎖する。その後まもなく、好ましくは2秒間の遅れの後に。ホイッパ409をオフにし、ドレイン弁930を閉鎖する。マニホールド230上のアクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300から引き取る。槍743がその後退位置にくると、アクチュエータ762は作動停止する。次いで、ノズル・アクチュエータ544を作動させ、分配ノズル500をその分配位置に移動させる。分配ノズル500がその分配位置に到達すると、アクチュエータ544は作動停止する。
【0130】
最終的に、ピンチ・アクチュエータ267を作動させ、先にピンチ弁260に加えられた機械的な圧力を解除する。弁260は、引張ばね263にのみ起因する圧力により閉鎖状態を維持する。ピンチ部材261が所定の点に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。この時点で、動作が完了し、システムが洗浄され及び/又は消毒される。
【0131】
本実施例によれば、分配器には、循環路における水の温度を測定するように構成される温度センサ(図18参照)が設けられる。インライン加熱器990の如き加熱装置を設けることもでき、制御器1000は、温度センサから受け取った情報に応じて水を加熱するように加熱器990を制御するように構成される。このように、大規模な水タンクを必要とせずに、消毒高温水の流れの再循環流を長時間(例えば30分間)にわたって維持することが可能である。しかし、適切な実施例では、大規模な水タンクを設けることが可能である。分配器100内に加熱器990、及び恐らくは他の加熱器を組み込むことによって、高温水専用のタンク751に依存する必要がなくなる。実際、要望に応じて、タンク751の代わりに、インライン加熱器の適切な組合せを使用することが可能である。そのような選択肢は、分配器のサイズを小さくする役割を果たすことができ、高温水を要求に応じて供給することができるため、エネルギーの無駄になる、高温水の供給を維持する必要性が排除される。
【0132】
ここに開示されている高温水消毒を実施する際は、十分に高い温度で、且つ食品送出機構の少なくとも一部を消毒するための条件下で、食品分配器における食品送出機構と消毒関連付けされた流路に沿って高温水を向ける。
【0133】
出願人は、高温水は、単独で使用されても、数時間までの間隔の間の定期的な消毒などに対して、完璧な消毒剤としての役割を果たしうることを発見した。これは、少なくとも毎日の消毒動作に準ずる動作に対しては、洗浄及び消毒を目的とした洗剤及び/又は苛性物質に依存する必要性を排除するため、極めて有利である。この発見により、出願人は、特定の時間にわたって、特定の温度、流速及び頻度で高温水を向けることによって、分配器100の如き分配装置内の微生物の繁殖を十分最小限に抑えることができるものと判断した。
【0134】
約0.2m/sと約2.0m/sの間の平均流動速度で水を分配器に向けるのが有利であることを発見した。好ましくは、約0.4m/sと約0.8m/sの間の平均流動速度で水が向けられる。代表的な体積流束は、約50ml/minから約2500ml/min、より好ましくは約500ml/minから約1200ml/min、最も好ましくは約900ml/minである。
【0135】
同様に、約70℃と約95℃、より好ましくは約75℃と約95℃の間の温度まで加熱された分配器に水を向けるのが有利であることを発見した。さらにより好ましくは、約80℃と約90℃の間の温度で水を向ける。水は、微生物堆積物を減少させるのに十分に高温であれば、本発明の目的にとって十分に高温である。したがって、わずかに低い水温でも、わずかに長時間にわたって使用すれば、消毒に十分である。
【0136】
好ましくは、分配器が動作され、食品の分配に利用可能である通常の営業時間中に、上記の基準を満たす高温水を約2時間から約4時間に一度、約20秒間から約10分間、より好ましくは約30秒間から約5分間にわたって向ければ、微生物の繁殖が最小限に抑えられることを発見した。さらにより好ましくは、約1.5分間から約4分間、さらにより好ましくは約1.75分間から約3分間にわたって水を向ける。これは、営業日の真っ最中に(20分間から60分間の洗浄サイクルを介して)手動又は自動で洗浄を行うのはしばしば実用的でないため、通常の営業時間中に長時間にわたって機械動作を著しく中断する停止時間を必要とすることなく、分配器100の衛生状態を保証するので有利である。消毒のための高温水浄化サイクルの時間は、高温水消毒サイクルの頻度に依存する。そのサイクルが長いほど、サイクルを繰り返さなければならない頻度が小さくなる。そこで、小さい頻度のサイクルは、言い換えると、より長時間のサイクルを必要とする。
【0137】
営業時間外、並びにCIPルーチンの一部を通じて高温水を採用することも可能である。例えば、約1分間から約50分間、より好ましくは約5分間から約30分間にわたって一日に二度(例えば8時間から12時間に一度)高温水を向けることが可能である。さらにより好ましくは、上記に規定した流速及び温度で約10分間から約20分間にわたって水を向ける。長時間の消毒手順を通じて水を流路に向けながら、加熱装置990に向けることができる。
【0138】
さらなる変形例として、加熱装置990の如き加熱装置を設けると、より低温の水による浄化動作を開始し、加熱器990を使用して再循環水の温度を徐々に上昇させることが可能である。より低温(例えば25℃)の水による浄化動作を開始し、再循環時にそれをゆっくりと加熱すると、動作の開始から高温水(例えば80℃から90℃の水)を使用するより有益な結果を導くことが可能になる。当該高温水をそのまま流路に導入すると、実際に、(ミルク・ベース流体からの)タンパク質を配管の壁に付着又は「溶着」させる可能性がある。より低温の水で開始することにより、これらのタンパク質が熱水によって付着される前に、洗い流して除去することが可能である。さらなる変形例として、システムをより低温の水で洗浄し、次いで消毒して、タンパク質物質の付着を最小限にするのに役立てることが可能である。
【0139】
様々な異なる加熱装置990を使用することができる。インライン抵抗加熱器を示したが、高温水を使用して浄化流体を加熱するインライン熱交換器、並びに他の熱源を使用することも可能である。本発明には、そのような装置の消毒も考慮されていることを強調すべきである。例えば、酸性溶液を流すことによって熱交換器をデスケールするために、本発明のシステムを使用することが可能である。
【0140】
「実施例4」
現場洗浄
次に、例示のみを目的とし、図1から図3及び図6を参照して、分配器が浄化液を使用してそれ自体を洗浄する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0141】
本例では、本発明の分配器100の制御器を、現場(「CIP」)サイクルを自動的に実施するようにプログラム化する。CIPサイクルをオペレータによって開始することも可能である。CIPサイクルは、好ましくは、一日の特定の時点、好ましくは営業時間外に使用される。短時間の高温洗浄水は、効果的でありうるため、食品を分配するための分配器の可用度を維持しながら、営業時間中に使用されるのが好ましい。
【0142】
ここに具体化されるように、制御器1000は、当初は閉鎖されている高温水CIP弁985、混合ボウル洗浄弁955及び遮断弁989を開放することによって、CIPサイクルを開始する。ここで、高温水820は、高温水タンク751からCIP弁985を通じてCIP液溜980に流入する。ピンチ・アクチュエータ267を作動停止し、追加的な圧力をピンチ弁260に加えて、高温水820が、弁を通じて無菌ミルク領域に漏れないようにする。挟みが所定の点(したがって閉鎖圧力)に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。
【0143】
次に、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動し、突起部材738を槍743と共に装備品300の方へ押す。槍先端743aは、装備品300内に突出する。槍743がこの位置にくると、アクチュエータ762は作動停止する。
【0144】
(伝導度レベル・センサ982によって指示される通りに)CIP液溜980が満たされると、CIPポンプ988をオンにし、高温水820を、遮断弁989、そして混合ボウル洗浄弁955を通じて、混合ボウル406への水送給ライン960を介して混合ボウル406内に送る。混合ボウル406は高温水820で満たされ、次いで、高温水820は、スカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965に流入し、ドレイン弁930を介してドレイン開口940に流入する。ピンチ弁260は閉鎖状態を維持し、高温水820が、液溜211からホース212に進入し、液溜211におけるミルク・ベース流体211aと混ざり合う(そして、それを汚染する)のを防ぐ。
【0145】
次に、ホイッパ409は、短時間にわたって脈動する。好ましいサイクルは、ホイッパ409を10秒間にわたってオンにし、その後ホイッパ409を10秒間にわたってオフにする。ホイッパ409が動作している間に、高温水820は、混合ボウル406ではなく、ホイッパ409及び分配ノズル500を流れ、スカート410及びオーバーフロー・ライン965を流れる。
【0146】
好ましくは約1分間の所定の時間の後に、衛生マニホールド200のCIP弁755を開放し、混合ボウル洗浄弁955を閉鎖する。ここで、洗浄液は、マニホールド230を通る。この時間を通じて、ホイッパ409は、上述したように、短時間にわたってオン・オフに脈動する。
【0147】
好ましくは約1分間の所定の時間後に、CIPポンプ988をオフにし、ホイッパ409をオフにし(且つその断続的脈動を停止させ)、ドレイン弁930を閉鎖する。次いで、高温水CIP弁985を開放して、CIP液溜980に高温水820を再充填する。CIP液溜980が(伝導度レベル・センサ982によって指示される通りに)満たされると、浄化弁987を開放して、浄化濃縮液984がCIP液溜980に流入して、浄化液984aを構成することを可能にする。所定の時間の後に、浄化弁987を閉鎖する。
【0148】
次に、CIPポンプ988をオンにし、浄化液984aをCIP液溜980から遮断弁989、そしてマニホールド230を通じて、混合ボウル406内に送る。混合ボウル406は、浄化液984aで満たされる。次いで、浄化液984aは、混合ボウル406からスカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965に流入し、再循環弁970を介してCIP液溜980に流入する。ピンチ弁260は、この動作を通じて閉鎖状態を維持し、浄化液984aが、液溜211からホース212に進入し、ミルク・ベース流体211aと混ざり合って、それを汚染するのを防ぐ、
【0149】
ホイッパ409は、短時間にわたって再び脈動する(例えば、ホイッパ409を10秒間にわたってオンにし、その後でホイッパ409を10秒間にわたってオフにするサイクル)。ホイッパ409が動作している間に、浄化液984aは、混合ボウル406からスカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965を流れるのではなく、ホイッパ409及び分配ノズル500を流れる。
【0150】
所定の時間、好ましくは約3分間の後に、CIP弁755を閉鎖し、混合ボウル洗浄弁955を開放する。次いで、浄化液984aは、水送給ライン960を通じてボウル406に流れる。浄化液984aの流れが生じている間に、ホイッパ409は、短時間にわたって継続的に脈動する。
【0151】
次に、所定の時間、好ましくは約3分間の後に、ホイッパ409を脈動させることなく、好ましくは比較的低い一定速度でオンにし、ドレイン弁930を開放し、再循環弁970を閉鎖する。この工程は、浄化液984aをCIP液溜980から、システムを通って、CIPドレイン弁981を介してCIPドレイン開口941に送り、システムから浄化液984aのかたまりを追い出す。所定の時間、好ましくは約1分間の後に、CIPポンプ988をオフにし、ホイッパ409をオフにする。次に、CIP液溜ドレイン弁981を開放して、残留する浄化液984aをCIP液溜980から排出する。CIP液溜ドレイン弁981は、比較的短時間、好ましくは約15分間にわたって開放状態を維持する。
【0152】
この時点で、高温水CIP弁985を開放して、CIP液溜980に高温水920を再充填する。CIP液溜980に、(伝導度レベル・センサ982によって指示される通りに)高温水820が満たされると、CIPポンプ988をオンにし、高温水820を、遮断弁989、そして混合ボウル洗浄弁955を通じて、水送給ライン960を介して混合ボウル406に送る。或いは、高温水を、高温水供給弁950を介して、高温水タンク751から混合ボウル406に直接供給することも可能である。
【0153】
混合ボウル406に高温水820を充填し、次いで、高温水820は、スカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965に流入し、ドレイン弁930を介してドレイン開口940に流入する。ピンチ弁260は閉鎖状態を維持し、高温水820が、液溜211からホース212に進入し、ミルク・ベース流体211aと混ざり合って、それを汚染するのを防ぐ。次いで、ホイッパ409は、短時間にわたってオン・オフに、好ましくは約10秒間にわたってオンに、約10秒間にわたってオフに脈動する。ホイッパ409が動作している間に、流れは、混合ボウル・オーバーフロー・ライン965を通るのではなく、ホイッパ409及び分配ノズル500を通る。
【0154】
所定の時間、好ましくは約2分間の後に、CIP弁755を開放し、混合ボウル洗浄弁955を閉鎖する。次いで、高温水820はマニホールド230を流れ、それを洗浄する。所定の時間、好ましくは約1分間の後に、ホイッパ409を、好ましくは一定の比較的低速でオンにする。水供給弁945及び950は、短時間、好ましくは約5秒間にわたってオンになって、弁末端を洗浄する。この工程を通じて、CIP液溜980からの洗浄水850は、システム、そしてCIPドレイン弁981を通ってCIPドレイン開口941に送られる。CIPポンプ988を使用して、洗浄水850をシステムに送るのではなく、高温水タンク751から直接得られた高温水820を洗浄のためにシステムに送ることも可能である。
【0155】
次に、所定の時間、好ましくは約1分間の後に、CIPポンプ988をオフにする。高温水側路弁750を開放して、マニホールド230、混合ボウル406、ホイッパ409及び分配ノズル500のさらなる洗浄及び高温水消毒を可能にする。
【0156】
他の所定の時間、好ましくは約1分間の後に、高温水バイパス弁750を閉鎖する。好ましくは約2秒間の短い遅れの後に、ホイッパ409をオフにし、ドレイン弁930を閉鎖する。次いで、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300から引き出す。槍743がその後退位置にくると、アクチュエータ762は作動停止する。次いで、ノズル・アクチュエータ544を作動させ、分配ノズル500を分配位置に移動させる。ノズル500がその分配位置に到達すると、アクチュエータ544が作動停止する。次いで、所定の時間、好ましくは15秒間にわたって、弁981を開放して、残留する洗浄水850をCIP液溜980からCIPドレイン開口941を通じて排出する。所定の時間の終わりに、弁981及びCIP遮断弁989を閉鎖する。
【0157】
最後に、ピンチ・アクチュエータ267を作動し、先にピンチ弁260に加えられた圧力を解除する。ピンチ弁260は、引張ばね263のみに起因する圧力により閉鎖状態を維持する。ピンチ部材261が所定の点に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。この時点で、代表的なシステムCIPサイクルが完了する。
【0158】
「実施例5」
液溜除去
次に、例示のみを目的とし、図1から図3を参照して、ここに具体化される液溜組立品210をオペレータによって除去する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0159】
この手順を開始するために、機械オペレータは、制御パネル1100上のボタン1130を押して、現在装填されている液溜組立品210を除去するように指示する。このオペレータ入力に応答して、制御器1000は、ピンチ部材を211の方へ移動させ、それを圧縮することによってピンチ弁260に追加的な圧力を加えるピンチ・アクチュエータ267を作動させる。ピンチ部材261が所定の点(したがって閉鎖圧力)に達すると、ピンチ・アクチュエータ267が作動停止する。
【0160】
次に、加熱素子290を制御器1000によって所定の時間、好ましくは約30秒間にわたってオンにして、閉鎖ホース212を溶封する。次いで、加熱素子290をオフにする。ここで、ホース212を溶封し、液溜211を使用不可能にし、液溜211に残留するミルク・ベース流体211aがオペレータ又は分配器100の他の構成要素に漏出するのを防ぐ。
【0161】
次に、ピンチ・アクチュエータ267を作動させて、ピンチ部材261をホース212から後方に移動させることで、先にピンチ弁260に加えられた機械的圧力を解除する。弁260は、引張ばね263のみからの圧力により閉鎖状態を維持する。ピンチ部材261が所定の点に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267が作動停止する。次いで、弁216を開放する。
【0162】
次に、オペレータは、レバーを引き上げることによって、マニホールド230止めナット768を手動で開放する。ホース212の末端の装備品300を滑らせて、分配器100のマニホールド230上のホルダ766との係合から外す。液溜211からの配管をピンチ弁260、216、並びに供給蠕動ポンプ203から外す。この時点で、分配器100は、新たなミルク・バッグに対して準備が整っている。
【0163】
「実施例6」
日常高温水消毒
図15及び図16に、分配器100を通る日常高温水消毒流路のさらなる代表的な実施例における高温水820の流れのための流路をさらに概略的に示す。図15に具体化されているように、(高温水タンク751を含む)高温水供給モジュール1201から混合ボウル406に高温水を向けるための流路1210を確立する。同様に、水供給モジュール1201とマニホールド230の間に流路1220を確立する。高温水820は、マニホールド230を流れ、分配ライン620を流れて混合ボウル406に流入する。流路1210及び1220からの高温水820は、混合ボウル406で混ざり合い、低速度設定で動作するホイッパ409を流下し、洗浄及び/又は消毒位置のノズル500を流れ、ドレイン弁930を介してドレイン開口940まで流れることによって、流路1230を形成する。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持して、高温水820が、液溜211内のミルク・ベース流体211aを汚染するのを防ぐ。図16に示されるように、この動作は、毎日、好ましくは、高温水を使用する複数回の消毒洗浄及び営業時間中の食品の分配サイクルに続く、洗剤液を使用する日常の洗浄の後で実施されうる。
【0164】
「実施例7」
他の日常及び定期的動作
毎日又は他の間隔で、本発明による分配器100で、上述の動作の変形形態を実施することが可能である。
【0165】
「実施例7−A」
CIP液溜の液抜き
例えば、CIPドレイン弁981を通じて確立された流路1230を図17に示す。ここに具体化されるように、さらに本発明によれば、CIP液溜980を毎日液抜きする。CIP液溜980が液抜きされているときは、CIP抵抗加熱器990及びホイッパ409は、好ましくはオフになっており、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持する。
【0166】
「実施例7−B」
混合ボウルに対する循環洗浄ループ
同様に、図18は、流路1240、1250及び1260を混合ボウル406に対する再循環洗浄ループとして日毎に確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、CIPポンプ988をCIP抵抗加熱器990と共にオンにすることによって、流路1260を確立する。これによって、CIP液溜980内の浄化流体984bが加熱され、混合ボウル406に流入する。ホイッパ409を脈動し及び/又は流路1260における流速を変えることによって、浄化流体984bを混合装置400のスカート410に流入させる。その結果、混合ボウル406からスカート410に流入した浄化流体984bは、流路1240を通ってCIP液溜980に戻る。また、浄化流体984bは、ホイッパ409及び(洗浄位置及び/又は消毒位置の)ノズル500を流動しながら、流路1250を横切ってCIP液溜980に戻って、再循環又は排出される。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、ホース212を閉鎖状態に保持する。
【0167】
「実施例7−C」
ミルク・マニホールドに対する循環洗浄ループ
図19は、流路1250及び1270をマニホールド230に対する再循環洗浄ループとして日毎に確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、CIPポンプ988をCIP抵抗加熱器990と共にオンにすることによって、流路1270を確立する。これによって、CIP液溜980内の浄化流体984bが加熱され、流路1270を通じてマニホールド230に流入する。浄化流体984bは、マニホールド230を流れた後に、分配ライン620を通って混合ボウル406に流入する。次いで、浄化流体984bは、ホイッパ409及び流路1250を通ってCIP液溜980に戻って、再循環又は排出される。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持して、高温水820が、液溜211内のミルク・ベース流体211aを汚染するのを防ぐ。
【0168】
「実施例7−D」
CIP液溜の充填
図20は、流路1280及び1285を日毎に確立して、CIP液溜980を満たすさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、CIP高温水弁985を開放することによって、高温水供給モジュール1201とCIP液溜980の間に流路1280を確立して、液溜を満たす。浄化弁987を開放して、洗浄濃縮液987bを容器987aから流すことによって、流路1285を確立する。好ましくは、容器986a及び987bは、取外し可能で、必要なときにオペレータによって交換できる。所定の量の洗浄濃縮液及び高温水が、それぞれCIP液溜980に流入したら、弁987b及び985を閉鎖する。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、ホース212を閉鎖状態に保持する。
【0169】
「実施例7−E」
無活動時のミルク・マニホールドの洗浄
図21は、分配器100の無活動時にマニホールド230を洗浄するために流路1230及び1275を確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、高温水バイパス弁750を開放することによって高温水供給モジュール1201とマニホールド230の間に流路1275を確立する。次いで、高温水820は、マニホールド230及び分配ライン620を通る流路1275を通って、混合ボウル406に流入する。高温水820は、混合ボウル406に流入した後に、(洗浄及び/又は消毒位置の)ノズル500、そして流路1230を流れ、ドレイン弁930を介してドレイン開口940から出る。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持して、高温水820が、液溜211内のミルク・ベース流体211aを汚染するのを防ぐ。
【0170】
「実施例7−F」
飲料後洗浄
図14は、各飲料を分配して、混合ボウル406及び分配ノズル500に流し込んだ後に、流路1290及び1230を確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、高温水供給弁950を開放することによって、高温水供給モジュール1201の高温水タンク751と混合ボウル406との間に流路1290を確立する。これによって、高温水820が混合ボウル406に流入する。高温水820が、ホイッパ903を通じて流路1230を横切り、ドレイン弁930を介してドレイン開口940から出るときに、本実施例ではホイッパ409を低速度で動作させる。
【0171】
「実施例8」
サンプル動作形態
本発明によれば、サンプル洗浄形態を以下の表1に示されるように規定することが可能である。
【0172】
【表1−1】
【表1−2】
【0173】
上記の表1に見られるように、分配器100による異なる動作を実施するために異なる形態が規定される。上記の特定の間隔でこれらの機能を実施するための命令は、好ましくは、分配器100を制御するための機械読取り可能フォーマットでコンピュータ・プログラムに書き込まれる。
【0174】
「実施例9」
微生物の除去
洗剤(この場合は、エコラブ・カンパニから入手可能なSupra(登録商標)洗剤)を使用した浄化流体の追加的な使用と共に高温水消毒の性能を比較するために、以下の試験を実施した。それらの試験は、図1から図21に示される食品分配器と類似の食品分配器を使用して実施された。
【0175】
「実施例9−A」
洗剤及び高温水浄化
温度が90℃で流速が900ml/minの水の1分間の予備洗浄サイクルから、洗剤を使用した試験を実施した。これに続いて、約60℃と約70℃の間の流体温度、0.25%の洗剤濃度、また860ml/minと1150ml/minの間を変動する流量で、3分間にわたって洗剤の流れを加えた。不使用の15秒間隔で分割された30秒間隔でホイッパ409を脈動させた。900ml/minの流量で、3分間にわたって90℃の高温水を使用して最終洗浄を実施した。標準的なPITA分配器の洗浄におけるそれぞれのCIP条件の結果を表2に示す。
【0176】
【表2】
【0177】
これらの条件は、装置から回収された微生物の量を減少させるのに有効であった。より低い洗浄温度(80℃)及び洗剤濃度(0.25%)においては、表3に示されるように、CIP性能が有効な状態を維持していた。
【0178】
【表3】
【0179】
これらの結果に基づいて、代表的なCIP手順は、約0.5%の洗剤濃度で、85℃を超える温度の水を使用する高温水予備洗浄と、85℃を超える温度の水を使用する高温水最終洗浄とを少なくとも含む。
【0180】
「実施例9−B」
高温水浄化
図1から図21に示されるのと同様の分配器において浄化流体として高温水のみを使用する浄化手順の結果を表5に示す。それらの結果は、高温水を使用したCIP手順の後では、食品分配器における微生物量は、長時間の分配器不使用時を通じて許容レベルに留まっていることを示している。
【0181】
【表4】
【0182】
高温水による消毒の効果を証明するために、2つのさらなる試験を実施した。第1の試験は、微生物の濃度が1.0×106cfu/mlより大きいミルク濃度を使用して実施された。その結果を表5に示す。
【0183】
【表5】
【0184】
第2の試験は、1時間毎に1つのチョコレート・ミルク飲料の給仕物(例えばカップ)を分配することによって実施された。毎日の開始時に、90℃、900ml/minで2分間にわたって高温水洗浄を実施し、高温水CIP手順を毎日の終了時に実行した。洗浄水の4つの50mlサンプルを微生物分析用に回収した。その結果を表6に示す。
【0185】
【表6】
【0186】
はっきりとわかるように、洗剤洗浄を伴わない高温水の使用は、微生物の繁殖を抑えるのに極めて有効である。ここで、図22は、分配器のそれぞれの構成要素(例えば分配ノズル(例えば500)、ミルク管(例えば流路600)、CIPドレイン開口(例えばドレイン開口940)、ボウル(例えば混合ボウルb406)及びオーバーフロー(例えばスカート410)において到達される流体温度を示す、二分間高温水洗浄を示す図である。これらの構成要素のすべてが、70℃を超える温度まで昇温される。図23及び図24は、長時間にわたる高温水CIPサイクルを示す。見られるように、分配器領域のいくつかの部分は、80℃を超える温度に昇温され、微生物の繁殖を最小限にする。
【0187】
見られるように、本発明は、上記に説明し、図面に示したように、従来技術の装置より動作の衛生性を高め、使用を容易にする。
【0188】
本発明の主旨又は範囲を逸脱することなく、本システムに様々な改造及び変更を加えることが可能であることを当業者なら理解するであろう。したがって、本発明は、添付の請求項及びその同等物の範囲内ですべての当該改造及び変更を含むことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】分配器のすべての主要構成要素を示す、本発明による自動食品分配器の代表的な実施例の概略図である。
【図2】ミルク・マニホールドを示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図3】制御パネル及び制御器をも示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図4】分配位置の分配ノズルを示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図5】洗浄及び/又は消毒位置の分配ノズルを示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図6】ミルク・マニホールドの断面図を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図7】槍の先端を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図8】ミルク・マニホールド、及びそれに接続されたミルク容器組立品の装備ホースの断面図を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図9】ミルク容器組立品の装備品及びホース、並びに分配器のピンチ弁を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図10】本発明による装備品を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図11】本発明による装備品を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図12】本発明による装備品を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図13】カプチーノ/ラテ分配動作時に活性状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図14】飲料分配後洗浄動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図15】日常高温水消毒動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図16】日常CIP初期洗浄動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図17】CIP初期液溜液抜き動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図18】混合ボウル及びノズルを洗浄するための循環洗浄ループ動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図19】ミルク・マニホールドをさらに洗浄するための日常循環洗浄ループ動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図20】日常CIP液溜充填動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図21】不活動時のミルク・マニホールド洗浄動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図22】高温水消毒洗浄浄化動作時に、食品分配器の異なる部分において到達する流体温度の概略図である。
【図23】高温水CIP浄化動作時に、食品分配器の異なる部分において到達する流体温度の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容が参照によって本明細書に全面的に援用されている、2002年12月24日に出願された米国出願第10/328,826号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、食品分配装置に関し、より詳細には、オペレータ入力を低減した、食品分配器の部分の浄化に関する。
【背景技術】
【0003】
食品サービス分野では、濃縮液又はシロップをいくつかの分量の水と混合し、次いでその混合物を要求に応じて分配して、ジュース、コーヒ又は紅茶の如き高温又は低温飲料を再構成する後混合飲料分配器がよく知られている。オン・デマンド調製飲料の組成物に入り込むことが可能である低酸度始動成分の如き微生物に敏感な製品について、深刻な衛生問題が生じうる。ソフト・アイスクリーム給仕機の如き他のタイプの食品分配器は、細菌汚染及び繁殖に容易に影響されうる。
【0004】
例えば、ミルクは、本来、pHが約6.7の比較的安定した比率のタンパク質、脂質及び流体を含む低酸度液である。この配合物は、危険な細菌繁殖の好適な場所を提供する。ミルクは、汚染された水分、ホコリ及び流体等に接触すると急速に劣化しうるため、当該製品の適切な処理及び分配が困難になる。
【0005】
したがって、食品分配器処理液体ミルク・ベース成分は、食品に接触する配管及び機械部品において、それらが適切に浄化されるように、食品残余物を除去し、微生物の繁殖を抑制するための適切な浄化液で定期的且つ完全に浄化することを必要とする。この処理は、手で行うと、極めて面倒で、時間がかかり、人件費が高くなる。洗浄処理には、機械の主たる機能部品を解体し、再度組み立てることが必要である。例えば、カプチーノ送出機又は視覚的ボウル分配器を適切に洗浄するのに必要な従業員労働には、一日に平均で30分間を要する。また、浄化処理における見落とし又は誤りは、飲料の品質に影響を与えるだけでなく、深刻な衛生上の危険をもたらすおそれがある。
【0006】
米国特許第6,287,515号(Koosman他)は、現場洗浄(「CIP」)食品飲料自動分配機のための浄化及び消毒組立品に関する。該組立品は、少なくとも1つの水ラインと、少なくとも1つの水ラインからの水を調整するための少なくとも1つの消毒剤を導入するための少なくとも1つの消毒剤ラインとを含む。少なくとも1つの消毒剤は、空気フィルタ/ドライヤで濾過、乾燥され、次いで空気流動装置において水に加えられる空気からオゾン生成器によって生成されたオゾンであってもよい。典型的には、消毒水は、通常は食品混合物を含むタンクを通じて分配機に導入される。消毒水は、各液溜の頂部を横切る洗浄管又はスプレー・ノズルを通じてタンク内に分散される。タンクに接触することが必要になった場合は、洗浄管とスプレー・ノズルの両方をタンクから取り外すことができる。洗浄管及びスプレー・ノズルを覆うカバーは、消毒水の跳ねかけを防ぐ。消毒水は、タンクから、分配機全体を通って自己洗浄食品飲料接触面に進む。しかし、このようなシステムを備えたオゾン生成器を使用することには、いくつかの短所がある。オゾン生成器は、高価でかさばる傾向がある。また、米国環境保護局は、空気中のオゾン濃度に厳しい制限を設けている。オゾンを吸い込むと肺を損なう可能性がある。したがって、水を純化するために使用されるオゾン装置は、オゾンが水から放出されて、分配器を囲む空気中に高い局所的オゾン濃度が生成されることを防ぐ必要がある。オゾン生成器は、酸素からオゾンを生成するために、通常はコロナ放電の使用に依存するため、高電圧生成をも必要とする。その結果、高電圧の使用による安全性の問題も生じる。ときには、純化されたオゾン源も必要とされる。さらに、オゾンは極めて反応性が高いため、水中で保存されることができず、システムによって要求に応じて生成されなければならない。
【0007】
米国特許第6,240,952号(Schroeder)は、実質的に従来の無菌製品源及び実質的に従来の製品分配器に流体連通して挿入された衛生接続組立品を含む無菌製品分配システムに関する。衛生接続部に自動洗浄システムを設けることにより、加圧ガス、洗浄流体及び/又は消毒液の組合せを衛生接続組立品に注入し、その後そこから排出する。選択された流体を衛生接続部、及び分配器全体に選択的に送出するために、制御器が各流体源に接続されている。次いで、選択された流体は、分配器の終端弁を通じて排出される。洗浄プロトコルは、まず水が循環させられ、次いで消毒液が循環させられ、浸漬サイクルに一定時間維持されるようなものである。最後に、加圧ガスが循環させられ、システムに残留する水及び/又は消毒液を分配弁まで移動させる。この現場洗浄システムは、消毒/洗浄ラインの数、及びそれらのラインに対応する同数の消毒/洗浄源の数により、扱いにくく、複雑である。したがって、このシステムは、さらに、外部に設置され、従来的な分配器に接続されるように構成される。また、そのシステムは、消毒剤が分配器を流れ、分配弁を通じて排出されるという意味で、極めて多くの消毒剤を消費するものである。分配器を流れる消毒剤の量を減少させるために、洗浄プロトコルは、消毒剤がシステム内に一定時間残留する浸漬サイクルを規定している。しかし、効果的にするために、数時間にわたって浸漬が維持されなければならず、それは、全洗浄プロトコルは夜通し実施されてはじめて可能なことを意味する。
【0008】
当該技術分野で知られている食品分配器の消毒は、典型的には、完了するのに多大な時間をとる。一日の特定時間においてのみ一般に商業的に実用可能な従来の食品分配器では、洗浄液を加熱するための時間を含む全水洗洗浄サイクルは、20分から1時間以上の時間をとることになる。衛生的に敏感な製品のような特定の製品を分配するには、より頻度の高い洗浄が必要である。例えば、微生物の繁殖率は、半時間毎にその数を倍増させ、数時間のうちに不健康な微生物数になる可能性がある。化学消毒剤は、流路、及び洗浄すべきすべての表面とくまなく接触することが必要である。
【0009】
「Machine for the treatment and/or the preservation of beverage or liquid or pasty food mixes」という名称の欧州特許第0245641号には、分配製品が分配器ノズルを出る、すなわち外部環境に接触する時点で、食品/飲料分配器を「無菌」状態に維持することができるシステムが記載されている。
【0010】
同様に、「Cleaning Conduits, Especially in Milk Vending Machines」という名称の英国特許第2367105号には、次の洗浄を自動的に開始するために、最後の洗浄動作後の時間、体積又は分配数を監視する制御システムが詳述されている。しかし、このシステムは、ミルクが排出管に接触するだけでなく、混合ボウル、ホイッパ及びノズルを含むはるかに蛇行性の強い流路に接触する後混合飲料分配器に適合するように設計されていない。英国特許第2367105号では、後混合分配器には実用的でない、消毒を目的とした紫外線の併用も推奨されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、分配器の衛生状態を保証する、知られているシステムより便利で、手間と時間のかからない現場洗浄システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、食品送出機構と、浄化機構と、制御器とを含む自動食品分配器に関する。食品送出機構は、食品又は食品成分を受け取るように構成された食品源と、食品源に関連して食品又は食品成分をそこから受け取るための食品導管と、分配路に沿って導管からの食品又は食品成分の給仕物を分配するように構成された分配機構とを含む。浄化機構は、分配路の少なくとも一部分に対して浄化動作を実施するための条件下で、食品送出機構と浄化関連された浄化流路に沿って浄化流体を向けるための、食品送出機構に関連した浄化導管を含む。制御器は、所定の条件に応じて、分配路の部分を自動的に浄化するように浄化機構を作動させるために、浄化機構に動作可能に関連される。制御器、送出機構及び浄化機構は、オペレータによる実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で、給仕物の分配と浄化動作を切り換えるように構成される。
【0013】
本発明のさらなる態様に従って、送出機構を実質的に中断することなく浄化動作を実施するように浄化機構を構成することが可能である。好ましくは、浄化動作は、約10分から約20分の時間を有する。
【0014】
本発明の他の態様に従って、オペレータ報知器をさらに含み、制御器は、報知器がオペレータに浄化動作を作動させることを促すように、報知器に動作関連した分配器が提供される。該分配器は、タイマ及びセンサの少なくとも一方を含むこともでき、タイマは、浄化動作の間隔を計時するように構成され、制御器は、タイマ及びセンサの少なくとも一方から受け取った情報に基づいて浄化機構を作動するためにタイマ及びセンサの少なくとも一方関連している。
【0015】
本発明のさらなる態様によれば、浄化動作は、高温水による消毒動作を含む。本発明のこの態様によれば、消毒動作は、所定の時刻に75℃と95℃の間の温度の水を自動的に送出するように構成される。
【0016】
本発明の他の態様によれば、浄化機構は、互いに異なる第1及び第2の浄化動作を実施するように構成されうる。制御器は、第1及び第2の浄化動作を選択的に実施するように浄化機構を自動的に動作させるように構成されうる。第1の浄化動作は、消毒動作を含むことが可能で、第2の浄化動作は、洗浄及び消毒動作を含むことが可能である。さらに、第1の浄化動作は洗浄動作で、第2の浄化動作は消毒動作でありうる。制御器は、第1の浄化動作を一日数回実施するように構成されうる。浄化機構は、(i)洗剤、(ii)苛性物質及び(iii)酸性物質の少なくとも1つを含む浄化流体を使用する第1の浄化動作、並びに高温水を使用する第2の浄化動作を実施するように構成されうる。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、分配器は、個々の消費に応じてサイズ設定される約10以下の給仕物を同時に分配するように構成されうる。分配器は、単一の給仕物を同時に分配するように構成されることも可能である。
【0018】
本発明のさらなる態様によれば、浄化機構は、浄化流体を浄化流路に再循環させるように構成されうる。分配器は、浄化流体を浄化流路に再循環させながら浄化流体を加熱するように構成された加熱装置をさらに含むことも可能である。浄化機構は、浄化流体の体積を保持するように構成された浄化流路と流体連通する液溜を含むことも可能である。
【0019】
本発明の他の態様によれば、制御器は、送出機構の一部分を消毒するために、所定の間隔で浄化機構を作動させるように構成されうる。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、分配器は、食品源と、食品導管と、分配機構と、浄化機構とを収容する分配器筐体をさらに含むことが可能である。したがって、分配器は、オペレータが、分配又は浄化動作を実施するために、外部の食品又は洗浄液源を接続する必要がなくなるように構成されうる。
【0021】
本発明のさらに他の態様に従って、浄化機構が食品導管及び分配路に動作関連して、食品導管、分配機構及び浄化機構の各々を浄化することが可能である。
【0022】
本発明は、また、食品分配器を動作させるための方法に関する。該方法は、分配路に沿って食品送出機構から食品又は食品成分の給仕物を分配すること、分配路の少なくとも一部に対して浄化動作を実施するために、食品送出機構と動作可能に関連している浄化流路に沿って浄化流体を向けること、及びオペレータの実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で、食品又は食品成分の分配と浄化動作の実施とを切り換えることを含む。
【0023】
本発明のさらなる態様によれば、浄化流体は、浄化流路の一部を消毒するために浄化流路に沿って向けられる水を含むことが可能である。水は、流路に沿う流れを生じるために、約0.2m/sと約2.0m/sの間の平均流速で向けられうる。さらに、水は、約75℃と約95℃の間の温度で向けられうる。浄化流体は、約10分から約12時間に一度向けられうる。さらに、水は、約30秒から約30分間にわたって向けられうる。
【0024】
本発明の他の態様によれば、第1の浄化動作を第1の間隔で複数回実施してから、第2の異なる浄化動作を第2の間隔で実施する。該方法は、浄化流体を浄化流路内で加熱することをさらに含むことが可能である。
【0025】
本発明のさらに他の態様によれば、該方法は、浄化動作が始まるときを制御器・装置によって自動的に決定すること、及び浄化開始信号を送信して、浄化動作を開始することをさらに含むことができる。浄化開始信号は、浄化動作を自動的に開始することができる及び/又は浄化動作を作動させるようオペレータに通知することができる。
【0026】
先述の全般的な説明、及び以下の詳細な説明は例示的なもので、請求対象の発明のさらなる説明を提供することを意図したものであることが理解されるべきである。
【0027】
本発明のシステム、方法及び機械読取り可能プログラムを例示し、その理解をさらに深めるために、本明細書に組み込まれ、その構成部分をなす添付の図面が含められている。図面は、記述と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【実施例】
【0028】
次に、その一例が図面に示されている本発明の現在の好ましい実施例について詳細に述べる。ここに示す装置は、液体又は粉末ベースの食品を分配するのに特に適している。「食品」という用語は、飲料、デザート・トッピング、並びに日配及び非日配製品などを含むが、それらに限定されない、分配器によって分配することが可能な固体又は液体の形態のあらゆる可食物を包括する。本発明は、食品流路内でのミルク・ベース食品の劣化を回避するのに役立つことができるプログラム可能自己洗浄機構を含むため、ミルク・ベース液体食品の混合及び分配に特に適している。本発明は、また、ミルク又は液体ミルク・ベース濃縮液、並びにデザート・トッピング等の他の食品を使用する飲料分配器の自動洗浄に関する。特に、所定の周波数、時間及び温度で分配器を循環しているときに当該装置を消毒するのに高温水を使用することが可能である。さらに、本発明のいくつかの実施例では、冷凍製品の分配などに冷凍を用いることができるが、非冷凍製品を分配することも可能である。
【0029】
濃縮液サプライから供給された化学洗浄濃縮液と、水サプライから供給された水とを混合して、浄化流体として使用される化学洗浄剤を生成することによって、分配器内に浄化流体の供給を生成することが可能である。本明細書に用いられるように、「浄化」という用語は、一般には、流路を洗浄、水洗又は消毒するのに使用する流体を包括し、広義には、異なる浄化剤を使用する多くの異なるタイプの洗浄及び消毒処理を包括することを意図する。洗浄とは、一般には流路の汚れを除去することを意味するのに対して、消毒とは、一般には、胞子量を含む微生物量の低減を意味する。
【0030】
出願人は、直接的な実験を通じて、設定された時間にわたって、予め選定された温度で、浄化機構によって、一定条件下において所定の間隔で循環される浄化流体、特には消毒液として高温水を使用することにより、微生物の繁殖を低減できることを見いだした。また、浄化機構は、場合によって、浄化剤の干渉容量を受け取るように構成された液溜と、液溜と関連し、流体を液溜から流路を循環させ、液溜に戻すように構成されたループ・ラインと、流体を除去するために該組立品に関連されたドレインとを含むことが可能である。
【0031】
好ましくは、浄化機構は、送出機構を実質的に中断することなく浄化動作を実施するように構成される。例えば、日常の業務時間中は、業務時間中に10から20分間より長く分配を中断するのは望ましくないため、浄化機構は、10から20分間より長く機械の動作を中断しないのが好ましい。より好ましくは、浄化機構は、わずか5から15分間、又はさらにより好ましくは30秒から7分間にわたって動作する。したがって、送出機構の実質的な中断を回避することができる。
【0032】
緩衝液溜に加えて、又はその代わりに、本発明では、流路内のインライン加熱器(図18に示される加熱装置990等)を使用して、少量の水又は他の浄化流体を連続的に加熱再循環させることも可能である。液溜を除くことができるため、食品分配器の設計をより小さくし、それに伴ってコストを節約できる。水サプライからの水をある温度でヒータにより加熱し、消毒効果を提供するのに有効な間隔及び時間にわたって循環させることによって、浄化流体を生成することができる。いずれにせよ、浄化流体は、流路上又は流路中を流動しながら流路を洗浄する。
【0033】
さらに、浄化処理を制御するために制御器を使用することが可能である。制御器は、一般には、タイマ又は他の周期的作動装置を含むことになる。分配器は、制御パネルを含むことができ、中央制御器の如き制御器は、ユーザの要望に応じて全洗浄動作を実行するようにプログラム化されうる。代替的又は追加的に、中央制御器は、一洗浄サイクルの浄化流体を流路に時間制御送出した後に、少なくとも一消毒サイクルの浄化流体を流路に時間制御送出することを自動的に実行するようにプログラム化されうる。
【0034】
水以外の浄化流体を使用することが望まれる場合は、分配器は、浄化流体濃縮物を含む除去可能容器の如き浄化流体源を含むことが可能である。浄化流体源は、流路において、浄化濃縮液を送出し、場合によってその量を計量するように制御器によって制御される遮断弁に接続されるのが好ましい。この濃縮液は液溜を使用せずに循環されてよく、或いは流路を浄化するための洗浄剤を調製するための液溜を介して循環されてもよい。
【0035】
浄化流体の循環は、ユーザの要望に応じて、又は所定の時間間隔で自動的に、分配器を使用しない周期的な間隔で自動的に実施されうる。望まれるならば、浄化流体を循環させる前に、流路を予備洗浄することができる。また、流路の一部分を、流路の残りの部分が浄化流体を受け取ることができるように閉鎖することが可能である。
【0036】
本発明のさらなる態様によれば、流路を介して浄化流体をループ形で再循環させるように装置を制御するための命令をさらに含む機械読取り可能プログラムが提供される。浄化流体は、例えば、制御器によって制御されるポンプ、又はより高圧の液体を流体ループに導入することによって流れを流体ループに向けることが可能な弁マニホールドによって再循環されうる。場合によって、循環浄化流体を分配器から定期的に排出し、廃棄するように分配器のいくつかの部分を設けることができる。当該部分は、例えば、液溜の重力又は圧力被動除液を可能にするように制御器によって選択的に開放できるドレイン・ライン内に配置されるソレノイド動作弁を含むことが可能である。
【0037】
代替的又は追加的に、混合ボウルを洗浄するために、分配器内の混合ボウルに及び混合ボウルの下流に配置された流路に浄化流体を向けるための装置も設けられてよい。当該装置は、例えば、制御器によって選択的に開閉することが可能なソレノイド動作弁を含む弁マニホールドを含むことができ、マニホールドは、水、又は洗浄濃縮液を含む水をベースとした溶液を混合ボウル、又は混合ボウルの下流の流路の部分に向けるように選択的に構成されてよい。
【0038】
さらに本発明によれば、制御器内等に機械読取り可能プログラムが提供されてよい。制御器は、浄化機構を使用して、浄化流体をオーバーフローするまで混合ボウルに充填することによって混合ボウルを浄化するように機械読取り可能プログラムにより構成されうる。浄化装置は、混合ボウルをオーバーフロー状態になるまで満たすように制御器により制御されうるソレノイド作動弁マニホールドを含むことが可能である。ボウルからオーバーフローする流体を回収するための装置は、例えば、ドレイン・ラインに接続される、混合ボウルを囲むスカートを含むことが可能である。回収された流体を選択的に液溜に向けるための装置は、弁を選択的に開閉させ、及び/又はポンプを駆動して、回収された流体を緩衝液溜、及び/又は回収された流体を分配器から除去するためのドレインに向けるように構成される制御器によって制御されたソレノイド作動弁マニホールドを含むことが可能である。
【0039】
追加的又は代替的に、機械読取り可能プログラムは、浄化流体を、分配器を使用しない周期的な間隔で、又はユーザの要望に応じて循環させるように浄化機構を自動的に動作させるようにさらに構成されうる。
【0040】
限定ではなく、説明及び例示を目的として、本発明による該装置の代表的な実施例が図1に示されており、全体的に参照記号100で指定されている。ここでは特定の食品分配器が示されているが、本発明は、システムを定期的に浄化して、それを維持することが望まれる実質的に任意の構成の食品分配器に適用可能である。当該分配器としては、ジュース、飲用ヨーグルト及びデザート・トッピング等の食品を分配するように構成された分配器を挙げることができる。
【0041】
本発明に従って、自動食品分配器は、ミルク・ベース流体の液溜の如き食品源からのミルク・ベース流体の如き食品の供給を確立するように構成されるインターフェース接続部と、ミルク・ベース流体を受け取り、ミルク・ベース製品を調製するように構成された混合装置と、混合装置と流体関連して、ミルク・ベース製品を分配するノズルと、ミルク・ベース製品を、インターフェース接続部から混合装置を通じてノズルに流れるように向けるように構成された流路と、分配器内に配置され、浄化流体のサプライと、浄化流体を流路に又は流路を通じて送出するように構成される流路とを含む浄化機構とを備える。
【0042】
分配器100は、ミルク・ベース流体の液溜211の如き食品源からのミルク・ベース流体211aの供給を確立するように構成されるインターフェース接続部233と、ミルク・ベース流体211aを受け取り、ミルク・ベース製品を調製するように構成された混合装置400と、混合装置400と流体関連して、ミルク・ベース製品を分配するノズル500と、ミルク・ベース製品を、インターフェース接続部233から混合装置400を通じてノズル500の如き分配機構に流れるように向けるように構成された食品導管又は流路600と、分配器100内に配置され、浄化流体のサプライ987aと、浄化流体を流路600に送るか又は流路600に通すように構成される流路800とを含む浄化機構700とを含む。浄化機構700は、少なくとも部分的又は完全に分配器100の筐体1500内に収容される(図3参照)。さらにより好ましくは、浄化動作を実施するために、外部の洗浄流体源(例えば洗剤)を分配器100に接続することが必ずしも必要ではない。
【0043】
上記特徴の各々を以下にさらに詳細に説明し、その後、製品の調製及び送出、並びに装置の自己洗浄動作のいくつかの代表的な形態を含めて装置全体について説明する。
【0044】
図2は、インターフェース接続部233、及びそれと関連した構造体を示す図である。インターフェース接続部233は、ミルク・ベース流体の液溜211から分配ライン620へのミルク・ベース流体211aの供給を確立するように構成される。マニホールド230は、マニホールド230に着脱可能に取りつけられる使い捨て小組立品又は容器組立品210を含む。マニホールド230は、容器組立品210から分配ライン620への飲料又は食品の流体接続を確立するためのインターフェース接続部233を有する筐体232を備える。マニホールド・システムは、浄化流体によって横切られ、フラッシング・ライン235を介してフラッシングされるように構成される。浄化流体は、高温水820又は低温水810、化学剤、蒸気、及びそれらの組合せを包括してよい。例えば、フラッシング・ライン235を浄化流体源に流体連通することができ(図1参照)、プログラム可能制御器1000によって制御される弁を選択的に開閉することによって、浄化流体を選択的にフラッシング・ライン235に送ることが可能である。
【0045】
本実施例では、ミルク・ベース流体を分配するように描かれているが、他の実施例は他の製品を分配することが可能である。例えば、ミルク・ベース飲料、並びに日配をベースとしたデザートなどの微生物に敏感な他の食品を含む他のタイプの食品を分配することもできる。微生物に敏感な他の食品も分配器100を使用して分配することが可能である。さらに、食品は、濃縮形態、並びに即席使用(すなわち非濃縮)形態で提供されうる。液体及び粉末濃縮形態の如き様々な濃縮形態を用いることが可能である。
【0046】
容器組立品210は、好ましくは、食品を収容するパッケージ又は液溜211と、装備品300によって終端するホース212とを含む。パッケージ又は液溜211は、典型的には、バッグ・イン・ボックス型パッケージ、又は輸送及び保管が容易で便利な任意の同様の使い捨て軟質パッケージであってもよい。しかし、オペレータが充填できる受容ビンの如き他の選択肢も可能である。ホース212は、好ましくは、パッケージ・ポート215に直接シール又はクランピングされ、パッケージ材料とのシールに対応可能な材料で構成されうる。好ましくは、充填前に、放射線などによって、容器組立品210をその膜350と共に滅菌することができる。液体食品の充填は、無菌で行われる。無菌充填は、パッケージそのものに設けられた充填ポート又は開口によって、或いは後に適切にシールされるホースに取りつけられた装備品300を充填することによって実施されうる。したがって、当該容器組立品210を、膜350を破壊するか、或いは剥がすまで無菌状態に維持することができ、それは、冷凍を必要とせずに、外気温で容器組立品210を輸送し、保管し、分配ユニットに装填するのに有益性を提供する。当該軟質の液溜及びホース組立品は、その内容が参照により本明細書に明確に援用されている、「Dispenser System」という名称の米国特許第6,024,252号(Clyde)にさらに詳細に記載されている。
【0047】
容器組立品210は、マニホールド・システム230に接続され、その装備品300は、インターフェース接続部233に接続され、ホース212は、ピンチ弁260、又はホース212及びパッケージ又は液溜211の上流部分212aを無菌状態に維持することが可能な同様の構造体に係合される。分配ライン620への製品の流れの制御を保証するために、弁216のような追加的な弁及びポンプ203が通常設けられる(図1参照)。マニホールド230は、本発明の端末装備品300に便宜的且つ取外し可能に相補的に係合する保持手段を備える。結合手段236の構成は、インターフェース接続部233に固定される装備品のタイプ及び形状に応じて大きく変動しうる。結合手段は、容器組立品210とマニホールド230の分配ライン620との間に確実でしっかりした流体連通を確立するために、インターフェース接続部233に防水接続部を提供できなければならない。好ましくは、装備品300を弾力的にインターフェース接続部233に押しつける装備品300の結合手段236に係合するように構成されたばね装填保持システム237が設けられる。装備品300とマニホールド・システム230の間の接続をカム又はレバー型機構の如き任意の他の同等の手段によって実施しても、本発明の主旨を逸脱することなく、実質的に同じ結果を与えることが可能であることは明らかである。
【0048】
洗浄モードにおいて、マニホールド・システム230は、容器組立品のこの部分を規則的に浄化するように、装備品300内の浄化流体をピンチ点266まで向けることが可能である。当該構成において、ピンチ弁260は、容器組立品210の上流部を隔離及び無菌状態に維持する。重要なことは、装備品300の構造を短くすることで、浄化を必要とするホース212の下流部分212bを効果的に小さくすることが可能であることを容易に理解できる。装備品300は、また、流体との接触が短い環状の内面に沿うものに限定されるため、微生物が住みつく可能性を極めて小さくする。したがって、分配された食品の衛生状態を順調に向上させることができ、細菌汚染及び繁殖の危険性がそれに応じて低減される。その結果、比較的低い水分活性を有するミルク濃縮液の如き低酸度濃縮液を収容する無菌処理容器を、容器を冷凍することなく、分配ユニットにおいて外気温で分配することが可能になる。
【0049】
本発明に従って、食品を受け取り、例えばミルク・ベース製品を調製するように構成された混合装置をさらに備える自動食品分配器が提供される。
【0050】
図1及び図3は、本発明による混合装置400を示す図である。本発明の本実施例を使用するに際して、オペレータは、装置の指令パネル1100から所望の飲料、例えばカプチーノを選択する。このユーザ入力に応じて、電子制御器1000は、ミルク・ベース飲料の調製処理を開始し、本明細書に記載されている分配器100装置の異なる部分を動作させる。上述したように、ミルク・ベース流体211aの如き食品の液溜211からの流れを、マニホールド230を介して供給することが可能である。ポンプ203、好ましくは、蠕動ポンプは、ミルク・ベース流体211aを、ピンチ弁260を通って、ホイッパ409に接続される混合ボウル406に送るための圧力を提供することが可能である。
【0051】
混合ボウル406及びホイッパ409は、混合装置400の一部である。ミルク・ベース流体211aが混合ボウル406に流れる間に、高温水供給弁950が開放されて、高温水820の高温水タンク751から、高温水820とミルク・ベース流体211aが混合を開始する混合ボウル406への流れを開始する。混合ボウル406は、高温水820とミルク・ベース流体211aとの配合物を混合するように作動される。次いで、再構成された高温のミルク混合物211bは、ボウル406から、ホイッパ409、そして分配ノズル500を通って、分配部418で受け取られるカップ516の如き受器へ流入する。この工程は、所定の期間にわたって行われて、飲料の個別的な給仕物を調製するための適量の高温水820及びミルク・ベース流体211aを達成する。この期間の後で、ポンプ203が停止される。分配部418は、好ましくは、飲用カップ又はグラスを受け入れ、ノズルを飲料面から約10cm未満の高さに位置づけるように寸法設定されるが、他の実施例では他の距離が採用される。
【0052】
所定の遅れ、好ましくは約1秒間の遅れの後に、ホイッパ409が遮断され、コーヒ濃縮液を、好ましくは管理された適量で、コーヒ容器412から混合ボウル406に送出するためにコーヒ・ポンプ411がオンにされる。或いは、要請された飲料製品がホット・チョコレート飲料である場合は、チョコレート容器412aからチョコレート濃縮液をサンプリングするために、ポンプ411aがオンにされる。容器412及び412aは、液溜211と同じ又は類似の種類の構造、例えば機密密封された取外し可能なパウチであるが、他の実施例では互いに全く異なっていてもよい。コーヒ及び高温水820は、混合ボウル406に流入し、ホイッパ409、そしてノズル500を通って、所定時間にわたって、選択された速度でカップ516に流入して、所望の適量のコーヒ及び高温水を達成する。コーヒの適量が達成された後に、コーヒ・ポンプ411がオフにされる。ここでは、ポンプで送出された液体濃縮物が具体化されているが、オーガ・ビット等の適切な機構によって送出される粉末濃縮物が使用されてもよい。さらに、分配器100を使用して、2つ又はそれ以上の食品を混合して、濃縮又は即席使用形態で分配することが可能である。
【0053】
さらに本発明に従って、混合装置と流体関連したノズルを利用して、食品を分配する自動食品分配器が提供される。図3に示されるように、分配ノズル500が設けられる。好ましくは、ノズル500は、自己洗浄が可能である。図4を参照すれば、ノズル500は、全体的に円筒形の胴体508を有する。胴体508は、中間部508aと、それぞれ中間部508aの直径より小さい直径を有する2つの末端部508b及び508cとを備える。胴体508には、胴体508の中心で縦に延びる貫通導管550が設けられている。導管550は、ノズル・ヘッド512が接続される第1の末端部分551と、導管を介して液体送給ラインに接続されることになる第2の末端部分552とを備える。本実施例では、ノズル・ヘッド512は、胴体508の部分508bの自由端にねじ止めされ、コネクタ514が、部分508cの自由端に固定される。ノズル・ヘッド512は、導管510に接続された第1の部分509aと、外側に開いた第2の部分509bとを有し、傾斜シリンダ513がねじ止めされている直角のチャネル屈曲部を備える。傾斜シリンダ513は、チャネル509の部分509bによって、その形状が流体噴射の形状を決定づける環状の流体又は飲料口518の範囲を定める。図4に示される例では、噴射は、点線で示される円錐Cの形状を有する。したがって、コネクタ514は、流体又は飲料入口516を定め、流体又は飲料開口518は、流体又は飲料出口を定める。
【0054】
ノズル・ヘッド512を胴体508にねじ止めし、傾斜シリンダ513をノズル・ヘッド512にねじ止めすることで、これらの要素を容易に交換し、有利には分配ノズル500を柔軟にすることが可能になることが注目される。特に、分配ノズル500は、飲料出口518に対する異なるサイズ、又は異なる噴射形状を必要とする飲料に迅速且つ容易に適応されうる。分配ノズル500は、両端が開いた円筒状スリーブの全体形状を有するコレクタ部材520をさらに備える。収集スリーブ520は、収束する平頭の前部520bによって拡張された円筒状の後部520aを有する。スリーブ520は、ブラケット506a及び506bに固定されている。示されている例では、スリーブ520は、前記スリーブ部分の壁の厚さで縦に延びる複数のねじ522によって互いに接続された2つの部分で構成される。胴体508及びノズル・ヘッド512は、スリーブ520の内側を軸方向に案内され、滑動する。
【0055】
より厳密には、胴体508及びノズル・ヘッド512は、ノズル・ヘッド512がスリーブ520から解放される、すなわち飲料を受器Rに分配できるようにスリーブ520の外側にくる、図4に示される分配位置と呼ばれる第1の位置と、スリーブ520の少なくとも一部が飲料出口518の前方に配置されて、飲料出口518から出る洗浄流体984aを収集する、図5に示される洗浄位置と呼ばれる第2の位置との間をスリーブ520に対して相対的に移動可能である。
【0056】
分配位置では、ノズル・ヘッド512はスリーブ520の前部520bから突出し、図4の太線で表される、導管550を介して到達する飲料Bは、ノズル・ヘッド512の飲料出口518を通じて、飲料出口518の下に配置された受器R内に分配されうる。
【0057】
洗浄位置では、スリーブ520の内壁524は、胴体508の外面526と共に、ノズル・ヘッド512、特には飲料出口518が収容される洗浄室528を定める。洗浄室528は、スリーブ520の内壁に配置されたドレイン開口530を介して外部と連通する。具体的な場合に応じて、ドレイン開口530は、タンク及びポンプ装置を介する閉鎖回路における循環に洗浄流体を戻すことを可能にするために、下水システム(不図示)又は再生タンク(CIPタンク980等、図1を参照)に接続される。2つの密封ガスケット、すなわち前部ガスケット532及び後部ガスケット534が、飲料出口518の両側に配置され、洗浄室528を密封する働きをする。
【0058】
好ましくは、前部ガスケット532は、密封ジョイントによって形成され、スリーブ520の前部開口の周囲の平頭部520bの前面536と、ノズル・ヘッド512の前部に設けられたカラー540によって定められる相補面538との間に配置される。
【0059】
カラー540は、分配ノズル500が、分配位置にあっても洗浄位置にあってもスリーブ520の外側に配置されることが注目される。前面536及び相補面538は、洗浄位置での洗浄室528の適正な密封を保証するために、平面であるのが好ましいことが注目される。後部ガスケット534は、スリーブ520の内壁524の円筒形部分と、胴体508の中央部508aとの間に配置された密封ジョイントによって形成される。典型的には、前部密封ガスケット532はOリング型のジョイントで、後部密封ガスケット534はリップ・シール型のジョイントである。洗浄位置では、洗浄室528を防水状態にするために、カラー540が前面536に当接するように、胴体508が移動される。
【0060】
したがって、水に加えて、又は水以外の浄化流体を使用する場合は、導管550を流れる、図5の太線で表された洗剤含有流体又は浄化液984aがノズル・ヘッド512の導管509に向けられ、次いで洗浄室528に向けられ、出口530を流れる前にノズル・ヘッド512の周囲でドレイン開口又は再生タンクに向けられることができる。水以外の適切な浄化媒体としては、とりわけ洗剤、苛性及び酸性溶液、蒸気、ホルムアルデヒド、オゾン、高温水及び紫外線等が挙げられる。
【0061】
スリーブ520と胴体508の間の相対的な移動を保証するために、胴体508は、基板504に固定された作動手段542に接続される。好ましくは、作動手段542は、戻しばね545に関連したソレノイド電磁アクチュエータ544で形成される。アクチュエータ544のロッド546は、胴体508の部分508aに固定され、戻しばね545は、胴体508とアクチュエータ544の間のロッド546の周囲に配置される。
【0062】
したがって、制御器1000から発生する制御信号(例えば図3を参照)に応答して、作動手段542は、分配ノズル500を自動的にその分配及び洗浄位置に移動させることを可能にする。より具体的には、アクチュエータ544に信号が存在しない場合は、ソレノイドは不活性化され、戻しばね545は、胴体508が、矢印F1の方向で、分配装置100を図4に示される分配位置に移動させるようにする。アクチュエータ544に信号が存在する場合は、ソレノイド電磁アクチュエータ544は活性化され、胴体508が、矢印F2の方向で、分配装置100を図5に示される洗浄位置に移動させるようにする傾向がある。並進移動がスリーブ520に対して胴体508を押しつけるのを可能にするのであれば、任意の他のタイプのアクチュエータを使用できることは言うまでもない。例として、電磁アクチュエータ544を歯車付きの駆動装置又は電気アクチュエータに代えることを想定することが可能である。
【0063】
そのすべてが参照により本明細書に援用されている、2002年10月11日に出願された「FLUID DISPENSING DEVICE WITH SELF−CLEANING NOZZLE AND METHODS OF USE」という名称の同時係属米国特許出願第10/133,126号(Peter W.Carhuff他)には、自己洗浄ノズルに関するさらなる詳細が記載されている。
【0064】
ここでは、上記の作動可能ノズルについて説明したが、本発明の代替的な実施例では通常のノズルを使用することも可能である。当該ノズルは、浄化流体をそこに向けることによる浄化動作で浄化されうる。この代替的な実施例によれば、例えば、浄化動作時にオペレータが管をノズルに取りつけることによって、浄化用再循環ループが確立されうる。このように、分配ノズルは、浄化機構700と選択的に流体連通して配置されるように構成されうる。
【0065】
本発明の他の態様によれば、図1及び図3を参照すると、調理に必要とされる高温水820の残りを送出するための小さな遅れの後に、高温水供給弁950がオフにされる。食品(例えばミルク・ベース流体211a及びコーヒ)が加えられた後の高温水820の残りには、ホイッパ・ボウル406及びホイッパ409における食品の残りのほとんどをシステムからカップ516に回収できる利点がある。
【0066】
次いで、以下に説明するように、注水弁413が好ましくは数秒間にわたってオンにされて、水810を噴霧ノズル414に供給して、カップ516において調製されたカプチーノ飲料の頂部の泡に水810を吹きつける。コーヒ分配の実施例では、この噴霧相は、泡の最上層から茶色のコーヒ材料を洗って、カプチーノの発泡トッピングの上層を漂白する。それは、また、より大きい気泡を破壊し、泡を湿らせて、発泡構造を精製し、発泡トッピングに泡及びクリーム状の外観を与え、その外観のクリーム性及び均一性を高める。
【0067】
泡層の適切な噴霧を完遂し、泡の良好な漂白及び外観を達成するためには、水滴のサイズに注意すべきである。好適な水滴サイズは、ノズル口のサイズと、ノズル口の設計と、噴霧ノズルに供給される水810の圧力との組合せによって得られる。ノズル414は、好ましくは約0.1mmから約1mm、より好ましくは0.50mmから0.85mm、最も好ましくは0.7mmから0.8mmのサイズの口を有する。0.762mmのサイズの口を有するノズルで最適な結果が得られた。
【0068】
ノズル414は、好ましくは、泡の表面の収束構成に水滴を分布させるように動作する。収束構成は、真直構成と比較してより小さい水滴を与え、表面に凹部を形成することなく泡に対する広範且つ均一な洗浄効果を形成することが証明されているが、真直又は他の構成を代替的に用いることが可能である。ノズル414は、好ましくは、約45度から約60度、より好ましくは約50度から約55度の範囲の収束噴霧角を形成するように構成された先細の口を有する。
【0069】
その全体が参照により本明細書に援用されている、2002年10月11日に出願された「FROTH SHOWERING」という名称の同時係属米国特許出願第10/268,777号(Peter W.Carhuff他)には、散水を用いて泡を処理するための材料及び方法に関するさらなる詳細が記載されている。
【0070】
さらに本発明に従って、食品を、インターフェース接続部から混合装置を通ってノズルに流れるように向けるように構成された流路をさらに備える自動食品分配器が提供される。
【0071】
ここに具体化されているように、図1及び図2を具体的に参照すると、本発明の分配装置100は、液溜211と流対連通するように挿入されたマニホールド230と、上述した混合装置400、送出導管710及びノズル500に到達することが可能な下流分配ライン620とを全体的に含むことが示されている。
【0072】
ここに具体化されているように、流路500は、食品が横切る任意の流路、並びに浄化流体が横切る任意の流路を含む。例えば、分配器100の通常の動作時に、流路は、食品と接触するあらゆる表面を含むことになる。これは、勿論、少なくとも液溜211と、ホース212と、装備品300と、インターフェース接続部233と、分配ライン620と、混合装置400と、送出導管710と、ノズル500とを含むことが可能である。それは、ポンプ411及び411aと、容器412及び412aとを含むことも可能である。流路を構成する濃縮液容器、ポンプ及び分配ラインの数は、分配装置100の所望の複雑さ及びタイプにのみ依存する。
【0073】
さらに本発明に従って、分配器内に配置され、浄化流体のサプライと、浄化流体を流路に送出するか、又は流路を通じて送出するように構成される流路とを含む浄化機構をさらに備える自動食品分配器が提供される。
【0074】
ここに具体化されるように、図1及び図2を参照すると、本発明による衛生マニホールド200は、マニホールド230と、現場洗浄(「CIP」)システムの部分とを含む。CIPシステムの部分は、例えば、現場洗浄又は「緩衝」液溜980(設けられる場合)、浄化流体を含む容器986a及び987aに接続された弁986及び浄化弁987、CIPポンプ988、高温水タンク751、並びに弁750、755、945、950、955及び989を含むことが可能である。CIPシステムを使用して、分配器100の任意の部分を浄化することが可能である。しかし、弁、液溜等、及びフラッシング・ラインの様々な配置のいずれか1つを用いて、本発明に従って食品を分配し、システムを定期的に洗浄することが可能である。CIPシステムは、デスケールする目的にも使用できる。この場合は、酸性溶液の容器を制御弁と共に配置して、酸性溶液をシステムに供給することができる。酸性溶液は濃縮形態で提供され、CIP液溜980において水で希釈されることができる。要望に応じて、酸性溶液を定期的にそこに循環させることによって、ボイラ(高温水タンク751)及び付帯設備をデスケールするように分配器100を装備することが可能である。分配器の他の部分についても同様にデスケールすることができる。
【0075】
図2を参照すると、マニホールド230は、洗浄ライン703又は消毒ライン704から到来する高温水820、蒸気及び化学消毒剤の如き浄化流体が選択的に横切って流れるように構成される。洗浄ライン703又は消毒ライン704の選択及び開放は、制御器1000によって制御された弁705及び706によって行うことができる(図1及び図2を参照)。典型的には、ミルク・ベース濃縮液に対しては、苛性ソーダ、低発泡洗剤溶液、或いは塩素化溶液又はフェノル化溶液を含む群の中から選択されることになる。しかし、上述したように、消毒の目的に高温水のみを使用することが可能である。浄化流体は、酸性溶液の如きデスケーリング剤を包括することもできる。
【0076】
本発明の一実施例において、浄化流体は、約0.2m/sから約2.0m/s、さらにより好ましくは約0.4m/sから約0.8m/sの平均流体速度で流路を循環される。浄化流体が洗剤及び/又は苛性成分を含むときは、浄化流体は、好ましくは、約50℃と約85℃の間、さらにより好ましくは約60℃と約75℃の間の流体温度で循環される。浄化流体が酸性成分を含むときは、浄化流体は、好ましくは、約40℃と約70℃の間の流体温度で循環される。さらにより好ましくは、酸性の浄化流体は、約50℃と約65℃の間の流体温度で循環される。
【0077】
浄化工程が水洗工程であるときは、その工程は、好ましくは約10秒間と約10分間の間の、より好ましくは約30秒間と約5分間の間、さらにより好ましくは約1分間と約3分間の間の持続時間を有する。浄化工程が(例えば洗剤を使用する)洗浄工程であるときは、その工程は、好ましくは約15秒間と約20分間の間、より好ましくは約30秒間と約10分間の間、さらにより好ましくは約1分間と約5分間の間の時間を有する。
【0078】
図2及び図6を参照すれば、好ましいマニホールド230は、実質的に円筒形の筐体232を含む。筐体232の第1の末端231には、容器組立品210の装備品300を取外し可能に受け入れるように構成されたインターフェース接続部233が設けられる。筐体232は、移動可能浄化流体ライン組立品733を中心穴744内に同軸に装着することを可能にする中心穴744を備えた中空構成を有する。浄化流体ライン組立品733は、浄化流体が、中心穴744の縦軸に対して約90度でマニホールド230に進入するための入口735を定める第1のコネクタ734を備える。したがって、コネクタ734は、浄化流体の流れを縦軸に沿って向かわせ、自らを第3の接続部737に接続するライン組立品の第2の中間L形接続部736に接続する。第3の接続部737は、突起部材738の端末槍743の近くに配置された流体ポート741まで浄化流体を輸送するための軸方向導管739を含む突起部材738に接続される。
【0079】
槍743は、突起部材738が往復動の態様で前方に作動すると、装備品300の部材350(図参照)を切断することが可能な鋭い末端732を有する。部品734、736、737、738及び743は、互いに固定的に接続されているため、ライン組立品733全体が筐体232の穴744に沿って往復動することが可能である。図7に示されるように、槍743は、好ましくは、膜350を切り開き、固体沈殿物が容易に沈降しうるゾーンを保持することなく、ミルク・ベース流体211aの流れが適切に装備品300を横切るのに十分に広い開口部を装備品300に設けるように配置された複数の円周方向に配向した切断針743aを備える。また、スプライン743aは、浄化流体の流れを容器組立品210の装備品300及びホース212の方へ向ける役割も果たす。
【0080】
ここにさらに具体化されているように、突起部材738の一部分は、筐体232の内部胴体745の穴744の部分に沿って軸方向に綿密に案内される。内部胴体745は、ねじの如き接続手段によって前部胴体部746に接続される。前部胴体746は、インターフェース接続部233から、室747に対して直角に配置された排出導管748に内側に延びる環状の空間の境界を定めるように、突起部材738の外径より大きい径の室747を備える。室747及び排出導管748は、共に排出口761によって終端する排出ライン760を形成する。排出ライン760の内部を防水状態にするために、内部胴体745と突起部材738の間に密封ガスケット749が設けられる。
【0081】
筐体232の後端には、アクチュエータ762、好ましくは筐体232の後部中空体部763上に同軸に装着された電磁ソレノイド・アクチュエータが設けられる。アクチュエータ762は、浄化流体ライン組立品に係合して装着され、より具体的には第2の接続部763に対して装着される。アクチュエータ762は、プッシュプル・ソレノイド型でありうる。したがって、制御回路から発生する制御信号に応答して、アクチュエータは、流体ライン組立品733を図6に示される矢印Aの方向に押し、それは、槍743の先端がインターフェース接続部233を越えて伸びる挿入位置で突起部材738及びその槍743を前進させる効果を有する。アクチュエータ762が不活性化されると、突起部材738は挿入位置で停止する。アクチュエータ762が再び活性化されると、後退位置、すなわち槍743がインターフェース接続部233に対して挿入される位置に配置される矢印Bの位置にライン組立品733を押し戻す傾向がある。アクチュエータ762は、プッシュ型のみであり得て、ソレノイドが不活性化されると、突起部材738を後退位置に押し戻す、本体部745とコネクタの間に挿入された戻しばねと組み合わせることが可能であることに注目できる。図6に示されるように、筐体232の後部胴体部763は、入口及びコネクタ734及び735が流体ライン組立品全体の一体部品として軸方向に移動するように構成された形状及びサイズの長形口を備える。勿論、ソレノイド・アクチュエータ762を、カム機構、ウォーム歯車又はラック・ピニオン・システムの如き同等の作動手段に代えることも可能である。図8に示されるように、マニホールド230は、容器組立品210の端末300に相補的に係合する結合手段を備える。結合手段の構成は、所定の位置に固定される装備品300のタイプ及び形状に応じて大幅に異なる。結合手段は、ホース212の部分とマニホールド・システムの分配ライン620との間に確実でしっかりした流体連通を確立し、システム外部への流体漏出の危険性を回避するために、インターフェース接続部233に防水接続部を提供できるものである。好ましいモードにおいて、図8に示されるように、装備品300の相補的に成形された環状溝723に係合するように構成された環状リップ770を有するばね装填ホルダ766が設けられる。装備品300は、筐体232の胴体部746の一部にねじ止めされると、ホルダ766に徐々に力を加える止めナット768によって、インターフェース接続部233の周囲に配置されたシール771に対して筐体232の末端面に当接するように付勢される。要素の永久的な変形を回避するために、ある程度の弾力性がホルダ766に与えられ、ばね、又はホルダ766と胴体部746の間に挿入される他の弾力手段780によるバックラッシュを補償する。
【0082】
カム型機構又はレバー型機構などの他の同等の機械的手段によって装備品とマニホールド・システムの間の接続を行って、本発明の主旨を逸脱することなく同じ結果を提供することが可能であることは明らかである。装備品の受け入れ手段は、環状溝ではなく、突出部から形成され、ホルダは、環状リップの代わりに、装備品の突出部がホルダの凹部に相補的に嵌合することになる凹部から形成されうることも明らかである。
【0083】
図2及び図9を参照すると、マニホールド・システム230は、好ましくはインターフェース接続部233にできるだけ近づけて配置され、容器組立品210のホース212の部分に外部から係合する外部弁をさらに備える。外部弁は、好ましくは、ピンチ部材261、ピンチ・ブロック262及び引張ばね263を備えたばね装填ピンチ弁260である。引張ばね263は、ホース及びピンチ・ブロック262に対するピンチ点266におけるピンチ部材261の一定の圧締圧力を絶えず維持する。引張ばね263の張力により、弁260は、静止構成で受動的に作用する。弁260によって加えられた圧力は、典型的には、ポンプ203が活動していないときは、ピンチ点266においてホース212を気密的に閉鎖するのに十分である。したがって、ピンチ点266の上流に配置されたホース212の部分をこの静止状態で無菌状態に維持することが可能である。ポンプが活動しているときは、ホース212の上流部212aにおける濃縮液の流れによって加えられた圧力は、引張ばね263の限界張力値を超えることで、ピンチ弁260を開放させるのに十分である。
【0084】
生成された流れ力、及び流れの方向により、微生物は、無菌状態に維持されているホースの上流部に達することができない。浄化流体が、装備品300内のマニホールド・システム230及びホース212の下流部212bから圧力により押し出される洗浄状態では、ピンチ部材261に対するばね張力を増加させる追加的な圧力を加えるピンチ・アクチュエータ267によって、ピンチ弁260の限界張力をより高い値にすることが可能である。したがって、弁260の限界張力は、浄化流体の圧力より十分に高められて、浄化流体が容器組立品210の無菌部分に進入できないようになる。したがって、あらゆる条件において、ピンチ点266を通ったホース212の部分212aを確実に無菌状態に維持し、膜350が破断した後に無菌状態でなくなる、ピンチ点266の前のホース212の部分212bを定期的に洗浄、水洗することが可能である。その結果、微生物に敏感な流体、例えばミルク濃縮液の送出条件は確実に制御され、分配ユニット100での冷凍は必要なくなる。
【0085】
次に、再び図8を参照して、新たな容器組立品210を所定の場所に導入し、マニホールド230に接続するときの浄化動作を説明する。容器組立品210は、装備品と、容易に無菌状態に維持できず、装備品300がマニホールド・システム230の結合手段に結合された後に分配ライン620と接合する膜350との外部を含むため、予備浄化動作モードは、好ましくは、新たな容器組立品210が所定の場所に導入されるときに、分配ライン620の直接的な汚染を防ぐために、新たな容器組立品210毎に実施される。
【0086】
そのすべてが参照により本明細書に援用されている、2002年7月28日に出願された「SANITARY MANIHOLD SYSTEM AND METHOD FOR HYGIENICALLY DISPENSING FLUIDS」という名称の同時係属米国特許出願第10/187,939号(Peter W.Carhuff他)には、マニホールド230及び衛生マニホールド200に関するさらなる詳細が記載されている。
【0087】
さらに本発明に従って、インターフェース接続部が食品の液溜に係合するように構成され、食品(例えば微生物に敏感な流体)の液溜が軟質ホース部及び装備品を含む、自動食品分配器が提供される。
【0088】
ここで具体化されるように、図10及び図12を参照すると、装備品300は2つの主要部品、すなわち第1の胴体部材301及び環状スリーブ302から構成され、これらは、組み立てられて、共にホース212の端末部又は末端303に固定されると、装備品300とホース212の間に防液性の組立品を形成する。
【0089】
図11に示されるように、装備品300の第1の胴体部材301は、縦軸Iに沿って伸びる管又はソケット304の一部を含む。ソケット304は、ホース212の内径と係合するように構成される外部分と環状係合面を形成する。好ましくは、ホース212は、ソケット304にピッタリと嵌合するようにわずかに伸縮する弾力性プラスチック材料で構成される。軸Iの中央流体入口の境界を定めるソケット304の第1の末端に端末圧接壁305が設けられる。ホース212がソケット304に嵌合すると、ホース212は当接壁305に当接する。
【0090】
装備品は、内部の穴308がホース末端と第2の係合面を形成するリングの形を有することが好ましいスリーブである第2の部材3072をさらに備える。スリーブ307の穴は、図12に示されるように、流体密封の接続部を形成するように、ホース末端の外面にきちんと係合するように構成される。より具体的には、ソケット304及び穴308は、ホース212が、引っ張りによる離脱に抵抗できるように、ホース212の末端に楔作用を形成するように構成された異なる表面形状を有する。好ましい実施例において、ソケット304は、ホース212の方向に徐々に先細りして、縦軸Iに対して傾斜θ1を形成する係合面309を有する。同様に、穴308は、スリーブ307の外半径面311付近でホース212を挟む楔部320を形成するように、同じ方向で、しかしθ1より大きい傾斜θ2で徐々に先細りする係合面310を有する。したがって、穴212は、ソケット304とスリーブ307の間に適切に固定され、「T」で定められる縦方向の引張力に抵抗する。スリーブ307は、分配ラインの保持手段と係合するように構成された結合手段312をさらに支持する。装備品300が結合手段312によって分配ラインに固定されると、方向Tでホース212に加えられた縦方向の力により、スリーブ307がホース212をさらに強く締めつけることによって、ホース212を装備品300内の所定の位置に保持する。ホースの外径Dは、例えば、通常は約1cmから約1.5cmであってもよく、装備品の長さLは、通常は約0.5cmから約1.2cmの範囲であってもよい。Dが1.2cmで、Lが0.8cmの場合に優れた結果が得られた。装備品は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン又はテトラフルオロポリエチレンの如き食品グレードのプラスチックで構成される。そのすべてが参照により本明細書に援用されている、2002年6月28日に出願された「HOSE FITMENT FOR DISPOSABLE FOOD CONTAINER」という名称の同時係属米国特許出願第10/187,941号(Peter W.Carhuff)には、装備品、及び装備品がマニホールドと相互作用する様式に関するさらなる詳細が記載されている。
【0091】
本発明は、本発明による分配器を使用する異なる方法にも対応する。これらの方法の最も好ましい実施例を以下の実施例において提示する。
【0092】
本発明は、本発明による分配器を動作するための命令を含む機械読取り可能フォーマットにおけるコンピュータ・プログラムにも対応する。そのコンピュータ・プログラムは、ソフトウェアで、メモリ・チップの如きハードウェアでも具現化されうる。そのコンピュータ・プログラムは、当該技術分野でよく知られている技術を用いて記述され、機械コードに変換されうる。本発明によるコンピュータ・プログラムは、分配器を動作するための命令を有する。好ましくは、機械読取り可能フォーマットの命令は、制御パネルがオペレータによって操作されるときに制御器1000がアクセスする分配器100内のコンピュータ・チップに収容されることになる。したがって、食品を分配するか、又は洗浄動作を実施するために、オペレータが制御パネル1100のボタンを押すと、例えば、装置読取り可能フォーマットの命令を収容したコンピュータ・チップが制御器によってアクセスされて、分配器100を動作させる。しかし、そのコンピュータ・プログラムは、ソフトウェア・プログラムでも具現化され、装置の内部又は外部に配置されたコンピュータから実行されうる。
【0093】
また、指定された時間間隔において、本発明により洗浄動作を自動的に実施できるように、機械読取り可能プログラムを構成することもできる。したがって、機械読取り可能プログラムは、定期的な動作を実施するために、タイマと共に動作するように構成されうる。以下の実施例において、制御器1000は、オペレータが作業を実施することが規定されていなければ、装置の動作における活動のすべてを実施することが好ましい。しかし、オペレータは、オペレータの都合及び必要性に従って(弁の開閉の如き)動作のいずれかを実施することが可能である。また、制御器1000は、制御パネル1100において物理的に具現化される必要はない。制御器1000は、好ましくは分配器100の内部に配置されるが、分配器100の外部に配置されてもよい。
【0094】
さらに、制御器1000、送出機構及び浄化機構700は、食品給仕物の分配と、オペレータの実質的な介入を伴わない浄化動作とを切り換えるように構成されうる。ここに記載されているように、分配器1000は、自動的に動作するように構成されうる。例えば、1つ以上の飲料を分配し、次いで浄化動作を開始するように制御器1000をプログラムすることが可能である。その動作を自動的に開始するか、又はオペレータに浄化サイクルを開始するよう指示する信号を報知器に送ることによって開始することが可能である。したがって、オペレータによる実質的な入力を伴わずにシステムを動作させることが可能である。
【0095】
制御器1000は、好ましくは、所定の条件に応じて食品送出機構の部分を自動的に浄化するために浄化機構を作動させるように、(現場洗浄システムの如き)浄化機構700と動作関連している。当該条件は、分配器が最後に使用された時間、並びに最後に分配された食品のタイプに基づくものとすることができる。例えば、分配された最後の食品が微生物に敏感な材料(例えばミルク・ベース製品)を含んでいれば、より頻繁に浄化動作を実施することが望ましいといえる。対照的に、さほど敏感でない材料を分配するときは、間隔をより長くしても衛生条件を十分に維持できる。
【0096】
これらの所定の条件は、一日に複数の間隔で存在しうる。例えば、レストラン又はカフェテリアの通常の営業時間中に、飲料を分配するのに分配器が規則的に使用されるときは、短時間(例えば1分間から5分間)の浄化動作を実施して、分配器100における生物の繁殖を最小限にすることが可能であるが、長時間にわたって分配器100の使用を実質的に中断することはない。
【0097】
また、制御器1000は、所定の条件に応じて、分配器100における浄化動作を作動するようオペレータに促すように構成され、又はオペレータの介入を伴わずに自動的にそれを行うことができる。制御器1000は、また、浄化動作が行われている、又は完了したことをオペレータに確認するように構成されうる。
【0098】
本発明のこの態様によれば、分配器100は報知器1400を含むことができ、制御器1000は、報知器1400が、浄化動作を作動させるようオペレータに促すように、報知器1400に動作関連している。報知器は、例えば、制御器に応答して発光する指示灯及び/又はブザー、若しくは可聴音を生成できる他の装置を含むことが可能であり、或いはラジオ周波数や電子メール等によってメッセージをオペレータに送るなどの他の形態をとることもできる。報知器1400を制御器1000の内部に配置することもできるし(図1)、その外部に配置することもできる(図3)。
【0099】
制御器1000は、また、浄化動作が開始されるときを自動的に決定し、浄化動作を開始するための浄化開始信号を送るように構成されうる。浄化開始信号は、例えば浄化機構700を作動することによって、浄化動作を自動的に開始するように構成されうる。或いは、浄化開始信号は、報知器1400を作動し、上述したように浄化動作を作動するようにオペレータに通知するように構成されうる。
【0100】
分配器100は、浄化動作の間隔を計時するように構成されたタイマをさらに含むことができ、制御器1000は、計時された間隔に基づいて浄化機構700を作動するようにタイマと関連している。さらに、分配器100は、制御器1000と連絡している少なくとも1つのセンサを含むことも可能である。制御器1000は、タイマ及びセンサの少なくとも一方から受け取った情報に基づいて、浄化動作(例えば消毒動作)を作動させるように構成されうる。
【0101】
センサとしては、温度センサ、伝導度センサ、近接センサ及びリミット・スイッチ等を挙げることができる。
【0102】
図1に示すように、例えば、CIP液溜、又は緩衝液タンク980及び高温水タンク751に温度センサ991を設けることが可能である。液溜980には、図1に示されるように、ヒータ993を設けることが可能である。これらのセンサは、CIP、高温水洗浄及び高温飲料の分配に対して水温が低すぎる場合にシステムを「ロック・アウト」するように構成されうる。交換動作時に、食品(例えばミルク)バッグ/容器及び関連配管を熱シールするために熱電対を設けることができる。
【0103】
例えば、液溜980又は高温水タンク751におけるレベル・センサとして、或いは洗剤の存在を感知するために洗剤容器987a又は液溜980までのその付随送給ラインに伝導度センサ995を採用することが可能である。
【0104】
液溜211の如き異なる食品源容器の内容物を(例えばばねシステムによる)重量測定によって検出し、装備品300などについての適正な装備品配列及び接続を保証するために、近接センサ996を設けることが可能である。
【0105】
引き戻し分配ノズル500、及びピンチ弁260に対する槍743の移動を制限するためにリミット・スイッチ997を設けることができる(図1)。
【0106】
それらのセンサ及びリミット・スイッチの各々は、好ましくは、分配及び浄化動作を実施するように制御器1000に動作可能に接続される。
【0107】
制御器1000は、浄化機構700を使用して、互いに異なる第1及び第2の浄化動作を実施するように構成されうる。制御器1000は、第1及び第2の浄化動作を選択的に実施するように浄化機構1000を自動的に動作させるように構成されうる。例えば、制御器1000は、消毒動作を実施し、その後に洗浄及び消毒動作を含む第2の動作を実施するように構成されうる。制御器1000は、また、浄化動作を実施し、その後に消毒動作を実施するように構成されうる。消毒動作は、一日に数回実施され、洗浄及び消毒動作は毎日、又は好ましくは営業時間外の夜に実施されうる。洗剤、苛性又は酸性物質、あるいは洗剤と苛性物質の組合せを使用する浄化動作が実施され、その後に分配器を消毒する高温水浄化動作が実施される。さらに、他の浄化剤を使用することなく、高温水を使用する消毒を一日に数回実施することが可能である。
【0108】
分配器100は、また、異なる量の食品を分配するように構成されうる。例えば、分配器100は、個々の消費に合わせてサイズ設定された約10までの給仕物、2から8の給仕物、3から5の給仕物を一度に分配するように構成され、又は単一の給仕物を一度に分配するように構成されうる。
【0109】
ここに示されているように、分配器100は、営業日にわたって数百もの飲み物を分配することが可能であるレストラン、カフェテリア及び/又はオフィス型設定での使用を目的とするが、それに限定されない、個々の消費に合わせて製品を分配する食品給仕機械である。分配器100は、毎日数千もの食品を分配する工場設定のアセンブリ・ラインの一部のような食品材料の大量生産及び梱包に使用することを目的としたものではない。
【0110】
分配器100は、食品源、食品導管、分配機構及び浄化機構、そして場合によっては制御器を収容する分配器筐体1500(図3)をさらに含むことが可能である。分配器100は、自己収容されるように構成されうるため、浄化又は分配動作を実施するために外部源を接続又は切断する必要がない。
【0111】
浄化機構は、好ましくは、食品導管及び分散路に動作関連し、食品導管、分配機構及び浄化機構の各々を浄化するように構成される。さらに、分配器100は、好ましくは、すべての食品接触面を浄化機構700によって浄化できるように構成される。
【0112】
「実施例」
本発明による自動食品分散機の好ましい動作モードを例示するために以下の実施例を提示する。これらの動作モードの各々は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を制限することを目的としていない。例えば、以下に記載する実施例の多くは、ミルク・カプチーノ分配器に向けられているが、分配器100は、冷凍及び非冷凍食品、並びに微生物に敏感な食品及び微生物に敏感でない食品等を含む多くの異なるタイプの食品を分配するように構成されうる。
【0113】
「実施例1」
新たな液溜接続
次に、例示のみを目的とし、図1から図3を参照して、新たな液溜211を設置して空の液溜と交換する、本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0114】
本実施例において、液溜211は、オペレータによって交換されることになる。ここに具体化されるように、機械オペレータは、液溜211を交換することを指示するために制御パネル1100のボタン1110を押す。次いで、ピンチ弁216を開放する。本実施例において、第2のピンチ弁260を引張ばね263によってばね装填し、ピンチ部材261をピンチ・ブロック262から引き抜くことによって開放して、ホース212及び液溜211を取り除くことを可能にする。
【0115】
次いで、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動し、突起部材738及び槍743を装備品300の領域から後方に移動させ、槍743が引き出されると、アクチュエータ762が作動停止する。次いで、分散ノズル500の電磁アクチュエータ544を作動し、分配器ノズル500を浄化位置にする。ノズル500がこの位置にくれば、アクチュエータ544が作動停止する。
【0116】
次に、ホース212の末端の(膜350が完全な状態の)装備品301を分配器100のマニホールド230上のホルダ766に滑り込ませる。止めナット768を捻り、装備品300を押し下げ、それをマニホールド230に対して正確に引っ張ることによって、ホルダ766を手動で閉鎖する。液溜組立品210からの配管をピンチ弁260及び216、並びに供給蠕動ポンプ203にねじ込む。
【0117】
次いで、高温水弁750を開放し、高温水820が、マニホールド230の突起部材738を通って、装備品部材350の面を横切り、混合ボウル406に流入することを可能にする。ホイッパ409をオンにし、ドレイン弁930を開放し、高温水820を、ホイッパ406、そしてノズル500を通って、ドレイン弁930からドレイン開口940に流す。ここで、高温水820は、高温水供給弁750からシステムを経由して、弁930からドレイン開口に流れ、それが横切る流路を消毒する。
【0118】
これにより、装備品300上の膜350を含むミルク供給及び製品領域の消毒が開始される。膜350はまだ完全な状態である。この高温水820の消毒流は、好ましくは所定の時間、好ましくは約1分間から約2分間にわたって継続することになる。所定時間が経過した後に、弁750を閉鎖する。その後まもなく、好ましくは数秒後に、ホイッパ409を停止する。次いで、弁930を閉鎖する。次いで、アクチュエータ544を再び作動させ、分配器ノズル500を分配位置に戻し、次いで作動停止する。この後でピンチ弁216を閉鎖する。次に、アクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300に押しつけ、膜350に穴をあける。次いで、アクチュエータ762を作動停止させる。好ましくは1秒間のオーダの短時間の遅れの後に、アクチュエータ762を再び作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300の領域から後方に移動させる。槍743がこの位置にくると、アクチュエータ762が作動停止する。この点では、液溜211は交換されており、その内容物は分配の準備が整っているが、以下の実施例2で詳細に説明する。
【0119】
「実施例2」
製品分配
次に、例示のみを目的とし、図1から図3及び図13を参照して、食品を分配器によって分配する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0120】
本例において、分配器は、ミルク・ベースカプチーノ飲料食品を分配するようにオペレータによって動作される。ここに具体化されるように、機械オペレータは、製品選択として、制御パネル1100上のカプチーノに対するボタン1120を押す。その指令に応答して、制御器1000は、弁216を開放し、蠕動ポンプ203をオンにして、ミルク・ベース流体211aの流れを開始させる。ポンプ203によって生成された圧力は、ミルク・ベース流体211aをばね装填ピンチ弁260に通す。
【0121】
次に、制御器は、高温水弁950を開放して、高温水820の流れを開始させる。高温水820は、水送給ライン960を流れ、ミルク・ベース流体211aは、分配ライン620を流れ始めて、混合ボウル406に達し、そこでそれらが混合を開始する。ミルク・ベース流体211aの流路は、図13において流路1292で表され、高温水820の流路は流路1290で示される。次いで、制御器1000は、ホイッパ409をオンにする。それらが混合されているときに、ミルク・ベース流体211a及び高温水820は、混合ボウル406から流下してホイッパ409に流入し、そこでともにホイップされて、実質的に均一の混合物になり、最終的には分配ノズル500を通じてカップ516に流入する。この工程は、適切な量のミルク混合物211bを達成するために、所定の時間にわたって行われる。この時間の後に、ポンプ203は制御器1000によってオフにされる。その後まもなく、好ましくは1秒間のオーダの後に、ホイッパ409をオフにし、コーヒ・ポンプ411をオンにする。この時点で、コーヒ及び温水820は、混合ボウル406に流入し、(この時点では動作していない)ホイッパ409を通り、適量を達成するための所定の時間にわたってノズル500を通ってカップ516に流入する。この動作におけるコーヒの流路は、図13では流路1293で示され、高温水820の流路は流路1290で示される。
【0122】
コーヒの適量が達成された後に、コーヒ・ポンプ411をオフにする。飲料配合に必要な適切な量の高温水820を得るための数秒間のオーダの小さな遅れの後に、高温水弁をオンにする。ミルク混合物211b及びコーヒをカップ516に加えた後で高温水820の残りをカップ516に加えると、ミルク混合物211b及びコーヒをカップ516に流し込むことによって、システムの流路600からのミルク混合物211b及びコーヒの大部分の回収が容易になることに留意されたい。
【0123】
次に、注水弁413を制御器1000により数秒間にわたってオンにして、水810を噴霧ノズル414に送る。この流路は、図13において流路1295で示される。噴霧ノズル414は、泡をカップの頂部に噴霧する、泡の最上層を洗って、それを漂白し、より大きい気泡を破壊し、泡を湿らせて、その外観を向上させる。所定時間後に、制御器1000によって注水弁413をオフにして、噴霧を停止する。好ましくは1秒間のオーダの短い遅れの後に、アクチュエータ544をオンにし、分配ノズル500を洗浄及び/又は消毒位置に移動させる。ノズル500がその位置に到達すると、アクチュエータ544が停止する。
【0124】
次に、制御器1000によって高温水供給弁950を開放して、高温水820が混合ボウル406に流入することを可能にする。ホイッパ409を低速度でオンにし、ドレイン弁930を開放する。高温水820は、混合ボウル406、ホイッパ409及びノズル500を流れて、システムから残留する食品を洗浄する。高温水820の流路1290を図14に示す。弁930を介してドレイン開口940まで洗浄する。この高温水820は、システムに存在しうる微生物を洗浄撲滅することによって、システムを衛生に維持するのを支援する。好ましくは数秒間の短い遅れの後に、高温水供給弁950をオフにする。さらに数秒後に、ホイッパ409をオフにし、制御器1000によってドレイン弁930を閉鎖する。次いで、制御器によってノズル・アクチュエータ544を作動させ、分配ノズル500を分配位置に移動させる。それがその位置に到達すると、アクチュエータ544は、制御器1000によって作動停止される。
【0125】
「実施例3」
衛生保守
次に、例示のみを目的とし、図1から図3及び図6を参照して、衛生保守を目的として、分配ライン620及び分配ノズル500を含む流路600の部分を定期的に洗浄する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。制御器1000は、この機能を任意の特定間隔で果たすようにプログラム化されうる。好ましくは、分配器が作動停止される所定の時間に到達した後で、そのような衛生保守を実施する。例えば、分配器を使用して、2時間から4時間のような一定の時間にわたって飲料を分配した場合は、分配器は、衛生保守動作を実施することになる。
【0126】
まず、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300の方へ押す。槍先端743aは、装備品300の中へ突出する。槍743がこの位置にくると、アクチュエータ762は作動停止される。
【0127】
次に、ピンチ・アクチュエータ267を作動し、追加的な圧力をばね装填ピンチ弁260に加えて、高温水820がピンチ弁260を通じて無菌のミルク領域に漏れないようにする。ピンチ部材261が所定の点に達する(したがって、所定の閉鎖圧力に達する)と、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。
【0128】
この時点で、分配ノズル500のアクチュエータ544を作動させ、分配器ノズル500を洗浄及び/又は消毒位置にする。ノズル500がこの位置にくると、アクチュエータ544は作動停止する。この後に、高温水側路弁750、及びドレイン弁930を開放する。ここで、高温水820は、高温水タンク751から、弁750、そしてマニホールド230の突起部材738を通って、槍743を通過し、装備品300の領域に流入し、マニホールド230、そして衛生マニホールド分配ライン620を通って、混合ボウル406に流入する。混合ボウル406は高温水820で満たされ、次いで、高温水820は、混合ボウル406からスカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965を通り、ドレイン弁930を介してドレイン開口940に流入する。ピンチ弁260は、この代表的な動作モードにおいて閉鎖状態を維持し、高温水820が、液溜211からホース212に進入し、液溜内のミルク・ベース流体211aと混ざり合ってそれを汚染するのを防ぐ。混合ボウルの高温水820のオーバーフローは、所定の時間、典型的には約30秒間にわたって継続し、次いで停止する。
【0129】
高温水820のオーバーフローの時間が終了した後に、ホイッパ409をオンにし、高温水820を混合ボウル406から分配ノズル500を通じて、弁930を介してドレイン開口940まで送る。この高温水820の流れは、好ましくは、所望の時間、好ましくは1分間、さらにより好ましくは2分間にわたって継続する。この時間間隔の終わりに、高温水供給弁750を閉鎖する。その後まもなく、好ましくは2秒間の遅れの後に。ホイッパ409をオフにし、ドレイン弁930を閉鎖する。マニホールド230上のアクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300から引き取る。槍743がその後退位置にくると、アクチュエータ762は作動停止する。次いで、ノズル・アクチュエータ544を作動させ、分配ノズル500をその分配位置に移動させる。分配ノズル500がその分配位置に到達すると、アクチュエータ544は作動停止する。
【0130】
最終的に、ピンチ・アクチュエータ267を作動させ、先にピンチ弁260に加えられた機械的な圧力を解除する。弁260は、引張ばね263にのみ起因する圧力により閉鎖状態を維持する。ピンチ部材261が所定の点に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。この時点で、動作が完了し、システムが洗浄され及び/又は消毒される。
【0131】
本実施例によれば、分配器には、循環路における水の温度を測定するように構成される温度センサ(図18参照)が設けられる。インライン加熱器990の如き加熱装置を設けることもでき、制御器1000は、温度センサから受け取った情報に応じて水を加熱するように加熱器990を制御するように構成される。このように、大規模な水タンクを必要とせずに、消毒高温水の流れの再循環流を長時間(例えば30分間)にわたって維持することが可能である。しかし、適切な実施例では、大規模な水タンクを設けることが可能である。分配器100内に加熱器990、及び恐らくは他の加熱器を組み込むことによって、高温水専用のタンク751に依存する必要がなくなる。実際、要望に応じて、タンク751の代わりに、インライン加熱器の適切な組合せを使用することが可能である。そのような選択肢は、分配器のサイズを小さくする役割を果たすことができ、高温水を要求に応じて供給することができるため、エネルギーの無駄になる、高温水の供給を維持する必要性が排除される。
【0132】
ここに開示されている高温水消毒を実施する際は、十分に高い温度で、且つ食品送出機構の少なくとも一部を消毒するための条件下で、食品分配器における食品送出機構と消毒関連付けされた流路に沿って高温水を向ける。
【0133】
出願人は、高温水は、単独で使用されても、数時間までの間隔の間の定期的な消毒などに対して、完璧な消毒剤としての役割を果たしうることを発見した。これは、少なくとも毎日の消毒動作に準ずる動作に対しては、洗浄及び消毒を目的とした洗剤及び/又は苛性物質に依存する必要性を排除するため、極めて有利である。この発見により、出願人は、特定の時間にわたって、特定の温度、流速及び頻度で高温水を向けることによって、分配器100の如き分配装置内の微生物の繁殖を十分最小限に抑えることができるものと判断した。
【0134】
約0.2m/sと約2.0m/sの間の平均流動速度で水を分配器に向けるのが有利であることを発見した。好ましくは、約0.4m/sと約0.8m/sの間の平均流動速度で水が向けられる。代表的な体積流束は、約50ml/minから約2500ml/min、より好ましくは約500ml/minから約1200ml/min、最も好ましくは約900ml/minである。
【0135】
同様に、約70℃と約95℃、より好ましくは約75℃と約95℃の間の温度まで加熱された分配器に水を向けるのが有利であることを発見した。さらにより好ましくは、約80℃と約90℃の間の温度で水を向ける。水は、微生物堆積物を減少させるのに十分に高温であれば、本発明の目的にとって十分に高温である。したがって、わずかに低い水温でも、わずかに長時間にわたって使用すれば、消毒に十分である。
【0136】
好ましくは、分配器が動作され、食品の分配に利用可能である通常の営業時間中に、上記の基準を満たす高温水を約2時間から約4時間に一度、約20秒間から約10分間、より好ましくは約30秒間から約5分間にわたって向ければ、微生物の繁殖が最小限に抑えられることを発見した。さらにより好ましくは、約1.5分間から約4分間、さらにより好ましくは約1.75分間から約3分間にわたって水を向ける。これは、営業日の真っ最中に(20分間から60分間の洗浄サイクルを介して)手動又は自動で洗浄を行うのはしばしば実用的でないため、通常の営業時間中に長時間にわたって機械動作を著しく中断する停止時間を必要とすることなく、分配器100の衛生状態を保証するので有利である。消毒のための高温水浄化サイクルの時間は、高温水消毒サイクルの頻度に依存する。そのサイクルが長いほど、サイクルを繰り返さなければならない頻度が小さくなる。そこで、小さい頻度のサイクルは、言い換えると、より長時間のサイクルを必要とする。
【0137】
営業時間外、並びにCIPルーチンの一部を通じて高温水を採用することも可能である。例えば、約1分間から約50分間、より好ましくは約5分間から約30分間にわたって一日に二度(例えば8時間から12時間に一度)高温水を向けることが可能である。さらにより好ましくは、上記に規定した流速及び温度で約10分間から約20分間にわたって水を向ける。長時間の消毒手順を通じて水を流路に向けながら、加熱装置990に向けることができる。
【0138】
さらなる変形例として、加熱装置990の如き加熱装置を設けると、より低温の水による浄化動作を開始し、加熱器990を使用して再循環水の温度を徐々に上昇させることが可能である。より低温(例えば25℃)の水による浄化動作を開始し、再循環時にそれをゆっくりと加熱すると、動作の開始から高温水(例えば80℃から90℃の水)を使用するより有益な結果を導くことが可能になる。当該高温水をそのまま流路に導入すると、実際に、(ミルク・ベース流体からの)タンパク質を配管の壁に付着又は「溶着」させる可能性がある。より低温の水で開始することにより、これらのタンパク質が熱水によって付着される前に、洗い流して除去することが可能である。さらなる変形例として、システムをより低温の水で洗浄し、次いで消毒して、タンパク質物質の付着を最小限にするのに役立てることが可能である。
【0139】
様々な異なる加熱装置990を使用することができる。インライン抵抗加熱器を示したが、高温水を使用して浄化流体を加熱するインライン熱交換器、並びに他の熱源を使用することも可能である。本発明には、そのような装置の消毒も考慮されていることを強調すべきである。例えば、酸性溶液を流すことによって熱交換器をデスケールするために、本発明のシステムを使用することが可能である。
【0140】
「実施例4」
現場洗浄
次に、例示のみを目的とし、図1から図3及び図6を参照して、分配器が浄化液を使用してそれ自体を洗浄する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0141】
本例では、本発明の分配器100の制御器を、現場(「CIP」)サイクルを自動的に実施するようにプログラム化する。CIPサイクルをオペレータによって開始することも可能である。CIPサイクルは、好ましくは、一日の特定の時点、好ましくは営業時間外に使用される。短時間の高温洗浄水は、効果的でありうるため、食品を分配するための分配器の可用度を維持しながら、営業時間中に使用されるのが好ましい。
【0142】
ここに具体化されるように、制御器1000は、当初は閉鎖されている高温水CIP弁985、混合ボウル洗浄弁955及び遮断弁989を開放することによって、CIPサイクルを開始する。ここで、高温水820は、高温水タンク751からCIP弁985を通じてCIP液溜980に流入する。ピンチ・アクチュエータ267を作動停止し、追加的な圧力をピンチ弁260に加えて、高温水820が、弁を通じて無菌ミルク領域に漏れないようにする。挟みが所定の点(したがって閉鎖圧力)に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。
【0143】
次に、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動し、突起部材738を槍743と共に装備品300の方へ押す。槍先端743aは、装備品300内に突出する。槍743がこの位置にくると、アクチュエータ762は作動停止する。
【0144】
(伝導度レベル・センサ982によって指示される通りに)CIP液溜980が満たされると、CIPポンプ988をオンにし、高温水820を、遮断弁989、そして混合ボウル洗浄弁955を通じて、混合ボウル406への水送給ライン960を介して混合ボウル406内に送る。混合ボウル406は高温水820で満たされ、次いで、高温水820は、スカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965に流入し、ドレイン弁930を介してドレイン開口940に流入する。ピンチ弁260は閉鎖状態を維持し、高温水820が、液溜211からホース212に進入し、液溜211におけるミルク・ベース流体211aと混ざり合う(そして、それを汚染する)のを防ぐ。
【0145】
次に、ホイッパ409は、短時間にわたって脈動する。好ましいサイクルは、ホイッパ409を10秒間にわたってオンにし、その後ホイッパ409を10秒間にわたってオフにする。ホイッパ409が動作している間に、高温水820は、混合ボウル406ではなく、ホイッパ409及び分配ノズル500を流れ、スカート410及びオーバーフロー・ライン965を流れる。
【0146】
好ましくは約1分間の所定の時間の後に、衛生マニホールド200のCIP弁755を開放し、混合ボウル洗浄弁955を閉鎖する。ここで、洗浄液は、マニホールド230を通る。この時間を通じて、ホイッパ409は、上述したように、短時間にわたってオン・オフに脈動する。
【0147】
好ましくは約1分間の所定の時間後に、CIPポンプ988をオフにし、ホイッパ409をオフにし(且つその断続的脈動を停止させ)、ドレイン弁930を閉鎖する。次いで、高温水CIP弁985を開放して、CIP液溜980に高温水820を再充填する。CIP液溜980が(伝導度レベル・センサ982によって指示される通りに)満たされると、浄化弁987を開放して、浄化濃縮液984がCIP液溜980に流入して、浄化液984aを構成することを可能にする。所定の時間の後に、浄化弁987を閉鎖する。
【0148】
次に、CIPポンプ988をオンにし、浄化液984aをCIP液溜980から遮断弁989、そしてマニホールド230を通じて、混合ボウル406内に送る。混合ボウル406は、浄化液984aで満たされる。次いで、浄化液984aは、混合ボウル406からスカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965に流入し、再循環弁970を介してCIP液溜980に流入する。ピンチ弁260は、この動作を通じて閉鎖状態を維持し、浄化液984aが、液溜211からホース212に進入し、ミルク・ベース流体211aと混ざり合って、それを汚染するのを防ぐ、
【0149】
ホイッパ409は、短時間にわたって再び脈動する(例えば、ホイッパ409を10秒間にわたってオンにし、その後でホイッパ409を10秒間にわたってオフにするサイクル)。ホイッパ409が動作している間に、浄化液984aは、混合ボウル406からスカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965を流れるのではなく、ホイッパ409及び分配ノズル500を流れる。
【0150】
所定の時間、好ましくは約3分間の後に、CIP弁755を閉鎖し、混合ボウル洗浄弁955を開放する。次いで、浄化液984aは、水送給ライン960を通じてボウル406に流れる。浄化液984aの流れが生じている間に、ホイッパ409は、短時間にわたって継続的に脈動する。
【0151】
次に、所定の時間、好ましくは約3分間の後に、ホイッパ409を脈動させることなく、好ましくは比較的低い一定速度でオンにし、ドレイン弁930を開放し、再循環弁970を閉鎖する。この工程は、浄化液984aをCIP液溜980から、システムを通って、CIPドレイン弁981を介してCIPドレイン開口941に送り、システムから浄化液984aのかたまりを追い出す。所定の時間、好ましくは約1分間の後に、CIPポンプ988をオフにし、ホイッパ409をオフにする。次に、CIP液溜ドレイン弁981を開放して、残留する浄化液984aをCIP液溜980から排出する。CIP液溜ドレイン弁981は、比較的短時間、好ましくは約15分間にわたって開放状態を維持する。
【0152】
この時点で、高温水CIP弁985を開放して、CIP液溜980に高温水920を再充填する。CIP液溜980に、(伝導度レベル・センサ982によって指示される通りに)高温水820が満たされると、CIPポンプ988をオンにし、高温水820を、遮断弁989、そして混合ボウル洗浄弁955を通じて、水送給ライン960を介して混合ボウル406に送る。或いは、高温水を、高温水供給弁950を介して、高温水タンク751から混合ボウル406に直接供給することも可能である。
【0153】
混合ボウル406に高温水820を充填し、次いで、高温水820は、スカート410に流入し、オーバーフロー・ライン965に流入し、ドレイン弁930を介してドレイン開口940に流入する。ピンチ弁260は閉鎖状態を維持し、高温水820が、液溜211からホース212に進入し、ミルク・ベース流体211aと混ざり合って、それを汚染するのを防ぐ。次いで、ホイッパ409は、短時間にわたってオン・オフに、好ましくは約10秒間にわたってオンに、約10秒間にわたってオフに脈動する。ホイッパ409が動作している間に、流れは、混合ボウル・オーバーフロー・ライン965を通るのではなく、ホイッパ409及び分配ノズル500を通る。
【0154】
所定の時間、好ましくは約2分間の後に、CIP弁755を開放し、混合ボウル洗浄弁955を閉鎖する。次いで、高温水820はマニホールド230を流れ、それを洗浄する。所定の時間、好ましくは約1分間の後に、ホイッパ409を、好ましくは一定の比較的低速でオンにする。水供給弁945及び950は、短時間、好ましくは約5秒間にわたってオンになって、弁末端を洗浄する。この工程を通じて、CIP液溜980からの洗浄水850は、システム、そしてCIPドレイン弁981を通ってCIPドレイン開口941に送られる。CIPポンプ988を使用して、洗浄水850をシステムに送るのではなく、高温水タンク751から直接得られた高温水820を洗浄のためにシステムに送ることも可能である。
【0155】
次に、所定の時間、好ましくは約1分間の後に、CIPポンプ988をオフにする。高温水側路弁750を開放して、マニホールド230、混合ボウル406、ホイッパ409及び分配ノズル500のさらなる洗浄及び高温水消毒を可能にする。
【0156】
他の所定の時間、好ましくは約1分間の後に、高温水バイパス弁750を閉鎖する。好ましくは約2秒間の短い遅れの後に、ホイッパ409をオフにし、ドレイン弁930を閉鎖する。次いで、マニホールド230上のアクチュエータ762を作動させ、突起部材738を槍743と共に装備品300から引き出す。槍743がその後退位置にくると、アクチュエータ762は作動停止する。次いで、ノズル・アクチュエータ544を作動させ、分配ノズル500を分配位置に移動させる。ノズル500がその分配位置に到達すると、アクチュエータ544が作動停止する。次いで、所定の時間、好ましくは15秒間にわたって、弁981を開放して、残留する洗浄水850をCIP液溜980からCIPドレイン開口941を通じて排出する。所定の時間の終わりに、弁981及びCIP遮断弁989を閉鎖する。
【0157】
最後に、ピンチ・アクチュエータ267を作動し、先にピンチ弁260に加えられた圧力を解除する。ピンチ弁260は、引張ばね263のみに起因する圧力により閉鎖状態を維持する。ピンチ部材261が所定の点に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267は作動停止する。この時点で、代表的なシステムCIPサイクルが完了する。
【0158】
「実施例5」
液溜除去
次に、例示のみを目的とし、図1から図3を参照して、ここに具体化される液溜組立品210をオペレータによって除去する本発明による自動食品分配器の動作モードを説明する。
【0159】
この手順を開始するために、機械オペレータは、制御パネル1100上のボタン1130を押して、現在装填されている液溜組立品210を除去するように指示する。このオペレータ入力に応答して、制御器1000は、ピンチ部材を211の方へ移動させ、それを圧縮することによってピンチ弁260に追加的な圧力を加えるピンチ・アクチュエータ267を作動させる。ピンチ部材261が所定の点(したがって閉鎖圧力)に達すると、ピンチ・アクチュエータ267が作動停止する。
【0160】
次に、加熱素子290を制御器1000によって所定の時間、好ましくは約30秒間にわたってオンにして、閉鎖ホース212を溶封する。次いで、加熱素子290をオフにする。ここで、ホース212を溶封し、液溜211を使用不可能にし、液溜211に残留するミルク・ベース流体211aがオペレータ又は分配器100の他の構成要素に漏出するのを防ぐ。
【0161】
次に、ピンチ・アクチュエータ267を作動させて、ピンチ部材261をホース212から後方に移動させることで、先にピンチ弁260に加えられた機械的圧力を解除する。弁260は、引張ばね263のみからの圧力により閉鎖状態を維持する。ピンチ部材261が所定の点に到達すると、ピンチ・アクチュエータ267が作動停止する。次いで、弁216を開放する。
【0162】
次に、オペレータは、レバーを引き上げることによって、マニホールド230止めナット768を手動で開放する。ホース212の末端の装備品300を滑らせて、分配器100のマニホールド230上のホルダ766との係合から外す。液溜211からの配管をピンチ弁260、216、並びに供給蠕動ポンプ203から外す。この時点で、分配器100は、新たなミルク・バッグに対して準備が整っている。
【0163】
「実施例6」
日常高温水消毒
図15及び図16に、分配器100を通る日常高温水消毒流路のさらなる代表的な実施例における高温水820の流れのための流路をさらに概略的に示す。図15に具体化されているように、(高温水タンク751を含む)高温水供給モジュール1201から混合ボウル406に高温水を向けるための流路1210を確立する。同様に、水供給モジュール1201とマニホールド230の間に流路1220を確立する。高温水820は、マニホールド230を流れ、分配ライン620を流れて混合ボウル406に流入する。流路1210及び1220からの高温水820は、混合ボウル406で混ざり合い、低速度設定で動作するホイッパ409を流下し、洗浄及び/又は消毒位置のノズル500を流れ、ドレイン弁930を介してドレイン開口940まで流れることによって、流路1230を形成する。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持して、高温水820が、液溜211内のミルク・ベース流体211aを汚染するのを防ぐ。図16に示されるように、この動作は、毎日、好ましくは、高温水を使用する複数回の消毒洗浄及び営業時間中の食品の分配サイクルに続く、洗剤液を使用する日常の洗浄の後で実施されうる。
【0164】
「実施例7」
他の日常及び定期的動作
毎日又は他の間隔で、本発明による分配器100で、上述の動作の変形形態を実施することが可能である。
【0165】
「実施例7−A」
CIP液溜の液抜き
例えば、CIPドレイン弁981を通じて確立された流路1230を図17に示す。ここに具体化されるように、さらに本発明によれば、CIP液溜980を毎日液抜きする。CIP液溜980が液抜きされているときは、CIP抵抗加熱器990及びホイッパ409は、好ましくはオフになっており、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持する。
【0166】
「実施例7−B」
混合ボウルに対する循環洗浄ループ
同様に、図18は、流路1240、1250及び1260を混合ボウル406に対する再循環洗浄ループとして日毎に確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、CIPポンプ988をCIP抵抗加熱器990と共にオンにすることによって、流路1260を確立する。これによって、CIP液溜980内の浄化流体984bが加熱され、混合ボウル406に流入する。ホイッパ409を脈動し及び/又は流路1260における流速を変えることによって、浄化流体984bを混合装置400のスカート410に流入させる。その結果、混合ボウル406からスカート410に流入した浄化流体984bは、流路1240を通ってCIP液溜980に戻る。また、浄化流体984bは、ホイッパ409及び(洗浄位置及び/又は消毒位置の)ノズル500を流動しながら、流路1250を横切ってCIP液溜980に戻って、再循環又は排出される。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、ホース212を閉鎖状態に保持する。
【0167】
「実施例7−C」
ミルク・マニホールドに対する循環洗浄ループ
図19は、流路1250及び1270をマニホールド230に対する再循環洗浄ループとして日毎に確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、CIPポンプ988をCIP抵抗加熱器990と共にオンにすることによって、流路1270を確立する。これによって、CIP液溜980内の浄化流体984bが加熱され、流路1270を通じてマニホールド230に流入する。浄化流体984bは、マニホールド230を流れた後に、分配ライン620を通って混合ボウル406に流入する。次いで、浄化流体984bは、ホイッパ409及び流路1250を通ってCIP液溜980に戻って、再循環又は排出される。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持して、高温水820が、液溜211内のミルク・ベース流体211aを汚染するのを防ぐ。
【0168】
「実施例7−D」
CIP液溜の充填
図20は、流路1280及び1285を日毎に確立して、CIP液溜980を満たすさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、CIP高温水弁985を開放することによって、高温水供給モジュール1201とCIP液溜980の間に流路1280を確立して、液溜を満たす。浄化弁987を開放して、洗浄濃縮液987bを容器987aから流すことによって、流路1285を確立する。好ましくは、容器986a及び987bは、取外し可能で、必要なときにオペレータによって交換できる。所定の量の洗浄濃縮液及び高温水が、それぞれCIP液溜980に流入したら、弁987b及び985を閉鎖する。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、ホース212を閉鎖状態に保持する。
【0169】
「実施例7−E」
無活動時のミルク・マニホールドの洗浄
図21は、分配器100の無活動時にマニホールド230を洗浄するために流路1230及び1275を確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、高温水バイパス弁750を開放することによって高温水供給モジュール1201とマニホールド230の間に流路1275を確立する。次いで、高温水820は、マニホールド230及び分配ライン620を通る流路1275を通って、混合ボウル406に流入する。高温水820は、混合ボウル406に流入した後に、(洗浄及び/又は消毒位置の)ノズル500、そして流路1230を流れ、ドレイン弁930を介してドレイン開口940から出る。この動作が継続している間に、ピンチ・アクチュエータ267は、予め選択された力でピンチ部材261をピンチ・ブロック262に押しつけることによって、予め選択された圧力でホース212を閉鎖状態に保持して、高温水820が、液溜211内のミルク・ベース流体211aを汚染するのを防ぐ。
【0170】
「実施例7−F」
飲料後洗浄
図14は、各飲料を分配して、混合ボウル406及び分配ノズル500に流し込んだ後に、流路1290及び1230を確立するさらなる代表的な実施例を示す図である。ここに具体化されるように、高温水供給弁950を開放することによって、高温水供給モジュール1201の高温水タンク751と混合ボウル406との間に流路1290を確立する。これによって、高温水820が混合ボウル406に流入する。高温水820が、ホイッパ903を通じて流路1230を横切り、ドレイン弁930を介してドレイン開口940から出るときに、本実施例ではホイッパ409を低速度で動作させる。
【0171】
「実施例8」
サンプル動作形態
本発明によれば、サンプル洗浄形態を以下の表1に示されるように規定することが可能である。
【0172】
【表1−1】
【表1−2】
【0173】
上記の表1に見られるように、分配器100による異なる動作を実施するために異なる形態が規定される。上記の特定の間隔でこれらの機能を実施するための命令は、好ましくは、分配器100を制御するための機械読取り可能フォーマットでコンピュータ・プログラムに書き込まれる。
【0174】
「実施例9」
微生物の除去
洗剤(この場合は、エコラブ・カンパニから入手可能なSupra(登録商標)洗剤)を使用した浄化流体の追加的な使用と共に高温水消毒の性能を比較するために、以下の試験を実施した。それらの試験は、図1から図21に示される食品分配器と類似の食品分配器を使用して実施された。
【0175】
「実施例9−A」
洗剤及び高温水浄化
温度が90℃で流速が900ml/minの水の1分間の予備洗浄サイクルから、洗剤を使用した試験を実施した。これに続いて、約60℃と約70℃の間の流体温度、0.25%の洗剤濃度、また860ml/minと1150ml/minの間を変動する流量で、3分間にわたって洗剤の流れを加えた。不使用の15秒間隔で分割された30秒間隔でホイッパ409を脈動させた。900ml/minの流量で、3分間にわたって90℃の高温水を使用して最終洗浄を実施した。標準的なPITA分配器の洗浄におけるそれぞれのCIP条件の結果を表2に示す。
【0176】
【表2】
【0177】
これらの条件は、装置から回収された微生物の量を減少させるのに有効であった。より低い洗浄温度(80℃)及び洗剤濃度(0.25%)においては、表3に示されるように、CIP性能が有効な状態を維持していた。
【0178】
【表3】
【0179】
これらの結果に基づいて、代表的なCIP手順は、約0.5%の洗剤濃度で、85℃を超える温度の水を使用する高温水予備洗浄と、85℃を超える温度の水を使用する高温水最終洗浄とを少なくとも含む。
【0180】
「実施例9−B」
高温水浄化
図1から図21に示されるのと同様の分配器において浄化流体として高温水のみを使用する浄化手順の結果を表5に示す。それらの結果は、高温水を使用したCIP手順の後では、食品分配器における微生物量は、長時間の分配器不使用時を通じて許容レベルに留まっていることを示している。
【0181】
【表4】
【0182】
高温水による消毒の効果を証明するために、2つのさらなる試験を実施した。第1の試験は、微生物の濃度が1.0×106cfu/mlより大きいミルク濃度を使用して実施された。その結果を表5に示す。
【0183】
【表5】
【0184】
第2の試験は、1時間毎に1つのチョコレート・ミルク飲料の給仕物(例えばカップ)を分配することによって実施された。毎日の開始時に、90℃、900ml/minで2分間にわたって高温水洗浄を実施し、高温水CIP手順を毎日の終了時に実行した。洗浄水の4つの50mlサンプルを微生物分析用に回収した。その結果を表6に示す。
【0185】
【表6】
【0186】
はっきりとわかるように、洗剤洗浄を伴わない高温水の使用は、微生物の繁殖を抑えるのに極めて有効である。ここで、図22は、分配器のそれぞれの構成要素(例えば分配ノズル(例えば500)、ミルク管(例えば流路600)、CIPドレイン開口(例えばドレイン開口940)、ボウル(例えば混合ボウルb406)及びオーバーフロー(例えばスカート410)において到達される流体温度を示す、二分間高温水洗浄を示す図である。これらの構成要素のすべてが、70℃を超える温度まで昇温される。図23及び図24は、長時間にわたる高温水CIPサイクルを示す。見られるように、分配器領域のいくつかの部分は、80℃を超える温度に昇温され、微生物の繁殖を最小限にする。
【0187】
見られるように、本発明は、上記に説明し、図面に示したように、従来技術の装置より動作の衛生性を高め、使用を容易にする。
【0188】
本発明の主旨又は範囲を逸脱することなく、本システムに様々な改造及び変更を加えることが可能であることを当業者なら理解するであろう。したがって、本発明は、添付の請求項及びその同等物の範囲内ですべての当該改造及び変更を含むことを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】分配器のすべての主要構成要素を示す、本発明による自動食品分配器の代表的な実施例の概略図である。
【図2】ミルク・マニホールドを示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図3】制御パネル及び制御器をも示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図4】分配位置の分配ノズルを示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図5】洗浄及び/又は消毒位置の分配ノズルを示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図6】ミルク・マニホールドの断面図を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図7】槍の先端を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図8】ミルク・マニホールド、及びそれに接続されたミルク容器組立品の装備ホースの断面図を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図9】ミルク容器組立品の装備品及びホース、並びに分配器のピンチ弁を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図10】本発明による装備品を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図11】本発明による装備品を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図12】本発明による装備品を示す、図1の自動食品分配器の部分概略図である。
【図13】カプチーノ/ラテ分配動作時に活性状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図14】飲料分配後洗浄動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図15】日常高温水消毒動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図16】日常CIP初期洗浄動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図17】CIP初期液溜液抜き動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図18】混合ボウル及びノズルを洗浄するための循環洗浄ループ動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図19】ミルク・マニホールドをさらに洗浄するための日常循環洗浄ループ動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図20】日常CIP液溜充填動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図21】不活動時のミルク・マニホールド洗浄動作時に作動状態にある流路を示す、図1の自動食品分配器の概略図である。
【図22】高温水消毒洗浄浄化動作時に、食品分配器の異なる部分において到達する流体温度の概略図である。
【図23】高温水CIP浄化動作時に、食品分配器の異なる部分において到達する流体温度の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品送出機構であって、食品又は食品成分を受け入れるように構成された食品源と、前記食品又は食品成分をそこから受け入れるように前記食品源と関連した食品導管と、前記食品又は食品成分の給仕物を分配路に沿って前記導管から分配するように構成された分配機構とを備えた食品送出機構と、
前記分配路の少なくとも一部に対して浄化動作を実施するための条件下で、前記食品送出機構と浄化関連した浄化流路に沿って浄化流体を向けるように前記食品送出機構と関連した浄化導管を備えた浄化機構と、
前記浄化機構を作動させて、所定の条件に応じて前記分配路の部分を自動的に浄化するように前記浄化機構と動作関連した制御器とを備え、
前記制御器、送出機構及び浄化機構が、オペレータの実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で前記給仕物分配と前記浄化動作を切り換えるように構成されている、食品分配器。
【請求項2】
前記浄化機構が前記送出機構を実質的に中断させることなく前記浄化動作を実施するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項3】
前記浄化動作が約10分間から約20分間にわたって前記分配器を中断させるように選択された時間を有している、請求項2に記載の分配器。
【請求項4】
オペレータ報知器をさらに備え、前記制御器が前記報知器と動作関連して、オペレータが前記浄化動作を作動させるように、前記報知器に促すことをさせる、請求項1に記載の分配器。
【請求項5】
タイマ又はセンサの少なくとも一方を備え、前記タイマが浄化動作の間の間隔を計時するように構成され、前記制御器が、前記タイマ及び前記センサの少なくとも一方から受け取った情報に基づいて浄化機構を作動させるように、前記タイマ及び前記センサの少なくとも一方と関連している、請求項1に記載の分配器。
【請求項6】
前記浄化動作が前記浄化路の一部分を消毒するための消毒動作を含んでいる、請求項1に記載の分配器。
【請求項7】
前記消毒動が75℃と95℃の間の温度の水を所定の時刻に自動的に供給するように構成されている、請求項6に記載の分配器。
【請求項8】
前記浄化機構が互いに異なる第1及び第2の浄化動作を実施するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項9】
前記制御器が前記第1及び第2の浄化動作を選択的に実施するように前記浄化機構を自動的に動作させるように構成されている、請求項8に記載の分配器。
【請求項10】
前記第1の浄化動作が消毒動作を含み、前記第2の浄化動作が洗浄及び消毒動作を含んでいる、請求項8に記載の分配器。
【請求項11】
前記第1の浄化動作が洗浄動作を含み、前記第2の浄化動作が消毒動作を含んでいる、請求項8に記載の分配器。
【請求項12】
前記制御器が前記第1の浄化動作を一日に数回実施するように構成されている、請求項10に記載の分配器。
【請求項13】
前記浄化機構が(i)洗剤、(ii)苛性物質及び(iii)酸性物質の少なくとも1つを含む浄化流体を使用して前記第1の浄化動作を実施し、高温水を使用して前記第2の浄化動作を実施するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項14】
前記分配器が個々の消費に合わせてサイズ設定された時間に約10までの給仕物を分配するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項15】
前記分配器が単一の給仕物を一度に分配するように構成されている、請求項14に記載の分配器。
【請求項16】
前記浄化機構が前記浄化流体を前記浄化流路に再循環させるように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項17】
前記浄化流体が前記流路を再循環されているときに前記浄化流体を加熱するように構成された加熱装置をさらに備えている、請求項16に記載の分配器。
【請求項18】
前記浄化機構が多量の浄化流体を保持するように構成された前記浄化流路と流体連通する液溜を含んでいる、請求項16に記載の分配器。
【請求項19】
前記制御器が前記送出機構の部分を消毒するために所定の間隔で前記浄化機構を作動させるように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項20】
前記食品源、食品導管、分配機構及び浄化機構を収容する分配器筐体をさらに備えている、請求項1に記載の分配器。
【請求項21】
オペレータが、分配又は浄化動作を実施するのに、外部の食品又は浄化液を接続することを必要としない、請求項20に記載の分配器。
【請求項22】
前記浄化機構が前記食品導管及び分配路と動作関連し、前記食品導管、分配機構及び浄化機構の各々を浄化するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項23】
食品分配器を動作させるための方法であって、
食品及び食品成分を分配路に沿って食品送出機構から分配すること、
前記分配路の少なくとも一部分に対して浄化動作を実施するように前記食品送出機構と動作関連し、浄化流路に沿って浄化流体を向けること、
オペレータの実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で、前記食品又は食品成分の前記分配と、前記浄化動作の実施とを切り換えることを含む、方法。
【請求項24】
前記浄化流体が水を含み、前記浄化流路に沿って向けられて、前記流路の一部分を消毒している、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
水が、流路に沿う流れを生じるために、約0.2m/sと約2.0m/sの間の平均流速で向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
水が約75℃と約95℃の間の温度で向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記流体が約10分から約12時間に一度向けられる、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
水が約30秒から約30分間にかけて向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
第1の浄化動作が第1の間隔で複数回実施されてから、第2の異なる浄化動作が第2の間隔で実施される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記流路において前記浄化流体を加熱することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
浄化動作が開始されるときを制御器装置によって自動的に決定し、浄化開始信号を送信して前記浄化動作を開始させることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記浄化開始信号が浄化動作を自動的に開始させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記浄化開始信号がオペレータに浄化動作を作動させるように通知する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記浄化動作を実施するために、外部の浄化流体源を接続することを必要としない、請求項31に記載の方法。
【請求項1】
食品送出機構であって、食品又は食品成分を受け入れるように構成された食品源と、前記食品又は食品成分をそこから受け入れるように前記食品源と関連した食品導管と、前記食品又は食品成分の給仕物を分配路に沿って前記導管から分配するように構成された分配機構とを備えた食品送出機構と、
前記分配路の少なくとも一部に対して浄化動作を実施するための条件下で、前記食品送出機構と浄化関連した浄化流路に沿って浄化流体を向けるように前記食品送出機構と関連した浄化導管を備えた浄化機構と、
前記浄化機構を作動させて、所定の条件に応じて前記分配路の部分を自動的に浄化するように前記浄化機構と動作関連した制御器とを備え、
前記制御器、送出機構及び浄化機構が、オペレータの実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で前記給仕物分配と前記浄化動作を切り換えるように構成されている、食品分配器。
【請求項2】
前記浄化機構が前記送出機構を実質的に中断させることなく前記浄化動作を実施するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項3】
前記浄化動作が約10分間から約20分間にわたって前記分配器を中断させるように選択された時間を有している、請求項2に記載の分配器。
【請求項4】
オペレータ報知器をさらに備え、前記制御器が前記報知器と動作関連して、オペレータが前記浄化動作を作動させるように、前記報知器に促すことをさせる、請求項1に記載の分配器。
【請求項5】
タイマ又はセンサの少なくとも一方を備え、前記タイマが浄化動作の間の間隔を計時するように構成され、前記制御器が、前記タイマ及び前記センサの少なくとも一方から受け取った情報に基づいて浄化機構を作動させるように、前記タイマ及び前記センサの少なくとも一方と関連している、請求項1に記載の分配器。
【請求項6】
前記浄化動作が前記浄化路の一部分を消毒するための消毒動作を含んでいる、請求項1に記載の分配器。
【請求項7】
前記消毒動が75℃と95℃の間の温度の水を所定の時刻に自動的に供給するように構成されている、請求項6に記載の分配器。
【請求項8】
前記浄化機構が互いに異なる第1及び第2の浄化動作を実施するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項9】
前記制御器が前記第1及び第2の浄化動作を選択的に実施するように前記浄化機構を自動的に動作させるように構成されている、請求項8に記載の分配器。
【請求項10】
前記第1の浄化動作が消毒動作を含み、前記第2の浄化動作が洗浄及び消毒動作を含んでいる、請求項8に記載の分配器。
【請求項11】
前記第1の浄化動作が洗浄動作を含み、前記第2の浄化動作が消毒動作を含んでいる、請求項8に記載の分配器。
【請求項12】
前記制御器が前記第1の浄化動作を一日に数回実施するように構成されている、請求項10に記載の分配器。
【請求項13】
前記浄化機構が(i)洗剤、(ii)苛性物質及び(iii)酸性物質の少なくとも1つを含む浄化流体を使用して前記第1の浄化動作を実施し、高温水を使用して前記第2の浄化動作を実施するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項14】
前記分配器が個々の消費に合わせてサイズ設定された時間に約10までの給仕物を分配するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項15】
前記分配器が単一の給仕物を一度に分配するように構成されている、請求項14に記載の分配器。
【請求項16】
前記浄化機構が前記浄化流体を前記浄化流路に再循環させるように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項17】
前記浄化流体が前記流路を再循環されているときに前記浄化流体を加熱するように構成された加熱装置をさらに備えている、請求項16に記載の分配器。
【請求項18】
前記浄化機構が多量の浄化流体を保持するように構成された前記浄化流路と流体連通する液溜を含んでいる、請求項16に記載の分配器。
【請求項19】
前記制御器が前記送出機構の部分を消毒するために所定の間隔で前記浄化機構を作動させるように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項20】
前記食品源、食品導管、分配機構及び浄化機構を収容する分配器筐体をさらに備えている、請求項1に記載の分配器。
【請求項21】
オペレータが、分配又は浄化動作を実施するのに、外部の食品又は浄化液を接続することを必要としない、請求項20に記載の分配器。
【請求項22】
前記浄化機構が前記食品導管及び分配路と動作関連し、前記食品導管、分配機構及び浄化機構の各々を浄化するように構成されている、請求項1に記載の分配器。
【請求項23】
食品分配器を動作させるための方法であって、
食品及び食品成分を分配路に沿って食品送出機構から分配すること、
前記分配路の少なくとも一部分に対して浄化動作を実施するように前記食品送出機構と動作関連し、浄化流路に沿って浄化流体を向けること、
オペレータの実質的な介入を伴わずに、一日に複数の間隔で、前記食品又は食品成分の前記分配と、前記浄化動作の実施とを切り換えることを含む、方法。
【請求項24】
前記浄化流体が水を含み、前記浄化流路に沿って向けられて、前記流路の一部分を消毒している、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
水が、流路に沿う流れを生じるために、約0.2m/sと約2.0m/sの間の平均流速で向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
水が約75℃と約95℃の間の温度で向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記流体が約10分から約12時間に一度向けられる、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
水が約30秒から約30分間にかけて向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
第1の浄化動作が第1の間隔で複数回実施されてから、第2の異なる浄化動作が第2の間隔で実施される、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記流路において前記浄化流体を加熱することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
浄化動作が開始されるときを制御器装置によって自動的に決定し、浄化開始信号を送信して前記浄化動作を開始させることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記浄化開始信号が浄化動作を自動的に開始させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記浄化開始信号がオペレータに浄化動作を作動させるように通知する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記浄化動作を実施するために、外部の浄化流体源を接続することを必要としない、請求項31に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2006−516109(P2006−516109A)
【公表日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562710(P2004−562710)
【出願日】平成15年12月8日(2003.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013895
【国際公開番号】WO2004/058019
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月8日(2003.12.8)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013895
【国際公開番号】WO2004/058019
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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