説明

液晶表示装置の欠陥補修方法および欠陥補修装置

【課題】 本発明は、周囲の画素に影響を当与えることなく、簡易な工程で輝点を黒点化することができ、この黒点が時間経ても輝点に戻ることなく、維持されるような輝点欠陥の補修方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、一対の基板(20a、20b)と、当該一対の基板の間に介在する液晶層(10)と、基板と液晶層の間に設けられて液晶層の液晶の配向を規制する配向膜(12a、12b)とからなる液晶パネルを備える液晶表示装置の輝点欠陥画素(B)を補修する方法であって、配向膜の輝点欠陥画素に対応する範囲にレーザ光を照射して配向膜の配向規制力を局所的に低下または消失させる工程を含み、液晶を表示させる時に、前記配向規制力を低下または消失させた範囲を透過する光の強度を低下させることによって輝点欠陥画素を補修することを特徴とする液晶表示装置の欠陥補修方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の画素欠陥を補修する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の製造工程において生じる欠陥には、不良としてその液晶表示装置を廃棄せざるを得ないような重度の欠陥と、その欠陥を残したままでも良品として出荷できるような軽微な欠陥とがある。
【0003】
例えば、電圧を加えないときに白表示となるノーマリホワイト型の表示装置の場合、全画素に電圧を加えて黒表示としたときに、何らかの欠陥により光が透過してしまう画素が存在すると、このような欠陥(以下「輝点欠陥」という。)は、人間の視覚特性上、非常に認識されやすい、すなわち目立つ欠陥となる。そのため、輝点欠陥を有する液晶表示装置は不良品として扱われ、良品とできないことが多い。
【0004】
輝点欠陥は、コンタクトホールオープン、ITO片の残り、画素回路を構成する薄膜トランジスタ等における電極間のリーク、金属片等の異物による画素間のショート、異物による光散乱等、様々な原因によって生じるため、原因に対応した補修は困難である。
【0005】
一方、全画素に電圧を加えて白表示としたときに、何らかの欠陥により光が透過しない画素が存在すると、このような欠陥(以下「黒点欠陥」という。)は、輝点欠陥に比べて人間の目に認識されにくいという特性がある。そのため、液晶表示装置が黒点欠陥を有していても、その程度によっては良品とすることができる場合がある。
【0006】
そこで、輝点欠陥に何らかの処理を加えてこれを黒点欠陥に変換することにより、不良品をリペアして歩留まりを向上させ、製造コストの低減を図る手法が検討されている。例えば、特開平9−90304号公報(特許文献1)には、液晶表示装置の欠陥画素に第1のレーザビームを照射することにより、欠陥画素を含む周囲の液晶層中に気泡を発生させ、この気泡発生状態において、該欠陥画素に第2のレーザビームを照射し、そのエネルギーで該欠陥画素の構成材を気泡内に飛散させ、この飛散物を液晶表示装置の対向電極に付着・堆積させることによって黒点化する方法が提案されている。
【特許文献1】特開平9−90304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の気泡を発生させる従来方法では、欠陥画素の部分の液晶層に与えた変質が長期間維持されにくく、付着・堆積させた飛散物が脱落して黒点化した画素が再び輝点欠陥画素に戻ってしまう場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、黒点化した状態が長期間維持されるような輝点欠陥の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置の欠陥補修方法は、一対の基板と、当該一対の基板間に介在する液晶層と、基板と液晶層の間に設けられて当該液晶層の液晶の配向を規制する配向膜とからなる液晶パネルを備える液晶表示装置の輝点欠陥画素を補修する方法であって、配向膜の輝点欠陥画素に対応する範囲にレーザ光を照射して配向膜の配向規制力を局所的に低下または消失させる工程を含み、液晶を表示させる時に、配向規制力を低下または消失させた範囲を透過する光の強度を低下させることによって輝点欠陥画素を補修することを特徴とする。
【0010】
液晶表示装置は、電圧をかけて、液晶分子の配列を変化させることによって、明暗表示を切り替える。例えば、配向モードがTN型の液晶表示装置においては、液晶分子は、配向規制力の方向が直行する2つの配向膜に挟まれている。そして画素に電圧が加えられていない状態では、液晶分子がこの配向規制力の方向に従ってねじれるように配向するので、入射光の振動成分を90度回転させる。しかし、本発明に係る欠陥補修方法では、配向膜の輝点欠陥画素に対応する範囲にレーザ光を照射することで配向規制力が局所的に低下または消失させられるので、液晶分子は配向膜に従って配向しなくなる。その結果、画素に電圧をかけない状態では、入射光の振動成分は液晶層を通過しても回転されなくなる。
【0011】
液晶パネルは、液晶表示装置において、振動成分が90度異なる光を透過させる2枚の偏光板の間に配置されている。そのため、入射側の偏光板を透過した光は、液晶層でその振動成分が回転されない限り出射側の偏光板を透過することができない。従って、配向規制力が低下または消失された画素は、電圧をかけない場合、透過光が遮断されて黒表示となる。
【0012】
一方、電圧を加えた状態では、液晶分子は基板と垂直な方向に並ぶので、液晶層に入射した光の振動成分は回転されず、出射側偏光板を透過することができない。以上より、レーザ光を照射して配向膜の配向規制力を低下または消失させた輝点欠陥画素は、電圧を印加するかしないかに関わらず常に光を透過させなくなり、黒点化される。
【0013】
輝点欠陥画素に照射するレーザ光は、配向膜が吸収可能な波長を有するものが用いられる。例えば、ポリイミド等、有機膜もしくは高分子膜からなる配向膜の場合は、波長450nm以下のレーザ光を用いることが好ましい。またレーザ光の波長は、基板がレーザ光を吸収しないように、200nm以上であることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る液晶表示装置の欠陥補修方法は、レーザ光を照射する際、液晶パネルの一面側と他面側とにそれぞれ偏光板を配置し、一方の偏光板を透過した光が、配向膜の配向規制力が消失したときに、他方の偏光板を透過できるように偏光軸を設定し、一方の偏光板と液晶パネルとを透過したレーザ光が、他方の偏光板も透過する光量を測定して、輝点欠陥画素に対応する範囲の配向膜が変質されたことを検出する工程をさらに含むことも好ましい。
【0015】
一方の偏光板を透過した光が、配向膜の配向規制力が消失したときに、他方の偏光板を透過できるように偏光軸を設定すると、配向膜の配向規制力が十分に低下するまでは、照射したレーザ光は当該他方の偏光板を透過できない。しかし、一定時間照射して配向規制力が低下するにつれて、当該他方の偏光板を透過するレーザ光の光量は増加する。従って、液晶パネルの光の出射側に配置された偏光板を透過するレーザ光の光量を測定すれば、輝点欠陥画素に対応する範囲の配向膜の配向規制力が低下した程度を評価することができる。
【0016】
さらに、本発明は、レーザ発振器と、液晶表示装置を載置する台と、レーザ発振器から出力されたレーザ光が液晶表示装置の輝点欠陥画素に照射されるように照射位置を制御する手段と、液晶表示装置を透過したレーザ光の量を検出する検出器と、を備え、液晶表示装置を載置する台の一部または全部が光透過性を有し、輝点欠陥画素に照射されたレーザ光が液晶表示装置を透過する量を検出器で検出することによって、輝点欠陥画素の欠陥消失の程度を評価できることを特徴とする、液晶表示装置の欠陥補修装置も提供する。
【0017】
上述のように、液晶パネルの一面側と他面側に、一方の偏光板を透過した光が、配向膜の配向規制力が消失したときに、他方の偏光板を透過できるように配置すると、2枚の偏光板両方を透過したレーザ光の光量を測定することによって、配向膜の配向規制力が低下した程度を評価することができる。従って、液晶表示装置を載置する台の一部または全部が光透過性を有し、輝点欠陥画素に照射されたレーザ光が液晶表示装置を透過する量を検出器で検出できる構成とすることによって、配向膜を変質させるために輝点欠陥画素に照射するレーザ光を、黒点化の評価のためにも使用でき、輝点欠陥画素の透過光を検出するために別の光源を用意する必要がないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
まず、図1および図2を用いて、本発明に係る液晶表示装置の欠陥補修方法を、TNモードの液晶表示装置を例に挙げて説明する。図1および図2は、それぞれ3つの画素A、B、Cの断面図を示し、各画素は、一対のガラス基板20aおよび20bと、これらの基板間に介在する液晶層10と、基板20aおよび20bと液晶層10との間に設けられた配向膜12aおよび12bとからなる液晶パネルを備える。配向膜12aと12bは、ポリイミドからなり、配向を規制する方向、即ち配向規制力の方向は互いに直交している。また、ガラス基板20aと配向膜12aとの間には画素電極16a〜16cが、ガラス基板20bと配向膜12bの間には対向電極14およびブラックマスク18を備えている。ガラス基板20aと20bの表面には偏光板22aおよび22bが、それぞれ90度異なる振動成分を透過させるように設けられている。
【0020】
図1の液晶表示装置では画素Bが輝点欠陥画素となっている。
【0021】
画素に電圧がかけられていないときは、図1(A)の画素A〜Cに模式的に示すように、配向膜の配向規制力によって、液晶層に含まれる液晶分子24がねじれるように並んでいる。これにより偏光板22aを透過した光は、液晶層10を通過する際にその振動成分を90度回転されるので、偏光板22bを透過できる。
【0022】
画素電極16a〜16cおよび対向電極14により画素に電圧がかけられているときは、図1(B)に示すように、正常な画素AおよびCでは、液晶分子24は基板と垂直な方向に並び、光は入射側偏光板22aを透過した偏光軸を変化させられることなく液晶層10を通過する。そのため液晶層10を通過した光は、出射側偏光板22bを透過することができず、画素AおよびCは黒表示となる。
【0023】
一方、画素Bには欠陥により電圧がかからないため、液晶分子24は、配向膜の配向規制力によってねじれるように並んだままとなる。このため、入射側偏光板22aおよび液晶層10を透過した光の振動成分は90度回転され、出射側偏光板22bを透過する。この結果、画素Bは常時、白表示の輝点欠陥画素となる。図3(A)に模式的に示すように、画面全体が黒表示となっている中では、輝点欠陥となった画素Bは人間の目に認識されやすく非常に目立ち、液晶表示装置の品質を低下させる。
【0024】
次に、図2を用いて、図1に示す液晶表示装置にレーザ光を照射することにより、配向膜を変質させた状態について説明する。図2(A)は、画素に電圧をかけていない状態を示す。このとき、正常な画素AおよびCにおいては、液晶層10の液晶分子は配向膜に従ってねじれるように並び、入射側偏光板22aを透過した光は、出射側偏光板22bを透過する。その結果、画素Aおよび画素Cは白表示となる。
【0025】
一方、画素Bは、配向膜が変質されることにより配向規制力が低下または消失し、液晶分子はねじれるように並ばなくなる。この結果、液晶層10を通過しても光の振動成分が変化しなくなるので、この光は出射側偏光板22bを透過でず、画素Bは、電源をかけなくい状態で黒表示となる。
【0026】
図2(B)は、レーザ光を照射後の液晶表示装置に、電圧をかけた状態を示す。画素A〜Cに電圧をかけると、画素AおよびCにおいては、液晶分子は基板に垂直な方向に並ぶ。一方、画素Bには欠陥により電圧がかからない。従って、画素A〜Cのすべてにおいて、液晶分子24はねじれるように並ばなくなるの。その結果、偏光板22aを透過した光は、液晶層10を通過してもその振動成分が回転されず、出射側偏光板22bを透過できなくなり、黒表示となる。
【0027】
このように画素Bにレーザ光を照射して配向膜を変質することにより、電圧を加えた場合も加えない場合も常に黒色を表示する黒点欠陥画素とすることができる。人間の目の特性上、黒点欠陥は輝点欠陥より目立ちにくく(図3(B)を参照)、製品としては軽微な欠陥として扱うことができるので、黒点化によって液晶表示装置の品質が改善されたと考えることができる。
【0028】
図4は、欠陥画素の配向膜にレーザ光を照射するための欠陥補修装置の一実施態様を示す。レーザ照射装置40は、レーザ発振器400と、液晶表示装置を載置するテーブル(台)408と、液晶表示装置406を透過したレーザ光を検出するパワーメータ414とを備えている。
【0029】
レーザ発振器40からは、例えば一般的なポリイミド配向膜が吸収しやすい波長355nm、405nm、441nmのレーザ光を発振することができるものを用いる。テーブル408はXYZ方向に位置を調整することが可能で、レーザ発振器400から発振されるレーザ光はミラー402に反射され、レンズ404によって焦点を絞られて液晶表示装置406の所定の画素に照射される。テーブル408の中央には貫通孔が設けられているので、レーザ光が液晶表示装置を透過できれば、パワーメータ414に検出される。
【0030】
本実施形態では、液晶表示装置の最終製品ではなく、偏光板を取り付ける前の液晶パネル406、即ち、液晶層、配向膜、電極、ブラックマスクが2枚のガラス基板の間に介在する構造にレーザを照射して輝点欠陥画素を補修する。そして、液晶パネル406をテーブル408に載置する際に、これを挟むように2枚の偏光板410および412を配置する。
【0031】
ここで、両偏光板が同一方向の光の振動成分を透過させるように配置すれば、輝点欠陥画素は、電圧をかけないとき光を透過させない。しかしレーザ光を照射して、配向膜の配向規制力を低下するにつれて、液晶層の液晶分子がねじれるように配向しなくなり、偏光板410を透過したレーザ光の振動成分が回転されなくなるので、偏光板412も透過するようになる。偏光板412を透過したレーザ光は、テーブル408の貫通孔を経て、パワーメータ414に検出される。こうして、パワーメータ414に検出される光量の増加が、配向膜の配向規制力の低下を示すこととなる。
【0032】
偏光板が90度異なる光の振動成分を透過させるように配置した場合は、配向膜が変質されるに従って光が偏光板を透過できなくなる。従ってこの場合は、透過光が減少するのをパワーメータで検出し、配向膜の変質を評価できる。なお、一般に、透過光が弱くなるのを検出するよりも、光量が増加するのを検出する方が容易であるので、2つの偏光板が同一方向の光の振動成分を透過させるように配置すれば、配向膜の配向規制力の低下、即ち欠陥が消失した程度をより高感度に検出することができる。
【0033】
パワーメータ414によってレーザ光が検出されたら、パワーメータ414は、レーザ発振器400に対して、レーザの発振を停止させるための発振停止信号を出力する。具体的には、例えば、パワーメータ414と、レーザ発振器400との間にフィードバック制御機構416を設け、このフィードバック制御機構416により、レーザ発振器414が検出した光の強度に応じて、レーザ発振器400に対し、レーザ発振を制御する信号を出力することができる。こうすることにより、配向膜の配向規制力を低下させるのに必要十分なレーザを照射して、効率よく欠陥を補修することができる。
【0034】
なお、レーザ照射装置40において、2枚の偏光板410および412が90度異なる光の振動成分を透過させるように配置し、レーザを照射して透過光をパワーメータ414で検出すれば、輝点欠陥画素の位置を検出することも可能である。輝点欠陥画素の位置を検出したら、一方の偏光板を90度回転させて、当該欠陥画素にレーザ光を照射すれば、レーザ光が偏光板412を透過する光量をパワーメータ414で検出して、欠陥補修の程度を評価することが可能である。
【0035】
以上のように、本発明に係る欠陥補修方法によれば、一回のレーザの照射という簡単な工程で、周囲の画素に影響を与えることなく、輝点欠陥画素を黒点化することができる。本方法による黒点化された画素は、時間を経ても輝点に戻ることなく維持される。また、本発明に係る欠陥補修装置によれば、欠陥の位置および補修の程度を検出し、効率的に欠陥画素の配向膜を破壊することができる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されることなく、本発明の要旨の範囲内で種々に変形して実施することが可能である。レンズは集光レンズを用いても、結像レンズを用いてもよいし、配向膜の配向規制力は、レーザ光ではなく他の光源を用いて検出してもよい。さらに、欠陥画素の位置の特定には、パワーメータを用いることもできるし、アライメントカメラを用いることもできる。
【0037】
図5に、集光レンズを用いたレーザ照射装置の一態様を示す。レーザ照射装置50は、レーザ発振器500、ミラー502、集光レンズ504、XYZ方向に位置を制御可能な液晶表示装置を載置するテーブル508、アライメントカメラ510を備える。レーザ発振器500から出力されるレーザ光は、ミラー504に反射され、レンズ504を介して液晶表示装置506に照射される。
【0038】
欠陥画素の位置は、アライメントカメラ510によって検出することができ、テーブル508をXY方向に移動させることによって、欠陥画素にレーザ光が照射されるよう調製することができる。
【0039】
レンズ504は集光レンズであるため、液晶表示装置506に照射されるレーザ光の強度分布は図5(B)左図に示すようになり、ビーム形状は右図に示すようになる。従って、テーブル508をZ方向に移動させることにより照射面積を制御することができ、周囲の画素に影響を与えないよう、欠陥画素のみにレーザ光を照射することが可能となる。
【0040】
レーザ光の照射によって配向膜が変質されたかどうかも、アライメントカメラ510によって検出することができる。例えば、テーブル508の一部または全部を光が透過する構成とし、テーブル508の下部に光源を設けて、液晶表示装置506の光透過性をアライメントカメラ510によって観察すればよい。このような構成によれば、配向膜が変質される経過を観察し、規定の変質が達成されたらレーザ光の照射を終了するよう制御することができる。
【0041】
図6に、結像レンズを用いたレーザ照射装置の一態様を示す。レーザ照射装置60は、レーザ発振器600、ホモジナイザー610、矩形マスク312、ミラー302、結像レンズ304、XY方向に位置を制御可能なテーブル608、およびアライメントカメラ614を備え、テーブル608上に液晶表示装置606が載置される。ホモジナイザー610および矩形マスク612を透過したレーザ光は、ミラーで反射され、結像レンズを介して液晶表示装置606に照射される。液晶表示装置606に照射されるレーザ光の強度分布は図6(B)左図に、ビーム形状は右図に示すようになり、画素の形状どおりに一様の強度で照射されることになる。
【0042】
そのため、レーザ照射装置60では、Z方向にテーブルを移動させる必要がなく、XY方向にのみ移動させて欠陥を有する画素にレーザ光を照射すればよい。
【0043】
レーザ照射装置60のその他の構成は、レーザ照射装置50と同様なのでここでは説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】輝点欠陥画素を説明する説明図である。
【図2】輝点欠陥画素のレーザ照射による黒点化を示す説明図である。
【図3】輝点欠陥画素と黒点欠陥画素を示す説明図である。
【図4】本発明に係る欠陥補修方法および欠陥補修装置の構成を示す概略図である。
【図5】レーザ照射装置の一実施態様を示す概略図である。
【図6】レーザ照射装置の一実施態様を示す概略図である。
【符号の説明】
【0045】
10…液晶層、12…配向膜、14…対向電極、16…画素電極、18…ブラックマスク、20…ガラス基板、22…偏光板、400、500、600…レーザ発振装置、402、502、602…ミラー、404、504、604…レンズ、408、508、608…テーブル、414…パワーメータ、416…フィードバック制御機構、201、314…アライメントカメラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板と、当該一対の基板の間に介在する液晶層と、前記基板と前記液晶層の間に設けられて当該液晶層の液晶の配向を規制する配向膜とからなる液晶パネルを備える液晶表示装置の輝点欠陥画素を補修する方法であって、
前記配向膜の前記輝点欠陥画素に対応する範囲にレーザ光を照射して前記配向膜の配向規制力を局所的に低下または消失させる工程を含み、
前記液晶を表示させる時に前記配向規制力を低下または消失させた範囲を透過する光の強度を低下させることによって、前記輝点欠陥画素を補修することを特徴とする液晶表示装置の欠陥補修方法。
【請求項2】
前記配向膜は、有機膜もしくは高分子膜からなり、前記レーザ光の波長が450nm以下である、請求項1に記載の液晶表示装置の欠陥補修方法。
【請求項3】
前記レーザ光を照射する際、前記液晶パネルの一面側と他面側とにそれぞれ偏光板を配置し、一方の前記偏光板を透過した光が、前記配向膜の配向規制力が低下または消失したときに、他方の前記偏光板を透過できるように偏光軸を設定し、
一方の前記偏光板と前記液晶パネルとを透過した前記レーザ光が、他方の前記偏光板を透過する光量を測定して、前記配向膜の配向規制力の低下または消失を検出する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の液晶表示装置の欠陥補修方法。
【請求項4】
レーザ発振器と、
液晶表示装置を載置する台と、
前記レーザ発振器から出力されたレーザ光が前記液晶表示装置の輝点欠陥画素に照射されるように照射位置を制御する手段と、
前記液晶表示装置を透過したレーザ光の量を検出する検出器と、を備え、
前記台の一部または全部が光透過性を有し、前記輝点欠陥画素に照射された前記レーザ光が前記液晶表示装置を透過する量を前記検出器で検出することによって、輝点欠陥画素の欠陥消失の程度を評価できることを特徴とする、液晶表示装置の欠陥補修装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−72229(P2006−72229A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258613(P2004−258613)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】