説明

減圧弁

【課題】 船舶用エンジン発電機の減圧ラインなどに設置され、減圧弁にストレーナー、安全弁、圧力ゲージ及び排気バルブを一体的にユニット化して原価低減及び管理効率性の向上を達成し、減圧弁関連所要装置の設置重さを減らして軽量化し、設置空間を最小化し、組立作業を容易にした減圧弁を提供する。
【解決手段】 減圧弁1ボディ2の一側に形成された流体流入孔3と開閉孔7の間には円筒膜型のストレーナー4が設置され、前記流入孔3の一側に連通するパイロット管12を通じて調節ノブ13で排出圧力値をセットすることができるようにしたパイロットバルブ10がボディ2の上部に設置され、前記パイロットバルブ10を通じて圧力が連通するようにボディ2の上部に形成されるダイアフラムチャンバー14と、前記ダイアフラムチャンバー14の内部に設置されるダイアフラム11と、前記ダイアフラム11の下部に連接するようにボディ2に上下方向に設置されるピストン9と、前記ピストン9の下部に連結され、スプリング8によって上方に弾支されることにより、流入孔3から排出孔5に排出される流体を開閉断続するディスク6と、前記ダイアフラム11とピストン9の上部の連接部に設置される安全弁15と、前記排出孔5には圧力ゲージ16が設置されて、排出される流体の圧力をチェックすることができるようにし、前記ボディ2の下端部に設置される残存水排出バルブ17を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は減圧弁(‘SRS’バルブともいう)に係り、より詳しくは船舶用エンジン発電機の減圧ラインなどに設置され、減圧弁にストレーナー、安全弁、圧力ゲージ及び排気バルブをユニット化して原価低減及び管理効率性の向上をなし、減圧弁の大きさ及び重さを減らし、空間占有率の最小化及び容易な組立作業を図るようにした減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
通常船舶用エンジン発電機の減圧ラインなどに使われている減圧弁は、ストレーナー、安全弁、圧力ゲージ及び排気バルブを減圧ライン上に別に設置して運営しているため、それぞれの装置を別に設置することによるコスト負担はもちろんのこと、それぞれの装置を現場で別個に設置するのに多大な時間及び労動力が要求される問題がある。
【0003】
したがって、減圧弁ラインに設置が要求されるさまざまな装置の機能を統合する単一減圧弁を提供したら、減圧弁と装置の設置時間及びコストを節減することができ、それぞれの装置の管理及び制御がより簡便になるであろう。よって、このような統合機能を備えた減圧弁の開発が切実に要求された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前述した従来の問題点を認識し、これを解決しようとするもので、本発明の目的は、従来の減圧弁ライン上に別個に組立及び設置されたストレーナー、安全弁、圧力ゲージ及び排気バルブを減圧弁本体に一体的に形成してユニット化することで、減圧弁関連配管装置の製作コストを節減し、それぞれの装置の管理効率性を向上させ、配管ラインの装置組立にかかる時間及びコストを節減し、設置空間を最小化及び最適化することができるようにする減圧弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した技術的課題を達成するために、本発明は、減圧弁1のボディ2の一側に形成された流体流入孔3と開閉孔7の間には円筒膜型のストレーナー4が設置され、前記流入孔3の一側に連通するパイロット管12を通じて調節ノブ13で排出圧力値をセットすることができるようにしたパイロットバルブ10がボディ2の上部に設置され、前記パイロットバルブ10を通じて圧力が連通するようにボディ2の上部に形成されるダイアフラムチャンバー14と、前記ダイアフラムチャンバー14の内部に設置されるダイアフラム11と、前記ダイアフラム11の下部に連接するようにボディ2に上下方向に設置されるピストン9と、前記ピストン9の下部に連結され、スプリング8によって上方に弾支され、流入孔3から排出孔5に排出される流体を開閉断続するディスク6と、前記ダイアフラム11とピストン9の上部の連接部に設置される安全弁15と、前記排出孔5には圧力ゲージ16が設置されて、排出される流体の圧力をチェックすることができるようにし、前記ボディ2の下端部に設置される残存水排出バルブ17を含むことを特徴とする、減圧弁を提供する。
【0006】
ここで、前記排気バルブ17の雄ネジ17aは排気バルブ本体17cの全長の一部にだけ形成されて紛失を防止するようにする。
【0007】
前記ストレーナー4は前記ディスク6の外側を取り囲む中空シリンダー状にする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の減圧弁は、従来の減圧配管ライン上に別個に設置されるストレーナー、安全弁、圧力ゲージ及び排気バルブを一体化することができる構造なので、それぞれの装置を製造するための原価を節減し、管理効率性を向上させることができ、設置空間を最小化することができ、減圧弁装置の組立作業を容易にすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す正面構成図である。
【図2】本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す側面構成図である。
【図3】本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す断面構成図で、ディスクが閉鎖した状態図である。
【図4】本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す断面構成図で、ディスクが開放した状態図である。
【図5】本発明が提供する減圧弁に使われる排気バルブの構成を抜粹した半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の構成及び作動原理について説明する。
【0011】
図1は本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す正面構成図、図2は本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す側面構成図、図3は本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す断面構成図で、ディスクが閉鎖した状態図、図4は本発明が提供する減圧弁の好適な一実施例を示す断面構成図で、ディスクが開放した状態図である。
【0012】
図示のように、本発明による減圧弁1のバルブボディ2の流体流入孔3には円筒膜型のストレーナー(strainer)4が設置される。前記ストレーナー4は後述するディスク6を外部で取り囲む円筒状に設置される。すなわち、前記ストレーナー4は内部に前記ディスク6が位置するように中空シリンダー状に形成される。
【0013】
前記流入孔3を通じて排出孔5に排出される流体を開閉断続するディスク6が開閉孔7上に昇降可能に設置される。ディスク6の下部にはスプリング8が介在されて上方に弾支し、上部はピストン9に連結される。
【0014】
前記ピストン9の上部はボディ2の上部に設置されたパイロットバルブ(pilot valve)10を通じて流入する流体の圧力によって作動するダイアフラム(diaphram)11の下部に連結される。
【0015】
すなわち、流入孔3の一側と連通するパイロット管12を通じて流体がパイロットバルブ10に流入することができるようにし、前記パイロットバルブ12は前もって調節ノブ13によってセットされた圧力値によってボディ2の上部に形成されたダイアフラムチャンバー(diaphram chamber)14に流体が流入するようにする。
【0016】
前記ダイアフラムチャンバー14にはダイアフラム11が設置されて、流入する流体圧力によって発生する力でピストン9を下方に押し出すようにする。
【0017】
前記ダイアフラム11とピストン9の上端の連接部には図示のように安全弁15が設置されることで、流入孔3側の1次側から流入した流体圧力が予めセットされた設定圧力以上で流入する場合、排出孔5側の2次側の流体圧力がセンシング管18に流入してダイアフラム11を押し上げることにより、設定圧力以上の超過圧をレリーフする役目をするようにする。
【0018】
排出孔5には圧力ゲージ(pressure gauge)16が設置されることで、2次側に排出される流体の圧力を前もってチェックすることができるようにする。前記圧力ゲージ16は排出孔5の流路上に一体的に形成されるので、減圧ライン上に別に設置する必要がない。
【0019】
前記ボディ2の下端部には排気バルブ17が設置されることで、バルブボディ2の内部に留まる残存水またはボディ2の内部の流体で発生する空気を排出するようにする。前記排気バルブ17は、雄ネジ17aが外周面に形成されたバルブ本体17cがバルブハウジング17dに螺合するように形成されて、調節ハンドル17bの操作によって流路を開閉するようにする。この際、図5に示すように、雄ネジ17aは排気バルブ本体17cの全長の一部にだけ形成されることにより、使用中に排気バルブ本体17cが紛失されることを防止する。
【0020】
前述した構成を持つ前記減圧弁1は主に船舶用エンジン発電機の減圧ラインなどに設置されて使われ、特にストレーナー4、安全弁15、圧力ゲージ16及び排気バルブ17を減圧弁1に一体的にユニット化することにより、製品の体積減少による設置面積の最小化、減圧ラインの所要装置の軽量化及び設置工程の単純化を成すようになる。
【0021】
本発明の減圧弁1は、初期状態では閉鎖状態で待機していて、流体が1次側の流入孔3に流入すれば、パイロット管12を通じてパイロットバルブ10側に移動し、流入した流体は前もってパイロットバルブ10でセットされた排出圧力値によってダイアフラムチャンバー14に移動する。この際、ダイアフラム11が圧力によって下降しながらピストン9を下降させてピストン9の下端に連結されたディスク6を押し出せば、スプリング8によって上方に弾支されていたディスク6が下降し、図4のように減圧弁1が開放して排出孔5を通じて予めセットされた排出圧力で流体が2次側に排出される。
【0022】
本発明は、特に減圧弁1の内部にストレーナー4が内蔵されているので、減圧ラインの前後に別に設置する必要がなく、圧力ゲージ16がボディ2の排出孔5に設置されるので、圧力の測定が容易になされ、ボディ2の下端部にボディ2の内部の残存水及び空気を排出する排気バルブ17が設置されることにより、減圧弁1の作動を邪魔する要素を除去することができ、排気バルブ17の開放の際、雄ネジ17aがまったく分離されないように一部だけ形成することにより、船舶に使用するとき、紛失のおそれを事前に防止することができる。さらに、安全弁15は、流入した流体が設定圧以上の場合、超過圧力を自動で排出させることで減圧弁の安全機能をするようにした。
【0023】
このように、本発明の詳細な説明では具体的な実施例について説明しているが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものに解釈されてはいけなく、本発明の保護範囲は添付の特許請求範囲とこれと同等な範囲内のすべての変形例を含むものに解釈されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は減圧弁に係り、特に船舶の減圧ラインなどに設置して使用する場合、減圧ラインに設置される装置の重量、数及び設置面積を最小化し、管理効率性の向上及び製作原価の節減を達成することができるようになる。よって、本発明の減圧弁は、設置面積が制限される船舶のような移動手段に特に適しているので、造船産業分野に特にその活用度が高いと言える。
【符号の説明】
【0025】
1 減圧弁
2 ボディ
3 流入孔
4 ストレーナー
5 排出孔
6 ディスク
7 開閉孔
8 スプリング
9 ピストン
10 パイロットバルブ
11 ダイアフラム
12 パイロット管
13 調節ノブ
14 ダイアフラムチャンバー
15 安全弁
16 圧力ゲージ
17 排気バルブ
17a 雄ネジ
18 センシング管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧弁1のボディ2の一側に形成された流体流入孔3と開閉孔7の間には円筒膜型のストレーナー4が設置され、
前記流入孔3の一側に連通するパイロット管12を通じて調節ノブ13で排出圧力値をセットすることができるようにしたパイロットバルブ10がボディ2の上部に設置され、
前記パイロットバルブ10を通じて圧力が連通するようにボディ2の上部に形成されるダイアフラムチャンバー14と、
前記ダイアフラムチャンバー14の内部に設置されるダイアフラム11と、
前記ダイアフラム11の下部に連接するようにボディ2に上下方向に設置されるピストン9と、
前記ピストン9の下部に連結され、スプリング8によって上方に弾支され、流入孔3から排出孔5に排出される流体を開閉断続するディスク6と、
前記ダイアフラム11とピストン9の上部の連接部に設置される安全弁15と、
前記排出孔5には圧力ゲージ16が設置されて、排出される流体の圧力をチェックすることができるようにし、
前記ボディ2の下端部に設置される残存水排出バルブ17を含むことを特徴とする、減圧弁。
【請求項2】
前記排気バルブ17の雄ネジ17aは排気バルブ本体17cの全長の一部にだけ形成されて紛失を防止することを特徴とする、請求項1に記載の減圧弁。
【請求項3】
前記ストレーナー4は前記ディスク6の外側を取り囲む中空シリンダー状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の減圧弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−527683(P2012−527683A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511753(P2012−511753)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003001
【国際公開番号】WO2010/134716
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511281040)コバル カンパニー,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】