説明

測位情報装置及びダウンコンバータIC

【課題】従来のGPSとVICSを統合して回路規模は縮小可能であるが、カーナビゲーション装置として大切な測位精度の向上に関しては、改善されておらず、回路を統合してもGPSの測位性能を向上させることができない。
【解決手段】測位情報装置は、GPS/VICS統合アンテナ1に接続されたダウンコンバータIC50と、光アンテナ2に接続された光送受信部17と、路上機の座標情報が予め記憶された座標情報メモリ21と、制御部20を備えている。さらにダウンコンバータIC50はGPS/VICS切替器6を有し、制御部20により信号を切替え、VICS情報によりGPSの測位精度を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電波信号を受信して自己位置情報と、道路情報を通信する情報通信装置に係り、特に車載用の装置としてカーナビゲーション装置へ情報を提供する測位情報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人工衛星測位システム(Global Positioning System以下GPSという)が知られており、カーナビゲーション装置等に用いられている。GPSは、複数の人工衛星が送信した送信電波を同時に受信して走行中の自動車の現在位置及び進行方向などの測位情報を得ているものであり、得られた測位情報をカーナビゲーション装置に供給し、カーナビゲーション装置の表示部にその情報を表示することにより、自動車の現在位置やその進行方向などの情報をユーザに伝えるものである。
【0003】
近年、自動車の普及がさらに進み、道路交通状況の悪化が社会問題として取り上げられ、解決策の一つとしてVICS(Vehicle Information & Communication System:道路交通情報通信システム)と呼ばれる路車間情報通信システムが実用化されている。
【0004】
このシステムは、複数の通信メディア、すなわち、光ビーコン、電波ビーコン、FM多重からなっており、一般幹線道路では光ビーコンからの情報を、高速道路では電波ビーコンからの情報を、また、FM放送が受信可能な地域においてはFM多重放送からの情報が得られる。さらに、受信されたこれらの情報をカーナビゲーション装置に供給し、カーナビゲーション装置の表示部に追加情報として表示する。
【0005】
ユーザは、自動車にVICS等の情報端末装置を搭載し、それぞれの交通情報を得て活用することで、ユーザ自身でルート選択を行うことが可能となり、渋滞を避けて運転することができる。これによって交通流の集中化を防止でき、安全かつ円滑に目的地に到達することが可能となる。
【0006】
この他に、高速道路料金自動支払いシステム(Electronic Toll Collection以下ETCという)を利用して料金所渋滞を低減する装置も実用化されており、特許文献1には、このようなGPS、VICS、ETCを複合ユニットとして情報端末装置を単一ユニットにする技術が公開されている。
【0007】
また、特許文献2にはVICS及びETC等の複合種類の情報信号が受信可能な情報端末装置に関する技術が公開されている。情報化が進むことにより各種の装置を組み合わせる必要があるため、回路規模が拡大するが、自動車の限られたスペースに搭載するために小型化が望まれている。
【0008】
【特許文献1】特開平11―337348号公報
【特許文献2】特開平11−17568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、複数機能の追加により増大する回路規模や装置規模を縮小させる様々な技術が開発されている。例えば特許文献1は、GPS、VICS、ETCに使用する各機器を搭載する際、車内の搭載スペース確保の為にGPS及びVICSの各受信部とETCの送受信部とを一体的に構成した単一ユニットにして、カーナビゲーション装置に内蔵させている。
【0010】
この場合、GPSは人工衛星からの送信電波として1.5GHzの周波数帯のものが用いられ、VICSは、VICSセンターからの送信電波として2.5GHzの周波数帯のものが用いられ、さらにETCは、料金徴収所と自動車との間では5.8GHzの周波数帯の電波が用いられている。このため、特許文献1では、単一ユニットにそれぞれにアンテナと増幅部を備える構造となり、装置規模は縮小可能であるが、受信部の回路規模が縮小できないという第1の問題があった。
【0011】
図5は、VICSとETCを1つの共通発振器により共用して回路規模を縮小した既存の自動車関連情報装置のブロック図である。このような構成とすることで、2.5GHz帯のVICSと5.8GHz帯のETCの信号が受信可能な情報端末が構成でき、VICSとETCの受信部とそれぞれの受信部に対する共通の発信回路を設けることにより回路規模を縮小している。
【0012】
しかし、この技術も回路規模は縮小可能であるが、カーナビゲーション装置として大切な測位精度の向上に関しては、なんら改善されておらず、回路を統合してもGPSの測位性能を向上させることができないという第2の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上のような問題を解決するために、本発明に係る測位情報装置は、衛星の測位信号を受信し、測位信号により自己位置を測定する測位手段と、道路に設置された路上機から道路情報信号を受信する道路情報受信手段と、を有する測位情報装置において、複数の信号を受信する統合受信部と、統合受信部で受信した測位信号と道路情報信号とを切替える受信切替手段と、路上機の下を通過したことを検出する通過検出手段と、を備え、受信切替手段により測位手段から道路情報受信手段に切替え、通過検出手段により路上機の下を通過したことを検出した後に、測位手段で測定した自己位置を補正することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る測位情報装置は、衛星の測位信号を受信し、測位信号により自己位置を測定する測位手段と、道路に設置された路上機から道路情報信号を受信する道路情報受信手段と、を有する測位情報装置において、複数の信号を受信する統合受信部と、統合受信部で受信した測位信号と道路情報信号とを切替える受信切替手段と、路上機の位置情報を予め記憶する位置記憶手段と、位置記憶手段からの位置情報に基づき、測位手段からの自己位置により路上機に接近したことを検出する接近検出手段と、さらに接近し、路上機の下を通過したことを検出する通過検出手段と、を備え、接近検出手段により路上機に接近したことを検出し、受信切替手段により測位手段から道路情報受信手段に切替え、通過検出手段により路上機の下を通過したことを検出した後に、測位手段で測定した自己位置を補正することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係る測位情報装置において、統合受信部は、測位信号受信部と道路情報信号受信部を共用し、1つのアンテナを有することを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明に係る測位情報装置において、統合受信部は、基本発振信号を1つの内部発振器で測位信号受信部と道路情報信号受信部に供給することを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明に係る測位情報装置において、位置記憶手段は、光路上機の位置情報を予め記憶し、光アンテナにより光路上機の道路情報を受信し、応答情報を送信する光送受信部と、取得した道路情報により光路上機を識別する光路上機認識手段と、を備え、位置記憶手段からの位置情報に基づき、識別した光路上機の位置情報を取得した後に、測位手段で計測した自己位置を補正することを特徴とする。
【0018】
さらにまた、本発明に係る測位情報装置において、取得した道路情報と路上機の位置情報で補正された自己位置をカーナビゲーション装置に所定間隔で送信することを特徴とする。
【0019】
本発明に係るダウンコンバータICは、衛星の測位信号を受信し、測位信号により自己位置を測定する測位手段と、道路に設置された路上機から道路情報信号を受信する道路情報受信手段と、を有する測位情報装置に用いられるダウンコンバータICにおいて、複数の信号を受信する統合受信部と、統合受信部で受信した測位信号と道路情報信号とを切替える受信切替手段と、路上機の下を通過したことを検出する通過検出手段と、を備え、受信切替手段により、測位信号受信手段又は道路情報受信手段に切替えた時にいずれか1つの電源が自動投入されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るダウンコンバータICにおいて、通過検出手段により路上機の下を通過したことを検出すると、受信切替手段により道路情報受信手段から測位信号受信手段へ自動切替えされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、GPSとVICSの受信部を一体化することにより、複数種類の信号を受信可能とすることで回路規模を縮小し、かつ、VICSの路上機の通過位置を検出してGPSの測位情報を補正することで、GPSの測位性能を向上させた測位情報装置を提供できる。
【0022】
また、GPSとVICSを統合し、GPS/VICS切替器を有するダウンコンバータICにより省電力が実現できるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明に係る実施形態において、測位情報装置とカーナビゲーション装置の構成を示す構成図である。測位情報装置は、GPS/VICS統合アンテナ1に接続されたダウンコンバータIC50と、光アンテナ2に接続された光送受信部17と、路上機の座標情報が予め記憶された座標情報メモリ21と、制御部20を備えている。
【0025】
制御部20は、カーナビゲーション装置30と接続されている。カーナビゲーション装置30は、マップメモリ33と、ジャイロセンサ31及び車速センサ32と接続されている。
【0026】
次に、測位情報装置の電波受信機能について説明する。GPS信号とVICS信号はGPS/VICS統合アンテナ1で受信される。本実施形態で使用した低雑音増幅器3と、リミットアンプ8と、増幅アンプ14及びミキサ(4,16)は、1.5GHzから2.5GHzまでの広帯域をカバーするものを使用している。GPS/VICS統合アンテナ1で受信された1.5GHzのGPS信号と、2.5GHzの電波ビーコンによるVICS信号は低雑音増幅器3(LNA)で増幅され、ミキサ4によりGPS信号とVICS信号の基準クロックとミキシングされる。
【0027】
基準クロックは、基準クロック発振器13により生成され、位相検出器10(PD:Phase Detector)に入力される。位相検出器10(PD)は、基準クロックと電圧制御発振器9(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の比較周波数信号との位相差を比較し、チャージポンプ11(CP:Charge Pump)により位相差に従い位相を進めたり、遅らせる信号を出力する。
【0028】
チャージポンプ11(CP)から出力された位相検出器10の信号は、ループフィルタ12(LOOP:Loop Filter)で積分され、スムージング(平均化)され、電圧制御発振器9(VCO)に加えられ、フェーズロックされた信号が出力される。この信号をミキサ4にてIF周波数に変換するためにミキシングを行い、GPS信号とVICS信号から不要な信号を除くためにバンドパス・フィルタ5を通過させる。
【0029】
バンドパス・フィルタ5は、GPS/VICS切替器6に接続されている。GPS信号を取出す場合は、GPS/VICS切替器6とバンドパス・フィルタ7が接続され、IF周波数帯のGPS信号はバンドパス・フィルタ7を通過し、リミットアンプ8を介して制御部20へ出力する。
【0030】
また、VICS信号を取出す場合には、GPS/VICS切替器6が増幅アンプ14と接続され、さらに増幅アンプ14はミキサ16と接続される。ミキサ16には、電圧制御発振器9(VCO)の図示しない分周器の後段から分周された信号が、VICS信号のIF周波数の変換用に供給されている。さらに、ミキサ16の出力は、リミットアンプ8に接続され、同様にIF周波数帯のVICS信号が制御部20に出力される。
【0031】
電波ビーコンのVICS信号を出力する路上機の通過を検知するために、IF周波数に変換されたVICS信号の受信信号強度を検出する受信信号強度検出器15(RSSI:Receiving Signal Strength Indicator)が設けられ、AM信号として制御部20へ出力される。電波ビーコンは、受信エリアが約70メートルと広く、そのままではGPS測位データの補正に使用できない。そこで、VICS信号受信データに同期した1kHzのAM信号の立ち上がりと立ち下がりを制御部20がモニターし、路上機の下を通過する際に得られる同相から逆相への変化(又は逆相から同相への変化)により通過を判定し、時刻を記憶する。
【0032】
光ビーコンのVICS信号を検出するために、光アンテナ2は光送受信部17を介して制御部20と接続されており、光アンテナ2で受信した光ビーコンのVICS信号を光送受信部17で変換し、制御部20へ出力する。さらに制御部20は、受信した光ビーコンに対して車両の識別IDを光送受信部17と光アンテナ2を用いて路上機へ送信し、この送受信が繰り返される。
【0033】
制御部20は、電波ビーコンのVICS信号を発信する路上機と光ビーコンのVICS信号を発信する路上機の座標情報が格納されている座標情報メモリ21が接続されているので、現在位置の特定が可能である。
【0034】
制御部20は、路上機の座標情報に基づき、GPSの測位情報から自己位置を検出し、接近した路上機からのVICS信号を受信するためにGPS/VICS切替器6を制御し、GPSの測位情報とVICS信号により得られた道路交通情報をシリアル通信回線(RS−232C,RS−422,TTLレベル等)によりカーナビゲーション装置に送信する。
【0035】
このように、ダウンコンバータIC50は、IF周波数帯域を数kHzから数十MHzまで増幅可能な各種デバイスで構成し、デジタルASICで構成される制御部20への信号線を1つに統合し、省電力とするため、GPS/VICS切替器6に同期してGPSとVICSのいずれか1つの受信時において、不要な回路の電源を落としている。
【0036】
また、カーナビゲーション装置は、マップが記憶されているマップメモリ33と自動車の進行方向や速度を検出するジャイロセンサ31と車速センサ32と接続されており、測位装置からのGPS測位情報に基づきマップマッチング又は慣性航法などの処理を行うことが可能である。
【0037】
次に、測位情報装置の光ビーコン送受信機能について説明する。光ビーコンのVICS信号を受信し、路上機に車両IDを送信する光送受信部17は、制御部20と接続されている。光ビーコンは路上機の直下直径約3.5メートルの範囲しか到達しないため、信号を受信した時刻と、路上機のIDによる位置情報から現在の自己位置を検出してGPSの測位情報を補正することが可能である。また、制御部20は、光ビーコンのVICS信号を発信する路上機が存在しない場所(高速道路、光ビーコン未設置地区)において光送受信部17の電源を落としている。
【0038】
図2は、本発明に係る実施形態において、GPSとVICSを制御する制御部とカーナビゲーション装置の作動シーケンス及びデータの流れを示す作動シーケンス図である。さらに、図3は、本発明に係る実施形態において、GPS測位データの補正方法を示した模式図である。以下、図2と図3を用いて本実施形態の測位情報装置を備えた自動車61における測位情報装置の処理の流れを説明する。
【0039】
図3に示す自動車61が電波ビーコンのVICSの路上機62に接近する場合、図2のGPSは‘ON’で作動中(ステップS1)であり、VICSは‘OFF’で停止中(ステップS2)である。この時、カーナビゲーション装置30へGPSの測位情報とVICS情報(無信号)を送信する。
【0040】
制御部20は、座標情報メモリ21に記憶されている情報により近隣の路上機62の座標とGPSによる測位情報とを比較し、過去数分におよぶ移動履歴より、VICSの路上機62への接近時刻を計算により求め、接近時刻を予測し、通信エリア63への接近を判断する(ステップS3)。
【0041】
次に、ステップS4において、GPSを‘OFF’にして停止させ(ステップS5)、VICSを‘ON’にして作動させる(ステップS6)。その後、通信エリア63内でVICSより道路情報を取得し、自動車61がVICS路上機62の下を通過することにより、AM信号の位相が180度反転する時刻を記録し、通過検知(ステップS7)を判定する。さらに、予測した接近時刻と通過検知した時刻と比較することで補間により求めた測位情報を補正し、補正されたGPS測位情報を作成する。
【0042】
補正されたGPS測位情報とVICSによる道路情報をカーナビゲーション装置30に送信し、VICSを‘OFF’にして停止し(ステップS10)、GPSを‘ON’にして作動(ステップS9)させる切戻しを行う(ステップS8)。
【0043】
VICSからGPSへの切戻し後は、測位補正情報を基にしてGPSの測位データを補正してカーナビゲーション装置に補正されたGPS測位情報を送信する。
【0044】
(表1)はカーナビゲーション装置30の応答と制御部の処理を示した表である。制御部20からカーナビゲーション装置30への情報転送に対し、カーナビゲーション装置30からACK,NAK,RNR等の応答が返信され、この返信により情報が再度送信される。GPSのデータは1秒毎に更新されるので、NAK,RNRが発生してもGPSのデータは更新され、再送は行われない。また、転送速度はカーナビゲーション装置30により異なるが、9600bpsから38400bpsで送信される。特にビーコンデータは最大で15kバイトになるので、転送に数秒かかることもある。
【0045】
【表1】

【0046】
図3において、十字のマークは補正前のGPS測位情報を示し、路上機からの通信エリア63(電波到達距離内)に進入し、路上機62の下を通過する時刻によりGPSの補正情報を作成し、通過した後は、新しい補正情報に基づいて補正後のGPS測位情報をカーナビゲーション装置30に送信する。
【0047】
図4は、本発明に係る実施形態において、測位情報装置からカーナビゲーション装置30へ送信されるデータフレームを示した模式図である。測位情報装置がカーナビゲーション装置30に約1秒毎にGPSとVICSの情報を送信する。送信される情報は、GPS情報41、電波ビーコンによるVICS電波情報42及び光ビーコンによるVICS光情報43である。
【0048】
時速80km/hで電波ビーコンを通過する場合では、数秒程度となり、この時間だけVICSの情報を送信することになるため、VICSのデータ長は可変長であり、逆にGPSはこの間補間されたGPS測位情報を送信する為、GPSのデータは常にカーナビゲーション装置30に送信される。
【0049】
以上説明したように、本発明によると1.5GHzのGPS信号と、2.5GHzの電波ビーコンによるVICS信号の周波数帯で共用できる基本周波数発振器を使用することで、GPSと電波ビーコンによるVICSの受信回路規模の縮小と、GPSの受信回路規模の縮小が実現出来る。
【0050】
また、GPSとVICSを統合し、切替器を有するダウンコンバータIC50により省電力が実現できるという効果もある。さらに、測位情報装置からカーナビゲーション装置30へ接続するシリアルポートを1つに統合できる効果もある。
【0051】
一般に、カーナビゲーション装置では、マップ情報によりルートマッピングが可能であるが、ルート方向の精度はGPSの測位精度に依存するため、なんらかの基点又は補正情報による処理を持たない装置では、GPSの測位精度を高められない。しかし、本実施形態に係る相違情報装置を用いてVICSの路上機の位置を検出することにより、GPS測位情報の補正が可能という効果がある。
【0052】
また、本実施形態において、GPSとVICSの統合化について実施したが、この他に、さらにETCを組み込むことにより、高速道路の料金所に入る毎に自動車の位置補正が行われ、位置補正の頻度を上げることができ、GPSの測位性能を向上することが可能となることはいうまでもない。
【0053】
さらに、本実施形態のようなGPSとVICSの切替えを座標情報に基づいて制御する方法の他に、座標情報を持たずに所定の時間間隔毎に切替える方法及び、本実施形態との組み合わせで、座標情報と所定の時間間隔(例えば、数秒間隔)で切替える処理を行うことが可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る実施形態において、測位情報装置とカーナビゲーション装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係る実施形態において、GPSとVICSを制御する制御部とカーナビゲーション装置の作動シーケンス及びデータの流れを示す作動シーケンス図である。
【図3】本発明に係る実施形態において、GPS測位データの補正方法を示した模式図である。
【図4】本発明に係る実施形態において、測位情報装置からカーナビゲーション装置へ送信されるデータフレームを示した模式図である。
【図5】VICSとETCを1つの共通発振器により共用して回路規模を縮小した既存の自動車関連情報装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
1 統合アンテナ、2 光アンテナ、3 低雑音増幅器、4 ミキサ、5 バンドパス・フィルタ、6 GPS/VICS切替器、7 バンドパス・フィルタ、8 リミットアンプ、9 電圧制御発振器、10 位相検出器、11 チャージポンプ、12 ループフィルタ、13 基準クロック発振器、14 増幅アンプ、15 受信信号強度検出器、16 ミキサ、17 光送受信部、20 制御部、21 座標情報メモリ、30 カーナビゲーション装置、31 ジャイロセンサ、32 車速センサ、33 マップメモリ、41 GPS情報、42 VICS電波情報、43 VICS光情報、50 ダウンコンバータIC、61 自動車、62 路上機、63 通信エリア、101,102 電波受信部、103 発信回路、104 発振制御部、105,106 信号処理部、107 画像処理部、108 音声処理部、109 表示入出力部、110 マイコン、111 位置信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星の測位信号を受信し、測位信号により自己位置を測定する測位手段と、道路に設置された路上機から道路情報信号を受信する道路情報受信手段と、を有する測位情報装置において、
複数の信号を受信する統合受信部と、
統合受信部で受信した測位信号と道路情報信号とを切替える受信切替手段と、
路上機の下を通過したことを検出する通過検出手段と、
を備え、
受信切替手段により測位手段から道路情報受信手段に切替え、通過検出手段により路上機の下を通過したことを検出した後に、測位手段で測定した自己位置を補正することを特徴とする測位情報装置。
【請求項2】
衛星の測位信号を受信し、測位信号により自己位置を測定する測位手段と、道路に設置された路上機から道路情報信号を受信する道路情報受信手段と、を有する測位情報装置において、
複数の信号を受信する統合受信部と、
統合受信部で受信した測位信号と道路情報信号とを切替える受信切替手段と、
路上機の位置情報を予め記憶する位置記憶手段と、
位置記憶手段からの位置情報に基づき、測位手段からの自己位置により路上機に接近したことを検出する接近検出手段と、
さらに接近し、路上機の下を通過したことを検出する通過検出手段と、
を備え、
接近検出手段により路上機に接近したことを検出し、受信切替手段により測位手段から道路情報受信手段に切替え、通過検出手段により路上機の下を通過したことを検出した後に、測位手段で測定した自己位置を補正することを特徴とする測位情報装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の測位情報装置において、
統合受信部は、測位信号受信部と道路情報信号受信部を共用し、1つのアンテナを有することを特徴とする測位情報装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の測位情報装置において、
統合受信部は、基本発振信号を1つの内部発振器で測位信号受信部と道路情報信号受信部に供給することを特徴とする測位情報装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1項に記載の測位情報装置において、
位置記憶手段は、さらに、光路上機の位置情報を予め記憶し、
光アンテナにより光路上機の道路情報を受信し、応答情報を送信する光送受信部と、
取得した道路情報により光路上機を識別する光路上機認識手段と、
を備え、
位置記憶手段からの位置情報に基づき、識別した光路上機の位置情報を取得した後に、測位手段で計測した自己位置を補正することを特徴とする測位情報装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の測位情報装置において、
取得した道路情報と路上機の位置情報で補正された自己位置をカーナビゲーション装置に所定間隔で送信することを特徴とする測位情報装置。
【請求項7】
衛星の測位信号を受信し、測位信号により自己位置を測定する測位手段と、道路に設置された路上機から道路情報信号を受信する道路情報受信手段と、を有する測位情報装置に用いられるダウンコンバータICにおいて、
複数の信号を受信する統合受信部と、
統合受信部で受信した測位信号と道路情報信号とを切替える受信切替手段と、
路上機の下を通過したことを検出する通過検出手段と、
を備え、
受信切替手段により、測位信号受信手段又は道路情報受信手段に切替えた時にいずれか1つの電源が自動投入されることを特徴とする測位情報装置のダウンコンバータIC。
【請求項8】
請求項7に記載のダウンコンバータICにおいて、
通過検出手段により路上機の下を通過したことを検出すると、受信切替手段により道路情報受信手段から測位信号受信手段へ自動切替えされることを特徴とする測位情報装置のダウンコンバータIC。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−17592(P2006−17592A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195990(P2004−195990)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】