説明

潤滑剤の塗布装置

【課題】回転軸等の外周面に形成したねじ部等の凹凸部に潤滑剤を迅速・容易に、かつ、異物が混入するのを防いだ状態で均一に塗布すること。
【解決手段】被塗布部材を挿入可能な長さ寸法及び径寸法で形成した横長な中空円筒状の塗布筒と、前記被塗布部材よりも大きな径寸法の挿通孔を有し、前記塗布筒の一方端側に着脱可能に取付けられる口蓋と、前記被塗布部材とほぼ同一径寸法の貫通孔を有し、前記塗布筒の一方端側の開口端部と前記口蓋との間に挟持・配設される弾力性及び柔軟性に優れた薄膜状部材と、前記塗布筒の他方端側に着脱可能に取付けられ、該塗布筒の他方端側の開口部を開閉可能に閉鎖する底蓋と、前記塗布筒の一方端側と近接する位置にその吐出口を塗布筒内に臨ませた状態で固定され、前記塗布筒内に挿入した被塗布部材の外周面に向けて潤滑剤を吐出する塗布ノズルと、前記塗布ノズルへ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを備えて潤滑剤の塗布装置を構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸等の外周面に形成したねじ部や溝部等の凹凸部に、グリス等の潤滑剤を均一に塗布するための潤滑剤の塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転軸等の外周面に形成したねじ部や溝部等凹凸部に、グリス等の潤滑剤を塗布する場合には、例えば、潤滑剤を含浸させたハケやブラシ等の塗布手段を回転軸等の外周面に当接し、この状態で前記塗布手段を回転軸等の長さ方向、あるいは、周方向に沿って摺動させることにより、前記回転軸等の外周面に形成したねじ部等の凹凸部に潤滑剤を塗布するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】実願昭61−18501号(実開昭62−129925号)のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然るに、前記のようにハケ等の塗布手段を使用して回転軸等の外周面に形成したねじ部等の凹凸部にグリス等の潤滑剤を塗布する場合、前記塗布手段に潤滑剤を含浸させる→ねじ部等の凹凸部に潤滑剤を塗布するという作業を繰り返し行わなければならないため非常に煩わしいばかりでなく、潤滑剤の塗布量にバラツキが生じて前記ねじ部等の凹凸部に潤滑剤を均一に塗布すことが困難であるという問題があった。また、潤滑剤の塗布作業時に、ねじ部等の凹凸部と繰り返し摺接すること等により塗布手段から抜脱する等した毛や、空気中の塵埃等の異物が潤滑剤に混入するおそれがあるため、製品の品質に悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0005】
本発明は、前記種々の問題点に鑑み、回転軸等の外周面に形成したねじ部等の凹凸部に潤滑剤を迅速・容易に、かつ、異物が混入するのを防いだ状態で均一に塗布することが可能な潤滑剤の塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、被塗布部材を挿入可能な長さ寸法及び径寸法で形成した横長な中空円筒状の塗布筒と、前記被塗布部材よりも大きな径寸法の挿通孔を有し、前記塗布筒の一方端側に着脱可能に取付けられる口蓋と、前記被塗布部材とほぼ同一径寸法の貫通孔を有し、前記塗布筒の一方端側の開口端部と前記口蓋との間に挟持・配設される弾力性及び柔軟性に優れた薄膜状部材と、前記塗布筒の他方端側に着脱可能に取付けられ、該塗布筒の他方端側の開口部を開閉可能に閉鎖する底蓋と、前記塗布筒の一方端側と近接する位置にその吐出口を塗布筒内に臨ませた状態で固定され、前記塗布筒内に挿入した被塗布部材の外周面に向けて潤滑剤を吐出する塗布ノズルと、前記塗布ノズルへ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを備えて構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の潤滑剤の塗布装置において、前記薄膜状部材は、塗布筒の一方端側の開口端部と口蓋との間に、長さ方向に沿って複数配設されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の潤滑剤の塗布装置において、前記薄膜状部材には、その貫通孔側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリットが所定の切込み寸法で形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の潤滑剤の塗布装置において、前記塗布筒の両端側の外周には雄ねじ部を螺設するとともに、口蓋及び底蓋の内周側面にはそれぞれ雌ねじ部を螺設し、前記雄ねじ部と雌ねじ部とを螺合させることにより、前記口蓋及び底蓋を塗布筒の両端側に着脱可能に取付けるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、被塗布部材を口蓋の挿通孔及び薄膜状部材の貫通孔を通して塗布筒内に挿入し、この状態で、潤滑剤供給手段により潤滑剤を塗布筒に具備した塗布ノズルに供給するとともに、前記塗布ノズルの吐出口から被塗布部材の外周面に向けて潤滑剤を吐出させることにより、前記被塗布部材に対する潤滑剤の塗布作業は、ハケやブラシ等の塗布手段を使用することなく、迅速・容易に行うことができる。その上、外部から遮蔽された塗布筒内において、ハケやブラシ等の塗布手段を使用することなく被塗布部材に対する潤滑剤の塗布作業を行うことができるので、前記被塗布部材と塗布手段との摺接等によって前記塗布手段から抜脱する等した毛や、空気中の塵埃等の異物が潤滑剤に混入するのを確実に防ぐことが可能となる。しかも、塗布ノズルの吐出口から被塗布部材の外周面に向けて潤滑剤を吐出させながら、前記被塗布部材を塗布筒内から順次引き抜いていくと、前記被塗布部材に向けて吐出された潤滑剤のうち余剰の潤滑剤は、被塗布部材が塗布筒の一方端側の開口端面と口蓋との間に挟持・配設した薄膜状部材を通過する段階で、該薄膜状部材によって掻き取られ、かつ、均される結果、前記被塗布部材のねじ部に潤滑剤を過不足なく(ムラなく)均一に塗布することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、塗布筒の一方端側の開口端面と口蓋との間に薄膜状部材を複数配設するようにしたので、万一、前記複数の薄膜状部材のうちのいずれかが劣化・損傷しても、正常な(即ち、劣化・損傷していない)状態の薄膜状部材が1枚でも残っていれば、潤滑剤の塗布作業時に塗布筒内を外部から遮蔽して潤滑剤に塵埃等の異物が混入するのを防いだり、潤滑剤が塗布筒の外部へ漏出するのを防いだり、あるいは、被塗布部材に向けて吐出された潤滑剤のうち余剰の潤滑剤を掻き取って均したりすることができる、即ち、塗布装置は、全ての薄膜状部材が劣化・損傷するまでの間、前記薄膜状部材の交換等を特別に行うことなく潤滑剤の塗布作業に使用することができるので、メンテナンス作業等を頻繁に行う手間を省くことが可能となり、この結果、メンテナンスコストの上昇を良好に抑制することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、薄膜状部材には、貫通孔側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリットが所定の切込み寸法で形成されているので、前記貫通孔よりも径寸法の大きな被塗布部材に対して潤滑剤を塗布するような場合においても、前記薄膜状部材の内周側(貫通孔側)をスリットを利用して、被塗布部材の挿脱に対応して所定方向に屈曲・変形させることにより、前記被塗布部材を円滑に塗布筒内に挿入したり、該被塗布部材に向けて吐出された潤滑剤のうち余剰の潤滑剤を良好に掻き取って均しながら塗布筒内から引き抜いたりすることが可能となり、この結果、潤滑剤を塗布する被塗布部材の径寸法に合わせて塗布装置を複数設ける必要がなく、1種類の塗布装置により複数種類の被塗布部材に潤滑剤を塗布することができるという優れた利点を有する。しかも、薄膜状部材に複数のスリットを形成することにより、前記薄膜状部材自体が弾力性及び柔軟性に優れたゴム等の部材からなることとも相まって、貫通孔よりも径寸法の大きな被塗布部材を塗布筒内へ挿入する際に、前記薄膜状部材の内周側(貫通孔側)を良好に屈曲・変形させることが可能となる結果、薄膜状部材の一点に応力が集中する等して、該薄膜状部材が損傷するのを良好に防ぐことができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、塗布筒の両端側にそれぞれ取付けられる口蓋及び底蓋は、その内周側面に螺設した雌ねじ部を、前記塗布筒の両端側外周面に螺設した雄ねじ部と螺合することにより、塗布筒の両端側に着脱可能に取付けるようにしたので、前記口蓋及び底蓋は、別途締付ねじやこれを締付する締付治具等を使用することなく迅速・容易に塗布筒に取付けることが可能となる結果、部品点数の増加を良好に抑制することができるとともに、作業性の向上を図ることができる。しかも、前記口蓋及び底蓋は、塗布筒に対する取付け・取外しが迅速・容易に行えるため、前記塗布筒内に滞留している潤滑剤の除去等、メンテナンス作業を円滑・良好に行えるという利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図1ないし図17を参照しながら説明する。図1は本発明における潤滑剤の塗布装置Aを示す概略構成図である。図1において、1は塗布装置Aの主要部を成す塗布筒であり、前記塗布筒1は、図1,2で示すように、その内部に回転軸等の被塗布部材(例えば、電動アクチュエータ等において駆動ロッドを直線往復移動させるためのねじ軸等)10の外周面に形成した潤滑剤Gの塗布部位である例えば、ねじ部10aを挿入可能な長さ寸法及び内径寸法でもって横長な中空円筒状に形成されている。また、前記塗布筒1の長さ方向(図2の左右方向)における両端部外周面には、所定の幅寸法で雄ねじ部1a,1bが螺設されている。
【0015】
次に、図1に示す2は前記塗布筒1の一方端側(図1の左側)に着脱可能に取付けられる有底筒状の口蓋であり、前記口蓋2には、図3で示すように、その底面に被塗布部材10のねじ部10aが挿通する挿通孔2aが、前記ねじ部10aの径寸法よりも大きな寸法で穿設されている。また、図3で示すように、前記口蓋2の内周側面には雌ねじ部2bが螺設されており、この雌ねじ部2bを前記塗布筒1の一方端側の外周面に螺設した雄ねじ部1aに螺合することにより、前記口蓋2は図3(b)で示す如く塗布筒1の一方端側に着脱可能に取付けられる。
【0016】
なお、図3において、3は前記塗布筒1の一方端側の開口端面と口蓋2の底面との間に配設される薄膜状部材であり、前記薄膜状部材3は、例えば、弾力性及び柔軟性に優れた所定厚さ寸法(例えば、1〜2mm程度)のゴム等の部材によって、口蓋2の内径寸法とほぼ同一寸法で形成されている。前記薄膜状部材3には、図4,6で示すように、その中心に被塗布部材10のねじ部10aが貫通する貫通孔3aが、前記ねじ部10aの径寸法とほぼ同一寸法(即ち、口蓋2の挿通孔2aの径寸法よりも小さな寸法)で穿設されており、また、前記貫通孔3a側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリット3b(図4,6においては4ヶ所)が所定の切込み寸法で形成されている。そして、前記薄膜状部材3は、その両端面に図3,5で示す口蓋2の内径寸法とほぼ同一寸法で形成したリング状のスペーサ4を当接させた状態で前記口蓋2内に収容し、この後、前記口蓋2を塗布筒1の一方端側に螺合して取付けることにより、前記薄膜状部材3は、図3(b)で示すように、口蓋2の内側底面と塗布筒1の一方端側の開口端面との間において挟持・配設される。
【0017】
次に、図1に示す5は前記塗布筒1における他方端側(図1の右側)の開口部を開閉可能に閉鎖する有底筒状の底蓋であり、前記底蓋5は、図7で示すように、その内周底面と塗布筒1の他方端側の開口端面との間にOリング等のシール部材6を介在させた状態で、その内周側面に螺設した雌ねじ部5aを前記塗布筒1の他方端側の外周面に螺設した雄ねじ部1bに螺合することにより、前記塗布筒1の他方端側にその開口部をシール部材6により封止した状態で着脱可能に取付けられる。
【0018】
つづいて、図1に示す7は前記塗布筒1の一方端側(図1の左側)と近接する位置に具備した潤滑剤Gの塗布ノズルであり、前記塗布ノズル7は、図3,6で示すように、その吐出口7aを塗布筒1内に臨ませるとともに、例えば、塗布筒1の周方向に180°の角度間隔を設けて前記吐出口7a同士を相対向させた状態で、前記塗布筒1外周の左右位置に水平に固定されている。
【0019】
図1に示す8は塗布筒1へ潤滑剤Gを供給するための潤滑剤供給手段であり、前記潤滑剤供給手段8は、例えば、図1で示すように、塗布筒1に具備した塗布ノズル7に供給管8aを介して接続した潤滑剤タンク8bと、前記潤滑剤タンク8bと図示しない空気源とを接続する給気管8cの中途に配設した開閉弁8dと、前記開閉弁8dを必要時に開閉操作する操作手段8eとによって概略構成されている。なお、図1に示す潤滑剤供給手段8の構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0020】
次に、本発明装置の動作について、図1及び図8ないし図11を参照しながら説明する。被塗布部材10の外周面に形成したねじ部10aに潤滑剤Gを塗布する場合は、まず、図8で示すように、潤滑剤Gの塗布部位である被塗布部材10のねじ部10aを、口蓋2に穿設した挿通孔2a及び薄膜状部材3に穿設した貫通孔3aを通して塗布筒1内へ挿入する。つづいて、前記のように被塗布部材10のねじ部10aを塗布筒1内に挿入したら、図1に示す潤滑剤供給手段8の操作手段8eを操作して開閉弁8dを開放し、図示しない空気源からの圧縮空気を給気管8cを介して潤滑剤タンク8bへ給送することにより、前記潤滑剤タンク8b内の潤滑剤Gを順次供給管8aを介して塗布筒1の塗布ノズル7へ供給するとともに、前記塗布ノズル7の吐出口7aから図8で示す如く潤滑剤Gを被塗布部材10のねじ部10a外周面に向けて吐出させる。この際、前記被塗布部材10のねじ部10aが貫通している薄膜状部材3の貫通孔3aは、該ねじ部10aの径寸法とほぼ同一寸法で穿設されている関係上、前記ねじ部10aと薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)とはほぼ密接して、その間には隙間がほとんど形成されないので、前記のように塗布ノズル7の吐出口7aから潤滑剤Gを吐出させても、前記潤滑剤Gが塗布筒1の外部へ漏出するようなことは全くないし、また、潤滑剤Gの塗布作業時に空気中の塵埃等が塗布筒1内に侵入して、前記ねじ部10aに向けて吐出される潤滑剤Gに混入するようなことも全くない。
【0021】
この後、前記のように被塗布部材10のねじ部10a外周面に向けて潤滑剤Gを吐出させながら、前記被塗布部材10のねじ部10aを塗布筒1内から順次引き抜いていくと、前記ねじ部10a外周面に吐出された潤滑剤Gは、該ねじ部10aが薄膜状部材3の貫通孔3aを通り抜ける際に、図9で示す如く余剰の潤滑剤Gが前記薄膜状部材3によって掻き取られ、かつ、均される結果、前記潤滑剤Gは被塗布部材10のねじ部10a外周面に過不足なく(ムラなく)均一に塗布されることとなる。即ち、前記被塗布部材10のねじ部10aが貫通している薄膜状部材3の貫通孔3aは、該ねじ部10aの径寸法とほぼ同一寸法で穿設されているので、前記のように被塗布部材10のねじ部10aを塗布筒1内から引き抜く(即ち、薄膜状部材3から引き抜く)ことにより、該ねじ部10aからはみ出している余剰の潤滑剤Gは、前記薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)において良好に掻き取られ、かつ、均される結果、図9で示すように、塗布筒1内から引き抜かれた被塗布部材10のねじ部10aにおける潤滑剤Gの塗布量を均一化することができる。
【0022】
そして、前記被塗布部材10のねじ部10aを塗布筒1内から引き抜いた時点で、図1に示す潤滑剤供給手段8の操作手段8eを操作することにより開閉弁8dを閉鎖して、図示しない空気源から潤滑剤タンク8bへの圧縮空気の給送を停止するとともに、前記潤滑剤タンク8bから塗布筒1への潤滑剤Gの供給を停止して、前記被塗布部材10のねじ部10aへの潤滑剤Gの塗布作業を終了する。なお、前記潤滑剤タンク8bから塗布筒1への潤滑剤Gの供給は、被塗布部材10のねじ部10aの大部分を塗布筒1内から引き抜いた時点で停止するようにしてもよく、このようにすれば、被塗布部材10のねじ部10aに向けて潤滑剤Gが無駄に吐出されるのを良好に防ぐことができる。
【0023】
なお、前記薄膜状部材5により被塗布部材10のねじ部10a外周面から掻き取られて塗布筒1内に滞留する潤滑剤Gは、例えば、前記塗布筒1の両端部に取付けた口蓋2及び底蓋5を取外し、この状態で、前記塗布筒1内にその内径寸法とほぼ同一な外径寸法を有する円柱状の押出し部材(図示せず)を挿入することにより、前記塗布筒1内から外部へ押出し排出するようにすればよい。また、前記塗布筒1の他方端側に取付けた底蓋5のみを取外した状態で、前記他方端側の開口部から塗布筒1内へ掻出し部材(図示せず)を挿入し、潤滑剤Gを前記塗布筒1内から外部へ掻出し排出するようにしてもよい。
【0024】
つづいて、前記被塗布部材10よりも径寸法の大きな被塗布部材20(図10参照)の外周面に形成したねじ部20aに潤滑剤Gを塗布する場合について説明する。この場合、薄膜状部材3の貫通孔3aは、図8で示す被塗布部材10のねじ部10aの径寸法とほぼ同一寸法で穿設されているものの、前記薄膜状部材3には、貫通孔3a側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリット3bが所定の切込み寸法で形成されているので、前記薄膜状部材3の貫通孔3aよりも径寸法の大きな被塗布部材20のねじ部20aに潤滑剤Gを塗布するに当り、前記被塗布部材20のねじ部20aを口蓋2の挿通孔2a及び薄膜状部材3の貫通孔3aを通して塗布筒1内に挿入すると、前記薄膜状部材3は、図10で示すように、被塗布部材20のねじ部20aとの摺接によりその内周側(貫通孔3a側)がスリット3bを利用して塗布筒1の内側方向(図10の右方向)に屈曲・変形した状態となる結果、前記被塗布部材20のねじ部20aを容易に塗布筒1内へ挿入することができる。これは、薄膜状部材3自体が弾力性及び柔軟性に優れた部材からなり、しかも、前記薄膜状部材3に、その一点に応力が集中しないように貫通孔3a側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリット3bが所定の切込み寸法で形成されているからに他ならない。
【0025】
また、塗布筒1内に挿入した被塗布部材20のねじ部20aに潤滑剤Gを塗布するに際し、前記塗布筒1に具備した塗布ノズル7の吐出口7aから潤滑剤Gを前記ねじ部20aに向けて吐出させた場合、前記ねじ部20aが貫通する薄膜状部材3は、その内周側(貫通孔3a側)が前記ねじ部20a外周面に屈曲・変形した状態で密接し、前記ねじ部20aとの間に隙間が形成されることはないため、前記塗布ノズル7の吐出口7aから吐出された潤滑剤Gが塗布筒1内から外部へ漏出するようなことは全くないし、また、潤滑剤Gの塗布作業時に空気中の塵埃等が塗布筒1内に侵入して、前記ねじ部10aに向けて吐出される潤滑剤Gに混入するようなことも全くない。
【0026】
一方、前記のように被塗布部材20のねじ部20aに向けて潤滑剤Gを吐出させながら、該被塗布部材20のねじ部20aを塗布筒1内から順次引き抜いていくと、前記被塗布部材20のねじ部20aが貫通している薄膜状部材3は、図11で示すように、前記ねじ部20aとの摺接によりその内周側(貫通孔3a側)がスリット3bを利用して塗布筒1の外側方向(図11の左方向)に屈曲・変形する。前記薄膜状部材3は、前記のようにその内周側(貫通孔3a側)が屈曲・変形した状態で被塗布部材20のねじ部20a外周面と密接しているので、前記ねじ部20aに向けて吐出された潤滑剤Gのうち、余剰の潤滑剤(ねじ部20aからはみ出している潤滑剤)Gは、前記ねじ部20aが薄膜状部材3を通過する際に、該薄膜状部材3によって掻き取られ、かつ、均される結果、前記ねじ部20aには潤滑剤Gが過不足なく(ムラなく)均一に塗布される。
【0027】
このように、本発明においては、潤滑剤Gを塗布する被塗布部材10,20のねじ部10a,20aを口蓋2の挿通孔2a及び薄膜状部材3の貫通孔3aを通して塗布筒1内に挿入し、この状態で、潤滑剤供給手段8の潤滑剤タンク8bから供給管8aを介して塗布筒1に具備した塗布ノズル7へ潤滑剤Gを供給するとともに、前記塗布ノズル7の吐出口7aから前記被塗布部材10,20のねじ部10a,20aに向けて潤滑剤Gを吐出させることにより、前記ねじ部10a,20aに潤滑剤Gを塗布するようにしたので、前記ねじ部10a,20aへの潤滑剤Gの塗布作業は、ハケやブラシ等の塗布手段を使用することなく、迅速・容易に行うことができる。しかも、前記ねじ部10a,20aへの潤滑剤Gの塗布作業は、外部から遮蔽された塗布筒1内において、ハケやブラシ等の塗布手段を使用することなく行うことができるので、被塗布部材10,20のねじ部10a,20aと塗布手段とが繰り返し摺接すること等によって前記塗布手段から抜脱する等した毛や、空気中の塵埃等の異物が潤滑剤Gに混入するのを確実に防ぐことができる。
【0028】
また、塗布筒1の一方端側の開口端面と口蓋2との間には、被塗布部材10のねじ部10aの径寸法とほぼ同一寸法で貫通孔3aを穿設した薄膜状部材3を配設するようにしたので、前記被塗布部材10のねじ部10aを薄膜状部材3に貫通させた状態で塗布筒1内に挿入し、この状態で、塗布ノズル7の吐出口7aから前記被塗布部材10のねじ部10aに向けて潤滑剤Gを吐出させるようにしても、前記薄膜状部材3によって潤滑剤Gが塗布筒1内から外部に漏出するのを良好に防ぐことができる。その上、前記のように塗布ノズル7の吐出口7aから被塗布部材10のねじ部10aに向けて潤滑剤Gを吐出させながら、前記被塗布部材10のねじ部を塗布筒1内から順次引き抜いていくと、前記ねじ部10aに向けて吐出された潤滑剤Gのうち、余剰の潤滑剤(ねじ部10aからはみ出している潤滑剤)Gは、前記ねじ部10aが薄膜状部材3を通過する段階で、該薄膜状部材3によって掻き取られ、かつ、均される結果、前記被塗布部材10のねじ部10aに潤滑剤Gを過不足なく(ムラなく)均一に塗布することができる。
【0029】
更に、前記薄膜状部材3には、貫通孔3a側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリット3bが所定の切込み寸法で形成されているので、前記貫通孔3aよりも径寸法の大きな被塗布部材20のねじ部20aに対して潤滑剤Gを塗布するような場合においても、前記薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)をスリット3bを利用して、被塗布部材20のねじ部20aの挿脱に対応して所定方向に屈曲・変形させることにより、前記被塗布部材20のねじ部20aを円滑に塗布筒1内に挿入したり、前記ねじ部20aに向けて吐出された潤滑剤Gのうち余剰の潤滑剤Gを良好に掻き取って均しながら塗布筒1内から引き抜いたりすることが可能となり、この結果、潤滑剤Gを塗布する被塗布部材10,20のねじ部10a,20aの径寸法に合わせて塗布装置Aを複数設ける必要がなく、1種類の塗布装置Aにより複数種類の被塗布部材10,20のねじ部10a,20aに潤滑剤Gを塗布することができるという優れた利点を有する。しかも、薄膜状部材3に複数のスリット3bを形成することにより、前記薄膜状部材3自体が弾力性及び柔軟性に優れたゴム等の部材からなることとも相まって、貫通孔3aよりも径寸法の大きな被塗布部材20のねじ部20aを塗布筒1内へ挿入する際に、前記薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)を良好に屈曲・変形させることが可能となる結果、薄膜状部材3の一点に応力が集中する等して、該薄膜状部材3が損傷するのを良好に防ぐことができる。
【0030】
また、塗布筒1の両端側に取付けられる口蓋2及び底蓋5は、その内周側面に螺設した雌ねじ部2b,5aを、前記塗布筒1の両端側外周面に螺設した雄ねじ部1a,1bと螺合することにより、塗布筒1の両端側に着脱可能に取付けるようにしたので、前記口蓋2及び底蓋5は、別途締付ねじやこれを締付する締付治具等を使用することなく迅速・容易に塗布筒1に取付けることが可能となる結果、部品点数の増加を良好に抑制することができるとともに、作業性の向上を図ることができる。しかも、前記口蓋2及び底蓋5は、塗布筒1に対する取付け・取外しが迅速・容易に行えるため、前記塗布筒1内に滞留している潤滑剤Gの除去等、メンテナンス作業を円滑・良好に行えるという利点もある。
【0031】
次に、本発明の第2実施例について、図12ないし図16を参照しながら説明する。なお、第2実施例と第1実施例との相違点は、塗布筒1の一方端側の開口端面と口蓋2との間に、複数枚(図12においては3枚)の薄膜状部材3を配設するようにした点にあり、それ以外の構成(前記塗布筒1,口蓋2,薄膜状部材3等の構成)については第1実施例と同様であるため、その詳細な説明は省略する。また、第2実施例において、第1実施例と同一部材は同一符号を用いて説明する。
【0032】
第2実施例において、前記複数枚の薄膜状部材3を、塗布筒1の一方端側の開口端面と口蓋2との間に配設する場合は、図12で示すように、前記複数枚の薄膜状部材3のそれぞれの両端面にリング状のスペーサ4を当接させた状態、即ち、前記薄膜状部材3とスペーサ4とを長さ方向(図12の左右方向)に交互に複数枚重ね合わせた状態(図12においては4枚のスペーサ4と3枚の薄膜状部材3とを交互に重ね合わせる)で口蓋2内に収容し、この後、前記口蓋2を塗布筒1の一方端側に螺合して取付けることにより、前記複数枚の薄膜状部材3は、図12(b)で示す如く口蓋2底面と塗布筒1の一方端側の開口端面との間に、スペーサ4の存在により長さ方向に所定の間隔を設けた状態で挟持・配設される。
【0033】
つづいて、第2実施例において、被塗布部材10のねじ部10aに潤滑剤Gを塗布する場合は、図13で示すように、前記被塗布部材10のねじ部10aを口蓋2の挿通孔2a及び複数枚の薄膜状部材3の各貫通孔3aを通して塗布筒1内に挿入し、この状態で、図1に示す潤滑剤供給手段8の操作手段8eを操作して開閉弁8dを開放し、図示しない空気源からの圧縮空気を給気管8cを介して潤滑剤タンク8bへ給送することにより、前記潤滑剤タンク8b内の潤滑剤Gを順次供給管8aを介して前記塗布筒1に具備した塗布ノズル7へ供給するとともに、前記塗布ノズル7の吐出口7aからねじ部10aの外周面に向けて潤滑剤Gを吐出させる。この際、前記被塗布部材10のねじ部10aが貫通している各薄膜状部材3の貫通孔3aは、前記ねじ部10aの径寸法とほぼ同一寸法で穿設されている関係上、前記ねじ部10aと各薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)とはほぼ密接した状態となり、その間には隙間がほとんど形成されないため、前記のように塗布ノズル7から被塗布部材10のねじ部10a外周面に向けて吐出される潤滑剤Gが塗布筒1内から外部へ漏出したり、潤滑剤Gの塗布作業時に、空気中の塵埃等が塗布筒1内に侵入して被塗布部材20のねじ部20aに向けて吐出される潤滑剤Gに混入したりするのを良好に防ぐことができる。
【0034】
また、前記のように塗布ノズル7から潤滑剤Gを被塗布部材10のねじ部10a外周面に向けて吐出させながら、前記被塗布部材10のねじ部10aを塗布筒1内から順次引き抜いていくと、前記ねじ部10a外周面に吐出された潤滑剤Gのうち、余剰の潤滑剤(ねじ部10aからはみ出している潤滑剤)Gは、図14で示すように被塗布部材10のねじ部10aが、該ねじ部10aの径寸法とほぼ同一寸法で穿設した各薄膜状部材3の貫通孔3aを通り抜ける際に、前記各薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)において良好に掻き取られ、かつ、均される結果、前記被塗布部材10のねじ軸10aには潤滑剤Gが過不足なく(ムラなく)均一に塗布される。
【0035】
次に、第2実施例において、各薄膜状部材3に穿設した貫通孔3aよりも径寸法の大きな被塗布部材20のねじ部20aに潤滑剤Gを塗布する場合、前記各薄膜状部材3には、その貫通孔3a側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリット3bが所定の切込み寸法で形成されているので、図15で示すように、前記被塗布部材20のねじ部20aを、口蓋2の挿通孔2a及び複数枚の薄膜状部材3の各貫通孔3aを通して塗布筒1内に挿入すると、前記各薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)は、被塗布部材20のねじ部20aとの摺接により、図15で示す如く前記スリット3bを利用して塗布筒1の内側方向(図15の右方向)へ屈曲・変形した状態となる結果、前記被塗布部材20のねじ部20aは塗布筒1内へ容易に挿入することができる。しかも、前記各薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)は、被塗布部材20のねじ部20a外周面に屈曲・変形した状態で密接しているので、前記ねじ部20aを塗布筒1内に挿入した後、前記塗布筒1に具備した塗布ノズル7からねじ部20a外周面に向けて潤滑剤Gを吐出させても、前記潤滑剤Gが塗布筒1内から外部へ漏出するようなことは全くないし、また、潤滑剤Gの塗布作業時に空気中の塵埃等が塗布筒1内に侵入して、被塗布部材20のねじ部20aに向けて吐出される潤滑剤Gに混入するようなことも全くない。
【0036】
また、前記のように被塗布部材20のねじ部20a外周面に向けて潤滑剤Gを吐出させながら、前記被塗布部材20のねじ部20aを塗布筒1内から順次引き抜いていくと、前記ねじ部20aが貫通している各薄膜状部材3は、その内周側(貫通孔3a側)が前記被塗布部材20のねじ部20aとの摺接により、図16で示す如くスリット3bを利用して塗布筒1の外側方向(図16の左方向)へ屈曲・変形した状態となるので、前記ねじ部20a外周面に向けて吐出された潤滑剤Gのうち、余剰の潤滑剤G(ねじ部20aからはみ出している潤滑剤G)は、前記被塗布部材20のねじ部20aが、該ねじ部20aの外周面と屈曲・変形した状態で密接している各薄膜状部材3を通過する際に、前記各薄膜状部材3の内周側(貫通孔3a側)において良好に掻き取られ、かつ、均される結果、被塗布部材20のねじ部20aには潤滑剤Gが過不足なく(ムラなく)均一に塗布される。
【0037】
このように、本発明の第2実施例においては、第1実施例と同様の効果(段落番号[0027]〜[0030]参照)が得られるのは勿論のこと、塗布筒1の一方端側の開口端部と口蓋2との間に複数枚の薄膜状部材3を配設することにより、万一、複数枚の薄膜状部材3のうちのいずれかが劣化・損傷しても、正常な(即ち、劣化・損傷していない)状態の薄膜状部材3が1枚でも残っていれば、潤滑剤Gの塗布作業時に塗布筒1内を外部から遮蔽して潤滑剤Gに塵埃等の異物が混入するのを防いだり、潤滑剤Gが塗布筒1内から外部へ漏出するのを防いだり、あるいは、被塗布部材10,20のねじ部10a,20aに向けて吐出された潤滑剤Gのうち余剰の潤滑剤Gを掻き取って均したりすることができる、即ち、塗布装置Aは、全ての薄膜状部材3が劣化・損傷するまでの間、前記薄膜状部材3の交換等を特別に行うことなく潤滑剤Gの塗布作業に使用することができるので、メンテナンス作業等を頻繁に行う手間を省くことが可能となり、この結果、メンテナンスコストの上昇を良好に抑制することができるという効果も有する。
【0038】
なお、本発明においては、被塗布部材10,20の外周面に形成したねじ部10a,20aに潤滑剤Gを塗布する場合を一例として説明したが、これに限定することなく、被塗布部材の外周面に形成した溝部等の凹凸部に潤滑剤を塗布する場合にも適用可能であることはいうまでもない。
【0039】
また、本発明においては、薄膜状部材3に、その貫通孔3a側から外周側に向けてスリット3bを4ヶ所形成した場合を一例として説明したが、これに限定することなく、薄膜状部材3にスリット3bを4ヶ所以上形成するようにしてもよい。更に、前記スリット3bの切込み寸法も必要に応じて(例えば、潤滑剤を塗布しようとする被塗布部材の最大径寸法等に応じて)変更するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0040】
更に、本発明において、塗布ノズル7は、図6で示すように、塗布筒1外周の左右位置にその吐出口7a同士を相対向させた状態(即ち、180°の角度間隔を設けた状態)で水平に固定した場合を一例として説明したが、これに限定することなく、図17(a),(b)で示すように、例えば、塗布筒1の一方端側における外周の所定位置に吐出口7a側をやや下向きとした状態で固定するようにしてもよい。また、前記塗布ノズル7は、塗布筒1の外周面の2ヶ所以上に具備させるようにしてもよい。
【0041】
また、被塗布部材10,20のねじ部10a,20aを塗布筒1内から引き抜く場合、前記被塗布部材10,20を周方向(時計方向または反時計方向)へ回動させながら引き抜くようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明における潤滑剤の塗布装置を示す概略構成図である。
【図2】塗布装置の主要部を構成する塗布筒を示す横断平面図である。
【図3】(a)は塗布筒の一方端側に口蓋を取付ける前の状態を示す横断平面図、(b)は塗布筒の一方端側に口蓋を取付けた状態を示す横断平面図である。
【図4】薄膜状部材を示す斜視図である。
【図5】スペーサを示す斜視図である。
【図6】塗布筒の一方端側を示す正面図である。
【図7】(a)は塗布筒の他方端側に底蓋を取付ける前の状態を示す横断平面図、(b)は塗布筒の他方端側に底蓋を取付けた状態を示す横断平面図である。
【図8】塗布筒内に被塗布部材を挿入した状態を示す横断平面図である。
【図9】被塗布部材を塗布筒内から引き抜く動作を示す拡大断面図である。
【図10】径寸法の大きな被塗布部材を塗布筒内に挿入する動作を示す拡大断面図である。
【図11】径寸法の大きな被塗布部材を塗布筒内から引き抜く動作を示す拡大断面図である。
【図12】本発明の第2実施例を示す図であり、(a)は塗布筒の一方端側に口蓋を取付ける前の状態を示す横断平面図、(b)は塗布筒の一方端側に口蓋を取付けた状態を示す横断平面図である。
【図13】第2実施例において塗布筒内に被塗布部材を挿入した状態を示す横断平面図である。
【図14】第2実施例において被塗布部材を塗布筒内から引き抜く動作を示す拡大断面図である。
【図15】第2実施例において径寸法の大きな被塗布部材を塗布筒内に挿入する動作を示す拡大断面図である。
【図16】第2実施例において径寸法の大きな被塗布部材を塗布筒内から引き抜く動作を示す拡大断面図である。
【図17】(a)は塗布ノズルの塗布筒に対する他の取付例を示す縦断正面図、(b)は塗布ノズルの塗布筒に対する更に他の取付例を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 塗布筒
1a,1b 雄ねじ部
2 口蓋
2a 挿通孔
2b 雌ねじ部
3 薄膜状部材
3a 貫通孔
3b スリット
5 底蓋
5a 雌ねじ部
7 塗布ノズル
7a 吐出口
10,20 被塗布部材
10a,20a ねじ部
A 塗布装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗布部材を挿入可能な長さ寸法及び径寸法で形成した横長な中空円筒状の塗布筒と、前記被塗布部材よりも大きな径寸法の挿通孔を有し、前記塗布筒の一方端側に着脱可能に取付けられる口蓋と、前記被塗布部材とほぼ同一径寸法の貫通孔を有し、前記塗布筒の一方端側の開口端部と前記口蓋との間に挟持・配設される弾力性及び柔軟性に優れた薄膜状部材と、前記塗布筒の他方端側に着脱可能に取付けられ、該塗布筒の他方端側の開口部を開閉可能に閉鎖する底蓋と、前記塗布筒の一方端側と近接する位置にその吐出口を塗布筒内に臨ませた状態で固定され、前記塗布筒内に挿入した被塗布部材の外周面に向けて潤滑剤を吐出する塗布ノズルと、前記塗布ノズルへ潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを備えて構成したことを特徴とする潤滑剤の塗布装置。
【請求項2】
前記薄膜状部材は、塗布筒の一方端側の開口端部と口蓋との間に、長さ方向に沿って複数配設されていることを特徴とする請求項1記載の潤滑剤の塗布装置。
【請求項3】
前記薄膜状部材には、その貫通孔側から外周側に向けて所定の角度間隔で放射状に複数のスリットが所定の切込み寸法で形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の潤滑剤の塗布装置。
【請求項4】
前記塗布筒の両端側の外周には雄ねじ部を螺設するとともに、口蓋及び底蓋の内周側面にはそれぞれ雌ねじ部を螺設し、前記雄ねじ部と雌ねじ部とを螺合させることにより、前記口蓋及び底蓋を塗布筒の両端側に着脱可能に取付けるように構成したことを特徴とする請求項1記載の潤滑剤の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−29883(P2007−29883A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218463(P2005−218463)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000116666)愛知電機株式会社 (93)
【Fターム(参考)】