説明

炎症および免疫関連用途のためのピリジルフェニル化合物

本発明は、構造式(I)の化合物:
【化1】
あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグに関する。Y、L、X、X、Z、R、R、およびnは本願明細書に定義される。これらの組成物は、免疫抑制剤として、ならびに炎症症状、アレルギー性疾患および免疫疾患の治療または予防に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の表示)
本願は、2006年1月31日出願の米国特許仮出願第60/763,782号に対する優先権を主張し、その全開示内容は参照により本願明細書に援用される。
【0002】
本発明は、免疫抑制、あるいは、炎症症状および免疫疾患の治療または予防に使用できる生理活性化合物、すなわちピリジルフェニル化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
炎症とは、病原体の侵入から哺乳類を防御する機構である。しかし、一過性の炎症は哺乳類を感染から防御するのに必要であるものの、制御されない炎症は組織の損傷を引き起こし、多くの疾患の根本原因となる。炎症とは、一般に、抗原がT細胞抗原受容体に結合することにより誘導される。T細胞と抗原との結合により、例えばCa2+放出活性化型Ca2+チャネル(CRAC)など、カルシウムイオンチャネルを介した細胞へのカルシウム流入が誘導される。カルシウムイオン流入が、次にシグナル伝達カスケードを活性化し、これらの細胞の活性化とサイトカイン産生を特徴とする炎症反応とを引き起こす。
【0004】
インターロイキン2(IL−2)は、細胞へのカルシウムイオン流入に応答して、T細胞から分泌されるサイトカインである。IL−2は、免疫系の多くの細胞の免疫反応を調節する。例えば、IL−2は、T細胞増殖に必要な強力なT細胞分裂促進因子であり、細胞周期のG1期からS期への移行を促進し、NK細胞の成長を刺激する。また、B細胞に対する成長因子としても作用し、抗体産生を刺激する。IL−2は、免疫応答において有用であるものの、様々な問題を引き起こしうる。IL−2は血液脳関門および脳血管内皮に損傷を与える。これらの作用は、IL−2療法の実施中に観察される神経精神病的な副作用(例えば疲労感、見当識障害および抑うつ)の原因となる可能性がある。また、IL−2は、神経細胞の電気生理学的反応を変化させる。
【0005】
IL−2は、T細胞とB細胞の両者に作用するため、免疫反応における中心的な調節因子である。抗炎症反応、腫瘍監視および造血において役割を果たしているまた、IL−1を含む他のサイトカインの産生、TNF−αおよびTNF−βの分泌に影響を与えるほか、末梢血白血球においてNF−γの合成も刺激する。
【0006】
IL−2を産生できないT細胞は不活性(アネルギー性)細胞となる。これにより、将来受けうる何らかの抗原性刺激に対し不活性になる可能性がある。このため、IL−2産生を阻害する薬剤は、免疫抑制または炎症および免疫疾患の治療または予防に使用することができる。この方法は、シクロスポリン、FK506およびRS61443などの免疫抑制剤を用いて臨床的に有用であると立証されている。しかし、この概念が立証されているにもかかわらず、IL−2産生を阻害する薬剤は依然として理想とはかけ離れている。多くの課題のうち、特に有効性が限られることや、望ましくない副作用(用量依存性腎毒および高血圧など)により、これらを使用することができない。
【0007】
IL−2以外の炎症誘発性サイトカインの過剰産生も、多くの自己免疫性疾患において観察されている。例えば、インターロイキン5(IL−5)(好酸球の産生を増加させるサイトカイン)は喘息において増加する。IL−5の過剰産生は、喘息患者の気管支の粘膜での好酸球の蓄積(アレルギー性炎症にて顕著な特徴)を伴う。したがって、好酸球の蓄積を伴う喘息および他の炎症性障害の患者は、IL−5の産生を阻害する新薬の開発により恩恵を受けると考えられる。
【0008】
インターロイキン4(IL−4)およびインターロイキン13(IL−13)は、炎症性腸疾患および喘息において見られる平滑筋の過収縮のメディエイターであると確認されている。したがって、喘息および炎症性腸疾患の患者は、IL−4およびIL−13産生を阻害する新薬の開発により恩恵を受けると考えられる。
【0009】
顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)は、顆粒球およびマクロファージ系細胞の熟成化の調節因子であり、炎症および自己免疫疾患において鍵となる因子として知られている。抗GM−CSF抗体によるブロックにより、自己免疫性疾患が改善することが示されている。したがって、GM−CSFの産生を阻害する新薬の開発は、炎症性疾患または自己免疫性疾患の患者にとって有益であると考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、免疫抑制、あるいは炎症性疾患、アレルギー性疾患および自己免疫疾患の治療または予防に一般に用いられる薬剤の一つ以上の課題を克服する新薬が現在も求められている。新薬の望ましい特徴としては、現在治療不可能であるか、もしくはほとんど治療できない疾患または障害に対して有効であること、新しい作用機序であること、経口摂取可能であること、ならびに/または副作用が少ないことが挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、CRACイオンチャネルの活動を阻害し、IL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、TNF−αおよびIFNγの産生を阻害する特定のピリジルフェニル誘導体を提供することで、上記のニーズを満たす。これらの化合物は特に免疫抑制、および/または炎症症状および免疫疾患の治療または予防に有用である。
【0012】
本発明は、式(I)の化合物、
【化10】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグに関する。
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
>Rが、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である。
【0013】
本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、免疫細胞(例えばT細胞および/またはB細胞)の活性(例えば抗原に応答した活性)の抑制に特に有用である。より詳細には、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、免疫細胞活性化を調整する特定のサイトカインの産生を抑制できる。例えば、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、IL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、IFN−α、TNF−γおよびこれらの組み合わせの産生を阻害できる。更に、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、免疫細胞の活性化に関係する一つ以上のイオンチャネル(例えばCRACイオンチャネル)の活性を調節できる。
【0014】
本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、免疫抑制、または、炎症症状、アレルギー性疾患および免疫疾患の治療または予防に特に有用である。
【0015】
また、本発明は、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグ、ならびに薬学的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物に関する。これらの組成物には、更に他の薬剤が含まれてもよい。これらの組成物は、免疫抑制、あるいは、炎症症状、アレルギー性疾患および免疫疾患の治療または予防に有用である。
【0016】
本発明は更に、炎症症状、アレルギー性疾患および免疫疾患の治療または予防方法であり、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの有効量、または、本発明の化合物または薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物もしくはそのプロドラッグを含む医薬組成物を、必要とする対象に投与することを含む方法に関する。また、これらの方法には、更に他の薬剤を、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグとは別に、またはこれらと組み合せた組成物として、対象に投与することも含まれる。
【0017】
本発明は更に、対象の免疫系の抑制方法であり、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの有効量、もしくは、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを含む医薬組成物を、必要とする対象に投与することを含む方法に関する。また、これらの方法には、更に他の薬剤を、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグとは別に、またはこれらと組み合せた組成物として、対象に投与することも含まれる。
【0018】
本発明には更に、in vivoまたはin vitroでのT細胞および/またはB細胞の増殖抑制を含む、免疫細胞の活性阻害方法であり、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの有効量、もしくは、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを含む医薬組成物を、細胞に投与する方法が含まれる。
【0019】
本発明には更に、細胞におけるサイトカイン産生(例えばIL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、TNF−αおよび/またはINF−γ産生)の阻害方法であり、in vivoまたはin vitroにおいて、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの有効量、もしくは、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを含む医薬組成物を、前記細胞に投与する方法が含まれる。
【0020】
本発明は更に、in vivoまたはin vitroにおけるイオンチャネルの活性(例えばCRAC)の調節方法であり、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの有効量、もしくは、本発明の化合物あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを含む医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
【0021】
全ての本発明の方法において、本発明の化合物は、単独で使用してもよく、または他の薬剤(例えば他の免疫抑制剤、抗炎症剤、アレルギー性疾患の治療薬、または免疫疾患の治療薬)と組み合わせて使用してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[定義]
特にことわりのない限り、本願明細書における用語は以下のとおり定義される。
【0023】
本願明細書において、「芳香環」または「アリール」との用語は、炭素および水素原子を含む単環または多環の芳香環または環状基を指す。適切なアリール基の例としては、−フェニル、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、ナフチル基、ならびに、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基のようなベンゼン環の融合した炭素環部分が挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、無置換または一つ以上の置換基(限定されないが、アルキル(好ましくは低級アルキル、一つ以上のハロ基で置換されたアルキル)、ヒドロキシ、アルコキシ(好ましくは低級アルコキシ)、アルキルチオ、シアノ、ハロ、アミノおよびニトロ基が含まれる)によって置換されてもよい。一実施形態において、上記アリール基は単環であり、その環には6つの炭素原子が含まれる。
【0024】
本願明細書において、「アルキル」との用語は、典型的には1から10個の炭素原子を有する飽和した直鎖状または分枝状の非環状炭化水素を指す。代表的な飽和直鎖アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシル基が挙げられ、飽和分枝アルキルとしては、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルヘキシル、4,4−ジメチルヘキシル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−メチル−2−エチルペンチル、2−メチル−3−エチルペンチル、2−メチル−4−エチルペンチル、2−メチル−2−エチルヘキシル、2−メチル−3−エチルヘキシル、2−メチル−4−エチルヘキシル、2,2−ジエチルペンチル、3,3−ジエチルヘキシル、2,2−ジエチルヘキシル、3,3−ジエチルヘキシル基などが挙げられる。本発明の化合物に含まれるアルキル基は、一つ以上の置換基、例えばアミノ、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、オキソ、ハロ、アシル、ニトロ、ヒドロキシル、シアノ、アリール、アルキルアリール、アリールオキシ、アリールチオ、アリールアミノ、カルボシクリル、カルボシクリルオキシ、カルボシクリルチオ、カルボシクリルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルチオ基などによって任意に置換されてもよい。更に、上記アルキル部分の任意の炭素原子が酸素(=O)、硫黄(=S)または窒素(=NR23(R23が−H、アルキル、アセチルまたはアラルキル基))によって置換されてもよい。本発明の化合物には、特に低級アルキル基の使用が好ましい。
【0025】
アルキレンの用語は、少なくとも2つの部分(例えば、{−CH−}、−{CHCH−}、
【化11】

などであり、ここで大括弧は結合点を示す)に対する少なくとも2つの結合点を有するアルキル基を指す。アルキレン基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0026】
「アラルキル基」は、アルキレンリンカーを介して他の部分に結合されたアリール基を指す。アラルキル基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0027】
本願明細書において、「アルコキシ」との用語は、酸素原子を介して他の部分と結合するアルキル基を指す。アルコキシ基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0028】
本願明細書において、「アルコキシアルコキシ」との用語は、アルキル部分が他のアルコキシ基で置換されているアルコキシ基を指す。
【0029】
本願明細書において、「アルキルスルファニル」との用語は、二価の硫黄原子を介して他の部分と結合するアルキル基を指す。アルキルスルファニル基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0030】
本願明細書において、「アルキルアミノ」との用語は、窒素に結合している一つの水素原子がアルキル基で置換されているアミノ基を指す。本願明細書において、「ジアルキルアミノ」との用語は、窒素に結合している2つの水素原子がアルキル基で置換されているアミノ基(アルキル基は同一でも異なっていてもよい)を指す。アルキルアミノ基およびジアルキルアミノ基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0031】
本願明細書において、「アルケニル」との用語は、典型的には2から10個の炭素原子を有し、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分鎖の炭化水素基を指す。代表的な直鎖状および分枝状アルケニル基には、ビニル、アリル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチルエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、3−オクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、3−ノネニル、1−デセニル、2−デセニル、3−デセニル基などが含まれる。アルケニル基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0032】
本願明細書において、「アルキニル」との用語は、典型的には2から10個の炭素原子を有し、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分鎖の炭化水素基を指す。代表的な直鎖状および分枝状アルキニル基には、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、2−ヘプチニル、6−ヘプチニル、1−オクチニル、2−オクチニル、7−オクチニル、1−ノニニル、2−ノニニル、8−ノニニル、1−デシニル、2−デシニル、9−デシニル基などが含まれる。アルキニル基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0033】
本願明細書において、「シクロアルキル」との用語は、典型的には3から10個の炭素原子を有する単環または多環の飽和環式アルキル基を指す。代表的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルおよびシクロデシル、アダマンチル(adamantly)、デカヒドロナフチル、オクタヒドロペンタレン、ビシクル[1.1.1]ペンタニル基等が挙げられる。シクロアルキル基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0034】
本願明細書において、「シクロアルケニル」との用語は、環系内に少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有し、典型的には5から10個の炭素原子を有する環状の非芳香族のアルケニル基を指す。代表的なシクロアルケニル基には、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、シクロオクタテトラエニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、シクロデセニル、シクロデカジエニル基などが含まれる。シクロアルケニル基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0035】
本発明において、「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」との用語は、単環または多環(典型的には3〜14員環を有する)の複素環であり、飽和または不飽和の非芳香族の環状構造を指す。3員環のヘテロ環には、最大3個のヘテロ原子が含まれ、4〜14員環のヘテロ環には、1〜約8個のヘテロ原子が含まれうる。各ヘテロ原子は、窒素(四級化してもよい)、酸素および硫黄(スルホキシドおよびスルホンを含む)から任意に選択される。ヘテロ環は、どのようなヘテロ原子または炭素原子を介して結合することができる。代表的なヘテロ環には、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル基などが含まれる。ヘテロ原子は、当業者に公知の保護基(例えば窒素に結合した水素の場合はtert−ブトキシカルボニル基)で置換されてもよい。更に、ヘテロシクリル基を、一つ以上の置換基(限定されないがハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を含む)で任意に置換してもよい。このような置換された複素環基のうち、安定な異性体のみがこの定義の中に含まれる。ヘテロシクリル基は、置換されても置換されなくてもよい。
【0036】
本願明細書において、「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリール」との用語は、炭素原子の環部分および一つ以上のヘテロ原子の環部分(例えば酸素、硫黄、または窒素を含む)からなる単環式または多環式の芳香族複素環式化合物(またはその基)を指す。典型的には、ヘテロ原子の環部分は、5〜14員環を有し、少なくとも一つの環が、酸素、硫黄および窒素から選択されるヘテロ原子を有する。別の実施形態において、芳香族複素環は、5または6員環を有し、1〜約4個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、芳香族複素環は、7〜14員環を有し、1〜約7個のヘテロ原子を有する。典型的なヘテロアリールには、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリジニル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、ピリジニル、チアジアゾリル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、インドリジニル、イミダゾピリジニル、イソチアゾリル、テトラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズオキサジアゾリル、インドリル,テトラヒドロインドリル、アザインドリル、イミダゾピリジル、キニザオリニル、プリニル、ピロロ[2,3]ピリミジル、ピラゾロ[3,4]ピリミジル、ベンゾ(b)チエニル基などが含まれる。これらのヘテロアリール基は、一つ以上の置換基で任意に置換されてもよい。
【0037】
「ヘテロアラルキル基(heteroaralkyl)」は、アルキレンリンカーを介して他の部分に付着するヘテロアリール基を指す。ヘテロアラルキル基は、置換されても、置換されなくてもよい。
【0038】
本願明細書において、「ハロゲン」または「ハロ」との用語は、−F、−Cl、−Brまたは−Iを指す。
【0039】
本願明細書において、「ハロアルキル」との用語は、一つ以上の−Hがハロ基と置換されたアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、−CF、−CHF、−CCl、−CHCHBr、−CHCH(CHCHBr)CH、−CHICHなどが挙げられる。
【0040】
本願明細書において、「ハロアルコキシ」との用語は、一つ以上の−Hがハロ基と置換されたアルコキシ基を指す。ハロアルコキシ基の例としては、−OCFおよび−OCHFが挙げられる。
【0041】
「生物学的等価体」および「生物学的等価性置換」との用語は、当業界で一般に認められている意味と同じ意味を有する。生物学的等価的は、電子の周囲層が実質的に同一であるとみなせる原子、イオン、分子である。「生物学的等価体」との用語は、通常、分子全体ではなく、分子全体の一部を指すのに用いられる。生物学的等価性置換とは、ある生物学的等価体の生物的活性を保持または僅かに変更しようとしてこの生物学的等価体を別の生物学的等価体に置換することを含む。この場合の生物学的等価体は、同等の大きさ、形状および電子密度を有する原子または原子群である。エステル、アミドまたはカルボン酸の好適な生物学的等価体は、水素結合を受容するための部位を2つ有する化合物である。一実施形態において、エステル、アミドまたはカルボン酸の生物学的等価体は、任意に置換された1H−イミダゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、1H−テトラゾリル、[1,2,4]トリアゾリル、または任意に置換された[1,2,4]オキサジアゾリルなどの5員単環ヘテロアリール環である。
【0042】
本願明細書において、「対象」、「患者」および「動物」の用語は交換して使用でき、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモットおよびヒトを含むが、これらに限定されない。好適な対象、患者または動物は、ヒトである。
【0043】
本願明細書において、「低級」という用語は、4個までの炭素原子を有する基を指す。例えば、「低級アルキル」は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を指し、「低級アルケニル」または「低級アルキニル」は2〜4個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルキニル基をそれぞれ指す。「低級アルコキシ」または「低級アルキルスルファニル」は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシまたはアルキルスルファニルを指す。特に低級の置換基が好ましい。
【0044】
アルキル置換基など、ある特定の構造または部分で特定の置換基が複数個存在する場合、置換基自体はそれぞれ独立しており、同一でもよく、その構造または部分中の他の置換基と異なってもよい。更に、本発明の個々の具体例および代表的な化合物に記載された個々の置換基は、本発明のその他の置換基と組み合わせるのが好ましく、そのような置換基同士の組み合わせが好ましいとの明記または開示がない場合でありも、その解釈には変わりはない。
【0045】
本発明の化合物は、本願明細書において化学構造および/または化学名で定義される。化合物が化学構造と化学名の両方で記載され、化学構造と化学名が矛盾する場合、その化合物の同一性に際しては化学構造が優先する。
【0046】
アルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキレン、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル基の好適な置換基には、本発明の安定な化合物を形成するあらゆる置換基が含まれる。アルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキレン、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルの置換基の例には、アルキル、アルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ハロアルキル、−C(O)NR1314、−NR15C(O)R16、ハロ、−OR15、シアノ、ニトロ、ハロアルコキシ、−C(O)R15、−NR1314、−SR15、−C(O)OR15、−OC(O)R15、−NR15C(O)NR1314、−OC(O)NR1314、−NR15C(O)OR16、−S(O)15、または−S(O)NR1314などが含まれ、R13およびR14が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキル、または任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;或いは、R13およびR14が、窒素原子を伴って結合した、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;R15およびR16が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキル、または任意に置換されたヘテロアラルキルである。
【0047】
更に、アルキル、シクロアルキル、アルキレン、ヘテロシクリル、ならびにアルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アラルキルおよびヘテロアラルキル基のどのような飽和部分も、=O、=S、=N−R15によって置換できる。
【0048】
ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキル基が窒素原子を含むとき、その窒素原子は置換されてもよく、置換されなくてもよい。ヘテロアリール基の芳香環の窒素原子が置換基を有するとき、窒素は四級窒素でもよい。
【0049】
本発明によって考察される置換基の選択および組み合わせ、ならびに変更は、安定な化合物を生成するもののみが用いられる。本願明細書において、「安定な」との用語は、製造工程に耐えうる十分な安定性を有し、十分な長期にわたり、本願明細書において詳述される目的(例えば患者に対する治療または予防のための投与)に使用できる程の化合物の完全性が維持される化合物を指す。典型的には、この種の化合物は、40℃以下の温度で、過剰な水分が存在しない場合、少なくとも一週間安定である。このような選択および組み合わせは当業者にとって自明であり、過度な実験を要すことなく決定できる。
【0050】
特段のことわりのない限り反応性官能基(例えば、限定されないがカルボキシル、ヒドロキシルおよびアミノ基部分)を含む本発明の化合物は、その被保護誘導体も含む。「被保護誘導体」とは、反応部位が一以上の保護基によってブロックされている化合物を指す。カルボキシ部分のための好適な保護基には、ベンジル、tert−ブチル基などが含まれる。アミノおよびアミド基のための好適な保護基には、アセチル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル基などが含まれる。ヒドロキシ基のための好適な保護基には、ベンジル基などが含まれる。他の適切な保護基は当業者に公知であり、T.W.Greene、Protecting Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons,Inc.1981に記載のものが含まれる(その全開示内容が参照により本願明細書に援用される)。
【0051】
本願明細書において、「本発明の化合物」および同様の用語は、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグ、およびその被保護誘導体を指す。
【0052】
特段のことわりのない限り、本願明細書において、「プロドラッグ」との用語は、生物学的条件(in vitroまたはin vivo)下において、加水分解、酸化またはその他の反応により本発明の化合物を提供できる化合物の誘導体を指す。プロドラッグは、生物学的条件下でこの種の反応によってのみ活性化しても、未反応の形態において活性を有してもよい。本発明において考察されるプロドラッグの例には、限定されないが、生加水分解性部分(例えば生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カルボネート、生加水分解性ウレイドおよび生加水分解性ホスフェートの類似体)を含む式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物の類似体または誘導体が含まれる。その他のプロドラッグの例として、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物の誘導体でありNO、−NO、−ONO、または、−ONO部分を含むものが挙げられる。プロドラッグは典型的には、BURGER’S MEDICINAL CHEMISTRY AND DRUG DISCOVERY(1995)172−178,949−982(Manfred E.Wolff編、第5版)記載の方法(その全開示内容が参照により本願明細書に援用される)などの公知の方法により調製できる。
【0053】
本発明において、特段のことわりのない限り「生加水分解性アミド」「生加水分解性エステル」「生加水分解性カルバメート」「生加水分解性カルボネート」「生加水分解性ウレイド」および「生加水分解性ホスフェートの類似体」の語はそれぞれ、アミド、エステル、カルバメート、カルボネート、ウレイドまたはホスフェートの類似体であり、1)化合物の生物的活性を損なわず、in vivoでの有利な特性(例えば取り込み、活性の期間または活性の開始に関する)をその化合物に付与するか;または2)それ自身は生物学的に不活性であるが、in vivoで生物学的に活性を有する化合物に変換される;ものを指す。生加水分解性アミドの例として、限定されないが、低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミドおよびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが含まれる。生加水分解性エステルの例として、限定されないが、低級アルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステルおよびコリンエステルが含まれる。生加水分解性カルバメートの例として、限定されないが、低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、ヘテロ環式およびヘテロ環式芳香族アミン、ならびにポリエーテルアミンが含まれる。
【0054】
本願明細書において、「薬学的に許容される塩」との用語は、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物に含まれる一つの酸性基および塩基性基から形成される塩を指す。例示的な塩類としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸))塩が含まれるが、これに限定されない。また、「薬学的に許容される塩」との用語は、酸性官能基(例えばカルボン酸官能基)および薬学的に許容される無機塩基または有機塩基を有する、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物から調製される塩を指す。適切な塩基としては、限定されないが、ナトリウム、カリウムおよびリチウム等のアルカリ金属の水酸化物;カルシウムおよびマグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウムおよび亜鉛等の他の金属の水酸化物;アンモニア、および未置換または水酸基で置換されたモノ、ジもしくはトリアルキルアミン類等の有機アミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル−N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−またはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)(例えばモノ−、ビス−またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミンまたはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン)、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン(例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはtri−(2−ヒドロキシエチル)アミン);N−メチル−D−グルカミン;およびアルギニン、リジンのようなアミノ酸等が含まれる。また、「薬学的に許容される塩」との用語は、塩基性官能基(例えばアミノ酸官能基)および薬学的に許容される無機酸または有機酸を有する、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物から調製される塩を指す。適切な酸は、硫酸水素塩、クエン酸、酢酸、シュウ酸、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硝酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルカロン酸、糖酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸を含むが、これらに限定されない。
【0055】
本願明細書において、「薬学的に許容される溶媒和物」との用語は、一つ以上の溶媒分子が、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物の一つ以上の分子に結合して形成される溶媒和物を指す。「溶媒和物」の用語には、水和物(例えば半水塩、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)が含まれる。
【0056】
本願明細書において、「包接化合物」との用語は、結晶格子の形を有する本発明の化合物またはその塩であり、外部分子(例えば溶媒または水)をトラップする空間(例えばチャネル)を有するものを指す。
【0057】
本願明細書において、「喘息」との用語は、可逆性気道閉塞、気道の炎症、および様々な刺激に対する気道反応の亢進を特徴とする肺の疾患、障害または症状を指す。
【0058】
「免疫抑制」とは、免疫系の任意の構成要素に障害を及ぼし、免疫機能を低下させることを指す。この障害は、リンパ球機能の全血検査、リンパ球増殖の確認およびT細胞表面抗原発現の解析を含む従来法によって測定できる。特定の一方法として、抗ヒツジ赤血球(SRBC)一次抗体(IgM)反応アッセイ(通常、プラークアッセイと称する)がある。この方法および他の方法は、Luster,M.I、Portier,C、Pait,D.G.、White,K.L.,Jr.、Gennings,C、Munson,A.E.およびRosenthal,GJ.(1992)、Risk Assessment in Immunotoxicology I: Sensitivity and Predictability of Immune Tests.、Fundam. Appl. Toxicol.,18,200−210に記載されている。その他、特に有用な一分析法として、T細胞依存性抗原に反応する免疫反応の測定が挙げられる(Dean,J.H.、House,R.V.およびLuster,M.I.(2001)、Immunotoxicology: Effects of, and Responses to, Drugs and Chemicals.、Principles and Methods of Toxicology:第4版(A.W.Hayes編),pp.1415−1450,Taylor & Francis、ペンシルバニア州フィラデルフィア)中記載。
【0059】
本発明の化合物は、免疫疾患を患う対象の治療に使用できる。本願明細書において、「免疫疾患」との用語は、自己免疫疾患を含む、動物の免疫系によって引き起こされる疾患、異常または症状を表す。免疫疾患には、免疫構成要素が関与する疾患、障害または症状と、実質的または完全に免疫系が関与する疾患、障害または症状が含まれる。自己免疫疾患とは、動物自身の免疫系が誤って動物自身を攻撃し、動物自身の体の細胞、組織および/または臓器が標的とされる疾患を指す。例えば、自己免疫反応は、神経系において多発性硬化症として、腸においてクローン病として作用する。全身性エリテマトーデス(SLE)のような他の自己免疫疾患では、罹患した組織および臓器は同じ疾患に罹患する患者によって異なることがある。あるSLE患者は皮膚および関節が冒され、他の患者は皮膚、腎および肺が冒されるということもある。最終的に、免疫系による特定の組織の損傷は、1型糖尿病における膵臓のインスリン産生細胞の破壊と同様に恒久的なこともある。本発明の方法および化合物を使用して改善できる特定の自己免疫疾患には、限定されないが、神経系における自己免疫疾患(例えば多発性硬化症、重症筋無力症、自己免疫性神経障害(例えばギラン−バレー症候群)および自己免疫性ブドウ膜炎)、血液における自己免疫疾患(例えば自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血および自己免疫性血小板減少症)、血管における自己免疫疾患(例えば側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、脈管炎(例えばウェゲナー肉芽腫症)およびベーチェット病)、皮膚における自己免疫疾患(例えば乾癬、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡および白斑)、胃腸系における自己免疫疾患(例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変症および自己免疫肝炎)、内分泌腺における自己免疫疾患(例えば1型または免疫性糖尿病、バセドウ病、橋本病、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性睾丸炎、副腎の自己免疫不全)、複数の器官(結合組織および筋骨格系疾患を含む)の自己免疫疾患(例えば慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症(例えば強直性脊椎炎)およびシェーグレン症候群)が含まれる。更に、移植片対宿主病およびアレルギー性疾患のような他の免疫系の関与する疾患も、本願明細書における免疫疾患の定義に含まれる。多数の免疫疾患が炎症によって生じるため、免疫疾患とも炎症性疾患とも考えられる、両疾病間に重複がみられる。本発明の課題を考慮した場合、このような重複する疾患の場合、免疫疾患と炎症性疾患の一方であると考えられる。本願明細書において、「免疫疾患の治療」とは、本発明の化合物または組成物を、免疫疾患、この種の徴候またはこの種の疾患の傾向を有する患者に、自己免疫疾患、その徴候またはその傾向を、治療、緩和、改善、処置または予防する目的で投与することを指す。
【0060】
本願明細書において、「アレルギー性疾患」との用語は、通常は無害の物質に対するアレルギー反応に関連する疾患、症状または異常を指す。これらの物質は環境に存在(例えば屋内空気汚染物質および空気中アレルゲン)する場合もあれば、環境中に存在しない(皮膚アレルギーまたは食物アレルギーの誘導物質)場合もある。アレルゲンは、吸入、食物摂取、皮膚への接触または注射(昆虫刺傷による場合も含む)等の多様な経路を経て生体内に侵入する。多くのアレルギー性疾患は、アレルギー抗体IgEを産生する素因であるアトピーと関連する。IgEは体全体の肥満細胞の感受性を高めるため、アトピー性の患者では多くの場合複数の臓器において疾病が生じる。本発明におけるアレルギー性疾患には、感受性アレルゲンに対する再曝露によって生じる過敏症であり、炎症性因子の遊離を引き起こすあらゆる過敏症が含まれる。アレルギー疾患には、限定されないが、アレルギー性鼻炎(例えば花粉症)、副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎、慢性中耳炎、再発性中耳炎、薬物反応、昆虫刺傷反応、ラテックス反応、結膜炎、蕁麻疹、アナフィラキシーとアナフィラキシー様反応、アトピー性皮膚炎、喘息または食物アレルギーが含まれる。
【0061】
本発明の化合物は、炎症性疾患を患う対象の予防または治療に使用できる。本願明細書において、「炎症性疾患」との用語は、生体組織の炎症を特徴とする疾患、異常または症状を指す。これには局所的炎症反応および全身的炎症が含まれる。このような炎症性疾患の例としては、植皮拒絶を含む移植拒絶;関節炎、関節リウマチ、骨関節症および骨吸収の増大を伴う骨疾患などの関節の慢性炎症性疾患;回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、およびクローン病などの炎症性腸疾患;喘息、成人呼吸窮迫症候群、および慢性閉塞性気道疾患などの炎症性肺疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、回旋糸状虫症、ブドウ膜炎、交感神経性眼炎および眼内炎などの眼の炎症性疾患;歯肉炎および歯周炎を含む歯肉の慢性炎症性疾患;結核;ハンセン病;尿毒症の合併症、糸球体腎炎およびネフローゼなどの腎臓の炎症性疾患;硬化性皮膚炎、乾癬および湿疹などの皮膚の炎症性疾患;神経系の慢性脱髄性疾患、多発性硬化症、AIDS起因性神経変性症、アルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症およびウイルス性または自己免疫性脳炎などの中枢神経系の炎症性疾患;自己免疫疾患、免疫複合体脈管炎、全身性狼瘡および紅斑性狼瘡;全身性エリテマトーデス(SLE);心筋症、虚血性心疾患、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症などの心臓の炎症性疾患、;ならびに子癇前症などの顕著な炎症性要素による他の疾患;慢性肝不全、脳と脊髄の外傷、癌などが挙げられる。あるいは、グラム陽性またはグラム陰性細菌ショック、出血性またはアナフィラキシーショック、もしくは前炎症性サイトカインに反応する、癌化学療法によって誘発されたショック(例えば前炎症性サイトカイン関連ショック)のような全身性の炎症も挙げられる。このようなショックは、例えば癌化学療法に用いられる化学療法剤によって誘発されうる。本願明細書において、「炎症性疾患の治療」とは、本発明の化合物または組成物を、免疫疾患、この種の徴候またはこの種の疾患の傾向を有する患者に、自己免疫疾患、その徴候またはその傾向を、治療、緩和、改善、処置または予防する目的で投与することを指す。
【0062】
「有効量」は、化合物が対象に投与されたときに、有益な結果が達成される化合物の量、あるいは、in−vivoまたはin−vitroで所望の活性を持つ化合物の量を指す。炎症性疾患および自己免疫疾患の場合、有効な臨床効果には、治療行わなかった場合には見られない、その疾患または障害に関連する徴候の範囲または重症度の減少、および/または対象の寿命および/または生活の質の向上が含まれる。対象に投与される化合物の正確な量は、疾患または状態のタイプおよび重症度、ならびに対象の特徴(例えば健康状態、年齢、性別、体重および薬に対する許容度)に依存する。それは更に、炎症性疾患または自己免疫疾患の程度、重症度およびタイプ、または求める免疫抑制の程度にも依存する。当業者であれば、これらの要因およびその他の要因に応じて適切な投与量を決定できるであろう。開示の化合物の有効量は、典型的には、1日あたり約1mg/mm〜約10g/mmの範囲、好ましくは1日あたり10mg/mm〜約1g/mmの範囲である。
【0063】
本発明の化合物は、一つ以上のキラル中心および/または二重結合を含んでもよく、これにより立体異性体、例えば二重結合による異性体(すなわち幾何異性体を結合するエナンチオマーまたはジアステレオマー)として存在してもよい。本発明によれば、ここに記載される化学構造は、本発明の化合物を含む、対応するその化合物のエナンチオマーおよび立体異性体の全て(すなわち立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性的に純粋、ジアステレオ的に純粋)、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体の混合物)を含む。場合によっては、あるエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体が、他よりも優れた活性を有していたり、毒性あるいは動態プロファイルが改善されていることもある。このような場合、本発明の化合物のこの種のエナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体が好ましい。
【0064】
「IL−2産生阻害」およびこれに類似の用語は、IL−2合成の阻害(例えば、転写(mRNA発現)または翻訳(タンパク質発現)を阻害することによる)、および/またはIL−2を産生および/または分泌する細胞(例えばTリンパ球)からのIL−2分泌の阻害を指す。同様に、「IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、TNF−αまたはINF−γの産生抑制」との用語は、その(例えば転写または翻訳を阻害することによる)合成の阻害、および/またはこれらのサイトカインを産生および/または分泌する細胞からのその分泌の阻害を指す。
【0065】
本発明において、化合物を「実質的に」含む組成物は、その組成物が化合物の約80重量%超、より好ましくは約90重量%超、より好ましくは約95重量%超、最も好ましくは約97重量%超含まれることを指す。
【0066】
本発明において、化合物を「実質的に含まない」組成物とは、その組成物が化合物全体の約20重量%未満、より好ましくは約10重量%未満、更に好ましくは約5%重量未満、最も好ましくは約3重量%未満含まれることを指す。
【0067】
本発明において、反応が「実質的に完了する」とは、その反応物に目的の生成物が約80重量%超、より好ましくは目的の生成物が約90重量%超、更に好ましくは目的の生成物が約95重量%超、最も好ましくは目的の生成物が約97重量%超含まれることを指す。
【0068】
本願明細書において、「ラセミ混合物」とは、分子内の全てのキラルの中心に対する、一のエナンチオマー約50%に対し、対応するエナンチオマーが約50%である状態のものを指す。本発明には、式(I)から(II)または表1記載のいずれか一つの化合物に係る、全ての鏡像異性的に純粋な、鏡像異性的に強化された、ジアステレオ的に純粋な、ジアステレオ的に強化された、およびラセミ化された混合物が含まれる。
【0069】
キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高性能液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物の晶出、またはキラル溶媒中の化合物の晶出のような公知の方法によって、エナンチオマーとジアステレオマーの混合物から、そのエナンチオマーまたは立体異性体の成分を分離できる。また、エナンチオマーとジアステレオマーは、公知の非対称合成法によって、ジアステレオ的に純粋な、または幾何異性的に純粋な中間体、試薬および触媒から調製できる。
【0070】
本発明の化合物は、例えばヒトでない動物に獣医学的な目的で、もしくは家畜類の疾病の改善目的で、またはヒトに対する診療目的で患者に投与する場合、例えば単離された形態で、または医薬組成物中における単離された形態で投与する。本願明細書において、「単離された」とは、本発明の化合物が、(a)植物または細胞、好ましくは細菌培養細胞のような天然給源、または(b)有機合成反応混合液のいずれかの他の成分から分離された状態を指す。本発明の化合物は、好ましくは従来法により精製される。本願明細書において、「精製された」とは、分離により、その分離物中に、その重量に対して本発明の単一の化合物が少なくとも95%(好ましくは少なくとも98%)含まれる状態を意味する
【0071】
結果として安定な構造となる置換基の選択および組み合わせのみが本発明に含まれる。このような選択および組み合わせは当業者にとって自明であり、過度な実験を要すことなく決定できる。
【0072】
本発明は、以下の詳細な説明および実施形態を参照することにより更に十分に理解可能であるが、これらは本発明の実施形態の例証に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0073】
[特定の実施形態]
本発明は、特に免疫抑制、または炎症症状、免疫疾患およびアレルギー性疾患の治療または予防に有用な化合物および医薬組成物に関する。
【0074】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物、
【化12】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグに関する。
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である。
【0075】
本発明の別の実施形態は、式(II)の化合物、
【化13】

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグに関する。
式中、Yが、置換されたイソオキサゾリルまたは置換された1H−ピロリルでないことを条件として、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
が、−NHCH−、−CHNH−、−NR−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、または−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である。
【0076】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、XがNである。一態様では、XがCHである。一態様では、XがC(CH)である。
【0077】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、XがNである。一態様では、XがCHである。一態様では、XがC(CH)である。
【0078】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、XがNであり;XがCHであり;Zがメチルであり;nが1である。
【0079】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、XがNであり;XがCHであり;Zがメチルであり;nが1である。
【0080】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、nが0である。
【0081】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、nが1であり、Zが、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、メトキシ、シアノ、ニトロ、メチルスルファニル、またはトリフルオロメチルである。一態様では、Zがメチルである。
【0082】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、nが2であり、各Zが、それぞれ独立に、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、メトキシ、シアノ、ニトロ、メチルスルファニル、またはトリフルオロメチルである。
【0083】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、Zが、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、メトキシ、シアノ、ニトロ、メチルスルファニル、またはトリフルオロメチルである。一態様では、Zがメチルである。
【0084】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、Rが、−C(O)OR、ハロアルキル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたチオフェニル、任意に置換されたフラニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、または任意に置換されたテトラゾリルである。別の態様では、Rが、−C(O)OR、ハロアルキル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたチオフェニル、任意に置換されたフラニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、または任意に置換されたテトラゾリルである。一態様では、Rが、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、3−メチル−イソオキサゾル−5−イル、イソオキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、チアゾル−5−イル、[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル、[1,3,4]チアジアゾール−2−イル、トリフルオロメチル、ピリジン−3−イル,ピリジン−2−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、−C(O)OCHCHOCH、−C(O)OCHCHCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)OCHである。
【0085】
一態様では、Rが、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、チアゾル−5−イル、[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、ピリジン−3−イル、ピリジン−2−イル、−C(O)OCHCHCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)OCHである。一態様では、Rが、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、または−C(O)OCHである。一態様では、Rが、オキサゾル−2−イルである。一態様では、Rが、オキサゾル−5−イルである。一態様では、Rが、チアゾル−2−イルである。一態様では、Rが、チアゾル−5−イルである。一態様では、Rが、[1,3,4]オキサジアゾル−2−イルである。一態様では、Rが、トリフルオロメチルである。一態様では、Rが、ピリジン−3−イルである。一態様では、Rが、ピリジン−2−イルである。一態様では、Rが、−C(O)OCHCHCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)OCHである。一態様では、Rが、−C(O)OCHである。
【0086】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、Rが、エステル、アミド、またはカルボン酸の生物学的等価体である。
【0087】
一実施形態では、式(I)または(II)によって表される化合物において、Rが、−H、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、またはメトキシである。一態様では、Rが、−H、クロロ、メチル、またはメトキシである。一態様では、Rが−Hである。一態様では、Rがクロロである。一態様では、Rがフルオロである。一態様では、Rがブロモである。一態様では、Rがメチルである。一態様では、Rがメトキシである。
【0088】
一実施形態では、式(I)によって表される化合物において、Yが、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルである。別の態様では、Yが、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルである。一態様では、Yが、任意に置換されたフェニルまたは任意に置換されたチアジアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたフェニルである。一態様では、Yが、1または2つの置換基で置換されたフェニルである。一態様では、Yが、1または2つの置換基で置換されたフェニルであり、この1または2つの置換基はそれぞれ独立して、低級アルキルまたはハロである。一態様では、Yが、2,6−ジフルオロフェニルまたは4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである。一態様では、Yがジフルオロフェニルである。一態様では、Yが、2,6−ジフルオロフェニルである。一態様では、Yが、4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである。一態様では、Yが、任意に置換されたピリジニルである。一態様では、Yが、任意に置換されたトリアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたオキサジアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたチアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたオキサゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたイソオキサゾリルである。一態様では、Yが、一置換ピリジニルである。一態様では、Yが、メチルピリジン−2イルまたはフルオロピリジン−イルである。
【0089】
一実施形態では、式(I)によって表される化合物において、Lが、−NHCH−、−CHNH−、−C(O)−、−NH−C(O)−、−C(O)−NH−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NH−C(S)−、−C(S)−NH−からなる群から選択されるリンカーである。一態様では、Lが、−NHCH−である。一態様では、Lが、−CHNH−である。一態様では、Lが、−C(O)−である。一態様では、Lが、−C(O)−NH−である。一態様では、Lが、−OC(O)−である。一態様では、Lが、−C(O)O−である。一態様では、Lが、−C(S)−である。一態様では、Lが、−NH−C(S)−である。一態様では、Lが、−C(S)−NH−である。
【0090】
一実施形態では、式(I)によって表される化合物において、Lが、−NR−C(O)−である。一態様では、Lが、−NH−C(O)−である。
【0091】
一実施形態では、式(I)によって表される化合物において、Yが、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルであり;Rが、−C(O)OR、ハロアルキル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたチオフェニル、任意に置換されたフラニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、または任意に置換されたテトラゾリルであり;XまたはXの一方がCHであり;nが0である。一態様では、Lが、−NH−C(O)−である。一態様では、Rが、−H、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、またはメトキシである。一態様では、Rが、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、チアゾル−5−イル、[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、ピリジン−3−イル、ピリジン−2−イル、−C(O)OCHCHCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)OCHである。一態様では、Yがジフルオロフェニルである。一態様では、Yが、4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである。
【0092】
一実施形態では、式(I)によって表される化合物において、Yが、2,6−ジフルオロフェニルまたは4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルであり;Lが、−NH−C(O)−であり;XまたはXの一方がCHであり;Rが、−H、クロロ、メチル、またはメトキシであり;Rが、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、または−C(O)OCHであり;nが0である。
【0093】
一実施形態では、式(II)によって表される化合物において、Yが、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルである。別の態様では、Yが、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルである。一態様では、Yが、任意に置換されたフェニルまたは任意に置換されたチアジアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたフェニルである。一態様では、Yが、1または2つの置換基で置換されたフェニルである。
【0094】
一態様では、Yが、1または2つの置換基で置換されたフェニルであり、この1または2つの置換基はそれぞれ独立して、低級アルキルまたはハロである。一態様では、Yが、2,6−ジフルオロフェニルまたは4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである。一態様では、Yがジフルオロフェニルである。一態様では、Yが、2,6−ジフルオロフェニルである。一態様では、Yが、4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである。一態様では、Yが、任意に置換されたピリジニルである。一態様では、Yが、任意に置換されたトリアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたオキサジアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたチアゾリルである。一態様では、Yが、任意に置換されたオキサゾリルである。一態様では、Yが、一置換ピリジニルである。一態様では、Yが、メチルピリジン−2イルまたはフルオロピリジン−イルである。
【0095】
一実施形態では、式(II)によって表される化合物において、Lが、−NHCH−、−CHNH−、−NH−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NH−C(S)−、または−C(S)−NH−からなる群から選択されるリンカーである。一態様では、Lが、−NHCH−である。一態様では、Lが、−CHNH−である。一態様では、Lが、−OC(O)−である。一態様では、Lが、−C(O)O−である。一態様では、Lが、−C(S)−である。一態様では、Lが、−NH−C(S)−である。一態様では、Lが、−C(S)−NH−である。
【0096】
一実施形態では、式(II)によって表される化合物において、Lが、−NR−C(O)−である。一態様では、Lが、−NH−C(O)−である。
【0097】
一実施形態では、式(II)によって表される化合物において、Yが、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルであり;Rが、−C(O)OR、ハロアルキル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたチオフェニル、任意に置換されたフラニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、または任意に置換されたテトラゾリルであり;XまたはXの一方がCHであり;nが0である。一態様では、Lが、−NH−C(O)−である。一態様では、Rが、−H、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、またはメトキシである。一態様では、Rが、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、チアゾル−5−イル、[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、ピリジン−3−イル、ピリジン−2−イル、−C(O)OCHCHCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)OCHである。一態様では、Yがジフルオロフェニルである。一態様では、Yが、4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである。
【0098】
一実施形態では、式(II)によって表される化合物において、Yが、2,6−ジフルオロフェニルまたは4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルであり;Lが、−NH−C(O)−であり;XまたはXの一方がCHであり;Rが、−H、クロロ、メチル、またはメトキシであり;Rが、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、または−C(O)OCHであり;nが0である。
【0099】
別の実施形態において、本発明は、以下からなる群から選択される化合物:
N−[6−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−イソニコチンアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−フルオロ−イソニコチンアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
4−クロロ−3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸メチルエステル;
3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−安息香酸メチルエステル;
N−[5−(2−クロロ−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−4−メチル−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
3−[5−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−2−イル]−4−メチル−安息香酸メチルエステル;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[4−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミドヒドロクロリド;
4−メチル−N−(5−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド;
3−(6−ベンゾイルアミノ−ピリジン−3−イル)−4−クロロ−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−[6−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(3−メチル−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(3−フルオロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(3−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−[1,2,3]オキサジアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(5−メチル−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−イソチアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−オキサゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−フルオロ−イソチアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
3−メチル−N−[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−イソニコチンアミド;
3−メチル−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−イソニコチンアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−メチル−6−(3−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[4−メチル−5−(3−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−メチル−5−(3−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
3−メチル−N−[5−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−イソニコチンアミド;
3−メチル−N−[6−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−イソニコチンアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミドヒドロクロリド;
N−[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−イソニコチンアミド;
N−[6−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−イソニコチンアミド;
N−[6−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
3−[5−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−2−イル]−4−メチル−安息香酸エチルエステル;
3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−安息香酸エチルエステル;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−オキサゾル−5−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−5−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(5−イソオキサゾル−5−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(5−イソオキサゾル−5−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−{5−[2−メチル−5−(3−メチル−イソオキサゾル−5−イル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−{6−[2−メチル−5−(3−メチル−イソオキサゾル−5−イル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−ピリジン−3−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−ピリジン−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−[1,3,4]チアジアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
4−クロロ−3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸プロピルエステル;
4−クロロ−3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸2−メトキシ−エチルエステル;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(5−フラン−2−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−チオフェン−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−フルオロ−N−[5−(5−フラン−3−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−チオフェン−3−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
N−(5−(2−メトキシ−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド;
N−(5−(5−(イソオキサゾル−5−イル)−2−メチルフェニル)ピリジン−2−イル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド;
2,6−ジフルオロ−N−(5−(2−メチル−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−(5−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(5−(2−クロロ−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド塩酸塩;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド塩酸塩;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド塩酸塩;または
4−クロロ−2−フルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
あるいはこれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグに関する。
【0100】
本願明細書に開示される機能、特定の実施形態、および特定の置換基は、全てどのようにも組み合わせることができる。本願明細書に開示される各機能、実施形態または置換基は、同一、均等または同様の目的に資する別の機能、実施形態または置換基で置き換えることができる。化学物質の場合には、本願明細書に開示される任意の化学式の変数(例えば本願明細書に開示される例示的な化合物に示される値)の特定の値を任意に組み合わせて、安定な構造を得ることができる。更に、あるタイプの化学構造中の置換基の特定の値(好適かどうかを問わず)を、同種または異種の別の化学構造中の置換基の値(好適かどうかを問わず)と組み合わせることができる。このため、特にことわりのない限り、開示される各機能、実施形態または置換基は均等または同様の機能、実施形態または置換基の一般的な羅列の例に過ぎない。
【0101】
別の実施形態において、本発明は、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを有効成分として含み、ならびに薬学的に許容される担体もしくは賦形剤を含む医薬組成物に関する。組成物は免疫抑制、あるいは、炎症症状、アレルギー性疾患および免疫疾患の治療または予防に有用である。
【0102】
別の実施形態において、本発明は、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの有効量を投与することを含む、必要とする患者における免疫抑制方法、または炎症症状、免疫疾患、またはアレルギー性疾患の治療または予防方法に関する。
【0103】
別の実施形態において、本発明は、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを含む医薬組成物の有効量を投与することを含む、必要とする患者における免疫抑制方法、または炎症症状、免疫疾患、またはアレルギー性疾患の治療または予防方法に関する。
【0104】
別の実施形態において、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、特に免疫細胞(例えばT細胞および/またはB細胞)の活性化(例えば抗原に応答した活性化)、および/またはT細胞および/またはB細胞の増殖の抑制に有効である。免疫細胞活性化の指標には、T細胞によるIL−2の分泌、T細胞および/またはB細胞の激増などが含まれる。一実施形態において、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物により、哺乳類(例えばヒト)の免疫細胞活性化および/またはT細胞および/またはB細胞の増殖を阻害する。
【0105】
別の実施形態において、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッは、免疫細胞活性化を調節する特定のサイトカインの産生を阻害できる。例えば、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、IL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、IFN−γ、TNF−αおよびこれらの組み合わせの産生を阻害できる。一実施形態において、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物により、哺乳類(例えばヒト)のサイトカイン産生を阻害する。
【0106】
別の実施形態において、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグは、免疫細胞の活性化に関係する一つ以上のイオンチャネル(例えばCRACイオンチャネル)の活性を調節できる。一実施形態において、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物は、CRACイオンチャネルの活性を阻害することで、カルシウムイオンの免疫細胞(例えばT細胞および/またはB細胞)への流入を阻害することができる。一般に、化合物の細胞への接触によるICRAC電流の減少は、化合物によるCRACイオンチャネル阻害の一つの指標である。例えば、ICRAC電流はパッチクランプ法を使用して測定でき、これについては下記の実施形態において更に詳細に記載されている。一実施形態において、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物により、哺乳類(例えばヒト)においてイオンチャネルを調節する。
【0107】
本発明の例示的な化合物
本発明の例示的な化合物を、下記の表1に表す。
【0108】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【0109】
[作用機序]
抗原に応答したTリンパ球の活性化は、カルシウムイオンの変動に依存する。Tリンパ球のカルシウムイオン変動は、T細胞抗原レセプターの刺激で誘発され、貯蔵−制御されたCa2+−遊離−活性化Ca2+(CRAC)チャネルを通したカルシウムイオン流入が行われる。CRACイオンチャネルの分子構造は確認されていないが、チャネルの詳細な電子生理的プロフィールは存在する。このため、CRACイオンチャネルの阻害は、ICRAC電流の抑制の測定により定量できる。T細胞のカルシウムイオン変動は、T細胞活性化に必要である幾つかの転写制御因子(例えばNFAT、Oct/OapおよびNFKB)の活性化に関連すると言われている(Lewis,Biochemical Society Transactions(2003),31:925−929参照。その全開示内容が参照により本願明細書に援用される。)。どのような理論であれ、本発明の化合物によりCRACイオンチャネルの活動が阻害されるため、免疫細胞の活性化が阻害されると考えられる。
【0110】
[治療および予防の方法]
本発明によれば、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの有効量、または、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを含む医薬組成物を、免疫抑制を必要とする、または炎症症状、免疫疾患、またはアレルギー性疾患の治療または予防を必要とする患者に投与する。この種の患者は治療に敏感でも、従来の治療に対して部分的に反応または無反応でもよい。
【0111】
患者の特定の炎症症状、免疫疾患またはアレルギー性疾患への反応は、直接測定してもよく(例えば、本発明の化合物の投与の後、炎症性サイトカイン(例えばIL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、TNF−α、IFN−γなど)の血液濃度の測定)、または疾患病因および進行の解析に基づいて推定してもよい。ヒトへの使用の前に、所望の治療または予防効果を得るため、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグをin vitroまたはin vivoで試験してもよい。例えば、本発明の化合物の安全性と有効性を実証するため、公知の炎症症状、免疫疾患、またはアレルギー性疾患モデル動物を用いてもよい。
【0112】
[医薬組成物および製剤]
本発明の医薬組成物および製剤は、一つ以上の有効成分を相対量含み、所定の医薬組成物または製剤を、免疫抑制、または炎症症状、免疫疾患およびアレルギー性疾患の治療または予防に使用可能なように製剤化される。好適な医薬組成物および製剤には、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容されるプロドラッグ、塩、溶媒和物または接化合物が、任意に一つ以上の付加的な活性薬剤との組み合せで含まれる。
【0113】
本発明の単回投与型の製剤は、患者への経口、経粘膜(例えば経鼻、舌下、経膣、経頬、経直腸)、非経口的(例えば皮下、静脈内、ボーラス注射、粘膜内、または動脈内)、または経皮投与に適する。製剤の例には、錠剤;カプレット;カプセル(例えば柔軟で弾力性のゼラチンカプセル);カシェ剤;トローチ剤;菱形;分散液;坐薬;軟膏;パップ剤(湿布薬);ペースト;粉;ドレッシング;クリーム;絆創膏;溶液;パッチ;エアゾール(例えば鼻内噴霧または吸入器);ゲル類;サスペンション(例えば水性であるか非水溶液体懸濁液、水中油滴型乳剤または油中水滴型エマルション)、溶液およびエリキシルを含む、患者への経口または経粘膜投与に適した液体製剤;患者に対する非経口的適用に適した液体製剤;ならびに、患者に非経口的適用に適した液体製剤を調製するために再調製できる、滅菌された固体(例えば結晶または非結晶の固体)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
本発明の製剤の組成、形状、および種類は、通常は投与法によって変わる。例えば経粘膜投与に適した製剤は、同じ適応症の治療に用いる経口投与用製剤よりも有効成分の量が少ないと考えられる。本発明のこの特徴は、当業者にとって容易に理解できるであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)第18版、Mack Publishing、米国ペンシルベニア州イーストンを参照されたい。
【0115】
典型的な医薬組成物および製剤は、一つ以上の賦形剤を含む。適切な医薬用賦形剤は薬学分野の当業者に公知であり、適切な医薬添加物の非限定的な例を本願明細書に開示する。特定の医薬用賦形剤が医薬組成物または製剤への添加に適するかどうかは、その製剤が患者に投与される方法など(これに限定されない)、当業者に公知の様々な要因によって決まる。例えば、錠剤のような経口投与用の製剤は、非経口投与用製剤における投与には適さない添加物を含みうる。
【0116】
個々の賦形剤の適合性は、その製剤の個々の有効成分によって決まることがある。例えば、ラクトースのような一部の賦形剤によって、または水に曝露された場合に、一部の有効成分の分解が促進されるおそれがある。第一級または第二級アミン(例えばN−デスメチルバンラファキシンおよびN,N−ジデスメチルバンラファキシン)を含む有効成分は、特にこのような分解促進に影響されやすい。したがって、本発明には、ラクトースを含有するとしても微量である医薬組成物および製剤が含まれる。本願明細書において、「ラクトース非含有」という用語は、含まれるラクトースの量が、たとえ含まれるとしても、有効成分の分解速度を顕著に増大させるのには不十分であることを指す。本発明のラクトース非含有組成物には、例えば、米国薬局方(USP)SP(XXI)/NF(XVI)に収載されている公知の医薬品添加物が含まれてもよい。一般に、ラクトース非含有医薬組成物には、医薬的に適合し、医薬的に許容可能な量の有効成分、結合剤/充填剤、および潤滑剤が含まれる。ラクトース非含有製剤として好適なものには、有効成分、微晶性セルロース、アルファ化デンプン、およびステアリン酸マグネシウムが含まれる。
【0117】
水が一部の化合物の分解を促進するため、本発明には更に、有効成分を含む無水医薬組成物および製剤が含まれる。例えば、水の添加(例えば5%)は、医薬組成物の有効期間または経時的な安定性のような特徴を確認するための、長期保存性に関する模擬実験法として製薬業界の当業者に広く受け入れられている。例えば、Jens T.Carstensen(1995)Drug Stability: Principles & Practice、第2版、Marcel Dekker、米国ニューヨーク州ニューヨーク、379−80を参照されたい。実際には、水と熱は一部の化合物の分解を促進する。すなわち、医薬組成物の製造、操作、包装、保存、出荷、および投与中に水分および/または湿気との接触が頻繁に生じるため、医薬組成物への水の作用は非常に重要な問題である。
【0118】
本発明の無水医薬組成物および製剤は、乾燥したまたは水分含量の少ない有効成分を用い、湿気の少ないまたは湿度の低い条件において調製できる。製造、包装、および/または保存中に、湿気および/または湿度の高い条件との頻繁な接触が予想される場合、ラクトースおよび第一級または第二級アミンを含む少なくとも一つの有効成分を含む医薬組成物と製剤は、無水であることが好ましい。
【0119】
無水医薬組成物は、無水の性質が維持されつつ調製および保存されなければならない。したがって、無水医薬組成物は、医薬組成物を公知の包材を用いて適切なキットとして包装し、水に対する曝露を防ぐことが好ましい。適切な包装の例としては、密封ホイル、プラスチック、投薬単位ごとの容器(例えばバイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックが含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
本発明には更に、有効成分の分解速度を低下させる一つ以上の化合物を含む医薬組成物および製剤が含まれる。本願明細書において「安定剤」と呼ばれる化合物には、限定されないが、アスコルビン酸、pH緩衝液、または塩の緩衝液が含まれる。
【0121】
賦形剤の量と種類と同様に、製剤中の有効成分の量と個々の種類は、患者への投与経路など(これに限定されない)の要因によって変わりうる。しかし、本発明の典型的な製剤には、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグが、約1mg〜約1000mg、好ましくは約50mg〜約500mg、最も好ましくは約75mg〜約350mgの量で含まれる。式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグの典型的な1日当たりの投与量は、約1mg〜約5000mg/日、好ましくは約50mgから約1500mg/日、より好ましくは、約75mg〜約1000mg/日の量の範囲である。個々の患者への適切な投与量および製剤を決定することは、当業者にとって容易である。
【0122】
[経口用製剤]
本発明の医薬組成物は、限定されないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット、カプセル、および液剤(矯味剤入りシロップ)など、適切な製剤で提供できる。このような製剤には一定量の有効成分が含まれ、当業者に公知の調剤方法によって調製できる。一般論については、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)第18版、Mack Publishing、米国ペンシルベニア州イーストンを参照されたい。
【0123】
本発明の代表的な経口用製剤は、従来の製薬法に従って、有効成分を、少なくとも一つの賦形剤と組み合わせて混合することにより調製する。添加物は、目的とする投与方法に従い、様々な形態をとることができる。例えば、経口用の液状製剤またはエアゾル製剤による投与に適した賦形剤としては、限定されないが、水、グリコール、オイル、アルコール、矯味料、保存料、および着色料が含まれる。固形の経口用製剤(例えば、散剤、錠剤、カプセル、およびカプレット)に適した賦形剤には、限定されないが、デンプン、砂糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤が含まれる。
【0124】
投与が容易である点で、錠剤およびカプセルが最適な経口用投薬単位であり、その場合は固形の賦形剤が用いられる。望ましくは、錠剤は水を用いたまたは水を用いない標準的な方法によってコーティングされる。このような製剤は、どのような製薬法によっても調製できる。一般に、医薬組成物および製剤は、有効成分を液体の基剤、細かく分割された固体の基剤、またはその両方と十分均一となるまで混合し、その後必要に応じて医薬品を適切な形態に成型して調製する。
【0125】
例えば、錠剤は圧力成型または鋳形によって調製できる。錠剤の圧力成型の場合、有効成分を、散剤または顆粒のような流動状になるように(任意に賦形剤と混合しながら)適当な装置を用いて圧縮して調製できる。錠剤の鋳形の場合、不活性の液体賦形剤により湿らせた粉末状の混合物を、適切な装置を用いて成型して調製できる。
【0126】
本発明の経口用製剤に使用できる賦形剤の例としては、限定されないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、および潤滑剤が含まれる。医薬組成物および製剤への使用に適合する結合剤には、コーンスターチ、じゃがいもデンプンまたはその他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸またはその他のアルギン酸塩、粉末トラガカント、グアガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、α化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばNo.2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
微結晶性セルロースの適切な形態は、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(米国ペンシルバニア州マーカスフック所在、FMC Corporation、American Viscose Division、Avicel Salesから入手可能)として市販の原料、およびこれらの混合物を含むが、これに限定されない。具体的な結合剤の一例として、AVICEL RC−581として市販されている微結晶性セルロースとカルボキシメチルセルロースの混合物が挙げられる。乾燥または低水分含量の賦形剤(または添加剤)には、AVICEL−PH−103JおよびStarch 1500LMが含まれる。
【0128】
本発明において開示される医薬組成物および製剤への使用に適した充填材の例としては、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビット、デンプン、未糊化デンプンおよびこれらの混合物が含まれる。本発明において医薬組成物の結合剤または充填剤は、通常医薬組成物または製剤の約50〜約99重量%含まれる。
【0129】
崩壊剤は、水性の環境に曝露された場合に崩壊する錠剤を調製する際、本発明の組成物に用いられる。崩壊剤を過多に含有する錠剤は保存中に崩壊するおそれがあり、含有量が過少の錠剤は適切な速度で、または適切な条件下で崩壊しないおそれがある。したがって、本発明において固体の経口用製剤を調製するためには、過不足により有効成分の放出に影響が出ない程度の量の崩壊剤を用いる必要がある。使用される崩壊剤の量は製剤の種類によって変わり、当業者であれば容易に調節できる。通常、医薬組成物中には約0.5〜約15重量パーセントの崩壊剤、好ましくは約1〜5重量パーセントの崩壊剤が含まれる。
【0130】
本発明の医薬組成物および製剤に使用可能な崩壊剤としては、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、じゃがいももしくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン酸類、他のセルロース類、ガム類、ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
本発明の医薬組成物および製剤に使用できる潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽質鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素添加した植物油(例えば、ピーナッツオイル、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。添加される潤滑剤には、例えば、シロイドシリカゲル(AEROSIL 200(米国メリーランド州バルティモア所在W.R. Grace社製))、合成二酸化ケイ素の凝固エアゾール(米国テキサス州ピアノ所在Degussa社より市販)、CAB−O−SIL(発熱原性の二酸化ケイ素製品、米国マサチューセッツ州ボストン所在Cabot社より市販)およびこれらの混合物が含まれる。潤滑剤は、用いる場合には、それが添加される医薬組成物または製剤の約1重量%以下の量で用いるのが望ましい。
【0132】
[放出制御製剤]
本発明の有効成分は、放出制御手段または当業者に公知の送達手段を用いて投与できる。例えば、限定されないが、米国特許番号3,845,770、3,916,899、3,536,809、3,598,123、4,008,719、5,674,533、5,059,595、5,591,767、5,120,548、5,073,543、5,639,476、5,354,556および5,733,566(参照により本願明細書に援用される)に記載のものが挙げられる。この種の製剤は、一つ以上の有効成分の放出を徐々に、制御された態様で行うために採用でき、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル類、浸透膜、浸透系、多層膜コーティング、微小粒子、リポソーム、マイクロスフェアまたはこれらの組み合わせを使用して、その比率の変化により所望の放出プロファイルが得られる。当業者に公知の適切な放出制御製剤は、本願明細書に記載のものを含め、本発明の有効成分の使用の際に適切に選択できる。すなわち本発明には、経口投与に適した一つの単位用量形態(限定されないが、例えば錠剤、カプセル、ジェルキャップおよびカプレット)であり、放出制御に適したものが含まれる。
【0133】
全ての放出制御医薬組成物は、それと同じ力価の非放出制御の医薬組成物よりも薬物療法の効果を高めるという共通の目的を有する。理想的には、医学的治療のために最適にデザインされた放出制御医薬組成物の投与は、最短時間で疾患を治療または制御するのに必要な最小限の薬剤が用いられることを特徴とする。放出制御医薬組成物の利点としては、薬剤の活性の持続、投与回数の削減、および患者のコンプライアンスの向上が挙げられる。更に、放出制御医薬組成物を使用して、作用の開始時期、または薬剤の血中濃度のような他の特徴に影響を与えることができ、これにより、副作用(有害作用)の発現率に影響を与えることもできる。
【0134】
大部分の放出制御医薬組成物は、適切な治療効果を生み出す一定量の薬剤(有効成分)を初期に放出し、その後長期間にわたってそれと異なる量の薬剤を、この治療または予防効果レベルを維持するために徐々に持続的に放出するよう設計されている。体内における一定の薬剤濃度を維持するためには、代謝され体内から排出される量を補う程度の速度で、薬剤が製剤から放出される必要がある。有効成分の放出制御は、限定されないが、pH、温度、酵素、水または他の生理学的条件または化合物を含む様々な条件によって刺激されることもある。
【0135】
本発明の特定の持続型放出制御製剤は、治療または予防に有効な量の式(I)から(II)、または表1の化合物、あるいはその薬学的薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、包接化合物またはプロドラッグをスフェロイドの形で含み、更に微結晶性セルロースおよび、任意に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、またエチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物でコーティングされている。このような持続性放出制御医薬組成物は、米国特許第6,274,171号に従って調製でき、その全開示内容は参照により本願明細書に援用される。
【0136】
本発明の特定の放出制御製剤は、式(I)から(II)、または表1のいずれか一つの化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを約6重量%〜約40重量%、約50重量%〜約94重量%の微結晶性セルロース、NF、任意に約0.25重量%〜約1重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、USPを含み、スフェロイドはエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなるフィルムコーティング組成物で覆われている。
【0137】
[非経口投与用製剤]
非経口用の製剤は、皮下、静脈(ボーラス注射を含む)、筋肉内、動脈内など(これらに限定されない)を含む様々な経路で患者に投与できる。これらの投与法は通常異物に対する患者の自然防御機能を回避するものであるため、非経口投与用製剤は、滅菌されているか、または患者への投与前に滅菌可能な状態であることが好ましい。非経口投与用製剤の例には、限定されないが、注射液、医薬的に許容可能な注射用賦形剤中に溶解または懸濁可能な乾燥品、注射用懸濁液、およびエマルジョンが含まれる。
【0138】
本発明の非経口投与用製剤の調製に使用できる適合した賦形剤は、当業者に公知である。その例としては、限定されないが、注射用蒸留水 USP;限定されないが、塩化ナトリウム注、リンゲル液、デキストロース注、デキストロースと塩化ナトリウム注、および乳酸リンゲル液のような、水性賦形剤;限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールのような水混和性賦形剤;限定されないが、コーン油、綿実油、ピーナッツオイル、ゴマ油、オレイン酸エチル、イソプロピルミリステート、およびベンジル安息香酸のような非水溶性賦形剤が含まれる。
【0139】
本発明に開示される一つ以上の有効成分の溶解度を高める化合物を、本発明の非経口投与用製剤に含めてもよい。
【0140】
[経皮、局所および経粘膜投与用製剤]
本発明の経皮、局所および経粘膜投与用製剤には、限定されないが、眼科用溶液、スプレー、エアゾール、ローション、軟膏、ゲル、溶液、乳剤、懸濁液または当業者に公知の他の製剤が含まれる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980および1990)第16版および第18版、Mack Publishing、米国ペンシルベニア州イーストン、ならびに、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms(1985)第4版、Lea&Febiger、米国フィラデルフィア州を参照されたい。口腔内の粘膜組織の治療に適した製剤は、うがい薬または口腔用ゲルとして調製できる。更に経皮投与用の製剤には、「リザーバー型」または「マトリックス型」のパッチのように、皮膚に適用でき、適切な量の有効成分を浸透させるのに必要な一定時間、皮膚に付着させることができるものが含まれる。
【0141】
本発明に含まれる経皮、局所および経粘膜投与用製剤の調製に使用可能な最適な賦形剤(例えば、基剤および希釈剤)および他の物質は、医薬分野の当業者に公知であり、その医薬組成物または製剤を使用する個々の組織によって決まる。この点を考慮すると、望ましい賦形剤には、限定されないが、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、イソプロピルミリステート、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびこれらの混合物が挙げられ、これらを用いて無毒で医薬的に許容可能なローション、チンキ、クリーム、乳剤、ゲルまたは軟膏の形態が形成される。必要な場合、保湿剤および湿潤剤も医薬組成物および製剤に添加できる。このような追加的な成分は当業者に公知である。例えば、Remingtons Pharmaceutical Sciences(1980および1990)第16版および第18版、Mack Publishing、米国ペンシルベニア州イーストンを参照されたい。
【0142】
治療を行う個々の組織に応じ、本発明の有効成分を用いた治療の前後に、他の医薬組成物を併用してもよい。例えば、組織への有効成分の送達を助長する透過促進剤を用いてもよい。適切な透過促進剤には、アセトン;エタノール、オレイルアルコール、およびテトラヒドロフリルアルコールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのアルキルスルホキシド類;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ポリビニルピロリドンなどのピロリドン類;コリドングレード(ポビドン、ポリビドン);尿素;およびTween80(ポリソルベート80)およびSpan60(モノステアリン酸ソルビタン)などの水溶性または不溶性の糖エステル類などが含まれるが、これらに限定されない。
【0143】
一つ以上の有効成分の送達を改善するために、医薬組成物または製剤のpH、または医薬組成物または製剤が使用される組織のpHを調整してもよい。同様に、溶媒担体の極性、イオン強度、あるいは浸透圧を調整して送達を改善してもよい。ステアラートのような化合物を医薬組成物あるいは製剤に添加し、一つ以上の有効成分の親水性または親油性を好適に変化させ、送達を改善してもよい。すなわち、ステアラートは医薬組成物に対する脂質性の賦形剤として、乳化剤もしくは界面活性剤として、または輸送促進剤もしくは浸透促進剤として利用できる。有効成分の他の塩、水和物または溶媒化合物を、得られる組成物の特性を更に調整するために使用できる。
【0144】
[併用療法]
患者における免疫抑制方法、または炎症症状および免疫疾患の治療または予防方法には、本発明の化合物を投与した患者に、更に一つ以上のその他の有効成分の有効量を投与することが含まれる。このような有効成分には、免疫抑制あるいは炎症症状または免疫疾患に一般に使用されるものを含めてもよい。これらの他の有効成分は、本発明の化合物と併用して投与されたときに、他の有効性を発揮するものでもよい。例えば、他の治療薬には、限定されないが、ステロイド、非ステロイド系抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、鎮痛剤、免疫抑制剤およびこれらの適切な混合物が含まれる。このような併用療法において、本発明の化合物および他の薬剤は共に、従来法により対象(例えば、ヒト、男性または女性)に投与できる。この薬剤は単一の製剤で投与しても、または別々の製剤で投与してもよい。他の治療薬および製剤の有効量は、当業者に公知である。また、他の治療薬の至適有効量の範囲を決定することは、当業者が通常なしうる範囲内である。
【0145】
本発明の一実施形態において、他の治療薬を対象に投与する場合は、本発明の薬剤の有効量は、他の治療薬が投与されない場合の有効量より少ない。別の実施形態において、その従来の薬剤の有効量は、本発明の化合物が投与されない場合のその有効量以下である。このようにすれば、いずれかの薬剤の多量の使用による副作用を最小限に抑制できる。また、他の潜在的な有用性(限定されないが、薬物療法の改良および/または薬剤費の減少等)も当業者にとって自明と考えられる。
【0146】
自己免疫疾患および炎症症状に関連した一実施形態において、他の治療薬として、ステロイドまたは非ステロイド系抗炎症剤が使用可能である。特に有用な非ステロイド系抗炎症剤としては、アスピリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロクス酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミック酸、トルフェナム酸、ジフルニサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム;アスピリン、サリチル酸ナトリウム、コリントリサリチル酸マグネシウム、サルサレート、ジフルニサル、サリチルサリチル酸、スルファサラジン、およびオルサラジン;を含むサリチル酸誘導体;アセトアミノフェンおよびフェナセチンを含むp−アミノフェノール誘導体;インドメタシン、スリンダク、およびエトドラクを含むインドールおよびインデン酢酸類;トルメチン、ジクロフェナクおよびケトロラクを含むヘテロアリール酢酸;メフェナム酸およびメクロフェナム酸を含むアントラニル酸(フェナム酸類);オキシカム(ピロキシカム、テノキシカム)を含むエノール酸;およびピラゾリジンジオン類(フェニルブタゾン、オキシフェンタルタゾン);およびナブメトンを含むアルカノン類、ならびに医薬的に許容可能なこれらの塩およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。NSAIDの詳細に関しては、Paul A.Insel、Analgesic−Antipyretic and Antiinflammatory Agents and Drugs Employed in the Treatment of Gout、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics 617−57(Perry B.MolinhoffおよびRaymond W.Ruddon、第9版、1996)中、ならびにGlen R.Hanson、Analgesic,Antipyretic and Anti−Inflammatory Drugs in Remington: The Science and Practice of Pharmacy第2巻、1196−1221(A.R.Gennaro、第19版、1995)を参照されたい(全開示内容が本発明に参照により援用される)。
【0147】
特にアレルギー性疾患の場合は、他の治療薬は、抗ヒスタミン剤であってよい。有用な抗ヒスタミン剤には、ロラタジン、セチリジン、フェゾフェナジン、デスロラタジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、クロルシクリジン、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、ドキセピン、カルビノキサミン、クレマスチン、トリペレナミン、臭素フェニラミン、ヒドロキシジン、シクリジン、メクリジン、シプロヘプタジン、フェニインダミン、アクリバスチン、アゼラスチン、レボカバスチンおよびこれらの混合物が含まれるがこれらに限定されない。抗ヒスタミン剤の詳細に関しては、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(2001)651−57、第10版を参照されたい。
【0148】
免疫抑制剤には、糖質コルチコイド、コルチコステロイド(例えばプレドニソンまたはソルメドロール)、T細胞ブロッカー(例えばシクロスポリンAおよびFK506)、プリンアナログ(例えばアザチオプリン(イムラン))、ピリミジンアナログ(例えばシトシンアラビノシド)、アルキル化剤(例えばニトロジェンマスタード、フェニルアラニンマスタード、ブスルファンおよびシクロホスファミド)、葉酸拮抗薬(例えばアミノプテリンおよびメトトレキセート)、抗生物質(例えばラパマイシン、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、ピューロマイシンおよびクロラムフェニコール)、ヒトIgG、抗リンパ球グロブリン(ALG)および抗体(例えば抗CD3(OKT3)、抗CD4(OKT4)、抗CD5、抗CD7、抗IL−2レセプター、抗α/βTCR、抗ICAM−1、抗CD20(リツキサン)、抗IL−12および抗免疫毒素抗体)が含まれる。
【0149】
当業者であれば上記およびその他の有用な併用療法を容易に理解し、認識できるであろう。このような併用療法の利点として考えられるものとして、異なる有効性プロファイル、個々の有効成分の投与量を減らせることによる有毒な副作用の最小化、相乗的な薬理効果、投与または使用の簡便化および/または化合物の調製または製剤化コストの削減が挙げられる。
【0150】
[別の実施形態]
本発明の化合物は、例えば他の潜在的CRAC阻害剤、またはIL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、TNF−αおよび/またはINF−γの阻害剤の解析に使用する陽性対照などの、研究手段としても使用できる。本発明の化合物および組成物に関する上記、およびその他の用途および実施形態は、当業者にとって自明であると考えられる。
【0151】
本発明は、本発明の化合物の詳細な調製方法を記載している以下の実施形態を参照することで、更に明確となる。材料および方法に関して、本発明の目的および関心から逸脱することなく多様な変更は、当業者にとって自明であると考えられる。以下の実施形態は、本発明の理解を助けるために記載されているに過ぎず、本願明細書の記載および特許請求の範囲を特に限定するものと解釈すべきでない。現在公知の技術または今後開発されるどのような均等物との置換を含む、本発明の各種の変形は当業者が通常なしうる範囲内であり、製剤または試験計画における軽微な変更は、本願明細書に記載の本発明の範囲内と考えられる。
【0152】
(実施形態)
[実験の妥当性]
理論はともかく、本発明の化合物がCRACイオンチャネルを阻害し、これにより、IL−2および炎症反応および免疫反応と関係するその他の主要なサイトカインの産生を阻害すると考えられる。以下の実施形態は、これらの特性を示すものである。
【0153】
[材料および方法]
以下で使用する試薬および溶媒は、商業的入手源(例えばAldrich Chemical社(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー所在)から入手できる。H−NMRおよび13C−NMRのスペクトルは、Varian 300MHz NMRスペクトロメーターを用いて記録した。主要なピークを、δ(ppm):化学シフト、多重度(s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;brs、広い一重項),カップリング定数をヘルツ(Hz)およびプロトン数(s)、の順で示す。
【0154】
パッチクランプ実験は、密封した全細胞計測(ホールセル)で、21〜25℃で実施した。コンピュータを用いたパッチクランプアンプシステム(EPC−9、ドイツ国ラムブレヒト所在HEKA社)を用い、高分解電流を測定した。パッチピペットは、標準細胞内液の充填の後、2〜4MΩの抵抗値であった。全細胞計測を構成した直後に、−100mV〜+100mVの電圧範囲で50〜200msの電圧ランプを、300〜400秒間にわたり、0.5Hzの周期で、0mVの保持電位から供給した。全ての電圧を、細胞内の陰イオンとしてグルタミン酸塩を使用したときに、外部溶液および内部溶液の間の液間電位差が10mVになるように較正した。電流を2.9kHzでフィルタリングし、10μs間隔でデジタル化した。EPC−9の自動キャパシタンス補正を使用して各電圧ランプの前に、容量性電流および直列抵抗を測定し、較正した。低分解能での膜電流の一時的な生成を、個々のランプ電流記録から−80mVまたは+80mVで電流の振幅を抽出することにより解析した。
【0155】
本発明の化合物は、2004年7月22日出願の米国特許出願第10/897,681号明細書、およびリジュン・ソンらによる2006年1月6日出願の米国特許出願第 号「Compounds for Inflammation and
Immune-Related Uses」に従って調製することもできる。これらの全開示内容は参照により本願明細書に援用される。
【0156】
第1の実施形態:本発明の代表的な化合物の合成例
化合物1:N−[6−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド
【化14】

【0157】
トルエン(5mL)、水(1mL)、エタノール(1mL)の混合物に溶解させた2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルボロン酸(a、1mmol)、6−ブロモ−ピリジン−3−イル−アミン(b、1mmol)、パラジウム触媒(0.1mmol)、重炭酸ナトリウム(1mmol)の混合物を、24時間、100℃で加熱した。混合物をEtOAc(100mL)溶液としてから、水で洗浄し(2×100mL)、乾燥させた(NaSO)。濃縮して得られた油をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、黄色がかった油状物(0.20mg)としてcを得た。
【0158】
上記の油状物を、2,6−ジフルオロ安息香酸塩化物(0.6mmol)DCM(5mL)溶液およびピリジン(0.2mL)で、室温で2時間、処理した。溶媒を除去し、残渣をクロマトグラフィーによって精製して、生成物dを黄色の固体(0.15g)として得た。
H−NMR(CDCl)δ 8.8(d、1H、J=2)、8.5(dd、1H、J=9、J=2)、7.91(s、2H)、7.8(d、1H、J=8)、7.6(m、2H)、7.5(m、1H)、7.0(t、2H、J=8)ppm;ESMS計算値(C1910ClFO):412.0;実測値:413.0(M+H)。
【0159】
化合物2〜化合物22は同様に合成された。
【0160】
化合物2:N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 9.2(m、1H)、8.5(m、1H)、8.18(s、1H)、7.9(m、1H)、7.6(m、3H)、7.4(m、1H)、7.0(t、2H、J=8)ppm;ESMS計算値(C1910ClFO):412.0;実測値:413.0(M+H)。
【0161】
化合物3:N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−イソニコチンアミド
H−NMR(CDCl)δ 9.20(s、1H)、8.6(m、2H)、8.5(d、1H、J=9)、8.11(s、1H)、7.9(d、1H、J=9)、7.6(m、3H)、7.4(d、1H、J=5)、2.52(s、3H)ppm;ESMS計算値(C1913ClFO):391.1;実測値:392.0(M+H)。
【0162】
化合物4:N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−フルオロ−イソニコチンアミド
H−NMR(CDCl)δ 9.2(br、1H)、8.7(m、2H)、8.4(m、2H)、8.0(t、1H、J=6)、7.9(dd、1H、J=9、J=2)、7.6(m、3H)ppm;ESMS計算値(C1810ClFO):395.0;実測値:396.0(M+H)。
【0163】
化合物5:2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 8.6(br、1H)、8.4(d、1H、J=8)、8.26(s、1H)、8.0(d、1H、J=8)、7.91(s、1H)、7.8(d、1H、J=8)、7.71(s、1H)、7.4(m、2H)、7.3(m、1H)、7.0(m、2H)、2.33(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2015):391.1;実測値:392.1(M+H)。
【0164】
化合物6:4−クロロ−3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸メチルエステル
H−NMR(CDCl)δ 8.7(br、1H)、8.5(d、1H、J=8)、8.3(m、1H)、8.0(m、2H)、7.9(d、1H、J=8)、7.6(d、1H、J=9)、7.4(m、1H)、7.0(t、2H、J=8)、3.94(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2013ClF):402.1;実測値:403.0(M+H)。
【0165】
化合物7:3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−安息香酸メチルエステル
H−NMR(CDCl)δ 9.5(br、1H)、8.4(d、1H、J=8)、8.0(m、2H)、7.9(m、2H)、7.4(m、2H)、7.0(t、2H、J=8)、3.94(s、3H)、2.30(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2116):382.1;実測値:383.1(M+H)。
【0166】
化合物8:N−[5−(2−クロロ−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 9.8(br、1H)、8.5(m、1H)、8.0(m、4H)、7.8(m、1H)、7.6(m、1H)、7.4(m、2H)、7.0(m、2H)ppm;ESMS計算値(C2112ClF):411.1;実測値:412.0(M+H)。
【0167】
化合物9:N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 9.1(br、1H)、8.3(d、1H、J=8)、7.3〜7.6(m、5H)、7.0(t、2H、J=8)、2.16(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2012ClFO):426.1;実測値:427.0(M+H)。
【0168】
化合物10:N−[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 9.6(br、1H)、8.5(d、1H、J=8)、8.07(s、1H)、7.9(m、4H)、7.6(d、1H、J=9)、7.4(m、2H)、7.0(t、2H、J=8)ppm;ESMS計算値(C2012ClFOS):427.0;実測値:428.0(M+H)。
【0169】
化合物11:N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−4−メチル−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 10.6(br、1H)、8.40(s、1H)、7.6(m、2H)、7.4(m、3H)、6.9(m、2H)、2.21(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2012ClFO):426.1;実測値:427.0(M+H)。
【0170】
化合物12:3−[5−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−2−イル]−4−メチル−安息香酸メチルエステル
H−NM R(CDCl)δ 8.72(s、1H)、8.4(d、1H、J=8)、8.09(s、1H)、8.0(d、1H、J=8)、7.8(br、1H)、7.5(m、2H)、7.4(d、1H、J=8)、7.0(t、2H、J=8)、3.91(s、3H)、2.45(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2116):382.1;実測値:383.1(M+H)。
【0171】
化合物13:2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 8.72(s、1H)、8.4(d、1H、J=8)、8.32(s、1H)、8.04(s、1H)、8.0(d、1H、J=8)、7.64(s、1H)、7.4(m、3H)、7.20(s、1H)、7.0(t、2H、J=8)、2.38(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2215):391.1;実測値:392.1(M+H)。
【0172】
化合物14:2,6−ジフルオロ−N−[4−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 9.4(br、1H)、8.37(s、1H)、7.80(s、1H)、7.3〜7.7(m、5H)、7.0(t、2H、J=8)、2.34(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2013O):392.1;実測値:393.0(M+H)。
【0173】
化合物15:2,6−ジフルオロ−N−[6−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ 8.9(br、1H)、8.3(d、1H、J=8)、7.3〜7.7(m、6H)、7.0(t、2H、J=8)、2.32(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2013O):392.1;実測値:393.0(M+H)。
【0174】
化合物16:4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド
H−NMR(CDCl)δ 9.1(br、1H)、8.4(d、1H、J=9)、8.29(s、1H)、8.0(d、1H、J=8)、7.6(m、3H)、3.02(s、3H)ppm;ESMS計算値(C1610ClFOS):398.0;実測値:399.0(M+H)。
【0175】
化合物17:4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド
H−NMR(CDCl)δ 8.4(m、3H)、7.9(m、4H)、7.6(d、1H、J=8)、7.4(d、1H、J=5)、3.05(s、3H)ppm;ESMS計算値(C1812ClNOS):413.0;実測値:414.0(M+H)。
【0176】
化合物18:4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド
H−NMR(CDCl)δ 9.4(br、1H)、8.4(d、1H、J=8)、8.31(s、1H)、7.9(m、3H)、7.72(s、1H)、7.4(d、1H、J=8)、7.24(s、1H)、3.03(s、3H)、2.34(s、3H)ppm;ESMS計算値(C1915S):377.1;実測値:378.1(M+H)。
【0177】
化合物19:4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド
H−NMR(CDCl)δ 8.6(d、1H、J=9)、8.42(s、1H)、8.1(m、3H)、7.77(s、1H)、7.6(s、1H、J=8)、7.30(s、1H)、3.03(s、3H)ppm;ESMS計算値(C1812ClNS):397.0;実測値:398.1(M+H)。
【0178】
化合物20:2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミドヒドロクロリド
H−NMR(DMSO−d)δ 11.6(br、1H)、9.12(s、1H)、8.4(d、1H、J=8),8.12(s、1H)、8.0(m、2H)、7.9(d、1H、J=8)、7.6(m、1H)、7.5(d、1H、J=8)、7.41(s、1H)、7.3(t、2H、J=8)、2.41(s、3H)ppm;ESMS計算値(C2216ClF):427.1;実測値:398.1(M+H)。
【0179】
化合物21:4−メチル−N−(5−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド
H NMR(300MHz、(CDSO)11.55(s、1H)、8.45〜8.43(m、2H)、8.22〜8.19(m、1H)、7.98〜7.94(m、1H)、7.71〜7.63(m、3H)、7.46〜7.43(m、1H)、2.82(s、3H)、2.28(s、3H);ESMS計算値(C1915S):377.1;実測値:378.2(M+H)。
【0180】
化合物68:N−(5−(5−(イソオキサゾル−5−イル)−2−メチルフェニル)ピリジン−2−イル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド
【化15】

【0181】
鈴木クロスカップリングの一般的な手順:5−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)イソオキサゾール(200mg、0.84mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(Pd(PPhCl、60mg、0.09mmol)、および6−アミノピリジン−3−イルボロン酸ピナコールエステル(185mg、0.84mmol)のトルエン(10mL)溶液に、NaCO(2N、1.0mL)およびエタノール(1.0mL)を加えた。混合物を、撹拌して16時間、80℃に加熱した。溶液を室温に冷却して、HO(10mL)およびEtOAc(10mL)で希釈した。有機相を、NaSOによって乾燥させ、濃縮して、クロマトグラフィー処理し、純粋な生成物(120mg、57%)を得た。
【0182】
アミド結合生成のための一般的な手順A:5−(5−(イソオキサゾル−5−イル)−2−メチルフェニル)ピリジン−2−アミン(60mg、0.24mmol)のDCM(4mL)溶液に、EDC(85mg、0.45mmol)および4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキシル酸(70mg、0.48mmol)を加えた。溶液を6時間、室温で撹拌したのち、濃縮し、クロマトグラフィー処理し、純粋な生成物(50mg、55%)を得た。
H NMR(300MHz、CDCl)δ 8.58(d、J=9Hz、1H)、8.32〜8.28(m、2H)、7.99〜7.95(m、1H)、7.78〜7.74(m、1H)、7.68(d、J=1.8Hz、1H)、7.45〜7.43(m、1H)、6.54(d、J=1.8Hz、1H)、2.35(d、3H);ESMS計算値(C1915S):377.1;実測値:378.1(M+H)。
【0183】
化合物69:2,6−ジフルオロ−N−(5−(2−メチル−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド
【化16】

【0184】
アミド結合生成のための一般的な手順B:5−(2−メチル−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−2−アミン(100mg、0.4mmol)のDCM(3mL)溶液に、2,6−ジフルオロベンゾイルクロリド(0.1mL、0.8mmol)を加えた。反応溶液を60分間、室温で撹拌したのち、濃縮し、クロマトグラフィー処理し、モノアミドとジアミドの生成物の混合物を得た。混合物を、5mLのMeOHに溶解させて、25分間、50℃で加熱したのち、濃縮して、酢酸エチルとHOで抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮して、純粋な最終生産物(117mg、75%)を得た。
H NMR(300MHz、CDCl)δ 9.16(s、1H)、8.51−8.48(m、2H)、8.14−8.12(m、1H)、8.01(dd、J=8.1および2.1Hz、1H)、7.91(d、J=1.8Hz、1H)、7.79(dd、J=8.7および2.4Hz、1H)、7.45〜7.42(m、2H)、7.05〜6.98(m、2H)、2.35(s、3H);ESMS計算値(C2114):392.1;実測値:393.2(M+H)。
【0185】
化合物70:2,6−ジフルオロ−N−(5−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド
H NMR(300MHz、CDCl)δ 8.81(s、1H)、8.47(d、J=8.4Hz、1H)、8.21〜8.20(m、1H)、7.92(s、1H)、7.78(dd、J=8.4および2.1Hz、1H)、7.59(dd、J=7.8および1.8Hz、1H)、7.50〜7.35(m、4H)、7.05〜6.99(m、2H)、2.30(s、3H);ESMS計算値(C2215):391.1;実測値:392.2(M+H)。
化合物71:N−(5−(2−クロロ−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド
H NMR(300MHz、CDCl)δ 9.07(s、1H)、8.52〜8.49(m、2H)、8.26(d、J=1.8Hz、1H)、8.07〜8.03(m、2H)、7.93(dd、J=8.7および2.4Hz、1H)、7.69〜7.66(m、1H)、7.48〜7.42(m、1H)、7.05〜6.98(m、2H);ESMS計算値(C2011ClF):412.1;実測値:413.2(M+H)。
【0186】
化合物72:N−(6−(2−クロロ−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド
H NMR(300MHz、CDCl)δ 8.76(d、J=2.7Hz、1H)、8.42(dd、J=8.7および2.7Hz、1H)、8.34(s、1H)、8.14(d、J=2.4Hz、1H)、7.92(dd、J=8.6および2.3Hz、1H)、7.85(d、J=3.3Hz、1H)、7.73(d、J=8.7Hz、1H)、7.55(d、J=8.4Hz、1H)、7.45〜7.35(m、2H)、7.02〜6.95(m、2H);ESMS計算値(C2112ClFOS):427.0;実測値:428.1(M+H)。
【0187】
化合物73:N−(6−(2−クロロ−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド塩酸塩
H NMR(300MHz、CDOD)δ 9.62(d、J=2.1Hz、1H)、8.72〜8.67(m、1H)、8.36〜8.23(m、3H)、8.00(d、J=3.3Hz、1H)、7.86(d、J=8.1Hz、1H)、7.79(d、J=3.3Hz、1H)、7.66〜7.61(m、1H)、7.19(t、J=8.1Hz、2H);ESMS計算値(C2112ClFOS):427.0;実測値:428.1(M+H)。
【0188】
化合物74:2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド
H NMR(300MHz、CDCl)δ 8.74(d、J=2.4Hz、1H)、8.43(dd、J=8.6および2.6Hz、1H)、8.02〜7.98(m、2H)、7.89(dd、J=5.0および2.1Hz、1H)、7.84(d、J=3.3Hz、1H)、7.53−7.30(m、4H)、7.03(t、J=8.3Hz、2H);ESMS計算値(C2215OS):407.1;実測値:408.2(M+H)。
【0189】
化合物75:2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド
H NMR(300MHz、CDCl)δ 8.76(d、J=2.4Hz、1H)、8.45〜8.41(m、2H)、8.29(s、1H)、8.10(d、J=1.8Hz、1H)、8.00(dd、J=8.0および2.0Hz、1H)、7.51〜7.42(m、3H)、7.01(t、J=8.1Hz、2H)、2.45(s、3H);ESMS計算値(C2114):392.1;実測値:393.2(M+H)。
【0190】
化合物76:N−(6−(2−クロロ−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド
H NMR(300MHz、CDOD)δ 8.96〜8.94(m、1H)、8.37(dd、J=8.6および2.6Hz、1H)、8.22(d、J=2.1Hz、1H)、8.08〜8.04(m、1H)、8.02(d、J=0.9Hz、1H)、7.80〜7.76(m、1H)、7.70(d、J=8.4Hz、1H)、7.60〜7.54(m、1H)、7.33(d、J=0.9Hz、1H)、7.17〜7.12(m、2H);ESMS計算値(C2112ClF):411.1;実測値:412.2(M+H)。
【0191】
化合物77:N−(6−(2−クロロ−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド塩酸塩
H NMR(300MHz、CDOD)δ 9.63〜9.61(m、1H)、8.74〜8.68(m、1H)、8.39−8.27(m、3H)、8.10(d、J=0.6Hz、1H)、7.89(d、J=8.7Hz、1H)、8.67〜8.59(m、1H)、7.40(d、J=0.6Hz、1H)、7.19(t、J=8.1Hz、2H);ESMS計算値(C2112ClF):411.1;実測値:412.2(M+H)。
【0192】
化合物78:2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド
H NMR(300MHz、CDOD)δ 8.91〜8.90(m、1H)、8.35(dd、J=8.6および2.4Hz、1H)、8.24(s、1H)、7.75〜7.67(m、2H)、7.61〜7.52(m、3H)、7.42(d、J=8.1Hz、1H)、7.14(t、J=8.1Hz、2H)、2.36(s、3H);ESMS計算値(C2215):391.1;実測値:392.3(M+H)。
【0193】
化合物79:2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド塩酸塩
H NMR(300MHz、CDOD)δ 9.60(s、1H)、8.69(d、J=7.8Hz、1H)、8.57(s、1H)、8.23(d、J=8.4Hz、1H)、7.98〜7.92(m、2H)、7.76(s、1H)、7.66〜7.60(m、2H)、7.19(t、J=8.1Hz、2H)、2.43(s、3H);ESMS計算値(C2215):391.1;実測値:392.3(M+H)。
【0194】
化合物80:4−クロロ−2−フルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド
H−NMR(CDCl)δ(ppm)8.8(d、1H、J=2)、8.5(br、1H)、8.4(dd、1H、J1=8、J2=2)、7.9〜8.2(m、3H)、7.70(s、1H)、7.2〜7.5(m、5H)、2.42(s、3H);ESMS計算値(C2215ClFN):407.1;実測値:408.0(M+H)
【0195】
Lが−NHC(S)−、または−C(S)NH−である本発明の化合物は、アミドリンカーを有する化合物をローソン試薬で処理することで調製できる。
【0196】
−CH−NH−または−NH−CH−リンカーを有する化合物は、−NHC(S)−、または−C(S)NH−リンカーを有する化合物をラネーニッケル触媒と接触させることで調製できる。あるいは、−CH−NH−または−NH−CH−リンカーを有する本発明の化合物は、−C(O)−NH−または−NH−C(O)−リンカーを有する化合物を、それぞれ、例えば水素化ホウ素ナトリウムで還元することによって調製できる(2004年7月22日出願の米国特許出願第10/897,681明細書参照のこと(その全開示内容が参照により本願明細書に援用される)。)
【0197】
−C(O)−リンカーを有する本発明の化合物は、フリーデル−クラフツアシル化反応によって調製することができる。例えば、AlClの存在下で、ピラジニル誘導体(XXIII)を酸塩化物(XXIV)と反応させ、中間体を生成し、これを、パラジウム触媒および塩基の存在下で、[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル−アリールまたは−ヘテロアリール(XXV)と反応させて、カルボニルリンカーを有する本発明の化合物(XXVI)を生成する(スキームIV参照)。
【化17】

【0198】
−C(S)−リンカーを有する本発明の化合物は、カルボニルリンカーを有する化合物から、ローソン試薬またはPのピリジン溶液で処理することにより調製できる。
【0199】
−CH−NH−または−NH−CH−リンカーを有する本発明の化合物は、−NHC(S)−、または−C(S)NH−リンカーを有する化合物をラネーニッケル触媒と接触させることで調製できる。あるいは、−CH−NH−または−NH−CH−リンカーを有する本発明の化合物は、−C(O)−NH−または−NH−C(O)−リンカーを有する化合物を、それぞれ、水素化ホウ素ナトリウムで還元して調製することができる。別法では、−NHCH−リンカー有する化合物は、スキームVIaに示すように、アルデヒド(f)をアミン(XX)と反応させたのち、水素化ホウ素ナトリウムによってシフト塩基を還元することで調製することができる。(2004年7月22日出願の米国特許出願番号第10/897,681号明細書参照(その全開示内容が参照により本願明細書に援用される)。
【化18】

【0200】
第2の実施形態:IL−2産生の阻害
ジャーカット細胞を96ウェルプレート(1% FBS培地中、1ウェル当たり細胞50万個)に撒布し、本発明の試験化合物を異なる濃度で添加した。10分後に細胞をPHA(最終濃度2.5μg/mL)によって活性化し、CO条件下で37℃にて20時間インキュベートした。最終的な体積を200μLにした。インキュベート後、細胞を遠心分離し、回収して、上清を、IL−2産生の解析前に−70℃で保存した。市販のELISAキット(IL−2 Eli−pair、Diaclone Research社、フランス国ベサンコン所在)を用い、用量反応曲線を作成し、それを用いてIL−2の産生を検出した。非刺激の対照に対して、刺激後の最大IL−2産生の50%が阻害される濃度をIC50値として算出した。
【表2】

【0201】
IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、TNF−α、INF−γなどの他のサイトカインの阻害は、各サイトカイン用の市販のELISAキットを使用して、同様に試験することができる。
【0202】
第3の実施形態:RBL細胞、ジャーカット細胞および初期T細胞におけるICRAC電流の阻害による(パッチクランプ試験)
一般に、ICRACを伝達するチャネルに対する本発明の化合物の効果を検討するために、ホールセルパッチクランプ法を用いる。上記試験においては、パッチした細胞ごとにベースライン測定を行う。更に、試験化合物を外液中の細胞に注ぎ(または吹き付け)、ICRACに対する化合物の効果を測定する。ICRACを調節(例えば阻害)する化合物は、本発明において、CRACイオンチャネル活性の調節に有用な化合物である
【0203】
1)RBL細胞
(細胞)
95%空気/5%COの雰囲気下で、ラットの好塩基球性白血病細胞(RBL−2H3)を、10%ウシ胎仔血清を添加したDMEM培地で増殖させた。細胞を、使用の1〜3日前にガラス製のシャーレに播種した。
【0204】
(記録条件)
各細胞の膜電流を、EPC10(HEKA Electronik、ドイツ国ラムブレヒト所在)により、パッチクランプ法のホールセルの構成を使用して記録した。電極(抵抗2〜5MΩ)は、ホウケイ酸ガラス製の毛細管(Sutter Instruments社、米国カリフォルニア州ノバート所在)から構成した。記録は室温で行った。
【0205】
(細胞内ピペット溶液)
標準の細胞内ピペット溶液の組成は、以下のとおりである。グルタミン酸Cs 120mM;CsCl 20mM;CsBAPTA 10mM;CsHEPES 10mM;NaCl 8mM;MgCl 1mM;IP3 0.02mM;CsOHによりpHを7.4に調整した。実験の実施前、溶液を遮光し、氷上に静置した。
【0206】
(細胞外溶液)
細胞外溶液は以下の組成である:NaCl 138mM;NaHEPES 10mM;CsCl 10mM;CaCl 100mM;グルコース 5.5mM;KCl 5.4mM;KHPO 0.4mM;NaHPO・HO 0.3mM;NaOHによりpHを7.4に調整した。
【0207】
(化合物処理)
各化合物を、DMSO中の10mM濃縮液を用い、希釈系列にて調製した。最終的なDMSO濃度を0.1%に保持した。
【0208】
(実験手順)
CRAC電流を、50ミリ秒のプロトコルを使用して2秒毎にモニターし、電圧勾配を−100mVから+100mVとした。試験ランプ間で、膜電位を0mVに保持した。典型的な実験では、ピーク内向き電流は、50〜100秒以内に生じる。一旦ICRAC電流が安定した後、細胞に化合物を含む細胞外溶液を注いだ。試験終了後、残りのICRAC電流に更に対照化合物(SKF96365、10μM)を添加し、電流がなおも阻害されうることを確認した。
【0209】
(データ解析)
MATLABを使用したオフライン分析における電圧ランプの−80mVにおける内部電流の振幅を計測することにより、ICRAC電流レベルを測定した。各濃度におけるICRAC電流抑制は、同じ細胞における実験当初のピーク振幅より算出した。各化合物のIC50値およびヒル係数を、全ての個々のデータポイントを単一のヒル方程式に代入することによって推定した。
【0210】
(結果)
以下の表は、RBL細胞中でICRAC電流の50%を阻害する本発明の化合物の濃度を示す。
【表3】

【0211】
2)ジャーカット細胞
(細胞)
ジャーカット T細胞をガラスシャーレで増殖させ、記録チャンバーに移し、以下の組成物の標準の修飾リンゲル液に保持する:NaCl 145mM、KCl 2.8mM、CsCl 10mM、CaCl 10mM、MgCl 2mM、グルコース 10mM、HEPES−NaOH 10mM、pH7.2。
【0212】
(細胞外溶液)
外液には、10mMのCaNaR、11.5mMのグルコースおよび後述の濃度の試験化合物が含まれる。
【0213】
(細胞内ピペット溶液)
標準の細胞内ピペット溶液の組成は、以下のとおりである。グルタミン酸Cs 145mM、NaCl 8mM、MgCl 1mM、ATP 0.5mM、GTP 0.3mM、CsOHによりpHを7.2に調整。溶液に、[Ca2+の最終濃度が100〜150nMになるように緩衝させた10mM Cs−BAPTAおよび4.3〜5.3mM CaClの混合溶液を添加する。
【0214】
(パッチクランプ記録)
パッチクランプ実験は、密封した全細胞計測(ホールセル)で、21〜25℃にて行う。コンピュータを用いたパッチクランプアンプシステム(EPC−9、ドイツ国ラムブレヒト所在HEKA社)を用い、高分解電流を測定する。Sylgard(登録商標)をコーティングしたパッチピペットは、標準の細胞内液の充填後、2〜4MΩの抵抗を有する。全細胞計測を構成した直後に、−100mV〜+100mVの電圧範囲で50msの電圧ランプを、300〜400秒間にわたり、0.5Hzの周期で、0mVの保持電位から供給する。全ての電圧を、外液と内液間の液間電位差が10mVとなるように較正する。電流を2.9kHzでフィルタリングし、100μs間隔でデジタル化する。EPC−9の自動キャパシタンス補正を使用して各電圧ランプの前に、容量性電流および直列抵抗を測定し、較正した。
【0215】
(データ解析)
CRACの活性化の前の最初のランプ(通常1〜3)を2kHzでデジタルフィルタリングし、プールして、その後の全ての電流記録のリークの減算に使用する。低解像度における内部電流の一時的な発生を、−80mVまたは任意の電圧で電流の振幅を測定することにより、リーク修正した個々のランプ電流記録から導出する。
【0216】
3)初期T細胞
(初期T細胞の調製)
全血2mLに100μLのRosetteSep(登録商標)ヒトT細胞濃縮混合物を添加して、ヒト全血試料から初期T細胞を調製する。混合液を室温で20分間インキュベートし、更に2% FBSを含む等容量のPBSで希釈する。混合液をRosetteSep(登録商標)DM−L濃縮培地の上に積層し、次に室温で1200gで20分間遠心分離する。濃縮されたT細胞が血漿/濃縮培地の界面に回収され、次に2%FBSを含むPBSで二回洗浄し、RBL細胞で説明した手順の後、パッチクランプ試験に使用する。
【0217】
第4の実施形態:ヒトの初期PBMCにおける様々なサイトカインの阻害
末梢血単核細胞(PBMC)は、本発明の化合物またはサイクロスポリンA(CsA)(公知のサイトカイン産生阻害物質)の様々な濃度条件下で、フィトヘマグルチニン(PHA)により刺激される。市販のヒトELISA分析キット(Cell Science社)を使用し、メーカーの指示に従ってサイトカイン産生を測定した。
【0218】
本発明の化合物は、初期のヒトPBM細胞のIL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、INF−γ、およびTNF−αの強力な阻害剤であるとも予想される。更に、本発明の化合物は、抗炎症性サイトカイン(IL−10)を阻害しないことが期待される。
【0219】
第5の実施形態:RBL細胞内の脱顆粒の阻害
(方法)
アッセイの前日、96ウェルプレート内で増殖して密生したRBL細胞を、37℃で少なくとも2時間インキュベートする。各ウェル内の培地を、2μLg/mLの抗−DNPIgEを含む100μLの新鮮な培地と交換する。
【0220】
翌日、細胞をPRS(2.6mMグルコースおよび0.1%BSA)で一回洗浄し、160μLのPRSを各ウェルに加える。所望濃度の10倍の溶液である試験化合物20μLをウェルに加え、37℃で20〜40分間インキュベートした。20μLの10×マウス抗IgE(10μL/ml)を加える。抗−IgEを加えてから15〜40分後、最大脱顆粒が起こる。
【0221】
本発明の化合物は、RBL細胞内の脱顆粒の強力な抑制剤であると期待される。
【0222】
第6の実施形態:T細胞における化学走化性の阻害
【0223】
(T細胞の単離):
ヘパリン化全血(ブタ2頭、ヒト1名)の20mLのアリコートを、Ficoll Hypaqueで密度勾配遠心分離する。リンパ球および単球を含む末梢血単核細胞(PBMC)を表すバッフィーコート層を一度洗浄し、12mlの不完全RPMI 1640中に再懸濁したのち、37℃で1時間、ゼラチンコートしたT75培養フラスコに置く。非接着性の細胞は、単球の減少した末梢血リンパ球(PBL)を表し、完全RPMI培地中で再懸濁して、暖かい培地で平衡化したゆるくパックされた活性ナイロンウールカラムに置く。37℃で1時間後、追加の培地でカラム内を洗浄して非接着性のT細胞集団を溶出させる。T細胞調製物を遠心分離し、5mlの不完全RPMI中で再懸濁させ、血球計数器を使用してカウントする。
【0224】
(細胞移動試験):
各T細胞調製物のアリコートを、Calcein AM(TefLabs)で標識し、1.83mMのCaClおよび0.8mMのMgClを含むpH7.4の緩衝化ハンク平衡塩溶液(HHBSS)中で、2.4×10/mlの濃度で懸濁させる。次に、等体積の0nM、20nM、200nMまたは2000nMの化合物1または20nMのEDTAを含むHHBSSを加え、細胞を37℃で30分間インキュベートする。細胞懸濁液の50μlのアリコート(60,000個の細胞)を、HHBSS中10ng/mLのMIP−1αを含むウェル上に固定されたNeuroprobe ChemoTx 96ウェル化学走化性ユニットのメンブレン(細孔寸法5μm)に散布する。T細胞を37℃で2時間移動させると、メンブレンの先端面から細胞が消失する。次に、化学走化性ユニットを、Cytofluor 4000(PerSeptive BioSystems)に置き、各ウェルの蛍光を測定する(励起波長および発光波長はそれぞれ450nmおよび530nm)。膜を固定する前に、化学走化性ユニットの下部セルにある標識細胞の倍数希釈系列の蛍光を測定することにより、生成した標準曲線から、各ウェル内の移動した細胞の数を決定する。
【0225】
本発明の化合物は、RBL細胞内の脱顆粒の強力な抑制剤であると期待される。
【0226】
発明において引用される全ての刊行物、特許出願、特許および他の文書は、その全内容が援用される。矛盾が存在する場合には、定義を含め本明細書の記載が優先する。更に、材料、方法および実施形態は例示のみを目的として開示され、どのような形であれ本発明を限定するものではない。
【0227】
上記の説明から、本願明細書に記載した本発明に変形および変更を加えることができることは明らかである。このような実施形態も、添付の請求項の範囲に含まれる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(II)によって表される化合物、
【化1】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグであり、
式中、Yが、置換されたイソオキサゾリルまたは置換された1H−ピロリルでないことを条件として、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
が、−NHCH−、−CHNH−、−NR−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、または−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、化合物。
【請求項2】
が、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、任意に置換されたフェニルまたは任意に置換されたチアジアゾリルである請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が任意に置換されたフェニルである請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が1〜2の置換基で置換されている請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記1〜2の置換基が各々独立に低級アルキルまたはハロである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がジフルオロフェニルである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである請求項3に記載の化合物。
【請求項9】
が−NR−C(O)−である請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Rが−Hである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
が、−C(O)OR、ハロアルキル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたチオフェニル、任意に置換されたフラニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、または任意に置換されたテトラゾリルである請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、チアゾル−5−イル、[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、ピリジン−3−イル、ピリジン−2−イル、−C(O)OCHCHCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)OCHである請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
が、−H、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、またはメトキシである請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
nが0である請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
nが1であり、Zがメチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
がNである請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
がCHである請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
がNである請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
がCHである請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアジアゾリル、または任意に置換されたチオフェニルであり;
が、−C(O)OR、ハロアルキル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたチアゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたチオフェニル、任意に置換されたフラニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたオキサジアゾリル、または任意に置換されたテトラゾリルであり;
またはXの一方がCHであり;
nが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
が−NH−C(O)−である請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
が、−H、クロロ、フルオロ、ブロモ、メチル、またはメトキシである請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
が、オキサゾル−2−イル、オキサゾル−5−イル、チアゾル−2−イル、チアゾル−5−イル、[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル、トリフルオロメチル、ピリジン−3−イル、ピリジン−2−イル、−C(O)OCHCHCH、−C(O)OCHCH、または−C(O)OCHである請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
がジフルオロフェニルである請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
が4−メチル−1,2,3−チアジアゾル−5−イルである請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物が、
N−[6−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−イソニコチンアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−フルオロ−イソニコチンアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
4−クロロ−3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸メチルエステル;
3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−安息香酸メチルエステル;
N−[5−(2−クロロ−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
N−[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−4−メチル−ピリジン−2−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
3−[5−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−2−イル]−4−メチル−安息香酸メチルエステル;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[4−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボン酸[5−(2−クロロ−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−アミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミドヒドロクロリド;
4−メチル−N−(5−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド;
3−(6−ベンゾイルアミノ−ピリジン−3−イル)−4−クロロ−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−[6−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(3−メチル−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(3−フルオロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(3−クロロ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−[1,2,3]チアジアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−[1,2,3]オキサジアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(5−メチル−3H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−イソチアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−メチル−オキサゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(2−メチル−2H−ピラゾール−3−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
4−クロロ−3−{6−[(4−フルオロ−イソチアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−ピリジン−3−イル}−安息香酸メチルエステル;
3−メチル−N−[5−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−イソニコチンアミド;
3−メチル−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−イソニコチンアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−メチル−6−(3−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[4−メチル−5−(3−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−メチル−5−(3−オキサゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
3−メチル−N−[5−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−イソニコチンアミド;
3−メチル−N−[6−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−イソニコチンアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミドヒドロクロリド;
N−[5−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−3−メチル−イソニコチンアミド;
N−[6−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−3−メチル−イソニコチンアミド;
N−[6−(2−クロロ−5−チアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−2,6−ジフルオロ−ベンズアミド;
3−[5−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−2−イル]−4−メチル−安息香酸エチルエステル;
3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−4−メチル−安息香酸エチルエステル;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−オキサゾル−5−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−オキサゾル−5−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(5−イソオキサゾル−5−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(5−イソオキサゾル−5−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−{5−[2−メチル−5−(3−メチル−イソオキサゾル−5−イル)−フェニル]−ピリジン−2−イル}−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−{6−[2−メチル−5−(3−メチル−イソオキサゾル−5−イル)−フェニル]−ピリジン−3−イル}−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−ピリジン−3−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[6−(2−メチル−5−ピリジン−2−イル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−[1,3,4]オキサジアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−[1,3,4]チアジアゾル−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
4−クロロ−3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸プロピルエステル;
4−クロロ−3−[6−(2,6−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−ピリジン−3−イル]−安息香酸2−メトキシ−エチルエステル;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(5−フラン−2−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−チオフェン−2−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−フルオロ−N−[5−(5−フラン−3−イル−2−メチル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−[5−(2−メチル−5−チオフェン−3−イル−フェニル)−ピリジン−2−イル]−ベンズアミド;
N−(5−(2−メトキシ−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド;
N−(5−(5−(イソオキサゾル−5−イル)−2−メチルフェニル)ピリジン−2−イル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド
2,6−ジフルオロ−N−(5−(2−メチル−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−(5−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)ベンズアミド;
N−(5−(2−クロロ−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−2−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド塩酸塩;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(チアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(1,3,4−オキサジアゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド;
N−(6−(2−クロロ−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)−2,6−ジフルオロベンズアミド塩酸塩;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
2,6−ジフルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−5−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド塩酸塩;または
4−クロロ−2−フルオロ−N−(6−(2−メチル−5−(オキサゾル−2−イル)フェニル)ピリジン−3−イル)ベンズアミド;
あるいはこれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグからなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
薬学的に許容される担体および請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項28】
一種類以上の追加の治療薬を更に含む請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記追加の治療薬が、免疫抑制剤、抗炎症薬およびこれらの適切な混合物からなる群から選択される請求項28記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記追加の治療薬が、ステロイド、非ステロイド系消炎薬、抗ヒスタミン剤、鎮痛薬およびこれらの適切な混合物からなる群から選択される請求項29記載の医薬組成物。
【請求項31】
請求項1〜26のいずれか1項の化合物を細胞に投与することを含む、免疫細胞活性化の阻害方法。
【請求項32】
対象に前記化合物を投与することによって、免疫細胞の活性化が前記対象において阻害される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記対象がヒトである請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項1〜26のいずれか1項の化合物を細胞に投与することを含む、前記細胞におけるサイトカイン産生の阻害方法。
【請求項35】
対象に前記化合物を投与することによって、サイトカイン産生が前記対象において阻害される請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記対象がヒトである請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記サイトカインが、IL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、IFN−γ、TNF−αおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記サイトカインがIL−2である請求項37に記載の方法。
【請求項39】
請求項1〜26のいずれか1項記載の化合物を細胞に投与することを含む、前記細胞において免疫細胞活性化に関与するイオンチェネルの調節方法。
【請求項40】
前記イオンチャネルが対象に存在し、前記対象に前記化合物を投与することによって調節される請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記対象がヒトである請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記イオンチャネルがCa2+放出活性化型Ca2+チャネル(CRAC)である請求項40に記載の方法。
【請求項43】
請求項1〜26のいずれか1項記載の化合物を細胞に投与することを含む、抗原に応答するT細胞および/またはB細胞の増殖の阻害方法。
【請求項44】
対象に前記化合物を投与することによって、前記T細胞および/またはB細胞の増殖が前記対象において阻害される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記対象がヒトである請求項44に記載の方法。
【請求項46】
必要とする対象における免疫疾患の治療または予防方法であり、請求項1〜26のいずれか1項記載の化合物の有効量を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項47】
前記対象がヒトである請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記疾患は、多発性硬化症、重症筋無力症、ギラン−バレー症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫血小板減少、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、ヴェーゲナー肉芽腫症等の脈管炎、ベーチェット病、乾癬、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変症、自己免疫肝炎、1型または免疫性糖尿病、バセドウ病、橋本病、自己免疫性卵巣炎および自己免疫性睾丸炎、副腎の自己免疫不全、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、強直性脊椎炎、およびシェーグレン症候群からなる群から選択される請求項46に記載の方法。
【請求項49】
必要とする対象における炎症症状の治療または予防方法であり、請求項1〜26のいずれか1項記載の化合物の有効量を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項50】
前記対象がヒトである請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記疾患は移植拒絶、植皮拒絶、関節炎、慢性関節リウマチ、骨関節症、骨吸収の増大を伴う骨疾患;炎症性腸疾患、回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、クローン病;喘息、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性気道疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、回旋糸状虫症、ブドウ膜炎、交感眼炎、眼内炎;歯肉炎、歯周炎;結核;ハンセン病;尿毒性の合併症、糸球体腎炎、ネフローゼ;硬化性皮膚炎、乾癬、湿疹;神経系の慢性脱髄性疾患、多発性硬化症、AIDS起因性神経変性症、アルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症およびウイルス性または自己免疫性脳炎;自己免疫疾患、免疫複合体脈管炎、全身性狼瘡および紅斑性狼瘡;全身性エリテマトーデス(SLE);心筋症、虚血性心疾患、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、子癇前症;慢性肝不全、脳と脊髄の外傷、癌から選択される請求項49に記載の方法。
【請求項52】
必要とする対象の免疫系の抑制方法であり、請求項1〜26のいずれか1項記載の化合物の有効量を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項53】
前記対象がヒトである請求項52に記載の方法。
【請求項54】
必要とする対象におけるアレルギー性疾患の治療または予防方法であり、請求項1〜26のいずれか1項記載の化合物の有効量を前記対象に投与することを含む方法。
【請求項55】
前記対象がヒトである請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記疾患が、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎、慢性中耳炎、再発性中耳炎、薬物反応、昆虫刺傷反応、ラテックス反応、結膜炎、蕁麻疹、アナフィラキシー反応およびアナフィラキシー様反応、アトピー性皮膚炎、喘息または食物アレルギーである請求項54に記載の方法。
【請求項57】
構造式(I)によって表される化合物、
【化2】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを細胞に投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、免疫細胞活性化の阻害方法。
【請求項58】
対象に前記化合物を投与することによって、免疫細胞の活性化が前記対象において阻害される請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記対象がヒトである請求項58に記載の方法。
【請求項60】
構造式(I)によって表される化合物、
【化3】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを細胞に投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、前記細胞におけるサイトカイン産生の阻害方法。
【請求項61】
対象に前記化合物を投与することによって、サイトカイン産生が前記対象において阻害される請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記対象がヒトである請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記サイトカインが、IL−2、IL−4、IL−5、IL−13、GM−CSF、IFN−γ、TNF−αおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記サイトカインがIL−2である請求項63に記載の方法。
【請求項65】
構造式(I)の化合物、
【化4】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを細胞に投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、前記細胞において免疫細胞活性化に関与するイオンチェネルの調節方法。
【請求項66】
前記イオンチャネルが対象に存在し、前記対象に前記化合物を投与することによって調節される請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記対象がヒトである請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記イオンチャネルがCa2+放出活性化型Ca2+チャネル(CRAC)である請求項66に記載の方法。
【請求項69】
構造式(I)の化合物
【化5】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを細胞に投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、抗原に応答するT細胞および/またはB細胞の増殖の阻害方法。
【請求項70】
対象に前記化合物を投与することによって、前記T細胞および/またはB細胞の増殖が前記対象において阻害される請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記対象がヒトである請求項70に記載の方法。
【請求項72】
構造式(I)の化合物、
【化6】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを必要とする対象に、投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
が、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、免疫疾患の治療または予防方法。
【請求項73】
前記対象がヒトである請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記疾患は、多発性硬化症、重症筋無力症、ギラン−バレー症候群、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫血小板減少、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、ヴェーゲナー肉芽腫症等の脈管炎、ベーチェット病、乾癬、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変症、自己免疫肝炎、1型または免疫性糖尿病、バセドウ病、橋本病、自己免疫性卵巣炎および自己免疫性睾丸炎、副腎の自己免疫不全、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、強直性脊椎炎、およびシェーグレン症候群からなる群から選択される請求項72に記載の方法。
【請求項75】
構造式(I)の化合物、
【化7】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを必要とする対象に、投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
およびRが、各々独立に、水素原子、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、炎症症状の治療または予防方法。
【請求項76】
前記対象がヒトである請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記疾患は移植拒絶、植皮拒絶、関節炎、慢性関節リウマチ、骨関節症、骨吸収の増大を伴う骨疾患;炎症性腸疾患、回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、クローン病;喘息、成人呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性気道疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、回旋糸状虫症、ブドウ膜炎、交感眼炎、眼内炎;歯肉炎、歯周炎;結核;ハンセン病;尿毒性の合併症、糸球体腎炎、ネフローゼ;硬化性皮膚炎、乾癬、湿疹;神経系の慢性脱髄性疾患、多発性硬化症、AIDS起因性神経変性症、アルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症およびウイルス性または自己免疫性脳炎;自己免疫疾患、免疫複合体脈管炎、全身性狼瘡および紅斑性狼瘡;全身性エリテマトーデス(SLE);心筋症、虚血性心疾患、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、子癇前症;慢性肝不全、脳と脊髄の外傷、癌から選択される請求項75に記載の方法。
【請求項78】
構造式(I)の化合物の有効量、
【化8】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを必要とする対象に、投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、免疫系の抑制方法。
【請求項79】
前記対象がヒトである請求項78に記載の方法。
【請求項80】
構造式(I)の化合物、
【化9】

あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、包接化合物またはプロドラッグを、必要とする対象に、投与することを含み、
式中、Yが、任意に置換された単環式アリールまたは任意に置換された単環式ヘテロアリールであり;
Lが、−NRCR−、−CRNR−、−C(O)−、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−NR−C(S)−、−C(S)−NR−からなる群から選択されるリンカーであり;
またはXの一方がCHまたはCZであり、他方がNであり;
各Zが、独立に、低級アルキル、低級ハロアルキル、ハロ、低級アルコキシ、低級アルキルスファニル、−S(O)−アルキル、−C(O)NRR、−(CHNRR、−(CHOR、−(CHSR、シアノ、ニトロ、または低級ハロアルコキシからなる群から選択され;
Rが、各々独立して、−Hまたはアルキルから選択され;
が、H、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、−OR、−SR、または−NRであり;
が、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)SR、−C(O)NR10、−C(S)R、−C(S)OR、−C(S)SR、−C(S)NR、−C(NR)R、−C(NR)OR、−C(NR)SR、−C(NR)NR、−S(O)、−S(O)NR、−S(O)OR、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(R、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキル(heteralalkyl)であり;
およびRが、各々独立に、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、任意に置換されたアラルキルまたは任意に置換されたヘテロアラルキルであるか;あるいは、RおよびRが、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
が、各々独立して、−H、ハロ、アルキル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、または−C(O)NRであり;
およびR10が、各々独立して、H、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換された5〜14員環シクロアルキル、任意に置換されたシクロアルケニル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたアラルキル、任意に置換されたヘテロアラルキル、あるいは任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチエニル、任意に置換されたピロリル、任意に置換されたオキサゾリル、任意に置換されたイミダゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイソオキサゾリル、任意に置換されたピラゾリル、任意に置換されたイソチアゾリル、任意に置換されたピリダジニル、任意に置換されたピリミジニル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたトリアジニル、任意に置換されたトリアゾリル、任意に置換されたピリジニル、任意に置換されたチアジアゾリル、任意に置換されたピラジニル、任意に置換されたキノリニル、任意に置換されたイソキノリニル、任意に置換されたインダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾフリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたインドリジニル、任意に置換されたイミダゾピリジニル、任意に置換されたテトラゾリル、任意に置換されたベンズイミダゾリル、任意に置換されたベンゾオキサゾリル、任意に置換されたベンゾチアゾリル、任意に置換されたベンゾチアジアゾリル、任意に置換されたベンズオキサジアゾリル、任意に置換されたインドリル、任意に置換されたテトラヒドロインドリル、任意に置換されたアザインドリル、任意に置換されたイミダゾピリジル、任意に置換されたキニザオニリル、任意に置換されたプリニル、任意に置換されたピロロ[2,3]ピリミジル、任意に置換されたピラゾロ[3,4]ピリミジルまたは任意に置換されたベンゾ(b)チエニルからなる群から選択された任意に置換されたヘテロアリールであるか;あるいは、RおよびR10が、窒素原子を伴って結合し、任意に置換されたヘテロシクリルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり;
qが、各々独立して、1〜3の整数であり;
kが、各々独立して、1〜4の整数であり;
nが、0、1、または2であり;
pが、各々独立に、1または2である、アレルギー性疾患の治療または予防方法。
【請求項81】
前記対象がヒトである請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記疾患が、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎、慢性中耳炎、再発性中耳炎、薬物反応、昆虫刺傷反応、ラテックス反応、結膜炎、蕁麻疹、アナフィラキシー反応およびアナフィラキシー様反応、アトピー性皮膚炎、喘息または食物アレルギーである請求項80に記載の方法。


【公表番号】特表2009−525285(P2009−525285A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552512(P2008−552512)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/002790
【国際公開番号】WO2007/089904
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(504151848)シンタ ファーマシューティカルズ コーポレーション (72)
【Fターム(参考)】