説明

炭酸脱水酵素IXの阻害剤

CA−IXの過剰な発現によって特徴付けられる疾患の診断的画像化及び治療処置に有用である新規な放射性医薬品は、CA−IXの活性な触媒部位に結合し得るスルホンアミド部分、並びに、放射性イメージング及び/又は放射性治療に適した放射性核種を含む錯体を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2008年1月9日出願の米国仮特許出願第61/020,043号、2008年8月14日出願の米国仮特許出願第61/088,980号、及び2008年12月31日出願の米国仮特許出願第61/142,002号に対する優先権を主張するものであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は概して、疾患の診断画像化及び治療処置のための放射性医薬品に関し、詳細には炭酸脱水酵素IX(CA−IX)の放射性標識された阻害剤に関する。
【背景技術】
【0003】
腫瘍細胞の表面上における別個のタンパク質の発現により、腫瘍の表現型の同一性、並びに、生化学的組成及び活性、をプローブすることで調べて疾患を診断するとともに、その特徴を明らかにする機会が得られる。また、特定の腫瘍細胞表面タンパク質に対して選択的に結合する放射性分子により、腫瘍関連タンパク質の存在及び量を検出するための非侵襲性画像技術の使用、例えば、分子画像化又は核医学の使用が可能になり、それによって、疾患の診断及び程度、予後診断、並びに治療管理の選択肢、に関連するバイタル情報が得られる。さらに、疾患を画像化できるだけでなく、疾患組織に対して治療用の放射性核種を送達することもできる放射性医薬品が調製され得るので、治療、特にガン治療の実現が可能である。低酸素状態に応じた腫瘍におけるCA−IXの選択的な発現により、非侵襲性の画像化及び標的化放射性治療の開発のための格好の標的がもたらされる。
【0004】
2〜3ミリメートルを超える直径に成長するには、腫瘍微小転移巣は、急速な増殖という高代謝率の特性を維持するために酸素の供給を得る必要があり、かつ新規な血管の形成を誘導することによって酸素の供給を得ることが知られている。血管からの腫瘍細胞の距離は腫瘍の酸素圧に反比例する。血管形成を生じて血液供給が確立される場合でさえ、増殖している腫瘤血管内部の小領域は、低酸素のままであり、かつ最終的に壊死に至る。
【0005】
低酸素状態は、放射線療法に対する反応が乏しいことと関係し、腫瘍抵抗性をもたらす。酸素は放射線によって生じるフリーラジカルの細胞毒性作用に必須であり、腫瘍に損傷を与えるためには、より高度の、多くの場合は不適合性の放射線レベルが必要である。従って、低酸素状態のために放射線療法に対する反応が期待されず、かつ利用可能な別の低酸素活性化化学療法の対象となる患者を、ガンの低酸素状態に基づいて層別化するには非侵襲的技術が必要である。低酸素状態は、腫瘍と正常な組織との間の主な相違を構成するものであり、それは腫瘍特異的プローブの発展のために利用される。
【0006】
低酸素状態は、特定の遺伝子の発現に対して強力な刺激であり、そのいくつかは、血管形成を誘発するように働いて、その結果腫瘍に酸素を供給し、代謝を増大して酸素抽出因子を増大し、かつ、腫瘍増殖にとって好ましい環境を増進する。低酸素誘導性遺伝子の活性化は、部分的には、転写因子HIF−1αによって媒介される。正常酸素状態のもとでは、HIF−1αは、プロリンヒドロキシラーゼによるタンパク質の酸素誘発性分解ドメインに存在するプロリン残基上でヒドロキシル化される。ヒドロキシプロリンは、結合される場合には、HIF−1αのユビキチン化及び分解を促進する腫瘍サプレッサーであるフォン・ヒッペル・リンドゥ因子(VHL)の結合を促進する。低酸素状態の間、プロリンヒドロキシラーゼが阻害され、VHLはもはやHIF−1αに結合せず;現在安定化されたHIF−1αは、核に転位して、HIF−1αと会合する。次いで、このヘテロ二量体転写因子は、炭酸脱水酵素のアイソフォームCA−IX、並びに、VEGF、エリスロポイエチン、及びグルコース輸送体、などの標的遺伝子のプロモーター領域におけるHIF−1反応性のDNA配列に結合する。
【0007】
炭酸脱水素酵素は、反応:CO2+H2O←→HCO3-+H+を触媒する16個のアイソザイムを含んで構成される酵素のファミリーであり、従ってpH調節において重要な役割を果たす。特定のアイソザイムが、サイトゾル内か、膜に結合されるか、ミトコンドリア内で見出されるか、又は細胞から分離される。十分研究された構成的に発現されるアイソザイムである、炭酸脱水酵素IIはほとんどの細胞型のサイトゾルで見出され、細胞内pHの調節を担う主なアイソフォームである。
【0008】
CA−IXは細胞外間隙における触媒性ドメインを有する酵素の膜結合性アイソフォームである。これは組織分布が限られており、かつ主に胃腸管において低レベルで見出される。CA−IXは、HIF−1αの制御下で発現し、かつこのアイソザイムは、インビトロ及びインビボの両方で低酸素に曝された腫瘍細胞で高度に発現される。増大したCA−IX発現は、頸部、卵巣、腎臓、食道、肺、乳房、及び脳、の癌腫で検出されている。CA−IXは細胞外の酸性化を促進することが報告されている。低い細胞外pHはCA−IXの活性の結果として、腫瘍化軽質転換、染色体再配置、細胞外基質破壊、移行及び浸潤、成長因子の誘導、プロテアーゼ活性化、並びに化学療法剤耐性、をもたらす。
【0009】
CA−IXは、腫瘍進行及び低生存率と相関することが、免疫組織化学によって及び種々の分子技術によって示されており、乳房、腎臓及び非小細胞肺癌のための臨床診断及び予後診断マーカーとして提唱されている。キメラ124I−標識抗−CA−IX抗体G250は現在、明細胞腎癌の検出について臨床試験中であって、これによってCA−IXがガン標的として確認されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
G250のようなインタクトな抗体は、腫瘍の放射性標的化のための能力をもたらすが、長期循環の半減期及び組織透過性が劣ることで、放射性診断剤及び放射性治療剤としてのその有効性は制限される。種々の生物学的に活性な分子が、放射性核種の担体として開発されている。しかし、低分子は、抗体及びタンパク質を上回る有意な利点をもたらす。一般には、低分子がそのレセプターに対する親和性は、モノクローナル抗体のものと同様である。定義によれば低分子とは、細胞外間隙への拡散性の増強、より速い血中クリアランスを呈し、バックグラウンドの放射線が低い。さらに、多様な化学的特性を呈するアナログを合成する機会によって、結合親和性及び薬物動態の変更が可能になる。
【0011】
現在では、CA−IXの多くの低分子阻害剤が、標的器官に存在する他のCAアイソザイムの阻害に起因して望ましくない副作用を示す。CA−IXの細胞外位置に起因して、出願人らは、CA−IX阻害剤の膜不透過性が膜会合したCAアイソザイムのみを選択的に阻害し、従って、非膜会合のCAアイソザイムを含めて他の阻害から生じ得る望ましくない副作用を潜在的に軽減するということを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、CA−IXの過剰な発現によって特徴付けられる疾患の診断的画像化及び治療処置に有用である新規な放射性医薬品を提供する。この放射性医薬品は、CA−IXの活性な触媒部位に結合し得るスルホンアミド部分、並びに、放射性イメージング及び/又は放射性治療に適した放射性核種、を含む錯体又は化合物を含んで構成される。
【0013】
一態様では、構造式Iの錯体、その立体異性体又は薬学的に許容できる塩が提供される。
【化1】

構造式中、Vは、結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化2】

という基、又は
【化3】

という基(ここで、Xは、O又はSであり、Uは、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2という基(pは1〜3におよぶ整数)である)であり;
Wは、結合、O、又はNHであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
金属は、放射性核種を含んで構成される金属部分を意味し;かつ
キレートは、前記放射性核種と配位して前記錯体を形成するキレート部分を意味する。
【0014】
別の態様では、一般式IIの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容できる塩が提供される。
【化4】

構造式中、V1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化5】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され;
Wは、結合、O、又はNHであり;
1及びW2は、独立して結合、NH、C=X、又は
【化6】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
qは、1〜6におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0015】
さらに別の態様では、一般式IIIの化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩が提供される。
【化7】

構造式中、V1及びV2は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化8】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここでR6は低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から独立して選択され;
1は、結合、NH、C=X、又は
【化9】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり、;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
qは、1〜6におよぶ整数であり;
yは、0〜6におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0016】
さらに別の態様では、構造式IVの化合物、又はその立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩が提供される。
【化10】

構造式中、V1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化11】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
qは、1〜6におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0017】
さらなる態様では、構造式Vの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容できる塩が提供される。
【化12】

構造式中、Xは、O又はSであり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
、R、R、及びRは、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され;かつ
は、H又は低級アルキルである。
【0018】
別の態様では、CA−IXを発現する哺乳動物の組織を画像化する方法が提供され、この方法は、CA−IXを選択的に阻害する放射性標識された化合物又は錯体の有効量をこの哺乳動物に投与する工程を含んで構成される。好ましい実施形態では、この放射性標識された錯体は、CA−IX阻害剤の放射性核種含有キレート誘導体を含む。別の好ましい実施形態では、この放射性標識された化合物は、CA−IX阻害剤の放射性ハロゲン化誘導体を含む。特に好ましい実施形態では、構造式I、II、III、IV、及びV、並びに追加の定義、で提示される錯体又は化合物の有効量が哺乳動物に投与される。さらに、本発明は、CA−IXを発現する腫瘍を保有しているのか不明な哺乳動物を画像化する方法を包含し、この方法は、放射性標識されたCA−IX阻害剤の有効量を前記哺乳動物に投与する工程を含んで構成される。
【0019】
さらなる態様では、CA−IXの過剰な発現によって特徴付けられる疾患に罹患している哺乳動物を処置する方法が提供される。この方法は、放射性標識されたCA−IX阻害剤、好ましくは放射性核種含有キレート誘導体又は放射性ハロゲン誘導体、さらに好ましくは、構造式I、II、III、IV、及びV、並びに追加の定義、によって示される錯体又は化合物の治療上有効な量を哺乳動物に投与する工程を含んで構成される。さらに、本発明は、CA−IXを発現する腫瘍を保有しているのか不明な哺乳動物を処置する方法を包含し、この方法は、放射性標識されたCA−IX阻害剤の有効量をこの哺乳動物に投与する工程を含んで構成される。
【0020】
さらに別の態様では、本発明の錯体又は化合物、及び薬学的に許容できる担体、並びに必要に応じてそれらの使用説明書、を含んで構成されるキットが提供される。このようなキットの用途としては、治療的な管理及び医学画像の適用が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明のこれら及び種々の他の特徴及び利点は、以下に示される添付の図面及び添付の特許請求の範囲と組み合わせて、以下の詳細な説明を読み取る際にさらに理解されるであろう。
【図1A】本発明の一実施形態による99mTc(CO)3MIP−1162のラジオクロマトグラムを示しているグラフである。
【図1B】本発明の一実施形態によるRe(CO)3MIP−1162のUV−可視のトレースを示しているグラフである。
【図2】本発明のいくつかの実施形態による、いくつかの化合物によるCA IX活性の阻害を図示しているグラフである。
【図3】本発明のいくつかの実施形態による、いくつかの化合物によるCA IX活性の阻害を図示しているグラフである。
【図4A】本発明の一実施形態に従ってスタンナン前駆体(すぐ下のスキームを参照のこと)から調製した粗131I−MIP−1222のラジオクロマトグラムを示しているグラフである。
【化13】

【図4B】本発明の一実施形態に従ってMIP−1222のUV−可視トレースのラジオクロマトグラムを示しているグラフである。
【図4C】本発明の一実施形態に従ってTOM+3日で、HPLC精製した131I−MIP−1222のラジオクロマトグラムを示しているグラフである。
【図5】本発明のいくつかの実施形態に従ういくつかの化合物によるCA−IX活性の阻害パーセントを示しているグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の種々の実施形態が本明細書において後述される。特定の実施形態が、本発明の包括的な説明として、又は本発明の範囲に対する限定として意図されないことに注意されたい。本発明の特定の実施形態と組み合わせて記載される一態様は、必ずしもその実施形態を限定するものではなく、本発明の任意の他の実施形態(単数又は複数)で行われ得る。
【0023】
本明細書において用いる場合、別段示すのでない限り、用語の以下の定義があてはまるものとする。
【0024】
「錯体」とは、独立して存在可能な1つ以上の電子リッチな及び電子プアな分子、又は原子と、1つ以上の電子的にプアな分子、又は原子であって、それらもまた夫々独立して存在可能なものと、の結合により形成された化合物を指す。
【0025】
「リガンド」とは、別の種といくつかの方式で相互作用する種を指す。一例では、リガンドは、ルイス酸(Lewis Acid)との配位結合を形成できるルイス塩基(Lewis base)であってもよい。他の例では、リガンドは、金属イオンと配位結合を形成する種(多くの場合、有機)である。リガンドは、金属イオンと配位する場合、当業者に公知の種々の結合モードを有する場合があり、これには、例えば、末端(すなわち、単一の金属イオンに対する結合)及び架橋(すなわち、2つ以上の金属イオンに対して結合した1原子のルイス塩基)が挙げられる。
【0026】
「キレート」又は「キレート剤」とは、金属イオンへの供与に利用可能な2つ以上の非共有電子対を有する分子、多くの場合は有機の分子、及び多くの場合はルイス塩基を指す。金属イオンは通常、キレート剤に対して2つ以上の電子対によって配位される。「二座キレート剤」、「三座キレート剤」、「四座キレート剤」という用語は、キレート剤によって配位された金属イオンに対する同時供与が容易に可能な、それぞれ、2つ、3つ、及び4つの電子対を有するキレート剤を指す。通常は、キレート剤の電子対は、単一の金属イオンと配位結合を形成するが、特定の実施例では、キレート剤は、可能な種々の結合モードで、2つ以上の金属イオンと配位結合を形成し得る。
【0027】
「放射性核種」とは、裸眼によって、又は適切な装置、例えば、ポジトロン放出断層撮影(PET)及び単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)を用いることによって検出される、検出可能な画像を作製し得る分子を指す。本開示内で有用な放射性核種としては、ガンマ放射体及びX線放射体などの貫通性光子放出体が挙げられる。これらの線は、電子捕獲、ベータ放出及び異性体転位などの核変換を伴う。有用な放射性核種としては、光子(80〜400keV)及び陽電子プロデューサー、511keVの消滅光子、並びに、吸収された光子、粒子、及び半減期に起因する許容可能な放射線量、をそれぞれ有するものが挙げられる。放射性核種としては、元素の放射性同位体が挙げられる。放射性核種の例としては、123I、125I、99mTc、18F、68Ga、62Cu、111In、131I、186Re、188Re、90Y、212Bi、211At、89Sr、166Ho、153Sm、67Cu、64Cu、100Pd、212Pb、109Pd、67Ga、94Tc、105Rh、95Ru、177Lu、170Lu、11C、及び76Brが挙げられる。
【0028】
「配位」とは、1つの金属イオンに対して1つの多電子対のドナーが配位的に結合する(配位される)相互作用を指す。
【0029】
「テザー(tether)」とは、金属イオン中心と別の化学的部分との間の化学結合部分を指す。
【0030】
「ルイス塩基(Lewis base)」及び「ルイス塩基性(Lewis basic)」とは、当該分野で認識され、かつ一般には特定の反応条件下で電子の対を供与できる化学的部分を指す。ルイス塩基及び金属イオンの同一性に依存して、ルイス塩基を、特定の錯体で単一の電子を供与するものとみなすことが可能な場合もあるが、ほとんどの目的については、ルイス塩基は2電子供与体としてもっともよく理解される。ルイス塩基性部分の例としては、非荷電の化合物(例えば、アルコール、チオール、及びアミン)、並びに荷電部分(例えば、アルコキシド、チオレート、カルバニオン、及び種々の他の有機陰イオン)が挙げられる。特定の実施例では、ルイス塩基は、単一の原子、例えば、酸化物(O2-)からなる場合もある。特定のまれな状況では、ルイス塩基又はリガンドは、正に荷電される場合がある。ルイス塩基は、金属イオンに配位される場合、リガンドと呼ばれる場合が多い。本発明に関連するリガンドのさらなる説明は本明細書に提示される。
【0031】
「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子(好ましくは1〜6個の炭素原子)を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語は、例えば、直線及び分枝のヒドロカルビル基、例えば、メチル(CH3−)、エチル(CH3CH2−)、n−プロピル(CH3CH2CH2−)、イソプロピル((CH32CH−)、n−ブチル(CH3CH2CH2CH2−)、イソブチル((CH32CHCH2−)、sec−ブチル((CH3)(CH3CH2)CH−)、t−ブチル((CH33C−)、n−ペンチル(CH3CH2CH2CH2CH2−)、及びネオペンチル((CH33CCH2−)を包含する。
【0032】
「アルケニル」とは、2〜6個の炭素原子(好ましくは2〜4個の炭素原子)を有しており、かつ、少なくとも1つの(好ましくは1〜2部位の)ビニル(>C=C<)不飽和を有する、直鎖又は分岐したヒドロカルビル基を指す。このような基は、例えば、ビニル、アリル、及びブタ−3−エン−1−イルによって例示される。E異性体及びZ異性体、又はこれらの異性体の混合物、がこの用語内に包含される。「低級アルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。アルキル又は低級アルキルは、置換又は非置換であってもよい。
【0033】
「アルキニル」とは、2〜6個の炭素原子(好ましくは2〜3個の炭素原子)を有しており、かつ少なくとも1つの(好ましくは1〜2部位の)アセチレンの(−C≡C−)不飽和を有する、直鎖又は分岐した一価のヒドロカルビル基を指す。このようなアルキニル基の例としては、アセチレニル(−C≡CH)及びプロパルギル(−CH2C≡CH)が挙げられる。
【0034】
「アルコキシ」とは、−O−アルキルを指しており、ここでアルキルは本明細書で規定されている。アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、及びn−ペントキシが挙げられる。
【0035】
「アミノ酸」とは、天然、非天然、又は合成、のいずれであっても、アミノ酸アナログ及び誘導体を含めて、アミノ官能基及び酸性官能基の両方を含む、全ての化合物を指す。
【0036】
「カルボキシ」又は「カルボキシル」とは、−COOH又はその塩を指す。
【0037】
「スルホンアミド」とは、−S(=O)2−NH2を指す。
【0038】
「アミノ」とは、−NH2基を指す。「シアノ」とは、−CN基を指す。「ハロ」又は「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指し、好ましくはフルオロ又はクロロである。「カルボニル」とは、−C(=O)−と等価である二価の−C(O)−基を指す。「ニトロ」とは、−NO2基を指す。「オキソ」とは原子(=O)を指す。「スルホニル」とは、二価の−S(O)2−基を指す。「チオール」とは−SH基を指す。「チオカルボニル」とは、−C(=S)−と等価である二価の−C(S)−基を指す。「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」とは、−OH基を指す。
【0039】
「ヘテロ原子」とは、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を指す。例示的なヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、リン、イオウ及びセレニウムである。
【0040】
「ハロゲン」とは、F、Cl、Br、及びI、並びにそれらの対応する放射性核種を指す。
【0041】
「ハロアルキル」とは、1〜5、1〜3、又は1〜2、のハロ基で置換されたアルキル基を指し、ここでアルキル及びハロとは、本明細書において規定されているとおりである。
【0042】
「アシル」とは、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、複素環−C(O)−、及び置換複素環−C(O)−という基を指す。ここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環及び置換の複素環は本明細書において記載されているとおりである。アシルとしては、「アセチル」基CH3C(O)−が挙げられる。
【0043】
「アシルオキシ」とは、アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アルケニル−C(O)O−、置換アルケニル−C(O)O−、アルキニル−C(O)O−、置換アルキニル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、置換アリール−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、シクロアルケニル−C(O)O−、置換シクロアルケニル−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、置換ヘテロアリール−C(O)O−、複素環−C(O)O−、及び置換複素環−C(O)O−という基を指す。ここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環は本明細書において定義されるとおりである。
【0044】
「アミノカルボニル」とは、−C(O)NR1011を指し、ここでR10及びR11は独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環、からなる群から選択される。R10及びR11は、必要に応じて、そこに結合された窒素と一緒に結合されて、複素環基又は置換複素環基を形成する。ここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環は、本明細書において定義される通りである。
【0045】
「アミノチオカルボニル」とは、−C(S)NR1011基を指し、ここでR10及びR11は、独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環、からなる群から選択される。R10及びR11は、必要に応じて、そこに結合された窒素と一緒に結合されて、複素環基又は置換複素環基を形成する。ここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環は、本明細書において定義される通りである。
【0046】
「アミノスルホニル」とは、−SO2NR1011基を指し、ここでR10及びR11は独立して水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環からなる群から選択される。R10及びR11は、必要に応じて、そこに結合された窒素と一緒に結合されて、複素環基又は置換複素環基を形成する。ここでアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環は、本明細書に定義される通りである。
【0047】
「アリール」又は「Ar」とは、単一の環(例えば、フェニル)又は多重縮合環(例えば、ナフチル又はアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の一価の芳香族炭素環基を指す。ここで、縮合環は、結合のポイントが芳香族炭素原子であれば、芳香族であってもなくてもよい(例えば、2−ベンゾオキサゾリノン、2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン−7−イル、など)。好ましいアリール基としてはフェニル及びナフチルが挙げられる。
【0048】
「二環式芳香族」とは、少なくとも1つの芳香族環、例えば、
【化14】

を有する二環式構造を指す。「二環式複素環芳香族」とは、少なくとも1つの複素環芳香族の環、例えば、
【化15】

を有する二環式構造を指す。
【0049】
「ヘテロアリール」とは、1〜10個の炭素原子、並びに環内の酸素、窒素、及びイオウ、からなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子、の芳香族基を指す。このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジニル、チアジアゾリル、又はフリル)又は多重縮合環(例えば、インドリジニル又はベンゾチエニル)を有してもよい。ここで、縮合環は、結合のポイントが芳香族ヘテロアリール基の原子を通じていれば、芳香族であってもなくても、及び/又はヘテロ原子を含んでも含まなくてもよい。一実施形態では、ヘテロアリール基の窒素及び/又はイオウの環原子(単数又は複数)は、必要に応じて酸化されて、N酸化物(N→O)、スルフィニル、又はスルホニル部分が得られる。好ましいヘテロアリールとしては、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニル、チアジアゾリル及びフラニルが挙げられる。
【0050】
「複素芳香族」とは、少なくとも1つの環において少なくとも1個のヘテロ原子(好ましくは各々の環において5又は6個の原子)を有する、必要に応じて置換された芳香族基を指す。複素環芳香族基は、好ましくは、1又は2個の酸素原子、1又は2個のイオウ原子、及び/又は1〜4個の窒素原子を環に有し、炭素又はヘテロ原子を通じて分子の残りに結合されてもよい。例示的な複素環芳香族としては、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニル、チアジアゾール又はイソキノリニルなどが挙げられる。例示的な置換基としては、以下の基のうちの1つ以上が挙げられる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ケト、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ケタール類、アセタール類、エステル類、及びエーテル類。
【0051】
「複素環」又は「複素環式」又は「ヘテロシクロアルキル」又は「ヘテロシクリル」とは、飽和又は部分的に不飽和だが、芳香族ではない基であって、1〜10個の炭素原子、並びに、窒素、イオウ、及び酸素、からなる群より選択される1〜4個の環ヘテロ原子の基を指す。複素環は、架橋縮合環系及びスピロ環系を含む、単環又は多重縮合環を包含する。縮合環系では、付着のポイントは、非芳香族環を通じていれば、1つ以上の環はシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであってもよい。一実施形態では、複素環基の窒素及び/又はイオウ原子(単数又は複数)(s)は、必要に応じて、酸化されて、N酸化物、スルフィニル、又はスルホニル部分が得られる。
【0052】
複素環及びヘテロアリール類の例としては、限定するものではないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、1,3,4−チアジアゾール、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも呼ばれる)、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、及びテトラヒドロフラニルが挙げられる。
【0053】
「立体異性体」又は「立体異性体類」とは、1つ以上の立体異性体のキラリティーが異なる化合物を指す。立体異性体には、エナンチオマー(鏡像異性体)及びジアステレオマーが含まれる。
【0054】
「置換」という用語は、有機化合物の全ての許容できる置換基を包含することが考えられる。広範な態様では、許容できる置換基としては、非環式及び環式、分枝及び非分岐、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族、の有機化合物の置換基が挙げられる。例示的な置換基としては、例えば、本明細書において上記で記載される置換基が挙げられる。許容できる置換基は、適切な有機化合物について1つ以上であってもよく、かつ、同じか又は異なってもよい。本開示の目的について、ヘテロ原子(例えば、窒素)は、ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載される有機化合物の水素置換基及び/又は任意の許容される置換基を有してもよい。本開示は、有機化合物の許容される置換基によって決して限定されるものではない。
【0055】
本明細書において用いる場合、「保護基」という用語は、望ましくない化学的変換から反応可能性のある官能基を保護する一次的な置換基を意味する。このような保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、並びに、アルデヒト及びケトンの、夫々アセタール及びケタールが挙げられる。保護基化学の分野は、概説されている(Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,第2版;Wiley:New York,1991)。
【0056】
「薬学的に許容できる塩」とは、組成物の比較的非毒性、無機及び有機の酸付加塩を指し、限定するものではないが、鎮痛剤、治療剤、他の物質などを含む。薬学的に許容できる塩の例としては、鉱酸(例えば、塩酸及び硫酸)から得られる塩、及び有機酸(例えば、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など)から得られる塩が挙げられる。塩の形成のための適切な無機塩基の例としては、アンモニア、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩が挙げられる。塩はまた、適切な有機塩基で形成されてもよく、これには、非毒性かつこのような塩を形成するのに十分強力である有機塩基が挙げられる。例示の目的のために、このような有機塩基のクラスとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、及びトリアルキルアミン(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、及びトリエチルアミン);モノヒドロキシアルキルアミン、ジヒドロキシアルキルアミン、及びトリヒドロキシアルキルアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン);アミノ酸類(例えば、アルギニン及びリジン);グアニジン;N−メチルグルコサミン;N−メチルグルカミン;L−グルタミン;N−メチルピペラジン;モルホリン;エチレンジアミン;N−ベンジルフェネチルアミン;(トリヒドロキシメチル)アミノエタン;などを挙げることができる。例えば、J.Pharm.Sci.,66:1〜19(1977)を参照されたい。
【0057】
「薬学的に許容できる担体」という用語は、当該分野で認識されており、例えば、一器官又は身体の一部から、別の器官又は身体の一部へ、任意の対象の組成物を運搬又は輸送することに関与する、薬学的に許容できる物質、組成物、又は賦形剤(例えば、液体又は固体の充填材、希釈剤、溶媒又はカプセル化物質)が挙げられる。各々の担体は、対象の組成物の他の成分と適合し、かつ患者に有害ではない、という意味で「許容できる」ことが必要である。特定の実施形態では、薬学的に許容できる担体は、非発熱性である。薬学的に許容できる担体として機能し得る物質のいくつかの例としては、(1)糖(例えば、ラクトース、グルコース、及びスクロース)、(2)デンプン(例えば、コーン・スターチ、及びジャガイモデンプン)、(3)セルロース及びその誘導体(例えば、カルボキシルメチル・セルロース・ナトリウム、エチル・セルロース、及び酢酸セルロース)、(4)トラガカント粉末、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)滑石、(8)ココアバター及び坐剤ワックス、(9)オイル(例えば、ピーナツ油、綿実油、ひまわり油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びダイズ油)、(10)グリコール類(例えば、プロピレングリコール)、(11)ポリオール類(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール)、(12)エステル類(例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル)、(13)寒天、(14)緩衝化剤(例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム)、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー(発熱物質なし)の水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル溶液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝溶液、及び(21)製剤処方中で使用される他の非毒性の適合性の物質、が挙げられる。
【0058】
「治療上有効な量」という用語は、構造式I、II、III、若しくはIVの錯体又は化合物のCA−IX阻害による治療上有効な量を指す。治療上有効な量は、当業者としての担当診断医が、公知の技術の使用、及び類似の状況下で得られる結果の観察によって、容易に決定できる。治療上有効な量又は用量の決定において、多数の要因が担当の診断医によって考慮される。この要因としては、限定するものではないが、哺乳動物の種、そのサイズ、年齢、及び全身の健康状態、関与する特定の疾患、疾患の関与度又は重症度、個々の被験体の応答、投与される特定の化合物、投与方式、投与される調製物のバイオアベイラビリティの特徴、選択される投与レジメン、併用薬の使用、及び他の関連する環境、が挙げられる
【0059】
「被験体」とは哺乳動物を指し、かつヒト及び非ヒト哺乳動物を含む。
【0060】
患者において疾患の「処置すること」又は「処置」とは、(1)その疾患の素因があるか、又は疾患の症状をまだ呈していない患者に疾患が生じることを防ぐこと、(2)疾患を阻害すること又はその進行を停止すること、又は(3)疾患を緩和するか又は退行を生じることを指す。
【0061】
本発明は、CA−IXの発現によって特徴付けられる疾患の診断的画像化及び処置におけるCA−IX阻害剤の放射性標識誘導体の使用を考慮する。本発明は、概して、CA−IXに対する親和性及び/又は選択性をもたらす化合物を特定することに基づく。いくつかの態様では、CA−IX活性部位の亜鉛に結合可能なアリールスルホンアミド部分を含む化合物は、放射性核種を含んでいるキレート−金属部分に組み込まれる。その大きい構造のため、このアリールスルホンアミドを含んで形成された錯体は細胞非透過性であり、従って、他の炭酸脱水酵素類(最も顕著には、構造的に発現されるサイトゾルの炭酸脱水酵素CA−II)よりも細胞外のCA−IXに対して選択的にされる。この錯体は、電荷を含んで調製してもよく、この電荷が、細胞への錯体の侵入をさらに妨げる。錯体中に組み込まれた放射性核種は、放射性イメージング及び/又は放射線治療に適する。
【0062】
一態様では、本発明は、構造式Iの錯体、その立体異性体又は薬学的に許容できる塩を提供する。
【化16】

構造式中、Vは、結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化17】

という基、又は
【化18】

という基(ここで、Xは、O又はSであり、Uは、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2という基(pは1〜3におよぶ整数)である)であり;
Wは、結合、O、又はNHであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜6におよぶ整数であり;
nは、0〜6におよぶ整数であり;
金属は、放射性核種を含んで構成される金属部分を意味し;かつ
キレートは、前記放射性核種と配位して前記錯体を形成するキレート部分を意味する。
【0063】
いくつかの実施形態では、金属は、放射性核種を含んで構成される金属カルボニルリガンドを意味する。例示的な放射性核種としては、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、イットリウム(Y)、インジウム(In)、及び銅(Cu)が挙げられる。いくつかの実施形態では、放射性核種は低酸化状態の金属である。低酸化状態の金属の例としては、約4以下の酸化状態を有する金属(例えば、Tc(I)、Re(I)及びCu(0))が挙げられる。例えば、いくつかの実施形態では、金属は、185/186/188Re−カルボニル又は185/186/188Re−トリカルボニルリガンドに相当する。いくつかの実施形態では、金属は、99mTc−カルボニルリガンド又は99mTc−トリカルボニルリガンドである。
【0064】
任意の適切なキレート部分を用いて、放射性核種との共有結合又は他の会合を得てもよい。キレート剤の例としては、置換又は非置換のN22構造、N4構造、イソニトリル、ヒドラジン、トリアミノチオール、ヒドラジノニコチン酸基を有するキレート剤、リン基、ホスフィノチオール類、チオエステル類、チオエーテル類、ピコリンアミン一酢酸、ピリジン又はビピリジルベースの化合物、及び置換又は非置換のシクロペンタジエニルが挙げられる。例えば、適切なキレート剤としては、限定するものではないが、テトラ−アザシクロドデカン四酢酸(DOTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミン(DPA)、キノリンメチルアミノ酢酸(QAA)、ビス(イソキノリンメチル)アミン、ビス(キノリンメチル)アミン(DQA)、ピリジン−2−イルメチルアミノ酢酸(PAMA)、イソキノリン−3−イルメチルアミノ酢酸、ビス(チアゾール−2−イルメチル)アミン(DTK)、及びチアゾール−2−イルメチルアミノ酢酸(MTMA)、ビス(N−カルボキシメチルイミダゾイルアミン)(DCMI)ビス(N−1,1−ジメトキシエチルイミダゾイルアミン)(DMEI)、ビス(N−メチルイミダゾイルアミン)(DMI):ビス(N−ヒドロキシエチルイミダゾイルアミン)(DHI)が挙げられる。
【0065】
構造式Iで示される錯体の金属−キレート部分とアリールスルホンアミド部分との間の距離は、それらの間のテザーの変更及び/又はテザーの長さの伸長により変えられ、CA−IXに対する錯体の親和性及び選択性を改変することができる。この錯体の薬物動態学的特性は、このテザーへヘテロ原子を組み込むことによっても改変され得る。構造式I−a〜I−hによって示される以下の構造は、種々のテザー及び/又はテザーの長さを有するいくつかの例示的な実施形態である。説明を容易にするために、この錯体は、金属−キレート部分が以下の構造を有する形態で以下説明される。
【化19】

構造式中、Mはテクネチウム(Tc)又はレニウム(Re)である。本発明の特許請求の範囲はそのように限定されるものではなく、他の金属−キレート構造が、上記のように本発明の範囲内で予想されることが理解されるであろう。
【0066】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−aの構造を有する。ここで、Mは、テクネチウム(Tc)又はレニウム(Re)であり、かつZは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環である。
【化20】

【0067】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−bの構造を有する。構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、Wは、結合、O、又はNHであり、Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつmは、1〜6におよぶ整数である。
【化21】

【0068】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−cの構造を有する。構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、Wは、結合、O、又はNHであり、Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつnは、0〜3におよぶ整数である。
【化22】

【0069】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−dの構造を有する。構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mは、1〜6におよぶ整数であり、かつnは、0〜6におよぶ整数である。
【化23】

【0070】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−eの構造を有する。構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mは、1〜6におよぶ整数であり、かつnは、1〜6におよぶ整数である。
【化24】

【0071】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−fの構造を有する。構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、pは、1〜3におよぶ整数であり、かつnは、1〜6におよぶ整数である。
【化25】

【0072】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−gの構造を有する。構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mは、1〜6におよぶ整数であり、かつnは、1〜6におよぶ整数である。
【化26】

【0073】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−hを有し、構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、かつmは、0〜6におよぶ整数である。
【化27】

【0074】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−iを有する。
【化28】

構造式中、Vは結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化29】

という基、又は
【化30】

という基(ここで、Xは、O又はSであり、Uは、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2という基(pは1〜3におよぶ整数)である)であり;
mは、0〜6におよぶ整数であり;
nは、0〜6におよぶ整数であり;
金属は、放射性核種を含んでいる金属部分を意味し;かつ
キレートは、前記放射性核種と配位して前記錯体を形成するキレート部分を意味する。
【0075】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−jを有する。
【化31】

構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、mは、1〜6におよぶ整数である。
【0076】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−kを有する。
【化32】

構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、mは1〜6におよぶ整数である。
【0077】
いくつかの実施形態では、この錯体は、構造式I−lを有する。
【化33】

構造式中、Mは、テクネチウム又はレニウムであり、mは、1〜6におよぶ整数である。
【0078】
別の態様では、本発明は、CA−IXに対して他の炭酸脱水酵素類よりも選択性を示す化合物のハロゲン化アナログをもたらす。この化合物のハロゲン化アナログは、細胞不浸透性を増大する、荷電性及び/又は疎水性の官能基を含んで構成される。本明細書に組み込まれるこの荷電性官能基は、例えば、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、又はイオン性の窒素含有複素環(例えば、テトラゾール類及びトリアゾール類)を含んで構成される負に荷電した官能基であってもよく、これは、生理的pHにおいて分子を負イオン化した(例えば、カルボキシレート)型に相当する。また、本明細書に組み込まれるこの荷電性官能基は、アミン、グアニジン、アミジン、又はN含有複素環、を含んで構成され、低いpHにおいて分子を正イオン化した型に相当する、正に荷電した官能基であってもよい。また、この荷電した基は、正に荷電した四級アミンを含んで構成されてもよい。疎水性の官能基は、尿素、チオ尿素、アミド、スルホンアミド、1以上の芳香族環、1以上の複素環芳香族環(例えば、ピリジン及びピリミジン類)、1以上の脂肪族炭化水素の環及び鎖、1以上のエーテルの環及び/又は鎖、1以上のチオエーテルの環及び/又は鎖などであってもよい。その化合物のスルホンアミド部分と荷電性又は疎水性の官能基との間の長さを変化させて、CA−IXについての化合物の親和性及び選択性を改変してもよい。この化合物の薬物動態学的特性はまた、スルホンアミドのバリエーションによって改変され得る。以下に提供されるのは、一般式IIの化合物、その立体異性体、又は薬学的に許容できる塩である。
【化34】

構造式中、V1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化35】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され;
1及びW2は、独立して結合、NH、C=X、又は
【化36】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
qは、1〜6におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0079】
いくつかの実施形態では、この化合物は構造式II−aの構造を有しており、構造式中、R2が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から選択される。
【化37】

【0080】
いくつかの実施形態では、この化合物は構造式II−bの構造を有する。
【化38】

【0081】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−cの構造を有しており、構造式中、R2、R3、及びR4は、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される。
【化39】

【0082】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−dの構造を有しており、構造式中、qは1であり、かつR2、R3、及びR4は、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される。
【化40】

【0083】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−eの構造を有してり、構造式中、R2は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から選択される。
【化41】

【0084】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−fの構造を有しており、構造式中、rは、0〜6におよぶ整数であり、かつR2は、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される。
【化42】

【0085】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−gの構造を有しており、構造式中、mは、0〜6におよぶ整数であり、かつR2は、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される。
【化43】

【0086】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−hの構造を有しており、構造式中、R1はヨウ素であり、かつR2、R3、R4、及びR5は、水素、ハロゲン、アルキル、及びアルコキシ、からなる群から独立して選択される。
【化44】

【0087】
いくつかの実施形態では、構造式II−hの化合物はR−異性体である。構造式IIIの化合物のR−異性体は、ベンザミドアリール環に関して比較的平坦な構造をとってもよく、これによってCA−IX活性部位で容易にフィットすることが予測される。
【0088】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−iの構造を有する。
【化45】

【0089】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−jの構造を有する。
【化46】

【0090】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−kの構造を有する。
【化47】

【0091】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−lの構造を有する。
【化48】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つの少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0092】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−mの構造を有する。
【化49】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0093】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−nの構造を有する。
【化50】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
r=1又は2であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−oの構造を有する。
【化51】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
r=1又は2であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0095】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−pの構造を有する。
【化52】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0096】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−qの構造を有する。
【化53】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0097】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−rの構造を有する。
【化54】

構造式中、Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0098】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−sの構造を有する。
【化55】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
r=1又は2であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0099】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−tの構造を有する。
【化56】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
r=1又は2であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0100】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−uの構造を有する。
【化57】

構造式中、XはO又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0101】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式II−vの構造を有する。
【化58】

構造式中、Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環式芳香族、二環式複素環式芳香族又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0102】
さらなる態様では、本発明は、他の炭酸脱水酵素よりもCA−IXの選択性を示す1,2,3−トリアゾールリンカーを有するスルホンアミドアナログを提供する。アジド−アルキンHuisgen環付加を利用することによって、1,2,3−トリアゾールアナログのいくつかの基を本発明のCA−IX阻害剤の化合物に容易に導入できる。一般式IIIの化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩が提供される。
【化59】

構造式中、V1及びV2は、結合、O、NH、(O−CH−CH−O)q
【化60】

という基、CHR−CO又はCHR−CO−NH−CHR−COという基(ここで、Rは、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から独立して選択され;
1は、結合、NH、C=X、又は
【化61】

という基(ここでXはO又はSである)であり;
Z及びZ1は、独立して、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
qは、1〜6におよぶ整数であり;
yは、0〜6におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0103】
いくつかの実施形態では、この化合物は、構造式III−aの構造を有する。
【化62】

構造式中、V1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化63】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され;
Xは、O又はSであり;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
qは、1〜6におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0104】
別の態様では、本発明は、構造式IVの化合物、その立体異性体、又は薬学的に許容できる塩を提供する。
【化64】

構造式中、Vは、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化65】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され;
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
qは、1〜6におよぶ整数であり;かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される。
【0105】
さらに別の態様では、本発明は、他の炭酸脱水酵素よりもCA−IXの選択性を示す官能基が含まれた三級又は四級のアミンを組み込むスルホンアミドアナログを提供する。以下に提供されるのは、一般式Vの化合物、その立体異性体、又は薬学的に許容できる塩である。
【化66】

構造式中、Xは、O又はSであり;
mは、0〜8におよぶ整数であり;
nは、0〜8におよぶ整数であり;
1、R2、R3、及びR4は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され;かつ
7は、H又は低級アルキルである。
【0106】
別の態様では、本発明は、CA−IXを発現する哺乳動物の組織を画像化する方法を提供し、この方法は、構造式I、II、III、IV、及びV、その立体異性体、又は薬学的に許容できる塩、からなる群から選択される放射性標識した有効量の化合物を哺乳動物に投与する工程を含んで構成され、ここでこの少なくとも1つのハロゲンは、ハロゲン放射性核種、例えば、123I、125I、18F、131I、及び76Brである。いくつかの実施形態では、この方法は、さらに、組織中でCA−IXのレベルを決定する工程を含んで構成される。他の実施形態では、この方法は、さらに、ある期間にわたってこの組織中のCA−IXのレベルの変化をモニタリングする工程を含んで構成される。この方法での投与は静脈内に行う。
【0107】
さらに別の態様では、本発明は、CA−IXの過剰発現によって特徴付けられる疾患に罹患している哺乳動物を処置する方法を提供する。この方法は、構造式I、II、III、IV及びV、その立体異性体、又は薬学的に許容できる塩、からなる群から選択される治療上有効な量の化合物をこの哺乳動物に投与する工程を含んで構成される。
【0108】
構造式I、II、III、又はIVによって表される複合体又は化合物は、当該分野で公知の方法によって調製され得る。一般には、構造式Iによって表される錯体は、CA−IXに対する選択的結合を示すスルホンアミド部分が含まれた化合物に、金属−キレート部分を組み込むことによって調製される。
【0109】
例えば、金属−キレート化合物は、単一アミノ酸キレート(Single Amino Acid Chelate)(SAAC(商標))技術によって作製可能であり、これは、米国特許出願公開第2003/0235843号に記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。種々の構造的に多様な分子は、SAAC技術を用いて作製してもよい。このSAAC技術によって、モノ−、ジ−、及び混合されたアルキル化アミノ酸誘導体の急速、高収率、ワンポットの合成が提供され得る。このアルキル化アミノ酸誘導体は、アミノ酸官能基に対して遠位の三座キレート部分を保有し得る。この三座キレート基によって、金属部分又は金属コア、例えば、{M(CO)3+1コア(Mは放射性核種、例えば、Tc又はReである)の容易かつ強固な配位が可能になる。いくつかの実施形態では、金属コアは、SAAC複合体から金属の損失なしに、標準的な脱保護及びペプチド切断化学などの標準的な化学作用を施す前に挿入されてもよい。{M(CO)3+1コアの配位化学に対する研究によって、アミン、芳香族、複素環式、及びカルボン酸塩供与体によって有効なキレートリガンドが得られることが確認されている。三座のキレート−M(CO)3錯体によって、アミノ酸官能基の化学的不活性及び広範な有用性が得られる。種々の三座キレート部分を作製して、それによって、化合物の電荷、疎水性及び官能基からの三座キレート−M(CO)3複合体の距離が変更され得る。スキーム1によって、還元剤としてNaBH(OAc)3を用いる所望のアルデヒドとのt−ブチルオキシカルボニル(BOC)保護リジンの直接の還元性Nアルキル化によるアルキル化SAAC分子の調製を図示する。
【化67】

構造式中、R及びR’は、独立してa〜gからなる群から選択される。
【化68】

【0110】
二官能性のキレートの{M(CO)3+1(Mは、例えば、Tc又はRe)錯体は、例えば、[Et4N]2[Re(CO)3Br3]、[Re(CO)3(H2O)3]Br、又は[Tc(CO)3(H2O)3]から容易に調製可能であり、これらはそれぞれ、市販のトリカルボニルキット(Mallinckrodt)からインサイチュで作製される。
【0111】
スキーム2は、構造式I又はIVの構造を有するスルファニルアミド及びホモスルファニルアミド−M+(CO)3錯体の合成を図示する。同様に、構造式I−aの構造を有する1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミド−M+(CO)3錯体は、適切な1,3,4−チアジアゾール出発物質から調製され得る。CA−IXの親和性及び選択性に対するスルホンアミド部分からの金属錯体の距離の効果は、例示的な錯体を用いて検討され得る。
【化69】

【化70】

【0112】
合成は、還元剤としてナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを用いる2−ピリジンカルボキシアルデヒドの2つの等価物との適切なアミン(例えば、ホモスルファニルアミド及び5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミド)の還元的アミノ化によって達成され得る。次いで、得られた遊離のリガンドを所望の金属と配位して所望の金属錯体I−b及びI−aを得る。
【0113】
スキーム3は、事前形成されたM+(CO)3リガンドからの6−アミノアルカン酸−M+(CO)3錯体の合成を図示する。スキーム3では、この合成経路は、事前形成されたキレートを出発物質として利用してホモスルファニルアミドM(CO)3Dpaアナログ(I−d、ここで、n=1、m=4、金属=Re又はTc、Z=フェニル)又は1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミドアナログ(I−hここでm=2,金属=Re又はTc)にする。
【化71】

【0114】
あるいは、6−アミノアルカン酸−M+(CO)3錯体は、非メタル化リガンドを介してスキーム4に従って調製され得る。
【化72】

【0115】
スキーム3及び4を用いて、アミノアルカン酸−M+(CO)3錯体を合成して、これらの構造へのテザーの組み込みにより、スルホンアミド部分からの金属キレーターまでの距離が一層著しく変動する、という効果を探索してもよい。末端のアミノアルカン酸(例えば、β−アラニン、4−アミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、及び8−アミノオクタン酸)は、一般的に利用されるテザーであり、これは、一般式I−dによって例証される通り、詳細な方法でスルホンアミド部分からのキレート距離の徹底した探索を可能にする。
【化73】

【0116】
スルファニルアミドから誘導されたスルホンアミド類のアリールチオ尿素類、その認定された誘導体類、又は1,3,4−チアジアゾールのアナログ類は、高い親和性のCA阻害剤をもたらすことが示されている。スキーム5は、構造式I−eによって示されるような構造を有する合成チオ尿素スルホンアミド−Re+(CO)3又はTc+(CO)3錯体を図示する。スルホンアミドからキレーターまでの距離は、I−eによって示されるようなテザーの長さを伸ばすことによって容易に変化できる(m=3〜6及びn=0、1、2)。
【化74】

【0117】
この種類の分子は、スキーム5に例示されるような対応するイソチオシアネートから調製され得る。(ホモスルファニルアミド)チオ尿素−Re−(CO)3錯体16は、イソチオシアネート14から調製され得る。ホモスルファニルアミドは、イソチオシアネート14に容易に変換できる。14とアミン金属錯体15との反応によって、所望のスルホンアミドレニウム錯体16が得られる。同様に、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミドは、対応するイソチオシアネートへ容易に変換可能であり、続いてアミン金属錯体との反応によってI−eが得られる(m=4,n=0,Z=チアジアゾール)。
【化75】

【0118】
上記の反応スキームは、テザー鎖へのヘテロ原子の組み込みによるテザーのいかなる修飾にも適用可能である。これは、CA−IXに対する親和性及び選択性についての追加的な利点である。テザーへのヘテロ原子(例えば、酸素など)の組み込みには、錯体への容易な組み込みが可能な種々の短いポリエチレングリコール(PEG)ジアミンの市販供給を利用することができる。
【0119】
スキーム6は、構造式IIの構造を有する、負に荷電した官能基、EDTAを備えたスルファニルアミド又はホモスルファニルアミドアナログの合成を図示する。他のスルホンアミド、例えば、1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミドアナログは、適切な1,3,4−チアジアゾール出発物質から調製され得る。CA−IXの親和性及び選択性について、スルホンアミド部分からのこの負に荷電した官能基までの距離の効果は、例示的な化合物で調べることができる。
【0120】
合成は、EDTA二無水物と適切なアミン(例えば、スルファニルアミド、ホモスルファニルアミド又は5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミド)との反応、続いて室温でその場での4−ヨードアニリンの添加によって達成できる。得られたヨウ素化化合物はさらに、公知の方法によって、所望のハロゲン放射性核種、例えば、131Iに変換され得る。
【化76】

【0121】
スキーム7は、チオ尿素−グルタミン酸連結したスルホンアミドの合成を示す。スキーム7では、合成経路は、ジ−グルタミン酸誘導体(これは、標準的なペプチドカップリング条件を利用するグルタミン酸を用いてヨウ素化された出発物質から調製される)及びイソシアネートベンゼンスルホンアミドの反応を利用して、チオ尿素連結をもたらす。種々のイソシアネートスルホンアミドアナログ、例えば、4−(イソチオシアネートメチル)ベンゼンスルホンアミド又は5−(イソチオシアネートメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミドで出発して、対応するホモスルファニルアミドアナログ又は1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミドアナログを脱保護後に調製してもよい。
【化77】

【0122】
同様に、ビス−チオ尿素アナログを、スキーム8に従って調製してもよい。このチオ尿素出発物質は、イソシアネート−ベンゼンスルホンアミドとベンゼン−1,4−ジアミンとの反応によって得てもよい。
【化78】

【0123】
2つ以上の疎水性基を有する化合物に加えて、本発明のCA−IX阻害剤は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、を含むEDTA又はアミノ酸などの荷電した官能基との可変の連結を含んで構成されてもよい。スキーム9は、荷電した官能基としてEDTAを含んで構成される構造式II−mの一般的構造を有する化合物の合成を図示する。この方法は、イソシアネート部分を有する適切なスルホンアミド及びジアミン化合物でのチオ尿素形成、続いてEDTA二無水物及びアミン化合物(例えば、ヨードアニリン,ヨードベンジルアミン)とのインサイチュ反応の一工程を経て、構造式II−mの構造を有する化合物を得る。
【化79】

【0124】
チオ尿素以外に、他の疎水性部分を本発明のCA−IX阻害剤に導入してもよい。例えば、アジド−アルキンHuisgen環付加による1,2,3−トリアゾールアナログ類の効率的な調製を使用して、構造式III又はIVの構造を有する化合物を、スキーム10及び11に説明される通り調製することができる。
【0125】
スキーム10において、アジド中間体は、ヒドロキシフェニル、例えば、tert−ブチル4−ヒドロキシフェニルカルバメートと、トシル化したアジド前駆体(例えば、2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ、エチル4−メチルベンゼンスルホナート)と、の間の単純なエーテル形成を介して調製されることが可能である。次いで、トリアゾール連結は、このアジド中間体と適切なアセチレン化合物、例えば、1−ヨード−4−(プロパ−2−イニルオキシ)ベンゼンとの反応によって得られる。脱保護及びチオ尿素形成後、構造式III−aの構造を有する化合物を、チオ尿素、トリアゾール及びポリエチレングリコール(PEG)官能基を用いて調製してもよい。
【0126】
同様に、構造式IVの構造を有する化合物は、トリアゾール形成を介して調製してもよい(スキーム11)。PEG官能基を有するアセチレン中間体を、ヒドロキシフェニルとトシル化したアセチレン前駆体との間の同様のエーテル形成の下で調製してもよい。トリアゾールは、アセチレン中間体とアジドスルホンアミド化合物との間で形成される。
【化80】

【化81】

【0127】
上記の反応スキームは、前駆体への、荷電性又は疎水性の官能基の組み込みによるアジド又はアセチレン前駆体のいかなる改変にも適用できる。スキーム12の実施例を参照されたい。これは、CA−IXに対する親和性及び選択性に追加の利点となり得る。
【化82】

【0128】
また、本発明は、正に荷電した四級アミン部分を有するCA−IX阻害剤の化合物を提供する。例えば、正に荷電したピペラジンアナログ類は、スキーム13によって調製してもよい。この重要な工程は、公知の手順により調製できる、イソシアネート化スルホンアミド前駆体及びピペラジン中間体を利用する重要な三級ペペラジン(peperazine)アナログを得るためのチオ尿素形成である。四級アミンは、MeI又は他の適切なメチル化試薬でのメチル化工程の後に形成される。同様の方式で、他の窒素含有複素環を当業者によって用いてもよい。四級アミンは、当該分野で公知の他のアルキル化試薬によって得ることができる。
【化83】

【0129】
本発明の錯体又は化合物は、CA−IXを発現する組織の診断的な画像化、及びCA−IXの過剰な発現によって特徴付けられる疾患の治療的処置のために、当業者によって(例えば、核医学における専門家によって)、本明細書に記載される方法に従って用いられ得る。
【0130】
本発明の錯体又は化合物は、以下の方式で用いられ得る。化合物の有効量(1〜50mCi)を、画像化研究における使用のための薬学的に許容できる担体と組み合わせてもよい。本発明によれば、この化合物の「有効量」とは、臨床用途に利用可能な装置を用いて許容できる画像を得るのに十分な量と定義される。錯体の有効量は、2つ以上の注射で投与され得る。錯体の有効量は、個体の感受性の程度、個体の年齢・性別・体重、個体の特異体質的な反応、及び線量測定など、の要因に従って変化するであろう。また、錯体の有効量は、装置及びフィルム関連の要因に従っても変化するであろう。このような要因の最適化は、当業者の技術のレベル内で周知である。
【0131】
本明細書において用いる場合、薬学的に許容できる担体としては、任意のかつ全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に活性な物質についてのこのような媒体及び薬剤の使用は、当該分野で周知である。錯体又は化合物は、適切な希釈剤若しくはアジュバントに含めて個体に投与されてもよいし、又はヒト血清アルブミン若しくはリポソームなどの適切な担体に含めて個体に投与されてもよい。補助的な活性化合物も錯体とともに用いてもよい。薬学的に許容できる希釈剤としては、生理食塩水及び水性の緩衝溶液が挙げられる。本明細書で考慮されるアジュバントとしては、レゾルシノール、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン・オレイル・エーテル及びヘキサデシル・ポリエチレン・エーテル)が挙げられる。
【0132】
一実施形態では、この錯体又は化合物は、注射剤として非経口投与される(静脈内、筋肉内又は皮下)。この錯体又は化合物は、滅菌の、発熱物質のない(パイロジェンフリー)、非経口的に許容可能な水溶液として処方されてもよい。このような、pH,等張性、安定性などを十分に考慮した、非経口的に許容可能な溶液の調製は、当該分野の技術の範囲内である。非経口投与に適切な特定の薬学的組成物は、使用の直前に注射可能な滅菌の溶液又は分散液中で再構成される1つ以上の薬学的に許容可能な滅菌粉末と組み合わせた、1つ以上の造影剤を含んで構成される。これは、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、対象とするレシピエントの血液とこの製剤を等張にさせる溶質、又は懸濁剤若しくは増粘剤、を含んでもよい。注射製剤は、心血管系の造影剤に加えて、等張性賦形剤(例えば、塩化ナトリウム溶液)、リンゲル溶液、デキストロース溶液、デキストロース及び塩化ナトリウム溶液、乳酸化リンゲル溶液、デキストラン溶液、ソルビトール溶液、ポリビニルアルコールを含有する溶液、又は、界面活性剤及び粘度増強剤、若しくは当該分野で公知の他の賦形剤、を含んで構成される浸透圧的に平衡な溶液、を含むべきである。本発明で用いられる製剤はまた、当業者に公知の安定化剤、防腐剤、緩衝液、抗酸化剤、又は他の添加物を含んでもよい。
【0133】
診断又は治療目的に用いられる錯体又は化合物の量は、処置されている疾患の性質及び重症度、患者が受けてきた治療処置の性質、並びに患者の特異体質による反応、に依存するであろう。最終的には、担当医が、個々の患者へ投与する錯体又は化合物の量、及び画像解析期間を決定する。
【0134】
別の態様では、本発明は、ヒト血清アルブミン又は補助分子(例えば、マンニトール又はグルコネート)などの担体を含む薬学的に許容できる溶液と組み合わせて、上記の1つ以上の錯体又は化合物を含んで構成される画像化のためのキットを提供する。本発明のキットにおいて使用するヒト血清アルブミンは、何らかの方法で、例えば、ヒト血清由来のタンパク質の精製を介して、又はヒト血清アルブミンをコードする遺伝子を含むベクター組み換えによる発現を介して、作製され得る。また、他の物質(例えば、界面活性剤、希釈アルコール、炭水化物など)が、担体として用いられてもよい。一実施形態では、本発明によるキットは、約1〜約50mCiの錯体又は化合物を含んでもよい。別の実施形態では、キットは、キレート剤、及び、例えば、マンニトール、グルコネートなどの補助分子、と共有結合的に又は非共有結合的に組み合わされている未標識の脂肪酸立体異性体を含んでもよい。この未標識の脂肪酸の立体異性体/キレート剤は、溶液中に又は凍結乾燥型で提供され得る。また、このキットは、本発明の方法の実施を容易にする他の成分を含んでもよい。例えば、緩衝液、シリンジ、フィルム、説明書などが必要に応じて、本開示のキットの構成要素として備えられてもよい。
【実施例】
【0135】
以下の実施例は、本発明の特定の態様を図示するため、及び当業者による本発明の実施を補助するために提供される。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0136】
以下の実施例では、反応は、別段注記しない限り、アルゴン又は窒素の雰囲気下で乾燥したガラス製品中で行った。反応物質(reactions)は、フラッシュカラムクロマトグラフィー、Biotage SP4を用いる中圧液体クロマトグラフィーによって、又は分取高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製した。1H NMRは、Bruker 400MHz装置で得た。スペクトルは、ppm□として報告しており、CDCl3、DMSO−d6、又はメタノールd4中の溶媒共鳴に対して参照される。溶媒は、Sigma Aldrich 及びFisher Scientificから入手した。試薬は、Sigma Aldrich、Bachem,Fisher Scientific、Alfa Aesar、及びAcrosから得られた。
【0137】
以下の略号を実施例で用いる:ジクロロメタン(DCM)、酢酸エチル(EA)、ヘキサン(Hex)、ジクロロエタン(DCE)、ジメチルホルムアミド(DMF)、トリフルオロ酢酸(TFA)、テトラヒドロフラン(THF)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジシクロヘキシル・カルボジイミド(DCC)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン(TEA)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、エタノール(EtOH)、及びメタノール(MeOH)。定義しなければ、この略号又は用語は、それが一般に受容される意味を有する。
【実施例1】
【0138】
【化84】

【0139】
<4−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド(構造式2a)>
EtOH(100mL)中のスルホニルアミド(構造式1a,5.0g,29mmol)及びピリジン−2−カルボキシアルデヒド(6mL,64mmol)の懸濁液を加熱還流し、次いで室温で30分間攪拌した。その溶媒を真空中で除去して、黄色の固体を得た。この得られた残渣をEtOH(100mL)中に溶解して、0℃まで冷却して、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(4.4g,120mmol)を少しずつ添加した。その得られた混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで室温まで3時間温めさせた。その反応を、2Nの水酸化ナトリウム(25mL)を注意深く添加することによってクエンチした。その得られた混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム(200mL)中に注いで、DCM(3×150mL)で抽出した。そのプールした有機抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH,1:0〜9:1)を勾配として、続けて酢酸エチルからの結晶化によって、構造式2aを白色固体として得た(3.41g,33%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.58(m,2H),7.65(m,4H),7.28(m,2H),7.23(m,4H),6.62(d,J=8.8Hz,2H),4.22(d,J=8.8Hz,2H);(M+H)+(355)。
【化85】

【0140】
<4−((ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)メチル)ベンゼンスルホンアミド(構造式2b)>
EtOH(50mL)中のアミノメチルベンゼンスルホンアミド塩酸塩(構造式1b)(2.2g,10mmol)及びピリジン−2−カルボキシアルデヒド(2.4mL,25mmol)の懸濁液を短時間加熱還流して、その溶媒を真空中で除去して黄色の固体を得た。この得られた残渣を1,2−ジクロロエタン(50mL)中に懸濁し、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(12.7g,60mmol)を少しずつ添加した。その得られた混合物を室温で18時間攪拌した。その反応を2Nの水酸化ナトリウム(20mL)を注意深く添加することによってクエンチした。その得られた混合物を水(100mL)に注ぎ、DCM(3×100mL)で抽出した。このプールした有機抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濃縮した。酢酸エチルからの結晶化によって、構造式2bを白色固体として得た(1.26g,34%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.52(d,J=4.9Hz,2H),7.83(d,J=7.2Hz,2H),7.66(m,2H),7.50(m,4H),7.15(dd,J=5.2,6.6Hz,2H),3.78(s,4H),3.70(s,2H);(M+H)+(369)。
【化86】

【0141】
<4−(2−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)エチル)ベンゼンスルホンアミド(構造式2c)>
EtOH(50mL)中の2−アミノエチルベンゼンスルホンアミド(構造式1c)(2.0g,10mmol)及びピリジン−2−カルボキシアルデヒド(2.4mL,25mmol)の懸濁液を短時間加熱還流し、その溶媒を真空中で除去して黄色の固体を得た。この得られた残渣を1,2−ジクロロエタン(50mL)中に懸濁し、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(12.7g,60mmol)を少しずつ添加した。その得られた混合物を室温で18時間攪拌した。その反応を、2Nの水酸化ナトリウム(20mL)を注意深く添加することによってクエンチした。その得られた混合物を水(100mL)に注いで、DCM(3×100mL)で抽出した。このプールした有機抽出物を乾燥して(硫酸ナトリウム)、濃縮した。酢酸エチルからの結晶化によって構造式2cを白色固体として得た(2.17g,57%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.46(m,2H),7.69(m,4H),7.28(m,6H),7.21(m,2H),3.79(s,4H),2.87(t,J=7.2Hz,2H),2.70(t,J=7.2Hz,2H);(M+H)+(383)。
【化87】

【0142】
<トリカルボニルレニウム(I)4−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ベンゼンスルホンアミドブロミド(構造式3a)(MIP−1160)>
MeOH(10mL)中の構造式2a(2.0g,5.6mmol)及びRe(CO)3(H2O)Br(2.51g,6.2mmol)の懸濁液を圧力管に入れた。その反応混合物を浴で42時間100℃で加熱し、次いで室温まで冷却した。得られた黄色の懸濁液を水(75mL)で希釈し、DCM(3×50mL)で抽出した。このプールした抽出物を、溶離液としてDCM(100mL)中の10%のMeOHを用いてシリカゲルのパッドを通過させた。その溶媒を真空中で除去して、その残渣をエタノールから結晶化してMIP−1160を黄色の固体として得た(27mg)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.72(d,J=5.4Hz,2H),7.99(m,2H),7.70(m,2H),7.51(d,J=8.5Hz,2H),7.48(d,J=8.5Hz,2H),7.40(m,2H),6.60(d,J=9.8Hz,2H),6.55(d,J=9.6Hz,2H);(M+H)+(625)。
【化88】

【0143】
<トリカルボニルレニウム(I)4−((ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)メチル)−ベンゼンスルホンアミドブロミド(構造式3b)(MIP−1161)>
MeOH(5mL)中の構造式2b(300mg,0.80mmol)及びRe(CO)3(H2O)Br(405mg,0.88mmol)の懸濁物を圧力管に入れた。その反応混合物を油浴で42時間100℃で加熱し、次いで室温まで冷却した。得られた黄色の懸濁物を水(25mL)で希釈し、DCM(3×25mL)で抽出した。このプールした抽出物を、溶離液としてDCM(100mL)中の10%のMeOHを用いてシリカゲルのパッドを通過させた。その溶媒を真空中で除去して、その残渣を水−メタノールから結晶化して、MIP−1161を褐色の固体として得た(18mg,4%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.81(d,J=5.4Hz,2H),8.02(d,J=7.5Hz,2H),7.96(m,4H),7.49(d,J=8.4Hz,2H),7.37m,2H),5.28(d,J=16Hz,2H),4.99(s,2H),4.36(d,J=16.0Hz,2H);(M+H)+(639)。
【化89】

【0144】
<トリカルボニルレニウム(I)4−(2−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)エチル)−ベンゼンスルホンアミドブロミド(構造式3c)(MIP−1162)>
MeOH(5mL)中の構造式2c(300mg,0.80mmol)及びRe(CO)3(H2O)Br(405mg,0.88mmol)の懸濁液を圧力管に入れた。その反応混合物を油浴で42時間100℃で加熱し、次いで室温まで冷却した。得られた黄色の懸濁液を水(25mL)で希釈し、DCM(3×25mL)を用いて抽出した。このプールした抽出物を、溶離液としてDCM(100mL)中の10%のMeOHを用いてシリカゲルのパッドを通過させた。その溶媒を真空中で除去して、その残渣を50%のエタノール水溶液(10mL)から結晶化して、MIP−1162を白色固体として得た(86mg,17%)。H NMR(400MHz,DMSO−J)δ8.82(d,J=5.4Hz,2H),8.02(m,2H),7.83(d,J=8.3Hz,2H),7.63(d,J=8.3Hz,2H),7.60(d,J=7.8Hz,2H),7.49(m,2H),7.32(s,2H),5.11(m,4H),3.94(m,2H),3.27(m,2H);(M+H)(653)。
【化90】

【実施例2】
【0145】
<4−オキソ−4−(4−スルファモイルフェネチルアミノ)ブタン酸>
4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド(1g,5.0mmol)及び無水コハク酸(500mg,5.0mmol)を、ジオキサン(100mL)を含有している丸底フラスコ中で組み合わせて、そのスラリーを一晩加熱還流した。その白色固体を濾過して、冷ジオキサンで洗浄して、所望の生成物(1.4g,4.6mol,92%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.00(s,1H),7.71(d,J=8.1Hz,2H),7.36(d,J=8.1Hz,2H),7.38(s,1H),3.26(m,2H),2.75(t,J=7.1Hz,2H),2.5(m,2H),2.3(t,J=7.1Hz,2H);(M+H)+(301)。
【化91】

【0146】
<トリカルボニルレニウム(I)N1−(4−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ブチル)−N4−(4−スルファモイルフェネチル)スクシンアミドブロミド>
4−オキソ−4−(4−スルファモイルフェネチルアミノ)ブタン酸(210mg,0.68mmol)及びトリカルボニルレニウム(I)(N1,N1−ビス(ピリジン−2−イルメチル)プロパン−1,4−ジアミン)ブロミド(404mg,1.34mmol)をDMF(2mL)及びDIPEA(1.5mL)中に溶解した。そのスラリーを全ての成分が溶解するまで室温で攪拌した。次いで、DCC(148mg,0.72mmol)を一度に添加して、その反応物を一晩攪拌した。その溶液を乾燥するまでエバポレートして、冷アセトン(20mL)を粗反応混合物に添加して、これを濾過してジシクロヘキシル尿素を除去した。そのアセトン溶液を減圧下で乾燥して、粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(逆相)によって精製して、所望の生成物をオフホワイトの固体として得た。(M+H)+(823)。
【化92】

【実施例3】
【0147】
<t−ブチル6−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ヘキシルカルバメート>
市販のBOC−1,6−ジアミノヘキサン(5.0g,23.5mmol)を、DCE(250mL)に添加して、室温で徹底的に攪拌する一方、2−ピリジンカルボキシアルデヒド(4.1mL,51.7mmol)を一度に添加した。その溶液を室温で10分間攪拌し、次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(11.5g,54mmol)を一度に添加した。その溶液を室温で一晩攪拌した。明るい黄色の溶液を、乾燥するまでエバポレートし、2Nの水酸化ナトリウム(150mL)で処理して、DCM(4×150mL)で抽出した。その有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥して、黄色の油状物まで濃縮した(7.15g,76%の収率)。(M+H)+(399)。
【化93】

【0148】
<トリカルボニルレニウム(I)t−ブチル6−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ヘキシルカルバメートブロミド>
t−ブチル6−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ヘキシルカルバメート(355mg,0.89mmol)を、圧力管の中でメタノール(4mL)中に合わせて、Re(CO)3(H2O)2Br(360mg,0.9mmol)を添加して、アルゴン下で、一晩125℃で攪拌した。その溶液を真空下で濃縮して、アセトン(20mL)で処理し、セライト(商標)を通して濾過して、レニウム塩を除去した。その溶液をエバポレートし乾燥して所望の生成物(509mg,0.76mmol,85%)を黄褐色の泡状物として得た(M+H)+(671)。
【化94】

【0149】
<トリカルボニルレニウム(I)6−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)−ヘキシルアミンブロミド>
トリカルボニルレニウム(I)t−ブチル6−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ヘキシルカルバメートブロミド(509mg,0.76mmol)を、DCM(2mL)に溶解して、アニソール(100□L)を添加した。この溶液にTFA(4mL)を一度に添加し、その溶液を2.5時間、又は脱保護がTLCで完全と判定されるまで攪拌した。溶媒のエバポレーションによって、油状物として所望のTFAを得た(433mg,0.76mmol,100%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.00(m,2H),8.01(m,2H),7.83(s,3H),7.55(m,2H),7.41(m,2H),4.89(s,4H),3.75(m,2H),2.75(m,2H),1.85(m,2H),1.6(m,2H),1.35(m,4H);(M+H)+(571)。
【化95】

【実施例4】
【0150】
<3−(2−アミノエチル)−2−メチル−1H−インドール−5−スルホンアミド>
4−ヒドラジニルベンゼンスルホンアミド塩酸塩(12g,51mmol)及び5−クロロペンタノン(6.2g,51mmol)をエタノール(50mL)中で組み合わせて、一晩加熱還流した。得られた褐色の溶液を濾過して、形成された沈殿物を除去し、その固体をエタノール(300mL)で洗浄して、所望の生成物(10.9g,37mmol,73%の収率)を塩酸塩として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ11.49(s,1H),8.11(s,3H),7.98(m,1H),7.5(m,1H),7.39(m,1H),7.07(s,2H),3.0(m,2H),2.91(s,2H),2.37(s,3H);(M+H)+(254)。
【化96】

【0151】
<3−(2−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)エチル)−2−メチル−1H−インドール−5−スルホンアミド>
3−(2−アミノエチル)−2−メチル−1H−インドール−5−スルホンアミド(350mg,1.49mmol)をDCE(40mL)に添加して、その反応混合物を60℃まで温めた。2−ピリジンカルボキシアルデヒド(337mg,3.14mmol)を一度に添加して、その溶液を2時間撹拌した。次いで、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(761mg,3.59mmol)を一度に添加して、その反応物を60℃で一晩撹拌した。その反応物を乾燥するまで濃縮して、2Nの水酸化ナトリウム(50mL)で処理して、DCM(3×150mL)で抽出した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮して所望の生成物(273mg,0.63mmol,41%)を黄色の油状物として得て、これを直接用いた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ11.13(s,1H),8.50(m,3H),7.91(d,J=8.3Hz,1H),7.72(m,3H),7.46(m,4H),7.33(d,J=8.3Hz,1H),7.22(m,3H),7.01(s,1H),3.86(s,1H),2.90(m,2H),2.60(m,2H),2.21(s,3H);(M+H)+(436)。
【化97】

【0152】
<トリカルボニルレニウム(I)3−(2−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)エチル)−2−メチル−1H−インドール−5−スルホンアミドブロミド>
3−(2−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)エチル)−2−メチル−1H−インドール−5−スルホンアミド(273mg,64mmol)を、圧力管中においてMeOH(5mL)中で懸濁した。この溶液に、Re(CO)3(H2O)Br(257mg,0.64mmol)を一度に添加した。その溶液をアルゴンガスで覆って、125℃で4時間撹拌した。黄色の溶液を乾燥するまでエバポレートして、その粗物質をアセトン(50mL)で処理して、形成された固体を濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、所望の生成物(290mg,0.41mmol,65%)を黄色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ11.47(s,1H),8.83(d,J=5.5Hz,2H),8.12(s,1H),8.03(t,J=7.4Hz,2H),7.62(d,J=7.4Hz,2H),7.54(m,1H),7.42(m,3H),7.06(s,2H),5.16(t,J=5.6Hz,3H),5.11(s,1H),3.81(m,2H),3.27(m,2H),2.47(d,J=4.6Hz,5H),2.07(d,J=4.6Hz,2H);(M+H)+(706)。
【化98】

【0153】
4−チオ尿素ベンゼンスルホンアミド類は、Casini et al,Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistry,2002,Vol.17(5),333〜343に記載の方法から改変した以下のスキームに例示される方法によって調製した。
【化99】

【0154】
一般には、適切な置換アニリンを、無水アセトニトリル(10mL)中の4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド(2.0mmol)の懸濁液に添加して、その反応物を室温で3時間撹拌した。その反応混合物を濃縮して粗固体を得て、これをアセトン−水から再結晶化して、白色からオフホワイトの固体として、所望の4−チオ尿素ベンゼンスルホンアミド類を45〜95%におよぶ収率で得た。同様に、1,3,4−チアジアゾールアナログ類を5−イソチオシアネート1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミドから同じ方式で調製できる。
【実施例5】
【0155】
<4−(3,3−ビス(ピリジン−2−イルメチル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1138)>
無水アセトニトリル(10mL)中の4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド(401mg,1.87mmol)の懸濁液に、ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミン(373mg,1.87mmol)を添加した。その反応混合物は透明になり、白色沈殿物が形成された。その固体を濾過して、アセトニトリルで洗浄して、乾燥して白色の固体としてMIP−1138を得た(710mg,92%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ11.18(s,1H),8.61(br,2H),7.79−7.64(m,6H),7.34−7.25(m,6H),5.14(br,4H);(M+H)+(414)。
【化100】

【実施例6】
【0156】
<4−(3−(3−ヨードベンジル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1139)>
無水アセトニトリル(10mL)及びトリエチルアミン(0.3mL,4.0mmol)中の4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド(378mg,1.76mmol)の懸濁液に、3−ヨードベンジルアミン塩酸塩(476mg,1.76mmol)を添加した。その反応混合物を温めて、透明な溶液を得た。2時間の攪拌後、その反応物を濃縮して、その粗固体をメタノール/水から再結晶化して、白色の固体を得た。その固体を濾過して、ヘキサンで洗浄して、所望の生成物MIP−1139(715mg,91%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.95(br,1H),8.48(br,1H),7.74−7.61(m,5H),7.36−7.12(m,3H),4.70(m,2H);(M+H)+(448)。
【化101】

同様に、以下の化合物を調製した。
【実施例7】
【0157】
<4−((3−(3−ヨードフェニル)チオウレイド)メチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1185)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.83(s,1H),8.44(s,1H),7.92(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.48−7.40(m,4H),7.32(s,2H),7.11(t,J=8.0Hz,1H),4.79(d,J=5.2Hz,2H);MS(ESI),447.9(M+H)+
【化102】

【実施例8】
【0158】
<4−(2−(3−(3−ヨードフェニル)チオウレイド)エチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1186)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.62(s,1H),7.91(brs,1H),7.86(s,1H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.44(d,J=8.0Hz,3H),7.31(brs,3H),7.08(t,J=8.0Hz,1H),3.71(brs,2H),2.95(t,J=7.2Hz,2H);MS(ESI),462.0(M+H)+
【化103】

【実施例9】
【0159】
<4−(2−(3−(2−ヨードフェニル)チオウレイド)エチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1188)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.12(s,1H),7.87(d,J=8.0Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,3H),7.43(d,J=8.4Hz,2H),7.39−7.35(m,2H),7.30(s,2H),7.03−6.99(m,1H),3.68(brs,2H),2.95(t,J=7.0Hz,2H);MS(ESI),462.3(M+H)+
【化104】

【実施例10】
【0160】
<4−(2−(3−(4−ヨードフェニル)チオウレイド)エチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1189)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.61(s,1H),7.86(brs,1H),7.76(d,J=8.0Hz,2H),7.62(d,J=8.0Hz,2H),7.43(d,J=8.0Hz,2H),7.31(s,2H),7.19(d,J=8.0Hz,2H),3.72−3.69(m,2H),2.94(t,J=7.4Hz,2H);MS(ESI),462.3(M+H)+
【化105】

【実施例11】
【0161】
<4−((3−(2−ヨードフェニル)チオウレイド)メチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1190)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.34(s,1H),8.19(brs,1H),7.89(d,J=8.0Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.49(d,J=8.0Hz,2H),7.41−7.38(m,2H),7.31(s,2H),7.06−7.02(m,1H),4.78(d,J=4.4Hz,2H);MS(ESI),448.2(M+H)+
【化106】

【実施例12】
【0162】
<4−((3−(4−ヨードフェニル)チオウレイド)メチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1191)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.78(s,1H),8.35(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.45(d,J=8.0Hz,2H),7.31(s,2H),7.27(d,J=8.8Hz,2H),4.78(d,J=5.2Hz,2H);MS(ESI),448.2(M+H)+
【化107】

【実施例13】
【0163】
4−(3−(4−ヨードフェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1192)
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.10(s,1H),8.92(s,1H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.61(d,J=8.8Hz,2H),7.59(d,J=8.8Hz,2H),7.31(d,J=8.8Hz,2H),7.21(s,2H);MS(ESI),418.2(M+H)+
【化108】

【実施例14】
【0164】
<4−(3−(3−ヨードフェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1193)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.12(s,1H),8.92(s,1H),8.01(t,J=1.8Hz,1H),7.72(d,J=8.8Hz,2H),7.60(d,J=8.8Hz,2H),7.34(dd,J=8.0,2.0Hz,2H),7.21(s,2H),7.09(t,J=8.0Hz,1H);MS(ESI),418.2(M+H)+
【化109】

【実施例15】
【0165】
<44−(3−(5−ヨード−2−メトキシフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1195)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.30(s,1H),9.43(s,1H),8.23(d,J=1.6Hz,1H),7.73(s,4H),7.49(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),7.30(s,2H),6.91(d,J=8.4Hz,1H),3.82(s,3H);MS(ESI),464.1(M+H)+
【化110】

【実施例16】
【0166】
<4−(3−(2−ヨードフェニル)ウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1196)>
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.77(s,1H),8.01(s,1H),7.84(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),7.80(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),7.73(d,J=8.8Hz,2H),7.62(d,J=8.8Hz,2H),7.36(td,J=8.0,1.6Hz,1H),7.22(s,2H),6.88(td,J=8.0,1.6Hz,1H);MS(ESI),418.2(M+H)+
【化111】

【実施例17】
【0167】
<4−(2−(3−(2−ヨードフェニル)ウレイド)エチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1197)>
MS(ESI),446.4(M+H)+
【化112】

【実施例18】
【0168】
<4−(3−(3−フルオロ−5−ヨードフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1199)>
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.62−7.59(m,3H),7.38(dt,J=10.8,2.0Hz,1H),7.22−7.19(m,1H);MS(ESI),452.1(M+H)+
【化113】

【実施例19】
【0169】
<4−(3−(3−ヨード−4−メチルフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1200)>
1H NMR(400MHz,CDOD)δ7.86(s,1H),7.75(d,J=8.4Hz,2H),7.59(d,J=8.0Hz,2H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.17(d,J=8.0Hz,1H),2.31(s,3H);MS(ESI),448.2(M+H)+
【化114】

【実施例20】
【0170】
<4−(2−(3−(3−ヨードフェニル)ウレイド)エチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1201)>
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.78−7.73(m,3H),7.33(d,J=8.0Hz,2H),7.19(d,J=8.0Hz,1H),7.16(d,J=8.0Hz,1H),6.88(t,J=8.0Hz,1H),3.16(t,J=7.2Hz,2H),2.81(t,J=7.2Hz,2H);MS(ESI),446.2(M+H)+
【化115】

【実施例21】
【0171】
<4−(3−(5−ヨード−2−メチルフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1202)>
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.75(d,J=8.8Hz,2H),7.60(d,J=8.8Hz,2H),7.54(d,J=1.6Hz,1H),7.44(d,J=8.0,1.2Hz,1H),6.95(d,J=8.0Hz,1H),2.17(s,3H);MS(ESI),448.2(M+H)+
【化116】

【実施例22】
【0172】
<4−((3−(3−ヨードフェニル)ウレイド)メチル)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1203)>
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ7.79(t,J=1.8Hz,1H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.39(d,J=8.4Hz,2H),7.22−7.19(m,2H),6.90(t,J=8.0Hz,1H),4.35(s,2H);MS(ESI),432.3(M+H)+
【化117】

【実施例23】
【0173】
<トリカルボニルレニウム(I)4−(3−(8−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)オクチル)チオウレイド)−ベンゼンスルホンアミド(MIP−1140)>
無水アセトニトリル(1mL)及びトリエチルアミン(15μL,0.11mmol)中の4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド(11mg,0.05mmol)の懸濁液に、トリカルボニルレニウム(I)6−(ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミノ)ヘキシルアミントリフルオロアセテート(40mg,0.48mmol)を添加した。その反応混合物を室温で3時間撹拌した。その反応混合物を濃縮して、その得られた固体をメタノール/水から再結晶化して、MIP−1140をオフホワイトの固体として得た(38mg,96%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.83(br,1H),8.80(d,J=5.4Hz,2H),8.11(br,1H),7.96(m,2H),7.86−7.25(m,10H),4.90(m,4H)3.72(m,2H),3.47(br,2H),1.83(br,2H),1.57(m,2H),1.37(bm,8H);(M+H)+(811)。
【化118】

【実施例24】
【0174】
<4−(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1147)>
対象の化合物は、上記の手順を利用して4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド及び2−フルオロ−4−ヨードアニリンから調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.35(s,1H),9.77(s,1H),7.86−7.37(m,7H),7.29(bs,2H);(M+H)+(452)。
【化119】

【実施例25】
【0175】
<4−(3−(2−ヨードフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1148)>
対象の化合物は、上記の手順を利用して4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド及び2−ヨードアニリンから調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.16(s,1H),9.60(s,1H),7.90−7.81(m,8H),7.76(bs,2H);(M+H)+(434)。
【化120】

【実施例26】
【0176】
<4−(3−(4−ヨードフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1149)>
対象の化合物は、上記の手順を利用して4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド及び4−ヨードアニリンから調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.13(s,1H),10.08(s,1H),7.76−7.65(m,6H),7.32(d,J=8.8Hz,2H),7.29(bs,2H);(M+H)+(434)。
【化121】

【0177】
以下の3−チオ尿素ベンゼンスルホンアミドは、Casini et al.,Journal of Enzyme Inhibition and Medicinal Chemistry,2002,Vol.17(5),333〜343に記載の方法から改変した以下のスキームで図示される方法によって調製した。
【化122】

【0178】
一般には、適切な置換アニリンを、無水アセトニトリル(10mL)中の3−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド(2.0mmol)の懸濁液に添加して、その反応物を室温で3時間撹拌した。その反応混合物を濃縮して、得られた粗固体をアセトン−水から再結晶化して、所望の3−チオ尿素ベンゼンスルホンアミドを白色からオフホワイトの固体として45〜95%におよぶ収率で得た。
【実施例27】
【0179】
<3−(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1150)>
対象の化合物は、上記の手順を利用して3−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド及び2−フルオロ−4−ヨードアニリンから調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.19(s,1H),9.67(s,1H),7.96(m,1H),7.70(m,2H),7.58−7.49(m,3H),7.38(bs,3H);(M+H)+(452)。
【化123】

【実施例28】
【0180】
<3−(3−(2−ヨードフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1151)>
対象の化合物は、上記の手順を利用して3−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド及び2−ヨードアニリンから調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.07(s,1H),9.52(s,1H),8.01−7.37(m,9H),7.04(m,1H);(M+H)+(434)。
【化124】

【実施例29】
【0181】
<3−(3−(4−ヨードフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1152)>
対象の化合物は、上記の手順を利用して3−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド及び4−ヨードアニリンから調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ10.07(s,1H),10.01(s,1H),7.94(m,1H),7.71−7.48(m,5H),7.37(bs,2H),7.31(d,J=8.5Hz,2H);(M+H)+(434)。
【化125】

【0182】
以下のインダンスルホンアミド類は、ChemPacific,Inc.(ボルチモア,MD)から市販されている、N−(5−スルファモイル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセトアミドから調製した。N−(5−スルファモイル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセトアミドはまた、以下に示されるように、アセチル化アミノインダンのクロロスルホン化に続き、得られた塩化スルホニルの所望のスルホンアミドへの変換によって調製してもよい。
【化126】

【実施例30】
【0183】
<N−(5−スルファモイル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセトアミド(MIP−1154)>
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.30(m,1H),7.64(m,2H),7.39(m,1H),7.29(br,2H),5.30(m,1H),3.10−2.79(m,2H),2.42−2.38(m,2H),1.89(s,3H);(M+H)+(254)。
【化127】

【実施例31】
【0184】
<1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−スルホンアミド塩酸塩(MIP−1153)>
N−(5−スルファモイル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)アセトアミド(1g,3.9mmol)を含む丸底フラスコに12Nの塩酸(100mL)を添加し、その反応物を2日間加熱還流した。その反応を冷却して、濃縮し、MIP−1153(785mg,96%)を明るい黄褐色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ7.46−7.20(m,3H),3.78(br,6H),3.21−1.97(m,4H);(M+H)+(212)。
【化128】

【実施例32】
【0185】
<4−ヨード−N−(5−スルファモイル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)ベンズアミド(MIP−1146)>
ジクロロメタン(3mL)中に懸濁された1−アミノ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−スルホンアミド塩酸塩(93mg,0.38mmol)を含有する丸底フラスコに、トリエチルアミン(61μL)、続いて4−ヨードベンゾイルクロライド(100mg,0.38mmol)を添加し、その反応物を室温で一晩撹拌した。その反応物をジクロロメタン(25mL)で希釈して、10%の塩酸水溶液(10mL)、水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、濃縮して粗物質をオフホワイトの固体として得た。エタノール/水からの再結晶化によって、MIP−1146(19mg,21%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ8.96(m,2H),7.85−7.35(m,8H),5.60(m,1H),3.15−2.75(m,2H),2.15−1.90(m,2H);(M+H)+(443)。
【化129】

【実施例33】
【0186】
<4−ヨード−N−(5−スルファモイル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド>
ピリジン(5.0mL)中の5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミド(0.133g,0.50mmol)の溶液に、4−ヨードベンゾイルクロライド(0.162g,0.75mmol)を添加した。その反応混合物を室温で一晩窒素下で撹拌した。溶媒を濃縮して、水(60mL)をこの混合物に添加した。沈殿したスルホンアミドを濾過して減圧乾燥して、所望の化合物(27.3mg,13%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO)δ13.12(brs,1H),7.91(d,J=8.4Hz,2H),7.88(d,J=8.4Hz,2H);MS(ESI),411(M+H)+
【化130】

【実施例34】
【0187】
<5−(3−(3−ヨードフェニル)チオウレイド)−1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミド>
アセトニトリル(10mL)中の1−ヨード−3−イソチオシアネートベンゼン(0.13g,0.50mmol)の溶液に、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−スルホンアミド(0.108g,0.50mmol)及び無水K2CO3(0.40g)を添加した。その混合物を75℃で4時間撹拌した。溶媒をエバポレートして、水で希釈した。その沈殿した固体を濾過して減圧乾燥して、所望の化合物(99mg,45%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.99(brs,1H),8.24(brs,1H),7.78(d,J=8.0Hz,1H),7.69(t,J=1.8Hz,1H),7.35(m,1H),7.26(t,J=7.8Hz,1H),7.02(s,2H)。
【化131】

【実施例35】
【0188】
<一般的なテクネチウム−99m放射性標識手順及びMIP−1162の放射性標識法>
99mTc(CO)3(H2O)3+は、Tyco Healthcare(セントルイス,MO)から入手可能なIsolink(登録商標)放射性標識キットを用いて当該分野で公知の方法により調製した。生理食塩水(2.5mL)中の過テクネチウム酸ナトリウム,7400MBq(200mCi)を、Isolink(登録商標)放射性標識キットに添加して、そのバイアルを100℃の油浴中に置いた。その反応物を45分間加熱し、次いで1NのHCl(200μL)を添加して、反応混合物を中和した。その生成物[99mTc(CO)3(H2O)3+を、シリンジを介してバイアルから取り出し、MIP−1162を含有している別のバイアルに添加し(メタノール中の1mg/mL溶液で200μL)、続いて追加量のメタノール(0.3mL)を添加した。その反応物を80℃で1時間加熱して、その粗反応物をHPLCに注入して、放射化学的収率(RCY)を測定した(72%)。99mTc(CO)3MIP−1162及びRe MIP−1162を同時注射して、所望の生成物が存在することを示した(図1)。
【実施例36】
【0189】
<2−((2−((カルボキシメチル)(2−(4−ヨードフェニルアミノ)−2−オキソエチル)アミノ)エチル)−(2−オキソ−2−(4−スルファモイルフェニルアミノ)エチル)アミノ)酢酸(MIP−1222)>
DMF(10.0mL)中のEDTA二無水物(256mg,1.0mmol)及びスルファニルアミド(172mg,1.0mmol)の溶液を室温で4時間攪拌した。4−ヨードアニリン(219mg,1.0mmol)をこの反応混合物に添加して、得られた反応混合物を室温で少なくとも12時間(一晩)攪拌した。その溶媒を減圧下でエバポレートして、CHCN/水で溶出するAmberChrom(商標)樹脂で精製して表題の化合物(35.4mg,5.5%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.41(brs,1H),10.19(s,1H),7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.73(d,J=8.0Hz,2H),7.61(d,J=8.8Hz,2H),7.47(d,J=8.8Hz,2H),7.24(s,2H),3.50−3.46(m,8H),2.80(s,4H);MS(ESI),648(M+H)+
【化132】

【実施例37】
【0190】
<2−((2−((カルボキシメチル)(2−(4−ヨードフェニルアミノ)−2−オキソエチル)アミノ)エチル)−(2−オキソ−2−(4−スルファモイルフェネチルアミノ)エチル)アミノ)酢酸(MIP−1227)>
表題の化合物は、4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホンアミドをスルファニルアミドの代わりに用いた以外は、実施例36の調製に記載されたのと同じ手順に従って調製した。1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.19(s,1H),8.37(brs,1H),7.73(d,J=8.4Hz,2H),7.65(d,J=8.8Hz,2H),7.45(d,J=8.8Hz,2H),7.36(d,J=8.4Hz,2H),7.30(s,2H),3.70−3.30(m,10H),3.05(brs,4H),2.78(t,J=7.4Hz,2H);MS(ESI),676(M+H)+
【化133】

【実施例38】
【0191】
<2−((2−((カルボキシメチル)(2−(4−ヨードフェニルアミノ)−2−オキソエチル)アミノ)エチル)−(2−オキソ−2−(4−スルファモイルベンジルアミノ)エチル)アミノ)酢酸(MIP−1244)>
表題の化合物は、4−(アミノメチル)ベンゼンスルホンアミドをスルファニルアミドの代わりに用いる以外は、実施例36の調製に記載されたのと同じ手順に従って調製した。1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.25(s,1H),8.88(brs,1H),7.76(d,J=8.4Hz,2H),7.64(d,J=8.8Hz,2H),7.44(s,2H),7.42(s,2H),7.33(s,2H),4.38(d,J=5.6Hz,2H),3.95−3.74(m,10H),3.16(brs,4H);MS(ESI),662(M+H)+
【化134】

【実施例39】
【0192】
<2−((2−((カルボキシメチル)(2−(4−ヨードフェニルアミノ)−2−オキソエチル)アミノ)エチル)−(2−オキソ−2−(4−(3−(4−スルファモイルフェニル)チオウレイド)フェニルアミノ)エチル)アミノ)酢酸(MIP−1249)>
【化135】

【0193】
<工程1.4−(3−(4−アミノフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミドの調製>
アセトニトリル中の1,4−ジアミノベンゼン(0.324g,3.0mmol)の溶液に4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド(0.642g,3.0mmol)を添加した。その混合物を室温で3時間攪拌した。その反応混合物は透明になって、白色の沈殿物が形成された。その固体を濾過して、アセトニトリルで洗浄して乾燥し、4−(3−(4−アミノフェニル)チオウレイド)−ベンゼンスルホンアミドを白色の固体として得た(0.829g,86%)。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.65(s,2H),7.71(d,J=8.8Hz,2H),7.66(d,J=8.8Hz,2H),7.26(s,2H),7.00(d,J=8.4Hz,2H),6.52(d,J=6.8Hz,2H),5.08(s,2H);MS(ESI),323(M+H)+
【0194】
<工程2.2−((2−((カルボキシメチル)(2−(4−ヨードフェニルアミノ)−2−オキソエチル)アミノ)エチル)−(2−オキソ−2−(4−(3−(4−スルファモイルフェニル)チオウレイド)フェニルアミノ)エチル)アミノ)酢酸(MIP−1249)の調製>
表題の化合物は、4−(3−(4−アミノフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミドをスルファニルアミドの代わりに用いた以外は、実施例36に記載したのと同じ手順に従って調製した。1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.31(s,1H),10.28(s,1H),10.09(s,1H),10.04(s,1H),7.76(d,J=8.8Hz,2H),7.69(d,J=8.8Hz,2H),7.65(d,J=8.8Hz,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),7.43(t,J=8.6Hz,4H),7.31(s,2H),4.00−3.60(m,10H),3.24(s,4H);MS(ESI),798(M+H)+
【実施例40】
【0195】
<4−(3−(4−(3−(3−ヨードフェニル)チオウレイド)フェニル)チオウレイド)ベンゼン−スルホンアミド(MIP−1230)>
アセトニトリル中の4−(3−(4−アミノフェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(0.322g,1.0mmol)の溶液に、1−ヨード−3−イソチオシアネートベンゼン(0.261g,1.0mmol)を添加した。その混合物を室温で一晩攪拌した。その溶媒を減圧下でエバポレートして、その粗反応混合物中に水を添加した。形成された沈殿物を濾過して、乾燥して表題の生成物を白色の固体として得た(0.452g,78%)。1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.05(s,1H),10.02(s,1H),9.90(s,1H),9.81(s,1H),7.94(t,J=1.8Hz,1H),7.74(d,J=8.8Hz,2H),7.68(d,J=8.8Hz,2H),7.48−7.41(m,5H),7.12(t,J=8.0Hz,1H);MS(ESI),584(M+H)+
【化136】

【実施例41】
【0196】
<(S)−5−((S)−4−カルボキシ−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルアミノ)−5−オキソ−4−(3−(4−スルファモイルフェニル)チオウレイド)ペンタン酸(MIP−1228)>
【化137】

【0197】
<工程1.(S)−メチル 4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−オキソペンタノエートの調製>
DIPEA(5.23mL)を含有しているDCM(100mL)中の4−ヨードベンジルアミン塩酸塩(2.965g,11.0mmol)、Boc−Glu(OMe)−OH−DCHA(4.426g,10.0mmol)、EDCI(2.301g,10.0mmol)、HOBt(1.351g,10.0mmol)の溶液を窒素下で室温で20時間攪拌した。その反応混合物をDCMで希釈して、1NのHCl、飽和NaHCO3溶液、及びブラインで洗浄した。その溶媒を減圧下でエバポレートして、粗生成物を得て、これを、ヘキサン/酢酸エチル(3:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して(S)−メチル 4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−オキソペンタノエート(3.653g,77%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.65(d,J=8.4Hz,2H),7.00(d,J=8.4Hz,2H),6.65(s,1H),5.24(brs,1H),4.39(t,J=5.4Hz,2H),4.15(m,1H),3.70(s,3H),2.57−2.37(m,2H),2.20−2.11(m,1H),1.99−1.90(m,1H),1.44(s,9H);MS(ESI),499(M+Na)+
【0198】
<工程2.(S)−メチル 4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−((S)−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−メトキシ−1,5−ジオキソペンタン−2−イルアミノ)−5−オキソペンタノエートの調製>
DCM(15mL)及びTFA(10mL)中の(S)−メチル 4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−オキソペンタノエート(2.129g,4.47mmol)の溶液を室温で4時間攪拌した。その溶媒をエバポレートした後、その反応混合物をDCMで希釈し、飽和K2CO3水溶液で洗浄し、真空中で濃縮して(S)−メチル 4−アミノ−5−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−オキソペンタノエート(1.67g)を得た。DIPEA(2.26mL)を含有するDCM(100mL)中の(S)−メチル 4−アミノ−5−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−オキソペンタノエート(1.67g),Boc−Glu(OMe)−OH−DCHA(1.97g,4.44mmol)、EDCI(1.02g,5.33mmol)、HOBt(0.599g,4.44mmol)の溶液を窒素下で20時間室温で攪拌した。その反応混合物をDCMで希釈して、1NのHCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで洗浄した。その有機相を分離して、減圧下でエバポレートして、粗生成物を得て、これを、溶離液としてヘキサン/酢酸エチルを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、(S)−メチル 4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−((S)−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−メトキシ−1,5−ジオキソペンタン−2−イルアミノ)−5−オキソペンタノエート(2.137g,2工程にまたがり77%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.62(d,J=8.4Hz,2H),7.20(s,1H),7.00(d,J=8.4Hz,2H),5.44(brs,1H),4.48−4.30(m,3H),4.06−4.02(m,1H),3.69(s,6H),2.54−2.37(m,4H),2.20−1.93(m,3H),1.37(s,9H);MS(ESI),620(M+H)+
【0199】
<工程3.(S)−メチル 5−(4−ヨードベンジルアミノ)−4−((S)−5−メトキシ−5−オキソ−2−(3−(4−スルファモイルフェニル)チオウレイド)ペンタンアミド)−5−オキソペンタノエートの調製>
DCM(10mL)及びTFA(4.0mL)中の(S)−メチル 4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−((S)−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−メトキシ−l,5−ジオキソペンタン−2−イルアミノ)−5−オキソペンタノエート(0.448g,0.723mmol)の溶液を室温で一晩攪拌した。溶媒がエバポレートされた後、その反応混合物をDCMで希釈して、飽和K2CO3で洗浄して、真空中で濃縮して(S)−メチル 4−アミノ−5−((S)−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−メトキシ−1,5−ジオキソペンタン−2−イルアミノ)−5−オキソペンタノエートを得た。DIPEA(0.40mL)を含有するアセトニトリル(10mL)中の上記生成物((S)−メチル 4−アミノ−5−((S)−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−メトキシ−1,5−ジオキソペンタン−2−イルアミノ)−5−オキソペンタノエート)、4−イソチオシアネートベンゼンスルホンアミド(0.171g,0.80mmol)の溶液を窒素下で48時間室温で攪拌した。その溶媒を減圧下でエバポレートして、粗生成物を得て、これを、溶離液としてDCM中の5%MeOHを用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、(S)−メチル 5−(4−ヨードベンジルアミノ)−4−((S)−5−メトキシ−5−オキソ−2−(3−(4−スルファモイルフェニル)チオウレイド)ペンタンアミド)−5−オキソペンタノエート(0.469g)を白色固体として得た。MS(ESI),756(M+Na)+,377(M/2+H)+
【0200】
<工程4.(S)−5−((S)−4−カルボキシ−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−1−オキソブタン−2−イルアミノ)−5−オキソ−4−(3−(4−スルファモイルフェニル)チオウレイド)ペンタン酸>
メタノール(3.0mL)及び水(1.0mL)中の(S)−メチル 5−(4−ヨードベンジルアミノ)−4−((S)−5−メトキシ−5−オキソ−2−(3−(4−スルファモイルフェニル)チオウレイド)ペンタンアミド)−5−オキソペンタノエート(0.200g,0.27mmol)及び水酸化リチウム(48mg)の溶液を、室温で一晩攪拌した。その反応混合物をHPLCによって精製して、表題の生成物(49.4mg)を黄色の固体として得た。MS(ESI),728(M+Na)+
【実施例42】
【0201】
<4−(3−(4−(2−(2−(2−(4−((4−ヨードフェノキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)フェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミド(MIP−1229)>
【化138】

【0202】
<工程1.tert−ブチル 4−(2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルカルバメートの調製>
アセトニトリル中のtert−ブチル 4−ヒドロキシフェニルカルバメート(1.24g,5.93mmol)、2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)エチル 4−メチルベンゼンスルホナート(1.50g,4.56mmol)及びK2CO3(2.45g,17.79mmol)の懸濁液を80℃で一晩攪拌した。その反応混合物を濾過して、アセトニトリルで洗浄した。溶媒がエバポレートされた後、その反応混合物をDCMで希釈した。DCM溶液は、飽和K2CO3水溶液及びブラインで洗浄した。その有機相を乾燥して、真空中で濃縮して、tert−ブチル 4−(2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルカルバメート(1.88g,100%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.26(d,J=8.8Hz,2H),6.86(d,J=8.8Hz,2H),6.35(s,1H),4.10(t,J=4.8Hz,2H),3.85(t,J=4.8Hz,2H),3.76−3.62(m,6H),3.39(t,J=5.2Hz,2H),1.52(s,9H);MS(ESI),389(M+Na)+
【0203】
<工程2.tert−ブチル 4−(2−(2−(2−(4−((4−ヨードフェノキシ)メチル)1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルカルバメートの調製>
THF(30mL)中のtert−ブチル 4−(2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルカルバメート(1.78g,4.86mmol)及び1−ヨード−4−(プロパ−2−イニルオキシ)ベンゼン(1.25g,4.86mmol)の溶液にH2O(8.0mL)、Cu粉末(0.31g,4.86mmol)、及びCuSO4(0.12g,0.486mmol)を添加した。その反応混合物を室温で少なくとも12時間(一晩)攪拌した。その反応混合物をセライト(商標)を通して濾過して、EtOAcで洗浄した。その有機層を分離して、EDTA溶液で洗浄、乾燥し、真空中で濃縮して粗生成物を得て、これを、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製してtert−ブチル 4−(2−(2−(2−(4−((4−ヨードフェノキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルカルバメート(2.069g,68%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.74(s,1H),7.46(d,J=9.2Hz,2H),7.15(d,J=8.8Hz,2H),6.74(d,J=9.2Hz,2H),6.66(d,J=8.8Hz,2H),6.25(brs,1H),5.04(s,2H),4.47(t,J=5.0Hz,2H),3.99(t,J=4.8Hz,2H),3.79(t,J=5.0Hz,2H),3.80(t,J=5.0Hz,2H),3.71(t,J=5.0Hz,2H),3.60−3.53(m,4H),1.44(s,9H);MS(ESI),625(M+H)+
【0204】
<工程3.4−(3−(4−(2−(2−(2−(4−((4−ヨードフェノキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)−エトキシ)フェニル)チオウレイド)ベンゼンスルホンアミドの調製>
表題の化合物を、tert−ブチル 4−(2−(2−(2−(4−((4−ヨードフェノキシ)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニルカルバメートを(S)−メチル 4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−((S)−1−(4−ヨードベンジルアミノ)−5−メトキシ−1,5−ジオキソペンタン−2−イルアミノ)−5−オキソペンタノエートの代わりに用いたこと以外は、実施例6の工程3に記載したのと同じ手順に従って調製した。1H NMR(400MHz,DMSO)δ10.00(s,1H),9.93(s,1H),8.18(s,1H),7.74(d,J=8.8Hz,2H),7.68(d,J=8.8Hz,2H),7.58(d,J=8.8Hz,2H),7.32(d,J=8.8Hz,2H),7.27(s,2H),6.88(t,J=5.6Hz,2H),5.09(s,2H),4.52(t,J=5.2Hz,2H),4.00(t,J=4.8Hz,2H),3.81(t,J=5.0Hz,2H),3.68(t,J=5.0Hz,2H),3.63−3.57(m,4H);MS(ESI),739(M+H)+
【実施例43】
【0205】
<4−(5−ヨードピリジン−2−イル)−N−(4−スルファモイルフェニル)ピペラジン−1−カルボチオアミド(MIP−1238)>
アセトニトリル(40mL)中の1−(5−ヨードピリジン−2−イル)ピペラジン(0.360g,1.247mmol)の溶液にスルファニルアミド(0.266g,1.247mmol)を添加した。その混合物を50℃で7時間攪拌した。透明になった反応混合物は白色の沈殿物を形成した。その固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して4−(5−ヨードピリジン−2−イル)−N−(4−スルファモイルフェニル)ピペラジン−1−カルボチオアミドを白色の固体として得た(0.360g,57%)。1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.60(s,1H),8.28(d,J=2.0Hz,1H),7.81(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.70(d,J=8.8Hz,2H),7.48(d,J=8.4Hz,2H),7.27(s,2H),6.76(d,J=8.8Hz,1H),4.02(t,J=5.2Hz,4H),3.62(t,J=5.2Hz,4H);MS(ESI),504(M+H)+
【化139】

【実施例44】
【0206】
<1−(5−ヨードピリジン−2−イル)−1−メチル−4−(4−スルファモイルフェニルカルバモチオイル)ピペラジン−1−イウム(MIP−1252)>
DMF(1.0mL)中の4−(5−ヨードピリジン−2−イル)−N−(4−スルファモイルフェニル)ピペラジン−1−カルボチオアミド(100mg,0.20mmol)及びヨードメタン(0.40mL)の溶液を室温で3時間攪拌した。その反応混合物をエーテルで希釈して、その固体を濾過してエーテルで洗浄し、表題の生成物を(95mg,74%)白色固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.28(d,J=2.4Hz,1H),7.83(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.30−7.18(m,4H),6.79(d,J=9.2Hz,1H),3.76−3.66(m,8H),2.28(s,3H);MS(ESI),518M+
【化140】

【実施例45】
【0207】
<一般的なヨウ素−123/131放射性標識手順及びMIP−1222の放射性標識法>
123I]−NaI又は[131I]−NaI(300mCi)を含んでいる5ccのバイアルに、100μLの注射用滅菌水(SWFI)、続いて305μLの酸溶液[酢酸(300μL)及び硫酸(5μL)]、続いて300μLの酸化剤[酢酸(0.2mL)及び30%の過酸化水素(0.335mL)であってSWFIで最終容積5mLにしている]を添加し、ここに100μLのMIP−1222のトリメチルスタンナン前駆体(アセトニトリル中に1mg/mLの溶液)を添加した。その混合物を2分間ボルテックスして、室温でさらに10分間インキュベートした。その反応を200μLの0.1Mのチオ硫酸ナトリウムでクエンチした。放射化学の収率は、50〜70%、RCP>90% 比活性≧4000mCi/μlmol(逆相HPLC分析による)におよんだ。
【化141】

【実施例46】
【0208】
本発明のさらなる例示として、読み取りには以下の化合物の表を参照しており、これは非限定的な好ましい実施形態を示す。
【表1−1】

【表1−2】

注記:本発明の好ましい実施形態では、フェニレン部分は、1,3−又は1,4−二置換パターンを介して分子の残りに連結され得る。本発明の別の好ましい実施形態では、チアジアゾールは好ましくは、1,3,4−チアジアゾールであって、ここでこのチアジアゾールの2位置は、スルホンアミド基を保有している分子の残りに連結されており、かつこのチアジアゾールの5位置は置換フェニル基を保有している分子の残りに連結されている。略号:ビス(2−ピリジルメチルアミン)(DPA);ピリジン−2−イルメチルアミノ酢酸(PAMA)、ビス(チアゾール−2−イルメチル)アミン(DTK)、及びチアゾール−2−イルメチルアミノ酢酸(MTMA)、ビス(N−カルボキシメチルイミダゾイルアミン)(DCMI)、ビス(N−1,1−ジメトキシエチルイミダゾイルアミン)(DMEI)、ビス(N−メチルイミダゾイルアミン)(DMI):ビス(N−ヒドロキシエチルイミダゾイルアミン)(DHI)。
これらのキレート部分の構造を下に示す:
【化142】

【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

注記:本発明の好ましい実施形態では、チアジアゾールは、1,3,4−チアジアゾールであり、このチアジアゾールの2位置はスルホンアミド基を保有している分子の残りに連結されており、かつこのチアジアゾールの5位置は置換フェニル基を保有している分子の残りに連結されている。
【表3−1】

【表3−2】

注記:本発明の好ましい実施形態では、チアジアゾールは好ましくは、1,3,4−チアジアゾールであり、このチアジアゾールの2位置はスルホンアミド基を保有している分子の残りに連結されており、かつこのチアジアゾールの5位置は置換フェニル基を保有している分子の残りに連結されている。
【表4−1】

【表4−2】

注記:本発明の好ましい実施形態では、チアジアゾールは好ましくは、1,3,4−チアジアゾールであり、このチアジアゾールの2位置はスルホンアミド基を保有している分子の残りに連結されており、かつこのチアジアゾールの5位置は置換フェニル基を保有している分子の残りに連結されている。
【表5−1】

【表5−2】

注記:本発明の好ましい実施形態では、チアジアゾールは好ましくは、1,3,4−チアジアゾールであり、このチアジアゾールの2位置はスルホンアミド基を保有している分子の残りに連結されており、かつこのチアジアゾールの5位置は置換フェニル基を保有している分子の残りに連結されている。
【実施例47】
【0209】
<インビトロのスクリーニング>
試験化合物は、メタノールか、又はジメチルスルホキシドのいずれかに100×のストックとして溶解された。炭酸脱水素酵素IX(67nM)及び試験化合物(1μM)は、アッセイ緩衝液(300μLの9mMのTris−HCl、81mMの塩化ナトリウム、pH7.5)中で室温で10分間インキュベートした。次いで、炭酸脱水酵素基質、4−ニトロフェニルアセテート(アセトニトリル中6.7mM)をこの混合物に添加して、室温で1時間インキュベートした。炭酸脱水酵素が触媒した4−ニトロフェニルアセテートの加水分解は、Wallac 1420マルチラベルカウンターを用いて400nmでモニターした。非酵素的な加水分解は、4−ニトロフェニルアセテートの酵素特異的な加水分解から差し引いた。炭酸脱水酵素阻害剤、アセタゾールアミド(acetazolamide)を正のコントロールとして用いた。図2及び図3は、阻害剤を添加しなかった場合の反応の阻害パーセントとして表した結果を図示する。
【0210】
本発明の特定の実施形態を例示の目的について本明細書に記載しているが、種々の改変が、特許請求の範囲に請求される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができるということは、前述より明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造式Iによって示される錯体、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩であって、
【化1】

この構造式中、
Vは、結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化2】

という基、又は
【化3】

という基(ここで、Xは、O又はSであり、Uは、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2という基(pは1から3におよぶ整数)である)であり、
Wは、結合、O、又はNHであり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から6におよぶ整数であり、
nは、0から6におよぶ整数であり、
金属は、放射性核種を含んで構成される金属部分を表し、かつ
キレートは、前記放射性核種と配位して前記錯体を形成するキレート部分を表す、構造式Iによって示される錯体、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
前記放射性核種が、テクネチウム、レニウム、イットリウム、インジウム、及び銅、からなる群から選択される、請求項1に記載の錯体。
【請求項3】
次の構造式I−aによって示される構造を有する錯体であって、
【化4】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、かつZが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環である、請求項1に記載の錯体。
【請求項4】
次の構造式I−bによって示される構造を有する錯体であって、
【化5】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、かつWが、結合、O、又はNHであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつmが、1から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項5】
次の構造式I−cによって示される構造を有する錯体であって、
【化6】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、Wが、結合、O、又はNHであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつnが、0から3におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項6】
次の構造式I−dによって示される構造を有する錯体であって、
【化7】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、0から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項7】
次の構造式I−eによって示される構造を有する錯体であって、
【化8】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項8】
次の構造式I−fによって示される構造を有する錯体であって、
【化9】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、pが、1から3におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項9】
次の構造式I−gによって示される構造を有する錯体であって、
【化10】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項10】
次の構造式I−hによって示される構造を有する錯体であって、
【化11】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、かつmが、0から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項11】
次の構造式I−iによって示される構造を有する錯体であって、
【化12】

この構造式中、
Vが、結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化13】

という基、又は
【化14】

という基(ここで、Xは、O又はSであり、Uは、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2という基(pは1から3におよぶ整数)である)であり、
mが、0から6におよぶ整数であり、
nが、0から6におよぶ整数であり、
金属が、放射性核種を含んでいる金属部分を表し、かつ
キレートが、前記放射性核種と配位して前記錯体を形成するキレート部分を表す、請求項1に記載の錯体。
【請求項12】
次の構造式I−jによって示される構造を有する錯体であって、
【化15】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、かつmが、1から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項13】
次の構造式I−kによって示される構造を有する錯体であって、
【化16】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、mが、1から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項14】
次の構造式I−lによって示される構造を有する錯体であって、
【化17】

この構造式中、Mが、テクネチウム又はレニウムであり、mが、1から6におよぶ整数である、請求項1に記載の錯体。
【請求項15】
前記放射性核種が、テクネチウム、レニウム、イットリウム、インジウム、及び銅、からなる群から選択される、請求項1に記載の錯体。
【請求項16】
前記キレートが、テトラ−アザシクロドデカン四酢酸(DOTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ビス(ピリジン−2−イルメチル)アミン(DPA)、キノリンメチルアミノ酢酸(QAA)、ビス(イソキノリンメチル)アミン、ビス(キノリンメチル)アミン(DQA)、ピリジン−2−イルメチルアミノ酢酸(PAMA)、イソキノリン−3−イルメチルアミノ酢酸、ビス(チアゾール−2−イルメチル)アミン(DTK)、チアゾール−2−イルメチルアミノ酢酸(MTMA)、ビス(N−カルボキシメチルイミダゾイルアミン)(DCMI)、ビス(N−1,1−ジメトキシエチルイミダゾイルアミン)(DMEI)、ビス(N−メチルイミダゾイルアミン)(DMI)、及びビス(N−ヒドロキシエチルイミダゾイルアミン)(DHI)、からなる群から選択される、請求項1に記載の錯体。
【請求項17】
前記放射性核種がガンマ線放射性である、請求項1に記載の錯体。
【請求項18】
前記放射性核種がポジトロン放射性である、請求項1に記載の錯体。
【請求項19】
次の一般式IIによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩であって、
【化18】

この式中、
1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化19】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Wは、結合、O、又はNHであり、
1及びW2は、独立して結合、NH、C=X、又は
【化20】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、一般式IIによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩。
【請求項20】
次の構造式II−aによって示される構造を有する化合物であって、
【化21】

この構造式中、R2が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
次の構造式II−bによって示される構造を有する、
【化22】

請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
次の構造式II−cによって示される構造を有する化合物であって、
【化23】

この構造式中、R2、R3、及びR4が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項23】
次の構造式II−dによって示される構造を有する化合物であって、
【化24】

この構造式中、R2、R3、及びR4が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項24】
次の構造式II−eによって示される構造を有する化合物であって、
【化25】

この構造式中、R2が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項25】
次の構造式II−fによって示される構造を有する化合物であって、
【化26】

この構造式中、mが、0から6におよぶ整数であり、かつR2が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項26】
次の構造式II−gによって示される構造を有する化合物であって、
【化27】

この構造式中、mが、0から6におよぶ整数であり、かつRが、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項27】
次の構造式II−hによって示される構造を有する化合物であって、
【化28】

この構造式中、R1が、ヨウ素であり、かつ
2、R3、R4、及びR5が、水素、ハロゲン、アルキル、及びアルコキシ、からなる群から独立して選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項28】
次の構造式II−iによって示される構造を有する、
【化29】

請求項19に記載の化合物。
【請求項29】
次の構造式II−jによって示される構造を有する、
【化30】

請求項19に記載の化合物。
【請求項30】
次の構造式II−kによって示される構造を有する、
【化31】

請求項19に記載の化合物。
【請求項31】
次の構造式II−lによって示される構造を有する化合物であって、
【化32】

この構造式中、Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つの少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項32】
次の構造式II−mによって示される化合物であって、
【化33】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項33】
次の構造式II−nによって示される化合物であって、
【化34】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項34】
次の構造式II−oによって示される化合物であって、
【化35】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項35】
次の構造式II−pによって示される化合物であって、
【化36】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項36】
次の構造式II−qによって示される化合物であって、
【化37】

この式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項37】
次の構造式II−rによって示される化合物であって、
【化38】

この構造式中、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項38】
次の構造式II−sによって示される化合物であって、
【化39】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項39】
次の構造式II−tによって示される化合物であって、
【化40】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項40】
次の構造式II−uによって示される化合物であって、
【化41】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項41】
次の構造式II−vによって示される化合物であって、
【化42】

この構造式中、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項42】
次の一般式IIIによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩であって、
【化43】

この式中、
1及びV2は、独立して結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化44】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
1は、結合、NH、C=X、又は
【化45】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、
yは、0から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、一般式IIIによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩。
【請求項43】
次の構造式III−aによって示される構造を有する化合物であって、
【化46】

この構造式中、
2が、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化47】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
qが、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、請求項37に記載の化合物。
【請求項44】
次の一般式IVによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩であって、
【化48】

この構造式中、
1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化49】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、一般式IVによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩。
【請求項45】
次の一般式Vによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩であって、
【化50】

この構造式中、
Xは、O又はSであり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
1、R2、R3、及びR4は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、かつ
7は、H又は低級アルキルである、一般式Vによって示される化合物、又は、その立体異性体若しくは薬学的に許容できる塩。
【請求項46】
CA IXを発現する哺乳動物の組織を画像化する方法であって、以下に示される構造式I、II、III、IV、及びV、からなる群から選択される錯体若しくは化合物、その立体異性体、又は薬学的に許容できる塩、の有効量を前記哺乳動物に投与する工程を含んで構成され、
このうち、次に示される構造式Iにおいて、
【化51】

Vは、結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化52】

という基、又は
【化53】

という基(ここで、Xは、O又はSであり、Uは、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2という基(pは1から3におよぶ整数)である)であり、
Wは、結合、O又はNHであり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から6におよぶ整数であり、
nは、0から6におよぶ整数であり、
金属は、放射性核種を含んでいる金属部分を表し、かつ
キレートは、前記放射性核種と配位して前記錯体を形成するキレート部分を表し、
次に示される構造式IIにおいて、
【化54】

1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化55】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Wは、結合、O、又はNHであり、
1及びW2は、独立して結合、NH、C=X、又は
【化56】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式IIIにおいて、
【化57】

1及びV2は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化58】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から独立して選択され、
1は、結合、NH、C=X、又は
【化59】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、
yは、0から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式IVにおいて、
【化60】

1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化61】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6は、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式Vにおいて、
【化62】

Xは、O又はSであり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
1、R2、R3、及びR4は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、かつ
7は、H又は低級アルキルである、方法。
【請求項47】
前記組織中のCA IXのレベルを決定する工程をさらに含んで構成される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
一定期間にわたって前記組織中のCA IXのレベルの変化をモニタリングする工程をさらに含んで構成される、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記投与が静脈内に行われる、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記錯体が、以下に示される構造式I−aから1−1まででなる群から選択される、請求項46に記載の方法であって、
次に示される構造式I−aにおいては、
【化63】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
次に示される構造式I−bにおいては、
【化64】

Wが、結合、O、又はNHであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつmが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−cにおいては、
【化65】

Wが、結合、O、又はNHであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつnが、0から3におよぶ範囲の整数であり、
次に示される構造式I−dにおいては、
【化66】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−eにおいては、
【化67】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−fにおいては、
【化68】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、pが、1から3におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−gにおいては、
【化69】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−hにおいては、
【化70】

mが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−iにおいては、
【化71】

Vが、結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化72】

という基、又は
【化73】

という基(ここで、Xが、O又はSであり、Uが、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2という基(pは1から3におよぶ整数)である)であり、
mが、0から6におよぶ整数であり、
nが、0から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−jにおいては、
【化74】

mが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−kにおいては、
【化75】

mが、1から6におよぶ整数であり、並びに
次に示される構造式I−lにおいては、
【化76】

mが、1から6におよぶ整数であり、
かつ構造式I−aからI−lにおいては、Mが、テクネチウム又はレニウムである、方法。
【請求項51】
前記化合物が、以下に示される構造式II−aからII−vまででなる群から選択される請求項46に記載の方法であって、
次に示される構造式II−aにおいて、
【化77】

2が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から選択され、
【化78】

次に示される構造式II−cにおいて、
【化79】

2、R3、及びR4が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−dにおいて、
【化80】

2、R3、及びR4が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−eにおいて、
【化81】

2が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−fにおいて、
【化82】

mが、0から6におよぶ整数であり、かつR2が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−gにおいて、
【化83】

mが、0から6におよぶ整数であり、かつR2が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−hにおいて、
【化84】

1が、ヨウ素であり、かつ
2、R3、R4、及びR5が、水素、ハロゲン、アルキル、及びアルコキシ、からなる群から独立して選択され、
【化85】

【化86】

【化87】

次に示される構造式II−lにおいて、
【化88】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−mにおいて、
【化89】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−nにおいて、
【化90】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−oにおいて、
【化91】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−pにおいて、
【化92】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−qにおいて、
【化93】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−rにおいて、
【化94】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−sにおいて、
【化95】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−tにおいて、
【化96】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示さされる構造式II−uにおいて、
【化97】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−vにおいて、
【化98】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、方法。
【請求項52】
前記化合物が、次に示される構造式III−aからなる群から選択される請求項46に記載の方法であって、
【化99】

この構造式中、
2が、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化100】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6が、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
qが、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、方法。
【請求項53】
CA IXの過剰発現によって特徴付けられる疾患に罹患している哺乳動物を処置する方法であって、前記方法は、以下に示される構造式I、II、III、IV、及びV、その立体異性体、又は薬学的に許容できる塩からなる群から選択される治療上有効な量の錯体又は化合物を前記哺乳動物に対して投与する工程を含んで構成され、
このうち、次に示される構造式Iにおいて、
【化101】

Vは、結合、O、C=O、C(=X)−NH、
【化102】

という基、又は
【化103】

という基(ここで、Xは、O又はSであり、Uは、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2(pは1から3におよぶ整数)である)であり、
Wは、結合、O、又はNHであり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から6におよぶ整数であり、
nは、0から6におよぶ整数であり、
金属は、放射性核種を含んでいる金属部分を表し、かつ
キレートは、前記放射性核種と配位して前記錯体を形成するキレート部分を表し、
次に示される構造式IIにおいて、
【化104】

1は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化105】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6が、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
1は、結合、NH、C=X、又は
【化106】

という基(ここで、Xは、O又はSである)であり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
1は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、0から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式IIIにおいて、
【化107】

1及びV2は、独立して結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q、
【化108】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6が、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
1は、結合、NH、C=X、又は
【化109】

という基(ここで、Xが、O又はSである)であり、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
は、結合、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、
yは、0から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式IVにおいて、
【化110】

は、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化111】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6が、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Zは、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
qは、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式Vにおいて、
【化112】

Xは、O又はSであり、
mは、0から8におよぶ整数であり、
nは、0から8におよぶ整数であり、
1、R2、R3、R4、及びR5は、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、かつ
7は、H又は低級アルキルである、方法。
【請求項54】
前記錯体が、以下に示される構造式I−aからI−1まででなる群から選択される請求項53に記載の方法であって、
次に示される構造式I−aにおいて、
【化113】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
次に示される構造式I−bにおいて、
【化114】

Wが、結合、O、又はNHであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつmが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−cにおいて、
【化115】

Wが、結合、O、又はNHであり、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、かつnが、0から3におよぶ範囲の整数であり、
次に示される構造式I−dにおいて、
【化116】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
構造式I−e:
【化117】

において、Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−fにおいて、
【化118】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、pが、1から3におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−gにおいて、
【化119】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、mが、1から6におよぶ整数であり、かつnが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−hにおいて、
【化120】

mが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−iにおいて、
【化121】

Vが、O、C=O、C(=X)−NH、
【化122】

という基、又は
【化123】

という基(ここで、Xが、O又はSであり、Uが、結合又は(O−CH2−CH2−O)p−CH2−CH2(pが1から3におよぶ整数)である)であり、
mが、0から6におよぶ整数であり、
nが、0から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−jにおいて、
【化124】

mが、1から6におよぶ整数であり、
次に示される構造式I−kにおいて、
【化125】

mが、1から6におよぶ整数であり、及び
次に示される構造式I−lにおいて、
【化126】

mが、1から6におよぶ整数であり、かつ
Mが、構造式I−aからI−lにおいてテクネチウム又はレニウムである、方法。
【請求項55】
前記化合物が、以下に示される構造式II−aからII−vまででなる群から選択される請求項53に記載の方法であって、
次に示される構造式II−aにおいて、
【化127】

2が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から選択され、
【化128】

次に示される構造式II−cにおいて、
【化129】

2、R3、及びR4が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−dにおいて、
【化130】

2、R3、及びR4が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−eにおいて、
【化131】

2が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−fにおいて、
【化132】

mが、0から6におよぶ整数であり、かつR2が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−gにおいて、
【化133】

mが、0から6におよぶ整数であり、かつR2が、水素、ハロゲン、カルボキシル、アルコキシ、アルキル、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、
次に示される構造式II−hにおいて、
【化134】

1が、ヨウ素であり、かつ
2、R3、R4、及びR5が、水素、ハロゲン、アルキル、及びアルコキシ、からなる群から独立して選択され、
【化135】

【化136】

【化137】

次に示される構造式II−lにおいて、
【化138】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−mにおいて、
【化139】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−nにおいて、
【化140】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−oにおいて、
【化141】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−pにおいて、
【化142】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−qにおいて、
【化143】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−rにおいて、
【化144】

Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−sにおいて、
【化145】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−tにおいて、
【化146】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
r=1又は2であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、
次に示される構造式II−uにおいて、
【化147】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択され、並びに
次に示される構造式II−vにおいて、
【化148】

Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
mが、0から8におよぶ整数であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、方法。
【請求項56】
前記化合物が、次に示される構造式III−aからなる群から選択される請求項53に記載の方法であって、
【化149】

この構造式中、
2が、結合、O、NH、O−(CH2−CH2−O)q
【化150】

という基、CHR6−CO又はCHR6−CO−NH−CHR6−COという基(ここで、R6が、低級アルキルであって、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、リン酸、アミン、グアニジン、アミジン又はN−含有複素環、及びそれらの組み合わせ、で置換される)、からなる群から選択され、
Xが、O又はSであり、
Zが、芳香族、二環式芳香族、複素環芳香族、二環式複素環芳香族、又は複素環の環であり、
nが、0から8におよぶ整数であり、
qが、1から6におよぶ整数であり、かつ
1、R2、R3、R4、及びR5が、水素、カルボキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、及び、置換又は非置換のアミノ、からなる群から独立して選択され、ここで少なくとも1つのハロゲンが選択される、方法。
【請求項57】
CA−IXを発現する哺乳動物の組織を画像化する方法であって、放射性標識されたCA−IX阻害剤の有効量を前記哺乳動物に対して投与する工程を含んで構成される、方法。
【請求項58】
CA−IXを発現する腫瘍を保有しているのか不明な哺乳動物を画像化する方法であって、放射性標識されたCA−IX阻害剤の有効量を前記哺乳動物に対して投与する工程を含んで構成される、方法。
【請求項59】
CA−IXを発現する腫瘍を保有しているのか不明な哺乳動物を処置する方法であって、放射性標識されたCA−IX阻害剤の有効量を前記哺乳動物に対して投与する工程を含んで構成される、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−509304(P2011−509304A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542351(P2010−542351)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/030487
【国際公開番号】WO2009/089383
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(507412863)モレキュラ インサイト ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】