説明

無線通信機能および広域地理的測位機能を有するポータブルコンピュータシステム

無線通信機能および広域地理的測位機能を備えたポータブルコンピュータシステム(10)は、無線モジュール(70)に結合されたプロセッサ(30)と、前記無線モジュールおよび前記プロセッサに結合された広域測位ユニット(95)とを備える。前記無線モジュールは、無線接続を介して無線ネットワークと通信しうる。前記広域測位ユニットは、地理的位置情報を受信して、前記受信した地理的位置情報に基づいて前記ポータブルコンピュータシステムの現在の地理的位置を決定するように構成されうる。前記プロセッサは、例えば、前記現在の地理的位置情報の変化に応じて、セキュリティおよび認証の設定、システムクロック設定などのシステム構成設定を再設定するように構成されうるシステムソフトウェア(45)を実行しうる。また、認証された管理レベルユーザが、前記無線モジュールに1つ以上のコマンドを送信しうる。前記コマンドによって、システムストレージ(80)を解読不能することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポータブルコンピュータシステムに関し、より詳細には、無線通信機能および広域地理的測位機能を備えたポータブルコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピューティングプラットフォームを駆動するマイクロプロセッサの演算力と速度の増大に伴い、コンピュータシステムの可搬性が一層求められるようになっている。今では、デスクトップコンピュータで利用できる機能とアプリケーションは、すべてではないにせよ、大半がポータブルコンピュータでも利用できる。よって、これらのポータブルコンピューティングプラットフォームが、変化する地理的環境で使用されることがある。例えば、長時間のフライト中に、ユーザが複数のタイムゾーンを越えることがある。同様に、ユーザが、ある場所でシステムをシャットダウンして、別の場所でブートすることがある。このため、ポータブルコンピューティングプラットフォームが位置の変化を認識することが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、ポータブルコンピュータは置き忘れ、紛失または盗難に遭いやすいため、その内部に記憶されている機密性の高いデータが危険に曝されやすい。従来のマシンは、時にパスワード保護のログインを使用している。このタイプの保護は、権限のないユーザがマシンを使用することを防ぐには充分となりうるが、ハードディスクまたは他のシステムストレージに記憶されているデータを保護するには不十分なこともある。したがって、紛失および/または盗難に遭ったポータブルコンピュータシステムのために何らかの形の追加のセキュリティを実装することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ポータブルコンピュータシステムの各種実施形態は、無線通信機能および広域地理的測位機能を備える。一実施形態では、前記ポータブルコンピュータシステムは、無線モジュールに結合されたプロセッサと、前記無線モジュールおよび前記プロセッサに結合された広域測位ユニットとを有する。前記無線モジュールは、無線接続を介して無線ネットワークと通信しうる。前記広域測位ユニットは、地理的位置情報を受信して、前記受信した地理的位置情報に基づいて前記ポータブルコンピュータシステムの現在の地理的位置を決定するように構成されうる。
【0005】
特定の一実装では、前記プロセッサは、例えば、前記現在の地理的位置情報の変化に応じて、セキュリティおよび認証の設定、システムクロック設定などのシステム構成設定を再設定するように構成されうるシステムソフトウェアを実行しうる。
【0006】
別の各種実装では、前記ポータブルコンピュータシステムは、認証情報を生成してこれを前記無線モジュールに提供するように構成されうる認証ユニットを有する。前記無線モジュールは、コンピュータネットワークへの接続の開始中に、前記コンピュータネットワークからのチャレンジに応えて、前記プロセッサの関与がなくても、前記コンピュータネットワークに前記認証情報を提供するように更に構成されうる。また、前記無線モジュールは、前記プロセッサの関与がなくても、管理レベルユーザから着信通信を受信してこれを認証するように構成されうる。更に、前記ポータブルコンピュータシステムは、前記プロセッサに結合され、システムおよびユーザの情報を記憶するように構成されたストレージデバイスを有する。また、前記無線モジュールは、前記管理レベルユーザから1つ以上のコマンドを受信すると、前記ストレージデバイス内の前記情報を解読不能にするようにも構成されうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ポータブルコンピュータシステムの一実施形態のブロック図。
【図2】無線ネットワークで使用され、地理的位置情報を受信中の図1のポータブルコンピュータシステムの実施形態を示す図。
【図3】図1のポータブルコンピュータシステムの一実施形態の動作を示すフローチャート。
【図4A】図1のポータブルコンピュータシステムの一実施形態の斜視図。
【図4B】図1のポータブルコンピュータシステムの別の実施形態の斜視図。
【0008】
本発明は、さまざまに変形されたり代替形態を取りうるが、その特定の実施形態が、例として図面に図示され、かつ本明細書に詳細に記載される。本願にわたり、「しうる」、「してもよい」との文言は、許容を示す意味(すなわち、可能性がある、可能であること)で用いられており、義務的な意味(すなわち必須)ではない点に留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照すると、無線機能を備えたポータブルコンピュータシステムの一実施形態のブロック図が示される。ポータブルコンピュータシステム10は、メモリ40と入出力(I/O)ユニット50とに接続されたプロセッサ30を有する。I/Oハブ50は、ディスプレイ60、ストレージデバイス80、キーボード56および無線モジュール70などの各種I/Oデバイスに接続されている。無線モジュール70は、広域測位ユニット(GPU)95、低解像度ディスプレイ65、パワーマネジメントユニット90および認証ユニット75に接続されている。また、I/Oユニット50と無線モジュール70の間にオーディオサブシステム20が接続されている。一実装では、ポータブル通信デバイス10は、ラップトップ、ノートブックまたはその他のポータブルコンピュータシステムなどである。
【0010】
ポータブルコンピュータシステム10が、説明を簡単にするために省略された、他の部品および回路をさまざまに備えてもよい点に留意されたい。コンピューティングサブシステムの部品が、図1に説明のために示されている点に更に留意されたい。ブロック間の線が異なって図に示されるように、さまざまな部品に関連する機能が、異なって配分されてもよい点が考察される。更に、必要に応じて、図1に示した機能が、システムオンチップ(SOC)実装などの1つの集積回路チップに実装されてもよいことも完全に可能である。
【0011】
図に示した実施形態では、プロセッサ30は、x86アーキテクチャを実装するマイクロプロセッサを例示するものであってよい。別の実施形態では、プロセッサ30は、どのようなタイプのプロセッサでもよく、どのようなタイプのアーキテクチャで実装されてもよい。一実施形態では、プロセッサ30は、例えば、メモリ40へのメモリトランザクションを支援するためのメモリコントローラ(図示なし)を備えうる。また、プロセッサ30は、I/Oユニット50とのトランザクションを制御するためのホストインタフェース(図示なし)などの各種インタフェース回路を備えうる。
【0012】
I/Oユニット50は、各種のI/Oコントローラのいずれでもよく、これには、プロセッサ30と、各種I/Oデバイスおよびこれに接続されているバスとの間のインタフェースとして使用されうるブリッジおよびグラフィック回路(図示なし)などがある。例えば、一実施形態では、I/Oユニット50は、HyperTransport(登録商標)リンク31を介してプロセッサ30に接続されうる。このような実施形態では、I/Oユニット50は、例えば、周辺装置相互接続(PCI)デバイスおよびユニバーサルシリアルバス(USB)デバイスにそれぞれ接続するための、1つ以上のHyperTransport(登録商標)−PCIブリッジおよび/またはHyperTransport(登録商標)−USBブリッジを備えうる。また、一実施形態では、I/Oユニット50は、USB、HyperTransport(登録商標)または他のタイプのリンク57を介して無線モジュール70に接続されうるが、他の相互接続も考えられる。更に、I/Oユニット50はディスプレイ60およびLRディスプレイ65に関連して使用される、各種信号を生成するためのグラフィック機能も備えうる。
【0013】
例えば、I/Oユニット50は、HyperTransport(登録商標)リンクなどのリンクを介してプロセッサ30に接続されているが、別の実施形態では、プロセッサ30が、旧式のシステムアーキテクチャを使用してシステムの部品に接続されてもよいことが考察される。例えば、プロセッサ30が、共有バス構成(例えばフロントサイドバス(FSB))を介して、ノースブリッジなどのバスブリッジ(図示なし)に接続されてもよい。また、他の各種周辺デバイス(例えばストレージ80、キーボード56など)に接続するために、サウスブリッジなどの別個のバスブリッジ(図示なし)がノースブリッジに接続されてもよい。このような実施形態では、無線モジュール70は、例えば、USBリンクなどの任意のタイプのリンクを介してノースブリッジに接続されうる
【0014】
オーディオサブシステム20は、例えば、マイクロフォン79およびスピーカ78に関連する各種信号を生成するために、アナログ−デジタル回路およびデジタル−アナログ回路を含む音声機能を有しうる。
【0015】
ストレージ80は、大容量ストレージデバイスなどである。例えば、一実施形態では、ストレージ80は、1台以上のハードディスクドライブを備えうる。別の実施形態では、ストレージ80は、不揮発性ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス(例えばメモリースティックまたはフラッシュドライブ)、コンパクトディスク(CD)ドライブ、デジタルビデオディスク(DVD)ドライブ、テープドライブ、フロッピードライブなどの他のタイプの記憶媒体を含んでもよい。
【0016】
一実施形態では、ディスプレイ60は液晶ディスプレイ(LCD)でも、ポータブルのラップトップコンピュータおよびノートブックコンピュータによく用いられるような他のタイプのディスプレイでもよい。これに対して、LRディスプレイ65は、例えば携帯電話または個人情報端末(PDA)に使用されているタイプのディスプレイなどのディスプレイであってもよい。一実施形態では、LRディスプレイ65の解像度は、ディスプレイ60よりも低くてもよい。以下にかなり詳しく説明するように、ポータブル通信装置10のある動作モードではLRディスプレイ65が排他的に使用され、別のモードではディスプレイ60が排他的に使用され、更に別のモードでは2つのディスプレイが同時に使用されうる。
【0017】
図に示すように、無線モジュール70はアンテナ77に接続されている。無線モジュール70は、処理ユニット71および安全なメモリ72を有する。例えば、無線モジュール70は、携帯電話、無線モデムまたはその他の無線ネットワーク接続デバイスなどの無線通信デバイスの機能を備えうる。よって、一実施形態では、処理ユニット71は、命令を実行して機能を実行するほか、アナログ、デジタル、無線周波数(RF)およびベースバンドの各回路(図示なし)を備え、これらの回路は、RF信号の送受信、RJF信号のアップコンバージョンおよびダウンコンバージョン、アナログ−デジタル変換、デジタル−アナログ変換、ベースバンド信号のデジタル信号処理などに加えて、モニタおよび制御機能などのタスクを実行するように機能しうる。したがって、各種実装では、処理ユニット71は、高度RISCマシン(ARM)プロセッサ(例えばデジタル信号処理ユニット)などの別個のプロセッサ、および/または暗号化および復号などの複雑なアルゴリズムを処理するための1つ以上のハードウェアアクセラレータを含むハードウェアを備えうる。
【0018】
上で説明したように、無線モジュール70は、例えば、無線電話網を含む無線ワイドエリアネットワークなどの無線ネットワークと通信することができる。無線ネットワークは、第2世代(2G)、第3世代(3G)および第4世代(4G)の携帯電話技術などの各種技術と互換性を有しうる各種通信規格に準拠しうる。また、無線ネットワークは、WiMax、WiBro、NextNetなどのようなプロトコルと互換性を有するように実装された無線ワイドエリアネットワークであってもよい。より詳細には、各種実施形態では、無線モジュール70は、例えば、GSM(Global System for Mobile Communications)規格、PCS(Personal
Communications Service)規格およびDCS(Digital Cellular System)規格などの規格を実装するために、時分割多重アクセス(TDMA)技術、符号分割多重アクセス(CDMA)技術および/または広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)技術を使用しうる。また、各種技術プラットフォームと協調して機能する多くのデータ転送規格に対応してもよい。例えば、無線モジュール70は、GPRS(General Packet Radio Service)規格、EDGE(Enhanced Data for
GSM Evolution)規格(E−GPRS(Enhanced General Packet Radio Service standard)およびESCD(Enhanced Circuit
Switched Data)が含まれうる)、ならびに、HSCSD(high speed
circuit switched data)規格、HSDPA(high speed downlink packet access)、HSUPA(high speed
uplink packet access)、EV-DO(evolution data optimized)などを実装していてもよい。
【0019】
一実施形態では、メモリ40は、プロセッサ30やその他の装置(例えばI/Oユニット50)が使用する命令およびデータを記憶するために使用されるシステムメモリであってもよい。各種実施形態では、メモリ40は、各種の任意の揮発性または非揮発性メモリデバイスを使用して実装されうる。例えば、メモリ40は、任意の数の、デバイスのダイナミックRAMファミリのメモリデバイスを使用して実装されうる。一実施形態では、メモリ40は、メモリデバイスが取り付けられているリムーバブルまたはノンリムーバブルのメモリモジュールを使用して実装されうる。しかし、他のメモリデバイスの構成も可能であり、考察される。
【0020】
図に示すように、メモリ40には、テレフォニ用ドライバおよびアプリケーションソフトウェア45が記憶されている。テレフォニ用ドライバおよびアプリケーションソフトウェア45はストレージ80により長時間記憶されており、実行時に、プロセッサ30によって実行されている命令およびデータの少なくとも一部がメモリ40にロードされうる点に留意されたい。
【0021】
ポータブルコンピュータシステム10は、コンピューティングサブシステムと無線サブシステムを備えるように記載することができる。一実施形態では、コンピューティングサブシステムには、コンピューティングプラットフォームを一般に構成している部品が含まれうる。例えば、コンピューティングサブシステムには、プロセッサ30、メモリ40、I/Oユニット50、ディスプレイ60などが含まれうる。無線サブシステムは無線モジュール70を含み、無線モジュール70は処理ユニット71、メモリ72およびLRディスプレイ65を備える。下に更に詳しく後述するように、一実施形態では、ポータブルコンピュータシステム10はさまざまなモードで動作しうる。
【0022】
ポータブルコンピュータシステム10の動作中は、一方のサブシステムのみが使用されても、2つのサブシステムがさまざまに組み合わせて併用されてもよい。例えば、あるモードでは、ポータブルコンピュータシステム10は、無線モジュール70のみが動作し、コンピューティングサブシステムの部品はスタンバイまたは低電力状態となりうる。よって、ポータブルコンピュータシステム10は、携帯電話または個人情報端末(PDA)などの無線通信デバイスとして動作されうる。このような実施形態では、LRディスプレイ65が使用されうる。別のモードでは、無線サブシステムは電源オフまたはスタンバイモードにされ、ポータブルコンピュータシステム10が、単にラップトップコンピュータまたはノートブックコンピュータとして動作しうる。更に別のモードでは、ポータブルコンピュータシステム10は、コンピューティング機能と無線通信機能をさまざまに組み合わせて動作しうる。ポータブルコンピュータシステム10が異なるモードで動作している間に、1つ以上の部品を、電源オフまたはスタンバイモードまたは他の低電力状態にできる点に留意されたい。よって、ポータブルコンピュータシステム10は、異なるモードおよび電源状態と、これらモード間の切り替えを管理しうるパワーマネジメントユニット90を備えうる。
【0023】
ポータブルコンピュータシステム10は、インストールされているアプリケーションソフトウェアおよびドライバに応じて、音声およびデータの転送機能を備えた完全に統合された無線通信プラットフォームを備えたラップトップコンピュータとして機能しうる。また、ポータブルコンピューティングプラットフォームに、無線ハードウェアとテレフォニ用ドライバおよびアプリケーションソフトウェア45を組み込んだことで、各種の電子メール、アドレス帳および他のファイルの管理を、ユーザが意識することなくシームレスに行うことができる。例えば、テレフォニ用ドライバおよびアプリケーションソフトウェア45は、無線モジュール70を構成するために使用されうる命令を有しうる。一実装では、例えば、ユーザは、オペレーティングシステムまたは他の機構を介してドライバを選択することができる。ドライバは、無線モジュール70の1つ以上の動作特性および/または挙動を設定しうる。また、テレフォニ用ドライバおよびアプリケーションソフトウェア45は、従来、携帯電話で使用されている電子メール、アドレス帳、電話一覧、データベース、カレンダおよび他の情報を管理するために使用することができる。アプリケーションソフトウェアは、スプレッドシート、ワードプロセッシング、ゲームなど、プロセッサ30によって実行されうるアプリケーションも含みうる。ユーザがシステムの動作を設定すると、一般のIPデータトラフィック管理、着呼の受信、発呼の送信、電子メールの送受信およびディスプレイ管理などの動作が、プラットフォームのユーザからみて完全に自動化されうる。
【0024】
一実施形態では、GPU95は、ポータブルコンピュータシステム10の現在の地理的位置に対応する地理的座標情報を、処理ユニット71および/またはプロセッサ30に提供するように構成されうる。例えば、一実施形態では、GPU95は、経度、緯度、標高および時刻を決定するために使用することができる全地球測位システム(GPS)の座標情報を受信するように構成されうる。一部の実施形態では、座標情報は、GPS衛星ネットワークを介して、またはGPS地上ネットワークを介して、あるいはこれらの組み合わせを介して送信されうる。別の実施形態では、他のタイプのシステムおよびネットワークが座標情報を提供してもよい。例えば、一部の会社施設内で、位置ビーコンまたは他の地上ビーコンが座標情報を送信し、GPU95がこれを受信しうる。更に、GPU95は、無線ネットワークに対応する情報を無線モジュール70から受信しうる。例えば、ネットワークとの無線通信中に、特定のセルまたは基地局に対応する情報が、無線モジュール70によって受信され、GPU95に提供されうる。GPU95は、このネットワーク位置情報に基づいて相対位置を決定するように構成されうる。一部の実施形態では、このネットワークベースの地理的位置情報が、衛星および他の地上ベースの地理的位置情報の代わりに、あるいはこれと共にGPU95によって使用され、ポータブルコンピュータシステム10の現在の地理的位置が決定されうる。
【0025】
一実施形態では、地理的位置情報は、無線モジュール70および/またはプロセッサ30で実行中のソフトウェアによって使用されうる。より詳細には、一実施形態では、ポータブルコンピュータシステム10は、管理特権を有するリモートユーザによって安全にアクセスされうる。リモートユーザは、ポータブルコンピュータシステム10の照会、例えば、ポータブルコンピュータシステム10の現在の位置の決定、ポータブルコンピュータシステム10の無効化、大容量ストレージ80およびメモリ40の任意のデータの消去、ワイプまたはパターン書き込みなどのタスクを含む各種管理タスクを実行しうる。各種実施形態では、これらの管理タスクは、ポータブルコンピュータシステム10の機能のウェイクアップにより、ポータブルコンピュータシステム10が低電力状態または電源オフでも実行することができる。したがって、ポータブルコンピュータシステム10を紛失したかその盗難が考えられる場合、無線モジュール70に適当なコマンドを送信することで、ポータブルコンピュータシステム10の現在の位置および/または動作状態を決定することができる。
【0026】
また、別の実施形態では、無線モジュール70および/またはプロセッサ30で実行しているソフトウェアは、ポータブルコンピュータシステム10の位置に応じて、ローカルに(例えば、リモートの管理ユーザがアクセスしなくても)決定を行うために、この地理的位置情報を使用しうる。例えば、無線モジュール70は、その現在の位置を決定したり、セキュリティおよび認証機能を強化および/または緩和させたり、大容量ストレージ80およびメモリ40の任意のデータの消去、ワイプまたはパターン書き込みを行なったり、現在の位置がターゲット位置の所定の半径内にない場合に、ポータブルコンピュータシステム10を無効にするように構成されうる。これらのタスクは、ユーザの関与がある場合でも、ない場合でも実行できる点に留意されたい。例えば、一部の実施形態では、ソフトウェアおよびハードウェアは、地理的位置情報に基づいて自律的にタスクを実行するように構成されうる。
【0027】
無線モジュール70および/またはプロセッサ30は、セキュリティ関連の動作に加えて、地理的位置情報を使用して、位置に基づいて他の決定を行うことができる命令を実行しうる。例えば、地理的位置情報が、無線接続プロトコルおよび/またはサービスプロバイダの選択/変更、タイムゾーンおよび地理的マッピング情報の調整、システムクロックの基準クロックへの同期、特定の位置に対応するユーザへの警報の発令などに使用されうる。上で説明したように、これらのタスクは、ユーザの関与がある場合でも、ない場合でも実行できる点に留意されたい。例えば、一部の実施形態では、ソフトウェアおよびハードウェアは、地理的位置情報に基づいて自律的にタスクを実行するように構成されうる。別の実施形態では、ユーザが、特定のタスクを許可するように求められうる。
【0028】
一実施形態では、認証ユニット75は、一意の番号を記憶するために使用されうる。一実施形態では、この一意の番号は、非対称暗号方式のキーペアの秘密キーなどである。秘密キーは、例えば、一意の個人識別番号またはユニットの電話番号から生成されうる。
【0029】
一実施形態では、認証ユニット75は、例えば、サブスクライバ識別情報モジュール(SIM)カードとして実装されるスマートカードなどのデバイスであってもよい。よって、認証ユニット75は、暗号キー/シグニチャ情報を生成するように構成された処理機能も備えうる。例えば、上記の一意の個人識別番号に加えて、一意の暗号キーが、他のキーおよびシグニチャを生成するためのシード値として使用されてもよい。このシグニチャは、無線モジュール70と無線ネットワーク間の認証シーケンス中に使用されうる。一実装では、認証ユニット75は無線モジュール70に一意のキーを提供し、この一意のキーがポータブルコンピュータシステム10の識別情報をネットワークに一意に識別するために使用されうる。よって、処理ユニット71は、キーおよびシグニチャ情報を生成するように構成されうる。
【0030】
別の実装では、認証ユニット75が、暗号キー情報を生成するための処理機能を備えており、このため、無線モジュール70がネットワークへの接続を確立するときに、無線ネットワークは、無線モジュール70に、無作為に生成された番号と共にチャレンジを提示しうる。この無作為に生成された番号が、一意の暗号キーと共に使用され、シグニチャが生成されうる。無線モジュール70は無作為に生成された番号を認証ユニット75に提供し、認証ユニット75はシグニチャを生成しうる。シグニチャは、無線モジュール70によってネットワークに送信されうる。ネットワークによって生成されたシグニチャが認証ユニット75によって生成されたシグニチャと一致した場合、ネットワークは、ポータブルコンピュータシステム10が正当なユーザであると認証する。
【0031】
同様に、無線モジュール70は、暗号キーの別の組を使用して、無線ネットワークを介してコンピュータネットワークとの認証された無線セッションを確立しうる。例えば、コンピュータネットワークは、同様の認証プロセスを使用して、無線モジュール70にチャレンジし、別の無作為に生成された番号を提供しうる。無線モジュール70は新しい無作為に生成された番号を認証ユニット75に提供し、認証ユニット75は別のシグニチャを生成しうる。このシグニチャは、無線モジュール70によってコンピュータネットワークに送信されうる。ネットワークによって生成されたシグニチャが認証ユニット75によって新たに生成されたシグニチャと一致した場合、コンピュータネットワークは、ポータブルコンピュータシステム10を正当なユーザとして認証する。
【0032】
一実施形態では、無線モジュール70は、自律的に(すなわちプロセッサ30の関与なしで)、リモートユーザから着信メッセージまたはデータグラムを受信して、無線モジュール70の認証ユニット75または安全なメモリ領域(図示なし)内に事前に記憶されているキーおよび/またはシグニチャを使用して、リモートユーザを認証するように構成されうる。より詳細には、リモートユーザは、認証され、管理レベル特権を付与されうる。管理レベルユーザは、ひとたび認証されると、さまざまなタスクを実行することができる。例えば、ポータブルコンピュータシステム10が紛失したかその盗難が考えられるか、または何らかの形で危険に曝されていると考えられる場合、管理レベルユーザは無線モジュール70にコマンドを送信しうる。例えば、管理レベルユーザは、無線モジュール70に照会し、ポータブルコンピュータシステム10の動作状態(なかでも、現在の位置、現在実行中のプロセス、メモリ/ストレージディスクのワイプの要否など)を決定しうる。
【0033】
したがって、一実施形態では、プロセッサ30がスタンバイなどの低電力状態の場合、コマンドにより、プロセッサ30がウェイクアップされうる。また、コマンドにより、プロセッサ30が無条件に割り込まれ、これにより現在のプロセスが停止されうる。別の実施形態として、コマンドにより、現在実行中の全プロセスが、コマンドが開始させようとしている任意の管理プロセスより低い優先度に設定され、これにより、管理プロセスが検出される可能性が低くなる。更に、コマンドは、プロセッサ30に対して、メモリ/ディスクのワイプまたは消去プロシージャを開始させ、ワイププロシージャの完了時に、管理レベルユーザに通知させうる。更に、コマンドにより、プロセッサ30および/またはポータブルコンピュータシステム10のその後の動作が無効化されうる。
【0034】
図2を参照すると、無線ワイドエリアネットワークで使用されている図1に示すポータブルコンピュータシステムの実施形態の図が示される。ユーザ220が、ポータブルコンピュータシステム10を操作している。図に示すように、ポータブルコンピュータシステム10は、ラップトップコンピュータまたはノートブックコンピュータであるが、ポータブルコンピュータシステム10が携帯電話、PDAなどの多くの形態を実施することができる点に留意されたい。上で説明したように、ポータブルコンピュータシステム10は、エアーインタフェースを介して無線ネットワークの1つ以上の基地局230に接続しうる。基地局230は、適宜、無線接続または有線接続のいずかを介して、ネットワーク事業者および/またはネットワークプロバイダに接続を提供することができる。基地局230はポータブルコンピュータシステム10に、セルまたはタワーおよび基地局の情報を提供し、この情報が、例えば、所定の無線領域内での相対位置を決定するために使用されうる。また、図に示すように、衛星260Aおよび260Bは、上で説明したように全地球的測位システム情報などの地理的位置情報を提供することができる。
【0035】
図3は、図1に示したポータブルコンピュータシステムの実施形態の更に詳しい動作の態様を示すフローチャートである。より詳細には、上で説明したように、ラップトップコンピュータおよびノートブックコンピュータは、変化する地理的環境で使用されることがある。また、置き忘れまたは盗難の可能性もある。多くの場合、貴重な情報、多くは機密性の高い情報が、ハードディスクドライブまたは他のシステムストレージに記憶されていることがある。図1〜図3をまとめて参照すると、ユーザが、システム設定を設定しうる。詳細には、一実施形態では、管理レベル特権を有するユーザが、システム設定を設定しうる(ブロック300)。例えば、パスワードおよび他の認証情報が入力および記憶されたり、低電力状態動作が選択されたり、リモートアクセス情報(例えばIPアドレス)が入力されうる。また、自動化されたタスク、全タイプのリモートユーザが利用可能なタスクおよび機能を含むシステム動作が設定されてもよい。
【0036】
システム設定が設定されると、ポータブルコンピュータシステム10が所望のように通常動作されうる(ブロック305)。一実施形態では、通常動作中に、GPU95は、衛星および地上局を介してGPS情報の形で、および/または他の地理的位置情報(無線ネットワークタワーの識別情報または他の局所的な地理的情報など)の形で、地理的位置情報を受信しうる。上で説明したように、ポータブルコンピュータシステム10は、複数の動作モードを有し、これらのモードでは、プロセッサ30が通常動作するか、または低電力状態(例えば、スタンバイまたはスリープなど)で動作しうる。また、無線モジュール70およびGPU95は、プロセッサ30とは独立して、アウェイク状態(awake)をとり通常動作を行うことができる。更に、プロセッサ30および無線モジュール70の両方が低電力状態でもよい。一実施形態では、無線モジュール70のわずかな受信部分を除いたポータブルコンピュータシステム10の全体が電源オフされることも考えられる。
【0037】
したがって、例えば、無線モジュール70は、データグラムの形で着信通信を受信しうる。データグラムの発信元は、管理レベルユーザによって送信されたものとして識別されうる。無線モジュール70は、データグラム内に認証情報を与えることで、認証ユニット75への認証要求を開始しうる。認証ユニット75はユーザの識別情報を認証しうる(ブロック310)。例えば、データグラムには、認証ユニット75が使用するための1つ以上のパスワードまたはシグニチャが含まれてもよい。データグラム内に、認証情報に加えて、照会に関連する1つ以上のコマンドが含まれてもよい。よって、ユーザが認証され、管理特権を有することが検証されると、無線モジュール70は、コマンドの実行を開始しうる。例えば、ユーザは、ポータブルコンピュータシステム10の現在の地理的位置などの情報を要求しうる。また、プロセッサ30および他の周辺機器の動作状態、プロセッサ30で実行中の現在のプロセスなどの他の情報が、照会で要求されてもよい。このため、無線モジュール70は、照会に応えて、要求された情報をユーザに提供しうる(ブロック315)。
【0038】
これを受けて、管理ユーザは、ポータブルコンピュータシステム10が紛失にも盗難にも遭っておらず、その内部の情報が安全でありうると判断しうる。よって、ディスクワイプが不要となりうる(ブロック320)。例えば、ポータブルコンピュータシステム10が、所有者の施設内のどこかにあると決定されたときは、この場合に該当する。このため、ポータブルコンピュータシステム10の通常動作が許可されうる(ブロック325)。しかし、一方で、多くの要因により、ポータブルコンピュータシステム10が紛失または盗難に遭っているか、その内部の情報が危険に曝されている状況にあるか、この両方であると、管理ユーザが判断することもある。よって、管理ユーザはディスクワイプが必要であると判断しうる(ブロック320)。管理ユーザは、ディスクワイプ動作を開始させる各種コマンドを送出しうる。
【0039】
一実施形態では、プロセッサ30が低電力状態でない場合(ブロック330)、無線モジュール70は、プロセッサ30に優先度の高い割り込みを送出し、これにより、現在実行中のどのプロセスも停止させる(ブロック335)。また、無線モジュール70は、プロセッサ30で実行中の他の全プロセスを、割り込みプロセスよりも低い優先度を有するように再優先付けしうる(ブロック340)。更に、無線モジュール70は、プロセッサ30に、ディスクワイプコマンドシーケンスを送出しうる(ブロック345)。例えば、ディスクワイプコマンドシーケンスによって、ストレージ80(例えばハードディスクストレージ、他の大容量ストレージデバイス)内のすべてのファイル構造ツリーが消去され、一部の実施形態では、システムメモリが、メモリに記憶されているデータを使用不可にするデータパターンによってパターン書き込みされうる(ブロック365)。ディスクワイプシーケンスが完了すると、無線モジュール70は管理ユーザに完了メッセージを送信しうる(ブロック370)。一実施形態では、無線モジュール70は、システムをシャットダウンさせうる(ブロック375)。
【0040】
ブロック330を再び参照すると、プロセッサ30が低電力状態の場合、管理ユーザはプロセッサ30を強制的にウェイクアップしないように選択することができる(ブロック350)。その代わりに、無線モジュール70は、プロセッサ30が低電力状態から解除されるまで、ディスクワイプコマンドを記憶しうる(ブロック355)。例えば、ワイプディスクコマンドは、無線モジュール70内のレジスタセットまたは他の安全な記憶域内に記憶されうる。一実施形態では、プロセッサ30がブート/リストアシーケンスを開始すると、無線モジュール70は、メモリイメージが再ロードされる前に、高優先度の割り込みにより、ブート/リストアシーケンスに割り込む。別の実施形態では、BIOSは、ディスクワイプコマンドが記憶されているため、リブートおよび/またはサスペンドからRAMへの再ロード中に、無線モジュール70を照会し、無線モジュール70が検出されたら、ブロック365と共に上で説明したように、メモリイメージがロード/再ロードされる前に、ディスクワイプシーケンスが実行されうる。
【0041】
ブロック350を再び参照すると、管理ユーザは、プロセッサ30のウェイクアップを強制的に行うように選択することができる。よって、無線モジュール70は、ウェイクアップを開始し、リブート/再ロードの前に、ディスクワイプを実行する(ブロック380)。例えば、上記と同様に、BIOSが、実行待ちのディスクワイプ動作を検出しうる。よって、BIOSは、無線モジュールに、ディスクワイプシーケンスを実行させるためのディスクワイプコマンドを送出させうる。別の実施形態では、無線モジュール70は、ブロック360において上で説明したように、システムイメージがロード/再ロードされる前に、BIOSから実行しているブートシーケンスに割り込みうる。ディスクワイプ動作は、ブロック365で説明したように進行しうる。
【0042】
特定の一実装では、ポータブルコンピュータシステム10の全体が電源オフされうる。このような実装では、無線モジュール70は、プロセッサ30やコンピューティングサブシステムの他の部分よりも早く初期化しうる。よって、無線モジュール70は、例えば、特定のコンピュータネットワークのセキュリティ企業サーバなどの特定のサーバへの接続を自律的に開始するように構成されうる。無線モジュール70は、ブートをしても安全かどうか/ブートが望ましいかどうかを決定するために、サーバに照会しうる。サーバの回答が肯定の場合、無線モジュール70はブートシーケンスを妨害しない。しかし、この回答が否定の場合には、サーバは、ディスクワイプコマンドで対応しうる。したがって、例えば、無線モジュール70は、ブロック355またはブロック380のいずれかの最初で、上で説明したように適宜ブートシーケンスに割り込みうる。
【0043】
図4Aおよび図4Bは、図1に示した無線通信機能を備えたポータブルコンピュータシステムの例示的な実施形態の斜視図である。図4Aには、ポータブルコンピュータシステム10はラップトップコンピュータ(すなわちノートブックコンピュータ)として示されており、ヒンジによって取り付けられ、開位置のカバー430を有するハウジング420を有する。図4Bは、カバー430が閉位置のポータブルコンピュータシステム10の別の実施形態を示している。
【0044】
図4Aを参照すると、カバー430は、例えば、カバーの内側面の一部を形成しているLCD、微小電子機械(MEMS)または電子インク(Eink)などのディスプレイ60を有する。また、図に示した実施形態では、ポータブルコンピュータシステム10は、カバー430に取り付けられたアンテナ77を有する。アンテナ77の取付位置、種類および個数は、実装上の詳細事項である点に留意されたい。したがって、アンテナ77は、カバー430の内側に取り付けられて図示されているが、別の実施形態では、アンテナ77は、適宜、カバー430またはハウジング420に取り付けられていても、ハウジング420に内蔵されていてもよい。また、アンテナ77は、ディスプレイ60の周囲を完全に取り巻いていても、その一部を取り巻いていてもよい。
【0045】
また、ポータブルコンピュータシステム10は、マイクロフォン78、スピーカ79A,79B、キーボード456、およびハウジング420の上面に取り付けられたタッチ式マウス制御部415を有する。また、ポータブルコンピュータシステム10は、ハウジング420の上面に取り付けられた追加のディスプレイ装置(例えばLRディスプレイ65)も有する。上で説明したように、一実施形態では、ディスプレイ65は低解像度ディスプレイなどである。さまざまな別の実施形態では、LRディスプレイ65は、例えば、スタイラスなどのポインティングデバイスの使用を補助する入力装置(例えばタッチ式スクリーン)でもよい。よって、LRディスプレイ65は、スクリーンからデータを入力するためのアナログ−デジタル変換回路を備えうる。LRディスプレイ65の位置および種類は、実装上の詳細事項でもある点に留意されたい。よって、LRディスプレイ65はどのような所望の位置に配置してもよく、その別例が図4Bに示される。
【0046】
図4Bを参照すると、図4Bに示すポータブルコンピュータシステム10の実施形態は、図4Aに示した実施形態と似ている。しかし、図4Bに示すポータブルコンピュータシステム10の実施形態は、LRディスプレイ65がハウジング420の上面に取り付けられていない。その代わり、図4Bに示すように、カバー430が閉位置のときにLRディスプレイ65が表れて使用できるように、LRディスプレイ65がカバー430の外側面に取り付けられている。また、上で説明したように、図に示した実施形態ではカバー430の外側面に取り付けられているが、アンテナ77が、適宜、ハウジング420に内蔵されたり、他の位置に取り付けられてもよい。
【0047】
上の実施形態についてかなり詳細に記載したが、上記の開示を完全に理解できれば、数多くの変形例および変更例が当業者にとって自明であろう。下記の特許請求の範囲は、このような変形例および変更例を全て包含するものと解釈されることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、一般にマイクロプロセッサに適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ(30)と、
前記プロセッサに結合され、無線接続を介して無線ネットワークと通信するように構成された無線モジュール(70)と、
前記無線モジュールに結合され、地理的位置情報を受信して、前記受信した地理的位置情報に基づいて前記ポータブルコンピュータシステムの現在の地理的位置を決定するように構成された広域測位ユニット(95)とを備える、ポータブルコンピュータシステム(10)。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記現在の地理的位置情報の変化に応じて、システム構成設定を再設定するように構成されたシステムソフトウェアを実行するように設定されている請求項1記載のポータブルコンピュータシステム。
【請求項3】
前記無線モジュールに結合され、認証情報を生成してこれを前記無線モジュールに提供するように構成された認証ユニット(75)を更に備える、請求項1記載のポータブルコンピュータシステム。
【請求項4】
前記無線モジュールは、コンピュータネットワークへの接続の開始中に、前記コンピュータネットワークからのチャレンジに応えて、前記プロセッサの関与がなくても、前記コンピュータネットワークに前記認証情報を提供するように更に構成されている、請求項3記載のポータブルコンピュータシステム。
【請求項5】
前記無線モジュールは、前記プロセッサの関与がなくても、管理レベルユーザから着信通信を受信してこれを認証するように構成されている請求項4記載のポータブルコンピュータシステム。
【請求項6】
前記プロセッサに結合され、システムおよびユーザの情報を記憶するように構成されたストレージデバイス(80)を更に備え、前記無線モジュールは、前記管理レベルユーザから1つ以上のコマンドを受信すると、前記ストレージ内の前記情報を解読不能にするように構成されている、請求項5記載のポータブルコンピュータシステム。
【請求項7】
前記無線モジュールは、前記1つ以上のコマンドを受信すると、前記プロセッサで実行中のプロセスに割り込み、前記ストレージ内の前記情報を解読不能にするように構成されている請求項6記載のポータブルコンピュータシステム。
【請求項8】
前記無線モジュールは、前記1つ以上のコマンドを受信すると、プロセッサのブートアップ中に前記プロセッサに割り込み、前記プロセッサに結合されたストレージデバイス(80)からのシステムメモリイメージの取得を許可する前に、前記ストレージデバイス内のシステムおよびユーザの情報を解読不能にするように構成されている、請求項6記載のポータブルコンピュータシステム。
【請求項9】
ポータブルコンピュータシステム(10)の無線モジュール(70)が無線接続を介して無線ネットワークと通信するステップと、
前記無線モジュールが前記無線接続に関連する特性情報を決定するステップと、
地理的位置情報を受信し、前記受信した地理的位置情報に基づいて前記ポータブルコンピュータシステムの現在の地理的位置を決定するステップとを含む方法。
【請求項10】
前記現在の地理的位置情報の変化に応じて、システム構成設定を再設定するためのシステムソフトウェアを実行するステップを更に含む、請求項9記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate


【公表番号】特表2009−543187(P2009−543187A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518099(P2009−518099)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/007841
【国際公開番号】WO2008/005082
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.GSM
【出願人】(591016172)アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド (439)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
【Fターム(参考)】