説明

物品検査装置

【課題】不良品が良品の搬出経路である後工程に流出してしまうのを確実に防止できる物品検査装置を提供する。
【解決手段】物品Wを搬送する搬送手段10と、搬送物品を順次検知する物品検知手段20と、搬送物品を検査する検査手段30と、物品検知情報および検査結果に応じて、搬送物品を搬送手段10の下流側で分別するための分別指令信号RJ1を出力する分別制御手段50と、を備えた物品検査装置において、物品検知手段20が、物品Wの搬送方向に対して直交する方向に離間する第1の検知位置p1および第2の検知位置p2でそれぞれの位置を通過する物品Wを検知する第1物品検知部21および第2物品検知部22を有し、分別制御手段50は、物品検知部21、22のそれぞれによる物品検出時間に応じて物品搬送状態を判定する搬送状態判定部51を有し、搬送状態判定部51で判定した搬送状態に応じて分別指令信号RJ2を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される物品を検査する物品検査装置、特に計量や異物検出等の検査結果に応じて下流側の分別手段を作動させる制御を実行する物品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の搬送状態でその物品を計量したりその物品中に混入した異物を検出したりする物品検査装置は、食品その他の各種製造ラインで多用されており、その検査結果に応じて下流側の分別装置による分別や不良品の選別排出等が実行されるようになっている。
【0003】
例えば、計量を行う物品検査装置では、前段コンベア及び後段コンベアの間に位置する計量コンベアを計量器に支持させ、物品が計量コンベア上を通過する度に、その物品の質量を計量コンベアの質量と共に計量器に負荷させ、計量器の出力信号から計量コンベアの質量分を減算する処理を行うことで、物品の質量(重量)を計量できるようにしている。
【0004】
このような物品検査装置では、検査結果に応じた良品と不良品、あるいはランク付けされた各ランクの被検査物品の分別処理を確実に実行する必要がある。
【0005】
従来のこの種の物品検査装置としては、例えば被検査物品を搬出する前段コンベアと、前段コンベアからの物品を一端側で受けて他端側に搬送し、搬送中の物品の質量に対応した信号を出力する計量コンベアと、計量コンベアから搬出される物品を受け入れる後段コンベアと、後段コンベア上の物品を計量コンベアの計量結果に応じて後段コンベアの搬送方向とは異なる選別排出方向に排出するための選別機と、選別機より前の所定位置で物品の通過を検知するセンサと、センサからの物品検知信号に基づいて被検査物品の搬送方向の長さ寸法又は搬送方向と直交する方向の長さ寸法を測定する寸法測定手段と、被検査物品が後段コンベア上の所定位置に達したときに所要の選別排出時間だけ選別機を作動させる選別制御手段とを備え、包装不良品等を確実に選別排出できるようにしたもの(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、金属検出装置を備えた物品検査システムにおいて、金属検出用の検出フレームの上流側にベルトコンベア上の物品の高さ寸法を測定する高さ寸法測定手段を設けて、被検査物品の検出フレーム内通過高さを一定にするように被検査物品と検出フレームの間の上下隙間に応じて検出フレームを昇降させ、所要の検査精度を担保するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2852834号公報
【特許文献2】特開2003−139865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来の物品検査装置にあっては、被検査物品の搬送中の姿勢が一定であることを前提として、検査部での検出情報を基に被検査物品の検査結果の判定処理が一律に実行されていたため、投入物品が転倒したりその投入姿勢が上下に逆転したりして物品の重なりや進路ずれ等が生じた搬送状態になると、的確な判定処理ができない場合が生じ、不良品が良品の搬出経路である後工程に流出してしまうおそれがあった。
【0008】
具体的には、例えば予め定められた内容量に満たない質量不足品が計量コンベアの風防カバーに接触する程度に重なって搬送される場合に、質量不足品が正常品と判定されてしまって後段側に搬出されてしまうおそれがあった。また、物品の搬送姿勢が搬送中に変化すると、通常の搬送姿勢時とは物品検知タイミングが異なる場合があり、通常搬送姿勢なら的確な選別排出タイミングとなるところが、搬送姿勢の変化によって的確な選別排出ができなくなる場合があった。そのため、不良品が良品の搬出経路である後工程に流出してしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題を解決するためになされたもので、不良品が良品の搬出経路である後工程に流出してしまうのを確実に防止することのできる物品検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の物品検査装置は、上記課題を解決するために、(1)投入される物品を搬送する搬送路を有する搬送手段と、前記搬送手段に投入される物品を順次検知する物品検知手段と、前記搬送手段によって搬送される前記物品を検査する検査手段と、前記物品検知手段の検知情報および前記検査手段の検査結果に応じて、前記搬送手段によって搬送される物品を前記搬送手段の下流側で分別するための分別指令信号を出力する分別制御手段と、を備えた物品検査装置において、前記物品検知手段が、前記搬送手段による前記物品の搬送方向に対して直交する方向に離間する第1の検知位置および第2の検知位置でそれぞれの位置を通過する前記物品を検知する第1物品検知部および第2物品検知部を有し、前記分別制御手段は、前記第1物品検知部および前記第2物品検知部のそれぞれによる物品検出時間に応じて前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する搬送状態判定部を有し、該搬送状態判定部で判定した搬送状態に応じて前記分別指令信号を出力することを特徴とするものである。
【0011】
この物品検査装置では、第1物品検知部および前記第2物品検知部の物品検出時間に応じて、搬送状態判定部によって搬送中の物品の搬送状態が判定され、その搬送状態に応じて分別制御手段から分別指令信号が出力される。したがって、物品の搬送状態が通常と異なる場合や搬送途中で変化したような場合でも、検査手段の検査結果のみならず搬送状態判定部で判定された搬送状態に応じて的確な分別作業が実行されることになる。
【0012】
本発明の物品検査装置においては、(2)前記第1物品検知部が前記搬送路上の物品の主たる部分を搬送する主たる物品搬送領域内に配置されるとともに、前記第2物品検知部が前記主たる物品搬送領域外に配置されるのが好ましい。
【0013】
この構成により、被検査物のうち通常は主たる搬送領域外にある部分が搬送姿勢の変化によって主たる搬送領域内に存在して搬送されるような場合でも、その搬送状態が的確に把握され、搬送状態に応じた的確な検査・判定処理が実行できることになる。
【0014】
本発明の物品検査装置においては、(3)前記第2の検知位置が前記搬送路上で前記第1の検知位置よりも高い位置に設定されたものであるのが好ましい。
【0015】
この構成により、物品の搬送状態が上下逆転や転倒、重なり等によって第1の検知位置およびそれよりも高い第2の検知位置において通常とは異なる物品搬送状態が把握されると、それらの物品検知情報に基づいて的確な検査・判定処理がなされ、その判定結果に応じた分別作業が実行できることになる。
【0016】
上記(1)又は(2)に記載の物品検査装置においては、(4)前記搬送状態判定部が、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間の長さと前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さとの比に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定するのが好ましい。
【0017】
この構成により、搬送姿勢の逆転や物品の転倒、重なり等を的確に識別することができ、物品の搬送状態を的確に判定することができる。
【0018】
また、上記(3)の構成を有する物品検査装置においては、(5)前記搬送状態判定部が、前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さと所定の判定しきい時間との比較結果に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定するようにしてもよい。
【0019】
この構成により、被検査物品の搬送姿勢の変化を容易かつ確実に識別することができ、物品の搬送状態を的確に判定することができる。
【0020】
また、上記(4)の構成を有する物品検査装置においては、(6)前記物品について予め品種を設定する品種設定手段を備え、前記搬送状態判定部が、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間の長さと前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さとの比に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する第1の判定モードと、前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さと所定の判定しきい時間との比較結果に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する第2の判定モードと、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間の長さと前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さとの比、並びに前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さと前記所定の判定しきい時間との比較結果の双方に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する第3の判定モードと、を前記品種設定手段により設定された品種に応じて選択的に実行するのがより好ましい。
【0021】
この構成により、設定品種ごとに好適な判定条件を記憶させ、的確な分別制御を実行させることができる。
【0022】
本発明の物品検査装置においては、(7)前記第1の検知位置と前記第2の検知位置とが前記搬送路の幅員方向に離間しているものであってもよい。この場合、搬送路の幅方向の複数個所で高さ検知ができ、搬送状態の判定を正確に行うことができる。
【0023】
本発明の物品検査装置は、より好ましくは、(8)前記第1物品検知部による前記物品の検出時間と前記第2物品検知部による前記物品の検出時間との情報を記憶する検知情報記憶手段を更に備えたものであってもよい。
【0024】
この構成により、検査ミスの生じ易い搬送状態とそのときの第1および第2の物品検知部の検知情報との対応関係を記憶手段の記憶情報を基に容易に確認することができ、搬送状態を異常と判定する条件の設定を容易化できる。また、記憶手段の記憶情報を基に物品搬送状態の変化を検出したり、再現・確認したりすることができる。
【0025】
本発明の物品検査装置においては、また、(9)前記検査手段が、前記搬送手段と共に前記物品の質量を計量し、該計量結果を表わす計量信号を前記分別制御手段に出力するものであってもよい。この構成により、計量結果に応じた、分別が的確に実行されることになる。
【0026】
本発明の物品検査装置においては、(10)前記検査手段が、前記物品の通過に伴う磁界の変化から前記物品中の異物を検出し、該異物の検出信号を前記分別制御手段に出力するものであってもよい。この場合、例えば物品搬送状態に応じて検出感度を推定し、その推定感度に対応する異物有無判定閾値を使用するような判定閾(しきい)値の切換え制御が可能になり、搬送状態が変化した場合でも、異物の混入した被検査物を的確に選別排出することができる。
【0027】
また、本発明の物品検査装置においては、(11)前記検査手段が、前記物品にX線を照射するとともに前記物品を透過したX線を検出して前記物品中の異物を検出し、該異物の検出信号を前記分別制御手段に出力するものであってもよい。この場合も、例えば物品搬送状態に応じて検出感度を推定し、その推定感度に対応する異物有無判定閾値を使用するような判定閾値の切換え制御が可能になり、異物の混入した被検査物を的確に選別排出することができる。
【0028】
本発明の物品検査装置においては、好ましくは、(12)投入される物品を搬送する搬送路を有する搬送手段と、前記搬送手段に投入される物品を順次検知する物品検知手段と、前記搬送手段によって搬送される前記物品を検査する検査手段と、前記物品を前記搬送手段の下流側で選択的に分別する分別手段と、前記物品検知手段の検知情報および前記検査手段の検査結果に応じて、前記分別手段の作動を制御する分別制御手段と、を備えた物品検査装置において、前記物品検知手段が、前記搬送手段による前記物品の搬送方向に対して直交する方向に離間する第1の検知位置および第2の検知位置でそれぞれの位置を通過する前記物品を検知する第1物品検知部および第2物品検知部を有し、前記分別制御手段が、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間と前記第2物品検知部による前記物品の検出時間とのうち、早期に開始する検出時間の開始時点を基準として、前記分別手段を作動させるタイミングを設定することを特徴とする。この構成により、早期に開始する検出時間の開始時点を基準として分別手段が作動し、被分別物品の搬送状態に応じた必要な分別作動時間が確保される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、第1物品検知部および前記第2物品検知部の物品検出時間に応じ、搬送状態判定部によって搬送中の物品の搬送状態が判定され、その搬送状態に応じて分別指令信号が出力されるので、物品の搬送状態が通常と異なる場合でも的確な判定処理結果に応じた分別作業を実行して、不良品が良品の搬出経路である後工程に流出してしまうのを確実に防止することのできる物品検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係る物品検査装置を示す図であり、本発明の物品検査装置を重量選別システムの一部として構成した例を示している。
【0031】
本実施形態の物品検査装置は、図1及び図2に示すように、前段コンベア11、計量コンベア12(搬送手段)及び後段コンベア13、14によって所定搬送方向に延びる搬送路10aを形成した搬送部10を備えており、前段コンベア11にはその上流側で物品Wが順次供給され載置されるようになっている。なお、物品Wは、複数製造される任意の製品、例えば量産される食品を包装材で個々に包装したものであり、箱入り製品のような定形のものでも、流動物等を封入した可撓性の袋入り製品のような不定形のものでよい。
【0032】
計量コンベア12は、前段コンベア11から所定の投入間隔で順次投入される物品Wを個々に図1中の右方向に搬送するとともに、後段コンベア13側に搬出する。また、後段コンベア13には分別装置40(分別手段)が装着されており、例えば計量値が正常範囲内の良品と質量の過不足がある不良品との搬送先が別の搬送経路に分別され振り分けられるようになっている。
【0033】
複数のコンベア11〜14は、詳細を図示しない搬送駆動機構により同期して回転駆動されるようになっており、物品Wが前段コンベア11から計量コンベア12(搬送手段)に所定の投入間隔で順次投入され、計量コンベア12から後段コンベア13、14に搬出される。
【0034】
前段コンベア11から計量コンベア12に物品Wが受け渡されて投入される位置、すなわち、両コンベア11、12の隣接部の近傍には、計量コンベア12に投入される物品Wを順次検知する物品検知手段20が設置されており、この物品検知手段20は、コンベア11による物品搬送方向に対して直交する方向、例えば図1(b)中の上下方向である鉛直方向に離間する第1の検知位置p1および第2の検知位置p2でそれぞれの位置を通過する物品を検知する第1物品センサ21(第1物品検知部)および第2物品センサ22(第2物品検知部)を有している。
【0035】
ここで、第1物品センサ21は搬送部10上で通常姿勢の物品Wの主たる部分(体積の大部分をなす部分)を搬送する主たる物品搬送領域Ap内に配置されており、第2物品センサ22はその主たる物品搬送領域外、例えば前記主たる物品搬送領域より鉛直上方に配置されている。第1物品センサ21は、第1の検知位置p1を通過する物品を検知したときに物品検知信号Sw1(in)を出力することができ、第2物品センサ22は、第1の検知位置p1より高い第2の検知位置p2を通過する物品を検知したときに物品検知信号Sw2(in)を出力することができるようになっている。これら第1物品センサ21および第2物品センサ22は、例えば前段コンベア11の幅員方向に離間する投光部21a、21bおよび受光部21b、22bからなる投受光器で構成されているが、他方式の非接触検知あるいは接触検知を行う物品検知センサとしてもよい。
【0036】
計量コンベア12は、計量器30の一部を構成する計量台31に支持されており、計量コンベア12の質量とこの計量コンベア12上に投入された物品Wの質量が計量器30に負荷されるようになっている。この計量器30は、物品検知手段20で検知された投入物品Wの質量を風袋となる計量コンベア12の質量と共に計量し、その物品W及び計量コンベア12の質量に対応する計量信号Mc(物品の質量に関連する計量信号)を出力する検査手段となっている。
【0037】
第1物品センサ21および第2物品センサ22からの物品検知信号と、計量器30からの計量信号Mcとは、それぞれ分別制御部50に取り込まれるようになっている。
【0038】
計量器30は、例えば公知の歪ゲージロードセル式の秤(はかり)で構成されるが、その場合、分別制御部50では、その秤で得られる計量(質量測定)信号から高周波成分を遮断した安定した計量出力信号を取り出すフィルタ処理がなされるようになっている。また、計量精度の面からそのフィルタ時間、遮断周波数あるいは時定数といったフィルタ特性による遅延に影響されない程度に十分な計量時間がタイマ設定されている。勿論、計量器30は、差動トランス式や電磁平衡式の秤であってもよい。
【0039】
分別制御部50は、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェース回路を備えており、検査結果の判定手段および分別制御手段として機能することにより、物品Pの計量値が許容重量範囲内か否かを判定し、その判定結果に応じて後段コンベア13側での分別装置40による分別作業を指令する分別指令信号RJ1を分別装置40の駆動部43に出力するようになっている。また、分別制御部50は、物品検知手段20の検知情報に基づき、第1物品センサ21および第2物品センサ22のそれぞれの物品検出時間の関係に応じて搬送中の物品Wの搬送状態を判定する搬送状態判定部51としても機能するようになっている。
【0040】
具体的には、分別制御部50は、質量算出手段として、図示しない内部の減算器によって、物品W及び計量コンベア12の質量の計量値から計量コンベア12の質量分の計量値を差し引く減算処理を実行して、物品Wの質量の計量値を算出し、表示部59にその計量値を出力するとともに、質量選別システムの判定部として物品Wの質量の計量値が許容質量範囲内か否かを判定する。そして、この計量値が許容質量範囲内か否かの判定結果に応じて、例えば計量値が許容質量範囲内から外れたときにその物品Wを搬送部10の搬送コンベア13上(下流側)から排除して良品と分別するための分別指令信号RJ1を出力する。
【0041】
さらに、分別制御部50は、搬送状態判定部51によって第1物品センサ21および第2物品センサ22のそれぞれの物品検出時間の関係(図4中の時間長さta、tbよび検知タイミングtc)に応じて搬送中の物品Wの搬送状態を判定し、この搬送状態判定部51で搬送状態に異常があると判定されたときに、搬送中の物品Wを搬送コンベア13上から排除して良品の正常搬送品から分別するための分別指令信号RJ2を出力する。すなわち、分別制御部50は、物品検査の結果である計量結果とその物品Wの搬送状態の異常の有無とに応じて、択一的にかつ選択的に、分別指令信号RJ1又はRJ2を分別装置40の駆動部43に出力するようになっている。
【0042】
分別装置40の駆動部43は、例えばエアーシリンダあるいはロータリソレノイドを含んで構成される公知のもので、分別制御部50からの分別指令信号RJ1、RJ2に応じて振分けアーム41、42の基端側の回転軸41a、42aを所定角度範囲内で回動させることにより、振分けアーム41、42のそれぞれを、例えば図2中に実線で示す第1の振分け位置と同図中に仮想線(振分けアーム41のみ)で示す第2の設定位置に選択的に位置させることができるようになっている。この駆動部43のエアーシリンダあるいはロータリソレノイド等は搬送部10の側方又は下方の図示しない支持フレームに支持されている。
【0043】
また、分別制御部50の搬送状態判定部51は、第1物品センサ21による物品検出時間tb(図4参照)の長さと第2物品センサ22による物品検出時間taの長さとの比ta/tbに基づいて、搬送路10a上における物品搬送状態が予め判別条件を設定した搬送状態のいずれに該当するかを判定する第1の判定モードと、第2物品センサ22による物品検出時間taの長さと所定の判定しきい時間、例えば100msecとの比較結果に基づいて、搬送部10の搬送路10a上における物品搬送状態を判定する第2の判定モードと、第1物品センサ21による物品検出時間の長さtbと第2物品センサ22による物品検出時間の長さtaとの比ta/tb、並びに第2物品センサ22による物品検出時間taの長さと所定の判定しきい時間との比較結果の双方に基づいて、搬送路10a上における物品搬送状態を判定する第3の判定モードと、を品種設定手段である設定操作部55により設定された品種に応じて選択的に実行するようになっている。
【0044】
具体的には、分別制御部50は、設定操作部55による品種設定に応じて第1の判定モードが選択設定されているときには、第1物品センサ21による物品Wの検出時間tbの長さと、第2物品センサ22による物品Wの検出時間taの長さとの比ta/tbに基づいて、搬送部10上における物品Wの搬送状態を判定する。例えば、物品検出時間の比ta/tbが所定値、例えば0.5を超えるとき(ta/tb>0.5)には、搬送状態が正常でないと判定して、選別排出指令となる分別指令信号RJ2を要求する判定を行う。
【0045】
分別制御部50は、また、設定操作部55による品種設定に応じて第2の判定モードが選択設定されているときには、第2物品センサ22による物品Wの検出時間の長さtaと所定の判定しきい時間との比較結果に基づいて、搬送部10上における物品Wの搬送状態を判定する。例えば、物品Wの検出時間の長さtaが所定の判定しきい時間100msecを超える(ta>100msec)ときには、搬送状態が正常でないと判定して、選別排出指令となる分別指令信号RJ2を要求する判定を行う。
【0046】
あるいは、分別制御部50は、設定操作部55による品種設定に応じて第3の判定モードが選択設定されているときには、第1判定大モードの判定処理と、第2判定大モードの判定処理とをそれぞれ実行して、例えば物品検出時間の比ta/tbが所定値を超えるか、物品Wの検出時間の長さtaが所定の判定しきい時間を超えるときに、搬送状態が正常でないと判定して、選別排出指令となる分別指令信号RJ2を要求する判定を行う。
【0047】
この分別制御部50は、第1物品センサ21による物品検出時間tbと第2物品センサtaによる物品検出時間との情報をその物品が分別装置40による分別・振分け位置に達するまでの遅延時間より十分に長い時間にわたって記憶蓄積する記憶部56(検知情報記憶手段)を備えている。
【0048】
なお、物品Wの質量の計量値を算出するために用いる計量コンベア12の質量分の計量値は、例えば無荷重時間中に所定回数サンプリングされた計量値の平均値であり、計量値の基準となるゼロ点に相当する。このゼロ点は質量算出手段としての分別制御部に接続された設定操作部55によって設定され、各設定情報は記憶部56に記憶されるようになっている。
【0049】
次に、動作について説明する。
【0050】
上述のように構成された本実施形態の物品検査装置では、被検査物品Wが搬送部10によって搬送されながら計量コンベア12上を通過することで、計量器30によってその質量が測定される。
【0051】
このとき、第1物品センサ21および第2物品センサ22のうち少なくとも一方で物品Wが検知され(図3(a)参照)、その検知信号が分別制御部50に取り込まれる。また、計量器30のゲージロードセル式の秤からの計量信号Mc(図3(b)参照)が分別制御部50に取り込まれて、フィルタ処理によりその計量信号Mcから高周波成分が遮断される(図3(c)参照)。
【0052】
そして、分別制御部50では、物品W及び計量コンベア12の質量の計量値から計量コンベア12の質量分の計量値を差し引く減算処理が実行され、物品Wの質量の計量値が算出されて表示部59に出力されるとともに、その計量値が許容質量範囲内か否かの判定結果に応じて、例えば計量値が許容質量範囲内から外れたときに、その物品Wを搬送コンベア13上から排除すべく所定のタイミングで分別指令信号RJ1が出力される。
【0053】
また、分別制御部50では、第1物品センサ21および第2物品センサ22のそれぞれによる物品検出時間等(例えば時間長さtb、taおよび検知タイミングtc、ti)に基づき、物品Wの搬送状態が正常に保たれているか否かが判定され、その搬送状態に異常が生じると、分別制御部50から分別指令信号RJ2が出力される。
【0054】
図4は、搬送部10上を搬送される物品Wの搬送状態の変化と、それによる第1物品センサ21および第2物品センサ22の検知信号変化を模式的に示す動作説明図である。
【0055】
まず、図4(a)に示すように、物品Wの搬送状態が良品を正常に搬送する状態である場合、物品Wが物品検知手段20を通過するときには、第1物品センサ21(同図中「下側センサ」と記す)によって物品Wが検知されるが、第2物品センサ22(同図中「上側センサ」と記す)では物品Wが検知されない。したがって、同図(a)の右側に示すように、第1物品センサ21(下側センサ)の検知信号のみがON(Highレベル)となる。
【0056】
また、図4(b)に示すように、物品Wの搬送状態が前後の物品が上下に重なって搬送される状態である場合、物品Wが物品検知手段20を通過するときには、第1物品センサ21および第2物品センサ22で共に物品Wが検知される。したがって、同図(b)の右側に示すように、第1物品センサ21および第2物品センサ22の検知信号が共にON(Highレベル)となる。
【0057】
また、図4(c)又は図4(d)に示すように、物品Wの搬送状態が前後で接近し過ぎて部分的に浮き上がるような搬送状態である場合、物品Wが物品検知手段20を通過するときには、第1物品センサ21および第2物品センサ22で共に物品Wが検知されるが、第1物品センサ21(下側センサ)の検知信号がON(Highレベル)となる時間が長く、第2物品センサ22(上側センサ)の検知信号がONとなる時間が相対的に短くなる。なお、この場合、第1物品センサ21の検知信号が一体となった複数の物品Wの搬送形態によって複数回立上ることがあるが、その場合最初の検知信号の立上りから最後の検知信号の立下りまでの間は常に第1物品センサ21の検知信号がONとなるように信号波形の調整を実行することで、両物品検知センサ21、22の物品検出時間の比較を容易化することができる。
【0058】
さらに。図4(e)又は図4(f)に示すように、物品Wが、例えば自重の半分以上を占める質量の大きい主要部分Waと、主要部分Waの重心位置から突出する質量の小さい残り部分Wbとからなる場合、同図(e)に示すようにその物品Wの残り部分Wbが搬送方向の下流側(進行方向)に向いているときには、最初に第1物品センサ21か第2物品センサ22のいずれかで残り部分Wbが検知され、次いで、主要部分Waが検知される。また、同図(f)に示すようにその物品Wの主要部分Waが搬送方向の下流側(進行方向)に向いているときには、最初に第1物品センサ21か第2物品センサ22のいずれかで主要部分Waが検知され、次いで、残り部分Wbが検知される。
【0059】
分別制御部50は、第1の判定モードが選択設定されているときには、第1物品センサ21による物品Wの検出時間tbの長さと、第2物品センサ22による物品Wの検出時間taの長さとの比(ta/tb)に基づいて、搬送部10上における物品Wの搬送状態を判定する。また、分別制御部50は、第2の判定モードが選択設定されているときには、第2物品センサ22による物品Wの検出時間の長さtaと所定の判定しきい時間、例えば100msecとの比較結果に基づいて、搬送部10上における物品Wの搬送状態を判定する。
【0060】
このように、本実施形態では、搬送方向と直交する方向に離間する第1の検知位置p1と第2の検知位置p2とでそれぞれ物品検知を行い、物品Wの搬送状態を判定できるようにしているので、被検査物品Wの搬送姿勢の逆転や物品Wの転倒、重なり等を容易かつ確実に識別することができ、物品Wの搬送状態を的確に判定することができる。したがって、物品Wの搬送状態が通常と異なる場合や搬送途中で変化したような場合でも、計量器30での検査結果に応じた分別指令信号RJ1の出力のみならず、搬送状態判定部51で判定された搬送状態に応じて、的確な分別作業が実行されることになる。
【0061】
また、本実施形態の物品検査装置では、第1物品センサ21が搬送部10上の物品Wの主要部分Waを搬送する主たる物品搬送領域Ap(図1(b)参照)内に配置されるとともに、第2物品センサ22が物品搬送領域Ap外に配置されているので、被検査物品Wのうち通常は主たる搬送領域Ap外にある部分(例えば残り部分Wbの一部)が搬送姿勢の変化によって主たる搬送領域Ap内に存在して搬送されるような場合でも、その搬送状態が的確に把握され、物品Wの搬送状態に応じた的確な検査・判定処理が実行できることになる。
【0062】
また、本発明の物品検査装置においては、第2の検知位置p2が搬送路上で第1の検知位置p1よりも高い位置に設定されているので、物品Wの搬送状態が上下逆転や転倒、重なり等によって第1の検知位置p1およびそれよりも高い第2の検知位置p2において通常とは異なる物品搬送状態が把握されると、それらの物品検知情報に基づいて的確な検査・判定処理がなされ、その判定結果に応じた分別作業が実行できることになる。
【0063】
さらに、本実施形態の物品検査装置では、分別制御部50の搬送状態判定部51において、第1物品センサ21による物品検出時間tbの長さと第2物品センサ22による物品検出時間taの長さとの比ta/tbに基づいて、物品Wの搬送状態を判定する第1の判定モードと、第2物品センサ22による物品検出時間taの長さと所定の判定しきい時間との比較結果に基づいて、物品Wの搬送状態を判定する第2の判定モードと、両モードの判定をそれぞれ実行する第3の判定モードとを、設定操作部55により設定された品種に応じて選択的に実行するので、設定品種ごとに好適な判定条件を予め分別制御部50側に記憶させておくだけで、的確な分別制御を迅速・的確に実行させることができる。
【0064】
しかも、分別制御部50は、第1物品センサ21による物品の検出時間tbと、第2物品センサ22による物品Wの検出時間taとの情報を、それらの検知タイミングと共に記憶部56に記憶蓄積させることができるので、例えば検査ミスの生じ易い搬送状態とそのときの第1物品センサ21および第2物品センサ22の検知情報との対応関係を、記憶部56の記憶情報を基に容易に確認することができ、物品搬送状態を異常と判定する条件の設定を非常に容易化することができる。また、記憶部56の記憶情報を基に物品搬送状態の変化を検出したり、特定の搬送状態を容易に再現・確認したりすることができる。
【0065】
一方、本実施形態の物品検査装置においては、搬送部10による物品Wの搬送方向に対して直交する方向に離間する第1の検知位置p1および第2の検知位置p2でそれぞれの位置を通過する物品Wを検知する第1物品センサ21および第2物品センサ22を設け、分別制御部50が、第1物品センサ21による物品Wの検出時間tbと第2物品センサ22による物品Wの検出時間taとのうち、早期に開始するいずれか一方の検出時間tb又はtaの開始時点(図4中にtiで示すタイミング)を基準として、分別装置40(分別手段)を作動させるタイミングを設定するようにしているので、早期に開始する検出時間の開始時点を基準として分別装置40が作動し、被分別物品Wの搬送状態に応じた分別作動時間が確保される。
【0066】
なお、上述の実施の形態においては、第1の検知位置p1と第2の検知位置p2とが高さ方向に離間しているものとしたが、本発明においては、第1の検知位置p1と第2の検知位置p2とが搬送方向と直交する搬送路の幅員方向(路幅方向)に離間しているものでもよい。また、第1の検知位置p1に対して、高さ方向に離間する第2の検知位置p2aと、搬送路の幅員方向(路幅方向)に離間する第2の検知位置p2bとが設けられてもよいし、各方向に離間する3つ以上の物品検知用のセンサを設けてもよい。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る物品検査装置を示す図であり、本発明の物品検査装置を重量選別システムの一部として構成した例を示している。
【0067】
本実施形態の物品検査装置は、図5(a)および図5(b)に示すように、搬送部10の上方所定高さの第1の検知位置p1と第2の検知位置p2とが搬送方向と直交する搬送路の幅員方向(路幅方向)に離間しており、両物品検知位置p1、p2にそれぞれ物品検知手段および高さ検出手段の機能を有する検出ヘッド23、24が配置されている。これら検出ヘッド23、24は、例えば前段コンベア61の幅員方向の所定範囲内で前段コンベア61から計量コンベア12に搬送される物品Wの上面の高さを検知することができる公知の2次元レーザ変位センサからなり、所定形状のケース231内にレーザ光源232、受光部233および検出信号生成部235をそれぞれ内蔵している。
【0068】
また、ケース231の下面側には下向きの凹部231aが形成されており、レーザ光源232はその凹部231aの一方側(図1中の左側)に、受光部233はその凹部231aの他方側(図5(c)中の右側)にそれぞれ配置されている。そして、検出ヘッド23の検出中心線23c上に物品表面が位置するとき、レーザ光源232からの入射光のうち物品表面で反射された光が光電変換素子からなる受光部233で受光され、受光部233からの光電流信号が検出信号生成部25で電圧信号に変換および増幅され、前段コンベア61の幅員方向の所定範囲における複数個所の高さ検出信号が出力されるようになっている。
【0069】
一方、後段コンベア13は、ドロッパ方式、例えばその上流端13a側を回動支点として下流端13b側が図5(b)中に仮想線で示すように下方に回動し、物品Wを搬送路外に排出することができる方式のものである。なお、このようにコンベア端部を昇降させるような選別排出(分別)の方式とそのための手段は公知であるので、この場合のドロッパ駆動をなす駆動部43の構成については詳述しない。
【0070】
本実施形態の物品検査装置では、第1の検知位置p1と第2の検知位置p2とが搬送部10の搬送路幅員方向(図5(a)中の上下方向)に離間しているので、搬送路の幅方向の複数個所で高さ検知ができ、物品Wの搬送状態の判定を正確に行うことができる。
【0071】
また、本実施形態においても、分別制御部50は、第1物品検知部として機能する検出ヘッド23による物品の検出時間tbと、第2物品検知部として機能する検出ヘッド24による物品Wの検出時間taとの情報を、記憶部56に記憶させるので、例えば検査ミスの生じ易い搬送状態とそのときの検出ヘッド23、24の検知情報との対応関係を記憶部56の記憶情報を基に容易に確認することができ、搬送状態を異常と判定する条件の設定を容易化できる。また、記憶部56の記憶情報を基に物品搬送状態の変化を検出したり、再現・確認したりすることができる。
【0072】
また、計量器30が、計量コンベア12と共に物品Wの質量を計量し、その計量結果を表わす計量信号を分別制御部50に出力するので、計量結果に応じた分別も的確に実行することができる。
【0073】
なお、上述の各実施形態においては、物品検査装置が計量(質量計測)を行うものとして説明したが、本発明は金属検出機やX線異物検出装置等の異物検出装置に適用することができるし、搬送中の物品を電気的、磁気的、光学的な検査手法を用いて検査する他の各種検査装置にも適用可能であることはいうまでもない。
[第3の実施の形態]
図6および図7は、本発明の第3の実施の形態に係る物品検査装置を示す図であり、本発明の物品検査装置を金属検出方式の異物検査システムの一部として構成した例を示している。
【0074】
本実施形態の物品検査装置は、食品等の商品に混入した金属異物を製造ライン中で検出するものであり、図6に示すように、被検査物品Wはコンベア61、62、63からなる搬送部60によりその搬送路60a上で所定方向に搬送され、コンベア61の搬送方向における所定の検査領域62aにおいて、物品W中に混入した金属異物(金属からなる異物又は金属成分を含んだ異物、欠品検出の場合は異物でなく構成要素となる)の検出が行われるようになっている。この検査領域62aの入り口付近には、物品Wの検査領域62a内への進入を検知する、例えば上下に離間する一対の光学式の物品検知センサ64、65が設置されている。
【0075】
物品Wの検査領域62aの近傍には物品W中の金属異物を検出する検出部70が設けられている。この検出部70は、予め設定された振幅および周波数の送信信号を発生する信号発生部71と、信号発生部71からの信号により送信コイル72aを電流駆動する磁界発生部72(磁界発生手段)と、差動検出器等で構成される磁界検出部73とを含んで構成されている。詳細は図示しないが、信号発生部71は、物品検知センサ64、65のいずれか先に物品検知する方に応動する基準信号発生器、測定期間を特定するためのタイマ、電力増幅器、同調回路等を有しており、物品Wが検査領域62aを通過するとき、設定周波数の送信信号を発生して磁界発生部72の送信コイル72aを電流駆動する。また、磁界発生部72の送信コイル72aは、例えばコンベア61を取り囲むように検出部70のフレーム70f内に収納され、信号発生部71からの電流駆動により励磁されたときに、前記送信信号の設定周波数に対応する交番磁界を検査領域62a中に発生させることができる。
【0076】
磁界検出部73は、信号発生部71および磁界発生部72と協働して複数の物品W(被検査体)について、その物品W中の金属異物を検出するようになっており、差動接続された一対の受信コイル73a、73b、同調回路および増幅器等からなる。この磁界検出部73は、磁界発生部72からの交番磁界のみに対しては一対の受信コイルの誘起電圧が等しく平衡し、両者の差動出力がゼロになるように調整されている。
【0077】
磁界中を通過する磁性金属には磁束密度の大きさに比例してより多くの磁束が引き寄せられ、磁界中を通過する非磁性金属にはその移動による磁束密度の変化を打ち消すような向きでうず電流が生じ、ジュール熱が消費されるという性質がある。したがって、コンベア61上の物品Wが検査領域62aを通過するとき、磁界検出部73の受信コイル間の出力の平衡状態がくずれる。
【0078】
磁界検出部73は、このようにコンベア61上の物品Wの移動により両受信コイル間の出力平衡状態がくずれたとき、その磁界の変化に応じた検出信号を出力する。この検出信号は、磁界発生部72側からの交番磁界に対応して前記送信信号の設定周波数を有する交流信号成分に、物品Wの磁界通過により変化する低周波信号成分が重畳した信号形態となる。
【0079】
磁界検出部73の検出信号は信号レベル測定部74に取り込まれるようになっており、この信号レベル測定部74は、詳細は図示しないが、直交検波を行う一対の同期検波器、移相器、バンドパスフィルタ、増幅器およびA/D変換器等によって構成されている。
【0080】
信号レベル測定部74の一対の同期検波器は、直交検波のために前記基準信号を位相調整した信号を取り込み、検出信号から送信信号相当の高周波成分を取り除いた検波出力を生成する。信号レベル測定部74は、この検波出力に更にフィルタによるノイズ除去およびA/D変換を施した信号を金属有無判定手段となる制御部80(分別制御手段)に出力する。
【0081】
なお、前記直交検波の出力は、例えば、磁束密度変化が大きいほど外部磁界変化を引き起こす非磁性金属の影響が大きい検出信号と、磁束密度が大きいほど外部磁界変化を引き起こす磁性金属の影響の大きい検出信号となる。また、信号レベル測定部74から出力される低周波成分の検出信号は、例えば差動検出信号の所定位相位置の瞬時値を結ぶ包絡線の波形、および前記所定位相位置から送信信号周期の1/4周期分、つまり90度だけ位相がずれた瞬時値を結ぶ包絡線の波形を形成するものとなる。
【0082】
一方、制御部80は、検出部70の検出信号および図示しない操作器からのユーザーの操作入力に基づいて所定の制御プログラムに従った演算処理を実行し、その処理結果に応じた制御信号を信号発生部71および磁界検出部73にそれぞれ出力するようになっている。
【0083】
制御部80は、例えばCPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェースを含むマイクロコンピュータ構成のもので、ROM内に格納された制御プログラムをRAMとの間でデータの授受を行いながらCPUにより実行し、I/Oインターフェースを介して取り込んだ信号レベル測定部74からの信号等に基づいて、公知の金属検出処理を実行するようになっており、発生信号の振幅および検出周波数の設定手段、磁界検出部の制御手段、記憶手段および検出周波数の選択手段等としても機能する。
【0084】
ところで、本実施形態のような金属検出方式の場合、図7に示すように、同一の金属異物であっても検出部70内を通過する異物の通過高さHによって金属検出感度が異なる。
【0085】
そこで、制御部80では、物品Wの搬送状態に応じて検出感度を推定し、その推定感度に対応する異物有無判定閾値を使用するような判定閾値の切換え制御を実行させるようになっている。そして、上述した第1、第2実施形態の分別制御部50と同様に、物品検査結果に応じて異物検出時に分別指令信号RJ1を出力することに加えて、物品検知センサ64、65の検知情報に対応する物品Wの搬送状態(図4に示したような複数の搬送状態)に応じて異物の有無を判定する判定閾値を切り換えたり、そのような判定閾値の切換えでは対処できない搬送状態の場合に選別排出信号RJ2を出力したりする。
【0086】
したがって、搬送状態が変化しても、異物の混入した不良の被検査物品Wを的確に選別排出することができる。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る物品検査装置を示す図であり、本発明の物品検査装置をX線異物検査システムの一部として構成した例を示している。
【0087】
本実施形態の物品検査装置は、図8に示すように、被検査物品Wは前段コンベア91、検査部コンベア92および後段コンベア93によって搬送路90aを形成する搬送部90によって所定方向に搬送され、搬送部90の搬送方向における所定の検査領域92aにおいて、物品W中に混入した金属異物(金属からなる異物又は金属成分を含んだ異物、欠品検出の場合は異物でなく構成要素となる)の検出が行われるようになっている。
【0088】
図8に概略のブロック構成で示すように、本実施形態の物品検査装置は、被検査物品Wを搬送するベルトコンベア92上の検査領域92a内を通過する物品WをX線によって検査する検査部100を備えており、検査部100は、X線を照射するX線源101と、検査領域92a内への物品Wの進入を検知する例えばそれぞれ投受光器からなる上下一対の進入検知センサ102、103と、検査領域92a内で搬送方向と直交する搬送路幅員方向に隣り合う複数の透過領域のそれぞれについて物品Wを透過したX線を検出し各透過領域における所定時間毎の累積透過量のデータを検出情報として出力することができるX線検出部104(X線検出手段)と、X線検出部104からの検出データを処理して表示データを生成するデータ処理ユニット106と、データ処理ユニット106からの表示データを取り込んで画面表示する表示部120とを含んで構成されている。また、搬送部90のコンベア91〜93およびX線源101は、図示しない搬送およびX線照射制御ユニットによってそれぞれ所定のタイミングで動作するよう制御される。
【0089】
ここで、搬送部90は、例えば食品や医薬品等となる個体(定形のものでも柔軟な不定形のものでもよい)の物品Wをその品種に対応する所定の一定搬送速度で搬送するとともに、その搬送途中で物品Wを図示しない装置筐体内の前記所定の検査領域92aに通してX線源101とX線検出部104の間を通過させるようになっている。
【0090】
検査部100のX線源101は、例えば陰極フィラメントからの熱電子をその陰極と陽極の間の高電圧により陽極ターゲットに衝突させてX線を発生させるX線管を有しており、発生したX線を下方のX線検出部104に向けて不図示のスリットにより搬送路幅員方向に広がる扇形のビームに整形して照射するようになっている。すなわち、X線源101は、X線検出部104と共に、いわゆるX線ファンビーム光学系を構成している。
【0091】
X線検出部104は、公知のX線ラインセンサ(詳細図示せず)と、そのX線ラインセンサからの検出情報を一時的に保持するデータ記憶部と、X線ラインセンサの感度を調整する感度調整部とで構成されている。なお、X線ラインセンサは、蛍光体であるシンチレータとフォトダイオード若しくは電荷結合素子とからなる検出素子を搬送路幅員方向にアレイ状に所定ピッチで配設した公知のもので、所定解像度でのX線検出を行うことができる。また、データ記憶部は、X線ラインセンサの複数の検出素子からのX線検出信号をそれぞれA/D変換するとともに、それら検出素子の配設ピッチに対応する所定の単位搬送時間毎に、搬送路幅員方向の全n個(例えば640個)の透過領域について、その単位時間内の累積の透過X線量(以下、単に透過量という)のデータを、例えば0から1023までの階調を表す透過量レベルのデータとして書き込む動作(以下、ライン走査という)を実行することができ、そのためのA/D変換器やプログラムおよびメモリ(図示していない)を有している。
【0092】
また、検出感度調整部は、具体的なハードウェア構成を図示していないが、例えばCPU、ROM、RAMおよびI/Oインターフェースを有するマイクロコンピュータを含んで構成されており、ROMに格納された所定の感度調整プログラムに従って、物品Wが搬送部90上に無いときベルト面のみでの各透過領域でのX線の透過量が等しい値になるようX線検出部104での検出の感度を調整するようになっている。
【0093】
データ処理ユニット106は、具体的なハードウェア構成を図示していないが、例えばCPU、ROM、RAMおよびI/Oインターフェースを有するマイクロコンピュータと、後述する複数の処理機能部の各機能を発揮するための制御プログラムをROMと協働して読み出し可能に記憶した補助記憶装置と、タイマ回路等とを含んで構成されており、ROM等に格納された制御プログラムに従って、CPUがRAM等との間でデータを授受しがら所定の演算処理を実行するとともに前記制御プログラムを実行するようになっている。
【0094】
このデータ処理ユニット106は、複数の処理機能部として、領域抽出処理部108と、X線画像生成部111と、質量算出部113と、判定出力部115(分別制御手段)とを含んでおり、X線検出部104からの検出情報を基にX線画像データの生成処理および物理量算出処理をそれぞれ実行する。なお、ここにいう「物理量」とは、質量や体積、面積、厚さ、長さ、幅等といった大きさや質量(重量)に関わる物理量であるが、本実施例における物理量の算出処理は一例としての質量の算出処理である。
【0095】
領域抽出処理部108は、X線検出部104からの検出情報のうち一部を抽出して、少なくとも前記X線画像の背景に相当する部分を除いた質量測定領域(物理量測定領域)のX線画像をX線画像生成部111に生成させる領域抽出手段となっており、そのためのプログラムおよび作業メモリ(図示していない)を有している。
【0096】
X線画像生成部111は、領域抽出処理部108で抽出された濃度データを所定時間毎に取り込み、各物品Wの全域分の透過量データに対応するX線画像であって、物品Wが無くX線の透過量の値が最大で物品WによるX線吸収量がゼロとなる部位で最小濃度値となり、X線の透過量の値が最小で物品WによるX線吸収量が最大となる部位で最大濃度となる各物品WのディジタルX線画像を生成する画像生成手段となっている。
【0097】
一方、質量算出部113は、濃度データ変換部、体積測定部および質量換算部を有しており、その濃度データ変換部で、例えばX線画像における背景の濃度値と、X線画像における前景(質量測定領域に対応する画像)の代表濃度と、等価厚画像の最大濃度とをそれぞれ図示しない設定器から設定入力して内部の設定値メモリ(図示していない)に記憶させ、その設定値に基づいて物品Wの各透過領域におけるX線画像の濃度データから等価厚画像の濃度データへの変換処理を実行するようになっている。なお、等価厚画像とは、X線の透過量データから生成される濃度データによって物品Wの厚さを等価的に示すようにした画像である。また、X線がX線源101から出てX線検出部104により検出されるまでに透過した物質によるX線吸収量を直接的に示す等価厚の値を、画像濃度値に対応付けることで、X線吸収率の高い物質あるいはX線透過方向の厚さの厚い部位ほど濃度値の大きな等価厚画像を作成することができる。
【0098】
判定出力部115では、例えばスライスデータ毎の等価厚画像の濃度データ、あるいは、さらに物品Wの全透過領域の等価厚画像の濃度データのうち、近接する複数の透過領域間における濃度データの急峻な変化を見出すための微分処理等を施して、物品Wの全透過領域中における異物候補点の透過領域を特定し、その候補点についてX線吸収量が所定の閾値を超えるか否かを判定して異物の有無を判定するようになっている。
【0099】
また、判定出力部115では、上述した第1、第2実施形態の分別制御部50と同様に、物品検査結果に応じて異物検出時に分別指令信号RJ1を出力することに加えて、物品検知センサ64、65の検知情報に対応する物品Wの搬送状態(図4に示したような複数の搬送状態)に応じて異物の有無を判定する判定閾値を切り換えたり、そのような判定閾値の切換えでは対処できない搬送状態の場合に選別排出信号RJ2を出力したりするようになっている。したがって、搬送状態が変化しても、異物の混入した不良の被検査物品Wを的確に選別排出することができる。
【0100】
このように、本実施形態の物品検査装置においては、検査部100のX線検出部104が物品WにX線を照射するとともにその物品Wを透過したX線を検出して物品W中の異物を検出し、その異物の検出時に分別指令信号を分別装置40の駆動部43に出力する。したがって、物品Wの搬送状態が変化したとしても、異物の混入した被検査物品Wを的確に搬送路外に選別排出することができる。
【0101】
以上説明したように、本発明は、第1物品検知部および前記第2物品検知部の物品検出時間に応じ、搬送状態判定部によって搬送中の物品の搬送状態を判定し、その搬送状態に応じて分別指令信号を出力するので、物品の搬送状態が通常と異なる場合でも的確な判定処理結果に応じた分別作業を実行して、不良品が良品の搬出経路である後工程に流出してしまうのを確実に防止することのできる物品検査装置を提供することができるという効果を奏するものであり、搬送される物品の質量を計量する物品検査装置、特に計量手段の出力信号をフィルタ処理して計量値を算出する機能を有する物品検査装置全般に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査装置の概略側面図を含むブロック構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査装置の概略平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査装置における物品投入検知信号、計量信号及びフィルタ処理後の波形等を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る物品検査装置における複数の搬送状態とその状態における第1物品検出部および第2物品検出部の出力信号の態様を説明する説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る物品検査装置の概略平面図(a)、側面図(b)および制御系のブロック構成図(c)である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る物品検査装置の概略側面図を含むブロック構成図である。
【図7】第3の実施の形態に係る物品検査装置の検出感度特性図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る物品検査装置の概略側面図を含むブロック構成図である。
【符号の説明】
【0103】
10 搬送部(搬送手段、コンベア)
10a 搬送路
11 前段コンベア
12 計量コンベア
13、14 後段コンベア
20 物品検知手段
21 第1物品センサ(第1物品検知部)
22 第2物品センサ(第2物品検知部)
23、24 検出ヘッド
23c 検出中心線
30 計量器(検査手段)
31 計量台
40 分別装置(振分け装置)
41、42 アーム
43 駆動部
50 分別制御部(分別制御手段)
51 搬送状態判定部
55 設定操作部(設定手段)
56 記憶部(検知情報記憶手段)
59 表示部
60 搬送部(搬送手段)
60a 搬送路
61 前段コンベア
64、65 物品検知センサ
70 検出部(検査手段)
70f フレーム
71 信号発生部
72 磁界発生部
72a 送信コイル
73 磁界検出部
74 信号レベル測定部
80 制御部(分別制御手段)
90 搬送部(搬送手段)
90a 搬送路
91 前段コンベア
92 検査部コンベア
93 後段コンベア
100 検査部(検査手段)
101 X線源
102、103 進入検知センサ
104 X線検出部
106 データ処理ユニット
108 領域抽出処理部
111 X線画像生成部
113 質量算出部
115 判定出力部
120 表示部
231 ケース
231a 凹部
232 レーザ光源
233 受光部
235 検出信号生成部
p1 第1の検知位置
p2、p2a、p2b 第2の検知位置
RJ1、RJ2 分別指令信号
Sw1、Sw2 物品検知信号
W 物品、被検査物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入される物品(W)を搬送する搬送路(10a)を有する搬送手段(10)と、
前記搬送手段に投入される物品を順次検知する物品検知手段(20)と、
前記搬送手段によって搬送される前記物品を検査する検査手段(30)と、
前記物品検知手段の検知情報および前記検査手段の検査結果に応じて、前記搬送手段によって搬送される物品を前記搬送手段の下流側で分別するための分別指令信号を出力する分別制御手段(50)と、を備えた物品検査装置において、
前記物品検知手段が、前記搬送手段による前記物品の搬送方向に対して直交する方向に離間する第1の検知位置(p1)および第2の検知位置(p2)でそれぞれの位置を通過する前記物品を検知する第1物品検知部(21)および第2物品検知部(22)を有し、
前記分別制御手段は、前記第1物品検知部および前記第2物品検知部のそれぞれによる物品検出時間に応じて前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する搬送状態判定部(51)を有し、該搬送状態判定部で判定した搬送状態に応じて前記分別指令信号を出力することを特徴とする物品検査装置。
【請求項2】
前記第1物品検知部が前記搬送路上の物品の主たる部分(Wa)を搬送する主たる物品搬送領域(Ap)内に配置されるとともに、前記第2物品検知部が前記主たる物品搬送領域外に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の物品検査装置。
【請求項3】
前記第2の検知位置が前記搬送路上で前記第1の検知位置よりも高い位置に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項4】
前記搬送状態判定部が、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間(tb)の長さと前記第2物品検知部による前記物品の検出時間(ta)の長さとの比に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品検査装置。
【請求項5】
前記搬送状態判定部が、前記第2物品検知部による前記物品の検出時間(ta)の長さと所定の判定しきい時間との比較結果に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品検査装置。
【請求項6】
前記物品について予め品種を設定する品種設定手段を備え、
前記搬送状態判定部が、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間の長さと前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さとの比に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する第1の判定モードと、前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さと所定の判定しきい時間との比較結果に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する第2の判定モードと、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間の長さと前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さとの比、並びに前記第2物品検知部による前記物品の検出時間の長さと前記所定の判定しきい時間との比較結果の双方に基づいて、前記搬送路上における前記物品の搬送状態を判定する第3の判定モードと、を前記品種設定手段により設定された品種に応じて選択的に実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品検査装置。
【請求項7】
前記第1の検知位置と前記第2の検知位置とが前記搬送路の幅員方向に離間していることを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項8】
前記第1物品検知部による前記物品の検出時間と前記第2物品検知部による前記物品の検出時間との情報を記憶する検知情報記憶手段(56)を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項9】
前記検査手段(30)が、前記搬送手段と共に前記物品の質量を計量し、該計量結果を表わす計量信号を前記分別制御手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項10】
前記検査手段(70)が、前記物品の通過に伴う磁界の変化から前記物品中の異物を検出し、該異物の検出信号を前記分別制御手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項11】
前記検査手段(100)が、前記物品にX線を照射するとともに前記物品を透過したX線を検出して前記物品中の異物を検出し、該異物の検出信号を前記分別制御手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
【請求項12】
投入される物品(W)を搬送する搬送路を有する搬送手段(10)と、
前記搬送手段に投入される物品を順次検知する物品検知手段(20)と、
前記搬送手段によって搬送される前記物品を検査する検査手段(30)と、
前記物品を前記搬送手段の下流側で選択的に分別する分別手段(40)と、
前記物品検知手段の検知情報および前記検査手段の検査結果に応じて、前記分別手段の作動を制御する分別制御手段(50)と、を備えた物品検査装置において、
前記物品検知手段が、前記搬送手段による前記物品の搬送方向に対して直交する方向に離間する第1の検知位置(p1)および第2の検知位置(p2)でそれぞれの位置を通過する前記物品を検知する第1物品検知部(21)および第2物品検知部(22)を有し、
前記分別制御手段が、前記第1物品検知部による前記物品の検出時間と前記第2物品検知部による前記物品の検出時間とのうち、早期に開始する検出時間の開始時点(ti)を基準として、前記分別手段を作動させるタイミングを設定することを特徴とする物品検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−290024(P2008−290024A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139438(P2007−139438)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】