説明

現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置

【課題】像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、その軸部に設けられたギヤにかかる駆動力で回転駆動される現像剤担持体を有し、この現像剤担持体を像担持体方向へ押圧するようにした現像装置等において、ギヤ駆動力による現像剤担持体の像担持体への押圧力への影響を無くすこと。
【解決手段】前記軸部を支持する軸受18aをスライド可能とし前記駆動力の方向に対し、前記軸受のスライド方向を約90度に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機、複合機等、トナーなどの微小粒体を用いて画像を顕像化させる電子写真方式による画像形成装置、画像形成装置に用いるプロセスカートリッジ、プロセスカートリッジに用いる現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置に使用される現像剤担持体は像担持体に対して微小間隔あるいは微小に接触させて位置決めされる。位置決め手段も現像剤担持体と像担持体を完全に固定する手段もあれば、現像剤担持体を像担持体方向に押圧する手段もある。このような構成のもと、現像剤担持体への駆動力はギヤで伝達されるのが一般的である。
【0003】
回転体である現像剤担持体はその回転軸方向の一端側で駆動される構成場合、片側で受けるギヤの駆動力によって、像担持体への押圧力に左右差(駆動側と反駆動側の差)が発生する。
【0004】
像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、その軸部に設けられたギヤにかかる駆動力で回転駆動される現像剤担持体を有し、この現像剤担持体を像担持体方向へ押圧するようにした技術がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1は、トナー担持体へ駆動力を伝達したときに、トナー担持体が電子写真感光体の回転中心方向へ押圧されるよう構成した技術を提案し、特許文献2は、加圧スプリングによって、現像装置を感光体に向け押圧し、感光体の軸受と、現像装置の現像ローラの軸受を互いに圧接させて、感光体と現像ローラを位置決めする技術を提案している。このように、バネ押圧タイプで、駆動力相当分を補正して、駆動側の押圧力を変えても結局はトルクのばらつきにより駆動側と反駆動側で差が生じる。
【0005】
また、現像剤担持体の両端にギャップコロあるいは突き当てコロを設ける方法もあるが、コスト高になるうえ、上記駆動力によりコロを支点にして現像剤担持体にベンディング(曲がり)が発生し、感光体とのギャップや接触ニップが軸方向でばらつく。
【0006】
何れにしても、片側で受けるギヤの駆動力によって、像担持体への押圧力に左右差(駆動側と反駆動側の差)が発生するという問題は解消されたとはいえない。
また、感光体と現像ローラとの軸間距離を調整治具によって調整することにより前記感光体と現像ローラとのニップ量が所定の値となるように設定し、前記調整治具は、現像ローラの軸を支持する偏心軸受け部材を回転させる構成の画像形成装置がある(例えば、特許文献3参照)。かかる画像形成装置では、偏心カム及びこれを回転させる機械的な組立部品を組み込まねば成らない。
【0007】
【特許文献1】特開平10−282752号公報
【特許文献2】特開平09−106184号公報
【特許文献3】特開2006−48018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はギヤ駆動力による現像剤担持体の像担持体への押圧力への影響を無くすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するため請求項1に係る発明は、像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、その軸部に設けられたギヤにかかる駆動力で回転駆動される現像剤担持体を有し、この現像剤担持体を像担持体方向へ押圧するようにした現像装置において、前記軸部を支持する軸受をスライド可能とし前記駆動力の方向に対し、前記軸受のスライド方向を約90度に設定した。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記現像剤担持体のギヤは前記像担持体のギヤに直結されていることとした。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の現像装置において、前記現像剤担持体の軸受は軸長手方向の両端側に位置する案内部に沿ってスライド可能に支持され、押圧手段により加圧されることとした。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記案内部と前記軸受とのスライド接触部は曲面と平面との組み合わせを含むこととした。
請求項5に係る発明は、像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、その軸部に設けられたギヤにかかる駆動力で回転駆動される現像剤担持体を有し、この現像剤担持体を像担持体方向へ押圧するようにした現像装置において、前記軸部を支持する軸受をスライド可能とし、前記駆動力の方向に対する前記軸受のスライド方向の角度(θ)の大きさに応じて、前記軸部の長手方向上前記ギヤが設けられた側での前記軸受を押圧する押圧力Fkと、前記軸部の長手方向上前記ギヤが設けられた側の反対側での前記軸受を押圧する押圧力Fhとを、それぞれ次の通り設定した。
θ<90度のとき:Fk>Fh
θ=90度のとき:Fk=Fh
θ>90度のとき:Fk<Fh
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の現像装置において、前記現像剤担持体のギヤは前記像担持体のギヤに直結されていることとした。
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の現像装置において、前記現像剤担持体の軸受は軸長手方向の両端側に位置する面板に設けられた案内部に沿ってスライド可能に支持され、押圧手段により加圧されることとした。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の現像装置において、前記案内部と前記軸受との接触部は少なくとも一部が線接触状の摺擦となる面と曲面との組み合わせを含むこととした。
請求項9に係る発明は、少なくとも現像装置と像担持体を一体に支持し、画像形成装置本体に対し着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、請求項1乃至9の何れかに記載の現像装置を有することとした。
請求項10に係る発明は、プロセスカートリッジを搭載する画像形成装置において、請求項9に記載のプロセスカートリッジ有することとした。
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記像担持体に前記現像剤担持体を接触させた状態で現像することとした。
請求項12に係る発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記像担持体から前記現像剤担持体を離した状態で現像することとした。
請求項13に係る発明は、請求項11に記載の画像形成装置において、前記現像剤担持体の軸部に、前記像担持体と前記現像剤担持体との接触状態が過剰にならないように前記像担持体の押し込み方向の移動を制限する制限部材を設けた。
請求項14に係る発明は、請求項13に記載の画像形成装置において、前記現像剤担持体の前記像担持体との接触する部位を弾性体とした。
請求項15に係る発明は、請求項14に記載の画像形成装置において、前記弾性体の硬度を25度〜50度(アスカーC)とした。
請求項16に係る発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、前記プロセスカートリッジは当該画像形成装置に対して着脱自在であり、当該画像形成装置に対する装着時の位置決め基準として当該プロセスカートリッジの左右面板にそれぞれ、当該画像形成装置の凹状部に嵌合する凸状の主基準、従基準が設けられていて、前記主基準は当該プロセスカートリッジの下限位置、左右、前後の位置を規定し、前記従基準は前記主基準を支点とする当該プロセスカートリッジの回転方向の位置を規定する構成において、当該現像装置の軸部に設けられたギヤにかかる駆動力により当該プロセスカートリッジが受ける前記主基準を支点とする回転方向と、当該プロセスカートリッジが自重により受ける前記主基準を支点とする回転方向とが同じになるように構成した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ギヤ駆動力による現像剤担持体の像担持体への押圧力への影響を無くことが可能な現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置を提供することができる。また接触現像方式ではばね押圧力を最小限に設定することができ、トルク低減にも効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、実施の形態を図を参照しつつ説明する。
【0012】
[1]画像形成装置の構成及び動作
本発明が適用される画像形成装置の構成及び動作を説明する。
図1は画像形成装置の一例であって、カラー電子写真装置の中央断面概略構成を示している。
カラー電子写真装置1は、機枠体のほぼ中央部に作像ユニット6(ブラック用作像ユニットを6K、シアン用作像ユニットを6C、マゼンタ用作像ユニットを6M、イエロー用作像ユニット6Yで示す。色別での表示が煩雑な場合はK、C、M、Y等の添え字を付さない。以下、他の部材でも同様とする。)を並べて配置している。
【0013】
作像ユニット6の上方には例えば感光体ドラムからなる像担持体6aに潜像を形成するための露光装置5を配置している。作像ユニット6の下方には転写ベルト3が左右に設けた支持ローラに支持されて左右方向に配置されている。転写ベルト3は反時計まわりの向きに回転駆動される。転写ベルト3の右端に設けた支持ローラにはシート状媒体としての記録媒体へトナー画像を転写する第2転写装置11が対向して設けられている。転写ベルト3の回転方向上、第2転写装置11よりも下流側かつブラック用作像ユニット6Kよりも上流側の位置には中間転写体清掃装置14が配置されている。
【0014】
転写ベルト3の下方には廃トナー回収容器15が配置され、廃トナー回収容器15の下方には、記録媒体Sを積載・収容する給紙カセット8が配置されている。記録媒体Sを一枚分離して送り出す給紙装置9にて給紙された記録媒体Sは転写ベルト3と第2転写装置11との間を通り、定着器12へ導かれて記録媒体Sにトナー像が熱定着される。
【0015】
次に作像ユニット6について図2にて説明する。現像装置16と一体をなすトナーホッパ部6bにはブラック用作像ユニットを6K、シアン用作像ユニットを6C、マゼンタ用作像ユニットを6M、イエロー用作像ユニット6Y毎に微小着色粉体として対応する4色の異なる色のトナー(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)が充填される。
【0016】
潜像保持手段である像担持体(本例では感光ドラム)6aの周りには該像担持体6aにトナーを供給する現像剤担持体としての現像ローラ6h、トナーにより現像された像を転写ベルトに転写する1次転写が行われた後の残トナーを掻きとるクリーニングブレード6c、像担持体6aに当接する帯電ローラ6d、掻きとったトナーを水平に搬送するトナー搬送スクリュー6e、トナ−搬送スクリュー6eからのトナーをトナー搬送ベルト6fによって汲み上げ、廃トナ−回収部6gに回収する。
【0017】
電子写真形成までのプロセスを説明する。
図2において、像担持体6aは駆動装置(ここでは図示せず)により矢印20で示す方向に回転し、その表面の感光層は帯電ローラ6dにより一様な高電位に帯電されて初期化される。
【0018】
こうして、一様な高電位に帯電された像担持体6aの感光層が露光装置5からの走査露光用の光により画像データに基づき選択的に露光され、この露光により電位の減衰した低電位部と上記初期化による高電位部とからなる静電潜像が形成される。
【0019】
次に、表面にトナー薄層を形成した現像ローラ6hから上記静電潜像の低電位部(又は高電位部)が当接位置にくるとトナーが転移されてトナー像を形成(現像)する。1次転写後、像担持体6aに当接するクリーニングブレ−ド6cが像担持体6aの表面に残留するトナーを清掃し、次のトナー像の形成に備える。
【0020】
図1を参照して説明を続ける。作像ユニット6が転写ベルト3と接する位置に第一転写ローラ3aが設置されており、第1転写ローラ3aに高電位を印加することによって像担持体(感光ドラム)6aと転写ベルト3に電位差を設けて像担持体(感光ドラム6a)表面に形成されたトナー像を転写する。
【0021】
各作像ユニット6K、6C、M、6Yにてこれら色毎のトナー像が順次転写ベルト3に転写され、転写ベルト3上に単色トナー像を重ね合わせた複数色のカラートナー像が形成される。
【0022】
次に、用紙やOHPシート等の記録媒体Sはタイミングをとって給紙装置9と用紙搬送装置(対ローラ)10から第2転写位置(第2転写装置11と転写ベルト3とが対向している部位)に供給され、転写ベルト3の表面に形成されている単色あるいはカラートナー像は、第2転写装置11に高電位を印加することによって転写ベルト3と第2転写装置11に電位差を設けて転写ベルト3表面に形成されたトナー像を記録媒体7上に転写する。
【0023】
トナー像が転写された記録媒体Sは、転写ベルト3から剥離され、定着器12によってトナー像を記録媒体Sに溶融定着し、排紙装置(対ローラ)13によりカラー電子写真装置1の上面の排紙トレイに排紙される。
【0024】
記録媒体7へトナー像を転写した後の転写ベルト3の表面に残っている余剰トナーは中間転写体清掃装置14により清掃され、廃トナー回収容器15に回収される。清掃された転写ベルト3は、次のトナー像の転写に備える。
【0025】
記録媒体7の給紙(給紙装置9)から排紙(排紙装置13)までの搬送経路をできる限り簡略化し、搬送経路の曲率半径を大きくすることにより、搬送途中での紙詰まりを防止し、信頼性を向上させることができる。また、紙詰まり発生時の解消処理操作も簡単に行うことができ、更に、厚紙等も使用する多種記録媒体方式のカラー電子写真装置にも対応することもできる。
【0026】
本実施形態例では、給紙(給紙装置9)から排紙(排紙装置13)までの記録媒体搬送経路を略円弧状に形成し、転写ベルト3と作像ユニット6と露光装置5を上記記録媒体搬送経路の内側に配置することにより、機枠体内の空間を有効利用して小型化し、搬送経路を簡略化し、画像面を下向きにして記録媒体7を排出する構成とした。
【0027】
この構成により搬送経路を簡略化することができ、且つ、殆どの構成ユニットを搬送経路よりも内側に配置したことによって、搬送経路が機枠体に近くなり、搬送経路を開放し易くなるために、紙詰まり発生時の解消処理操作も簡単になる。
【0028】
記録媒体Sが画像面を下向きにしてカラー電子写真装置1上に排出されることにより、カラー電子写真装置1上に積み重なった記録媒体Sは、画像面側が上を向くように取り出すと、上側から下側に印刷順に並ぶように積み重なる利点がある。
【0029】
図1での右側をオペレータが正対する正面となるよう構成したため、紙詰まり発生時の解消処理操作もより簡単になる。
消耗品である作像ユニット6は、カラー電子写真装置1の上部(排紙トレイ2)が、左上の軸1aを中心に露光装置5を抱えて開く構成であり、オペレータにより正面から交換される。一連の作業をすべて正面から行えるフロントアクセス構成により、設置場所を選ばないカラー電子写真装置を実現することができる。
【0030】
作像ユニット6は、カラー電子写真装置1等画像形成装置に対して着脱可能なユニットとして構成される場合、プロセスカートリッジと称される。プロセスカートリッジは少なくとも、像担持体、現像装置を含む。
【0031】
[2]軸受のスライドに係る構成
図2において、現像装置16中の現像剤担持体6hは像担持体6aに対し、微小ギャップで離間させ、あるいは接触させた構成とし、像担持体6aの周面に設けられた感光体上の潜像を具現化する。この現像装置16を含む作像ユニット6の構成を図3に分解状態で示す。
【0032】
図3において、作像ユニット6は、本発明の特徴である現像装置16(現像剤担持ユニット又は現像ユニットとも称される)、像担持体ユニット17、これら(現像装置16及び像担持体ユニット17)を支持する左面板18及び右面板19、の4体に分解した状態で示している。さらに図4には組み立て状態の作像ユニット6について左面板18部分を拡大して示し、図5には組み立て状態の作像ユニット6について右面板19部分を拡大して示している。
【0033】
図3において、現像装置16を構成する現像剤担持体6hは現像剤担持体ハウジング6iの左右に取付けられた第1軸受6h1、6h2により現像装置16に支持されている。現像剤担持体ユニット16と像担持体ユニット17を支持する左面板18には図4、図6にも示すように現像剤担持体6hの軸端部6h3を支持する第2軸受18aが設けられている。同様に現像剤担持体ユニット16と像担持体ユニット17を支持する右面板19には図5、図7にも示すように現像剤担持体の軸端部6h3を支持する第2軸受19aが設けられている。
【0034】
これら第2軸受18a、19aは像担持体6aに対して接離する方向に、現像剤担持体6h及び第1軸受6h1、6h2を介して支持された現像装置16と共に、スライド可能であり、これら第2軸受18a、19aを介して現像剤担持体6hの左右各軸端部6h3を像担持体6a方向に加圧する押圧ばね18b、19bが設けられている。このような構成により、図6、7等に示すように本例では、第2軸受18a、19aはP方向に移動可能となっている。
【0035】
この第2軸受18a、19aの移動方向Pと、像担持体ギヤ6a‐G、現像剤担持体ギヤ6h−Gの位置関係について、図8(a)、(b)を参照しつつ説明する。図8(a)はギヤの配置と駆動力、第2軸受のスライド方向等を示し、図8(b)は図8(a)に示した配置における第2軸受18aを図が複雑になるのを避けるために分けて示したものである。
【0036】
像担持体ギヤ6a‐Gと現像剤担持体ギヤ6h−Gとは直接、噛み合っているので、像担持体ギヤ6a‐Gのピッチ円6a‐GPと現像剤担持体ギヤ6h−Gのピッチ円6h−Gとは接している。両ピッチ円6a‐G、6a‐GPの共通接線x−xは、両ピッチ円の中心(像担持体の中心と現像剤担持体の各中心)を通る直線と直交する関係にある。
【0037】
駆動装置(ここでは図示しない)によって、像担持体6aが矢印20の向きに回転すると、像担持体ギヤ6a‐Gと噛み合っている現像剤担持体ギヤ6h‐Gは矢印21の向きに駆動力を受ける。矢印21で示す駆動力の向きは、両ピッチ円の接点Kを基点として共通接線x‐xに対して角度αの傾きをもち、通常、角度αはギヤ圧力角で20度が一般的である。
【0038】
このギヤ駆動力の向きである矢印21の方向に対し、現像剤担持体6hの駆動側(現像剤担持体の軸長手方向の駆動側、つまり、左面板側)における第2軸受18aのスライド方向P’が約90度をなすように設定し、押圧ばね18bにより像担持体6a方向へ押圧する。
【0039】
この設定が本発明の特徴であり、現像剤担持体の軸長手方向の両端側の各軸部を支持する第2軸受を面板に設けた案内部に沿ってスライド可能とし押圧ばねによる押圧手段で加圧して現像剤担持体を像担持体へ押圧するようにした。かつ、駆動力の方向に対し、軸受のスライド方向の角度(θ)を約90度に設定したことにより、現像剤担持体ギヤ6h‐Gにかかる駆動力が現像剤担持体の像担持体への押圧力に及ぼす影響を大幅に低減した。すなわち、本例では、図8(a)において矢印21で示す駆動力の方向に対して直交しかつ接点Kを通るスライド方向P’上での駆動力の分力はゼロとなるので、図8(b)に示したようにスライド方向P’と平行に設定した第2軸受18aの実際のスライド方向Pに対しても同様に駆動力の影響は及ばない。よって、第2軸受18aと、第2軸受18a19aのスライド抵抗は等しいものとして、押圧ばね18a、19bのばね力は等しいものを用いることで現像剤担持体6hの駆動側、反駆動側での第2軸受18a、19aによる押圧力に差は生じない。
【0040】
ギヤのトルクがばらついても押圧力に影響を及ぼさないため常に狙いの押圧力を保つことができる。また接触現像方式では押圧力を小さく設定でき、トルク低減に大きな効果がある。上記実施形態例では像担持体ギヤ6a‐Gと現像剤担持体ギヤ6h‐Gは直結であり、コンパクトに構成でき、ユニット、マシン本体の小型化が図れる利点があるが、直結ではなく、例えば当該カラー電子写真装置1の本体駆動ギヤが直接現像剤担持体ギヤ6h‐Gを駆動し、現像剤担持体ギヤ6h‐Gが像担持体ギヤ6a‐Gと噛み合う構成の場合も、該本体駆動ギヤに対して同様の設定を行なえばよい。
【0041】
なお、本構成で現像剤担持体6hがスライドするためには現像剤担持体6hが組み付けられている現像装置16をもスライド可能にしなければならず、そのためには、図6(図4)に示す左面板18に形成した現像装置の支持部18d、図7(図5)に示す右面板19に形成した現像装置の支持部19dをそれぞれ長穴形状とし長穴の方向にスライド可能とする。
【0042】
これにより現像装置16は左右面板18、19に対しスライド可能に支持され、現像剤担持体を支持する軸受及び押圧部材を前記面板内に設けているので、現像剤担持体6hを像担持体6aから容易に離間させることができる。この構成により、図4、図5に示す第2軸操作窓18e、19eに、例えばくさび形状の詰め物(ストッパ)を挟むことにより第2軸受18a、19aの動きを規制し、出荷時も現像剤担持体6hを像担持体6aから離間した状態に保持することも可能となる。これにより現像剤担持体の常時圧接による塑性変形を防止することができる。また、現像剤担持体を像担持体から離間させる上記解除機構(くさび部品)の取付け、取り外しを左右側面外側から容易に行なうことができる。
【0043】
なお、上記例のように、作像ユニット6という構成をとらない場合には、第2軸受をスライド可能に支持する手段として、上記面板に代えて、当該現像装置を保持する不動部材、例えば、画像形成装置本体の側板等を、第2軸受支持手段とする。
【0044】
図9に、左面板18内に設ける第2軸受18aを例示した。この第2軸受18aは、左面板18と摺動する摺動面18a1が平面形状になっている。この平面部が図10に示した左面板18の対向する平行な平面部からなる摺動面18c上をスライドすることになる。しかしながら、図8(a)、(b)で示すように、現像剤担持体ギヤ6h‐Gには矢印21で示す駆動力がかかり、現像剤担持体6hを介して、この摺動面18a1に大きな力がかかる。
【0045】
このように平面部と平面部のスライドでは摺動抵抗が大きいため所定の押圧力がかからない懸念がある。そこで図11に示すように少なくとも軸受の片面、第2軸受18aの摺動面18a2を円形(曲面)形状にすることにより、案内部と第2軸受とのスライド接触部は曲面と平面との組み合わせとなり、スライド面の摩擦力を低減し、現像剤担持体の像担持体への所定の押圧力を確保できる。スライド時の方向の安定性を考慮すれば、円形(曲面)形状にするのは片側が好ましい。なお、押圧ばね18bを保持するため、第2軸受18aには突起18a3、左面板18には突起18c1がそれぞれ設けられている。図12に示すように少なくとも面板の片面、左面板18側の摺動面形状を円形(曲面)形状からなる摺動面18c2にしても同様の効果がある。現像剤担持体6hの上記と反対側の第2軸受19aについても上記と同様に構成することができる。このように、軸受の面板との摺動面において、少なくとも軸受の片面、面板の案内部の片面を円形形状にすることで、ギヤ駆動力がかかっても軸受と面板の摩擦力が小さく、所定の押圧力を確保できる。
【0046】
図8で説明した例では、前記したように、駆動力と第2軸受スライド方向の角度を90度にすることにより、矢印21で示した駆動力の影響を低減できた。次に、図13に示すように、矢印21で示す駆動力の方向に対して第2軸受18aのスライド方向Q’の角度(θ)を、鋭角βの角度をなし、かつ接点Kを通る方向とした場合には、スライド方向Q’上での駆動力(矢印21)の分力22は現像剤担持体6hを像担持体6aから離す方向に働く。
【0047】
この場合には、駆動側である第2軸受18aに対する押圧ばね18bの力を、反駆動側である第2軸受19aに対する押圧ばね19bの力を大きくすることにより、現像剤担持体6hに対して均一な押圧力を得る。よって、ギヤが設けられた側での第2軸受を押圧する押圧力Fkと、ギヤが設けられた側の反対側での第2軸受を押圧する押圧力Fhとを、Fk>Fhの関係となるように設定することにより均一な押圧力を確保できる。図13(b)に示したようにスライド方向Q’と平行に設定した第2軸受18aの実際のスライド方向Qに対しても同様のことがいえる。
【0048】
次に、図14に示すように、矢印21で示す駆動力の方向に対して第2軸受18aのスライド方向R’の角度(θ)を、鈍角γの角度をなし、かつ接点Kを通る方向とした場合には、スライド方向R’上での駆動力(矢印21)の分力23は現像剤担持体6hを像担持体6aに加圧する方向に働く。
【0049】
この場合には、駆動側である第2軸受18aに対する押圧ばね18bの力を、反駆動側である第2軸受19aに対する押圧ばね19bの力を小さくすることにより、現像剤担持体6hに対して均一な押圧力を得る。よって、ギヤが設けられた側での第2軸受を押圧する押圧力Fkと、ギヤが設けられた側の反対側での第2軸受を押圧する押圧力Fhとを、Fk<Fhの関係となるように設定することにより均一な押圧力を確保できる。図14(b)に示したようにスライド方向R’と平行に設定した第2軸受18aの実際のスライド方向Rに対しても同様のことがいえる。
【0050】
以上のように、プロセスカートリッジを実施形態例として説明した。前記した実施形態例の構成を具備したプロセスカートリッジの概観図を図15に示す。このプロセスカートリッジ6Kは図1に示したブラック用作像ユニット6Kに相当し、図16に示したように、カラー電子写真装置1の本体側板30に設けたU字状の溝ガイド31に案内されて着脱可能である。
【0051】
プロセスカートリッジ6Kの左面板18には、上下方向に細長いガイド突起40と、このガイド突起40の延長上の前後にそれぞれ軸状突起41、42が設けられている。下方の軸状突起42は溝ガイド(凹状部)31に係合してプロセスカートリッジ6Kの下限位置、左右、前後を規定する。ガイド突起40は装着時の案内機能を果たすだけである。上方の軸状突起41は溝ガイド31に係合して軸状突起42を支点とする回転方向の位置を規定する。右面板19についても同様の構成により着脱、位置決めされる。また、他のシアン用作像ユニットを6C、マゼンタ用作像ユニットを6M、イエロー用作像ユニット6Y等のプロセスカートリッジについても同様である。
【0052】
本発明に係る現像装置と像担持体を一体的に支持し、画像形成装置本体に対し着脱自在のプロセスカートリッジとしたので、保守、交換性の良好なプロセスカートリッジを提供することができる。また、かかるプロセスカートリッジを搭載した画像形成装置では、常に良好なプリンタ画像(コピー画像)を提供することができる。
【0053】
[3]像担持体に現像剤担持体を接触させる構成
本実施の形態例では、接触現像が行われるように、像担持体6aに現像ローラ6hを接触させる構成としている。具体的には、図17、図18に示すように、現像ローラ6hの軸部6h4に、像担持体6aに対する現像ローラ6hの接触状態が過剰にならないように押圧ばね18b、19bによる押し込み方向の移動の上限を規制する制限部材としての剛体からなるコロ45を左右に設けた。
【0054】
左右のコロ45は軸部6h4と同心の円板状をなし、その外径寸法は現像ローラ6hの外径よりも僅かに小さく同径である。一方、現像ローラ6hは像担持体6aと接する部位、すなわち、軸部6h4の周りが図で断面表示したように円筒状の弾性体で覆われている。また、既に説明したように、軸部6h4は押圧ばね18b、19bにより像担持体6aに近づく方向に付勢されている。このため、弾性体は現像ローラ6hとコロ45の寸法差の分だけ撓み、図17、図18に示すようにコロ45の外周が像担持体6aに接した状態で現像ローラ6hの移動が制限される。
【0055】
弾性体の硬度は25度〜50度(アスカーC)程度が適切である。左右のコロ45が共に像担持体6aに接した状態のもとでは、左右で均等なニップ圧を得る。コロ45を使用することよって、押し込みの上限を規制することができ、イレギュラー的な要素で押し込み過剰となる要因があったとしても、コロ45によるストッパ機能で押し込みが規制されるので、現像剤担持体ギヤ6h−Gと像担持体ギヤ6a‐Gとの噛み合い部等での負荷の増大が回避されることから、装置本体のトルク負荷の増大が防止される。
【0056】
本発明では、従来技術で発生した問題についての問題解決できる。
例えば、特許文献3では、現像ローラと感光体の軸間をある寸法で固定した時に発生する現像ローラのベンディングや白スジ等の画像欠陥を軸間を微調整する機構を用いることによって安定した接触品質を保っている。従来であれば、現像ローラが撓まない径や材質を選ぶことで回避できた問題であるが、小型プリンタ分野では、特許文献3の様に現像ローラと感光体の軸間調整を必要になる程の部材の小型化が必要とされている。本発明を用いることによって小型プリンタ分野のような条件であっても特許文献3のような軸間調整機構を搭載することなく接触品質を安定させることができる。
【0057】
[3]像担持体に現像剤担持体を非接触とする構成
本実施の形態例では、非接触現像が行われるように、像担持体6aに現像ローラ6h’を非接触にする構成としている。具体的には、図19、図20に示すように、現像ローラ6h’の軸部6h4に、像担持体6aに対する現像ローラ6hの離間寸法が一定となるように押圧ばね18b、19bによる押し込み方向の移動を制限する制限部材としての剛体からなるコロ45’を左右に設けた。
【0058】
図19、図20に示す通り、コロ45’の外径は図17、図18で示した例とは異なり、現像ローラ6h’と像担持体6aとの間が離間するようにするため、現像ローラ6h’の外径よりも僅かに大きい。現像ローラ6h’は軸部6h4の周りが図で断面表示したように円筒状の部材で覆われているが弾性材である必要はない。左右のコロ45’により、現像ローラ6h’と像担持体6aとの間の離間距離Δは現像ローラ6h’が回転しても一定量が維持される。
【0059】
[4]画像形成装置に対するプロセスカートリッジの装着態様
段落0051及び図16において、プロセスカートリッジ6Kがカラー電子写真装置1に装着される態様については既に説明した通りであるが、さらに詳しく画像形成装置に対するプロセスカートリッジの装着態様について説明する。
【0060】
プロセスカートリッジ6Kはカラー電子写真装置1に対して、図21に示す態位で装着されているものとする。左面板18を正面から見た図21において、主基準としての凸状の軸状突起42は像担持体6aと同心でありこの軸状突起42の中心と、従基準としての凸状の軸状突起41の中心とを結び線46とする。また、軸状突起42の中心を通る鉛直線を線55とするとき、このプロセスカートリッジ6Kの重心Gが線55の右側に位置している。これにより、プロセスカートリッジ6Kは軸状突起42を中心にして矢印35で示すように時計回りの向きの回転力を受けている。
【0061】
一方、現像装置が駆動される場合、像担持体ギヤ6a‐Gは矢印で示すように図示しない駆動径路で駆動源により時計回りの向きに回転駆動され、従動歯車である現像剤担持体ギヤ6h−Gを従動回転させる。両ギヤの噛み合いによる駆動力の伝達において、プロセスカートリッジ6Kは軸状突起42を中心にして矢印35で示すように時計回りの向きの回転力を受ける。
【0062】
このように、現像剤担持体ギヤ6h−Gにかかる駆動力により当該プロセスカートリッジ6Kが受ける軸状突起42支点とする回転力による回転方向と、当該プロセスカートリッジが自重により受ける軸状突起42を支点とする回転力による回転方向とが同じになるように構成している。かかる構成により、プロセスカートリッジ6Kをカラー電子写真装置1に対して安定して保持することができ、ひいては画像品質を安定させることができる。
以下にその理由を述べる。
【0063】
図21に示す態位で装着されているプロセスカートリッジの溝ガイド31に対する軸状突起41の嵌合関係は図22に示すように、装着の円滑さ等の観点から比較的緩い嵌合となっており隙間Δ1が生じるように構成されている。現像剤担持体ギヤ6h−Gにかかる駆動力により当該プロセスカートリッジ6Kが受ける軸状突起42支点とする回転力による回転方向と、当該プロセスカートリッジが自重により受ける軸状突起42支点とする回転力による回転方向とが同じになるように構成すれば、現像剤担持体ギヤ6h−Gに対する像担持体ギヤ6a‐Gからの駆動力の有無に拘らず常に自重による回転力が作用して軸状突起41は溝ガイド31の右壁面に当接していることになる。
【0064】
これに対して、図22においてプロセスカートリッジ6Kの重心Gの位置が仮に、線55の左側に位置していた場合を想定すると、現像剤担持体ギヤ6h−Gに対する像担持体ギヤ6a‐Gからの駆動力が無い場合には、プロセスカートリッジ6Kは自重により軸状突起42支点とする反時計回りの向きの回転力を受けるので、図23(a)に示すように軸状突起41が溝ガイド31の左壁面に当接した状態となる。また、現像剤担持体ギヤ6h−Gに対する像担持体ギヤ6a‐Gからの駆動力が生じた場合には、この駆動力による回転蝕が侍従による回転力を上まわる場合に、図23(b)に示すように軸状突起41が溝ガイド31の右壁面に当接した状態となる。
【0065】
このように、現像装置の駆動、停止のたびに、軸状突起41が溝ガイド31の両壁面に交互に当接し、プロセスカートリッジ6Kの安定した位置保持が害されてしまう。本実施形態例によれば上記比較例におけるこのような事態を生じることがなく、現像装置の駆動、停止に拘らず、プロセスカートリッジ6Kの安定した位置保持が可能である。なお、本例では、現像剤担持体6hが像担持体6aからの駆動源で駆動される場合であったが、これに限らず、例えば、現像剤担持体6hと像担持体6aが別駆動源で駆動される場合であっても、それぞれの駆動に際して、プロセスカートリッジが回転力を受ける場合には上記図23の比較例と同様の弊害が発生するおそれがあり、かかる場合には本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】カラー電子写真装置の中央断面概略構成図である。
【図2】作像ユニットの内部構成を説明した側面概略構成図である。
【図3】作像ユニットの分解斜視図である。
【図4】作像ユニットの部分分解斜視図である。
【図5】作像ユニットの部分分解斜視図である。
【図6】面板の斜視図である。
【図7】面板の斜視図である。
【図8】(a)はギヤによる駆動力と軸受スライド方向との関係を示し、(b)は軸受のスライド方向をそれぞれ示した図である。
【図9】軸受の斜視図である。
【図10】面板に設けられ軸受を案内する案内部の斜視図である。
【図11】軸受の斜視図である。
【図12】面板に設けられ軸受を案内する案内部の斜視図である。
【図13】(a)はギヤによる駆動力と軸受スライド方向との関係を示し、(b)は軸受のスライド方向をそれぞれ示した図である。
【図14】(a)はギヤによる駆動力と軸受スライド方向との関係を示し、(b)は軸受のスライド方向をそれぞれ示した図である。
【図15】プロセスカートリッジの外観斜視図である。
【図16】画像形成装置本体に対するプロセスカートリッジの着脱態様を説明した図である。
【図17】接触現像方式における像担持体と現像剤担持体との接触態様を例示した概略部分断面正面図である。
【図18】接触現像方式における像担持体と現像剤担持体との接触態様を軸方向から見た概略部分断面図である。
【図19】非接触現像方式における像担持体と現像剤担持体との接触態様を例示した概略部分断面正面図である。
【図20】非接触現像方式における像担持体と現像剤担持体との接触態様を軸方向から見た概略部分断面図である。
【図21】画像形成装置に装着されたプロセスカートリッジに作用する回転力を例示した図である。
【図22】溝ガイドと軸状突起との嵌合部における隙間を例示した部分断面図である。
【図23】(a)は溝ガイドと軸状突起との嵌合部における隙間の左壁面に軸状突起が接触している状態、(b)は溝ガイドと軸状突起との嵌合部における隙間の左壁面に軸状突起が接触している状態をそれぞれ例示した部分断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 カラー電子写真装置
6 作像ユニット(プロセスカートリッジ)
6a 像担持体(感光体ドラム)
6a‐G 像担持体ギヤ
6a‐GP ピッチ円
6h、6h’ 現像ローラ(現像剤担持体)
6h−G 現像剤担持体ギヤ
6h−GP ピッチ円
6h1、6h2 第1軸受
6h3 軸端部
6i 現像剤担持体ハウジング
6Y、6C、6M、6K 作像ユニット
7 感光体ドラム(像担持体)
16 現像装置
17 像担持体ユニット
18 左面板
18a、19a 第2軸受
18a1、18a2 摺動面
18a3、18c1 突起
18b、19b 押圧ばね
18c、18c2 摺動面
18d 現像装置の支持部
18e 第2軸受操作窓
19 右面板
19d 現像装置の支持部
19e 第2軸受操作窓
21 矢印(駆動力)
22 分力
23 分力
30 本体側板
31 溝ガイド
35 矢印
40 ガイド突起
41、42 軸状突起
45、45’ 制限部材(コロ)
46、55 線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、その軸部に設けられたギヤにかかる駆動力で回転駆動される現像剤担持体を有し、この現像剤担持体を像担持体方向へ押圧するようにした現像装置において、
前記軸部を支持する軸受をスライド可能とし前記駆動力の方向に対し、前記軸受のスライド方向を約90度に設定したことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、
前記現像剤担持体のギヤは前記像担持体のギヤに直結されていることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の現像装置において、
前記現像剤担持体の軸受は軸長手方向の両端側に位置する案内部に沿ってスライド可能に支持され、押圧手段により加圧されることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項3に記載の現像装置において、
前記案内部と前記軸受とのスライド接触部は曲面と平面との組み合わせを含むことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、その軸部に設けられたギヤにかかる駆動力で回転駆動される現像剤担持体を有し、この現像剤担持体を像担持体方向へ押圧するようにした現像装置において、
前記軸部を支持する軸受をスライド可能とし、前記駆動力の方向に対する前記軸受のスライド方向の角度(θ)の大きさに応じて、
前記軸部の長手方向上前記ギヤが設けられた側での前記軸受を押圧する押圧力Fkと、
前記軸部の長手方向上前記ギヤが設けられた側の反対側での前記軸受を押圧する押圧力Fhとを、それぞれ次の通り設定することを特徴とする現像装置。
θ<90度のとき:Fk>Fh
θ=90度のとき:Fk=Fh
θ>90度のとき:Fk<Fh
【請求項6】
請求項5に記載の現像装置において、
前記現像剤担持体のギヤは前記像担持体のギヤに直結されていることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の現像装置において、
前記現像剤担持体の軸受は軸長手方向の両端側に位置する面板に設けられた案内部に沿ってスライド可能に支持され、押圧手段により加圧されることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の現像装置において、
前記案内部と前記軸受との接触部は少なくとも一部が線接触状の摺擦となる面と曲面との組み合わせを含むことを特徴とする現像装置。
【請求項9】
少なくとも現像装置と像担持体を一体に支持し、画像形成装置本体に対し着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
請求項1乃至9の何れかに記載の現像装置を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
プロセスカートリッジを搭載する画像形成装置において、
請求項9に記載のプロセスカートリッジ有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、
前記像担持体に前記現像剤担持体を接触させた状態で現像することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項10に記載の画像形成装置において、
前記像担持体から前記現像剤担持体を離した状態で現像することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11に記載の画像形成装置において、
前記現像剤担持体の軸部に、前記像担持体と前記現像剤担持体との接触状態が過剰にならないように前記像担持体の押し込み方向の移動を制限する制限部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像形成装置において、
前記現像剤担持体の前記像担持体との接触する部位を弾性体としたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項14に記載の画像形成装置において、
前記弾性体の硬度が25度〜50度(アスカーC)であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項10に記載の画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジは当該画像形成装置に対して着脱自在であり、
当該画像形成装置に対する装着時の位置決め基準として当該プロセスカートリッジの左右面板にそれぞれ、当該画像形成装置の凹状部に嵌合する凸状の主基準、従基準が設けられていて、
前記主基準は当該プロセスカートリッジの下限位置、左右、前後の位置を規定し、前記従基準は前記主基準を支点とする当該プロセスカートリッジの回転方向の位置を規定する構成において、
当該現像装置の軸部に設けられたギヤにかかる駆動力により当該プロセスカートリッジが受ける前記主基準を支点とする回転方向と、
当該プロセスカートリッジが自重により受ける前記主基準を支点とする回転方向とが同じになるように構成したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2008−139818(P2008−139818A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126872(P2007−126872)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】