説明

現場作業支援装置

【課題】地震等の災害発生の直後においてもアナログ同報無線通信網を介して音声データ及び付帯デジタルデータの通信を安定して行うことができる現場作業支援装置を得る。
【解決手段】現場情報端末装置11から報告者名、対象場所など属性情報を入力し、マイク・スピーカ13から被害情報などを音声入力する。同報無線用データ伝送モデム16はこれら被害現場データをアナログデータに変換しアナログ同報無線通信網8を介して同報無線用データ伝送モデム212へ送信し、被害現場デジタルデータに復調し、災害情報中継処理装置220へ転送する。データ抽出部222は、転送されたデジタルデータの中から、報告者、対象場所、音声データなど所定のデータ項目を抽出し、データ登録処理部223にて被害情報管理装置231に登録する。アナログ同報無線通信網を利用して音声データに加えて、報告者や対象場所などの付帯デジタルデータを安定して送信できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震等の災害が発生した際に、被災現場と情報を収集すべき場所とを結んで情報のやりとりを行うことにより被災現場の作業を支援する現場作業支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の現場作業支援装置として、携帯電話を利用した携帯電話利用災害時情報ネットワークが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−56730号公報(段落番号0021、0022及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の現場作業支援装置においては、地震発生直後における被災地周辺の現場においては、携帯電話網が混雑してかかりにくい状態が継続して使えないなどの問題点があった。また、現地において被害の調査や復旧作業をする作業員と対策事務所にて被害情報の収集や対策の指示を行う指示者との間の情報伝達の有効な手段としては音声による業務用アナログ同報無線機を用いたアナログ同報無線網があるが、音声以外のデータが扱えない等の問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、地震等の災害発生の直後においてもアナログ同報通信網を介して音声データ及び付帯デジタルデータの通信を安定して行うことができるとともに種々の情報をやりとりできる現場作業支援装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る現場作業支援装置は、現場情報端末装置と端末側同報無線用データ伝送モデムと中継装置側同報無線用データ伝送モデムと災害情報中継処理装置と被害情報管理装置とを備えた現場作業支援装置において、
現場情報端末装置は、端末本体部と端末側同報無線用データ伝送モデムとアナログ無線機とを有するものであり、
端末本体部は、地震等の災害が発生した際に被災現場において被害状況を音声データとして入力する音声データ入力部と音声データをデジタル音声データに変換する音声データ変換部とデジタル音声データに報告者及び対象場所に関する付帯デジタルデータを付加して被災現場デジタルデータを作成する付帯データ付加部とを有するものであり、
端末側及び中継装置側同報無線用データ伝送モデムは、入力されたデジタルデータをアナログデータに変換してあるいは入力されたアナログデータをデジタルデータに変換して出力するものであり、
端末本体部にて作成された被災現場デジタルデータは、端末側同報無線用データ伝送モデムにてアナログデータに変換されアナログ無線機及びアナログ同報無線通信網を介して中継装置側同報無線用データ伝送モデムに送信され中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換され、
災害情報中継処理装置は、所定の場所に設けられ、中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換された被災現場デジタルデータを受信するデータ受信部と、被災現場デジタルデータの中から予め定めたデータ項目を抽出データとして抜き出すデータ抽出部と、抽出データを被害情報管理装置へ登録するデータ登録処理部とを有するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、現場情報端末装置と端末側同報無線用データ伝送モデムと中継装置側同報無線用データ伝送モデムと災害情報中継処理装置と被害情報管理装置とを備えた現場作業支援装置において、
現場情報端末装置は、端末本体部と端末側同報無線用データ伝送モデムとアナログ無線機とを有するものであり、
端末本体部は、地震等の災害が発生した際に被災現場において被害状況を音声データとして入力する音声データ入力部と音声データをデジタル音声データに変換する音声データ変換部とデジタル音声データに報告者及び対象場所に関する付帯デジタルデータを付加して被災現場デジタルデータを作成する付帯データ付加部とを有するものであり、
端末側及び中継装置側同報無線用データ伝送モデムは、入力されたデジタルデータをアナログデータに変換してあるいは入力されたアナログデータをデジタルデータに変換して出力するものであり、
端末本体部にて作成された被災現場デジタルデータは、端末側同報無線用データ伝送モデムにてアナログデータに変換されアナログ無線機及びアナログ同報無線通信網を介して中継装置側同報無線用データ伝送モデムに送信され中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換され、
災害情報中継処理装置は、所定の場所に設けられ、中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換された被災現場デジタルデータを受信するデータ受信部と、被災現場デジタルデータの中から予め定めたデータ項目を抽出データとして抜き出すデータ抽出部と、抽出データを被害情報管理装置へ登録するデータ登録処理部とを有するものであるので、
報告者、対象場所などの付帯デジタルデータを、アナログ同報無線通信網を利用して被災現地と情報を収集すべき場所である事務所との間で同報通信を行うので、公衆回線のように混雑することなく安定した通信を行うことができる。また、災害情報中継処理装置により被害情報管理装置に自動的に抽出データの登録ができるようになり、業務の省力化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1、図2は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1は現場作業支援装置の構成を示す構成図、図2は現場情報端末の詳細構成を示すブロック図である。図1において、A現場及びB現場には、現在、現場情報端末装置11があるとする。現場情報端末装置11は、端末本体部12とマイク・スピーカ13と同報無線用データ伝送モデム16とアナログ無線機19とを有し、同報無線用データ伝送モデム16とアナログ無線機19とが一つの筐体に収容され、端末本体部12とマイク・スピーカ13が上記筐体に着脱自在にされ、災害現場への携行及び使用に便利なようにされている。端末本体部12は、図2に示すように属性情報付加部121、伝送情報構成部122、時刻情報付加部123、音声通話制御部124、音声符号化部125を有する。
【0009】
同報無線用データ伝送モデム16(図1)は、入力される信号をデジタル/アナログ変換又はアナログ/デジタル変換して出力する。現場情報端末装置11は、地震等の災害発生時に調査、復旧業務などの現場作業を行う際に移動車両等に搭載して、被災現地に携行される。現場情報端末装置11すなわち端末本体部12とマイク・スピーカ13と同報無線用データ伝送モデム16とアナログ無線機19を1セットとしてA現場、B現場における現地局を構成している。各現場における現場情報端末装置11は業務用のアナログ同報無線通信網8を介して災害情報中継処理装置220に接続される。
【0010】
一方、情報を収集すべき所定の場所である対策事務所(以下、単に事務所と称する)側には、アナログ無線機211、同報無線用データ伝送モデム212、災害情報中継処理装置220が設けられている。災害情報中継処理装置220はネットワーク209を介して被害情報管理装置231に接続されている。災害情報中継処理装置220は、データ受信部221、データ抽出部222、及びデータ登録処理部223を有する。
【0011】
次に、動作について説明する。作業員は、現場情報端末装置11に付属するキーボード(図示しない)より報告者名、報告対象場所など属性情報を付帯デジタルデータとして入力する。その情報は属性情報付加部121(図2)に入力され、その後伝送情報構成部122に送信される。同時に、時刻情報付加部123にて時刻情報を伝送情報構成部122に送信する。作業員は、現場情報端末装置11のマイク・スピーカ13(図1)より被害情報などを音声入力する。音声通話制御部124(図2)はマイク・スピーカ13からの音声入力を受け付け音声符号化部125に中継伝送する。
【0012】
音声符号化部125では順次再生可能なデジタルデータ形式にデータ変換し、伝送情報構成部122にデータ送出する。伝送情報構成部122では、時刻情報、属性情報、音声データを通信用データ形式に整え、同報無線用データ伝送モデム16(図1)へ被災現場デジタルデータとして送信する。同報無線用データ伝送モデム16では、送信された被災現場デジタルデータをデジタル信号からアナログ信号に変調し、アナログ無線機19よりアナログ同報無線通信網8へ同報無線送信を行う。
【0013】
一方、同報通信された被害情報等の被災現場アナログデータは、事務所側にあるアナログ無線機211により受信され、同報無線用データ伝送モデム212によりデジタルデータに復調されて被災現場デジタルデータとして災害情報中継処理装置220へ転送される。災害情報中継処理装置220では、データ受信部221にて被災現場デジタルデータを受け取る。その後、被災現場デジタルデータより、時刻、報告者、対象場所、音声データなど予め決められたデータ項目をデータ抽出部222にて抽出し、データ登録処理部223にて被害情報管理装置231が登録受け付け可能なデータベース制御言語、トランザクション実行文の形式に自動変換し、ネットワーク209を介して被害情報管理装置231に情報の登録を行う。
【0014】
このように、この実施の形態によれば、従来の音声による被災情報に加えて、時刻、報告者、対象場所などの付帯デジタルデータを、アナログ同報無線通信網8を利用して被災現場と情報を収集すべき場所である事務所との間で同報通信を行うので、公衆回線のように混雑することなく安定した通信を行うことができる。また、事務所側では、従来はオペレータが現場の情報を音声で聞き取って被害情報管理装置へデータ登録していたが、災害情報中継処理装置220を被害情報管理装置231に接続することにより、被害情報管理装置231に自動的にデータ登録ができるようになり、業務の省力化が可能となる。
【0015】
実施の形態2.
図3〜図5は、この発明の実施の形態2を示すものであり、図3は現場作業支援装置の構成を示す構成図、図4は端末本体部の詳細構成を示すブロック図、図5は同報無線用データ伝送モデムの詳細構成を示すブロック図である。上記実施の形態1では、報告者、報告対象場所の属性情報である付帯デジタルデータを現場情報端末装置11付属のキーボードより入力したが、本実施の形態2では同報無線用データ伝送モデムにGPS装置(全地球測位システム)を接続して発信場所の位置情報を取得し、また報告者の代わりにモデムID情報を発生させて報告者及び発信場所情報のキーボードからの入力を不要とし、現場の作業員は音声のみ登録すればよいようにしたものである。
【0016】
現場情報端末装置21は、端末本体部22を有する。端末本体部22は、図4に示すように、伝送情報構成部122、時刻情報付加部123、音声通話制御部124、音声符号化部125を有するが、図2に示したキーボード入力を受け付ける属性情報付加部211を設けることを要しない。同報無線用データ伝送モデム26は、図5に示すように伝送情報受信部261、発信位置付加部262、モデムID付加部263、データ変調部264を有する。同報無線用データ伝送モデム16にGPS装置27(図3)が接続されている。その他の構成については、図1に示した実施の形態1と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0017】
次に、動作について説明する。作業員は現場情報端末装置21のマイク・スピーカ13より被害情報などを音声入力する。音声通話制御部124が当該音声入力を受け付け、音声符号化部125に伝送する。音声符号化部125では順次再生可能なデジタルデータ形式にデータ変換し、伝送情報構成部122にデータを送出する。同時に、時刻情報付加部123にて時刻情報を伝送情報構成部122に送信する。伝送情報構成部122では、時刻情報、音声データを通信用データ形式に整え、同報無線用データ伝送モデム26へ送信する。
【0018】
同報無線用データ伝送モデム26では、図5に示すように現場情報端末装置11からの音声データ及び時刻情報データを伝送情報受信部261が受信し、発信位置付加部262へデータ転送する。発信位置付加部226はGPS27より位置情報を得て発信位置情報を付加し、モデムID付加部263へ位置情報データを転送する。モデムID付加部263では、その時点でアナログ同報無線網で使用されていないモデムID情報を発生、付加して被災現場デジタルデータを作成しデータ変復調部264によりアナログデータに変換しアナログ同報無線通信網8に対して同報通信を行う。
【0019】
一方、同報通信された被災現場アナログデータは、事務所側のアナログ無線機211により受信され、同報無線用データ伝送モデム212により被災現場デジタルデータに復調されて災害情報中継処理装置220へ転送される。災害情報中継処理装置220では、データ受信部221(図3)にて被災現場デジタルデータを受け取る。その後、データ抽出部222にて、当該被災現場デジタルデータの中から時刻、モデムID、発信位置、音声データなど予め決められたデータ項目を抽出し、データ登録処理部223にて被害情報管理装置231が登録受け付け可能なデータベース制御言語、トランザクション実行文の形式に自動変換し、ネットワーク209を介して被害情報管理装置231へ送信し、情報登録を行う。
【0020】
このように、作業者(報告者)は作業位置すなわち被災した対象場所や報告者のID情報等の付帯デジタルデータの入力作業を要せず、音声情報とともに被害情報管理装置231へ登録可能となり、作業効率を高めるとともに、対象場所の位置や報告者名の誤入力を防止できる。
【0021】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3である現場作業支援装置の構成を示す構成図である。図6において、甲自治体におけるアナログ無線機39に所定の周波数が割り当てられ、乙自治体におけるアナログ無線機49にはアナログ無線機39とは異なる別の所定の周波数が割り当てられている。上記実施の形態1では、被害情報を管理するデータベースシステムを1つとしていたが、水道、下水道、河川、道路など管理部署の違い等によって、それぞれ異なる被害情報管理装置により管理する場合や、複数の市町村が合併したが、旧市町村でそれぞれ別々の被害情報管理装置を有すしている場合に、事務所側で災害情報中継処理装置が現場情報端末装置からの被害情報の属性例えばモデムIDや対象場所の位置情報、アナログ同報無線機の周波数の区別等により自動的に被害情報を振り分けて該当する被害情報管理装置へ被害情報を登録することを可能としたものある。
【0022】
事務所側では双方の電波を受信するためのアナログ無線機311,411及び受信したアナログデータをデジタル変換するための同報無線用データ伝送モデム212が設置されている。また、甲自治体、乙自治体ごとに被害情報管理装置331,431が設けられており、ネットワーク209を介して災害情報中継処理装置320に接続されている。なお、被害情報管理装置331,431は、複数のデータベース例えば上水道データベース331a,下水道データベース331b、上水道データベース431a、下水道データベース431bを備えている。その他の構成については、図3に示した実施の形態2と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0023】
次に動作について説明する。自治体毎に業務用無線、水道無線、防災無線用に周波数が割り当てられており、甲自治体、乙自治体で異なる周波数を設定したアナログ無線機39,49を用い、事務所側ではアナログ無線機311,411により双方の電波を受信し、アナログデータを同報無線用データ伝送モデム212によりデジタルデータに変換する。なお、現場情報端末装置21から送信する付帯デジタルデータには、被害属性(水道、下水道、河川等)を追加する。
【0024】
災害情報中継処理装置320では、各自治体から伝送されたデジタルデータをデータ受信部221が受信し、データ抽出部222にてデータの中から時刻、音声、報告者、報告対象場所、被害属性などの予め定めたデータ項目を抜き出すととともにアナログ無線機311,411のいずれから受信したものかに応じて識別周波数情報を付加する。データ配信部323は、データ抽出部222が抽出したデータが、甲自治体、乙自治体どちらの同報無線用データ伝送モデムからのデータかを上記識別周波数情報により識別し、被害属性より格納すべき被害情報管理装置331、431を特定し、ネットワーク209を介して該当する被害情報管理装置331、431へデータを入力する。被害情報管理装置331、431では、上水道、下水道のデータベース区分により、各上水道データベース331a,431a、下水道データベース331b,431bへ収容される。
【0025】
このように、被災現場で調査や復旧活動を行う作業員は、水道、下水道、河川等の被害属性を選択し、被害情報や復旧情報等を入力すれば足り、現場情報端末が複数あってかつ被災現場データを所定の区分により被害情報管理装置に登録する場合に登録すべき被災現場データの区分を意識することなく作業できる。事務所側にとっても受信するアナログ同報無線の周波数等の区別により近隣自治体の被害情報管理装置へ情報伝達を迅速に行うことができ、自己の自治体内でも被害情報の属性(水道、下水道、河川等)により該当する被害情報管理装置へ情報を自動的に振り分け登録できることにより、迅速かつ容易に情報を収集できる。
【0026】
実施の形態4.
図7、図8は、この発明の実施の形態4を示すものであり、図7は現場作業支援装置の構成を示す構成図、図8は同報無線データ伝送モデムの詳細構成を示す構成図である。上記実施の形態2では、ある被災現場からの一部の情報の登録を自動的に登録するものについて述べたが本実施例では、他の現場において作業員が調査や復旧業務を開始するにあたり現場情報端末装置を起動しアナログ同報無線網へ発信場所を通報し参入した場合、災害情報中継処理装置がその他の地点に係わる被災情報について被害情報管理装置を検索し、その結果を、参入した現場情報端末装置のモデムID情報を付加し同報通信する。各被災現場における同報無線用データ伝送モデムは付加されたモデムIDと自モデムIDとが一致する場合は自己の現場情報端末装置へ受信データを伝送し、一致しない場合は受信データを破棄する。このようにして同報無線を用いて被害情報を検索し、取り出しができる1対1の通信を可能としたものである。
【0027】
図7において、A,B各現場には、それぞれ現場情報端末装置51が携行される。現場情報端末装置51は、端末本体部52を有する。端末本体部52には、同報無線用データ伝送モデム56及び図示しないが関連情報受信部としてのデータ受信部及び表示画面が設けられている。同報無線用データ伝送モデム56は、図8に示すように伝送情報送受信部561、データ変復調部564、モデムID識別部566を有する。災害情報中継処理装置520は、図7に示すように、被害情報検索部526、データ送信部527を有する。その他の構成については、図3及び図5に示した実施の形態2と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。なお、被害情報検索部526及びデータ送信部527はこの発明における関連情報出力部である。
【0028】
次に、動作について説明する。B現場において現場情報端末装置51を持つ作業員が現場情報端末装置51を起動する。すると、アナログ無線機19に対して現場情報端末装置51からの伝送情報の有無にかかわらず、同報無線用データ伝送モデム56から所定の周期にてモデムID,発信位置をアナログ同報無線網8に送信するようになる。一方、事務所内の災害情報中継処理装置520は、被害情報検索部526が被害種別毎に被害情報管理装置231より情報を検索し、参入したB現場の現場情報端末装置51の同報無線用データ伝送モデム56の発信位置のデータに基づいて、発信位置の周囲半径距離をパラメータとしてデータ件数の絞り込みを行い、当該絞り込みを行ったデータに受信すべきあて先モデムIDを付加しデータ送信部527及びアナログ同報無線網8を介して各現場の現場情報端末装置51に同報送信を行う。
【0029】
一方、同報無線用データ伝送モデム56は、伝送情報送受信部561によりアナログ同報無線網8からのデータを受信し、データ変復調送受信部564により受信したデータをデジタル化し、モデムID識別部566へデータ転送する。モデムID識別部566では、自モデムIDと受信したデータ内のあて先モデムIDとを照合し、一致した場合に伝送情報送受信部561を通じて現場情報端末装置51へ受信データを送信する。現場情報端末装置51では、受信した他場所の被害情報や復旧情報を図示しない受信部にて受信し表示画面に表示する。
【0030】
このように、他の場所の被害情報や復旧情報を知っていなくても、現場の作業員は現場情報端末装置にて関連データにより他場所の状況を知ることが可能となり、事務所、他場所の作業員など関係者でと情報を共有しながら連携して業務を行うことができ、的確、かつ効率的に被災対策活動などの活動を行うことが可能となる。
【0031】
実施の形態5.
図9〜図13は、この発明の実施の形態4を示すものであり、図9は現場作業支援装置の構成を示す構成図、図10は災害情報中継処理装置の詳細構成を示す構成図、図11及び図12は災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図、図13は現場情報端末装置の表示画面の説明図である。図9において、施設監視装置631がネットワーク609を介して災害情報中継処理装置620に接続されている。災害情報中継処理装置620は、図10に示すように位置情報管理部621、オンラインデータ受信部623、受信オンラインデータ格納部624、オンラインデータ抽出部625、抽出オンラインデータ格納部626、オンラインデータ送信部627を有する。なお、現場情報端末装置51には、図示しないがオンラインデータ受信部としてのデータ受信部及び表示画面が設けられている。その他の構成については、図7及び図8に示した実施の形態4と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0032】
この実施の形態においては、他の地点からの水圧や水質などの測定値情報をテレメータ装置(図示しない)経由で収集している施設監視装置631をネットワーク609を介して災害情報中継処理装置620と接続し、アナログ同報無線通信網8経由で現場情報端末装置11の表示画面へ測定値情報を表示させることを可能としたものである。
【0033】
次に、動作について説明する。
同報無線用データ伝送モデム56から、図12(b)に示すような時刻、表示画面の表示縮尺、同報無線用データ伝送モデム56にて付加される端末ID、端末位置、データ種別等のデータが災害情報中継処理装置620の位置情報管理部621(図10)に送信される。位置情報管理部621は、端末ID、端末位置、表示縮尺、表示画面範囲(画面左上、画面右下)の管理を行っている。なお、表示画面範囲は図12(c)に示すような形で定義されている。表示画面範囲DPLYは、例えば図13に示すような座標(x1−x2)、(y1−y2)の範囲で定義されており、現場情報端末装置の位置はP(x0,y0)である。
【0034】
また、プラントデータは図12(a)のようにデータIDとその位置が位置情報管理部621内に定義されている。施設監視装置631よりの測定値情報は、図11(a)のようなフォーマットを有しており、災害情報中継処理装置620のオンラインデータ受信部623に図11(b)のような形で格納される。監視装置631の設置位置は固定であるため、データ毎に予め位置情報を災害情報中継処理装置620内に定義している。
【0035】
オンラインデータ抽出部625では、各現場情報端末装置51の上記定義された表示画面範囲に該当するプラントデータを抽出する。抽出されるプラントデータは、x1<=Dxn<=x2,y1<=Dyn<=y2の範囲のプラントデータであり、抽出されたデータは例えば図11(c)の形で抽出オンラインデータ格納部626に収容される。オンラインデータ送信部627では、抽出されたプラントデータに対し、対象端末ID(=端末ID)、データ種別(水圧、水質等)、データID、データ位置及びその値等の情報をセットし、図11(d)の形のプラントデータとし、アナログ同報無線通信網8を介して同報無線用データ伝送モデム56へ伝送する。
【0036】
一方、A現場の現場情報端末装置51では同報無線用データ伝送モデム56を介して受信したプラントデータ中の端末IDが自端末IDと一致するので受信データを表示画面に地図と重ねて表示する。B現場の現場情報端末装置51では受信したデータ中野端末IDが自端末IDと不一致のためデータ破棄する。
【0037】
このように、作業員はオペレータに問合わせすることなく、現場情報端末により調査対象場所近辺の施設の測定値情報などのオンラインデータを知ることができ、状況判断をより的確に下すことが可能となる。例えば、水道管の被害調査の場合、地図上に配管情報を重ね合わせた画面上で水圧測定地点に値を重ね表示することで漏水、断水地点の絞り込みに利用でき、作業効率の向上が図ることができる。
【0038】
実施の形態6.
図14、図15は、この発明の実施の形態6を示すものであり、図14は災害情報中継処理装置の詳細構成を示す構成図、図15は災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図である。この実施の形態においては、図9の災害情報中継処理装置620の代わりに図14に示す災害情報中継処理装置720が設けられている。災害情報中継処理装置720は、オンラインデータ位置情報管理部722を有する。その他の構成については、図9及び図10に示したものと同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
図9に示した実施の形態においては、現場情報端末装置の表示画面の表示範囲に含まれるオンラインデータを照合抽出して、現場情報端末装置に送信するものを示した。本実施の形態は、災害情報中継処理装置720の起動時に、オンラインデータ位置情報管理部722が、施設監視装置が設置されている対象地域を多数の正方形のメッシュに分割して各メッシュ単位で送信すべきデータを定義し、現場情報端末装置の表示範囲に含まれるメッシュについて該当する現場情報端末装置へメッシュ単位でデータ送信をするものである。
【0040】
次に、動作について説明する。災害情報中継処理装置720の起動時に、オンラインデータ位置情報管理部722が初期処理として、施設監視装置が設置されている対象地域について予めメッシュに分割、各メッシュ単位で送信すべきデータを定義する。対象地域は図15(a)に示すようなメッシュに分割されメッシュE1,E2,E3,・・・が定義されている。現場情報端末装置51より端末ID、画面の縮尺情報、同報無線用データ伝送モデム56にて付加される端末位置の情報が災害情報中継処理装置720に送信される。
【0041】
オンラインデータ位置情報管理部722は、現場情報端末装置51の端末ID及び端末位置の情報を受信して、位置情報管理部621が管理している端末IDに基づいて、その表示範囲に全部あるいは一部が含まれるメッシュを抽出する。抽出されたメッシュの範囲は、例えば図15の範囲Gのごとくであり、メッシュE1,E2,E4,E5が該当する。オンラインデータ抽出部625は、このメッシュE1,E2,E4,E5について送信すべきオンラインデータを抽出し、抽出オンラインデータ格納部626に格納し、オンラインデータ送信部627では、抽出したオンラインデータに対し、対象端末ID(=端末ID)、データ種別(水圧、水質等)、データID、データ位置、データの値の情報をセット(付加)し、同報無線用データ伝送モデム212(図9参照)へ伝送する。これ以降現場情報端末装置51に受信データを表示画面に地図と重ねて表示するまでの動作は、上記実施の形態5と同様である。
【0042】
このように、データ量が大量であり、対象地域が広域である場合、現場情報端末装置51の表示画面の表示範囲に含まれるプラントデータを全検索せずに、予め対象地域をメッシュに分割し、送信すべきデータを定義しておくことにより、現場情報端末装置11の表示画面の表示範囲とメッシュの合致の照合のみで送信データを一意に決めることができ、検索を短時間にすることができ、迅速に処理できる。
【0043】
実施の形態7.
図16〜図18は、この発明の実施の形態7を示すものであり、図16は災害情報中継処理装置の詳細構成を示す構成図、図17及び図18は災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図である。この実施の形態においては、図9の災害情報中継処理装置620の代わりに図16に示す災害情報中継処理装置820が設けられている。災害情報中継処理装置820は、オンラインデータ優先順決定部821を有する。その他の構成については、図9及び図14に示したものと同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。
【0044】
上記実施の形態6では、現場情報端末装置1台ごとにで送信すべきデータをメッシュ単位で検索し、送信するものを示した。本実施の形態では複数の現場情報端末装置が近辺に存在していた場合(端末IDがA,B)、端末IDがAの現場情報端末装置、端末IDがBの現場情報端末装置端ごとに2回通信するのではなく、現場情報端末装置に表示する範囲が重複していれば共通に1回通信するようにしたものである。
【0045】
現場情報端末装置51については、端末IDがA及びB現場の現場情報端末装置51のデータは、図17(b)のごとく定義されているものとする。まず、オンラインデータ優先順位決定部821が、メッシュと現場情報端末装置51に表示する地図との重複面積を計算し広い面積順に重み付けを行う。重複面積は、例えば図17(a)に示すように端末IDがAの現場情報端末装置51の表示画面については範囲AR1、端末IDがBの現場情報端末装置51の表示画面については範囲AR2のごとくなっている。この場合、端末IDがAの現場情報端末装置51の場合、図18(a)に示すように、面積の多い順にE1,E4,E2,E5となり、端末IDがBの現場情報端末装置51の場合、面積の多い順にE5,E8,E6,E9となる。各エリアに面積の多い順に重みを割り付け(重い順に重み4,3,2,1を割り付ける)、エリアごとに重みを集計する。
【0046】
次に、オンラインデータ優先順位決定部821は、重みごとにエリアを並び変えると、図18(b)に示すようにE5,E1,E4・E8,E2・E6,E9の順になる。オンラインデータ優先順位決定部821は、この結果をオンラインデータ位置情報管理部722へ送信し、オンラインデータ位置情報管理部722が決定された優先順位及びメッシュに基づいて抽出すべきデータを決定する。オンラインデータ抽出部625は抽出すべきデータを抽出し、抽出オンラインデータ格納部626に格納し、オンラインデータ送信部627から同報無線用データ伝送モデム212に送信される。このように、オンラインデータ優先順位決定部821が双方に重複するエリアの面積に基づいて優先順位を決定し、オンラインデータ位置情報管理部722へエリア情報と優先順位のデータを引き渡し、オンラインデータ位置情報管理部722では端末ごとに送信データを作るのではなく、優先順位に基づき共通に1つの送信データとして作成する。以後の流れは実施の形態6と同じである。
【0047】
このように、上記実施の形態6では、N台の複数の端末ごとにデータ送信を行うためにN倍の通信時間を要し、端末台数が増加すると、通信速度の遅いアナログ同報無線網の空き時間が無くなってしまう可能性があったのに対し、本実施の形態7によれば、現場情報端末装置の表示画面に表示する表示範囲である地図が重複する割合の高いメッシュについて優先的にオンラインデータを抽出して送信し複数の現場情報端末装置がこれらのオンラインデータを同時に受信するので、通信データの削減が可能であり、必要データを迅速に送信でき、またアナログ同報無線網8の通信空き時間を増やすことが可能である。
【0048】
なお、上記各実施の形態においては、同報無線用データ伝送モデム16とアナログ無線機19とを一体化して筐体に収容し、端末本体部12とマイク・スピーカ13とを一体化して上記筐体に着脱できるようにしたものを示したが、端末本体部12とマイク・スピーカ13と同報無線用データ伝送モデム16とを一体にし、アナログ無線機19は分離して現地に既に設置されているものを使用してもよいし、その他の方法をとってもよい。
【0049】
以上のように、この発明に係る現場作業支援装置は、現場情報端末装置と端末側同報無線用データ伝送モデムと中継装置側同報無線用データ伝送モデムと災害情報中継処理装置と被害情報管理装置とを有するものであって、
現場情報端末装置は、端末本体部と端末側同報無線用データ伝送モデムとアナログ無線機とを備えた現場作業支援装置において、
端末本体部は、地震等の災害が発生した際に被災現場において被害状況を音声データとして入力する音声データ入力部と音声データをデジタル音声データに変換する音声データ変換部とデジタル音声データに報告者及び対象場所に関する付帯デジタルデータを付加して被災現場デジタルデータを作成する付帯データ付加部とを有するものであり、
端末側及び中継装置側同報無線用データ伝送モデムは、入力されたデジタルデータをアナログデータに変換してあるいは入力されたアナログデータをデジタルデータに変換して出力するものであり、
端末本体部にて作成された被災現場デジタルデータは、端末側同報無線用データ伝送モデムにてアナログデータに変換されアナログ無線機及びアナログ同報無線通信網を介して中継装置側同報無線用データ伝送モデムに送信され中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換され、
災害情報中継処理装置は、所定の場所に設けられ、中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換された被災現場デジタルデータを受信するデータ受信部と、被災現場デジタルデータの中から予め定めたデータ項目を抽出データとして抜き出すデータ抽出部と、抽出データを被害情報管理装置へ登録するデータ登録処理部とを有するものであるので、
報告者、対象場所などの付帯デジタルデータを、アナログ同報無線通信網を利用して被災現地と情報を収集すべき場所である事務所との間で同報通信を行うので、公衆回線のように混雑することなく安定した通信を行うことができる。また、災害情報中継処理装置により被害情報管理装置に自動的に抽出データの登録ができるようになり、業務の省力化が可能となる。
【0050】
そして、現場情報端末装置の付帯データ付加部は、全地球測位システムにより対象場所に関する付帯デジタルデータを作成するものであることを特徴とするので、対象場所に関する付帯デジタルデータの入力作業を要せず、音声情報とともに被害情報管理装置へ登録可能となり、作業効率を高めるとともに、対象場所の位置や報告者名の誤入力を防止できる。
【0051】
さらに、現場情報端末装置は複数設けられたものであって付帯データ付加部は自己の現場情報端末装置を識別させるための識別情報を付帯デジタルデータとして付加するものであり、災害情報中継処理装置のデータ登録処理部は現場情報端末装置の識別情報に基づき被災現場デジタルデータを識別情報に従って所定の区分により被害情報管理装置に登録するものであることを特徴とするので、現場情報端末が複数あってかつ被災現場データを所定の区分により被害情報管理装置に登録する場合に登録すべき被災現場デジタルデータの区分を意識することなく作業できる。また、被害情報管理装置へ情報を自動的に振り分け登録できることにより、迅速かつ容易に情報を収集できる。
【0052】
また、現場情報端末装置は関連データ受信部を有し、災害情報中継処理装置は他の現場情報端末装置から被害情報管理装置に登録された抽出データを検索して関連データとして出力する関連情報出力部を有し、出力された関連データは中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてアナログデータに変換されアナログ同報無線通信網を介して端末側同報無線用データ伝送モデムにて再びデジタルデータに変換され、現場情報端末装置の関連情報受信部は端末側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換された関連データを受信するものであることを特徴とするので、現場の作業員は現場情報端末装置にて関連データにより他場所の状況を知ることが可能となり、関係者で情報を共有しながら連携して業務を行うことができ、的確、かつ効率的に作業を行うことが可能となる。
【0053】
そして、現場情報端末装置は端末側オンラインデータ受信部と表示画面とを有し、災害情報中継処理装置は、現場情報端末装置の位置情報を管理する位置情報管理部と被災地域に設置され所定の物理量を測定監視する施設監視装置から入力されるオンラインデータを定期的に受信する施設側オンラインデータ受信部と、オンラインデータの位置情報を管理するオンラインデータ位置情報管理部と、オンラインデータの位置情報と現場情報端末装置の位置情報とに基づいて表示画面の表示範囲に含まれるオンラインデータを抽出するオンラインデータ抽出部と、抽出したオンラインデータに対応する現場情報端末装置の識別情報を付加して送信するオンラインデータ送信部とを有し、現場情報端末装置の端末側オンラインデータ受信部はオンラインデータ送信部からアナログ同報無線通信網を介して送信され端末側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換されたオンラインデータを受信し表示画面に表示するものであることを特徴とするので、現場情報端末により対象場所近辺の施設の測定値情報などのオンラインデータを知ることができ、状況判断をより的確に下すことが可能となる。
【0054】
さらに、災害情報中継処理装置は、施設監視装置が配置されている地域を予め定められた区分でメッシュに分割し当該メッシュに含まれる施設監視装置のオンラインデータをメッシュに予め割り当てるオンラインデータ位置情報管理部を有するものであり、オンラインデータ抽出部は表示画面の表示範囲に対応するメッシュのオンラインデータを抽出するものであることを特徴とするので、現場情報端末装置の表示画面の表示範囲とメッシュの合致の照合のみで送信データを一意に決めることができ、検索を短時間にすることができ、迅速に処理できる。
【0055】
また、現場情報端末装置は複数設けられたものであって付帯データ付加部は自己の現場情報端末装置を識別させるための端末識別情報を付帯デジタルデータとして付加するものであり、災害情報中継処理装置は複数の現場情報端末装置の各表示画面の表示範囲に対応するメッシュについて現場情報端末装置の位置を基準にして重み付けを行いメッシュごとの重み付け値を算出し各現場情報端末装置ごとに重み付け値を集計してメッシュごとの抽出優先順位をつけるオンラインデータ優先処理部を有するものであり、オンラインデータ抽出部は抽出優先順位に従ってメッシュに対応するオンラインデータを抽出するものであることを特徴とするので、現場情報端末装置の表示画面に表示する表示範囲である地図が重複する割合の高いメッシュについて優先的にオンラインデータを抽出して送信し複数の現場情報端末装置がこれらのオンラインデータを同時に受信することができ、通信データの削減が可能であり、通信データ数を削減して必要データを迅速に送信でき、またアナログ同報無線網の通信空き時間を増やすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明を実施するための実施の形態1を示す現場作業支援装置の構成を示す構成図である。
【図2】図1の端末本体部の詳細構成の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態2である現場作業支援装置の構成を示す構成図である。
【図4】図3の端末本体部の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】図3の同報無線用データ伝送モデムの詳細構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3である現場作業支援装置の構成を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態4である現場作業支援装置の構成を示す構成図である。
【図8】図7の同報無線データ伝送モデムの詳細構成を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態4である現場作業支援装置の構成を示す構成図である。
【図10】図9の災害情報中継処理装置の詳細構成を示す構成図である。
【図11】図9の災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図である。
【図12】図9の災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図である。
【図13】図9の現場情報端末装置の表示画面の説明図である。
【図14】この発明の実施の形態6である災害情報中継処理装置の構成図である。
【図15】図14の災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図である。
【図16】この発明の実施の形態7である災害情報中継処理装置の詳細構成を示す構成図である。
【図17】図16の災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図である。
【図18】図16の災害情報中継処理装置の各部におけるデータの例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
8 アナログ同報無線通信網、11,21,51 現場情報端末装置、
12,22,52 端末本体部、13 マイク・スピーカ、
16,26,56 同報無線用データ伝送モデム、19 アナログ無線機、
27 GPS、121 属性情報付加部、121 属性情報付加部、
122 伝送情報構成部、123 時刻情報付加部、124 音声通話制御部、
125 音声符号化部、211 アナログ無線機、
212 同報無線用データ伝送モデム、
220,520,620,720,820 災害情報中継処理装置、
231 被害情報管理装置、222 データ抽出部、223 データ登録処理部、
526 被害情報検索部、621 位置情報管理部、623 オンラインデータ受信部、
624 受信オンラインデータ格納部、625 オンラインデータ抽出部、
722 オンラインデータ位置情報管理部、821 オンラインデータ優先順決定部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場情報端末装置と端末側同報無線用データ伝送モデムと中継装置側同報無線用データ伝送モデムと災害情報中継処理装置と被害情報管理装置とを備えた現場作業支援装置において、
上記現場情報端末装置は、端末本体部と上記端末側同報無線用データ伝送モデムとアナログ無線機とを有するものであり、
上記端末本体部は、地震等の災害が発生した際に被災現場において被害状況を音声データとして入力する音声データ入力部と上記音声データをデジタル音声データに変換する音声データ変換部と上記デジタル音声データに報告者及び対象場所に関する付帯デジタルデータを付加して被災現場デジタルデータを作成する付帯データ付加部とを有するものであり、
上記端末側及び上記中継装置側同報無線用データ伝送モデムは、入力されたデジタルデータをアナログデータに変換してあるいは入力されたアナログデータをデジタルデータに変換して出力するものであり、
上記端末本体部にて作成された上記被災現場デジタルデータは、上記端末側同報無線用データ伝送モデムにてアナログデータに変換され上記アナログ無線機及びアナログ同報無線通信網を介して上記中継装置側同報無線用データ伝送モデムに送信され上記中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換され、
上記災害情報中継処理装置は、所定の場所に設けられ、上記中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換された上記被災現場デジタルデータを受信するデータ受信部と、上記被災現場デジタルデータの中から予め定めたデータ項目を抽出データとして抜き出すデータ抽出部と、上記抽出データを上記被害情報管理装置へ登録するデータ登録処理部とを有するものである、
現場作業支援装置。
【請求項2】
上記現場情報端末装置の上記付帯データ付加部は、全地球測位システムにより上記対象場所に関する付帯デジタルデータを作成するものであることを特徴とする請求項1に記載の現場作業支援装置。
【請求項3】
上記現場情報端末装置は複数設けられたものであって上記付帯データ付加部は自己の現場情報端末装置を識別させるための識別情報を上記付帯デジタルデータとして付加するものであり、上記災害情報中継処理装置の上記データ登録処理部は上記現場情報端末装置の上記識別情報に基づき上記被災現場デジタルデータを上記識別情報に従って所定の区分により上記被害情報管理装置に登録するものであることを特徴とする請求項1に記載の現場作業支援装置。
【請求項4】
上記現場情報端末装置は関連データ受信部を有し、上記災害情報中継処理装置は他の上記現場情報端末装置から上記被害情報管理装置に登録された上記抽出データを検索して関連データとして出力する関連情報出力部を有し、出力された上記関連データは上記中継装置側同報無線用データ伝送モデムにてアナログデータに変換され上記アナログ同報無線通信網を介して上記端末側同報無線用データ伝送モデムにて再びデジタルデータに変換され、上記現場情報端末装置の上記関連情報受信部は上記端末側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換された上記関連データを受信するものであることを特徴とする請求項1に記載の現場作業支援装置。
【請求項5】
上記現場情報端末装置は端末側オンラインデータ受信部と表示画面とを有し、
上記災害情報中継処理装置は、上記現場情報端末装置の位置情報を管理する位置情報管理部と被災地域に設置され所定の物理量を測定監視する施設監視装置から入力されるオンラインデータを定期的に受信する施設側オンラインデータ受信部と、上記オンラインデータの位置情報を管理するオンラインデータ位置情報管理部と、上記オンラインデータの位置情報と上記現場情報端末装置の位置情報とに基づいて上記表示画面の表示範囲に含まれる上記オンラインデータを抽出するオンラインデータ抽出部と、抽出した上記オンラインデータに対応する上記現場情報端末装置の識別情報を付加して送信するオンラインデータ送信部とを有し、上記現場情報端末装置の上記端末側オンラインデータ受信部は上記オンラインデータ送信部から上記アナログ同報無線通信網を介して送信され上記端末側同報無線用データ伝送モデムにてデジタルデータに変換された上記オンラインデータを受信し上記表示画面に表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の現場作業支援装置。
【請求項6】
上記災害情報中継処理装置は、上記施設監視装置が配置されている地域を予め定められた区分でメッシュに分割し当該メッシュに含まれる上記施設監視装置のオンラインデータを上記メッシュに予め割り当てるオンラインデータ位置情報管理部を有するものであり、上記オンラインデータ抽出部は上記表示画面の上記表示範囲に対応する上記メッシュのオンラインデータを抽出するものであることを特徴とする請求項5に記載の現場作業支援装置。
【請求項7】
上記現場情報端末装置は複数設けられたものであって上記付帯データ付加部は自己の現場情報端末装置を識別させるための端末識別情報を上記付帯デジタルデータとして付加するものであり、上記災害情報中継処理装置は上記複数の現場情報端末装置の各表示画面の上記表示範囲に対応するメッシュについて上記現場情報端末装置の位置を基準にして重み付けを行いメッシュごとの重み付け値を算出し上記各現場情報端末装置ごとに上記重み付け値を集計して上記メッシュごとの抽出優先順位をつけるオンラインデータ優先処理部を有するものであり、上記オンラインデータ抽出部は上記抽出優先順位に従って上記メッシュに対応するオンラインデータを抽出するものであることを特徴とする請求項5に記載の現場作業支援装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2007−158691(P2007−158691A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350789(P2005−350789)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】