説明

環で置換されている3,5−ジシアノ−2−チオピリジン類およびそれらの使用

本発明は、新規4−シクロアルキル−および4−ヘテロシクロアルキル−3,5−ジシアノ−2−チオピリジン誘導体、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに、疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための該誘導体の使用、好ましくは高血圧症および他の心血管疾患の処置および/または予防のためのものに関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
環Aは、(C−C)−シクロアルキルまたは(C−C)−シクロアルケニル環を表すか、または、炭素を介して結合しており、N−RおよびOからなる群から1個または2個の環構成員を含有する4員ないし7員の複素環を表し
{ここで、(C−C)−シクロアルキルおよび(C−C)−シクロアルケニルは、(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノおよびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、ここで、言及した(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルコキシラジカルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシおよび(C−C)−シクロアルキルからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、
そして、ここで、
は、水素、(C−C)−アルキル(これは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アシルオキシおよび(C−C)−シクロアルキルからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい)、または、(C−C)−アシル(これは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシにより置換されていてもよい)を表す}、
は、(C−C10)−アリール、または、N、OおよびSからなる群から3個までの環内ヘテロ原子を有する5員ないし10員のヘテロアリールを表し、これらのラジカルの各々は、
(i)ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、
かつ/または、
(ii)ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N'−(C−C)−アルキルピペラジノ、テトラゾリルまたは式−L−R
{式中、
Lは、結合、NHまたはOを表し、
そして、
は、フェニルまたはN、OおよびSからなる群から3個までの環内ヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールを表し、これらのラジカルの各々は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アルコキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換ないし三置換されていてもよい}
の基により置換されていてもよく、
そして、
は、水素を表すか、または、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−アルコキシを表し、これらのラジカルの各々は、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは3個までのフッ素により置換されていてもよいか、
または、
は、式−NR
{式中、
およびRは、同一であるかまたは異なっており、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキル(これは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニルおよび4員ないし7員の複素環からなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、ここで、言及した複素環は、N、OおよびSからなる群から1個または2個の環内ヘテロ原子を含有し、(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、オキソおよび(C−C)−アルコキシからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい)を表すか、
または、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、4員ないし7員の複素環を形成し、これは、N、OまたはSからなる群からさらなる環内ヘテロ原子を含有してもよく、(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、オキソ、(C−C)−アルコキシ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノおよびモルホリノからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい}
の基を表す]
の化合物、それらのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩、並びに、N−オキシドおよび塩の溶媒和物、
但し、化合物2−アミノ−6−(ベンジルチオ)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−ピリジン−3,5−ジカルボニトリルは除く。
【請求項2】
式中、
が、フェニルまたはN、OおよびSからなる群から3個までの環内ヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールを表し、これらのラジカルの各々は、
(i)ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルおよびジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されており、
かつ/または、
(ii)ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N'−(C−C)−アルキルピペラジノ、テトラゾリルまたは式−L−R
{式中、
Lは、結合、NHまたはOを表し、
そして、
は、フェニルまたはN、OおよびSからなる群から3個までの環内ヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールを表し、これらのラジカルの各々は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アルコキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換ないし三置換されていてもよい}
の基により置換されているか、
または、
が、N−オキシドピリジルを表す、
請求項1に記載の式(I)の化合物、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
環Aが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペント−2−エン−1−イル、シクロペント−3−エン−1−イル、シクロヘキサ−2−エン−1−イルまたはシクロヘキサ−3−エン−1−イルを表すか、炭素を介して結合しており、N−RおよびOからなる群から1個の環構成員を含有する5員または6員の複素環を表すか、または、炭素を介して結合している式
【化2】

の複素環を表し
{ここで、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルは、(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノおよびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、ここで、言及した(C−C)−アルキル−および(C−C)−アルコキシラジカルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシおよび(C−C)−シクロアルキルからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよく、
*は、ピリジン環への結合点を示し、
そして、
は、水素、(C−C)−アルキル(これは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アシルオキシおよび(C−C)−シクロアルキルからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい)、または、(C−C)−アシル(これは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシにより置換されていてもよい)を表す}、
が、フェニルまたはN、OおよびSからなる群から3個までの環内ヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールを表し、これらのラジカルの各々は、
(i)フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、カルボキシルおよびカルバモイルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されており、
かつ/または、
(ii)モルホリノ、N'−(C−C)−アルキルピペラジノまたは式−L−R
{式中、
Lは、結合またはNHを表し、
そして、
は、フェニルまたはN、OおよびSからなる群から3個までの環内ヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールを表し、これらのラジカルの各々は、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルコキシカルボニルおよびカルボキシルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換ないし三置換されていてもよい}
の基により置換されているか、
または、
が、N−オキシドピリジルを表し、
そして、
が、水素を表すか、または、3個までのフッ素により置換されていてもよい(C−C)−アルコキシを表すか、
または、
が、式−NR
{式中、
は、水素または(C−C)−アルキル(これは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニルまたは5員または6員の複素環により置換されていてもよく、ここで、言及した複素環は、NおよびOからなる群から1個または2個の環内ヘテロ原子を含有し、メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシおよびエトキシからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい)を表し、
は、水素またはメチルを表すか、
または、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5員または6員の複素環を形成し、これは、NまたはOからなる群からさらなる環内ヘテロ原子を含有してもよく、メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシおよびエトキシからなる群からの同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい}
の基を表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項4】
式中、
環Aが、式
【化3】

{式中、
*は、ピリジン環への結合点を示し、
は、水素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシまたは2−ヒドロキシエトキシを表し、
そして、
は、メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、2−アセトキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−アセトキシプロピルまたはヒドロキシアセチルを表す}
の基を表し、
が、フェニル、オキサゾリル、チアゾリルまたはピリジルを表し、これらのラジカルの各々は、
(i)フッ素、塩素、メチル、アミノ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、カルボキシルおよびカルバモイルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されているか、
または、
(ii)式−L−R
{式中、
Lは、結合またはNHを表し、
そして、
は、フェニルまたはピリジルを表し、これらのラジカルの各々は、フッ素、塩素、シアノ、メチル、メトキシおよびカルボキシルからなる群から選択される同一かまたは異なるラジカルにより一置換または二置換されていてもよい}
の基により置換されており、
そして、
が、水素、メトキシまたは式−NR
{式中、
は、水素または(C−C)−アルキル(これは、ヒドロキシル、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノまたは式
【化4】

の複素環により置換されていてもよい)を表し、
は、水素を表すか、
または、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、式
【化5】

の基を形成しており、
ここで、各場合で、
**は、(C−C)−アルキルラジカルへの結合点を示し、
#は、ピリジン環への結合点を示し、
B1は、水素またはヒドロキシルを表し、
そして、
B2は、水素またはメチルを表す}
の基を表す、
請求項1、請求項2または請求項3に記載の式(I)の化合物、またはそれらの塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項5】
がNHを表す請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II)
【化6】

(式中、環Aは請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(III)
【化7】

(式中、Rは、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の意味を有し、そして、
Xは、ハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートなどの適する脱離基を表す)
の化合物と反応させ、式(I−A)
【化8】

(式中、Rおよび環Aは、上記の意味を有する)
の化合物を得、式(I−A)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項6】
が基−NRを表し、2つのラジカルRおよびRの少なくとも1つが水素ではない請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(I−A)
【化9】

(式中、Rおよび環Aは、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を、先ず、塩化銅(II)および亜硝酸イソアミルを用いて、適する溶媒中、式(VI)
【化10】

(式中、Rおよび環Aは、上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、これらを式(VII)
【化11】

(式中、
5Aは、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のRの意味を有し、
6Aは、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のRの意味を有し、
しかし、2つのラジカルR5AおよびR6Aの少なくとも1つは、水素を表さない)
の化合物と反応させ、式(I−B)
【化12】

(式中、R、R5A、R6Aおよび環Aは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、式(I−B)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項7】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞および心房細動の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項9】
糖尿病、代謝症候群および異脂肪血症の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、不活性の非毒性の医薬的に適する補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項11】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、脂質代謝を調節する活性化合物、抗糖尿病薬、抗高血圧薬および抗血栓薬からなる群から選択される1種またはそれ以上のさらなる活性化合物と組み合わせて含む、医薬。
【請求項12】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞および心房細動の処置および/または予防のための、請求項10または請求項11に記載の医薬。
【請求項13】
糖尿病、代謝症候群および異脂肪血症の処置および/または予防のための、請求項10または請求項11に記載の医薬。
【請求項14】
有効量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物、または、請求項10ないし請求項12のいずれかに記載の医薬を使用する、ヒトおよび動物の高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞および心房細動の処置および/または予防方法。
【請求項15】
有効量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物、または、請求項10、請求項11および請求項13のいずれかに記載の医薬を使用する、ヒトおよび動物の糖尿病、代謝症候群および異脂肪血症の処置および/または予防方法。

【公表番号】特表2010−510998(P2010−510998A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538616(P2009−538616)
【出願日】平成19年11月17日(2007.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009962
【国際公開番号】WO2008/064788
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(507113188)バイエル・シェーリング・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】