説明

生体情報管理システム

【課題】ICカード上で摂取カロリー、消費カロリー等を表示確認することが出来、更にセキュリティ性に優れた生体情報管理システムを提供する。
【解決手段】ICカードを使用して生体情報を管理するシステムであって、少なくとも生体情報を入力する情報入力手段と、歩数情報を計測する歩数計測手段と、時計機能部と、前記情報入力手段によって入力される情報とは別の生体情報を入出力して外部端末と生体情報の配信を行う情報配信手段と、前記各種情報を表示する表示手段と、を有する非接触ICカードを用い、且つ、前記外部端末と情報の配信を行う際には、ワンタイムパスワードを外部端末に送信して認証を行うことを特徴とする生体情報管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の健康管理や疾病療養等に活用するために日常生活における食事、運動、体調等の各種生体情報を管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、官公庁、銀行、会社、医療機関、及び学校などのサービス産業分野では、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、自動車運転免許証、従業員証、社員証、会員証、医療カード及び学生証などのIDカードが普及している。この種のIDカードには、本人認識用の顔画像、及び所有者に関する文字や記号などの文字情報が印刷されており、特に近年、IDカードにはセキュリティの信頼性の高さからICカードを用いることが多くなっている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているように医療機関での使用形態の一例として、患者の診断や指導に必要な日常生活での食事や運動や体調等の各種情報を、患者自身が記録でき、その記録情報を自己管理に生かすことができ、患者が来院時に持参した生活情報を病院が電算処理して、患者の診断と指導を迅速かつ的確に行えるシステムがある。
【0004】
上記特許文献1に記載の実施形態を図1に示す。図1に示す実施形態では、患者宅に、多機能電話機11を利用し、ICカードリーダライタ13とバーコードリーダ15を備えた入力装置1が置かれる。患者は、バーコードリーダ15を用いて、ICカード3に自己の食事情報、運動情報、検査情報等を登録する。その際、多機能電話機11は食事に対応する摂取カロリー、運動に対応する消費カロリーをも計算する。それら登録内容は、多機能電話機11の液晶表示器113により照会できる。患者はICカード3を病院に持参する。病院側ホスト装置5は、ICカードリーダライタ533によりICカード3内の情報を読み取り、パソコン16のディスプレイに時系列的なグラフとして表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−64964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1に示される形態では、摂取カロリー、消費カロリー等をカード上で確認することが不可能であったため、不便を感じることがあった。
【0007】
また、生体情報という個人情報がカードおよびリーダライタ、サーバー間でやりとりされるために、セキュリティ性に問題があった。
【0008】
そこで本発明は係る問題に鑑みて、ICカード上で摂取カロリー、消費カロリー等を表示確認することが出来、更にセキュリティ性に優れた生体情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、ICカードを使用して生体情報を管理するシステムであって、少なくとも
生体情報を入力する情報入力手段と、
歩数情報を計測する歩数計測手段と、
時計機能部と、
前記情報入力手段によって入力される情報とは別の生体情報を入出力して外部端末と生体情報の配信を行う情報配信手段と、
前記各種情報を表示する表示手段と、を有する非接触ICカードを用い、且つ、
前記外部端末と情報の配信を行う際には、ワンタイムパスワードを外部端末に送信して認証を行うことを特徴とする生体情報管理システムである。
【0010】
本発明の請求項2に係る発明は、
前記非接触ICカードは飲食店のPOSレジに備えられたリーダライタを介して、摂取カロリー情報や栄養素情報を取得し、
前記取得した情報を記録、集計、表示する機能と、
前記取得した情報の累計情報と、を保持する機能と、
1日の摂取カロリーの目標値を設定する機能と、を有することを特徴とする請求項1記載の生体情報管理システムである。
【0011】
本発明の請求項3に係る発明は、
前記非接触ICカードはスポーツ器具に備えられたリーダライタを介して、消費カロリー情報や栄養素情報を取得し、
前記取得した情報を記録、集計、表示する機能と、
前記取得した情報の累計情報と、を保持する機能と、
1日の消費カロリーの目標値を設定する機能と、を有することを特徴とする請求項1記載の生体情報管理システムである。
【0012】
本発明の請求項4に係る発明は、
前記非接触ICカードは歩数を計測する歩数計測手段によって歩数情報を取得し、
前記取得した歩数情報から消費カロリーを演算する機能と、
前記取得した情報の累計情報とを保持する機能と、
1日の消費カロリーの目標値を設定する機能と、を有することを特徴とする請求項1記載の生体情報管理システムである。
【0013】
本発明の請求項5に係る発明は、前記非接触ICカードに代えて、携帯電話を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の生体情報管理システムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の生体情報管理システムによれば、ICカードに備えられた表示機能によって情報を目視で確認することが出来るため利便性が向上し、携帯率が高くなり、更にセキュリティ性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】特許文献1に記載の実施形態を示す図。
【図2】本発明に係る生体情報管理システムの一例を示す概略構成図を示す図。
【図3】本発明に係る表示部付非接触ICカードの表面の外観図を示す図。
【図4】本発明に係る生体情報管理システムにおける表示部付非接触ICカードのフロー図。
【図5】本発明に係る生体情報管理システムの実施例1を示す図。
【図6】本発明に係る実施例1の場合の表示部付非接触ICカードと食堂や飲食店のPOSレジの間の情報の配信を示した図。
【図7】本発明に係る生体情報管理システムの実施例2を示す図。
【図8】本発明に係る実施例2の場合の表示部付非接触ICカードとスポーツ器具の間の情報の配信を示した図。
【図9】本発明に係る生体情報管理システムの実施例3を示す図。
【図10】本発明に係る生体情報管理システムの実施例3における表示部付非接触ICカードの情報の処理を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0017】
図2は本発明に係る生体情報管理システムの一例を示す概略構成図である。本発明に係る生体情報管理システムに適用される表示部付非接触ICカード20は、少なくとも、情報を入力する手段である入力部22、各種情報を表示する手段である表示部21、時計機能部(図示せず)、歩数計測手段である歩数計測部23、電池24、ICチップ25、前記情報入力手段によって入力される情報とは別の情報を入出力して外部端末と情報の配信を行う情報配信手段であるアンテナ26を有し、外部のPOSレジ27やスポーツ器具28との間で情報を配信するシステムである。POSレジ27は、例えば食堂、飲食店に設置されているPOS端末であって摂取カロリーや栄養素の情報を表示部付非接触ICカード20に配信する。また、スポーツ器具28はスポーツジムに設置されているもので消費カロリーを表示部付非接触ICカード20に配信する。表示部付非接触ICカード20の表示部21は、食堂、飲食店に設置されているPOS端末から得られた摂取カロリーや栄養素の情報や、スポーツ器具28から得られた消費カロリーや、表示部付非接触ICカード20に内蔵された歩数計測部23で得られた歩数や歩行による消費カロリーを表示する。
【0018】
図3は表示部付非接触ICカード20の表面の外観図であって、表示部21と入力部22がある。図3に示す表示部付非接触ICカード20の入力部はキー入力の場合を示しているが、表示部21に備えられたタッチパネル入力でも良い。
【0019】
前記POSレジ27やスポーツ器具28のようにリーダライタが設置してある場所では、表示部付非接触ICカード20をかざすことで情報をカード側へ送信する。一方リーダライタが設置されていない場合は、表示部付非接触ICカード20の入力部22を用いることで1日の摂取カロリー、消費カロリー等の行動情報を入力する。
【0020】
上記は、表示部付非接触ICカードの場合を例示したが、表示部付非接触ICカードに代えて携帯電話を用いても良い。
【0021】
図4に示すように本発明に係る生体情報管理システムにおける表示部付非接触ICカード20は、カロリー情報取得(S1)、表示部付非接触ICカード20内に情報記録(S2)、表示部付非接触20内で情報集計(S3)、情報表示(S4)のフローで情報取得から表示までを行う。
【0022】
次に、本発明に係る生体情報管理システムの実施例を説明する。
【0023】
図5に実施例1を示す。図5は食堂や飲食店で本発明に係る生体情報管理システムを利用する場合を示したもので、図5に示す表示部付非接触ICカード20を飲食店等のPOSレジ27−1に付属されたリーダライタ27−2にかざすことで、摂取するカロリー情報や栄養素情報は表示部付非接触ICカード20に送信され、総合計の摂取カロリーはカード内で演算、表示され、累計情報は表示部付非接触ICカード20に保持される。
【0024】
表示部付非接触ICカード20の所有者は自分の年令や、身体情報を入力部22で入力することで1日の摂取カロリーの目標値を設定できる。
【0025】
図6は表示部付非接触ICカード20と食堂や飲食店のPOSレジ27の間の情報の配信を示したものである。表示部付非接触ICカード20の所有者は飲食する際には、表示部付非接触ICカード20でID情報あるいはOTP(ワンタイムパスワード)を生成する。その後、食堂や飲食店のPOSレジ27では照合の結果、本人のIDおよびOTPが一致した場合には本人と認証する。代金は電子マネーカードとしての決済を可能とする。表示部付非接触ICカード20は、入力部22から入力された情報や食堂POSレジ27から配信された情報の累計情報を保持する。
【0026】
図7に実施例2を示す。図7はスポーツジムで本発明に係る生体情報管理システムを利用する場合を示したもので、スポーツジムのスポーツ器具を利用した後、器具に設置されたリーダライタ28−1に表示部付非接触ICカード20をかざすことで、消費カロリー情報を表示部付非接触ICカード20に送信し表示する。総合計の消費カロリーは表示部付非接触ICカード20で演算、表示され、累計情報は表示部付非接触ICカード20に保持される。
【0027】
表示部付非接触ICカード20の所有者は自分の年令や、身体情報を入力部22で入力することで1日の摂取カロリーの目標値を設定できる。また、目標値から総合計の消費カロリーを減算した値を表示できる。また、実施した運動メニューの履歴を送信して表示することができる
【0028】
図8は表示部付非接触ICカード20とスポーツ器具28の間の情報の配信を示したものである。表示部付非接触ICカード20の所有者はスポーツ器具28を利用する際には、表示部付非接触ICカード20はID情報あるいはOTPを生成する。その後、スポーツ器具28では照合の結果、本人のIDおよびOTPが一致した場合には本人と認証する。利用後にはスポーツ器具28から消費カロリーの情報が表示部付非接触ICカード20に送られる。表示部付非接触ICカード20は、入力部22から入力された情報やスポーツ器具28から配信された情報の累計情報を保持する。
【0029】
上記実施例1及び2では、本人の認証のためにIDおよびOTPを入力する場合を例示したが、セキュリティの観点からOTP入力が望ましい。
【0030】
図9に実施例3を示す。図9は表示部付非接触ICカード20に備えられた歩数計側部23で本発明に係る生体情報管理システムを利用する場合を示したもので、歩数計側部23には具体的には歩数計が備えられている。図9に示す表示部付非接触ICカード20を携帯して歩行している際には、表示部付非接触ICカード20は、図10に示すように歩行による消費カロリーを演算して表示する。また、歩行後は総合計の消費カロリーをカード内で演算して表示し、累計情報は表示部付非接触ICカード20に保持される。
【0031】
表示部付非接触ICカード20の所有者は自分の年令や、身体情報を入力部22で入力することで1日の消費カロリーの目標値を設定できる。また、目標値から総合計の消費カロリーを減算した値を表示できる。
【0032】
上記実施例1から3では、表示部付非接触ICカード内に情報を保持させる場合を例示したが、サーバーに保持させても良い。
【0033】
このように本発明の生体情報管理システムによれば、表示部付非接触ICカード20に備えられた表示機能によって情報を即座に見ることが出来、また飲食による摂取カロリーの目標値や、運動による消費カロリーの目標値を設定することよって利便性が良くなり、その結果携帯率が向上する効果が得られる。更にOTP(ワンタイムパスワード)を使用して本人の認証を行うためセキュリティ性が向上する。
【符号の説明】
【0034】
1・・・入力装置
3・・・ICカード
11・・・多機能電話機
13・・・ICカードリーダライタ
15・・・バーコードリーダ
16・・・パソコン
20・・・表示部付非接触ICカード
21・・・表示部
22・・・入力部
23・・・歩数計測部
24・・・電池
25・・・ICチップ
26・・・アンテナ
27・・・POSレジ
27−1・・・飲食店等のPOSレジ
27−2・・・POSレジ27−1に付属したリーダライタ
28・・・スポーツ器具
28−1・・・スポーツ器具28に付属したリーダライタ
113・・・液晶表示器
533・・・ICカードリーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードを使用して生体情報を管理するシステムであって、少なくとも
生体情報を入力する情報入力手段と、
歩数情報を計測する歩数計測手段と、
時計機能部と、
前記情報入力手段によって入力される情報とは別の生体情報を入出力して外部端末と生体情報の配信を行う情報配信手段と、
前記各種情報を表示する表示手段と、を有する非接触ICカードを用い、且つ、
前記外部端末と情報の配信を行う際には、ワンタイムパスワードを外部端末に送信して認証を行うことを特徴とする生体情報管理システム。
【請求項2】
前記非接触ICカードは飲食店のPOSレジに備えられたリーダライタを介して、摂取カロリー情報や栄養素情報を取得し、
前記取得した情報を記録、集計、表示する機能と、
前記取得した情報の累計情報と、を保持する機能と、
1日の摂取カロリーの目標値を設定する機能と、を有することを特徴とする請求項1記載の生体情報管理システム。
【請求項3】
前記非接触ICカードはスポーツ器具に備えられたリーダライタを介して、消費カロリー情報や栄養素情報を取得し、
前記取得した情報を記録、集計、表示する機能と、
前記取得した情報の累計情報と、を保持する機能と、
1日の消費カロリーの目標値を設定する機能と、を有することを特徴とする請求項1記載の生体情報管理システム。
【請求項4】
前記非接触ICカードは歩数を計測する歩数計測手段によって歩数情報を取得し、
前記取得した歩数情報から消費カロリーを演算する機能と、
前記取得した情報の累計情報とを保持する機能と、
1日の消費カロリーの目標値を設定する機能と、を有することを特徴とする請求項1記載の生体情報管理システム。
【請求項5】
前記非接触ICカードに代えて、携帯電話を用いることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の生体情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−253420(P2011−253420A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127703(P2010−127703)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】