説明

生体活性有機化合物を有する18F担体のコンジュゲートおよびその調製

本発明は、とりわけ穏やかな条件下において、18Fでフッ素化することができる新規の化学化合物に関する。したがって、この新規の化学化合物は、フッ素化すべき基質を、フッ素化の間に、ポリマー上に固定する、本発明による新規のフッ素化方法の使用を可能にする。本方法は、本方法が、従来技術の方法よりも少なくかつ簡単な操作を必要とすることを特徴とする。したがって、とりわけ、放射性核種18Fを用いる作業の間の、実験室または病院での労働安全性が高まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ穏やかな条件下において、18Fでフッ素化することができる新規の化学化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線医学で用いられる方法の中で、陽電子放射断層撮影法(PET)は、例えば、腫瘍学の多くの適応分野において、疾患経過およびその治療の追跡の好ましい方法である。これには、サイクロトロンで合成により調製されるフッ素同位体18Fが好ましい。それを用いて、病的に変化した組織によって選択的に吸収されるか、または病的に変化した細胞に選択的に結合することができる標識化合物が調製される。そのような18F−標識化合物を、以後、PET「トレーサー」と表す。それらは、オートラジオグラフィーによって、それらが結合するか、またはそれらが吸収される組織の可視化を可能にする。PET「トレーサー」を用いる陽電子放射断層撮影法(PET)により、患者の体内の罹患組織の位置を特定し、そのサイズを決定することができる。
【0003】
陽電子放出放射性核種の中では、フッ素同位体18Fが好ましいが、それは、このフッ素同位体18Fを、後でPET「トレーサー」として用いることができる多くの有機化合物に導入することができるからである。この核種の109.6分という比較的長い半減期と、低エネルギーβ放出(635keV)とがこれに有利である。
【0004】
そのような調製物の最も良く知られた例は、2−18F−フルオロデオキシグルコース(18FDG)(J.Nucl.Med.1978,19,1154−1161(非特許文献1))である。
【0005】
最近、病的に変化した細胞の表面に選択的に結合することができる、アプタマーとして知られる、短い合成核酸またはペプチドも、18Fで標識する場合に用いられている(国際公開第2009033876(A1)号パンフレット(特許文献1))。例えば、腫瘍マーカーに結合することができるように調製されたアプタマーが、腫瘍学で最近用いられている(Hoppe−Seyler F,Butz K.,J.Mol.Med.2000,78,426−30(非特許文献2);The Aptamer Handbook:Functional Oligonucleotides and Their Applications,Sven Klussmann(Editor)ISBN:978−3−527−31059−3 March 2006,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA(非特許文献3))。そのような新規のアプタマーを用いて、より選択的なPETを実施することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009033876 A1号
【特許文献2】国際公開第2007−EP8042 20070907号
【特許文献3】欧州特許出願公開第2006−90166 20060908号
【特許文献4】欧州特許出願公開第2007−90079 20070423.9号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J.Nucl.Med.1978,19,1154−1161
【非特許文献2】Hoppe−Seyler F,Butz K.,J.Mol.Med.2000,78,426−30
【非特許文献3】The Aptamer Handbook:Functional Oligonucleotides and Their Applications,Sven Klussmann(Editor)ISBN:978−3−527−31059−3 March 2006,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA
【非特許文献4】Seminar in Nuclear Medicine 2004,XXXIV,2,122−133
【非特許文献5】Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft,Germany.PCT Int. Appl.2008,236pp
【非特許文献6】Mu et al.Angew.Chem.Int.Ed.2008,47,4922−4925
【非特許文献7】Andreas Gansaeuer et al.J.Am.Chem.Soc.2005,127,11622−11623
【非特許文献8】Li Ming Gao et al.J.Biol.Inorg.Chem.2007,12,959−967
【非特許文献9】Methods of Organic Chemistry,E.Mueller ed.,Volume XV/1−2,“Synthesis of Peptides”,Georg Thieme Verlag 1974
【非特許文献10】Laurianne Bareille et al.Eur.J.Inorg.Chem.2005,2451−2456
【非特許文献11】Kleiner et al.J.Am.Chem.Soc.2008,130,4646−4659
【非特許文献12】Heemstra et al.,J.Am.Chem.Soc.2009,131,11347−11349
【非特許文献13】Ura et al.Science(Washington)2009,325,73−77
【非特許文献14】Gansaeuer et al.J.Am.Chem.Soc.2005,127,11622−11623
【非特許文献15】Hanyoung,Kim et al.Chem.Lett.2006,8,1149−51
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
放射性18Fを有する有機分子の標識には、いくつかの湿式化学工程(100℃を超える温度で実施されなければならないものを含む)、および長い時間{じかん}と労力{ろうりょく}を要するクロマトグラフィー工程が必要になることが多い。それゆえ、高い放射能のために、18Fの商業的導入は、実施者にとって高いリスクを伴う。
【0009】
今日確固たる定評がある18FDGの使用のさらなるデメリットは、診断の選択性がないために生じるアーティファクトである。したがって、例えば、18FDGは、腫瘍組織だけでなく、活発な骨格筋によっても吸収される(Seminar in Nuclear Medicine 2004,XXXIV,2,122−133(非特許文献4))。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、特に穏やかな条件下において、フッ素化することができる新規の化学化合物に関する。フッ素原子との安定な化学結合を得ることが目的である。それらは、生理的条件下で非常に安定であるはずなので、フッ素化化合物は「PETトレーサー」として好適である。
【0011】
さらなる目的は、最小限の時間と労力しかかけずに、本発明による新規のフッ素化方法を用いて、高度の作業安全性を保証することである。これは、放射性核種を用いる操作が最小限に抑えられ、かつ放射性廃棄物が、濃縮された形で生成されるという事実によって達成される。
【0012】
本発明のさらなる目的は、一般に適用可能な、安全で、迅速な方法を用いて、腫瘍などの特殊な組織型に結合する生体活性分子を18Fとコンジュゲートさせることである。
【0013】
したがって、分子を選択的な18F「PET」トレーサーとして用いることが従来よりも簡単である。
【0014】
本発明による新規のフッ素化方法およびコンジュゲーション方法は、特殊なポリマーの上で実施される。このプロセスでは、まず、フッ素化すべき基質をポリマー上に固定する。その後、固定した基質のフッ素化が固相上で起こる。余分な放射性核種をポリマーから溶出させる。最後に、腫瘍などの特殊な組織型に結合することができる生体活性化合物を用いて、コンジュゲーション反応が起こる。シュタウディンガー反応というコンジュゲーション反応の間、使用済みの18F−標識「PETトレーサー」を固相から除去する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
担体:
コンジュゲーション反応または標識反応は、水溶液および有機溶液中で不溶性である担体「Pol」(スキーム1)上で起こる。好ましい担体材料は、担体がその有機溶液または水溶液に浸漬しているかどうかに関係なく、それがコンジュゲートしている官能基および/または分子において他の分子と反応することができるように構成される(スキーム1)。
【0016】
スキーム1
【化1】

スキーム1:不溶性担体「Pol」は基L、LおよびLを有する。Mは、シュタウディンガーカップリングが起こり得るヘテロ原子(好ましくはP)である。Xは、アシル化可能な基、好ましくはSH、NHまたはOHである。
【0017】
Pol:
本明細書では、「Pol」(スキーム1)は、化学反応を有機媒体および水性媒体中で実施することができる不溶性の有機または無機ポリマー、金属表面または巨大分子表面である。
【0018】
有機ポリマーの中で、例えば、以下の材料を、ホモポリマーまたはコポリマーとして全ての可能なバリエーションで用いることができる:ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリスルホン、オリゴ糖(例えば、デキストラン)、PEG、ポリプロピレングリコール、および前述の材料の全ての部分または完全フッ素化誘導体。
【0019】
好ましいのは、「Pol」Tentagel(登録商標)(Rapp Polymere GmbH,Ernst−Simon−Str.9,D72072 Tuebingen,Germany)と同様もしくは同一のポリマー、「射出成形」によって生成されたポリマー体、例えば、(Mimotopes Pty Ltd,11 Duerdin Street,Clayton Victoria 3168,Australia,www.mimotopes.com)または強磁性物質からなる材料である。
【0020】

「L」基は、共有結合的にまたは強いイオン相互作用もしくはファンデルワールス相互作用によって前述の担体材料に結合している。
【0021】
は、芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖に生じ得る、1〜200個の炭素原子および/または0〜200個のヘテロ原子からなる。Lについては、以下のリスト由来のヘテロ原子を全ての可能な組合せで用いることが可能である:F、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体。
【0022】

は、芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖およびヘテロ脂肪族鎖に生じ得る、1〜200個の炭素原子および/または0〜200個のヘテロ原子からなる。
【0023】
については、以下のリスト由来のヘテロ原子を全ての可能な組合せで用いることが可能である:F、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体。
【0024】
しかしながら、一般式−CR1213−または(−CR1213−CH−)のL基が好ましく、ここで、部分R12およびR13は、Hまたは最大20個のC原子を有する短いアルキル部分、さらに、フェニル、およびこれらの部分または完全フッ素化誘導体であってもよい。
【0025】
特別な実施形態では、部分R12およびR13のC原子は、互いに、およびシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル環ならびにOおよびS原子を含有するこれらの複素環式誘導体の一部と架橋されている。式XIおよびXII(スキーム2)を参照されたい。
【0026】
スキーム2
【化2】

スキーム2:いくつかの好ましいL
【0027】

はアシル化可能な基を表す。これは、L−Xが、ヘテロ環の中で、1〜10個の炭素原子および/または0〜10個のヘテロ原子と結合し得る化合物も含む。ここで用いられるヘテロ原子は、N、S、Oである。好ましい実施形態では、Xは、SH、OH、NH、これらのシリル化またはスタンニル化誘導体である。
【0028】

は、自由電子対を担持する三価の原子である。これは、P、As、SbおよびBiを含む。
【0029】
は、芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖およびヘテロ脂肪族鎖に生じ得る、1〜200個の炭素原子および/または0〜200個のヘテロ原子からなる部分である。
【0030】
は、以下のリスト由来のヘテロ原子を含有し得る:F、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体。
【0031】
一般的なポリマー性コンジュゲーション試薬III
最初の工程で、標識化合物「II」を用いて、または本発明に従ってフッ素化し得る化合物「IV」を用いて、担体「I」のローディングが起こる。
【0032】
式Iに記載の材料の部分Xは、18F−標識カルボン酸または18Fで標識可能なカルボン酸分子でエステル化することができる。18F−標識された既知のカルボン酸またはアシル化可能なその誘導体「II」(スキーム3)の例は、以下の刊行物に記載されている(Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft,Germany.PCT Int.Appl.2008,236pp(非特許文献5)。出願:国際公開第2007−EP8042 20070907号(特許文献2)。優先権:欧州特許出願公開第2006−90166 20060908号(特許文献3);欧州特許出願公開第2007−90079 20070423.9号(特許文献4)またはMu et al.Angew.Chem.Int.Ed.2008,47,4922−4925(非特許文献6))
【0033】
スキーム3
【化3】

スキーム3:既に存在する18F−標識酸「II」による担体「I」のアシル化
【0034】
このようにして、一般的なポリマー性コンジュゲーション試薬を得ることができる。記載した方法の特別の利点は、一般的なポリマー性コンジュゲーション試薬「III」をクロマトグラフィーカラムに充填することができるという事実にある。したがって、以下に示す化学変換は全て、残りの試薬を添加して、このクロマトグラフィーカラムの中で実施することができる。このようにして、高収量を達成することができ、残りの試薬と二次生成物とを、適切な溶媒による洗浄によって溶出させることができる。
【0035】
この代わりに、ポリマー体「III」を「射出成形」によって生成させ、その後の変換用の適切な試薬に浸漬させることができる。余分な試薬は、リンス溶液への浸漬によって容易に洗い流すことができる。
【0036】
一般的なポリマー性コンジュゲーション試薬「III」を得るための本発明による方法の履行は、本発明によるカルボン酸またはアシル化可能なその誘導体「IV」による担体「I」のアシル化によって行なわれる。それは、18Fを導入し得る少なくとも1つの官能性「X」基を担持する。このようにして調製可能な担体「V」から、コンジュゲーション試薬「III」を以下で容易に得ることができる(スキーム4)。
【0037】
一般式「IV」の化合物は、以下の文献手順との類似性により調製することができる(Andreas Gansaeuer et al.J.Am.Chem.Soc.2005,127,11622−11623(非特許文献7);Li Ming Gao et al.J.Biol.Inorg.Chem.2007,12,959−967(非特許文献8))。
【0038】
スキーム4
【化4】

スキーム4:18Fを選択的に導入し得る基を担持する未標識酸「IV」による担体「I」のアシル化
【0039】
スキーム5は、本発明に従って使用し得るフッ素−アフィン基を示す。
【0040】
スキーム5:
【化5】

スキーム5:周期律表第4族の元素(M=Ti、Zr、Hf)に基づくフッ素−アフィン基
【0041】
Z:
本明細書において、「Z」は、(C=O)Q基を担持し、かつ親フッ素基を含まないLの部分を表すタイプR〜Rの基である。
【0042】
〜R
〜R部分は、互いに独立に変動するが、H原子、または芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖およびヘテロ脂肪族鎖に生じ得る、1〜200個の炭素原子および/または0〜200個のヘテロ原子からなる有機部分である。さらに、隣接部分は、炭素とヘテロ原子の架橋によって架橋されていてもよい。
【0043】
以下のものをヘテロ原子として用いることができる:F、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce。
【0044】

は、フッ化物で置換し得る基である。これは、例えば、非置換または置換形態の以下のヘテロ環を含む:イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インドール、イミダゾール、アニリン、ピラゾール、ピロリドン、アゼタン、アゼピン、ベンゾジアゼピン、ピペリジン、プリン、モルホリン、ピペラジン、トリアジン、オキサゾール、ヒダントイン、アジリジン、ピロリジン、ピロール、ヘキサメチレンイミン、アザインドールまたはその共役有機酸もしくは無機酸がpKa<12を有する基。中でも、ハロゲン、擬ハロゲンおよびニトロ基で適切に置換されたフェノキシ、アルコキシ、チオフェノキシまたはチオアルコキシ基。さらに、OH、SH、Cl、BrおよびI。
【0045】
Q:
Qは、アシル化用の脱離基またはエステル化に利用可能なカップリング試薬との反応によってアシル化できるようになっている基である(Methods of Organic Chemistry,E.Mueller ed.,Volume XV/1−2,“Synthesis of Peptides”,Georg Thieme Verlag 1974(非特許文献9))。これは、非置換または置換形態の以下のヘテロ環を含む:イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インドール、イミダゾール、アニリン、ピラゾール、ピロリドン、アゼタン、アゼピン、ベンゾジアゼピン、ピペリジン、プリン、モルホリン、ピペラジン、トリアジン、オキサゾール、ヒダントイン、アジリジン、ピロリジン、ピロール、ヘキサメチレンイミン、アザインドール、ヒドロキシスクシンイミド、オキシベンゾトリアゾールまたはその共役有機酸または無機酸がpKa<12を有する基。中でも、ハロゲン、擬ハロゲンおよびニトロ基で適切に置換されたフェノキシ、アルコキシ、チオフェノキシまたはチオアルコキシ基。さらに、OH、SH、Cl、Br、FおよびI基。
【0046】
固相でのフッ素化:
カラム材料「V」を高放射性化合物(例えば、18F−標識化合物)、または18Fと反応させることが特に有利であり、その場合、放射性同位体はカラム材料に固定される。
【0047】
ここで、担体材料が耐える条件下で基(複数可)「X」の置換による18Fの導入を可能にするという点で、化合物「IV」および「V」中の部分「L」の利点が明らかになる。
【0048】
この場合に好ましいのは、周期律表の第4族または第14族の元素が化学結合しているオルガノジイル「L」である。第4族または第14族の各元素の上に、穏やかな条件下でフッ化物によって置換可能な1個または2個の脱離基「X」がある。
【0049】
=Ti、Zr、Hfである周期律表第4族の元素の場合をスキーム5に示す。スキーム5の好ましい脱離基Xのフッ化物による置換は、以下に記載されている(Laurianne Bareille et al.Eur.J.Inorg.Chem.2005,2451−2456(非特許文献10))。
【0050】
18F−標識化合物は全て、サイクロトロンで調製されるK18Fに由来することが好ましいので、フッ素化は、フッ化物イオンを用いて実施される。
【0051】
フッ素化の間、カラム外被は操作要員を保護する。余分な放射性材料をポリマーから洗い流すことができ、それは、非常に濃縮され、かつ容易に分離可能な形態でカラム出口に到達する。このようにして、コンジュゲーション試薬「III」を安全に得ることができる(スキーム6)。
【0052】
スキーム6
【化6】

スキーム6:担体「V」のフッ素化(18FによるXの置換)
【0053】
また、本発明による担体「III」は、クロマトグラフィーカラムとして充填することができるし、または要員に対する危険を伴うことなく、「射出成形」によって調製される巨視的ポリマー体として現場に輸送することができる。これにより、病院に対する適用の融通性が高まる。そのフッ素−アフィン基が周期律表第4族の元素であるフッ素化担体をスキーム7に示す。
【0054】
スキーム7
【化7】

スキーム7:化合物「V」のフッ素−アフィン基。このようにして、フッ素を、非常に強い結合を形成させて、周期律表第4族の元素に付加することができる。
【0055】
生体活性分子のコンジュゲーション:
本発明による方法に不可欠なものは、特定の細胞、例えば、腫瘍細胞(スキーム8)に選択的に結合することができる生体活性有機アジド「VI」とのシュタウディンガーカップリングを可能にする担体「III」の原子M(スキーム3、4)である。
【0056】
このために、スキーム3に従って、またはスキーム6による本発明に従って調製し得る一般試薬「III」を、アジド基を担持する生体活性物質「VI」と反応させる(スキーム8)。シュタウディンガー反応が固相で起こることを踏まえて、特殊な細胞型、例えば、腫瘍に結合性の18F−標識化合物「IX」を選択的に認識する化合物を担体から溶出させ、診断薬および/または治療薬として用いることができる。
【0057】
スキーム8
【化8】

スキーム8:担体「III」と有機アジド「VI」とのシュタウディンガー反応。
【0058】
この場合に特に有利なのは、極端に広範な多数の腫瘍結合性生体物質「L」「VI」へのポリマー性コンジュゲーション試薬「III」の適用である(スキーム8)。
【0059】
本明細書において、Lは、ヌクレオチド間結合として、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロトリチオエート、ホスホロテトラチオエート、ヒ酸塩、チオヒ酸塩、ジチオヒ酸塩、トリチオヒ酸塩、テトラチオヒ酸塩、フルオロホスフェート、ホスホロフルオロチオエート、ホスホロフルオロジチオエート、ホスホロフルオロトリチオエート、H−ホスホネート、アルキルホスホネート、アリールホスホネート、H−ホスホノチオエート、アルキルホスホノチオエート、アリールホスホノジチオエート、H−ホスホノジチオエート、アルキルホスホノジチオエート、アリールホスホノジチオエート、H−ホスホノトリチオエート、アルキルホスホノトリチオエート、アリールホスホノトリチオエート、ホスホルアミド、ホスホロジアミド、ホスホロトリアミド、ホスホロアミドチオエート、ホスホロアミドジチオエート、ホスホロジアミドチオエート、ホスホロトリアミドチオエート、アセタール、ケタール、ホスフィンオキシド、ホスフィンスルフィド、シリル基、カルボン酸アミド、トリアゾール、オキサジアゾール、スルフェート、スルファミド、スルホンアミド、ジスルフィド、アミンオキシド、ニトロン、およびホスファイト、チオホスファイト、ジチオホスファイト、トリチオホスファイト、ホスホアミダイト、ホスホジアミダイト、トリアミノホスフィン、ホスホロチオアミダイトのBH付加物;ホスファイト、チオホスファイト、ジチオホスファイト、トリチオホスファイト、ホスホアミダイト、ホスホジアミダイト、トリアミノホスフィン、ホスホロチオアミダイトのアルキルボラン付加物、またはホスファイト、チオホスファイト、ジチオホスファイト、トリチオホスファイト、ホスホアミダイト、ホスホジアミダイト、トリアミノホスフィン、ホスホロチオアミダイトのジアルキルボラン付加物、ホスファイト、チオホスファイト、ジチオホスファイト、トリチオホスファイト、ホスホアミダイト、ホスホジアミダイト、トリアミノホスフィン、ホスホロチオアミダイトのさらなるトリアルキルボラン付加物をあらゆる可能な組合せで含有し得る、0〜200個の天然ヌクレオチドまたは合成類似体および等価体のオリゴヌクレオチドからなり得る生体活性物質である。
【0060】
しかしながら、生体活性物質Lは、全ての可能な混合物および組合せの、エチレン、プロピレン、エチレングリコール、プロピレングリコール、アクリル酸エステル、アクリルアミド、ピルベート、カプロラクタム、スチレン基、様々な鎖長のポリアミン、ROMによって調製されるポリマーならびにこれらのアリール化およびアルキル化誘導体の0〜50個の単位からなる合成ポリマーであることもできる。このポリマーは、芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖およびヘテロ脂肪族鎖で置換され、かつヘテロ原子のF、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体を含むことができる。そのような合成ポリマーの例は、Kleiner et al.J.Am.Chem.Soc.2008,130,4646−4659(非特許文献11)、Heemstra et al.,J.Am.Chem.Soc.2009,131,11347−11349(非特許文献12)、Ura et al.Science(Washington)2009,325,73−77(非特許文献13)に記載されている。
【0061】
しかしながら、生体活性物質Lは、0〜2000個のアミノ酸またはその類似体、立体異性体もしくは等価体のペプチドまたはタンパク質からなり、かつ例えば、D−アミノ酸、α,ω−アミノ酸タウリン誘導体およびPNA単位を含むこともできる。
【0062】
さらに、生体活性物質Lは、0〜50個のサッカリド単位の炭水化物、その類似体または立体異性体であることができる。
【0063】
最後に、Lは、生体活性低分子量分子、天然または合成タンパク質アゴニスト、アンタゴニスト、酵素インヒビターまたは核酸バインダー、ステロイド、テルペン、マクロライド、ポリケチドならびに/またはこれらの天然および合成誘導体の群の脂質であることができる。
【0064】
スキーム9は、本発明による新しい標識方法の概要を示す。
【0065】
スキーム9
【化9】

スキーム9は、カラムに充填された、本発明によって記載される標識試薬「I」の使用を示しており、この試薬は、カルボン酸「II」および「IV」でエステル化することができる。「II」の場合、カルボン酸は18F−標識され、「IV」の場合、カルボン酸は、フッ素−アフィン基を担持する。後者は、固相でフッ素化することができる。その後、アシル化した担体「III」を腫瘍結合性物質、例えば、アプタマーとコンジュゲートさせることができ、その場合、コンジュゲート「IX」が遊離する。
【実施例】
【0066】
実施例1)フッ素−アフィン基を有するタイプ「V」(XVIII)化合物の調製:
スキーム10
【化10】

チタノセンカルボン酸(Gansaeuer et al.J.Am.Chem.Soc.2005,127,11622−11623(非特許文献14))を酸塩化物に変換する:
【0067】
(313mg、1.0mmol)のIを1時間以内に室温でSOCl(1.0mL)と反応させる。余分なSOClを留去する。その後、残渣をCHCl(5mL)に溶解させ、メルカプトメチルホスフィニルテンタゲル(0.25 SH当量)(Hanyoung,Kim et al.Chem.Lett.2006,8,1149−51)とDIPEA(120mg、5.0mmol)のCHCl(5mL)懸濁液に移す。反応混合物を室温で16時間振盪させる。樹脂を濾過除去し、DMF、ジオキサン、DCMおよびエーテルで洗浄し、その後、真空乾燥機で乾燥させる。
【0068】
実施例2)フッ素−アフィン基を有するタイプ「V」化合物の調製
スキーム11
【化11】

実施例2のカルボン酸塩化物「XVII」(Gansaeuer et al.J.Am.Chem.Soc.2005,127,11622−11623(非特許文献14))をCHCl(5mL)に溶解させ、CHCl(5mL)、NaH(5.00mmol)およびサルコシンtert−ブチルエステル(1.20mmol)の混合物に滴下して移す。反応混合物を室温で5時間撹拌する。セライトにかけて濾過した後、真空中での蒸発により濾液を濃縮する。得られる固体をCHCl(20mL)で溶解させ、各10mLの(1N)NHClとNaClの溶液で洗浄する。有機相をMgSO上で乾燥させ、シリカゲル60上でクロマトグラフィーにかける。生成物画分を真空乾燥機で乾燥させる。
【0069】
実施例3)実施例3のサルコシン誘導体のtert−ブチル基の除去:
スキーム12
【化12】

tert−ブチルエステルを、HClの飽和ジオキサン溶液を用いて除去する。
【0070】
実施例4)タイプ「I」の担体(XXIII)への実施例3の化合物の固定
スキーム13
【化13】

実施例3の化合物の固定が実施例1の手順に従って起こる。
【0071】
実施例5)フッ素−アフィン基を含有する一般式「III」を有する試薬(XXV)を得るための実施例1の担体「V」のフッ素化
スキーム14
【化14】

実施例2の樹脂をKF水溶液により室温で30分間処理する。その後、塩を含まなくなるまで、樹脂を水で洗浄する。
【0072】
実施例6)フッ素−アフィン基を含有する一般式「III」を有する試薬(XXVI)を得るための実施例4の担体「V」のフッ素化
スキーム15
【化15】

実施例5の樹脂をKF水溶液により室温で30分間処理する。その後、塩を含まなくなるまで、樹脂を水で洗浄する。
【0073】
実施例7)第4族の元素からのフッ素−アフィン基を有するタイプ「II」の化合物の調製:
実施例4の化合物をKF水溶液により室温で30分間処理する。その後、塩を含まなくなるまで、化合物を水で洗浄する。
【0074】
実施例8)一般式「IX」の化合物(XXVIII)が形成される、実施例5の試薬「III」による化合物のアシル化
スキーム16
【化16】

5´−アジドチミジンを、Hanyoung Kim et al.Chem.Lett.2006,8,1149−51(非特許文献15)の手順との類似性によって、実施例5の試薬「III」と反応させた。
【0075】
実施例9)一般式「IX」の化合物(XXX)が形成される、実施例6の試薬「III」によるオリゴヌクレオチドのアシル化
スキーム17
【化17】

実施例6の樹脂0.01gに、5´末端にアジド基を担持する100mgのオリゴヌクレオチドの水性緩衝溶液2mLを添加する。フッ素化されたオリゴヌクレオチドは、樹脂から拡散し、1時間後、樹脂の濾過により得られる濾液から単離することができる。
【0076】
実施例10)一般式「IX」の化合物(XXXIII)が形成される、実施例6の試薬「III」によるペプチドのアシル化
スキーム18
【化18】

出口を閉じることができるカラムに含まれる実施例6の樹脂0.01gに、アジド基を担持する100mgのペプチドの水性緩衝溶液2mLを添加する。1時間のインキュベーションの後、出口を開き、フッ素化されたオリゴヌクレオチドを生理的NaCl溶液を用いて溶出させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(V)を有する担体であって:
【化1】

式中、
Polは、不溶性の有機もしくは無機ポリマー、金属表面または巨大分子表面を表し;
は、1〜200個の炭素原子ならびに/またはF、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体からなる群から選択される0〜200個のヘテロ原子を含む、共有結合的にまたは強いイオン相互作用もしくはファンデルワールス相互作用によってPolと結合した基を表し;
は、自由電子対、とりわけ、P、As、SbまたはBiを担持する三価の原子を表し;
は、1〜200個の炭素原子ならびに/またはF、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体からなる群から選択される0〜200個のヘテロ原子を含む基を表し;
は、1〜200個の炭素原子ならびに/またはF、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体からなる群から選択される0〜200個のヘテロ原子を含む基を表し;
は、アシル化可能な基、とりわけ、SH、OH、NH、これらのシリル化またはスタンニル化誘導体を表し;
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる周期律表第4族から選択される元素、ならびに互いに独立に変動するが、 H原子、または芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖もしくはヘテロ脂肪族鎖中に配置された、1〜200個の炭素原子および/もしくは0〜200個のヘテロ原子の有機部分を含む9つの部分(R〜R)に基づく親フッソ基を表し、ここで、前記ヘテロ原子は、F、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ceを含む群から選択され;
は、フッ化物で置換可能な基、とりわけ、非置換または置換形態の以下のヘテロ環:イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インドール、イミダゾール、アニリン、ピラゾール、ピロリドン、アゼタン、アゼピン、ベンゾジアゼピン、ピペリジン、プリン、モルホリン、ピペラジン、トリアジン、オキサゾール、ヒダントイン、アジリジン、ピロリジン、ピロール、ヘキサメチレンイミン、アザインドールを表し;
n=1〜2である担体。
【請求項2】
は、OH、SH、Cl、Br、Iまたはその共役有機酸もしくは無機酸がpKa<12を有する基、とりわけ、ハロゲン、擬ハロゲンおよびニトロ基で適切に置換されたフェノキシ、アルコキシ、チオフェノキシまたはチオアルコキシ基を表す、請求項1に記載の担体。
【請求項3】
一般式(III)を有する担体であって:
【化2】

式中、
Polは、不溶性の有機もしくは無機ポリマー、金属表面または巨大分子表面を表し;
は、1〜200個の炭素原子ならびに/またはF、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体からなる群から選択される0〜200個のヘテロ原子を含む、共有結合的にまたは強いイオン相互作用もしくはファンデルワールス相互作用によってPolと結合した基を表し;
は、自由電子対、とりわけ、P、As、SbまたはBiを担持する三価の原子を表し;
は、1〜200個の炭素原子ならびに/またはF、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体からなる群から選択される0〜200個のヘテロ原子を含む基を表し;
は、1〜200個の炭素原子ならびに/またはF、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ce、Sn、Hおよびこれらの同位体からなる群から選択される0〜200個のヘテロ原子を含む基を表し;
は、アシル化可能な基、とりわけ、SH、OH、NH、これらのシリル化またはスタンニル化誘導体を表し;
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる周期律表第4族から選択される元素、ならびに互いに独立に変動するが、 H原子、または芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖もしくはヘテロ脂肪族鎖中に配置された、1〜200個の炭素原子および/もしくは0〜200個のヘテロ原子の有機部分を含む9つの部分(R〜R)に基づく親フッソ基を表し、ここで、前記ヘテロ原子は、F、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ceを含む群から選択され;
Fは、18F放射性同位体を表し;
n=1〜2である担体。
【請求項4】
特定の細胞、とりわけ、腫瘍細胞に選択的に結合し、かつ一般式(IX)を有する少なくとも1つのフッ素化基を含む、生体活性物質であって:
【化3】

式中、
は、0〜200個の天然ヌクレオチドもしくは合成類似体および等価体からなるオリゴヌクレオチド;または0〜50個の単位からなる合成ポリマー;または0〜2000個のアミノ酸もしくはその類似体、立体異性体もしくは等価体からなるペプチドもしくはタンパク質;または0〜50個のサッカリド単位からなる炭水化物、その類似体もしくは立体異性体;または低分子量分子、天然もしくは合成タンパク質アゴニスト、アンタゴニスト、酵素インヒビターもしくは核酸バインダー、またはステロイド、テルペン、マクロライド、ポリケチドならびに/もしくはこれらの天然および合成誘導体の群の脂質を含む生体活性物質を表し;
は、チタン、ジルコニウム、ハフニウムからなる周期律表第4族から選択される元素、ならびに互いに独立に変動するが、 H原子、または芳香族環、ヘテロ芳香族環、脂肪族環、ヘテロ脂肪族環、脂肪族鎖もしくはヘテロ脂肪族鎖中に配置された、1〜200個の炭素原子および/もしくは0〜200個のヘテロ原子の有機部分を含む9つの部分(R〜R)に基づく親フッソ基を表し、ここで、前記ヘテロ原子は、F、Cl、Br、I、S、O、N、Se、Te、Si、Al、Ge、P、As、Sb、B、Li、Na、K、Cs、Ca、Mg、Sr、Ba、Fe、Ceを含む群から選択され;
Fは、18F放射性同位体を表す生体活性物質。
【請求項5】
前記親フッソ基が、チタン原子に結合した少なくとも1つのフッ素原子を担持する、請求項4に記載の生体活性物質。
【請求項6】
請求項1に記載の担体を18F−標識化合物または18Fと反応させる、請求項3に記載の担体の調製方法。
【請求項7】
請求項3に記載の担体を一般式(VI)を有する有機アジドと反応させる、請求項4または5に記載の生体活性物質の調製方法であって、
【化4】

式中、
は、0〜200個の天然ヌクレオチドもしくは合成類似体および等価体からなるオリゴヌクレオチド;または0〜50個の単位からなる合成ポリマー;または0〜2000個のアミノ酸もしくはその類似体、立体異性体もしくは等価体からなるペプチドもしくはタンパク質;または0〜50個のサッカリド単位からなる炭水化物、その類似体もしくは立体異性体;または低分子量分子、天然もしくは合成タンパク質アゴニスト、アンタゴニスト、酵素インヒビターもしくは核酸バインダー、またはステロイド、テルペン、マクロライド、ポリケチドならびに/もしくはこれらの天然および合成誘導体の群の脂質を含む生体活性物質を表す調製方法。
【請求項8】
危険を伴うことなく移動可能であり、さらに、そのカラム外被によって保護されている、請求項3に記載の担体を含むキット。

【公表番号】特表2013−518830(P2013−518830A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551496(P2012−551496)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【国際出願番号】PCT/DE2011/000042
【国際公開番号】WO2011/095150
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512187941)アプテニア エス.アール.エル. (1)
【氏名又は名称原語表記】APTENIA S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Senato 12,I−20121 Milano Italy
【Fターム(参考)】