説明

生体試料測定装置およびこれを備えた生体試料測定システム

【課題】送信するデータの容量に関わらず、送信電力の最適化を図ることが可能な生体試料測定装置およびこれを備えた生体試料測定システムを提供する。
【解決手段】無線血糖計2は、血糖値検出部21と、送信部22と、受信部23と、記憶部24と、送信電力決定部25と、を有している。そして、送信部22が血糖値の送信した際の送信電力およびアクノリッジ信号受信の有無を履歴情報として記憶部24に記憶し、送信電力決定部25が、記憶部24に格納されている履歴情報に基づいて送信部22が送信する際の送信電力を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料測定装置、より詳細には、無線通信機能を有する生体試料測定装置およびこれを備えた生体試料測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線携帯端末機においては、無線送信電力を一定に固定し、通信が行われていた。ところが、送信電力を固定して使用すると、十分に通信が可能な距離においても、必要以上の送信電力で通信することとなり、消費電力を無駄に消費してしまう。
【0003】
このような点に鑑みて、送信電力を最適に調整する無線携帯端末機が開示されている。
例えば、特許文献1においては、図18に示すように、通信状態で通信相手が受信した信号の電力である受信電力RXと受信電力の基準である基準電力RXrefとを比較し、(RX>RXref)でない場合には、送信電力をデフォルト値に戻し、(RX>RXref)の場合には、送信電力を減少させてデータ送信している。この時、通信相手の受信データのエラーレートが低下していれば、送信電力をもとの値に戻し、エラーレートが低下していなければ、現在の送信電力を維持することにより送信電力を制御している。
【特許文献1】特開平10−285109号公報(平成10年10月23日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の無線端末機では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、従来の無線端末機においては、エラーレートを基準に送信電力の最適化を行っているので、所定の容量のデータを送受信しない限り送信電力の最適化を図ることができない。このため、例えば、無線血糖計で測定した血糖値データのような容量が非常に小さいデータを無線送信する場合には、送信電力の最適化を図ることができない。
【0005】
本発明の課題は、送信するデータの容量に関わらず、送信電力の最適化を図ることが可能な生体試料測定装置およびこれを備えた生体試料測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る生体試料測定装置は、無線を介して外部機器と通信を行う生体試料測定装置であって、生体データ測定部と、送信部と、受信部と、記憶部と、送信電力決定部とを備えている。生体データ測定部は、生体データを測定する。送信部は、生体データ測定部で測定した生体データを送信する。受信部は、外部機器が送信部によって送信された生体データを正常に受信した際に返信するアクノリッジ信号を受信する。記憶部は、送信部が生体データの送信を行った際の送信電力およびアクノリッジ信号の受信の有無を履歴情報として記憶する。送信電力決定部は、記憶部に格納されている履歴情報、または、抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された履歴情報に基づいて送信部の送信電力を決定する。
【0007】
ここでは、送信部が生体データの送信を行った際の送信電力およびアクノリッジ信号の有無を履歴情報として記憶部に記憶している。そして、送信電力決定部は、記憶部に格納されている履歴情報、あるいは、抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された履歴情報に基づいて、送信部が送信する際の送信電力を決定している。
【0008】
例えば、生体試料測定装置の一つである無線血糖計が送信した血糖値を外部機器の一つである携帯端末が正常に受信した時、携帯端末は、無線血糖計に対してアクノリッジ信号を送信する。そして、無線血糖計は、血糖値を送信した際の送信電力とその送信に対するアクノリッジ信号受信の有無とを1つの履歴情報として記憶しておき、その履歴情報に基づいて送信する際の送信電力を決定する。
【0009】
従来、無線端末機における送信電力の最適化は、送受信時のエラーレートを基準に行っていた。ところが、この方法では、所定の容量のデータを送受信しない限り送信電力の最適化を図ることができないので、例えば、無線血糖計で測定した血糖値のような容量が非常に小さいデータを無線送信する場合には、送信電力の最適化を図ることができなかった。
【0010】
そこで、本発明の生体試料測定装置においては、送信部が生体データの送信を行った際の送信電力とその送信に対するアクノリッジ信号受信の有無とを履歴情報として記憶しておき、その履歴情報に基づいて送信部が送信する際の送信電力を決定している。また、送信電力を決定する際には、所定の抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された履歴情報に基づいて決定してもよい。
【0011】
これにより、例えば、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報における送信電力を、送信部の送信電力として決定することが可能となる。例えば、無線血糖計と携帯端末との間で所定の容量のデータの送受信を行わなくても、記憶部に記憶されているアクノリッジ信号受信有り、すなわち、無線血糖計と携帯端末との間で相互に通信が可能であった履歴情報における送信電力を、送信部の送信電力として決定することが可能となる。また、例えば、無線血糖計と携帯端末との間で相互に通信が可能であった履歴情報が複数あった場合には、その中で最小の送信電力を、送信部の送信電力として決定することが可能となる。
【0012】
この結果、送信するデータの容量に関わらず、送信電力の最適化を図ることが可能となる。
【0013】
第2の発明に係る生体試料測定装置は、第1の発明に係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従って所定の個数の履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報においてアクノリッジ信号受信有りの履歴情報が所定の個数以上ある場合、履歴情報として記憶されている送信電力よりも小さくなるように、送信部の送信電力を決定する。
【0014】
ここでは、アクノリッジ信号受信有りの履歴情報、すなわち、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報が所定の個数以上あった場合、送信電力決定部は、送信部が送信する際の送信電力の出力が十分であると判断して、所定の値だけ送信電力を下げている。
【0015】
なお、ここでいう、送信電力決定規則とは、履歴情報を抽出するための条件をいい、例えば、最新の履歴情報から順に抽出するといった条件や、生体データを測定している日と同じ時間や曜日を抽出するといった条件等がある。
【0016】
ここで、送信部が送信する際の送信電力は、通信できる範囲で極力小さくする方が省電力化を図る上で有利である。
これにより、送信部の送信電力を通信可能な範囲で小さくすることができるので、省電力化を図ることが可能となる。
【0017】
第3の発明に係る生体試料測定装置は、第1の発明に係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従って所定の個数の履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報においてアクノリッジ信号の受信有りの履歴情報が所定の個数以上なかった場合、履歴情報として記憶されている送信電力よりも大きくなるように、送信部の送信電力を決定する。
【0018】
ここでは、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報が所定の個数以上なかった場合、送信電力決定部は、送信部が送信する際の送信電力の出力が不十分であると判断して、所定の値だけ送信電力を上げている。
【0019】
これにより、送信部が送信した生体データが確実に受信されるように、送信電力をより最適に決定することが可能となる。例えば、無線血糖計と携帯端末との関係においては、携帯端末が無線血糖計より送信されるデータを確実に受信できるように、送信電力をより最適に決定することが可能となる。
【0020】
第4の発明に係る生体試料測定装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、送信部が送信する直前の雑音電力の測定を行う雑音電力測定部をさらに備えており、記憶部は、雑音電力測定部によって測定された雑音電力を履歴情報としてさらに記憶する。
【0021】
ここでは、送信部が送信する際の送信電力を決定するにあたって雑音電力を考慮するために、送信部が送信する直前の雑音電力の測定を行う雑音電力測定部をさらに備えている。そして、記憶部は、雑音電力測定部によって測定された雑音電力を、送信部が生体データの送信を行った際の送信電力とアクノリッジ信号の有無と共に履歴情報として記憶する。
【0022】
ここで、雑音電力は、一般的に、無線端末機どうしの通信に悪影響を与える。
これにより、送信電力を決定するにあたって雑音電力による影響を考慮することができようになる。
【0023】
第5の発明に係る生体試料測定装置は、第4の発明に係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従ってアクノリッジ信号の受信有りの履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報における送信電力に対する雑音電力の比と同じになるように、雑音電力測定部が測定する雑音電力に基づいて送信部の送信電力を決定する。
【0024】
ここでは、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報から送信電力に対する雑音電力の比、いわゆるS/N比の逆数を算出している。そして、雑音電力測定部によって送信時における雑音電力が既知の状態となるので、これに基づいて前述のS/N比の逆数となるように、送信部が送信する際の送信電力を決定している。
【0025】
これにより、雑音電力による通信の影響を考慮することができるので、送信電力をより最適に決定することが可能となる。
【0026】
第6の発明に係る生体試料測定装置は、第4の発明に係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従って所定の個数の履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報においてアクノリッジ信号の受信有りの履歴情報が所定の個数以上ある場合、履歴情報における送信電力に対する雑音電力の比よりも大きくなるように、雑音電力測定部が測定する雑音電力に基づいて送信部の送信電力を決定する。
【0027】
ここでは、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報が所定の個数以上あった場合、送信電力決定部は、送信部が送信する際の送信電力には十分の出力があると判断して、所定の値だけS/N比を下げている。
【0028】
ここで、送信部が送信する際の送信電力は、通信できる範囲で極力小さくする方が、省電力化を図る上で有利である。
これにより、送信部の送信電力を通信可能な範囲で小さくすることができるので、省電力化を図ることが可能となる。
【0029】
第7の発明に係る生体試料測定装置は、第4の発明に係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従って所定の個数の履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報においてアクノリッジ信号の受信有りの履歴情報が所定の個数以上なかった場合、履歴情報における送信電力に対する雑音電力の比よりも小さくなるように、雑音電力測定部が測定する雑音電力に対して送信部の送信電力を決定する。
【0030】
ここでは、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報が所定の個数以上あった場合、送信電力決定部は、送信部が送信する際の送信電力が不十分であると判断して、所定の値だけS/N比を上げている。
【0031】
これにより、送信部が送信した生体データが確実に受信されるように、送信電力をより最適に決定することが可能となる。例えば、無線血糖計と携帯端末との関係においては、携帯端末が無線血糖計より送信されるデータを確実に受信できるように、送信電力をより最適に決定することが可能となる。
【0032】
第8の発明に係る生体試料測定装置は、無線を介して外部機器と通信を行う生体試料測定装置であって、生体データ測定部と、送信部と、受信部と、記憶部と、送信電力決定部と、を備えている。生体データ測定部は、生体データを測定する。送信部は、生体データ測定部で測定した生体データを送信する。受信部は、外部機器が送信部によって送信された生体データを正常に受信した際に返信するアクノリッジ信号を受信する。記憶部は、送信部が生体データの送信を行った際の送信電力およびアクノリッジ信号の受信の有無と、外部機器が生体データを受信した際の受信電力とを含む履歴情報と、外部機器が生体データを受信する際の最適な受信電力である基準受信電力とを記憶する。送信電力決定部は、記憶部に格納されている履歴情報と基準受信電力、あるいは、抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された履歴情報と基準受信電力に基づいて送信部が送信する際の送信電力を決定する。
【0033】
ここでは、送信部が生体データの送信を行った際の送信電力およびアクノリッジ信号の有無、外部機器が生体データを受信した際の受信電力を履歴情報として、また、外部機器が生体データを受信する際に最適な受信電力を基準受信電力として記憶部に記憶している。そして、送信電力決定部は、記憶部に格納されている履歴情報と基準受信電力、あるいは、抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された履歴情報と基準受信電力に基づいて送信部が送信する際の送信電力を決定している。
【0034】
なお、ここでいう、外部機器が生体データを受信した際の受信電力は、外部機器が返信するアクノリッジ信号と同時に返信され、アクノリッジ信号を受信することによって記憶部に記憶することができる。また、基準受信電力とは、外部機器が生体データを確実に受信するための受信電力、すなわち、生体データの受信時における最適な受信電力を規定するものである。外部環境等を考慮しなければ、一般的に、送信部が基準受信電力に相当する送信電力で送信した場合、外部機器は生体データを確実に受信できる。
【0035】
従来、無線端末機における送信電力の最適化は、送受信時のエラーレートを基準に行っていた。ところが、この方法では、所定の容量のデータを送受信しない限り送信電力の最適化を図ることができないので、例えば、無線血糖計で測定した血糖値のような容量が非常に小さいデータを無線送信する場合には、送信電力の最適化を図ることができなかった。
【0036】
そこで、本発明の生体試料測定装置においては、送信部が生体データの送信を行った際の送信電力、その送信に対するアクノリッジ信号受信の有無、外部機器が生体データを受信した際の受信電力を含む履歴情報と、外部機器の最適な受信電力である基準受信電力とを記憶しておき、その履歴情報と基準受信電力とに基づいて送信部が送信する際の送信電力を決定している。また、送信電力を決定する際には、所定の抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された履歴情報と基準受信電力とに基づいて決定してもよい。
【0037】
これにより、記憶部に記憶されている基準受信電力と、例えば、アクノリッジ信号を受信有りの直近の履歴情報とを比較して、送信部が送信する際の送信電力を決定することが可能となる。このため、例えば、無線血糖計と携帯端末との間で所定の容量のデータの送受信を行わなくても、記憶部に記憶されている履歴情報に基づいて、送信部が送信する際の送信電力を決定することが可能となる。
【0038】
この結果、送信するデータの容量に関わらず、送信電力の最適化を図ることが可能となる。
【0039】
第9の発明に係る生体試料測定装置は、第8の発明に係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従って1つの履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報における受信電力と基準受信電力とを比較して、受信電力の方が大きい場合には、抽出された履歴情報として記憶されている送信電力よりも小さくなるように送信部が送信する際の送信電力を決定し、受信電力の方が小さい場合には、抽出された履歴情報として記憶されている送信電力よりも大きくなるように送信部が送信する際の送信電力を決定する。
【0040】
ここでは、アクノリッジ信号受信有りの履歴情報、すなわち、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報のうち、例えば、直近の履歴情報を抽出している。そして、抽出した履歴情報に含まれている受信電力と基準受信電力とを比較した結果に基づいて、送信部が送信する際の送信電力を決定している。
【0041】
ここで、送信部が送信する送信電力と外部機器が受信する受信電力とは、外部環境等によって異なる場合がある。そして、外部環境には、外部機器のバッテリ残量や外部機器が交換された場合等が考えられる。
【0042】
これにより、受信側の外部機器が実際に生体データを受信した際の受信電力に基づいて、送信部が送信する際の送信電力を決定することができる。この結果、外部環境等により送信部が送信した際の送信電力と外部機器が受信した時の受信電力が異なる場合であっても適正に送信電力の最適化を図ることが可能となる。
【0043】
第10の発明に係る生体試料測定装置は、第8または第9の発明に係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従って所定の個数の履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報においてアクノリッジ信号受信有りの履歴情報が所定の個数以上ある場合、基準受信電力を記憶部に記憶されている値よりも小さくする。
【0044】
ここでは、アクノリッジ信号受信有りの履歴情報、すなわち、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報が所定の個数以上あった場合、送信電力決定部は、外部機器が受信する際の受信電力の出力が十分であると判断して、所定の値だけ基準受信電力を小さくしている。
【0045】
なお、ここでいう、送信電力決定規則とは、履歴情報を抽出するための条件をいい、例えば、最新の履歴情報から順に抽出するといった条件や、生体データを測定している日と同じ時間や曜日を抽出するといった条件等がある。
【0046】
ここで、送信部が送信する際の送信電力は、通信できる範囲で極力小さくする方が省電力化を図る上で有利である。すなわち、送信部が送信する際の送信電力は、基準受信電力に基づいて決定されていることから、基準受信電力を小さくすることによって送信部が送信する際の送信電力を小さくすることができる。
【0047】
これにより、送信部が送信する際の送信電力を通信可能な範囲で小さくすることができるので、省電力化を図ることが可能となる。
【0048】
第11の発明に係る生体試料測定装置は、第8または第9の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、送信電力決定規則に従って所定の個数の履歴情報を抽出し、抽出された履歴情報においてアクノリッジ信号受信有りの履歴情報が所定の個数以上なかった場合、基準受信電力を記憶部に記憶されている値よりも大きくする。
【0049】
ここでは、送信部が送信した生体データが確実に受信されたことを示す履歴情報が所定の個数以上なかった場合、送信電力決定部は、外部機器が受信する際の受信電力の出力が不十分であると判断して、所定の値だけ基準受信電力を大きくしている。
【0050】
ここで、送信部が送信する際の送信電力は、基準受信電力に基づいて決定されていることから、基準受信電力を大きくすることによって送信部が送信する際の送信電力を大きくすることができる。
【0051】
これにより、送信部が送信した生体データが確実に受信されるように、送信電力を最適に決定することが可能となる。例えば、無線血糖計と携帯端末との関係においては、携帯端末が無線血糖計より送信されるデータを確実に受信できるように、基準受信電力を最適に設定することができる。
【0052】
第12の発明に係る生体試料測定装置は、第1から第11の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、送信電力決定規則は、新しいものから順に履歴情報を抽出するように定められている。
【0053】
ここでは、記憶部に記憶されている履歴情報のうち、新しいものから順に履歴情報を抽出するように、送信電力決定規則が定められている。
これにより、一般的に信頼性が高い直近の情報を反映することができるので、送信電力をより最適に決定することが可能となる。
【0054】
第13の発明に係る生体試料測定装置は、第1から第12の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、ここでは、記憶部に記憶されている履歴情報のうち、送信電力決定部における履歴情報の抽出時と同じ曜日の履歴情報を抽出するように、送信電力決定規則が定められている。
【0055】
ここで、送信部が送信すべき最適な送信電力は、生体試料測定装置を使用する環境によって変化する。そして、生体試料測定装置の測定者は、一般的に、同じ曜日であれば、同じ場所、すなわち、同じ環境で使用する確率が高いと思われる。このため、履歴情報の抽出時、すなわち、生体試料測定装置による測定時と同じ条件(同じ曜日)に該当するアクノリッジ信号受信有りの履歴情報は、最適な送信電力である確率が高いと考えられる。
【0056】
これにより、生体試料測定装置の使用環境を考慮することができるので、送信電力をより最適に決定することが可能となる。
【0057】
第14の発明に係る生体試料測定装置は、第1から第13の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、送信電力決定規則は、送信電力決定部における履歴情報の抽出時と同じ時間帯の履歴情報を抽出するように定められている。
【0058】
ここでは、記憶部に記憶されている履歴情報のうち、送信電力決定部における履歴情報の抽出時と同じ時間帯の履歴情報を抽出するように、送信電力決定規則が定められている。
【0059】
上述したように、生体試料測定装置の測定者は、一般的に、同じ時間帯であれば、同じ場所、すなわち、同じ環境で使用する確率が高いと思われる。また、同じ曜日、同じ時間帯であればその確率はさらに高くなると思われる。このため、履歴情報の抽出時、すなわち、無線血糖計による測定時と同じ条件(例えば、同じ時間帯)に該当するアクノリッジ信号受信有りの履歴情報は、最適な送信電力である確率が高いと言える。
【0060】
これにより、生体試料測定装置の使用環境を考慮することができるので、送信電力をより最適に決定することが可能となる。
【0061】
第15の発明に係る生体試料測定装置は、第1から第14の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、送信電力決定部は、生体データ測定部によって測定された生体データが所定の範囲の値でない場合には、送信部が出力可能な最大の送信電力に決定する。
【0062】
ここでは、生体データ測定部によって測定された生体データが所定の値よりも高い場合、送信部が出力可能な最大の送信電力で生体データを送信する。例えば、糖尿病患者が無線血糖計を使用する場合において、無線血糖計によって測定された血糖値が所定の値よりも高い場合は、携帯端末に対して送信部が出力可能な最大の送信電力で血糖値を送信する。
【0063】
これにより、送信部が送信した生体データが、何らかの障害によって受信されない事態となる確率を下げることができる。例えば、無線血糖計によって測定された血糖値が所定の値よりも高い場合、すなわち、医師等が緊急に処置しなければならない場合に、携帯端末が血糖値を受信できない事態となる確率を下げることができる。
【0064】
第16の発明に係る生体試料測定装置は、第1から第15の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、生体データ測定部によって測定された生体データを表示する為の表示部と、測定者が各種動作設定を行う為の動作設定部と、警告音を出力する為の警告音出力部と、を有しているインタフェース部をさらに備えており、生体データ測定部によって測定された生体データが所定の値よりも低い場合、警告音出力部から警告音を出力するとともに表示部に緊急ステータスを表示する。
【0065】
ここでは、生体データ測定部によって測定された生体データが所定の値よりも低い場合、警告音出力部が、警告音を出力するとともに、表示部に、何らかのメッセージを表示する。
【0066】
ここで、糖尿病患者にとって血糖値が所定の値よりも低くなると危険な状態となり、場合によっては、意識障害を発生することもある。
そこで、例えば、糖尿病患者が無線血糖計を用いて血糖値を測定した時、その値が所定の値よりも低い場合には、警告音出力部が、警告音を出力するとともに、表示部に、例えば、低血糖に対する対処法等を表示する。
【0067】
これにより、測定者自身に、あるいは、生体試料測定装置の測定者の周囲の人に測定者が危険な状態であることを知らせることが可能となる。また、例えば、無線血糖計を使用する測定者が意識障害に陥った場合においても、周囲の者が、表示部に表示された対処法等を見ながら適切に対処することが可能となる。
【0068】
第17の発明に係る生体試料測定装置は、第16の発明に係る生体試料測定装置であって、緊急ステータスは、電話番号である。
ここでは、測定者にとって非常に危険な状態にある場合、表示部に電話番号を表示するようにしている。
【0069】
これにより、例えば、無線血糖計を使用する測定者が意識障害に陥った場合においても、周囲の者が、表示部に表示された電話番号を見て、例えば、その患者の家族や担当医師に即座に連絡することが可能となる。
【0070】
第18の発明に係る生体試料測定装置は、第16または第17の発明に係る生体試料測定装置であって、緊急ステータスは、低血糖に対する対処方法である。
ここでは、測定者にとって非常に危険な状態にある場合、表示部に対処方法を表示するようにしている。
【0071】
これにより、例えば、無線血糖計を使用する測定者が意識障害に陥った場合においても、測定者の周囲の者が、表示部に表示された対処法等を見ながら適切に対処することが可能となる。
【0072】
第19の発明に係る生体試料測定装置は、第1から第18の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置であって、生体データ測定部が血糖値を測定する構成とした無線血糖計である。
【0073】
これにより、無線血糖計と携帯端末との間で所定の容量のデータの送受信を行わなくても、例えば、記憶部に記憶されているアクノリッジ信号受信有り、すなわち、無線血糖計と携帯端末との間で相互に通信が可能であった履歴情報における送信電力を、送信部が送信する際の送信電力として決定することが可能となる。
【0074】
この結果、送信するデータの容量に関わらず、送信電力の最適化を図ることが可能となる。
【0075】
第20の発明に係る生体試料測定システムは、生体試料測定装置と、外部機器とを備えている。生体試料測定装置は、第8から第11の発明のいずれか1つに係る生体試料測定装置である。外部機器は、外部受信部と、誤り検出部と、外部送信部と、受信電力判定部と、送信電力選択部とを有している。外部受信部は、生体試料測定装置から送信された生体データを受信する。誤り検出部は、外部受信部が生体データを正常に受信したか否かを判定する。外部送信部は、誤り検出部が生体データを正常に受信したと判定した時に生体試料測定装置に対してアクノリッジ信号を送信する。受信電力判定部は、外部受信部が生体データを受信した際の受信電力を測定し、所定の値と比較する。送信電力選択部は、受信電力判定部の判定結果に基づいて外部送信部の送信電力を選択する。
【0076】
これにより、生体試料測定装置において、確実にアクノリッジ信号が受信出来るようにすることが可能となる。
【0077】
第21の発明に係る生体試料測定システムは、第20の発明に係る生体試料測定システムであって、送信電力選択部は、受信電力判定部が、外部受信部が生体データを受信した際の受信電力が所定の値よりも小さいと判定した時に、外部送信部における送信電力として最大電力を選択する。
【0078】
これにより、生体試料測定装置から外部機器に対して正常にデータを送信出来たにもかかわらず、生体試料測定装置において、アクノリッジ信号が受信出来ないということが無くなる。
【発明の効果】
【0079】
本発明に係る生体試料測定装置およびこれを備えた生体試料測定システムによれば、送信するデータの容量に関わらず、送信電力の最適化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
[第1の実施形態]
本発明の一実施形態に係る無線血糖計(生体試料測定装置)2について、図1〜図12を用いて説明すれば以下の通りである。
【0081】
[無線血糖計2の構成]
無線血糖計2による血糖値(生体データ)の測定は、1日に8回程度行われている。無線血糖計2の測定者は、電気化学式で使い捨て式のバイオセンサ1を無線血糖計2に接続し、血液をバイオセンサ1に点着する。
【0082】
無線血糖計2は、接続されたバイオセンサ1から血糖値を検出し、医師等が患者の測定データを収集する携帯端末(外部機器)3に検出した血糖値のデータを送信する。携帯端末3は、無線血糖計2から血糖値のデータを受信すると、無線血糖計2に対してアクノリッジ信号を送信する。
【0083】
[無線血糖計2の内部動作の説明]
次に、図1の本発明の実施形態における無線血糖計と周辺デバイスのブロック図を用いて、無線血糖計2の内部動作を説明する。
【0084】
無線血糖計2は、図1に示すように、血糖値検出部(生体データ測定部)21と、送信部22と、受信部23と、記憶部24と、送信電力決定部25と、インタフェース部26とを有している。
【0085】
血糖値検出部21は、バイオセンサ1に点着された血液から血糖値を計測する。そして、計測した血糖値を送信部22、送信電力決定部25およびインタフェース部26に転送する。
【0086】
送信電力決定部25は、血糖値検出部21から出力された血糖値および記憶部24に格納された履歴情報から送信電力を決定する。
送信部22は、送信電力決定部25によって決定された送信電力で血糖値検出部21が検出した血糖値データを送信する。
【0087】
ここで、携帯端末3は、送信部22から送信された血糖値データを受信するとアクノリッジ信号を送信する。
受信部23は、携帯端末3からのアクノリッジ信号を受信するとアクノリッジ信号受信有りの情報を送信部22に対して出力する。
【0088】
記憶部24は、受信部23がアクノリッジ信号を受信できた場合には、送信部22が送信した送信電力および携帯端末3からのアクノリッジ信号受信有りの情報を履歴情報として記憶する。また、送信部22が携帯端末3に対して血糖値を送信したにもかかわらず、受信部23が600ms間にアクノリッジ信号を受信できなかった場合には、送信部22が送信した際の送信電力およびアクノリッジ信号受信無しの情報を履歴情報として記憶する。そして、受信部23が、アクノリッジ信号を受信できなかった場合、送信部22は、送信電力を送出できる最大の値に設定して血糖値データを携帯端末3に再送する。なお、血糖値データの再送は、受信部23がアクノリッジ信号を受信できるまで最大5回行われるが、再送に対するアクノリッジ信号受信の情報および送信部22の送信電力は記憶部24に記憶されない。
【0089】
インタフェース部26は、測定者が、無線血糖計2を操作する場合のインタフェースを担う部分であって、例えば、動作設定部261や、表示部262を有している。なお、インタフェース部26については後段にて詳述する。
【0090】
無線血糖計2は、上記のような構成により、無線血糖計2と携帯端末3との間で所定の容量のデータの送受信を行わなくても、記憶部24に記憶されているアクノリッジ信号受信有りの履歴情報における送信電力を、送信部22の送信時における送信電力として決定することが可能となる。この結果、送信するデータの容量に関わらず、送信電力の最適化を図ることを可能としている。
【0091】
[無線血糖計2の内部ブロックの説明]
以下、無線血糖計2の内部ブロックの詳細な説明を行う。
(血糖値検出部21)
図2の血糖値検出部21のブロック図を用いて、血糖値検出部21の詳細な説明を行う。
【0092】
血糖値検出部21は、図2に示すように、コネクタ211と、演算増幅器212と、帰還抵抗213と、A/D変換回路215と、演算回路216とを有している。
ここで、バイオセンサ1は、使い捨て式かつ電気化学式であって、作用極11と、対極12と、反応体13とを有している。作用極11は、バイオセンサ1をコネクタ211に挿入したとき、電極2111と接触する。対極12は、バイオセンサ1をコネクタ211に挿入したとき、電極2112と接触する。反応体13は、酵素やメディエータ等から形成されている。反応体13に血液を点着すると、反応体13が血液に溶解して酵素反応が進行する。
【0093】
コネクタ211は、バイオセンサ1を挿入するための挿入口であって、電極2111と、電極2112とを有している。コネクタ211にバイオセンサ1が挿入されると、電極2111は、バイオセンサ1に含まれる作用極11と接触し、電極2112は、バイオセンサ1に含まれる対極12と接触する。
【0094】
演算増幅器212は、バイオセンサ1の作用極11に接する電極2111とバイオセンサ1の対極12に接する電極2112とを介して作用極11と対極12に電圧を印加する。このとき、血液中の糖濃度と相関のある電流が、帰還抵抗213を通してバイオセンサ1に流れる。ここで、演算増幅器212の非反転入力端子2122は、基準電位214に接続されている。そして、演算増幅器212は、非反転入力端子2122と反転入力端子2121とを同電位に保とうと制御するので、帰還抵抗213の電流による降下分の電位に基準電位214を加算した電圧が出力端子2123に発生する。これにより、バイオセンサ1に流れる電流に比例した電圧が出力端子2123に発生し、電流−電圧変換を行うことが出来る。
【0095】
A/D変換回路215は、出力端子2123に発生した電圧をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路215は、変換されたデジタル値を演算回路216に送信する。
演算回路216は、A/D変換回路から送られるデジタル値を演算する。これにより、バイオセンサ1に流れた電流値から血中の糖濃度が計算することが可能となる。そして、演算回路216は、計算した糖濃度を送信部22およびインタフェース部26に転送する。
【0096】
なお、血中の糖濃度を得るに際しては、例えば次のような処理がなされる。
すなわち、予め工場で、コネクタ211の電極2111と電極2112との間に、低糖濃度および高糖濃度に相当する電流を発生する2つの定電流源をそれぞれ接続し、各々のA/D変換値から、電流値とデジタル値との一次変換式を演算回路216で求めておく。その一次式の傾きaと切片bとは、前述のA/D変換回路215から出力されるデジタル値と糖濃度とを関連づける情報であり、これを記憶部24に記憶しておく。そして、測定者が血糖値を測定する時には、演算回路216は、A/D変換回路215から得られるデジタル値を、記憶部24に記憶した一次式に当てはめることにより血中の糖濃度を計算する。そして、算出された血糖値は、送信部22、送信電力決定部25およびインタフェース部26に転送される。また、送信電力決定部25に対して送信電力算出の為の起動パルスが生成される。
【0097】
(送信部22)
次に、図3の送信部22のブロック図、図4の送信部22の制御フローチャートを用いて、送信部22の詳細な説明を行う。
【0098】
送信部22は、図3に示すように、送信制御回路221と、最適電力保持レジスタ222と、最大電力保持レジスタ223と、送信回路225とを有している。
送信制御回路221は、セレクタ224,送信回路225を制御する。
【0099】
最適電力保持レジスタ222は、送信電力決定部25から出力された最適電力を保持している。
最大電力保持レジスタ223は、無線血糖計2が送りうる最大の送信電力を保持している。
【0100】
セレクタ224は、送信回路225に出力する電力を、最適電力保持レジスタ222と最大電力保持レジスタ223との間で切り換える。
送信回路225は、血糖値検出部21から送信された血糖値データを、セレクタ224から送信された電力で携帯端末3に送信する。
【0101】
送信制御回路221は、最適電力保持レジスタ222に最適電力が書き込まれると、最適電力保持レジスタ222に格納された最適電力が送信回路225に出力されるようにセレクタ224を切り替える。また、送信制御回路221は、血糖値検出部21から出力された血糖値を携帯端末3に送信するように送信回路225に指示する。これにより、送信回路225は、血糖値検出部21から出力された血糖値を最適電力で携帯端末3に送信することができる。送信回路225は、測定データに誤り検出符号を付加したものを変調して送信データとし、その先頭にプリアンブルパターンとシンクパターンを付加して、携帯端末3に対して送信する。そして、送信制御回路221は、送信回路225への送信の指示後、内部のタイマーでカウントを開始する。なお、携帯端末3は、血糖値データを受信してから500ms後にアクノリッジ信号を送信する。そして、送信制御回路221は、送信後100msで受信部23に対して受信開始を指示し、送信開始後600msで受信部23の受信を終了させる。
【0102】
次に、送信制御回路221は、受信部23にアクノリッジ信号受信の有無の情報を確認する。そして、受信部23が、携帯端末3からのアクノリッジ信号を受信できていた場合、送信制御回路221は、携帯端末3に対して血糖値の送信を終了させるように送信回路225に指示する。この時、送信制御回路221は、インタフェース部26から入力された曜日と時間との情報を用いて、「送信した曜日、送信開始時間、送信時の送信電力、アクノリッジ信号受信の有無の情報」を履歴情報として記憶部24に記憶させる。
【0103】
一方、受信部23が、携帯端末3からのアクノリッジ信号を受信できていなかった場合、送信制御回路221は、最大電力保持レジスタ223に格納された値が、送信回路225に入力されるようにセレクタ224を切り替える。そして、送信制御回路221は、送信回路225に血糖値の再送信を指示する。これにより、送信回路225は、血糖値検出部21から出力された血糖値を無線血糖計2が送り得る最大の送信電力で携帯端末3に送信することができる。
【0104】
なお、送信回路225による血糖値の再送信は、5回を限度に初回の送信と同様に行われる。ところが、上述の各種情報を履歴情報として記憶部24へ記憶させない。
そして、送信回路225によって、5回の血糖値の再送信を行った結果、一度も携帯端末3からのアクノリッジ信号が受信できなかった場合、送信制御回路221は、送信回路225に対して血糖値の送信を終了するように指示する。
【0105】
(受信部23)
次に、図5の受信部23のブロック図、図6の受信部23の制御フローチャートを用いて、受信部23の詳細な説明を行う。
【0106】
受信部23は、図5に示すように、受信制御回路231と、受信回路232と、プリアンブル検出回路233と、シンクパターン検出回路234と、復調回路235と、受信レジスタ236と、誤り検出回路237とを有している。
【0107】
受信制御回路231は、送信部22からの受信開始命令を受けて、受信回路232を制御する。
受信回路232は、受信した信号から搬送波の検出、ゲインコントロールや中間周波数への変換等の処理を行い、処理後のデータをプリアンブル検出回路233、シンクパターン検出回路234、復調回路235に転送する。
【0108】
プリアンブル検出回路233は、プリアンブルパターンの検出を行う。そして、プリアンブルパターンを検出すると、プリアンブル検出回路233は、シンクパターン検出回路234に起動パルスを出力する。
【0109】
シンクパターン検出回路234は、プリアンブル検出回路233からの起動パルスにより、受信回路232から出力される受信データからシンクパターンの検出を行う。
復調回路235は、シンクパターン検出回路234が検出したシンクパターンを基準に受信データの復調を行う。
【0110】
受信レジスタ236は、復調回路235によって復調された受信データを記憶する。そして、誤り検出回路237は、受信データに対して誤り検出を行い、その結果を受信制御回路231に出力する。
【0111】
受信制御回路231は、誤り検出回路237から結果通知を受け取ると、受信データに誤りが検出されなくて、かつ、受信データの所定の領域にアクノリッジ信号を示すコードが存在していた場合にアクノリッジ信号受信有り、それ以外は、アクノリッジ信号受信無しの情報を送信部22に対して出力し、受信動作を終了する。また、受信制御回路231は、送信部22から受信終了信号を受け取った場合でも受信動作を終了する。
【0112】
(記憶部24)
次に、図7の記憶部24のブロック図、図8の送信電力および血糖値の格納フォーマット、図9の記憶部24の制御フローチャートを用いて、記憶部24の詳細な説明を行う。
【0113】
記憶部24は、図7に示すように、メモリ241と、メモリ制御回路242と、調停回路243と、条件判別回路244と、カレントポインタ245と、アドレス生成回路246と、データレジスタ247とを有している。
【0114】
記憶部24にデータの読み書きを行うブロックとしては、図7に示すように、血糖値検出部21、送信部22、送信電力決定部25がある。なお、送信電力決定部25から記憶部24へは特殊なアクセスを行うので後段にて詳述する。
【0115】
血糖値検出部21には、血糖値を求める為に必要なパラメータが工場出荷時に記憶部24の不揮発性メモリに格納されている。また、血糖値測定時には、電圧値から血糖値への変換を行う為に工場出荷時に格納されたパラメータの読み出しを行う。
【0116】
送信部22は、血糖値データ送信時において、図8に示すフォーマットに従って各情報(曜日、送信時間(h)、アクノリッジ信号受信の有無(ACK)、送信電力、血糖値)を格納する。
【0117】
調停回路243は、血糖値検出部21および送信部22からのメモリアクセス要求を調停し、メモリアクセス要求を出力したブロックの1つにメモリアクセス権を割り当てる。そして、メモリアクセス権が割り当てられたブロックは、メモリリードであるかメモリライトであるかのアクセス方向の情報がメモリライトであれば、ライトデータを記憶部24に転送する。
【0118】
データレジスタ247は、メモリ241に対するライトデータおよびリードデータを一時的に格納する。
メモリ制御回路242は、メモリ241に対する制御信号を生成する。そして、メモリ制御回路242は、アクセス方向の情報がそれぞれ供給されると、メモリ241に対するアクセス制御を行う。
【0119】
メモリ241は、データを記憶する、例えば、EEPROMやSDRAM等のメモリである。なお、メモリ241は、血糖値を求める為のパラメータを工場出荷時にメモリに保存する為、その構成は、不揮発性メモリのみ、または、(不揮発性メモリ+揮発性メモリ)の構成となる。そして、メモリライトアクセスの場合は、メモリ制御回路242の制御によってアドレス生成回路246およびデータレジスタ247からそれぞれライトアドレスおよびライトデータがメモリ241に対して出力され、メモリ241にデータがライトされた時点で処理が終了する。一方、メモリリードアクセスの場合には、メモリ241から読み出されたデータが、データレジスタ247に一時的に格納される。そして、メモリアクセスを行ったブロックにデータレジスタ247に格納されているリードデータが転送されてメモリリードの処理が終了する。
【0120】
メモリ241へのメモリアクセスが、例えば、送信部22からのメモリライトであった場合には、メモリ241のカレントポインタ245が示すアドレスに対して曜日、送信時間(h)、アクノリッジ信号受信の有無、送信電力、血糖値のデータを書き込み後、カレントポインタ245の値を4バイト分増加させる。そして、カレントポインタ245を4増加させる前の時点で、カレントポインタ245の値が、図8のDATA255の先頭を示していた場合には、カレントポインタ245の値をDATA0の先頭を示す値に変更する。
【0121】
次に、送信電力決定部25が、記憶部24からデータを読み出す場合の動作について説明する。
送信電力決定部25から記憶部24に対するメモリアクセス要求信号は、調停回路243によって調停される。そして、メモリアクセス権が送信電力決定部25に与えられた場合、条件判別回路244は、インタフェース部26において入力された抽出条件(送信電力決定規則)に基づいて、記憶部24に記憶されたのと逆順、すなわち、現在に最も近いものから順に検索して、データの抽出を行う。具体的には、例えば、抽出条件が、現在の測定時と同じ曜日、同じ時間帯の履歴情報を抽出するように設定されている場合には、条件判別回路244が、使用時における現在と同じ曜日のデータ、同じ時間帯のデータ、曜日と時間帯に関係のないデータあるいは同じ曜日の同じ時間帯のデータであるかを判断する。
【0122】
ここでは、無線血糖計2の測定者は、一般的に、同じ曜日、同じ時間であれば、同じ場所、すなわち、同じ環境で使用する確率が高いという経験則に基づいて、履歴情報を抽出している。これにより、使用環境に応じて送信部22が送信する際の送信電力を決定することができる。
【0123】
そして、送信電力決定部25は、抽出条件にあう履歴情報が5組見つかるか、または、全履歴情報のチェックが終了するまで記憶部24にメモリアクセスを続ける。
アドレス生成回路246は、送信電力決定部25のアクセスが開始されると現在のカレントポインタ245の値を保存した後、メモリアクセスごとにカレントポインタ245の示す値からアドレスの小さい方向に向かって4バイト分のアドレスをメモリアドレスとしてメモリ制御回路242に出力する。
【0124】
メモリ制御回路242は、アドレス生成回路246から受け取ったメモリアドレスを用いてメモリ241から4バイトのデータを読み出す。そして、読み出されたデータはデータレジスタ247に格納される。
【0125】
条件判別回路244は、データレジスタ247に格納されたデータを解析し、インタフェース部26から受け取った履歴条件に合うかどうかの判定を行う。条件判別回路244は、履歴条件に合うデータが5組に満たない場合は、送信データに関する情報を格納するメモリのアドレスを管理するメモリカレントポインタ245の値を4バイト分ずつ減算しながらメモリリードを繰り返す。ただし、全ての履歴情報のリードが完了した場合は、履歴条件にあうデータが5組に満たない場合でもアクセスを終了する。なお、アクセス終了時には、カレントポインタ245の値は、アクセス開始時に保存していた値に戻しておく。
【0126】
(送信電力決定部25)
次に、図10の送信電力決定部25のブロック図、図11の送信電力決定部25の制御フローチャートを用いて、送信電力決定部25の詳細な説明を行う。
【0127】
送信電力決定部25は、図10に示すように、送信電力制御回路251と、変換テーブル252と、送信電力セレクタ253と、送信電力レジスタ254とを備えている。
送信電力制御回路251は、変換テーブル252と送信電力制御回路251との制御を行う。
【0128】
変換テーブル252は、送信電力制御回路251が出力した電力に対して2dBm大きい値あるいは2dBm小さい値の電力を出力する。
送信電力セレクタ253は、送信電力レジスタ254に格納する送信電力を切り換える。
【0129】
送信電力レジスタ254は、最適電力として格納された送信電力を送信部22に対して出力する。
なお、図11の制御フローチャート中のNAは、記憶部24から読み出した履歴情報においてアクノリッジ信号の受信が無かった履歴情報の個数を示すカウント値を示している。
【0130】
送信電力制御回路251は、血糖値検出部21から血糖値データおよび起動パルスが出力されると、血糖値が400mg/dl以上かどうかのチェックを行う。
そして、血糖値が400mg/dl以上の場合、送信電力制御回路251は、送信電力セレクタ253を切り替えて最大送信電力を送信電力レジスタ254に格納させる。そして、送信電力レジスタ254は、最適電力として格納された最大送信電力を送信部22に対して出力する。これにより、医師等が緊急に処置しなければならない状況において、送信電力不足による送信の失敗を少なくすることを可能としている。
【0131】
一方、血糖値が400mg/dlより小さい場合、送信電力制御回路251は、記憶部24に対してメモリアクセス要求を行う。記憶部24においてメモリアクセス要求が受け付けられて、記憶部24から送信電力制御回路251に履歴情報がリードデータとして転送されると、送信電力制御回路251は、履歴情報に含まれるアクノリッジ信号受信の有無の情報をチェックして、受け取った履歴情報においてアクノリッジ信号の受領が無かったものの数をNA(NO ACK)としてカウントする。
【0132】
NAが0の場合は、抽出された履歴情報が全てアクノリッジ信号を受信できているので、送信電力が必要以上に高い可能性がある。そこで、履歴情報に含まれる最も新しい送信電力(最新送信電力)が最小電力として規定している−5dBm(初期電力−5dBmのことを示す)以下でなければ、送信電力制御回路251は、最新送信電力よりも2dBm小さい値が出力されるように送信電力セレクタ253を切り替えて、送信電力レジスタ254に格納させる。一方、最新送信電力が最小電力として規定している−5dBm以下であれば、送信電力制御回路251は、最小電力として規定している−5dBmで出力されるように送信電力セレクタ253を切り替えて、送信電力レジスタ254に格納させる。
【0133】
これにより、送信部22が送信する際の送信電力を携帯端末3と無線血糖計2との通信が可能な範囲で小さくすることができるので、省電力化を図ることができる。
NAが1以上、かつ、最も新しい履歴情報がアクノリッジ信号を受信して無かった場合(図11において「最新履歴はACK無」と表記)、送信電力が必要な電力よりも低い可能性がある。そこで、履歴情報に含まれる最も新しい送信電力が最大電力として規定している+5dBm(初期電力+5dBmのことを示す)以上でなければ、送信電力制御回路251は、その送信電力よりも2dBm大きい値が出力されるように送信電力セレクタ253を切り替えて、送信電力レジスタ254に格納させる。一方、履歴情報に含まれる最も新しい送信電力が最大電力として規定している+5dBm以上であれば、送信電力制御回路251は、最大電力として規定している+5dBmで出力されるように送信電力セレクタ253を切り替えて、送信電力レジスタ254に格納させる。
【0134】
また、NAが1以上、かつ、最も新しい履歴情報がアクノリッジ信号を受信していた場合、履歴情報に含まれる最も新しい送信電力を送信電力レジスタ254に格納させるように、送信電力セレクタ253は送信電力制御回路251が出力した電力を選択する。
【0135】
これにより、携帯端末3が無線血糖計2より送信されるデータを確実に受信できるように、送信部22が送信する際の送信電力をより最適に決定することができる。
このように、抽出条件にあった中で最新の5組の履歴情報の中にNAが含まれているかどうかで送信電力の増減を決めている。なお、無線血糖計2の使用を開始した時や、ソフトウエアリセット等により記憶部24に履歴情報が記憶されていない時には、送信電力セレクタ253が初期電力を選択するようにする。ここで、初期電力とは、通常使用を想定した場合に電波が届く必要十分な電力であり、例えば、最大送信電力と通信可能な最小送信電力との中間値とする。
【0136】
そして、送信電力レジスタ254は、最適電力として格納された電力を送信部22に対して出力する。
(インタフェース部26)
次に、図12にインタフェース部26のブロック図を用いて、インタフェース部26の詳細な説明を行う。
【0137】
測定者は、表示部262に表示された設定項目を確認しながら動作設定部261を用いて設定を行う。その際、設定項目としては、曜日、時間や送信電力を決定する為の履歴条件(同じ曜日のデータ、同じ時間帯のデータ、曜日と時間帯に関係のないデータ、あるいは、同じ曜日の同じ時間帯のデータを履歴情報として用いるかを設定する)等の情報がある。
【0138】
そして、動作設定部261によって設定された履歴条件は、送信電力決定部25に対して出力される。一方、曜日および時間は、時間管理部264に対して出力される。
時間管理部264は、設定された情報をもとに現在の曜日、時間を管理する。時間管理部264において管理される曜日、時間の情報は、送信部22に対して出力される。
【0139】
表示部262は、血糖値検出部21によって血糖値が算出されると、算出された血糖値を表示する。また、算出された血糖値が50mg/dl以下であった場合、測定者(糖尿病患者)は非常に危険な状態にあるので、測定者を含む周囲の人に危険を知らせる為に警告音出力部263が警告音を出力する。また、測定者が意識障害を起こした場合を考慮して、表示部262は緊急連絡先の電話番号や、糖分を補給する等の応急手当に関する情報を表示する。
【0140】
これにより、無線血糖計2の測定者の周囲の人に測定者が危険な状態であることを知らせることが可能となる。また、無線血糖計2を使用する測定者が意識障害に陥った場合においても、周囲の者が、表示部262に表示された電話番号をみて即座に緊急連絡先に連絡したり、表示部262に表示された対処法等を見ながら適切に対処したりすることが可能となる。
【0141】
[第2の実施形態]
本発明の一実施形態に係る無線血糖計2について、図13〜図17を用いて説明すれば以下の通りである。なお、本実施形態は、送信部22が送信する送信電力を算出するのに、ノイズ電力取得部(雑音電力測定部)28を設け、ノイズ電力取得部28において測定したノイズ電力も考慮した点において、第1の実施形態と異なる。よって、ここでは、第1の実施形態と共通する点についてはその説明を省略し、第1の実施形態とは異なる、受信部23の制御フロー、メモリ241へのデータ格納フォーマット、送信電力決定部25について詳細に説明を行う。
【0142】
(受信部23)
図13の受信部23のブロック図、図14の受信部23の制御フローチャートを用いて、第1の実施形態における受信部23と異なる点について説明を行う。
【0143】
なお、図13は、第1の実施形態(図5参照)に対して、ノイズを受信するノイズ電力取得部28が追加されている。
ノイズ電力取得部28は、設置されている周囲のノイズ電力を取得し、送信部22に出力する。
【0144】
これにより、送信部22が送信する際の送信電力を決定するにあたって雑音電力による影響を考慮することができようにしている。
また、図14は、第1の実施形態(図6参照)に対して、新たにノイズを受信する為の制御フローが追加されている。
【0145】
最初に、送信制御回路221からのノイズ受信開始命令によって、受信制御回路231はノイズ電力取得部28の動作を開始させる。そして、ノイズ電力取得部28は、通信に使用する周波数帯域の受信電力を測定する。受信制御回路231は、送信制御回路221からのノイズ受信終了命令が入力されるとノイズ電力取得部28の動作を停止させる。そして、ノイズ電力取得部28は、送信電力決定部25に対して受信したノイズの電力を出力する。
【0146】
(記憶部24)
記憶部24において、第1の実施形態(図8参照)との違いは、図15に示すように、ノイズ電力がメモリ241に格納されたことである。
【0147】
(送信電力決定部25)
図16の送信電力決定部25のブロック図、図17の送信電力決定部25の制御フローチャートを用いて、第1の実施形態における送信電力決定部25と異なる点について説明を行う。
【0148】
なお、図16は、第1の実施形態(図10参照)に対して、変換テーブル252が削除され、最適電力を算出する電力演算回路255およびノイズ電力取得部28から出力されたノイズ電力を格納するノイズ電力レジスタ256が追加されている。
【0149】
血糖値検出部21から血糖値データおよび起動パルスが出力されると、ノイズ電力取得部28から出力されたノイズ電力は、ノイズ電力レジスタ256に格納される。次に、送信電力制御回路251は、血糖値が400mg/dl以上かどうかのチェックを行う。
【0150】
そして、血糖値が400mg/dl以上の場合は、緊急に医師等が処置する必要があるので、送信電力レジスタ254は、送信電力セレクタ253を切り替えて最大送信電力を最適電力として送信部22に出力する。
【0151】
一方、血糖値が400mg/dlより小さい場合は、送信電力制御回路251は、記憶部24に対してメモリアクセス要求を行う。そして、記憶部24においてメモリアクセス要求が受け付けられると、記憶部24から送信電力制御回路251に履歴情報がリードデータとして転送される。
【0152】
ここで、送信電力に対するノイズ電力の比を雑音比(S/N比の逆数)とする時、電力演算回路255は、電力演算回路255の出力に対するノイズ電力レジスタ256の雑音比が、最も新しい履歴情報の送信電力に対するノイズ電力の雑音比の0.9倍、1.0倍、1.1倍(図16において、「x0.9」、「x1.0」、「x1.1」と表記)になるように電力を出力する。また、送信電力制御回路251は、履歴情報に含まれるアクノリッジ信号受信の有無の情報をチェックして、受け取った履歴情報においてアクノリッジ信号受領が無かったものの数をNA(NO ACK)としてカウントする。
【0153】
NAが0の場合、抽出された履歴情報において全てアクノリッジ信号が受信できているので、送信電力が必要以上に高い可能性がある。そこで、送信電力制御回路251は、電力演算回路255が算出した1.1倍の値が送信電力レジスタ254に格納されるように送信電力セレクタ253を切り替える。
【0154】
ただし、送信電力を低くし過ぎるとデータの送信が正常に出来なくなる可能性がある。そのために、送信電力の下限を定めなければならない。ここでは、最も新しい履歴情報の送信電力が最小電力と規定している−5dBm(初期電力−5dBmのことを示す)以下の場合には、送信電力がそれよりさらに低くならないようにするため、送信電力制御回路251は、電力演算回路255が算出した1.0倍の値が送信電力レジスタ254に格納されるように送信電力セレクタ253を切り替える。
【0155】
これにより、送信部22が送信する際の送信電力を携帯端末3と無線血糖計2との通信が可能な範囲で小さくすることができるので、省電力化を図ることができる。
NAが1以上、かつ、履歴情報に含まれる最も新しい履歴情報がアクノリッジ信号を受信して無かった場合(図17において「最新履歴はACK無」と表記)、送信電力が必要な電力よりも低い可能性がある。そこで、送信電力制御回路251は、電力演算回路255が算出した0.9倍の値が送信電力レジスタ254に格納されるように送信電力セレクタ253を切り替える。
【0156】
ただし、送信電力を高くしてもデータの送信が正常に出来ない場合もある。その時には、送信電力を過剰に高くすることは好ましくない。そのために、送信電力の上限を定める。ここでは、最も新しい履歴情報の送信電力が最大電力と規定している+5dBm(初期電力+5dBmのことを示す)以上の場合には、送信電力がそれよりさらに高くならないようにするため、送信電力制御回路251は、電力演算回路255が算出した1.0倍の値が送信電力レジスタ254に格納されるように送信電力セレクタ253を切り替える。
【0157】
これにより、携帯端末3が無線血糖計2より送信されるデータを受信できるように、送信部22が送信する際の送信電力をより最適に決定することができる。
そして、上記以外の場合、即ち、NAが1以上で最も新しい履歴情報がアクノリッジ信号を受信していた場合には、送信電力制御回路251は、電力演算回路255が算出した1.0倍の値が送信電力レジスタ254に格納されるように送信電力セレクタ253を切り替える。これにより、最適電力が送信部22に供給される。なお、記憶部24に履歴情報が記憶されていない場合には、初期電力が選択されるのは図10と同じである。
【0158】
[第3の実施形態]
本発明の一実施形態に係る血糖値測定システム(生体試料測定システム)4について、図18〜図21を用いて説明すれば以下の通りである。なお、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、携帯端末(外部機器)3から無線血糖計2に対して送信されるアクノリッジ信号の中に、携帯端末3が無線血糖計2からデータを受信した際の受信電力が含まれているところである。それに伴い、第1の実施形態1と異なるのは、記憶部24においてメモリ241に格納するデータのフォーマットと、このメモリ241へのアクセスの方法と、送信電力の決定の方法となる。ここでは、これらの点について詳細に説明し、これら以外の第1の実施形態と同じ構成動作については説明を省略する。
【0159】
まず、受信部23が受信する、携帯端末3から送信されるアクノリッジ信号は、ステータス情報と携帯端末3がデータを受信した際の受信電力とからなる。
送信部22は、携帯端末3に血糖値データを送信した後で、図18に示すフォーマットに従って各情報(曜日、送信時間(時刻)、送信電力、アクノリッジ信号受信の有無、(携帯端末3における)受信電力、基準受信電力、血糖値)を格納するように記憶部24に指示する。基準受信電力については後述する。
【0160】
次に、図19の送信電力決定部25のブロック図、図20の送信電力決定部25の制御フローチャートを用いて、送信電力決定部25の詳細な説明を行う。
送信電力決定部25は、図19に示すように、送信電力制御回路251と、変換テーブル252と、送信電力セレクタ253と、送信電力レジスタ254と、受信電力セレクタ255とを備えている。
【0161】
送信電力制御回路251は、変換テーブル252と送信電力制御回路251との制御を行う。
変換テーブル252は、送信電力制御回路251が出力した電力に対して2dBm大きい値あるいは2dBm小さい値の電力を出力する。
【0162】
送信電力セレクタ253は、送信電力レジスタ254に格納する送信電力を切り換える。
送信電力レジスタ254は、最適電力として格納された送信電力を送信部22に対して出力する。
【0163】
受信電力セレクタ255は、携帯端末3が血糖値データを受信する際の最適な受信電力として設定される基準受信電力を切り換える。
なお、図20の制御フローチャート中のNAは、記憶部24から読み出した履歴情報においてアクノリッジ信号の受信が無かった履歴情報の個数を示すカウント値を示している。
【0164】
送信電力制御回路251は、血糖値検出部21から血糖値データおよび起動パルスが出力されると、血糖値が400mg/dl以上かどうかのチェックを行う。
そして、血糖値が400mg/dl以上の場合、送信電力制御回路251は、送信電力セレクタ253を切り替えて最大送信電力を送信電力レジスタ254に格納させる。そして、送信電力レジスタ254は、最適電力として格納された最大送信電力を送信部22に対して出力する。これにより、医師等が緊急に処置しなければならない状況において、送信電力不足による送信の失敗を少なくすることを可能としている。
【0165】
一方、血糖値が400mg/dlより小さい場合、送信電力制御回路251は、記憶部24に対してメモリアクセス要求を行う。記憶部24においてメモリアクセス要求が受け付けられて、記憶部24から送信電力制御回路251に履歴情報がリードデータとして転送されると、送信電力制御回路251は、履歴情報に含まれるアクノリッジ信号受信の有無の情報をチェックして、受け取った履歴情報においてアクノリッジ信号の受領が無かったものの数をNA(NO ACK)としてカウントする。
【0166】
NAが0の場合は、受信部23が抽出された履歴情報が全てアクノリッジ信号を受信できているので、携帯端末3が血糖値データを受信した際の受信電力(以下、基準受信電力と示す)、が必要以上に高い可能性がある。そこで、送信電力制御回路251は、基準受信電力を変換テーブル252に入力し、履歴情報に含まれる最も新しい送信電力(最新送信電力)が最小電力として規定している−5dBm(初期電力−5dBmのことを示す)以下でなければ受信電力セレクタ255を切り換えて、その基準受信電力よりも2dBm小さい値を新たな基準受信電力として算出し、記憶部24に格納させる。一方、最新送信電力が最小電力として規定している−5dBm以下であれば、送信電力制御回路251は、現在の基準受信電力で出力されるように受信電力セレクタ255を切り替えて、記憶部24に格納させる。
【0167】
NAが1以上、かつ、最も新しい履歴情報がアクノリッジ信号を受信して無かった場合(図20において「最新履歴はACK無」と表記)、基準受信電力が必要な電力よりも低い可能性がある。そこで、送信電力制御回路251は、基準受信電力を変換テーブル252に入力し、最新送信電力が最大電力として規定している+5dBm(初期電力+5dBmのことを示す)以上でなければ受信電力セレクタ255を切り換えて、その基準送信電力よりも2dBm大きい値を新たな基準受信電力として算出し、記憶部24に記憶させる。一方、最新送信電力が最大電力として規定している+5dBm以上であれば、送信電力制御回路251は、現在の基準受信電力で出力されるように受信電力セレクタ255を切り替えて、記憶部24に格納させる。
【0168】
基準受信電力が算出されると送信電力制御回路251は、最も新しい履歴情報の受信電力(最新受信電力)と基準受信電力を比較する。そして、最新受信電力が新たに算出された基準受信電力よりも5dBm以上大きければ、送信電力制御回路251は、履歴情報の送信電力を変換テーブル252に入力するとともに送信電力セレクタ253を切り替えて、最新送信電力に対して2dBm小さい値を新たな送信電力として算出し、送信電力レジスタ254に格納する。
【0169】
そして、送信電力レジスタ254は、最適電力として格納された電力を送信部22に対して出力する。
これにより、送信部22が送信する際の送信電力を携帯端末3と無線血糖計2との通信を可能な範囲で小さくすることができるので、省電力化を図ることができる。
【0170】
また、最新受信電力が新たに算出された基準受信電力よりも5dBm以上小さければ、送信電力制御回路251は、履歴情報の送信電力を変換テーブル252に入力するとともに送信電力セレクタ253を切り替えて、最新送信電力に対して2dBm大きい値を新たな送信電力として算出し、送信電力レジスタ254に格納する。
【0171】
また、最新受信電力が新たに算出された基準受信電力よりも5dBm以上大きくなく、かつ、5dBm以上小さくない場合、すなわち、最新受信電力が新たに算出された基準受信電力に対してプラスマイナス5dBmの範囲であれば、送信電力制御回路251は、最新送信電力に対して変更を加えないで送信電力レジスタ254に格納する。
【0172】
そして、送信電力レジスタ254は、最適電力として格納された電力を送信部22に対して出力する。
これにより、携帯端末3が無線血糖計2より送信されるデータを確実に受信できるように、送信部22が送信する際の送信電力を最適に決定することができる。
【0173】
このように、抽出条件にあった中で最新の5組の履歴情報の中にNAが含まれているかどうかで送信電力の増減を決めている。なお、無線血糖計2の使用を開始した時や、ソフトウエアリセット等により記憶部24に履歴情報が記憶されていない時には、送信電力セレクタ253が初期電力を選択するようにする。ここで、初期電力とは、通常使用を想定した場合に電波が届く必要十分な電力であり、例えば、最大送信電力と通信可能な最小送信電力との中間値とする。
【0174】
このように、本実施の形態の無線血糖計2においては、受信側の携帯端末3が実際に血糖値データを受信した際の受信電力に基づいて基準受信電力を設定し、送信電力を決定することができるので、外部環境等により無線血糖計2が送信した際の送信電力と携帯端末3が受信した時の受信電力とが異なる場合であっても適正に送信電力の最適化を図ることが可能となる。
【0175】
次に、携帯端末3の構成について説明する。図21は、携帯端末3のブロック図を示すものである。携帯端末3は、図21に示すように、受信部(外部受信部)A1と、受信電力判定部A2と、誤り検出部A3と、記憶部A4と、送信電力選択部A5と、送信部(外部送信部)A6とを有している。
【0176】
受信部A1は、受信した信号から搬送波の検出を行い、搬送波を受信電力判定部A2へ出力する。さらに、受信した信号からプリアンブルパターンやシンクパターンを用いて送信データの復調を行い、復調後のデータを誤り検出部A3へと出力する。
【0177】
受信電力判定部A2は、受信部A1から出力された搬送波から受信部A1がデータを受信した際の受信電力を算出し、所定の値と比較する。そして、受信電力を送信部A6へ、比較結果を送信電力選択部A5へ出力する。ここで所定の値を、無線血糖計2内の送信電力決定部25において送信する際の最小電力として規定されている−5dBmより小さく、携帯端末3が受信可能な下限の電力よりも大きい値に設定する。詳しくは、通常の使用で想定される無線血糖計2と携帯端末3間の距離で減衰する電力を、前記最小電力(−5dBm)から引いた値を所定の値とする。
【0178】
送信電力選択部A5は、受信電力判定部A2から、受信電力が所定の値より小さいという結果が伝えられた時に、送信電力を最大電力にするように送信部A6へ指示する。
誤り検出部A3は、受信部A1から出力される復調後のデータに対して、このデータに付加されている誤り検出符号を用いて誤り検出を行う。誤り検出の結果、誤りが無ければ、復調後のデータから測定データを取り出し、記憶部A4へ出力する。そして、送信部A6へ測定データを正常に受信したことを伝える。
【0179】
記憶部A4は、誤り検出部A3から出力される測定データを記憶する。
送信部A6は、誤り検出部A3から測定データを正常に受信したことが伝えられると、無線血糖計2に対してアクノリッジ信号の送信を行う。このアクノリッジ信号の中には受信電力判定部A2が測定した受信電力を加えている。この時、受信電力判定部A2から、受信電力が所定の値よりも小さいと通知されている場合には、送信可能な最大電力で送信を行う。
【0180】
一方、誤り検出部A3において誤りが検出された場合、送信部A6は無線血糖計2に対してノンアクノリッジ信号(無線血糖計2において、データ送信が正常に行われなかったと解される)を送信する。この時、受信電力判定部A2の判定結果に関係なく送信可能な最大電力で送信を行う。
【0181】
このように、携帯端末3の受信電力が所定の値よりも小さい場合にはアクノリッジ信号を最大電力で送信すれば、無線血糖計2と携帯端末3の距離が通常よりも離れていたり、無線血糖計2と携帯端末3との間に障害物等があって途中の経路で電波が想定以上に減衰してしまうような状況であっても、無線血糖計2に対して確実にアクノリッジ信号が届くようにすることが出来る。これにより、無線血糖計2から携帯端末3に対して正常にデータを送信出来たにもかかわらず、無線血糖計2において、アクノリッジ信号が受信出来ないということが無くなり、無線血糖計2が、データ送信が正常に行われなかったと判断して、データの再送信を行ってしまうことを防ぐことが出来る。
【0182】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0183】
(A)
上記実施形態においては、生体試料測定装置の一例として無線血糖計2に適用する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0184】
例えば、乳酸、尿酸などを測定する測定装置の場合でも良く、そのデータを他の端末等に無線送信するような装置であれば、上記の実施形態に係る無線血糖計2と同様の効果を得ることができる。
【0185】
(B)
上記実施形態の無線血糖計2においては、履歴情報を抽出するための条件として、測定時と同じ曜日、同じ時間帯の履歴情報を抽出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0186】
例えば、新しいものから順に抽出するような条件としてもよいし、測定時と同じ曜日、同じ時間帯、さらに新しいものから順に抽出するといった条件としてもよい。抽出条件(送信電力決定規則)を適切に設定することで、無線血糖計の測定者の使用状況等に合わせた使用をすることができる。
【0187】
(C)
上記実施形態の無線血糖計2においては、送信電力制御回路251が、履歴情報に応じて最新送信電力よりも2dBm小さい値、あるいは、大きい値が出力されるように送信電力セレクタ253を切り替えさせる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0188】
例えば、送信電力制御回路は、最新送信電力よりも3dBm小さい値、あるいは、大きい値が出力されるように送信電力セレクタを切り替えてもよく、その大きくあるいは小さくさせる間隔を問うものではない。適時、適切な間隔に設定することができる。
【0189】
(D)
上記第1の実施形態の無線血糖計2では、電力演算回路255が、履歴情報と測定したノイズに応じて、送信電力に対するノイズ電力レジスタ256の雑音比が、直近の履歴情報の送信電力に対するノイズ電力の雑音比の0.9倍、1.0倍、1.1倍となるように送信電力を決定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0190】
例えば、電力演算回路255が調整する雑音比の調整は、0.8倍、1.0倍、1.2倍となるように調整してもよく、その調整倍率を問うものではない。適時、適切な調整倍率に設定することができる。
【0191】
(E)
上記第3の実施形態の無線血糖計2においては、送信電力制御回路251が、履歴情報に応じて現在記憶されている基準受信電力よりも2dBm小さい値、あるいは、大きい値に設定されるように受信電力セレクタ255を切り替えさせる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0192】
例えば、送信電力制御回路は、設定されている基準受信電力よりも3dBm小さい値、あるいは、大きい値に設定されるように受信電力セレクタを切り替えてもよく、その大きくあるいは小さくさせる間隔を問うものではない。適時、適切な間隔に設定することができる。
【0193】
(F)
上記実施形態の無線血糖計2では、送信電力制御回路251は、血糖値検出部21から血糖値データおよび起動パルスが出力されると、血糖値が400mg/dl以上かどうかのチェックを行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0194】
ここでは、糖尿病患者の一般的な指標を採用しているに過ぎず、例えば、その設定値を350mg/dlにする等、測定者に応じて設定してもよい。
また、測定された血糖値が50mg/dl以下であった場合、警告音出力部263、表示部262が警告を発するが、この場合も同様に、測定者に応じて設定してもよい。
【0195】
(G)
上記実施形態の無線血糖計2では、図1に示す制御ブロックは、それぞれのハードウェアの機能により構築する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0196】
図1に示す制御ブロックの構築は、例えば、1つのハードウェアやコンピュータソフトウェア、あるいはハードウェアとコンピュータソフトウェアの機能を組み合わせてもよく、処理能力等に応じて適宜決めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明に係る生体試料測定装置は、微弱な電波を用いて通信を行う際に低消費電力化を図ることができ、電源としてバッテリを用いて無線で通信を行う生体試料測定装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明の第1の実施形態における無線血糖計と周辺デバイスのブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態における血糖値検出部のブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態における送信部のブロック図。
【図4】本発明の第1の実施形態における送信部の制御フローチャート。
【図5】本発明の第1の実施形態における受信部のブロック図。
【図6】本発明の第1の実施形態における受信部の制御フローチャート。
【図7】本発明の第1の実施形態における記憶部のブロック図。
【図8】本発明の第1の実施形態における格納フォーマットを説明する説明図。
【図9】本発明の第1の実施形態における記憶部の制御フローチャート。
【図10】本発明の第1の実施形態における送信電力決定部のブロック図。
【図11】本発明の第1の実施形態における送信電力決定部の制御フローチャート。
【図12】本発明の第1の実施形態におけるインタフェース部のブロック図。
【図13】本発明の第2の実施形態における受信部のブロック図。
【図14】本発明の第2の実施形態における受信部の制御フローチャート。
【図15】本発明の第2の実施形態における格納フォーマットを説明する説明図。
【図16】本発明の第2の実施形態における送信電力決定部のブロック図。
【図17】本発明の第2の実施形態における送信電力決定部の制御フローチャート。
【図18】本発明の第3の実施形態における格納フォーマットを説明する説明図。
【図19】本発明の第3の実施形態における送信電力決定部のブロック図。
【図20】本発明の第3の実施形態における送信電力決定部の制御フローチャート。
【図21】本発明の第3の実施形態における携帯端末のブロック図。
【図22】従来の無線携帯端末機における送信電力の制御フローチャート。
【符号の説明】
【0199】
1 バイオセンサ
2 無線血糖計(生体試料測定装置)
3 携帯端末(外部機器)
4 血糖値測定システム(生体試料測定システム)
11 作用極
12 対極
13 反応体
21 血糖値検出部(生体データ測定部)
22 送信部
23 受信部
24 記憶部
25 送信電力決定部
26 インタフェース部
28 ノイズ電力取得部(雑音電力測定部)
211 コネクタ
212 演算増幅器
213 帰還抵抗
214 基準電位
215 A/D変換回路
216 演算回路
221 送信制御回路
222 最適電力保持レジスタ
223 最大電力保持レジスタ
224 セレクタ
225 送信回路
231 受信制御回路
232 受信回路
233 プリアンブル検出回路
234 シンクパターン検出回路
235 復調回路
236 受信レジスタ
237 誤り検出回路
241 メモリ
242 メモリ制御回路
243 調停回路
244 条件判別回路
245 カレントポインタ
246 アドレス生成回路
247 データレジスタ
251 送信電力制御回路
252 変換テーブル
253 送信電力セレクタ
254 送信電力レジスタ
255 送信電力制御回路
256 ノイズ電力レジスタ
261 動作設定部
262 表示部
263 警告音出力部
264 時間管理部
A1 受信部(外部受信部)
A2 受信電力判定部
A3 誤り検出部
A4 記憶部
A5 送信電力選択部
A6 送信部(外部送信部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線を介して外部機器と通信を行う生体試料測定装置であって、
生体データを測定する生体データ測定部と、
前記生体データ測定部で測定した前記生体データを送信する送信部と、
前記外部機器が前記送信部によって送信された前記生体データを正常に受信した際に返信するアクノリッジ信号を受信する受信部と、
前記送信部が前記生体データの送信を行った際の送信電力および前記アクノリッジ信号の受信の有無を履歴情報として記憶する記憶部と、
前記記憶部に格納されている前記履歴情報、または、抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された前記履歴情報に基づいて前記送信部の送信電力を決定する送信電力決定部と、
を備えている、生体試料測定装置。
【請求項2】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って所定の個数の前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報において前記アクノリッジ信号受信有りの前記履歴情報が所定の個数以上ある場合、前記履歴情報として記憶されている前記送信電力よりも小さくなるように、前記送信部の前記送信電力を決定する、
請求項1に記載の生体試料測定装置。
【請求項3】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って所定の個数の前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報において前記アクノリッジ信号の受信有りの前記履歴情報が所定の個数以上なかった場合、前記履歴情報として記憶されている前記送信電力よりも大きくなるように、前記送信部の前記送信電力を決定する、
請求項1に記載の生体試料測定装置。
【請求項4】
前記送信部が送信する直前の雑音電力の測定を行う雑音電力測定部をさらに備えており、
前記記憶部は、前記雑音電力測定部によって測定された前記雑音電力を前記履歴情報としてさらに記憶する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項5】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って前記アクノリッジ信号の受信有りの前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報における前記送信電力に対する前記雑音電力の比と同じになるように、前記雑音電力測定部が測定する前記雑音電力に基づいて前記送信部の前記送信電力を決定する、
請求項4に記載の生体試料測定装置。
【請求項6】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って所定の個数の前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報において前記アクノリッジ信号の受信有りの前記履歴情報が所定の個数以上ある場合、前記履歴情報における前記送信電力に対する前記雑音電力の比よりも大きくなるように、前記雑音電力測定部が測定する前記雑音電力に基づいて前記送信部の前記送信電力を決定する、
請求項4に記載の生体試料測定装置。
【請求項7】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って所定の個数の前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報において前記アクノリッジ信号の受信有りの前記履歴情報が所定の個数以上なかった場合、前記履歴情報における前記送信電力に対する前記雑音電力の比よりも小さくなるように、前記雑音電力測定部が測定する前記雑音電力に対して前記送信部の前記送信電力を決定する、
請求項4に記載の生体試料測定装置。
【請求項8】
無線を介して外部機器と通信を行う生体試料測定装置であって、
生体データを測定する生体データ測定部と、
前記生体データ測定部で測定した前記生体データを送信する送信部と、
前記外部機器が前記送信部によって送信された前記生体データを正常に受信した際に返信するアクノリッジ信号を受信する受信部と、
前記送信部が前記生体データの送信を行った際の送信電力および前記アクノリッジ信号の受信の有無と、前記外部機器が前記生体データを受信した際の受信電力とを含む履歴情報と、前記外部機器が前記生体データを受信する際の最適な受信電力である基準受信電力と、を記憶する記憶部と、
前記記憶部に格納されている前記履歴情報と前記基準受信電力、あるいは、抽出条件を定めた送信電力決定規則に従って抽出された前記履歴情報と前記基準受信電力に基づいて前記送信部が送信する際の送信電力を決定する送信電力決定部と、
を備えている、生体試料測定装置。
【請求項9】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って1つの前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報における前記受信電力と前記基準受信電力とを比較して、前記受信電力の方が大きい場合には、抽出された前記履歴情報として記憶されている前記送信電力よりも小さくなるように前記送信部が送信する際の前記送信電力を決定し、前記受信電力の方が小さい場合には、抽出された前記履歴情報として記憶されている前記送信電力よりも大きくなるように前記送信部が送信する際の前記送信電力を決定する、
請求項8に記載の生体試料測定装置。
【請求項10】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って所定の個数の前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報において前記アクノリッジ信号受信有りの前記履歴情報が所定の個数以上ある場合、前記基準受信電力を前記記憶部に記憶されている値よりも小さくする、
請求項8または9に記載の生体試料測定装置。
【請求項11】
前記送信電力決定部は、前記送信電力決定規則に従って所定の個数の前記履歴情報を抽出し、抽出された前記履歴情報において前記アクノリッジ信号受信有りの前記履歴情報が所定の個数以上なかった場合、前記基準受信電力を前記記憶部に記憶されている値よりも大きくする、
請求項8または9に記載の生体試料測定装置。
【請求項12】
前記送信電力決定規則は、新しいものから順に前記履歴情報を抽出するように定められている、
請求項1から11のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項13】
前記送信電力決定規則は、前記送信電力決定部における前記履歴情報の抽出時と同じ曜日の前記履歴情報を抽出するように定められている、
請求項1から12のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項14】
前記送信電力決定規則は、前記送信電力決定部における前記履歴情報の抽出時と同じ時間帯の前記履歴情報を抽出するように定められている、
請求項1から13のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項15】
前記送信電力決定部は、前記生体データ測定部によって測定された生体データが所定の範囲の値ではない場合には、前記送信部が出力可能な最大の前記送信電力に決定する、
請求項1から14のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項16】
前記生体データ測定部によって測定された生体データを表示する為の表示部と、測定者が各種動作設定を行う為の動作設定部と、警告音を出力する為の警告音出力部と、を有しているインタフェース部をさらに備えており、
前記生体データ測定部によって測定された前記生体データが所定の値よりも低い場合、前記警告音出力部から警告音を出力するとともに前記表示部に緊急ステータスを表示する、
請求項1から15のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項17】
前記緊急ステータスは、電話番号である、
請求項16に記載の生体試料測定装置。
【請求項18】
前記緊急ステータスは、低血糖に対する対処方法である、
請求項16または17に記載の生体試料測定装置。
【請求項19】
前記生体データ測定部が血糖値を測定する構成とした無線血糖計である、
請求項1から18のいずれか1項に記載の生体試料測定装置。
【請求項20】
請求項8から11のいずれか1項に記載の生体試料測定装置と、
前記生体試料測定装置から送信された生体データを受信する外部受信部と、前記外部受信部が前記生体データを正常に受信したか否かを判定する誤り検出部と、前記誤り検出部が前記生体データを正常に受信したと判定した時に前記生体試料測定装置に対してアクノリッジ信号を送信する外部送信部と、前記外部受信部が前記生体データを受信した際の受信電力を測定し、所定の値と比較する受信電力判定部と、前記受信電力判定部の判定結果に基づいて前記外部送信部の送信電力を選択する送信電力選択部と、を有している外部機器と、
を備えている、生体試料測定システム。
【請求項21】
前記送信電力選択部は、前記受信電力判定部が、前記外部受信部が前記生体データを受信した際の前記受信電力が前記所定の値よりも小さいと判定した時、前記外部送信部における前記送信電力として最大電力を選択する、
請求項20に記載の生体試料測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−195679(P2009−195679A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309060(P2008−309060)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】