説明

画像入出力装置

【課題】表示された画像パターンの画像情報を読み取ることが可能な画像入出力装置を提供する。
【解決手段】この画像入出力装置は、画像を表示する表示層21と、有機材料から構成され、表示層21を透過した光を検出する光電変換層51とを備えている。そして、光電変換層51は、面内方向における所定方向に配向処理が施されており、表示層21を透過した偏光のうち、直線偏光の光軸が光電変換層51の光吸収方向(配向処理方向)と実質的に一致する偏光の光量を測定することにより表示層21の画像パターンを識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入出力装置に関し、特に、画像を表示するための表示層を備えた画像入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示するための表示層を備え、光学的なパターン照射によって画像を書き込む光アドレス型電子ペーパーが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の光アドレス型電子ペーパーは、一対の透明電極を有する基板内に、メモリ性を有するコレステリック液晶からなる表示層、光吸収層および光導電層が挟まれた構造を有している。上記した構造を有する光アドレス型電子ペーパーでは、透明電極間にバイアス電圧を印加しながら画像を表すパターン光を光導電層に照射すると、光が当たった部分は光導電層のインピーダンスが低下し、表示層に強い電界が加わる。これにより、電源印加後に外光を反射する状態に液晶が保持される。一方、光が当たらなかった部分は、光導電層のインピーダンスが高いままの状態なので、表示層側には弱い電界しか加わらない。このため、電圧印加後に光を透過する状態に液晶が保持される。この反射と透過の状態差により、画像が表示される。すなわち、光学的なパターン照射と同時に表示層に画像が表示される。
【0004】
【特許文献1】特開2007−114472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しなしながら、上記した光アドレス型電子ペーパーでは、光学的なパターン照射によって画像を書き込むことが可能であるものの、書き込まれた画像の画像情報を画像データとして読み取ることができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、表示された画像パターンの画像情報を読み取ることが可能な画像入出力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による画像入出力装置は、画像を表示する表示層と、有機材料から構成され、表示層を透過した光を検出する光電変換層とを備えている。そして、光電変換層は、面内方向における所定方向に配向処理が施されており、表示層の表示状態に応じた光量の光を検出するように構成されている。
【0008】
この一の局面による画像入出力装置では、上記のように、表示層を透過した光を検出する光電変換層を備えることによって、光電変換層で表示状態に応じた光量の光を検出することにより、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることができる。また、光電変換層を有機材料から構成するとともに、面内方向における所定方向に配向処理を施すことによって、表示状態に応じた光量の光を精度よく検出することができる。また、光電変換層における光電変換効率を向上させることができる。
【0009】
なお、一の局面による画像入出力装置では、画像パターンが表示されている状態で表示層を透過した光が光電変換層で検出されることにより、画像パターンの画像情報が画像データとして読み取られる。
【0010】
上記一の局面による画像入出力装置において、表示層を有する表示部(表示媒体)と光電変換層を有するセンサ部とを備えた構成にすることができる。この場合、表示部(表示媒体)とセンサ部とが一体に構成されていてもよいし、表示部(表示媒体)とセンサ部とが分離可能に構成されていてもよい。
【0011】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、光電変換層が偏光センサ機能を有しており、表示層を透過した偏光の光量を測定することにより、表示層の画像パターンを識別する。このように構成すれば、容易に、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることができる。
【0012】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、光電変換層に入射される直前の偏光の少なくとも一部は、直線偏光であり、表示層を透過した偏光のうち、直線偏光の光軸が光電変換層の光吸収方向と実質的に一致する偏光の光量を測定することにより、表示層の画像パターンを識別する。このように構成すれば、より容易に、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることができる。
【0013】
上記一の局面による画像入出力装置において、表示層は、カイラルネマチック液晶表示層から構成されているのが好ましい。
【0014】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、光電変換層側へ透過する円偏光を直線偏光に変換する変換手段をさらに備える。このように構成すれば、表示状態に応じた光量の光を光電変換層で容易に検出することが可能となるので、容易に、表示層の画像パターンを識別することができる。
【0015】
この場合において、変換手段は、1/4波長板であるのが好ましい。
【0016】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板をさらに備え、1/4波長板が、表示層と光電変換層との間に配置されている。このように構成すれば、容易に、表示層の表示状態に応じた光量の光を光電変換層で検出可能に構成することができるので、容易に、表示層の画像パターンを識別することができる。
【0017】
上記一の局面による画像入出力装置において、表示層はその表示状態により、入射光の位相を変化させる機能を有しているのが好ましい。
【0018】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、偏光板および1/4波長板をさらに備え、偏光板、1/4波長板、表示層および光電変換層の順に配置された構成を有している。このように構成した場合でも、表示層の表示状態に応じた光量の光を検出可能に構成することができるので、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることが可能な画像入出力装置を得ることができる。
【0019】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、第1偏光板および第2偏光板と、1/4波長板とをさらに備え、第1偏光板、1/4波長板、表示層、第2偏光板、光電変換層の順に配置された構成を有している。このように構成した場合でも、表示層の表示状態に応じた光量の光を検出可能に構成することができるので、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることが可能な画像入出力装置を得ることができる。
【0020】
上記一の局面による画像入出力装置において、表示層がカイラルネマチック液晶表示層からなり、カイラルネマチック液晶表示層が、フォーカルコニック配向時に1/4波長のリタデーション特性(位相差)を示すように構成されているのが好ましい。
【0021】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、表示層は、ネマチック液晶表示層からなるとともに、第1偏光板および第2偏光板をさらに備え、第1偏光板、表示層、第2偏光板および光電変換層の順に配置された構成を有している。このように構成することによっても、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることが可能な画像入出力装置を得ることができる。
【0022】
この場合において、表示層はその表示状態により、入射光の位相を変化させる機能を有しているのが好ましい。
【0023】
上記一の局面による画像入出力装置において、光電変換層を構成する有機材料が、チオフェン系ポリマーと可溶性フラーレン誘導体とを含むように構成されているのが好ましい。
【0024】
上記一の局面による画像入出力装置において、好ましくは、光電変換層を構成する有機半導体膜が、バルクへテロ構造に構成されている。このように構成すれば、光電変換層における光電変換効率を容易に向上させることができる。
【0025】
上記一の局面による画像入出力装置において、表示層に画像パターンを書き込むための外部書き込み機能を有しており、外部からの書き込み手段により、表示層に画像パターンが書き込まれるのが好ましい。
【0026】
上記外部書き込み機能を有する構成において、外部からの書き込み手段が光照射であるのが好ましい。
【0027】
上記外部書き込み機能を有する構成において、外部からの書き込み手段は熱であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明によれば、表示された画像パターンの画像情報を読み取ることが可能な画像入出力装置を容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の構造を説明するための断面図である。図3は、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の平面図であり、図4は、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の断面図である。図5〜図10は、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の構造を説明するための図である。まず、図1〜図10を参照して、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の構造について説明する。
【0031】
第1実施形態による画像入出力装置は、図1に示すように、画像を表示する表示部(表示媒体)10と、表示部10に表示されている画像パターンの画像情報を画像データとして読み取る偏光センサ部40とを備えている。また、第1実施形態による画像入出力装置は、反射型の表示装置として機能するように構成されている。
【0032】
画像入出力装置を構成する表示部10は、液晶表示素子20と1/4波長板30とを含んでいる。液晶表示素子20は、画像を表示する表示層21と、互いに対向配置され、表示層21を挟持する一対の基板(第1基板22および第2基板23)とを有している。
【0033】
第1基板22および第2基板23は、それぞれ、光透過性を有する絶縁性材料から構成されている。具体的には、第1基板22および第2基板23は、プラスチックフィルムなどのフィルム基板から構成されている。なお、プラスチックフィルムとしては、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)などからなるフィルム等を用いることができる。
【0034】
第1基板22の上面(第2基板23と対向する面)上には、絶縁性薄膜(図示せず)を介して下部電極24が所定の厚みで形成されている。この下部電極24は、ITO(Indium Tin Oxide)などの光透過性を有する導電性材料から構成されている。また、下部電極24の上面(第2基板23と対向する面)上には、配向膜25が形成されている。
【0035】
第2基板23の下面(第1基板22と対向する面)上には、絶縁性薄膜(図示せず)を介して上部電極26が所定の厚みで形成されている。この上部電極26は、上記下部電極24と同様、ITOなどの光透過性を有する導電性材料から構成されている。
【0036】
また、図2に示すように、上部電極26の下面(第1基板22と対向する面)上には光導電層27が形成されている。この光導電層27は、たとえば、a−Si:H、a−Se、Te−Se、As2Se3、CdSe、CdSなどの無機光導電体、あるいはアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ピロロピロール顔料、インジゴ顔料などの電荷発生材料とアリールアミン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、PVKなどの電荷輸送材料とを組み合わせた有機光導電体(OPC)などから構成されている。光導電層27の下面(第1基板22と対向する面)上には、配向膜28が形成されている。なお、図1では、光導電層27の記載を省略している。
【0037】
第1基板22と第2基板23との間には、高分子構造物(図示せず)およびスペーサ(図示せず)が設けられている。上記高分子構造物は、スペース保持部材としての機能と、両基板を接着する接着部材としての機能とを兼ねている。また、スペーサは、スペース保持部材としての機能を有しており、両基板間の間隔(セルギャップ)を均一に保持するために設けられている。この高分子構造物およびスペーサにより、両基板間の間隔(セルギャップ)が所定の間隔となるように設定されている。また、両基板の周縁部には、シール材(図示せず)が設けられており、このシール材によって両基板が互いに接合されている。そして、このシール材によって、第1基板22と第2基板23との間に表示層21が封止されている。シール材としては、たとえば、住友ベークライト社製のスミライトERS−2400(主剤)+ERS−2840(硬化剤)を用いることができる。
【0038】
なお、上記絶縁性薄膜は、たとえば、酸化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウムやそのアルコキシドからなる無機膜やポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などの有機膜から構成されており、これらの材料を用いて蒸着法、スピンコート法、ロールコート法などの方法を用いて形成することができる。また、絶縁性薄膜は、上記高分子構造物に用いる高分子樹脂と同じ材料を用いて形成することもできる。また、上記配向膜25および28は、それぞれ、可溶性ポリイミド(たとえば、JSR社製 垂直配向膜Al−2022)から構成されており、印刷法などを用いて形成することができる。
【0039】
第1基板22と第2基板23との間に封止される表示層21は、カイラルネマチック液晶組成物からなる。すなわち、第1実施形態では、液晶表示素子20の表示層21は、カイラルネマチック液晶表示層からなる。カイラルネマチック液晶は、室温でコレステリック液晶相を示すネマチック液晶であり、ネマチック液晶にコレステリック液晶相を示すに十分なカイラル剤を添加することによって得られる。なお、ネマチック液晶としては、たとえば、メルク社製のBL006を用いることができ、カイラル剤としては、たとえば、メルク社製のCB15を用いることができる。このカイラルネマチック液晶は、分子配列の方向が少しずつ捩れながら積み重なった螺旋構造を有している。そして、上部電極26と下部電極24とによって表示層21に電圧(たとえばパルス電圧)が印加されると、カイラルネマチック液晶組成物からなる表示層21は、液晶の配向状態が変化する。
【0040】
具体的には、螺旋軸が基板面に垂直になるプレーナ(Planar)配向を初期配向として、電場強度の増加に伴って、螺旋軸が基板面に平行になるフォーカルコニック(Focal conic)配向、螺旋構造がほどけて液晶分子が電場方向に揃うホメオトロピック配向へと配向状態が変化する。各配向状態から印加電場を急激に取り除くと、ホメオトロピック配向はプレーナ配向へと遷移し、プレーナ配向とフォーカルコニック配向とはほぼそのままの状態を維持する。また、プレーナ配向およびフォーカルコニック配向は、無電圧状態でも安定でありメモリ性を示す。
【0041】
また、液晶表示素子20の表示層21は、プレーナ配向では螺旋ピッチに応じた波長の光が選択反射される。なお、螺旋ピッチは、カイラル剤の添加量により調整することが可能である。
【0042】
ここで、周期構造をもつ物質に電磁波をあてると、その周期や入射角によってある波長の波が干渉で強め合い反射される。たとえば、カイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)の螺旋周期が可視光の波長と同程度であるとすると、螺旋軸に沿って入射された可視光のうち、螺旋周期の屈折率倍の波長の光が強く反射される。カイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)の周期は螺旋構造の周期であるため、反射光は円偏光に依存したものになる。具体的には、右螺旋に右円偏光が入射されると周期構造を感じる一方、右螺旋に左円偏光が入射されても周期構造を感じない。左螺旋についても同様の関係がある。このため、右螺旋は右円偏光を反射し、左円偏光を透過する。同様に、左螺旋は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。すなわち、カイラルネマチック液晶の螺旋構造が右螺旋の場合、プレーナ配向において、表示層21に入射される光のうち右円偏光成分を反射し、左円偏光成分を透過する。同様に、カイラルネマチック液晶の螺旋構造が左螺旋の場合、プレーナ配向において、表示層21に入射される光のうち左円偏光成分を反射し、右円偏光成分を透過する。
【0043】
一方、液晶表示素子20の表示層21は、フォーカルコニック配向では透過状態となるので、この場合には、入射された光はそのまま表示層21を透過する。
【0044】
上記のように構成された液晶表示素子20では、図2に示すように、上部電極26と下部電極24との間に電圧(パルス電圧)を印加しながら画像を表すパターン光(書き込み光)を光導電層27に照射すると、光導電層27において内部光電効果による自由キャリアが発生し、照射光量の増加に応じて光導電層27のインピーダンスが低下する。すなわち、光が当たった部分は光導電層27のインピーダンスが低下する。このため、その部分の表示層21に強い電界が加わる。これにより、電源印加後に外光を反射する状態(プレーナ配向状態)に表示層21の液晶が保持される。一方、光が当たらなかった部分は、光導電層27のインピーダンスが高いままの状態なので、表示層21側には弱い電界しか加わらない。このため、電圧印加後に外光を透過する状態(フォーカルコニック配向状態)に液晶が保持される。このように第1実施形態による画像入出力装置では、光照射(外部書き込み手段)により画像パターンを書き込む外部書き込み機能を有している。
【0045】
また、表示層21を透過した光は、後述する光吸収層42(図1および図4参照)で吸収される。これにより、反射では明表示、透過では暗表示となる。したがって、反射(明表示)と透過(暗表示)の状態差により、表示層21に画像(画像パターン)が表示(観察)される。なお、表示層21に印加されている電界の強さにより、プレーナ配向とフォーカルコニック配向とが混在している場合には、中間調表示も可能である。また、第1実施形態による画像入出力装置は、反射型に構成されているため、液晶表示素子20(表示部10)の上面側が観察側となる。
【0046】
1/4波長板30は、円偏光を直線偏光に(または直線偏光を円偏光に)変換する位相差板である。この1/4波長板30は、たとえば、ポリマーフィルム、液晶フィルム、液晶材料を配向させたフィルムなどから構成されている。なお、1/4波長板30は、本発明の「変換手段」の一例である。
【0047】
また、上記1/4波長板30は、液晶表示素子20(第1基板22)の裏面側(観察側と反対側)に設けられている。このため、液晶表示素子20の表示層21を透過した光(円偏光)は、1/4波長板30によって直線偏光に変換される。
【0048】
偏光センサ部40は、図1および図4に示すように、所定の厚みを有するプラスチックフィルムなどからなる樹脂基板41を備えている。なお、プラスチックフィルムとしては、上記第1基板22および第2基板23と同様、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)などからなるフィルム等を用いることができる。
【0049】
この樹脂基板41は、光透過性を有しており、樹脂基板41上には、可視光を吸収する光吸収層42が所定の厚みで形成されている。また、図3および図4に示すように、樹脂基板41の光吸収層42上には、絶縁層43を介して複数の画素が二次元マトリクス状に配列されている。複数の画素の各々は、光を電荷(電気エネルギ)に変換する光電変換部50(図1参照)と、電荷による電気信号を読み出すためのスイッチング素子であるTFT(Thin Film Transistor)60とを含んでいる。
【0050】
光電変換部50は、図4および図5に示すように、光電変換可能な有機材料からなる光電変換層51と、この光電変換層51を上下に挟む2つの電極(画素電極52、共通電極53)とを含んでいる。
【0051】
光電変換部50を構成する画素電極52は、Alなどの導電性材料から構成されており、画素毎に分離されている。また、画素電極52は、所定の厚みを有するとともに、図3に示すように、画素領域内において、所定の平面パターンで形成されている。
【0052】
画素電極52上には、図4および図5に示すように、上記光電変換層51が所定の厚み(たとえば約70〜約100nm)で形成されている。この光電変換層51は、電子供与体と電子受容体とが混合されたバルクへテロ構造を有している。具体的には、光電変換層51は、チオフェン系ポリマーであるP3HT(poly(3−hexyl thiophene))と可溶性フラーレン誘導体であるPCBM(phenyl C61−butylic acid methyl ester)との混合溶液の液滴が樹脂基板41上に塗布されることによって形成されている。
【0053】
なお、光電変換層51は、電子受容体(PCBM)と電子供与体(P3HT)とが均一に混在された単一層に構成されていてもよいが、図6に示すように、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成されていてもよい。電極間に電子供与体と電子受容体とを混合した層を形成した光電変換素子(光電変換部)において、電子受容体と電子供与体とを均一に混在させると、電荷分離後に発生した電子と正孔とが電荷輸送中に再結合し易くなる。そして、これが光電変換効率を低下させる要因となり得る。一方、電極間に電子供与体の単体層と電子受容体の単体層とを挟んだ光電変換素子(光電変換部)では、電子供与体層と電子受容体層との界面でしか電荷分離が行われないため、電荷発生量が小さくなる。このため、光電変換効率が低くなる。
【0054】
そこで、光電変換層51を、電子受容体および電子供与体の混合比を変えた複数の層が積層された積層構造にすることによって、素子性能を低下させる原因となる電荷発生量の問題、および電荷分離後の電荷輸送の問題を解決することが可能となる。たとえば、電子を捕集する電極側に電子受容体の混合比の高い層を配置する一方、正孔を捕集する電極側に電子供与体の混合比の高い層を配置することにより、発生電荷量を大きく保ったまま、電荷輸送中の再結合確率を下げることができる。
【0055】
具体的には、たとえば、図6に示すように、画素電極側から、電子供与体のみの層51a、電子受容体と電子供与体との混合比が1:5である電子受容体/電子供与体=1/5(当量比)の層51b、電子受容体と電子供与体との混合比が1:1である電子受容体/電子供与体=1/1(当量比)の層51c、電子受容体と電子供与体との混合比が5:1である電子受容体/電子供与体=5/1(当量比)の層51d、および電子受容体のみの層51eを順次積層することによって光電変換層51を形成することができる。
【0056】
ここで、第1実施形態では、上記光電変換層51は面内方向の所定方向に配向処理が施されている。有機材料からなる上記光電変換層51では、所定方向に配向処理を施すことにより分子軸を揃えることによって、図7および図8に示すように、偏光吸収が生じる。これにより、上記光電変換層51は、偏光センサ機能を有するように構成されている。
【0057】
偏光センサ機能を有する光電変換層51では、配向処理方向と入射される光(直線偏光)の光軸方向とが略一致する場合、光電変換効率が一般的な光電センサよりも高くなる。その一方、入射される光(直線偏光)の光軸方向が、配向処理方向と略直交する場合には、光電変換効率が著しく低下する。たとえば、図9に示すように、光電変換層51にX方向の配向処理が施されている場合には、X方向成分の光は吸収され易く、Y方向成分の光は吸収され難くなる。一方、図10に示すように、光電変換層51にY方向の配向処理が施されている場合には、X方向成分の光は吸収され難く、Y方向成分の光は吸収され易くなる。
【0058】
また、光電変換層51の配向処理方向は、表示層21を透過した後1/4波長板30によって直線偏光に変換された透過光において、画像パターンに応じた光を受光(検出)するように設定されている。
【0059】
なお、上記において、画素電極52と光電変換層51との間に、たとえば、PEDOT(poly(3,4−ethylenedioxythiphene))とPSS(poly(4−styrenesulfonate))との混合物からなるバッファ層などが形成されていてもよい。
【0060】
共通電極53は、光電変換層51を介して上記画素電極52と対向し、全画素で共通の1つの電極となっている。この共通電極53は、ITOなどの光透過性を有する導電性材料から構成されている。
【0061】
TFT60は、有機半導体材料を用いた有機TFTから構成されている。このTFT60は、図4に示すように、ゲート電極60a、絶縁層43、ソース電極60b/ドレイン電極60cおよび有機半導体層60dを有している。また、図3に示すように、樹脂基板41上の画素間には、ゲート線として機能する第1導電層44が行方向(X方向)に延びるように形成されているとともに、データ線(信号線)として機能する第2導電層45が列方向(Y方向)に延びるように形成されている。
【0062】
具体的には、樹脂基板41の上面上(光吸収層42上)に、第1導電層44、および第1導電層44と一体的に形成されたゲート電極60aが設けられている。この第1導電層44は、行方向(X方向)に延びるように形成されている一方、ゲート電極60aは、所定の位置において、第1導電層44と直交する方向(Y方向)に延びるように形成されている。なお、第1導電層44およびゲート電極60aは、それぞれ、複数設けられており、同一の行に属するゲート電極60aには、その行に対応する第1導電層44が電気的に接続(一体的に形成)されている。また、樹脂基板41の上面上には、図4に示すように、第1導電層44(図3参照)およびゲート電極60aを覆うように全面に絶縁層43が形成されている。そして、ゲート電極60a上および樹脂基板41上の所定領域に、絶縁層43を介して、ソース電極60bおよびドレイン電極60cが形成されている。
【0063】
また、上記樹脂基板41の上面上には、絶縁層43を介して第2導電層45(図3参照)が複数形成されている。この第2導電層45は、それぞれ、TFT60の近傍に第1導電層44と直交する方向(Y方向:列方向)に延びるように形成されている。そして、同一の列に属するTFT60のソース電極60bには、その列に対応する第2導電層45が電気的に接続されている。
【0064】
ゲート電極60aの上部には、図4に示すように、有機半導体層60dがソース電極60bおよびドレイン電極60cの各々の一部を覆うように形成されている。また、TFT60のドレイン電極60cは、上記した光電変換部50の画素電極52と電気的に接続されている。
【0065】
なお、有機半導体層60dには、たとえば、ペンタセンなどを構成材料として用いることができる。また、有機半導体層60dの構成材料として、溶媒に溶解または分散可能な有機半導体材料を用いることもできる。たとえば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)などのポリチオフェン類、チオフェンの6量体を基本に側鎖を有するオリゴチオフェンなどの芳香族オリゴマー類、ペンタセンに置換基を持たせ溶解性を高めたペンタセン類、ポリフルオレンとチオフェンとの共重合体(F8T2)、ポリチエニレンビニレンまたはフタロシアニンなどを構成材料として用いることができる。このように、有機半導体層60dを溶媒に溶解または分散可能な有機半導体材料から構成した場合には、印刷プロセスを用いて容易に有機半導体層60d(有機TFT)を形成することが可能となる。
【0066】
また、樹脂基板41の上面上には、TFT60および光電変換部50を覆うように、感光性アクリル樹脂などからなる平坦化膜46が形成されている。
【0067】
このように、上記偏光センサ部40は、光電変換層51からなる偏光センサが二次元マトリクス状に配列された構造を有しており、表示部10の裏面側(観察側と反対側)に配置されている。なお、偏光センサ部40が表示部10の裏面側に配置されることにより、上記1/4波長板30が、表示層21と光電変換層51との間に配置されることになる。
【0068】
図11および図12は、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。次に、図1、図11および図12を参照して、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の動作について説明する。なお、以下の説明では、表示層21は、左円偏光C1を選択反射するように設定されているものとする。また、光電変換層51は所定のA方向に配向処理が施されているものとする。このため、光軸方向がA方向の直線偏光S1は吸収され易く(直線偏光S1を検出するように)なっている。また、A方向と直交する方向とB方向とすると、光軸方向がB方向の直線偏光S2は吸収され難くなっている。
【0069】
まず、図11に示すように、パターン露光(光照射)により表示部10(表示層21)に画像パターンの書き込み処理(光書き込み)が行われる。この書き込み処理により、表示層21におけるカイラルネマチック液晶の配向状態が、プレーナ配向またはフォーカルコニック配向に変化する。
【0070】
次に、外光などの光によって、配向状態が変化した表示層21に全面露光を行うと、図1に示したように、フォーカルコニック配向では、暗表示となり、プレーナ配向では明表示となる。この明表示と暗表示との状態差により、表示層21に表示された画像パターンが観察される。
【0071】
そして、全面露光がされている間の所定のタイミングで表示層21に表示されている画像パターンのセンシングが行われる。すなわち、この間における所定のタイミングで、表示された画像パターンの画像情報が画像データとして読み取られる。
【0072】
画像データが読み取られると、再び、画像パターンの書き込み処理が行われ、以後同様に、書き込まれた画像パターンの画像情報が画像データとして読み取られる。
【0073】
画像データの読み取りは、以下のようにして行われる。
【0074】
まず、図12に示すように、全面露光によって表示層21に外光が入射される。フォーカルコニック配向状態の表示層21に外光が入射されると、フォーカルコニック配向では透過状態となるので、入射された光(左円偏光C1、右円偏光C2)は、表示層21を透過する。表示層21を透過した円偏光は、1/4波長板30で直線偏光に変換される。具体的には、左円偏光C1は、光軸方向がA方向の直線偏光S1に変換され、右円偏光C2は、光軸方向がB方向の直線偏光S2に変換される。変換された直線偏光は、表示部10の裏面側に設けられている偏光センサ部40の光電変換層51に入射される。偏光センサ部40の光電変換層51は、直線偏光S1を検出するように配向処理が施されているため、入射された直線偏光S1およびS2のうち、直線偏光S1が表示状態に応じた光量で検出される(光検出有り)。
【0075】
一方、プレーナ配向状態の表示層21に外光が入射されると、左円偏光C1は選択反射によって反射されるので、右円偏光C2のみが表示層21を透過する。表示層21を透過した右円偏光C2は、1/4波長板30で直線偏光S2に変換される。そして、変換された直線偏光S2が、光電変換層51に入射される。光電変換層51は、直線偏光S2を検出し難いように配向処理が施されている(直線偏光S1を検出するように配向処理が施されている)ため、光電変換層51に透過光が入射された場合でも、光電変換層51による光検出はされない(光検出無し)。
【0076】
このように、フォーカルコニック配向では、全面露光により入射された外光が偏光センサ部40の光電変換層51で検出される一方、プレーナ配向では、全面露光により入射された外光が偏光センサ部40の光電変換層51で検出されない。これにより、表示層21に表示されている画像パターンに応じた光が偏光センサ部40の画素で検出される。したがって、検出された光を光電変換部50で電荷(電気エネルギ)に変換するとともに、電荷による電気信号をTFT60で読み出すことによって、表示された画像パターンの画像情報が画像データとして読み取られる。
【0077】
図13〜図19は、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の形成方法を説明するための図である。次に、図1、図3および図13〜図19を参照して、本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部40の形成方法について説明する。
【0078】
まず、図13に示すように、所定の厚みを有する樹脂基板41上に、印刷法などを用いて光吸収層42を形成する。次に、光吸収層42上に、TFT60を形成する。TFT60の形成は、まず、光吸収層42上に、スパッタリング法などにより、ゲート線として機能する第1導電層44(図3参照)およびゲート電極60aを形成する。次に、プラズマCVD法などを用いて、第1導電層44およびゲート電極60aを覆うように絶縁層43を全面に形成する。
【0079】
次に、図14に示すように、ゲート電極60a上および樹脂基板41上の所定領域に、絶縁層43を介してソース電極60bおよびドレイン電極60cを形成する。そして、絶縁層43上の所定領域に、データ線として機能する第2導電層45(図3参照)を形成する。この際、第2導電層45は、ソース電極60bと電気的に接続されるように形成する。
【0080】
続いて、ゲート電極60aの上部に位置する領域に、ソース電極60bおよびドレイン電極60cの一部を覆うように、有機半導体層60dを形成する。これにより、樹脂基板41上に、ゲート電極60a、絶縁層43、ソース電極60b/ドレイン電極60c、および有機半導体層60dを含むTFT60が形成される。
【0081】
次に、絶縁層43上の画素領域となる領域内に、スパッタリング法などにより、Alなどの導電性材料からなる画素電極52を形成する。この際、画素電極52は、TFT60のドレイン電極60cと電気的に接続されるように形成する。
【0082】
次に、CF4ガスを用いた減圧プラズマ法によって画素電極52が形成された樹脂基板41の全体を撥液処理する。そして、樹脂基板41の表面の画素電極52以外の部分をメタルマスクで遮蔽した後にUVオゾン照射を行うことによって画素電極52の表面を親液処理する。
【0083】
その後、P3HTとPCBMとの混合液を樹脂基板41の表面全体にスピンコート法により塗布する。これにより、図15および図16に示すように、上記親液処理が施された画素電極52の部分のみに光電変換層51が形成される。
【0084】
なお、P3HTとPCBMとの混合溶液は、以下のようにして作製することができる。すなわち、図17に示すように、クロロホルムからなる溶媒中にP3HTを1wt%添加し、超音波を5分間印加する。これにより、P3HTが溶媒中に溶解し、P3HTが溶解された溶液が得られる。同様に、クロロホルムからなる溶媒中にPCBMを1wt%添加し、超音波を5分間印加する。これにより、PCBMが溶媒中に溶解し、PCBMが溶解された溶液が得られる。そして、これらの溶液を所望の混合比率(重量比)(たとえば、1:1)で混合し、さらに、超音波を5分間印加することによって、P3HTが溶解された溶液とPCBMが溶解された溶液とを均一に混合する。ここで、混合時に超音波を印加することによって、P3HTまたはPCBMが溶け残っていた場合でも、これらが溶媒中に溶解される。このようにして、P3HTとPCBMとの混合溶液が得られる。上記P3HTは、メルク社製のものを使用することができる。また、上記PCBMは、フロンティアカーボン社製のものを使用することができる。
【0085】
次に、光電変換層51に対して、ラビング法により、面内方向の所定方向に配向処理を施す。ラビング法は、図18に示すように、レーヨンを用いたラビングローラ70を移動テーブルに支持された樹脂基板41に圧接する方法で実施することができる。なお、ラビング法による配向処理は、たとえば、以下の条件で行うことができる。
・ラビング回数N:10回
・押し込み量I :0.25mm
・ローラ回転数m:600rpm
・ローラ半径r :30mm
・テーブル送り速度v:1998mm/min
【0086】
そして、図19に示すように、真空蒸着法などにより、光電変換層51の上面上にITOなどの光透過性を有する導電性材料からなる共通電極53を形成する。
【0087】
最後に、樹脂基板41上に、TFT60および光電変換部50を覆うように、平坦化膜を形成する。このようにして、図1に示した本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部40が形成される。
【0088】
第1実施形態による画像入出力装置では、上記のように、表示層21を透過した光を検出する光電変換層51(偏光センサ部40)を備えることによって、光電変換層51で表示状態に応じた光量の光を検出することにより、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることができる。
【0089】
また、第1実施形態では、光電変換層51を有機材料から構成するとともに、面内方向における所定方向に配向処理を施すことによって、表示状態に応じた光量の光を精度よく検出することができる。また、光電変換層51における光電変換効率を向上させることができる。
【0090】
また、第1実施形態では、光電変換層51が偏光センサ機能を有しており、表示層21を透過した偏光の光量を測定することにより、表示層21の画像パターンを識別するように構成することによって、容易に、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることができる。
【0091】
また、第1実施形態では、光電変換層51に入射される直前の偏光の少なくとも一部は、直線偏光であり、表示層21を透過した偏光のうち、直線偏光の光軸が光電変換層51の光吸収方向(配向方向)と実質的に一致する偏光の光量を測定することにより、表示層21の画像パターンを識別するように構成することによって、より容易に、表示された画像パターンの画像情報を画像データとして読み取ることができる。
【0092】
(第2実施形態)
図20は、本発明の第2実施形態による画像入出力装置を示した断面図である。なお、図20では、光導電層の記載を省略している。次に、図1、図2、図4および図20を参照して、本発明の第2実施形態による画像入出力装置について説明する。
【0093】
第2実施形態による画像入出力装置は、図20に示すように、上記第1実施形態と同様、画像を表示する表示部(表示媒体)110と、表示部110に表示されている画像パターンの画像情報を画像データとして読み取る偏光センサ部140とを備えている。
【0094】
また、第2実施形態による画像入出力装置は、上記第1実施形態と異なり、透過型の表示装置として機能するように構成されている。このため、表示部110側が光入射側になるとともに、偏光センサ部140側が観察側となるように構成されている。
【0095】
画像入出力装置を構成する表示部110は、液晶表示素子20と、1/4波長板30と、偏光板80とを含んでいる。また、1/4波長板30および偏光板80は、液晶表示素子20の一方の主面側(光入射側)に、液晶表示素子20側から、1/4波長板30および偏光板80の順に配置されている。また、液晶表示素子20の他方の主面側(観察側)には、上記偏光センサ部140が配置されている。すなわち、第2実施形態による画像入出力装置は、観察側と反対側(光入射側)から、偏光板80、1/4波長板30、表示層21および光電変換層51の順に配置された構成となっている。
【0096】
なお、液晶表示素子20における光導電層27(図2参照)の配置位置は、光書き込み処理を行うことが可能な位置に配置されていればよく、第1基板22側(下部電極24側)および第2基板23側(上部電極26側)のいずれの側であってもよい。
【0097】
また、第2実施形態では、液晶表示素子20の表示層21が1/4波長のリタデーション特性(位相差)を示すように調整されている。すなわち、表示層21はフォーカルコニック配向時に発生するリタデーション(Δnd)が光の波長λの1/4になるように、液晶の屈折率異方性(Δn)およびセルギャップ(表示層21の厚み;d)の少なくとも一方が調整されている。なお、表示層21の厚みdが小さくなり過ぎると液晶表示素子20の作製が困難となる。したがって、表示層21の厚みdは、表示特性および作製の容易性から、好ましくは3.0μm〜4.5μm、より好ましくは3.0μm〜4.0μm、さらに好ましくは3.0μm〜3.5μmである。
【0098】
また、第2実施形態では、右円偏光を選択反射するようにコレステリック液晶の螺旋構造(右螺旋)が形成されている。
【0099】
なお、偏光センサ部140は、可視光を吸収する光吸収層42(図1および図4参照)が形成されていない点および光電変換部50(図4参照)の画素電極52がITOなどの光透過性を有する導電性材料から構成されている点以外は、上記第1実施形態の偏光センサ部40(図4参照)と同様に構成されている。また、第2実施形態による画像入出力装置のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0100】
上記のように構成された第2実施形態による画像入出力装置では、パターン露光により表示部110(表示層21)に画像パターンの書き込み処理(光書き込み)が行われると、この書き込み処理により、表示層21におけるカイラルネマチック液晶の配向状態が、プレーナ配向またはフォーカルコニック配向に変化する。このような状態で、観察側と反対側から自然光(またはバックライト光)が入射されると、フォーカルコニック配向では光が透過されて明表示として観察される。その一方、プレーナ配向では選択反射により光が透過されないので暗表示として観察される。この明表示と暗表示との状態差により、表示層21に表示された画像パターンが観察される。
【0101】
図21は、本発明の第2実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。次に、図4および図21を参照して、本発明の第2実施形態による画像入出力装置のデータ読み取り動作について説明する。なお、図21では、画像データを読み取るための動作(光検出の原理)を示している。また、以下の説明では、偏光板80は、光軸方向が所定のA方向と直交するB方向の直線偏光S2を透過するように設定されているものとする。また、光電変換層51は、上記第1実施形態と同様、所定のA方向に配向処理が施されているものとする。
【0102】
まず、上記第1実施形態と同様の書き込み処理(光書き込み)によって、表示層21に画像パターンが書き込まれる。これにより、表示層21におけるカイラルネマチック液晶の配向状態が、プレーナ配向またはフォーカルコニック配向となる。
【0103】
この状態で、図21に示すように、観察側と反対側から自然光(またはバックライト光)が入射されると、偏光板80で直線偏光S2のみが透過され、透過した直線偏光S2が1/4波長板30に入射される。1/4波長板30に入射された直線偏光S2は、右円偏光C2に変換されて表示層21に入射される。
【0104】
ここで、表示層21はフォーカルコニック配向時に1/4波長のリタデーション特性(位相差)を示すように調整されているため、フォーカルコニック配向状態の表示層21に入射された右円偏光C2は、光軸方向がA方向の直線偏光S1に変換されて表示層21を透過する。変換されて透過した直線偏光S1は、偏光センサ部140の光電変換層51に入射される。偏光センサ部140の光電変換層51は、直線偏光S1を検出するように配向処理が施されているため、入射された直線偏光S1は、表示状態に応じた光量で検出される(光検出有り)。なお、偏光センサ部140は、完全吸収ではないため、偏光センサ部140に入射された光の一部は偏光センサ部140を透過する。このため、透過した光により明表示として観察される。
【0105】
一方、プレーナ配向状態の表示層21に入射された右円偏光C2は、表示層21で選択反射される。このため、プレーナ配向に対応する画素には光が入射されないので、光電変換層51による光検出はされない(光検出無し)。このため、暗表示として観察される。
【0106】
このように、フォーカルコニック配向では、自然光(またはバックライト光)が偏光センサ部140の光電変換層51で検出される一方、プレーナ配向では、自然光(またはバックライト光)が偏光センサ部140の光電変換層51で検出されない。これにより、表示層21に表示されている画像パターンに応じた光が偏光センサ部140の画素で検出されることなる。
【0107】
したがって、検出された光を光電変換部50(図4参照)で電荷(電気エネルギ)に変換するとともに、電荷による電気信号をTFT60(図4参照)で読み出すことによって、表示された画像パターンの画像情報が画像データとして読み取られる。
【0108】
第2実施形態による画像入出力装置の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0109】
(第3実施形態)
図22は、本発明の第3実施形態による画像入出力装置を示した断面図である。なお、図22では、光導電層の記載を省略している。次に、図1、図2、図4および図22を参照して、本発明の第3実施形態による画像入出力装置について説明する。
【0110】
第3実施形態による画像入出力装置は、図22に示すように、上記第1および第2実施形態と同様、画像を表示する表示部(表示媒体)210と、表示部210に表示されている画像パターンの画像情報を画像データとして読み取る偏光センサ部140とを備えている。
【0111】
また、第3実施形態による画像入出力装置は、上記第2実施形態と同様、透過型の表示装置として機能するように構成されている。
【0112】
画像入出力装置を構成する表示部210は、液晶表示素子20と、1/4波長板30と、一対の偏光板81および82とを含んでいる。なお、偏光板81および82は、それぞれ、本発明の「第1偏光板」および「第2偏光板」の一例である。
【0113】
偏光板81および82は、液晶表示素子20を挟んで、互いに対向するとともに、互いの偏光軸が直交するように配置されている。また、1/4波長板30および偏光板81は、液晶表示素子20の一方の主面側(光入射側)に、液晶表示素子20側から、1/4波長板30および偏光板81の順に配置されている。一方、偏光板82は、液晶表示素子20の他方の主面側(観察側)に配置されている。そして、表示部210の観察側に、上記偏光センサ部140が配置されている。すなわち、第3実施形態による画像入出力装置は、観察側と反対側(光入射側)から、偏光板81、1/4波長板30、表示層21、偏光板82および光電変換層51の順に配置された構成となっている。
【0114】
なお、液晶表示素子20における光導電層27(図2参照)の配置位置は、光書き込み処理を行うことが可能な位置に配置されていればよく、第1基板22側(下部電極24側)および第2基板23側(上部電極26側)のいずれの側であってもよい。
【0115】
また、第3実施形態では、上記第2実施形態と同様、液晶表示素子20の表示層21が1/4波長のリタデーション特性(位相差)を示すように調整されている。
【0116】
さらに、第3実施形態では、左円偏光を選択反射するようにコレステリック液晶の螺旋構造(左螺旋)が形成されている。
【0117】
なお、偏光センサ部140は、上記第2実施形態と同様、可視光を吸収する光吸収層42(図1および図4参照)が形成されていない点および光電変換部50(図4参照)の画素電極52がITOなどの光透過性を有する導電性材料から構成されている点以外は、上記第1実施形態の偏光センサ部40(図4参照)と同様に構成されている。また、第3実施形態による画像入出力装置のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0118】
上記のように構成された第3実施形態による画像入出力装置では、上記第1および第2実施形態と同様、パターン露光により表示部210(表示層21)に画像パターンの書き込み処理(光書き込み)が行われると、この書き込み処理により、表示層21におけるカイラルネマチック液晶の配向状態が、プレーナ配向またはフォーカルコニック配向に変化する。このような状態で、観察側と反対側から自然光(またはバックライト光)が入射されると、フォーカルコニック配向では光が透過されて明表示として観察される。一方、プレーナ配向では透過する光の光量は小さい(弱い)ため暗表示として観察される。この明表示と暗表示との状態差により、表示層21に表示された画像パターンが観察される。
【0119】
図23は、本発明の第3実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。次に、図4および図23を参照して、本発明の第3実施形態による画像入出力装置のデータ読み取り動作について説明する。なお、図23では、画像データを読み取るための動作(光検出の原理)を示している。また、以下の説明では、偏光板81は、光軸方向が所定のA方向と直交するB方向の直線偏光S2を透過するように設定されているものとする。また、光電変換層51は、上記第1および第2実施形態と同様、所定のA方向に配向処理が施されているものとする。
【0120】
まず、上記第1および第2実施形態と同様の書き込み処理(光書き込み)によって、表示層21に画像パターンが書き込まれる。これにより、表示層21におけるカイラルネマチック液晶の配向状態が、プレーナ配向またはフォーカルコニック配向となる。
【0121】
この状態で、図23に示すように、観察側と反対側から自然光(またはバックライト光)が入射されると、偏光板81で直線偏光S2のみが透過され、透過した直線偏光S2が1/4波長板30に入射される。1/4波長板30に入射された直線偏光S2は、右円偏光C2に変換されて表示層21に入射される。
【0122】
ここで、表示層21は、上記第2実施形態と同様、フォーカルコニック配向時に1/4波長のリタデーション特性(位相差)を示すように調整されているため、フォーカルコニック配向状態の表示層21に入射された右円偏光C2は、光軸方向がA方向の直線偏光S1に変換されて表示層21を透過する。変換されて透過した直線偏光S1は、偏光板82に入射される。この偏光板82は、偏光板81と偏光軸が直交するように配置されているため、偏光板82に入射された直線偏光S1は、そのまま偏光板82を透過する。そして、偏光板82を透過した直線偏光S1は、偏光センサ部140の光電変換層51に入射される。偏光センサ部140の光電変換層51は、直線偏光S1を検出するように配向処理が施されているため、入射された直線偏光S1は、表示状態に応じた光量で検出される(光検出有り)。なお、偏光センサ部140は、完全吸収ではないため偏光センサ部140に入射された光の一部は偏光センサ部140を透過する。このため、透過した光により明表示として観察される。
【0123】
また、表示層21は、プレーナ配向時に左円偏光を選択反射するように設定されている。このため、プレーナ配向状態の表示層21に入射された右円偏光C2は、そのまま表示層21を透過する。表示層21を透過した右円偏光C2は、偏光板82に入射される。偏光板82に入射された右円偏光C2は、偏光板82により、直線偏光S1成分のみが透過する。偏光板82を透過した直線偏光S1は、偏光センサ部140の光電変換層51に入射される。光電変換層51に入射される直線偏光S1は、その光量が小さいため、光電変換層51で検出されるものの、その検出量は小さい(光検出有り(弱い))。また、表示層21を透過した光のほとんどは、観察側まで透過されないので、暗表示として観察される。
【0124】
このように、フォーカルコニック配向では、自然光(またはバックライト光)が偏光センサ部140の光電変換層51で検出される一方、プレーナ配向では、自然光(またはバックライト光)が偏光センサ部140の光電変換層51でほとんど検出されない。これにより、表示層21に表示されている画像パターンに応じた光が偏光センサ部140の画素で検出されることになる。
【0125】
したがって、検出された光を光電変換部50(図4参照)で電荷(電気エネルギ)に変換するとともに、電荷による電気信号をTFT60(図4参照)で読み出すことによって、表示された画像パターンの画像情報が画像データとして読み取られる。
【0126】
第3実施形態による画像入出力装置の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0127】
(第4実施形態)
図24は、本発明の第4実施形態による画像入出力装置を示した断面図である。なお、図24では、光導電層の記載を省略している。次に、図1、図2、図4および図24を参照して、本発明の第4実施形態による画像入出力装置について説明する。
【0128】
第4実施形態による画像入出力装置は、図24に示すように、上記第1〜第3実施形態と異なり、液晶表示素子320の表示層321がネマチック液晶組成物から構成されている。この液晶表示素子320は、たとえば、TN(Twisted Nematic)モードに構成されている。
【0129】
また、第4実施形態による画像入出力装置は、上記第1〜第3実施形態と同様、画像を表示する表示部(表示媒体)310と、表示部310に表示されている画像パターンの画像情報を画像データとして読み取る偏光センサ部140とを備えている。さらに、第4実施形態による画像入出力装置は、上記第2および第3実施形態と同様、透過型の表示装置として機能するように構成されている。
【0130】
画像入出力装置を構成する表示部310は、上記液晶表示素子320と、この液晶表示素子320を挟む一対の偏光板381および382とを含んでいる。なお、偏光板381および382は、それぞれ、本発明の「第1偏光板」および「第2偏光板」の一例である。
【0131】
上記液晶表示素子320は、表示層321に電圧が印加されていない場合、配向膜25および28によって、液晶のダイレクターが基板面と平行に一様に配向された状態となっている。また、液晶表示素子320は、第1基板22と第2基板23との間で液晶のダイレクターが90度ねじれた構造となっている(状態2)。このような状態(状態2)の表示層321に直線偏光が入射されると、液晶のねじれ構造を通過中にねじれに沿って直線偏光の偏光方向(光軸)が90度回転する。すなわち、この状態(状態2)は、光を旋光させる機能を有している。
【0132】
一方、表示層321に電圧が印加されると、液晶分子は、そのダイレクターが電場と平行になるように配向した状態となる(状態1)。このような状態(状態1)の表示層321に直線偏光が入射されると、直線偏光はそのままの状態で表示層321を透過する。
【0133】
なお、ネマチック液晶組成物としては、たとえば、メルク社製のネマチック液晶(BL006)を用いることができる。また、ネマチック液晶としては、特に制限されず、従来から液晶表示素子の分野で知られているネマチック液晶を用いることもできる。このようなネマチック液晶材料としては、たとえば、液晶性エステル化合物、液晶性ピリミジン化合物、液晶性シアノビフェニル化合物、液晶性トラン化合物、液晶性フェニルシクロヘキサン化合物、液晶性ターフェニル化合物ならびにフッ素原子、フルオロアルキル基およびシアノ基などの極性基を有する他の液晶化合物、およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0134】
偏光板381および382は、液晶表示素子320を挟んで互いに対向するとともに、互いの偏光軸が一致するように配置されている。また、偏光板381は、その偏光軸が界面で液晶分子が並んでいる方向と一致するように設けられている。また、表示部310の観察側には、上記偏光センサ部140が配置されている。このように第4実施形態による画像入出力装置は、観察側と反対側(光入射側)から、偏光板381、表示層321、偏光板382および光電変換層51の順に配置された構成となっている。
【0135】
なお、液晶表示素子320における光導電層27(図2参照)の配置位置は、光書き込み処理を行うことが可能な位置に配置されていればよく、第1基板22側(下部電極24側)および第2基板23側(上部電極26側)のいずれの側であってもよい。また、印加される電圧は、パルス電圧以外の電圧にすることができる。
【0136】
また、偏光センサ部140は、上記第2および第3実施形態と同様、可視光を吸収する光吸収層42(図1および図4参照)が形成されていない点および光電変換部50(図4参照)の画素電極52がITOなどの光透過性を有する導電性材料から構成されている点以外は、上記第1実施形態の偏光センサ部40(図4参照)と同様に構成されている。また、第4実施形態による画像入出力装置のその他の構成は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
【0137】
上記のように構成された第4実施形態による画像入出力装置では、上記第1〜第3実施形態と同様、表示部310(表示層321)に画像パターンの書き込み処理(光書き込み)が行われると、この書き込み処理により、表示層321におけるネマチック液晶の配向状態が、状態1または状態2に変化する。このような状態で、観察側と反対側から自然光(またはバックライト光)が入射されると、状態1では光が透過して明表示として観察される。一方、状態2では光は透過されないので暗表示として観察される。この明表示と暗表示との状態差により、表示層321に表示された画像パターンが観察される。
【0138】
図25は、本発明の第4実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。次に、図4および図25を参照して、本発明の第4実施形態による画像入出力装置のデータ読み取り動作について説明する。なお、図25では、画像データを読み取るための動作(光検出の原理)を示している。また、以下の説明では、偏光板381および382は、それぞれ、光軸方向が所定のA方向と直交するB方向の直線偏光S2を透過するように設定されているものとする。また、光電変換層51は、B方向に配向処理が施されているものとする。
【0139】
まず、上記第1〜第3実施形態と同様の書き込み処理(光書き込み)によって、表示層321に画像パターンが書き込まれる。これにより、表示層321におけるネマチック液晶の配向状態が、状態1または状態2となる。
【0140】
この状態で、図25に示すように、観察側と反対側から自然光(またはバックライト光)が入射されると、偏光板381で直線偏光S2のみが透過され、透過した直線偏光S2が表示層321に入射される。
【0141】
状態1の表示層321に入射された直線偏光S2は、そのまま表示層321を透過する。そして、表示層321を透過した直線偏光S2は、偏光板382に入射される。この偏光板382は、偏光板381と偏光軸が一致しているため、偏光板382に入射された直線偏光S2は、そのまま偏光板382を透過する。そして、偏光板382を透過した直線偏光S2は、偏光センサ部140の光電変換層51に入射される。偏光センサ部140の光電変換層51は、直線偏光S2を検出するように配向処理が施されているため、入射された直線偏光S2は、表示状態に応じた光量で検出される(光検出有り)。なお、偏光センサ部140は、完全吸収ではないため偏光センサ部140に入射された光の一部は偏光センサ部140を透過する。このため、透過した光により明表示として観察される。
【0142】
一方、状態2の表示層321に入射された直線偏光S2は、旋光機能により、光軸が90度回転された直線偏光S1に変換されて表示層321を透過する。そして、変換されて透過した直線偏光S1は、偏光板382に入射される。この偏光板382は、上述したように、偏光板381と偏光軸が一致しているため直線偏光S2のみを透過する。このため、偏光板382に入射された直線偏光S1は偏光板382で遮断されるので、状態2に対応する画素には光が入射されない。これにより、光電変換層51による光検出はされない(光検出無し)。なお、この場合には、暗表示として観察される。
【0143】
このように、表示層321の配向状態が状態1の場合には、自然光(またはバックライト光)が偏光センサ部140の光電変換層51で検出される一方、状態2の場合には、自然光(またはバックライト光)が偏光センサ部140の光電変換層51で検出されない。これにより、表示層321に表示されている画像パターンに応じた光が偏光センサ部140の画素で検出されることになる。
【0144】
したがって、検出された光を光電変換部50(図4参照)で電荷(電気エネルギ)に変換するとともに、電荷による電気信号をTFT60(図4参照)で読み出すことによって、表示された画像パターンの画像情報が画像データとして読み取られる。
【0145】
第4実施形態による画像入出力装置の効果は、上記第1〜第3実施形態と同様である。
【0146】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0147】
たとえば、上記第1〜第4実施形態では、光照射により画像パターンを書き込む例を示したが、本発明はこれに限らず、光照射以外の方法を用いて画像パターンを書き込むように構成してもよい。たとえば、電気、磁気、応力などによって画像パターンを書き込むように構成してもよい。
【0148】
また、画像パターンの書き込みは熱によって行うこともできる。たとえば、コレステリック液晶を一旦等方相温度まで加熱し液晶層になるまで冷却すると、フォーカルコニック配向が得られる。このような現象を利用すれば、図26に示すように、熱と電気とを利用してフォーカルコニック配向とプレーナ配向とを切り替えることができので、熱により画像パターンを書き込むことが可能な液晶表示素子120を得ることができる。なお、熱書き込みの熱源としては、たとえば、サーマルヘッドやレーザを用いることができる。
【0149】
また、上記第1〜第4実施形態において、図27および図29に示すように、表示部(表示媒体)と偏光センサ部とを一体型に構成してもよいし、図28および図30に示すように、表示部(表示媒体)と偏光センサ部とを分離型に構成してもよい。この場合、図27および図28に示すように、表示部を、表示データ転送機能が無い、光書き込みや熱書き込みなどによる書き込み機能を有するように構成してもよいし、図29および図30に示すように、表示部を、表示データ転送機能がある電圧による書き込み機能を有するように構成してもよい。なお、表示部と偏光センサ部とが一体型に構成されている場合には、表示部(液晶表示素子)に第1基板を設けない構成にしてもよい。この場合、偏光センサ部の樹脂基板と表示部(液晶表示素子)の第2基板とで表示層を挟持するように構成することができる。
【0150】
また、上記第1〜第4実施形態では、光電変換層の電子供与体材料にP3HTを用いるとともに、光電変換層の電子受容体材料にPCBMを用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、上記以外の電子受容体材料および電子供与体材料を用いて光電変換層を形成してもよい。
【0151】
電子受容体材料としては、π共役系化合物が好ましい。π共役系化合物とは、芳香族π電子を7個以上有する化合物を意味する。したがって、たとえば、化1に示したピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)は、芳香族π電子を6個しか有さないのでπ共役系化合物ではなく、ナフトイミド誘導体(化合物1−6)については、芳香族π電子を10個以上有するのでπ共役系化合物である。
【0152】
【化1】


【0153】
また、π共役系化合物の中でも、化2に示したフラーレンカーボンナノチューブ、ポルフィリン、フタロシアニンの基本骨格をもつ電子受容体が好ましい。化3にフラーレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す。化4にカーボンナノチューブおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化4では、nは1以上の整数である。)。化5にポリフィリンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化5では、nは0以上の整数、mは1以上の整数である。)。化6にフタロシアニンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化6では、nは0以上の整数である。)。なお、π共役系化合物については、化3〜化6に示した具体例に限られず、化3〜化6に示したπ共役系化合物以外のπ共役系化合物であってもよい。
【0154】
【化2】

【0155】
【化3】

【0156】
【化4】

【0157】
【化5】

【0158】
【化6】

【0159】
また、電子供与体材料としては、光吸収により生じた電荷を輸送するため、導電性材料を含有して形成されることが好ましい。導電性材料としては、たとえば、p型無機半導体(GaPなど)や導電性高分子化合物が好ましい。
【0160】
導電性高分子化合物としては、化7に示したポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリ(p−フェニレン)、ポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい(化7では、xは1以上の整数であることが好ましい。)。
【0161】
化8にポリフェニレンビニレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化8では、n,m,k,jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
【0162】
化9にポリチオフェンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化9では、n,mは0以上の整数、kは1以上の整数、xは2以上の整数である。)。
【0163】
化10にポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(化10では、n,m,k,jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
【0164】
化11にポリアセチレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化11では、n,mは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
【0165】
化12にポリピロールおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化12では、nは0以上の整数、kは1以上の整数、xは1以上の整数である。)。
【0166】
化13にポリフルオレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化13では、n,mは0以上の整数、xは1以上の整数である。)。
【0167】
化14にポリ(p−フェニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(化14では、n,mは0以上の整数、x,yは1以上の整数である。)。
【0168】
化15にポリアニリンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化15では、nは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
【0169】
なお、導電性高分子化合物については、化7〜化15に示した具体例に限られず、化7〜化15に示した導電性高分子化合物以外の導電性高分子化合物であってもよい。
【0170】
【化7】

【0171】
【化8】

【0172】
【化9】

【0173】
【化10】

【0174】
【化11】

【0175】
【化12】

【0176】
【化13】

【0177】
【化14】

【0178】
【化15】

【0179】
また、上記において、共役系高分子を含有する層は、層中で吸収した光により電荷を発生させるために、共役系高分子のほかに、電荷発生材料を含んでいてもよい。電荷発生材料としては公知のものが使用でき、アゾ化合物およびその誘導体、ジアゾ化合物およびその誘導体、無金属フタロシアニン化合物およびその誘導体、金属フタロシアニン化合物およびその誘導体、ペリレン化合物およびその誘導体、多環キノン系化合物およびその誘導体、スクアリリウム化合物およびその誘導体、アズレニウム化合物およびその誘導体、チアピリリウム化合物およびその誘導体が例示される。
【0180】
また、共役系高分子を含有する層は、種々の機能を発現させるために必要な材料を含んでいてもよい。このような材料としては、たとえば、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤や、安定性を増すための安定化剤などが例示される。増感剤および安定化剤の量は、それぞれ、通常、共役系高分子の量を100重量部としたときそれに対して1〜30重量部程度であり、好ましくは、5〜20重量部程度である。また、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感させるための増感剤として、化学増感のために添加する電子供与体物質または電子受容体物質である増感剤、色素増感のために添加する増感色素である増感剤、また、化学増感のための増感材と色素増感のための増感剤とを組み合わせる超増感も可能である。増感色素としては、ローズベンガルなどのキサンテン系、クリスタルバイオレットなどのトリフェニルメタン系、メチレンブルーなどのチアジン系、シアニン系色素が挙げられ、ローズベンガルなどのキサンテン系色素が好ましい。
【0181】
共役系高分子を含有する層は、偏光センサ部(光電変換層)の特性を阻害しない範囲で、高分子バインダなどを混合して用いてもよい。混合する高分子バインダとしては、可視光に対する吸収が強くないものが好ましい。このような高分子バインダとしては、たとえば、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどが挙げられる。
【0182】
また、上記第1〜第4実施形態では、光電変換層をスピンコート法で形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、スピンコート法以外の方法を用いて光電変換層を形成してもよい。スピンコート法以外の形成方法としては、たとえば、蒸着法、塗布法などを例示することができる。この中で、特に塗布法が好ましい。また、電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の50%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を調整して、塗布することが好ましい。これにより、すでに形成した塗布膜への浸食が抑えられ、ムラのない多層膜を形成することができる。なお、塗布法としては、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法などを用いることができる。
【0183】
また、上記第1〜第4実施形態では、ラビング法を用いて光電変換層に配向処理を施した例を示したが、本発明はこれに限らず、ラビング法以外に、液晶の配向手法として知られているもの、たとえば「液晶の基礎と応用」(松本正一、角田市良共著、工業調査会1991年)第5章、「強誘電性液晶の構造と物性」(福田敦夫、竹添秀男共著、コロナ社、1990年)第7章、「液晶」第3巻第1号(1999年)3頁〜16頁などに記載の方法を用いて光電変換層に配向処理を施してもよい。なお、配向処理方法としては、ラビング法、光配向法、シェアリング法および引き上げ塗布法が配向手法として簡便かつ有効で利用し易い。このため、配向手法としては、ラビング法、光配向法、シェアリング法および引き上げ塗布法が好ましい。また、斜方蒸着法も好ましく用いることができる。
【0184】
また、上記第1〜第4実施形態において、配向処理が与えられた1つの光電変換層全体の厚みは、光吸収量を稼ぐといった観点から、50nm以上が好ましく、100nm以上であればより好ましい。また、電気抵抗が大きくなり過ぎないといった観点から、1μm以下が好ましく、300nm以下であればより好ましい。
【0185】
また、上記第1〜第4実施形態では、画像入出力装置の基板として、プラスチックフィルムなどのフィルム基板(樹脂基板)を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、ガラス基板などを用いることができる。また、絶縁性を有する基板であれば、上記以外の基板を用いてもよい。
【0186】
また、上記第1〜第4実施形態では、基板上にゲート電極、絶縁層、ソース電極/ドレイン電極、有機半導体層を順に形成することにより有機TFTを構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、基板上にゲート電極、絶縁層、有機半導体層、ソース電極/ドレイン電極が順に形成することにより有機TFTを構成してもよいし、有機半導体単結晶上にソース電極/ドレイン電極、絶縁層、ゲート電極を順に形成することにより有機TFTを構成してもよい。また、Science283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)などの文献に記載されているような有機半導体を用いて有機TFTを構成してもよい。
【0187】
また、上記第1〜第4実施形態では、偏光センサ部のTFTを有機TFTから構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、偏光センサ部のTFTを無機TFTから構成してもよい。
【0188】
また、上記第1〜第4実施形態において、TFTと光電変換部とは、バイアストップ構造に構成されていてもよいし、バイアスボトム構造に構成されていてもよい。また、スタック構造に構成されていてもよい。
【0189】
また、上記第1〜第4実施形態では、表示部(液晶表示素子)に絶縁性薄膜を設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、表示部(液晶表示素子)に絶縁性薄膜を設けない構成にしてもよい。なお、電極間の短絡を防止したり、液晶表示素子のガスバリア性に対する信頼性を向上させたりするために、表示用画素電極および表示用共通電極の少なくとも一方側に絶縁性薄膜を形成するのが好ましい。
【0190】
また、上記第1〜第4実施形態では、表示部(液晶表示素子)に配向膜を設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、表示部(表示素子)に配向膜を設けない構成にしてもよい。なお、素子の安定化などのために配向膜を設けておくのが好ましい。配向膜が形成される場合、電極上に絶縁性薄膜が形成されている場合には、絶縁性薄膜上に配向膜を形成し、電極上に絶縁性薄膜が形成されていない場合には、電極上に配向膜を形成するのが好ましい。また、配向膜は、上記実施形態で示したもの以外に、たとえば、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブリラール樹脂またはアクリル樹脂などから構成することができる。また、配向膜は、印刷法などを用いて形成することができる。また、これらの材料を用いて形成された配向膜に、ラビング処理を施してもよい。さらに、配向膜は、高分子構造物に用いる高分子樹脂と同じ材料を用いて形成することもできる。
【0191】
なお、上記第1〜第4実施形態において、表示部(液晶表示素子)に設けられる高分子構造物は、円柱状体、楕円柱状体、四角柱状体など形状はどのようなものでもよく、また、その配置はランダムであってもよいし、格子状などの規則性を有するものであってもよい。このような高分子構造物を表示部(表示素子)に設けることにより、基板間の間隔(セルギャップ)を一定に保つことが容易になり、また、表示素子自体の自己保持性を高めることができる。特に、ドット形状の高分子構造物を一定間隔に配置すると表示性能を均一化し易い。高分子構造物の高さはセルギャップの厚み、すなわち液晶組成物からなる表示層の厚みに相当する。表示層を挟持する基板としてフレキシブルな樹脂製基板を用いる場合には、高分子構造物を設けることが特に効果的である。基板がフレキシブルであることにより表示層の厚みが不均一になるのを防止することが可能となるからである。
【0192】
上記高分子構造物を形成するには、紫外線硬化型モノマーからなるホトレジスト材料などの光硬化性樹脂材料を用いて、所望の厚さで基板の最表面膜(絶縁性薄膜、配向膜)に塗布し、これにマスクを通して紫外線を照射するなどしてパターン露光を行い、未硬化部分を除去するいわゆるフォトリソグラフィ法を用いることができる。また、熱可塑性樹脂を適当な溶剤に溶かした樹脂材料などを用いて、熱可塑性樹脂からなる高分子構造物を形成してもよい。この場合、スクリーン版やメタルマスクなどを用いて熱可塑性樹脂材料をスキージで押し出すことにより基板上に印刷を行う印刷法や、ディスペンサ法やインクジェット法などの樹脂材料をノズルの先から基板上に吐出して形成する方法、あるいは、樹脂材料を平板またはローラ上に供給した後、これを基板表面に転写する転写法などにより高分子構造物を形成することができる。
【0193】
なお、表示部(液晶表示素子)に、スペーサおよび柱状構造物のいずれか一方を設けるようにしてもよい。
【0194】
また、上記第1〜第4実施形態において、画像入出力装置に用いる光透過性を有する電極材料としては、ITO以外にIZO(登録商標;Indium Zinc Oxide)などであってもよい。
【0195】
また、上記第1〜第4実施形態において、光電変換部の下層側に、電気エネルギを蓄積するためのキャパシタを設けてもよい。
【0196】
また、表示層を構成する液晶組成物としては、カイラルネマチック液晶およびネマチック液晶以外に、スメクチックA液晶、カイラルスメクチック液晶、ディスコティック液晶などを利用することができる。また、表面安定化カイラルスメクチックC液晶、双安定ねじれネマチック液晶、微粒子分散液晶などのメモリ性液晶を利用することもできる。
【0197】
また、上記第1〜第3実施形態では、ネマチック液晶(BL006;メルク社製)にカイラル剤(CB15;メルク社製)を混合することによってカイラルネマチック液晶を作製した例を示したが、所望の特性を得ることが可能であれば、上記以外のネマチック液晶およびカイラル剤を用いてカイラルネマチック液晶を作製してもよい。ネマチック液晶としては、特に制限されず、従来から液晶表示素子の分野で知られているネマチック液晶が使用可能である。このようなネマチック液晶材料としては、たとえば、液晶性エステル化合物、液晶性ピリミジン化合物、液晶性シアノビフェニル化合物、液晶性トラン化合物、液晶性フェニルシクロヘキサン化合物、液晶性ターフェニル化合物ならびにフッ素原子、フルオロアルキル基およびシアノ基などの極性基を有する他の液晶化合物、およびそれらの混合物などが挙げられる。また、カイラル剤としては、液晶表示素子の分野で従来から知られている種々のものが使用可能である。たとえば、コレステリック環を有するコレステリック化合物、ビフェニル骨格を有するビフェニル化合物、ターフェニル骨格を有するターフェニル化合物、2つのベンゼン環がエステル結合によって連結されてなる骨格を有するエステル化合物、シクロヘキサン環がベンゼン環に直接的に連結されてなる骨格を有するシクロヘキサン化合物、シクロヘキサン環がベンゼン環に直接的に連結されてなる骨格を有するシクロヘキサン化合物、ピリミジン環がベンゼン環に直接的に連結されてなる骨格を有するピリミジン化合物、2つのベンゼン環がアゾキシ結合またはアゾ結合によって連結されてなる骨格を有するアゾキシ化合物などが挙げられる。
【0198】
また、上記第1実施形態では、光電変換部の画素電極をAlなどの導電性材料から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、ITOやIZOなどの光透過性を有する導電性材料から画素電極を構成してもよい。
【0199】
また、上記第1実施形態では、偏光センサ部に光吸収層を設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、偏光センサ部に光吸収層を設けない構成にしてもよい。なお、基板に可視光吸収性を有する基板を用いることによって、同様の効果を得ることができる。
【0200】
また、上記第1実施形態では、表示層をプレーナ配向時に左円偏光C1を選択反射するように設定するとともに、光電変換層を光軸方向がA方向の直線偏光S1を検出するように配向処理を施した例を示したが、表示層をプレーナ配向時に右円偏光C2を選択反射するように設定するとともに、光電変換層を光軸方向がB方向の直線偏光S2を検出するように配向処理を施すことによっても同様の効果を得ることができる。
【0201】
また、上記第2実施形態では、表示層をプレーナ配向時に右円偏光C2を選択反射するように設定した例を示したが、本発明はこれに限らず、表示層をプレーナ配向時に左円偏光C1を選択反射するように設定してもよい。このように構成した場合でも、偏光板を光軸方向がA方向の直線偏光S1を透過するように設定するとともに、光電変換層にA方向と直交するB方向の配向処理を施すことにより同様の効果を得ることができる。
【0202】
また、上記第3実施形態では、表示層をプレーナ配向時に左円偏光C1を選択反射するように設定した例を示したが、本発明はこれに限らず、表示層をプレーナ配向時に右円偏光C2を選択反射するように設定してもよい。このように構成した場合でも、偏光板の偏光軸を90度ずらすとともに、光電変換層にA方向と直交するB方向の配向処理を施すことにより同様の効果を得ることができる。
【0203】
また、上記第4実施形態において、偏光板の偏光軸を90度ずらすとともに、光電変換層にA方向の配向処理を施すことによっても同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の構造を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の構造を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の光電偏光層を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の光電偏光層を説明するための断面図である。
【図7】光電変換層の偏光センサ機能を説明するための図である。
【図8】光電変換層の偏光センサ機能を説明するための図である。
【図9】光電変換層の偏光センサ機能を説明するための図である。
【図10】光電変換層の偏光センサ機能を説明するための図である。
【図11】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。
【図13】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の形成方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の形成方法を説明するための断面図である。
【図15】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の形成方法を説明するための断面図である。
【図16】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の形成方法を説明するための平面図である。
【図17】光電変換層を形成するための混合溶液の調整方法を示した模式図である。
【図18】配向処理方法の一例であるラビング法を説明するための図である。
【図19】本発明の第1実施形態による画像入出力装置の偏光センサ部の形成方法を説明するための断面図である。
【図20】本発明の第2実施形態による画像入出力装置を示した断面図である。
【図21】本発明の第2実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。
【図22】本発明の第3実施形態による画像入出力装置を示した断面図である。
【図23】本発明の第3実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。
【図24】本発明の第4実施形態による画像入出力装置を示した断面図である。
【図25】本発明の第4実施形態による画像入出力装置の動作を説明するための図である。
【図26】画像パターンの書き込み方法の一例である熱書き込みを説明するための断面図である。
【図27】表示部と偏光センサ部との構成例1を簡略して示した図である。
【図28】表示部と偏光センサ部との構成例2を簡略して示した図である。
【図29】表示部と偏光センサ部との構成例3を簡略して示した図である。
【図30】表示部と偏光センサ部との構成例4を簡略して示した図である。
【符号の説明】
【0205】
10、110、210、310 表示部
20 液晶表示素子
21、321 表示層
22 第1基板
23 第2基板
24 下部電極
25、28 配向膜
26 上部電極
27 光導電層
30 1/4波長板(変換手段)
40、140 偏光センサ部
41 樹脂基板
42 光吸収層
43 絶縁層
44 第1導電層
45 第2導電層
46 平坦化膜
50 光電変換部
51 光電変換層
52 画素電極
53 共通電極
60 TFT
60a ゲート電極
60b ソース電極
60c ドレイン電極
60d 有機半導体層
80 偏光板
81、381 偏光板(第1偏光板)
82、382 偏光板(第2偏光板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示層と、
有機材料から構成され、前記表示層を透過した光を検出する光電変換層とを備え、
前記光電変換層は、面内方向における所定方向に配向処理が施されており、前記表示層の表示状態に応じた光量の光を検出することを特徴とする、画像入出力装置。
【請求項2】
前記光電変換層が偏光センサ機能を有しており、
前記表示層を透過した偏光の光量を測定することにより、前記表示層の画像パターンを識別することを特徴とする、請求項1に記載の画像入出力装置。
【請求項3】
前記光電変換層に入射される直前の偏光の少なくとも一部は、直線偏光であり、
前記表示層を透過した偏光のうち、前記直線偏光の光軸が前記光電変換層の光吸収方向と実質的に一致する偏光の光量を測定することにより、前記表示層の画像パターンを識別することを特徴とする、請求項1または2に記載の画像入出力装置。
【請求項4】
前記表示層は、カイラルネマチック液晶表示層からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項5】
前記光電変換層側へ透過する円偏光を直線偏光に変換する変換手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項6】
前記変換手段は、1/4波長板であることを特徴とする、請求項5に記載の画像入出力装置。
【請求項7】
円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板をさらに備え、
前記1/4波長板が、前記表示層と前記光電変換層との間に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項8】
前記表示層はその表示状態により、入射光の位相を変化させる機能を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項9】
偏光板および1/4波長板をさらに備え、
前記偏光板、前記1/4波長板、前記表示層および前記光電変換層の順に配置された構成を有することを特徴とする、請求項1〜4および請求項8のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項10】
第1偏光板および第2偏光板と、1/4波長板とをさらに備え、
前記第1偏光板、前記1/4波長板、前記表示層、前記第2偏光板、前記光電変換層の順に配置された構成を有することを特徴とする、請求項1〜4および請求項8のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項11】
前記表示層がカイラルネマチック液晶表示層からなり、
前記カイラルネマチック液晶表示層が、フォーカルコニック配向時に1/4波長のリタデーション特性を示すことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項12】
前記表示層は、ネマチック液晶表示層からなるとともに、第1偏光板および第2偏光板をさらに備え、
前記第1偏光板、前記表示層、前記第2偏光板および前記光電変換層の順に配置された構成を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項13】
前記表示層はその表示状態により、入射光の位相を変化させる機能を有することを特徴とする、請求項12に記載の画像入出力装置。
【請求項14】
前記光電変換層を構成する有機材料が、チオフェン系ポリマーと可溶性フラーレン誘導体とを含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項15】
前記光電変換層を構成する有機半導体膜が、バルクへテロ構造に構成されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項16】
前記表示層に画像パターンを書き込むための外部書き込み機能を有しており、
外部からの書き込み手段により、前記表示層に画像パターンが書き込まれることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像入出力装置。
【請求項17】
前記外部からの書き込み手段が光照射であることを特徴とする、請求項16に記載の画像入出力装置。
【請求項18】
前記外部からの書き込み手段が熱であることを特徴とする、請求項16に記載の画像入出力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2010−66334(P2010−66334A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230418(P2008−230418)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】