説明

画像処理装置、プリンタ、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】画質と印字速度とのバランスについて新たなバリエーションを提供することのできる画像処理装置、プリンタ、画像処理方法及び画像処理プログラムの提供を目的とする。
【解決手段】Kのノズルと副走査方向の位置が一致する第一のノズル群と、前記Kのノズルと副走査方向にずれを有する第二のノズル群とを有するノズルヘッドを備えたプリンタに文書データを印刷させるための画像処理を実行する画像処理手段を有する画像処理装置であって、前記画像処理手段は、前記文書データに含まれるグレイの描画オブジェクトについて、前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットにはKは適用されず、当該第二のノズル群に係る色が適用されるように画像処理を実行することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、プリンタ、画像処理方法及び画像処理プログラムに関し、特にプリンタに文書データを印刷させるための画像処理を実行する画像処理装置、プリンタ、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、インクジェットプリンタのノズルヘッドにおけるノズルの配置例を示す図である。図1のノズルヘッド500には、主走査方向にそれぞれインクの色の異なる4列のノズルがYMKCの順に配置され、各色のノズルは副走査方向に150dpiの解像度を有する。図1では、Y(イエロー)の列とK(ブラック)の列については、副走査方向におけるノズルの位置が一致している。また、M(マゼンタ)の列とC(シアン)の列は、Y及びKの列に対して、副走査方向にずれた位置にノズルが配置され、全体的に千鳥状となっている。このようなノズルヘッド500によって、K一色で300dpiの印字を行う場合を考える。ノズルヘッド500が主走査方向に1回移動すると、印刷用紙には図2に示されるような印字が行われる。
【0003】
図2は、ノズルヘッドの主走査方向への一回の移動による印字イメージを示す図である。図2において、黒く塗りつぶされた円は、印字が行われるドット(印字ドット)を示す。一方、塗りつぶされていない円(白い円)は、300dpiの解像度において印字が行われていない仮想的なドット(未印字ドット)を示す。このように、ノズルが副走査方向に有する解像度より高い解像度の印字を行いたい場合、主走査方向への一回の移動では、未印字ドットによって示されるような抜けた部分が残ってしまう。したがって、従来、抜けた部分を埋める(印字する)ために、インクヘッド500が副走査方向に300dpiにおける1ドット分移動され、主走査方向に印字が行われる必要があった。
【特許文献1】特開2005−324559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、印刷文書の用途は様々であり、必ずしも高い画質が要求されないものもある。更に、画質は多少犠牲にしてでも印字速度を優先させたい場合もある。実際に、プリンタドライバによっては、画質の優先又は印字速度の優先をユーザに選択させ、それに応じた画像処理を行うものもある。
【0005】
上記の例において、印字速度の向上について即座に考えられるのは、150dpiの解像度によって印字してしまうことである。印字速度の向上に対して解像度の削減は顕著に影響するからである。確かに、上記の例でも150dpiによる印字であれば、未印字ドットとして抜けた部分を印字する必要はなく、単純計算ではノズルヘッド500の主走査方向の移動回数を半分に減らすことができる。但し、解像度を下げると画質の劣化が著しいという問題がある。したがって、高速な印字を望む一方、ある程度の画質も維持したいユーザにとって、解像度の削減は必ずしも好ましい解決策であるとはいえない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、画質と印字速度とのバランスについて新たなバリエーションを提供することのできる画像処理装置、プリンタ、画像処理方法及び画像処理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで上記課題を解決するため、本発明は、Kのノズルと副走査方向の位置が一致する第一のノズル群と、前記Kのノズルと副走査方向にずれを有する第二のノズル群とを有するノズルヘッドを備えたプリンタに文書データを印刷させるための画像処理を実行する画像処理手段を有する画像処理装置であって、前記画像処理手段は、前記文書データに含まれるグレイの描画オブジェクトについて、前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットにはKは適用されず、当該第二のノズル群に係る色が適用されるように画像処理を実行することを特徴とする。
【0008】
このような画像処理装置では、画質と印字速度とのバランスについて新たなバリエーションを提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画質と印字速度とのバランスについて新たなバリエーションを提供することのできる画像処理装置、プリンタ、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図3は、第一の実施の形態における印刷システムの構成例を示す図である。図3において、印刷システム1は、ホストコンピュータ10とプリンタ20とより構成されている。
【0011】
ホストコンピュータ10は、ユーザが文書データの生成や文書データの印刷指示等を行うために利用するコンピュータである。ホストコンピュータ10は、例えば、Windows(登録商標)等のOS(Operating System)上で各種のソフトウェアを実行する。図3において、ホストコンピュータ10は、文書データ等の印刷に関する機能として、アプリケーション11、グラフィックエンジン12、プリンタドライバ13、スプーラ14、ランゲージモニタ15等を有している。これらは、ホストコンピュータ10にインストールされたプログラムが、非図示のCPUによって処理されることにより機能する。なお、当該プログラムは、ネットワークを介してダウンロードされてもよいし、CD−ROM等の記録媒体600よりインストールされてもよい。
【0012】
アプリケーション11は、文書データ等、プリンタ20に印刷させる情報の生成等に利用されるワープロソフト又は表計算ソフト等のアプリケーションである。グラフィックエンジン12は、プリンタやディスプレイ等のデバイスの種別による差違を吸収した描画用の関数インタフェースをアプリケーション11に提供するモジュールである。アプリケーション11は、操作対象となっている文書データの印刷が指示されると、グラフィックエンジン12の関数を呼び出す。
【0013】
グラフィックエンジン12は、アプリケーション11からの関数呼び出しに応じ、アプリケーション固有の形式による文書データをアプリケーション非依存のOSに解釈可能な形式のデータ(例えば、EMF(Enhanced Meta File)形式等のデータ、以下「描画データ」という。)に変換し、生成された描画データをプリンタドライバ13に出力する。なお、グラフィックエンジン12は、例えば、Windows(登録商標)環境においてはGDI(Graphics Device Interface)が相当する。
【0014】
プリンタドライバ13は、ユーザインタフェース部131及び描画処理部132等を有する。ユーザインタフェース部131は、印刷属性(集約、両面印刷、ステープル、パンチ等の印刷条件)を設定させるためのGUI(Graphical User Interface)としてプリンタプロパティダイアログを表示させる。描画処理部132は、データ加工部133、ラスターデータ生成部134、及びノズルデータ生成部135等より構成され、描画データに基づくOSからの描画命令(例えば、DDI(Device Driver Interface)を介した呼び出し)に応じ、プリンタに文書データを印刷させるための印刷データを生成する。
【0015】
データ加工部133は、描画命令に係る描画オブジェクト(文字、図形、画像等)について、集約又は回転等の座標変換を行った上でラスターデータ化(イメージデータ化)する。ここで生成される描画オブジェクト単位のイメージデータはRGBデータ(色空間がRGBのデータ)である。
【0016】
ラスターデータ生成部134は、色空間変換部1341及び階調変換部1342等を有し、データ加工部133によって生成される描画オブジェクト単位のイメージデータについてRGBからCMYKへの色空間の変換や階調変換を行う。ラスターデータ生成部134は、また、描画オブジェクト単位で処理されていたイメージデータを合成し、ページ又はバンド単位(以下、「ページ単位等」という。)のイメージデータを生成する。
【0017】
ノズルデータ生成部135は、ラスターデータ生成部134によって生成されるページ単位等のイメージデータを、プリンタ20のノズルヘッド21のノズルからインクを発射させるための命令を含むデータ(ノズルデータ)に変換する。ノズルデータにおいては、ラスターデータ生成部134によって生成されるイメージデータにおけるビットの並び順が、ノズルの配列に応じた並び順に変換されている。なお、第一の実施の形態では、このノズルデータを印刷データという。ノズルデータ生成部135によって生成される印刷データは、スプーラ14に一時保存される。ランゲージモニタ15は、スプーラ14に一時保存されている印刷データをプリンタ20に送信する。
【0018】
プリンタ20は、一般的なインクジェット(又はジェルジェット)プリンタであり、ホストコンピュータ10からの印刷データに基づき印刷処理を実行する。プリンタ20は、例えば、RS−232Cケーブル若しくはUSBケーブル等のケーブル、又はLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してホストコンピュータ10に接続される。プリンタ20は、インクを発射するためのノズルヘッド21を有している。
【0019】
図4は、本実施の形態におけるプリンタのノズルヘッドにおけるノズルの配置例を示す図である。本実施の形態におけるノズルヘッド21には、主走査方向にそれぞれインクの色の異なる4列のノズルがYMKCの順に配置され、各色のノズルは副走査方向に150dpiの解像度を有する。図4では、Y(イエロー)の列とK(ブラック)の列については、副走査方向におけるノズルの位置が一致している。また、M(マゼンタ)の列とC(シアン)の列は、Y及びKの列に対して、副走査方向に300dpiにおける1ドット分ずれた位置にノズルが配置され、全体的に千鳥状となっている。すなわち、本実施の形態では、KのノズルとYのノズルとによって第一のノズル群が形成される。また、MのノズルとCのノズルとによって第二のノズル群が形成される。ここで、「ノズル群」とは、一つ以上のノズルを意味する。なお、プリンタ20が表現可能な階調は4階調である。すなわち、ノズルヘッド21における各ノズルから発射されるドット単位でのインクの量は、無し(インク発射しない)、小滴、中滴、大滴といったように4階調に変化され得る。
【0020】
次に、本発明の原理についてその概要を説明する。例えば、図4に示されるような千鳥状のノズルヘッド21によれば、CKMYそれぞれの色ごとの副走査方向の解像度は150dpiであるが、色味を考慮せずに全色のノズルから同時にインクを発射すれば、ノズルヘッド21の主走査方向における1回の移動(以下「1パス」という。)において、300dpiの解像度によって印字を行うことができる。本実施の形態におけるプリンタ20はこの原理を利用することにより、ノズルヘッド21の解像度(150dpi)より高い解像度の印字に際し、より高速な印字を実現する。但し、全てのノズルからインクを発射すると、色味を正確に表現することができない。したがって、本実施の形態ではグレイ(黒を含む)を印字する場合に限りこの原理を利用する。
【0021】
図5は、本発明の原理を説明するための図である。図5では、1パスでCMYK全色のノズルからインクが発射された場合の印字イメージが示されている。図中に示されるように、ノズル21のノズルの配列によれば、KとYとが重なり、CとMとが重なるようにインクが打たれることになる。なお、グレイをできるだけ忠実に表現するために、Yの階調は「小滴」又は「無し」とし、CとMとの階調についてはそれぞれ「中滴」とするとよい。
【0022】
ところで、図5においてCとMとが打たれるドットは、本来であれば2回目の走査によりKが打たれるべきドットである。しかしながら、本実施の形態では、1パスで300dpiを印字するため、CとMとを打つことにより擬似的にグレイを表現している。本実施の形態において擬似的にグレイを表現するドットを打つ色としてCとMとを選択しているのは、両者はYに比べて濃い色だからである。したがって、必ずしも、Kが打たれないドットに打つ色は、CとMとに限定されないが、人間の視覚に対して不自然さをより少なくするという観点からは、YとC又はYとMとを打つ場合に比べCとMとを打つ方が好ましい。なお、図5のように、Kが打てないドットに他の色を重ねて打つことにより高解像度に擬似的にグレイを印字する方法を、以下、「擬似グレイ印字方法」という。
【0023】
図6は、擬似グレイ印字方法による元データと印字結果との関係を説明するための図である。図6において、(A)は文書データに含まれているグレイの文字「C」のイメージデータ(RGBデータ)のドット構成を示す。文字「C」は、グレイの文字であるため、文字「C」を構成する各ドットのRGB値は、R=G=Bの関係となっている。
【0024】
一方、(B)は、文字「C」が擬似グレイ印字方法によって印字された場合のドット構成と各ドットの色味を示す。なお、図中では、各ドットと当該ドットにインクを打つノズルとの対応関係を示すためにノズル21も図示されている。(B)において、ドットd13、d14、d15、d32、d52、及びd55についてはKが打たれるためグレイが適切に印字されることになる。しかし、それ以外のドット(ドットd22、d26、d42、d53、d54、及びd65)については、MとCとが打たれるため、ドット自体の色は青又は青に近い色となる。なお、グレイは、CMYの3色(又はCMYKの4色)の混合によっても表現することが可能である。したがって、近隣にグレイのドットが複数あるドット(例えば、ドットd22やd42は)については、人間の視覚に対して与える違和感は比較的小さい。一方、図中において○が付加されているような、近隣にグレイのドットが少ないドット(例えば、d26、d63、d64、d65)については、人間の視覚に対して比較的青色が目立ち易いという問題がある。
【0025】
そこで、本実施の形態では、擬似的にグレイを表現する青色のドットを目立ちにくくするために以下のような画像処理を行う。図7は、擬似的にグレイを表現するドットを目立ちにくくするための方法を説明するための図である。
【0026】
図7において、(A)は、図6(A)と同様、文書データに含まれているグレイの文字「C」のイメージデータのドット構成を示す。本実施の形態では、(A)における各ドットについて、(B)に示されるような変換処理を施す。すなわち、(B)においては、一つのドットを右、右下、及び下方向にそれぞれ1ドットずつ拡張する例が示されている。(C)は、(A)の全てのドットについて(B)に示されるドットの拡張処理(以下「ドット拡張処理」という。)が施された結果として得られるイメージデータのドット構成を示す。更に(D)は、(C)に示されるイメージデータが擬似グレイ印字方法により印字された場合のドット構成と各ドットの色味を示す。ドット拡張処理を行うことにより、印字結果としてKが打たれないドットについてKが打たれるドットと隣接させることができ、Kが打たれないドットにおける青色を目立ちにくくすることができる。図7による方法は、各ドットは人間の視覚にとっては微小なものであること、また、インクのにじみ等をも考慮すれば適切な解決方法であるといえる。ところで、ドットの拡張は、図中(B)のような形態に限定されない。左右及び上下方向に少なくとも1ドットずつ拡張されればよい。したがって、例えば、各3方向に1ドットずつではなく、2ドット以上拡張してもよい。なお、ドットを拡張することにより、文字「C」が、本来より太いラインで印字されるが、やはり一つのドットが微小なものであることを考慮すれば、人間の視覚に対して大きな違和感を生じさせる可能性は低い。
【0027】
以下、図5、図6、及び図7において説明した内容を実現するために、ホストコンピュータ10において実行される処理手順について説明する。図8は、ホストコンピュータにおける印刷処理の処理手順の概要を説明するためのシーケンス図である。
【0028】
まず、アプリケーション11において編集対象とされている文書データについて、ユーザによってアプリケーション11のメニュー等を介して印刷指示がなされる(S11)。この際、ユーザからの指示に応じ、プリンタドライバ13のユーザインタフェース部131は、プリンタプロパティダイアログを表示させ印刷属性の設定を受け付ける。本実施の形態においては、プリンタプロパティダイアログにおいて、擬似グレイ印字方法による印刷を行うか否かの選択が可能であるとする。擬似グレイ印字方法による印刷(以下「擬似グレイモード」という。)が選択された場合、擬似グレイモードが選択された旨が描画処理部132に通知される。この場合、描画処理部132は、擬似グレイモードであることを示すフラグをONにする。
【0029】
続いて、プリンタドライバ13のデータ加工部133に対して文書データ中の一つの描画オブジェクト(以下「カレントオブジェクト」という。)についての描画命令が入力される(S12)。この描画命令は、例えば、カレントオブジェクトの位置や形状を識別するための情報やカレントオブジェクトの色情報(RGB値)等が含まれる。カレントオブジェクトの形状を識別するための情報としては、カレントオブジェクトが文字であれば文字コード、フォント、及びフォントサイズ等が含まれ、カレントオブジェクトがグラフィックであれば、その形状を特定する座標値(線分であれば始点と終点との座標値)が含まれる。なお、カレントオブジェクトがイメージデータであれば、当該イメージデータが描画命令と共に入力される。
【0030】
続いて、データ加工部133は、プリンタプロパティダイアログにおける印刷属性の設定に応じた加工処理(集約、拡大、縮小、又は回転等)を行い、カレントオブジェクトに関する座標値について座標変換等を実行する(S13)。続いて、データ加工部133は、カレントオブジェクトをラスターデータ化する(S14)。したがって、カレントオブジェクトが文字であれば当該文字を示すイメージデータ(例えば、図7(A)に示されるようなイメージデータ)が生成される。ここでのイメージデータは、RGBのそれぞれについて8ビットの階調を有するものである(以下「RGB(8)」と表記する。)。
【0031】
続いて、データ加工部133は、カレントオブジェクトのRGB値がR=G=Bである場合(すなわち、カレントオブジェクトの色がグレイ(黒を含む)である場合)、ラスター化されたカレントオブジェクト(以下「カレントRGBデータ」という。)を構成する各ドットについてドット拡張処理を実行する(S15)。ドット拡張処理については、図7において説明した通りである。続いて、データ加工部133は、ラスターデータ生成部134に対してカレントRGBデータを対象とした描画命令を入力する(S16)。
【0032】
ラスターデータ生成部134の色空間変換部1341は、データ加工部133からの描画命令に応じ、カレントRGBデータの色空間をRGB(8)からCMYK(8)に変換する(S17)。ここで、CMYK(8)の括弧内の数値はCMYKそれぞれのプレーンに対する階調のビット数を示す。なお、変換後のデータを以下「カレントCMYKデータ」という。
【0033】
続いて、ラスターデータ生成部134の階調変換部1342は、ディザリングによってカレントCMYKデータの階調(8ビット)をプリンタ20が表現可能な階調(2ビット)に変換し(S18)、変換後のカレントCMYKデータをメモリ(例えば、バンドメモリ)上に描画する(S19)。なお、プリンタ20の表現可能な階調が1ビットである場合は、カレントCMYKデータの階調は1ビットに変換される。
【0034】
上述したステップS12からステップS19は、文書データのページ単位又はバンド単位(1ページをバンドメモリの容量に応じてn分割した単位)で行われる(本実施の形態では便宜上ページ単位とする)(S20)。すなわち、1ページ内に含まれている全ての描画オブジェクトについて処理が繰り返される。1ページ分の処理が完了すると、ラスターデータ生成部134に対し、印刷命令が入力される(S21)。
【0035】
ラスターデータ生成部134は、印刷命令の入力に応じ、メモリ上に描画されているCMYK(2)のイメージデータ(CMYKデータ)をスプーラ14にスプールする。ランゲージモニタ15は、スプーラ14よりCMYKデータを取得し(S22)、当該CMYKデータをノズルデータ(印刷データ)に変換する(S23)。ランゲージモニタ15は変換後の印刷データをプリンタ20に送信する(S24)。プリンタ20は、印刷データを受信すると、当該印刷データに基づいて文書データの印刷を行う(S25)。
【0036】
続いて、図8におけるラスターデータ生成部134による画像処理について、更に詳しく説明する。図9は、ラスターデータ生成部による画像処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。図9では、図8におけるステップS16〜S18について説明する。
【0037】
データ加工部131よりカレントRGBデータに係る描画命令が入力されると(S16)、色空間変換部1341は、カレントRGBデータのRGB値がR=G=Bであるか否か、すなわち、カレントRGBデータの色がグレイ(黒も含む)であるか否かを判定する(S17a)。カレントRGBデータの色がグレイである場合(S17aでYes)、色変換部1341は、グレイ印刷モード(グレイの描画オブジェクトを印刷する際の印刷モード)の設定を判定する(S17b)。グレイ印刷モードは、例えば、プリンタプロパティダイアログによって予め設定される。グレイ印刷モードが擬似グレイモードである場合(すなわち、擬似グレイモードのフラグがONである場合、色空間変換部1341は、まず、カレントRGBデータのグレイをCMYK空間においてK一色で表現するようにカレントCMYKデータを生成する(S17c)。より詳しくは、K=1.0−Rの演算を行う(Kに1.0−Rの演算結果を代入する。)。続いて、色空間変換部1341は、カレントCMYKデータのKの値をC、M、Yのそれぞれに代入する(S17d)。図5において説明したように、擬似グレイモードの場合は、全ての色を用いてグレイを擬似的に表現するからである。続いて、色空間変換部1341は、カレントCMYKデータに対してガンマ(γ)変換を行う(S17e)。この際、色空間変換部1341は、擬似グレイモード用のガンマテーブルを用いてガンマ変換を行う。すなわち、ガンマテーブルや次ステップ(S18e)において用いられるディザマスク等、各種の変換テーブル(又は変換パラメータ)は、擬似グレイモード用のものが専用に用意されている。
【0038】
図10は、描画処理部における各種の変換テーブル等の構成例を示す図である。図10において、変換ファイル群136は、各種の変換テーブル等がファイルとして保存されている状態を示す。また、メモリデータ137は、各種の変換テーブル等がメモリ上にロードされた状態を示す。
【0039】
変換ファイル群136は、解像度が300×300dpi、階調が2ビット、及び用紙が普通紙用の変換ファイル群を示す。すなわち、変換ファイル群136は、解像度、階調、又は用紙等に応じて用意されている。また、一つの変換ファイル群136においては、文書データに含まれている描画オブジェクトに応じてそれぞれの変換ファイル群が用意されている。例えば、図10では、一部の例として写真用変換ファイル群1361、文字用変換ファイル群1362、細線用変換ファイル群1363が示されている。更に、各描画オブジェクトに応じた変換ファイル群には、擬似グレイモード用の変換ファイル群が含まれている。図中では、写真用擬似グレイモード変換ファイル群1361g、文字用擬似グレイモード変換ファイル群1362g、細線用擬似グレイモード変換ファイル1363gが示されている。
【0040】
変換ファイル群136に含まれている各変換ファイルは、必要に応じてメモリデータ137としてメモリ上にロードされる。図中では、カラー用及び擬似グレイモード用のそれぞれについて、ガンマテーブル及びディザマスクがメモリデータ1371又は1372としてロードされた例が示されている。なお、擬似グレイモードでない場合は、擬似グレイモード用の変換テーブル等はロードされない。したがって、本発明を適用したとしても、通常の印刷時におけるメモリの消費量に対する影響は少ない。
【0041】
続いて、階調変換部1342は、ディザリングによってカレントCMYKデータの階調を2ビット(4階調)に変換する(S18e)。この際、階調変換部1342は、図10の擬似グレイモード用のメモリデータ1372において、カレントの描画オブジェクトに応じたディザマスクを用いて階調変換を行う。擬似グレイモード用のディザマスクは、例えば、以下のように構成される。
【0042】
図11は、擬似グレイモード用のディザマスクの例を示す図である。図11において、ディザマスクm1は、K及びY用のディザマスクを一般化した例を示す。また、ディザマスクm2は、C及びM用のディザマスクを一般化した例を示す。なお、ディザマスクm1及びm2は、300×300dpi用のものである。また、図中において、各色のノズルとディザマスクとの対応とを分かり易くするためにノズルヘッド21におけるノズルの配列が示されている。
【0043】
図11のディザマスクm1及びm2において、値が0のドットについては当該ドットの階調は0(すなわち、インクを打たない。)に変換されることを示す。例えば、マスクm1については、K及びYが打たれるドット以外のドット(すなわち、CのノズルとMのノズルとに対応するドット)について「0」が付加されている。一方、マスクm2については、C及びMが打たれるドット以外のドット(すなわち、KのノズルとYのノズルとに対応するドット)について「0」が付加されている。なお、値が0以外のドットについては、当該ドットの階調は、0以外に変換されることを示す。但し、当該値自体には特に意味はない。図中では、便宜上、単にディザマスクにおける当該ドットの位置を示す値が付けられている。
【0044】
すなわち、ディザマスクm1によってK及びYのプレーンについて階調変換を行うことにより、1パスではKとYが打てない位置のドットについてはKとYとの階調値は0となる。したがって、当該ドットについてはKとYとの色成分を抜くことができる。一方、ディザマスクm1によってC及びMのプレーンについて階調変換を行うことにより、1パスではCとMが打てない位置のドットについてはCとMとの階調値は0となる。したがって、当該ドットについてはCとMの色成分を抜くことができる。よって、ディザマスクm1及びディザマスクm2を用いて階調変換を行うことにより、副走査方向に300dpiのグレイの描画オブジェクトを擬似的なグレイで1パスによってプリンタ20に印字させることのできるようなCMYKデータを生成することができる。すなわち、かかるCMYKデータに基づいて生成される印刷データに基づけば、プリンタ20のインクヘッド21は、1パスでKを打てないドットについては、C及びMを打てばよく(2パス目で)Kを打つ必要はないからである。なお、KとYのそれぞれのディザマスクは、1パスではKとYが打てない位置のドットについては階調値が0に変換されるものであるという点が共通していれば、同一のものでなくてもよい。CとMのそれぞれのディザマスクについても同様である。また、グレイを印字するにあたり、Yのインクは必ずしも打たれる必要はない。したがって、擬似グレイモードにおけるYのディザマスクについては、全てのドットが0であるようなものでもよい。この場合、KとYとを打てるドットについては、Kだけが打たれることになる。
【0045】
一方、ステップS17bにおいて、グレイ印刷モードが、擬似グレイモード以外のモードの場合(S17bで「CMY」又は「CMYK」)や、そもそもカレントRGBデータの色がグレイでない場合(S17aでNo)は、一般的な画像処理が行われる。例えば、グレイ印刷モードがCMYモード(CMYの3色で色を表現するモード)である場合(S17bで「CMY」)、色空間変換部1341は、カレントRGBデータの色空間をCMY(8)に変換し(S17f)、総量規制処理(S17g)、及びガンマ変換をおこなう(S17h)。ここで総量規制処理とは、一つのドットにインクが大量に打たれないように、CMYKのインクの量を規制するための処理である。続いて、階調変換部1342は、カレントCMYKデータの階調変換を行う(S18b)。
【0046】
また、グレイ印刷モードがCMYKモード(CMYKの4色で色を表現するモード)である場合(S17bで「CMYK」)、色空間変換部1341は、カレントRGBデータの色空間をCMY(8)に変換し(S17i)、更に、墨版生成/下色除去(BG/UCR)を行うことでK版を生成してCMYKデータに変換する(S17k)。以降、上述したステップS17g〜18bの処理が実行される。
【0047】
また、カレントRGBデータの色がグレイでない場合(S17aでNo)、CMM(Color Management Module)がホストコンピュータ10にインストールされている場合は(S17lでYes)、カレントRGBデータについてRGBからCMYK(8)への色空間の変換はCMMによって行われ(S17m)、その後、ステップS17g〜S17bの処理が実行される。一方、CMMがインストールされていない場合は(S17lでNo)、上述したステップS17i〜S18bの処理が実行される。
【0048】
上述したように、第一の実施の形態におけるホストコンピュータ10(プリンタドライバ13)によれば、グレイの描画オブジェクトについて、ノズルヘッドの副走査方向の解像度より高い解像度(例えば、倍の解像度)の印字を行う際に、ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動ではKのインクを打てないドットにはKを適用せず、前記ノズルヘッドにおいてKに係るノズルに対して副走査方向にずれを有するノズルに係る色(本実施の形態ではCとM)が適用されるように画像処理を実行する。
【0049】
したがって、プリンタ20に、当該高い解像度による印字を1パスで実行させることが出来ると共に、色味の不自然さも抑制できる印字を実行させることができる。よって、グレイの描画オブジェクトの印字に関しては印字処理を高速化することができる。
【0050】
また、置換可能なディザマスクによって、ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動ではKのインクを打てないドットにはKを適用せず、前記ノズルヘッドにおいてKに係るノズルに対して副走査方向にずれを有するノズルに係る色(本実施の形態ではCとM)が適用されるように画像処理を実行する。
【0051】
したがって、印刷先のプリンタが異なる場合は、プリンタドライバ13のプログラムロジックを変更せずに、ディザマスクを当該プリンタに応じて変更することにより、各プリンタに対する対応を容易に行うことができる。
【0052】
また、グレイのドットについては、ドット拡張処理が行われるため、擬似的にグレイが表現されるドット(Kが打たれないドット)の色味の不自然さを更に抑制することができる。
【0053】
なお、擬似グレイモードによる印刷は、本実施の形態のように、プリンタプロパティダイアログ等においてユーザによる選択を可能とするとよい。そうすることにより、擬似的なグレイについて多少不自然さが発生したとしても、印刷結果に対するユーザの納得度を高めることができる。すなわち、多少色味に不自然さが発生したとしても、ユーザの任意によって擬似グレイモードが選択されたことによる結果だからである。
【0054】
次に、第二の実施の形態について説明する。図12は、第二の実施の形態における印刷システムの構成例を示す図である。図12中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
図12の印刷システム2では、第一の実施の形態(図3)においてプリンタドライバ13の描画処理部132に含まれていたラスターデータ生成部134及びノズルデータ生成部135が、プリンタ20においてラスターデータ生成部22又はノズルデータ生成部23として実装されている。すなわち、第二の実施の形態では、ラスターデータ生成部134及びノズルデータ生成部135による処理が、プリンタ20において、ラスターデータ生成部22(色変換加工部221及び階調変換部222)又はノズルデータ生成部23によって実行される点が第一の実施の形態と異なる。他の点については、第一の実施の形態と同様である。すなわち、図9において説明した画像処理はプリンタ20において実行されてもよい。
【0056】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】インクジェットプリンタのノズルヘッドにおけるノズルの配置例を示す図である。
【図2】ノズルヘッドの主走査方向への一回の移動による印字イメージを示す図である。
【図3】第一の実施の形態における印刷システムの構成例を示す図である。
【図4】本実施の形態におけるプリンタのノズルヘッドにおけるノズルの配置例を示す図である。
【図5】本発明の原理を説明するための図である。
【図6】擬似グレイ印字方法による元データと印字結果との関係を説明するための図である。
【図7】擬似的にグレイを表現するドットを目立ちにくくするための方法を説明するための図である。
【図8】ホストコンピュータにおける印刷処理の処理手順の概要を説明するためのシーケンス図である。
【図9】ラスターデータ生成部による画像処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】描画処理部における各種の変換テーブル等の構成例を示す図である。
【図11】擬似グレイモード用のディザマスクの例を示す図である。
【図12】第二の実施の形態における印刷システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 印刷システム
10 ホストコンピュータ
11 アプリケーション
12 グラフィックエンジン
13 プリンタドライバ
14 スプーラ
15 ランゲージモニタ
20 プリンタ
21 ノズルヘッド
131 ユーザインタフェース部
132 描画処理部
133 データ加工部
134、22 ラスターデータ生成部
135、23 ノズルデータ生成部
600 記録媒体
1341、221 色空間変換部
1342、222 階調変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Kのノズルと副走査方向の位置が一致する第一のノズル群と、前記Kのノズルと副走査方向にずれを有する第二のノズル群とを有するノズルヘッドを備えたプリンタに文書データを印刷させるための画像処理を実行する画像処理手段を有する画像処理装置であって、
前記画像処理手段は、前記文書データに含まれるグレイの描画オブジェクトについて、前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットにはKは適用されず、当該第二のノズル群に係る色が適用されるように画像処理を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、
前記文書データに含まれる描画オブジェクトについてCMYKデータを生成し、前記グレイの描画オブジェクトについては、前記描画オブジェクトを構成する各ドットに、少なくともKと前記第二のノズル群に係る色とを適用したCMYKデータを生成するCMYKデータ生成手段と、
前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットの階調値が0となるようなディザマスクを用いて前記CMYKデータにおける前記第一のノズル群に係る色について階調変換を行い、前記第一のノズル群に対応するドットの階調値が0となるようなディザマスクを用いて前記CMYKデータにおける前記第二のノズル群に係る色について階調変換を行う階調変換手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記CMYKデータ生成手段は、
前記文書データに含まれる描画オブジェクトについてRGBデータを生成し、グレイの描画オブジェクトに係るRGBデータについては、当該描画オブジェクトを構成する各ドットを拡張するRGBデータ生成手段と、
前記描画オブジェクトを構成する各ドットが拡張された前記RGBデータをCMYKデータに変換する色空間変換手段とを有することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
Kのノズルと副走査方向の位置が一致する第一のノズル群と、前記Kのノズルと副走査方向にずれを有する第二のノズル群とを有するノズルヘッドを備え、文書データを印刷させるための画像処理を実行する画像処理手段を有するプリンタであって、
前記画像処理手段は、前記文書データに含まれるグレイの描画オブジェクトについて、前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットにはKは適用されず、当該第二のノズル群に係る色が適用されるように画像処理を実行することを特徴とするプリンタ。
【請求項5】
前記文書データに含まれる描画オブジェクトについてCMYKデータを生成し、前記グレイの描画オブジェクトについては、前記描画オブジェクトを構成する各ドットに、少なくともKと前記第二のノズル群に係る色とを適用したCMYKデータを生成するCMYKデータ生成手段と、
前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットの階調値が0となるようなディザマスクを用いて前記CMYKデータにおける前記第一のノズル群に係る色について階調変換を行い、前記第一のノズル群に対応するドットの階調値が0となるようなディザマスクを用いて前記CMYKデータにおける前記第二のノズル群に係る色について階調変換を行う階調変換手段とを有することを特徴とする請求項4記載のプリンタ。
【請求項6】
前記CMYKデータ生成手段は、
前記文書データに含まれる描画オブジェクトについてRGBデータを生成し、グレイの描画オブジェクトに係るRGBデータについては、当該描画オブジェクトを構成する各ドットを拡張するRGBデータ生成手段と、
前記描画オブジェクトを構成する各ドットが拡張された前記RGBデータをCMYKデータに変換する色空間変換手段とを有することを特徴とする請求項5記載のプリンタ。
【請求項7】
Kのノズルと副走査方向の位置が一致する第一のノズル群と、前記Kのノズルと副走査方向にずれを有する第二のノズル群とを有するノズルヘッドを備えたプリンタに文書データを印刷させるための画像処理方法であって、
前記文書データに含まれるグレイの描画オブジェクトについて、前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットにはKは適用されず、当該第二のノズル群に係る色が適用されるように画像処理を実行する画像処理手順を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
前記画像処理手順は、
前記文書データに含まれる描画オブジェクトについてCMYKデータを生成し、前記グレイの描画オブジェクトについては、前記描画オブジェクトを構成する各ドットに、少なくともKと前記第二のノズル群に係る色とを適用したCMYKデータを生成するCMYKデータ生成手順と、
前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットの階調値が0となるようなディザマスクを用いて前記CMYKデータにおける前記第一のノズル群に係る色について階調変換を行い、前記第一のノズル群に対応するドットの階調値が0となるようなディザマスクを用いて前記CMYKデータにおける前記第二のノズル群に係る色について階調変換を行う階調変換手順とを有することを特徴とする請求項7記載の画像処理方法
【請求項9】
前記CMYKデータ生成手順は、
前記文書データに含まれる描画オブジェクトについてRGBデータを生成し、グレイの描画オブジェクトに係るRGBデータについては、当該描画オブジェクトを構成する各ドットを拡張するRGBデータ生成手順と、
前記描画オブジェクトを構成する各ドットが拡張された前記RGBデータをCMYKデータに変換する色空間変換手順とを有することを特徴とする請求項8記載の画像処理方法
【請求項10】
Kのノズルと副走査方向の位置が一致する第一のノズル群と、前記Kのノズルと副走査方向にずれを有する第二のノズル群とを有するノズルヘッドを備えたプリンタに文書データを印刷させるための画像処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムであって、
前記文書データに含まれるグレイの描画オブジェクトについて、前記ノズルヘッドの主走査方向における一回の移動において前記第二のノズル群に対応するドットにはKは適用されず、当該第二のノズル群に係る色が適用されるように画像処理を実行する画像処理手順を有することを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−30458(P2008−30458A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147354(P2007−147354)
【出願日】平成19年6月1日(2007.6.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】