説明

画像形成装置、画像形成システム

【課題】ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されており、その他の画像形成装置と印刷処理を分担する場合に、メモリ資源の有効活用を実現する画像形成装置を提供する。
【解決手段】親機と子機の2台以上の画像形成装置を接続してなる画像形成システムにおいて、親機は、原稿画像を読み取り、読み取った画像を記憶し、記憶した画像を印刷し、子機と相互に画像を送受信する。親機は、読み取った画像を子機に送信し、記憶した上で、親機と子機は、ソート印刷処理またはスタック印刷処理を分担して行う。親機は、子機にてその印刷分担分が印刷完了した場合に、記憶した画像を親機の印刷完了に関わらず消去することによって、子機側のメモリ資源の有効活用が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気的に接続可能な複数の画像形成装置に関し、特に、印刷機能を分担して連結印刷可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディジタル複写機を複数台接続し、読み込んだ画像データを他機に送信して、指定された部数のコピー動作を自機及び他機の複写機に分担させることによりコピー生産性おより利用効率の向上を図ってきた。さらに他機においては画像データが送信されて印刷を分担する前に他の印刷ジョブが動作中でることや画像送信中あるいは分担印刷中に次ジョブが予約されることがあった。
【0003】
そのような従来技術として、特許文献1が開示するところの複写機および複写機ネットワークシステムがあった。特許文献1では、複写動作中に複写機同士を連結する連結手段に異常が発生した場合でも、記憶手段に記憶されている画像を印刷し、他の複写機の印刷動作を停止させることにより、可能な限り印刷動作を継続させ、生産性の低下を防ぐことを可能にしていた。
【特許文献1】特開平10−322533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、複写動作中に何らかの理由で装置に異常が発生した時、可能な限り複写動作を継続するシステムが記載されていた。このシステムにおいては印刷動作をどちらかの装置で継続する為にはシステム全体での印刷が完了するまでは当然記憶装置の中に画像が保持されている必要があった。
【0005】
しかしながら、他機では上記に述べたように印刷分担されるジョブの他にも印刷ジョブが存在している可能性があり、メモリ資源を有効に活用する為には、印刷分担する必要のなくなった画像データは随時解放していく必要があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されており、その他の画像形成装置と印刷処理を分担する場合に、メモリ資源の有効活用を実現する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、本発明は、ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されている画像形成装置であって、自装置が記憶する印刷データを他の画像形成装置に送信して印刷処理を分担し、他の画像形成装置から他の画像形成装置に割り当てられている印刷処理の完了通知を受信し、自装置と他の画像形成装置との印刷処理が完了したと判断した場合、自装置が記憶する印刷データを削除することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されている画像形成装置であって、印刷データを記憶する記憶手段と、記憶された印刷データを印刷する印刷手段と、記憶された印刷データの他の画像形成装置への送信を含むデータの送受信を他の画像形成装置との間で行う連結手段と、記憶された印刷データを削除する削除手段とを有し、連結手段は、他の画像形成装置による印刷処理の完了通知を、他の画像形成装置から受信し、削除手段は、ソート印刷処理またはスタック印刷処理を他の画像形成装置と分担する場合、受信された印刷処理の完了通知に基づいて、自装置と他の画像形成装置との印刷処理が完了したと判断した場合、自装置が記憶する印刷データを削除することを特徴とする。
【0009】
また、本発明によれば、連結手段は、スタック印刷処理を他の画像形成装置と分担する場合、印刷要求された部数分印刷が完了した印刷データの削除要求を他の画像形成装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明によれば、ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されている画像形成装置であって、他の画像形成装置からの印刷データの受信を含むデータの送受信を他の画像形成装置との間で行う連結手段と、受信された印刷データを記憶する記憶手段と、記憶された印刷データを印刷する印刷手段と、記憶された印刷データを削除する削除手段とを有し、削除手段は、ソート印刷処理またはスタック印刷処理を他の画像形成装置と分担する場合、記憶された印刷データのうち、自装置に印刷が割り当てられ、印刷が完了した印刷データを削除することを特徴とする。
【0011】
また、本発明によれば、連結手段は、他の画像形成装置が印刷要求部数分、印刷を完了した印刷データの削除要求を、他の画像形成装置から受信し、削除手段は、スタック印刷処理を他の画像形成装置と分担する場合、記憶された印刷データのうち、削除要求された印刷データを削除することを特徴とする。
【0012】
また、本発明によれば、連結手段は、記憶された印刷データの印刷許可を1部ごとに他の画像形成装置に問い合わせ、削除手段は、記憶された印刷データのうち、印刷が許可されていない部数と自装置で印刷が完了した部数とを合計した部数が、印刷要求部数となる印刷データを削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、ネットワークを介して他の画像形成装置と接続されている画像形成装置において、印刷処理分担時に記憶領域の有効活用を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態における画像形成装置の構成を示す図である。
【0015】
図1に示されているように、画像形成装置は、自動原稿送り装置(ADF)1と、原稿台2と、給紙ローラ3と、給送ベルト4と、配送ローラ5と、コンタクトガラス6と、原稿セット検知部7と、第1トレイ8と、第2トレイ9と、第3トレイ10と、第1給紙ユニット11と、第2給紙ユニット12と、第3給紙ユニット13と、縦搬送ユニット14と、感光体15と、搬送ベルト16と、定着ユニット17と、排紙ユニット18と、読み取りユニット50と、露光ランプ51と、第1ミラー52と、レンズ53と、CCDイメージセンサ54と、第2ミラー55と、第3ミラー56と、書き込みユニット57と、レーザ出力ユニット58と、結像レンズ59と、ミラー60と、フィニシャ100と、切り替え板101と、通常排紙ローラ102と、搬送ローラ103、105と、通常排紙トレイ104と、ステープラ106と、排紙ローラ107と、ステープル台108と、ジョガー109と、ステープル完了排紙トレイ110と、両面給紙ユニット111と、分岐爪112とを有する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態における画像形成装置に設けられている操作部30を示す図である。
【0017】
操作部30には、液晶タッチパネル31、テンキー32、クリア/ストップキー33、プリントキー34、予熱キー35、リセットキー36があり、液晶タッチパネル31には、後述するモード設定のためのキーや画像形成装置の状態を示すメッセージなどが表示される。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態における操作部30の液晶タッチパネル31の表示一例を示した図である。
【0019】
オペレータが液晶タッチパネル31に表示されたキーにタッチする事で、選択された機能を示すキーが黒く反転する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば変倍であれは変倍値等)は、キーにタッチする事で、詳細機能の設定画面が表示される。このように、液晶タッチパネル31は、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
【0020】
図3において左上は、「コピーできます」、「お待ちください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右は、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、転写紙を自動的に選択する自動用紙選択キー、コピーを一部ずつページ順にそろえる処理(ソート印刷処理)を指定するソートキー、コピーをページ毎に仕分けする処理(スタック印刷処理)を指定するスタックキー、ソート処理されたものを一部ずつ綴じる処理を指定するステープルキー、倍率を等倍にセットする等倍キー、拡大/縮小倍率をセットする変倍キー、両面モードを設定する両面キー、とじ代モード等を設定する編集キー、表紙/合紙モードを設定する表紙/合紙キー、デジタル複写機(画像形成装置)のネットワークを介して多量のプリント動作を複数に分けてプリントアウトする連結コピーキー40である。また、給紙トレイ数に対応した給紙トレイ状態を示し、手動で給紙段を設定するためのキーが給紙段分表示されている。
【0021】
また、図4は、本発明の一実施形態における画像形成装置の制御系を示す図である。図4に示されるように、画像形成装置の制御系は、デジタル複写機(画像形成装置)全体を制御するメインコントローラ20を中心に各部が配置されている。メインコントローラ20には、システムバスを介して、画像処理ユニット(IPU)49と、連結I/F(インタフェース)48と、ADF1と、操作部30とが接続されている。また、メインコントローラ20には、直接、メインモータ25、中間クラッチ21、第1給紙クラッチ22、第2給紙クラッチ23、第3給紙クラッチ24が接続されている。また、ADF1には搬送モータ26や原稿セット検知部7が、操作部30には液晶ディスプレイ31、各種入力キー32〜35が接続されている。すなわち、メインコントローラ20には、オペレータに対する表示、オペレータからの機能設定を行う操作部30と、スキャナの制御、原稿画像を画像メモリに書き込む制御、画像メモリからの作像を行う画像処理ユニット(IPU)49と、自動原稿搬送装置(ADF)1と、いった分散制御装置が接続されている。
【0022】
以下、図1乃至図4を用いて、本実施形態における画像形成装置による画像形成処理について説明する。
【0023】
自動原稿送り装置(以後ADF)1にある、原稿台2に原稿の画像面を上にして置かれた原稿束は、操作部30上のスタートキー34が押下されると、一番上の原稿から給送ローラ3、給送ベルト4によってコンタクトガラス6上の所定の位置に給送される。読み取りユニット50によってコンタクトガラス6上の原稿の画像データを読み取り後、読み取りが終了した原稿は、給送ベルト4及び排送ローラ5によって排出される。さらに、原稿セット検知部7にて原稿台2に次の原稿が有ることを検知した場合、前原稿と同様にコンタクトガラス6上に給送される。給送ローラ3、給送ベルト4、排送ローラ5はモータによって駆動される。
【0024】
第1トレイ8、第2トレイ9、第3トレイ10に積載された転写紙は、各々第1給紙装置11、第2給紙装置12、第3給紙装置13によって給紙され、縦搬送ユニット14によって感光体15に当接する位置まで搬送される。読み取りユニット50にて読み込まれた画像データは、書き込みユニット57からのレーザによって感光体15に書き込まれ、現像ユニット27を通過することによってトナー像が形成される。そして、転写紙は感光体15の回転と等速で搬送ベルト16によって搬送されながら、感光体15上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット17にて画像を定着させ、排紙ユニット18によって後処理装置のフィニシャ100に排出される。
【0025】
後処理装置のフィニシャ100は、通常排紙ローラ102方向と、ステープル処理部方向へに導く事ができる。切り替え板101を上に切り替える事により、搬送ローラ103を経由して通常排紙トレイ104側に排紙する事ができる。また、切り替え板101を下方向に切り替える事で、搬送ローラ105、排紙ローラ107を経由して、ステープル台108に搬送する事ができる。
【0026】
ステープル台108に積載された転写紙は、一枚排紙されるごとに紙揃え用のジョガー109によって、紙端面が揃えられ、一部のコピー完了と共にステープラ106によって綴じられる。ステープラ106で綴じられた転写紙群は自重によって、ステープル完了排紙トレイ110に収納される。
【0027】
一方、通常排紙トレイ104は前後に移動可能な排紙トレイである。前後に移動可能な通常排紙トレイ104は、原稿毎、あるいは、画像メモリによってソーティングされたコピー部毎に、前後に移動し、簡易的に排出されてくるコピー紙を仕分けるものである。
【0028】
転写紙の両面に画像を作像する場合は、各給紙トレイ8〜10から給紙され作像された転写紙を通常排紙トレイ104側に導かないで、経路切り替えの為の分岐爪112を上側にセットする事で、一旦両面給紙ユニット111にストックする。
【0029】
その後、両面給紙ユニット111にストックされた転写紙は再び感光体15に作像されたトナー画像を転写するために、両面給紙ユニット111から再給紙され、経路切り替えの為の分岐爪112を下側にセットし、通常排紙トレイ104に導く。この様に転写紙の両面に画像を作成する場合に両面給紙ユニット111は使用される。
【0030】
感光体15、搬送ベルト16、定着ユニット17、排紙ユニット18、現像ユニット27はメインモータ25によって駆動され、各給紙装置11〜13はメインモータ25の駆動を各々給紙クラッチ22〜24によって伝達駆動される。縦搬送ユニット14はメインモータ25の駆動を中間クラッチ21によって伝達駆動される。
【0031】
以下、図1を用いて、本実施形態における画像読み取り手段、及び画像を記録面上に潜像形成するまでの動作を説明する。なお、潜像とは感光体面上に画像を光情報に変換して照射することにより生じる電位分布である。
【0032】
読み取りユニット50は、原稿を載置するコンタクトガラス6と光学走査系で構成されており、光学走査系には、露光ランプ51、第1ミラー52、レンズ53、CCDイメージセンサ54等々で構成されている。露光ランプ51及び第1ミラー52は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー55及び第3ミラー56は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。原稿像を読み取るときには、光路長が変わらないように、第1キャリッジ第2キャリッジとが2対1の相対速度で機械的に走査される。この光学走査系は、図示しないスキャナ駆動モータにて駆動される。原稿画像は、CCDイメージセンサ54によって読み取られ、電気信号に変換されて処理される。レンズ53及びCCDイメージセンサ54を図1において左右方向に移動させることにより、画像倍率が変わる。すなわち、指定された倍率に対応してレンズ53及びCCDイメージセンサ54の左右方向に位置が設定される。
【0033】
書き込みユニット57はレーザ出力ユニット58、結像レンズ59、ミラー60で構成され、レーザ出力ユニット58の内部には、レーザ光源であるレーザダイオード及びモータによって高速で定速回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)が備わっている。
【0034】
レーザ出力ユニット58より照射されるレーザ光は、定速回転するポリゴンミラーで偏光され、結像レンズ59を通り、ミラー60で折り返され、感光体面上に集光結像する。
【0035】
偏光されたレーザ光は感光体が回転する方向と直行する方向(主走査方向)に露光走査され、後述する画像処理部のセレクタ64より出力された画像信号のライン単位の記録を行う。感光体の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって、感光体面上に画像(静電潜像)が形成される。
【0036】
上述のように、書き込みユニット57から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体15に照射される。図示しないが感光体15の一端近傍のレーザビームを照射される位置に、主走査同期信号を発生するビームセンサが配置されている。この主走査同期信号をもとに主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、及び後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態における画像形成装置における画像処理ユニット49(読み取りユニットと書き込みユニット)の構成を示す図である。以下、図5を用いて、画像処理ユニット49の構成及び動作について説明する。
【0038】
露光ランプ51から照射された光は原稿面を照射し、原稿面からの反射光を、CCDイメージセンサ54にて結像レンズ(図示せず)により結像、受光して光電変換し、A/Dコンバータ61にてデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された画像信号は、シェーディング補正回路62にてシェーディング補正がなされた後、画像処理部63にてMTF補正、γ補正等がなされる。セレクタ64では、画像信号の送り先を、書き込みγ補正部71または、画像メモリコントローラ65への切り替えが行われる。書き込みγ補正部71を経由した画像信号は書き込みユニット57に送られる。画像メモリコントローラ65とセレクタ64間は、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。図5には特に明示していないが、画像処理ユニット(IPU)49には、読み取りユニット50から入力される画像データ以外にも外部から供給される画像データ(例えばパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から出力されるデータ)も処理できるよう、複数のデータの入出力の選択を行う機能を有している。
【0039】
画像メモリコントローラ65等への設定や、読み取りユニット50及び書き込みユニット57の制御を行うCPU68、及びそのプログラムやデータを格納するROM69、RAM70を備えている。更にCPU68は、画像メモリコントローラ65を介して、画像メモリ66のデータの書き込み、読み出しが行える。また画像メモリ66の内容を退避させたり、保存するためのHDD73を備えている。
【0040】
図6は、本発明の一実施形態における画像形成装置の1ページ分の画像データのタイミングチャートである。以下、図6を用いて、セレクタ64における1ページ分の画像信号について説明する。
【0041】
/FGATEは、1ページの画像データの副走査方向の有効期間を表している。/LSYNCは、1ライン毎の主走査同期信号であり、この信号が立ち上がった後の所定クロックで、画像信号が有効となる。主走査方向の画像信号が有効であることを示す信号が、/LGATEである。これらの信号は、画素クロックVCLKに同期しており、VCLKの1周期に対し1画素のデータが送られてくる。画像処理ユニット(IPU)49は、画像入力、出力それぞれに対して別個の/FGATE、/LSYNC、/LGATE、VCLKの発生機構を有しており、様々な画像入出力の組み合わせが実現可能になる。
【0042】
また、作業分担するために他のデジタル複写機と画像データやコマンドの送受信を行う必要があるが、これは、本実施形態では画像データの送受信用にIEEE1394の連結インタフェースを、コマンドの送受信用にシリアル通信ラインを用いている。図5の画像メモリコントローラ65が連結インタフェースドライバ(連結I/Fドライバ)を介してそれを実現している。
【0043】
図7は、本発明の一実施形態における互いに接続された2台の画像形成装置(親機及び子機)のソフトウェアのモジュール構成を示した図である。本実施形態では、以下、1台の親機と1台の子機とがネットワークを介して接続されてなる画像形成システムについて説明するが、ネットワークを介して接続される画像形成装置の数は、これに限定されないものとする。また、ネットワーク相互接続される各画像形成装置は、いずれの画像形成装置が親機として機能するとしてもよいし、いずれの画像形成装置が子機として機能するとしてもよい。以下、図7を用いて、本実施形態における画像形成装置内のソフトウェア制御モジュール構成と、画像転送、印刷制御について説明する。
【0044】
本実施形態では、親機が保持する電子情報(印刷データ)を親機と子機とで分担して印刷する。
【0045】
アプリケーション層で設定されたジョブ情報は、スタートキーなどをトリガーにコントロールサービス層に受け渡される。コントロールサービス層は、アプリからのジョブ情報を解釈し、ハンドラ層を動作させるためのプロセス情報をハンドラマネージャに要求する。ハンドラマネージャは、プロセス情報に従って個々のハンドラを動作させる。
【0046】
ハンドラには、「読み取りユニット50を制御するスキャナハンドラ」と、「画像メモリ66への画像データの入出力を制御する画像メモリハンドラ」と、「書き込みユニット57と用紙搬送、後処理周辺機を制御するプロッタハンドラ」とが有り、これらのソフトウェアモジュールが連携して、読み取りから画像メモリへの蓄積と画像形成の処理が行われる。さらに本画像形成装置には、他の画像形成装置と連結するための、連結I/Fドライバを備え、このI/Fを介して画像データとコマンド情報の受け渡しが可能になっている。
【0047】
単体コピージョブでは、画像の読み取りと蓄積、蓄積画像の印刷という手順で行われるが、連結コピージョブでは、前記手順に加え以下の制御が加わる。親機側で発生した連結コピージョブは、親機のコントロールサービス内でジョブ情報が解釈された後、スキャナ(読み取りユニット50)で読み取った画像を画像メモリに蓄積するプロセスと、その画像を子機の画像メモリに転送するプロセスに分けてそれぞれ実行される。
【0048】
必要な画像の転送が完了すると、子機のコントロールサービスは、親機のコントロールサービスから受け取った情報に従って、予め転送されている画像データを参照する印刷プロセスを生成し、子機のハンドラマネージャに印刷を要求する。
【0049】
そして子機のコントロールサービスは、親機に対して自機で処理した印刷ジョブを親機に逐次通知する。この情報に従って親機のコントロールサービスは、自機の印刷ジョブと子機側の印刷ジョブの経過を監視し、必要分の印刷を行う。
【0050】
図8は、本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるソート印刷時における親機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、図8に沿って、本実施形態における親機の画像形成装置によるソート印刷動作について説明する。
【0051】
本実施形態では、2台の画像形成装置(親機及び子機)がIEEE1394インタフェースを介して接続状態にあり親機で原稿を読み取り、読み取った画像を上記インタフェースを使って子機に転送して、親機及び子機で印刷を分担する。
【0052】
まず、親機の連結動作の流れを説明する。親機の連結コピーキー40が押下されると、親機は、上記インタフェースにより自機に接続されている画像形成装置(子機)が存在するかどうかをチェックする。
【0053】
親機に接続されている子機が存在する場合、連結コピーキー40が例えば白黒反転され、親機は、自機以外の画像形成装置(子機)と接続できたこととなる。また同時に図2のプリントキーが例えばグリーンとなりコピースタート可能な状態となる(ステップS101)。
【0054】
ここで、プリントキーが押下されると、親機は、原稿を読み込む為、圧板またはADF1(原稿台2)に原稿が存在するかどうかチェックする(ステップS102)。原稿が存在しない場合には(ステップS102/No)、原稿サイズが分かりませんのメッセージを図3のメッセージエリアに表示する。
【0055】
原稿が存在している場合には(ステップS102/Yes)、原稿台2にあった原稿を給送ローラ3、給送ベルト4によりコンタクトガラス6上に送り、読み取りユニット50によって原稿を読み込む。画像読み込むことにより得られる画像に関する情報(画像主副走査ドット数、転写紙サイズコード、解像度、画像方向、印刷面、画像フォーマットデータ等)は、連結インタフェースを介して親機から子機へ送信される(ステップS103)。
【0056】
なお、これらの画像に関する情報は子機で印刷する際に用いられる。画像主副走査ドット数は書き込みの範囲、転写紙サイズコードはトレイを自動選択、画像方向は印刷する際の出力回転角度、印刷面は片面/両面表面/両面裏面のどの面で印刷するのかを示すために必要となる。
【0057】
また、実際に読み込まれた画像データは画像情報と同じく連結インタフェースを介して親機から子機へ転送されるのと同時に親機の画像メモリ66に書き込まれ、印刷時読み出される。
【0058】
また、複数部のソート印刷では、次の画像を画像メモリ66に書き込む為に、一旦その画像を一旦HDD73に退避させる。
【0059】
ここで、親機では、読み取り処理とソート印刷処理とが並行に行われる。
【0060】
以下、読み取り処理(ステップS104〜S107)について説明する。読み取り処理では、親機は、ステップS103にて読み取り動作の対象の原稿が最終原稿かどうかの判定をする(ステップS104)。最終原稿でなければ(ステップS104/No)、親機は、再度ステップS103に戻り、読み取り動作を実行する。最終原稿であれば(ステップS104/Yes)、親機は、最終原稿であることを子機に通知する(ステップS105)。
【0061】
次に、親機は、実際の画像転送が行われたどうかのチェックを行い(ステップS106)、画像転送が行われていないと判断した場合は(ステップS106/No)、ステップS106の処理を繰り返す。親機は、全原稿画像の転送が完了した時点で(ステップS106/Yes)、子機へ画像転送終了通知を送信する(ステップS107)。
【0062】
以下、ソート印刷処理(ステップS108〜S112)について説明する。ソート印刷処理では、親機は、その部の印刷を自機にて行ってもよいかの判定を行う(ステップS108)。なお、本実施例では、部毎に親子(親機と子機)で印刷を分担する為、この判定は部先頭の印刷時のみ行うことにしている。
【0063】
その部を親機にて分担する場合には(ステップS108/Yes)、親機は、実際に印刷を実行する(ステップS109)。親機は、原稿分の印刷が1部完了すると、印刷結果成功を自機内に登録しておく(ステップS110)。
【0064】
また、親機にて印刷分担するものがないと判定された場合には(ステップS108/No)、親機は、親機及び子機に割り当てた印刷が完了しているかどうかの判定を行い(ステップS111)、完了している場合には(ステップS111/Yes)、親機は、自機のHDD73に退避している画像データまたは画像メモリ66上にある画像データを削除する(ステップS112)。以上で、親機は、印刷処理を終了する。
【0065】
図9は、本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるソート印刷時における子機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、図9に沿って、本実施形態における子機の画像形成装置によるソート印刷動作について説明する。
【0066】
親機でプリントキーが押下され、連結ジョブがスタートすると、親機から子機へ連結ジョブスタート要求がされ(図8のステップS101)、子機側の連結ジョブがスタートする(ステップS201)。
【0067】
連結ジョブが開始されると、子機は、Nページ目(初期値N=1)の画像情報の取得要求を親機に送信する(ステップS202)。
【0068】
子機は、親機からの画像情報応答を待ち(ステップS203)、まだNページ目の画像情報を受信していない場合(ステップS203/No)、ステップS203の処理を繰り返す。なお、ステップS203で子機が待っている画像情報とは、図8のステップS103で親機が子機に画像データとともに送信するものである。
【0069】
子機は、Nページ目の画像情報を受信した後(ステップS203/Yes)、次の(N+1)ページ目の画像情報を受信すると、その(N+1)ページ目の画像情報に、「情報なし」のフラグがセットされているか否かを判定し、前ページの画像データが最終ページであるか否かを判定する(ステップS204)。
【0070】
子機は、(N+1)ページ目の画像情報に「情報なし」のフラグがセットされていないと判断した場合、すなわち(N+1)ページ目の画像情報に通常通り画像に関する情報が含まれている場合(ステップS204/No)、(N+1)ページ目の画像情報を自機内に格納した後(ステップS205)、ステップS202の処理に移行し、次のページの画像情報を要求する。
【0071】
子機は、(N+1)ページ目の画像情報に「情報なし」のフラグがセットされていると判断した場合、すなわち(N+1)ページ目の画像情報に画像に関する情報が含まれていない場合(ステップS204/Yes)、前ページ(Nページ目)が最終ページであると判断する。次に、子機は、実際の画像が全て転送されたかどうかの判定をする為に、親機からの画像転送終了の通知を受信したか否かを判断する(ステップS206)。子機は、まだ画像転送終了の通知を親機から受信していないと判断した場合(ステップS206/No)、ステップS206の処理を繰り返す。なお、ステップS206において子機が受信を待つ画像転送終了通知は、図8のステップ107において、親機が子機に転送する画像転送終了通知である。
【0072】
ここで、子機は、親機から画像転送終了通知を受信すると(ステップS206/Yes)、その部の印刷を自機にて行ってもよいかの問い合わせを親機に送信し、その問い合わせの親機からの応答の内容が子機の印刷を許可するものであるか否かを判断する(ステップS207)。
【0073】
子機は、その問い合わせに対して、印刷OK(印刷許可)の返信を親機から受信した場合(ステップS207/Yes)、実際に印刷を実行する(ステップS208)。子機は、最終ページまでの印刷を1部完了すると、印刷結果成功を示す情報を親機に送信する(ステップS209)。図8のステップ111において、親機は、この子機から送信された印刷結果を用いて、子機に割り当てた印刷が完了したどうかを判定する。
【0074】
また、子機は、問い合わせに対して、印刷NG(印刷不許可)の返信を親機から受信した場合(ステップS207/No)、自機に割り当てられた印刷が完了しているかどうかの判定を行う(ステップS210)。子機に割り当てられた印刷が完了していないと判断された場合(ステップS210/No)、子機は、ステップS210の処理を繰り返す。
【0075】
子機にて分担する印刷全てが完了していれば(ステップS210/Yes)、子機は、親機の印刷実行状態に関わらず、子機のHDD73に退避している画像データまたは画像メモリ66上の画像データを削除する(ステップS211)。ステップS211において、子機は、1ページ目から最終ページまでの全画像データを一度に削除する。以上で、子機側の印刷動作が終了する。
【0076】
図10は、本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるスタック印刷時における親機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、図10に沿って、本実施形態における親機の画像形成装置によるスタック印刷動作について説明する。
【0077】
本実施形態では、2台の画像形成装置(親機及び子機)がIEEE1394インタフェースを介して接続状態にあり親機で原稿を読み取り、読み取った画像を上記インタフェースを使って子機に転送して、親機及び子機で印刷を分担する。
【0078】
まず、親機の連結動作の流れを説明する。親機の連結コピーキー40が押下されると、親機は、上記インタフェースにより自機に接続されている画像形成装置(子機)が存在するかどうかをチェックする。
【0079】
親機に接続されている子機が存在する場合、連結コピーキー40が例えば白黒反転され、親機は、自機以外の画像形成装置(子機)と接続できたこととなる。また同時に図2のプリントキーが例えばグリーンとなりコピースタート可能な状態となる(ステップS301)。
【0080】
ここで、プリントキーが押下されると、親機は、原稿を読み込む為、圧板またはADF1(原稿台2)に原稿が存在するかどうかチェックする(ステップS302)。原稿が存在しない場合には(ステップS302/No)、原稿サイズが分かりませんのメッセージを図3のメッセージエリアに表示する。
【0081】
原稿が存在している場合には(ステップS302/Yes)、原稿台2にあった原稿を給送ローラ3、給送ベルト4によりコンタクトガラス6上に送り、読み取りユニット50によって原稿を読み込む。画像読み込むことにより得られる画像に関する情報(画像主副走査ドット数、転写紙サイズコード、解像度、画像方向、印刷面、画像フォーマットデータ等)は、連結インタフェースを介して親機から子機へ送信される(ステップS303)。
【0082】
なお、これらの画像に関する情報は子機で印刷する際に用いられる。画像主副走査ドット数は書き込みの範囲、転写紙サイズコードはトレイを自動選択、画像方向は印刷する際の出力回転角度、印刷面は片面/両面表面/両面裏面のどの面で印刷するのかを示すために必要となる。
【0083】
また、実際に読み込まれた画像データは画像情報と同じく連結インタフェースを介して親機から子機へ転送されるのと同時に親機の画像メモリ66に書き込まれ、印刷時読み出される。
【0084】
また、複数部のソート印刷では、次の画像を画像メモリ66に書き込む為に、一旦その画像を一旦HDD73に退避させる。
【0085】
ここで、親機では、読み取り処理とスタック印刷処理とが並行に行われる。
【0086】
以下、読み取り処理(ステップS304〜S307)について説明する。読み取り処理では、親機は、ステップS303にて読み取り動作の対象の原稿が最終原稿かどうかの判定をする(ステップS304)。最終原稿でなければ(ステップS304/No)、親機は、再度ステップS303に戻り、読み取り動作を実行する。最終原稿であれば(ステップS304/Yes)、親機は、最終原稿であることを子機に通知する(ステップS305)。
【0087】
次に、親機は、実際の画像転送が行われたどうかのチェックを行い(ステップS306)、画像転送が行われていないと判断した場合は(ステップS306/No)、ステップS306の処理を繰り返す。親機は、全原稿画像の転送が完了した時点で(ステップS306/Yes)、子機へ画像転送終了通知を送信する(ステップS307)。
【0088】
以下、スタック印刷処理(ステップS308〜S317)について説明する。スタック印刷処理では、親機は、その部の印刷を自機にて行ってもよいかの判定を行う(ステップS308)。なお、ソート印刷処理時には、部毎に親子(親機と子機)で印刷を分担する為、この判定は部先頭の印刷時のみ行うことにしていた。スタック印刷処理では、画像毎にその部の印刷を自機にて行ってもよいかの判定を行う。その理由は親機は先頭から印刷するのは当然ではあるが、子機では最大限の生産性を出す為に最終ページから印刷を行うようにしている為である。
【0089】
印刷を行ってもよいと判定された場合(ステップS308/Yes)、親機は、印刷実行を問い合わせるページにおいて印刷実行してよいと判断した数が、印刷予定部数に達しているか否かを判断する(ステップS309)。
【0090】
印刷実行を問い合わせるページにおいて印刷実行してよいと判断した数が、印刷予定部数に達していると判断された場合(ステップS309/Yes)、親機は、次に印刷実行を問い合わせるページとして次のページを設定する(ステップS310)。また、印刷実行を問い合わせるページにおいて印刷実行してよいと判断した数が、印刷予定部数に達していないと判断された場合(ステップS309/No)、親機は、次に印刷実行を問い合わせるページとして同じページを設定する(ステップS311)。親機は、印刷する画像を全て決定するまで、再度、画像の印刷実行問い合わせを繰り返す。
【0091】
親機は、印刷を行ってもよいと判定された場合には、印刷実行問い合わせるページを決定した上で、実際に1ページ目から印刷実行を行う(ステップS313)。
【0092】
親機は、画像毎に排紙完了時点で印刷結果成功を登録しておく(ステップS314)。
【0093】
親機は、その画像が親機だけで部数分印刷完了しているかどうかの判定を行い(ステップS315)、完了していれば(ステップS315/Yes)、子機へその画像の削除要求を送信する。(ステップS316)。
【0094】
また、親機にて印刷分担するものがないと判定された場合(ステップS308/No)、親機は、親機及び子機に割り当てた印刷が完了しているかどうかの判定を行い(ステップS316)、完了している場合には(ステップS316/Yes)、自機のHDD73に退避しているか画像メモリ66上にある画像データを削除する。(ステップS317)。完了していない場合には(ステップS316/No)、ステップS316の処理が繰り返される。以上で、親機は、印刷処理を終了する。
【0095】
図11は、本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるスタック印刷時における子機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、図11に沿って、本実施形態における子機の画像形成装置によるスタック印刷動作について説明する。
【0096】
親機でプリントキーが押下され、連結ジョブがスタートすると、親機から子機へ連結ジョブスタート要求がされ(図10のステップS301)、子機側の連結ジョブがスタートする(ステップS401)。
【0097】
連結ジョブが開始されると、子機は、Nページ目(初期値N=1)の画像情報の取得要求を親機に送信する(ステップS402)。
【0098】
子機は、親機からの画像情報応答を待ち(ステップS403)、まだNページ目の画像情報を受信していない場合(ステップS403/No)、ステップS403の処理を繰り返す。なお、ステップS403で子機が待っている画像情報とは、図10のステップS303で親機が子機に画像データとともに送信するものである。
【0099】
子機は、Nページ目の画像情報を受信した後(ステップS403/Yes)、次の(N+1)ページ目の画像情報を受信すると、その(N+1)ページ目の画像情報に、「情報なし」のフラグがセットされているか否かを判定し、前ページの画像データが最終ページであるか否かを判定する(ステップS404)。
【0100】
子機は、(N+1)ページ目の画像情報に「情報なし」のフラグがセットされていないと判断した場合、すなわち(N+1)ページ目の画像情報に通常通り画像に関する情報が含まれている場合(ステップS404/No)、(N+1)ページ目の画像情報を自機内に格納した後(ステップS405)、ステップS402の処理に移行し、次のページの画像情報を要求する。
【0101】
子機は、(N+1)ページ目の画像情報に「情報なし」のフラグがセットされていると判断した場合、すなわち(N+1)ページ目の画像情報に画像に関する情報が含まれていない場合(ステップS404/Yes)、前ページ(Nページ目)が最終ページであると判断する。次に、子機は、実際の画像が全て転送されたかどうかの判定をする為に、親機からの画像転送終了の通知を受信したか否かを判断する(ステップS406)。子機は、まだ画像転送終了の通知を親機から受信していないと判断した場合(ステップS406/No)、ステップS406の処理を繰り返す。なお、ステップS406において子機が受信を待つ画像転送終了通知は、図10のステップ307において、親機が子機に転送する画像転送終了通知である。
【0102】
ここで、子機は、親機から画像転送終了通知を受信すると(ステップS406/Yes)、子機は、スタック時には画像毎にその画像を印刷してもよいかの問い合わせを親機に送信し、親機からのその問い合わせの応答の内容が子機の印刷を許可するものであるか否かを判断する(ステップS407)。但し、問い合わせる画像は親機とは異なり最終ページからとなる。理由としては先にも述べたように最大限の生産性を出す為である。
【0103】
印刷を行ってもよいと判定された場合(ステップS407/Yes)、次の印刷実行問い合わせるページを決定した上で(ステップS408〜S410)、最終ページ目から印刷実行を行う(ステップS411)。印刷実行を問い合わせるページは、印刷実行してよいと判断した数が部数に達していれば(ステップS408/Yes)、次のページ(=子機画側では1つ前のページ)(ステップS409)、達していなければ(ステップS408/No)、同じページ(ステップS410)となる。
【0104】
次に、子機は、画像毎に排紙完了時点で印刷結果成功を親機へ送信し(ステップS412)、その画像が子機だけで部数分印刷完了しているかどうかの判定を行う(ステップS413)。完了していれば(ステップS413/Yes)、子機は、その印刷完了した画像のみを自機のHDD73または画像メモリ66上から削除する(ステップS414)。
【0105】
また、子機は、自機にて印刷分担するものがないと判定した場合(ステップS411/No)、自機に割り当てられた画像の印刷が全て完了しているかどうかの判定を行う(ステップS415)。子機は、自機に割り当てられた画像印刷が完了していないと判断した場合(ステップS415/No)、ステップS415の処理を繰り返す。完了していれば(ステップS415/Yes)、子機は、その印刷が完了した画像のみを消去する(ステップS416)。
【0106】
また、ステップS401にて子機のジョブがスタートした後、子機は、親機から特定の画像削除要求を受信したか否かを判断し(ステップS417)、画像削除要求を受信していないと判断した場合(ステップS417/No)、ステップS417の処理を繰り返す。
【0107】
画像削除要求が受信されたと判断された場合(ステップS417/Yes)、子機は、その削除要求を受けた画像のみを自機のHDD73または画像メモリ66上から削除する(ステップS418)。この画像削除要求は、親機が、図10のステップ315において子機へ送信するものにあたる。
【0108】
以上、上述したように、子機側の画像削除のタイミングは、
<1>子機だけで割り当てられた印刷をすべて完了してしまった場合(ステップS414)
<2>割り当てなし後の印刷が完了した場合(ステップS416)
<3>親機だけで印刷が完了してしまい、その画像の削除要求がきた場合(ステップS418)
の3つのパターンに分けられる。図12は、本発明の一実施形態の子機における画像削除タイミングを示す図である。この子機において画像が削除されるタイミングについて、以下図12を例に説明する。
【0109】
図12に示されている例では、原稿3枚、スタック3部コピーを行う。親機では、原稿1枚目の1部目、2部目を印刷実行してよいと判定され印刷が実行される(図10のステップS308)。その次に、子機では、最終原稿である原稿3枚目の3部目が印刷実行してよいと判定され実行される(図11のステップS407)。以下同じように、親機で原稿1枚目の3部目、子機で原稿3枚目の2部目、親機で原稿2枚目の1部目、子機で原稿3枚目の1部目、親機で原稿2枚目の2部目、子機で原稿2枚目の3部目が印刷実行してよいと判断され、印刷が実行される。
【0110】
次に、親機で原稿1枚目の3部目が排紙完了した時点で、子機へ原稿1枚目の画像削除要求を送信する(図10のステップS315)。子機は、ステップ37にてこの要求を受信し原稿1枚目の画像だけを削除する(図11のステップS418)。
【0111】
次に、子機で原稿3枚目の1部目が排紙完了して時点で、原稿3枚目の画像だけを削除する(図11のステップS414)。
【0112】
次に、子機で原稿2枚目の3部目で印刷するものがなくなった後、この印刷が完了した時点で、原稿2枚目の画像だけを削除する(図11のステップS416)。
【0113】
このように、スタック印刷処理の際、親機は、自機だけで全ての印刷要求部数の印刷を完了した印刷データの削除要求を子機に送信する。子機は、その削除要求を受信すると、自機内のHDD73または画像メモリ66に記憶している印刷データのうちその削除要求された印刷データを削除する。
【0114】
また、スタック印刷処理の際、子機は、自機内のHDD73または画像メモリ66に記憶している印刷データのうち、自機だけで全ての印刷要求部数の印刷を完了した印刷データを削除する。
【0115】
また、スタック印刷処理の際、子機は、自機内のHDD73または画像メモリ66に記憶している印刷データのうち、印刷が許可されていない部数と自装置で印刷が完了した部数とを合計した部数が、印刷要求部数となる印刷データを削除する。
【0116】
以上説明したように、本実施形態によれば、親機と子機の2台以上の画像形成装置を接続してなる画像形成システムにおいて、親機は、原稿画像を読み取る読取手段と、読み取った画像を記憶する記憶手段と、記憶した画像を印刷する印刷手段と、子機と相互に画像を送受信する連結手段とを有する。親機は、読取手段によって読み取った画像を連結手段を介して子機に送信し、記憶手段に記憶した上で、親機と子機は、ソート印刷作業を分担して処理する。親機は、子機にてその印刷分担分が印刷完了した場合に記憶手段に記憶した画像を親機の印刷完了に関わらず消去することによって、子機側のメモリ資源の有効活用が可能となる。
【0117】
また、本実施形態によれば、親機と子機の2台以上の画像形成装置を接続してなる画像形成システムにおいて、親機は、原稿画像を読み取る読取手段と、読み取った画像を記憶する記憶手段と、記憶した画像を印刷する印刷手段と、子機と相互に画像を送受信する連結手段とを有する。親機は、読取手段によって読み取った画像を前記連結手段を介して子機に送信し、記憶手段に記憶した上で、親機と子機は、スタック印刷作業を分担して処理し、親機にて部数分の印刷が完了した場合に子機の記憶手段に記憶した画像を消去していくことによって、子機側でのメモリ資源の有効活用が可能となる。
【0118】
また、本実施形態によれば、親機と子機の2台以上の画像形成装置を接続してなる画像形成システムにおいて、親機は、原稿画像を読み取る読取手段と、読み取った画像を記憶する記憶手段と、記憶した画像を印刷する印刷手段と、子機と相互に画像を送受信する連結手段とを有する。親機は、読取手段によって読み取った画像を連結手段を介して他装置に送信し、記憶手段に記憶した上、スタック印刷作業を分担して処理し、子機にて部数分の印刷が完了した場合に子機の記憶手段に記憶した画像を消去していくことによって、子機側でのメモリ資源の有効活用することが可能となる。
【0119】
また、画像形成装置は、データの送受信を行う処理と、データを記憶する処理と、データを削除する処理とを行う。上記の処理は、画像形成装置が有するコンピュータプログラムにより実行されるが、上記のプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0120】
なお、上記の実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の一実施形態における画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像形成装置に設けられている操作部を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における操作部の液晶タッチパネルの表示一例を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態における画像形成装置の制御系を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における画像形成装置における画像処理ユニット(読み取りユニットと書き込みユニット)の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における画像形成装置の1ページ分の画像データのタイミングチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における互いに接続された2台の画像形成装置(親機及び子機)のソフトウェアのモジュール構成を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるソート印刷時における親機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるソート印刷時における子機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるスタック印刷時における親機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態において、2台の接続された画像形成装置(親機及び子機)によるスタック印刷時における子機側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態の子機における画像削除タイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1 自動原稿送り装置(ADF)
2 原稿台
3 給送ローラ
4 給送ベルト
5 配送ローラ
6 コンタクトガラス
7 原稿セット検知部
8 第1トレイ
9 第2トレイ
10 第3トレイ
11 第1給紙ユニット
12 第2給紙ユニット
13 第3給紙ユニット
14 縦搬送ユニット
15 感光体
16 搬送ベルト
17 定着ユニット
18 排紙ユニット
20 メインコントローラ
21 中間クラッチ
22 第1給紙クラッチ
23 第2給紙クラッチ
24 第3給紙クラッチ
25 メインモータ
26 搬送モータ
27 現像ユニット
30 操作部
31 液晶タッチパネル
32 テンキー
33 クリア/ストップキー
34 プリントキー
35 予熱キー
36 リセットキー
40 連結コピーキー
48 連結I/F
49 IPU
50 読み取りユニット
51 露光ランプ
52 第1ミラー
53 レンズ
54 CCDイメージセンサ
55 第2ミラー
56 第3ミラー
57 書き込みユニット
58 レーザ出力ユニット
59 結像レンズ
60 ミラー
61 A/Dコンバータ
62 シェーディング補正部
63 画像処理部
64 セレクタ
65 画像メモリコントローラ
66 画像メモリ
67 I/Oポート
68 CPU
69 ROM
70 RAM
71 書き込みγ補正部
72 変倍処理部
73 HDD
100 フィニッシャ
101 切り替え板
102 通常排紙ローラ
103、105 搬送ローラ
104 通常排紙トレイ
106 ステープラ
107 排紙ローラ
108 ステープル台
109 ジョガー
110 ステープル完了排紙トレイ
111 両面給紙ユニット
112 分岐爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されている画像形成装置であって、
自装置が記憶する印刷データを前記他の画像形成装置に送信して印刷処理を分担し、前記他の画像形成装置から前記他の画像形成装置に割り当てられている印刷処理の完了通知を受信し、前記自装置と前記他の画像形成装置との印刷処理が完了したと判断した場合、前記自装置が記憶する印刷データを削除することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されている画像形成装置であって、
印刷データを記憶する記憶手段と、
前記記憶された印刷データを印刷する印刷手段と、
前記記憶された印刷データの前記他の画像形成装置への送信を含むデータの送受信を前記他の画像形成装置との間で行う連結手段と、
前記記憶された印刷データを削除する削除手段とを有し、
前記連結手段は、
前記他の画像形成装置による印刷処理の完了通知を、前記他の画像形成装置から受信し、
前記削除手段は、
ソート印刷処理またはスタック印刷処理を前記他の画像形成装置と分担する場合、前記受信された印刷処理の完了通知に基づいて、前記自装置と前記他の画像形成装置との印刷処理が完了したと判断した場合、前記自装置が記憶する印刷データを削除することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記連結手段は、
前記スタック印刷処理を前記他の画像形成装置と分担する場合、印刷要求された部数分印刷が完了した前記印刷データの削除要求を前記他の画像形成装置に送信することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
ネットワークを介して1台以上の他の画像形成装置と接続されている画像形成装置であって、
前記他の画像形成装置からの前記印刷データの受信を含むデータの送受信を前記他の画像形成装置との間で行う連結手段と、
前記受信された印刷データを記憶する記憶手段と、
前記記憶された印刷データを印刷する印刷手段と、
前記記憶された印刷データを削除する削除手段とを有し、
前記削除手段は、
ソート印刷処理またはスタック印刷処理を前記他の画像形成装置と分担する場合、前記記憶された印刷データのうち、自装置に印刷が割り当てられ、印刷が完了した印刷データを削除することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記連結手段は、
前記他の画像形成装置が印刷要求部数分、印刷を完了した前記印刷データの削除要求を、前記他の画像形成装置から受信し、
前記削除手段は、
前記スタック印刷処理を前記他の画像形成装置と分担する場合、前記記憶された印刷データのうち、前記削除要求された印刷データを削除することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記連結手段は、
前記記憶された印刷データの印刷許可を1部ごとに前記他の画像形成装置に問い合わせ、
前記削除手段は、
前記記憶された印刷データのうち、印刷が許可されていない部数と自装置で印刷が完了した部数とを合計した部数が、印刷要求部数となる印刷データを削除することを特徴とする請求項4または5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−271562(P2008−271562A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110778(P2008−110778)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【分割の表示】特願2003−26433(P2003−26433)の分割
【原出願日】平成15年2月3日(2003.2.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】