説明

画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体

【課題】本発明は、指定の画像品質を適切に維持した画像形成を行う画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【解決手段】レーザプリンタ1は、用紙Pを搬送する転写部6や用紙搬送路4等の構成部品及びIPUの生成した画像データに基づいて該用紙Pに画像形成する画像形成部5の構成部品のうち形成画像の画像品質に影響する画像品質影響構成部品の外形精度を、計測ユニットによって計測し、該計測した各画像品質影響構成部品の外形精度に基づいて、画像形成に際して指定される指定画像品質を維持した画像品質の画像を、転写部6等で搬送する用紙Pに対して画像形成部5で画像形成するのに必要な解像度と該解像度に対応した線速度を算出し、IPUに該解像度の画像データを生成させるとともに、該線速度で用紙Pを搬送させて用紙Pに画像形成部5によって画像形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関し、詳細には、指定された画像品質を適切に維持した画像形成を行う画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ装置、複合装置等の画像形成装置においては、有線、無線の通信回線を介して複数のコンピュータ、携帯端末等のホスト装置から印刷設定と印刷データからなる印刷要求を受け取って、該受け取った印刷要求の印刷設定に応じて印刷データを用紙に印刷出力する。
【0003】
特に、近年では、Bluetooth等の無線通信技術の発達と携帯端末の発達によって、携帯端末と画像形成装置が無線通信によって容易に接続可能となり、種々の画像形成環境が形成されて、画像形成されるようになってきている。そして、このような画像形成環境を有効に利用するために、印刷要求を簡単にかつ容易に行える技術も提案されている(特許文献1、特許文献2等参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−285906号公報
【特許文献2】特開2005−114790号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術にあっては、同じ印刷条件の印刷要求内容であっても、画像形成の要求先の画像形成装置によって画像形成結果が異なったものとなることがあり、対応が要望されている。
【0006】
すなわち、印刷要求を行うユーザは、自己の求める画像品質(例えば、色ずれ等)を考慮して、画像解像度等の画像品質を指定して印刷要求を行う。ところが、同じ解像度であっても、画像形成装置を構成する構成部品の精度が、画像形成装置によってバラツキがあったり、経年変化や使用頻度等によって異なり、この部品精度の相異が、形成される画像の色ずれ等の画像品質に影響する。その結果、画像形成装置で異なった画像品質の画像が形成されることとなり、印刷に際して指定された画像品質の画像がいずれの画像形成装置においても形成される技術が要望されている。
【0007】
そこで、本発明は、画像形成に際して指定される画像品質を適切に満たした画像品質の画像を形成する画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、画像形成媒体を複数の線速度で搬送する搬送手段の構成部品及び該搬送手段で搬送される該画像形成媒体に画像形成対象の画像データから複数の解像度の画像データを生成する画像生成手段で生成された画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段の構成部品のうち形成画像の画像品質に所定量以上の影響を及ぼす画像品質影響構成部品の精度状態を、部品精度計測手段によって計測し、必要画像品質算出手段が、該計測した各画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて、画像形成に際して指定される指定画像品質を維持した画像品質の画像を、該搬送手段で搬送する該画像形成媒体に対して該画像形成手段で画像形成するのに必要な必要解像度と該必要解像度に対応した必要線速度を算出し、制御手段が、該画像生成手段に該必要解像度の画像データを生成させるとともに、該搬送手段に該必要線速度で該画像形成媒体を搬送させて該画像形成媒体に該画像形成手段によって画像形成させることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記部品精度計測手段の計測した前記画像品質影響構成部品の精度状態を精度状態記憶手段に記憶し、前記必要画像品質算出手段が、該精度状態記憶手段の記憶する該画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて前記必要解像度及び前記必要線速度を算出することを特徴としてもよい。
【0010】
さらに、本発明は、前記必要画像品質算出手段が算出した前記必要線速度に基づいて画像形成の生産性を算出する生産性算出手段と、該生産性を報知出力する報知手段と、をさらに備えていることを特徴としてもよい。
【0011】
また、本発明は、画像形成に際して指定された前記指定画像品質を変更する指定画像品質変更手段を備え、前記必要画像品質算出手段が、該指定画像品質変更手段によって指定画像品質が変更されると、変更後の該指定画像品質に基づいて前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴としてもよい。
【0012】
さらに、本発明は、前記画像品質影響構成部品の交換、修理等の精度状態における所定の変更が発生したか否かを検出する状態変更検出手段をさらに備え、該状態変更検出手段が精度状態の該所定の更事発生を検出すると、前記部品精度計測手段が、該画像品質影響構成部品の精度状態を計測し、前記必要画像品質算出手段が、計測された該精度状態に基づいて前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴としてもよい。
【0013】
また、本発明は、前記状態変更検出手段が精度状態の前記所定の変更発生を検出すると、前記必要画像品質算出手段が、少なくとも前記画像品質影響構成部品の有する初期の精度状態を保持する初期精度状態保持手段から該初期精度状態を取得して前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像形成に所定量以上の影響を及ぼす画像品質影響構成部品の精度状態を把握して、該精度状態から画像形成に際して指定される指定画像品質を満たす画像品質の画像を形成するのに必要な必要解像度と必要線速度を求めて、該必要解像度と必要線速度によって画像形成するので、画像形成に際して指定される画像品質を満たした画像を適切に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0016】
図1〜図7は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第1実施例を適用したレーザプリンタ1の概略構成図である。
【0017】
図1において、レーザプリンタ1は、本体筐体2内に、給紙部3、用紙搬送路4、画像形成部5、転写部6、定着部7、排紙搬送路8等が配設され、本体筐体2の上部に排紙トレイ9及び操作表示部10等が設けられている。
【0018】
給紙部3は、複数(図1では、3つ)の給紙カセット3a〜3d及び給紙ローラ3e〜3f等を備えており、給紙カセット3a〜3d内には、それぞれ用紙(画像形成媒体)Pが収納可能であって、各給紙カセット3a〜3dには、それぞれ異なる用紙サイズの用紙Pが収納可能である。給紙部3は、給紙カセット3a〜3d内の用紙Pを給紙ローラ3e〜3fによって1枚ずつ分離して用紙搬送路4に送り出す。
【0019】
用紙搬送路4は、搬送ローラ4a、搬送路ローラ4b及びレジストローラ4c等の搬送手段を備えており、給紙部3の給紙カセット3a〜3dから送り出された用紙Pをレジストローラ4cに搬送して、レジストローラ4cでタイミング調整して画像形成部5と転写部6との間に送り出す。
【0020】
画像形成部(画像形成手段)5は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成する画像形成ユニット5Y、5M、5C、5K及び光書き込みユニット5H等を備えており、各色の画像形成ユニット5Y、5M、5C、5Kは、像担持体としての感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcを備えているとともに、番号付与を省略するが、帯電部、現像部、除電部、クリーニング部等を備えている。各色の感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcは、図1の時計方向に回転駆動され、帯電部で一様に帯電された後、光書き込みユニット5Hからそれぞれ各色用の画像データに基づいて変調されたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。静電潜像の形成された各色の感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcは、現像部によって対応する色のトナーが供給されてトナー画像が形成され、転写部6によって転写部6との間を搬送されてきた用紙P上にトナー画像を転写する。転写の完了した感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcは、除電部で除電され、クリーニング部でクリーニングされた後、再度、帯電部で一様に帯電されて、次の、画像形成に供される。
【0021】
上記光書き込みユニット5Hは、番号を付与しないが、光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射ミラー等を備え、各色の画像データに基づいて、光源から出射する各色用のレーザ光を変調させて、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射ミラーを介して、各色それぞれに対応する感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcの表面に走査しながら照射して、静電潜像を形成させる。
【0022】
転写部6は、複数のローラ6aと、該複数のローラ6aに張り渡されて各色の画像形成ユニット5Y、5M、5C、5Kに沿って延在する無端ベルト状の搬送ベルト6b等を備え、少なくともローラ6aの1つが駆動ローラとなって搬送ベルト6bを、図1に矢印で示す反時計方向に、回転駆動させるとともに、少なくとも1つのローラ6aが、転写ローラとなって搬送ベルト6bに転写電位の電荷を供給する。転写部6aは、転写電位に帯電された搬送ベルト6bが、レジストローラ4cから送り出されてきた用紙Pを吸着して画像形成ユニット5Y、5M、5C、5Kの感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcと対向する位置を搬送されるタイミングに、各感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc上のトナーが順次用紙Pに重ね合わされて転写され、カラートナー画像を形成する。したがって、転写部6は、用紙Pを複数の線速度で搬送する搬送手段及び搬送される用紙Pに画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段として機能する。
【0023】
レーザプリンタ1は、転写部6によってカラートナー画像の転写された用紙Pを定着部7に搬送し、定着部7は、ベルト定着方式であって、加圧ローラ7aと、一対の加熱ローラ7bに保持されて回転駆動される加熱ベルト7cや図示しない温度センサ等を備えている。定着部7は、トナー画像の形成された用紙Pを加熱ベルト7cと加圧ローラ7aで加熱しつつ搬送して、用紙P上のトナー画像を用紙Pに定着させて、排紙搬送路8に送り出す。
【0024】
排紙搬送路8は、複数の搬送ローラ8aと排紙ローラ8b等を備え、定着部7でトナー画像の定着された用紙Pを搬送ローラ8aで排紙ローラ8bに搬送して、排紙ローラ8bによって、画像面が下になったいわゆるフェースダウンの状態で排紙トレイ9上に排出する。排紙トレイ9は、本体筐体2の上部に形成され、複数枚の画像形成済みの用紙Pが順次フェースダウンの状態で順次重ねて排出載置される。
【0025】
操作表示部(有効/無効選択手段、報知手段、指定画像品質変更手段、精度状態入力手段)10は、テンキーやスタートキー等の各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備え、操作キーからは、コピー操作等のレーザプリンタ1を利用するのに必要な各種命令操作が行われ、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容やレーザプリンタ1からオペレータに通知する各種情報を表示する。操作表示部10は、後述するように、構成部品の状態による画像品質の設定処理を行う上で、必要な各種情報の入力操作が、ユーザやサービスマン等によって行われる。
【0026】
このレーザプリンタ1は、その回路の主要部が、図2に示すようにブロック構成されており、制御基板20上に、CPU(Central Processing Unit )21と不揮発性メモリ22等のメイン回路部分が搭載され、制御基板20に、IPU(Image Processing Unit:画像処理ユニット)31、アクチュエータ32、無線LANインターフェイス33、計測ユニット34及び上記操作表示部10等が接続されている。
【0027】
不揮発性メモリ(精度状態記憶手段)22は、例えば、FROM(flash Read Only Memory)等が用いられ、レーザプリンタ1の電源がオフの場合にも記憶内容を保持する必要のあるデータやプログラム等が格納され、レーザプリンタ1としての基本プログラムやシステムデータ及び後述する本発明の画像品質を制御する画像形成方法を実行する画像形成制御プログラムやその画像形成制御処理で使用する各種データテーブル等のデータを格納している。この不揮発性メモリ22に格納されているデータテーブルとしては、例えば、図3に示すような部品(感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc、レジストローラ4c等)の偏芯レベルである外形精度レベルS(μsec)と画像品質レベルとを対応させた偏芯量−外形精度レベルデータテーブル、解像度と用紙搬送の線速度を対応させた解像度−線速度データテーブル等である。
【0028】
なお、図3は、構成部品の外形精度レベルを、偏芯量が最も小さいレベル5から最も偏芯量が大きいレベル1までの5段階に分けた場合の外形精度レベルと偏芯量を対応させた偏心量−外形精度レベル(精度状態)データテーブルを示しており、ここで、偏芯量とは、ドラムやローラの外形の回転中心に対する偏り量をいう。
【0029】
CPU(必要画像品質算出手段、制御手段 )21は、不揮発性メモリ22内のプログラムに基づいてレーザプリンタ1の各部を制御して、レーザプリンタ1としての基本機能を実行するとともに、後述する画像形成方法に基づく画像形成処理を実行する。
【0030】
IPU(画像生成手段)31は、画像データに所定の画像処理を施して、該画像処理後の画像データを図示しない画像メモリに保存し、また、画像メモリから読み出した画像データに必要な画像処理、例えば、解像度調整、画像回転、画像拡大/縮小等の画像処理を施して、該画像処理後の画像データをCPU21に渡す。特に、IPU31は、複数の画像解像度の画像データを生成する機能を有し、CPU21によって、印刷対象の画像データに対する解像度の変更が行われると、該変更後の解像度に画像データの解像度調整を行う。
【0031】
アクチュエータ32は、上記感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc、レジストローラ4c、転写部6、定着部7及び給紙部3等の可動部分及びを稼動制御するものを総称したものであり、CPU21の制御下で動作する。
【0032】
無線LANインターフェイス33は、無線LANのインターフェイスを実行し、例えば、図4に示すように、無線LAN上のホスト装置としての携帯装置100との間で無線通信を行って、印刷要求の受信や印刷結果の携帯装置100への送信等を行う。
【0033】
なお、携帯装置100は、少なくとも該印刷要求の印刷設定において要求する指定画像品質と印刷データを対応させて記憶するフラッシュRAM(Random Access Memory)等の不揮発性メモリ101を搭載しており、レーザプリンタ1に印刷要求する際に、該不揮発性メモリ101の印刷データと指定画像品質を印刷要求とともにレーザプリンタ1に無線LANを利用して無線送信する。
【0034】
レーザプリンタ1は、該無線LANインターフェイス33を介して携帯装置100からの印刷要求を受信すると、該印刷要求で要求されている印刷設定を、CPU21が解釈して、該印刷設定の指定画像品質に応じて、アクチュエータ32を制御して該印刷要求の印刷データを用紙Pに印刷出力する。
【0035】
計測ユニット(部品精度計測手段)34は、レーザプリンタ1を構成し、レーザプリンタ1の形成する形成画像の画像品質に影響する構成部品(画像品質影響構成部品)、例えば、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc、レジストローラ4c等の外形精度(精度状態)を計測して、計測結果をCPU21に出力する。例えば、計測対象がレジストローラ4cの場合、図5に示すように、レジストローラ4cは、その一方側の端部の外周面に、所定の一定間隔毎に、所定の反射率を有しレジストローラ4cの周方向に所定幅を有する計測マーク40が設けられており、計測ユニット34は、図6に示すように、この計測マーク40を検出可能な位置に配設されている。計測ユニット34は、発光素子34aと受光素子34bで構成され、発光素子34aとしては、例えば、計測光34cを計測マークに出射するLED(Light Emitting Diode)等が用いられる。受光素子34bは、フォトダイオード等が用いられ、発光素子34aから出射された計測光34cが計測マーク40の設けられている部分のレジストローラ4cの表面で反射された反射光を受光可能な位置に配設されている。したがって、計測ユニット34の受光素子34bは、レジストローラ4cが一定の回転速度で回転する場合、計測光34cが計測マーク40部分で反射されるか、レジストローラ4cの表面(ローラ地面部)で反射されるかによって、図7に示すように、所定のパルス幅を有し一定周波数で電圧がパルス状に変化する出力波形の計測信号をCPU21に出力する。
【0036】
したがって、CPU21は、アクチュエータ32を介してレジストローラ4cを一定回転速度で少なくとも1回転以上回転させて、そのときの計測ユニット34の受光素子34bからの計測信号のパルス幅の最大値Pmaxと最小値Pminの差分を算出することで、レジストローラ4cの外形の回転中心に対する偏芯量Sを次式(1)により算出することができる。
【0037】
S=Pmax−Pmin・・・(1)
そして、レーザプリンタ1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御プログラムを読み込んで不揮発性メモリ22等に導入してCPU21が実行することで、後述する印刷要求通りの画像品質の画像を形成する画像形成方法を実行するレーザプリンタ1として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0038】
CPU21は、不揮発性メモリ22に予め設定されている所定時間間隔毎に、画像品質に所定量以上に影響する各構成部品(画像品質影響構成部品)の偏芯量Sを、上記計測ユニット34を用いてそれぞれ計測して式(1)により算出し、該計測・算出した偏芯量Sに基づいて、図3に示した該構成部品の偏芯量−外形精度レベルデータテーブルを参照して該構成部品の外形精度レベルを決定し、該決定した外形精度レベルを該構成部品の外形精度レベル(精度状態)として、不揮発性メモリ22に格納する。
【0039】
上記処理を画像品質に影響する構成部品(画像品質影響構成部品)として予め設定されている画像品質影響構成部品毎に行い、全ての画像品質影響構成部品に対する外形精度レベルを決定すると、CPU21は、全ての画像品質影響構成部品の外形精度レベルから該外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載しているときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを次式(2)により算出する。
【0040】
G=a*(A1+A2+・・・+An)/n+b*(B1+B2+・・・+Bn)/n+・・・+m*(M1+M2+・・・+Mn)/n・・・(2)
ここで、a、b、・・・、mは、レーザプリンタ1の機種に応じた部品A、部品B、・・・、部品Mの重み付け係数であり、a+b+・・・+m=1である。A1〜An、B1〜Bn、・・・、M1〜Mnは、部品A、部品B、・・・、部品Mの外形精度のデータである。
【0041】
そして、レーザプリンタ1は、携帯装置100から上記不揮発性メモリ101に格納されている画像品質を指定した印刷要求があると、CPU21が、該印刷要求で指定されている画像品質指定値Uを満たす画像品質の画像形成を上記現在の外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載するレーザプリンタ1として行うのに必要な解像度(必要解像度)Kを、上記画像品質レベルGを用いて次式(3)により算出する。
【0042】
U<G+d*K・・・(3)
なお、dは、レーザプリンタ1の機種に応じたIPU31の重み付け係数である。
【0043】
すなわち、CPU21は、(3)式を満たす解像度Kであって、レーザプリンタ1の備えている複数の解像度のうち最も低い解像度を、該印刷要求のあった印刷データの印刷に用いる解像度として決定し、該決定した解像度に基づいて、上記不揮発性メモリ22に格納されている解像度−線速度データテーブルを参照して、用紙搬送の線速度(必要線速度)を決定する。
【0044】
CPU21は、解像度と線速度を決定すると、IPU31に対して、携帯装置100から受け取った印刷データを該決定した解像度の画像データに変換させ、アクチュエータ32を介して該解像度の画像データに基づいて用紙搬送路4、画像形成部5、転写部6の駆動を制御して、該解像度の画像データを用いて用紙Pを該線速度で搬送させて画像形成を実行する。
【0045】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のレーザプリンタ1は、印刷要求を送ってきた携帯装置100が印刷要求によって指定している画像品質(指定画像品質)を適切に確保した画像を形成する。なお、以下の説明では、説明を簡略化して明確にするために、画像品質影響構成部品として、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcとレジストローラ4cのみを取り上げて説明する。
【0046】
すなわち、レーザプリンタ1は、予め操作表示部10等から設定された所定時間間隔毎に、画像品質影響構成部品の外形精度(偏芯量S)を、計測ユニット34を用いてそれぞれ計測して式(1)により算出し、該計測・算出した偏芯量Sに基づいて、図3に示した該画像品質影響構成部品の偏芯量−外形精度レベルデータテーブルを参照して該画像品質影響構成部品の外形精度レベルを決定し、該決定した外形精度レベルを該画像品質影響構成部品、すなわち、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4cの外形精度レベルとして、不揮発性メモリ22に格納する。
【0047】
次に、CPU21は、全ての画像品質影響構成部品(感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c)の外形精度レベルから該外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載しているときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを上記式(2)を画像品質影響構成部品として感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4cのみを取り上げた場合の次式(2a)により算出する。
【0048】
G=a*(A1+A2+A3+A4)/4+b*(B1+B2)/2・・・(2a)
ここで、A1〜A4は、イエローY〜ブラックKまでの4つの感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcの外形精度レベルであって、図3に示したように、「1」〜「5」のいずれかのレベル値が上記計測結果から求められて不揮発性メモリ22に格納されている。また、B1、B2は、対となっているレジストローラ4cの外形精度レベルであって、図3に示したように、「1」〜「5」のいずれかのレベル値が上記計測結果から求められて不揮発性メモリ22に格納されている。この(2a)式の算出においては、例えば、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcの重み付け係数aとして、a=0.6を用い、レジストローラ4cの重み付け係数bとして、b=0.4を採用(a+b=1)する。
【0049】
このようにして、画像品質影響構成部品の外形精度レベルが現在の計測結果の外形精度レベルの状態であるときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを算出すると、該算出した画像品質レベルGを不揮発性メモリ22に格納する。
【0050】
CPU21は、上記画像品質影響構成部品の外形精度計測と外形精度レベルの算出を行って不揮発性メモリ22に格納する処理及び該外形精度レベルに基づくレーザプリンタ1の画像品質レベルGの算出と算出結果の画像品質レベルGの不揮発性メモリ22への格納処理を所定時間間隔毎に行い、常に、現在の画像品質影響構成部品の外形精度に応じた画像品質レベルGを不揮発性メモリ22に格納した状態とする。
【0051】
この状態で、無線LANを通して携帯装置100から画像品質を指定した印刷要求があると、レーザプリンタ1は、少なくとも該指定画像品質を確保した印刷処理(画像形成処理)を行う。
【0052】
すなわち、携帯装置100は、その搭載する不揮発性メモリ101に印刷要求の印刷設定において要求する指定画像品質と印刷データを対応させて記憶しており、この不揮発性メモリ101の指定画像品質(画像品質指定値U)を含む印刷設定の印刷要求を無線LANを通して、レーザプリンタ1に送信する。
【0053】
レーザプリンタ1は、無線LANインターフェイス33を介して画像品質指定値U(U=1〜5)で画像品質を指定した印刷要求を該携帯装置100から受信すると、CPU21が、該印刷要求で指定されている画像品質指定値Uを満たす画像品質の画像形成を上記現在の外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載するレーザプリンタ1として行うのに必要な解像度Kを、上記画像品質レベルGを用いて上記式(3)により算出する。
【0054】
すなわち、CPU21は、(3)式を満たす解像度Kであって、レーザプリンタ1の備えている複数の解像度のうち最も低い解像度を、該印刷要求のあった印刷データの印刷に用いる解像度として決定し、該決定した解像度に基づいて、上記不揮発性メモリ22に格納されている解像度−線速度データテーブルを参照して、用紙搬送の線速度を決定する。例えば、レーザプリンタ1は、その解像度として、400dpi、800dpi、1200dpiの3段階の解像度を有しているものとすると、式(3)のレーザプリンタ1の機種に応じたIPU31の重み付け係数dとしては、例えば、d=1/400を採用し、解像度Kとして、400dpi、800dpi及び1200dpiを採用して算出する。
【0055】
この3段階の解像度のうち式(3)で解像度Kを満たす解像度として算出された解像度であって、最も低い解像度、例えば、算出された解像度Kが400データと800dpiとの間の解像度であった場合、800dpiを、印刷要求のあった印刷データの印刷に使用する解像度として決定し、決定した解像度である800dpiに対して解像度−線速度データテーブルに登録されている線速度を、該印刷データの印刷に使用する線速度として決定する。
【0056】
CPU21は、解像度と線速度を決定すると、IPU31に対して、携帯装置100から受け取った印刷データを該決定した解像度の画像データに変換させ、アクチュエータ32を介して該線速度に基づいて用紙搬送路4、転写部6の駆動を制御して該線速度で搬送される用紙Pに対して、該解像度の画像データを用いて画像形成部5で画像形成を実行する。
【0057】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、用紙Pを複数の線速度によって搬送する転写部6や用紙搬送路4の構成部品及び該転写部6等で搬送される用紙Pに画像形成対象の画像データから複数の解像度の画像データを生成するIPU31で生成された画像データに基づいて画像を形成する画像形成部5の構成部品のうち形成画像の画像品質に所定量以上の影響を及ぼす画像品質影響構成部品である感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcやレジストローラ4c等の精度状態(外形精度)を、計測ユニット34によって計測し、CPU21で、該計測した各画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて、画像形成に際して指定される指定画像品質を維持した画像品質の画像を、転写部6等で搬送する用紙Pに対して画像形成部5で画像形成するのに必要な必要解像度と該必要解像度に対応した必要線速度を算出し、IPU31に該必要解像度の画像データを生成させるとともに、該必要線速度で用紙Pを搬送させて該用紙Pに画像形成部5によって画像形成させている。
【0058】
したがって、画像形成に所定量以上の影響を及ぼす画像品質影響構成部品の精度状態を把握して、該精度状態から画像形成に際して携帯端末100等から指定される画像品質を満たす画像品質の画像を形成するのに必要な必要解像度と必要線速度を求めて、該必要解像度と必要線速度によって画像形成することができ、画像形成に際して指定される画像品質を満たした画像品質の画像を適切に形成することができる。
【0059】
その結果、画像品質影響構成部品の精度状態に、径時変化等によるバラツキがある場合にも、該精度状態に応じて画像形成する必要解像度と必要線速度を変更して印刷することで、ユーザの意図する画像品質の画像を形成することができ、レーザプリンタ1等の画像形成装置による出力画像の画像品質のバラツキの発生を防止して、出力画像の画像品質の適正化を図ることができる。
【0060】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、計測ユニット34の計測した画像品質影響構成部品の精度状態(外形精度レベル)を記憶する不揮発性メモリ22を備えており、CPU21は、該不揮発性メモリ22の記憶する該画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて必要解像度及び必要線速度を算出している。
【0061】
したがって、印刷要求があった場合に、いちいち精度状態(外形精度)の計測を行うことなく、既に計測して不揮発性メモリ22に格納されている精度状態に基づいて必要解像度と必要線速度を算出することができ、処理速度を向上させることができる。
【0062】
さらに、本実施例のレーザプリンタ1は、計測ユニット34の計測した画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて予め各画像品質レベルGの必要解像度と必要線速度を算出して不揮発性メモリ22に格納している。
【0063】
したがって、印刷要求があった場合に、該不揮発性メモリ22の各画像品質レベルGの必要解像度と必要線速度に基づいて、該印刷要求で要求されている画像品質の画像を満たす画像を速やかにかつ適切に形成することができる。
【実施例2】
【0064】
図8〜図10は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第2実施例を示す図であり、図8は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第2実施例を適用したレーザプリンタによる外形精度計測時間間隔に基づく外形精度計測処理を示すフローチャートである。
【0065】
なお、本実施例は、上記第1実施例のレーザプリンタ1と同様のレーザプリンタに適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0066】
本実施例のレーザプリンタ1は、所定タイミングに、画像品質影響構成部品の精度状態である外形精度を計測して、計測した該外形精度レベルを不揮発性メモリ22に格納する外形精度計測処理を行うところにその特徴がある。
【0067】
まず、予め設定された外形精度計測時間間隔で外形精度計測処理を行う場合について、説明する。レーザプリンタ1は、その不揮発性メモリ22に、初期外形精度計測時間間隔が予め登録されており、また、操作表示部10等から任意に設定操作された設定外形精度計測時間間隔が設定登録される。
【0068】
CPU21は、図8に示すように、所定タイミング毎に、不揮発性メモリ22に設定されている初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過したかチェックし(ステップS101)、初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過していないときには、その他の処理の有無のチェック等を行って、所定タイミング経過すると、再度、初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過したかチェックして、初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過すると、画像品質影響構成部品(上記感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c等)の外形精度(偏芯量S)を、計測ユニット34を用いてそれぞれ計測して式(1)により算出し、該計測・算出した偏芯量Sに基づいて、図3に示した該画像品質影響構成部品の偏芯量−外形精度レベルデータテーブルを参照して該画像品質影響構成部品の外形精度レベルを決定し、該決定した外形精度レベルで、不揮発性メモリ22に既に格納されている該再計測した画像品質影響構成部品(感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c)の外形精度レベルを更新する(ステップS102)。
【0069】
次に、CPU21は、該外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載しているときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを式(2)により算出し(ステップS103)、不揮発性メモリ22に既に格納されている画像品質レベルGを該計算結果の画像品質レベルGで更新する(ステップS104)。
【0070】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、計測ユニット34による画像品質影響構成部品の精度状態(外形精度)の計測を、所定の外形精度計測時間間隔毎に行って、該計測結果の精度状態に基づいて各画像品質レベルGを再計算して不揮発性メモリ22に格納している。
【0071】
したがって、画像品質影響構成部品の精度状態として、常に最新の精度状態を把握して、該最新の精度状態に基づいて画像形成することができ、要求された画像品質の画像をより一層適切にかつ速やかに形成することができる。
【0072】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、図9に示すように、操作表示部10からの外形精度計測コマンドの入力に応じて、外形精度計測処理を行う。なお、図9において、図8と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を簡略化する。
【0073】
すなわち、CPU21は、図9に示すように、所定タイミング毎に、外形精度計測コマンドが入力されたかチェックし(ステップS201)、外形精度計測コマンドが入っていないときには、その他の処理の有無のチェック等を行って、所定タイミング経過すると、再度、外形精度計測コマンドが入力されたかチェックする(ステップS201)。
【0074】
ステップS201で、外形精度計測コマンドが入力されると、CPU21は、画像品質影響構成部品(上記感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c等)の外形精度(偏芯量S)を計測して式(1)により算出し、該計測・算出した偏芯量Sに基づいて該画像品質影響構成部品の外形精度レベルを決定し、該決定した外形精度レベルで、不揮発性メモリ22に既に格納されている該再計測した画像品質影響構成部品(感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c)の外形精度レベルを更新する(ステップS102)。
【0075】
次に、CPU21は、該外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載しているときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを式(2)により算出し(ステップS103)、不揮発性メモリ22に既に格納されている画像品質レベルGを該計算結果の画像品質レベルGで更新する(ステップS104)。
【0076】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、計測ユニット34による画像品質影響構成部品の精度状態(外形精度)の計測を、所定の外形精度計測実行要求毎に、例えば、操作表示部10からの外形精度計測実行操作に応じて行って、該計測結果の精度状態に基づいて各画像品質レベルGを再計算して不揮発性メモリ22に格納している。
【0077】
したがって、画像品質影響構成部品の精度状態の計測を、レーザプリンタ1の使用状況等に応じて実行して、利用性及び省電力性を向上させつつ、画像品質影響構成部品の精度状態を把握し、該精度状態に基づいて画像形成することができ、指定された画像品質の画像をより一層適切にかつ速やかに形成することができる。
【0078】
さらに、本実施例のレーザプリンタ1は、図10に示すように、外形精度レベル計測機能のオン/オフを選択可能となっており、外形精度レベル計測機能がオンのときにのみ、外形精度計測処理を実行する。なお、図10において、図8と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付して、その説明を簡略化する。
【0079】
すなわち、CPU21は、図10に示すように、外形精度レベル計測機能がオンであるか否か、すなわち、外形精度レベルの計測を行うモードが選択されているか否かチェックし(ステップS301)、外形精度レベル計測機能がオフのときには、画像品質影響構成部品の外形精度レベルの計測を行うことなく、他の処理等を行う。
【0080】
ステップS301で、外形精度レベル計測機能がオンであると、CPU21は、所定タイミング毎に、不揮発性メモリ22に設定されている初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過したかチェックし(ステップS101)、初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過していないときには、その他の処理の有無のチェック等を行って、所定タイミング経過すると、再度、初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過したかチェックする。そして、ステップS101で、初期外形精度計測時間間隔または設定外形精度計測時間間隔が経過すると、CPU21は、画像品質影響構成部品(上記感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c等)の外形精度(偏芯量S)を、計測ユニット34を用いてそれぞれ計測して式(1)により算出し、該計測・算出した偏芯量Sに基づいて、該画像品質影響構成部品の偏芯量−外形精度レベルデータテーブルを参照して該画像品質影響構成部品の外形精度レベルを決定し、該決定した外形精度レベルで、不揮発性メモリ22に既に格納されている該再計測した画像品質影響構成部品(感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c)の外形精度レベルを更新する(ステップS102)。
【0081】
次に、CPU21は、該外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載しているときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを式(2)により算出し(ステップS103)、不揮発性メモリ22に既に格納されている画像品質レベルGを該計算結果の画像品質レベルGで更新する(ステップS104)。
【0082】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、計測ユニット34による精度状態(外形精度)の計測の有効/無効を選択する有効/無効選択手段である操作表示部10の操作によって、計測ユニット34による精度状態の計測の有効が選択されているときにのみ、画像品質影響構成部品の精度状態の計測を行っている。
【0083】
したがって、レーザプリンタ1の利用状況に応じて操作表示部10で計測ユニット34による計測の実行の可否を設定して、必要なときにのみ画像品質影響構成部品の精度状態の計測と該計測結果に基づく画像品質レベルGの計算を行うことができ、利用性をより一層向上させつつ、適切な画像品質の画像形成を行うことができる。
【実施例3】
【0084】
図11は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第3実施例を適用したレーザプリンタによる外形精度計測結果適否判断を伴う外形精度計測処理を示すフローチャートである。
【0085】
なお、本実施例は、上記第1実施例のレーザプリンタ1と同様のレーザプリンタに適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0086】
本実施例のレーザプリンタ1は、外形精度の計測結果の適否判断を伴う外形精度計測処理を行う。
【0087】
すなわち、CPU21は、図11に示すように、外形精度レベルの計測を開始すると(ステップS401)、計測ユニット34から入力される計測信号のパルス数をカウントして、該パルス数が、計測対象の構成部品をアクチュエータ32を介して回転駆動させている回転数に合致したパルス数であるか否かチェックすることで、該計測ユニット34の検出結果の適否を判断する(ステップS402)。すなわち、図5及び図6に示したレジストローラ4cが計測対象の構成部品である場合、その一端側の外周に一定間隔で所定反射率の計測マーク40が付与されていて、計測ユニット34で、この計測マーク40の検出を行い、計測マーク40を検出している時間と計測マーク40を検出していない時間、すなわち、計測信号のパルス幅の最大値Pmaxと最小値Pminに基づいて偏心量Sを式(1)に基づいて算出するが、この計測信号のパルス数は、図7に示したように、計測対象の構成部品をアクチュエータ32を介して回転駆動させている回転数に合致したパルス数となるはずであり、パルス数が回転数と異なっているときには、計測信号に異常がある等によって正常な計測が行われていないと判断することができる。
【0088】
そこで、CPU21は、ステップS402で、回転数に合致したパルス数であると、外形精度の計測は正常に行われたと判断して、該計測結果の偏芯量Sに基づいて、図3に示した該画像品質影響構成部品の偏芯量−外形精度レベルデータテーブルを参照して該画像品質影響構成部品の外形精度レベルを決定し、該決定した外形精度レベルで、不揮発性メモリ22に既に格納されている該再計測した画像品質影響構成部品(感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c)の外形精度レベルを更新する(ステップS403)。
【0089】
次に、CPU21は、該外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載しているときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを式(2)により算出し、不揮発性メモリ22に既に格納されている画像品質レベルGを該計算結果の画像品質レベルGで更新する(ステップS404)。
【0090】
ステップS402で、回転数に合致したパルス数でないときには、外形精度の計測が正常に行われなかったと判断して、不揮発性メモリ22に格納されている該構成部品の外形精度レベルの更新を行うことなく(ステップS405)、該不揮発性メモリ22に格納されている構成部品の外形精度レベルを用いて、レーザプリンタ1の画像品質レベルGを式(2)により算出し、不揮発性メモリ22に既に格納されている画像品質レベルGを該計算結果の画像品質レベルGで更新する(ステップS404)。
【0091】
この場合、画像品質影響構成部品の外形精度の計測が適切に行われなかった旨を、操作表示部10のディスプレイに表示して携帯装置100のユーザに通知したり、その旨のメッセージを携帯装置100に無線送信して通知してもよい。
【0092】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、計測ユニット34による計測結果の適否を判断し、該計測結果が不適切であると判断すると、不揮発性メモリ22に記憶されている精度状態(外形精度レベル)をそのまま記憶させ、該計測結果が適切であると判断すると、該計測結果の精度状態で不揮発性メモリ22の記憶する精度状態を更新している。
【0093】
したがって、画像品質影響構成部品の精度状態の適正化を図ることができ、より一層適切な画像品質の画像を形成することができる。
【実施例4】
【0094】
図12は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第4実施例を適用したレーザプリンタによる生産性確認を伴う印刷制御処理を示すフローチャートである。
【0095】
なお、本実施例は、上記第1実施例のレーザプリンタ1と同様のレーザプリンタに適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0096】
本実施例のレーザプリンタ1は、携帯装置100から画像品質を指定した印刷要求があると、該画像品質を満たす画像形成を行うための生産性を求めて、予め携帯装置100のユーザに提示する。
【0097】
そこで、レーザプリンタ1は、不揮発性メモリ22に、予め線速度と生産性の関係を示すデータを線速度−生産性データテーブルとして格納し、印刷要求があると、線速度を算出して、算出した線速度に基づいて、不揮発性メモリ22の線速度−生産性データテーブルを参照することで、生産性を求めて提示する。
【0098】
すなわち、本実施例のレーザプリンタ1は、携帯装置100から画像品質指定値U(U=1〜5)で画像品質を指定した印刷要求を受信すると、CPU21が、該印刷要求で指定されている画像品質指定値Uを満たす画像品質の画像形成を上記現在の外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載するレーザプリンタ1として行うのに必要な解像度Kを、上記画像品質レベルGを用いて上記式(3)により算出する。
【0099】
すなわち、CPU21は、(3)式を満たす解像度Kであって、レーザプリンタ1の備えている複数の解像度のうち最も低い解像度を、該印刷要求のあった印刷データの印刷に用いる解像度として決定し、該決定した解像度に基づいて、上記不揮発性メモリ22に格納されている解像度−線速度データテーブルを参照して、該印刷データの画像形成で用いる線速度(必要線速度)を決定する。例えば、レーザプリンタ1は、上述のように、その解像度として、400dpi、800dpi、1200dpiの3段階の解像度を有しているものとすると、式(3)のレーザプリンタ1の機種に応じたIPU31の重み付け係数dとしては、例えば、d=1/400を採用し、解像度Kとして、400dpi、800dpi及び1200dpiを採用して算出する。
【0100】
この3段階の解像度のうち式(3)で解像度Kを満たす解像度として算出された解像度であって、最も低い解像度、例えば、算出された解像度Kが400データと800dpiとの間の解像度であった場合、800dpiを、印刷要求のあった印刷データの印刷に使用する解像度として決定し、決定した解像度である800dpiに対して解像度−線速度データテーブルに登録されている線速度を、該印刷データの印刷に使用する線速度として決定する。
【0101】
CPU21は、さらに、線速度を選択すると、不揮発性メモリ22の線速度−生産性データテーブルから該線速度で画像形成する場合の生産性を決定し、操作表示部10のディスプレイ(報知手段)に該生産性を表示する等の方法で、携帯装置100のユーザに生産性を通知する。なお、この生産性の通知の方法としては、操作表示部10のディスプレイへの表示に限るものではなく、例えば、生産性のデータを無線LANインターフェイス33から携帯装置100に送信して、携帯装置100が自己のディスプレイに表示する等の方法であってもよい。
【0102】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、算出した必要線速度に基づいて、印刷要求された印刷データの画像形成における生産性を算出して、操作表示部10のディスプレイに表示出力する等の方法で報知している。
【0103】
したがって、印刷を要求する携帯装置100のユーザは、印刷実行前等の適宜のタイミングで、印刷の生産性を確認することができ、利用性を向上させることができる。
【0104】
そして、携帯装置100のユーザは、この生産性の通知に基づいて生産性を変更したい場合には、レーザプリンタ1に対して生産性変更要求を行うことで、変更することができる。すなわち、CPU21は、図12に示すように、操作表示部10の操作によって、または、携帯装置100からのコマンドによって、生産性の変更モードが選択されたかチェックし(ステップS501)、生産性変更モードが選択されると、操作表示部10の操作または携帯装置100からのコマンドによって再選択された画像品質設定値Uを取得する(ステップS502)。
【0105】
CPU21は、新たな画像品質設定値Uを取得すると、該画像品質指定値Uを満たす画像品質の画像形成を現在の外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載するレーザプリンタ1として行うのに必要な解像度(必要解像度)Kを、上記画像品質レベルGを用いて上記式(3)により算出し、該算出した画像品質レベルGを満たす最低限の解像度を再選択して(ステップS503)、該再選択した解像度に対して解像度−線速度データテーブルに登録されている線速度を、該印刷データの印刷に使用する線速度(必要線速度)として決定して、該線速度に基づいて、不揮発性メモリ22の線速度−生産性データテーブルから該線速度で印刷する場合の生産性を決定して、該生産性を操作表示部10のディスプレイに表示出力したり、携帯装置100に送信する等の方法で、生産性の再通知を行う(ステップS504)。
【0106】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、印刷(画像形成)に際して指定された指定画像品質が操作表示部10の操作等で変更されると、変更後の該指定画像品質に基づいて必要解像度と必要線速度を算出し、該算出結果から生産性を算出して通知する。
【0107】
したがって、印刷の生産性を確認して指定画像品質が変更されると、変更後の画像品質に応じた画像品質で画像形成することができ、より一層利用性を向上させることができる。
【実施例5】
【0108】
図13〜図17は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第5実施例を示す図であり、図13は、本発明の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の第5実施例を適用したレーザプリンタの構成部品の外形精度レベル設定部の概略構成図である。
【0109】
なお、本実施例は、上記第1実施例のレーザプリンタ1と同様のレーザプリンタに適用したものであり、本実施例の説明においては、第1実施例の説明で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0110】
本実施例のレーザプリンタ1は、構成部品、特に、画像品質影響構成部品の交換、修理等の外形精度レベルの更新が必要な事態が発生した場合に、外形精度レベルを更新し、画像品質レベルGを再計算して不揮発性メモリ22に格納する画像品質レベル再計算処理を行うところにその特徴がある。
【0111】
レーザプリンタ1は、図13に示すように、構成部品、特に、上記感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c等の画像品質影響構成部品200には、外形精度レベル設定部201を備えており、外形精度レベル設定部(初期精度状態保持手段)201は、手動で設定可能な複数(図13では、3つ)のディップスイッチSW1〜SW3を備えている。
【0112】
画像品質影響構成部品200は、レーザプリンタ1に搭載されて、図13に示すように、外形精度レベル設定部201が電気的にCPU21に接続されると、各ディップスイッチSW1〜SW3が、プルアップ抵抗Rpによって所定の電圧に接続された状態となり、ディップスイッチSW1〜SW3が開であると、CPU21には、ハイ(High)の信号が入力され、ディップスイッチSW1〜SW3が閉であると、CPU21には、ロー(Low)の信号が入力される。
【0113】
そして、レーザプリンタ1は、その不揮発性メモリ22に、図14に示すように、構成部品毎に、その外形精度レベル設定部201のディップスイッチSW1〜SW3の開閉(ハイ/ロー)状態と該構成部品200の外形精度レベルを対応させたデータテーブルが予め格納されており、レーザプリンタ1の構成部品の外形精度レベル設定部201のディップスイッチSW1〜SW3は、レーザプリンタ1や該構成部品の工場出荷時やレーザプリンタ1の設置先での交換・修理等が行われる際に、該構成部品の初期外形精度(初期精度状態)を計測して、図14に示したような5段階にレベル分けして、該外形精度レベルのレベル分けに応じたディップスイッチSW1〜SW3の開閉設定を行う。
【0114】
このようにしてディップスイッチSW1〜SW3によって初期外形精度レベルの設定された構成部品がレーザプリンタ1に搭載されて、レーザプリンタ1の電源が投入されると、CPU21は、交換・修理等の行われた構成部品200のディップスイッチSW1〜SW3の状態を取得して、不揮発性メモリ22のデータテーブルを参照して、構成部品200の初期外形精度レベルを取得して、不揮発性メモリ22に格納する。
【0115】
このとき、CPU21は、構成部品200の交換・修理等の場合には、不揮発性メモリ22に既に存在する該構成部品200の外形精度レベルを上書きする方法等で、外形精度レベルの更新を行う。
【0116】
レーザプリンタ1は、このようにして画像品質影響構成部品の交換、修理等の外形精度レベルの更新が必要な事態が発生すると、図15に示すように、CPU21が、操作表示部10のコマンド操作等によって、外形精度レベルの自動取得を実行し(ステップS601)、自動取得に失敗したかチェックする(ステップS602)。
【0117】
この自動取得に失敗したか否かは、例えば、外形精度レベル設定部201から取得したディップスイッチSW1〜SW3の設定状態が、予め不揮発性メモリ22に格納されている該ディップスイッチSW1〜SW3の設定状態のデータテーブルに存在するか否かによって判断することができ、CPU21は、該取得したディップスイッチSW1〜SW3の設定状態が、該データテーブルに存在しないときには、該画像品質影響構成部品の外形精度レベルの取得に失敗したと判断する。
【0118】
ステップS602で、外形精度レベルの自動取得に失敗していない、すなわち、外形精度レベルの自動取得に成功したときには、CPU21は、そのまま外形精度レベル取得処理を終了し、外形精度レベルの自動取得に失敗したときには、手動入力モードに切り替え(ステップS603)、図16に示す手動外形精度レベル更新処理を実行する。
【0119】
手動外形精度レベル更新処理は、操作表示部10の操作で選択された不揮発性メモリ22の外形精度レベルを、操作表示部10から入力された外形精度レベルで更新する処理であり、レーザプリンタ1は、手動外形精度レベル更新処理を、上記外形精度レベル取得処理で自動取得に失敗したときに、選択されて実行するだけでなく、適宜の状態で、ユーザやサービスマン等の操作に応じて実行する。
【0120】
すなわち、レーザプリンタ1は、図16に示すように、外形精度レベルの更新モードが選択されたかチェックして(ステップS701)、更新モードが選択されると、どの外形精度レベルの更新が選択されたかチェックする(ステップS702〜S707)。なお、ステップS702からステップS707において、D1〜D4は、上述のように、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcの外形精度レベルであり、R1、R2は、レジストローラ4cの外形精度レベルである。
【0121】
CPU21は、ステップS702からステップS707の選択外形精度レベルの判別において、選択された外形精度レベルであって、不揮発性メモリ22の該外形精度レベルを、操作表示部10から入力操作された外形精度レベルで上書きする等の方法で更新する(ステップS708〜S713)。
【0122】
CPU21は、ステップS714で、更新モードが終了したかチェックし(ステップS714)、更新モードが終了していないときには、ステップS702に戻って、上記同様に処理して外形精度レベルの更新を行い(ステップS702〜S713)、ステップS714で、更新モードが終了されると、処理を終了する。
【0123】
このようにして外形精度レベルの更新が完了すると、レーザプリンタ1は、図17に示すように、操作表示部10からの画像品質レベル再計算コマンドの入力に応じて、画像品質レベル再計算処理を行う。
【0124】
すなわち、CPU21は、図17に示すように、画像品質レベル再計算コマンドが入力されたかチェックし(ステップS801)、画像品質レベル再計算コマンドが入力されないときには、その他の処理の有無のチェック等を行って、所定タイミング経過すると、再度、画像品質レベル再計算コマンドが入力されたかチェックする(ステップS801)。
【0125】
ステップS801で、画像品質レベル再計算コマンドが入力されると、CPU21は、不揮発性メモリ22から各画像品質影響構成部品(上記感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kc及びレジストローラ4c等)の外形精度レベルを読み出し(ステップS802)、該外形精度レベルの画像品質影響構成部品を搭載しているときのレーザプリンタ1の画像品質レベルGを式(2)により算出する(ステップS803)。
【0126】
次に、CPU21は、不揮発性メモリ22に既に格納されている画像品質レベルGを該計算結果の画像品質レベルGで更新する(ステップS804)。
【0127】
このように、本実施例のレーザプリンタ1は、画像品質影響構成部品の交換、修理等の精度状態(外形精度レベル)における所定の変更が発生したか否かを検出し、該精度状態の所定の変更発生を検出すると、計測ユニット34によって、該画像品質影響構成部品の精度状態を計測し、CPU21が、該計測された精度状態に基づいて必要解像度と必要線速度を算出して、画像品質レベルGを不揮発性メモリ22に格納している。
【0128】
したがって、構成部品の交換等があった場合に、交換等の行われた構成部品について最新の精度状態を把握して、画像形成することができ、より一層適切な画像品質の画像を形成することができる。
【0129】
また、本実施例のレーザプリンタ1は、画像品質影響構成部品が、初期の精度状態(外形精度レベル)を保持する外形精度レベル設定部(初期精度状態保持手段)201を備えており、CPU21が、精度状態の所定の変更発生があると、該外形精度レベル設定部201から初期精度状態を取得して必要解像度と必要線速度を算出している。
【0130】
したがって、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcやレジストローラ4c等の交換等の際に、速やかにかつより正確な精度状態(外形精度レベル)を取得することができ、より一層適切な画像品質の画像を速やかに形成することができる。
【0131】
さらに、本実施例のレーザプリンタ1は、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcやレジストローラ4c等の画像品質影響構成部品の交換等が行われて、操作表示部10から精度状態(外形精度レベル)が入力されると、操作表示部10から入力された該精度状態に基づいて必要解像度と必要線速度を算出している。
【0132】
したがって、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcやレジストローラ4c等の交換等の際に、安価にかつ正確な精度状態(外形精度レベル)を取得することができ、より一層適切な画像品質の画像を形成することができる。
【0133】
また、レーザプリンタ1は、このようにして画像品質影響構成部品の交換等が発生して画像品質レベルGの再計算を行った後に、携帯装置100から印刷要求があった場合に、上記同様に、生産性の通知処理及び生産性の変更要求に応じた生産性変更処理を行う(図12参照)。
【0134】
このようにすることで、感光体ドラム5Yc、5Mc、5Cc、5Kcやレジストローラ4c等の交換があった後に印刷実行する際に、事前に印刷の生産性を確認することができ、また、必要な画像品質の再設定と該再設定された画像品質に基づく必要解像度と必要線速度を再度求めて、生産性の再計算を行うことができ、利用性を向上させることができる。
【0135】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、構成部品の外形精度に基づいて、指定の画像品質を適切に確保した画像形成を実行するプリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の第1実施例を適用したレーザプリンタの概略構成図。
【図2】レーザプリンタのブロック構成図。
【図3】不揮発性メモリに格納されている偏心量−外形精度レベルデータテーブルの一例を示す図。
【図4】レーザプリンタの適用される無線印刷システムのシステム構成図。
【図5】レジストローラの斜視図。
【図6】レジストローラと計測ユニットの配置図。
【図7】計測ユニットの出力する計測信号波形の一例を示す図。
【図8】本発明の第2実施例を適用したレーザプリンタによる外形精度計測時間間隔に基づく外形精度計測処理を示すフローチャート。
【図9】コマンド入力に基づく外形精度計測処理を示すフローチャート。
【図10】外形精度レベル計測機能選択判別処理を伴う外形精度計測処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3実施例を適用したレーザプリンタによる外形精度計測結果適否判断処理を伴う外形精度計測処理を示すフローチャート。
【図12】本発明の第4実施例を適用したレーザプリンタによる生産性変更処理を示すフローチャート。
【図13】本発明の第5実施例を適用したレーザプリンタにおける構成部品の外形精度レベル設定部の概略構成図。
【図14】外形精度レベル設定部の各ディップスイッチの状態と外形精度レベルとを対応付けたデータテーブルの一例を示す図。
【図15】外形精度レベル取得処理を示すフローチャート。
【図16】手動外形精度レベル更新処理を示すフローチャート。
【図17】外形精度レベル更新後のコマンド入力に基づく画像品質レベル再計算処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0138】
1 レーザプリンタ
2 本体筐体
3 給紙部
3a〜3d 給紙カセット
3e〜3f 給紙ローラ
4 用紙搬送路
4a 搬送ローラ
4b 搬送路ローラ
4c レジストローラ
5 画像形成部
5Y、5M、5C、5K 画像形成ユニット
5H 光書き込みユニット
5Yc、5Mc、5Cc、5Kc 感光体ドラム
6 転写部
6a ローラ
6b 搬送ベルト
7 定着部
7a 加圧ローラ
7b 加熱ローラ
7c 加熱ベルト
8 排紙搬送路
8a 搬送ローラ
8b 排紙ローラ
9 排紙トレイ
10 操作表示部
P 用紙
20 制御基板
21 CPU
22 不揮発性メモリ
31 IPU
32 アクチュエータ
33 無線LANインターフェイス
34 計測ユニット
34a 発光素子
34b 受光素子
34c 計測光
40 計測マーク
100 携帯装置
101 不揮発性メモリ
200 構成部品
201 外形精度レベル設定部
SW1〜SW3 ディップスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成対象の画像データから複数の解像度の画像データを生成する画像生成手段と、画像形成媒体を複数の線速度で搬送する搬送手段と、該搬送手段で搬送される該画像形成媒体に該画像生成手段で生成された画像データに基づいて画像を形成する画像形成手段と、該搬送手段及び該画像形成手段を構成する構成部品のうち形成画像の画像品質に所定量以上の影響を及ぼす画像品質影響構成部品の精度状態を計測する部品精度計測手段と、該部品精度計測手段の計測した該各画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて、画像形成に際して指定される指定画像品質を維持した画像品質の画像を、該搬送手段によって搬送する該画像形成媒体に対して該画像形成手段で画像形成するのに必要な必要解像度と該必要解像度に対応した必要線速度を算出する必要画像品質算出手段と、該画像生成手段に該必要解像度の画像データを生成させるとともに、該搬送手段に該必要線速度で該画像形成媒体を搬送させて該画像形成媒体に該画像形成手段によって画像形成させる制御手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記部品精度計測手段の計測した前記画像品質影響構成部品の精度状態を記憶する精度状態記憶手段をさらに備え、前記必要画像品質算出手段は、該精度状態記憶手段の記憶する該画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて前記必要解像度及び前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記部品精度計測手段による前記画像品質影響構成部品の精度状態の計測を、所定の時間間隔毎に、または、所定の計測実行要求毎に、実行することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記部品精度計測手段の計測結果の適否を判断する判断手段を備え、該判断手段は、該部品精度計測手段の計測結果が不適切であると判断すると、前記精度状態記憶手段に記憶されている精度状態をそのまま記憶させ、該計測結果が適切であると判断すると、該計測結果の精度状態で該精度状態記憶手段の記憶する精度状態を更新することを特徴とする請求項2または請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記部品精度計測手段による精度状態の計測の有効/無効を選択する有効/無効選択手段を備え、前記部品精度計測手段は、該有効/無効選択手段によって有効が選択されているときにのみ、画像品質影響構成部品の精度状態の計測を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記必要画像品質算出手段の算出した前記必要線速度に基づいて画像形成の生産性を算出する生産性算出手段と、該生産性算出手段の算出した該生産性を報知出力する報知手段と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、画像形成に際して指定された前記指定画像品質を変更する指定画像品質変更手段を備え、前記必要画像品質算出手段は、該指定画像品質変更手段で指定画像品質が変更されると、変更後の該指定画像品質に基づいて前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記画像品質影響構成部品の交換、修理等の精度状態における所定の変更が発生したか否かを検出する状態変更検出手段をさらに備え、該状態変更検出手段が該精度状態の所定の変更発生を検出すると、前記部品精度計測手段が、該画像品質影響構成部品の精度状態を計測し、前記必要画像品質算出手段が、該計測された精度状態に基づいて前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、少なくとも前記画像品質影響構成部品が、初期の精度状態を保持する初期精度状態保持手段を備え、該必要画像品質算出手段は、前記状態変更検出手段が前記精度状態の前記所定の変更発生を検出すると、該初期精度状態保持手段から該初期精度状態を取得して前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置は、少なくとも前記画像品質影響構成部品の精度状態を入力する精度状態入力手段を備え、該必要画像品質算出手段は、前記状態変更検出手段が前記精度状態の前記所定の変更発生を検出すると、該精度状態入力手段から入力された該精度状態に基づいて前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成対象の画像データから複数の解像度の画像データを生成する画像生成処理ステップと、画像形成媒体を複数の線速度で搬送する搬送処理ステップと、該搬送処理ステップで搬送される該画像形成媒体に該画像生成処理ステップで生成された画像データに基づいて画像を形成する画像形成処理ステップと、該搬送処理ステップ及び該画像形成処理ステップを実行する構成部品のうち形成画像の画像品質に所定量以上の影響を及ぼす画像品質影響構成部品の精度状態を計測する部品精度計測処理ステップと、該部品精度計測処理ステップで計測した各画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて、画像形成に際して指定される指定画像品質を維持した画像品質の画像を、該搬送処理ステップで搬送する該画像形成媒体に対して該画像形成処理ステップで画像形成するのに必要な必要解像度と該必要解像度に対応した必要線速度を算出する必要画像品質算出処理ステップと、該画像生成処理ステップで該必要解像度の画像データを生成させるとともに、該搬送処理ステップによって該必要線速度で該画像形成媒体を搬送させて該画像形成媒体に該画像形成処理ステップで画像形成させる制御処理ステップと、を有していることを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
前記画像形成方法は、前記部品精度計測処理ステップで計測した前記画像品質影響構成部品の精度状態を精度状態記憶手段に記憶する記憶処理ステップをさらに有し、前記必要画像品質算出処理ステップは、該精度状態記憶手段の記憶する該画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて前記必要解像度及び前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項11記載の画像形成方法。
【請求項13】
前記画像形成方法は、前記必要画像品質算出処理ステップで算出した前記必要線速度に基づいて画像形成の生産性を算出する生産性算出処理ステップと、該生産性を所定の報知手段から報知出力する報知出力処理ステップと、をさらに有していることを特徴とする請求項11または請求項12記載の画像形成方法。
【請求項14】
前記画像形成方法は、画像形成に際して指定された前記指定画像品質を変更する指定画像品質変更処理ステップを有し、前記必要画像品質算出処理ステップは、該指定画像品質変更処理ステップで指定画像品質が変更されると、変更後の該指定画像品質に基づいて前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項15】
前記画像形成方法は、前記画像品質影響構成部品の交換、修理等の精度状態における所定の変更が発生したか否かを検出する状態変更検出処理ステップをさらに有し、該状態変更検出処理ステップが精度状態の該所定の更事発生を検出すると、前記部品精度計測処理ステップで、該画像品質影響構成部品の精度状態を計測し、前記必要画像品質算出処理ステップで、計測された該精度状態に基づいて前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項11から請求項14のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項16】
前記画像形成方法は、前記状態変更検出処理ステップで精度状態の前記所定の変更発生を検出すると、前記必要画像品質算出処理ステップで、少なくとも前記画像品質影響構成部品の有する初期の精度状態を保持する初期精度状態保持手段から該初期精度状態を取得して前記必要解像度と前記必要線速度を算出することを特徴とする請求項15記載の画像形成方法。
【請求項17】
コンピュータに、画像形成対象の画像データから複数の解像度の画像データを生成する画像生成処理と、画像形成媒体を複数の線速度で搬送する搬送処理と、該搬送処理で搬送される該画像形成媒体に該画像生成処理で生成された画像データに基づいて画像を形成する画像形成処理と、該搬送処理及び該画像形成処理を実行する構成部品のうち形成画像の画像品質に所定量以上の影響を及ぼす画像品質影響構成部品の精度状態を計測する部品精度計測処理と、該部品精度計測処理で計測した各画像品質影響構成部品の精度状態に基づいて、画像形成に際して指定される指定画像品質を維持した画像品質の画像を、該搬送処理で搬送する該画像形成媒体に対して該画像形成処理で画像形成するのに必要な必要解像度と該必要解像度に対応した必要線速度を算出する必要画像品質算出処理と、該画像生成処理で該必要解像度の画像データを生成させるとともに、該搬送処理で該必要線速度で該画像形成媒体を搬送させて該画像形成媒体に該画像形成処理で画像形成させる制御処理と、を実行することを特徴とする画像形成プログラム。
【請求項18】
請求項17記載の画像形成プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−26121(P2010−26121A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−185585(P2008−185585)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】