説明

画像形成装置

【課題】複数の現像装置を、感光体ドラムの列が転写ベルトと対向する側と反対側に設置した場合と比較して、現像剤の攪拌・供給性に優れ、複数のユニットを単に傾斜させて配置し、且つ隣り合う前記ユニットの一部が上下に重なるように配置した場合に比較して、隣接する画像形成部の像担持体間の距離を狭く設定することができ、装置の小型化を達成する。
【解決手段】複数の画像形成部の上方にわたって傾斜した状態で配置され、各画像形成部の像担持体15上に形成されたトナー像が一次転写されるベルト状の中間転写体20とを具備し、各画像形成部の現像手段17は、現像剤攪拌部材を現像剤供給部材173よりも低い位置に配置して、当該現像手段の現像剤攪拌部材174が、隣接する画像形成部の下方に位置するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平9−211925号公報
【特許文献2】特開2006−30241号公報
【0003】
従来、フルカラーの画像を形成可能な画像形成装置としては、特開平9−211925号公報や特開2006−30241号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0004】
上記特開平9−211925号公報に係る画像形成装置は、周面に静電潜像が形成される複数の感光体ドラムと、前記感光体ドラムを一様に帯電する帯電器と、前記感光体ドラムに像光を照射する像書き込み装置と、前記複数の感光体ドラムの各々に異なる色のトナー像を形成する複数の現像装置と、前記複数の感光体ドラムと近接又は接触し、周回可能に張架された転写ベルトと、前記転写ベルト上で重ね合わされた複数色のトナー像を記録シート上に定着する定着装置とを有するカラー画像形成装置において、前記複数の感光体ドラムは、前記転写ベルトの外周面に沿って配列され、隣接する感光体ドラムとは近接して対向するように位置し、前記複数の現像装置は、前記感光体ドラムの列が転写ベルトと対向する側と反対側に設置されているものである。
【0005】
また、上記特開2006−30241号公報に係る画像形成装置は、水平方向に対して傾斜するように架設されたベルトと、
装置本体に着脱可能で、かつ電子写真方式の画像形成プロセスの一部を行う複数のユニットとを備えた画像形成装置において、
前記複数のユニットを前記ベルトに対向しかつ前記ベルトの傾斜と同方向に傾斜させて配置し、前記複数のユニットにおける、前記ベルトの傾斜に対向する側の反対側に、水平方向に対して前記傾斜と同方向に傾斜する傾斜面を有し、前記複数のユニットを装置本体に装着した場合に、隣り合う前記ユニットの一部が上下に重なるように位置したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、複数の現像装置を、感光体ドラムの列が転写ベルトと対向する側と反対側に設置した場合と比較して、現像剤の攪拌・供給性に優れ、複数のユニットを単に傾斜させて配置し、且つ隣り合う前記ユニットの一部が上下に重なるように配置した場合に比較して、隣接する画像形成部の像担持体間の距離を狭く設定することができ、装置の小型化を達成することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、請求項1に記載された発明は、回転駆動される像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体の表面に画像露光を施すことにより画像データに応じた静電潜像を形成する画像露光手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像する手段であって、現像剤を担持する現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材及び当該現像剤供給部材へ現像剤を搬送しつつ攪拌する現像剤攪拌部材を有する現像手段を備えて、前記像担持体上に対応する色のトナー像を形成し、且つ水平方向の一端側に位置する第1色目の画像形成部が高く、他端側に位置する最終色の画像形成部が低くなるように水平方向に対して傾斜させた状態で並列的に配置された複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部の上方にわたって傾斜した状態で配置され、前記各画像形成部の像担持体上に形成されたトナー像が一次転写されるベルト状の中間転写体とを具備し、
前記各画像形成部の現像手段は、前記現像剤攪拌部材を前記現像剤供給部材よりも低い位置に配置して、当該現像手段の現像剤攪拌部材が、隣接する画像形成部の下方に位置することを特徴とする画像形成装置である。
【0008】
また、請求項2に記載された発明は、前記各画像形成部は、前記像担持体の中心と、隣接する画像形成部の現像手段の現像剤攪拌部材の中心とを結ぶ直線上若しくは前記像担持体の回転方向上流側に、当該像担持体の表面を帯電するロール状の帯電手段が位置するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【0009】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記各画像形成部は、前記ロール状の帯電手段の背面側に当接し、当該ロール状の帯電手段の表面をクリーニングするロール状のクリーニング部材を有し、前記像担持体の中心と、隣接する画像形成部の現像手段の現像剤攪拌部材の中心とを結ぶ直線上に、当該像担持体の表面を帯電するロール状の帯電手段と、前記ロール状のクリーニング部材が位置するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載された発明によれば、複数の画像形成部を並列的に配置した画像形成装置において、1つの画像形成部の像担持体の外周に配設される部材のうちで大きな空間を占める現像手段を、現像剤攪拌部材を現像剤供給部材よりも低い位置に配置した分だけ、隣接する画像形成部間の距離を小さく設定することができ、装置の小型化を達成することができる。
【0011】
また、請求項2に記載された発明によれば、複数の画像形成部を並列的に配置した画像形成装置において、隣接する画像形成部の像担持体間の距離を狭く設定することができ、装置の小型化を達成することができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、複数の画像形成部を並列的に配置した画像形成装置において、ロール状の帯電手段の表面をクリーニングするロール状のクリーニング部材を設けた場合であっても、隣接する画像形成部の像担持体間の距離を狭く設定することができ、装置の小型化を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複合機を示すものである。このタンデム型のデジタルカラー複合機は、画像読取装置を備えているが、画像読取装置を備えていないプリンター等として構成しても勿論良い。
【0015】
図2において、1はタンデム型のデジタルカラー複合機の本体を示すものであり、この複合機本体1の上方には、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、この画像読取素子11によって原稿2の反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0016】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。また、画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行なうように構成されている。
【0017】
そして、上記の如く画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14に送られ、この画像露光装置14では、所定の色の原稿2の階調データに応じてLED発光素子アレイから出射される光によって画像露光が行われる。
【0018】
ところで、この実施の形態では、回転駆動される像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体の表面に画像露光を施すことにより画像データに応じた静電潜像を形成する画像露光手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像する手段であって、現像剤を担持する現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材及び当該現像剤供給部材へ現像剤を搬送しつつ攪拌する現像剤攪拌部材を有する現像手段を備えて、前記像担持体上に対応する色のトナー像を形成し、且つ水平方向の一端側に位置する第1色目の画像形成部が高く、他端側に位置する最終色の画像形成部が低くなるように水平方向に対して傾斜させた状態で並列的に配置された複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部の上方にわたって傾斜した状態で配置され、前記各画像形成部の像担持体上に形成されたトナー像が一次転写されるベルト状の中間転写体とを具備し、前記各画像形成部の現像手段は、前記現像剤攪拌部材を前記現像剤供給部材よりも低い位置に配置して、当該現像手段の現像剤攪拌部材が、隣接する画像形成部の下方に位置するように構成されている。
【0019】
すなわち、上記タンデム型のデジタルカラー複合機本体1の内部には、図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)13Y、13M、13C、13Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット13Yが高く(鉛直方向の上方に位置し)、最終色の黒(K)の画像形成ユニット13Kが低くなる(鉛直方向の下方に位置する)ように、水平方向に対して所定の角度だけ斜めに傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。
【0020】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを、所定の角度だけ斜めに傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを水平に配置した場合に比較して、画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの水平方向に沿った長さを短く設定することができ、装置本体1の幅を小さくして小型化が可能となる。
【0021】
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、基本的に、同様に構成されており、図1及び図2に示すように、大別して、所定の速度で図示しない駆動手段によって回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電するロール状帯電部材としての一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像手段としての現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。
【0022】
上記感光体ドラム15としては、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面に保護層としてのオーバーコート層を有する有機感光体からなるものが用いられ、図示しない駆動モーターによって所定の回転速度で回転駆動される。
【0023】
また、上記帯電ロール16としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール16の芯金には、所定の帯電バイアスが印加されるものが用いられている。さらに、この帯電ロール16の表面には、当該帯電ロール16の表面に付着したトナー等の異物を除去するためのロール状のクリーニング部材としてのクリーニングロール16aが接触するように配置されている。
【0024】
上記画像露光装置14は、図2及び図3に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに設けられた画像露光装置14としては、LED発光素子を所定のピッチ(例えば、600dpi)で直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム15上にスポット状に結像するセルフォックレンズ(商品名)アレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置14は、図1に示すように、略直下の方向から感光体ドラム15上に画像を走査露光するように構成されている。
【0025】
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒 (K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに個別に設けられた画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに、各色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0026】
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって傾斜した状態で配置されたベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト20上に、一次転写ロール21によって多重に転写される。
【0027】
この中間転写ベルト20は、図4に示すように、複数のロールによって張架されたベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域20aが、その走行方向に沿った下流側が低く、且つ上流側が高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0028】
即ち、上記中間転写ベルト20は、図3及び図4に示すように、ドライブロール22と、バックアップロール23と、テンションロール24と、第1のアイドラーロール25と、第2のアイドラーロール26との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール22により、矢印方向に所定の速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト20としては、例えば、可撓性を有するPET等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。上記中間転写ベルト20は、その下辺走行領域20aにおいて、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kと接触するように配置されている。
【0029】
また、上記中間転写ベルト20には、図3及び図4に示すように、水平方向Hに対して角度θだけ傾斜した状態で配置された中間転写ベルト20の低位側の端部に配置され、中間転写ベルト20上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール27が、バックアップロール23によって張架された中間転写ベルト20の表面に当接するように配置されている。
【0030】
上記中間転写ベルト20上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2及び図3に示すように、バックアップロール23に圧接する二次転写ロール27によって、圧接力及び静電気力で記録媒体としての記録用紙28上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙28は、上方に位置する定着器29へと搬送される。上記二次転写ロール27は、バックアップロール23の側方に圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙28上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙28は、定着器29によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、定着器29の出口ロール30及び用紙排出経路31を介して第1の排出ロール32によって本体1の上部に設けられた第1の排出トレイ33上に排出されるか、又は第2の排出ロール34によって本体1の上方に設けられた第2の排出トレイ35上に排出されるか、又は第3の排出ロール36によって本体1の側方に設けられたフェイスアップトレイからなる第3の排出トレイ37上に排出される。
【0031】
上記記録用紙28は、図2に示すように、複合機本体1の内部に配置された記録媒体収容容器としての給紙トレイ40、又は複合機本体1の下方に配設された給紙トレイ41〜43から所定のサイズのものが、給紙ローラ44及び用紙分離搬送用のローラ対45、46により搬送ロール49及び用紙搬送路47を介して、レジストロール48まで一旦搬送され、停止される。上記給紙トレイ40〜43の何れかから供給された記録用紙28は、所定のタイミングで回転するレジストロール48によって中間転写ベルト20の二次転写位置へ送出される。
【0032】
なお、上記デジタルカラープリンター及び複写機において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙28を、第1の排出ロール32によって第1の排出トレイ33上にそのまま排出せずに、記録用紙28の後端を第1の排出ロール32によって挟持している間に、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、両面用搬送ユニット50へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット50では、搬送径路51に沿って設けられた搬送用のローラ対52〜54により、記録用紙28の表裏が反転された状態で、再度レジストロール48へと搬送され、今度は、当該記録用紙28の裏面に画像が転写・定着された後、第1の排出トレイ33〜第3の排出トレイ37上に排出される。
【0033】
図2中、55Y、55M、55C、55Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器17に、所定の色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示しており、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大型に形成されている。
【0034】
また、図2中、56は折畳まれた状態の手差しトレイを示すものであり、この手差しトレイ56からは、所望の材質及び所定のサイズの記録媒体28が、給紙ローラ57及び用紙分離搬送用のローラ対58、59により搬送ロール60を介して、レジストロール48へと搬送される。
【0035】
図1は上記デジタルカラープリンター及び複写機の各画像形成ユニットを示すものである。
【0036】
上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図1に示すように、すべてが同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が所定のタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M,13C、13Kは、上述したように、感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、画像露光装置14から画像データに応じて出射される光束が走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光される光束は、当該感光体ドラム15の略直下から、所定の角度で露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール21の帯電によって中間転写ベルト20上に順次多重に転写される。
【0037】
上記各現像器17Y、17M、17C、17Kは、図1に示すように、トナーとキャリアからなる二成分の現像剤を用いた二成分現像方式を採用しており、現像ロール171の表面にトナーとキャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを形成して、対応する色の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に形成された静電潜像を現像するように構成されている。
【0038】
また、上記各現像器17Y、17M、17C、17Kは、図1に示すように、現像器ハウジング170の感光体ドラム15側の開口部172に、現像剤担持体としての現像ロール171を備えており、この現像ロール171は、内部に固定した状態で配置されたマグネットロールと、当該マグネットロールの外周に回転可能に配設された現像スリーブとから構成されている。
【0039】
さらに、上記各現像器17Y、17M、17C、17Kの現像器ハウジング170の内部には、トナーと磁性キャリアからなる二成分の現像剤173が収容されており、現像ロール171の斜め下方には、当該現像ロール171に現像剤173を攪拌しつつ供給する現像剤供給部材としての供給オーガー174が回転可能に配設されている。この供給オーガー174によって現像ロール171へと供給された現像剤173は、現像ロール171の表面にマグネットロールの磁気吸引力によって吸着されるとともに、層厚規制部材175によって層厚が規制された後、感光体ドラム15と対向する現像領域へと搬送される。
【0040】
また、上記各現像器17Y、17M、17C、17Kには、供給オーガー174よりも低い位置に、現像剤攪拌部材としての攪拌オーガー176が回転可能に配設されている。この攪拌オーガー176は、その回転中心が供給オーガー174の下端部よりも下方に位置しており、当該攪拌オーガー176は、隣接する画像形成ユニット13のクリーニング装置18及び帯電ロール16のクリーニング部材16aの斜め下方に配置されている。
【0041】
さらに、上記攪拌オーガー176の中心と、隣接する画像形成ユニットの感光体ドラム15の中心とを結ぶ直線L上には、隣接する画像形成ユニットの帯電ロール16と、当該帯電ロール16のクリーニングロール16aの中心が位置するように配置されている。
【0042】
ただし、上記隣接する画像形成ユニットの帯電ロール16は、攪拌オーガー176の中心と、隣接する画像形成ユニットの感光体ドラム15の中心とを結ぶ直線L上に配置せずに、上記攪拌オーガー176の中心と、隣接する画像形成ユニットの感光体ドラム15の中心とを結ぶ直線Lよりも、感光体ドラム15の回転方向上流側に、隣接する画像形成ユニットの帯電ロール16を配置するように構成しても良い。
【0043】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、クリーニングブレード61を備えており、このクリーニングブレード61によって、感光体ドラム15上の廃トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0044】
また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト20の表面は、図2に示すように、クリーニング装置63によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置63は、図1に示すように、クリーニングブレード64を備えており、このクリーニングブレード64によって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0045】
なお、図3中、符号70は廃トナー回収ボックスを、74は制御回路、75は低圧電源を、77は高圧電源を、それぞれ示している。
【0046】
以上の構成において、この実施の形態に係る複合機では、次のようにして、複数の現像装置を、感光体ドラムの列が転写ベルトと対向する側と反対側に設置した場合と比較して、現像剤の攪拌・供給性に優れ、複数のユニットを単に傾斜させて配置し、且つ隣り合う前記ユニットの一部が上下に重なるように配置した場合に比較して、隣接する画像形成部の像担持体間の距離を狭く設定することができ、装置の小型化を達成することが可能となっている。
【0047】
すなわち、この実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のデジタルカラー複合機では、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kで形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト20上に多重に転写された後、当該中間転写ベルト20から記録用紙28上に一括して二次転写されて、定着器29により定着処理を受けて、フルカラーやモノクロの画像が記録用紙28上に形成される。
【0048】
ところで、上記タンデム型のデジタルカラー複合機では、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを並列的に備えており、これらの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット13Yが鉛直方向の高さが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット13Yが鉛直方向の高さが相対的に低くなるように、水平方向に対して斜めに傾斜した状態で配置されている。
【0049】
また、上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、各現像器17Y、17M、17C、17Kの攪拌オーガー176が供給オーガー174よりも低い位置に配置されており、しかも当該供給オーガー174が隣接する画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの下方に位置するように配設されている。
【0050】
そのため、上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、各現像器17Y、17M、17C、17Kが現像剤173を現像ロール171に供給する供給オーガー174に加えて、攪拌オーガー176を有するように構成し、現像剤173を十分に攪拌した後に、現像ロール171へと供給し、現像特性が安定するように構成した場合であっても、隣接する画像形成ユニット13Y、13M、13C、13K間の距離を、つまり、隣接する画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15間のピッチを、攪拌オーガー176を配設する空間の分だけ小さく設定することができ、複合機本体1の水平方向の長さをその分だけ短く設定して、装置の小型化が可能となる。
【0051】
なお、上記各現像器17Y、17M、17C、17Kでは、攪拌オーガー176が供給オーガー174よりも下方に配置されているが、これら攪拌オーガー176と供給オーガー174とを水平に配置した場合と同様に、攪拌オーガー176と供給オーガー174との間で現像剤の受け渡しが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラー複合機の画像形成部を示す拡大構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラー複合機を示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム型のフルカラー複合機の要部を示す構成図である。
【図4】図4は中間転写ベルトの配設状態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0053】
15:感光体ドラム(像担持体)、16:帯電ロール、16a:クリーニング部材、17:現像装置(現像手段)、174:供給オーガー、174:攪拌オーガー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記像担持体の表面に画像露光を施すことにより画像データに応じた静電潜像を形成する画像露光手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像する手段であって、現像剤を担持する現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材及び当該現像剤供給部材へ現像剤を搬送しつつ攪拌する現像剤攪拌部材を有する現像手段を備えて、前記像担持体上に対応する色のトナー像を形成し、且つ水平方向の一端側に位置する第1色目の画像形成部が高く、他端側に位置する最終色の画像形成部が低くなるように水平方向に対して傾斜させた状態で並列的に配置された複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部の上方にわたって傾斜した状態で配置され、前記各画像形成部の像担持体上に形成されたトナー像が一次転写されるベルト状の中間転写体とを具備し、
前記各画像形成部の現像手段は、前記現像剤攪拌部材を前記現像剤供給部材よりも低い位置に配置して、当該現像手段の現像剤攪拌部材が、隣接する画像形成部の下方に位置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記各画像形成部は、前記像担持体の中心と、隣接する画像形成部の現像手段の現像剤攪拌部材の中心とを結ぶ直線上若しくは前記像担持体の回転方向上流側に、当該像担持体の表面を帯電するロール状の帯電手段が位置するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記各画像形成部は、前記ロール状の帯電手段の背面側に当接し、当該ロール状の帯電手段の表面をクリーニングするロール状のクリーニング部材を有し、前記像担持体の中心と、隣接する画像形成部の現像手段の現像剤攪拌部材の中心とを結ぶ直線上に、当該像担持体の表面を帯電するロール状の帯電手段と、前記ロール状のクリーニング部材が位置するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−122324(P2009−122324A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295322(P2007−295322)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】