説明

画像形成装置

【課題】感光体の寿命を短くすることなく、帯電不良の発生を有効に防止することができるように、接触型帯電装置の清掃頻度の制御をおこなうことが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体の周囲に、帯電部、露光部、現像ユニット、転写部を配し、静電複写方式により画像形成を実行する一方、前記帯電部として、感光体に従動して回転する接触型転動部材を使用し、回転する接触型転動部材の周面を清掃する清掃手段をさらに備えてなる、画像形成装置であって、前記現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量を算出する算出手段と(ステップS904)、前記累積消費量相当量が多くなるに従って、段階的に前記清掃手段による清掃頻度が低くなるように制御する清掃制御手段(ステップS905)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファックス若しくはこれらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、画像形成装置に用いる感光体を帯電させる帯電装置を清掃する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置においては、感光体ドラムを帯電させる帯電装置として、低電圧で動作しオゾンの発生量が少ない接触型帯電装置が利用されるようになってきている。
接触型帯電装置は、帯電ローラを感光体ドラム表面に当接させた状態で、帯電ローラに電圧を印加することにより、感光体ドラム表面を所定の電位に均一に帯電する。
さて、画像形成時に感光体ドラム表面に形成された静電潜像を現像剤にて顕像化すると、当該トナー像を転写した後に感光体表面にいくらかの現像剤が残留する。この現像剤はトナーと外添剤とからなるところ、トナーは粒径が大きいためクリーニングブレード等の清掃具にてほぼ除去される。
【0003】
一方、外添剤は粒径が小さいため必ずしも除去し切ることができず、そのまま搬送されて、帯電ローラに付着する。帯電ローラに外添剤が蓄積して樹脂膜を形成すると帯電不良を招くため、従来、例えば、スポンジ等を帯電ローラに押し当てて、外添剤の除去を図っている
【特許文献1】特開平10−232535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、帯電ローラの清掃においては、帯電ローラは感光体の回転駆動により、従動回転するため、帯電ローラの清掃が行われる毎に、感光体が回転駆動し、その分、感光体の表面が、当該表面と圧接するクリーニングブレードや現像材等の部材により削られることになる。従って、むやみに帯電ローラの清掃回数を増やすと、感光体の寿命が短くなるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、感光体の寿命を短くすることなく、帯電不良の発生を有効に防止するように、接触型帯電装置を清掃することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、感光体の周囲に、帯電部、露光部、現像ユニット、転写部を配し、静電複写方式により画像形成を実行する一方、前記帯電部として、感光体に従動して回転する接触型転動部材を使用し、回転する接触型転動部材の周面を清掃する清掃手段をさらに備えてなる、画像形成装置であって、前記現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量を算出する算出手段と、前記累積消費量相当量が多くなるに従って、段階的に前記清掃手段による清掃頻度が低くなるように制御する清掃制御手段とを備える。
【0007】
ここで、前記現像ユニットは、トナーを収容するトナー収容部とトナー収容部に収容されているトナーを搬送する搬送部とを有し、トナー収容部と搬送部との間には、実質的に仕切壁が存在しないこととすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上記構成を備えることにより、トナー残量が多い程、現像ユニットから多く流出されて、接触帯電部材に多く付着するという遊離外添剤の流出パターンを、トナー累積消費量相当量によって検知して、清掃頻度が調整されるので、不必要に清掃頻度を高めて、感光体の回転駆動による削れ量を増やすことなく、接触帯電部材へ付着した遊離外添剤を効率よく除去することができる。
【0009】
従って、感光体の削れ量の増加により、感光体の寿命を短くすることなく、接触帯電部材への遊離外添剤の付着による帯電不良の発生を有効に防止することができる。
ここで、前記画像形成装置には、複数種類の現像ユニットが着脱可能であり、前記清掃制御手段は、現像ユニットの種類毎に、当該種類の現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量と清掃頻度との対応関係を示す清掃頻度管理テーブルを記憶しているテーブル記憶手段と、装着されている現像ユニットの種類を特定する特定手段と、特定した現像ユニットの種類についての前記清掃頻度管理テーブルにおいて、前記算出手段によって算出されたトナーの累積消費量相当量に対応付けられている清掃頻度を、前記清掃手段による清掃頻度として決定する決定手段とを有することとすることができる。
【0010】
これにより、現像ユニットの種類に応じて、接触帯電部材の清掃頻度が調整されるので、トナー累積消費量相当量に対応する遊離外添剤の流出パターンが現像ユニットの種類により異なる場合においても、画像形成装置において使用している種類の現像ユニットの遊離外添剤の流出パターンに最も適合した清掃頻度を決定して、効率よく接触帯電部材の清掃を行うことができる。
【0011】
又、本発明は、感光体の周囲に、帯電部、露光部、複数の現像ユニット、転写部を配し、静電複写方式により複数の現像ユニットを用いて画像形成を実行する一方、前記帯電部として、感光体に従動して回転する接触型転動部材を使用し、回転する接触型転動部材の周面を清掃する清掃手段をさらに備えてなる、画像形成装置であって、前記複数の現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量をそれぞれ算出する算出手段と、算出した前記複数の現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量の平均値が大きくなるに従って、段階的に前記清掃手段による清掃頻度が低くなるように制御する清掃制御手段とを備えることとしてもよい。
【0012】
ここで、前記現像ユニットは、トナーを収容するトナー収容部とトナー収容部に収容されているトナーを搬送する搬送部とを有し、トナー収容部と搬送部との間には、実質的に仕切り壁が存在しないこととしてもよい。
これにより、複数の現像ユニットから供給されるトナーを用いてトナー像が形成される場合においても、各現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量の平均値により、1つの現像ユニット当たりのトナーの累積消費量が推定され、推定されたトナー累積消費量相当量が少ないときに、清掃頻度を高くし、推定されたトナー累積消費量が多くなると、清掃頻度が低くなるように制御される。
【0013】
従って、不必要に清掃頻度を高めて、感光体の回転駆動による削れ量を増やすことなく、接触帯電部材へ付着した遊離外添剤を効率よく除去することができる。
その結果、感光体の削れ量の増加により、感光体の寿命を短くすることなく、接触帯電部材への遊離外添剤の付着による帯電不良の発生を有効に防止することができる。
ここで、前記複数の現像ユニットには、それぞれメモリが搭載され、前記各メモリは、当該メモリを搭載している現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量を記憶し、前記算出手段は、トナー像が形成される毎に、前記複数の現像ユニットもそれぞれについて、当該トナー像の形成に要するトナー消費量相当量を算出するトナー消費量算出手段と、トナー消費量相当量を算出した各現像ユニットについて、当該現像ユニットに搭載されているメモリに記憶されているトナーの累積消費量相当量を取得し、取得したトナーの累積消費量相当量に、算出したトナー消費量相当量を加算して、最新のトナーの累積消費量相当量を算出し、当該メモリに記憶されているトナーの累積消費量相当量を最新のトナーの累積消費量相当量に更新する更新手段と、トナー消費量相当量を算出した各現像ユニットについて、更新したトナーの累積消費量相当量の平均値を算出する平均値算出手段とを有することとしてもよい。
【0014】
これにより、現像ユニット毎に、トナー累積消費量相当量が記憶され、トナー像が形成される毎に最新のトナー累積消費量相当量に更新される。
従って、現像ユニットの一部又は全部が交換されて、現像ユニットのトナー累積消費量相当量が変動し、現像ユニットからの遊離外添剤の流出パターンに変動が生じた場合にも、交換後の現像ユニットについて記憶されているトナー累積消費量に基づいて、変動後の遊離外添剤の流出パターンに対応するように、清掃頻度を的確に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(実施の形態1)
<構成>
図1は、本実施の形態における画像形成装置80の全体の構成を示す断面概略図である。
【0016】
図1に示すように、画像形成装置80は、給紙部810、作像部820、中間転写部830、定着部840、制御部850などを備えており、ネットワーク(例えばLAN)と接続される。
この画像形成装置80は、複数の現像ユニットを用いて1つの像担持体上に異なる色(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色(以下、それぞれをY、M、C、Kと表す。))のトナー像を順次形成し、形成された各トナー像を中間転写ベルトなどの被転写体上に多重転写して行き、転写されたY〜Kの各色のトナー像を一括してシート上に転写する、いわゆる中間転写方式の画像形成装置である。
(作像部820)
感光体ドラム91と、接触型帯電装置92と、露光部93と、現像部94と、一次転写ローラ95と、クリーナ96と、廃トナー搬送ボックス97等を備えている。クリーナ96は、クリーナブレード961を備え、このクリーナブレード961が感光体ドラム91表面に当接し、感光体ドラム91表面上の残留トナーを掻きとって除去し、感光体ドラム91を清掃する。
【0017】
(接触型帯電装置92)
図2は、現像部94を除く、作像部820の主要部の構成を示す図である。図2に示すように、接触型帯電装置92は、帯電ローラ921、清掃部材922、清掃部材駆動部923から構成される。
帯電ローラ921は、感光体ドラム91に接触し、感光体ドラム91から回転力を受けて従動回転するとともに、感光体ドラム91の表面を帯電させる。
【0018】
清掃部材922は、スポンジ等のクリーニング部材で構成され、帯電ローラ921の表面に当接して、帯電ローラ921の表面を清掃する。
清掃部材駆動部923は、制御部850によって制御され、清掃部材922と帯電ローラ921との間の接触・非接触を切替える。
(露光部93)
レーザダイオードを内蔵し、制御部850からの駆動信号に基づいて、Y〜Kの再現色ごとに感光体ドラム91の表面を露光する。
【0019】
(感光体ドラム91)
接触型帯電装置92により、表面を一様に帯電した状態で露光部93の露光を受けることにより、表面に静電潜像を形成する。
(現像部94)
ラック941と現像ユニット940Y、940M、940C、940Kから構成され、
感光体ドラム91の表面上に、Y〜Kの各色のトナー像を形成する。
【0020】
ラック941には、仕切部材943により分けられた4つの格納部(格納空間)が設けられており、ユーザは、装置前側から装置奥側に現像ユニット940Y〜940Kの各現像ユニットをいずれかの格納部に挿入または装置手前側に引き出すことで着脱できるようになっている。
なお、本実施の形態1においては、トナー消耗時の現像ユニットの交換は、4つの現像ユニット940Y〜940Kをセットとして同時に交換するものとする。
【0021】
図3は、現像ユニット940Y〜940Kとして用いられるトナーカートリッジの具体例を示す。図3(a)及び(b)の符号940は、現像ユニットを表し、符号9401は、トナーカートリッジ内に収容されているトナーを攪拌するための攪拌部材を表し、符号9402は、攪拌されたトナーを搬送し、符号9403で表す現像ローラにトナーを供給する供給ローラを表す。
【0022】
図3(a)のトナーカートリッジは、攪拌部材9401と供給ローラ9402との間に、実質的に仕切壁が存在しない、一体型のトナーカートリッジを表し、図3(b)は、両者間が、符号9404で表す仕切壁で仕切られている、分割型のトナーカートリッジを表す。
ここで、上記「一体型カートリッジ」には、攪拌部材9401と供給ローラ9402との間に、仕切壁等の仕切機能を有するものが、存在しないものに限らず、両者の間に、段差等の仕切機能を有するものが存在するが、両者間のトナーの自由な流通が妨げられないものも含まれる。
【0023】
ラック941は、支軸942を中心に、現像切換モータ(不図示)により矢印B方向に回転駆動されるようになっており、次の再現色に対応するいずれかの現像ユニットが感光体ドラム91と対向する現像位置に位置するように、制御部850により回転制御される。
そして、現像位置に位置する現像ユニットは、感光体ドラム91表面上の静電潜像を現像して、感光体ドラム91表面上にトナー像を作像する。
【0024】
作像したトナー像は、一次転写位置951において、一次転写ローラ95と感光体ドラム91との間で発生する電界により、矢印A方向に回転する中間転写部830の中間転写ベルト831上に転写される。その際、感光体ドラム91上における作像動作は、装着されている現像ユニットのトナー色に応じて、ここではY、M、C、Kの各色のトナー像が、その順に中間転写ベルト831上の同じ位置に転写されるように、露光、現像ユニットの切換動作などのタイミングが制御されることにより実行される。これにより、各色のトナー像が中間転写部830の中間転写ベルト831上に順次重ねられてカラーのトナー像が形成される。
(中間転写部830)
駆動ローラ832と、従動ローラ834と、テンションローラ833と、これらローラに張架される中間転写体としての中間転写ベルト831と、中間転写ベルト831上の残留トナーを掻きとって除去するクリーナ836、一次転写ローラ95、二次転写ローラ815などを備える。
【0025】
一次転写ローラ95は、現像部94において作像された各色のトナー像を、一次転写位置951において、感光体ドラム91との間で発生する電界により、矢印A方向に回転する中間転写ベルト831上に転写する。
中間転写ベルト831上への各色のトナー像の一次転写が終了すると、二次転写ローラ815により、そのトナー像を用紙S上に一括して二次転写すると共に、定着部840に搬送する。
(給紙部810)
給紙カセット811と繰り出しローラ812などを備え、給紙カセット811内の用紙Sを繰り出しローラ812により1枚ずつ繰り出して、繰り出された用紙Sを、搬送ローラ813、814を介して二次転写位置816まで搬送させる。
(定着部840)
加熱ローラ、加圧ローラなどから構成され、中間転写部830より搬送された用紙S上のトナー像を熱定着させた後、排出トレイ817上に排出する。
(制御部850)
マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニットなどから構成され、前記RAM又は前記ハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、制御部850は、画像形成装置80の全体の制御を行う。
<清掃頻度制御処理Aに係る機能構成>
図4は、清掃頻度制御処理Aに係る画像形成装置80の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0026】
上記機能構成は、帯電ローラ清掃モード決定部851、帯電ローラ清掃モード実行部852、清掃部材駆動部923、印刷枚数カウント部853、記憶部854、操作パネル部855、用紙排出検出部856、制御部850から構成される。
(用紙排出検出部856)
図1の符号857で示す位置に設置され、定着部840より熱定着後の用紙Sが排出されたことを検出し、制御部850に排出されたことを通知する。
(印刷枚数カウント部853)
用紙排出検出部856により、用紙Sの排出が検出される毎に、カウントアップすることにより、用紙Sの累積印刷枚数をカウントし、カウント値を制御部850に通知する。
【0027】
又、制御部850からの指示に応じて、累積印刷枚数のカウント値を初期化する(0にする。)。
ここで、「累積印刷枚数」とは、未使用状態の現像ユニット940Y〜940Kのセットをラック941に格納して使用を開始してから現時点までの間において、当該セットを用いて、トナーを熱定着して排出した用紙Sの総排出枚数のことをいう。
(記憶部854)
清掃処理モード管理テーブルAを記憶している。
【0028】
ここで、「清掃処理モード管理テーブルA」とは、累積印刷枚数と、清掃頻度と、清掃処理モードとの対応関係を示すテーブルのことをいう。
ここで、「清掃頻度」とは、清掃部材922を用いて帯電ローラ921を清掃する頻度を、熱定着後の用紙Sの排出枚数に対する清掃回数の割合で表したもののことをいう。
又、「清掃処理モード」とは、清掃頻度を特定するための識別子のことをいう。
【0029】
清掃処理モード管理テーブルAにおける、累積印刷枚数と清掃頻度との対応関係は、現像ユニット940Y〜940Kの各現像ユニットから流出される遊離外添剤の流出量に基づいて定められている。
現像剤においては、流動性や帯電性等のトナーの特性を改良するために、シリカや二酸化チタン、アルミナ等の外添剤が、トナーに付着した状態で含まれているが、その一部は、図5に示すように、遊離した状態で含まれている。図5の符号100は、トナー粒子を表し、符合101は、外添剤の粒子を表す。
【0030】
この遊離した外添剤の粒子は、トナー粒子に比べ、粒子の大きさが小さいため、図2に示すように、クリーナブレード961で除去されず、帯電ローラ921に付着し、帯電ローラ921の帯電能力を低下させる(図2の符号100は、トナー粒子を表し、符合101は、外添剤を表す。)。
本実施の形態においては、感光体の寿命を短くすることなく、帯電ローラ921に付着した遊離外添剤の除去を効果的に行うため、画像形成装置80を用いて後述する実施例に示す実験を予め行って、その実験結果に基づき、累積印刷枚数と清掃頻度との対応関係が定められている。
【0031】
すなわち、各現像ユニットについて、トナー累積消費量(ここでは、累積印刷枚数をトナー累積消費量相当量として使用)と、遊離外添剤の流出量との関係を実験により予め調べておき、実験結果のトナー累積消費量と遊離外添剤の流出量との対応関係が反映されるように、清掃処理モード管理テーブルAにおける累積印刷枚数と清掃頻度との対応関係が定められている。
【0032】
上記実験結果では、遊離外添剤の流出量は、累積印刷枚数が多くなるに従って少なくなることが示されていることから、清掃処理モード管理テーブルAにおいては、累積印刷枚数が多くなるに従って、段階的に清掃頻度が低くなるように定められている。
この清掃処理モード管理テーブルAを利用して、清掃頻度を制御することより、現像ユニットにおけるトナー消費量が少なく、当該現像ユニットが遊離外添剤を多く流出する状態にある場合には、清掃頻度を高め、現像ユニットにおけるトナー消費量が多く、当該現像ユニットが遊離外添剤を多く流出する状態にない場合には、清掃頻度を低めるように調整することができる。
【0033】
従って、無駄な清掃処理を行って、感光体ドラム91の削れ量を余分に増大させることなく、効果的に帯電ローラ921に付着した遊離外添剤を除去することができる。
その結果、感光体ドラム91の寿命を短くすることなく、帯電不良の発生を有効に防止することができる。
図6は、清掃処理モード管理テーブルAの具体例を示す。
【0034】
ここでは、図3(a)に示す一体型のトナーカートリッジを、4つの現像ユニット940Y〜940Kとして画像形成装置80に用いた場合に、適用される清掃処理モード管理テーブルAを示している。
(帯電ローラ清掃モード決定部851)
清掃処理モード特定処理と清掃処理モード通知処理を行う。
1.清掃処理モード管理テーブルA取得処理
制御部850より、印刷枚数カウント部853によってカウントされた累積印刷枚数が
通知される毎に、記憶部854に記憶されている清掃処理モード管理テーブルAを、制御部850を介して取得する。
2.清掃処理モード通知処理
清掃処理モード管理テーブルAを参照して、通知された累積印刷枚数に対応付けられている清掃処理モードを特定し、直前に特定した清掃処理モードがない場合又は、直前に特定した清掃処理モードと最新に特定した清掃処理モードとが異なる場合に、最新に特定した清掃処理モードを、帯電ローラ921の清掃処理モードと決定し、制御部850を介して帯電ローラ清掃モード実行部852に通知する。
(帯電ローラ清掃モード実行部852)
帯電ローラ清掃モード決定部851より、決定された清掃処理モードが通知されると、記憶部854に記憶されている清掃処理モード管理テーブルAを、制御部850を介して取得し、通知された清掃処理モードに対応付けられている清掃頻度を特定し、清掃処理モードが通知された後の、熱定着後の用紙Sの排出枚数が、特定した清掃頻度の示す排出枚数に達する毎に、制御部850を介して清掃部材駆動部923に対し、清掃実行指示を通知する。
(操作パネル部855)
タッチパネルが積層された表示部(例えば、液晶ディスプレイ)と複数の入力キーとを備え、タッチパネルからのタッチ入力又は入力キーからのキー入力により、利用者からの指示を受取り、制御部850に通知する。
<動作>
(清掃頻度制御処理A)
次に、画像形成装置80の行う清掃頻度制御処理Aの動作について説明する。図7は、上記処理の動作を示すフローチャートである。以下、図7を参照して上記動作について説明する。
【0035】
未使用状態の4つの現像ユニット940Y〜940Kのセットが、新たにラック941に格納されると、制御部850は、印刷枚数カウント部853に指示して累積印刷枚数のカウント値(T)を0に初期化させる(ステップS901)。
次に制御部850は、操作パネル部855から印刷指示の入力を受取ると(ステップS902)、印刷処理を実行し、用紙Sにトナー像を熱定着させる。
【0036】
印刷処理後の用紙Sが排紙トレイ817へ排出される毎に(ステップS903)、印刷枚数カウント部853は、累積印刷枚数をカウントアップする(ステップS904)。
制御部850により、カウントアップされた累積印刷枚数が、帯電ローラ清掃モード決定部851に通知されると、帯電ローラ清掃モード決定部851は、記憶部854に記憶されている清掃処理モード管理テーブルAを、制御部850を介して取得し、清掃処理モード管理テーブルAを参照して、通知された累積印刷枚数に対応付けられている清掃処理モードを特定し(ステップS905)、特定した清掃処理モードが直前に特定した清掃処理モードと一致するか否かを判定する(ステップS906)。
【0037】
なお、直前に特定した清掃処理モードがない場合には、帯電ローラ清掃モード決定部851は、ステップS907の処理に移行する。
ステップS906の判定結果が否定的である場合には(ステップS906:N)、帯電ローラ清掃モード決定部851は、最新に特定した清掃処理モードを、帯電ローラ921の清掃処理モードと決定し、制御部850を介して帯電ローラ清掃モード実行部852に通知する(ステップS907)。
【0038】
帯電ローラ清掃モード実行部852は、清掃処理モードの通知を受けると、清掃部材駆動部923に対し、通知した清掃処理モードに従って帯電ローラ921の清掃処理を実行させる(ステップS908)。
次に制御部850は、電源がオフされたか否かを判定し(ステップS909)、判定結果が否定的である場合には(ステップS909:N)、ステップS902の処理に移行し、判定結果が肯定的である場合には(ステップS909:Y)、清掃頻度制御処理Aを終了する。
【0039】
ステップS906の判定結果が肯定的である場合には(ステップS906:Y)、制御部850は、ステップS909の処理に移行する。
(実施例)
1.累積印刷枚数と遊離外添剤の流出量との関係
図3(a)に示す一体型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合及び、図3(b)に示す分割型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合における累積印刷枚数と遊離外添剤の流出量との関係を調べる実験の結果を図8に示す。
【0040】
上記実験においては、帯電ローラ921の代わりに外添剤を回収するための回収用ローラを画像形成装置80に設けて、印刷処理を実行し、所定の累積印刷枚数に達する毎に、その時点において回収用ローラによって回収された遊離外添剤の量(遊離外添剤の流出量)を、色差計で明度(ΔL)を測定することにより測定した。
図8の符号801に示すように、一体型カートリッジを現像ユニットとして用いた場合には、遊離外添剤の流出量は、使用開始時の累積印刷枚数が最小の時に、最大値を示し、その後、累積印刷枚数が多くなるに従って少なくなる傾向を示した。
【0041】
一方、図8の符号802に示すように、分割型カートリッジを現像ユニットとして用いた場合には、遊離外添剤の流出量は、使用開始時の累積印刷枚数が最小の時に、最大値を示し、その後は、ほぼ一定値を示した。
上記に示すように、遊離外添剤の流出パターンは、現像ユニットの種類によって異なるが、いずれの場合においても、累積印刷枚数が少ない、使用開始直後の時点において、遊離外添剤が多く流出する傾向を示した。
2.帯電ローラへの遊離外添剤の付着量と累積印刷枚数との関係
図3(a)に示す一体型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合及び、図3(b)に示す分割型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合における累積印刷枚数と帯電ローラへの遊離外添剤の付着量との関係を調べる実験の結果を図9に示す。
【0042】
上記実験においては、画像形成装置80を用いて、印刷処理を実行し、所定の累積印刷枚数に達する毎に、その時点までに帯電ローラ921に付着した遊離外添剤の量を、色差計で帯電ローラ921の表面の明度(ΔL)を測定することにより測定した。
図9の符号901に示すように、一体型カートリッジを現像ユニットとして用いた場合には、遊離外添剤の付着量は、累積印刷枚数が増加するに従って増大し、特に、現像ユニットの使用開始から累積印刷枚数が6000枚に達するまでの間における増加量が、それ以降に比べ大きい傾向を示した。
【0043】
又、図9の符号902に示すように、分割型カートリッジを現像ユニットとして用いた場合にも、増加量は、一体型カートリッジの場合に比べ小さいものの、一体型カートリッジの場合と同様の傾向を示した。
3.感光体ドラムの削れ量と印刷総枚数との関係
画像形成装置80を用いて、印刷処理を実行した後、図10に示す3つの清掃条件で帯電ローラ921を清掃した場合における、感光体ドラム91の削れ量と印刷総枚数との関係を調べる実験の結果を図11に示す。
【0044】
図10に示す3つの清掃条件の内、従来例1は、現像ユニットにおける累積印刷枚数が増加するに従って、清掃頻度を高くする清掃条件を示し、従来例2は、清掃頻度を最初から高い状態で継続的に清掃する清掃条件を示し、実施例は、実施の形態1において用いた清掃条件を示す。
図11の符号111は、実施例の清掃条件を用いた場合における感光体ドラム91の削れ量と印刷総枚数との関係を示し、符号112は、従来例1の清掃条件を用いた場合における感光体ドラム91の削れ量と印刷総枚数との関係を示し、図11の符号113は、従来例2の清掃条件を用いた場合における感光体ドラム91の削れ量と印刷総枚数との関係を示す。
【0045】
又、図11の符号114は、感光体ドラム91が、寿命に達するときの削れ量(15μm)を示す。
図11の実験結果が示すように、実施例の清掃条件で印刷処理を実行した場合が、最も感光体ドラム91の削れ量が少なく、従来例2の清掃条件で印刷処理を実行した場合が、最も感光体ドラム91の削れ量が多かった。
4.結論
現像ユニットにおける累積印刷枚数が少ないときに、帯電ローラ921の清掃頻度を高くし、累積印刷枚数が、多くなるに従って段階的に清掃頻度を低くすることにより、帯電ローラ921の清掃を、遊離外添剤の流出量の変化に応じて効率的に行うことができる。
【0046】
すなわち、遊離外添剤の流出量が少ないにもかかわらず、不必要に清掃頻度を高くして感光体ドラム91の寿命が短くなるのを有効に防止しつつ、遊離外添剤の流出量が多いときに、清掃頻度を高くして、帯電ローラ921に付着する遊離外添剤を効率よく除去することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、4つの現像ユニットがセットとして同時に交換される場合において、当該セットを用いて印刷処理した累積印刷枚数に応じて、接触型帯電装置92の清掃頻度の切替制御を行うこととしたが、実施の形態2に係る画像形成装置においては、個々の現像ユニット毎にトナーの累積消費量を管理し、4つの現像ユニットにおけるトナー累積消費量の平均値に応じて接触型帯電装置92の清掃頻度の切替制御を行うことを特徴とする。
【0047】
以下、実施の形態1に係る画像形成装置80と相違する構成要素及び動作を中心に説明し、実施の形態1に係る画像形成装置80と共通する部分については、説明を省略する。
<清掃頻度制御処理Bに係る機能構成>
図12は、清掃頻度制御処理Bに係る画像形成装置90の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0048】
上記機能構成は、帯電ローラ清掃モード決定部861、帯電ローラ清掃モード実行部852、清掃部材駆動部923、記憶部864、操作パネル部855、ICタグ読書部857、トナー消費量算出部858、画像記憶部859、現像ユニット用ICタグ9401Y、9401M、9401C、9401K、制御部850から構成される。
(記憶部864)
清掃処理モード管理テーブルBを記憶している。
【0049】
ここで、「清掃処理モード管理テーブルB」とは、トナー累積消費量と、清掃頻度と、清掃処理モードとの対応関係を示すテーブルのことをいう。
清掃処理モード管理テーブルBは、清掃処理モード管理テーブルAの「累積印刷枚数」の代わりに「各現像ユニットにおけるトナー累積消費量の平均値」を用いて、「清掃頻度」との対応関係を示すテーブルのことをいう。
【0050】
ここで、「トナー累積消費量」とは、未使用状態の各現像ユニットをラック941に格納して使用を開始してから現時点までの間において、当該現像ユニットについて消費されたトナーの総消費量のことをいい、後述するトナー累積消費量算出部859によって算出される。
清掃処理モード管理テーブルBにおける、トナー累積消費量の平均値と清掃頻度との対応関係は、清掃処理モード管理テーブルAの場合と同様に、現像ユニット940Y〜940Kの各現像ユニットから流出される遊離外添剤の流出量についての実験結果に基づいて、定められる。
【0051】
具体的には、トナー累積消費量の平均値が大きくなるに従って、段階的に清掃頻度が低くなるように定められている。
(画像記憶部859)
スキャナー(非図示)やネットワークを介して取得された画像データを一時的に記憶する。
(トナー消費量算出部858)
画像記憶部859に記憶されている画像データの各色のドットカウントに基づいて、各現像ユニットにおけるトナー消費量を算出し、制御部850に出力する。
【0052】
なお、トナー消費量の算出方法については、公知の技術であるため(例えば、特開2001−232903号公報、特開2001−166547号公報、特開2001−154472号公報等に記載)、詳細な説明は省略する。
(トナー累積消費量算出部859)
トナー消費量が算出された各現像ユニットに対応する、現像ユニット用ICタグに記憶されているトナー累積消費量を、ICタグ読書部857及び制御部850を介して取得し、取得したトナー累積消費量に、当該現像ユニットについて算出されたトナー消費量を合算して、トナー累積消費量の値を更新し、更新後のトナー累積消費量を、ICタグ読書部857及び制御部850を介して、当該現像ユニット用ICタグに上書きする。
【0053】
又、各色について算出したトナー累積消費量の平均値(以下、「平均累積消費量」という。)を算出し、制御部850を介して帯電ローラ清掃モード決定部861に通知する。
(現像ユニット用ICタグ9401Y、9401M、9401C、9401K)
各現像ユニットに搭載され、搭載されている現像ユニットのトナー累積消費量を記憶し、記憶しているトナー累積消費量は、当該トナーが使用される毎に、トナー累積消費量算出部859によって更新される。
【0054】
なお、現像ユニットが、未使用の状態(出荷時)の場合には、当該現像ユニットに搭載される現像ユニット用ICタグには、初期値(0)がトナー累積消費量として記憶される。
ここで、現像ユニット用ICタグは、アンテナ用コイル、アンテナ用コイルと共振回路を構成する共振コンデンサ、スイッチ、復号化部、符号化部、交信制御部、電源部、メモリから構成される。
【0055】
現像ユニット用ICタグは、後述するICタグ読書部857から発信される電力用電源信号受信されると、アンテナ用コイルに電流が流れ、電源部に電荷が蓄積され、蓄積された電荷に基づく電力を用いて、メモリに記憶されている情報を読出し、スイッチをオン・オフさせて、アンテナ用コイルを介して、読出した情報を含む電波信号をICタグ読書部857に送信する。
(帯電ローラ清掃モード決定部861)
清掃処理モード管理テーブルB取得処理と清掃処理モード通知処理を行う。
1.清掃処理モード管理テーブルB取得処理
トナー累積消費量算出部858より、平均累積消費量が通知される毎に、記憶部864に記憶されている清掃処理モード管理テーブルBを、制御部850を介して取得する。
2.清掃処理モード通知処理
清掃処理モード管理テーブルBを参照して、通知された平均累積消費量に対応付けられている清掃処理モードを特定し、直前に特定した清掃処理モードがない場合又は、直前に特定した清掃処理モードと最新に特定した清掃処理モードとが異なる場合に、最新に特定した清掃処理モードを、帯電ローラ921の清掃処理モードと決定し、制御部850を介して帯電ローラ清掃モード実行部852に通知する。
(ICタグ読書部857)
現像ユニット用ICタグ9401Y、9401M、9401C、9401Kとの間で通信を行い、各現像ユニット用ICタグに記憶されているトナー累積消費量の読出す。
【0056】
又、各ICタグに記憶されているトナー累積消費量を、トナー累積消費量算出部859により新たに算出されたトナー累積消費量へ書き換える。
ICタグ読書部857は、送信アンテナ用コイルを有する送信部、受信アンテナ用コイルを有する受信部から構成され、送信部、受信部を介して各現像ユニット用ICタグと通信を行い、各現像ユニット用ICタグに記憶されているデータの読出し、及び各現像ユニット用ICタグに記憶されているデータの書き換えを行う。
<動作>
次に、画像形成装置90の行う清掃頻度制御処理Bの動作について説明する。図13は、上記処理の動作を示すフローチャートである。以下、図11を参照して上記動作について説明する。
【0057】
制御部850は、操作パネル部855から印刷指示の入力を受取ると(ステップS1101)、スキャナー(非図示)やネットワークを介して取得された画像データを画像記憶部859に一時的に記憶させる。
次に、トナー消費量算出部858は、記憶されている画像データの各画素の画素数に基づいて、現像ユニット940Y〜940Kの各現像ユニットにおけるトナー消費量(UY、UM、UC、UK)を算出する(ステップS1102)。
【0058】
次に、制御部850は、印刷処理を実行し、用紙Sにトナー像を熱定着させ、印刷処理後の用紙Sを排紙トレイ817へ排出させる(ステップS1103)。
その後、トナー累積消費量算出部859は、トナー消費量が算出された各現像ユニットに対応する、現像ユニット用ICタグに記憶されているトナー累積消費量(TUY、TUM、TUC、TUK)を、ICタグ読書部857及び制御部850を介して取得し(ステップS1104)、取得した各トナー累積消費量に、当該現像ユニットについて算出されたトナー消費量を合算し(ステップS1105)、トナー累積消費量の値を更新し、更新後の各トナー累積消費量を、ICタグ読書部857及び制御部850を介して、当該現像ユニット用ICタグに上書きし(ステップS1106)、さらに、各現像ユニットについて算出したトナー累積消費量の平均値(以下、「平均累積消費量」という。)を算出し(ステップS1107)、制御部850を介して帯電ローラ清掃モード決定部861に通知する。
【0059】
制御部850より、平均累積消費量が、帯電ローラ清掃モード決定部861に通知されると、帯電ローラ清掃モード決定部861は、記憶部864に記憶されている清掃処理モード管理テーブルBを、制御部850を介して取得し、清掃処理モード管理テーブルBを参照して、通知された平均累積消費量に対応付けられている清掃処理モードを特定し(ステップS1108)、特定した清掃処理モードが直前に特定した清掃処理モードと一致するか否かを判定する(ステップS1109)。
【0060】
なお、直前に特定した清掃処理モードがない場合には、帯電ローラ清掃モード決定部861は、後述するステップS1112の処理に移行する。
ステップS1108の判定結果が否定的である場合には(ステップS1109:N)、帯電ローラ清掃モード決定部861は、最新に特定した清掃処理モードを、帯電ローラ921の清掃処理モードと決定し、制御部850を介して帯電ローラ清掃モード実行部852に通知する(ステップS1110)。
【0061】
帯電ローラ清掃モード実行部852は、清掃処理モードの通知を受けると、清掃部材駆動部923に対し、通知された清掃処理モードに従って帯電ローラ921の清掃処理を実行させる(ステップS1111)。
次に制御部850は、電源がオフされたか否かを判定し(ステップS1112)、判定結果が否定的である場合には(ステップS1111:N)、ステップS1101の処理に移行し、判定結果が肯定的である場合には(ステップS1111:Y)、清掃頻度制御処理Bを終了する。
【0062】
ステップS1108の判定結果が肯定的である場合には(ステップS1108:Y)、制御部850は、ステップS1112の処理に移行する。
<補足>
以上、本発明に係る画像形成装置80及び90について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限られないことは勿論である。
・ 実施の形態1及び2では、4サイクル方式の画像形成装置について説明したが、実
施の形態1及び2における清掃頻度制御処理A及びBは、タンデム型の画像形成装置においても同様に適用することができる。
・ 実施の形態1においては、記憶部854に記憶させる清掃処理モード管理テーブル
Aを1種類としたが、画像形成装置80に使用する現像ユニットのタイプ毎に複数種類の清掃処理モード管理テーブルAを作成しておき、記憶部854に図14(a)(b)に示すように、現像ユニットの種類を示す識別子と対応付けて清掃処理モード管理テーブルAを複数記憶させておくこととし、現像ユニットに現像ユニットの種類を示す識別子を記憶するメモリ(例えば、実施の形態2で用いた現像ユニット用ICタグ)を搭載しておくこととしてもよい。
【0063】
この場合、清掃頻度制御処理Aの動作のステップS905において、現像ユニットに搭載されているメモリに記憶されている情報を制御部850が読み出し(画像形成装置80は、実施の形態2のICタグ読書部857を備え、ICタグ読書部857を介して情報を読み出すものとする。)、当該情報に基づいて、参照すべき清掃処理モード管理テーブルAを特定し、特定した清掃処理モード管理テーブルAを記憶部854から取得して、帯電ローラ清掃モード決定部851に出力することにより、帯電ローラ清掃モード決定部851に対し、画像形成装置80のラック941に格納されている現像ユニットのタイプに応じた清掃処理モード管理テーブルAを参照させることができる。
【0064】
これにより、複数タイプの現像ユニットが使用可能な画像形成装置において、各タイプの現像ユニット間における遊離外添剤の流出パターンの違いに合わせて、清掃頻度の制御パターンを切替えることができるので、清掃頻度の制御を現像ユニットのタイプに応じて最適化することができる。
実施の形態2においても、上記と同様に、記憶部864に現像ユニットのタイプと対応付けて清掃処理モード管理テーブルBを記憶させておき、現像ユニット用ICタグ9401Y、9401M、9401C、9401Kに現像ユニットのタイプを示す識別子を記憶させておくこととしてもよい。
【0065】
この場合も、清掃頻度制御処理Bの動作のステップS1107において、現像ユニット用ICタグに記憶されているタイプを示す識別子を制御部850がICタグ読書部857を介して読み出し、当該識別子に基づいて、参照すべき清掃処理モード管理テーブルBを特定し、特定した清掃処理モード管理テーブルBを記憶部864から取得して、帯電ローラ清掃モード決定部861に出力することにより、帯電ローラ清掃モード決定部861に対し、画像形成装置90のラック941に格納されている現像ユニットの種類に応じた清掃処理モード管理テーブルBを参照させることができる。
【0066】
これにより、上記と同様の効果が得られる。
(3)実施の形態1及び2では、現像ユニットが交換可能な画像形成装置について説明したが、清掃頻度制御処理A及びBは、現像ユニットと感光体ドラムと帯電ローラとが一体化している、いわゆるプロセスカートリッジを用いた画像形成装置においても、同様に適用することができる。
(4)実施の形態1では、清掃頻度制御処理Aにおいて、累積印刷枚数に応じて清掃頻度を制御することとしたが、累積印刷枚数の代わりに、実施の形態2において説明したように、各現像ユニットについてのトナー累積消費量を算出し、各現像ユニットについて算出したトナー累積消費量の合算量に応じて清掃頻度を制御することとしてもよいし、各現像ユニットについて算出したトナー累積消費量の平均値に応じて清掃頻度を制御することとしてもよい。
(5)実施の形態2では、清掃頻度制御処理Bにおいて、平均累積消費量に応じて清掃頻度を制御することとしたが、平均累積消費量の代わりに各現像ユニットについてのトナー累積消費量を算出し、各現像ユニットについて算出したトナー累積消費量の合算量に応じて清掃頻度を制御することとしてもよい。
(6)実施の形態1及び2では、帯電ローラ921の清掃を、クリーニング部材を用いて行うこととしたが、帯電ローラ921の清掃は、クリーニング部材を用いた場合に限らず他の清掃手段、例えば、公知文献(特開2004−219872)に開示されているように、通常の画像形成時とは、逆極性のバイアスを帯電ローラ921に印加することにより帯電ローラ921を清掃するという電気的な方法を用いることとしてもよい
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、複写機、プリンタ、ファックス若しくはこれらの複合機等の画像形成装置に関し、特に、画像形成装置に用いる感光体を帯電させる帯電装置を清掃する技術として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】画像形成装置80の全体の構成を示す断面概略図である。
【図2】現像部94を除く、作像部820の主要部の構成を示す図である。
【図3】現像ユニット940Y〜940Kとして用いられるトナーカートリッジの具体例を示す。
【図4】清掃頻度制御処理Aに係る画像形成装置80の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図5】現像剤の構造を示す模式図である。
【図6】清掃処理モード管理テーブルAの具体例を示す。
【図7】画像形成装置80の行う清掃頻度制御処理Aの動作を示すフローチャートである。
【図8】図3(a)に示す一体型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合及び、図3(b)に示す分割型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合における累積印刷枚数と遊離外添剤の流出量との関係を調べる実験の結果を示すグラフである。
【図9】図3(a)に示す一体型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合及び、図3(b)に示す分割型のトナーカートリッジを、現像ユニットとして画像形成装置80に用いた場合における累積印刷枚数と帯電ローラへの遊離外添剤の付着量との関係を調べる実験の結果を示すグラフである。
【図10】実施例、従来例1、従来例2における帯電ローラ921の清掃条件を示すテーブルである。
【図11】画像形成装置80を用いて、印刷処理を実行した後、図10に示す3つの清掃条件で帯電ローラ921を清掃した場合における、感光体ドラム91の削れ量と印刷総枚数との関係を調べる実験の結果を示すグラフである。
【図12】清掃頻度制御処理Bに係る画像形成装置90の機能構成を示す機能ブロック図である。
【図13】画像形成装置90の行う清掃頻度制御処理Bの動作を示すフローチャートである。
【図14】清掃処理モード管理テーブルAの変形例を示す。
【符号の説明】
【0069】
80、90 画像形成装置
91 感光体ドラム
92 接触型帯電装置
93 露光部
94 現像部
95 一次転写ローラ
96、836 クリーナ
97 廃トナー搬送ボックス
810 給紙部
811 給紙カセット
812 繰り出しローラ
813、814 搬送ローラ
815 二次転写ローラ
816 二次転写位置
817 排出トレイ
820 作像部
830 中間転写部
831 中間転写ベルト
832 駆動ローラ
833 テンションローラ
834 従動ローラ
840 定着部
850 制御部
851、861 帯電ローラ清掃モード決定部
852 帯電ローラ清掃モード実行部
853 印刷枚数カウント部
854、864 記憶部
855 操作パネル部
856 用紙排出検出部
857 ICタグ読書部
858 トナー消費量算出部
859 画像記憶部
921 帯電ローラ
922 清掃部材
923 清掃部材駆動部
940Y、940M、940C、940K 現像ユニット
941 ラック
942 支軸
943 仕切部材
951 一次転写位置
961 クリーナブレード
9401Y、9401M、9401C、9401K 現像ユニット用ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体の周囲に、帯電部、露光部、現像ユニット、転写部を配し、静電複写方式により画像形成を実行する一方、前記帯電部として、感光体に従動して回転する接触型転動部材を使用し、回転する接触型転動部材の周面を清掃する清掃手段をさらに備えてなる、画像形成装置であって、
前記現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量を算出する算出手段と、
前記累積消費量相当量が多くなるに従って、段階的に前記清掃手段による清掃頻度が低くなるように制御する清掃制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像ユニットは、トナーを収容するトナー収容部とトナー収容部に収容されているトナーを搬送する搬送部とを有し、
トナー収容部と搬送部との間には、実質的に仕切壁が存在しない
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置には、複数種類の現像ユニットが着脱可能であり、
前記清掃制御手段は、
現像ユニットの種類毎に、当該種類の現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量と清掃頻度との対応関係を示す清掃頻度管理テーブルを記憶しているテーブル記憶手段と、
装着されている現像ユニットの種類を特定する特定手段と、
特定した現像ユニットの種類についての前記清掃頻度管理テーブルにおいて、前記算出手段によって算出されたトナーの累積消費量相当量に対応付けられている清掃頻度を、前記清掃手段による清掃頻度として決定する決定手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
感光体の周囲に、帯電部、露光部、複数の現像ユニット、転写部を配し、静電複写方式により複数の現像ユニットを用いて画像形成を実行する一方、前記帯電部として、感光体に従動して回転する接触型転動部材を使用し、回転する接触型転動部材の周面を清掃する清掃手段をさらに備えてなる、画像形成装置であって、
前記複数の現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量をそれぞれ算出する算出手段と、
算出した前記複数の現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量の平均値が大きくなるに従って、段階的に前記清掃手段による清掃頻度が低くなるように制御する清掃制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記現像ユニットは、トナーを収容するトナー収容部とトナー収容部に収容されているトナーを搬送する搬送部とを有し、
トナー収容部と搬送部との間には、実質的に仕切り壁が存在しない
ことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の現像ユニットには、それぞれメモリが搭載され、
前記各メモリは、当該メモリを搭載している現像ユニットにおけるトナーの累積消費量相当量を記憶し、
前記算出手段は、
トナー像が形成される毎に、前記複数の現像ユニットもそれぞれについて、当該トナー像の形成に要するトナー消費量相当量を算出するトナー消費量算出手段と、
トナー消費量相当量を算出した各現像ユニットについて、当該現像ユニットに搭載されているメモリに記憶されているトナーの累積消費量相当量を取得し、取得したトナーの累積消費量相当量に、算出したトナー消費量相当量を加算して、最新のトナーの累積消費量相当量を算出し、当該メモリに記憶されているトナーの累積消費量相当量を最新のトナーの累積消費量相当量に更新する更新手段と、
トナー消費量相当量を算出した各現像ユニットについて、更新したトナーの累積消費量相当量の平均値を算出する平均値算出手段と
を有することを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−162900(P2009−162900A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340612(P2007−340612)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】