説明

画像形成装置

【課題】2色目以降の作像プロセスにおける前色のトナー像の表面電位の影響を抑制し且つ3色目以降の非画像部に地肌汚れが生じるのを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体11と1つ以上の帯電手段12と潜像形成手段4と3つ以上の現像手段14とを備え、各色ごとに像担持体11を帯電手段12によって帯電せしめ、その像担持体11上の非画像部を潜像形成手段4が露光して潜像を形成し、その潜像を現像手段14が上記帯電極性とは逆極性のトナーによって現像することによって単一の像担持体11上に各色のトナー像を順次形成して3色以上のカラートナー像を形成する画像形成装置において、少なくとも3色目以降の作像に用いられる帯電手段12は、電圧を印加されることで正極性及び負極性のコロナイオンを発生させるコロナイオン発生部材と、像担持体11の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置及びその画像形成装置に対して着脱自在なプロセスカートリッジに係り、詳しくは、多重現像によって一つの像担持体上に複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成するものに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な電子写真方式としては高速でのフルカラー画像を得るために、複数の感光体を利用するタンデム方式が採用されている。ところが、感光体を複数使用することにより作像エンジンは大型化、複雑化、及び高コストとなってしまう。そのため、一つの感光体上で複数色を順次現像して重ねていく多重現像方式が提案されている(特許文献1や特許文献2など)。
【0003】
図15は、多重現像を行う際に採用される作像方式の一例を示した作像ユニットである。なお、この作像方式は、帯電装置によって一様に帯電せしめられた感光体表面上の画像部を露光して電位を減衰させることで潜像を形成し、その潜像を感光体表面の帯電極性と同じ極性のトナーによって現像してトナー象を形成するものである。
【0004】
このネガポジ現像方式を多重現像に採用した場合には、まず、1色目のトナー像を形成する際に、帯電装置21によって感光体30の表面をマイナス極性に一様に帯電し、感光体30の表面上を露光して潜像を形成し、その潜像を現像装置41がマイナス極性の1色目のトナーによって現像することで1色目のトナー像を形成する。次に、帯電装置22によって感光体30の表面及び1色目のトナー像をマイナス極性に帯電し、トナー像越しに感光体30の表面上を露光し潜像を形成して、その潜像を現像装置42がマイナス極性の2色目のトナーによって現像し1色目のトナー像上に2色目のトナー像を形成する。このような作像プロセスを各色ごとに行うことで、感光体30上に複数色のトナー像を形成することができる。
【0005】
図16は、上で述べた図15における帯電装置21から露光部52までの作像プロセスにおける感光体30及びトナー像表面の電位に関する模式図である。まず、帯電装置21によって感光体30を図16(a)に示すように−600[V]で帯電せしめる。次に、露光部51で像を形成する部分の感光体30の表面を露光する。このように露光された感光体30の表面電位は図16(b)に示すように−50[V]になる。そして、1色目の現像時には、約300[V]確保されている現像ポテンシャルによって、所定量のトナーが感光体30上に付着し、1色目のトナー像が形成される。このトナー像はそれ自身が保持する電荷により、新たな表面電位成分を生じさせ、ここでは図16(c)に示すようにトナー像電位として約100[V]が生じている。この状態で、帯電装置22によって感光体30及び1色目のトナー像が十分に再帯電せしめられると、感光体30及び一色目のトナー像の表面電位がほぼ同一に確保されるが、一般に1色目のトナー像は帯電装置22から放出されたマイナスイオンの一部を吸収するため、図16(d)に示すようにトナー像電位が大きくなる。この状態において、露光部52でトナー像が存在する部位及びトナー像が存在しない部位に同じ光量で露光を行った場合、トナー像の存在する部位の現像ポテンシャルは、図16(e)に示すようにトナー像の存在しない部位の現像ポテンシャルに対して、トナー像電位分のポテンシャル分が浅くなってしまう。その結果として、2色目の現像において、1色目のトナー像の存在する部位と存在しない部位とでトナーの付着量が大きく変化してしまい、現像されたトナー像に濃度ムラが生じてしまうといった問題が生じる。
【0006】
つまり、多重現像方式で高画質の画像を形成するためには、前色のトナー像の電位による次色の作像に与える上述したような影響を低減させる必要がある。
【0007】
特許文献3の画像形成装置では、前色のトナー像が現像されてから次色の帯電が行われるまでの間に、帯電手段によって像担持体及びトナーが帯電せしめる電荷極性とは逆極性の電荷を与える除電手段によって、像担持体及びトナー像の除電を行っている。
【0008】
ところが、特許文献3の画像形成装置のように次色の帯電前にトナー像の除電を行ったとしても、次色の帯電を行った際にトナーが上記帯電せしめられる電荷極性と同極性に再び帯電してしまう。そのため、トナー像の除電が充分に行えないので上記影響を低減させるのが困難となる。
【0009】
【特許文献1】特開平08−087179号公報
【特許文献2】特開平10−003191号公報
【特許文献3】特開平8−286456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本出願人は、上記問題を解決するために、特願2007−055998号(以下、「先願」という。)に記載の画像形成装置を提案した。詳しく説明すると、先願の画像形成装置では、帯電手段によって帯電された像担持体上の非画像部を潜像形成手段によって露光して形成した潜像に、該帯電手段が該像担持体を帯電せしめる電荷極性とは逆極性のトナーによって現像を行う作像プロセスを各色ごとに行って、像担持体上に各色のトナー像を重ねたカラートナー像を形成する。これにより、例えば、2色のカラートナー像を形成する際に、上記作像プロセスを経て像担持体上に形成された1色目のトナー像は、2色目の作像プロセスを行うときに、帯電手段によって像担持体と同様に上記トナーとは逆極性で帯電せしめられる。その結果、帯電手段によって像担持体が所定の電位(1色目の帯電と同じ電位)に帯電する際に、1色目のトナー像の除電も行われる。つまり、上記トナー像を除電するため専用の除電手段を設けることなく、上記トナー像の除電を行うことができる。なお、1色目の作像プロセスの際にトナー像が形成された像担持体の表面は露光されていないため、その部分の像担持体の表面電位は1色目の作像プロセスの際に帯電した電位のままである。よって、2色目の帯電により、1色目のトナー像を除電し電位を低減させることによって、2色目の潜像を現像する際に、2色目の潜像における1色目のトナー像がある部分と無い部分とで現像ポテンシャルが略同一となり、トナー濃度のムラが生じることなく2色目のトナー像を形成することができる。なお、言うまでも無く、2色以上のカラートナー像を形成する際にも同様に、前色のトナー像の電位の影響を受けることなく次色のトナー像を形成することができる。
【0011】
よって、上記先願では、容易に前色のトナー像の除電を行い、且つ、像担持体の帯電電位を所定の電位にすることができる。
【0012】
しかしながら、先願の画像形成装置では像担持体である感光体上に3色以上を重ね合わせカラー画像を形成すると次のような問題が生じる。これを図17を用いて説明する。ここでは感光体が正帯電、トナーが負帯電とするが、逆であっても同じである。
【0013】
図17(a)は、負に帯電したトナーで1色目のトナー像を現像した後を示している。次に、図17(b)に示すように2色目のトナー像を作像するために感光体表面を500[V]に帯電させる。これにより、感光体は正に帯電し元々負に帯電している1色目トナー像は除電され、1色目のトナー層電位をほぼ0にすることができる。この後、図17(c)に示すように2色目の非画像部を露光して、図17(d)に示すように負に帯電した2色目のトナーで2色目のトナー像を現像する。そして、図17(e)に示すように3色目トナー像を作像するために感光体表面を500[V]に帯電させる。この帯電でも2色目のトナー像を作像するときと同様に、感光体は正に帯電し元々負に帯電している2色目トナー像は除電され、2色目のトナー層電位をほぼ0にすることができる。しかし、この帯電のときにトナー層電位がほぼ0になった1色目のトナー像が正に帯電してしまう。そのため、3色目の非画像部を露光すると、図17(f)に示すように1色目のトナー像がある部分の非画像部と現像バイアスとの電位差が、1色目のトナー像がない部分の非画像部と現像バイアスとの電位差よりも小さくなってしまう。このような状態で、3色目のトナー像の現像を行うと1色目のトナー像がある部分の非画像部にトナーが付着してしまう所謂地肌汚れが発生するといった問題が生じる。さらに、4色目のトナー像を現像するときには、1色目のトナー像のトナー層電位がますます正側に大きくなっているので、地肌汚れの問題がより深刻になる。
【0014】
本発明は、以上の背景に鑑み上記先願を改良するものであり、その目的とするところは、2色目以降の作像プロセスにおける前色のトナー像の表面電位の影響を抑制し、且つ、3色目以降の非画像部に地肌汚れが生じるのを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体上を帯電せしめる1つ以上の帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該像担持体上を露光して各色ごとの潜像を形成する潜像形成手段と、該像担持体上に形成された該潜像を、それぞれ異なる色のトナーによって可視像化する3つ以上の現像手段とを備え、各色ごとに、該像担持体を該帯電手段によって帯電せしめ、その像担持体上の非画像部を該潜像形成手段が露光して潜像を形成し、その潜像を該現像手段が該帯電極性とは逆極性のトナーによって現像することによって、単一の像担持体上に各色のトナー像を順次形成して3色以上のカラートナー像を形成する画像形成装置において、少なくとも3色目以降の作像に用いられる該帯電手段は、電圧を印加されることで正極性及び負極性のコロナイオンを発生させるコロナイオン発生部材と、該像担持体の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段とを有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記コロナイオン発生部材は放電電極であり、少なくとも3色目以降の作像に用いられる上記帯電手段には、上記該像担持体に近接し該像担持体と対向する側に開口部を有するケース内部に該放電電極が1つ以上配設されることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、上記コロナイオン発生部材に、交流電圧または交流に直流を重畳した電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記放電電極を複数有しており、該放電電極に正極性の直流電圧を印加する第1の電圧印加手段と、該放電電極に負極性の直流電圧を印加する第2の電圧印加手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記正極性の直流電圧を上記負極性の直流電圧よりも絶対値で大きくすることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記帯電電位制御手段はグリッド電極であり、上記コロナイオン発生手段と上記像担持体との間に該グリッド電極を設けることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記現像手段は、現像領域において上記像担持体と非接触で対向するように配置された、上記トナーを担持するトナー担持体と、該トナー担持体の表面に沿うように該トナー担持体に設けられ互いに絶縁された複数の電極とからなり、該複数の電極は、それぞれ印加される電圧の相対的な極性の向きが隣り合う該複数の電極とで互いに異なっていることにより、トナーをホッピングさせるためのホッピング電界発生手段とを有していることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記トナー担持体は、該トナー担持体の表面に担持されたトナーを、該トナー担持体の表面を移動させることによって、上記現像領域に搬送する表面移動部材であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記ホッピング電界発生手段は、上記トナー担持体の表面に担持されているトナーをホッピングさせつつ、該トナーを上記現像領域まで搬送するための進行波電界を、該トナー担持体の表面上に発生させるものであることを特徴とするものである。
【0016】
ここで、「非画像部」とは、各色について、その色のトナー像を構成しない部分である。
【0017】
本発明においては、上記先願の説明で記載したように、2色目の帯電により1色目のトナー像を除電し電位を低減させることによって、2色目の潜像を現像する際に、2色目の潜像における1色目のトナー像がある部分と無い部分とで現像ポテンシャルが略同一となる。同様に3色目以降においても、例えば3色目の帯電により2色目のトナー像を除電し電位を低減させることができるので、3色目の潜像における2色目のトナー像がある部分とない部分とで現像ポテンシャルが略同一となる。これにより、前色のトナー像を除電するため専用の除電手段を設けることなく、次色の作像プロセスにおける前色のトナー像の表面電位の影響を抑制することができ、トナー濃度のムラが生じることなく2色目以降のトナー像を形成することができる。
また、少なくとも3色目以降の帯電装置は、コロナイオン発生部材から正極性及び負極性のコロナイオンを発生させることができる。これにより、例えば、3色目の作像を行うときに、1色目のトナー像が像担持体を帯電せしめる帯電極性と同極性に帯電しても、上記帯電せしめる帯電極性とは逆極性のコロナイオンによって除電することができる。したがって、コロナ発生部材から像担持体へ正極性及び負極性のコロナイオンを供給しつつ帯電電位制御手段によって像担持体の帯電電位を制御することで、1色目のトナー像の電位を略ゼロにし、且つ、像担持体を所定の帯電電位に均一帯電させることができる。よって、3色目の露光を行った際に1色目のトナー像がある部分の非画像部の電位と現像バイアスとの電位差が適切になり、上記非画像部に3色目のトナーが付着するのを抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
以上、本発明によれば、2色目以降の作像プロセスにおける前色のトナー像の表面電位の影響を抑制し、且つ、3色目以降の非画像部に地肌汚れが生じるのを抑制できるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、単にプリンタ100という)に適用した実施形態について説明する。
図2は本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。図2に示すプリンタ100では、有機感光体をベルト形状に構成した感光体ベルト11を備え、図示を省略した回転駆動機構によって図中矢印E方向に回転されるようになっている。
【0020】
感光体ベルト11には現像カートリッジである現像装置14K、14M、14C、14Yおよび後述するコロナ帯電装置12が各色ごとに対向しており、感光体ベルト11の移動にしたがって順次トナー像を感光体ベルト11上に重ねていくように構成されている。これは、ワンパスカラーと呼ばれる構成である。また、現像カートリッジとしての現像装置14は、感光体ベルト11が退避する事で開放された空間から着脱可能となっており、ユーザーによる交換が可能となっている。
【0021】
また、露光装置4K、4M、4C、4Yは、画像情報に従って帯電後の感光体ベルト11にそれぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエロー色に対応した潜像を書き込むための装置である。ポリゴンを用いた光走査装置やLEDアレイ等、種々のものを使用する事ができる。
【0022】
感光体ベルト11の下方には、転写紙P等の転写材を格納し、また画像形成時に転写紙Pを搬送開始させる給紙装置5が設けてある。また、感光体ベルト11の上方には転写紙P上に形成された未定着のトナー像を固定するための、加熱ローラ17a及びこれに対向する加圧ローラ17bを備えた定着装置17が設けられてある。
【0023】
画像形成時には、給紙装置5から送られた転写紙Pが感光体ベルト11と転写装置16との接触部へと搬送され、この接触部において感光体ベルト11上に形成されたフルカラー画像が転写装置16に印加された電圧によって転写紙P上に転写される。その後転写紙Pが定着装置17に到達すると、転写紙P上のトナー像は加熱ローラ17aおよび加圧ローラ17bに挟まれつつ加熱されることで転写紙P上に定着させられ、転写紙P上に可視像が形成される。
【0024】
転写されずに感光体ベルト11上に残留したトナー(転写残トナー)はクリーニング装置18によって清掃され、清掃後の感光体ベルト11表面は次回の画像形成のために使用される。
【0025】
図3は感光体ベルト11近傍の拡大概略構成図である。図3では、感光体ベルト11が中央に配置され、その円周上に、4色の各色ごとにコロナ帯電装置12Y、12M、12C,12Kと、4色の現像装置14Y、14M、14C、14Kと、転写装置16と、クリーニング装置18が配置される。ここでは感光体ベルト11としているが、感光体ドラムであっても良い。
【0026】
本実施形態では感光体ベルト11上でイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー像を重ね合わせて、カラー画像を形成する。この機構について説明する。図3では、感光体ベルト11の周回方向(矢印方向E)に沿って上流側から下流側に、YMCKの順に各色ごとにコロナ帯電装置12と現像装置14とが配置され、YMCKの順にトナー像を重ね合わせる。なお、重ね合わせ順はこれに限定されるわけではない。
【0027】
感光体ベルト11は100[mm/sec]の線速で回転させる。コロナ帯電装置12Yでは感光体ベルト11を500[V]で一様に帯電させ、露光装置4Yから出力される書き込み光13Yで非画像部を露光することによってイエローの静電潜像を形成する。そして、250[V]の現像バイアスを持つ現像装置14Yによって、マイナスに帯電したイエロー色トナーで、この静電潜像をトナー像として感光体ベルト11上に形成する。
【0028】
次に、イエロー色トナー像が形成されている感光体ベルト11上に、イエロー色と同様の帯電、露光、現像のプロセスによって、マゼンタ色トナー像を重ね合わせる。シアン色、ブラック色に関しても同様である。このようにして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を感光体上で重ね合わせる。
【0029】
そして、転写装置16によって、用紙搬送路15によって搬送されてきた転写紙Pに、4色のトナー像を一括して転写する。最後に、定着装置17によって転写紙上にトナー像が定着されて画像が出力される。
【0030】
書き込み光13Y、13M、13C、13Kを出力する露光装置4Y、M、C、Kは、トナーによる吸収が大きい可視光領域の中心からずらした波長780[nm]のレーザーダイオード素子を用いる。ただし、これに限定されるわけではない。
【0031】
[実施例1]
本実施例で用いるコロナ帯電装置12Y、12M、12C、12KはACコロトロン帯電装置である。ただし、AC(交流電圧)コロトロン帯電装置に限定されるわけではなく、グリッドを用いたACスコロトロン帯電装置であってもよい。さらに、全てのコロナ帯電装置にACを用いる必要はなく、通常のDC(直流電圧)スコロトロン帯電装置やその他の方式を部分的に用いても良い。上記で説明したように、1色目と2色目とのトナー層を感光体ベルト11上で重ね合わせる場合にはトナー層電位の課題は解決できるので、特に3色目と4色目と(本実施例においては12Cと12Kと)でACのコロナ帯電装置を用いることが効果的である。さらに言えば、帯電装置で正イオンと負イオンとの両方を同時に供給することが重要なので、そのような帯電装置であれば特に限定はされない。
【0032】
ACコロトロン帯電装置であるコロナ帯電装置12は、図4に示すように、コロナ電極51、シールド(金属製ケース)52、コンデンサ53を介して交流電圧をコロナ電極に印加する1つの交流電源54、及び、シールド52に直流電圧を印加する1つの直流電源55から構成される。
【0033】
コロナ電極51はタングステンから成る直径60[μm]のワイヤである。コロナ電極51にはコンデンサ53を介して交流電圧が印加される。交流電圧の波形は正弦波や矩形波などを用いることができて特に限定はされない。矩形波を用いると最も高い効率でイオンを発生できる。シールド52は厚さ1[mm]のステンレス鋼の板材を加工して作り、シールド52の感光体ベルト11と対向する側は開放されている。シールド52を構成する素材は導電性を有していればどのようなものであっても構わないが、耐オゾン性のなどの観点からステンレス鋼を採用している。シールド52には直流電圧を印加する。
【0034】
なお、コンデンサ53を介してコロナ電極51に交流電圧を印加しているのは次のような理由による。交流電圧を直接コロナ電極51に印加すると、負の放電の方が正の放電よりも強いため、負イオンの方が多く発生する。負イオンが正イオンよりも常に同程度多く発生すれば問題ないが、様々な条件が変わったときに負イオンが多く発生する量が変化してしまい、このために帯電電位の制御が難しくなる。コロナ電極51にコンデンサ53を介して交流電圧を印加すると、コンデンサ53が直流電流を流さないことや、コンデンサの静電容量によって流れ得る電流量が制限されるため正の放電電流と負の放電電流とが同等量になることにより、コロナ電極51から正イオンと負イオンとを常に同等量発生させることができ制御がし易くなる。
【0035】
コロナ電極51に交流電圧を印加すると正イオンと負イオンとが同時に発生する。そして、コロナ電極51から発生したイオンのうち、シールド52に印加する電圧とは逆極性のイオンが相対的に多くシールドに引き寄せられる。また、コロナ電極51から発生したイオンのうち、シールドに印加する電圧と同極性のイオンが相対的に多く感光体ベルト表面に到達し、感光体ベルト11を帯電させる。シールド52に印加した電圧と感光体ベルト11の電位とが等しくなれば、コロナ電極51から発生した正イオンと負イオンとの移動の偏りが止まって等量の正イオンと負イオンとが感光体ベルト表面に到達することになる。そのため、見かけ上感光体ベルト表面の電位が変化しない平衡状態となる。このようにして、シールド52に印加した電圧と感光体ベルト11の電位とが同じになるので、感光体ベルト11の帯電電位を所定の電位となるように容易に制御することができる。
【0036】
ここでは感光体ベルト11の帯電電位の制御性のためにコンデンサ53を介してコロナ電極51に交流電圧を印加しているが、交流電圧に直流電圧を重畳したり、シールド52に印加する電圧の設定によって帯電電位を制御したりすることも可能なので、必ずしもコンデンサ53を用いる必要はない。
【0037】
本実施例では、コロナ電極51に印加する交流電圧はピーク間電圧12[kV]、周波数2[kHz]の正弦波として、シールド52に印加する直流電圧は500[V]とする。また、コンデンサ53の静電容量は1000[pF]のものを用いた。コンデンサ53の静電容量が小さいと交流電流量が小さくなってコロナ電極51での放電量も減少してしまうので、コンデンサ53の静電容量は100[pF]以上であることが好ましい。
【0038】
次に、図1を用いて本発明の効果を説明する。なお、ここでは感光体ベルト11を正帯電、現像するトナーを負帯電とするが、逆であってもよい。
【0039】
まず、図1(a)に示すようにコロナ帯電装置12Yによって感光体ベルト11を500[V]に正帯電させる。本実施例ではACコロトロン帯電装置を用いるが、感光体ベルト11上にトナー像がない状態での帯電であるので、必ずしもACコロトロン帯電装置を用いなければならないわけではなく、場合によっては一般的なDCスコロトロン帯電装置などのその他の帯電装置を用いてもよい。次に、図1(b)に示すように書き込み光13Yによって非画像部を露光する。次に、図1(c)に示すように現像装置14Yによって負に帯電した1色目のトナー像を現像する。本実施例では、感光体ベルト11の厚さが約20[μm]、トナーの帯電量が約−30[μC/g]のものを用いて、トナーを約0.45[mg/cm]の付着量で現像させると、トナーの電荷によって感光体ベルト表面に約−100[V]の電位が誘起され、トナー層の厚みによる電位(これがトナー層電位である)が約−40[V]生じた。なお、トナー層電位の大きさはトナー帯電量と付着量によって変化する。次に、図1(d)に示すようにコロナ帯電装置12Mによって最表面(トナー層がない部分は感光体ベルト表面、トナー層がある部分はトナー層込みでの表面)を500[V]に帯電させる。このとき正イオンを供給するので、感光体ベルト11は正に帯電され、元々負に帯電しているトナーは除電される。よって、感光体ベルト表面を帯電しつつ1色目のトナー層の除電が効率的に行え、トナー層電位をほぼ0[V](大きくても−数[V]程度)にすることができる。
【0040】
さらに言えば、トナー層電位の大きさに依らずにトナー層電位をほぼ0[V]にすることができる。1色目トナー像が現像されている部分の最表面電位の内訳は、元々感光体が正に帯電していてそれによる感光体ベルト表面電位が500[V]で、トナーの電荷による電位が−140[V]で最表面電位は360[V]になっている。つまり、トナー層の電荷を完全に除電できれば、最表面電位は感光体ベルト表面が正帯電していている電位の500[V]に戻る。正イオンを供給した時に、感光体ベルト表面は正帯電でトナーは負帯電なので、ほとんどの正イオンは選択的にトナーへ引き寄せられてトナーの除電を行う。したがって、トナー層を除電してトナー層電位をほぼ0[V]として、最表面電位を500[V]にすることができる。
【0041】
本実施例では、ACコロトロン帯電装置を用いるが、ここでは(2色目の帯電では)必要なのが正イオンを供給することだけであるので、必ずしもACコロトロン帯電装置を用いなければならないわけではなく、場合によっては一般的なDCスコロトロン帯電装置などのその他の帯電装置を用いてもよい。
【0042】
次に、図1(e)に示すように書き込み光13Mによって非画像部を露光する。この際、1色目のトナー層電位がほぼ0[V]となっているので、適正な潜像ポテンシャルを得ることができる。次に、図1(f)に示すように現像装置14Mによって負に帯電した1色目のトナー像を現像する。1色目と同様に、感光体ベルト11の厚さが約20[μm]、トナーの帯電量が約−30[μC/g]のものを用いて、トナーを約0.45[mg/cm]の付着量で現像させると、トナーの電荷によって感光体表面に約−100[V]の電位が誘起され、約−40Vのトナー層電位が生じる。次に、図1(g)に示すように、3色目の帯電としてコロナ帯電装置12Cによって最表面(トナー層がない部分は感光体ベルト表面、トナー層がある部分はトナー層込みでの表面)を500[V]に帯電させる。2色目のトナー層電位は、2色目の帯電時と同様にほぼ0[V](大きくても−数V程度)にすることができる。
【0043】
ここで、この3色目の帯電の時に、最表面へ正イオンのみしか供給されなければ、すでに除電されてトナー層電位がほぼ0[V]になっている1色目のトナー層が、正に帯電して正のトナー層電位を生じてしまい、その結果、地肌汚れの問題へとつながる。
【0044】
そこで、本実施例ではACコロトロン帯電装置を用いている。ACコロトロン帯電装置は正イオンと負イオンとの両方を同時に供給でき、次のような帯電プロセスを経る。まず、帯電時の最初は正イオンの方が負イオンよりも相対的に多く感光体ベルト表面へ到達するので感光体ベルト表面が正イオンで帯電される。そして、感光体ベルト表面が正イオンで帯電されるにつれて感光体ベルト表面へと到達する正イオンの量が次第に減少し、感光体ベルト表面電位がシールド52に印加した電位とが等しくなった時には、等量の正イオンと負イオンとが感光体ベルト表面へ到達するようになって見かけ上感光体ベルト表面の電位が変化しない平衡状態となり、帯電が完了する。
【0045】
そして、ACコロトロン帯電装置であるコロナ帯電装置12Cで2色目トナー層がある部分を帯電すると次のような現象が生じる。まず、帯電時の最初は正イオンの方が負イオンよりも相対的に多く到達するので、感光体ベルト11と2色目トナー層とが正に帯電される。しかし、負イオンも同時に到達はしており、帯電が進むにつれて正イオンと負イオンとが等量到達するようになる。このときに、トナー表面よりも感光体ベルト表面に電荷が存在する方が安定であるので、正に帯電されてしまった2色目トナー層は負イオンで除電され、感光体ベルト表面が正イオンで帯電されるということが起こる。したがって、2色目トナー層をほぼ0[V](大きくても数[V]程度)に保ったまま、感光体ベルト表面を500[V]に帯電することができる。
【0046】
なお、比較のために通常のDCスコロトロン帯電装置を用いて帯電を行ったところ、2色目のトナー層電位は約40[V]程度になってしまった。
【0047】
また、ACコロトロン帯電装置であるコロナ帯電装置12Cのコロナ電極51に印加する交流電圧のピーク間電圧と周波数とを大きくするほど、また正弦波よりも矩形波を用いると、正イオンと負イオンとの発生量が増えるので上記の効果は大きい。本実施例での条件(ピーク間電圧12[kV]、周波数2[kHz]の正弦波)よりイオン発生量少ない条件では2色目のトナー層電位をほぼ0[V]にはできず、ある程度の大きさがある正のトナー層電位が生じてしまう(DCスコロトロン帯電装置の場合よりは小さくできる)。
【0048】
また、コロナ帯電装置12Cでは正イオンと負イオンとの両方を同時に供給することが重要なので、そのような帯電装置であればよく、ACコロトロン装置に限定されるわけではない。
【0049】
次に、図1(h)に示すように書き込み光13Cによって非画像部を露光する。上述したように2色目のトナー層のトナー層電位がほぼ0[V]になっているので、適正な潜像ポテンシャルを得ることができる。
【0050】
これ以降は図示していないが、3色目トナー像の適正な潜像ポテンシャルを得ることができているので、3色目トナー像を地肌汚れなしに現像できる。
【0051】
さらに4色目トナー像の帯電、露光、現像プロセスも同様に行う。コロナ帯電装置12KとしてACコロトロン帯電装置を用いれば、上記と同様の原理で1色目のトナー層電位と2色目のトナー層電位とをほぼ0[V]に保ったまま感光体ベルト表面を帯電でき、露光によって適正な潜像ポテンシャルを得ることができる。3色目のコロナ帯電装置12Cと4色目のコロナ帯電装置12Kとで通常のDCスコロトロン帯電装置を用いると、1色目のトナー層は2回帯電されてトナー層電位は100[V]程度になってしまい、地肌汚れの問題が深刻となるが、本発明ではこれを避けることができる。
【0052】
次に、本実施例で用いる現像装置14Y、14M、14C、14Kについて説明する。本実施例では、前色のトナー像がある上から次色のトナー像を現像するので、前色のトナー像を乱さないように非接触の現像装置を用いている。
【0053】
本実施例の現像装置14Yを図5に示す。なお、他の現像装置14M、14C、14Kも同じであるので、ここでは代表して現像装置14Yを用いて説明する。
【0054】
現像装置14Yは、トナー担持ローラ81と、マグローラ82と、2成分現像剤と攪拌スクリュ83,84を収容するケースからなる。トナー担持ローラ81以外は通常の2成分現像方式と同じである。2成分現像剤は磁性キャリア粉にトナーを重量比で約6[wt%]となるように混合させたものである。この2成分現像剤を永久磁石の内包されたマグローラ82によってトナー担持体まで搬送し、そこでトナーの一部が印加されるバイアス電位によってトナー担時ローラに転移する。トナー担持ローラ81に転移されたトナーは、下で説明する原理によってクラウド状態(トナーが浮遊している状態)を形成し、トナー担持ローラ81の回転によって現像部(像担持体との対向部)へと運ばれる。
【0055】
トナー担持ローラ81表面の平均電位と像担持体電位との差によってトナー像が形成され、現像に寄与しなかった不要なトナーは再びマグローラ82部に戻ってくる。クラウドが形成されているので、トナーの付着力は非常に低く、トナー担持ローラ81によって現像部から戻ってきたトナーは、マグローラ82の回転に追随した2成分現像剤の穂によって容易に掻き取られたり均されたりする。これを繰り返すことによって、トナー担持ローラ81上には常にほぼ一定量のトナーがクラウド状態として担持される。なお、トナー担持ローラ81へのトナー供給法として2成分現像方式を採用したが、現像装置の構成としてはこれに限定されるわけではない。
【0056】
トナー担持ローラ81について説明する。図6にトナー担持ローラ81の表面を拡大したものを示す。支持基盤75上に空間周期的なアルミ蒸着電極76を配置して、表面を樹脂コート77で覆っている。
【0057】
図7で示すように、周期的な電極の交互に、異なる波形の電圧Vaと電圧Vbを印加する。VaとVbは図8に示すように時間的に逆向きである(位相が180度ずれている)ようにする。すると、Vaを印加した電極とVbを印加した電極の間に振動電界が形成される。よって、トナーはVaを印加した電極とVbを印加した電極の間をホッピングして、クラウド状態(トナーが浮遊している状態)が形成される。このようにしてトナー担持体上にトナーをクラウド状態として担持できる。なお、図8ではVaとVbとは矩形波として示したが、正弦波で形成される通常の交流電圧であってもよい。また、ここでは周期的な電極を2分割して交互に異なる波形の電圧を印加したが、振動電界が形成されてトナーがホッピングしてクラウド状態を形成できる条件ならば3分割以上に分割してそれぞれに異なる波形の電圧を印加するように構成してもよい。
【0058】
ここでは、VaとVbには、交流成分がピーク間電圧600[V]、周波数1[kHz]の矩形波で、250[V]の直流成分を重畳した電圧を印加する。現像領域で潜像へのトナーによる現像のきっかけとなる現像バイアスは、この電圧の時間平均値である。つまり、現像バイアスは250[V]である。
【0059】
この現像方式は、クラウド状態を形成して現像するので、トナー担持体とトナーとの付着力の影響を小さくすることができる。したがって、現像領域で小さな現像電界にまでトナーが応答することができ、このような小さい現像バイアスでも十分なトナー付着量を得ることができる。
【0060】
現像ポテンシャルが小さくても良いと、感光体ベルト11の帯電電位を変えずに現像バイアスと非画像部の電位差を大きくとることができる。ACコロトロン帯電装置の効果は正イオンと負イオンとの発生量が多いほど大きいが、イオン発生量を増加させるとオゾンも多く発生する問題がある。したがって、オゾンの発生を抑えたい時にはACコロトロン帯電装置の効果は小さくなってしまう。そのような場合に、例えば1色目と2色目とのトナー層が正に帯電されて50[V]程度のトナー層電位が生じたとしても、現像バイアスを300[V]にして現像ポテンシャルを200[V]としても十分現像できるので、地肌汚れの問題を避けることができる。
【0061】
さらに、トナーとトナー担持体の間の付着量がとても小さいと、潜像ポテンシャルに対して忠実な現像ができるので、ドットの再現性が高く優れた品質の画像を得ることができる。
【0062】
[実施例2]
実施例2の画像形成装置であるプリンタ100の全体構成は実施例1と同じであり、図2で示される。帯電装置は、やはり図4で示す実施例1と同じコロナ帯電装置12を用いて、実施例1と同様の効果が実現できる。
【0063】
実施例2が実施例1と異なるのは、現像装置14Y、4M、4C、4Kである。全ての現像装置14で同じであるので、代表して現像装置14Yを用いて説明する。
【0064】
実施例2の現像装置14は、実施例1の現像装置14とほぼ同様な形状をしており、図5で示される。異なる点はトナー担持ローラ81である。図9に実施例2のトナー担持ローラ81の表面を拡大したものを示す。支持基盤75上に空間周期的なアルミ蒸着電極76を配置して、表面を樹脂コート77で覆っている。
【0065】
実施例2では、図9のように周期的な電極を3分割(ここでは3分割としたがそれ以上でも良い)にして、図10で示すようにそれぞれの電極に異なる波形の電圧Va、Vb、Vcを印加する。すると、実施例1と同様に、トナーはVaを印加した電極とVbを印加した電極とVcを印加した電極の間をホッピングして、クラウド状態(トナーが浮遊している状態)が形成される。
【0066】
さらに、図11で示すように、Va、Vb、Vcの位相を適切にずらすことによって、トナーを搬送する進行波電界が生じる。これによってトナーを搬送することができる。したがって、トナー担持ローラ81自体を機械的に回転させることなく、現像部(像担持体との対向部)へクラウド状態のトナーを運ぶことができる。
【0067】
ここでは、VaとVbとVcには、交流成分がピーク間電圧600[V]、周波数1.5[kHz]の矩形波で、250[V]の直流成分を重畳した電圧を印加する。現像領域で潜像へのトナーによる現像のきっかけとなる現像バイアスは、この電圧の時間平均値である。つまり、現像バイアスは250[V]である。
【0068】
この現像方式は、クラウド状態を形成して現像するので、トナーとトナー担持体との間の付着量はとても小さい。このため、現像領域にトナーが十分に搬送される条件であれば、感光体ベルト11上にトナーが付着した状態での感光体ベルト電位が現像バイアスと等しくなった時点で現像が終了する。つまり、小さな現像ポテンシャルであっても十分なトナー付着量を得ることができる。
【0069】
現像ポテンシャルが小さくても良いと、感光体ベルト11の帯電電位を変えずに現像バイアスと非画像部の電位差を大きくとることができる。ACコロトロン帯電装置の効果は正イオンと負イオンとの発生量が多いほど大きいが、イオン発生量を増加させるとオゾンも多く発生する問題がある。したがって、オゾンの発生を抑えたい時にはACコロトロン帯電装置の効果は小さくなってしまう。そのような場合に、例えば1色目と2色目とのトナー層が正に帯電されて50[V]程度のトナー層電位が生じたとしても、現像バイアスを300[V]にして現像ポテンシャルを200[V]としても十分現像できるので、地肌汚れの問題を避けることができる。
【0070】
さらに、トナーとトナー担持体との間の付着量がとても小さいと、潜像ポテンシャルに対して忠実な現像ができるので、ドットの再現性が高く優れた品質の画像を得ることができる。
【0071】
[実施例3]
実施例3の画像形成装置であるプリンタ100の全体構成は実施例1及び実施例2と同じであり、図2で示される。現像装置14Y、14M、14C、14Kは、実施例1または実施例2に記載の現像装置14を用いて、同様の効果を実現できる。
【0072】
実施例3が実施例1及び実施例2と異なるのはコロナ帯電装置12Y、12M、12C、12Kである。
【0073】
本実施例のコロトロン帯電装置であるコロナ帯電装置12は、図12に示すように2つのコロナ電極61,62、シールド(金属製ケース)63、グリッド64、コロナ電極61に直流電圧を印加する直流電源65、コロン電極62に直流電圧を印加する直流電源66、及び、シールド63とグリッド64とに直流電圧を印加する直流電源67から構成される。本実施例ではシールド63とグリッド64とは電気的に接続して同じ直流電圧を印加しているが、シールド63とグリッド64とを電気的に絶縁して異なる直流電源から直流電圧を印加しても良い。
【0074】
コロナ電極61及びコロナ電極62はタングステンから成る直径60[μm]のワイヤである。シールド63は厚さ1[mm]のステンレス鋼の板材を加工して作り、シールド63の感光体ベルト11と対向する側は開放されている。グリッド64は、厚さ0.1[mm]のステンレス鋼の板材をエッジング加工によってメッシュとしたものである。グリッド64を設置すると感光体ベルト表面をグリッド64に印加した電圧に均一に感光体ベルト表面を帯電できるが、場合によっては、グリッド64は設置しなくても良い。なお、シールド63とグリッド64とを構成する素材は導電性を有していればどのようなものであっても構わないが、耐オゾン性のなどの観点からステンレス鋼を採用している。
【0075】
図6で示すようにコロナ電極61とコロナ電極62とには、それぞれ逆極性の直流電圧を印加して、正イオンと負イオンとを同時に発生させることができる。本実施例では、感光体ベルト回転方向の上流側のコロナ電極61には5[kV]の直流電圧を印加し、感光体ベルト回転方向の下流側のコロナ電極63には−4[kV]の直流電圧を印加する。また、シールド63とグリッド64とには、500[V]の直流電圧を印加する。これによって、感光体ベルト表面を500[V]に帯電できる。感光体ベルト回転方向の上流側のコロナ電極61に感光体ベルト11の帯電極性(すなわちシールド63とグリッド64とに印加する直流電圧の極性)と同じ直流電圧の極性を印加する方が望ましいが、逆であっても良い。さらに、ここでは感光体ベルト11を正帯電するとしているが、感光体ベルト11を負帯電する場合も同様である。
【0076】
また、コロナ電極61とコロナ電極62とにそれぞれ印加する逆極性の直流電圧の大きさは、正イオンと負イオンとの発生量が同程度になるようにする。一般的に同電圧の場合では正放電よりも負放電の方が放電によるイオン発生量が多いので、本実施例のように正極性の直流電圧の方を絶対値で大きくする方が望ましい。
【0077】
ここで、感光体ベルト表面を帯電する原理は次のように説明できる。コロナ電極61とコロナ電極62とから発生した正イオンと負イオンのうち、シールド63及びグリッド64に印加する電圧と逆極性のイオン(本実施例では負イオン)が相対的に多くシールド63とグリッド64に引き寄せられ、シールド63及びグリッド64に印加する電圧と同極性のイオン(本実施例では正イオン)が相対的に多く感光体ベルト表面に到達して感光体ベルト11を正帯電させる。そして、感光体ベルト11の電位とシールド63及びグリッド64に印加した電圧(グリッド電圧)が等しくなれば、正イオンと負イオンとの移動の偏りが止まって等量の正イオンと負イオンとが感光体ベルト表面に到達し、見かけ上感光体ベルト表面の電位が変化しない平衡状態となる。このようにして、シールド63及びグリッド64に印加した電圧と感光体ベルト11の電位とが同じになるので、感光体ベルト11の帯電電位を所定の電位となるように容易に制御することができる。
【0078】
なお、実施例1で説明したコンデンサを用いたACコロトロンの場合と同様にシールド63に印加する電圧のみで感光体ベルト11の帯電電位を制御できるが、帯電均一性や温湿度などの条件でイオンの発生量が変化してしまうことを考慮するとグリッド64を設置した方が望ましい。
【0079】
また、実施例1で説明したコンデンサを用いたACコロトロン帯電装置の場合には、実質的には正イオンと負イオンとを交互にしか発生できず、高速での帯電性に問題があった。高速での帯電性とは、感光体ベルト11の回転速度が速いときに狙いの帯電電位にできるかどうかということである。高速での帯電性を確保するためにはより多くのイオンが必要である。また、トナー層電位の問題を解決するためにもイオン発生量は多い方が良い。本実施例のコロナ帯電装置12では、正イオンと負イオンとの両方を真に同時に発生できるので、ACコロトロン帯電装置よりも正イオンと負イオンとを多く供給できる。
【0080】
また、本実施例では正イオンと負イオンとの両方を同時に発生させることが重要なので、そのような帯電装置であればよく、図12で示されるコロトロン帯電装置の構成で限定されるわけではない。
【0081】
さらに、本実施例のコロナ帯電装置12を用いることで得られる効果が大きいのは、3色目のコロナ帯電装置12Cと4色目のコロナ帯電装置12Kで用いた場合である、そのため、1色目のコロナ帯電装置12Yと2色目のコロナ帯電装置12Mは一般的なDCスコロトロン帯電装置などのその他の帯電装置を用いてもよい。
【0082】
実施例1及び実施例2と同様に図1を用いて実施例3の効果を説明する。なお、ここでは感光体ベルト11を正帯電、現像するトナーを負帯電とするが、逆であってもよい。
【0083】
なお、図1(a)から図1(f)まで示される、1色目の帯電から2色目の帯電までは実施例1で説明した内容とほぼ同様であるので省略する。
【0084】
図1(g)に示すように、3色目の帯電としてコロナ帯電装置12Cによって最表面(トナー層がない部分は感光体ベルト表面、トナー層がある部分はトナー層込みでの表面)を500[V]に帯電させる。2色目のトナー層電位は、2色目の帯電時と同様にほぼ0[V](大きくても−数[V]程度)にすることができる。
【0085】
ここで、この3色目の帯電の時に、最表面へ正イオンのみしか供給されなければ、すでに除電されてトナー層電位がほぼ0[V]になっている1色目のトナー層が、正に帯電して正のトナー層電位を生じてしまい、その結果、地肌汚れの問題へとつながる。
【0086】
そこで、本実施例ではコロナ帯電装置12Cとして図12で示されるコロトロン帯電装置であるを用いている。これは正イオンと負イオンの両方を同時に供給でき、次のような帯電プロセスを経る。まず、帯電時の最初は正イオンの方が負イオンよりも相対的に多く感光体ベルト表面へ到達するので感光体ベルト表面が正イオンで帯電される。そして、感光体ベルト表面が正イオンで帯電されるにつれて感光体ベルト表面へと到達する正イオンの量が次第に減少し、感光体ベルト表面電位とシールド63及びグリッド64に印加した電圧とが等しくなった時には、等量の正イオンと負イオンとが感光体ベルト表面へ到達するようになって見かけ上感光体ベルト表面の電位が変化しない平衡状態となり、帯電が完了する。
【0087】
そして、このコロナ帯電装置12Cで2色目トナー層がある部分を帯電すると次のような現象が生じる。まず、帯電時の最初は正イオンの方が負イオンよりも相対的に多く到達するので、感光体ベルト11と2色目トナー層とが正に帯電される。しかし、負イオンも同時に到達はしており、帯電が進むにつれて正イオンと負イオンとが等量到達するようになる。このときに、トナー表面よりも感光体ベルト表面に電荷が存在する方が安定であるので、正に帯電されてしまった2色目トナー層は負イオンで除電され、感光体ベルト表面が正イオンで帯電されるということが起こる。したがって、2色目トナー層をほぼ0[V](大きくても数[V]程度)に保ったまま、感光体ベルト表面を500[V]に帯電することができる。
【0088】
なお、比較のために通常のDCスコロトロン帯電装置を用いて帯電を行ったところ、2色目のトナー層電位は約40[V]程度になってしまった。
【0089】
また、コロナ帯電装置12Cでは正イオンと負イオンとの両方を同時に供給することが重要なので、そのような帯電装置であればよく、ACコロトロン装置に限定されるわけではない。
【0090】
次に、図1(h)に示すように書き込み光13Cによって非画像部を露光する。上述したように2色目のトナー層のトナー層電位がほぼ0[V]になっているので、適正な潜像ポテンシャルを得ることができる。
【0091】
これ以降は図示していないが、3色目トナー像の適正な潜像ポテンシャルを得ることができているので、3色目トナー像を地肌汚れなしに現像できる。
【0092】
さらに4色目トナー像の帯電、露光、現像プロセスも同様に行う。コロナ帯電装置12Kとして図12で示されるコロトロン帯電装置を用いれば、上記と同様の原理で1色目のトナー層電位と2色目のトナー層電位とをほぼ0[V]に保ったまま感光体ベルト表面を帯電でき、露光によって適正な潜像ポテンシャルを得ることができる。3色目のコロナ帯電装置12Cと4色目のコロナ帯電装置12Kとで通常のDCスコロトロン帯電装置を用いると、1色目のトナー層は2回帯電されてトナー層電位は100[V]程度になってしまい、地肌汚れの問題が深刻となるが、本発明ではこれを避けることができる。
【0093】
以上、本実施形態によれば、像担持体である感光体ベルト11と、感光体ベルト11上を帯電せしめる1つ以上の帯電手段である帯電装置12Y,12M,12C,12Bkと、帯電装置12Y,12M,12C,12Bkによって帯電された感光体ベルト11を露光して各色ごとの潜像を形成する潜像形成手段である露光装置4と、感光体ベルト11上に形成された潜像を、それぞれ異なる色のトナーによって可視像化する3つ以上の現像手段である現像装置14Y,14M,14C,14Bkとを備え、各色ごとに、感光体ベルト11を帯電装置12によって帯電せしめ、その感光体ベルト11上の非画像部を露光装置4が露光して潜像を形成し、その潜像を現像装置14が上記帯電極性とは逆極性のトナーによって現像することによって、単一の感光体ベルト11上に各色のトナー像を順次形成して3色以上のカラートナー像を形成する画像形成装置であるプリンタにおいて、少なくとも3色目以降の作像に用いられる帯電装置12は、電圧を印加されることで正極性及び負極性のコロナイオンを発生させるコロナイオン発生部材であるコロナ電極と、感光体ベルト11の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段を構成する高圧電源55,67とシールド52,53またはグリッド64とを有するものである。これにより、前色のトナー像の形成が終わった後の次色の作像の際に、帯電装置12Y,12M,12C,12Bkから放出される感光体ベルト11の帯電極性と同一極性のイオンによって、前色のトナー像が有する上記逆極性の電荷の影響を限りなく消滅させつつ、感光体ベルト表面電位を限りなく一様とする事ができる。つまり、前色のトナー像の現像が終わってから次色の潜像が形成されるまでの間に、一つの帯電装置2で前色のトナー像の除電と感光体ベルト11の電位の初期化とを同時に行うことができる。よって、前色のトナー像の電位の影響を受けることなく次色のトナー像を形成することができる。したがって、前色のトナー像を除電するため専用の除電手段を設けることなく、次色の作像プロセスにおける前色のトナー像の電位の影響を抑制することができ、且つ、上記除電手段を設けない分、装置本体の小型化ができる。
また、少なくとも3色目以降の帯電装置12は、コロナ電極から正極性及び負極性のコロナイオンを発生させることができる。これにより、例えば、3色目の作像を行うときに、1色目のトナー像が上記帯電させる帯電極性と同極性に帯電しても、上記帯電させる帯電極性とは逆極性のコロナイオンによって除電することができる。よって、放電電極から感光体へ正極性及び負極性のコロナイオンを供給しつつ帯電電位制御手段によって感光体ベルト11の帯電電位を制御することで、1色目のトナー像の電位を略ゼロにし、且つ、感光体ベルト11を所定の帯電電位に均一帯電させることができる。よって、3色目の露光を行った際に1色目のトナー像がある部分の非画像部の電位と現像バイアスとの電位差が適切になるので、上記非画像部に3色目のトナーが付着するのを抑制できる。したがって、3色目以降の非画像部に地肌汚れが生じるのを抑制できる。
また、本実施形態によれば、上記コロナイオン発生部材は放電電極であるコロナ電極であり、少なくとも3色目以降の作像に用いられる帯電装置12には、感光体ベルト11に近接し感光体ベルト11と対向する側に開口部を有するケースであるシールド52,63の内部にコロナ電極が1つ以上配設されている。これにより、大掛かりなコロナイオンを発生させる手段を用いずに正極性及び負極性のコロナイオンを同時に発生させることができる。よって、小型且つ低コストで高画質なプリンタなどの画像形成装置を得ることができる。
また、本実施形態によれば、コロナ電極51に、交流電圧または交流に直流を重畳した電圧を印加する電圧印加手段である交流電源54を有している。これにより、正極性と負極性との両方のコロナイオンを1つのコロナ電極51から発生させることができるので、帯電装置12を小型にでき、より小型且つ低コストなプリンタなどの画像形成装置を得ることができる。
また、本実施形態によれば、コロナ電極を複数有しており、コロナ電極61に正極性の直流電圧を印加する第1の電圧印加手段である直流電源65と、コロナ電極62に負極性の直流電圧を印加する第2の電圧印加手段である直流電源66とを備えている。これにより、正極性と負極性との両方のコロナイオンを効率的に発生できるので、高速での帯電性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、正極性の直流電圧を負極性の直流電圧よりも絶対値で大きくすることで、正極性と負極性のイオンとの発生量を同程度にすることができ、帯電電位の制御が行い易くなる。
また、本実施形態によれば、上記帯電電位制御手段にグリッド64を用い、コロナ電極61,62と感光体ベルト11との間にグリッド64を設けることで、グリッド64で帯電電位を制御できるので、より帯電電位の制御性が優れ、帯電均一性も向上する。
また、本実施形態によれば、現像装置14は、現像領域において感光体ベルト11と非接触で対向するように配置された、トナーを担持するトナー担持体であるトナー担持ローラ81と、トナー担持ローラ81の表面に沿うようにトナー担持ローラ81に設けられ互いに絶縁された複数の電極とからなり、上記複数の電極は、それぞれ印加される電圧の相対的な極性の向きが隣り合う上記複数の電極とで互いに異なっていることにより、トナーをホッピングさせるためのホッピング電界発生手段とを有している。これにより、トナー担持ローラ81上のトナーが浮遊している状態(トナークラウドと呼ぶ)を形成しているので、トナーとトナー担持ローラ81との間の付着量はとても小さい。そのため、小さな現像ポテンシャル(画像部の感光体ベルト電位と現像電位の差)であっても非接触にて十分な現像を行うことができる。また、現像ポテンシャルが小さくて良いと、感光体ベルト11の帯電電位を変えずに現像バイアスと非画像部との電位差を大きくすることができるので、地肌汚れが生じるのを抑制することができる。さらに、トナーとトナー担持ローラ81との間の付着量がとても小さいと、潜像ポテンシャルに対して忠実な現像ができるので、ドットの再現性が高く優れた品質の画像を得ることができる。
また、本実施形態によれば、トナー担持ローラ81は、トナー担持ローラ81の表面に担持されたトナーを、トナー担持ローラ81の表面を移動させることによって、上記現像領域に搬送する表面移動部材である。これにより、トナー担持ローラ81の表面に担持されたトナーを容易に上記現像領域へ搬送することができる。
また、本実施形態によれば、上記ホッピング電界発生手段は、トナー担持ローラ81の表面に担持されているトナーをホッピングさせつつ、上記トナーを上記現像領域まで搬送するための進行波電界を、トナー担持ローラ81の表面上に発生させるものである。これにより、トナー担持ローラ81を回転駆動させることなく、トナー担持ローラ81に担持したトナーを進行波電界によって現像領域まで搬送することができるので、トナー担持ローラ81を駆動させる駆動手段が必要ないために、さらに装置本体の小型化が可能となる。
【0094】
なお、本実施形態においては、感光体ベルト11を用いたプリンタを用いて説明したが、上述したように感光体ドラムを用いたプリンタなどの画像形成装置でも良い。つまり、図13に示すように実施例1で示したコロナ帯電装置12を感光体ドラム1に対向させて設けたり、図14に示すように実施例3で示したコロナ帯電装置12を感光体ドラム1に対向させて設けることで、感光体ベルト11を用いた場合と同様に上述したような効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の特徴部を示した感光体ドラム及びトナー像表面の電位に関する模式図。
【図2】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】感光体ベルト近傍の拡大概略構成図。
【図4】実施例1及び実施例2に係るコロナ帯電装置の概略構成図。
【図5】現像装置の概略構成図。
【図6】実施例1におけるトナー担持ローラの表面部の拡大図。
【図7】周期的に配列した電極の交互に異なる波形の電圧を印加した際のトナークラウド状態を示した図。
【図8】周期的に配列した電極に印加する電圧の波形図。
【図9】実施例2におけるトナー担持ローラの表面部の拡大図。
【図10】周期的に配列した電極の交互に異なる波形の電圧を印加した際のトナークラウド状態を示した図。
【図11】周期的に配列した電極に印加する電圧の波形図。
【図12】実施例3に係るコロナ帯電装置の概略構成図。
【図13】感光体ドラムを用いた画像形成装置に実施例1のコロナ帯電装置を用いた場合のコロナ帯電装置近傍の概略構成図。
【図14】感光体ドラムを用いた画像形成装置に実施例3のコロナ帯電装置を用いた場合のコロナ帯電装置近傍の概略構成図。
【図15】従来の作像ユニットの概略構成図。
【図16】従来の画像形成装置における感光体ドラム及びトナー像表面の電位に関する模式図。
【図17】本発明が解決しようとする課題を示した従来の画像形成装置における感光体ドラム及びトナー像表面の電位に関する模式図。
【符号の説明】
【0096】
4 露光装置
11 感光体ベルト
12 帯電装置
13 書き込み光
14 現像装置
15 用紙搬送路
16 転写装置
17 定着装置
18 クリーニング装置
51 コロナ電極
52 シールド
53 コンデンサ
54 交流電源
55 直流電源
61 コロナ電極
62 コロナ電極
63 シールド
64 グリッド
65 直流電源
66 直流電源
67 直流電源
75 支持基盤
76 アルミ蒸着電極
77 樹脂コート
81 トナー担持ローラ
82 マグローラ
83 攪拌スクリュ
84 攪拌スクリュ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
該像担持体上を帯電せしめる1つ以上の帯電手段と、
該帯電手段によって帯電された該像担持体上を露光して各色ごとの潜像を形成する潜像形成手段と、
該像担持体上に形成された該潜像を、それぞれ異なる色のトナーによって可視像化する3つ以上の現像手段とを備え、
各色ごとに、該像担持体を該帯電手段によって帯電せしめ、その像担持体上の非画像部を該潜像形成手段が露光して潜像を形成し、その潜像を該現像手段が該帯電極性とは逆極性のトナーによって現像することによって、単一の像担持体上に各色のトナー像を順次形成して3色以上のカラートナー像を形成する画像形成装置において、
少なくとも3色目以降の作像に用いられる該帯電手段は、電圧を印加されることで正極性及び負極性のコロナイオンを発生させるコロナイオン発生部材と、該像担持体の帯電電位が所定の電位になるように制御する帯電電位制御手段とを有するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記コロナイオン発生部材は放電電極であり、
少なくとも3色目以降の作像に用いられる上記帯電手段には、上記該像担持体に近接し該像担持体と対向する側に開口部を有するケース内部に該放電電極が1つ以上配設されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2の画像形成装置において、
上記コロナイオン発生部材に、交流電圧または交流に直流を重畳した電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2の画像形成装置において、
上記放電電極を複数有しており、該放電電極に正極性の直流電圧を印加する第1の電圧印加手段と、該放電電極に負極性の直流電圧を印加する第2の電圧印加手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
上記正極性の直流電圧を上記負極性の直流電圧よりも絶対値で大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
上記帯電電位制御手段はグリッド電極であり、
上記コロナイオン発生手段と上記像担持体との間に該グリッド電極を設けることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、
上記現像手段は、現像領域において上記像担持体と非接触で対向するように配置された、上記トナーを担持するトナー担持体と、
該トナー担持体の表面に沿うように該トナー担持体に設けられ互いに絶縁された複数の電極とからなり、該複数の電極は、それぞれ印加される電圧の相対的な極性の向きが隣り合う該複数の電極とで互いに異なっていることにより、トナーをホッピングさせるためのホッピング電界発生手段とを有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
上記トナー担持体は、該トナー担持体の表面に担持されたトナーを、該トナー担持体の表面を移動させることによって、上記現像領域に搬送する表面移動部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、
上記ホッピング電界発生手段は、上記トナー担持体の表面に担持されているトナーをホッピングさせつつ、該トナーを上記現像領域まで搬送するための進行波電界を、該トナー担持体の表面上に発生させるものであることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−20365(P2009−20365A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183675(P2007−183675)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】