説明

画像形成装置

【課題】検出値と補正値の関係を維持し、かつ、精度よく補正すること、すなわち、撹拌速度の変化後のトナー濃度検出値と目標値の設定において、検出値と目標値の両方の補正を適正に行う画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】画像形成装置は、現像装置6K内のトナー濃度検知手段37を用いて得られるトナー濃度情報と、トナー濃度の目標値と、像担持体4K上のトナー付着量を検知する付着量検知手段22を用いて得られる付着量情報とを用いて、画質調整を行う制御部25を有し、前記制御部25は、前記画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う直前の、トナー濃度情報とトナー濃度目標値と、前記印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報とを用いて、前記印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値とを決めるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つ以上のプロセス線速で動作可能で、画質調整動作を行う制御部を有する2成分現像剤の電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置においては、高画質が求められると同時に、高耐久性、高安定も望まれている。つまり、環境変動による画質の変化が少なく、また、常に安定した画像を経時において提供していかなければならない。
従来から、非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)を現像剤担持体としての現像スリーブ上に保持し、この現像スリーブに内包される磁極によって磁気ブラシを形成させ、現像スリーブに潜像担持体としての感光体と対向する位置で現像バイアスを印加することにより現像を行う2成分現像方式が広く知られている。この2成分現像方式は、カラー化が容易なことから現在広く用いられている。
この2成分現像方式において、2成分現像剤は、現像スリーブの回転に伴い、感光体と現像スリーブとが対向する現像領域に搬送される。現像剤が現像領域に搬送されるに従い、現像スリーブ内の現像極の磁力線に沿いながら、現像剤中の多数の磁性キャリアがトナーを伴って集合し、磁気ブラシを形成する。
2成分現像方式は、1成分現像方式と異なり、トナーとキャリアの重量比(トナー濃度)を精度よく制御することが、安定性を向上させる上で非常に重要とされている。例えば、トナー濃度が高すぎると、画像に地肌汚れが発生し、細部解像力の低下が生じる。また、トナー濃度が低い場合には、ベタ画像部の濃度が低下し、キャリア付着が発生するという不具合が生じる。
【0003】
そのため、現像剤に対するトナー補給量を制御して現像剤のトナー濃度を適正範囲に調整する必要がある。ここで、トナー濃度の制御は、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段(例えば、透磁率センサ)の出力値Vtをトナー濃度の基準値Vrefと比較し、その結果に基づきトナー補給量を設定することにより行われる。
トナー濃度を検知する方式としては、透磁率センサを用いたものが一般的である。この方式においては、トナー濃度が変化することにより変化する現像剤の透磁率を基準濃度の出力と比較してトナー濃度の現在値を検知するものである。また、別のトナー濃度検知方式としては、光学センサを用いる方式がある。
この方式では、像担持体又は中間転写ベルト上に基準パターンを形成し、この基準パターンの画像部と非画像部の反射濃度を光学センサにより検出し、その結果に基づいて、トナー濃度を検知するものである。また、画像形成中においても、感光体上に紙間(各トナー像の間)で基準パターンを作成し、その反射濃度を光学センサにより検出し、その結果に基づいて、逐次透磁率センサの基準値Vrefを制御する方式も公知である。
【0004】
しかしながら、この方式では、紙間で基準パターンを作成することによるトナーの過剰な消費を極力低減する要望があり、紙間での基準パターン作成による、透磁率センサの基準値Vref補正は行わない方向である。さらに、中間転写ベルト上に基準パターンを作成する場合、2次転写ローラ上にクリーニング装置を設置する必要があり、メカ的なコスト削減の観点からも紙間の基準パターン作成を極力抑える傾向がある。
こうした場合、連続画像形成時や画像モード変更(プロセス線速の変更)時の透磁率センサ単独によるトナー濃度制御がさらに正確に行われることが必要となってくる。かかる要求を満たすために、従来から各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1には、現像装置内のトナー濃度をトナー濃度検出手段(例えば、透磁率センサ)にて検出し、その検出値をしきい値と比較して現像装置内のトナー濃度を制御するとともに、感光体の線速の変化に応じてトナー濃度検出手段の検出値に対するしきい値を変更するという手法が記載されている。
特許文献2においても、同様に、現像装置(搬送スクリュ)の回転速度に応じて、トナー濃度センサのしきい値を変化させるものが記載されている。特許文献3は、トナー濃度制御にトナー濃度検出手段としてのTセンサ(例えば透磁率センサ)の出力値Vt値を用いるものが記載されている。
【0005】
2成分現像の電子写真プロセス制御の目的として、画像濃度を一定に保つこと、現像γを適正に保つこと、そしてトナー濃度を適正に保つこと、が要求される。このため、像担持体上にトナーテストパターンを形成し、トナー付着量が検出できるように設計されたフォトセンサにてトナー付着量を算出し、その結果に基づいて、制御因子であるトナー濃度や現像ポテンシャルを補正する制御がある。
しかし、この制御では、像担持体上にトナーテストパターンを形成するので、画像形成とは別にトナー消費が必要であり、トナー利用効率が低下する。また、読み取ったトナーテストパターンはクリーニング装置で特別にクリーニングする必要があり、装置が複雑化することもある。そこで、テストパターンの形成間隔を長くする(形成頻度の削減)ために、テストパターン検出間隔より短い周期で以下の制御が併用される。
[1]トナー濃度を一定に保つように制御する。そのために、使用されるトナーと現像装置に補給するトナーのバランスを保つ。このために現像装置にトナー濃度を検出するセンサと、その結果を用いてトナー補給量を制御する制御装置が用いられる。
[2]現像能力や転写率を一定に保つ。現像能力は主にトナーの帯電量や付着力に相関することが知られている。トナーの帯電量や付着力を直接検出する装置はない(装置コストが高いなど実用的ではない)ため、以下の予測制御が用いられる。
【0006】
第1の予測制御は温湿度により帯電量が変化する特性を用いて制御する。例えば、高温高湿になるとトナー濃度の目標値を下げる。低温低湿の場合にはその逆となる。
第2の予測制御はトナーの収支効率によってトナー付着力が変化する特性を用いて制御する。一般的にトナーはキャリアに対して摩擦帯電により保持されるが時間あたりのトナー収支が大きいと摩擦帯電力が小さくなり、現像され易くなるため、時間あたりの画像収支に応じてトナー濃度の目標値を制御する。例えば、印刷画像面積に応じてトナー濃度目標値を変える。
[1]においては、トナー濃度を検出するセンサにはキャリアの磁性特性を利用して透磁率変化によりトナー濃度を推定する方法が用いられる。しかしながら、この方法では単位体積あたりの現像剤重量(嵩密度)が変化するとトナー濃度が正しく推定できないという課題がある。
嵩密度が変化するのは、温湿度が変化した時や、トナーの帯電量が変化した時、検出している時の撹拌速度が変化した時(主に現像装置の現像剤撹拌部にセンサは配置されるが、印刷する際の現像ローラに比例する速度で撹拌する必要があり、この時に出力がずれる。主には、印刷線速を変えた時にこの現象が発生することがある。)であることが知られている。そこで、嵩密度が変化しているであろう時期には、センサ出力を補正することが必要となる。
【0007】
上記のセンサ出力を補正するために、テストパターン検出間隔時期に同時にトナー濃度を検知し、トナー付着量(現像γ)とトナー濃度のデータの両方を用いて、トナー濃度の目標値を決定する方法が用いられる。詳細を説明すると、テストパターン検出時期は、主に、温湿度が変化した場合や帯電量が変化していると考えられる時期である。その時にはトナーの嵩密度が変化していることは十分考えられる。そのため、従来のトナー濃度目標値はすでにあてにならない。
そこで、新たな目標値としてその時に検出したトナー濃度をトナー濃度目標値にしてしまう。ただし、これを行うと、トナー濃度が嵩密度の変化に起因する値なのか、何らかの異常で目標値に対して制御されていないためなのか判別できない。そこでトナー付着量(現像γ)の値を併用する。
トナー付着量(現像γ)の値を併用する例の1つとして以下の表1を示す。また、この表1には、1.の補正機能と現像γを適正に制御する機能がある。
表1.目標値補正テーブル

上記表1から、(※1)の場合、トナー付着量もトナー濃度もどちらも高い、低いという情報を持っているので、検出値は正しいデータと判断する。
(※2)の場合、トナー付着量は適正であるので、嵩密度変化している可能性も含めて、トナー濃度も目標値をその時の検出値とし、目標値の再設定を行う。
(※3)の場合、トナー付着量が適正でないので、トナー濃度の情報がトナー付着量の情報と相反する場合、トナー濃度目標値の情報を破棄し、現在の検出値を現像γが適正になるような補正を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記表1は、少なくとも検出時点ではトナー濃度検出値が正しいものであることが前提となるが、前述したようにテストパターン検出時の撹拌速度と印刷時の撹拌速度が異なる場合には、トナー濃度目標値をトナー濃度検出値とした場合、その後トナー濃度を変化させてしまう可能性があり、画像濃度が変化してしまう可能性がある。
このように従来技術においても、テストパターン検出時の撹拌速度と、印刷時の撹拌速度が異なる場合、トナー濃度目標値及び検出値が適正でないので、補正を行っている。補正の方法としては、検出値が正しくないので検出値に補正を行うことで、補正値だけでなく補正値を参照して確定される目標値の補正も行っている。
しかし、嵩密度変化の過渡期など、この補正後、補正値と検出値の関係が保持されないことがある。すると、撹拌速度が変わったこととトナー濃度の変化とを誤検知し、撹拌速度が変化しただけなのに、本来必要としていないトナー補給を行ったり逆に補給が行われなかったり、という場合があることが解かった。
また、撹拌速度毎のトナー濃度検出値は、経時や環境、現像装置内のトナー濃度によっても変化するので、適正な補正量が常に一定ではないことも課題となっている。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、検出値と補正値の関係を維持し、かつ、精度よく補正すること、すなわち、撹拌速度の変化後のトナー濃度検出値と目標値の設定において、検出値と目標値の両方の補正を適正に行う画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも2つ以上のプロセス線速で動作可能で、現像装置内のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段を用いて得られるトナー濃度情報と、トナー濃度の目標値と、像担持体上のトナー付着量を検知する付着量検知手段を用いて得られる付着量情報と、を用いて、画質調整を行う制御部を有する2成分現像剤の電子写真方式の画像形成装置において、前記制御部は、トナー濃度目標値を設定する機能を有し、画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う直前の、トナー濃度情報及びトナー濃度目標値と、印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報と、を用いて、印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値とを決めるように制御することを特徴とする画像形成装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記制御部は、前記画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う前の前記画質調整時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値と、前記印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報を用いて、前記印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値を決めるように制御する請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、前記制御部は、前記画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う前の前記画質調整時と同一線速で、前記印刷前に行った印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値と、前記印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報を用いて、該印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値を決めるように制御する請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記制御部は、前記画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う前の前記画質調整時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値、もしくは、前記印刷を行う前の前記画質調整時と同一線速で、前記印刷前に行った印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値と、前記印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報を用いて、前記印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値を決めるように制御する請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、複数の現像装置及び、複数の印刷動作を有し、請求項1乃至4記載の補正を複数の現像装置各々において独立に行うことが可能である請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、線速を設定した場合に、その時の検出値と目標値、及び線速情報を不揮発性メモリに保存する請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、所定の検出値及び目標値の場合には、検出値と目標値の補正量の算出値を用いない請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、所定の検出値及び目標値の場合には、検出値と目標値の補正量は、すでに保持された値を用いる請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トナー濃度検知結果とトナー濃度目標値の両方を補正するので、トナー濃度目標値とトナー濃度検知結果の関係が保たれ、線速が切り替わったことによる画像濃度変動が抑えられる。また、現像剤の特性値変化を効率良く検知し、現像剤変化に応じて画像濃度制御パラメータを効率よく短時間で最適化することができ、それにより経時又は環境変動時に高品位の画像を安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を適用し得る画像形成装置の実施の形態を示す概略図である。
【図2】図1のレーザプリンタにおける画像形成部1Kの一部を示す概略図である。
【図3】検出値、目標値とトナー濃度との関係をグラフで示す図である。
【図4】検出値、目標値と経過時間との関係をグラフで示す図である。
【図5】線速のA→Bへの切り替わりを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明を適用し得る画像形成装置の実施の形態を示す概略図である。この実施の形態は、画像形成装置としての電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下単にレーザプリンタという)Aである。
このレーザプリンタAは、イエロー:Y、マゼンダ:M、シアン:C、黒:Kの各色の画像を形成するための4組の画像形成部1Y、1M、1C、1Kが、転写材としての転写紙の移動方向(転写搬送ベルトとしての無端状ベルト3が走行する方向)における上流側から順に配置される。
この画像形成部1Y、1M、1C、1Kは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kと、帯電装置5Y、5M、5C、5Kと、現像装置6Y、6M、6C、6Kと、図示してない転写装置と、感光体ドラムクリーニング装置7Y、7M、7C、7Kなどを備えている。
【0015】
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kの配置は、各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの回転軸が平行になるように、かつ、転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように設定されている。
本レーザプリンタAは、画像形成部1Y、1M、1C、1Kの他に、図示してない露光手段としての光書き込みユニット、複数の給紙カセット8、レジストローラ対10、転写紙を担持して各画像形成部1Y、1M、1C、1Kの転写位置を通過するように搬送するローラ15、16に架け渡された転写搬送ベルト3を有する転写ユニット11、定着ユニット12、排紙部13、廃トナーボトル14等を備えている。
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kでは、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kは、図示してない回転駆動部により回転駆動され、帯電装置5Y、5M、5C、5Kにより一様に帯電された後、図示してない光書き込みユニットによりY、M、C、Kの各色の画像データによりそれぞれ変調された複数のレーザ光17Y、17M、17C、17Kで露光されて静電潜像が形成される。
【0016】
光書き込みユニットは、レーザ光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、Y、M、C、Kの各色の画像データによりそれぞれレーザ光源を変調し、これらのレーザ光源からのレーザ光をそれぞれポリゴンミラーにより偏向走査してf−θレンズ、反射ミラーを介して各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面に照射する。
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上の静電潜像は、現像装置6Y、6M、6C、6Kにより現像されてそれぞれY、M、C、Kの各色のトナー像となる。この感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上の各色のトナー像は各転写位置で転写搬送ベルト3上の転写紙へ図示してない転写装置による転写電界で順次に転写される。その後、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kは、クリーニング装置7Y、7M、7C、7Kによりクリーニングされ、さらに図示してない除電器により除電されて次の静電潜像の形成に備える。
転写搬送ベルト3はローラ15、16に掛け渡され、これらのローラ15、16のうちの1つのローラが図示してない駆動部により回転駆動されることで転写搬送ベルト3が回転する。
【0017】
複数の給紙カセット8のいずれかより給紙ローラ9により転写紙が給紙され、この転写紙は搬送路18を経てレジストローラ10へ搬送される。レジストローラ10はタイミングをとって転写紙を転写搬送ベルト3へ送り出し、転写紙は転写搬送ベルト3により担持されて搬送される。
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kの感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成された各色のトナー像は図示してない転写装置により転写搬送ベルト3上の転写紙に順次に重ねて転写されることでフルカラー画像が形成され、フルカラー画像が形成された転写紙は定着装置12によりフルカラー画像が定着された後に排紙部13へ排紙される。
上記説明はフルカラー画像を形成する場合であるが、各画像形成部1Y、1M、1C、1Kのうちの任意の1つ又は2つのみを動作させることにより、単色画像又は2色画像を形成することが可能である。
【0018】
図2は図1のレーザプリンタにおける画像形成部1Kの一部を示す概略図である。画像形成部1Kの現像装置6Kにおいては、現像容器31内に現像剤担持体としての現像スリーブ32及び搬送部材としての搬送スクリュ部34、35が感光体ドラム4Kと平行に配置され、非磁性トナーと磁性キャリアを有する2成分現像剤(以下現像剤という)が現像容器31内に収容されている。
現像スリーブ32及び搬送スクリュ部34、35は、図示してない駆動装置により本実施の形態のプロセス線速に対応する速度で駆動されて回転し、プロセス線速の変更により回転速度がプロセス線速に対応する速度に変化する。
現像容器31内の現像剤は、搬送スクリュ部34によりその軸方向に搬送されて端部で搬送スクリュ部35側へ移動し、搬送スクリュ部35により搬送スクリュ部34とは逆の方向に搬送されて端部で搬送スクリュ部34側へ移動することを繰り返して循環する。
この現像剤は、現像スリーブ32内の汲み上げ磁極により、現像装置6K内の搬送スクリュ部35から一部が現像スリーブ32に移動する。その後、現像剤は、現像スリーブ32の回転に伴い、現像スリーブ32内の搬送極の磁場と現像スリーブ32表面の摩擦力によりドクタ33の近傍まで搬送される。
【0019】
ドクタ33の近傍まで搬送された現像剤は、ドクタ上流部36においていったん滞留し、ドクタ33と現像スリーブ32とのギャップで層厚が規制され、感光体ドラム4Kと現像スリーブ32とが対向する現像領域に搬送される。現像スリーブ32には図示してない電源装置から現像バイアスが印加されて現像領域に所定の現像電界が形成され、この現像電界は感光体4K上に形成された静電潜像にトナーを付勢する方向に形成される。
このため、トナーは感光体4K上の静電潜像に移動して付着することで感光体ドラム4K上の静電潜像を現像する。また、現像領域を通過した現像スリーブ32上の現像剤は、現像スリーブ32上の現像剤離れ極位置で現像スリーブ32から離れ、搬送スクリュ部35に戻る。
その後、現像剤は、搬送スクリュ部34に移動し、トナー補給装置からトナーが補給されるトナー補給部にて、その補給トナーと混合されて適正なトナー濃度に調整され、現像スリーブ32に再び上述のように搬送される。現像装置6Kの現像容器31底部には前記2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段としての透磁率センサ37が設置されている。
【0020】
この透磁率センサ37は現像容器31内の現像剤のトナー濃度を検出する。感光体ドラム4K上のトナー付着量を検出するトナー付着量検出手段としての光学センサ22は、感光体ドラム4Kから転写搬送ベルト3(図1)の非作像領域に転写されたトナーの付着量を検出する。
透磁率センサ37と光学センサ22は、それぞれ図示してないA/D変換器を介してI/Oボード(I/Oユニット)23に接続されている。制御部25は、CPU19、読み出し専用メモリ(ROM)20、書き込み読み出しメモリ(RAM)21、I/Oボード23からなり、I/Oボード23を介して、図示してない上記トナー補給装置を駆動するトナー補給装置駆動モータ24に制御信号を伝達するように構成されている。
RAM21には、I/Oボード23から読み取った透磁率センサ37の出力値Vtを一時保存するVtレジスタ、現像装置6K内のトナー濃度の制御基準値Vrefを記憶するVrefレジスタ、光学センサ22の出力値Vsを記憶するVsレジスタ等が設けられている。ROM20には、トナー濃度制御プログラム、及び画像濃度制御パラメータ補正プログラムが記憶されている。
【0021】
通常は想定されない電源オフ/オンなどがあると、データが保持されない。そこで、不揮発メモリ(ROM20)に保存することで、データが保持され、復帰時の制御に用いることが可能となる。
算出された検出値と目標値の補正値が、正しくない場合もある。所定の場合は、(正しくないと思われる)算出値を用いないので、誤った補正を回避することができる。
プロセス線速が切り替わってトナー濃度検知結果が変化した際、トナー濃度検知結果の補正が適正でないとトナー濃度目標値とトナー濃度検知結果の関係がずれ、線速が切り替わったことによる画像濃度変動が発生する。
本発明は、画質調整動作時及び印刷時に線速が切り替わったという情報を得たら、切り替わる前のトナー濃度検出値と目標値を取得し、切り替わった後のトナー濃度検出値と目標値を取得する。その差分を、蓄積し、保存する。目標値及び検出値の算出時にはこの値を用い、最適な値に補正する。すなわち、補正量を蓄積し、最新の状態に更新し続けることで、経時変化による補正量の変動に対しても対応できるようにする。
【0022】
本発明を詳細に説明するにあたって、先ず、パラメータの説明(定義)をする。
線速が切り替わる前のトナー濃度検出値:Vt_a0、線速が切り替わった後のトナー濃度検出値:Vt_b1とし、Vt_a0、Vt_b1は、単点もしくは複数データの平均値とする。
切り替わる前後が、印刷であれば印刷時の検出値、画質調整動作であれば、画質調整動作時の検出値を用いる。複数データを使用する場合は、望ましくは出力が安定した領域のデータの平均値がよいが、必ずしもそうなら無くても可と考える。この場合、多少不安定な領域であったとしても、蓄積情報を加味して確定するので、バラツキは低減されると考える。
線速が切り替わった時(線速A→線速B)のトナー濃度検出値の差分:ΔVt_ab_k=|Vt_b1−Vt_a0|
この場合、線速が切り替わった時(線速B→線速A)のトナー濃度検出値の差分:ΔVt_ba_k=|Vt_a1−Vt_b0|
ここで、kは、k回目の情報(現在値)である。
ΔVt_**の蓄積情報:ΔVtS_**_k
ここで、kは現在値を表す。
ΔVtS_ab_k=(ΔVt_(ab,ba)_(k−(n−1))+・・・・+ΔVt_(ab,ba)_(k−1)+ΔVt_(ab,ba)_k)/n
この場合、nは、蓄積する過去の情報数である。
【0023】
また、線速A→B、B→Aは、絶対値を取っているので、ここでは同じ情報として扱うこととした。別のパラメータとして扱っても構わない。その場合は、正負を考慮して補正する。ここでは、n個の累積平均としているが、過去のΔVt情報を用いて算出することに意味があるので、式はこれに限らない。
算出されたΔVtS_**_kの値は、不揮発性メモリに保存する。保存のタイミングとしては算出毎に保存することが望ましいが、所要時間などから所定の間隔毎に保存しても構わない。また、次のΔVtS_**_k+1(最新値)が算出されたら、上書き保存する。
現像剤、トナー濃度検出手段、現像装置が交換された場合は、ΔVtS_**_kの値はクリアし、初期値に戻す。ΔVtS_**_kの初期値は、実験データなどから初期現像剤に適した値を不揮発性メモリに予め保持しておく。通常は想定されない電源のオフ/オンなどがあると、データが保持されない。ここでは不揮発性メモリに保存することで、データが保持され、復帰時の制御に用いることが可能となる。
【0024】
線速をA、B、Cと3つ持つ場合、ΔVtS_**_kの保存のパターンとしては、以下のパターンが考えられる。制御シーケンスにおいて最適なパターン(メモリ数の制約や、線速モードの頻度などを考慮して)を使用すればよい。
a)A⇔B間のΔVt、A⇔C間のΔVt、基準線速からの変化量を保持する。b)A⇔B、B⇔C、C⇔A間の全ての組み合わせのΔVtを保持する。c)A⇔B、B⇔Cの2つのΔVtを保持する。(a、b以外は数が最小の組み合わせが望ましい。)4つ以上の場合も同様である。
先ず、印刷(線速A)→画質調整動作(線速A)→印刷(線速A)→線速切り替え(A→B)→印刷(線速B)の場合の制御の流れを示す。この場合、線速Aを基準とし、Vtは、トナー濃度検出値(生データ)、Vt’は、補正を含めた検出値の確定値とする。
線速Aで印刷し、線速Aで画質調整動作を行い、線速Aでの印刷時、線速がA→Bに切り替えられ、線速Bで印刷する場合に、先ず、線速Aで画質調整動作を行い、線速Aでの印刷時には、線速切り替えが発生しないので、トナー濃度検出値を、トナー濃度検出値Vt’_k=トナー濃度検出値Vt_kとする。線速Bで印刷する時には、トナー濃度検出値Vt’=トナー濃度検出値Vt_b1_K+ΔVtS_ab_(k−1)とする。この場合、ΔVtS_ab_(k−1)は前述のように求めた蓄積情報であり、不揮発性メモリに保存されている値を読み出す。
【0025】
線速Aでの画質調整動作において、トナー濃度目標値を設定する。線速Aでの印刷時には、Vtref_k=Vtref(k−1)は、画質調整動作時に確定した目標値の値とする。線速Bで印刷する時には、Vtref_K=Vtref(k−1)+ΔVtS_ab_(k−1)とする。トナー濃度検出値Vt’と同じ量の補正値にて補正することで、検出値と目標値の関係を保持することができる。
線速Cで印刷し、線速を切り替え、線速Aで画質調整動作を行い、線速を切り替え、線速Cで印刷し、線速を切り替え、線速Bで印刷する場合、先ず、 線速Aで画質調整動作において、トナー濃度検出値を、トナー濃度検出値Vt’_k=トナー濃度検出値Vt_a1_k+ΔVtS_ac_(k−1)とする。この場合、この場合、ΔVtS_ab_(k−1)は前述のように求めた蓄積情報であり、不揮発性メモリに保存されている値を読み出す。
【0026】
次いで、線速Cでの印刷においては、トナー濃度検出値を、トナー濃度検出値Vt’_k=トナー濃度検出値Vt_c1_k+ΔVtS_ac_(k−1)とする。この場合、ΔVtS_ab_(k−1)は前述のようにもとめた蓄積情報であり、不揮発性メモリに保存されている値を読み出す。線速Aで画質調整動作を行う場合と、線速を切り替え線速Cで印刷する場合とでは、ΔVtS_ac_(k−1)の値は異なる。すなわち、線速Cで印刷する場合の方が後の動作なので、累積情報が異なる。
線速Bで印刷する場合において、トナー濃度検出値を、トナー濃度検出値Vt’=トナー濃度検出値Vt_b1_K+(ΔVtS_ac_(k−1)−ΔVtS_ab_(k))とする。この場合、ΔVtS_ab_(k−1)は前述のように求めた蓄積情報であり、不揮発性メモリに保存されている値を読み出す。
【0027】
ここで、ΔVtS_ab_(k)は、最初の線速Cで印刷するより以前に算出された値で、線速Bで印刷する時点では切り替え時の算出に寄与していないので、最新値を使用することができる。ここでは、ΔVtS_bcの値は保持していないと想定し、ΔVtS_acとΔVtS_abより算出した。
線速Aでの画質調整動作において、トナー濃度目標値は、目標値Vtref_kを設定する。次に、線速Cで印刷する場合においては、Vtref_k=Vtref(k−1)+ΔVtS_ac_(k−1)とする。ここで、Vtref(k−1)は、線速Aでの画質調整動作で決めた値である。
線速Bで印刷する場合において、Vtref_K=Vtref(k−1)+(ΔVtS_ac_(k−1)−ΔVtS_ab_(k))とする。ここで、Vtref(k−1)は、画質調整動作後の線速Cでの印刷で決めた値である。
【0028】
画質調整動作時の線速A(=1つしか無い)の場合を示した。画質調整時の線速が複数存在する場合には、補正の基準を何に設けるかの設計思想により、線速の切り替わる箇所や回数が変わることになる。
本実施の形態のように、線速Aを基準として、画質調整動作時の線速もAのみである場合は、補正の基準を線速Aに設けると都合がよい場合が多い。複数ある場合も、基準の線速を設定する、もしくは、補正量を補間し合う(A⇔C=A⇔B+B⇔C)ことで対応が可能となる。
また、いずれの場合も、画質調整動作時に、現像能力が適性である場合(表1の(※2)の場合)を記した。現像能力が適性でない場合は、表1のような目標値の補正が付加される。
さらに、いずれの場合も、目標値Vtrefは、画質調整動作時に決定値したものが、そのまま変更されない場合を記した。従来技術には、画像面積率などによって、目標値Vtrefを変更させる制御もあり、その場合には、その補正に本発明(線速変化分の補正)を考慮することと考える。具体的には、線速を切り替える前の目標値が、画質調整動作時に確定したものに補正が加わったものとなる。
【0029】
算出された検出値と目標値の補正値が、正しくない場合もある。本発明によれば、所定の検出値及び目標値の場合には、(正しくないと思われる)算出値を用いないので、誤った補正を回避することができる。
画質調整モードが複数ある場合、例えば、フルカラーモードと白黒モードがある場合、白黒画質調整モード時の画質調整動作はBkしか行われない時、画質調整動作の線速切り替えを伴う補正量の算出(ΔVtS_**_k)、及び保存は該当色(Bk)のみで、非該当色に対して実行しない。
検出値Vtが異常値であると判別されている時には、不適切なデータを蓄積してしまうので、検出値Vt’の算出、及び目標値の算出を行わないことが望ましい。異常情報を取得する方法としては、画像形成装置本体から得る、もしくは、Vt検出時に閾値を用いて異常判定を行い、異常を自ら判別するなどがある。
【0030】
図3は検出値、目標値とトナー濃度との関係をグラフで示す図である。図3では本発明の効果を従来技術と比較して示している。現像能力(現像γ)が適性であり、検出値と目標値が等しくなっている場合を示し、図3(a)は従来技術の場合を、図3(b)は本発明の場合を示している。
図3(a)の従来技術の場合において、トナー濃度TCによって線速(撹拌速度)によるシフト量が異なっている。すなわち、線速(撹拌速度)によって補正後検出値Vt’の変化量(この図では傾き)が異なっている。(トナー濃度TCによる変動が補正しきれていない場合がある)。トナー濃度TCが高い時と低い時で撹拌状態に差があることに起因していると考えるが、明確な要因はさらに追求中である。
図3(b)に示すように、本発明の制御を実施することで、変化量(傾き)が一定になる。図3(b)では、実際には、各グラフは重なり、線速による差がなくなりほぼ同一の値とすることができる。
【0031】
図4は検出値、目標値と経過時間との関係をグラフで示す図である。図4では本発明の効果を従来技術と比較して示している。現像能力(現像γ)が適性であり、検出値と目標値が等しくなっている場合を示し、図4(a)は従来技術の場合を、図4(b)は本発明の場合を示している。
図4(a)の従来技術においては、経時によって線速によるシフト量が異なっている。すなわち、線速によって補正後検出値Vt’の変化量(この図では傾き)が異なっている(経時による変動が補正しきれていない場合がある)。
本発明の制御を実施することで、図4(b)に示すように変化量(傾き)が一定になる。図4(b)では、実際には、各グラフは重なり、線速による差がなくなりほぼ同一の値とすることができる。
【0032】
図5は線速のA→Bへの切り替わりを説明する図である。プロセス線速を変更すると、現像容器内の現像剤(トナーとキャリアの混合剤)の嵩密度や流動性が変わるので、トナー濃度情報、すなわち、トナー濃度センサの出力値(以下、Vt)が変化する。線速を変えただけなので、現像容器内のトナー濃度は同じはずであるが、Vtが変わるということは、トナー濃度が変わったとの勘違い(誤検知)であるので、補正を実施する。
一例として述べれば、本発明に使用しているトナー濃度センサは、線速が速くなると、Vtが上がる(図3でいうと線速A)。逆に、線速が遅くなるとVtが下がる(図3でいうと線速C)。
画質調整動作の時にもVtを検知する。Vtの目標値Vtref(VtがVtrefに追随するように、トナー補給・消費を実施する)は、画質調整動作の中でも決定されるが、この画質調整の時の線速と、前後の印刷時の線速が同じでない場合には、Vtはもちろん、Vtrefも勘違いして決定されてしまうので、補正が必要になる。
VtとVtrefの差分があるということは、現像容器内のトナーに過不足があることを意味しているので、画質調整動作が入ってもその差分は維持される必要がる。ところが、線速により、Vtを勘違いしてしまうと、画質調整動作が入ることにより、その差分が増長されたり、縮小されたりし、狙うべきトナー補給・消費動作をしなくなることが生じる。
【0033】
この不都合を避けるために、線速が切り替わったら、その情報をフィードバックさせるようにする。線速がA→B;速い→遅いと切り替わると、Vtとしては、下がるので、その差分分(ΔVt_ab)を足せば線速の切り替わりがあっても、Vtとしては変わらないで維持できる(図5)。
ただ、このΔVt_abが常に一定であれば、1回検知すればよいが、例えば、環境、現像容器内のトナー濃度、現像剤の劣化度合いなどで変わってくるので一定ではない。
従って、ΔVt_abを複数モニタし、平均化などして、ΔVt_abという値を算出している。線速切り替えがk回あれば、その時の差分はΔVt_ab_kとなる。
線速の切り替えは、印刷の通紙モード(紙種や解像度)だけでなく、画質調整動作時にも発生する。ただ、Vtの観点からすれば、印刷も調整も関係なく、線速が切り替わったことにより、Vtが変わる。その差分を、累積し、より適正な情報として保持し、補正(足したり引いたり)することが本発明の意図するところである。
すなわち、使用している画像形成装置の通常速、もしくは、画質調整動作時の線速を基準とし、基準に対して線速変化によりVtが高くなるようであれば、ΔVtを引き、Vtが低くなるようであれば、ΔVtを足すという作業を行うことになる。
【符号の説明】
【0034】
A 画像形成装置、1K 画像形成部、4K 像担持体、6K 現像装置、22 付着量検知手段(光学センサ)、24 トナー補給装置駆動モータ、25 制御部、37 トナー濃度検知手段(透磁率センサ)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2002−207357公報
【特許文献2】特開2002−14588公報
【特許文献3】特開2003−280355公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つ以上のプロセス線速で動作可能で、現像装置内のトナー濃度を検知するトナー濃度検知手段を用いて得られるトナー濃度情報と、トナー濃度の目標値と、像担持体上のトナー付着量を検知する付着量検知手段を用いて得られる付着量情報と、を用いて、画質調整を行う制御部を有する2成分現像剤の電子写真方式の画像形成装置において、
前記制御部は、トナー濃度目標値を設定する機能を有し、画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う直前の、トナー濃度情報及びトナー濃度目標値と、印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報と、を用いて、印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値とを決めるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う前の前記画質調整時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値と、前記印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報を用いて、前記印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値を決めるように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う前の前記画質調整時と同一線速で、前記印刷前に行った印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値と、前記印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報を用いて、該印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値を決めるように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記画質調整実行後、該画質調整時と異なる線速で印刷を行う場合に、該印刷を行う前の前記画質調整時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値、もしくは、前記印刷を行う前の前記画質調整時と同一線速で、前記印刷前に行った印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値と、前記印刷の線速に切り替わった後に検知したトナー濃度情報を用いて、前記印刷時のトナー濃度情報とトナー濃度目標値を決めるように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数の現像装置及び、複数の印刷動作を有し、請求項1乃至4記載の補正を複数の現像装置各々において独立に行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
線速を設定した場合に、その時の検出値と目標値、及び線速情報を不揮発性メモリに保存することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
所定の検出値及び目標値の場合には、検出値と目標値の補正量の算出値を用いないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項8】
所定の検出値及び目標値の場合には、検出値と目標値の補正量は、すでに保持された値を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−256690(P2010−256690A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107759(P2009−107759)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】