説明

画像形成装置

【課題】ドット扁平による画像の再現性の低下を抑制可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】線幅検出部18は、パターン検出部16からの入力画像データに基づいて、線幅検出パターンの主走査方向の線幅および副走査方向の線幅をそれぞれ検出する。線幅調整部20は、主走査方向の線幅および副走査方向の線幅に基づいて、主走査方向と副走査方向との間の扁平率(扁平の度合い)を算出し、いずれかの方向にドット扁平が生じているか否かを判断する。誤差拡散部12は、誤差拡散処理に用いる分配パターンを変更し、ドット扁平が補正されるように、入力画像データを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特にドット扁平を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式などの画像形成装置は、パーソナルコンピュータで作成した画像データやスキャナ部で読み取られた画像データなどに基づいて、ドットと呼ばれる基本印字単位の位置や密度などを調整することで、文字や写真を紙媒体に画像形成(プリント)する。このような画像形成装置では、画像データに対する再現性、すなわち、実際に紙媒体に形成さる画像における元の画像データに対する忠実性を高めることが課題の一つである。
【0003】
実際の画像形成装置では、プリントエンジンの特性変化などによって、実際にプリントされる各ドット(正方形あるいは円形)が扁平する場合がある。なお、扁平とは、正方形や円形といった対称形状のドットを印字する指令を与えたにもかかわらず、画像形成装置の主走査方向における印字されるドットの長さと、主走査方向と直交する副走査方向における印字されるドットの長さとが一致しない状態を意味する。
【0004】
このようにドットが扁平すると、同じ原稿をスキャナ部で読み取ったとしても、その読み取り方向によって、プリント結果は異なったものとなる。すなわち、同一の線幅またはドット径で記述された原稿であっても、それが主走査方向に読み取られた場合と、副走査方向に読み取られた場合では、出力される線幅またはドット径は同一にはならず、文字や細線などの再現性が悪化する。
【0005】
このようなドットの扁平が予め既知である場合には、特開2004−34720号公報(特許文献1)に示されるような方法が開示されている。すなわち、特開2004−34720号公報には、形成されるドットが主走査方向に長い扁平ドットとなる場合には、このような扁平ドットの副走査方向の幅よりも十分に小さい間隔で、副走査方向のドットピッチを設定し、主走査方向のドットピッチは扁平ドットの主走査方向の幅よりも十分に小さい間隔で、しかも画像全体の画素数が印刷速度に応じて定まる所定値を超えないように設定することで、バンディングを生じることなく、階調表現に優れた画像を高速で印刷することができることが開示されている。
【特許文献1】特開2004−034720号公報
【特許文献2】特開2004−200799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特開2004−34720号公報(特許文献1)に開示される方法は、ドットが扁平することが予め分かっている場合に適用できるものであり、プリントエンジンの個体差などによって生じる予測不能なドット扁平に対処できるものではない。また、特開2004−34720号公報(特許文献1)は、インクジェットプリンタに適用できる技術であり、電子写真方式には適用することができない。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ドット扁平による画像の再現性の低下を抑制可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従う画像形成装置は、プリントエンジンと、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部と、画像データに対して画像処理を行なった上で、プリントエンジンに出力する画像処理手段と、プリントエンジンから主走査方向および副走査方向にそれぞれ所定幅を有する基準パターンをプリント出力する手段と、プリント出力された基準パターンをスキャナ部で読み取った画像データに基づいて、主走査方向と副走査方向との間の扁平の度合いを算出する手段とを含み、画像処理手段は、算出された扁平の度合いに応じて画像処理方法を変更する。
【0009】
好ましくは、扁平の度合いを算出する手段は、プリント出力された基準パターンをスキャナ部で読み取った画像データに基づいて、走査方向の線幅および副走査方向の線幅をそれぞれ検出する手段を含む。
【0010】
好ましくは、画像処理手段は、画像データに含まれる各画素に対して誤差拡散処理を行ない、算出された扁平の度合いに応じて、当該扁平を低減するように誤差の拡散範囲を変更する。
【0011】
さらに好ましくは、画像処理手段は、算出された扁平の度合いに応じて、誤差の拡散範囲を複数段階で変更する。
【0012】
またさらに好ましくは、画像処理手段は、画像データに含まれる線幅を主走査方向および副走査方向のいずれか一方に変更可能に構成され、画像形成装置は、扁平を低減するために線幅を変更すべき方向が画像処理手段において線幅を変更可能な方向と一致しない場合に、画像データの主走査方向と副走査方向とを入れ替えて画像処理手段に入力するとともに、画像処理手段によって生成された画像データの主走査方向と副走査方向とを元に戻して出力する手段をさらに含む。
【0013】
またさらに好ましくは、画像処理手段は、誤差の拡散範囲が標準の範囲に比較して広いものに変更された場合に、エッジをより強調する処理を行なう。
【0014】
好ましくは、画像処理手段は、プリント出力された基準パターン以外の原稿がスキャナ部で読み取られると、当該画像データに対して変更後の画像処理方法に従う画像処理を行なう。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、ドット扁平による画像の再現性の低下を有効に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
本発明に係る画像形成装置の代表例として、プリント機能やコピー機能といった画像形成機能(モノクロおよび/またはカラー)に加えて、スキャン機能を搭載した複合機(Multi Function Peripheral:以下「MFP」とも称す。)について、以下説明する。
【0018】
<概略>
図1は、この発明の実施の形態に従うMFP100の使用形態を示す図である。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態に従うMFP100では、本願発明に係るドット扁平の補正を行なう手順として、(1)線幅検出用パターンのプリント出力(テストプリント)、(2)プリント出力された線幅検出用パターンの読み込み、(3)読み込み結果に基づく線幅調整を実行する。
【0020】
この線幅検出用パターンは、主走査方向および副走査方向それぞれにおける線幅を検出できるように、主走査方向および副走査方向にそれぞれ同一の所定幅を有する基準パターンである。より具体的には、線幅検出用パターンには、同一の線幅をもつ複数の線が紙面縦方向および横方向のそれぞれ十字状に描かれている。このプリント出力された線幅検出用パターンには、そのMFP100のプリントエンジンにおけるドット扁平の影響が現れる。そのため、このプリント出力された線幅検出用パターンをスキャナ部で読み込み、その画像データを解析することで、主走査方向および副走査方向のいずれに扁平しているかを判断することができる。
【0021】
なお、「主走査方向」および「副走査方向」なる用語は、互いに直交関係にあればいずれの方向に設定してもよいが、本明細書では、後述するスキャナ部(図2)が走査を行なうライン方向、すなわち原稿の搬送方向と直交する方向を「主走査方向」と称し、その直交方向、すなわち原稿の搬送方向を「副走査方向」と称す。また、線幅調整の方法についても、後述する。
【0022】
<機能構成>
図2は、この発明の実施の形態に従うMFP100の機能構成を示すブロック図である。
【0023】
図2を参照して、MFP100は、制御部110と、メモリ120と、操作パネル130と、データ格納部140と、ネットワーク通信部150と、スキャナ部160と、プリントエンジン170と、画像処理部180と、FAX通信部190とを含む。これらの各部は、データバスBUSを介して互いにデータ通信可能に接続されている。
【0024】
制御部110は、代表的にCPU(Central Processing Unit)などの演算装置を含んで構成され、予め格納されたプログラムを実行することで本実施の形態に従う各処理を提供する。
【0025】
メモリ120は、代表的に、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリと、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリとを含んで構成される。より具体的には、メモリ120は、制御部110によるプログラムの実行にあたり、不揮発性メモリに予め格納されているブートプログラムなどを、揮発性メモリに一時的に展開する。
【0026】
操作パネル130は、操作メニューやジョブ実行状態などの操作情報をユーザに提示するとともに、ユーザによる押下(接触)に応じてユーザ指示を受付けるユーザインターフェイスである。より具体的には、操作パネル130は、入力部としてのキー入力部130aと、表示部と一体的に構成された入力部としてのタッチパネル130bとを含む。
【0027】
キー入力部130aは、テンキーや各機能(コピーやFAXなど)が割当てられたキーを含んで構成され、ユーザによって押下されたキーに対応する指示を制御部110に出力する。
【0028】
タッチパネル130bは、液晶パネルと、当該液晶パネルの上に設けられたタッチ操作検出部とからなる。より具体的には、タッチパネル130bは、ユーザに対して各種の情報を視覚的に表示するとともに、ユーザによるタッチ操作を検出すると、当該タッチ操作に対応する指示を制御部110に出力する。
【0029】
データ格納部140は、代表的に、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)などのように比較的大容量の不揮発性メモリからなり、スキャナ部160で読み取った画像データなどを格納する。また、データ格納部140には、後述するドット扁平の補正処理に用いる分配パターンなどの情報も格納される。
【0030】
ネットワーク通信部150は、LAN(Local Area Network)などのネットワークNWを介して、図示しない他のMFPやPC(パーソナルコンピュータ)とデータ通信を行なう。具体的には、他のMFPへネットワークFAXを送信したり、PCからプリントデータを受信したりする。
【0031】
スキャナ部160は、原稿から画像情報を読み取って画像データを生成する。この画像データは、データ格納部140に記憶される。より具体的には、スキャナ部160は、プラテンガラスに載置された原稿に向けて光源から光を照射するとともに、原稿から反射した光を主走査方向に配列された撮像素子などによって受光することで、原稿の画像情報を読み取る。あるいは、連続的な原稿読み取りができるように、原稿給紙台、送出ローラ、レジストローラ、搬送ドラム、および排紙台などを含むようにスキャナ部160を構成してもよい。
【0032】
プリントエンジン170は、スキャナ部160で読み取られた画像データや、ネットワーク通信部150またはFAX通信部190によって受信された画像データを紙媒体に画像形成(プリント)する。代表的に、プリントエンジン170は、電子写真方式の画像形成ユニットからなる。より具体的には、プリントエンジン170は、感光体、露光器、現像器などからなるイメージングユニットや、転写ベルト、定着装置などを含んで構成される。
【0033】
画像処理部180は、ユーザからの操作パネル130を介した指示に従って、スキャナ部160で読み取られた画像データや、FAX通信部190などで受信された画像データに対して画像処理を行ない、この画像処理後の画像データをプリントエンジン170に出力する。特に、画像処理部180は、本願発明に係るドット扁平の補正を行なうために、後述するような画像処理を実行する。
【0034】
FAX通信部190は、電話回線と接続され、他のMFPなどから受信したFAXデータ(画像データ)をデータ格納部140に記憶する。また、FAX通信部190は、ユーザが操作パネル130を押下して入力した送信先に、スキャナ部160で読み取ったFAXデータ(画像データ)を送信する。
【0035】
<ドット扁平>
図3は、この発明の実施の形態に従うドット扁平の発生およびその補正方法を説明するための図である。
【0036】
図3(a)に示すような主走査方向および副走査方向のいずれの線幅も同じ線幅検出パターンをプリントエンジンからプリント出力した場合であっても、図3(b)に示すように、プリントエンジン170の特性変化などによって、主走査方向と副走査方向における線幅が異なったプリント結果となる。
【0037】
このようなドット扁平による画像の再現性が低下を抑制するために、本実施の形態に従うMFP100は、入力される画像データに対する画像処理方法を適切に変更することで、このようなドット扁平を補正する。
【0038】
より具体的には、後述するように、MFP100における画像処理には誤差拡散処理が含まれており、この誤差拡散処理における誤差の拡散範囲を適切に調整することで、主走査方向における線幅と副走査方向における線幅とが互いに一致するような補正処理がなされる。
【0039】
このような補正処理の結果、ドット扁平が補正され、図3(c)に示すようなプリント出力が得られるようになる。
【0040】
<誤差拡散>
本実施の形態に従うMFP100は、上述したようなドット扁平を誤差拡散法により補正する。
【0041】
図4は、この発明の実施の形態に従うドット扁平を補正する方法を説明するための図である。
【0042】
誤差拡散法は、いわゆるデジタルハーフトーニングと呼ばれる画像処理手法であり、入力される画像データの階調性をより少ない階調レベルで表現する技術である。より具体的には、入力される画像データに含まれる各画素に対して、その濃度(階調値)を所定のしきい値と比較し、「白」または「黒」のドットのいずれであるかを決定するとともに、その出力と実際の濃度との差を誤差として周辺の画素に分配する。
【0043】
本実施の形態に従うMFP100は、図4(a)に示すように、各画素に対して誤差拡散処理を行なうとともに、処理対象の画素(注目画素)で生じた誤差を周辺の画素に分配する。標準状態(ドット扁平を補正しない状態)では、この誤差を分配する範囲(拡散範囲)は、所定の大きさ(標準の範囲)に定められている。
【0044】
主走査方向または副走査方向のいずれかにドット扁平が生じていると判断されると、図4(b)に示すように、ドット扁平の発生方向に応じて、誤差の拡散範囲を調整することで、ドット扁平を補正する。すなわち、各注目画素で生じる誤差の大きさ(量)が変化しないとすると、誤差の拡散範囲が狭くなるほど誤差が分配される範囲が狭くなり、より「黒」のドットとして現れる領域は細くなる。
【0045】
すなわち、図4(b)に示すように、線幅が主走査方向に太く現れる場合、すなわち副走査方向の線幅が主走査方向の線幅に比較して細い場合には、誤差の拡散範囲の主走査方向における幅を縮小すればよい。このとき、その縮小率を高くするほど、すなわち誤差の拡散範囲を狭くするほど、その補正量は大きくなる。したがって、補正すべき扁平率が大きくなるほど、その太く現れている方向における誤差の拡散範囲の幅を狭くすればよい。
【0046】
これは、線幅が副走査方向に太く現れる場合も同様であり、この場合には、誤差の拡散範囲の副走査方向における幅を縮小すればよい。
【0047】
さらに、扁平率が大きくなり、誤差の拡散範囲を補正方向に狭くすることができない場合には、誤差範囲を異なる方向に広げる。すなわち、線幅が主走査方向に太く現れる程度が大きくなると、誤差の拡散範囲を主走査方向に狭めるとともに、誤差の拡散範囲を副走査方向に標準の拡散範囲より広げる。また、線幅が副走査方向に太く現れる程度が大きくなると、誤差の拡散範囲を副走査方向に狭めるとともに、誤差の拡散範囲を主走査方向に標準の拡散範囲に比較して広げる。
【0048】
なお、このような誤差の拡散範囲の変更は、後述するような誤差拡散のロジックにおいて、誤差の分配パターンを変更することで容易に実現できる。特に、本実施の形態に従うMFP100では、扁平の大きさ(程度)に応じて、誤差の拡散範囲(分配パターン)を複数段階で変更する。
【0049】
また、後述するように、扁平率が大きくなり、誤差の拡散範囲を標準の拡散範囲より広げた場合には、これによりエッジがぼける可能性があるので、エッジ強調処理を行なう。
【0050】
<機能ブロック図>
図5は、この発明の実施の形態に従うドット扁平の補正に係る処理を実現するための機能ブロック図である。図5に示す機能は、代表的に、画像処理部180における処理として提供される。
【0051】
図5を参照して、画像処理部180は、パターン生成部10と、誤差拡散部12と、エッジ補正部14と、パターン検出部16と、線幅検出部18と、線幅調整部20とをその機能として含む。
【0052】
パターン生成部10は、線幅検出用パターン(図1)をプリント出力するための画像データを格納しており、ユーザ指令に応じて、線幅検出用パターンを示す出力画像データをプリントエンジン170(図2)へ出力する。
【0053】
誤差拡散部12は、スキャナ部160(図2)で読み取られた画像データや、ネットワーク通信部150(図2)またはFAX通信部190(図2)によって受信された画像データなどの入力画像データに含まれる各画素に対して、誤差拡散処理を行なう。そして、この誤差拡散処理を行って得られた画像データをエッジ補正部14へ出力する。
【0054】
図6は、図5に示す誤差拡散部12のより詳細な処理を示すブロック図である。
図6を参照して、誤差拡散部12は、減算部50および54と、しきい値処理部52と、分配部56と、誤差メモリ58と、分配パターン60とを含む。
【0055】
減算部50には、入力画像データの各画素の濃度(階調値)が順次入力されるとともに、当該入力された画素(注目画素)に対応付けて蓄積されている誤差が誤差メモリ58から読み出され、減算部50に入力される。すなわち、減算部50は、入力画像データの各画素の濃度から対応する誤差だけ減じて、修正入力値として出力する。
【0056】
しきい値処理部52は、修正入力値としきい値Thとを比較し、修正入力値がしきい値Thを超えている場合には、出力値「1」を出力する。一方、修正入力値がしきい値Thを超えていない場合には、出力値「0」を出力する。この出力値「0」および「1」は、それぞれ「白」または「黒」に対応する。なお、「0」および「1」のうち、いずれを「白」または「黒」に対応させるかについては、設計事項である。また、しきい値Thは、予め定められた固定値でもよいし、入力される画素毎に変化してもよい。
【0057】
減算部54は、しきい値処理部52に入力される修正入力値と出力値との差分を誤差として算出する。すなわち、しきい値処理部52で出力されず残った濃度が誤差として、引き続く画素に分配される。
【0058】
分配部56は、いずれかの分配パターン60に従って、減算部54から出力された誤差を分配先の画素(注目画素に引き続く画素)に対して分配する。すなわち、分配部56は、誤差に分配パターン60に定められた分配比率を乗じて、各分配先へ分配すべき誤差を算出し、この算出した値を、誤差メモリ58の対応する値にそれぞれ加算する。
【0059】
誤差メモリ58には、入力画像データの各画素に対応して誤差が蓄積されように構成されており、分配部56によって各画素の誤差が順次更新される。
【0060】
上述したように、本実施の形態に従うMFP100では、主走査方向または副走査方向についてのドット扁平の補正がなされるので、分配パターン60としては、図4(b)に示すような複数の分配パターンが予め規定されており、分配部56は、後述する線幅調整部20からの指令に応じて、いずれか1つを選択して誤差拡散処理に用いる。
【0061】
再度、図5を参照して、パターン検出部16は、スキャナ部160が原稿を読み取ることで得られた入力画像データのうち、線幅検出用パターンを含むものを検出する。より具体的には、パターン検出部16は、入力画像データに対して、パターン生成部10が予め格納する線幅検出用パターンに基づくパターンマッチング処理を行ない、線幅検出用パターンを含む入力画像データを特定する。さらに、パターン検出部16は、線幅検出用パターンを含むと判断した入力画像データを線幅検出部18へ出力する。
【0062】
なお、線幅検出用パターンのプリントされた原稿がスキャナ部160にセットされたことをユーザが入力するように構成した場合には、パターン検出部16は、必ずしも必要はない。
【0063】
線幅検出部18は、パターン検出部16からの入力画像データに基づいて、線幅検出パターンの主走査方向の線幅および副走査方向の線幅をそれぞれ検出する。この線幅の検出方法としては、代表的に、エッジ検出およびエッジと判断された2点間の距離算出などの処理によって実現される。そして、線幅検出部18は、検出した主走査方向および副走査方向の線幅を線幅調整部20へ出力する。
【0064】
線幅調整部20は、主走査方向の線幅および副走査方向の線幅に基づいて、主走査方向と副走査方向との間の扁平率(扁平の度合い)を算出し、いずれかの方向にドット扁平が生じているか否かを判断する。そして、いずれかの方向にドット扁平が生じていると判断すると、そのドット扁平を補正するための指令を誤差拡散部12および線幅調整部20へ出力する。すると、上述したように、誤差拡散部12では、この指令に応じて、誤差拡散処理に用いる分配パターンを変更し、ドット扁平が補正されるように、入力画像データを補正する。なお、この指令には、ドット扁平の度合いを示す情報が含まれており、誤差拡散部12は、予め準備されている複数の誤差の分配パターンのうち、当該ドット扁平の度合いに応じて適切なものを選択する。
【0065】
エッジ補正部14は、主として、誤差拡散部12から出力される画像データに対して、エッジ補正を行なう。より具体的には、誤差拡散部12においていずれかの方向に線幅を細くする処理において、誤差の拡散範囲を標準の拡散範囲より広くする分配パターンが選択された場合には、エッジがぼけやすくなる(エッジが弱まる)ので、エッジ補正部14は、これを強調するためのエッジ補正を行なう。上述したように、線幅調整部20からは、ドット扁平の度合いを示す情報が与えられるので、エッジ補正部14は、この情報に基づいて、ドット扁平が所定の基準値より大きく、ドット扁平の補正量が大きくなると判断されると、エッジ補正量を大きくし、エッジを強調する。
【0066】
<処理手順>
図7は、この発明の実施の形態に従うドット扁平の補正に係る処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
図7を参照して、制御部110は、テストプリントがユーザにより指示されたか否かを判断する(ステップS100)。テストプリントがユーザにより指示されていない場合(ステップS100においてNOの場合)には、処理はステップS106へ進む。
【0068】
テストプリントがユーザにより指示された場合(ステップS100においてYESの場合)には、画像処理部180は、線幅検出用パターンを示す出力画像データをプリントエンジン170へ出力し(ステップS102)、プリントエンジン170が線幅検出用パターンをプリント出力する(ステップS104)。そして、処理はステップS106に進む。
【0069】
ステップS106では、制御部110は、スキャナ部160で何らかの原稿が読み取られたか否かを判断する。スキャナ部160で何らかの原稿が読み取られていない場合(ステップS106においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0070】
一方、スキャナ部160で何らかの原稿が読み取られた場合(ステップS106においてYESの場合)には、画像処理部180は、当該読み取りによって生成された入力画像データに線幅検出用パターンが含まれているか否かを判断する(ステップS108)。
【0071】
入力画像データに線幅検出用パターンが含まれている場合(ステップS108においてYESの場合)には、画像処理部180は、入力画像データに含まれる線幅検出パターンの主走査方向の線幅および副走査方向の線幅をそれぞれ検出する(ステップS110)。さらに、画像処理部180は、検出した主走査方向の線幅および副走査方向の線幅に基づいてドット扁平率を算出し、いずれかの方向にドット扁平が生じているか否かを判断する(ステップS112)。
【0072】
いずれかの方向にドット扁平が生じている場合(ステップS112においてYESの場合)には、画像処理部180は、検出したドット扁平を補正するために、誤差拡散処理に用いる分配パターンを変更する(ステップS114)。
【0073】
さらに、画像処理部180は、検出されたドット扁平が所定の基準値より大きいか否かを判断する(ステップS116)。検出されたドット扁平が所定の基準値より大きい場合(ステップS116においてYESの場合)には、画像処理部180は、エッジ強調量をより大きな値に変更する(ステップS118)。そして、処理は、リターンする。
【0074】
一方、検出されたドット扁平が所定の基準値より大きくない場合(ステップS116においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0075】
また、いずれかの方向にドット扁平が生じていない場合(ステップS112においてNOの場合)には、画像処理部180がドット扁平の補正処理を行なうことなく、処理はリターンする。
【0076】
一方、入力画像データに線幅検出用パターンが含まれていない場合(ステップS108においてNOの場合)には、処理はステップS120に進む。
【0077】
ステップS120では、画像処理部180が、入力画像データに含まれる各画素に対して、誤差拡散処理を順次実行する。さらに、画像処理部180は、誤差拡散処理によって生成された画像データに対して、必要に応じてエッジ強調処理を実行する(ステップS122)。さらに、画像処理部180は、これらの処理の結果生成される出力画像データをプリントエンジン170へ出力し(ステップS124)、プリントエンジン170が出力画像データを紙媒体にプリント出力する(ステップS126)。そして、処理はリターンする。
【0078】
<本実施の形態の効果>
この発明の実施の形態によれば、実際に線幅検出用パターンをプリント出力(テストプリント)し、そのプリント出力した線幅検出用パターンをスキャナ部で読み込んで、主走査方向および副走査方向の線幅を検出した上で、ドット扁平率を算出し、この算出したドット扁平率に基づいてドット扁平の補正処理を行なう。そのため、個々のプリントエンジンで生じるドット扁平の状況に応じて、適切なドット扁平の補正を行なうことができる。よって、どのような機種であっても、ドット扁平による画像の再現性の低下を有効に抑制できる。
【0079】
[変形例]
上述の実施の形態に従うMFP100では、主走査方向および副走査方向におけるドット扁平を補正するために、両方向への補正を行なうための分配パターンを予め用意する構成について例示した。これに対して、以下に説明する本実施の形態の変形例に従うMFP100#では、誤差拡散処理においてドット扁平を補正する方向を予め主走査方向および副走査方向のいずれか一方に設定しておき、誤差拡散処理の前にスキャナ部160で読み取られた入力画像データを回転し、誤差拡散処理を行った後に逆回転して元に戻すことで、主走査方向および副走査方向のいずれの方向にドット扁平が生じた場合であっても、補正が可能な構成を示す。
【0080】
以下、上述した本実施の形態に従うMFP100との相違点について説明し、それ以外の共通部分については、MFP100と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
【0081】
<機能ブロック図>
図8は、この発明の実施の形態の変形例に従うドット扁平の補正に係る処理を実現するための機能ブロック図である。図8に示す機能ブロック図は、図5に示す本実施の形態に従うドット扁平に係る処理を実現するための機能ブロック図において、画像回転部22および画像逆回転部24をさらに設け、かつエッジ補正部14および線幅調整部20に代えて、それぞれエッジ補正部14Aおよび線幅調整部20Aを設けたものに相当する。その他の機能ブロックについては、上述したので、詳細な説明は繰返さない。
【0082】
本変形例に従うMFP100#では、誤差の拡散範囲をいずれか一方の方向(たとえば、主走査方向)のみに変更可能に構成される。すなわち、ドット扁平を補正可能な方向は、いずれか一方向(以下、「補正可能方向」とも称する。)に予め定められているものとする。そして、実際に生じているドット扁平が、補正可能方向であれば、そのままドット扁平の補正を行ない、補正可能方向でなければ、入力画像を回転した上で、ドット扁平の補正を行なう。
【0083】
図8を参照して、画像回転部22は、入力画像データの主走査方向と副走査方向とを入れ替えて誤差拡散部12Aに出力する。すなわち、画像回転部22は、入力画像データを構成する各画素の配置を90°回転し、回転入力画像データとして出力する。
【0084】
線幅調整部20Aは、主走査方向の線幅および副走査方向の線幅に基づいて、主走査方向と副走査方向との間の扁平率(扁平の度合い)を算出し、いずれかの方向にドット扁平が生じているか否かを判断する。そして、いずれかの方向にドット扁平が生じていると判断すると、線幅調整部20Aは、発生しているドット扁平が誤差拡散部12Aで補正可能方向と一致するか否かを判断する。さらに、線幅調整部20Aは、そのドット扁平を補正するための指令を誤差拡散部12Aへ出力するとともに、入力画像データまたは回転入力画像データのいずれを誤差拡散処理の対象とすべきかを示す回転指令を誤差拡散部12Aおよびエッジ補正部14Aへ出力する。
【0085】
誤差拡散部12Aは、入力画像データおよび(画像回転部22からの)回転入力画像データに対して誤差拡散処理が可能に構成される。そして、誤差拡散部12Aは、線幅調整部20Aからの回転指令に有無に応じて、入力画像データおよび回転入力画像データのいずれか一方に対して、誤差拡散処理(ドット扁平の補正処理)を実行する。
【0086】
画像逆回転部24は、誤差拡散部12Aから出力される画像データの主走査方向と副走査方向とを入れ替えてエッジ補正部14Aに出力する。すなわち、画像逆回転部24は、画像回転部22において回転された画像データを元に戻す。より具体的には、画像逆回転部24は、誤差拡散部12Aから出力される画像データを構成する各画素の配置を−90°回転した画像データを出力する。
【0087】
エッジ補正部14Aは、誤差拡散部12Aから出力される画像データおよび画像逆回転部24から出力される画像データに対してエッジ補正処理が可能に構成される。そして、エッジ補正部14Aは、線幅調整部20Aからの回転指令に有無に応じて、誤差拡散部12Aまたは画像逆回転部24からの画像データの一方に対して、エッジ補正処理を実行する。
【0088】
このような構成を採用することで、誤差拡散部12Aに予め格納する分配パターンの種類を少なくすることができるので、構成をより簡素化できる。
【0089】
<処理手順>
図9は、この発明の実施の形態の変形例に従うドット扁平の補正に係る処理手順を示すフローチャートである。
【0090】
図9を参照して、制御部110は、テストプリントがユーザにより指示されたか否かを判断する(ステップS100)。テストプリントがユーザにより指示されていない場合(ステップS100においてNOの場合)には、処理はステップS106へ進む。
【0091】
テストプリントがユーザにより指示された場合(ステップS100においてYESの場合)には、画像処理部180は、線幅検出用パターンを示す出力画像データをプリントエンジン170へ出力し(ステップS102)、プリントエンジン170が線幅検出用パターンをプリント出力する(ステップS104)。そして、処理はステップS106に進む。
【0092】
ステップS106では、制御部110は、スキャナ部160で何らかの原稿が読み取られたか否かを判断する。スキャナ部160で何らかの原稿が読み取られていない場合(ステップS106においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0093】
一方、スキャナ部160で何らかの原稿が読み取られた場合(ステップS106においてYESの場合)には、画像処理部180は、当該読み取りによって生成された入力画像データに線幅検出用パターンが含まれているか否かを判断する(ステップS108)。
【0094】
入力画像データに線幅検出用パターンが含まれている場合(ステップS108においてYESの場合)には、画像処理部180は、入力画像データに含まれる線幅検出パターンの主走査方向の線幅および副走査方向の線幅をそれぞれ検出する(ステップS110)。さらに、画像処理部180は、検出した主走査方向の線幅および副走査方向の線幅に基づいてドット扁平率を算出し、いずれかの方向にドット扁平が生じているか否かを判断する(ステップS112)。
【0095】
いずれかの方向にドット扁平が生じている場合(ステップS112においてYESの場合)には、画像処理部180は、当該ドット扁平が生じている方向が補正可能方向と一致するか否かを判断する(ステップS113A)。当該ドット扁平が生じている方向が補正可能方向と一致しない場合(ステップS113AにおいてNOの場合)には、画像処理部180は、画像回転指令を有効化する(ステップS113B)。また、当該ドット扁平が生じている方向が補正可能方向と一致する場合(ステップS113AにおいてYESの場合)、もしくはステップS113Bの実行後、処理はステップS114に進む。
画像処理部180は、検出したドット扁平を補正するために、誤差拡散処理に用いる分配パターンを変更する(ステップS114)。
【0096】
さらに、画像処理部180は、検出されたドット扁平が所定の基準値より大きいか否かを判断する(ステップS116)。検出されたドット扁平が所定の基準値より大きい場合(ステップS116においてYESの場合)には、画像処理部180は、エッジ強調量をより大きな値に変更する(ステップS118)。そして、処理は、リターンする。
【0097】
一方、検出されたドット扁平が所定の基準値より大きくない場合(ステップS116においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0098】
また、いずれかの方向にドット扁平が生じていない場合(ステップS112においてNOの場合)には、画像処理部180がドット扁平の補正処理を行なうことなく、処理はリターンする。
【0099】
一方、入力画像データに線幅検出用パターンが含まれていない場合(ステップS108においてNOの場合)には、処理はステップS119Aに進む。
【0100】
ステップS119Aでは、画像処理部180は画像回転指令が有効化されているか否かを判断する。画像回転指令が有効化されている場合(ステップS119AにおいてYESの場合)には、画像処理部180は、入力画像データの主走査方向と副走査方向とを入れ替える(ステップS119B)。また、画像回転指令が有効化されていない場合(ステップS119AにおいてNOの場合)、もしくはステップS119Bの実行後、処理はステップS120に進む。
【0101】
ステップS120では、画像処理部180が、入力画像データに含まれる各画素に対して、誤差拡散処理を順次実行する。続いて、画像処理部180は、は画像回転指令が有効化されているか否かを判断する(ステップS121A)。画像回転指令が有効化されている場合(ステップS121AにおいてYESの場合)には、画像処理部180は、誤差拡散処理によって生成された画像データの主走査方向と副走査方向とを元に戻す(ステップS121B)。また、画像回転指令が有効化されていない場合(ステップS121AにおいてNOの場合)、もしくはステップS121Bの実行後、処理はステップS122に進む。
【0102】
ステップS122では、画像処理部180は、誤差拡散処理によって生成された画像データに対して、必要に応じてエッジ強調処理を実行する。さらに、画像処理部180は、これらの処理の結果生成される出力画像データをプリントエンジン170へ出力し(ステップS124)、プリントエンジン170が出力画像データを紙媒体にプリント出力する(ステップS126)。そして、処理はリターンする。
【0103】
この発明の実施の形態の変形例によれば、上述の実施の形態における効果に加えて、ドット扁平を補正するための誤差拡散処理に用いる分配パターンの種類を少なくすることができる。そのため、その構成をより簡素化することができる。
【0104】
[その他の実施の形態]
本実施の形態に従う制御部などで実行されるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0105】
さらに、本発明に係るプログラムによって実現される機能の一部または全部を専用のハードウェアによって構成してもよい。
【0106】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】この発明の実施の形態に従うMFPの使用形態を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態に従うMFPの機能構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態に従うドット扁平の発生およびその補正方法を説明するための図である。
【図4】この発明の実施の形態に従うドット扁平を補正する方法を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態に従うドット扁平の補正に係る処理を実現するための機能ブロック図である。
【図6】図5に示す誤差拡散部のより詳細な処理を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態に従うドット扁平の補正に係る処理手順を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態の変形例に従うドット扁平の補正に係る処理を実現するための機能ブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態の変形例に従うドット扁平の補正に係る処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
10 パターン生成部、12,12A 誤差拡散部、14,14A エッジ補正部、16 パターン検出部、18 線幅検出部、20,20A 線幅調整部、22 画像回転部、24 画像逆回転部、50,54 減算部、52 しきい値処理部、56 分配部、58 誤差メモリ、60 分配パターン、110 制御部、120 メモリ、130 操作パネル、130a キー入力部、130b タッチパネル、140 データ格納部、150 ネットワーク通信部、160 スキャナ部、170 プリントエンジン、180 画像処理部、190 FAX通信部、BUS データバス、NW ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントエンジンと、
原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部と、
前記画像データに対して画像処理を行なった上で、プリントエンジンに出力する画像処理手段と、
前記プリントエンジンから主走査方向および副走査方向にそれぞれ所定幅を有する基準パターンをプリント出力する手段と、
プリント出力された基準パターンを前記スキャナ部で読み取った画像データに基づいて、主走査方向と副走査方向との間の扁平の度合いを算出する手段とを備え、
前記画像処理手段は、算出された前記扁平の度合いに応じて画像処理方法を変更する、画像形成装置。
【請求項2】
前記扁平の度合いを算出する手段は、前記プリント出力された基準パターンを前記スキャナ部で読み取った画像データに基づいて、前記主走査方向の線幅および前記副走査方向の線幅をそれぞれ検出する手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、
前記画像データに含まれる各画素に対して誤差拡散処理を行ない、
前記算出された扁平の度合いに応じて、当該扁平を低減するように誤差の拡散範囲を変更する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像処理手段は、前記算出された扁平の度合いに応じて、前記誤差の拡散範囲を複数段階で変更する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像処理手段は、画像データに含まれる線幅を主走査方向および副走査方向のいずれか一方に変更可能に構成され、
前記画像形成装置は、扁平を低減するために線幅を変更すべき方向が前記画像処理手段において線幅を変更可能な方向と一致しない場合に、前記画像データの主走査方向と副走査方向とを入れ替えて前記画像処理手段に入力するとともに、前記画像処理手段によって生成された画像データの主走査方向と副走査方向とを元に戻して出力する手段をさらに備える、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像処理手段は、前記誤差の拡散範囲が標準の範囲に比較して広いものに変更された場合に、エッジをより強調する処理を行なう、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像処理手段は、前記プリント出力された基準パターン以外の原稿が前記スキャナ部で読み取られると、当該画像データに対して変更後の画像処理方法に従う画像処理を行なう、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−4140(P2010−4140A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159416(P2008−159416)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】