説明

画像形成装置

【課題】複雑な構成や制御を用いることなく現像装置内でのトナーの凝集を防止可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100において、現像装置8の現像ローラ31の回転軸に設けられた現像ローラ用ギア41には、トナーコンテナ9側に向かって順に、駆動伝達用ギア44、第1攪拌スクリュー用ギア42、第2攪拌スクリュー用ギア43、逆回転用ギア45が連結されている。トナーコンテナ9が装置本体に装着されることにより、第1逆回転用ギア45の歯がトナーコンテナ9に形成された第1突起51によって下方に押圧されて回転し、かかる第1逆回転ギア45の回転により、現像ローラ用ギア41が画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置に関し、特に現像装置内でのトナーの凝集防止に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コピー機、プリンタ、FAX等の電子写真方式を用いる画像形成装置においては、主に粉末の現像剤が使用され、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって可視化し、そのトナー像を記録媒体上に転写した後、定着処理を行うプロセスが一般的である。
【0003】
現像剤は、トナー及びキャリアから成る二成分現像剤と、磁性を帯びたトナーのみから成る一成分現像剤とに大別され、現像剤規制部材により現像剤担持体(現像ローラ)に担持された現像剤(以下、単にトナーともいう)の摩擦帯電を促進させると共に、トナー層の層厚を規制している。
【0004】
しかし、現像剤規制部材と現像剤担持体との間にトナーの凝集物や外添剤等が滞留すると、トナー層厚の変化により濃度ムラが生じたり、現像剤担持体表面に傷が発生し、その結果、画像不具合が発生するおそれがある。
【0005】
そこで、例えば特許文献1には、一成分トナーを現像ローラに供給する供給ローラと現像ローラに接触して現像ローラ上のトナーを一定量に薄層化し現像ローラの逆回転時に回転するドクターローラとの間に配置され、現像ローラの正回転時は現像ローラから離間し、逆回転時には現像ローラに当接して現像ローラ上のトナーを除去するクリーニング部材を設けることによって、トナー滞留を確実に防止して白スジを解消する方法が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、現像剤担持体に内包される固定マグネットローラを所定の方向に延びる軸回りに揺動可能に配置し、非現像時に固定マグネットローラを揺動させて固定マグネットローラと磁性層厚規制部材との間に形成される磁界分布を変化させることによって、画像ムラ及び画像かぶり等の画像欠陥が生じることを防止して寿命を長くする方法が開示されている。
【0007】
また特許文献3には、現像剤収容部材の開口部に延在するように設けられた現像ローラと、開口部の現像ローラ軸方向各端部と現像ローラの軸方向各端部との間に設けられたシール部材と、開口部に延在するように現像剤収容部材に設けられ、現像ローラに当接する層厚規制部と、シール部材と当接する切欠き部と、を有する層厚規制ブレードと、現像剤収容部材内の切欠き部に対応する位置に設けられ、現像ローラ軸と平行な軸を中心に回動する回転部材と、を備えることにより、現像剤の凝集塊の発生を防止し、シール部材からの現像剤漏れを防止する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−092142号公報
【特許文献2】特開2005−164736号公報
【特許文献3】特開2007−101595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の方法では、ドクターローラを設けるうえに、さらにクリーニング部材を設ける必要がある。また、現像ローラを電気的に正逆回転させるための駆動制御や、現像ローラにクリーニング部材を当接及び離間するための接離制御を設ける必要もある。このため、複雑な構成や制御が必要となり、装置も大型化するおそれがある。
【0010】
また、特許文献2の方法においても、現像剤担持体と磁性層厚規制部材との間の磁界分布を変化させるために、複雑な構成や制御が必要となるおそれがある。また、特許文献3の方法においても、回転部材を設け、回転部材が回転することにより現像剤規制部材と現像剤担持体との間に滞留したトナーを除去しているため、回転部材を回転させるために複雑な構成が必要となるおそれがある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、複雑な構成や制御を用いることなく現像装置内でのトナーの凝集を防止可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体と対向する位置に配置され、前記像担持体に形成された静電潜像に回転しながら現像剤を供給する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤量規制部材と、を有する現像装置と、前記装置本体に着脱される着脱ユニットと、を備えた画像形成装置において、前記現像剤担持体の回転軸に設けられ、前記現像剤担持体に回転駆動力を伝達するための第1のギアと、該第1のギアと連結され且つ前記第1のギアと連動して回転可能な第2のギアと、前記着脱ユニットに設けられ、該着脱ユニットが前記装置本体に対して装着または脱離されることにより前記第2のギアの歯を押圧し、前記第2のギアを、前記第1のギアが画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転させる逆回転用部と、を有することを特徴としている。
【0013】
また本発明は、前記第1のギアと前記第2のギアとは、少なくとも1つのギアを介して連結されることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、前記逆回転用部は、前記着脱ユニットから突設された突起から形成されることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、前記第2のギアは、前記第1のギアと連結される第1のギア部と、前記逆回転用部に押圧される第2のギア部と、を有する2段ギアから成り、且つ、前記第1のギア部を前記逆方向に回転するときのみ前記第2のギア部と共に回転可能とするワンウェイクラッチ機構を有することを特徴としている。
【0016】
また本発明は、前記着脱ユニットは、前記現像装置に現像剤を補給する現像剤補給容器であることを特徴としている。
【0017】
また本発明は、前記着脱ユニットは、画像が形成される記録媒体を収容する記録媒体収容器であることを特徴としている。
【0018】
また本発明は、前記逆回転用部の押圧により前記第2のギアが少なくとも1歯分回転することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の構成によれば、現像剤担持体の回転軸に設けられ、現像剤担持体に回転駆動力を伝達するための第1のギアと、該第1のギアと連結され且つ第1のギアと連動して回転可能な第2のギアと、着脱ユニットに設けられ、該着脱ユニットが装置本体に対して装着または脱離されることにより第2のギアの歯を押圧し、第2のギアを、第1のギアが画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転させる逆回転用部を設けることによって、着脱ユニットを装着または脱離するという簡単な動作で、現像剤担持体を画像形成時とは逆回転させることができる。
【0020】
これにより、現像剤量規制部材と現像剤担持体との間に滞留するトナーを除去することができるため、複雑な構成や制御を用いることなく、現像装置内でのトナーの凝集を防止することができる。
【0021】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、第1のギアと第2のギアとを、少なくとも1つのギアを介して連結することによって、第1のギアに対する第2のギア及び着脱ユニットの配置の自由度が増大するため、構成の複雑化をより回避し、現像剤担持体を逆回転させ易くすることができる。
【0022】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1または第2の構成の画像形成装置において、逆回転用部を、着脱ユニットから突設された突起から形成することによって、より簡単な構成で現像剤担持体を逆回転させることができる。
【0023】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1〜第3のいずれか構成の画像形成装置において、第2のギアを、逆回転用部に押圧される第1のギア部と、第1のギアと連結される第2のギア部と、を有する2段ギアとし、且つ、第1のギア部を逆方向に回転するときのみ第2のギア部と共に回転可能とするワンウェイクラッチ機構を有する構成とすることによって、画像形成時における現像剤担持体の回転への影響を回避しつつ、現像剤担持体を逆回転させることが可能となる。
【0024】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1〜第4のいずれかの構成の画像形成装置において、着脱ユニットを、現像装置に現像剤を補給する現像剤補給容器とすることによって、現像剤補給容器の交換時に現像剤担持体を逆回転させることができるため、効率的である。
【0025】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1〜第4のいずれかの構成の画像形成装置において、着脱ユニットを、画像が形成される記録媒体を収容する記録媒体収容器とすることによって、記録媒体の補給時に現像剤担持体を逆回転させることができるため、効率的である。
【0026】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第1〜第6のいずれかの構成の画像形成装置において、逆回転用部の押圧により第2のギアが少なくとも1歯分回転することによって、現像剤担持体をより十分に逆回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す概略斜視図
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す概略側面断面図
【図3】図2の現像装置及びトナーコンテナ周辺を上方から見た図
【図4】図2の現像装置及びトナーコンテナ周辺のギア構成を示す概略側面図
【図5】画像形成時の第1逆回転用ギアの回転を示す図であって、図5(a)は概略側面図であり、図5(b)は、図5(a)の右側から見た図
【図6】トナーコンテナ装着時の第1逆回転用ギアの回転を示す図であって、図6(a)は概略側面図であり、図6(b)は、図6(a)の右側から見た図
【図7】トナーコンテナが装着されることにより第1逆回転用ギアが回転する状態を示す概略側面図であって、図7(a)は、第1突起が第1逆回転用ギアに到達する前の状態を示す図であり、図7(b)は、第1突起が第1逆回転用ギアに当接する直前の状態を示す図であり、図7(c)は、第1突起が第1逆回転用ギアを回転させた後の状態を示す図
【図8】トナーコンテナの装着による各ギアの回転方向を示す図
【図9】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の現像装置及び給紙カセット周辺のギア構成を示す概略側面図
【図10】画像形成時の第2逆回転用ギアの回転を示す図であって、図10(a)は概略側面図であり、図10(b)は、図10(a)の右側から見た図
【図11】給紙カセット装着時の第2逆回転用ギアの回転を示す図であって、図11(a)は概略側面図であり、図11(b)は、図11(a)の右側から見た図
【図12】給紙カセットが装着されることにより第2逆回転用ギアが回転する状態を示す概略側面図であって、図12(a)は、第2突起が第2逆回転用ギアに到達する前の状態を示す図であり、図12(b)は、第2突起が第2逆回転用ギアに当接する直前の状態を示す図であり、図12(c)は、第2突起が第2逆回転用ギアを回転させた後の状態を示す図
【図13】給紙カセットの装着による各ギアの回転方向を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す概略斜視図であり、図2は、本実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す概略側面断面図である。
【0029】
図1及び図2に示すように、画像形成装置100において給紙カセット10の上方には、主たる画像形成部を構成する感光体ドラム5をはじめ、この感光体ドラム5の周囲に、帯電装置4、レーザ露光装置7、現像装置8、トナーコンテナ9、クリーニング装置6及び転写ローラ14が配設されている。また、転写ローラ14の左側には定着装置15が配設されている。
【0030】
感光体ドラム5は、正帯電性のアモルファスシリコン製であって、駆動時には所定の周速度で図1において時計回りに回転する。感光体ドラム5の表面は、高電圧が印加された帯電装置4から発生したコロナ放電によって一様に帯電された後、パーソナルコンピュータ(図示せず)等から送信された画像データに基づくレーザ露光装置7からのビーム光の照射によって、所定の明電位と暗電位の部分からなる静電潜像が形成される。
【0031】
更に、感光体ドラム5の回転によって、静電潜像は現像位置にまで回転移動する。現像装置8内に配置された現像ローラ(現像剤担持体)31は、ステンレス製で内部に固定磁石を有しており、感光体ドラム5と所定の間隙をもって回転自在に支持され、駆動時には反時計回りに所定の周速度で回転する。
【0032】
現像装置8内には、不図示の開口を介してトナーコンテナ(本実施形態での着脱ユニット)9からの補給により、例えば体積平均粒径9μm(コールターカウンターでの計測によるメジアン径)の正帯電の磁性トナーから成る現像剤(以下、トナーという)が充填されており、規制ブレード(現像剤量規制部材)35によって現像ローラ31の表面にトナー薄層が形成される。また、現像ローラ31には、所定の現像バイアス電圧が印加されている。現像領域に達したトナーは、その現像バイアス電圧により現像ローラ31の表面から飛翔して感光体ドラム5の表面の静電潜像に吸着し、トナー像が形成(現像)される。
【0033】
ここで、給紙カセット10(又は手差しトレイ11)から1枚ずつ繰り出された用紙(記録媒体)Pは、用紙搬送路12を通ってレジストローラ対13に送られるようになっている。レジストローラ対13に到達した用紙Pは、感光体ドラム5上のトナー像が転写ローラ14に接近するのに同期して、レジストローラ対13で搬送タイミングが調整されながら左側に向けて送り出され、感光体ドラム5と転写ローラ14との間に搬送される。そして、その用紙Pの先端とトナー像の先端が一致して転写ローラ14を通過することにより、トナー像が用紙P上に転写される。
【0034】
用紙P上に転写されずに感光体ドラム5の表面に残留したトナーは、クリーニング装置6によって感光体ドラム5から除去される。一方、トナー像が転写された用紙Pは定着装置15へ送られる。定着装置15は、加熱ローラ及び加圧ローラからなる定着ローラ対15aを有しており、この定着ローラ対15aによって互いのニップを通過する用紙P上のトナー像を加熱・加圧して定着させ、これにより用紙Pには定着された転写画像が形成される。
【0035】
定着装置15を通過した用紙Pは、そのまま用紙搬送路16に沿って装置本体上部に搬送され、排出ローラ対17より排出トレイ18に排出される。一方、用紙Pの両面に画像形成を行う場合には、定着装置15を通過した用紙Pは、切換え爪23により搬送方向が切り換えられて反転ローラ24に案内され、用紙Pの一部を一旦反転ローラ24により、装置本体の背面部100cから装置外部にまで突出させる。
【0036】
その後、反転ローラ24を逆回転させることにより、用紙Pは両面搬送路25に案内され、画像面を反転させた状態で再度レジストローラ対13に搬送され、上記同様にして画像が印字される。
【0037】
また、トナーコンテナ9は、上面カバー100a及び手差しトレイ11を開放することによって、装置本体に着脱可能となっており、トナーコンテナ9は、装置本体前面側に向かって斜め上方に引き出すことにより、装置本体から脱離させ、斜め下方に挿入することにより装置本体に装着可能となっている。
【0038】
図3は、図2の現像装置及びトナーコンテナ周辺を上方から見た図であり、図4は、図2の現像装置及びトナーコンテナ周辺のギア構成を示す概略側面図であり、図5は、画像形成時の第1逆回転用ギアの回転を示す図であって、図5(a)は概略側面図であり、図5(b)は、図5(a)の右側から見た図である。また、図6は、トナーコンテナの装着時の第1逆回転用ギアの回転を示す図であって、図6(a)は概略側面図であり、図6(b)は、図6(a)の右側から見た図である。なお、図3では、現像装置8について、その内部構造を、規制ブレード35を省略して示す。また、図1及び図2と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0039】
図3に示すように、現像装置8には、現像ローラ31、現像ローラ31に現像剤を供給するための第1攪拌スクリュー32及び第2攪拌スクリュー33が設けられている。また、装置本体の背面側(図3の上側)から前面側(図3の下側)に向かって、現像ローラ31、第1攪拌スクリュー32及び第2攪拌スクリュー33の順に配置されている。
【0040】
第1及び第2攪拌スクリュー32、33は、不図示の補給口を介してトナーコンテナ9から補給されたトナーを、仕切り壁34を挟んで循環搬送し、循環搬送されたトナーは、第1攪拌スクリュー32によって現像ローラ31に供給される。現像ローラ31に供給されたトナーは、規制ブレード35(図2、図3参照)によって現像剤層厚(量)が規制された後、感光体ドラム5に供給される。
【0041】
図3において現像ローラ31の回転軸の左側端部は現像装置8から外側に突出しており、かかる左側端部には、現像ローラ31に回転駆動力を伝達するための現像ローラ用ギア(第1のギア)41が設けられている。現像ローラ用ギア41は、歯数20の平歯の1段ギアから形成されている。
【0042】
第1及び第2攪拌スクリュー32、33の回転軸の左側端部は現像装置8から外側に突出しており、これら左側端部にはそれぞれ、第1及び第2攪拌スクリュー32、33に回転駆動力を伝達するための第1攪拌スクリュー用ギア42、第2攪拌スクリュー用ギア43が設けられている。第1攪拌スクリュー用ギア42及び第2攪拌スクリュー用ギア43は、歯数25の平歯の1段ギアから形成され、図3及び図4に示すように、これらは互いに噛み合っている。
【0043】
現像ローラ用ギア41と第1攪拌スクリュー用ギア42との間には、駆動伝達用ギア44が装置本体の左側面部100bに支持されており、現像ローラ用ギア41及び第1攪拌スクリュー用ギア42は、駆動伝達用ギア44と噛み合っている。なお、駆動伝達用ギア44を、現像装置8の外側面に支持することもできる。駆動伝達用ギア44は、歯数32の平歯の1段ギアから形成され、不図示の駆動モータに連結されている。
【0044】
画像形成時に駆動モータが回転し、その回転駆動力が駆動伝達用ギア44に伝達されると、駆動伝達用ギア44から現像ローラ用ギア41及び第1攪拌スクリュー用ギア42に回転駆動力が伝達され、さらに第1攪拌スクリュー用ギア42から第2攪拌スクリュー用ギア43に回転駆動力が伝達される。
【0045】
これにより、図4に示すように、画像形成時には、駆動伝達用ギア44が時計回りに回転することにより、現像ローラ用ギア41が反時計回り、第1攪拌スクリュー用ギア42が反時計回り、第2攪拌スクリュー用ギア43が時計回りに回転し、かかる現像ローラ用ギア41、第1攪拌スクリュー用ギア42、及び第2攪拌スクリュー用ギア43の回転と同方向に、現像ローラ31、第1攪拌スクリュー32及び第2攪拌スクリュー33が回転する。ここでは、第1及び第2攪拌スクリュー32、33が互いに反対方向に回転することにより、トナーは互いに反対方向に搬送される。
【0046】
そして、第2攪拌スクリュー用ギア43の前面側(図3の下側、図4の右側)には、第1逆回転用ギア(第2のギア)45が配置されている。第1逆回転用ギア45は、装置本体の左側面部100bに支持されており、第1逆回転用ギア45の前面側端部は、現像装置8よりも前面側に突出している。なお、第1逆回転用ギア45を、現像装置8に支持することもできる。
【0047】
また、第1逆回転用ギア45は、歯数25の2段ギアから成り、そのうち第1ギア部(第1のギア部)45aは、第2攪拌スクリュー43と噛み合い、第2ギア部(第2のギア部)45bは、後述するようにトナーコンテナ9の装着時、トナーコンテナ9に形成された第1突起51に押圧されるようになっている。
【0048】
また、第1逆回転用ギア45は、第1ワンウェイクラッチ機構(ワンウェイクラッチ機構)45cを有しており、図5に示すように、第1ギア部45aは、図5(a)の反時計回り方向には第2ギア部45bに対して自在に回転可能であるが、図6に示すように、図6(a)の時計回り方向には第2ギア部45bと共にしか回転できないようになっている。
【0049】
これにより、トナーコンテナ9の装着後、画像形成を行う際、第1突起51が第2ギア部45bと係合していても、第2攪拌スクリュー用ギア43と噛み合っている第1ギア部45aのみが反時計回りに回転する(図4参照)。一方、トナーコンテナ9の装着時、第1突起51により第2ギア部45bの歯が上方から下方に押圧されると、第2ギア部45bと共に第1ギア部45aが時計回りに回転する。
【0050】
トナーコンテナ9は、装置本体に対して着脱可能であり、装着時、装置本体内に現像装置8の周辺まで挿入されると、現像装置8に沿って下方に移動して、図4に示すように、現像装置8の前面側(図4の右側)に近接して配置されるようになっている(図7参照)。トナーコンテナ9の背面側(図4の左側)端部において第1逆回転用ギア45の第2ギア部45bと対向する位置には、背面側に突出する第1突起(逆回転用部)51が形成されている。
【0051】
また、第1突起51は、トナーコンテナ9が装置本体に装着されるとき、第1逆回転用ギア45の第2ギア部45bの前面側(図4の右側)端部に配置される歯を、上方から下方に押圧できるような位置に突設されている。これにより、トナーコンテナ9が装置本体に装着されると、第1突起51の押圧により第2ギア部45bが時計回り(逆方向)に回転し、第2ギア部45bの回転と共に第1ギア部45aが時計回りに回転する(図6参照)。
【0052】
なお、ここでは、第1突起51が第2ギア部45bの歯を押圧することにより、第2ギア部45bが少なくとも1歯分回転することとした。また、図4に示すように、トナーコンテナ9が装着された後、第1突起51は第2ギア部45bの歯の近傍に配置されるが、逆回転用ギア45は、上記の通り第1ワンウェイクラッチ機構45cを有するため、画像形成時、第2ギア部45bが第1突起51と係合して回転できなくても、第2攪拌スクリュー用ギア43と噛み合っている第1ギア部45aのみが反時計回りに回転する(図5参照)。
【0053】
かかる第1ギア部45aの時計回りの回転により、第2攪拌スクリュー用ギア43が反時計回り、第1攪拌スクリュー42が時計回り、駆動伝達用ギア44が反計回りに回転するため、現像ローラ用ギア41が画像形成時に回転する方向とは逆方向である時計回りに回転する(図8参照)。
【0054】
次に、トナーコンテナ9が装着されることにより、現像ローラが画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転(以下、逆回転という場合がある)する動作について説明する。
【0055】
図7は、トナーコンテナが装着されることにより第1逆回転用ギアが回転する状態を示す図であって、図7(a)は、第1突起が第1逆回転用ギアに到達する前の状態を示す図であり、図7(b)は、第1突起が第1逆回転用ギアに当接する直前の状態を示す図であり、図7(c)は、第1突起が第1逆回転用ギアを回転させた後の状態を示す図であり、図8は、トナーコンテナの装着による各ギアの回転方向を示す図である。図1〜図6と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0056】
トナーコンテナ9を装置本体に挿入すると、図7(a)に示すように、現像装置8の近傍では、現像装置8の前面側(図の右側)の上方から下方に向かってトナーコンテナ9が移動する。トナーコンテナ9がさらに下方に挿入されると、図7(b)に示すように、トナーコンテナ9に形成された第1突起51が、第1逆回転用ギア45の第2ギア部45bの歯に接近する。そして、トナーコンテナ9がさらに下方に挿入され、現像装置8と前面側から対向して現像装置8にトナーを補給可能な位置に装着されると、第1突起51が第2ギア部45bの歯を下方に押圧する。
【0057】
第1突起51によって歯が下方に押圧されると、第2ギア部45bは時計回りに回転し、これと共に第1ギア部45aも時計回りに回転する(図6参照)。かかる第1逆回転ギア45の時計回りの回転により、図8に示すように、第2攪拌スクリュー用ギア43が反時計回りに回転し、第1攪拌スクリュー用ギア42が時計回りに回転し、駆動伝達用ギア44が反時計回りに回転する結果、現像ローラ用ギア41が時計回りに回転する。なお、図8において、破線矢印は、画像形成時の回転方向を示す。
【0058】
これにより、現像ローラ31は、画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転するため、現像ローラ31と規制ブレード35との間に滞留するトナーを現像装置8内に除去することができる。そして、トナーコンテナ9の装着後、トナーコンテナ9から現像装置8にトナーが補給されながら、画像形成が行われる。
【0059】
このとき、第1ギア部45aが第2ギア部45bに対して反時計回りに自在に回転できるため、第1突起51が第2ギア45bの歯に係合していても、画像形成時に第1ギア部45aの反時計回りの回転、すなわち現像ローラ用ギア41の反時計回りの回転の妨げとはならない。
【0060】
上記の通り、本実施形態では、現像ローラ31の回転軸に設けられ現像ローラ31に回転駆動力を伝達するための現像ローラ用ギア41と、該現像ローラ用ギア41に連結され現像ローラ用ギア41と連動して回転する第1逆回転用ギア45と、を設け、トナーコンテナ9に、該トナーコンテナ9が装着本体に装着されることにより第1逆回転用ギア45の歯を押圧し、第1逆回転用ギア45を、現像ローラ用ギア41が画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転させる第1突起51を設けた。
【0061】
これにより、トナーコンテナ9を装着するという簡単な動作で、現像ローラ31を画像形成時とは逆回転させて、規制ブレード35と現像ローラ31との間で滞留するトナーを除去することができる。従って、複雑な構成や制御を用いることなく、現像装置8内でのトナーの凝集を防止することができる。また、現像ローラ31の長寿命化を図ると共に現像ユニット8の長寿命化を図ることもできる。
【0062】
また、本実施形態では、現像ローラ用ギア41と第1逆回転用ギア45とを、少なくとも1つのギアを介して連結したため、現像ローラ用ギア41と第1逆回転用ギア45とが離れていても、第1逆回転用ギア45の逆回転により現像ローラ31を逆回転させることができる。また、トナーコンテナ9の配置に応じて第1逆回転用ギア45を配置することもできる。
【0063】
これにより、現像ローラ用ギア41に対する第1逆回転用ギア45及びトナーコンテナ9の配置の自由度を増大させることができるため、構成の複雑化をより回避し、現像ローラ31を逆回転させ易くすることができる。なお、ここでは、現像ローラ用ギア41と第1逆回転用ギア45を3つのギアを介して連結したが、かかるギアの数量やギアが設けられる部材等は特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【0064】
また、本実施形態では、トナーコンテナ9に第1突起51を突設し、トナーコンテナ9が装着本体に装着されることにより第1逆回転用ギア45の歯を押圧することとしたため、より簡単な構成で現像ローラ31を逆回転させることができる。なお、かかる第1突起51の形状等は、第1逆回転用ギア45の歯を押圧して現像ローラ31を逆回転させることが可能であれば、装置構成等に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。
【0065】
また、本実施形態では、第1逆回転用ギア45を、現像ローラ用ギア41と連結される第1ギア部45aと、第1突起51に押圧される第2ギア部45bと、を有する2段ギアとし、且つ、第1ギア部45aを逆方向に回転するときのみ第2ギア部49aと共に回転可能とする第1ワンウェイクラッチ機構45cを有する構成としたため、画像形成時における現像ローラ31の回転への影響を回避しつつ、現像ローラ31を逆回転させることが可能となる。なお、かかる第1ワンウェイクラッチ機構45cは、従来公知の機構を用いることができる。
【0066】
なお、第1逆回転用ギア45は、トナーコンテナ9を装置本体に対して装着することにより現像ローラ用ギア41を逆回転させ、画像形成時に現像ローラ31から感光体ドラム5にトナーを供給可能であれば、本実施形態に特に限定されるものではなく、その他、例えば1段ギアとすることもできる。
【0067】
かかる1段ギアを用いた場合には、トナーコンテナ9が装着されたとき、第1突起51が第1逆回転用ギア45の第2ギア部45bと当接しないように、トナーコンテナ9の装着位置を設定すればよい。また、その他、第2ギア部45bの歯数は、第1ギア部45bと同じでなくても良く、第1ギア部45bの歯数よりも多くすることも少なくすることもでき、例えば歯数を1とすることもできる。
【0068】
また、本実施形態では、第1突起51の押圧による第2ギア部45bの回転を、第2ギア部45bの少なくとも1歯分、すなわち、第1逆回転用ギア45の回転を、第1逆回転用ギア45の少なくとも1歯分、としたため、現像ローラ31をより十分に逆回転させることができる。しかし、かかる第2ギア部45bの回転は、本実施形態に特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【0069】
なお、第2ギア部45bの回転が大きくなれば、無駄に現像ローラ31を逆回転させるおそれがあり、一方、回転が小さくなれば、現像ローラ31と規制ブレード35との間に滞留するトナーを十分に除去できないそれがある。従って、例えばかかる観点を考慮して、第1逆回転用ギア45の回転を適宜設定することができる。
【0070】
また、第1逆回転用ギア45の回転によって生じる現像ローラ用ギア41の回転は、現像ローラ31と規制ブレード35との間のニップからトナーを除去可能であれば、特に限定されるものではないが、例えば、現像ローラ用ギア41の回転角度を5°以上とすることができる。これにより、より確実に現像ローラ31と規制ブレード35との間で滞留するトナーを除去することができる。なお、本実施形態では、第1逆回転用ギア43に対する現像ローラ用ギア41のギア比が1.25であるため、逆回転用ギア43が1歯分回転すると、現像ローラ用ギア41が1.25歯分、すなわち22.5°回転する。
【0071】
なお、本実施形態では、トナーコンテナ9を装置本体に装着することにより、現像ローラ用ギア41を逆回転させたが、トナーコンテナ9を装置本体から脱離することにより、現像ローラ用ギア41を逆回転させることもできる。
【0072】
かかる場合には、例えば第2搬送スクリュー用ギア43と第1逆回転用ギア45の第1ギア45aとの間に、両ギアと噛み合うアイドルギアを例えば1つ配置し、第1逆回転用ギア45の第1ワンウェイクラッチ機構45cを、上記とは逆に第1ギア部45aが、時計回り方向には第2ギア部45bに対して自在に回転可能であるが、反時計回り方向には第2ギア部45bと共にしか回転できないような構成とすればよい。
【0073】
また、本実施形態では、トナーコンテナ9に第1突起51を形成したため、トナーコンテナ9の交換時に現像ローラ31を逆回転させることができ、効率的である。しかし、本発明の着脱ユニットは、本実施形態に特に限定されるものではない。
【0074】
図9は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の現像装置及び給紙カセット周辺のギア構成を示す概略側面図であり、図10は、画像形成時の第2逆回転用ギアの回転を示す図であって、図10(a)は概略側面図であり、図10(b)は、図10(a)の右側から見た図である。また、図11は、給紙カセット装着時の第2逆回転用ギアの回転を示す図であって、図11(a)は概略側面図であり、図11(b)は、図11(a)の右側から見た図である。図2〜図8と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0075】
図9に示すように、本実施形態では、第2攪拌スクリュー43の下方に、アイドルギア52、53、54、55を順に配置し、アイドルギア55の下方に、第2逆回転用ギア(第2のギア)56を配置した。
【0076】
アイドルギア52〜55は、歯数25の平歯の1段ギアから形成され、装置本体の左側面部100b(図1参照)の内側面に回転可能に支持され、アイドルギア52は、第2攪拌スクリュー用ギア43と下方から噛み合い、アイドルギア53は、アイドルギア52と下方から噛み合い、アイドルギア54は、アイドルギア53と下方から噛み合い、アイドルギア55は、アイドルギア54と下方から噛み合っている。
【0077】
第2逆回転用ギア56は、装置本体の左側面部100bの内側面に支持されている。また、第2逆回転用ギア56は、上記した第1逆回転用ギア45の第1ワンウェイ機構45cと同様の、第2ワンウェイクラッチ機構(ワンウェイクラッチ機構)56cを有する歯数25の平歯の2段ギアから形成され、第3ギア部(第1のギア部)56aは、アイドルギア55と噛み合い、第4ギア部(第2のギア部)56bは、後述する給紙カセット10に形成された第2突起59に歯が押圧されるような位置に形成されている。なお、第2逆回転用ギア56を、装置本体の他の構成部材に支持することもできる。
【0078】
そして、第2ワンウェイクラッチ機構56cにより、第3ギア部56aは、図10に示すように図10(a)の反時計回り方向には第4ギア部56bに対して自在に回転可能であるが、図11に示すように図11(a)の時計回り方向には第4ギア部56bと共にしか回転できないようになっている。
【0079】
これにより、後述する給紙カセット10の装着後、画像形成を行う際、第2突起59が第4ギア部56bと係合していても、アイドルギア55と噛み合っている第3ギア部56aのみが反時計回りに回転する(図10参照)。一方、給紙カセット10の装着時、第2突起59により第4ギア部56bの歯が前面側から背面側に押圧されると、第4ギア部56bと共に第3ギア部56aが時計回りに回転する(図11参照)。
【0080】
給紙カセット10(本実施形態での着脱ユニット)は、装置本体に対して水平方向に着脱可能であり、装置本体の前面側(図9の右側)から背面側(図9の左側)に向かって挿入されることによって、装置本体に装着されるようになっている。給紙カセット10の上端部において第2逆回転用ギア56の第4ギア部56bと対向する位置には、上方に突出する第2突起(逆回転用部)59が形成されている。
【0081】
また、第2突起59は、給紙カセット10において、給紙カセット10が装置本体に装着されるとき、第2逆回転用ギア56の第4ギア部56bの下端部に配置される歯を、前面側から背面側に押圧できるような位置に突設されている。
【0082】
これにより、給紙カセット10が装置本体に装着されると、第2突起59の押圧により第4ギア56bが時計回りに回転し、第4ギア56bの回転と共に第3ギア56aが時計回り(逆方向)に回転する(図11参照)。なお、ここでは、上記第1実施形態と同様、第2突起59が第4ギア部56bの歯を押圧することにより、第4ギア部56bが少なくとも1歯分回転することとした。
【0083】
かかる第4ギア部56aの時計回りの回転により、アイドルギア55が反時計回り、アイドルギア54が時計回り、アイドルギア53が反時計回り、アイドルギア52が時計回り、第2攪拌スクリュー用ギア43が反時計回り、第1攪拌スクリュー42が時計回り、駆動伝達用ギア44が反計回りに回転するため、現像ローラ用ギア41が画像形成時に回転する方向とは逆方向である時計回りに回転する(図13参照)。
【0084】
次に、給紙カセット10が装着されることにより、現像ローラ31が逆回転する動作について説明する。
【0085】
図12は、給紙カセットが装着されることにより第2逆回転用ギアが回転する状態を示す図であって、図12(a)は、第2突起が第2逆回転用ギアに到達する前の状態を示す図であり、図12(b)は、第2突起が第2逆回転用ギアに当接する直前の状態を示す図であり、図12(c)は、第2突起が第2逆回転用ギアを回転させた後の状態を示す図であり、図13は、給紙カセットの装着による各ギアの回転方向を示す図である。図9〜図11と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0086】
給紙カセット10を装置本体に挿入すると、図12(a)に示すように、現像装置8の下方であって前面側(図の右側)から背面側(図の左側)に向かって給紙カセット10が挿入される。給紙カセット10がさらに背面側に挿入されると、図12(b)に示すように、給紙カセット10に形成された第2突起59が、第2逆回転用ギア56の第4ギア部56bの歯に接近する。そして、給紙カセット10がさらに背面側に挿入され、用紙搬送路12に用紙Pを供給可能な位置に装着されると、第2突起59が第4ギア部56bの歯を背面側に押圧する。
【0087】
第2突起59によって第4ギア部56bの歯が背面側に押圧されると、第4ギア部56bは時計回りに回転し、これと共に第3ギア部56aも時計回りに回転する(図11参照)。かかる第3ギア部56aの時計回りの回転により、図13に示すように、アイドルギア55が反時計回り、アイドルギア54が時計回り、アイドルギア53が反時計回り、アイドルギア52が時計回り、第2攪拌スクリュー用ギア43が反時計回り、第1攪拌スクリュー用ギア42が時計回り、駆動伝達用ギア44が反計回りに回転する結果、現像ローラ用ギア41が時計回りに回転する。なお、図13において、破線矢印は、画像形成時の回転方向を示す。
【0088】
これにより、現像ローラ31は、画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転するため、現像ローラ31と規制ブレード35との間に滞留するトナーを現像装置8内に除去することができる。そして、給紙カセット10の装着後、給紙カセット10から用紙搬送路12に用紙Pが供給されながら、画像形成が行われる。
【0089】
このとき、第3ギア部56aが第4ギア部56bに対して反時計回りに自在に回転できるため、第2突起59が第4ギア56bの歯に係合していても、画像形成時に第3ギア部56aの反時計回りの回転、すなわち現像ローラ用ギア41の反時計回りの回転の妨げとはならない。その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0090】
上記の通り、本実施形態では、現像ローラ31の回転軸に設けられ現像ローラ31に回転駆動力を伝達するための現像ローラ用ギア41と、該現像ローラ用ギア41に連結され現像ローラ用ギア41と連動して回転する第2逆回転用ギア56と、を設け、給紙カセット10に、該給紙カセット10が装着本体に装着されることにより第2逆回転用ギア56の歯を押圧し、第2逆回転用ギア56を、現像ローラ用ギア41が画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転させる第2突起59を設けた。
【0091】
これにより、上記第1実施形態と同様に、給紙カセット10を装着するという簡単な動作で、現像ローラ31を画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転させて、規制ブレード35と現像ローラ31との間で滞留するトナーを除去することができる。
【0092】
また、本実施形態では、給紙カセット10に第2突起59を形成したため、用紙Pの補給時に現像ローラ31を逆回転させることができ、効率的である。なお、ここでは、現像ローラ用ギア41と第2逆回転用ギア56との間に、7つのギアを設けたが、かかるギアの数量や配置等は、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【0093】
例えば、第2攪拌スクリュー用ギア43と第2逆回転用ギア56との間に配置されるギアとして、レジストローラ対13や両面搬送路25(図2参照)に設けた搬送ローラ対のうち駆動側のローラの回転軸に設けられたギアを用い、これらのギアとアイドルギアを適宜組み合わせることにより、第2攪拌スクリュー43と第2逆回転用ギア56とを連結することもできる。
【0094】
また、本実施形態では、装置本体の左側面部100bにアイドルギア52〜55及び第2逆回転用ギア56を支持したが、その他、装置本体内の他の構成部材に支持することもできる。また、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、給紙カセット10を装置本体から脱離することにより、現像ローラ用ギア41を逆回転させることができるのは勿論である。
【0095】
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記第1及び第2実施形態では、現像ローラ用ギア41と第1及び第2逆回転用ギア45、56との間に、装置本体の構成部材に設けられるギアを連結したが、その他、現像ローラ用ギア41と第1及び第2逆回転用ギア45、56との間に、アイドルギアのみを連結することもできる。
【0096】
また、上記実施形態では、現像ローラ用ギア41、第1攪拌スクリュー用ギア42、第2攪拌スクリュー用ギア43、駆動伝達用ギア44、第1逆回転用ギア45、アイドルギア52〜55、第2逆回転用ギア56を、平歯のギアから形成したが、その他、はす歯等のギアから形成することもできる。
【0097】
また、上記実施形態では、現像ローラ用ギア41、第1攪拌スクリュー用ギア42、第2攪拌スクリュー用ギア43、駆動伝達用ギア44、アイドルギア52〜55を、1段ギアから形成したが、これらギアは、上記実施形態に特に限定されるものではなく、その他例えば、2段ギアから形成すること等もできる。
【0098】
また、上記実施形態で示した現像ローラ用ギア41、第1攪拌スクリュー用ギア42、第2攪拌スクリュー用ギア43、駆動伝達用ギア44、第1逆回転用ギア45、アイドルギア52〜55、第2逆回転用ギア56の歯数も、一例に過ぎず、装置構成等に応じて適宜設定することができる。また、本実施形態では、装置本体の左側面部100b側に現像ローラ用ギア41や第1及び第2逆回転用ギア45、56等を配置したが、装置構成等に応じてその他右側面等に設けることもできる。
【0099】
また、上記実施形態では、トナーコンテナ9及び給紙カセット10を用いたが、本発明の着脱ユニットは、装置本体に着脱可能であれば、上記実施形態に特に限定されるものではなく、その着脱方向も上記実施形態に特に限定されるものではない。また、上記実施形態では、一成分現像剤を用いたが、二成分現像剤を用いることもできる。また、本発明は、モノクロプリンタに限らず、カラープリンタや、デジタル複合機、アナログ式複写機、ファクシミリ等、種々の画像形成装置に適用できるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、現像剤担持体の回転軸に設けられ、現像剤担持体に回転駆動力を伝達するための第1のギアと、該第1のギアと連結され且つ第1のギアと連動して回転可能な第2のギアと、着脱ユニットに設けられ、該着脱ユニットが装置本体に対して装着または脱離されることにより第2のギアの歯を押圧し、第2のギアを、第1のギアが画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転させる逆回転用部を設けたものである。
【0101】
これにより、複雑な構成や制御を用いることなく、現像装置内のトナーの凝集を防止できるため、現像剤担持体や現像装置の長寿命化を図ると共に、画像不良の発生を防止することもできる。
【0102】
また、第1のギアと第2のギアとを、少なくとも1つのギアを介して連結することによって、現像剤担持体を逆回転させ易くすることができる。また、逆回転用部を、着脱ユニットから突設された突起から形成することによって、より簡単な構成で現像剤担持体を逆回転させることができる。
【0103】
また、第2のギアを、逆回転用部に押圧される第1のギア部と、第1のギアと連結される第2のギア部と、を有する2段ギアとし、且つ、第1のギア部を逆方向に回転するときのみ第2のギア部と共に回転可能とするワンウェイクラッチ機構を有する構成とすることによって、画像形成時における現像剤担持体の回転への影響を回避しつつ、現像剤担持体を逆回転させることが可能となる。
【0104】
また、着脱ユニットを、現像装置に現像剤を補給する現像剤補給容器とすることによって、効率的となる。また、着脱ユニットを、画像が形成される記録媒体を収容する記録媒体収容器とすることによって、効率的となる。また、逆回転用部の押圧により第2のギアが少なくとも1歯分以上回転することによって、現像剤担持体をより十分に逆回転させることができる。
【符号の説明】
【0105】
5 感光体ドラム(像担持体)
8 現像ユニット(現像装置)
9 トナーコンテナ(現像剤補給容器、着脱ユニット)
10 給紙カセット(記録媒体収容器、着脱ユニット)
31 現像ローラ(現像剤担持体)
33 第1攪拌スクリュー
32 第2攪拌スクリュー
35 規制ブレード(現像剤量規制部材)
41 現像ローラ用ギア(第1のギア)
42 第1攪拌スクリュー用ギア
43 第2攪拌スクリュー用ギア
44 駆動伝達用ギア
45 第1逆回転用ギア(第2のギア)
45a 第1ギア部(第1のギア部)
45b 第2ギア部(第2のギア部)
45c 第1ワンウェイクラッチ機構(ワンウェイクラッチ機構)
51 第1突起(逆回転用部)
52〜55 アイドルギア
56 第2逆回転用ギア(第2のギア)
56a 第3ギア部(第1のギア部)
56b 第4ギア部(第2のギア部)
56c 第2ワンウェイクラッチ機構(ワンウェイクラッチ機構)
59 第2突起(逆回転用部)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体と対向する位置に配置され、前記像担持体に形成された静電潜像に回転しながら現像剤を供給する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤量を規制する現像剤量規制部材と、を有する現像装置と、
前記装置本体に着脱される着脱ユニットと、
を備えた画像形成装置において、
前記現像剤担持体の回転軸に設けられ、前記現像剤担持体に回転駆動力を伝達するための第1のギアと、
該第1のギアと連結され且つ前記第1のギアと連動して回転可能な第2のギアと、
前記着脱ユニットに設けられ、該着脱ユニットが前記装置本体に対して装着または脱離されることにより前記第2のギアの歯を押圧し、前記第2のギアを、前記第1のギアが画像形成時に回転する方向とは逆方向に回転させる逆回転用部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のギアと前記第2のギアとは、少なくとも1つのギアを介して連結されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記逆回転用部は、前記着脱ユニットから突設された突起から形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2のギアは、前記第1のギアと連結される第1のギア部と、前記逆回転用部に押圧される第2のギア部と、を有する2段ギアから成り、且つ、第1のギア部を前記逆方向に回転するときのみ前記前記第2のギア部と共に回転可能とするワンウェイクラッチ機構を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記着脱ユニットは、前記現像装置に現像剤を補給する現像剤補給容器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記着脱ユニットは、画像が形成される記録媒体を収容する記録媒体収容器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記逆回転用部の押圧により前記第2のギアが少なくとも1歯分回転することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−170010(P2011−170010A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32160(P2010−32160)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】