説明

画像形成装置

【課題】画像パターンの濃度と位置を1つの濃度センサで高精度に検知して高質画像を安定的に得ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】中間転写ベルト7上に形成されたパターン画像の濃度と位置を検出する濃度センサ25を備えた画像形成装置において、濃度用スリット27aとこれよりも幅の狭いレジスト用スリット27bが形成された遮光部材25を前記濃度センサ25と前記中間転写ベルト7との間に移動可能に配置し、前記濃度センサ25から出射される光を前記遮光部材25に形成された濃度用スリット25a又はレジスト用スリット27bを介して中間転写ベルト7上のパターン画像に向けて照射する。又、前記濃度センサ25に選択的に接触して該濃度センサ25を清掃するクリーニング部材28を前記遮光部材25に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写ベルト上に形成されたパターン画像の濃度と位置を検出する濃度センサを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置に対するカラー化の要求が強く、この要求に応えてカラー画像形成装置が開発され、既に実用に供されている。このカラー画像形成装置にはモノクロ並みの出力スピードが要求されることからタンデム型のカラー画像形成装置が注目されている。
【0003】
タンデム型のカラー画像形成装置は、複数の像担持体上にそれぞれ形成された各色のトナー像を無端状の中間転写ベルト上に順次一次転写して重畳してカラートナー画像を形成し、このカラー画像を用紙上に一括二次転写し、この用紙上に二次転写されたカラートナー像をて位置しぜ重畳転写モータからギヤ列を経て伝達される回転動力によって回転駆動される駆動ローラと、該駆動ローラによって回転駆動される無端状の中間転写ベルトと、該中間転写ベルトの走行方向に沿ってタンデムに配置された複数の像担持体と、前記中間転写ベルトを介して前記像担持体に当接する複数の一次転写ローラを備え、各像担持体上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト上に重畳転写することによってカラー画像を形成するものである。
【0004】
ところで、斯かるカラーが像形成装置において高質なカラー画像を得るためには、トナー画像の濃度と位置の高精度な調整が必要であり、このため、各色のトナーを用いて中間転写ベルト上に形成されたパターン画像の濃度と位置を濃度センサ(IDセンサ)によって検出し、その検出結果に基づいて現像バイアスや各像担持体に対する露光タイミング等を変更して各色のトナー像の濃度の調整と位置合わせを行っている。
【0005】
尚、特許文献1には、濃度センサの発光部に、該発光部から照射される照射光のスポットを絞り込む遮蔽板を設置することによって、濃度センサによるトナー像の検知出力の立ち上がり時間を短縮するようにした画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−128080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の画像形成装置においては、濃度センサが検知することができる幅の大きなパターン画像を中間転写ベルト上に形成することによって該パターン画像の濃度と位置を検知する方法が採用されていたため、濃度センサの検知範囲が大きく、検知結果が画像パターンのエッジによる濃淡や中間転写ベルトの素材による影響を受けるために誤差が生じ、トナー像の濃度と位置の調整を高精度に行うことができないという問題があった。
【0008】
逆にパターン画像の幅が狭過ぎると、濃度センサの検知範囲に対する濃度変動が低過ぎて検知感度が低下し、検知レベルが低過ぎてパターン画像の位置を判別しづらいという問題が発生する。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、画像パターンの濃度と位置を1つの濃度センサで高精度に検知して高質画像を安定的に得ることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、中間転写ベルト上に形成されたパターン画像の濃度と位置を検出する濃度センサを備えた画像形成装置において、濃度用スリットとこれよりも幅の狭いレジスト用スリットが形成された遮光部材を前記濃度センサと前記中間転写ベルトとの間に移動可能に配置し、前記濃度センサから出射される光を前記遮光部材に形成された濃度用スリット又はレジスト用スリットを介して中間転写ベルト上のパターン画像に向けて照射することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記遮光部材に形成されたレジスト用スリットの幅を中間転写ベルト上のパターン画像とほぼ同じ幅に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記遮光部材を前記中間転写ベルトの走行方向に対して平行に往復動させる駆動手段を設け、該駆動手段を、前記遮光部材を一方向に付勢する付勢手段と、同遮光部材を前記付勢手段による付勢方向とは逆方向に移動させるアクチュエータとで構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記濃度センサに選択的に接触して該濃度センサを清掃するクリーニング部材を前記遮光部材に取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、中間転写ベルト上に形成されたパターン画像の濃度を検知するときと位置を検知するときとで検知幅を可変とし、濃度を検知するときには検知幅を広くするようにしたため、濃度センサの検知範囲に対する検知レベルの変動が小さく抑えられ、パターン画像の濃度を高精度に検知することができる。又、パターン画像の位置を検知するときには検知幅を狭くするようにしたため、濃度センサの検知範囲に対する検知レベルの変動が大きく、検知レベルのピーク位置を正確に検知することができ、パターン画像のエッジの濃淡の影響を受けることなくパターン画像の位置を高精度に検知することができる。
【0015】
以上のように、画像パターンの濃度と位置を1つの濃度センサによって高精度に検知することができるため、この検知結果に基づいて現像バイアスや各像担持体に対する露光タイミング等を変更して各色のトナー像の濃度と位置の調整を行うことによって高質なカラー画像を安定的に得ることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、遮光部材に形成されたレジスト用スリットの幅を中間転写ベルト上のパターン画像とほぼ同じ幅に設定したため、検知レベルに明確なピークが発生し、そのピーク位置によって画像パターンの位置を高精度に検知することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、パターン画像の濃度と位置の検知する際には、付勢手段とアクチュエータとで構成された駆動手段によって遮光部材を中間転写ベルトの走行方向(画像パターンの移動方向)に対して平行に往復動させて検知幅を変えるようにしたため、画像パターンの濃度と位置を1つの濃度センサで高精度に検知して高質画像を安定的に得ることができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、遮光部材の往復動によってこれに取り付けられたクリーニング部材が濃度センサに選択的に接触して該濃度センサを清掃するため、濃度センサによる画像パターンの濃度と位置を常に高精度に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るカラー画像形成装置(カラーレーザープリンタ)の側断面図である。
【図2】濃度センサの検知幅の遮光部材による可変構造を示す部分断面図である。
【図3】遮光部材の駆動手段を斜め下方から見た部分斜視図である。
【図4】濃度センサの配置を示す斜視図(図3の矢視A方向の図)である。
【図5】図4のB部拡大詳細図である。
【図6】(a),(b)は濃度検知時の濃度センサの検知幅とセンサ信号レベルを示す図である。
【図7】(a),(b)は位置検知時の濃度センサの検知幅とセンサ信号レベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る画像形成装置の一形態としてのカラーレーザープリンタの断面図であり、図示のカラーレーザープリンタはタンデム型であって、その本体100内の中央部には、マゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニット1Kが一定の間隔でタンデムに配置されている。
【0022】
上記各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kには、像担持体である感光ドラム2a,2b,2c,2dがそれぞれ配置されており、各感光ドラム2a〜2dの周囲には、帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、転写ローラ5a,5b,5c,5d及びドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ配置されている。
【0023】
ここで、前記感光ドラム2a〜2dは、ドラム状の感光体であって、不図示の駆動モータによって図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。又、前記帯電器3a〜3dは、不図示の帯電バイアス電源から印加される帯電バイアスによって感光ドラム2a〜2dの表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
【0024】
更に、前記現像装置4a〜4dは、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(K)トナーをそれぞれ収容しており、各感光ドラム2a〜2d上に形成された各静電潜像に各色のトナーを付着させて各静電潜像を各色のトナー像として可視像化するものである。
【0025】
又、前記転写ローラ5a〜5dは、各一次転写部にて中間転写ベルト7を介して各感光ドラム2a〜2dに当接可能に配置されている。ここで、中間転写ベルト7は、駆動ローラ8とテンションローラ9との間に張設されて各感光ドラム2a〜2dの上面側に走行可能に配置されており、前記駆動ローラ8は、二次転写部において中間転写ベルト7を介して二次転写ローラ10に当接可能に配置されている。又、テンションローラ9の近傍にはベルトクリーニング装置11が設けられている。
【0026】
ところで、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kの上方には、前記各現像装置4a〜4dにトナーを補給するためのトナーコンテナ12a,12b,12c,12dが一列に並設されている。
【0027】
又、装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kの下方にはレーザースキャナユニット(LSU)13が配置され、その下方の本体100の底部には給紙カセット14が着脱可能に設置されている。そして、給紙カセット14には複数枚の不図示の用紙が積層収容されており、この給紙カセット14の近傍には、給紙カセット14から用紙を取り出すピックアップローラ15と、取り出された用紙を分離して搬送パスSへと1枚ずつ送り出すフィードローラ16とリタードローラ17が設けられている。
【0028】
又、装置本体100の側部を上下方向に延びる前記搬送パスSには、用紙を搬送する搬送ローラ対18と、用紙を一時待機させた後に所定のタイミングで前記二次転写対向ローラ8と二次転写ローラ10との当接部である二次転写部へと供給するレジストローラ対19が設けられている。尚、搬送パスLの横には、用紙の両面に画像を形成する場合に使用される別の搬送パスS’が形成されており、この搬送パスS’には複数の反転ローラ対20が適当な間隔で設けられている。
【0029】
ところで、装置本体100内の一側部に縦方向に配置された前記搬送パスSは、装置本体100の上面に設けられた排紙トレイ21まで延びており、その途中には定着装置22と排紙ローラ対23,24が設けられている。
【0030】
次に、以上の構成を有するカラーレーザープリンタによる画像形成動作について説明する。
【0031】
画像形成開始信号が発せられると、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kにおいて各感光ドラム2a〜2dが図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動され、これらの感光ドラム2a〜2dは、帯電器3a〜3dによって一様に帯電される。又、レーザースキャナユニット13は、各色毎のカラー画像信号によって変調されたレーザー光を出射し、そのレーザー光を各感光ドラム2a〜2dの表面に照射し、各感光ドラム2a〜2d上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
【0032】
そして、先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、該感光ドラム2aの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによってマゼンタトナーを付着させ、該静電潜像をマゼンタトナー像として可視像化する。このマゼンタトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の一次転写部(転写ニップ部)において、トナーと逆極性の一次転写バイアスが印加された転写ローラ5aの作用によって、図示矢印方向に回転駆動されている中間転写ベルト7上に一次転写される。
【0033】
上述のようにしてマゼンタトナー像が一次転写された中間転写ベルト7は、次のシアン画像形成ユニット1Cへと移動する。そして、シアン画像形成ユニット1Cにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2b上に形成されたシアントナー像が一次転写部において中間転写ベルト7上のマゼンタトナー像に重ねて転写される。
【0034】
以下同様にして、中間転写ベルト7上に重畳転写されたマゼンタ及びシアントナー像の上に、イエロー及びブラック画像形成ユニット1Y,1Kの各感光ドラム2c,2d上にそれぞれ形成されたイエロー及びブラックトナー像が各一次転写部において順次重ね合わせられ、中間転写ベルト7上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、中間転写ベルト7上に転写されないで各感光ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各ドラムクリーニング装置6a〜6dによって除去され、各感光ドラム2a〜2dは次の画像形成に備えられる。
【0035】
そして、中間転写ベルト7上のフルカラートナー像の先端が駆動ローラ8と二次転写ローラ10間の二次転写部(転写ニップ部)に達するタイミングに合わせて、給紙カセット14からピックアップローラ15とフィードローラ16及びリタードローラ17によって搬送パスLへと送り出された用紙がレジストローラ対19によって二次転写部へと搬送される。そして、二次転写部に搬送された用紙に、トナーと逆極性の二次転写バイアスが印加された二次転写ローラ10によってフルカラーのトナー像が中間転写ベルト7から一括して二次転写される。
【0036】
而して、フルカラーのトナー像が転写された用紙は、定着装置22へと搬送され、フルカラーのトナー像が加熱及び加圧されて用紙の表面に熱定着され、トナー像が定着された用紙は、排紙ローラ対23,24によって排紙トレイ21上に排出されて一連の画像形成動作が完了する。尚、用紙上に転写されないで中間転写ベルト7上に残留する転写残トナーは、前記ベルトクリーニング装置11によって除去され、中間転写ベルト7は次の画像形成に備えられる。
【0037】
ところで、斯かるレーザービームプリンタにおいて高質なカラー画像を得るためには、カラー画像の濃度と位置の高精度な調整が必要であり、このため、所定のタイミングで各色のトナーを用いて中間転写ベルト7上にパターン画像を形成し、このパターン画像の濃度と位置を検出し、その検出結果に基づいて各現像装置4a〜4dの現像バイアスやレーザースキャナユニット13から各感光ドラム2a〜2dに対する露光タイミング等を変更して各色のトナー像の濃度と位置の調整を行っている。
【0038】
ここで、本発明の要旨を図2〜図7に基づいて説明する。
【0039】
図2は濃度センサの検知幅の遮光部材による可変構造を示す部分断面図、図3は遮光部材の駆動手段を斜め下方から見た部分斜視図、図4は濃度センサの配置を示す斜視図(図3の矢視A方向の図)、図5は図4のB部拡大詳細図、図6(a),(b)は濃度検知時の濃度センサの検知幅とセンサ信号レベルを示す図、図7(a).(b)は位置検知時の濃度センサの検知幅とセンサ信号レベルを示す図である。
【0040】
図4に示すように、中間転写ベルト7の端部近傍には3つの濃度センサ25が中間転写ベルト7の幅方向に適当な間隔を設けて配設されており、これらの濃度センサ25は細長い枠状のハウジング26の端面に取り付けられている。そして、図2に示すように、濃度センサ25と中間転写ベルト7との間には遮光部材27が中間転写ベルト7の幅方向(濃度センサ25の配列方向)に沿って移動可能に配されている。尚、図示しないが、各濃度センサ25は、中間転写ベルト7上に形成される成パターン画像に向けて光を照射する発光部と、パターン画像において反射した光を受光する受光部を備えている。
【0041】
上記遮光部材27の各濃度センサ25に対応する長手方向3箇所には、図2に示すように(図2には1箇所のみ図示)、中間転写ベルト7の走行方向(中間転写ベルト7上に形成されるパターン画像の移動方向)の幅L1が比較的広い濃度用スリット27aとこれよりも幅の狭い幅L2(<L1)のレジスト用スリット27bがそれぞれ形成されている。又、遮光部材27の長手方向3箇所には、該遮光部材27の往復動によって各濃度センサ25の表面に選択的に接触して該表面を清掃するためのクリーニング部材28がそれぞれ取り付けられている。尚、遮光部材27に形成された各レジスト用スリット27bの幅L2は中間転写ベルト7上に形成されるパターン画像とほぼ同じ幅に設定されている。
【0042】
ここで、遮光部材27は、図3に記すように、横断面横U字状に折曲成形されており、ハウジング26の下端部に内側に向かって直角に折り曲げられたガイドリブ26aに沿って移動可能に嵌合保持されている。そして、遮光部材27は、ハウジング26内の長手方向一端に組み込まれた駆動手段29によってハウジング26の長手方向(中間転写ベルト7の幅方向)に往復動可能であって、これに形成された濃度用スリット27aとレジスト用スリット27bを選択的に濃度センサ25の位置に合わせる。
【0043】
上記駆動手段29は、ハウジング26の長手方向一端に取り付けられたアクチュエータとしてのソレノイド30と、遮光部材27を一方向に付勢する付勢手段としてのスプリング31によって構成されており、ソレノイド30のロッド30aは連結部材32を介して遮光部材27の長手方向一端に連結されている。
【0044】
而して、本実施の形態では、中間転写ベルト7上に形成されたパターン画像の濃度を検知するときには、駆動手段29のソレノイド30に通電してこれを駆動する。すると、ソレノイド31のロッド30aが連結部材32を介して遮光部材27をスプリング31の付勢力に抗して遮光部材27を図3の矢印a方向に移動させるため、該遮光部材27の幅の広い濃度用スリット27aが図2及び図6(a)に示すように濃度センサ25の下方に位置する。従って、この状態では濃度センサ25の発光部から出射された光は遮光部材27の濃度用スリット27aを通って中間転写ベルト7上のパターン画像に向けて照射され、パターン画像において反射した光は濃度用スリット27aを再び通過して濃度センサ25の受光部によって受光される。この場合の濃度センサ25の検知レベルを時間tに対して図6(b)に示すが、同図に示すように、濃度センサ25の検知範囲に対する検知レベルの変動が小さく抑えられるため、パターン画像の濃度を高精度に検知することができる。
【0045】
又、同じ濃度センサ25でパターン画像の位置を検知する場合には、駆動手段29のソレノイド30への通電を遮断する。すると、遮光部材27はスプリング31の付勢力によって図3の矢印b方向に移動し、該遮光部材27の幅の狭いレジスト用スリット27bが図7(a)に示すように濃度センサ25の下方に位置する。従って、この状態では濃度センサ25の発光部から出射された光は遮光部材27のレジスト用スリット27bを通って中間転写ベルト7上のパターン画像に向けて照射され、パターン画像において反射した光はレジスト用スリット27bを再び通過して濃度センサ25の受光部によって受光される。この場合の濃度センサ25の検知レベルを時間tに対して図7(b)に示すが、同図に示すように、濃度センサ25の検知範囲に対する検知レベルの変動が大きく、検知レベルのピーク位置を正確に検知することができ、画像パターンのエッジの濃淡の影響を受けることなく画像パターンの位置を高精度に検知することができる。特に、本実施の形態では、遮光部材27に形成されたレジスト用スリット27bの幅を中間転写ベルト7上のパターン画像とほぼ同じ幅に設定したため、検知レベルに明確なピークが発生し、そのピーク位置によって画像パターンの位置を高精度に検知することができる。
【0046】
以上のように、画像パターンの濃度と位置を1つの濃度センサ25によって高精度に検知することができるため、この検知結果に基づいて各現像装置4a〜4dの現像バイアスやレーザースキャナユニット13から各感光ドラム2a〜2dに対する露光タイミング等を変更して各色のトナー像の濃度と位置の調整を行うことによって高質なカラー画像を安定的に得ることができる。
【0047】
又、遮光部材27の往復動によってこれに取り付けられたクリーニング部材28が濃度センサ25に選択的に接触して該濃度センサ25を清掃するため、濃度センサ25による画像パターンの濃度と位置を常に高精度に検知することができる。
【0048】
尚、以上は本発明をカラーレーザープリンタに対して適用した形態について説明したが、本発明は、カラー複写機等の他の任意のカラー画像形成装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
1M マゼンタ画像形成ユニット
1C シアン画像形成ユニット
1Y イエロー画像形成ユニット
1K ブラック画像形成ユニット
2a〜2d 感光ドラム
3a〜3d 帯電器
4a〜4d 現像装置
5a〜5d 転写ローラ
6a〜6d ドラムクリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 駆動ローラ
9 テンションローラ
10 二次転写ローラ
11 ベルトクリーニング装置
12a〜12d トナーコンテナ
13 レーザースキャナユニット(LSU)
14 給紙カセット
15 ピックアップローラ
16 フィードローラ
17 リタードローラ
18 搬送ローラ対
19 レジストローラ対
20 搬送ローラ対
21 排紙トレイ
22 定着装置
23,24 排紙ローラ対
25 濃度センサ
26 ハウジング
26a ハウジングのガイドリブ
27 遮光部材
27a 遮光部材の濃度用スリット
28 遮光部材のレジスト用スリット
29 駆動手段
30 ソレノイド(アクチュエータ)
30a ソレノイドのロッド
31 スプリング(付勢手段)
32 連結部材
100 画像形成装置本体
L1 濃度用スリットの幅
L2 レジスト用スリットの幅
S,S’ 搬送パス



【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間転写ベルト上に形成されたパターン画像の濃度と位置を検出する濃度センサを備えた画像形成装置において、
濃度用スリットとこれよりも幅の狭いレジスト用スリットが形成された遮光部材を前記濃度センサと前記中間転写ベルトとの間に移動可能に配置し、前記濃度センサから出射される光を前記遮光部材に形成された濃度用スリット又はレジスト用スリットを介して中間転写ベルト上のパターン画像に向けて照射することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記遮光部材に形成されたレジスト用スリットの幅を中間転写ベルト上のパターン画像とほぼ同じ幅に設定したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記遮光部材を前記中間転写ベルトの走行方向に対して平行に往復動させる駆動手段を設け、該駆動手段を、前記遮光部材を一方向に付勢する付勢手段と、同遮光部材を前記付勢手段による付勢方向とは逆方向に移動させるアクチュエータとで構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記濃度センサに選択的に接触して該濃度センサを清掃するクリーニング部材を前記遮光部材に取り付けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−95457(P2011−95457A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248639(P2009−248639)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】