説明

画像形成装置

【課題】低輝度環境下でも、被写体を視認可能な画像を形成できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】環境温度が上昇した場合、保持部材123の熱膨張によってコリメータ13は半導体レーザ12から相対的に遠ざかるように変位する。又、温度上昇により半導体レーザ12の発振波長が長波長側にシフトするので、回折構造13dの回折パワーが増大するように変化する。これらの相乗効果により、環境温度が上昇時にも、ピントズレを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームプリンタ、レーザファクシミリ等の光走査型の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザビームプリンタ、レーザファクシミリ等で使用されている画像形成装置において、コスト削減等を目的として、従来のガラスレンズを、樹脂材料により成形したプラスチックレンズ(光学レンズ)に置き換えることが行われている。しかし、プラスチックレンズの場合、ガラスレンズに比べて温度変化に対する屈折率変化が大きいので、例えばコリメータなどのカップリングレンズと、走査レンズの双方をプラスチックレンズとすると、環境温度変化に起因した屈折率変化によりピント位置がずれてしまい、高画質な画像を形成できなくなる恐れがある。尚、アクチュエータ等を用いてコリメータを光軸方向に移動させることで、ピントズレを解消することもできるが、それによりコスト高を招くという別の問題が生じる。
【0003】
これに対し、特許文献1に示すように、コリメータと走査レンズを含む光学系のいずれかをプラスチック製とする場合に、コリメータと走査レンズの少なくとも一方に回折構造を設けて、温度変化時におけるパワー変化と波長変化に利用して副走査方向のピントズレをキャンセルする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−333070号公報
【特許文献2】特開2008−122811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コリメータと走査レンズの双方をプラスチックレンズとした場合、環境温度変化により生ずるピントズレを、1つの光学面に設けた回折構造で補正しようとすると、回折ピッチが細かくなりすぎて、高精度の成形が困難になるという問題がある。一方、複数の光学面に回折構造を設ければ、各々の回折ピッチを広げることはできるが、複数の回折構造のもつ回折効率を掛け合わせた率で、レーザ光の利用効率が低下するという問題がある。
【0006】
これに対し、特許文献2に示すように、2次以上の高次の回折光を発生する回折構造を用いると、回折ピッチを広げることもでき、それにより成形性を向上させることもできるが、高次の回折光を用いるほど回折効率における波長依存性が大きくなるという問題がある。つまり光源波長が設計波長からシフトすると、回折効率が大きく低下することになるので、回折構造を通過したレーザ光の強度が低下し、画像形成時に望まぬ濃淡を招く恐れがある。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、コストを削減しながらも、環境に関わらず高画質な画像を形成できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、光源と、該光源からの光束を反射する複数のミラーを備え、回転することによって反射光を感光体面上に主走査方向に走査する回転多面鏡と、前記光源及び前記回転多面鏡間に配置されたカップリングレンズと、前記回転多面鏡及び前記感光体面間に配置され光束を前記感光体面上に集光させる走査レンズ系とを有する光走査形画像形成装置において、
前記カップリングレンズと前記走査光学系はプラスチック製であり、
前記カップリングレンズの1つの光学面にのみ光路差付与構造が形成されており、
前記光源と前記カップリングレンズとを連結して保持する保持部材の熱膨張率αが、以下の式を満たすことを特徴とする。
5×10-5≦α≦8×10-5 (1)
【0009】
本発明者は鋭意研究の結果、温度変化に起因したピントズレを補正するために、アクチュエータ等を用いることなくカップリングレンズを光軸方向に変位させて光学系の結像倍率を変化させることで、カップリングレンズの回折パワーを補い、それにより高画質な画像を形成できるにもかかわらず、回折ピッチを大きくすることができ、もってカップリングレンズの成形性を向上させる工夫を思いついたのである。より具体的に説明すると、半導体レーザは一般的に温度変化により発振波長が変化するので、回折パワーの波長依存性によりカップリングレンズの焦点距離を変えることができる。これを利用してピントズレを補正する。回折構造は、波長変化時の効率低下を抑制するため1次回折光を用いることが好ましいが、レンズの製造容易性を確保するためには光路差付与構造の回折ピッチを広くする必要がある。カップリングレンズと走査光学系をプラスチック製とした場合における温度変化時のピントズレは比較的大きなものであるために、両要件を満たそうとすると、回折パワーが不十分となり補正不足を招くこととなる。
【0010】
一方、光源とカップリングレンズとを連結して保持する保持部材の熱膨張率αが、(1)式を満たすようにすれば、温度変化時に保持部材の熱膨張又は収縮によってカップリングレンズと光源の相対的間隔が変化するので、温度変化に起因したピントズレを一部補正することができる。そこで、上述の回折パワーの不足分を、熱膨張によるカップリングレンズの変位により補うことで、温度変化に起因したピントズレを適正に補正できるようにしたのである。かかる場合、温度変化時におけるカップリングレンズの変位量は、回折パワーの不足分とバランスさせることが肝要である。
【0011】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の発明において、前記光路差付与構造は、前記光路差付与構造を通過した前記光源からの光束の1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくすることを特徴とする。これにより光路差付与構造の回折ピッチを広くでき、成形性が向上する。
【0012】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の発明において、前記カップリングレンズの回折パワーをPDとし、前記カップリングレンズの全体のパワーをPとしたときに、以下の式を満たすことを特徴とする。
0.35≦PD/P≦0.53 (2)
【0013】
(2)式は、カップリングレンズと走査光学系をプラスチック製とした場合におけるピントズレを有効に補正する為の回折パワーを規定しており、(1)式との兼ね合いで、下限を下回ると回折パワーが足らず補正不足を招く恐れがあり、上限を上回ると回折パワーが強すぎて補正過剰を招く恐れがある。よって、(2)式を満たすのが好ましい。
【0014】
光源としては、特に半導体レーザが好ましい。画像形成装置の光学系は、fθレンズ等の走査光学系と、コリメータ等のカップリングレンズとを有している。カップリングレンズとは、走査光学系と光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。コリメータは、カップリングレンズの一種で、コリメータに入射した光を略平行光にして出射するレンズである。カップリングレンズと走査光学系はプラスチック製である。
【0015】
なお、本明細書でいう光路差付与構造とは、入射光束に対して光路差を付加する構造の総称である。光路差付与構造には、位相差を付与する位相差付与構造も含まれる。また、位相差付与構造には回折構造が含まれる。本発明の光路差付与構造は回折構造であることが好ましい。光路差付与構造は、段差を有し、好ましくは段差を複数有する。この段差により入射光束に光路差及び/又は位相差が付加される。光路差付与構造により付加される光路差は、入射光束の波長の整数倍であっても良いし、入射光束の波長の非整数倍であっても良い。段差は、光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。また、光路差付与構造を設けたカップリングレンズが単玉非球面レンズの場合、光軸からの高さによって光束のカップリングレンズへの入射角が異なるため、光路差付与構造の段差量は各輪帯毎に若干異なることとなる。例えば、カップリングレンズが単玉非球面の凸レンズである場合、同じ光路差を付与させる光路差付与構造であっても、一般的に光軸から離れる程、段差量が大きくなる傾向となる。
【0016】
また、本明細書でいう回折構造とは、段差を有し、回折によって光束を収束あるいは発散させる作用を持たせる構造の総称である。例えば、単位形状が光軸を中心として複数並ぶことによって構成されており、それぞれの単位形状に光束が入射し、透過した光の波面が、隣り合う輪帯毎にズレを起こし、その結果、新たな波面を形成することによって光を収束あるいは発散させるような構造を含むものである。回折構造は、好ましくは段差を複数有し、段差は光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。また、回折構造を設けたカップリングレンズが単玉非球面レンズの場合、光軸からの高さによって光束のカップリングレンズへの入射角が異なるため、回折構造の段差量は各輪帯毎に若干異なることとなる。例えば、カップリングレンズが単玉非球面の凸レンズである場合、同じ回折次数の回折光を発生させる回折構造であっても、一般的に光軸から離れる程、段差量が大きくなる傾向となる。
【0017】
ところで、光路差付与構造は、光軸を中心とする同心円状の複数の輪帯を有することが好ましい。また、光路差付与構造は、一般に、様々な断面形状(光軸を含む面での断面形状) をとり得、光軸を含む断面形状がブレーズ型構造と階段型構造とに大別される。
【0018】
ブレーズ型構造とは、図1(a)、(b)に示されるように、光路差付与構造を有する光学素子の光軸を含む断面形状が、鋸歯状の形状ということである。尚、図1の例においては、上方が光源側、下方が光ディスク側であって、母非球面としての平面に光路差付与構造が形成されているものとする。ブレーズ型構造において、1つのブレーズ単位の光軸垂直方向の長さをピッチPという。(図1(a)、(b)参照)また、ブレーズの光軸に平行方向の段差の長さを段差量Bという。(図1(a)参照)
【0019】
また、階段型構造とは、図1(c)、(d)に示されるように、光路差付与構造を有する光学素子の光軸を含む断面形状が、小階段状のもの(階段単位と称する)を複数有するということである。尚、本明細書中、「Vレベル」とは、階段型構造の1つの階段単位において光軸垂直方向に対応する(向いた)輪帯状の面(以下、テラス面と称することもある)が、段差によって区分けされV個の輪帯面毎に分割されていることをいい、特に3レベル以上の階段型構造は、小さい段差と大きい段差を有することになる。
【0020】
例えば、図1(c)に示す光路差付与構造を、5レベルの階段型構造といい、図1(d)に示す光路差付与構造を、2レベルの階段型構造(バイナリ構造ともいう)という。2レベルの階段型構造について、以下に説明する。光軸を中心とした同心円状の複数の輪帯を含み、対物レンズの光軸を含む複数の輪帯の断面の形状は、光軸に平行に延在する複数の段差面Pa、Pbと、隣接する段差面Pa、Pbの光源側端同士を連結する光源側テラス面Pcと、隣接する段差面Pa、Pbの光ディスク側端同士を連結する光ディスク側テラス面Pdとから形成され、光源側テラス面Pcと光ディスク側テラス面Pdとは、光軸に交差する方向に沿って交互に配置される。
【0021】
尚、光路差付与構造は、ある単位形状が周期的に繰り返されている構造であることが好ましい。 ここでいう「単位形状が周期的に繰り返されている」とは、同一の形状が同一の周期で繰り返されている形状は当然含む。さらに、周期の1単位となる単位形状が、規則性を持って、周期が徐々に長くなったり、徐々に短くなったりする形状も、「単位形状が周期的に繰り返されている」ものに含まれているとする。
【0022】
光路差付与構造が、ブレーズ型構造を有する場合、単位形状である鋸歯状の形状が繰り返された形状となる。図1(a)に示されるように、同一の鋸歯状形状が繰り返されてもよいし、図1(b)に示されるように、光軸から離れる方向に進むに従って、徐々に鋸歯状形状のピッチが長くなっていく形状、又は、ピッチが短くなっていく形状であってもよい。加えて、ある領域においては、ブレーズ型構造の段差が光軸(中心)側とは逆を向いている形状とし、他の領域においては、ブレーズ型構造の段差が光軸(中心)側を向いている形状とし、その間に、ブレーズ型構造の段差の向きを切り替えるために必要な遷移領域が設けられている形状としてもよい。なお、このようにブレーズ型構造の段差の向きを途中で切り替える構造にする場合、輪帯ピッチを広げることが可能となり、光路差付与構造の製造誤差による透過率低下を抑制できる。
【0023】
光路差付与構造が、階段型構造を有する場合、図1(c)で示されるような5レベルの階段単位が、繰り返されるような形状等があり得る。さらに、光軸から離れる方向に進むに従って、徐々に階段単位のピッチが長くなっていく形状や、徐々に階段単位のピッチが短くなっていく形状であってもよい。
【0024】
光源から出射して、カップリングレンズの光路差付与構造を通過した光束は、X次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくする。X=1であると好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、コストを削減しながらも、環境に関わらず高画質な画像を形成できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】光路差付与構造の例を示す拡大断面図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる画像形成装置であるレーザプリンタを示す斜視図である。
【図3】半導体レーザ12とコリメータ13を保持する保持部材123の光軸方向断面図である。
【図4】本実施例のコリメータの形状図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置であるレーザプリンタを示す斜視図である。レーザプリンタ10は、ハウジング11の中に、半導体レーザ12、コリメータ13,光束を反射する複数のミラーを備え、回転することによって反射光を感光体面上に主走査方向に走査する回転多面鏡15、fθレンズ16等の走査光学系が設置された構成となっている。コリメータ13と,fθレンズ16等の走査光学系は、プラスチックレンズである。
【0028】
図3は、半導体レーザ12とコリメータ13を保持する保持部材123の光軸方向断面図である。図3において、ハウジング11に取り付けられる筒状の保持部材123の左端には、半導体レーザ12が固定されており、一方、保持部材123の右端内周には、コリメータ13が固定されている。保持部材123は、熱膨張率αが以下の式を満たす素材から形成されている。
5×10-5≦α≦8×10-5 (1)
【0029】
コリメータ13の光源側の光学面には、回折構造13d(図3では誇張して描いている)が形成されている。コリメータ13の回折構造を通過した光束は、1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくするようになっている。よって、波長変動時の回折効率の低下が小さくなっている。
【0030】
コリメータ13の回折パワーをPDとし、コリメータ13の全体のパワーをPとしたときに、以下の式を満たす。
0.35≦PD/P≦0.53 (2)
【0031】
図2を参照してレーザプリンタ10の動作を説明すると、半導体レーザ12から射出した波長780nm(波長600〜850nmの波長の光束を任意に用いることができる)のレーザビームLは、コリメートレンズ13により1次回折光として略平行光として出射され、第1結像光学系の第1シリンドリカルレンズ14を透過して高速で回転する回転多面鏡15に入射する。回転多面鏡15で反射したレーザビームLは、fθレンズ16、第2シリンドリカルレンズ17から成る第2結像光学系(走査光学系)を透過して反射ミラー18に入射し、回転する感光体ドラム1に所定のスポット径で照射されると共に、回転多面鏡15の回転変位に応じて主走査方向に走査される。感光体ドラム1外周の感光面への画像情報の書込は、レーザビームLをインデックスセンサ19で検知することにより、所定のタイミングで実行される。
【0032】
このようにレーザプリンタ10によりレーザビームLが照射されることにより、感光体ドラム1の感光面には潜像画像が書き込まれることとなる。なお、本実施形態では感光体ドラム1にレーザビームLを照射しているが、被照射体は感光体ドラムに限られず、感光体フィルム等の他の被照射体であってもよい。
【0033】
ここで、環境温度が上昇した場合、(1)式を満たす保持部材123の熱膨張によってコリメータ13は半導体レーザ12から相対的に遠ざかるように変位するので、光学系の結像倍率が変化する。又、温度上昇により半導体レーザ12の発振波長が長波長側にシフトするので、回折構造13dの回折パワーが増大するように変化する。これらの相乗効果により、環境温度が上昇時にも、有効にピントズレを抑制できる。尚、環境温度が降下した場合、以上とは逆に作用するから、同様にピントズレを抑制できる。
【0034】
第2シリンドリカルレンズ17はトロイダル面や自由曲面を用いてもよいが、ここではこれらを総称して「シリンドリカルレンズ」と呼んでいる。
【0035】
レーザプリンタ10として、図1に示すような構成をとった場合、第2シリンドリカルレンズ17は、短手方向に凹の形状であるため、短手方向すなわち副走査方向の集光力を得るために、少なくともfθレンズ16または反射ミラー18のいずれかに、副走査方向に正の屈折力を負荷する必要がある。
【0036】
(実施例)
以下、上述した実施の形態に用いることができる実施例について説明する。尚、これ以降(表のレンズデータ含む)において、10のべき乗数(例えば、2.5×10-3)を、E(例えば、2.5×E−3)を用いて表す場合がある。また、対物レンズの光学面は、それぞれ数1式に表に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0037】
【数1】

【0038】
ここで、X(h)は光軸方向の軸(光の進行方向を正とする)、κは円錐係数、Aiは非球面係数、hは光軸からの高さ、rは近軸曲率半径である。
【0039】
また、回折構造を用いた実施例の場合、その回折構造により各波長の光束に対して与えられる光路差は、数2式の光路差関数に、表に示す係数を代入した数式で規定される。
【0040】
[数2]
Φ=λB・C12
【0041】
尚、hは光軸からの高さ、λBはブレーズ化波長(回折効率が最も高くなる波長)、C1は光路差関数の係数である。
【0042】
本実施例のカップリングレンズ(コリメータ)はプラスチック単玉レンズである。プラスチックとしては、環状ポリオレフィンを用いている。光源からカバーガラスを通って光束がコリメータに入射すると、コリメータは1次回折光を他の次数の回折光よりも最も多く発生させ、当該1次回折光が平行光としてコリメータから出射する。表1に本実施例のレンズデータを示す。
【0043】
【表1】

【0044】
更に、本実施例のコリメータの形状図を図4に示す。各部寸法の単位はmmである。尚、図4に記載されている「マーク」とは、製造した金型がどの金型かを示す略半球状の凸状マークである。マークの直径は60μmであり、マークの高さは20μmである。
【符号の説明】
【0045】
1 感光体ドラム
10 レーザプリンタ
11 ハウジング
12 半導体レーザ
13 コリメータ
13d 回折構造
14 第1シリンドリカルレンズ
15 回転多面鏡
16 fθレンズ
17 第2シリンドリカルレンズ
18 反射ミラー
19 インデックスセンサ
123 保持部材
L レーザビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源からの光束を反射する複数のミラーを備え、回転することによって反射光を感光体面上に主走査方向に走査する回転多面鏡と、前記光源及び前記回転多面鏡間に配置されたカップリングレンズと、前記回転多面鏡及び前記感光体面間に配置され光束を前記感光体面上に集光させる走査レンズ系とを有する光走査形画像形成装置において、
前記カップリングレンズと前記走査光学系はプラスチック製であり、
前記カップリングレンズの1つの光学面にのみ光路差付与構造が形成されており、
前記光源と前記カップリングレンズとを連結して保持する保持部材の熱膨張率αが、以下の式を満たすことを特徴とする画像形成装置。
5×10-5≦α≦8×10-5 (1)
【請求項2】
前記光路差付与構造は、前記光源からの光束が前記光路差付与構造を通過した際に発生する1次の回折光量を他のいかなる次数の回折光量よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カップリングレンズの回折パワーをPDとし、前記カップリングレンズの全体のパワーをPとしたときに、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
0.35≦PD/P≦0.53 (2)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−155276(P2012−155276A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16604(P2011−16604)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】