説明

画像形成装置

【課題】全ての回収トナーを現像手段に戻す完全クリーナーレスシステムを採用した画像形成装置にて、最下流に位置するブラックの画像形成ユニットのみに回収トナーを移動させる画像形成装置を提供する。
【解決手段】通常の画像形成時において、第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段31、32のいずれか一方に正極性、もう一方に負極性の電圧を印加し、転写残トナー現像回収シーケンスにおいて、先ず、第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段31、32の両方に正規トナーと同極性の電圧を印加し、次いで、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと逆極性の電圧を印加し、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以上の電圧を印加し、その後、中間転写体5からブラックの画像形成ユニットPdの像担持体2dに二次転写残トナーを回収し、更に現像手段4dで回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。詳しくは、本発明は、複数色のトナー像を中間転写体上に重ね合わせて形成し、そのトナー像を記録材に一括転写してフルカラー画像を得ると共に、中間転写体上に残留したトナーを現像手段に回収する回収シーケンスを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真装置等の画像形成装置は、小型化、高機能化、カラー化が進められてきている。他方ではメンテナンスフリー、省エネルギー、静粛性などのユーザー視点での改善への要求が高まっており、それらの欲求を充たすべく様々な画像出力装置が提案されてきている。
【0003】
特に、装置の小型化、回収トナーレスによるエコロジー対応などのため、トナー像転写後に発生する残留トナーを回収するクリーニング機構を無くし、現像手段で転写残トナーを回収する画像形成装置が提案されている(特許文献1)。即ち、「現像同時クリーニング機構」または「感光体クリーナーレスシステム」を採用した画像形成装置である。
【0004】
感光体クリーナーレスシステムの基本的な仕組みは、転写部から現像部へ感光体上の転写残トナーを移行させ、次いで、感光体上の転写残トナーを現像手段に回収する。つまり、現像手段のトナー担持体(現像ローラなど)において感光体の非露光部の表面電位と、現像手段に印加される電位の電位差(カブリ取り電位)で感光体上の転写残トナーを現像手段に回収する。
【0005】
これによれば、感光体に専用のクリーニング装置がなくとも、転写残トナーは現像手段にて回収されて次工程以降の現像に用いられるため、回収トナーをなくすことが可能になる。また専用の感光体クリーニング装置が不必要になるため、回収トナーを保持、または搬送するための搬送装置の空間を節約できるため、カートリッジや装置全体を小型化することが可能になる。
【0006】
また、より進んだクリーナーレスシステムとして、感光体に加えて中間転写体のクリーニング装置を省き、全ての回収トナーを現像手段に戻す完全クリーナーレスシステムの電子写真装置も提案されている(特許文献2)。
【0007】
これによれば、中間転写体上に残留したトナーに対して現像手段により現像されるときとは逆極性の帯電を有するように帯電を施す転写残トナー帯電手段を、二次転写手段よりも中間転写体の移動方向下流側であって一次転写手段よりも上流側に配設する。そして、二次転写残トナーの極性を逆極性にした後、逆極性トナーを一次転写部まで輸送し、感光体へ逆転写して現像手段で回収する。これにより、感光体及び中間転写体のクリーニング装置を省くことで、装置の小型化のみならず、感光体及び中間転写体の駆動トルクの低減にともなうモーターの低電力化及び小型化を達成することができるとしている。更に、回収トナーの発生によるユーザーメンテナンスを不要にすることが可能になると説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭64−20587号公報
【特許文献2】特開2001−117424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記構成のような二次転写残トナーの極性を正規トナーと逆極性にした後、逆極性トナーを一次転写部まで輸送し、感光体へ逆転写して現像手段で回収する構成においては、幾つかの課題が存在する。
【0010】
先ず、第1に、記録材に転写されずに中間転写ベルト上に残留する二次転写残トナーは、二次転写バイアスによって逆極性の放電を受けている。そのため、正規の帯電極性のトナー(以下、「正規トナー」という。)と、逆極性のトナー(以下、「逆極性トナー」という。)が混ざったものになっている。しかし、このような二次転写残トナーに対して、一律に正規トナーの帯電極性の放電を行って再帯電すると、逆極性であったトナーは、正規の極性に再帯電されるものの、元々正規の帯電極性であったトナーは過剰に電荷量を保持することになる。感光体への電界吸着力が強くなり過ぎて中間転写ベルト5から引き剥がしづらくなって現像手段で回収するのが困難になったりする。また、現像手段に回収できたとしても、通常のトナーに比べて高い電荷量により現像特性が変化して、カブリやハーフトーン均一性などの画像性に影響を与えるなどの問題があった。
【0011】
第2の課題として、逆極性トナーを感光体上に回収したとしても、感光体クリーニング装置があるシステムにおいては問題は無い。しかし、感光体クリーナーレスシステムにおいては現像手段で回収しようにも画像形成時の印加バイアスでは電位的に反発してうまく回収できないことがある。即ち、回収しようとして逆極性トナーを引き付けるバイアスを印加した場合、現像手段から正規トナーが感光体上に現像されることとなり、現像手段の本来の機能を損なうことになる。
【0012】
そのため、感光体上に逆転写された逆極性トナーを正規トナーの極性に再反転させ、現像手段で回収できる状態にする手段が必要となる。具体的には、正規トナーと同極性の放電バイアスを印加することにより可能となるが、画像形成装置の帯電手段そのもので行うと、逆極性トナーが帯電装置に付着する可能性がある。そのため、帯電器汚れの原因となって画像欠陥を発生させてしまう恐れがあり、基本的には好ましくない。
【0013】
この対策として、トナーを再帯電する手段を感光体の帯電手段とは別に持つ方法もあるが、これは帯電器とは別に各色ステーション毎に新たな帯電装置及びその電源を必要とすることになる。その結果、クリーナーレスシステムの本来の目的の一つである、装置の小型化やコスト低減に反する事となり、同様に好ましくない。
【0014】
第3の課題として、次のものがある。即ち、上記構成のような二次転写残トナーの極性を逆極性にした後、逆極性トナーを一次転写部まで輸送し、感光体へ逆転写し現像手段する構成においては、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックが混ざった回収トナーを現像手段で回収する。そのため、混色の目立ち難いブラックトナーの現像手段で回収するのが最も画像性を維持するためには望ましく、そのためにはブラックトナーのステーションが最上流位置でなければならない。しかし一方で、ブラックのステーションが最上流位置の場合、その下流のイエロー、マゼンダ、シアンのステーションに再転写トナーが発生する可能性が高くなる。一般的なクリーニング装置のある画像形成装置においては、再転写トナーはクリーニング手段で回収されるのみであるため問題にはならない。しかし、感光体クリーナーレスシステムにおいては、ブラックトナーの再転写トナーが最終的にイエロー、マゼンダ、シアンの現像手段に混入する可能性がある。従って、ブラックステーションを最上流にすることで二次転写残トナーの混色を防止する一方で一次再転写による混色を発生させる可能性があるため、クリーナーレスシステムにおける画像劣化の防止策として完全ではないことが分かる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、全ての回収トナーを現像手段に戻す完全クリーナーレスシステムを採用した画像形成装置にて、最下流に位置するブラックの画像形成ユニットのみに回収トナーを移動させる画像形成装置を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、二次転写残トナーを帯電器汚れ等の諸問題を発生させずに適切にブラックトナーの現像器に回収することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の第一の態様によれば、像担持体にトナー像を形成する現像手段を備えた、少なくともブラックの画像形成ユニットを含む複数の画像形成ユニットと、
前記複数の画像形成ユニットにて形成された前記像担持体のトナー像を、一次転写部にて、循環移動する中間転写体に順次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体から記録材にトナー像を転写する二次転写手段と、
を備え、前記ブラックの画像形成ユニットの一次転写部が他の画像形成ユニットの一次転写部よりも前記中間転写体の移動方向にて最も下流側に配置された画像形成装置において、
前記二次転写手段よりも前記中間転写体の移動方向下流側であって、前記中間転写体の移動方向にて最も上流側に位置した前記画像形成ユニットの前記一次転写部よりも上流側に配置され、二次転写残トナーを一次的に保持することができる、前記中間転写体の移動方向上流側の第1の二次転写残トナー帯電手段と下流側の第2の二次転写残トナー帯電手段を具備し、
通常の画像形成時とは別の非画像形成時に前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段に保持した二次転写残トナーを前記中間転写体に移動させる転写残トナー現像回収シーケンスを有し、
通常の画像形成時において、前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段のいずれか一方に正極性、もう一方に負極性の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第1のステップにおいて、前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段の両方に正規トナーと同極性の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第2のステップにおいて、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと逆極性の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以上の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第3のステップにおいて、前記ブラックの画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を正規トナーに対して同極性、それ以外の画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を逆極性とし、
前記中間転写体から前記像担持体に二次転写残トナーを回収し、更に前記ブラックの画像形成ユニットの現像手段で回収することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0018】
本発明の第二の態様によれば、像担持体にトナー像を形成する現像手段を備えた、少なくともブラックの画像形成ユニットを含む複数の画像形成ユニットと、
前記複数の画像形成ユニットにて形成された前記像担持体のトナー像を、一次転写部にて、循環移動する中間転写体に順次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体から記録材にトナー像を転写する二次転写手段と、
を備え、前記ブラックの画像形成ユニットの一次転写部が他の画像形成ユニットの一次転写部よりも前記中間転写体の移動方向にて最も下流側に配置された画像形成装置において、
前記二次転写手段よりも前記中間転写体の移動方向下流側であって、前記中間転写体の移動方向にて最も上流側に位置した前記画像形成ユニットの前記一次転写部よりも上流側に配置され、二次転写残トナーを一次的に保持することができる、前記中間転写体の移動方向上流側の第1の二次転写残トナー帯電手段と下流側の第2の二次転写残トナー帯電手段を具備し、
通常の画像形成時とは別の非画像形成時に前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段に保持した二次転写残トナーを前記中間転写体に移動させる転写残トナー現像回収シーケンスを有し、
前記通常の画像形成時において、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第1のステップにおいて、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第2のステップにおいて、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以上の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第3のステップにおいて、前記ブラックの画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を正規トナーに対して同極性、それ以外の画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を逆極性とし、
前記中間転写体から前記像担持体に二次転写残トナーを回収し、更に前記ブラックの画像形成ユニットの現像手段で回収することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、全ての回収トナーを現像手段に戻す完全クリーナーレスシステムを採用した画像形成装置にて、二次転写残トナーを適切な電荷量を保持する正規の極性に帯電させ、最下流に位置するブラックの画像形成ユニットのみに回収トナーを移動させる。これにより、二次転写残トナーを帯電器汚れ等の諸問題を発生させずに適切にブラックトナーの現像器に回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成断面図である。
【図2】画像形成装置の動作を説明した一実施例のタイミングチャートである。
【図3】画像形成装置の動作を説明した他の実施例のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0022】
実施例1
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成断面図である。次に、図1に示す本実施例にて、画像形成装置100は、電子写真方式の多色画像形成装置とされる。
【0023】
(画像形成装置の全体構成)
本実施例にて画像形成装置100は、図1に示すように、複数の画像形成ステーション、即ち、画像形成ユニットP(Pa〜Pd)と、各画像形成ユニットPと一次転写部21(21a〜21d)で接するベルト状の中間転写体5と、を備えている。中間転写体5は、ベルト状の中間転写ベルトとされ、3本のローラ7、8、9に張設されて矢印方向に循環移動し、各画像形成ユニットで形成された像担持体上のトナー像が一次転写部21にて順次転写される。本実施例では、4つとされる画像形成ユニットPは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニットPa、Pb、Pc、Pdから成り、ブラックの画像形成ユニットPdが、中間転写ベルト5の移動方向にて最も下流側に配置されている。
【0024】
更に、画像形成装置100は、中間転写体5と記録材Sが接する位置に存在する二次転写部11と、二次転写部11と中間転写体移動方向最上流の一次転写部21aとの間に位置する二次転写残トナー帯電手段31、32と、を備えている。以下、各装置及び手段の説明を行う。
【0025】
(コントローラと電源)
画像形成装置全体の動作は全てコントローラ(制御手段)22が制御を行っており、コントローラ22は電源20と電気的に接続して制御している。特に説明しない場合、本実施例の画像形成装の帯電手段2(2a〜2d)、現像手段4(4a〜4d)、一次転写手段21(21a〜21d)等の高圧電力を必要とする装置は、電源20により高圧電力を印加されているものとする。
【0026】
(像担持体)
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成ユニットP(Pa、Pb、Pc、Pd)は、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体(以下、「感光体ドラム」という。)1(1a、1b、1c、1d)を備えている。本実施例では、感光体ドラム1は、直径30mm、長さ300mmのOPC(有機光導電体)感光体であり、100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって矢印の反時計回り方向に回転駆動される。
【0027】
(帯電手段)
帯電手段2(2a、2b、2c、2d)は、本実施例ではコロトロンタイプのコロナ帯電器を用いている。このコロナ帯電器2により感光体ドラム表面を画像形成中に−700Vに略一様に帯電させる。
【0028】
(露光手段)
画像露光手段3(3a、3b、3c、3d)は、本実施例では光路長を必要とせず装置の小型化に有利な固体スキャナーとしてLEDアレイを用いた。このLEDアレイ3a、3b、3c、3dの個々のLEDが不図示の画像読取装置から入力した原稿画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して明滅(ON/OFF)制御される。これにより、回転する感光体ドラム1a、1b、1c、1dの帯電処理面に対して画像露光がなされ、感光体ドラム1a、1b、1c、1d面の露光明部の表面電位が減衰して静電潜像が形成される。
【0029】
(現像手段)
現像手段4(4a、4b、4c、4d)は、本実施例では一成分接触現式像装置を用いており、不図示の電源から現像バイアスを印加して画像形成を行う。イエロー用の画像形成ユニットPaにおける現像手段4aにはイエロートナーを収容させてあり、感光体ドラム1a面に形成されたイエロー画像に対応の静電潜像をイエロー画像として反転現像する。同様に、画像形成ユニットPbにおける現像手段4bにはマゼンタトナーを収納し、画像形成ユニットPcにおける現像手段4cにはシアントナーを収納し、画像形成ユニットPdにおける現像手段4dにはブラックトナーを収納している。各現像手段4b、4c、4dは、イエロートナーの現像手段4aの場合と同様の方法で現像を行う。
【0030】
(トナー)
本実施例に用いたトナーは、例えば懸濁重合法で製造された粒径が5〜7μmの実質的球形である非磁性微粒径重合トナーである。一般的には、トナーの形状が球形に近づくと、転写効率が高くなる。これは、個々のトナーの表面エネルギーが小さくなって、流動性が高まり、感光体ドラムなどに対する吸着力(鏡映力)が弱まって、転写電界の影響が受けやすくなるためと考えられている。
【0031】
本実施例ではトナーのコアにエステル系ワックスを内包し、樹脂層にスチレン−ブチルアクリレート、表層にスチレン−ポリエステルという構成の重合トナーを用いた。3層構成となっている理由は、コアにワックスを内包することで、定着工程でのオフセット防止効果が得られ、また表層に樹脂層を設けることによって帯電効率のアップを図っているためである。その他、電荷保持の安定性や流動性の向上のため、シリカや酸化チタン等を外添している。
【0032】
尚、本実施例で使用した、上記トナーの単位質量当たりの電荷保持量(Q/M)はおよそ−30mC/kgである(Q:電荷量、M:質量)。
【0033】
(中間転写体)
中間転写体としてのエンドレスベルトである中間転写ベルト5は、各画像形成ユニットP(Pa、Pb、Pc、Pd)の下側において、各画像形成ユニットPの感光体ドラム1a、1b、1c、1dの下面間に配設されている。中間転写ベルト5は、駆動ローラ7、二次転写対向ローラ8、従動ローラ9の3本のローラに懸回張設してあり、図1の矢印A方向に感光体ドラム1a、1b、1c、1dと略同じ周速度で回転駆動され、循環移動する。
【0034】
中間転写ベルト5は、例えば、素材としてポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂等に対して、導電性のカーボン粒子や金属粉等を分散混合させたものが用いられる。
【0035】
(一次転写手段)
一次転写手段6を構成する一次転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)は、それぞれ中間転写ベルト5の内側に配設した第1から第4の4つのローラによって構成されている。
【0036】
第1の一次転写ローラ6aは、イエロー用の画像形成ユニットPaの感光体ドラム1aの下面に中間転写ベルト5の上行側ベルト部分を挟んで当接して一次転写部21aを形成している。同様に、第2、第3、第4の一次転写ローラ6b、6c、6dは、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニットPb,Pc、Pdの感光体ドラム1b、1c、1dの下面に中間転写ベルト5を挟んで当接して一次転写部21b、21c、21dを形成している。
【0037】
各一次転写ローラ6a、6b、6c、6dには、それぞれ不図示の転写バイアス電源からトナーとは逆極性の転写バイアスが画像形成中に印加される。これにより、感光体ドラム1a、1b、1c、1d面側のトナー画像が一次転写部21a、21b、21c、21dにおいて中間転写ベルト5の上行側ベルト面に静電的に順次転写される。
【0038】
(二次転写手段及び給紙部、定着部)
二次転写手段である二次転写ローラ10は、中間転写ベルト5を挟んで二次転写対向ローラ8に当接して二次転写部11を形成しており、画像形成時にトナーとは逆極性の転写バイアスが電源20より印加される。中間転写ベルト5の回動により中間転写ベルト面に形成されたフルカラー画像の先端部が二次転写部11に到達したとき、不図示の記録材搬送手段から記録材Sが二次転写部11に給送される。そして、二次転写部11において中間転写ベルト5面側のフルカラー画像が該給送記録材Sに対して一括転写される。二次転写部11を出た記録材Sは中間転写ベルト5面から分離されて、定着ユニット16に導入される。それにより画像の熱定着を受け、画像形成物として装置外に排紙される。
【0039】
(中間転写体上の二次転写残トナーの回収システム)
次に、本発明の特徴である、トナー像を記録材Sに転写した後に中間転写ベルト5上に残留する二次転写残トナーの回収システムとそのメカニズムに関して説明する。
【0040】
本実施例においては、中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーを、画像形成時には一次的に保持する一次保持手段として機能する第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段31、32が配置される。詳しくは後述するように、第2の二次転写残トナー帯電手段32が中間転写ベルト5の移動方向で下流側に配置される。二次転写残トナーは、画像形成中は、第1、第2の二次転写残トナー帯電手段31、32により、正規の極性のトナー(正規トナー)と逆極性のトナー(逆極性トナー)とを別々に分離して保持される。そして、非画像形成時にトナーの極性を全て正規の極性に揃え、そして、中間転写ベルト5上に載せて一次転写手段6dまで移動させ、感光体ドラム1dに逆転写し、ブラックトナーの現像手段4dで回収する。
【0041】
そのために、第1の二次転写残トナー帯電手段31及び第2の転写残トナー帯電手段32は、二次転写ローラ10よりも中間転写ベルト5の回転移動方向下流側とされる。更に、第2の二次転写残トナー帯電手段32は、中間転写ベルト5の移動方向で最も上流側に位置した画像形成ユニットPaの一次転写ローラ6a(即ち、一次転写部21a)よりも中間転写ベルト5の回転移動方向上流側に配設されている。即ち、第1の二次転写残トナー帯電手段31が中間転写ベルト移動方向上流側、第2の二次転写残トナー帯電手段32が中間転写ベルト移動方向下流側に配置されている。
【0042】
この第1、第2の二次転写残トナー帯電手段31、32は、アクリルスポンジからなる低抵抗スポンジ層と、アクリルウレタンからなる抵抗層、フッ素樹脂からなる表面離型層の3層構造を有している帯電ローラである。体積抵抗率は、抵抗層で107〜1011Ω・m表面離型層で1014〜1018Ω・mである。また、中間転写ベルト5に対して総圧980〜2940mN(100〜300gf)で当接させられていて、中間転写ベルト5の回転方向に対して従動方向に接触回転する。この二次転写残トナー帯電手段31、32の当接圧は、従来のクリーニングブレードを直接中間転写ベルト5に当接させてクリーニングしていた場合に必要であった当接圧の1/3〜1/20である。
【0043】
また、二次転写残トナー帯電手段31、32は、高電圧を印加するための高圧電源20と電気的に接続しており、この高圧電源20からは二次転写残トナー帯電手段31、32に別々の電圧が印加可能になっている。その電圧は、本実施例では約−3kV〜+3kVまで1V刻みで印加可能である。また、電源20は第1の二次転写残トナー帯電手段31に流れる電流値Ic1、第2の二次転写残トナー帯電手段32に流れる電流値Ic2を検知しており、その検知値はコントローラ22に送られている。
【0044】
ここで、記録材Sに転写されずに中間転写ベルト5上に残留する二次転写残トナーは、二次転写バイアスによって逆極性の放電を受けているため、正規の帯電極性のトナー(正規トナー)と、逆極性のトナー(逆極性トナー)が混ざったものになっている。
【0045】
このような二次転写残トナーに対して、一律に正規トナーの帯電極性の放電を行って再帯電すると、逆極性であったトナーは正規の極性に再帯電されるものの、元々正規の帯電極性であったトナーは過剰に電荷量を保持することになる。そのため、電界吸着力が強くなり過ぎて、逆転写により中間転写ベルト5から感光体ドラム1へと引き剥がすのが難しくなって現像手段で回収するのが難しくなる。また、現像手段に回収できたとしても、通常のトナーに比べて高い電荷量により現像特性が変化して、カブリやハーフトーン均一性などの画像性に影響を与えるなどの問題があった。
【0046】
そこで、本実施例においては、通常の画像形成時において、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと同極性の電圧を印加し、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと逆極性の電圧を印加する。これにより、逆極性のトナーは、第1の二次転残トナー帯電手段31で電界保持を行い、そして、正規の極性のトナーは、第2の二次転写残トナー帯電手段32で電界保持を行い、極性の異なるトナーを別々に電界保持する。そして、非画像形成時において、逆極性のトナーのみ正規の極性に反転させ、過剰な電荷を保持する正規極性トナーを発生させることなく、全ての二次転写残トナーを正規の極性に揃える。従って、現像手段に戻しても画像異常の発生しないクリーナーレスシステムを提供することが可能になる。
【0047】
以下、本実施例における転写残トナー現像回収シーケンスを図2のタイミングチャートを用いて説明する。
【0048】
図2のタイミングチャートの見方であるが、時間は左から右方向に流れており、信号やバイアスが印加される場合、上下に線が移動する。バイアス印加の場合、上側の移動はマイナスの電圧印加を、下側の移動は+の電圧印加を示しており、電圧の高さが複数段階ある場合は、高さ方向の移動も複数段階ある(バイアス値は線の移動部に表記している)。
【0049】
図2では2枚の画像を出力し、その後に二次転写残トナーの回収シーケンスを行う場合のシーケンスをタイミングチャートで表現している。更に説明を容易にするため、ステップS1からステップS5の5つの処理段階に時間で分け、各処理動作がどの段階と同期しているかを点線で表現している。ここで点線が斜めに表示されているのは、画像を形成する際の各装置の処理が画像の移動時間分だけずれているためである。例えばS1の処理は各装置毎に実際の処理時間は基準時間からずれているが、S1に含まれる動作は、S1で形成された画像が到達した時に処理を行うと言う意味では全て同じタイミングで動作することを意味している。
【0050】
また、本実施例の画像形成装置はフルカラーであるため、実際にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色分の画像形成のタイミングを表示すべきであるが、前述の通り装置の基準時間からの動作時間が異なるために、一つの図で表せる画像形成ユニットの数に限りがあるため、便宜上、ブラックの画像形成装置の動作タイミングのみ図示している。
【0051】
最初に、S1以前の不図示のタイミングでイエロー、マゼンタ、シアンの画像形成が順次行われ、S1以降にブラックの画像形成ユニットPdの動作が開始し、次にブラックの画像形成が以下の順序で開始する。
【0052】
(S1):先ず、S1からS5まで、帯電器2dにより感光体ドラム1dに継続して帯電処理が施される。
【0053】
(S2):次に、画像形成タイミングであるS2において露光手段3dにより感光体ドラム1d上に潜像が形成され、現像手段4dによりブラックトナーが現像されてブラックトナー像が感光体ドラム1d上に形成される。ブラックトナー像は、中間転写ベルト5上に転写されたイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー像と同様に、一次転写ローラ6dに印加された正規トナーと逆極性のバイアスにより中間転写ベルト5に転写される。その後、中間転写ベルト5の移動と共に二次転写部11まで移動する。そして、二次転写部11において中間転写ベルト5面側のフルカラー画像が給送記録材Sに対して正規トナーと逆極性のバイアスにより一括転写される。そして、S2において上流側の第1の二次転写残トナー帯電手段31に電源20より正規トナーと同極性のバイアス(−400V)(放電開始電圧以下)が印加される。また、下流側の第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと逆極性のバイアス(+400V)(放電開始電圧以下)が印加される。そのため、上記の二次転写部11で転写できなかった中間転写ベルト5上の二次転写残トナーのうち、正規トナーと逆極性のトナーは、上流側の第1の二次転写残トナー帯電手段31にトラップ(即ち、一次的に保持)される。そして、正規トナーと同極性のトナーは、下流側の第2の二次転写残トナー帯電手段32にトラップされる。
【0054】
(S3):S3以降は非画像形成処理中の作業である。S3において、第1の二次転写残トナー帯電手段31に印加されているバイアス(−400V)はそのまま維持され、第2の二次転写残トナー帯電手段32に印加されているバイアスが正規トナーの逆極性から同極性に変わる(+400V→−400V)。これにより、第2の二次転写残トナー帯電手段32にトラップされていた正規トナーと同極性のトナーが中間転写ベルト5上に吐き出される。吐き出されたトナーは、中間転写ベルト5により搬送される。ここで、イエロー、マゼンタ、シアンの各画像形成ユニットPa、Pb、Pcの一次転写部21a、21b、21cには正規トナーと逆極性のバイアスが印加され、それによって、上記3つの感光体ドラム1a、1b、1cには逆転写されることはない。
【0055】
(S4):S4において、第1の二次転写残トナー帯電手段31に印加されているバイアスが正規トナーと同極性から逆極性に変化し(−400V→+400V)、トラップされていた逆極性トナーが中間転写ベルト5上に吐き出される。第2の二次転写残トナー帯電手段32に印加されているバイアスは、放電開始電圧以下の−400Vから−1000Vに変化することで放電開始電圧以上となり、中間転写ベルト5上を正規トナーと同極性に帯電する。ここで、電源20を介してコントローラ22により制御される第2の二次転写残トナー帯電手段32に印加されるバイアスが放電開始電圧以上であるかどうかは、第2の二次転写残トナー帯電手段32に流れる電流値Ic2がノイズレベル以上のある一定値(例えば0.001mA)を超えることで判断可能である。本実施例においては電圧−1000Vの時、約0.02mAの電流が流れるよう設定されている。
【0056】
第1の二次転写残トナー帯電手段31から吐き出された逆極性トナーは中間転写体5の移動に伴い第2の二次転写残トナー帯電手段32に到達し、前述の−1000Vの放電により正規トナーと同極性側に帯電される。
【0057】
(S5):S3で第2の二次転写残トナー帯電手段32から吐き出されたトナーと、S4で第1の二次転写残トナー帯電手段31から吐き出されたトナーは、中間転写ベルト5により搬送される。そして、イエロー、マゼンタ、シアンの各画像形成ユニットPa、Pb、Pcの一次転写部21a、21b、21cに印加された正規トナーと逆極性のバイアスにより逆転写されること無くブラックの画像形成ユニットPdまで到達する。ブラックの画像形成ユニットPdにて、ブラックの一次転写ローラ6dに印加された正規トナーと同極性のバイアスにより感光体ドラム1d上に逆転写される。次いで、ブラックの現像器4dに印加されている現像バイアスで取り込まれ、二次転写残トナーの回収シーケンスが終了する。
【0058】
以上説明したように、本発明は、感光体及び中間転写体のクリーニング装置を省き、全ての回収トナーを現像手段に戻す完全クリーナーレスシステムを採用した画像形成装置とされる。本発明によれば、斯かる画像形成装置にて、二次転写残トナーを適切な電荷量を保持する正規の極性に帯電させ、再転写の発生しない最下流に位置するブラックステーション(即ち、ブラックの画像形成ユニット)のみに回収トナーを移動させる。これにより、帯電器汚れ等の諸問題を発生させずに適切にブラックトナーの現像器に回収することが可能となる。
【0059】
実施例2
実施例1では、通常の画像形成時において、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加した。
【0060】
次いで、図2に示すように、転写残トナー現像回収シーケンスの第1のステップ(S3)及び第2ステップ(S4)を実行した。
【0061】
つまり、実施例1では、第1ステップにおいて、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加した。また、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加した。第2のステップでは、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以上の電圧を印加した。
【0062】
上記ステップにて中間転写ベルト5に移動した二次転写残トナーをブラックの画像形成ユニットPdの現像手段4dで回収する構成とされた。
【0063】
しかしながら、本発明によれば、通常の画像形成時においては、第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段31、32のいずれか一方に正極性、もう一方に負極性の電圧を印加することができる。
【0064】
本実施例では、図3に示すように、通常の画像形成時において、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加した。
【0065】
その後の転写残トナー現像回収シーケンスは、実施例1と同様の第1のステップ(S3)及び第2ステップ(S4)を実行することができる。
【0066】
つまり、本実施例2では、通常の画像形成時において、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧(+400V)を印加し、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧(−400V)を印加した。
【0067】
転写残トナー現像回収シーケンスの第1のステップにおいて、第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段31、32の両方に正規トナーと同極性の電圧(−400V)を印加した。これにより、第1の二次転写帯電手段31に保持された正規トナーと同極性のトナーが中間転写ベルト5へと移動する。
【0068】
次いで、転写残トナー現像回収シーケンスの第2のステップにおいて、第1の二次転写残トナー帯電手段31に正規トナーと逆極性の電圧(+400V)を印加し、第2の二次転写残トナー帯電手段32に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以上の電圧(−1000V)を印加した。これにより、第2の二次転写残トナー帯電手段32に保持された、正規トナーと逆極性のトナーは、正規トナーと同極性、即ち、負極性に帯電され、その結果、第2の二次転写残トナー帯電手段32から中間転写ベルト5へと放出される。
【0069】
本実施例においても、実施例1と同様に、転写残トナー現像回収シーケンスの第3のステップとして、ブラックの画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を正規トナーに対して同極性、それ以外の画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を逆極性とする。そして、中間転写ベルト5から、ブラックの画像形成ユニットPdの感光体ドラム1dに二次転写残トナーを回収し、更にブラックの画像形成ユニットPdの現像手段4dで回収する。
【0070】
本実施例においても、実施例1と同様の作用効果を達成し得る。
【符号の説明】
【0071】
1 感光体ドラム
2 帯電器
3 露光手段
4 現像装置
5 中間転写ベルト
6 一次転写ローラ
10 二次転写ローラ
20 電源
22 コントローラ
31 第1の二次転写残トナー帯電手段
32 第2の二次転写残トナー帯電手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体にトナー像を形成する現像手段を備えた、少なくともブラックの画像形成ユニットを含む複数の画像形成ユニットと、
前記複数の画像形成ユニットにて形成された前記像担持体のトナー像を、一次転写部にて、循環移動する中間転写体に順次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体から記録材にトナー像を転写する二次転写手段と、
を備え、前記ブラックの画像形成ユニットの一次転写部が他の画像形成ユニットの一次転写部よりも前記中間転写体の移動方向にて最も下流側に配置された画像形成装置において、
前記二次転写手段よりも前記中間転写体の移動方向下流側であって、前記中間転写体の移動方向にて最も上流側に位置した前記画像形成ユニットの前記一次転写部よりも上流側に配置され、二次転写残トナーを一次的に保持することができる、前記中間転写体の移動方向上流側の第1の二次転写残トナー帯電手段と下流側の第2の二次転写残トナー帯電手段を具備し、
通常の画像形成時とは別の非画像形成時に前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段に保持した二次転写残トナーを前記中間転写体に移動させる転写残トナー現像回収シーケンスを有し、
通常の画像形成時において、前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段のいずれか一方に正極性、もう一方に負極性の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第1のステップにおいて、前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段の両方に正規トナーと同極性の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第2のステップにおいて、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと逆極性の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以上の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第3のステップにおいて、前記ブラックの画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を正規トナーに対して同極性、それ以外の画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を逆極性とし、
前記中間転写体から前記像担持体に二次転写残トナーを回収し、更に前記ブラックの画像形成ユニットの現像手段で回収することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
像担持体にトナー像を形成する現像手段を備えた、少なくともブラックの画像形成ユニットを含む複数の画像形成ユニットと、
前記複数の画像形成ユニットにて形成された前記像担持体のトナー像を、一次転写部にて、循環移動する中間転写体に順次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体から記録材にトナー像を転写する二次転写手段と、
を備え、前記ブラックの画像形成ユニットの一次転写部が他の画像形成ユニットの一次転写部よりも前記中間転写体の移動方向にて最も下流側に配置された画像形成装置において、
前記二次転写手段よりも前記中間転写体の移動方向下流側であって、前記中間転写体の移動方向にて最も上流側に位置した前記画像形成ユニットの前記一次転写部よりも上流側に配置され、二次転写残トナーを一次的に保持することができる、前記中間転写体の移動方向上流側の第1の二次転写残トナー帯電手段と下流側の第2の二次転写残トナー帯電手段を具備し、
通常の画像形成時とは別の非画像形成時に前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段に保持した二次転写残トナーを前記中間転写体に移動させる転写残トナー現像回収シーケンスを有し、
前記通常の画像形成時において、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第1のステップにおいて、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第2のステップにおいて、前記第1の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと逆極性且つ放電開始電圧以下の電圧を印加し、前記第2の二次転写残トナー帯電手段に正規トナーと同極性且つ放電開始電圧以上の電圧を印加し、
前記転写残トナー現像回収シーケンスの第3のステップにおいて、前記ブラックの画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を正規トナーに対して同極性、それ以外の画像形成ユニットに印加する一次転写電圧を逆極性とし、
前記中間転写体から前記像担持体に二次転写残トナーを回収し、更に前記ブラックの画像形成ユニットの現像手段で回収することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の二次転写残トナー帯電手段は、帯電ローラであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−83565(P2012−83565A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229850(P2010−229850)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】