説明

画像形成装置

【課題】容器に収容されたトナー及び磁性キャリアを含む現像剤の透磁率を測定して容器における現像剤の収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器を採用する場合、収容される現像剤が収容検出器の検出可能領域に達すると予測される段階の少し手前の段階を含む以後において、被記録媒体に転写しないトナー像を感光体に形成するトナー放出動作が行われて容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加するおそれがあっても収容検出器による検出を確実に行え得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー放出動作を実行する制御手段は、容器に収容される現像剤が収容検出器の検出可能領域に達すると予測される段階の少なくとも手前の段階を含む以後において、収容検出器の検出がトナー放出動作の実行に起因して不能になると予測される情報に基づいて送出機構の送り出し動作を停止させ、その送り出し動作を所要の時期が到来した後に再開させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現像剤で構成される画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置としては、例えば、磁性を有する現像剤により現像して画像を形成する作像装置と、その作像装置で不要となる現像剤を回収容器に回収するとともに、その回収容器内に回収されて蓄積される現像剤の蓄積量が所定のレベルに達したことを磁気センサにより検知する現像剤回収システムを備えたものが知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、磁性を有する現像剤として、非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤や、磁性一成分現像剤(トナー)が例示されている。また、作像装置で不要となって現像剤回収システムで回収される現像剤として、作像装置で現像に供されず劣化して不要となる劣化現像剤や、作像装置で使用後に残留して清掃除去されて不要となる残留トナーが例示されている。
【0004】
また、像転写後の像担持体に残留した磁性体を含有してなる現像剤を除去するクリーニング装置として、像担持体から現像剤を除去するための除去部材と、その除去した現像剤を回収するための回収容器と、その回収容器の上部に配した磁石により回収容器内の現像剤を吸着して検出部材を動作させ、回収容器内の現像剤量を検出するための検出手段とを有するクリーニング装置を採用した画像形成装置が知られている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2には、検出手段として、フォトインタラプタ、マイクロスイッチ、圧電素子等が例示されている。また、この画像形成装置によれば、簡単な構成によって、回収容器内に現像剤が満杯になったことを検出すること(満杯検出)を確実にできることが示されている。
【0006】
この他にも、感光体ドラム等の像担持体のクリーナー手段に一端が接続された搬送手段の他端に設けられ、廃トナーを貯留するとともにその貯留した廃トナーをシャッター部材で開閉される開口を通して廃トナー容器に移送するバッファ手段と、廃トナー容器内の廃トナーが所定の量になったことを検知する検知手段と、その検知手段の信号を受けてシャッター部材の開閉動作を行う制御手段とを有する画像形成装置が知られている(特許文献3)。特許文献3には、この画像形成装置によれば、クリーナー手段からの廃トナーを、画像形成動作を中断させることがなく搬送手段を介して容器に収納できることが示されている。
【0007】
また、現像後の廃トナーを一時的に貯蔵するバッファ部と、バッファ部を介して廃トナーを廃トナー容器に搬送する搬送手段と、バッファ部及び廃トナー容器に搬送された廃トナーの量を検知する検知手段と、検知手段での検知結果に基づいて少なくとも搬送手段による搬送又は画像形成動作を制御する制御手段とを有する画像形成装置が知られている(特許文献4)。特許文献4には、この画像形成装置によれば、廃トナー容器の交換時等に廃トナーが漏れ出すことなく複数の画像形成を連続動作させるとともに、廃トナー容器交換時の操作性を向上させることができることが示されている。
【0008】
近年、このような画像形成装置のなかには、記録用紙等の被記録媒体に転写しない現像剤(トナー)像を感光体に形成し、現像装置内にある現像剤(トナー)の一部をまとめて放出する動作(トナー放出動作)を行うものがある。このトナー放出動作は、例えば、画像の品質の低下を招く要因を、上記した被記録媒体に転写しないトナー像の形成を伴って現像装置内にある現像剤の一部を意図的に放出させるとともに、その現像装置に新しい現像剤を補給する一方で装置内にある現像剤の一部を排出させることより、その画像の品質を回復(維持)させるために行うことが多い。
【0009】
具体的には、例えば、現像装置に収容されている現像剤のなかで現像工程に供されず現像装置内に滞留して特性が劣化する現像剤が存在し、この特性が劣化した現像剤の存在により良好な現像がなされずひいては画像品質の低下を招くことがある。このため、その特性の劣化した現像剤を含む現像剤の一部を現像装置の外に放出させる目的で被記録媒体に転写しないトナー像を感光体に形成し、これにより、その放出した現像剤に代えて新しい現像剤を補給して現像剤の一部の入れ替えを行っている。このときの現像剤の劣化とは、例えば、帯電調整剤等の外添剤がトナー粒子から脱離することやトナー粒子内に埋没することにより、トナーに要求される本来の特性が低下してしまうことなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−209286号公報
【特許文献2】特開平7−295452号公報
【特許文献3】特開平10−186987号公報
【特許文献4】特開2005−242274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、現像剤を構成するトナー及び磁性キャリアを回収して収容する容器と、その容器に収容された現像剤の透磁率を測定して容器における現像剤の収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器を採用する場合、その容器に収容される現像剤が収容検出器の検出可能領域に達すると予測される段階の少し手前の段階を含む以後において、被記録媒体に転写しないトナー像を感光体に形成するトナー放出動作が行われ、その転写しないトナー像が感光体の清掃装置で除去された後に容器まで搬送されて収容されることで、トナー放出動作を行わない場合に比べて容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加するおそれがあっても、その収容検出器による検出を確実に行うことができる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明(A1)の画像形成装置は、
感光体と、
前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
前記感光体の帯電された表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
前記感光体に形成された潜像をトナーと磁性キャリアを含む現像剤により現像してトナー像を形成し、かつ、前記現像剤が補給されるとともに前記現像剤の一部が排出される現像装置と、
前記感光体に形成されたトナー像を最終的に被記録媒体に転写する転写装置と、
前記感光体の転写後の表面に残留する少なくともトナーを除去する清掃装置と、
前記現像装置から排出された現像剤と前記清掃装置で除去された少なくともトナーを収容する容器と、
前記現像装置及び清掃装置から排出される現像剤を一時的に貯蔵して攪拌する貯蔵攪拌器と、
前記現像装置及び清掃装置と前記貯蔵攪拌器との間を接続して前記現像装置及び清掃装置から排出される現像剤を当該貯蔵攪拌器まで搬送する回収搬送装置と、
前記貯蔵攪拌器で攪拌された現像剤を外部に送り出す送出機構と、
前記貯蔵攪拌器と前記容器との間を接続して前記送出機構から送り出される現像剤を当該容器まで搬送する最終搬送装置と、
前記最終搬送装置により搬送されて前記容器に収容された現像剤の透磁率を測定して当該容器における現像剤の収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器と、
前記被記録媒体に転写しないトナー像を前記感光体に形成して前記現像装置にあるトナーの一部を放出するトナー放出動作を実行する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、前記容器に収容される現像剤が前記収容検出器の検出可能領域に達すると予測される段階の少なくとも手前の段階を含む以後において、前記収容検出器の検出が前記トナー放出動作の実行に起因して不能になると予測される情報に基づいて前記送出機構の送り出し動作を停止させ、その停止させた送り出し動作を所要の時期が到来した後に再開させる制御を行うものである。
【0013】
この発明(A2)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記貯蔵攪拌器に貯蔵される現像剤のキャリア濃度を検出する濃度検出器を設け、前記制御手段は、前記収容検出器の検出が不能になると予測される情報として、前記濃度検出器で検出されるキャリア濃度が閾値以下になったときの情報を使用し、かつ、前記所要の時期として、前記濃度検出器で検出されるキャリア濃度が前記閾値以下になった後に再び閾値を超えて回復したときの情報を使用するものである。
【0014】
この発明(A3)の画像形成装置は、上記発明A1の画像形成装置において、前記制御手段は、前記収容検出器の検出が不能になると予測される情報として、前記トナー放出動作を開始するときの情報を使用し、かつ、前記所要の時期として、前記トナー放出動作が終了してから所要の時間が経過したときの情報を使用するものである。
【0015】
この発明(A4)の画像形成装置は、上記発明A1からA3のいずれかの画像形成装置において、前記制御手段は、前記送出機構の送り出し動作を停止させるときに、前記現像装置にある現像剤の磁性キャリアの一部を前記感光体に付着させて放出するキャリア放出動作を実行する制御を行うものである。
【0016】
この発明(A5)の画像形成装置は、上記発明A1からA4のいずれかの画像形成装置において、前記制御手段は、前記容器に収容される現像剤が前記収容検出器の検出可能領域に達したか否かを、前記現像装置における現像剤の補給時間又は前記露光装置で形成する潜像の画素数の累積情報に基づいて判断するものである。
【発明の効果】
【0017】
上記発明A1の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べると、容器に収容される現像剤が収容検出器の検出可能領域に達すると予測される段階の少し手前の段階を含む以後において、被記録媒体に転写しないトナー像を感光体に形成するトナー放出動作が行われ、その転写しないトナー像が感光体の清掃装置で除去された後に容器まで搬送されて収容されることで、トナー放出動作を行わない場合に比べて容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加するおそれがあっても、その収容検出器による検出を確実に行うことができる。
【0018】
上記発明A2の画像形成装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、トナー放出動作が行われ、容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加するおそれがあっても、その収容検出器による検出を実状に応じて確実に行うことができる。
【0019】
上記発明A3の画像形成装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、トナー放出動作が行われ、容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加するおそれがあっても、その収容検出器による検出を簡易かつ確実に行うことができる。
【0020】
上記発明A4の画像形成装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、トナー放出動作が行われ、容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加するおそれがあっても、その収容検出器による検出をより確実に行うことができる。
【0021】
上記発明A5の画像形成装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、トナー放出動作が行われ、容器内のトナーの割合が磁性キャリアの割合よりも増加するおそれがあっても、容器に収容される現像剤が収容検出器の検出可能領域に達したことを的確に把握して送出機構の送り出し動作の停止及び再開の制御が適切に行われ、その収容検出器による検出をより一層確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1等に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】図1の画像形成装置における一部(作像装置及び現像剤補給システム)を概念的に示す説明図である。
【図3】図1の画像形成装置に装備されるトナー及びキャリア等の回収システムの構成を示す一部断面説明図である。
【図4】図3の回収システムにおける貯蔵攪拌器及び送出機構を拡大して示す断面図である。
【図5】図3の回収システムにおける搬送装置の一部(最終搬送装置)を拡大して示す断面図である。
【図6】図3の回収システムで使用される容器と収容検出センサの構成を示す説明図である。
【図7】図3の容器の外形とその収容量の状態を示す説明図である。
【図8】特殊トナー像又は磁性キャリアを含む特殊トナー像の形成条件等を示す説明図である。
【図9】容器内のトナー濃度に対する収容検出センサ(キャリア濃度検出センサ)の出力との関係を測定した結果示すグラフ図である。
【図10】画像形成装置における主な制御に関する構成を示す説明図である。
【図11】回収システムの特別な制御動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】特殊トナー像の作像条件とキャリア放出動作の作像条件を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[実施の形態1]
図1は実施の形態1に係る画像形成装置1の概要を示し、図2はその画像形成装置1における一部(作像装置及び現像剤補給システム)を示し、図3はその画像形成装置1における他の一部(回収システム)を示している。
【0024】
この画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。画像形成装置1は、筐体10の内部空間に、公知の電子写真方式、静電記録方式等の画像記録方式を利用して現像剤を構成するトナー(着色等がされた微粉体)で現像されるトナー像を形成する複数の作像装置20と、作像装置20で形成されたトナー像を保持して最終的に被記録材の一例としての記録用紙9に転写する中間転写装置30と、中間転写装置30の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙9を収容して搬送する給紙装置40と、中間転写装置30でトナー像が転写された記録用紙9を通過させてトナー像の定着を行う定着装置45、作像装置20及び中間転写装置30における不要な現像剤を回収する回収システム100、制御装置7等が設置されている。
【0025】
筐体10は、支持部材、外装カバー等で支持構造部や外装部が形成されている。図中の一点鎖線は、筐体10内において記録用紙9が主に搬送される搬送経路を示す。
【0026】
作像装置20は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(黒:K)の4色のトナー像と特別色SA,SBの特別色トナー像をそれぞれ専用に形成することができる6つの作像装置20Y,20M,20C,20K,20SA,20SBで構成されている。6つの作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、筐体10の内部空間において直列に並べた状態となるよう配置されている。また、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、以下に示すようにほぼ共通した構成のものである。
【0027】
各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)は、図1や図2に示すように、回転する感光ドラム21を備えており、この感光ドラム21の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光ドラム21の表面(帯電と潜像の形成を行うことができる像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置22と、感光ドラム21の帯電された表面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K,SA,SB)の現像剤のトナーで現像して可視像であるトナー像とする現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)と、そのトナー像を中間転写装置30(の中間転写ベルト)に転写する一次転写装置25と、転写後の感光ドラム21の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を除去するドラム清掃装置26とである。
【0028】
感光ドラム21は、接地処理される円筒又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものであり、図示しない回転駆動装置(図10:回転駆動部16A)から動力を受けて矢印で示す方向に回転する。帯電装置22は、感光ドラム21の表面に接触した状態で配置されるとともに帯電バイアスが供給される帯電ロール等の接触部材を備えた接触型の帯電装置である。帯電バイアスとしては、現像装置24が反転現像を行うものである場合、その現像装置から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が帯電用電源部16Bから(図10)供給される。
【0029】
露光装置23は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光(矢付き点線)を、帯電された後の感光ドラム21の像保持面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置22としては、半導体レーザとポリゴンミラー等の光学部品を用いて構成される走査型のものを使用しているが、その他にも、例えば、発光ダイオードと光学部品等を用いて構成される非走査型の露光装置を使用してもよい。
【0030】
この露光装置23には、画像形成装置1に入力されるプリント対象となる画像の情報について画像処理装置27で必要な画像処理が施され、その処理後に得られる各色成分の画像信号が露光駆動部16C(図10)に送信されるようになっている。画像形成装置1には、画像読取装置や、パーソナルコンピュータ等の情報端末や、記憶媒体の読み書き装置等の図示しない画像情報機器が接続通信部12を介して接続可能となっており、その画像情報機器から画像の情報が入力される。
【0031】
現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、図2等に示すように、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する現像剤収容器24aを有し、その現像剤収容器24aに収容されている現像剤を回転しながら保持して感光ドラム21と近接して対向する現像領域に搬送する現像ロール24bや、その収容されている現像剤を回転して攪拌しながら現像ロール24bに搬送する攪拌搬送部材24cや、現像ロール24bに保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材24dを有している。
【0032】
この現像装置24はいずれも、その現像ロール24bに現像用電源部16D(図10)から現像バイアスが供給されるとともに、その現像ロール24b及び攪拌搬送部材24cが回転駆動装置28(回転駆動部16A)からの動力を受けて所要の方向に回転させられる。各現像装置24における現像剤のトナーは、現像剤収容器24a内において攪拌搬送部材24cにより攪拌されながら搬送されることでキャリアと擦れ合い、これにより所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)に摩擦帯電される。また、特別色SA,SBの現像剤におけるトナーは、例えば、上記4色では表現が困難又は不可能であった色材等で構成される。具体的には、上記4色以外の色のトナー、点字用の発泡性トナー、蛍光色トナー、光沢を向上させるトナー等である。
【0033】
また、現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、図2に示すように、現像剤の補給システム5により、各現像剤が補給されるようになっている。補給システム5は、4色(Y,M,C,K)及び特別色(SA,SB)の補給現像剤(磁性キャリアを含む非磁性トナー)をそれぞれ収納する着脱交換式の現像剤カートリッジ50(Y,M,C,K,SA,SB)と、各現像剤カートリッジ50の補給現像剤を各現像装置24にそれぞれ必要な量だけ搬送する補給装置60(Y,M,C,K,SA,SB)とで構成されている。
【0034】
補給装置60はいずれも、各現像剤カートリッジ50の排出口から排出される補給現像剤を受け入れて一時的に貯留するとともに、その貯留されている補給現像剤を各現像装置24にむけてそれぞれ送り出すものである。各補給装置60から送り出される補給現像剤は、接続搬送装置64を通して各現像装置24に搬送される。
【0035】
図2等における符号55は、現像剤カートリッジ50内の補給現像剤を排出口にむけて搬送する搬送部材52を回転駆動させる駆動装置である。符号65は、補給装置60内に貯留されている補給現像剤の一部を送出口にむけて送り出す送出部材62等を回転駆動させる駆動装置であり、符号63は、補給装置27内に貯留されている補給現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材である。また、符号67は、補給装置60内に貯留されている補給現像剤の設定値以上の有無を検出する残量検出センサであり、符号29は、現像装置24内に収容されている現像剤のトナー濃度(現像剤中におけるトナーの割合)を検出するトナー濃度検出センサである。
【0036】
さらに、現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)は、その現像剤収容器24aに収容されている現像剤のキャリアの劣化に対処するため現像剤の一部(磁性キャリアとそれに付着する非磁性トナー)を現像装置24の外部に排出させる方式、いわゆるトリックル現像方式を採用している。この現像剤の一部の排出は、現像剤収容器24aの一端部に攪拌搬送部材24cで搬送される現像剤の一部が乗り越えて排出される排出口を通して行われる。各現像装置24から排出される現像剤は、後述する回収システム100によって回収される。
【0037】
一次転写装置25は、感光ドラム21の表面に接触して回転するとともに一次転写バイアスが供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写バイアスとしては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧等が転写用電源部16E(図10)から印加される。この一次転写装置25は、中間転写装置30を構成するものとして扱ってもよい。ドラム清掃装置26は、一次転写位置を通過した後の感光ドラム21の表面に接触して残留トナー等の付着物を除去する弾性ブレード26aと、弾性ブレード26aで除去したトナー等の付着物を回収して後述する回収システム100に対して送り出すように駆動する送出部材26b等で構成されている。
【0038】
中間転写装置30は、図1等に示すように、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の下方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置30は、感光ドラム21と一次転写装置25(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印で示す方向に回転する中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数の支持ロール32a〜32fと、支持ロール32eに支持されている中間転写ベルト31に所定の圧力で接触して回転する二次転写ロール35と、二次転写ロール35を通過した後に中間転写ベルト31に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を除去するベルト清掃装置36とで主に構成されている。
【0039】
中間転写ベルト31としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボン等の抵抗調整剤を分散した材料を用いて所定の厚さからなる無端状のベルトに形成されたものが使用される。支持ロール32aは駆動ロールとして、支持ロール32cは張力付与ロールとして構成されている。支持ロール32e(又は二次転写ロール35)には、二次転写バイアスが転写用電源部16E(図10)から供給される。二次転写バイアスとしては、トナーの帯電極性と同極性(又は逆極性)を示す直流の電圧等が供給される。ベルト清掃装置36は、二次転写位置を通過した後の中間転写ベルト31の表面に接触して残留トナー等の付着物を除去する弾性ブレード36aと、弾性ブレード36aで除去したトナー等の付着物を回収して後述する回収システム100に対して送り出すように駆動する送出部材36b等で構成されている。
【0040】
給紙装置40は、中間転写装置30の下方側の位置に存在するように配置される。給紙装置4は、筐体10の正面(操作者が使用時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録用紙9を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体41と、用紙収容体41から記録用紙9を1枚ずつ送り出す送出装置42とで主に構成されている。給紙装置40から送りされる記録用紙9は、複数の用紙搬送ロール対43a,43b,43c,…や搬送ガイド材で構成される搬送路を経由して中間転写装置30の二次転写位置(中間転写ベルト31と二次転写ロール35の間)に搬送される。
【0041】
定着装置45は、筐体46の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるように加熱手段によって加熱される加熱回転体47と、この加熱回転体47の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転する加圧用回転体48とを設置したものである。この定着装置45でトナー像の定着が終了して画像が形成された記録用紙9は、複数の搬送ロール対や搬送ガイド材で構成される排出搬送路を通して筐体10等に設置される排出部に搬送されて収容される。
【0042】
この画像形成装置1による基本的な画像形成動作は、以下に説明するように行われる。ここでは、前記4つの作像装置20(Y,M,C,K)のすべてを使用して形成する4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成する画像形成動作のパターン(フルカラーモード)を説明する。
【0043】
前記した画像情報機器などから画像形成動作(プリント)の要求の指示があると、4つの作像装置20(Y,M,C,K)において、まず各感光ドラム21が矢印で示す方向に回転し、各帯電装置22がその各感光ドラム21の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置23が、帯電後の感光ドラム21の表面に対し、画像処理装置27から送信された各色成分(Y,M,C,K)に分解された画像データに基づいて発光される光を照射して露光を行い、所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。次いで、各現像装置24(Y,M,C,K)が、感光ドラム21に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを供給して静電的に付着させる。
【0044】
このときの現像工程について詳述すると、各現像装置24では、画像形成動作の要求指示に併せて現像ロール24b及び攪拌搬送部材24dが回転駆動し始め、その現像剤収容部24a内に収容されている現像剤Gを攪拌搬送部材24cで攪拌しながら現像ロール24bに至るまで搬送する。この攪拌して搬送された現像剤Gは、回転する現像ロール24bに付着し、層厚規制部材24dで所要の厚さに規制された後に、感光ドラム21と対向する現像領域に搬送される。そして、現像領域に搬送された現像剤G(実施の形態1ではトナー成分)は、現像ロール24bと感光ドラム21の間に供給される現像バイアスで形成される現像電界により感光ドラム21に供給されて、静電潜像部分に付着する。一方、この現像に供されなかった現像剤Gの多くは、回転する現像ロール24bによって現像剤収容部24aに戻される。このようにして各感光ドラム21で形成された各色成分の静電潜像は、現像装置24を通過することにより、その対応する色のトナーでそれぞれ現像されて4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
【0045】
次いで、各作像装置20(Y,M,C,K)の感光ドラム21上に形成された各色のトナー像が、一次転写装置25により、中間転写装置30の中間転写ベルト31に対して順番に重ね合わるようにして一次転写される。また、中間転写装置30は、中間転写ベルト31に一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送した後、二次転写ロール34が給紙装置40から搬送されて送り込まれる用紙9に一括して二次転写させる。トナー像が二次転写された用紙9は、中間転写ベルト31から剥離された後に定着装置45に導入されて必要な定着処理(加熱及び加圧)を受け、そのトナー像が定着される。定着が終了した後の用紙9は、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、例えば筐体10に形成される図示しない排出収容部に排出されて収容される。
【0046】
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された用紙9が出力される。
【0047】
また、この画像形成装置1は、前記特別色SA,SBのトナー像を形成する場合、その作像装置20SA,20SBにおいて前述した作像装置20(Y,M,C,K)と同様の動作が行われることにより各感光ドラム21に特別色SA,SBのトナー像が形成される。また、この作像装置20SA,20SBで形成された特別色SA,SBのトナー像は、中間転写装置30により最終的に記録用紙9に(例えば、他の色のトナー像と併せて)転写される。記録用紙9に転写された特別色SA,SBのトナー像は、定着装置45で定着される。さらに、画像形成装置1では、現像装置24におけるトナー濃度検出センサ29の検出結果が予め設定する設定値以下になると、補給装置60が所要の時間だけ作動して各現像剤カートリッジ50から現像剤を補給対象となる現像装置24に補給する。
【0048】
さらに、この画像形成装置1による画像形成動作では、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)における各感光ドラム21の一次転写後の表面がドラム清掃装置26によって清掃され、中間転写装置30の中間転写ベルト31がベルト清掃装置36によって清掃される。また、各作像装置20における各現像装置24(Y,M,C,K,SA,SB)では、前記したトリックル現像方式により現像剤の一部が外部に排出される。このとき、ドラム清掃装置26では一次転写されなかった未転写のトナーが最も多く除去され、ベルト清掃装置36では二次転写されなかった未転写のトナーが最も多く除去される。また、各現像装置24では、キャリアとそのキャリアに付着するトナーとが排出される。そして、このドラム清掃装置26及びベルト清掃装置36で除去されたトナー等と各現像装置24から排出されるキャリア及びトナーは、後述する回収システム100により回収される。
【0049】
次に、回収システム100について説明する。
【0050】
回収システム100は、図3等に示すように、各現像装置24と各清掃装置26,36からそれぞれ排出される現像剤(トナー又はトナー及びキャリア)を一時的に貯蔵して攪拌する貯蔵攪拌器(バッファ装置)101と、各現像装置24及び各清掃装置26,36と貯蔵攪拌器101との間を接続して上記排出される現像剤を搬送する回収搬送装置102と、貯蔵攪拌器101で攪拌された現像剤を外部に送り出す送出機構103と、貯蔵攪拌器101と回収容器200A,200Bとの間を接続して送出機構103により送り出される現像剤を回収容器200A,200Bまで搬送する最終搬送装置104と、最終搬送装置104を通して搬送される現像剤等を収容する2つの回収容器200A,200Bとで構成されている。
【0051】
回収搬送装置102は、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の現像装置24及びドラム清掃装置26からそれぞれ送出されるトナー及びキャリアを1つにまとめて搬送する第1搬送装置110と、中間転写装置30のベルト清掃装置36から送出されるトナーを搬送する第2搬送装置120と、第1搬送装置110及び第2搬送装置120から搬送されたトナー及びキャリアを貯蔵攪拌器101まで搬送する第3搬送装置130を備えている。
【0052】
第1搬送装置110は、筐体10の後方側の部位において各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)の下方になる位置にほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材112と、管状部材112の内部空間で回転してトナー及びキャリアをその搬送方向の下流側に搬送する搬送部材113と、搬送部材113に回転動力を伝える第1駆動装置114とで構成されている。搬送方向は、図3等において矢印で示す方向である。また、第1搬送装置110における搬送方向の下流側は、実施の形態1では黒色の作像装置20Kが配置される側となる。
【0053】
第1搬送装置110の管状部材112には、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)における現像装置24の排出口及びドラム清掃装置26の送出口との間をそれぞれ接続してトナー及びキャリアを搬送する接続搬送装置115(Y,M,C,K,SA,SB)が接続されている。接続搬送装置115はいずれも、各作像装置20(Y,M,C,K,SA,SB)における現像装置24の排出口及びドラム清掃装置26の送出口と第1搬送装置110の管状部材112とを接続するようにほぼ上下の方向(鉛直方向)にそって配置される管状部材116と、管状部材116の内部空間において上下の方向に進退して内壁に付着するトナー等を取り崩す崩し部材117と、崩し部材117を進退運動させるための動力を伝える駆動装置118とで構成されている。実施の形態1では崩す崩し部材117として、回転軸がなく線材を螺旋状に巻いたコイルスプリングを使用している。
【0054】
第2搬送装置120は、筐体10の後方側の部位において中間転写装置30のベルト清掃装置36の下方になる位置にほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材122と、管状部材122の内部空間で回転してトナーをその搬送方向下流側に搬送する図示しない搬送部材と、搬送部材に回転動力を伝える第2駆動装置124とで構成されている。第2搬送装置120における搬送方向下流側は、実施の形態1では黒色の作像装置20Kが配置されて第1搬送装置110の管状部材112の下流端側となる。
【0055】
第2搬送装置120の管状部材122には、ベルト清掃装置36の送出口との間を接続してトナーを搬送する接続搬送装置125が接続されている。接続搬送装置125は、ベルト清掃装置36の送出口と管状部材122とを接続するようにほぼ上下の方向にそって配置される管状部材で少なくとも構成されている。なお、第2搬送装置120は、第3搬送装置130がベルト清掃装置36から作像装置20側とは反対側の位置に離れた位置に配置される場合には、その設置を省略することができる。この場合は、例えば、接続搬送装置125を第1搬送装置110の管状部材112に接続した構成にすればよい。
【0056】
第3搬送装置130は、第1搬送装置110の管状部材112と第2搬送装置120の管状部材122の接合部から下方側に存在する貯蔵攪拌器101にむけてほぼ上下の方向にそって配置される管状部材132と、管状部材132の内部空間において上下の方向に進退して内壁に付着するトナー等を取り崩す崩し部材(実施の形態1ではコイルスプリング)133と、崩し部材133を進退運動させるための動力を伝える第3駆動装置134とで構成されている。
【0057】
貯蔵攪拌器101は、図3、図4等に示すように、回収搬送装置102の第3搬送装置130から搬送される現像剤を一時的に貯蔵する貯蔵空間部161を有する箱状の形状からなり、その貯蔵空間部161の上部に当たる部位(蓋部)に現像剤を受け入れるための受け口162が形成され、その貯蔵空間部161の下部に当たる部位(底部)に現像剤を最終搬送装置104にむけて送り出すための送出口163が形成された筐体160と、筐体160の貯蔵空間部161に貯蔵された現像剤を攪拌しながら搬送するように回転する2つの攪拌搬送部材165A,165Bと、攪拌搬送部材165A,165Bを所要の方向に回転させる動力を発生して伝える回転駆動装置166を備えている。
【0058】
第一攪拌搬送部材165Aと第二攪拌搬送部材165Bはいずれも、貯蔵空間部161の平面長手方向の一端部に回転自在に取り付けられた回転軸165cの一端部から、その平面長手方向の他端部にほぼ至るまで線材を螺旋状に曲げ加工した攪拌搬送部(コイル部)165dを形成した構造のものである。この攪拌搬送部材165A,165Bは、貯蔵空間部161の平面長手方向の左右端部に平行な状態で存在するように配置されており、所要の方向にそれぞれ回転することにより現像剤を攪拌しながら矢印で示す方向に移動させるように搬送する。回転駆動装置166は、モータと、そのモータの動力を所定の回転数で伝達するギヤ列等の伝達機構とで構成されている。図4bにおける符合166bは、ギヤ列を示す。
【0059】
送出機構103は、貯蔵攪拌器101の貯蔵空間部161に貯蔵された現像剤を送出口163に移動させる搬送部材170と、その搬送部材170を所要の方向に所要の量だけ回転させる動力を発生して伝える回転駆動装置172とで構成されている。搬送部材170は、2つの攪拌搬送部材65A,65Bの間に存在するよう配置された回転軸170aに、連続する螺旋状の羽根部170bを突出させた状態で形成した構造のもの(例えばスクリューオーガーと呼ばれるもの)である。また、搬送部材170は、貯蔵攪拌器101の筐体160の底部において、2つの攪拌搬送部材165A,165Bの間において送出口163を含み一端が開口された通路形態の仕切り壁部164の内側に存在するように設置される。回転駆動装置172は、モータと、そのモータの動力を所定の回転数で伝達するギヤ列等の伝達機構とで構成されている。
【0060】
貯蔵攪拌器101は、その筐体160に、貯蔵空間部161内に貯蔵されて存在する現像剤におけるキャリアCの濃度を検出する濃度検出センサ105が設けられている。濃度検出センサ105としては、磁性キャリアの透磁率を測定してキャリア濃度を検出する透磁センサを使用している。この濃度検出センサ105は、その検出面部105aが筐体160の受入口162に近い側壁面の下部から貯蔵空間部161に貫通して露出した状態になるよう設置され、その状態において貯蔵空間部161内に存在する磁性キャリアの透磁率を検出するよう取り付けられている。実施の形態1では、濃度検出センサ105の出力が予め設定する設定値以下になるか又はその設定値を超えるかを測定するように設定されている。貯蔵攪拌器101には、2つの攪拌搬送部材165のうち濃度検出センサ105の検出面部105aに近い側に配置されている第2攪拌搬送部材165Bに、その検出面部105aに接触して通過するように回転移動して、その検出面部105aの前に存在する現像剤を一時的に除去する(払い除ける)図示しない除去部材を設けられている。
【0061】
最終搬送装置104は、貯蔵攪拌器101の送出機構103から搬送されたトナー及びキャリアを搬送する接続搬送装置140と、接続搬送装置140で搬送されたトナー及びキャリアを回収容器200A,200Bのいずれかに切り替えて搬送する切替え搬送装置150を備えている。
【0062】
接続搬送装置140は、図3や図5に示すように、貯蔵攪拌器101の筐体160における送出口163と接続され、全体がほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材142と、管状部材142の内部空間で回転してトナー及びキャリアを搬送方向下流側にむけて搬送する搬送部材143と、搬送部材143に回転動力を伝える第4駆動装置144とで構成されている。実施の形態1における接続搬送装置140の搬送方向下流側は、容器200A,200Bが配置される側とする。また、搬送部材143としては、回転軸に螺旋状に巻きつく形態の搬送羽根を形成したスクリューオーガーを使用している。
【0063】
切替え搬送装置150は、図3や図5に示すように、接続搬送装置140の管状部材142の下流側端部における下部に配置されて接続され、全体がほぼ水平の状態になるよう配置される管状部材152と、管状部材152の内部空間で回転してトナー及びキャリアを両方向にむけて搬送することができる搬送部材153と、搬送部材153に正方向及び逆方向の回転動力を伝える第5駆動装置154とで構成されている。管状部材152は、接続管部155を介して接続搬送装置140の管状部材142の下流側端部と接続されている一方で、接続管部155の両側の位置に存在し且つ下方に突出した状態で配置される排出部156,157を介して容器200A,200Bの受入部210A,210Bにそれぞれ接続される構造になっている。
【0064】
容器200A,200Bはいずれも、図3、図6、図7等に示すように、外観がほぼ長方体の形状からなる容器であり、その上面部201にトナー及びキャリア等を受け入れる受け口210A,210Bが形成され、その1つの側面部202に取っ手部220A,220Bが形成されている。また、この容器200A,200Bは、筐体10の下部に形成された容器装着部に着脱自在に装着されて交換できるようになっている。その装着に当たっては、容器200A,200Bを容器装着部に設けられた設置枠15に嵌め入れることで、受け口210A,210Bが回収システム100の第5搬送装置150における接続管部155,156の下方に存在して接続された状態に保たれる。
【0065】
また、筐体10の容器装着部には、容器200A,200Bが装着されたときに、容器200A,200Bの各取っ手部220が形成された側面部202とは反対側の側面部203と対峙する部位に、容器200A,200B内に収容される磁性キャリアの透磁率を測定して収容される非磁性トナーT及び磁性キャリアCの収容量が設定した量以上になったことを検出する収容検出センサ107A,107Bがそれぞれ設けられている。
【0066】
収容検出センサ106は、その検出面部107aが容器200A,200Bの側面部203に接近又は接触した状態になるよう設置されており、その状態において容器200内の磁性キャリアの透磁率を検出するようになっている。また、収容検出センサ107は、収容量が設定量Yに至ると、その出力が閾値以上の高い値となり、その出力が得られたときに収容量が設定量Y以上になったことを検出したものとなる。設定量Yに相当する収容量は、例えば、図7に示すように満杯になると想定される収容量(一点鎖線X)よりも少し少ない量(一点鎖線Y:満杯に近い量であって実際に満杯になる状態の検出を開始する目安にする量)である。図7では、その左側に容器200(A,B)を示し、その右側に容器200の容量(最大の収容量)CPを示している。
【0067】
回収システム100では、容器200A,200Bが収容されるトナー及びキャリアで満杯の状態になることについて、容量検出センサ107の出力が設定量Y以上であることを示す値になった後の画像形成枚数(プリント枚数)の累積値が予め設定する閾値枚数を超えたときを検出することで判定している。
【0068】
この回収システム100は、以下のように作動する。
【0069】
回収システム100は、作像装置20及び中間転写装置30等が作動してトナー像の形成がなされる時期に併せて作動する。つまり、回収システム100では、回収搬送装置102及び最終搬送装置104における各搬送部材と、貯蔵攪拌器101における攪拌搬送部材と、送出機構103における搬送部材が各駆動装置の始動によりそれぞれ駆動する。
【0070】
これにより、各作像装置20において現像装置24からトリックル現像方式により排出される廃棄トナーT1及びキャリアC1とそのドラム清掃装置26で除去されて送り出される除去トナーT2等が、各接続搬送装置115(Y,M,C,K,SA,SB)において落下する状態で搬送されて第1搬送装置110の管状部材112に集められた後、回転駆動する搬送部材113により矢印で示す搬送方向に移動するよう搬送される。また、中間転写装置30におけるベルト清掃装置36で除去されて送り出される除去トナーT3が接続搬送部125において落下するように搬送されて第2搬送装置120により矢印で示す搬送方向に移動するよう搬送される。
【0071】
続いて、第1搬送装置110及び第2搬送装置120でそれぞれ搬送されたトナーT1〜T3及びキャリアC1等は、第3搬送装置130において落下する状態で搬送された後、貯蔵攪拌器101の筐体160における受け口162を通して貯蔵空間部161に送り込まれ、その貯蔵空間部161において送出機構103により送り出されるまでの間だけ一時的に貯蔵される。
【0072】
貯蔵攪拌器101に送り込まれたトナーT1〜T3及びキャリアC1等からなる現像剤は、2つの攪拌搬送部材165により、その貯蔵空間部161に既に存在している現像剤(主にトナーT1〜T3及びキャリアC1等からなる現像剤)と攪拌されて混合された状態になって搬送される。具体的には、貯蔵攪拌器101では、貯蔵収容部161に存在する現像剤が、攪拌搬送部材165A,165Bによりそれぞれ攪拌されながら点線の矢印で示す各方向に搬送される。また、攪拌搬送部材165A,165Bの搬送方向下流側になる各端部領域では、現像剤が、他方の攪拌搬送部材165の搬送方向上流側になる端部領域にむけてそれぞれ送り出されるように移動させられる。
【0073】
したがって、貯蔵攪拌器101においては、貯蔵収容部161に存在する現像剤(既存のものと新たに収容されるもの)が攪拌搬送部材165A,165Bにより、貯蔵収容部161の仕切り壁部164で囲まれる領域を除く環状の領域内を循環するような状態で搬送される。また、貯蔵攪拌器101では、貯蔵収容部161に存在する現像剤のキャリア濃度が濃度検出センサ105により検出される。
【0074】
また、貯蔵攪拌器101では、攪拌搬送部材165A,165Bにより攪拌されて移動する現像剤の一部が、送出機構103の搬送部材170が回転駆動していることにより仕切り壁部164の内部にむけて送り込まれ、最終的に仕切り壁部164の奥側に存在する送出口163を通して貯蔵攪拌器101の外部に送り出される。
【0075】
貯蔵攪拌器101で送出機構103の搬送部材170により送り出された現像剤は、送出口163において自重により落下し、最終搬送装置104の接続搬送装置140に送り出される。接続搬送装置140では、現像剤が搬送部材143によっても搬送され、切替え搬送装置150に搬送される。
【0076】
切替え搬送装置150まで搬送されたトナーT1〜T3及びキャリアC1は、その搬送部材153の回転方向が所要の方向に切り替えられることによってその搬送される方向も切り替えられ、これにより排出部156又は排出部157のいずれか一方に達するよう搬送される。最後に、切替え搬送装置150で搬送されるトナーT1〜T3及びキャリアC1は、排出部156又は排出部157のいずれか一方から落下して第1容器200A又は第2容器200Bの収容空間内に収容される。
【0077】
また、回収システム100では、第1容器200A及び第2容器200Bに収容されるトナーT1〜T3及びキャリアC1の収容量について、収容検出センサ107A及び107Bにより磁性キャリアC1の透磁率が測定することで検出される。具体的には、前述したように、各収容検出センサ107の測定結果(出力)が設定量Yに相当する値に達したか否かを検出し、その設定値以上になったときに、その結果が得られた検出センサ107に対応する容器200の収容量が設定量Yに達したと判定する。
【0078】
続いて、回収システム100では、容量検出センサ107A,Bのいずれかの出力が設定値以上になった場合、前述したようにその設定値以上になった段階の以後における画像形成枚数(プリント枚数)の積算値が閾値枚数を超えたときに、容器200A、Bのいずれかが満杯になったと判定される。そして、この場合には、例えば利用者に対して満杯になった容器200の交換を促すための報知が行われる。
【0079】
また、画像形成装置1では、各作像装置20において記録用紙9に転写しないトナー像(以下、このトナー像を「特殊トナー像」と略称する)STを感光ドラム21に形成するトナー放出動作をそれぞれ実行するよう構成されている。
【0080】
このトナー放出動作は、次の理由で行われる。すなわち、まず現像装置24では、画像濃度が比較的低濃度の(画像面積率が小さい)画像の形成(現像)が連続して行われると、現像に使用されず現像ロール24bにより現像装置24の現像剤収容部24aに再び戻されて攪拌搬送部材24cによる攪拌作用や層規制部材24dによる摺擦作用などのストレスを受ける機会が増えるので、トナーの特性が劣化(帯電調整剤等の外添剤の脱落やトナー粒子内への埋没による帯電特性の劣化など)しやすくなり、このトナーの劣化に起因した現像不良、ひいては画質の低下を誘発することがある。このような劣化したトナーの量を減らすため、現像装置24内にあるトナーの一部について、現像装置24の外部に意図的に排出し、これにより、現像装置24におけるトナー濃度が低下することで補給システム5により現像剤カートリッジ50から新しい現像剤(トナー等)を現像装置24に補給して入れ替える(リフレッシュさせる)ようにしている。
【0081】
実施の形態1におけるトナー放出動作は、各作像装置20において特殊なトナー像STとして画像濃度が高いトナー像を感光ドラム21に形成し、これにより現像装置24からトナーの一部を排出させ、また、その形成した特殊トナー像STを中間転写ベルト31に転写させずドラム清掃装置26により除去するという一連の動作により行われる。
【0082】
このトナー放出動作の実行時には、一次転写装置25に、転写用電源部16Eから一次転写バイアスを供給しないか、またはトナーが中間転写ベルト31に転写されにくい条件のバイアスを供給し、これにより特殊トナー像STの中間転写ベルト31への転写を防止している。なお、トナー放出動作は、特殊トナー像STの一部又は全部を中間転写ベルト31に一次転写させ、それをベルト清掃装置36により除去するという構成にすることも可能である。この場合は、二次転写位置において転写用電源部16Eから二次転写バイアスを供給しないか、またはトナーが二次転写ロール35に転写されにくい条件のバイアスを供給することになる。
【0083】
また、このトナー放出動作を実行する時期は、例えば、予め設定する低濃度の画像形成(現像)が設定枚数だけ連続して行われた後の時期である。また、トナー放出動作は、画像形成動作とは異なる特別な動作モードを設定して実行するか、あるいは、画像形成動作のなかに組み込んで実行するように構成される。画像形成動作のなかに組み込んで実行する場合は、感光ドラム21の画像形成有効領域のうち画像(トナー像)が形成されない領域に特殊トナー像STを形成する。画像が形成されない領域とは、例えば、図8に示すように、感光ドラム21の画像形成有効領域において、記録用紙9の片面に形成することになる画像Iaの形成領域E1と画像Ibの形成領域E2との間に存在する非画像形成領域Sである。
【0084】
一方、このトナー放出動作が実行された場合は、その特殊トナー像STを構成する比較的多めのトナーT4がドラム清掃装置26等で除去されて回収システム100により容器200(A,B)に収容されることになる。この結果、特殊トナー像STを構成するトナーT4が回収システム100で回収される時期は、容器200(A,B)に収容されるトナーT1〜T4及びC1におけるトナーTの割合が磁性キャリアCの割合に比べて急増することになる。
【0085】
この場合、容器200(A,B)のうち収容検出センサ107(A,B)の後述する検出可能領域に相当する部位に、特殊トナー像STを構成するトナーT4が収容されて堆積すると、そのときに堆積した現像剤におけるトナーTの割合が磁性キャリアCの割合に比べて急増し、磁性キャリアCの割合が急激に減ること(又は皆無)になる。このため、収容検出センサ107(A,B)が磁性キャリアCの透磁率を測定することが難しくなり、実際には収容量が設定量Y(図7)に達しているにもかかわらず、それを検出できないことが発生することがある。図9は、トナー濃度(TC)に対する収容検出センサ107の出力の変動状態を測定した結果を示すものであり、例えば、収容検出センサ107の出力が限界値付近やその限界値を下回る値になった場合には設定量Yに達したことを正常に検出できなくなること(検出不能:NG)を示している。
【0086】
この収容検出センサ107(A,B)の誤検出(検出不能)が発生すると、容器200(A,B)内に設定量Yを超えるトナー及びキャリアが収容されているにもかかわらず、前記した容器200(A,B)の満杯になったことの検出が正常に行われなくなる。つまり、この場合は、収容検出センサ107から限界値を超えた出力がないため、満杯の状態とみなすための画像形成枚数のカウント動作が開始されない。この結果、容器200(A,B)は、トナーやキャリアが次々と収容されて満杯の状態になり、容器200(A,B)の受け口210から溢れ出してしまう。これにより、その溢れ出したトナーが筐体10の内部を汚染するようになる。また、容器200への現像剤の収容が不能になるため、回収搬送装置102や最終搬送装置104の管状部材が滞留するトナー等で目詰まりしてしまう。
【0087】
そこで、この画像形成装置1においては、このような不具合があることに鑑みて、前述した回収システム100に貯蔵攪拌器101と送出機構103を追加して設置したうえで、後述する制御装置7により、送出機構103の動作等に関する特別な制御を行うように構成している。
【0088】
すなわち、制御装置7による送出機構103の動作に関する特別な制御は、容器200(A,B)に収容される現像剤が収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域に達すると予測される段階の少なくとも手前の段階を含む以後において、収容センサ107(A,B)の検出がトナー放出動作の実行に起因して不能になると予測される情報に基づいて送出機構103の送り出し動作を停止させ、その停止させた送り出し動作を所要の時期が到来した後に再開させる制御を行うように構成している。
【0089】
収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域SAは、容器200A,200Bのうち収容検出センサ107A,107Bにより容器200内に収容される磁性キャリアの透磁率を測定することが可能になる部位である。具体的には、例えば、図7に示すように、容器200において、収容検出センサ107の検出面部107aの重力方向における上下端部から透磁率の測定が可能な位置までそれぞれ広げた領域(斜線を付した部分)になる。また、透磁率の測定が可能とは、図9に示すように、収容検出センサ107の出力が所定の収容量Yを少なくとも示すことができる限界値を超えた出力が得られることである。
【0090】
実施の形態1では、容器200(A,B)に収容される現像剤が収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域SAに達したか否かについて、補給装置60の補給時間又は露光装置23で形成する潜像の画素数の累積情報が予め設定する設定値に達したという情報に基づいて判断するように設定している。実際には、検出可能領域SAに達すると予測される段階の少し手前の段階(予測するときの誤差等を見込んだ所定の時期だけ前の時点となる段階)を検出して判断するようにしている。このときの設定値は、例えば実験、予測計算等で得られる情報に基づいて設定される。
【0091】
また、収容センサ107(A,B)の検出がトナー放出動作の実行に起因して不能になるとは、トナー放出動作が実行されると、前述したように感光ドラム21に形成される特殊トナー像STを構成する比較的多量のトナーTがドラム清掃装置26等で除去されて回収システム100により容器200(A,B)に収容されて堆積し、これによりそのトナーTが収容されて堆積した部分の現像剤におけるトナーTの割合が磁性キャリアCの割合に比べて急増して磁性キャリアの占有割合が少なくなるため、磁性キャリアの透磁率を測定することが不安定又は不能になることである。
【0092】
実施の形態1では、容器200における収容検出センサ107の検出が不能になると予測される情報として、貯蔵攪拌器101に設置した濃度検出センサ105で検出されるキャリア濃度が閾値以下になったときの情報を使用するように設定している。また、上記所要の時期として、濃度検出センサ105で検出されるキャリア濃度が閾値以下になった後に再び閾値を超えて回復したときの情報を使用するように設定している。このときの閾値は、例えば、容器200における収容検出センサ107の限界値(図9)の場合とほぼ同様に、濃度検出センサ105の出力が貯蔵攪拌器101に存在する現像剤の磁性キャリアの透磁率を測定することができる値に設定される。
【0093】
画像形成装置1では、図10に示すように、制御装置7により、前述した画像形成動作、現像剤の補給動作、回収動作、トナー放出動作、キャリア放出動作等の各動作が制御される。
【0094】
まず、制御装置7は、演算処理装置、記憶素子及び装置、制御装置、入出力装置等で構成されるものであり、その記憶素子に格納される制御プログラム及びデータに基づいて所要の制御動作を実行するようになっている。記憶素子及び装置は、ROM,RAM等の記憶素子や磁気ディスク装置等の記録装置で構成されている。
【0095】
制御装置7には、前述した現像剤残量検出センサ67、トナー濃度センサ29、キャリア濃度検出センサ105等の検出器や、画像処理装置27や、接続通信部12や、各種の情報の入力や表示を行う入力・表示装置(操作パネル等)15が接続されており、その各接続相手から制御に必要な情報がそれぞれ入力されるようになっている。また、制御装置7には、作像装置20、中間転写装置30、給紙装置40及び定着装置45の動作を制御する作像制御部71や、補給システム5の動作を制御する補給制御部72や、回収システム100の動作を制御する回収制御部73や、画像処理装置27や、接続通信部12や、入力・表示装置15等と接続されており、その各接続相手の各動作に必要な制御信号をそれぞれ送信するようになっている。作像制御部71、補給制御部72及び回収制御部73は、制御装置7の一部として構成されるが、制御装置7とは独立した専用の制御装置として構成してもよい。
【0096】
作像制御部71は、その制御対象となる作像装置20、中間転写装置30、給紙装置40及び定着装置45における各駆動部材に回転動力を伝達する回転駆動装置(回転駆動部)16Aをはじめ、帯電バイアスを供給する帯電用電源部16B、露光装置23を駆動する露光駆動部16C、現像バイアスを供給する現像用電源部16D、一次転写バイアス及び二次転写バイアスを供給する転写用電源部17E等と接続されている。トナー放出動作(後述するキャリア放出動作)は、その各動作に必要な制御信号が作像制御部71を通して送信されるようになっている。補給制御部72は、その制御対象である補給システム5における回転駆動装置55,56と接続されている。回収制御部73は、その制御対象である回収システム100の各搬送装置101、104における駆動装置114,118,124,134,144,154と、貯蔵攪拌器101における攪拌搬送部材165の駆動装置166と、送出機構103における搬送部材170の駆動装置172とに接続されている。
【0097】
ここで、画像形成装置1におけるトナー放出動作は、次のように行われる。
【0098】
制御装置7においてトナー放出動作を実行する時期であることが検出されると、図8に示すように、各作像装置20の感光ドラム21(の画像形成有効領域となる表面部分を平面に展開したときの全域)における先行の画像形成領域E1と後続の画像形成領域E2との間となる非画像形成領域Sに、特殊トナー像STが帯電、露光及び現像の作像動作の実行により形成される。
【0099】
特殊トナー像STは、例えば、感光ドラム21における画像形成領域Eの軸方向の全域に相当する長さでもって形成される。また、特殊トナー像STにおける感光ドラム21の回転方向A(プロセス方向にも該当する)に対する長さ(幅)及び画像濃度については一定に設定されるが、変更するようにしても構わない。さらに、特殊トナー像STは、画像形成領域E1,E2のうち実際に画像が形成された領域Ia、Ibを除く背景部の領域(EBK)と画像形成領域E1,E2の軸方向(プロセス方向Aとほぼ直交する方向)に存在する非画像形成領域ESに相当する軸方向の領域部分などに限定して形成してもよい。このように特殊トナー像STの形成(画像)パターンについては、特に限定されない。また、特殊トナー像STの画像パターンの情報については、例えば画像処理装置27の記憶部か又は制御装置7の記憶部に格納されている。
【0100】
このトナー放出動作で形成された特殊トナー像STは、中間転写ベルト31に転写されず、ドラム清掃装置26で除去され、しかる後、その特殊トナー像STを構成するトナーT4が回収システム100により回収され、最終的に容器200(A,B)に収容される。また、このトナー放出動作の実行により、各現像装置24では、トナー濃度検出センサ29が低下するため補給装置60が作動し、対応する現像剤カートリッジ50から新しい現像剤(キャリアを含むトナー)が補給される。
【0101】
以下、画像形成装置1における回収システム100に関する特別な制御の動作について説明する。
【0102】
画像形成装置1は、図11に示すように、制御装置7において容器200(A,B)に収容される現像剤が収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域SAに達すると予測される少し手前の段階であるか否かが判断される(ステップS10)。
【0103】
このときの判断は、制御手段7において、前述したように補給装置60の補給時間の累積情報又は露光装置23で形成する潜像の画素数の累積情報が、予め設定する各設定値(手前の段階を検出できる値)に達したという情報を入手したか否かを検出することにより行われる。この場合、補給時間の累積情報は、例えば補給制御部72から得ることができる。また、画素数の累積情報は、画像処理部27等から得ることができる。これにより、実際には検出可能領域SAに既に達してしまっている事態などの発生を回避でき、また、今回の特別の制御を確実に実行すること可能になる。
【0104】
ステップS10において予測される段階の少し手前の段階であると判断された場合には、それ以後は送出機構103の動作等に関する特別な制御を行う時期であるとみなし、制御装置7により容器200(A,B)における収容検出センサ107(A,B)の検出がトナー放出動作の事項に起因して不能になると予測される情報があるか否かが判断される(S11)。
【0105】
このときの判断は、制御手段7において、前述したように貯蔵攪拌器101における濃度検出センサ105で検出されるキャリア濃度(出力値)が閾値以下であるという情報を入手したか否かを検出することにより行われる。この場合、貯蔵攪拌器101に貯蔵されて存在する現像剤のキャリア濃度が閾値以下になって相対的に低下したとの情報は、例えば濃度検出センサ105と回収制御部73から得ることができる。
【0106】
ステップS11においてキャリア濃度が閾値以下であるとの情報を入手した場合には、収容検出センサ107(A,B)の検出が不能な状態になるとみなし、制御装置7により貯蔵攪拌器101における送出機構103の送り出し動作を停止する制御を行う(S12)。具体的には、回収制御部73を介して、送出機構103における搬送部材170の駆動装置172の動作を停止させる。
【0107】
続いて、制御装置7において所要の時期が到来したか否かが判断される(S13)。このときの判断は、例えば、制御手段7が前述したように貯蔵攪拌器101における濃度検出センサ105で検出されるキャリア濃度が閾値以下になった後に再び閾値を超えて回復したという情報を入手したか否かにより行われる。
【0108】
この場合、その時期が到来しない間は送出機構103による現像剤の送り出し動作が停止され続けるが、その時期が到来したときには停止されていた送出機構103による現像剤の送り出し動作が再開される(S14)。この停止された送り出し動作が再開された段階で、送出機構103の動作に関する特別な制御が終了する。
【0109】
このような特別な制御において、送出機構103における搬送部材170の駆動が停止している間は、貯蔵攪拌器101に存在する現像剤が筐体160の外部に送り出されることがなく、最終搬送装置104に搬送されることや容器200に収容されることもない。
【0110】
これにより、トナー放出動作の実行により形成される特殊なトナー像STの比較的多めのトナーT4がドラム清掃装置26で除去された後に回収搬送装置101を経由して貯蔵攪拌器101に送り込まれて一時的に貯蔵された状態になり、その多量のトナーT4が貯蔵攪拌器101を単に経由して容器200まで搬送されて収容されることが回避される。この結果、容器200における収容検出センサ107の検出可能領域SAに相当する部位に、磁性キャリアC1を含まないトナーT4が大量に堆積されることがなくなるので、収容検出センサ107による透磁率の測定がトナーT4の集中的な堆積によって妨げられることがない。
【0111】
また、貯蔵攪拌器101では、送出機構103による現像剤の送り出し動作が停止している間は、トナー放出動作の実行で回収される比較的多めのトナーT4が、既に貯蔵攪拌器101に貯蔵されて存在する現像剤(トナーT1〜T3及び磁性キャリアC1)や次の画像形成動作の実行に伴い貯蔵攪拌器101に搬送される新たな現像剤(トナーT1〜T3及び磁性キャリアC1)と、攪拌搬送部材165により攪拌されて混合される。この結果、トナー放出動作の実行で回収される比較的多めのトナーT4が、磁性キャリアC1を含む状態になってキャリア濃度も上昇して回復するようになる。
【0112】
そして、貯蔵攪拌器101において送出機構103による現像剤の送り出し動作が再開されることにより、貯蔵攪拌器101でキャリア濃度が回復した現像剤が最終搬送装置104を経由して容器200(A,B)に収容されることになる。この結果、このような特別な制御を行う時期にトナー放出動作が実行されることがあっても、容器200(A,B)の収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域SAに相当する部位には、磁性キャリアC1を含んでキャリア濃度が確実に回復した現像剤が貯蔵攪拌器101から送り出されて収容されることになるので、収容検出センサ107(A,B)による透磁率の測定が確実に行われる。
【0113】
以上のことから、画像形成装置1では、上述したような特別な制御が行われることにより、収容検出センサ107(A,B)によって容器200の収容量が設定量Yに達したことが確実に検出される(下限値を超えた出力が得られる)ので、満杯の状態を検出するための画像形成枚数のカウント動作が適切に開始されるようになり、最終的に容器200の満杯の検出も確実に行うことができる。
【0114】
また、このように収容検出センサ107の検出が確実に行われると、制御装置7では、その検出後の画像形成枚数が積算され始め、その積算値が設定枚数に達すると、容器200(A,B)が満杯になったとみなし、それ以降の画像形成動作の実行を停止させる(禁止する)とともに、入力・表示装置15に容器の交換を促す警告メッセージを表示される。これにより、満杯になったと判断された容器200が交換されるようになり、収容検出センサ106の検出が正常に行われなかった場合における容器200からのトナー等の溢れ出しや搬送装置100の目詰まり等の不具合が発生することを回避できる。
【0115】
[実施の形態2]
実施の形態2に係る画像形成装置1は、回収システム101に関する特別な制御を行う場合、容器200における収容検出センサ107の検出が不能になると予測される情報と所要の時期についての構成を変更し、また貯蔵攪拌器101に濃度検出センサ105を設置しないように変更した以外は実施の形態1に係る画像形成装置1と同じ構成のものである。
【0116】
すなわち、実施の形態2では、容器200における収容検出センサ107の検出が不能になると予測される情報として、トナー放出動作を開始するときの情報を使用するように設定し、また、所要の時期として、そのトナー放出動作が終了してから所要の時間が経過したときの情報を使用するように設定している。
【0117】
この場合、トナー放出動作を開始するときの情報については、トナー放出動作の実行時期が前述したように低濃度の画像形成が設定枚数だけ連続して行われた後の時期などであるため、その情報は画像処理部27や作像制御部71から得ることができる。また、所要の時間については、トナー放出動作が実行された作像装置20においてドラム清掃装置26で除去された特殊トナー像STのトナーが磁性キャリアC1と混合されてキャリア濃度が回復したとみなすることができる時間である。
【0118】
具体的には、例えば、その特殊トナー像STのトナーが回収システム100の回収搬送装置102により搬送されて貯蔵攪拌器101に完全に収容されるまでに要する所要時間T1を含む時間である。好ましくは、その所要時間T1に、さらにトリックル現像方式により現像装置24から排出される磁性キャリアC1を含む現像剤が貯蔵攪拌器101に収容されるまでに要する(収容されることが見込まれる)所要時間T2を加えた時間である。このような所要の時間が経過した情報は、画像処理部27や作像制御部71から得ることができる。
【0119】
ちなみに、上記所要時間T1については、例えば、トナー放出動作(特殊トナー像STの形成)が終了してから、各作像装置20におけるドラム用清掃装置26で除去された特殊トナー像STのトナーT4が清掃装置26から貯蔵攪拌器101まで実際に搬送し終わるまでに要する(最大の)時間に設定することができる。また、上記所要時間T2については、例えば、トナー放出動作が終了してから補給装置60による補給動作が終了するまでの時間に設定することができる。
【0120】
以下、実施の形態2に係る画像形成装置1における回収システム100に関する特別な制御の動作について説明する。
【0121】
この画像形成装置1では、図11に示すように、制御装置7において容器200(A,B)における収容検出センサ107(A,B)の検出がトナー放出動作の事項に起因して不能になると予測される情報があるか否かが判断される際(S11)、その判断は、トナー放出動作が開始されるという情報を入手したか否かを検出することで行われる。
【0122】
ステップS11においてトナー放出動作が開始されるという情報を入手した場合には、容器200(A,B)における収容検出センサ107(A,B)の検出がトナー放出動作の実行に起因(影響)して不能な状態になるとみなし、制御装置7により貯蔵攪拌器101における送出機構103の送り出し動作を停止する制御を行う(S12)。
【0123】
続いて、制御装置7において所要の時期が到来したか否かが判断される(S13)が、このときの判断は、そのトナー放出動作が終了してから所要の時間(所要時間T1又は所要時間T1+T2)が経過した情報を入手したか否かを検出することにより行われる。この場合も、その時期が到来しない間(所要の時間が経過しない間)は送出機構103による現像剤の送り出し動作が停止され続けるが、その時期が到来したときには停止されていた送出機構103による現像剤の送り出し動作が再開される(S14)。
【0124】
この画像形成装置1においても、このような特別な制御が行われることにより、実施の形態1に係る画像形成装置1の場合とほぼ同様に、その特別な制御を行う時期にトナー放出動作が実行されることがあっても、容器200(A,B)の収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域SAに相当する部位に対し、磁性キャリアC1を含んでキャリア濃度が回復したとみなせる現像剤が貯蔵攪拌器101から送り出されて収容されることになるので、収容検出センサ107(A,B)による透磁率の測定が確実に行われる。なお、この画像形成装置では、実施の形態1におけるようなキャリア濃度検出センサ105を貯蔵攪拌器101に設置する必要がない。
【0125】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る画像形成装置1は、回収システム101に関する特別な制御を行う場合、送出機構103の送り出し動作を停止させるときに現像装置24にある現像剤の磁性キャリアの一部を感光ドラム21に付着させて放出するキャリア放出動作を追加して実行するように変更した以外は実施の形態1、2に係る画像形成装置1と同じ構成のものである。
【0126】
キャリア放出動作は、前記したトナー放出動作のように感光ドラム21に特殊なトナー像STを形成する際、そのトナー像STの作像条件(例えば帯電、露光及び現像の各工程に関する条件)の一部について磁性キャリアの感光ドラム21への付着(移行)が促進される条件に変更し、その条件で作像装置20による作像動作を実行することにより行われる。このときに感光ドラム21に形成する磁性キャリアC2を含むトナー像は、特殊トナー像STと同じ位置に形成する。また、その磁性キャリアC2を含むトナー像は、特殊トナー像STと同様に、中間転写ベルト31に転写させず、ドラム清掃装置26で除去される。このように磁性キャリアC2を含むトナー像は、特殊トナー像STと似たものである。さらに、このキャリア放出動作は、例えば、送出機構103の送り出し動作が再開されたときに停止するよう設定されている。
【0127】
また、キャリア放出動作の作像条件については、例えば、図12の分図a,bに示すように、露光装置23により形成する潜像の感光ドラム21における潜像電位Viと現像装置24に供給する現像バイアスのバイアス電位Vbとの差(「Vdeve=|Vb−Vi|」→Vdeve2)を、特殊トナー像STの作像条件における当該差(Vdeve1)よりも大きくする(Vdeve2>Vdeve1)。図12における符号Vhは、帯電装置24により帯電されたときの感光ドラム21の帯電電位を示す。
【0128】
以下、実施の形態3に係る画像形成装置1における回収システム100に関する特別な制御の動作について説明する。
【0129】
この画像形成装置1では、実施の形態1,2の場合と同様に、図11に示すように、制御装置7において容器200(A,B)に収容される現像剤が収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域SAに達すると予測される段階であると判断された後(S10)、しかも、その予測される段階であるとされた容器200(A,B)における収容検出センサ107(A,B)の検出がトナー放出動作の事項に起因して不能になると予測される情報があると判断されると(S11)、送出機構103の送り出し動作が停止される(S12)が、これに加えてキャリア放出動作が新たに実行される(S20)。次いで、送り出し動作が停止してから所定の時期が到来すると(S13)、停止された送出機構103の送り出し動作が再開されること(S14)に加え、キャリア放出動作が停止されることになる(S21)。
【0130】
このときのキャリア動作は、特殊トナー像STの形成動作の場合とほぼ同様に、前述したとおり各作像装置20の感光ドラム21における非画像形成領域S等に対して、現像装置24内にある磁性キャリアの一部のキャリアC2が含まれる像を作像動作により形成する。
【0131】
実施の形態3におけるキャリア放出動作は、図12bに示すように、例えば、特殊トナー像STを形成するための潜像電位Vi2を、そのバイアス電位Vbとの差Vdeve2が、特殊トナー像STを形成する通常の作像条件における潜像電位Vi1とバイアス電位Vbの差Vdeve1(図12a)よりも大きくなるように変更することで行っている。これにより、感光ドラム21の非画像形成領域Sとなる表面には、特殊トナー像STを構成する非磁性トナーTに加え、電位差Vdeve2を大きくしたことに対応して増大された現像電界により電荷が注入されて帯電極性の反転した磁性キャリアC2が当該現像電界の作用を受けて移行することで付着する。この結果、感光ドラム21には、図8に示すように磁性キャリアC2を含むトナー像(ST+C2)が形成されることになる。
【0132】
この磁性キャリアC2を含むトナー像(ST+C2)は、中間転写ベルト31に転写されず、ドラム清掃装置26で除去され、しかる後、そのトナー像(ST+C2)を構成するトナーT5及び磁性キャリアC2が回収システム100により回収される。
【0133】
この特別な制御においては、送出機構103における搬送部材170の駆動が停止している間は、少なくともキャリア放出動作の実行により形成される磁性キャリアC2を含むトナー像(ST+C2)がドラム清掃装置26で除去されたトナーT5及び磁性キャリアC2が回収搬送装置102を介して貯蔵攪拌器101に送り込まれる。
【0134】
これにより、貯蔵攪拌器101では、送出機構103による現像剤の送り出し動作が停止している間は、トナー放出動作の実行により形成される特殊なトナー像STの比較的多めのトナーT4が貯蔵攪拌器101に送り込まれることがあっても、その比較的多めのトナーT4が、既に貯蔵攪拌器101に貯蔵されて存在する現像剤(トナーT1〜T3及び磁性キャリアC1)などに加え、キャリア放出動作の実行により回収されるトナーT5及び磁性キャリアC2と攪拌されて混合される。この結果、トナー放出動作の実行で回収される比較的多めのトナーT4が、少なくともキャリア放出動作で放出された磁性キャリアC2を含む状態になってキャリア濃度も上昇して回復するようになる。
【0135】
そして、貯蔵攪拌器101において送出機構103による現像剤の送り出し動作が再開されることにより、キャリア放出動作が停止されるが、貯蔵攪拌器101でキャリア濃度が回復した現像剤が最終搬送装置104を経由して容器200(A,B)に収容されることになる。
【0136】
この画像形成装置1においても、このような特別な制御が行われることにより、実施の形態1に係る画像形成装置1、2の場合とほぼ同様に、その特別な制御を行う時期にトナー放出動作が実行されることがあっても、容器200(A,B)の収容検出センサ107(A,B)の検出可能領域SAに相当する部位には、磁性キャリアC1を含んでキャリア濃度が確実に回復した現像剤が貯蔵攪拌器101から送り出されて収容されることになるので、収容検出センサ107(A,B)による透磁率の測定が確実に行われる。
【0137】
[他の実施の形態]
実施の形態1〜3では、貯蔵攪拌器101と併設する送出機構103として、回転駆動する搬送部材170(スクリューオーガーなど)を適用した場合を例示したが、これに以外にも例えば、貯蔵攪拌器101内における現像剤を最終搬送装置104に排出されるための接続排出口を設け、その接続排出口をシャッター(閉鎖部材)により開閉する部材で構成される送出機構を採用してもよい。この場合は、シャッターを閉めることにより貯蔵攪拌器101内の現像剤の送り出しを停止し、また、その閉じたシャッターを開けることにより貯蔵攪拌器101内の現像剤の送り出しを再開することになる。
【0138】
また、実施の形態1〜3では、回収システム100として、1つの容器200を使用する構成を採用することも可能である。また、1つの容器200を使用する回収システム100の場合、貯蔵攪拌器101と1つの容器200の間を接続する最終搬送装置104については、例えば、1つの容器200を貯蔵攪拌器101の重力方向下方に配置したときには、貯蔵攪拌器101と1つの容器200を接続する環状の接続管のみで構成したもの採用してもよい。
【0139】
さらに、実施の形態1〜3では、キャリア放出動作におけるキャリアの付着を促進させるための作像条件の変更例として、特殊トナー像STの作像条件の一部である潜像電位と現像バイアス電位との差(Vdeve2)を通常の特殊トナー像STの作像条件における当該差(Vdeve1)よりも大きくするように潜像電位を変更する構成例を示したが、キャリアの感光ドラム21への付着を促進することが可能であれば、これ以外の作像条件の変更を行う構成例を適用することができる。
【0140】
この他の構成例としては、図12cに示すように、帯電電位Vhと現像バイアスのバイアス電位Vbとの差(Vcl=|Vh−Vb|→Vcl2)を、通常の特殊トナー像STの作像条件における当該差(Vcl1)よりも大きくするように変更する例が挙げられる。この場合の電位差(Vcl)を変更する手段としては、図12cに示すように、現像バイアスの電位Vbを変更する方法を適用すればよいが、この他にも帯電電位Vhを変更する方法を適用することも可能である。
【0141】
このような作像条件の一部についての変更を行った場合は、図8に示すように特殊トナー像STを形成する非画像形成領域Sのうち特殊トナー像STが形成されない背景部となる領域SBGに現像装置24からキャリアC2が移行して付着する。つまり、特殊トナー像STの背景部となる感光ドラム21の領域にキャリアC2を付着させることができる。このときの磁性キャリアC2の感光ドラム21への付着は、上記した電位差(Vcl)の変更により、正規の帯電極性にある磁性キャリアがその電位差の変更に対応して増大される電界の作用を受けて感光ドラム21に移行しやすくなることで行われる。そして、このようにして感光ドラム21に付着したキャリアC2は、特殊トナー像STにほぼ相当するトナーT5と共にドラム清掃装置26で除去され、しかる後、回収システム100の貯蔵攪拌器101に一時的に貯蔵されて攪拌された後、最後に容器200(A,B)に収容される。
【0142】
この他、画像形成装置1については、中間転写装置3を使用せずに記録用紙9を複数の作像装置20の一次転写位置を通過させるように搬送する用紙搬送装置を採用したものであってもよい。また、画像形成装置1については、作像装置20の数が単数又は他の複数(6つ以外の複数)であってもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 …画像形成装置
5 …補給システム
7 …制御装置(制御手段)
9 …記録用紙(被記録媒体)
20…作像装置
21…感光ドラム(感光体)
22…帯電装置
23…露光装置
24…現像装置
26…ドラム清掃装置(清掃装置)
50…現像剤カートリッジ(現像剤収容器)
60…補給装置
101…回収搬送装置
102…回収搬送装置
103…送出機構
104…最終搬送装置
105…キャリア濃度検出センサ(濃度検出器)
107…収容検出センサ(収容検出器)
200…容器
T …トナー
C …磁性キャリア
SA…検出可能領域
ST…特殊トナー像(被記録媒体に転写しないトナー像)
C2…キャリア放出動作で感光ドラムに付着させる磁性キャリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体の表面を帯電させる帯電装置と、
前記感光体の帯電された表面に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
前記感光体に形成された潜像をトナーと磁性キャリアを含む現像剤により現像してトナー像を形成し、かつ、前記現像剤が補給されるとともに前記現像剤の一部が排出される現像装置と、
前記感光体に形成されたトナー像を最終的に被記録媒体に転写する転写装置と、
前記感光体の転写後の表面に残留する少なくともトナーを除去する清掃装置と、
前記現像装置から排出された現像剤と前記清掃装置で除去された少なくともトナーを収容する容器と、
前記現像装置及び清掃装置から排出される現像剤を一時的に貯蔵して攪拌する貯蔵攪拌器と、
前記現像装置及び清掃装置と前記貯蔵攪拌器との間を接続して前記現像装置及び清掃装置から排出される現像剤を当該貯蔵攪拌器まで搬送する回収搬送装置と、
前記貯蔵攪拌器で攪拌された現像剤を外部に送り出す送出機構と、
前記貯蔵攪拌器と前記容器との間を接続して前記送出機構から送り出される現像剤を当該容器まで搬送する最終搬送装置と、
前記最終搬送装置により搬送されて前記容器に収容された現像剤の透磁率を測定して当該容器における現像剤の収容量が設定量以上になったことを検出する収容検出器と、
前記被記録媒体に転写しないトナー像を前記感光体に形成して前記現像装置にあるトナーの一部を放出するトナー放出動作を実行する制御手段と
を有し、
前記制御手段は、前記容器に収容される現像剤が前記収容検出器の検出可能領域に達すると予測される段階の少なくとも手前の段階を含む以後において、前記収容検出器の検出が前記トナー放出動作の実行に起因して不能になると予測される情報に基づいて前記送出機構の送り出し動作を停止させ、その停止させた送り出し動作を所要の時期が到来した後に再開させる制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記貯蔵攪拌器に貯蔵される現像剤のキャリア濃度を検出する濃度検出器を設け、
前記制御手段は、前記収容検出器の検出が不能になると予測される情報として、前記濃度検出器で検出されるキャリア濃度が閾値以下になったときの情報を使用し、かつ、前記所要の時期として、前記濃度検出器で検出されるキャリア濃度が前記閾値以下になった後に再び閾値を超えて回復したときの情報を使用する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記収容検出器の検出が不能になると予測される情報として、前記トナー放出動作を開始するときの情報を使用し、かつ、前記所要の時期として、前記トナー放出動作が終了してから所要の時間が経過したときの情報を使用する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記送出機構の送り出し動作を停止させるときに、前記現像装置にある現像剤の磁性キャリアの一部を前記感光体に付着させて放出するキャリア放出動作を実行する制御を行う請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記容器に収容される現像剤が前記収容検出器の検出可能領域に達したか否かを、前記現像装置における現像剤の補給時間又は前記露光装置で形成する潜像の画素数の累積情報に基づいて判断する請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−3532(P2013−3532A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137650(P2011−137650)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】