説明

画像記録装置

【課題】紛れ込んだ用紙の長さ不足に起因する搬送路の汚れの発生を無くす。
【解決手段】画像記録装置は、給紙部と、搬送される用紙に対し、画像データに基づき画像を形成する画像記録部と、用紙の到達及び通過を検知するための用紙検知体と、用紙検知体の用紙到達検知により計時を開始し、第1遅延時間を計時し、第1遅延時間の計時以後に、画像記録部に対し画像の記録を指示するためのトリガ信号の発信を開始し、トリガ信号の発信開始後、周期的にトリガ信号を発信する第1計時部と、用紙検知体の用紙通過検知により計時を開始し、第2遅延時間を計時し、第2遅延時間の計時以後にマスク信号を発する第2計時部と、トリガ信号が入力されるとともに第2計時部と接続され、マスク信号を受信していない場合、トリガ信号を画像記録部に伝達するマスク処理部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリ装置等の画像記録装置に関する。特に、ラインヘッドを用いたインクジェット方式の画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、インクジェット方式の画像記録装置は、微量のインクを連続して用紙などの記録媒体に吐出して着弾させ、画像の記録(印刷)を行う。そして、家庭用のインクジェット方式のプリンタには、記録媒体の幅よりも小さいヘッドを記録媒体上で走査・往復させて画像の記録を行う(いわゆるシリアル型)ものが多い。又、高速印刷のため、ノズルを、例えば列状に配するラインヘッドを記録媒体の幅以上で固定して設けた画像記録装置も存在する。
【0003】
このようなインクジェット方式の画像記録装置を含む発明の一例が特許文献1に記載されている。具体的に特許文献1には、記録媒体の搬送方向に複数の記録ヘッドを有するインクジェット記録装置と、インクジェット記録装置に画像データを送信する情報処理装置とを備え、情報処理装置は、画像データを送信する際に、画像の画素単位の補正量を得るための画素数データと、画像の1画素未満の補正量を得るためのクロック数データ又は遅延時間データとをさらにインクジェットプリンタに送信し、インクジェット記録装置は、画素数データに基づいて第1遅延時間を生成し、クロック数データ又は遅延時間データに基づいて第2遅延時間を生成し、第1遅延時間と第2遅延時間とを加算して総遅延時間だけ遅延させて記録ヘッドによる記録動作を行わせ、複数の記録ヘッドにより記録媒体上にそれぞれ記録された複数の画像間の記録位置を補正する位置補正システムが記載されている。この構成により、安価、簡単に、1画素未満の精度で各画像の記録位置を補正しようとする(特許文献1:請求項1、段落0006等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−246859
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、印刷に用いる画像データのライン数(サイズ)は、印刷解像度にもよるが、印刷に用いる用紙の長さに収まる数とされる。そのため、印刷に用いる用紙の長さ以上にインクの吐出等、画像の記録動作は続かない。しかし、用紙を給紙する給紙部に、印刷に用いる用紙よりも小さい用紙が紛れ込むことがある。例えば、A3縦(用紙搬送方向とA3用紙の長辺方向が一致)が給紙部に収容される場合、A4横(用紙搬送方向とA4用紙の短辺方向が一致)用紙が紛れ込む場合がある。
【0006】
そして、A3縦用紙を用いて印刷を行う場合、A4横用紙が用いられると、画像データは、A3縦用紙分存在するので、A4横用紙の用紙長を超えてインクの吐出が行われてしまう。そうすると、インクが、搬送路を汚し、更に次に搬送される用紙を汚すという問題がある。又、使用者は、搬送路のインク汚れを清掃する作業が必要となり、煩雑であるという問題もある。更に、搬送路は装置内に存在するので、インク汚れを清掃しにくい場合もある。
【0007】
尚、特許文献1記載の発明は、複数の画像間の記録位置を補正する位置補正システムであり、画像の位置補正を行う上で非常に有益である。しかし、紛れ込んだ用紙の長さが足りないため、インクが、搬送路を汚すという問題に対する記載はない。
【0008】
又、インクジェット方式の画像記録装置では、各ヘッドに用紙の有無を確認するためのセンサを設け、センサが用紙無を検知した場合、インクの吐出を止めるものも存在する。しかし、この方式では、各ヘッドにセンサを設ける必要があるため、センサの設置数及びセンサに関する配線数の増加や、センサの信号処理回路での使用ポート数の増加等、製造コスト、スペースの点で問題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑み、製造コスト増大や装置の大型化を避けつつ、紛れ込んだ用紙の長さ不足に起因する搬送路の汚れの発生を無くすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解消するために、請求項1記載の画像記録装置は、用紙を収容する給紙部と、前記給紙部から給紙され搬送される用紙に対し、画像データに基づき画像を形成する画像記録部と、前記給紙部と前記画像記録部の間に設けられ、用紙の到達及び通過を検知するための用紙検知体と、前記用紙検知体の用紙到達検知により計時を開始し、用紙の先端が前記用紙検知体から前記画像記録部に到達するまでの時間である第1遅延時間を計時し、前記第1遅延時間の計時以後に、前記画像記録部に対し画像の記録を指示するためのトリガ信号の発信を開始し、前記トリガ信号の発信開始後、周期的に前記トリガ信号を発信する第1計時部と、前記用紙検知体の用紙通過検知により計時を開始し、用紙の後端が前記用紙検知体から前記画像記録部を通過しきる時間以内である第2遅延時間を計時し、前記第2遅延時間の計時以後にマスク信号を発する第2計時部と、前記トリガ信号が入力されるとともに、前記第2計時部と接続され、前記マスク信号を受信していない場合、前記トリガ信号を前記画像記録部に伝達するマスク処理部を有することとした。
【0011】
この構成によれば、マスク処理部が、マスク信号を受信していれば、トリガ信号を画像記録部に伝達させない。これにより、紛れ込んだ用紙の長さが、印刷に使用する用紙に対し短くても、用紙以外への(搬送路への)画像の記録は行われない。従って、搬送路等が画像の記録剤で汚れず、使用者にとって、搬送路での記録材汚れ清掃という煩雑さがなくなる。又、複数枚を連続して印刷するジョブの途中で、長さ不足の用紙に対する印刷が行われても、印刷動作全体を停止させる必要はなく、画像記録部による記録が一時的に行われないだけですみ、印刷ジョブを完了させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明において、前記画像記録部は、インクを吐出し固定されるヘッドと、前記トリガ信号に基づき、前記ヘッドからインクを吐出させる前記ヘッド制御部を含むこととした。
【0013】
この構成は、ヘッドが固定されたラインヘッド型のインクジェット方式の画像記録装置であり、搬送路がインクで汚れず、使用者にとって、搬送路でのインク汚れ清掃という煩雑さがなくなる。又、トリガ信号に基づきインクの吐出が行われるところ、トリガ信号をマスクすれば、直ちにインクの吐出が停止され、トリガ信号に対するマスク処理の効果が直ちに現れる。従って、搬送路のインク汚れがなくなる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2の発明において、前記ヘッドは、1色あたり複数設けられ、ヘッド群を構成し、前記ヘッド群は、複数色分設けられ、前記用紙検知体は、全色の前記ヘッド群に対し1つ設けられ、前記第1計時部と前記第2計時部は、前記ヘッドに対しそれぞれ設けられることとした。
【0015】
この構成によれば、第1計時部や第2計時部の計時で、画像の記録の各ヘッド5の画像記録部による記録を行うか否かが定まる。これにより、画像記録装置が1色当たり複数のヘッドからなるヘッド群であり、複数色分ヘッド群が設けられる場合など、複数のヘッドを含む場合でも、各第1計時部や各第2計時部が計時する時間をそれぞれ異ならせ、時間差を持たせることで、各ヘッドに対し1つの用紙検知体を設けずに済む。従って、各ヘッドに対し1つの用紙検知体を設けずに済み、コスト削減を図ることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の発明において、前記第1遅延時間と前記第2遅延時間は等しいこととした。
【0017】
この構成によれば、第1遅延時間と第2遅延時間は等しいので、用紙の後端が画像記録部を通過するとき、画像の記録が行われなくなる。従って、用紙検知体の用紙通過検知後、直ちに画像の記録が停止せず、用紙の後端が画像記録部を通過しきるまで、画像の記録が行われるので、画像の後端部分が印刷の途中で切れず、最後まで印刷される。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の発明において、クロック信号を発するクロック信号発生部を有し、前記第1計時部は、前記クロック信号発生部が発生するクロック信号をカウントし、記第1遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記トリガ信号を発信し、前記第2計時部は、前記クロック信号発生部が発生するクロック信号をカウントし、前記第2遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記マスク信号を発信し、用紙の搬送を行うための搬送モータは、前記クロック信号発生部が発生するクロック信号に基づき回転することとした。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4の発明において、外部のコンピュータと通信を行うための通信部を有し、通信部は、外部のコンピュータから印刷を行う画像データとともに、外部のコンピュータからのクロック信号の供給を受け、前記第1計時部及び前記第2計時部は、外部のコンピュータから供給されるクロック信号をカウントして計時を行い、前記第1計時部は、外部のコンピュータから供給されるクロック信号をカウントし、前記第1遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記トリガ信号を発信し、前記第2計時部は、外部のコンピュータから供給されるクロック信号をカウントし、前記第2遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記マスク信号を発信し、用紙の搬送を行うための搬送モータは、外部のコンピュータから供給されるクロック信号に基づき回転することとした。
【0020】
請求項5及び請求項6の構成では、クロック信号に基づき第1計時部と第2計時部が計時を行い、用紙が搬送される。これにより、画像の記録速度と用紙の搬送速度を同じ基準とするクロック信号のもと定めることができ、クロック信号の周波数で、印刷速度を調整することができる。従って、例えば、用紙後端を用紙検知体が検知してから一定時間後に画像の記録を停止するのではなく、クロック信号に基づき第2遅延時間として与えられた値をカウントした後に画像の記録が停止するので、クロック信号の周波数を変化させ、例えば、印刷速度を遅くしても、画像の後端部分が印刷の途中で切れず、最後まで確実に印刷される。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の発明において、前記マスク処理部は、論理回路、又は、スイッチを含むこととした。
【0022】
この構成によれば、マスク処理部は、論理回路、又は、スイッチで構成されるので、マスク処理部を安価に構成することができる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明によれば、紛れ込んだ、異なるサイズの用紙の長さ不足に起因する搬送路の汚れの発生を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態に係るプリンタの概略構成を示す正面視模型的断面図である。
【図2】実施形態に係るラインヘッド部及び搬送ユニットを上方から見た模型的平面図である。
【図3】実施形態に係るプリンタのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】実施形態に係るプリンタの1色分の画像記録に関わるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】実施形態に係るプリンタの吐出の一例を示すタイミングチャートである。
【図6】実施形態に係るプリンタでの印刷の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係るプリンタでの印刷の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】実施形態に係るマスク処理部の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図1〜8に基づき、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、ライン式の固定のヘッド5を有するインクジェット方式のプリンタ100(画像記録装置に相当)を例に挙げて説明する。
【0026】
(画像記録装置の概要)
図1に基づき、実施形態に係るプリンタ100の概略を説明する。図1は、実施形態に係るプリンタ100の概略構成を示す正面視模型的断面図である。
【0027】
まず、図1に示すように、プリンタ100の本体内部下方に、記録媒体としての用紙P(他の記録媒体として、例えば、OHPシート、布等)を複数積載して収容するためのカセット1(給紙部に相当)が配される。又、用紙搬送方向下流側上方に、給紙ローラ11が配され、この給紙ローラ11の回転駆動により、用紙Pは、搬送ユニット3方向に送り出される。
【0028】
カセット1の用紙搬送方向下流には、第1搬送路2(搬送路に相当)が設けられる。第1搬送路2での用紙搬送経路に、搬送ローラ対21、レジストローラ対22、ガイド板23等が配される。カセット1からの用紙Pは、第1搬送路2を通ってレジストローラ対22に搬送される。レジストローラ対22は、モータ(不図示)等によって回転駆動し、用紙Pの斜め送りを矯正し、搬送ユニット3に向け用紙Pを送り出す。
【0029】
搬送ユニット3は、画像記録部4の下方に設けられ、駆動ローラ31、従動ローラ32、及びテンションローラ33を回転可能に支持する。そして、無端状の搬送ベルト34が各ローラに張架される。駆動ローラ31は、搬送モータ37(図3参照)等からなる駆動機構に接続され、回転駆動する。駆動ローラ31の駆動により、搬送ベルト34は、図1において矢印で図示するように、反時計方向に周回する。用紙Pは、この搬送ベルト34の上面に載置され、図1の右方から左方へと搬送される。
【0030】
又、搬送ユニット3は、画像記録部4に対向する箇所で、その内部に、空気を吸引し、その空気の排気を行う空気吸引ユニット35を有する。空気吸引ユニット35の上面は、搬送ベルト34の内面側と当接し、又、多数の空気吸引孔(不図示)が設けられる。一方、搬送ベルト34にも、多数の空気吸引用孔36(図2参照)が設けられる。空気吸引ユニット35は、上から下に向けて空気を吸引する。その結果、用紙Pは、搬送ベルト34の上面で吸着されつつ搬送される。
【0031】
画像記録部4は、搬送ユニット3の上方に配され、カラー画像の記録のため、4つの記録ユニット41を有する。具体的には、画像記録部4は、用紙搬送方向上流側からブラックを記録するための記録ユニット41Bk、シアンを記録するための記録ユニット41C、マゼンタを記録するための記録ユニット41M、イエローを記録するための記録ユニット41Yを有する。そして、各記録ユニット41には、搬送される用紙P上に記録を行うため、インクを吐出するノズルを複数個有するヘッド5を複数個組み合わせたラインヘッド部42(ヘッド群に相当)が設けられる。各ラインヘッド部42は、異なる色のインクを吐出する。
【0032】
又、ブラックの記録ユニット41の上流側に、用紙センサS(用紙検知体に相当)が設けられる。用紙センサSは、1つ機械本体にあればよい。尚、各色の記録ユニット41の上流側に、各記録ユニット用の用紙センサSが設けられてもよい。
【0033】
例えば、用紙センサSには、透過型の光センサを用いることができる。そして、本実施形態の用紙センサSは、用紙Pの先端が用紙センサSの検知領域に到達した際(用紙Pの存在を検知したとき)、出力電圧が立ち上がる(出力信号がHighとなる)。一方、用紙Pの後端が用紙センサSの検知領域を通過した際(用紙Pの存在を検知しなくなったとき)、出力電圧が立ち下がる(出力信号がLowとなる)。尚、用紙Pの先端を検知したとき、Lowになり、後端通過を検知したときHighになる用紙センサSを用いてもよい。又、用紙センサSは、光センサに限る物ではなく、用紙Pの存在を検知しているときと検知していない時で出力が変化するものであればよい。
【0034】
そして、用紙センサSによる用紙Pの先端検知に基づいたタイミングで、各画像記録部4の各ラインヘッド部42がインク吐出動作を実行する。
【0035】
そして、搬送ユニット3の用紙搬送方向下流に乾燥装置24が配され、乾燥装置24は、用紙Pに着弾したインクを乾燥させる。乾燥装置24の下流には、第2用紙搬送路20、排出ローラ対25、排出口26、及び、排出トレイ27が備えられる。排出ローラ対25は、乾燥済の用紙Pを排出口26から機外に排出する。そして、プリンタ100の左側面の排出トレイ27は、排出された用紙Pを受け止める。このように、用紙Pは装置内部で搬送され、画像の記録が行われる。このように、第1搬送路2、レジストローラ対22、搬送ユニット3、第2用紙搬送路20、排出ローラ対25等は、装置内で記録媒体の案内、搬送を行う。
【0036】
尚、搬送ユニット3の左下方には、各色の記録ユニット41に対応して、4台のインクタンク43が備えられる(図1において、インクタンク43Bkはブラックインクを収容し、インクタンク43Cはシアンインクを収容し、インクタンク43Mはマゼンタインクを収容し、インクタンク43Yはイエローインクを収容する)。各色のインクは、各インクタンク43からチューブ(不図示)等により対応する記録ユニット41に補給される。
【0037】
(画像記録部4の構成)
次に、図2に基づき、画像記録部4の構成を説明する。図2は、本発明の実施形態に係るラインヘッド部42及び搬送ユニット3を上方から見た模型的平面図である。
【0038】
まず、図2において、搬送ベルト34に一定間隔で、用紙吸引用孔36が設けられていることを示すため、搬送ベルト34上の破線で囲まれた領域の拡大図を示している。
【0039】
次に、画像記録部4の各記録ユニット41を説明する。尚、各記録ユニット41の構成は、使用するインクの色が異なるのみで基本的に同様であり、以下の説明を同様に適用できるので、Bk、C、M、Yの符号は、特に説明する場合を除き省略する。又、共通して説明できる部材には、同じ符号を付す。
【0040】
図2に示すように、各記録ユニット41は、搬送ベルト34の周回方向(用紙搬送方向)に沿って回転方向上流側から下流側に向けて並置される。そして、各記録ユニット41は、3個のヘッド5を備える。この3個のヘッド5により、1色分のラインヘッド42を構成する(42Bkはブラック、42Cはシアン、42Mはマゼンタ、42Yはイエローの画像を記録)。即ち、画像記録部4全体では、4色分、合計12個のヘッド5が設けられる。各ヘッド5は、各々用紙搬送方向と直角をなす用紙幅方向に向かって延び、ヘッド5の下面には、インクを吐出するための複数のノズルが、各々用紙搬送方向と直角をなす用紙幅方向に並べて設けられる。尚、ドットの記録間隔は、例えば、600dpiの解像度であれば、25.4(mm)/600≒42.3μmとなる。
【0041】
各ヘッド5のインク吐出方式には、例えば、ピエゾ素子を用いてインクを押し出す方式を採用することができる。尚、発熱体によって気泡を発生させ、圧力をかけてインクを吐出するサーマル方式など、各種方式を適用することもできる。そして、各記録ユニット41には、インクを吐出するノズルを選択し、各ノズルに設けられるピエゾ素子や発熱体への印加電圧を制御し、インクの吐出を制御するヘッドドライバ6(ヘッド制御部に相当、図3等参照)なども設けられる。
【0042】
各記録ユニット41におけるラインヘッド部42の用紙幅方向における総延長幅W1は、例えば、プリンタ100で使用できる最大用紙(例えばA4横用紙、A3縦用紙)の幅W2よりも長く、若しくは同じ長さとできる。このように、ヘッド5は、1色あたり複数設けられ、ヘッド群(ラインヘッド部42)を構成し、ヘッド群は、複数色分設けられ、用紙検知体(用紙センサS)は、全色のヘッド群に対し1つ設けられる。
【0043】
(ハードウェア構成)
次に、図3に基づき、本発明の実施形態に係るプリンタ100におけるハードウェア構成の一例を説明する。図3は、本発明の実施形態に係るプリンタ100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
まず、プリンタ100の記録動作を制御するため、制御部7が設けられる。図3に示すように、制御部7は、給紙ローラ11、搬送ローラ対21、レジストローラ対22、搬送ユニット3、画像記録部4等のプリンタ100を構成する各部と接続される。そして、制御部7は、各部の動作の制御、指示を行う。尚、制御部7は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部7と、画像記録や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を制御するエンジン制御部7等、機能ごとに分割して複数種設けられる場合があるが、本説明及び各図では、まとめて制御部7として説明する。
【0045】
制御部7には、例えば、CPU71、記憶部72、通信部73、クロック信号発生部74、画像処理部75、トリガ信号発生部76、マスク処理部77等が設けられる。CPU71は、中央演算処理装置であり、記憶部72に記憶される制御プログラムや制御データに基づき演算等を行い、プリンタ100の各部に制御信号を発する。記憶部72は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory )、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュROM等で構成される。ROM、HDD、フラッシュROMは、不揮発性メモリで、制御プログラムや制御データ、画像データ等を記憶する。RAMは、揮発性メモリで、CPU71の演算等のため、制御プログラム、制御データ、画像データ等を展開し、記憶するメモリである。
【0046】
通信部73は、外部のコンピュータ200(例えば、パーソナルコンピュータ)とプリンタ100とをネットワークやケーブル等によって通信可能に接続するためのインターフェイス部である。通信部73は、各種コネクタ、ソケット、通信制御用のコントローラ等を含む。そして、制御部7は、外部のコンピュータ200から印刷開始命令や、画像データ等の送信を受けると、画像記録部4や搬送ユニット3等を駆使し、印刷を行わせる。
【0047】
クロック信号発生部74は、画像記録装置における制御に要するクロック信号を発生する。画像処理部75は、コンピュータ200からの画像データや、制御部7の記憶部72に記憶される画像データに対し、各種画像処理を行う部分である。画像処理部75は、画像処理演算を行う専用回路としてのASIC751や、画像データを記憶する画像メモリ752を有する。又、画像処理部75をハードとして設けず、制御部7のCPU71、記憶部72、プログラムによって、機能的に画像処理部75が実現されても良い。
【0048】
具体的に、画像処理部75は、コンピュータ200から送信された画像データ又は、制御部7の記憶部72に保存される画像データの入力を受け、画像処理を行う。画像処理部75は、画像処理後、色ごとに実際に記録媒体に記録を行う各記録ユニット41に画像データを出力する。そして、画像データは、各記録ユニット41のヘッドドライバ6に入力され、画像データにあわせて、各ヘッド5を動作させ、画像データにあわせて、各ノズルのうち必要なノズルからインクを吐出させる。このように、ラインヘッド部42は、ヘッドドライバ6に入力された画像データに基づき、用紙Pにインクの吐出を行う。
【0049】
尚、本実施形態のプリンタ100でのラインヘッド部42を構成するヘッド5は、用紙搬送方向と垂直な方向に一列に並べられず、用紙搬送方向と垂直な方向での中央に位置するヘッド5は(図2参照)、他の2つと、用紙搬送方向において位置がずらされて設置される。従って、画像処理部75は、画像データを用紙搬送方向において、分割する。そして、各ヘッド5の用紙搬送方向におけるずれの距離に相当する画素数分ずらして画像データを生成し、ヘッドドライバ6に送信する。例えば、図2に示す例では、中央のヘッド5が他の2つのヘッド5よりも用紙搬送方向上流側に位置する。そこで、中央のヘッド5用の画像データに対する側方のヘッド5のノズルの用紙搬送方向における位置の差(ライン数、画素数)の分だけ、遅延させて側方のヘッド5用の画像データを生成し、ヘッドドライバ6に送信する。
【0050】
例えば、画像データがモノクロの白黒2値データある場合(他の色でも同様)、画像処理部75は、各種画像処理後、ブラックの記録ユニット41Bkのヘッドドライバ6に向けて画像データを出力する。この画像データに基づき、ブラックの記録ユニット41Bkのヘッドドライバ6は、各ヘッド5にインクの吐出を行わせる。一方、画像データがカラーの場合、画像処理部75は、画像データに各種画像処理を行った後、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の画像データに分解するか、又は、画像データをシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の画像データに分解後、各色の画像データに画像処理を行う。そして、画像処理部75は、各色の画像データを対応する各色の記録ユニット41のヘッドドライバ6に画像データを出力する。そして、各ラインヘッド部42のヘッドドライバ6は、入力された各色の画像データに基づき各色のインクの吐出を各ヘッド5に行わせる。これにより、1つのフルカラー画像が記録される。
【0051】
尚、画像処理部75は、例えば、画像データの拡大・縮小処理や、濃度変更処理や、画像データと用紙Pの印刷方向を合わせる回転処理や、解像度の変更処理などことができる。しかし、画像処理部75が行う具体的な画像処理については、多様、多岐にわたるので、画像処理部75は公知の画像処理を行えるものとして、詳細な説明を省略する。これらの画像処理の指示、設定は、例えば、コンピュータ200にインストールされるプリンタドライバソフトウェアなどで行うことができる。そして、ユーザーが行った設定は、コンピュータ200から動作設定データを制御部7が受け取ることで反映される。
【0052】
(画像の記録)
次に、図3乃至図5を用いて本発明の実施形態に係るプリンタ100での画像の記録の一例を説明する。図4は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の1色分の画像記録に関わるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5は、本発明の実施形態に係るプリンタ100の吐出の一例を示すタイミングチャートである。
【0053】
まず、図3、図4を用いて、本実施形態のプリンタ100での1色分の画像記録に関わるハードウェア構成を説明する。図2で説明したように、本実施形態のプリンタ100では、1色のラインヘッド部42は、3つのヘッド5から構成される。本実施形態のプリンタ100では、各ヘッド5に対し1つのヘッドドライバ6が設けられる。尚、3つのヘッド5に対し、1つのヘッドドライバ6を設け、1つのヘッドドライバ6が、3つのヘッド5を制御する構成としてもよい。
【0054】
各ヘッドドライバ6には、図3に示すように、画像処理部75(例えば、画像メモリ752)から処理された画像データがライン単位で入力される。例えば、画像データの転送はシリアルで数十MHz以上でなされる(例えば、クロック信号発生部74がクロックを生成)。各ヘッドドライバ6には、少なくとも1ライン分のラインメモリが搭載される。そして、制御部7から吐出を指示するトリガ信号を受けると、各ヘッドドライバ6は、画像データ上、インクの吐出を指示のある画素(ノズル)からインクを吐出させる。即ち、画像記録部4は、インクを吐出し固定されるヘッド5と、トリガ信号に基づき、ヘッド5からインクを吐出させるヘッド制御部(ヘッドドライバ6)を含む。
【0055】
そして、図4に示すように、制御部7には、遅延画素数レジスタ81と第1計時部8から構成されるトリガ信号発生部76が設けられる。第1計時部8には、クロック信号(例えば、20kHz)が入力される。第1計時部8は、印刷開始時、第1遅延時間として遅延画素数レジスタ81に記憶された値だけクロック信号をカウントするとトリガ信号を出力するカウンタである。第1計時部8がカウントするクロック信号は、クロック信号発生部74が生成したクロック信号でも良いし、外部のコンピュータ200から供給され、通信部73に入力されるクロック信号でもよく、何れかが選択される。
【0056】
又、第1計時部8には、用紙センサSの出力が入力される。そして、第1計時部8はラインヘッド部42に対応する用紙センサSが用紙Pの先端到達を検知したとき(例えば、Highに立ち上がったとき)計時を開始する(クロック信号のカウントを開始する)。
【0057】
又、印刷開始時、遅延画素数レジスタ81に入力され、記憶される遅延画素数データは、少なくとも、用紙センサSから各ヘッド5のノズルの位置までの画素数分の用紙搬送方向における距離を示すデータである。例えば、600dpiの場合、1画素は、約42.3μmの長さであるので、用紙搬送方向における用紙センサSから各ヘッド5のノズルの位置までの距離を1画素当たりの長さで割った値が、遅延画素数データとなる。言い換えると、用紙センサSから画像記録部4のノズル位置に到達するまでの時間(第1遅延時間)に相当するクロック数である。尚、本実施形態のプリンタ100では、ラインヘッド部42の各ヘッド5の用紙搬送方向における位置は、それぞれ異なるので、各ヘッド5ごとに、遅延画素数レジスタ81と第1計時部8が設けられる(各ラインヘッド部42に対しそれぞれ3つ)。
【0058】
例えば、遅延画素数データは、外部のコンピュータ200から与えられても良い。又、例えば、制御部7の記憶部72に遅延画素数データを記憶させておき、制御部7の記憶部72から与えられても良い。印刷開始時、この遅延画素数データ分だけ、第1計時部8がクロックをカウントした後、トリガ信号を出力するので、用紙Pが各ヘッド5(ノズル)に到達していない状態でのインク吐出はない。
【0059】
印刷開始時、第1計時部8は、遅延画素数レジスタ81に記憶される値だけカウントした後、トリガ信号を出力する。その後、第1計時部8は、クロック信号が入力されるたび、或いは、印刷開始時よりも少ない値をカウントした後、トリガ信号を出力する(クロック信号の周波数による)。これにより、2ライン目以降の各ラインについて、ヘッドドライバ6は、トリガ信号を受信するごとにインクを吐出させ、ライン単位での印刷が順次行われる。尚、第1計時部8でのトリガ信号の発信は、例えば、用紙センサSが用紙Pの到達を検知したときや、制御部7(CPU71)での指示等、任意の時点で停止させることができる。
【0060】
例えば、A4用紙全体を画像データとして扱ってA4用紙に対し印刷を行う場合、もしくは、縁なし印刷が行われる場合、トリガ信号が各ヘッドドライバ6に入力されると直ちにインクが各ヘッド5から吐出される。又、余白を設けた場合、例えば、余白は、画像データでは白と扱われ、用紙P先端から余白部分の間は、白を示す画像データが画像処理部75からヘッドドライバ6に送信され、インクの吐出は行われない。そして、余白でない領域になれば、インクの吐出が開始される。尚、余白部分は、遅延画素数レジスタ81に記憶させる値に含ませ、余白を除く部分を画像データとして扱っても良い。
【0061】
第1計時部8が出力したトリガ信号は、マスク処理部77に入力される。そして、図4に示すように、マスク処理部77は、例えば、制御部7に設けられる。更に、マスク処理部77に付随して制御部7には、第2計時部9と遅延画素数レジスタ91が設けられる。
【0062】
第2計時部9には、第1計時部8と同じクロック信号(例えば、20kHz)が入力される。第2計時部9は、遅延画素数レジスタ91に記憶された値だけクロック信号をカウントするとマスク信号を出力するカウンタである。尚、用紙センサSが用紙Pの到達を検知したときや、制御部7(CPU71)での指示等、任意の時点でマスク信号の発信を停止させることができる。
【0063】
又、第2計時部9には、第1計時部8と同様用紙センサSの出力が入力される。しかし、第2計時部9は、ラインヘッド部42に対応する用紙センサSが用紙Pの通過を検知したとき(例えば、Lowに立ち下がったとき)、計時を開始する(クロック信号のカウントを開始する)。
【0064】
遅延画素数レジスタ91には、マスク処理部77にトリガ信号を入力する遅延画素数レジスタ81と同じ遅延画素数データが入力される。遅延画素数レジスタ91に入力され、記憶される遅延画素数データも、用紙センサSから各ヘッド5のノズルの位置までの画素数分の用紙搬送方向における距離を示すデータである。言い換えると、用紙センサSから画像記録部4のノズル位置に到達するまでの時間(第2遅延時間)に相当するクロック数である。即ち、第1遅延時間と第2遅延時間は等しくなる。尚、本実施形態のプリンタ100では、ラインヘッド部42の各ヘッド5の用紙搬送方向における位置は、それぞれ異なるので、各ヘッド5ごとに、遅延画素数レジスタ91と第2計時部9が設けられる。
【0065】
第2計時部9は、遅延画素数レジスタ91に記憶される値だけカウントした後、マスク信号信号を出力する。例えば、第2計時部9の出力が、LowからHighに切り替わる。マスク処理部77は、マスク信号の受信後、各ヘッドドライバ6へのトリガ信号の伝達を停止する。トリガ信号の伝達がなければ、各ヘッド5でのインクの吐出は行われない。言い換えると、マスク処理部77は、第2計時部9からのマスク信号がない場合(第2計時部9の出力がLowであるとき)のみ、トリガ信号を各ヘッドドライバ6に伝達する。これにより、用紙Pの後端が用紙センサSに検知されなくなり、ヘッド5のノズルを用紙Pの後端が既に通過したと認められると、インクの吐出は行われない。
【0066】
例えば、カセット1はA3縦用紙を収容し、使用者がA3縦用紙に対し印刷を行うとする。このとき、カセット1にA4横用紙が紛れ込んでいると、画像データはA3サイズ分あるので、画像データは、ヘッドドライバ6にA3縦用紙のライン数分送られる。このとき、第1計時部8からのトリガ信号をマスクしなければ、用紙Pが存在しないのにヘッド5からインクの吐出が行われる。このインクは、搬送ベルト34に付着し、次に印刷される用紙Pを汚す。
【0067】
しかし、本実施形態のプリンタ100では、用紙Pの後端がヘッド5(のノズル)通過を起点として、第2計時部9が計時し、計時した後、第2計時部9がマスク信号を発する。これにより、用紙Pが存在しない状態でインクの吐出が行われない。しかも、用紙センサSが用紙Pの後端通過を検知したからといって直ちにインクの吐出を停止せず、各ヘッド5に対応する第2計時部9が計時を行ってからインクの吐出は停止する。これにより、用紙Pの後端部分の画像が途切れず、縁なし印刷も可能であり、1ページの印刷を完遂することができる。又、用紙センサSから各ヘッド5のノズルまでの位置は、遅延画素数レジスタ81や遅延画素数レジスタ91に記憶させる遅延画素数データで調整できるので、各ヘッド5に対し1つの用紙センサSを設ける必要もない。更に言えば、用紙センサSは、例えば、ブラックの記録ユニット41の入口部分に1つだけ設けるようにしてもよい。
【0068】
尚、遅延画素数レジスタ91に記憶させる遅延画素数データは、遅延画素数レジスタ81と異ならせても良い。しかし、第2計時部9の出力するマスク信号は、インクの吐出停止(画像記録停止)に利用し、用紙Pがないのにインクの吐出がなされることを防ぐためのものである。そのため、遅延画素数レジスタ91に記憶させる遅延画素数データは、遅延画素数レジスタ81に記憶させる値よりも小さい方が好ましい。
【0069】
次に、図5を利用して、マスク信号とインクの吐出を説明しておく。図5のタイミングチャートのうち、画像データと示すタイミングチャートは、各ヘッドドライバ6に転送されるディジタルの画像データである。例えば、画像データは、シリアルのディジタルデータとして各ヘッドドライバ6に画像処理部75から送られる。そして、各ヘッドドライバ6で並び替えられ、ヘッドドライバ6は、画像データにあわせてノズルからインクを吐出させる。そして、少なくとも1ライン分の画像データは、吐出と吐出の間にヘッドドライバ6に転送される。
【0070】
図5のタイミングチャートの内、最も下方のマスク信号と示すタイミングチャートは、第2計時部9が、用紙センサSから画像記録部4のヘッド5までの距離に相当するクロック信号をカウントした後に発するマスク信号である。例えば、マスク信号は、図5のT1の時点でHighとなる。そうすると、例えば、A3縦用紙にA4横用紙が紛れ込んでいて、画像データがヘッドドライバ6に転送され続け、トリガ信号が立ち上がっても、インクは吐出されない。
【0071】
これにより、連続した印刷ジョブの場合、ヘッドドライバ6にとっては、画像データの転送を受け続け、インクの吐出は停止されるが、印刷ジョブ自体は停止しない。従って、プリンタ100は、印刷ジョブの最後まで印刷を完遂することができる。
【0072】
更に、用紙搬送速度との兼ね合いも説明しておく。本実施形態のプリンタ100の搬送ユニット3には、駆動ローラ31を回転させる搬送モータ37が設けられる。例えば、搬送モータ37には、ブラシレスモータ等を利用することができる。そして、この搬送モータ37には、第1計時部8や第2計時部9に入力されるクロック信号と同じクロック信号が入力される。搬送モータ37は、このクロック信号に基づき回転する。
【0073】
即ち、本実施形態のプリンタ100は、クロック信号を発するクロック信号発生部74や、外部のコンピュータ200と通信を行い、外部のコンピュータ200から印刷を行う画像データとともに、外部のコンピュータ200からのクロック信号の供給を受ける通信部73を有し、第1計時部8は、クロック信号発生部74が発生するクロック信号や外部のコンピュータ200から供給されるクロック信号をカウントし、第1遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、トリガ信号を発信し、第2計時部9は、クロック信号発生部74が発生するクロック信号や外部のコンピュータ200から供給されるクロック信号をカウントし、第2遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、マスク信号を発信し、搬送路で用紙Pの搬送を行うための搬送モータ37は、クロック信号発生部74が発生するクロック信号や外部のコンピュータ200から供給されるクロック信号に基づき回転する。
【0074】
具体的に、搬送モータ37は、クロック信号に同期し、或いは、所定数のクロック信号をカウントするごとに所定角度回転する。搬送ユニット3は1ラインを描き終わった後、次の1ラインを描くまでのインクの吐出と吐出の間(図5にT2として図示)に1画素分(600dpiなら、約42.3μm)用紙Pを移動させる。又、この移動距離にあわせ、搬送モータ37と駆動ローラ31間のギアや駆動ローラ31の周長等も調整される。
【0075】
例えば、インクをのせるべき画素の数が多い場合(印字率が高い場合)、インクが用紙Pに浸透しきらない間に、次の色の液滴が重ねられ、インクとインクの混色(「ブリード」と呼ばれることがある)が生ずる場合がある。このブリードは、記録速度や用紙搬送速度を落とせば回避できる。
【0076】
ここで、本実施形態のプリンタ100では、共通するクロック信号に基づき、搬送モータ37の回転(用紙搬送)や、インクの吐出が行われる。従って、本実施形態のプリンタ100は、クロック信号の周波数を可変させるだけで、記録速度や用紙搬送速度を可変させることができる。例えば、記録速度や用紙搬送速度を落とす場合、クロック信号の周波数を落とせばよい。そこで、クロック信号発生部74や外部のコンピュータ200は、クロック信号の周波数を可変させることができる。例えば、クロック信号発生部74や外部のコンピュータ200に分周器等、クロック信号の周波数可変部を設けておき、印字率が所定値を超えると、通常よりも遅い周波数(例えば、1/2)のクロック信号が出力できるようにしておけばよい。
【0077】
このように、本実施形態のプリンタ100では、記録速度や用紙搬送速度は可変であるが、第1計時部8や第2計時部9や搬送モータ37等は同じクロック信号に基づき動作する。従って、遅延画素数レジスタ81や遅延画素数レジスタ91に記憶させる遅延画素数データは、記録速度や用紙搬送速度は可変させても同じでよい。このように、本実施形態のプリンタ100では、記録速度や用紙搬送速度はクロック信号の周波数の変化だけで実現される。例えば、単に用紙センサSが用紙Pの通過を検知してから決まった時間経過後に、インクの吐出を停止させる構成では、記録速度や用紙搬送速度を落とすと、用紙Pの後端部分の画像が記録されないこともある。しかし、本実施形態のプリンタ100では、記録速度や用紙搬送速度を落としても、第2計時部9は、遅くなったクロック信号を遅延画素数レジスタ91の値だけカウントしてからマスク信号を出力するので、用紙Pの最後端部分まで画像が記録される。
【0078】
(印刷時の制御の流れ)
次に、図6及び図7を用いて、本発明の実施形態に係るプリンタ100での印刷開始の制御の流れの一例を説明する。図6、図7は、本発明の実施形態に係るプリンタ100での印刷の制御の流れの一例を示すフローチャートである。尚、図6、図7は、一連の制御の流れを2枚の図面に分割したものである。又、図6、図7に示すフローチャートは、各ヘッド5ごとに実行される。
【0079】
例えば、図6のスタートは、例えば、印刷ジョブが無く、プリンタ100が待機している状態である。その後、制御部7は、通信部73に対し、外部のコンピュータ200から画像データや印刷の設定データを含む印刷を行うべき旨の命令の入力の有無を確認する(ステップ♯1)。印刷命令の入力が無ければ(ステップ♯1のNo)、制御部7は、確認を続ける(ステップ♯1に戻る)。
【0080】
一方、印刷命令の入力の入力があれば、制御部7は、カセット1から給紙を行わせ、第1搬送路2や搬送ユニット3に用紙Pを搬送させる(ステップ♯2)。次に、制御部7は、印刷を行わせるヘッド5に対応する遅延画素数レジスタ81と遅延画素数レジスタ91に遅延画素数データを格納する(ステップ♯3)。この遅延画素数データは、外部のコンピュータ200から設定値として送信され、通信部73で受信したものを用いてもよいし、記憶部72に記憶されるデータであってもよい。
【0081】
次に、制御部7(第1計時部8)は、印刷を行わせる記録ユニット41(ラインヘッド部42)に対応する用紙センサSがONしたか(用紙P到達を検知したか)確認する(ステップ♯4)。もし、用紙センサSのONを検知しなければ(ステップ♯4のNo)、用紙センサSがONしたかの確認を続ける(ステップ♯4に戻る)。一方、用紙センサSがONすれば用紙センサSに対応する第1計時部8が計時を開始する(ステップ♯5)。
【0082】
そして、第1計時部8は、カウント値が、接続される遅延画素数レジスタ81の記憶するレジスタ値と一致したかを確認する(ステップ♯6)。もし、一致していなければ(ステップ♯6のNo)、一致するまで、第1計時部8は確認を続ける(ステップ♯6に戻る)。一方、カウント値=レジスタ値となれば(ステップ♯6のYes)、第1計時部8は、トリガ信号を発する(ステップ♯7)。
【0083】
このトリガ信号は、印刷を行わせるヘッド5に対応するヘッドドライバ6に入力され、ヘッドドライバ6によるヘッド5の駆動が開始される(ステップ♯8)。以後、ライン単位の画像の記録のため、第1計時部8は、継続的、周期的に、トリガ信号を発信し、ヘッド5による1ラインごとの記録動作が行われる(ステップ♯9)。この1ラインごとの記録動作は、後述のステップ♯15での画像の記録動作が停止まで、継続して行われる。
【0084】
そして、1ラインごとに画像の記録が行われている間、制御部7や第2計時部9は、印刷を行わせるヘッド5に対応する用紙センサSがOFFしたか(用紙P通過を検知したか)を確認する(ステップ♯10)。用紙センサSがOFFするまで確認が続けられる(ステップ♯10のNo→ステップ♯10に戻る)。
【0085】
一方、用紙センサSがOFFすれば(ステップ♯10のYes)、用紙センサSに対応する第2計時部9が計時を開始する(ステップ♯11)。そして、第2計時部9は、カウント値が、接続される遅延画素数レジスタ91の記憶するレジスタ値と一致したかを確認する(ステップ♯12)。もし、一致していなければ(ステップ♯12のNo)、一致するまで、第2計時部9は確認を続ける(ステップ♯11に戻る)。一方、カウント値=レジスタ値となれば(ステップ♯12のYes)、第2計時部9は、マスク信号を発する(ステップ♯13)。尚、マスク信号を発するまで、ヘッドドライバ6は駆動し、画像の記録は続けられている。
【0086】
マスク信号が発せられると、マスク処理部77は、トリガ信号をマスクする(ステップ♯14)。これにより、トリガ信号は、ヘッドドライバ6に伝達されなくなり、ヘッドドライバ6は、インクの吐出を行わせず、画像の記録動作が停止される(ステップ♯15)。即ち、本実施形態のプリンタ100(画像記録装置)は、用紙Pを収容する給紙部(カセット1)と、給紙部から給紙され搬送路を搬送される用紙Pに対し、画像データに基づき画像を形成する画像記録部4と、給紙部と画像記録部4の間に設けられ、用紙Pの到達及び通過を検知するための用紙検知体(用紙センサS)と、用紙検知体の用紙P到達検知により計時を開始し、用紙Pの先端が用紙検知体から画像記録部4に到達するまでの時間である第1遅延時間を計時し、第1遅延時間の計時以後に、画像記録部4に対し画像の記録を指示するためのトリガ信号の発信を開始し、トリガ信号の発信開始後、周期的にトリガ信号を発信する第1計時部8と、用紙検知体の用紙P通過検知により計時を開始し、用紙Pの後端が用紙検知体から画像記録部4を通過しきる時間以内である第2遅延時間を計時し、第2遅延時間の計時以後にマスク信号を発する第2計時部9と、トリガ信号が入力されるとともに、第2計時部9と接続され、マスク信号を受信していない場合、トリガ信号を画像記録部4に伝達するマスク処理部77を有する。
【0087】
この画像の記録動作停止後、例えば、制御部7(CPU71)は、第1計時部8に指示して、第1計時部8からのトリガ信号発信を停止させる(ステップ♯16)。又、制御部7(CPU71)は、第2計時部9に指示して、第2計時部9からのマスク信号発信を停止させる(ステップ♯17)。又、制御部7(CPU71)は、第1計時部8と第2計時部9に指示して、第1計時部8と第2計時部9のカウント値をリセットさせる(ステップ♯18)。
【0088】
そして、制御部7は、全印刷ジョブが完了したかを確認する(ステップ♯19)。言い換えると、もうヘッド5に搬送される用紙Pは無いかを確認する。もし、印刷ジョブが完了していれば(ステップ♯19のYes)、印刷制御は完了し(エンド)、再びステップ♯1から制御が行われればよい。一方、印刷ジョブが完了してい無ければ(ステップ♯19のNo)、例えば、ステップ♯2に戻ればよい。
【0089】
(マスク処理部77)
次に、図8に基づき、本発明の実施形態に係るマスク処理部77の一例を説明する。図8は、本発明の実施形態に係るマスク処理部77の一例を示す説明図である。
【0090】
図8(a)は、マスク処理部77が、論理回路を用いて構成する場合の真理値表の一例である。図8(a)では、トリガ信号が発信されると、第1計時部8の出力が「1」(High)となる場合であり、マスク信号が発信されると、第2計時部9の出力が「1」(High)となる場合の真理値表を示す。
【0091】
まず、マスク処理部77は、第1計時部8からトリガ信号が発せられなければ、トリガ信号をヘッドドライバ6に伝達しない。言い換えると、トリガ信号が「0」(Low)ならば、マスク処理部77の出力も「0」(Low)でよい(真理値表での(1)と(2)の行)。一方、マスク処理部77は、マスク信号の発信があれば、トリガ信号を伝達しない。言い換えると、マスク信号が「1」(High)ならば、マスク処理部77の出力は、「0」(Low)で維持される(真理値表での(4)の行)。
【0092】
従って、マスク処理部77からの出力が「1」(High)となるのは、第1計時部8の出力が「1」(High)であって、第2計時部9の出力が、「0」(Low)である場合のみとなる(真理値表での(3)の行)。
【0093】
この真理値表を満たす論理回路の組み合わせは、無数に考えられるが、図8(b)に一例を示す。図8(b)に示すように、マスク処理部77は、AND回路771とNOT回路772で構成できる。AND回路771の入力端子の一方に、トリガ信号を入力する。又、AND回路771の入力端子の他方には、NOT回路772を接続し、NOT回路772には、マスク信号を入力する。これにより、真理値表での論理が得られる。
【0094】
又、マスク処理部77には、図8(c)に示すように、スイッチ773で構成してもよい。スイッチ773には、例えば、トランジスタ等の半導体スイッチを用いてもよいし、機械的スイッチでも良く、スイッチとして機能すればよい。
【0095】
具体的に、マスク処理部77をスイッチ773で構成する場合、図8(c)に示すようにスイッチ773の一端に第1計時部8が接続される。又、スイッチ773の他端に、ヘッドドライバ6が接続される。そして、第1計時部8からは、トリガ信号が出力される。
【0096】
スイッチ773は、第2計時部9が発するマスク信号により制御される。具体的に、スイッチ773は、マスク信号が「1」(High)となると、開状態となる(図8(c)に示す状態)。スイッチ773が開けば、トリガ信号は、ヘッドドライバ6に伝達されない。一方、スイッチ773は、マスク信号が「0」(Low)となると、閉状態となる。スイッチ773が閉じれば、トリガ信号は、ヘッドドライバ6に伝達される。このように、マスク処理部77は、論理回路、又は、スイッチ773を含む。
【0097】
尚、論理回路やスイッチ773を用いて、マスク処理部77を構成する例を示したが、マスク処理部77として機能すればよく、マスク処理部77は、論理回路やスイッチ773によるものに限る必要はない。
【0098】
このようにして、本実施形態によれば、マスク処理部77が、マスク信号を受信していれば、トリガ信号を画像記録部4に伝達させない。これにより、紛れ込んだ用紙Pの長さが、印刷に使用する用紙Pに対し短くても、用紙P以外への(搬送路への)画像の記録は行われない。従って、搬送路がインク等の画像の記録剤で汚れず、使用者にとって、搬送路での記録材汚れ清掃という煩雑さがなくなる。又、複数枚を連続して印刷するジョブの途中で、長さ不足の用紙Pに対する印刷が行われても、印刷動作全体を停止させる必要はなく、画像記録部4による記録が一時的に行われないだけですみ、印刷ジョブを完了させることができる。又、ヘッド5が固定されたラインヘッド型のインクジェット方式の画像記録装置であり、搬送路(搬送ユニット3)がインクで汚れず、使用者にとって、搬送路でのインク汚れ清掃という煩雑さがなくなる。又、トリガ信号に基づきインクの吐出が行われるところ、トリガ信号をマスクすれば、直ちにインクの吐出が停止され、トリガ信号に対するマスク処理の効果が直ちに現れる。従って、搬送路のインク汚れがなくなる。
【0099】
又、第1計時部8や第2計時部9の計時で、画像の記録の各ヘッド5での画像記録部4による記録を行うか否かが定まる。これにより、画像記録装置が1色当たり複数のヘッドからなるヘッド群であり、複数色分ヘッド群(ラインヘッド部42)が設けられる場合など、複数のヘッド5を含む場合でも、各第1計時部8や各第2計時部9が計時する時間をそれぞれ異ならせ、時間差を持たせることで、各ヘッド5に対し1つの用紙検知体(用紙センサS)を設けずに済む。従って、コスト削減を図ることができる。又、第1遅延時間と第2遅延時間は等しいので、用紙Pの後端が画像記録部4を通過するとき、画像の記録が行われなくなる。従って、用紙検知体の用紙P通過検知後、直ちに画像の記録が停止せず、用紙Pの後端が画像記録部4を通過しきるまで、画像の記録が行われるので、画像の後端部分が印刷の途中で切れず最後まで印刷される。
【0100】
又、クロック信号に基づき第1計時部8と第2計時部9が計時を行い、用紙Pが搬送される。これにより、画像の記録速度と用紙Pの搬送速度を同じ基準とするクロック信号のもと定めることができ、クロック信号の周波数で、印刷速度を調整することができる。従って、例えば、用紙P後端を用紙検知体が検知してから一定時間後に画像の記録を停止するのではなく、クロック信号に基づき第2遅延時間として与えられた値をカウントした後に画像の記録が停止するので、クロック信号の周波数を変化させ、例えば、印刷速度を遅くしても、画像の後端部分が印刷の途中で切れず、最後まで確実に印刷される。又、マスク処理部77は、論理回路、又は、スイッチ773で構成されるので、マスク処理部77を安価に構成することができる。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 カセット(給紙部) 2 第1搬送路(搬送路)
37 搬送モータ 4 画像記録部
42(42Bk、42C、42M、42Y) ラインヘッド部(ヘッド群)
5 ヘッド 6 ヘッドドライバ(ヘッド制御部)
7 制御部 73 通信部
74 クロック信号発生部 77 マスク処理部
771 AND回路(論理回路) 772 NOT回路(論理回路)
773 スイッチ 8 第1計時部
9 第2計時部 100 プリンタ(画像記録装置)
200 コンピュータ P 用紙
S 用紙センサ(用紙検知体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を収容する給紙部と、
前記給紙部から給紙され搬送される用紙に対し、画像データに基づき画像を形成する画像記録部と、
前記給紙部と前記画像記録部の間に設けられ、用紙の到達及び通過を検知するための用紙検知体と、
前記用紙検知体の用紙到達検知により計時を開始し、用紙の先端が前記用紙検知体から前記画像記録部に到達するまでの時間である第1遅延時間を計時し、前記第1遅延時間の計時以後に、前記画像記録部に対し画像の記録を指示するためのトリガ信号の発信を開始し、前記トリガ信号の発信開始後、周期的に前記トリガ信号を発信する第1計時部と、
前記用紙検知体の用紙通過検知により計時を開始し、用紙の後端が前記用紙検知体から前記画像記録部を通過しきる時間以内である第2遅延時間を計時し、前記第2遅延時間の計時以後にマスク信号を発する第2計時部と、
前記トリガ信号が入力されるとともに、前記第2計時部と接続され、前記マスク信号を受信していない場合、前記トリガ信号を前記画像記録部に伝達するマスク処理部を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記画像記録部は、インクを吐出し固定されるヘッドと、
前記トリガ信号に基づき、前記ヘッドからインクを吐出させるヘッド制御部を含むことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記ヘッドは、1色あたり複数設けられ、ヘッド群を構成し、前記ヘッド群は、複数色分設けられ、
前記用紙検知体は、全色の前記ヘッド群に対し1つ設けられ、
前記第1計時部と前記第2計時部は、前記ヘッドに対しそれぞれ設けられることを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記第1遅延時間と前記第2遅延時間は等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項5】
クロック信号を発するクロック信号発生部を有し、
前記第1計時部は、前記クロック信号発生部が発生するクロック信号をカウントし、
前記第1遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記トリガ信号を発信し、
前記第2計時部は、前記クロック信号発生部が発生するクロック信号をカウントし、前記第2遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記マスク信号を発信し、
用紙の搬送を行うための搬送モータは、前記クロック信号発生部が発生するクロック信号に基づき回転することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項6】
外部のコンピュータと通信を行うための通信部を有し、
通信部は、外部のコンピュータから印刷を行う画像データとともに、外部のコンピュータからのクロック信号の供給を受け、
前記第1計時部及び前記第2計時部は、外部のコンピュータから供給されるクロック信号をカウントして計時を行い、
前記第1計時部は、外部のコンピュータから供給されるクロック信号をカウントし、前記第1遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記トリガ信号を発信し、
前記第2計時部は、外部のコンピュータから供給されるクロック信号をカウントし、前記第2遅延時間として与えられた値だけカウントしたとき、前記マスク信号を発信し、
用紙の搬送を行うための搬送モータは、外部のコンピュータから供給されるクロック信号に基づき回転することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記マスク処理部は、論理回路、又は、スイッチを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−110801(P2011−110801A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269053(P2009−269053)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】