説明

画像読取形成装置

【課題】 複数のセンサを必要とせず、装置を大型化することなく、低コスト化を図るとともに、原稿のサイズにかかわらず動作開始直後に直ちに紙束が単数か複数であるかを検知可能にする。
【解決手段】 原稿載置部にセットされたシート状の原稿から1枚ずつ給送する原稿給送手段と、前記原稿給送手段によって給送された原稿の画像を読み取る読取手段と、記録シートを給送する給送ローラと、前記給送ローラによって給送されたシートに前記読取手段によって読み取られた画像情報に基づく画像を記録する記録手段と、セットされた原稿に対し、前記原稿給送手段とは反対側から原稿の移動量を検知する移動量検知手段と、前記移動量検知手段の検知に基づき、前記給送ローラによる給送を停止する制御手段と、を有する原稿読取記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読取る読取手段と、記録シートに画像を記録する画像形成手段を有する画像読取形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されている原稿読取装置を備えた画像形成装置においては、セットされた原稿の後端近傍で原稿の有無を検知し、送り出される原稿が最終原稿か否かを判断している。この判断結果に基づいて、記録シートの先行給紙を行うか否かを制御するように構成されている。すなわち、原稿を送り出した後に、検知手段により原稿なしを検知した場合にはこれが最終原稿であることが判別でき、制御手段によって、次の原稿に対応した記録シートの先行給紙を中止する。このように、不要な記録シートの先行給紙を防止するものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−186996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、最大原稿サイズと同じ長さのトレイが必要である。また、特許文献1に開示されている構成では、原稿サイズごとに後端検知センサが配置されており、コスト高となる。さらには、定形サイズ外の原稿に対しては、検知までに遅延時間が発生してしまい、記録開始までに時間がかかる、という課題があった。
【0005】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は装置を大型化することなく、装置の低コスト化を図りながら、原稿のサイズにかかわらず動作開始直後に直ちに紙束が単数か複数であるかを検知可能な画像読取形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、原稿載置部にセットされたシート状の原稿から1枚ずつ給送する原稿給送手段と、前記原稿給送手段によって給送された原稿の画像を読み取る読取手段と、記録シートを給送する給送ローラと、前記給送ローラによって給送されたシートに前記読取手段によって読み取られた画像情報に基づく画像を記録する記録手段と、セットされた原稿に対し、前記原稿給送手段とは反対側から原稿の移動量を検知する移動量検知手段と、前記移動量検知手段の検知に基づき、前記給送ローラによる給送を停止する制御手段と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置を大型化することなく、また、装置の低コスト化が可能となり、原稿のサイズにかかわらず動作開始直後に直ちに紙束が単数または複数であるかの検知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用可能なインクジェットプリンタの外観斜視図。
【図2】本発明を適用可能なインクジェットプリンタの原稿ピックアップ部を示す斜視図。
【図3】本発明を適用可能なインクジェットプリンタの読取部の断面図。
【図4】原稿搬送読取部の回路構成を示す図である。
【図5】本発明を適用可能なインクジェットプリンタの記録シート搬送部の断面図。
【図6】プリンタエンジンの回路図。
【図7】本発明を適用可能なインクジェットプリンタのブロック図。
【図8】本発明を適用可能なインクジェットプリンタの読取記録制御のフローチャート。
【図9】本発明を適用可能なインクジェットプリンタの記録シート給紙部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は本実施形態の原稿読取記録装置を示す外観斜視図である。図2は、本実施形態の原稿読取記録装置の原稿ピックアップ部を示す斜視図である。図3は、本実施形態の原稿読取記録装置の原稿搬送読取部を正面側から示す断面図である。図4は原稿搬送読取部の回路構成を示す図である。
【0010】
まず、図1〜3、図4を用いて、原稿搬送読取部1の構成及び動作を説明する。原稿搬送装置としての原稿搬送読取部1には、シート状の原稿Sを搬送する略U字状の原稿搬送路(以下、Uターンパスと称する。)12が設けられている。このUターンパス12には、分離ローラ5及び分離パッド4、原稿Sの有無を検出する原稿有無センサ16、原稿Sを搬送する第1搬送ローラ7、及び、原稿Sの先端部及び後端部を検出する原稿エッジセンサ17等がそれぞれ配置されている。
【0011】
原稿搬送読取部1は、Uターンパス12の上流端側に、複数枚重ねられた原稿Sが積載される原稿載置部としての原稿載置トレイ14が接続されて設けられている。また、Uターンパス12の下流端側には、フラットベッドスキャン時に原稿を押圧して固定する原稿押圧板40(以下、圧板40と称する)と、この圧板40と一体に形成された原稿排出トレイ18が設けられている。また、Uターンパス12の上流端側には、原稿載置トレイ14に積載された原稿Sの先端位置を規制する原稿ストッパ20が設けられている。さらに、Uターンパス12の上流端側には、積載された最上位の原稿Sに当接してこの原稿Sを引き出す原稿給送手段または原稿給送ローラであるピックアップローラ3が設けられている。また、原稿Sに対して、ピックアップローラ3に対向する側には、原稿の移動量を検知する移動量検知お手段である原稿移動量検知センサ50が設けられている。原稿移動量検知センサ50は、回転体であり外周表面はゴムやエラストマー等でできており、原稿との間の摩擦力を得られるよう構成されている。さらに、回転体の一部に同心円上に設けられたスリット50aをフォトインタラプタ52で検出することで、回転量を検出できるようになっている。
【0012】
そして、Uターンパス12の上流端側にある互いに圧接された分離部としての分離ローラ5及び分離パッド4により、ピックアップローラ3によって繰り出された原稿Sを1枚ずつに分離する。また、Uターンパス12の下流端側には、原稿Sを原稿排出トレイ18に排出するための第2搬送ローラ9が設けられている。
【0013】
本実施形態は、フラットベッドガラス22の原稿読取面上に置かれて固定された原稿を読取る読取部としての固定読取部(フラットベッドスキャナ)2を備えている。この固定読取部2には、原稿搬送読取部1に対してフラットベッドガラス22を介して、原稿読取手段としての密着型イメージセンサ30が配置されている。密着型イメージセンサ30は、光源としてのLEDアレイから原稿Sの画像情報面に光を照射し、画像情報面で反射された反射光を自己集束型ロッドレンズアレイでセンサ素子に結像して画像情報を読取る。
【0014】
この密着型イメージセンサ30は、図3中矢印a1,a2方向に移動可能に支持されている。フラットベッドガラス22上の読取面に載置されて固定された原稿Sの読取時(フラットベッドスキャンの動作時)には、密着型イメージセンサ30が図3中の矢印a1方向に走査しながら原稿Sを読取る。また、原稿搬送読取部1で原稿を読取る場合は、密着型イメージセンサ30が図3に示す読取位置(読取白地板8の対向位置)で停止した状態で、この読取位置に搬送されてくる原稿を読取るように構成されている。
【0015】
ユーザはこの原稿搬送読取部1に図3における右側から左側に向かって矢印a2方向に原稿Sをセットする。原稿Sは、その先端が原稿ストッパ20に突き当たるように原稿載置トレイ14に載置される。原稿は画像面を上側に向けてセットする。この原稿セットの際には、原稿Sの先端位置が原稿ストッパ20によって規制され、また、原稿有無センサ16によって原稿Sが有ることが検知される。
【0016】
次に駆動系の説明をする。駆動モータMからの駆動力は図示しないギア、ベルト等により分離ローラ5、ピックアップローラ3、第1搬送ローラ7と第2搬送ローラ9に伝わる。分離ローラ5、ピックアップローラ3は電磁クラッチECを経由して接続されており、駆動を自在に断続可能になっている。駆動モータMを正転方向に回転させた時、ピックアップローラ3と分離ローラ5は図3での時計方向に回転し、第1搬送ローラ7と第2搬送ローラ9は図2での反時計方向に回転するように図示しない駆動列で連結されている。
【0017】
操作者が操作部Eから原稿複写モードを設定し、原稿の読取開始を指示すると、駆動モータMが正転する。ここで電磁クラッチECを接続することで分離ローラ軸24を駆動させる。分離ローラ軸24に固定されたクラッチハブ25とピックアップアーム10との間には、圧縮バネであるクラッチバネ26が設けられており、このクラッチバネ26の押圧力による摩擦力Fでピックアップアーム10がフリクション保持されている。
【0018】
駆動モータMが正転した場合、分離ローラ軸24も正転(図3における時計方向に回転)し、クラッチハブ25から伝達された摩擦力Fによって、ピックアップアーム10によりピックアップローラ3は原稿Sに押圧される。このとき、ピックアップローラ3と分離ローラ5と第2搬送ローラ9は、図3における時計方向に回転し、第1搬送ローラ7は反時計方向に回転するように図示しない駆動列で連結されている。
【0019】
ピックアップローラ3の回転によって原稿SがUターンパス12の内部へと送り込まれる。このとき、原稿搬送読取部1では、分離ローラ5及び分離パッド4によって原稿Sが1枚ずつに分離され、最上位の原稿Sだけが分離搬送される。
【0020】
上述のように、ピックアップローラ3が原稿Sに押圧されるため、原稿Sは原稿移動量検知センサ50に対しても押圧される。原稿移動量検知センサ50に当接している原稿が移動した場合には、その間の摩擦により原稿とともに移動(回転)する。すなわち、原稿が2枚以上セットされている場合には、原稿ピックアップ時に最上位の原稿S以外は分離ローラ5と分離パッド4とのニップ部51から先へは移動できない。そのため、移動量が限定的となり、原稿移動量検知センサ50で検知される原稿移動量も、分離ローラ5と分離パッド4とのニップ部51までの距離Lを超えることはない。また、原稿が1枚しかセットされていない場合には、原稿先端が分離ローラ5と分離パッド4とのニップ部51を越えて移動するため、Lよりも大きな移動量となる。
【0021】
そして、分離された原稿SはUターンパス12に沿って搬送され、さらに第1搬送ローラ7によって当該原稿Sが密着型イメージセンサ30による読取部へ搬送される。このタイミングで電磁クラッチECの駆動を切断することで次の原稿Sは電磁クラッチECの駆動が再度接続されるまで給送されない。
【0022】
原稿搬送読取部1では、原稿エッジセンサ17により原稿Sの先端部が検知されると、その位置から所定量搬送されたところで、原稿Sを搬送しながら、密着型イメージセンサ30による原稿表面の画像情報の読取りが開始される。そして、原稿エッジセンサ17により原稿Sの後端部が検知されると、その位置から所定量搬送されたところで、密着型イメージセンサ30による画像情報の読取りを終了する。その後、原稿給紙の際には、再度、電磁クラッチECの駆動を接続することで原稿繰り出しを行なう。
【0023】
図5は、本実施形態の画像読取形成装置の記録シート搬送部を側面側から示す断面図である。記録シート搬送部であるUターン給送装置60の構成及び動作を説明する。図5に示すように、画像形成装置としてのUターン給送装置60には、記録シートPを積載するUターンシート積載部65と、シートPを給送する給送手段または給送ローラであるUターン給紙ローラ61を有している。
【0024】
Uターン給紙ローラ61はUターン給紙アーム62によって支持されている。さらに、Uターン給送装置60は、給紙されたシート材Pを分離するUターン分離部64と、給送されるシート材Pが通過するUターン紙パス63とを備えてなる。さらに、Uターン紙パス63にはUターン給紙ローラ61から給紙されたシートをLFローラ67とピンチローラ68のニップ部に向けて駆動搬送するUターン中間ローラ66が配設されている。
【0025】
Uターン給紙ローラ61、Uターン給紙アーム62には、図6に示すプリンタエンジン316の給紙・クリーニングモータUMから不図示のギアクラッチ機構を含む伝達手段を介して駆動が伝達される。ギアクラッチ機構は給紙・クリーニングモータUMからの駆動をUターン給紙ローラ61伝達するポジション、クリーニングユニットへ伝達するポジション、どちらにも駆動を伝えない中間ポジションの3つのポジションに切り換わる。
【0026】
Uターン給紙ローラ61の搬送方向下流側には搬送ローラであるUターン中間ローラ66が配置されている。ここで、モータUMからUターン中間ローラ66への駆動伝達は、クラッチを介すとUターン中間ローラ66により駆動搬送される記録シートPの搬送精度に影響を及ぼすため、クラッチを介すことなく常に駆動が接続されるよう構成されている。また、この3つのポジション間の駆動切り換えは、記録中に実施されると、中間ローラによる記録シートの搬送精度に影響を及ぼすため、記録シートの給紙直前、あるいは、記録のページ間で行なわれるように構成されている。
【0027】
Uターン中間ローラ66のシートは搬送速度はUターン給紙ローラ61のシート搬送速度よりも速い。そして、記録シートを連続給送する場合は、モータUMからの駆動列をUターン給紙ローラ61に接続したままで連続駆動する。中間ローラ66と給紙ローラ62の周速度の差とUターン給紙ローラの駆動列に設けられた機械式タイマー(オーバーランニング機構)によって、連続給送される記録シート同士の間隔は一定になる。
【0028】
ここで、図9(a)〜(c)を用いて、さらに詳しく説明する。モータUMから駆動列を介してギアシャフト70に駆動が伝わると駆動側の回転体であるギアシャフト70は図9(a)の時計方向に回転する。そして、第1の係合部である突起部70aが、被駆動側の回転体であるドライブギア71のリブ端部71a(第2の係合部)に当接し矢印a4方向の回転を伝える。この第1の係合部である突起部70aと第2の係合部であるリブ端部71aはオーバーランニング機構を構成し、Uターン給紙ローラ61は伝達される駆動による回転よりも速く回転することが許容される。そして、中間ギア72、中間ギア73を介して給紙ローラ61に駆動が伝わり、給紙ローラは反時計方向(a3方向)に回転して、シートPを繰り出し、中間ローラ66に向けて、分離部64により最上位のシートのみ分離搬送される。ここで、中間ローラ66と給紙ローラ61は同じ駆動源から複数のギアを介して駆動伝達されているが、中間ローラ66の周速が給紙ローラ61の周速よりも速く設定されている。そのため、シートPが中間ローラに到達後、シートPの搬送は周速が速い中間ローラ66により搬送される。(図9(b))引き続き駆動されている給紙ローラ61はシートPに当接しているが、シートPの移動の方が給紙ローラの周速より速いため、シートとの摩擦により、給紙ローラ61がシートと同じ速度で回転するようになる。そして、この駆動がドライブギア71に伝わり、速度差によってドライブギア71のリブ端部71aとギアシャフト70の突起部70aが離れてゆく。そして、ギアシャフトの突起部70aはドライブギアの反対側のリブ端部71bに当接する。(図9(c)) その後は周速差により、給紙ローラ61とシートPとの間でスリップが発生する状態でシートPが搬送される。
【0029】
その後、さらにシートPの搬送が続くと給紙されたシートPの後端部が給紙ローラ61を通過して、次の記録シートPと給紙ローラ61が当接する。モータUMからの駆動は継続的にギアシャフト70に伝わっているため、ギアシャフト70の突起部70aが停止しているドライブギア71のリブ端部71aに当接するまで給紙ローラ61に駆動を伝達することなく空回りする。その間も、1枚目のシートは中間ローラ66により搬送が続けられる。このため、次のシートが繰り出されるまでには1枚目のシートの後端と2枚目のシートの先端との距離は、空回りした分、搬送の遅れが発生する。そのため、一定の間隔を保ち、次の記録シートが連続して搬送される。
【0030】
また、記録シートが給紙され、シートが中間ローラ66に到達後、モータUMからの駆動がUターン給紙ローラ61から中間ポジションに切り換えられた場合、給紙ローラは駆動しないので、次の記録シートの給紙は行なわれない。
【0031】
次に本実施形態の制御部の構成を詳細に説明する。制御部は主に装置全体のシステムを制御するシステムコントロール基板、主に記録系を制御するプリンタコントロール基板、装置に電源を供給する電源ユニット、操作パネルのキーやLEDを実装しているオペレーションコントロール基板等からなる。
【0032】
装置全体の制御構成を図7のブロック図を用いて説明する。図7において、300は装置全体の制御部であり、301は装置全体を制御するマイクロプロセッサユニット(MPU)であり、システムバス302を介して装置全体を制御する。
【0033】
303はMPU301の動作のためのプログラムコード、初期値データ、テーブルデータ、前記画像読取モードテーブル等を格納したEEPROMである。304は画像バッファ及び画像メモリ等に使用されるDRAMであり、情報処理端末331と送受信する際のデータを一時的に保持するバッファとして使用される。また通信部321を介して受信された画像データや読取部306から読取られた画像データ、情報処理端末331から送られてきた画像データをファイルとして蓄積するためのメモリとして使用される。305はユーザ登録データエリア、ワークエリア等に使用されるSRAMである。DRAM304とSRAM305はそれぞれバッテリバックアップによって停電等の不慮の障害から保護されている。
【0034】
306は読取部であり、密着イメージセンサ30、読取画像補正部308、読取画像処理部309、読取駆動部310、SRAM311等により構成される。読取部306は読取駆動部310を駆動して密着イメージセンサ30を移動させ、密着イメージセンサ30によって光学的に読取って電気的な画像信号に変換する。この信号を読取画像補正部308でシェーディング補正等を行う。更に読取画像処理部309で画像処理を行って高精細な画像データを出力する。SRAM311は画像処理を行う際のバッファとして使用される。
【0035】
312はインクジェット方式記録部であり、SRAM311、記録画像復号化部313、記録画像処理部314、プリンタ制御用マイコン315、プリンタエンジン316、記録インターフェイス部317等により構成されている。記録画像復号化部313はランレングス形式の画像データを生画像データにデータ変換する。記録画像処理部314は生画像データを解像度変換、画像の変倍、スムージング、濃度補正等の画像処理を施して高精細な画像データに変換する。SRAM311はこれらデータ変換の際のバッファとして使用される。プリンタ制御用マイコン315はインクジェット方式記録部312の各動作の制御を行う記録制御用MPU、記録制御を行うための各種インストラクションを記述したROM、ROMよりインストラクションを読み出す手段を有する。さらにプリンタ制御用マイコン315は、ROMより読み出したインストラクションを処理する処理手段、処理手段が必要とする情報を記憶しておくための入力が可能なRAMを備えている。また、プリンタ制御用マイコン315は処理手段によって作り出された信号を出力する出力手段等を備えている。これらによってプリンタエンジン316の記録制御を行うための信号の入出力が行われる。記録インターフェイス部317はプリンタ制御用マイコン315とMPU301の間で連携をとるためのインターフェイスである。
【0036】
318は操作部であり、テンキー等の各種キースイッチ等により構成され、装置の動作指示及び各種情報の入力を行う。319は表示部であり、LCD、LED等により構成され、装置の状態等の表示を行う。320はパネルインターフェイス部であり、MPU301と操作部318及び表示部319の連携を取るためのインターフェイスである。
【0037】
321は通信部であり、回線接続装置等の通信接続部322、変復調装置等の通信制御部323により構成され、回線制御を行うものである。324は通信網であり、325は電話器である。326は音響装置であり、スピーカ等により構成され、各種状態を音響により装置使用者に通知するものである。
【0038】
327は外部インターフェイス部であり、MPU301等と情報処理端末331との間のデータ送受信を行って情報処理端末331から装置を制御する。328は不揮発性記憶装置であり、画像情報等の保存に使用される大容量の不揮発性のメモリであり、電源が切れても情報が消えることはない。329は画像データの符号化、復号化を行うための画像符号/復号部であり、画像復号化部329a、画像符号化部329b、内部SRAM329cから構成される。
330は本装置に電源を供給する電源供給部である。331は外部に接続されるコンピュータ等の情報処理端末である。
【0039】
本実施形態での動作をPCスキャン動作、コピー動作、プリンタ動作のそれぞれについて説明する。
【0040】
(PCスキャン動作)
読取部306の密着イメージセンサ30で読取られた原稿の画情報は読取画像補正部308によってシェーディング補正等の処理が行われる。更に画情報は読取画像処理部309によって2値化及び画像変換処理が行われ画像符号/復号部329の画像符号化部329bに入力される。入力された画像データは内部SRAM329cに展開され、画像符号化部329bによって圧縮符号化され、DRAM304に蓄積される。また同時にその画像データの管理情報をSRAM305に格納する。DRAM304に蓄積された画像符号化データは画像符号/復号部329の画像復号化部329aによって伸長復号化され、内部SRAM329cに画像データとして展開される。展開された画像データは外部インターフェイス部327を通り画像処理端末331に出力される。
【0041】
(コピー動作)
読取部306の密着イメージセンサ30で読取られた原稿の画情報は読取画像補正部308によってシェーディング補正等の処理が行われる。その後画情報は更に読取画像処理部309によって2値化及び画像変換処理がなされて画像符号/復号部329の画像符号化部329bに入力される。入力された画像データは内部SRAM329cに展開され、画像符号化部329bによって圧縮符号化され、DRAM304に蓄積される。また同時にその画像データの管理情報をSRAM305に格納する。DRAM304に蓄積された画像符号化データは画像符号/復号部329の画像復号化部329aによって伸長復号化され、内部SRAM329cに画像データとして展開される。展開された画像データは記録画像処理部314によって補正及び画像変換処理を行った後、プリンタ制御用マイコン315の制御のもとプリンタエンジン316によって記録シートに印字出力される。
【0042】
(プリンタ動作)
情報処理端末331から外部インターフェイス部327に対してコマンド及び受信パラメータを1バイトずつ送出する。外部インターフェイス部327で受けたコマンド及び受信パラメータは、該外部インターフェイス部327からの入力割込み信号に応じてMPU301の制御のもと1バイトずつDRAM304の受信バッファに転送される。コマンドには各コマンドを識別するためのコマンドコード、及び次に続く受信パラメータのサイズ等が格納されており、また受信パラメータ内には各コマンドに対する動作を実行するために必要な設定値や画像データが格納されている。受信バッファに転送されたコマンド及び画像データを除く受信パラメータはMPU301によって処理される。ここで受信パラメータの内容が画像データの場合、その画像データを構成する符号データ若しくは生データは予め受信した受信パラメータが示す画像データ形式情報にしたがって画像符号/復号部329の画像復号化部329aによって伸長復号化される。次に内部SRAM329cに画像データとして展開される。展開された画像データは画像符号/復号部329の画像符号化部329bによって圧縮符号化される。次にDRAM304に蓄積されると共に、その画像データの管理情報をDRAM304に格納する。コマンド受信後は該コマンドに対するレスポンス及び送出パラメータを生成し送出する。レスポンスには、受信したコマンドが受け入れられたことを示すOKレスポンス、受信したコマンドが間違っていたため受け付けられなかったことを示すNGレスポンスがある。その他に、動作中等の理由により受信したコマンドが現在受け付けられないことを示すBUSYレスポンスがある。
【0043】
また送出パラメータには送信やプリントの結果、ファイルやページの属性、指示されたコマンドに対応した装置情報、中止要求や再送要求等が格納されている。レスポンスはMPU301によってDRAM304の送信バッファにセットされ、外部インターフェイス部327からの入力割込み信号に応じてMPU301の制御のもと1バイトずつ外部インターフェイス部327に転送された後、情報処理端末331に送出される。
【0044】
次に、図8を参照して、原稿搬送読取装置にセットされた原稿の搬送動作、および、読取られた画像を記録装置で記録する際の記録シート搬送について説明する。まず、図8に示すように、原稿のコピー動作が開始されると、ステップS501において、セットされた原稿の有無を検知する、ここで原稿有無センサ16により原稿無しを検知すると、ステップS520へ進みエラーとなる。通常は原稿Sがストッパ20に突き当てられた状態であるため、原稿有りを検知し、ステップS502に進み、原稿の繰り出しを行ない、ステップS503で原稿移動量の検知を行なう。ピックアップローラ3の回転により原稿が分離ローラ部5と分離パッド4のニップ部まで進む。最上位の原稿Sは分離ローラの回転によりそのまま進み、それ以外の原稿は分離パッド4の抵抗によりニップ部から先へは進まない。そのため、セットされた原稿が複数枚の場合は、原稿移動量検知センサ50の値がK<Lとなり、給送中の原稿が最後ではないと判断する。次にステップS504に進み、記録シートPのピックアップ動作を行なう。次にステップS505に進み記録シートが中間ローラ66を通過する位置まで搬送する。ここで、次原稿があるため、給紙ローラ61への駆動は切断せずにそのまま給送状態を維持する。
【0045】
次にステップS506へ進み中間ローラ66で記録シートをLFローラ67とピンチローラ68のニップ部まで搬送して、記録シートの頭出しを行い記録ができるよう準備を行なう。次にステップS507に進み原稿を読取り、ステップS508に進み記録を行なう。次にステップS509に進み原稿の読取りが終了していない場合、ステップS507に戻り、原稿が読み終わるまでこの動作を繰り返す。ステップS509で原稿の読取りが終了したら、ステップS510に進み原稿を排紙して、ステップS511に進み記録シートを排紙する。これで、1枚目の原稿複写が完了する。
【0046】
次にステップS512において、セットされた原稿の有無を検知する、原稿有無センサ16により原稿無しを検知すると、ステップS540へ進みエラーとなる。ステップS512で原稿有無センサ16により原稿有りを検知した場合には、次ステップS513に進み原稿の繰り出しを行なう。そして、次ステップS514でステップS503と同様に原稿移動量を検知して、原稿移動量検知センサ50の値がK<Lの場合は、搬送中の原稿が最後ではないと判断し、次ステップS506に進む。このとき、2枚目のシートは、1枚目のシートと一定の間隔で搬送されるように構成されているため、2枚目のシートは、すでに中間ローラを通過した位置にいる。そして、ステップS506で記録紙頭出しを行い、原稿移動量の検知結果がK≧L(所定量以上)になるまで、すなわち、セットされている原稿が1枚になるまで同様の処理を繰り返す。
【0047】
次に、ステップS503においてK≧Lの場合、すなわちセットされた原稿が1枚の場合を説明する。この場合、ステップS530に進み、記録シートPのピックアップ動作を行なう。次にステップS531に進み記録シートが中間ローラ66を通過する位置まで搬送する。次に、ステップS532に進む。ここで、次原稿がないため、すなわち、給送中の記録シートPに形成される画像が最後であると判断し、次に記録するシートの準備が不要であるため、給紙ローラ61への駆動を切断し、次の記録シートが給紙されないようにする。
【0048】
次にステップS533に進み中間ローラ66で記録シートをLFローラ67とピンチローラ68のニップ部まで搬送して、記録シートの頭出しを行い、記録ができるよう準備を行なう。次にステップS534に進み原稿を読取り、ステップS535に進み記録を行なう。次にステップS536に進み原稿の読取りが終了していない場合、ステップS534に戻り、原稿が読み終わるまでこの動作を繰り返す。ステップS536で原稿の読取りが終了したら、ステップS537に進み原稿を排紙して、ステップS538に進み記録シートを排紙する。
【0049】
次にステップS514においてK≧Lの場合、すなわちセットされた原稿が1枚になった場合を説明する。この場合、ステップS532に進む。このとき、ピックアップローラへの駆動は伝達されたままなので、すでに記録シートはピックアップされ中間ローラ66を通過した位置まで搬送されている。ここで、次原稿がないため、すなわち、次に記録するシートの準備が不要であるため、給紙ローラ61への駆動を切断し、次の記録シートが給紙されないようにする。
次に、ステップS533に進み、中間ローラ66で記録シートPをLFローラ67とピンチローラ68のニップ部まで搬送して、記録シートの頭出しを行い、記録ができるよう準備を行なう。以降、ステップS538で記録シートの排紙を行なうまで、先述と同様の処理が行なわれる。
【0050】
このように本実施形態によれば、原稿搬送読取手段の原稿積載部にセットされた原稿の有無を検知する手段と原稿繰り出し部近傍に原稿に対して繰り出し手段と対向する位置に原稿移動量を検知する手段とを有する。これらの検知手段により原稿繰り出し動作直後に原稿が単数か複数であるかを判断し、読取られた画像を記録装置で記録する際に、単複の判断値に基づいて、記録開始時の給紙制御内容を選択することができる。本実施形態によれば、複数の原稿後端検知センサが必要なく、また、長い原稿積載トレイも必要でないため、低コストで装置を大型化することのない画像読取形成装置を提供することが可能となる。さらに、定形サイズ外の原稿に対しても単数か複数であるかの検知時間に遅延が生じることなく、給紙動作直後に判断できるため複写生産性にも効果的である。
【符号の説明】
【0051】
EC 電磁クラッチ
S 原稿
P 記録シート
UM 給紙・クリーニングモータ
1 原稿搬送読取部
2 固定読取部
3 ピックアップローラ
4 分離パッド
5 分離ローラ
16 原稿有無センサ
17 原稿エッジセンサ
20 原稿ストッパ
30 密着型イメージセンサ
50 原稿移動量検知センサ
60 Uターン給送装置
61 Uターン給紙ローラ
62 Uターン給紙アーム
63 Uターン紙パス(記録シート搬送路)
64 Uターン分離部
66 Uターン中間ローラ
70 ギアシャフト
70a 突起部
71 ドライブギア
71a リブ端部
71b リブ端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿載置部にセットされたシート状の原稿から1枚ずつ給送する原稿給送手段と、
前記原稿給送手段によって給送された原稿の画像を読み取る読取手段と、
記録シートを給送する給送ローラと、
前記給送ローラによって給送されたシートに前記読取手段によって読み取られた画像情報に基づく画像を記録する記録手段と、
セットされた原稿に対し、前記原稿給送手段とは反対側から原稿の移動量を検知する移動量検知手段と、
前記移動量検知手段の検知に基づき、前記給送ローラによる給送を停止する制御手段と、
を有する原稿読取記録装置。
【請求項2】
前記原稿給送手段による原稿の給送が行われたときに前記移動量検知手段が検知した移動量が所定量以上のとき前記給送ローラによる給送を停止する請求項1に記載の原稿読取記録装置。
【請求項3】
前記原稿給送手段による原稿の給送が行われたときに前記移動量検知手段が検知した移動量が所定量より小さい時は前記給送ローラによって次の記録シートを給送する請求項1に記載の原稿読取記録装置。
【請求項4】
前記原稿給送手段による原稿の給送が行われたときに前記移動量検知手段が検知した移動量が所定量より小さい時は前記給送ローラを停止させずに次の記録シートを給送する請求項3に記載の原稿読取記録装置。
【請求項5】
前記給送ローラに駆動を伝達する伝達手段と、
前記伝達手段に設けられ、前記伝達手段によって伝達される駆動による回転よりも速く前記給送ローラが回転することを許容するオーバーランニング機構と、
前記給送ローラの搬送方向下流側に設けられ、前記給送ローラによって給送されたシートを前記給送ローラよりも速い速度で搬送する搬送ローラと、を有し、
前記移動量検知手段が検知した移動量が所定量より小さい時は、前記伝達手段は駆動の伝達を継続して給送ローラは次の記録シートを給送する請求項4に記載の原稿読取記録装置。
【請求項6】
積載されたシートを給送する給送ローラと、
前記給送ローラに駆動を伝達する伝達手段と、
前記伝達手段に設けられ、前記伝達手段によって伝達される駆動による回転よりも速く前記給送ローラが回転することを許容するオーバーランニング機構と、
前記給送ローラの搬送方向下流側に設けられ、前記給送ローラによって給送されたシートを前記給送ローラよりも速い速度で搬送する搬送ローラと、
積載された原稿を給送する原稿給送ローラ、
前記原稿給送ローラによって給送された原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記給送ローラによって給送されたシートに前記読取手段によって読み取られた画像情報に基づく画像を記録する記録手段と、
積載された原稿のうち前記原稿給送ローラによって最後に給送される原稿の移動を積載された状態で検知する検知手段によって、給送中の原稿が最後か否かを判断し、最後の原稿の場合は前記給送ローラを停止し、最後の原稿でない場合は次のシートを給送する原稿読取記録装置。
【請求項7】
前記オーバーランニング機構は駆動側の回転体に形成された第1の係合部と、前記第1の係合部と係合し、被駆動側の回転体に形成された第2の係合部を有し、前記第1の係合部と前記第2の係合部が係合することによって駆動を伝達する請求項6に記載の原稿読取記録装置。
【請求項8】
前記検知手段が最後の原稿であることを検知した時は前記給送ローラを停止し、最後の原稿を検知しない場合は前記給送ローラの給送状態を維持する請求項6に記載の原稿読取記録装置。
【請求項9】
積載されたシートを給送する給送ローラと、
前記給送ローラに駆動源からの駆動を伝達する伝達手段と、
前記伝達手段に設けられ、前記伝達手段によって伝達される駆動による回転よりも速く前記給送ローラが回転することを許容するオーバーランニング機構と、
前記給送ローラの搬送方向下流側に設けられ、前記給送ローラによって給送されたシートを、前記オーバーランニング機構によって前記給送ローラを空回りさせながら前記給送ローラよりも速い速度で搬送する搬送ローラと、を有し、
駆動源が継続的に前記伝達手段を駆動することによって前記給送ローラと前記搬送ローラがシートを連続して間隔をあけて給送するとともに、前記搬送ローラによって搬送されているシートが前記給送ローラを通過する前に前記給送ローラへの駆動の伝達を切断することによって給送を終了する給送装置。
【請求項10】
請求項9に記載の給送装置と、
前記搬送ローラによって搬送されたシートに画像情報に基づく画像を記録する記録手段を有し、
前記搬送ローラによる搬送中のシートに形成される画像が最後のときは、搬送中のシートが前記給送ローラを通過する前に前記給送ローラへの駆動の伝達を切断することによって給送を終了する記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−224403(P2012−224403A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90370(P2011−90370)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】