説明

画素パッケージング装置および画素パッケージングプログラム

【課題】DRM情報が改ざんされ画像ファイルが再生されることを防げるようにすることを目的とする。
【解決手段】画素パッケージング装置200は画像ファイルの画素毎に基本情報データ112Aを生成する。基本情報データ112Aには画像ファイルを識別する画像ファイル番号、画素を識別する画素番号、画素の色や輝度、画像ファイルのDRM情報やインベントリ情報を含める。画素パッケージング装置200は全ての画素の基本情報データ112Aを含んだ画素パッケージファイル110を画像ファイルに相当するファイルとして生成する。画素パッケージファイル配信サーバ300は画素パッケージファイル110を配信する。画素パッケージファイル再生端末400は基本情報データA毎にDRM情報に基づいて画像の再生を許可するか否かを判定し、全ての基本情報データ112Aに対して画像の再生を許可した場合に画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、画像データに対応する画素パッケージファイルを生成する画素パッケージング装置および画素パッケージングプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像ファイルについて、インベントリ情報やDRM情報(DRM:Digital Rights Management[デジタル著作権管理])が画像ファイルと別に管理され、画像のダウンロードや再生の際にそれらの情報によって再生の可否が判断されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−123392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、例えば、DRM情報が改ざんされ画像ファイルが再生されることを防げるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画素パッケージング装置は、
対象画像を構成する複数画素それぞれの画素値を含んだ対象画像データを入力し、入力した対象画像データから画素値を抽出する画素値抽出部と、
前記画素値抽出部により抽出された画素値と対象画像の表示を制限する所定の条件を示す制限情報とを含んだ画素単位データを画素毎に生成する画素単位データ生成部と、
前記画素単位データ生成部により生成された画素単位データを含んだ画素パッケージファイルを生成する画素パッケージファイル生成部とを備える。
【0006】
前記画素パッケージング装置は、さらに、
画素を識別する画素識別値を一覧にした画素一覧データを生成する画素一覧データ生成部を備え、
前記画素パッケージファイル生成部は、前記画素単位データと前記画素一覧データ生成部により生成された画素一覧データとを含んだ画素パッケージファイルを生成する。
【0007】
本発明の画素パッケージファイル配信システムは、
前記画素パッケージング装置と、
前記画素パッケージング装置により生成された画素パッケージファイルを配信する画素パッケージファイル配信装置と、
前記画素パッケージファイル配信装置から配信された画素パッケージファイルを記憶し、前記画素パッケージファイル内の画素単位データに含まれる制限情報に基づいて対象画像の表示を許可するか否かを判定し、対象画像の表示を許可したとき前記画素パッケージファイル内の画素単位データに含まれる画素値に基づいて対象画像を表示装置に表示する画素パッケージファイル再生装置とを有する。
【0008】
本発明の画素パッケージングプログラムは、
対象画像を構成する複数画素それぞれの画素値を含んだ対象画像データを入力し、入力した対象画像データから画素値を抽出する画素値抽出処理と、
前記画素値抽出処理により抽出された画素値と対象画像の表示を制限する所定の条件を示す制限情報とを含んだ画素単位データを画素毎に生成する画素単位データ生成処理と、
前記画素単位データ生成処理により生成された画素単位データを含んだ画素パッケージファイルを生成する画素パッケージファイル生成処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えば、DRM情報が改ざんされ画像ファイルが再生されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1における画像配信システム100の構成図。
【図2】実施の形態1における画素パッケージング装置200の機能構成図。
【図3】実施の形態1における画素パッケージファイル配信サーバ300の機能構成図。
【図4】実施の形態1における画素パッケージファイル再生端末400の機能構成図。
【図5】実施の形態1におけるパッケージファイル登録処理を示すフローチャート。
【図6】実施の形態1における画素パッケージファイル110の構成図。
【図7】実施の形態1におけるパッケージファイル配信処理を示すフローチャート。
【図8】実施の形態1におけるパッケージファイル再生処理を示すフローチャート。
【図9】実施の形態1における画像配信システム100のハードウェア資源の一例を示す図。
【図10】実施の形態2における画像配信システム100の画像配信方法の概要図。
【図11】実施の形態2における画素パッケージファイル110の再生条件を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
画像を構成する複数画素それぞれの画素情報をパッケージングしてパッケージファイルを生成する装置と、パッケージファイルを配信する装置と、パッケージファイルに基づいて画像を再生する装置とを有する画像配信システムについて説明する。
【0012】
図1は、実施の形態1における画像配信システム100の構成図である。
実施の形態1における画像配信システム100の構成について、図1に基づいて以下に説明する。
【0013】
画像配信システム100(パッケージファイル配信システムの一例)は、画素パッケージング装置200、画素パッケージファイル配信サーバ300および画素パッケージファイル再生端末400を備える。
画素パッケージング装置200、画素パッケージファイル配信サーバ300および画素パッケージファイル再生端末400はネットワーク101を介して通信を行う。
【0014】
画素パッケージング装置200は、画像を構成する複数画素それぞれの画素値を含んだ画素パッケージファイル110を生成し、生成した画素パッケージファイル110を画素パッケージファイル配信サーバ300に提供する。
画素パッケージファイル配信サーバ300は、画素パッケージング装置200から提供された画素パッケージファイル110を登録する。
【0015】
画素パッケージファイル配信サーバ300は、画素パッケージファイル110を画素パッケージファイル再生端末400へ配信する。
画素パッケージファイル再生端末400は、画素パッケージファイル110を再生するユーザと画素パッケージファイル110をダウンロードしたユーザとが一致する場合に画素パッケージファイル110に含まれる画像データを再生する。
【0016】
図2は、実施の形態1における画素パッケージング装置200の機能構成図である。
実施の形態1における画素パッケージング装置200の機能構成について、図2に基づいて以下に説明する。
【0017】
画素パッケージング装置200は、パッケージファイル生成部210、パッケージファイル送信部220、画像ファイル記憶部280および画素パッケージファイル記憶部290を備える。
【0018】
パッケージファイル生成部210は、画素データ抽出部211、画素番号変換部212、画素基本データ作成部213、基本情報ファイル作成部214およびパッケージ処理部215を備え、画素パッケージファイル110を生成する。
【0019】
画素データ抽出部211(画素値抽出部の一例)は、対象画像を構成する複数画素それぞれの画素値を含んだ対象画像データを入力し、入力した対象画像データから画素値を抽出する。
【0020】
画素番号変換部212は、画素毎に画素の二次元座標値に基づいて画素を識別する画素番号を特定する。
【0021】
画素基本データ作成部213(画素一覧データ生成部の一例)は、画素を識別する画素識別値を一覧にした画素一覧データを生成する。
【0022】
基本情報ファイル作成部214(画素単位データ生成部の一例)は、画素データ抽出部211により抽出された画素値と対象画像の表示を制限する所定の条件を示す制限情報とを含んだ画素単位データを画素毎に生成する。
【0023】
パッケージ処理部215(画素パッケージファイル生成部の一例)は、基本情報ファイル作成部214により生成された画素単位データを含んだ画素パッケージファイル110を生成する。
例えば、パッケージ処理部215は、画素単位データと画素基本データ作成部213により生成された画素一覧データとを含んだ画素パッケージファイル110を生成する。
【0024】
パッケージファイル送信部220は、画素パッケージファイル110を画素パッケージファイル配信サーバ300へ送信する。
【0025】
画像ファイル記憶部280は、対象画像データを記憶する。
【0026】
画素パッケージファイル記憶部290は、パッケージ処理部215により生成された画素パッケージファイル110を記憶する。
【0027】
「色」「輝度」は画素値の一例である。
後述する「画像ファイル」は対象画像データの一例である。
後述する「画素基本データ111」は画素一覧データの一例である。
後述する「基本情報データ112A」は画素単位データの一例である。
【0028】
「DRM情報」は制限情報の一例である。
例えば、DRM情報は、ユーザの認証に用いるユーザ認証情報と、パッケージファイルのコピーを許可するか否かを示すコピー許可情報とを含む。
ユーザ認証情報は、ユーザ認証の要否を示す認証要否情報と、ユーザ認証を行うユーザ認証装置を指定する認証装置情報と、ユーザ認証の方法を示す認証方法情報とを含む。
【0029】
後述する「許可認証データ」はユーザ認証情報の一例である。
後述する「閲覧許可の有無」「許可確認先」「許可確認方法」は認証要否情報、認証装置情報、認証方法情報の一例である。
後述する「複製許可データ」はコピー許可情報の一例である。
【0030】
図3は、実施の形態1における画素パッケージファイル配信サーバ300の機能構成図である。
実施の形態1における画素パッケージファイル配信サーバ300の機能構成について、図3に基づいて以下に説明する。
【0031】
画素パッケージファイル配信サーバ300は、ファイル受信・保存部310、アクセス処理部320、パッケージファイルアクセス部330、ログイン照会部331、パッケージファイル配信部332、パッケージファイル記憶部390およびログイン情報記憶部391を備える。
【0032】
ファイル受信・保存部310は、画素パッケージング装置200から画素パッケージファイル110を受信し、受信した画素パッケージファイル110をパッケージファイル記憶部390に記憶する。
【0033】
アクセス処理部320は、画素パッケージファイル配信サーバ300に対するユーザのログインデータとしてサーバログインデータを画素パッケージファイル再生端末400から受信する。
アクセス処理部320は、受信したサーバログインデータとログイン情報記憶部391に記憶されている登録ユーザデータとに基づいてユーザのログインを許可するか否かを判定する。
【0034】
パッケージファイルアクセス部330は、配信する画素パッケージファイル110を配信要求ファイルとして指定するパッケージファイル配信要求を画素パッケージファイル再生端末400から受信する。
【0035】
ログイン照会部331は、パッケージファイル配信要求に基づいて配信要求ファイルをパッケージファイル記憶部390から入力する。
ログイン照会部331は、配信要求ファイル内の画素単位データに含まれるユーザ認証情報とアクセス処理部320が受信したサーバログインデータとに基づいて、配信要求ファイルの配信を許可するか否かを判定する。
例えば、ログイン照会部331は、配信要求ファイル内の画素単位データに含まれるユーザ認証情報を参照し、認証要否情報がユーザ認証を要することを示す場合に認証装置情報に指定されたユーザ認証装置へサーバログインデータと認証方法情報とを送信する。ログイン照会部331は、ユーザ認証装置からユーザを認証許可するか否かを示す認証結果を受信し、受信した認証結果に基づいて配信ファイルの配信を許可するか否かを判定する。
【0036】
パッケージファイル配信部332は、ログイン照会部331により配信許可された場合、配信要求ファイル内の画素単位データにサーバログインデータ(許可ユーザ識別データの一例)を加えたファイルを配信ファイルとして生成する。
パッケージファイル配信部332は、生成した配信ファイルを画素パッケージファイル再生端末400へ配信する。
【0037】
パッケージファイル記憶部390は、画素パッケージング装置200から提供された複数の画素パッケージファイル110を記憶する。
【0038】
ログイン情報記憶部391は、画素パッケージファイル配信サーバ300の利用を許可される複数のユーザそれぞれのデータを登録ユーザデータとして記憶する。
【0039】
後述する「配信ログインID」はサーバログインデータ(許可ユーザ識別データ)の一例である。
【0040】
図4は、実施の形態1における画素パッケージファイル再生端末400の機能構成図である。
実施の形態1における画素パッケージファイル再生端末400の機能構成について、図4に基づいて以下に説明する。
【0041】
画素パッケージファイル再生端末400は、パッケージファイル配信サーバアクセス部410、パッケージファイル配信要求部420、パッケージファイル受信部421、パッケージファイル再生部430、DRM情報確認部431および端末記憶部490を備える。
【0042】
パッケージファイル配信サーバアクセス部410は、画素パッケージファイル配信サーバ300に対するユーザのログインデータとしてサーバログインデータを入力する。
パッケージファイル配信サーバアクセス部410は、入力したサーバログインデータを画素パッケージファイル配信サーバ300へ送信する。
【0043】
パッケージファイル配信要求部420は、配信要求するパッケージファイルを配信要求ファイルとして指定するパッケージファイル配信要求を画素パッケージファイル配信サーバ300へ送信する。
【0044】
パッケージファイル受信部421は、配信要求ファイルとサーバログインデータとを含んだ配信ファイルを画素パッケージファイル配信サーバ300から受信する。
【0045】
パッケージファイル再生部430(ユーザ識別データ入力部の一例)は、画素パッケージファイル再生端末400に対するユーザのログインデータとして端末ログインデータ(特定ユーザ識別データの一例)を入力する。
パッケージファイル再生部430は、再生する配信ファイルを再生要求ファイルとして指定する配信ファイル再生要求を入力する。
パッケージファイル再生部430(画像表示部の一例)は、DRM情報確認部431が全ての画素単位データに対して対象画像の表示を許可した場合、画素パッケージファイル110内の全ての画素単位データそれぞれに含まれる画素情報に基づいて対象画像を表示装置に表示する。
例えば、パッケージファイル再生部430は、全ての画素単位データでサーバログインデータと端末ログインデータとが一致した場合に対象画像を表示する。
また、パッケージファイル再生部430は、全ての画素単位データで対象画像のコピーが許可された場合に前記対象画像を表示する。
【0046】
DRM情報確認部431(表示許可判定部の一例)は、画素パッケージファイル110内の画素単位データに含まれる制限情報に基づいて対象画像の表示を許可するか否かを画素単位データ毎に判定する。
例えば、DRM情報確認部431は、対象画像の表示を許可する否かを判定する表示許可判定として端末ログインデータとサーバログインデータ(制限情報の一例)とが一致するか否かを画素単位データ毎に判定する。
また、DRM情報確認部431は、コピー許可情報(制限情報の一例)に基づいて対象画像のコピーを許可するか否かを画素単位データ毎に判定する。
【0047】
端末記憶部490(配信ファイル記憶部の一例)は、パッケージファイル受信部421により受信された配信ファイルを記憶する。
【0048】
後述する「再生ログインID」は端末ログインデータ(特定ユーザ識別データ)の一例である。
【0049】
次に、画像配信システム100の画像配信方法(パッケージファイル配信方法の一例)として、パッケージファイル登録処理、パッケージファイル配信処理およびパッケージファイル再生処理を説明する。
【0050】
図5は、実施の形態1におけるパッケージファイル登録処理を示すフローチャートである。
実施の形態1におけるパッケージファイル登録処理について、図5に基づいて以下に説明する。
【0051】
S111において、画素データ抽出部211は、パッケージングする対象の画像ファイルを画像ファイル記憶部280から取得し、取得した画像ファイルから画素毎に画素データを抽出する。
【0052】
例えば、パッケージングする対象の画像ファイルはパッケージファイル提供者によって入力装置(キーボード、マウスなど)を用いて指定される。
【0053】
画像ファイルは予め画像ファイル記憶部280に記憶され、画像ファイル番号で識別される。
画像ファイルは、画像を構成する複数の画素それぞれのデータ(画素データ)を含み、特定の画像を表す。
画素データは、色(例えば、RGB値)、輝度、画像内の座標値などの画素値を示す。
【0054】
また、画像ファイル毎にDRM情報とインベントリ情報とが定められている。DRM情報とインベントリ情報とは画像ファイル番号に対応付けて画像ファイル記憶部280に記憶されているものとする。
DRM情報とインベントリ情報とについては後述する。
【0055】
S111の後、S112に進む。
【0056】
S112において、画素番号変換部212は、S111で抽出した全ての画素データに対して画素データに含まれる座標値を画素番号に変換する。
【0057】
例えば、画像の大きさが「640×480」ピクセルであれば、画素番号変換部212は座標値(u,v)の画素の画素番号(=(v×640)+(u+1))を算出する。
座標値(0,0)の画素の画素番号は「1」、座標値(639,0)の画素の画素番号は「640」、座標値(0,1)の画素の画素番号は「641」となる。
【0058】
S112の後、S113に進む。
【0059】
S113において、画素基本データ作成部213は、S112で生成した画素番号を用いて画素基本データ111を生成する。
S113の後、S114に進む。
【0060】
図6は、実施の形態1における画素パッケージファイル110の構成図である。
図6に示すように、画素基本データ111は「画像ファイル番号」と「画素番号」とにより画素を一覧にしたデータである。
「画像ファイル番号」と「画素番号」との組み合わせによって一つの画素が特定される。
【0061】
図5に戻り、パッケージファイル登録処理の説明を続ける。
【0062】
S114において、基本情報ファイル作成部214は、S111で抽出した画素データとS112で生成した画素番号と画像ファイルに対応するインベントリ情報やDRM情報を用いて基本情報ファイル112を生成する。インベントリ情報やDRM情報は画像ファイル番号に対応付けて画像ファイル記憶部280に予め記憶される。
S114の後、S115に進む。
【0063】
図6に示すように、基本情報ファイル112は画像ファイルを構成する全ての画素それぞれの基本情報データ112Aを有する。
基本情報データ112Aは、画像ファイル番号、画素番号、画素データ(輝度、色など)、インベントリ情報、DRM情報を含んだデータである。画像ファイル番号とインベントリ情報とDRM情報とは全ての画素の基本情報データ112Aで共通し、画素番号と画素データとは基本情報データ112Aに対応する画素によって異なる。
【0064】
インベントリ情報は、画像ファイルの生成時刻や生成者など、画像ファイルに関する情報を示す。インベントリ情報は画像ファイルを再生するユーザによって参照される。
【0065】
DRM情報は、画像ファイルの著作権に関する情報である。
DRM情報は、許可認証データや複製許可データを含む。
【0066】
許可認証データは「閲覧許可の有無」「許可確認先」「許可確認方法」を情報として含む。
閲覧許可の有無は、画像の閲覧許可が必要か否かを示す情報である。
許可確認先は、閲覧許可を確認する装置(例えば、ユーザ認証装置)を示す情報である。
許可確認方法は、年齢や権限などユーザを確認する項目を示す情報である。
【0067】
複製許可データは、画像の複製を許可するか否かを示す。
【0068】
図5に戻り、パッケージファイル登録処理の説明を続ける。
【0069】
S115において、パッケージ処理部215は、S113で生成した画素基本データ111とS114で生成した基本情報ファイル112とを用いて画素パッケージファイル110を生成する。パッケージ処理部215は生成した画素パッケージファイル110を画素パッケージファイル記憶部290に記憶する。
S115の後、S120に進む。
【0070】
図6に示すように、画素パッケージファイル110は画素基本データ111と基本情報ファイル112とを含んだデータである。
【0071】
画素パッケージファイル110は、パッケージIDによって識別されるものとする。
【0072】
図5に戻り、パッケージファイル登録処理の説明を続ける。
【0073】
S120において、パッケージファイル送信部220は、S115で生成された画素パッケージファイル110を画素パッケージファイル配信サーバ300へ送信する。
画素パッケージファイル配信サーバ300のファイル受信・保存部310は、画素パッケージファイル110を受信し、受信した画素パッケージファイル110をパッケージファイル記憶部390に登録する。
S120により、パッケージファイル登録処理は終了する。
【0074】
図7は、実施の形態1におけるパッケージファイル配信処理を示すフローチャートである。
実施の形態1におけるパッケージファイル配信処理について、図7に基づいて以下に説明する。
【0075】
S210において、画素パッケージファイル配信サーバ300のアクセス処理部320は、画像配信サービス用のログインデータを画素パッケージファイル再生端末400から受信し、画像配信サービスに対するユーザのログイン処理を行う。
以下、S210で受信した画像配信サービス用のログインデータを「配信ログインデータ」という。
【0076】
例えば、画素パッケージファイル再生端末400のパッケージファイル配信サーバアクセス部410は画像配信サービスのログイン画面(WEBページ)を表示装置に表示し、ユーザは入力装置を用いてログイン画面に自分のユーザIDおよびパスワードを入力する。
パッケージファイル配信サーバアクセス部410は、ログイン画面に入力されたユーザIDとパスワードとを配信ログインデータとして画素パッケージファイル配信サーバ300へ送信する。画素パッケージファイル配信サーバ300のアクセス処理部320は、配信ログインデータを受信する。
アクセス処理部320は、ログイン情報記憶部391に登録されている複数の登録ユーザデータを検索する。登録ユーザデータは、画像配信サービスに登録されたユーザのユーザIDやパスワードなどを示す。
アクセス処理部320は、配信ログインデータに含まれるユーザIDおよびパスワードがいずれかの登録ユーザデータと一致した場合、画像配信サービスへのログインを許可し、配信要求画面を返信する。パッケージファイル配信サーバアクセス部410は配信要求画面を表示する。
アクセス処理部320は、配信ログインデータに含まれるユーザIDおよびパスワードがいずれの登録ユーザデータとも一致しない場合、画像配信サービスへのログインを却下し、ログインエラー画面を返信する。パッケージファイル配信サーバアクセス部410はログインエラー画面を表示する。この場合、ユーザは、ログイン画面に戻ってユーザIDおよびパスワードを入力し直し、画像配信サービスへのログインを再度試みる。
【0077】
S210で画像配信サービスへのログインが許可された後、S220に進む。
【0078】
S220において、画素パッケージファイル配信サーバ300のパッケージファイルアクセス部330は、パッケージファイル配信要求を画素パッケージファイル再生端末400から受信する。
パッケージファイル配信要求とは、ユーザがダウンロードしたい画素パッケージファイル110(以下、「配信要求ファイル」という)を指定したデータである。
【0079】
例えば、画素パッケージファイル再生端末400のパッケージファイル配信要求部420は配信要求画面を表示する。配信要求画面とは、画素パッケージファイル配信サーバ300から配信される画素パッケージファイル110のパッケージIDを一覧にした画面である。ユーザはダウンロードしたい画素パッケージファイル110を配信要求画面の一覧から選択する。
パッケージファイル配信要求部420は選択された画素パッケージファイル110を配信要求ファイルとして指定したパッケージファイル配信要求を送信し、アクセス処理部320はパッケージファイル配信要求を受信する。
【0080】
S220の後、S230に進む。
【0081】
S230において、ログイン照会部331は、パッケージファイル配信要求に指定された配信要求ファイルをパッケージファイル記憶部390から取得する。
ログイン照会部331は、配信要求ファイル内の基本情報データ112Aを参照し、基本情報データ112A内のDRM情報に含まれる許可認証データに基づいて、配信許可するか否かを判定する。DRM情報は配信要求ファイルに含まれる全ての基本情報データ112Aで共通しているため、いずれの基本情報データ112Aを参照しても構わない。
【0082】
例えば、ログイン照会部331は、許可認証データが「閲覧許可無し」を示す場合、配信許可する。
また、ログイン照会部331は、許可認証データが「閲覧許可有り」を示す場合、配信ログインデータのユーザIDと許可認証データに含まれる「許可確認方法」とを含んだユーザ認証要求をユーザ認証装置へ送信する。ユーザ認証装置は許可認証データに「許可確認先」として指定される。
ユーザ認証装置は、登録ユーザ毎にユーザIDに対応付けて年齢や種別(無料ユーザ、有料ユーザ)などの属性情報を記憶している。
ユーザ認証装置は、ユーザ認証要求に含まれるユーザIDに対応する登録ユーザの属性情報と「許可確認方法」とに基づいて配信許可するか否かを判定する。例えば、登録ユーザの年齢が20歳であり、「許可確認方法」が“18歳以上”で年齢制限していれば配信を許可する。また、登録ユーザの種別が“無料ユーザ”であり、「許可確認方法」が無料ユーザを制限していれば配信を却下する。
ユーザ認証装置は判定結果を返信し、ログイン照会部331はユーザ認証装置の判定結果を使用する。
【0083】
S230で認証許可された後、S240に進む。
S230で認証許可されなかった場合、パッケージファイル配信部332は配信エラー画面を返信し、画素パッケージファイル再生端末400のパッケージファイル配信要求部420は配信エラー画面を表示する。この場合、ユーザは配信要求画面に戻り、画素パッケージファイル110を指定し直す。
【0084】
S240において、パッケージファイル配信部332は配信要求ファイルに対して配信ログインデータのユーザIDを全ての基本情報データ112AそれぞれのDRM情報に追加する。以下、DRM情報に追加されたユーザIDを「配信ログインID」という。
パッケージファイル配信部332は配信ログインIDを追加した配信要求ファイルを配信ファイルとして画素パッケージファイル再生端末400へ送信する。
画素パッケージファイル再生端末400のパッケージファイル受信部421は配信ファイルを受信し、受信した配信ファイル(画素パッケージファイル110)を端末記憶部490に記憶する。
S240により、パッケージファイル配信処理は終了する。
【0085】
図8は、実施の形態1におけるパッケージファイル再生処理を示すフローチャートである。
実施の形態1におけるパッケージファイル再生処理について、図8に基づいて以下に説明する。
【0086】
S310において、画素パッケージファイル再生端末400のパッケージファイル再生部430は、ユーザが再生したい画素パッケージファイル110のパッケージIDと画像配信サービス用のユーザIDとを入力する。
【0087】
例えば、ユーザは、画素パッケージファイル110を再生するためにパッケージファイル再生部430を起動する。
パッケージファイル再生部430はユーザIDを入力するログイン画面を表示し、ユーザはログイン画面に画像配信サービス用のユーザIDを入力する。
パッケージファイル再生部430は端末記憶部490に記憶されている画素パッケージファイル110を一覧にして表示し、ユーザは一覧の中から画素パッケージファイル110(パッケージID)を選択する。
【0088】
ユーザが先に画素パッケージファイル110を指定し、画素パッケージファイル110が指定されたときにパッケージファイル再生部430が起動し、その後にパッケージファイル再生部430がログイン画面でユーザIDを要求しても構わない。
【0089】
以下、S310で入力されたユーザIDを「再生ログインID」という。
また、S310で指定された画素パッケージファイル110を「再生要求ファイル」という。
【0090】
S310の後、S320に進む。
【0091】
S320において、DRM情報確認部431は再生要求ファイルを端末記憶部490から取得し、再生要求ファイルの再生を許可するか否かを以下のように判定する。
【0092】
DRM情報確認部431は、再生要求ファイル内の基本情報データ112A毎に、基本情報データ112A内のDRM情報に含まれる配信ログインIDを再生ログインIDと比較する。DRM情報確認部431は、再生要求ファイル内の画素基本データ111を参照することにより基本情報データ112Aの数を知ることができる。
全ての基本情報データ112Aの配信ログインIDが再生ログインIDと一致する場合、DRM情報確認部431は再生要求ファイルの再生を許可する。
少なくともいずれかの基本情報データ112Aの配信ログインIDが再生ログインIDと一致しない場合、DRM情報確認部431は再生要求ファイル内の基本情報データ112A毎に基本情報データ112A内のDRM情報に含まれる複製許可データを参照する。
全ての基本情報データ112Aの複製許可データが“複製許可”を示す場合、DRM情報確認部431は再生要求ファイルの再生を許可する。
少なくともいずれかの基本情報データ112Aの複製許可データが“複製許可”を示さない場合、DRM情報確認部431は再生要求ファイルの再生を許可しない。“複製許可”を示さない場合とは、複製許可データが“複製不許可”を示す場合、DRM情報に複製許可データが含まれない場合、複製許可データが“複製許可”と“複製不許可”とのいずれでもない規定外の値を示す場合などである。DRM情報が改ざんされ、DRM情報に複製許可データが含まれない場合や複製許可データが規定外の値を示す場合が考えられるためである。
【0093】
また、再生要求ファイル内の画素基本データ111に示される画素数と再生要求ファイル内の基本情報データ112Aの数とが一致しない場合、DRM情報確認部431は再生要求ファイルが改ざんされていると判断し、再生要求ファイルの再生を許可しない。
【0094】
また、DRM情報確認部431は全ての基本情報データ112AにおいてDRM情報が一致するか否かを判定し、DRM情報が一致しない場合に上記の判定結果に関わらず再生要求ファイルの再生を許可しなくてもよい。再生要求ファイルが改ざんされていると考えられるからである。
【0095】
S320の後、S321に進む。
【0096】
S321において再生許可の場合(YES)、S330に進む。
S321において再生不許可の場合(NO)、パッケージファイル再生部430が再生エラー画面を表示し、パッケージファイル再生処理は終了する。このとき、再生要求ファイルを破壊して画素パッケージファイル110を再生できなくしても構わない。
【0097】
S330において、パッケージファイル再生部430は、再生要求ファイル内の基本情報データ112A毎に基本情報データ112Aに示される画素データ(色、輝度など)に基づいて画素の色や輝度を特定する。
パッケージファイル再生部430は、基本情報データ112Aに示される画素番号に基づいて画像内の座標を特定し、特定した座標に対応する表示装置内のドットを特定する。
パッケージファイル再生部430は、特定した表示装置内のドットに特定した色や輝度で画素を表示して画像を表示装置に表示させる。
S330により、パッケージファイル再生処理は終了する。
【0098】
上記した画像配信方法により、例えば、画素パッケージファイル110の再生を以下のように制限することができる。
画素パッケージファイル110のDRM情報に許可認証方法として“18歳以上”を設定し、複製許可データとして“複製不許可”を設定すれば、18歳以上のユーザに配信した画素パッケージファイル110が18歳未満のユーザによって再生されることを防ぐことができる。
画素パッケージファイル110のDRM情報に複製許可データとして“複製許可”を設定すれば、画素パッケージファイル再生端末400を使用する複数のユーザが画素パッケージファイル110を再生することができる。
【0099】
また、全ての画素(基本情報データ112A)にDRM情報を含み全ての画素のDRM情報に基づいて再生の許可を判定するため、画素の一部が改ざんされ画像が再生されてしまうことを防ぐことができる。
【0100】
図9は、実施の形態1における画像配信システム100のハードウェア資源の一例を示す図である。
図9において、画素パッケージング装置200、画素パッケージファイル配信サーバ300および画素パッケージファイル再生端末400は、CPU911(Central・Processing・Unit)(マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、ドライブ装置904、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。ドライブ装置904は、FD(Flexible・Disk・Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital・Versatile・Disc)などの記憶媒体を読み書きする装置である。
【0101】
通信ボード915は、有線または無線で、LAN(Local Area Network)、インターネット、電話回線などの通信網に接続している。
【0102】
磁気ディスク装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
【0103】
プログラム群923には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが含まれる。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。すなわち、プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものであり、また「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0104】
ファイル群924には、実施の形態において説明する「〜部」で使用される各種データ(入力、出力、判定結果、計算結果、処理結果など)が含まれる。
【0105】
実施の形態において構成図およびフローチャートに含まれている矢印は主としてデータや信号の入出力を示す。
【0106】
実施の形態において「〜部」として説明するものは「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで実装されても構わない。
【0107】
実施の形態2.
パッケージファイルが配信先の端末装置から別の端末装置にコピーされ、コピー先の端末装置で画像データが再生される場合について説明する。
【0108】
図10は、実施の形態2における画像配信システム100の概要図である。
実施の形態2における画像配信システム100について、図10に基づいて以下に説明する。
【0109】
まず、画像配信システム100の構成について説明する。
【0110】
画像配信システム100の構成は実施の形態1(図1参照)と同様である。但し、ネットワーク101には2台の画素パッケージファイル再生端末400A・Bが接続されている。
画素パッケージング装置200と画素パッケージファイル配信サーバ300との機能構成は、実施の形態1(図2、図3参照)と同じである。
【0111】
画素パッケージファイル再生端末400A・Bは、実施の形態1で説明した構成(図4参照)に加えて、パッケージファイル破壊部432を備える。
但し、画素パッケージファイル110のコピー先である画素パッケージファイル再生端末400Bは、パッケージファイル配信サーバアクセス部410、パッケージファイル配信要求部420およびパッケージファイル受信部421を備えなくても構わない。
パッケージファイル破壊部432については後述する。
【0112】
次に、画像配信システム100の画像配信方法について説明する。
【0113】
画素パッケージファイル配信サーバ300は、画素パッケージファイル110を配信するとき、画素パッケージファイル110内の基本情報データ112A毎に基本情報データ112Aに含まれるDRM情報に配信ログインIDの他に「配信先装置ID」を追加する(図7、S240)。
配信先装置IDとは、配信先の画素パッケージファイル再生端末400Aを識別する装置ID(例えば、MACアドレス)である。例えば、画素パッケージファイル再生端末400Aの装置IDは、ユーザが画像配信サービスにログインするときに配信ログインデータと共に画素パッケージファイル配信サーバ300へ通知される。
【0114】
ここで、画素パッケージファイル再生端末400Aに配信された画素パッケージファイル110が画素パッケージファイル再生端末400Bにコピーされたものとする。
例えば、画素パッケージファイル110はネットワーク101を介した通信により又は記憶媒体(例えば、CD−ROM)を用いて画素パッケージファイル再生端末400A・B間でコピーされる。
【0115】
画素パッケージファイル再生端末400BのDRM情報確認部431は、画素パッケージファイル110を再生するユーザと画素パッケージファイル110をダウンロードしたユーザとが異なり、画素パッケージファイル110がコピー制限されている場合、画素パッケージファイル110の再生を許可しない(図8、S320)。
【0116】
パッケージファイル破壊部432は、画素パッケージファイル再生端末400Bの装置IDと画素パッケージファイル110のDRM情報に含まれる配信先装置ID(画素パッケージファイル再生端末400Aの装置ID)とが異なるため、画素パッケージファイル110を破壊する。
画素パッケージファイル110の破壊(破棄)とは、画素パッケージファイル110の消去(削除)、画素パッケージファイル110内の基本情報データ112Aの削除や書き換えなど、画素パッケージファイル110によって画像を表示できなくすることである。
【0117】
図11は、実施の形態2における画素パッケージファイル110の再生条件を示す表である。
実施の形態2における画素パッケージファイル110の再生条件について、図11に基づいて以下に説明する。
全ての基本情報データ112Aの配信ログインIDが再生ログインIDと一致する場合、DRM情報確認部431は画素パッケージファイル110の再生を許可する(項番1〜4)。
全ての基本情報データ112Aの複製許可データが“複製許可”を示す場合、DRM情報確認部431は画素パッケージファイル110の再生を許可する(項番5,6)。
少なくともいずれかの基本情報データ112Aの複製許可データが“複製許可”を示さない場合、DRM情報確認部431は画素パッケージファイル110の再生を許可しない(項番7)。
少なくともいずれかの基本情報データ112Aの複製許可データが“複製許可”を示さず、少なくともいずれかの基本情報データ112Aの配信先装置IDと自再生端末装置の端末IDとが一致しない場合、パッケージファイル破壊部432は画素パッケージファイル110を破壊する(項番8)。
【0118】
項番4や項番7の再生条件において、複製許可データが“複製不許可”であることを理由にDRM情報確認部431が画素パッケージファイル110の再生を却下し、パッケージファイル破壊部432が画素パッケージファイル110を破壊しても構わない。
項番7の再生条件において、自再生端末装置と配信先装置とが一致することを理由に画素パッケージファイル110の再生を許可しても構わない。
【0119】
また、DRM情報確認部431は全ての基本情報データ112AにおいてDRM情報が一致するか否かを判定し、パッケージファイル破壊部432は全ての基本情報データ112AにおいてDRM情報が一致しない場合に画素パッケージファイル110を破壊してもよい。画素パッケージファイル110が改ざんされていると考えられるからである。
【0120】
図11の再生条件により、例えば、画素パッケージファイル110の再生を以下のように制限することができる。
画素パッケージファイル110のDRM情報に許可確認方法として“有料ユーザ”を設定し、複製許可データとして“複製不許可”を設定すれば、有料で配信した画素パッケージファイル110が端末装置間で不正にコピーされても、画素パッケージファイル110のコピーは破壊され利用できない。
【0121】
DRM情報確認部431は、画素パッケージファイル110内の基本情報データ112AのDRM情報に基づいて基本情報データ112A毎に再生を許可するか否かを判定しても構わない(図8、S320)。
パッケージファイル再生部430は、画素パッケージファイル110に含まれる基本情報データ112Aのうち再生を許可された基本情報データ112Aを用いて画像を表示させる(図8、S330)。例えば、パッケージファイル再生部430は再生を許可されなかった基本情報データ112Aに対応する画素をモザイクで表示する。つまり、再生を許可された画素は表示され再生を許可されなかった画素はモザイクされる。
これにより、例えば、有料ユーザに対して画像内の全画素を表示し、無料ユーザに対して一部の画素をモザイク処理して画像を表示させることができる。
この場合、パッケージファイル提供者は画素毎にDRM情報を定義し、画素パッケージング装置200は画素パッケージファイル110内の基本情報データ112A毎に基本情報データ112Aに対応する画素のDRM情報を設定する(図5、S114)。
また、画素パッケージファイル配信サーバ300は配信要求ファイル内の基本情報データ112A毎に基本情報データ112Aに含まれるDRM情報に基づいて配信許可を判定する(図7、S230)。画素パッケージファイル配信サーバ300は配信許可した基本情報データ112AのDRM情報だけに配信ログインIDを追加して配信要求ファイルを配信する(図7、S240)。
【0122】
実施の形態1,2において、例えば、以下のようなパッケージファイル配信システムについて説明した。
【0123】
画素パッケージファイル配信システム(画像配信システム100)は、画素パッケージング装置200、画素パッケージファイル配信サーバ300および画素パッケージファイル再生端末400を有する。
【0124】
画素パッケージング装置200は、画素基本データ作成部213、基本情報ファイル作成部214およびパッケージ処理部215を備える。
【0125】
画素パッケージファイル110に画素単位(基本情報データ112A)でDRM情報などの関連情報を保持することにより、画素パッケージファイル110の再生を制限することができる。
基本情報ファイル112がなければ、各画素の基本データ(色、輝度など)を取得できないので、画像を再生できない。基本情報ファイル112がある場合でも、DRM情報に基づく再生権限がなければ、画像の再生が制限される。
【符号の説明】
【0126】
100 画像配信システム、101 ネットワーク、110 画素パッケージファイル、111 画素基本データ、112 基本情報ファイル、112A 基本情報データ、200 画素パッケージング装置、210 パッケージファイル生成部、211 画素データ抽出部、212 画素番号変換部、213 画素基本データ作成部、214 基本情報ファイル作成部、215 パッケージ処理部、220 パッケージファイル送信部、280 画像ファイル記憶部、290 画素パッケージファイル記憶部、300 画素パッケージファイル配信サーバ、310 ファイル受信・保存部、320 アクセス処理部、330 パッケージファイルアクセス部、331 ログイン照会部、332 パッケージファイル配信部、390 パッケージファイル記憶部、391 ログイン情報記憶部、400,400A,400B 画素パッケージファイル再生端末、410 パッケージファイル配信サーバアクセス部、420 パッケージファイル配信要求部、421 パッケージファイル受信部、430 パッケージファイル再生部、431 DRM情報確認部、432 パッケージファイル破壊部、490 端末記憶部、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 ドライブ装置、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象画像を構成する複数画素それぞれの画素値を含んだ対象画像データを入力し、入力した対象画像データから画素値を抽出する画素値抽出部と、
前記画素値抽出部により抽出された画素値と対象画像の表示を制限する所定の条件を示す制限情報とを含んだ画素単位データを画素毎に生成する画素単位データ生成部と、
前記画素単位データ生成部により生成された画素単位データを含んだ画素パッケージファイルを生成する画素パッケージファイル生成部と
を備えたことを特徴とする画素パッケージング装置。
【請求項2】
前記画素パッケージング装置は、さらに、
画素を識別する画素識別値を一覧にした画素一覧データを生成する画素一覧データ生成部を備え、
前記画素パッケージファイル生成部は、前記画素単位データと前記画素一覧データ生成部により生成された画素一覧データとを含んだ画素パッケージファイルを生成する
ことを特徴とする請求項1記載の画素パッケージング装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の画素パッケージング装置と、
前記画素パッケージング装置により生成された画素パッケージファイルを配信する画素パッケージファイル配信装置と、
前記画素パッケージファイル配信装置から配信された画素パッケージファイルを記憶し、前記画素パッケージファイル内の画素単位データに含まれる制限情報に基づいて対象画像の表示を許可するか否かを判定し、対象画像の表示を許可したとき前記画素パッケージファイル内の画素単位データに含まれる画素値に基づいて対象画像を表示装置に表示する画素パッケージファイル再生装置と
を有することを特徴とする画素パッケージファイル配信システム。
【請求項4】
対象画像を構成する複数画素それぞれの画素値を含んだ対象画像データを入力し、入力した対象画像データから画素値を抽出する画素値抽出処理と、
前記画素値抽出処理により抽出された画素値と対象画像の表示を制限する所定の条件を示す制限情報とを含んだ画素単位データを画素毎に生成する画素単位データ生成処理と、
前記画素単位データ生成処理により生成された画素単位データを含んだ画素パッケージファイルを生成する画素パッケージファイル生成処理と
をコンピュータに実行させる画素パッケージングプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−209842(P2011−209842A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74852(P2010−74852)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】