画素発光制御方法および装置
画素からの発光は、センサで受光される。センサは、画素の動作中にセンサの測定可能なパラメータ値を受信または決定する制御ユニットに接続される。目標値は、制御ユニットに接続され、制御ユニットは測定可能なセンサパラメータと目標値を比較可能になる。制御ユニットは、画素からの発光を変更するように動作可能な画素ドライバに接続される。画素ドライバは、測定可能なセンサパラメータが目標値に到達したことを示すまで、画素からの発光を変化できる。目標値は、センサの較正に基づいて決定できる。複数の目標値は、ルックアップテーブルに保存できる。パッシブおよびアクティブマトリクスディスプレイは、本発明の方法および装置に従って制御可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年6月18日提出の米国仮出願番号60/479342、発明の名称「発光帰還安定化フラットパネルディスプレイ」と、2003年11月19日提出の米国仮出願番号60/523396、発明の名称「パッシブマトリクス発光安定化フラットパネルディスプレイ」と、2003年12月22日提出の米国仮出願番号60/532034、発明の名称「安定化フラットパネルディスプレイ」について米国特許法第119条(e)の出願日の利益を主張する。これらの全ては参照により全体がここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、2004年5月6日提出の米国特許出願番号10/841198、発明の名称「画素発光制御方法および装置」の一部継続出願であり、該出願は、参照により全体がここに組み込まれる。
【0003】
本発明は、一般にディスプレイに関し、特に、ディスプレイおよびこうしたディスプレイの画要素のグレーレベルや色および輝度の制御に関する。
【背景技術】
【0004】
フラットパネルディスプレイは、典型的には、画像データを、画要素(画素)アレイへ供給されて変化する電圧に変換しており、画素は、液晶ディスプレイ(LCD)のようにバックライトからの光を通過させたり、あるいは、例えば、エレクトロルミネセンスや有機発光ダイオード(OLED)のディスプレイのように発光する。画要素(画素)に印加される画像電圧は、画素からの光量を決定する。
【0005】
現在のディスプレイ設計は、電圧が画素に印加されたとき、正確な光量が通過または発光しているかをチェックするようにしていない。例えば、LCDディスプレイ素子では、液晶セルを交差するように電圧が印加され、バックライトから一定の光量を通過させる。色情報を提供するLCDは、赤、緑、青のフィルタを使用している。LCDは、均一な製造プロセスに依存して、ディスプレイが高い均一性を有するという電気的特性に関して充分に接近した画素を生成する。幾つかのLCD技術および応用については、素子の寿命に関する均一性は、意図した応用にとって充分なものである。
【0006】
アクティブマトリクスOLEDディスプレイの場合、電圧が画素中のパワートランジスタのゲートに印加され、これがOLED画素に電流を供給する。ゲート電圧が高くなるほど、電流が大きくなり、画素からの発光も多くなる。
【0007】
均一な画素を生成することは困難であり、こうした均一な画素が生成できたとしても、こうした画素のアレイを含むディスプレイの寿命期間中に均一性を維持することは困難である。製造誤差の結果、トランジスタの電流パラメータは、典型的には画素ごとに変化する。OLED材料が放射する光量もまた、OLEDの電流−光変換効率、OLED材料の寿命、OLEDベースのディスプレイの個々の画素が曝される環境、および他の要因に依存して変化する。例えば、OLEDディスプレイの端にある画素は、中心近くの内側のものとは異なって経年変化することがあり、直射日光に曝された画素は、陰または部分的に陰になったものとは異なって経年変化することがある。発光ディスプレイでの均一性問題を克服するために、幾つかの回路構成および方法論が今日使用されている。1つの構成は、画素においてカレントミラーを使用し、画像電圧の代わりに画像電流が用いられ、特定の電流をパワートランジスタを経由してOLEDに供給する。さらに、パワートランジスタのしきい電圧を検査し、画像電圧をしきい電圧へ追加して、従って、しきい電圧の変動がOLEDの輝度を変化させないように、しきい電圧を引き算する回路も設計されている。これらの回路構成は、製造するには複雑かつ高価であり、完全に満足できるものではない。
【0008】
多数のグレー階調(gray shade)を必要とするディスプレイは、1つの階調レベル(shade of gray)より優れた均一性を必要とする。例えば、100階調レベルは、100個の輝度レベルを用いるために、1%のディスプレイ均一性を必要とする。1000階調レベルでは、0.1%の輝度均一性が望ましい。薄膜エリアにおいて0.1%の均一性を維持する量産プロセスが困難であることから、仮に実現可能であったとしても、ディスプレイ上の均一性を促進する他の手段を見つけなければならない。
【0009】
従前の1つのアプローチは、ある光学フィードバック回路を使用したものであり、光ダイオードまたは光トランジスタから特定タイプのフィードバックを用意し、画素発光の実際の輝度にデータを提供し、フィードバックされたデータを用いて、記憶キャパシタを放電して、パワートランジスタを停止させていた。これは、各画素に配置されたフォトダイオードだけでなく、フォトダイオードから供給されるデータに応答する手段を必要とする。各画素は、放電回路を有する必要がある。従って、各画素は、非常に複雑な回路を有することになる。さらに、フォトダイオードを含む回路素子自体が全て変動を導入して、不均一性をもたらす。さらに、このアプローチは、明るい画素はより急速に停止し、暗い画素はより長くオン状態となるが、正確な輝度レベルは参照値として測定または使用できないため、均一性を生じさせようとするだけである。
【0010】
第2のアプローチは、画素輝度、ダイオードの光応答、および画像ラインの書き込み時間中にパワートランジスタが供給する電流を決定する全てのパラメータによって決定される平衡輝度に到達する画素に依存している光ダイオードに阻止(blocking)トランジスタを追加したものである。しかしながら、平衡輝度は、上述したパラメータ全てによって決定され、これらのパラメータは画素ごとに変化し得る。従って、試みた補正は、画素個別のものでなく、時間に関する各画素の変化を考慮していなかった。
【0011】
他の問題は、特別のフィードバック回路および方法がシステムを発振させることがあり、ライン書き込み時間内で抑制されなければ、実際の輝度および電圧を書き込み時間の限界点において不定なものにするであろう。
【0012】
パッシブディスプレイは、1回に1つのラインが処理されて、ラインはアドレス期間中にのみオンになる。例えば、ディスプレイは50ラインを有し、1秒毎に60フレームで走査する場合は、アドレス期間は、1/(60*50)=333マイクロ秒となる。多くのパッシブディスプレイは、2つのレベルの階調(オンとオフ、白または黒)だけを有する。パッシブディスプレイでは、ラインは1回に1つ走査される。こうして1秒毎に60フレームで走査される50ラインのパッシブディスプレイについては、各ラインは333マイクロ秒だけオンになる。走査速度が高いため、眼はライン点滅を認識しないが、フレーム期間中の平均光量は認識する。このことは、ディスプレイが特定の認識輝度、例えば100cd/m2を有するためには、平均輝度はライン数で乗算しなければならないことを意味する。従って、50ラインディスプレイでの瞬間ライン輝度は5000cd/m2になる。このことは、ディスプレイ画素において極めて高い瞬間電流レベルを必要とし、加速した画素劣化とI2Xインピーダンス則による高い電力消費をもたらす。高い電力消費および加速した画素劣化は、不均一性の急速な進展を引き起こす。
【0013】
さらに、従来のパッシブマトリクスディスプレイでは、十文字に交差するワイヤは、各画素エレメントをアドレスする点に依存している。典型的な設計は、製造時に少なくとも2つの金属層を必要とし、2回のマスクしたフォトリソグラフ工程を必要とする。各フォトリソグラフ工程は、時間がかかりコスト高である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、ディスプレイを安定化し、フォトダイオードや他の回路パラメータの変動によってうまく影響を受けないような装置、システムおよび方法が必要である。装置、システムおよび方法は、好ましくはシステムを発振させるべきでがなく、ディスプレイ寿命に渡って全範囲の輝度を使用すべきである。さらに、パッシブマトリクスディスプレイは、画素をアドレスするために、ただ1つの金属層を必要とすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様において、所定の発光レベルに到達するように発光を制御するための方法が提供される。画素からの発光は、画素ドライバを用いて変化する。画素からの発光は、センサで受光される。測定可能なセンサパラメータの測定値は、受光した発光に応じて得られる。測定値は、画素ドライバに接続され、光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、画素に関する制御信号が生成される。測定値は、測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することができ、参照値は所定の発光レベルを示すものである。センサは、参照値を決定するために較正することができる。幾つかの実施形態では、複数の参照値が、発光制御に使用するルックアップテーブルに保存される。
【0016】
本発明の他の態様において、制御画素システムが提供される。測定可能なセンサパラメータを有するセンサは、画素から放射される光の少なくとも一部を受光するように位置決めされる。画素ドライバは、画素に接続され、駆動信号を画素に供給して、画素からの発光を変化させるように動作する。画素ドライバおよびセンサに接続された制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータの測定値に基づいて、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作し、一定の発光を所定の発光レベルに維持するように、画素ドライバ用の制御信号を生じさせる。
【0017】
本発明の一態様によれば、アクティブマトリクスディスプレイでの画素アレイを所定の発光レベルに制御する方法が提供される。画素は、複数の行(row)と複数の列(column)に配列しており、各画素はアクティブマトリクス素子を有する。この方法は、複数のセンサを利用するもので、各センサは、測定可能なセンサパラメータと少なくとも1つの画素ドライバを有する。画素における画素ドライバおよびアクティブマトリクス素子を用いて、発光は、第1行での複数の画素から変化する。発光は、画素からセンサで受光され、測定可能なセンサパラメータの測定値は、受光した発光に応じて得られる。各複数画素については、光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するように、画素用の制御信号が生成される。
【0018】
本発明の一態様によれば、パッシブマトリクスディスプレイにおいて発光を所定の発光レベルに制御する方法が提供される。第1行での複数の画素からの発光は、列画素ドライバを用いて変化する。第1行での複数の画素からの発光は、複数のセンサの各々の測定可能なセンサパラメータの実際の値を監視することによって、監視される。各複数のセンサは、第1行での複数の画素のうちの1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされる。第1行での複数の画素の各々の測定可能なセンサパラメータの実際の値は、画素ドライバに接続される。制御信号は、第1行での複数の画素について生成され、一定の発光を所定の発光レベルに維持する。
【0019】
他の態様において、パッシブマトリクスディスプレイを制御するための装置が提供される。複数の行と複数の列に配列されたセンサアレイが設けられる。各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、少なくとも1つの画素から放射される光の少なくとも一部を受光するように位置決めされる。行セレクタが、センサアレイに接続され、ディスプレイに接続可能である。行セレクタは、複数の行の少なくとも1つを選択するように動作する。複数のコンパレータが、共通の列に配置された複数のセンサにそれぞれ接続され、参照値は、選択された行での画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示すものであり、コンパレータは、センサパラメータの測定値と参照値とを比較するように動作し、制御信号を生成する。複数の画素ドライバは、共通の列に配置された画素にそれぞれ接続され、複数の画素の流れ(river)の各々は、複数のコンパレータのうち選択された1つに接続され、制御信号を受けて、画素から放射される光量を維持するように動作する。
【0020】
本発明の他の態様に従って、暗シールドをセンサおよび複数の接点と整列させるための方法が提供される。暗シールドは、第1面に対向する第2面を有する透明基板の第1面に形成される。絶縁材料が暗シールドの上に形成される。センサ用の材料は、絶縁材料および光源シールドの上に成膜される。基板には、電気接点用の材料の上方に負のフォトレジストがコートされる。負のフォトレジストは、透明基板を光が通過するように位置決めされた光源を用いて、光の一部が暗シールドによって阻止されるように露光され、そして現像される。電気接点用の材料は、現像した負のフォトレジストを介してエッチングされ、複数の電気接点がセンサ用の材料の上に形成され、複数の電気接点は暗シールドと整列する。こうしてセンサアレイとの接続用に1つの金属層だけを必要とするパッシブマトリクスディスプレイが提供できる。クロムやアルミニウムなどの不透明な導電材料を用いた場合、リア(rear)正フォトレジスト露光を用いる方法が提供され、硬化したフォトレジストを暗シールドの上に配置させて、センサ材料を暗シールドの幾何形状に規定する。そして、金属層は、産業で周知の方法を用いて堆積され規定される。
【0021】
さらに、列にあるセンサが金属の平行ラインによって接続される方法が提供され、センサは、接触する導電ライン間にはしご形状の「横木(rung)」を形成し、直交した接続導電ラインのような2つの金属層ではなく、ただ1つの金属層だけが必要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態は、画素からの発光ほ制御するためのシステム、方法、回路および装置を提供する。発光源は、一般に、供給電圧に応じて放射を生成するような、技術分野で知られた何れの光源でよく、例えば、発光ダイオード、白色有機発光ダイオードなど何れかの波長の有機発光ダイオードなどである。LCDディスプレイ等の幾つかの実施形態では、光源はバックライトであり、画素からの発光は、画素を通過した、バックライトからの光量を変化させることによって制御される。
【0023】
エレクトロルミネセンスセル、無機発光ダイオード、真空蛍光ディスプレイ、電界発光ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの、他の光源を使用してもよい。グラフィックス、画像、テキストまたは他のデータ、あるいは人視覚用の情報を表示するようにした放射(または照射)源は、主として可視波長(一般に、400〜700ナノメータ程度)内にあり、本発明は、例えば、これに限定されないが、紫外放射および赤外放射など、より短波長およびより長波長にも適用されものと理解される。
【0024】
図1に示すように、画素100からの発光は、センサ11で受光される。センサ11は、光感応性抵抗とすることができる。他の放射または光感応性センサは、例えば、これに限定されないが、光ダイオード及び/又は光トランジスタなどでもよい。センサ11は、少なくとも1つの測定可能なパラメータを有し、測定可能なパラメータの測定値は、画素100からの放射光を示すものである。
【0025】
例えば、センサ11は光感応性抵抗でもよく、抵抗値は、入射光レベルとともに変化する。光感応性抵抗を形成するのに用いられる放射または光学感応材料は、材料の表面に落射または衝突する放射光の強度(例えば、強度または輝度、可視光)に従って、1つ又はそれ以上の電気的特性を変化させる何れの材料でもよい。こうした材料は、これらに限定されないが、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン化カドミウム(CdSe)、シリコン(Si)、セレン(Se)などがある。
【0026】
センサ11は、制御ユニット13に接続され、制御ユニット13は、画素100の動作中にセンサの測定可能なパラメータの値を受信し、または決定する。目標値16も制御ユニット13に接続され、制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータと目標値16とを比較することができる。制御ユニット13は、この比較に基づいて制御信号を生成し、画素100からの発光に影響を与える。制御ユニット13は、ハードウエア、ソフトウエアまたはこれらの組合せとすることができる。一実施形態では、制御ユニット13は、電圧コンパレータとして実行する。他の比較回路やソフトウエアを使用してもよい。
【0027】
目標値16は、画素100の所望の発光を表現するものであり、例えば、これらに限定されないが、電流値、電圧値、静電容量値または抵抗値などであり、測定可能なセンサパラメータとの比較に適したものである。
【0028】
制御ユニット13は、画素ドライバ12と接続されている。画素ドライバ12は、画素100用の駆動信号を展開して、画素100からの発光を決定するように動作する。画素ドライバ12は、何れかのハードウエア、ソフトウエア、ファームウェアまたはこれらの組合せとすることができ、駆動信号を画素100へ提供するのに適したものである。画素ドライバ12は、幾つかの実施形態では、画素100の領域の外側に配置されている。即ち、画素100は、後述するように、ディスプレイ基板上に形成してもよい。画素ドライバ12は、好ましくは、ディスプレイ領域の外側に配置される。画素ドライバ12は、ディスプレイ基板と一体化してもよく、ディスプレイ基板から分離してもよい。幾つかの実施形態では、画素ドライバ12の一部が、画素100の内部に収容されている。本発明の実施形態は、画素100からの発光に関するセンサからの情報を画素ドライバ12と接続するようにしている。
【0029】
一実施形態では、画素ドライバ12は、測定可能なセンサパラメータが目標値16に到達したことを示すまで、画素100からの発光を変化させる。これは、値が、所定程度の確実さの範囲内に一致し、あるいは値が、ある所定の関係に到達したことを意味する。そして、制御ユニット13は、制御信号を画素ドライバ12と接続させて、発光の変動を停止し、発光レベルを維持する。従って、制御ユニット13が、センサ11の測定可能なセンサパラメータについてのその比較を基礎として、画素100での変動は処置される。
【0030】
幾つかの実施形態では、センサ11での変動は、さらに、任意ではあるが好都合に、発光制御13および目標値16に接続された較正テーブル17の使用によって処置される。センサ11は、測定可能なパラメータのうちの1つ又はそれ以上の値が、所定の光強度レベルに関して既知であるように、較正される。従って、センサ11が光感応性抵抗である実施形態では、センサの抵抗値は、関連した1つ又はそれ以上の光レベルに決定される。較正手順については後述する。較正値17は、例えば、ルックアップテーブル、メモリでの他のフォーマット、あるいは他の記憶素子に保存される。目標値16は、較正テーブル17に接続され、較正値は、センサ11の測定可能なセンサパラメータと比較のために、制御ユニット13に提供される。
【0031】
比較に基づいて、制御ユニット13は、制御信号を、画素100の発光を変化させる画素ドライバ12に接続させる。こうして画素100の発光は、センサ11の既知の目標値または較正値に基づいて、特定の発光または輝度レベルに制御される。センサ11の製造または動作での変動は、センサの較正プロセス中に処置してもよく、これは後述する。画素100での光または放射源10の動作は、放射出力がモニタされ、測定したセンサ出力の目標値に基づいたレベルに保持されるように、制御される。
【0032】
本発明に係る装置の構成要素を図1に示したが、図示した構成要素は、種々の方法で実行できると理解されるべきである。図2は、本発明のある実施形態に係る装置の一実施形態を示す。図2に示す実施形態において、画素100は、センサ11を照射するように位置決めされた光源10を含む。センサ11は、図2に示すように、光感応性抵抗であるが、光感応性のダイオードやトランジスタでもよく、図2に示すように、第2の抵抗25を持つ分圧器20において動作してもよい。従って、ノード26での電圧は、放射源10の輝度レベルが変化するにつれて、変化する。制御ユニット13は、ノード26およびノード36での目標値16に接続された電圧コンパレータ14として動作する。目標値16は、単なる目標値でもよく、あるいは上述のような較正テーブルによって調整された目標値でもよい。目標値16は、メモリやルックアップテーブルから供給してもよく、コンパレータ14のノード36に提供される。パワートランジスタ21は、光源10に接続される。パワートランジスタ21は、光源10に流れる電流を制御する。パワートランジスタ21のゲートは、データトランジスタ22に接続される。データトランジスタ22は、画素ドライバ12の一部を構成している。データトランジスタ22のゲートは、電圧コンパレータ14の出力に接続される。
【0033】
図2に示す実施形態において、コンパレータ14は、第1の信号をトランジスタ22に出力するように構成され、これは、ノード26がノード36より低い電圧であるとき、トランジスタ22をオンにする。コンパレータ14は、第2の信号をトランジスタ22に出力するように構成され、これは、ノード26での電圧がノード36と等しいか、それより低いとき、トランジスタ22をオフにする。連続的に変化する電圧、例えば電圧ランプ波形がノード28に印加されると、発光ダイオード10に流れる電流が上昇して、ダイオード10からの発光およびセンサ11への入射光を増加させ、ノード26での電圧を変化させる。ダイオード10の発光が所望の値に到達すると、ノード26での電圧はノード36での電圧と等しくなり、コンパレータ41は第2の信号をトランジスタ22へ出力し、トランジスタ22をオフにするため、ダイオード10に流れる電流の増加を停止する。記憶キャパシタ32は、パワートランジスタ21のゲートでの電圧を記憶して、発光レベルを所望の輝度レベルに維持する。
【0034】
こうして一般には、光源10からの発光を変化させ、測定したセンサパラメータが目標発光レベルに到達したことを示す場合に発光の変動を止めることによって、制御が設けられる。発光は、時間に関して何か変化するものでもよく、例えば、増加または減少するランプ波形、サイン波変動、矩形波変動、増加または減少するステップ波形、または時間を伴う実質的に他の変動などである。幾つかの実施形態では、発光は、光源を1回または複数回オンオフすることによって、変化している。ランプ電圧(リニアまたはノンリニア)を組み込んだ実施形態は都合よく動作し、幾つかの実施形態では、ランプ電圧は、矩形波電圧(ステップ電圧)を供給することによって発生させることができ、電圧ランプ波形は、記憶キャパシタおよびパワーTFTのゲート容量と結合した画素回路の寄生容量および抵抗に起因してライズタイムで生ずる。
【0035】
変動は、測定可能なセンサパラメータの値が目標発光レベルに到達したことを示す場合に停止する。従って、本発明の実施形態は、従来のシステムではフィードバック回路を利用していたような特定の回路ループ利得に依存したセトリング時間を持たないシステムを用いて、光源を制御する。
【0036】
本発明の実施形態に係る光源を安定化させるための方法および装置は、電子ディスプレイにおける1つ又は複数の光源を制御したり、安定化させるために、都合良く使用できる。画素の輝度を制御するために電圧または電流を用いた何れのタイプのディスプレイも、これらの技術を用いて使用できる。例えば1つ又はアレイ状の発光ダイオード、例えば有機発光ダイオードを含むものでは、各発光ダイオードはディスプレイ中の画素についての光源を表現するものであり、本発明の実施形態に従って制御することができる。制御された発光ダイオードアレイの一実施形態は、図3Aに示している。図3Aは、例示的な実施形態を描いているが、当業者は、他の設計構成でも上述した制御機構を達成するために採用できることを認識するであろう。図3Aに示す実施形態は、アクティブアドレスの発光ダイオードを示している。センサアレイ11は、有機発光ダイオードアレイOLED10または他の発光素子、あるいは上述したような別の光源からの光を捕獲するように、位置決めされる。アクティブマトリクス(AM)画素トランジスタアレイ30,31および記憶キャパシタ32が、光源10に接続され、アクティブマトリクス画素トランジスタ30,31の1つのペアは、記憶キャパシタ32とともに各光源10を駆動する。
【0037】
光源10は、図3Aに示すアレイ形式で配置され、列は1,2,…,Xで示し、行は1,2,…,Yで示している。直交した行列配置は、各行において等しい番号の光源、各列において等しい番号の光源で図3Aに示しているが、光源アレイは、他の実施形態ではそうした順番でなくてもよいことは理解されるであろう。どのような番号の行および列でも構わず、幾つかの実施形態では行および列は等しい番号の光源を含んでおらず、幾つかの実施形態では行および列は直交しておらず、あるいは直線ラインに配列していなくても構わない。ある実施形態では、単一行または単一列だけでもよく、あるいは、全ての行および列が画素を含まない、まばらに存在したアレイでもよい。非アレイ状の構成でも実施することができる。
【0038】
複数のセンサ11は、電圧コンパレータ14に接続されている。図3Aに示すように、1つの電圧コンパレータ14は、単一の列(1,2,…,Xで示す)における全てのセンサ11に接続されている。幾つかの実施形態では、複数の電圧コンパレータ14を列内のセンサ11のために設けてもよい。電圧ランプ回路35が、図3Aに示すように、各行でのアクティブマトリクス画素トランジスタ31に接続するように設けられる。AM素子30,31,32および光検出器11を持つ各光源は、電圧コンパレータ14およびランプ回路35の唯一の組合せと関連付けられる。即ち、各光源10は、図3Aに示すように、唯一の行列アドレスによって識別される。
【0039】
センサ11は、リニアアレイについては単なるパッシブ光抵抗器でもよいが、行の数が多くなれば、アクティブアレイがセンサ間のクロストークを低減するのに好都合となる。従って、1つ又はそれ以上の光検出器11は、図4に示すようにトランジスタ41または異なるスイッチに接続された光感応性抵抗40を含むものでもよい。センサアレイの回路は、周知の方法に従って変更できる。図4中の枠A,Bは、トランジスタ45を持つ光抵抗11を動作させる2つの方法を示している。
【0040】
光検出器は、測定可能なパラメータ、例えば、光抵抗を横断する電圧と入射光との間の関係を決定するために較正される。こうして、各画素の所望の輝度レベルは、測定可能なパラメータ値と相関させることができる。
【0041】
動作中は、画像データは第1行に書き込まれる。行は、電圧発生器37からの電圧を、選択される当該行のTFT33のゲートに印加することによって選択される。一方、他の行での全てのTFT33はオフ状態のままである。画像データは、画素の所望の輝度を示すものであり、所望の輝度に到達するのに必要な測定可能なセンサパラメータの値を表現する。図3Aに示す実施形態では、画像データは、各ノード36に接続される。典型的には、各ラインの書き込みの際に、トランジスタ31,33のゲートに電圧を供給して、ランプ発生器35を接地することによって、記憶キャパシタ32で何らかの既存する電圧が最初に消去される。従って、1つの行における各画素の所望の輝度を表現する電圧レベルは、ディスプレイでの複数の列1,2,…,Xについての各電圧コンパレータ14のピン36にダウンロードされる。図3Aに示す実施形態では、電圧コンパレータ14は、ピン26での電圧がピン36での電圧より小さいとき、トランジスタ31をオンにする電圧(一実施形態では、+10V)を出力するように設計される。従って、電圧コンパレータ14は、ターンオン電圧をトランジスタ31の各ゲートに供給する。電圧源37は、ターンオフ電圧をトランジスタ33の各ゲートに供給する。従って、トランジスタ33がオフのままである場合、光源による発光は開始しない。
【0042】
1つの行での電圧源37が、ターンオン電圧を1つの行のトランジスタ33のゲートに供給すると、ランプ発生器35は、1つの行のトランジスタ33のドレイン、そしてトランジスタ31のドレインに印加される電圧を上昇させ始めて、1つの行の記憶キャパシタ32および第1行だけのトランジスタ30のゲートでの電圧が上昇し始めて、電圧源38は、参照電圧(例えば、+10V)を1つの行でのセンサ11を含む分圧器に供給する。本明細書は、画像データを1つの行に書き込むときの方法に焦点を絞ったが、何れの行もここで説明した方法を用いて書き込み可能であることは理解されよう。
【0043】
従って、1つの行でのパワートランジスタ30のゲートでの電圧が上昇し始めて、1つの行での光源10に電流を流すようになる。電流は、1つの行でのセンサ11および抵抗25にも流れ始める。これにより電圧コンパレータ14のピン26での電圧が上昇する。光センサ11の抵抗値が安定している限りは、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は安定しており、電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧より下回っている。しかしながら、1つの行でのランプ発生器35からのランプ電圧により、OLEDは発光を増加させるため、1つの行での光検出器11の抵抗値は、照射輝度に従って減少するようになる。
【0044】
1つの行での光センサ11の抵抗値の減少により、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は、抵抗25をより多くの電流が流れることにより増加する。1つの行での画素の輝度は、ピン26での電圧を決定する。ピン26での電圧がピン36に供給されたデータ電圧と等しくなると、電圧コンパレータ14の出力電圧は、トランジスタ31のターンオン電圧からトランジスタ31のターンオフ電圧(例えば、+10Vから−10V)に切り換える。この時点で、1つの行での各画素の輝度が、各電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧によって決定される。
【0045】
各電圧コンパレータ14の電圧出力がターンオフ電圧(一実施形態では、−10V)に切り換わると、トランジスタ21のゲートがオフ状態になり、ランプ発生器35は、記憶キャパシタ32およびパワートランジスタ30での電圧を増加させることができなくなり、画素の輝度を固定する。全ての画素が、電圧コンパレータ25のピン30に供給されたデータ電圧で決定される輝度に到達できる時間は、ライン走査時間と称され、1秒当たりのフレーム数およびライン数によって決定される。例えば、60fpsのフレームレートは、各フレームにつき16.7msを要する。もし1000行(ライン)ある場合は、ライン走査時間は16.7マイクロ秒(μs)となる。従って、該ディスプレイ回路は、許容される最高輝度(最高階調)が、一実施形態において16.7μsより短く到達するように設計するのが好都合である。より低速な回路も、フレームレートまたは行の数を変更することによって使用することができる。速度および精度について別のトレードオフも可能である。
【0046】
1つの行が完了すると、1つの行の光源10は、パワートランジスタ30に供給される所望のゲート電圧とともに所望の輝度になり、記憶キャパシタ32によって保持される。そして、1つの行での電圧源37が、1つの行でのトランジスタ33のゲート電圧にオフ電圧を供給するように切り替わる。同時に、1つの行でのランプ発生器35が、任意にオフに切り換わって、電圧源38があるオフ電圧に切り換わると、1つの行でのセンサ11をオフにする。これによりトランジスタ31のゲート状態に関わらず、1つの行でのゲートおよび記憶キャパシタに供給された電圧のロックを完了する。そして、第2行については1つの行と同様な手法で制御することができる。
【0047】
よって、各画素の輝度は、画像データ電圧に接続された光抵抗11および接地抵抗25の抵抗値を知ること又は推測することに依存している。トランジスタ30,31での全ての変動は制御に影響を与えず、あるいは光源10の発光出力−電流特性や光源10の経年履歴の変動にも影響を与えない。さらに、光センシング回路は、周囲の光条件に関する情報も供与するものであり、光源アレイの全ての輝度を調整し、変化する光条件を補償するために使用可能である。もし、例えば、日陰が1つ又はそれ以上の光源10に落射していれば、日陰にあるこれらの光源を減光して、ディスプレイの均一な見映えを維持する。
【0048】
図3Bは、図3Aでのノード36についての参照電圧を提供するシステムの一実施形態を示す。画像データは、アナログ−デジタル変換器(A/D)110に提供できる。そして、デジタル値は、光学階調レベル計算機に接続可能であり、これは、デジタル画像データに対応した階調レベル数を決定する。幾つかの実施形態では、階調レベル計算機111は必要ではなく、A/D変換器110の出力は階調レベルを示すものである。行列追跡(tracker)ユニット112は、ライン数および列数を較正ルックアップテーブルアドレス指定器113へ接続させる。階調レベル計算機111は、さらに階調レベルを較正ルックアップテーブルアドレス指定器113に接続させる。ルックアップテーブルアドレス指定器113は、較正データを含む較正ルックアップテーブル114に接続される。アドレスがルックアップテーブル114に接続したとき、該アドレスに保存された参照番号がDAC116によってアナログ電圧に変換され、ラインバッファ115に接続されて、そして1つ又は複数の列に関する電圧コンパレータ14の1つ又は複数の参照ピンに接続される。こうして選択した行についての画像データは、電圧コンパレータに接続される。電圧ランプラインセレクタ120は、各行での画素に接続されるように設けられる。行セレクタ120は行を選択して、電圧ランプ波形を選択した行の画素に接続させる。電圧ラインセレクタ121は、電圧信号を選択した行のセンサに接続させる。
【0049】
図3Bに示す実施形態は、「リアルタイム」で使用でき、ディスプレイの連続的な制御であって、画像データは画素に供給され、画素の輝度は画像データ値に連続的に制御される。幾つかの実施形態では、画素の輝度レベルについての周期的または離散的な更新を提供するのに好都合である。こうした周期的な更新システムでは、ルックアップテーブルからの画像データは、データトランジスタのチャネルを経由してパワートランジスタのゲートに直接供給される。周期的に、ディスプレイがコンパレータを用いて走査され、画素に問い合わせして、パワートランジスタに供給される信号を調整する。
【0050】
周期的に更新または制御可能である制御されたディスプレイの実施形態を、図3Cに示す。各画素に印加される駆動信号は、ルックアップテーブル125に保存される。駆動信号は、動作中に、ラインバッファ128および行セレクタ130を用いて各画素に供給される。行セレクタ130は、行を選択すると、選択行にある画素のための駆動信号がラインバッファ128から接続される。ルックアップテーブル125に保存された初期値は、一般には、何れか適切な方法によって決定できる。ディスプレイの動作中は、較正は、一般に、何れかの周期的な間隔、または1回だけを含むランダムな間隔で行ってもよい。較正の段階では、図3Bについて上述したように、較正データがルックアップテーブル126によって供給され、ラインバッファ115を用いてコンパレータ14に供給される。行セレクタ120は、ランプ波形などの変化する信号を、選択行および較正トランジスタ131に出力する。上述のように、コンパレータ14は、変化する信号を中断して、画素の発光がコンパレータに供給された較正レベルに到達した時点で一定の発光を維持するために設けられている。図3Cに示す実施形態では、一定発光の期間中の駆動信号の値は、さらに較正トランジスタ131およびキャパシタ132を経由してラインバッファ127に保存される。ディスプレイの更なる動作中は、較正された画像データがラインバッファ127からルックアップテーブル125に伝送される。較正手順は、これらに限定されないが、1時間に1回、1日に1回、1年に一回、所有者ごとに1回、環境や応用ごとに1回等、何れかの頻度またはランダムに行ってもよい。その代わり、較正手順は、ディスプレイの使用者や管理者の指令で行ってもよい。
【0051】
図3Cに示す実施形態は、一体化してもよく、即ち、較正段階およびディスプレイ動作中で使用される構成部分が、一緒にパッケージ化しても構わない。幾つかの実施形態では、較正中に使用される構成部分(例えば、コンパレータ14、行セレクタ120、較正トランジスタ131及び/又はラインバッファ127,115など)は、較正モード期間だけ画素との通信に利用され、較正が行われていない場合、画素には接続していない。較正用構成部分は、例えば、1つ又は複数の追加の集積回路に設けてもよい。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態に係るパッシブアドレス発光ダイオードアレイの実施形態を示す。センサアレイ11が、アレイ状の有機発光ダイオードOLED10や他の有機発光素子、上述したような何れかの他の光源からの光を捕獲するように位置決めされる。光源10は、図5に示すアレイ形式で配置され、列は1,2,…,Xで示し、行は1,2,…,Yで示している。直交した行列配置は、各行において等しい番号の光源、各列において等しい番号の光源で図5に示しているが、光源アレイは、他の実施形態ではそうした順番でなくてもよいことは理解されるであろう。どのような番号の行および列でも構わず、幾つかの実施形態では行および列は等しい番号の光源を含んでおらず、幾つかの実施形態では行および列は直交しておらず、あるいは直線ラインに配列していなくても構わない。ある実施形態では、単一行または単一列だけでもよく、あるいは、全ての行および列が画素を含まない、まばらに存在したアレイでもよい。
【0053】
複数のセンサ11は、電圧コンパレータ14に接続されている。図5に示すように、1つの電圧コンパレータ14は、単一の列(1,2,…,Xで示す)における全てのセンサ11に接続されている。幾つかの実施形態では、複数の電圧コンパレータ14を列内のセンサ11のために設けてもよい。パワートランジスタ30、アドレス指定トランジスタ31および記憶キャパシタ32が、図5に示すように、各列についてのコンパレータ14に接続されている。電圧ランプ回路35が、図5に示すように、各列でのデータトランジスタ31に接続するように設けられる。グランドセレクタ48が、行での光ダイオード10に接続されている。グランドセレクタ48は、必要なときにダイオードを接地する。電圧発生器38が設けられ、各行につき1つが、行での光センサ11に接続されている。電圧発生器38は、行での光抵抗に電圧を供給する。
【0054】
各光源および光検出器11は、電圧コンパレータ14、グランドセレクタ48および電圧発生器38の独自の組合せで関連付けられている。即ち、各光源10は、図5に示すように、独自の行アドレスおよび列アドレスによって識別される。光検出器は、測定可能なパラメータ(例えば、光抵抗を横断する電圧)と入射光との間の関係を決定するように較正することができる。こうして各画素の所望の輝度レベルが、測定可能なセンサパラメータの値と関連させることができる。
【0055】
動作中は、画像データは第1行に書き込まれる。画像データは、画素の所望の輝度を示すものであり、所望の輝度に到達するのに必要な測定可能なセンサパラメータの値を表現する。図5に示す実施形態では、画像データは、各ノード36に接続される。典型的には、各ラインの書き込みの際に、電圧発生器50が、トランジスタ49のゲートに電圧を供給して、キャパシタ32を接地することによって、記憶キャパシタ32で何らかの既存する電圧が最初に消去される。従って、1つの行における各画素の所望の輝度を表現する電圧レベルは、ディスプレイでの複数の列1,2,…,Xについての各電圧コンパレータ14のピン36にダウンロードされる。図5に示す実施形態では、電圧コンパレータ14は、ピン26での電圧がピン36での電圧より小さいとき、トランジスタ31をオンにする電圧(一実施形態では、+10V)を出力するように設計される。従って、電圧コンパレータ14は、ターンオン電圧をトランジスタ31の各ゲートに供給する。電圧源37は、ターンオフ電圧をトランジスタ33の各ゲートに供給する。従って、トランジスタ33がオフのままである場合、光源による発光は開始しない。
【0056】
電圧源37がターンオン電圧をトランジスタ33のゲートに供給すると、ランプ発生器35は、トランジスタ33のドレイン、そしてトランジスタ31のドレインに印加される電圧を上昇させ始めて、記憶キャパシタ32およびトランジスタ30のゲートでの電圧が上昇し始める。
【0057】
電圧源38は、選択行にある光センサ11に電圧を供給し、グランドスイッチ48は、選択行にある光ダイオードを接地する。従って、選択行にある光ダイオードは、発光を開始するとともに、他の行にある光ダイオードは発光しない。本明細書は画像データを1つの行に書き込むときの方法に焦点を当てたが、ここで説明した方法を用いて、何れの行についても書き込みや選択が可能であることは理解されよう。
【0058】
従って、選択行にある発光ダイオードが発光すると、電流は、選択行にあるセンサ11に流れ始める。これにより電圧コンパレータ14のピン26での電圧が上昇する。光センサ11の抵抗値が安定している限りは、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は安定しており、電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧より下回っている。しかしながら、選択行でのランプ発生器35からのランプ電圧により、OLEDは発光を増加させるため、選択行での光検出器11の抵抗値は、照射輝度に従って減少するようになる。
【0059】
選択行での光センサ11の抵抗値の減少により、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は、抵抗25をより多くの電流が流れることにより増加する。選択行での画素の輝度は、ピン26での電圧を決定する。ピン26での電圧がピン36に供給されたデータ電圧と等しくなると、電圧コンパレータ14の出力電圧は、トランジスタ31のターンオン電圧からトランジスタ31のターンオフ電圧(例えば、+10Vから−10V)に切り換える。幾つかの実施形態では、コンパレータは、入力ピンの電圧が等しい場合に、出力信号をターンオン電圧からターンオフ電圧に切り換えるように設計しているが、コンパレータ14は、本発明の実施形態を実施するために使用する特定の回路構成に基づいて、入力ピンが相互の何れの関係を実質的に満足する場合に、出力信号を切り換えるように設計してもよい。この時点で、選択行での各画素の輝度が、各電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧によって決定される。
【0060】
各電圧コンパレータ14の電圧出力がターンオフ電圧(一実施形態では、−10V)に切り換わると、トランジスタ31のゲートがオフ状態になり、ランプ発生器35は、記憶キャパシタ32およびパワートランジスタ30での電圧を増加させることができなくなり、画素の輝度を固定する。全ての画素が、電圧コンパレータ25のピン30に供給されたデータ電圧で決定される輝度に到達できる時間は、ライン走査時間と称され、1秒当たりのフレーム数およびライン数によって決定される。例えば、60fpsのフレームレートは、各フレームにつき16.7msを要する。もし100行(ライン)ある場合は、ライン走査時間は167マイクロ秒(μs)となる。従って、該ディスプレイ回路は、許容される最高輝度(最高階調)が、一実施形態において167μsより短く到達するように設計するのが好都合である。より低速な回路も、フレームレートまたは行の数を変更することによって使用することができる。速度および精度について別のトレードオフも可能である。
【0061】
選択行が完了すると、選択行にある画素は所望の輝度になり、記憶キャパシタ32によってアドレス時間だけ保持される。パッシブディスプレイでは、ピン36に供給される画像の値は、典型的には暗状態の電圧または明状態の電圧(オンまたはオフ)になるであろう。選択行でオフであるこれらの画素について、ピン36でのデータ電圧は、暗状態の電圧より低い。暗状態の電圧を計算するには、光抵抗11の暗状態の抵抗値は測定することができ、分圧抵抗25の抵抗値を用いて、既知の電圧が光抵抗11に印加された場合に、ノード26での電圧が計算できる。選択行は、アドレス時間の期間中はオンのままになる。1秒当たり60フレームで走査する50ラインディスプレイでは、最大アドレス時間は、333マイクロ秒である。自動車ディスプレイでは、例えば、光抵抗11の電圧および較正は、自動車で予想される最も明るい周囲光条件においてオン画素の所望の輝度を表現する。電圧データがディスプレイ中の各光抵抗11について採用されるのは、この輝度レベルにおいてである。
【0062】
1つの行が完了すると、1つの行の光源10は、パワートランジスタ30に供給される所望のゲート電圧とともに所望の輝度になり、記憶キャパシタ32によって保持される。第2行およびさらに続く行については、最初の選択行と同様な手法で制御することができる。
【0063】
各光抵抗11は、同じ輝度では同じ電圧でを示すと予想されるが、実際には、センサ間で多少のばらつきがあり得る。従って、較正電圧は、ノード36に接続されたルックアップテーブルに保存して、センサ11に従って到来する画像データを調整することができる。
【0064】
電圧源38に供給された電圧は、輝度コントロールとして使用してもよい。電圧源38での電圧を増加させることによって、コンパレータ14の入力ノード26での電圧も増加する。これにより選択行にある画素の全体輝度を調整する。
【0065】
従って、各画素の輝度は、画像データ電圧に接続された光抵抗11および接地抵抗25の抵抗値を知ること又は推測することに依存している。トランジスタ30,31での全ての変動は制御に影響を与えず、あるいは光源10の発光出力−電流特性や光源10の経年履歴の変動にも影響を与えない。さらに、光センシング回路は、周囲の光条件に関する情報も供与するものであり、光源アレイの全ての輝度を調整し、変化する光条件を補償するために使用可能である。もし、例えば、日陰が1つ又はそれ以上の光源10に落射していれば、日陰にあるこれらの光源を減光して、ディスプレイの均一な見映えを維持する。
【0066】
図5に示す列および行のアドレス指定の実施形態は、実施の際、1層以上の導電性材料を使用してもよい。即ち、先行技術で知られているように、2つの金属層が、層間に位置決めされた絶縁体とともに必要であり、2つの導電ラインが相互に乗り越えつつ相互に電気接続されていない列および行のアドレス指定機構を提供する。先行技術で知られているように、複数の導電層は、典型的には、複数のマスクおよび製造工程を用いて実現される。複数のマスクおよび製造工程の条件は、アレイの製造を複雑化する。従って、アレイは、単一の導電層マスクおよび層のみを用いて都合良く製造される。単一の導電層のみを用いて列および行のアドレスラインを形成した、列および行のアドレス可能なディスプレイの一実施形態を、図6に示す。
【0067】
パッシブディスプレイは、図6に示すように、列集積回路59によって列駆動され、行セレクタ集積回路60によって行駆動される。図6に示す画素回路および駆動回路は、図5について上述したパッシブディスプレイと同様な方法で動作する。しかしながら、図6に示した実施形態では、電圧発生器38が列集積回路59の中に配置され、図5に示した実施形態のような行セレクタには配置されていない。従って、図6に示した実施形態は、各行にある各センサ11に接続された単一の電圧発生器38を設けており、各行につき電圧発生器38を設けていない。さらに、図6に示した実施形態は、センサ11は、センサ接続ライン85の間に「はしご状」配置で位置決めされている。こうしてセンサ11は、分圧抵抗25および電圧発生器38に接続されている。しかしながら、図6に示すセンサアレイ51の実施形態は、単一の導電層だけを用いて製造することができ、従来の製造技術を用いて単一のマスクだけを要する。
【0068】
図6に示すアレイの動作中は、電圧発生器38は、既知の電圧(一実施形態では10Vであるが、他の電圧を用いてもよい)をアレイ状のセンサ11全てに供給する。活性化しているラインを除いて、全ラインは暗状態であり、シールド44によってシールドされており、活性化ラインにあるこれらのセンサだけが機能している。活性化ラインは、行選択集積回路60によって選択される。照射中は、光センサ11は、暗状態にある光センサ11(一実施形態では、典型的に数千ギガオーム範囲)より極めて低い抵抗値(一実施形態では、典型的にギガオーム範囲、あるいは光トランジスタセンサについてメガオーム範囲)を有する。従って、電圧発生器28で発生した電流の大部分は、活性化した行にある1つの光センサを通過する。
【0069】
図7は、本発明の一実施形態に係る、図6に示した4画素のアレイに関する画素構造を示す。ディスプレイの光源部分は、カソードエレメント92で規定され、これは、共通グランドである。図7のカソード92は、動作中、図6に示した実施形態における行セレクタ60に電気接続されるであろう。行セレクタ60は、発光器10のカソードを選択的に接地する。他の行にある非接地のカソードは、これらの行を遮断している。カソードエレメント92は、典型的には、金属エレメントで形成され、不透明である。非活性センサについて暗状態を維持するために、カソードエレメント92は、不透明、幾つかの実施形態では黒であることが好都合である。動作中は、全てのカソードエレメント92は、オープン状態であり、何れの電流も阻止している。あるラインが活性化した場合、1つのカソード行は接地され(図3の行セレクタを参照)、列アノード94に供給された正の電圧によって、当該行にある何れのOLEDもオンすることが可能になる。何れかの特定の列アノード94に電圧が印加されているか否かは、どの画素をオンまたはオフにするかを決定する表示データに依存している。透明な誘電体は、図7には示していないが、センサ11からのアノード94およびセンサ電気接続ライン85を電気絶縁している。
【0070】
図6と図7に示したセンサアレイ51を形成するための例示的なプロセス流れを、図8を参照して説明する。図8は、図7中で印を付けたエリア44の断面を示す。プロセス流れは、単に例示的であって、本発明の実施形態、説明する特定の設備材料や製造プロセスの何れにも限定されない。センサアレイは、基板95の上に製造される。基板95は、完全または部分的に透明であることが好都合であり、一般に、例えば、ガラス、石英(quartz)、酸化物またはプラスチックなど、知られた何れかの適切な材料で製造することができる。センサアレイの製造に先だって、基板は必要に応じて清浄処理される。シールド44は、先行技術で知られた方法を用いて基板95の上に製造される。好ましい実施形態では、シールド44は、不透明インクを用いてスクリーン印刷される。暗シールド44の寸法は、一実施形態では、0.001”から0.002”のオーダーであるが、これにより大きい又は小さい他の暗シールド寸法でも構わない。暗シールド44は、不透明(または実質的に不透明)であるため、OLED素子で発光した光を部分的に阻止する。これは、1インチ当たり100ドットのディスプレイにおいて意図した発光の約5%の阻止率より小さい。
【0071】
典型的な半導体成膜設備(一実施形態では、プラズマ化学気相成長PECVD装置が使用される。)を用いて、誘電体層96が基板95上に成膜され、シールド44を覆う。誘電体層96は、一般に、二酸化シリコン、窒化シリコンなど、知られた何れの適切な誘電体とすることができる。そして、光センサ11に用いられる光感応性材料が成膜される。光感応性材料は、上述したように、アモルファスシリコン、セレン化カドミウム、ポリシリコン、硫化カドミウム等を含む何れか種々の材料などである。さらに、オーミック接触材料98が成膜され、光センサ11との電気接点を形成するのを助ける。例えば、アモルファスシリコンを光素子として使用した場合、オーミック接触材料98は、リン(P)ドープアモルファスシリコンとすることができる。最後に、インジウム錫酸化物(ITO)や他の透明導電材料が成膜され、センサ導電体85を形成する。これらの薄膜は、同じ装置や異なる装置、あるいは別々の設備で成膜することができる。
【0072】
フォトリソグラフのマスクが、先行技術でよく知られたようにして生成される。マスクは、センサ11用のパターンの境界を定め、導電エレメント58を1つの連続したはしご状パターンに描写する。パターンは、暗シールドが導電体パターンの「横木(rung)」に整列し中心にくるように塗布される。全ての層は、先行技術でよく知られ、使用する材料および厚さに適切なプロセスを用いてエッチング除去される。その結果、センサ素子11が
リンドープ層およびITO層の下に埋め込まれる。単一のリソグラフ工程だけを使用した点を覚えておくこと。
【0073】
2つの導電エレメント85を分離し、センサ材料11の中間部を露出させるために、更なるリソグラフ工程を使用しないで、ITO85およびリンドープアモルファスシリコン98がエッチング除去される。これを達成するため、基板51は、先行技術でよく知られているような、負のフォトレジストでコートされる。全ての成膜した層は、不透明な暗シールド44を除いて、透明である。フォトレジストは、成膜層の頂部にある。フォトレジストが塗布された基板は裏返して、裏面から露光する。フォトレジストは負であるため、レジスト中の孔が暗シールドの上方で現像される。この孔を通じて、短絡しているITO層は、先行技術でよく知られたプロセスを用いてエッチング除去され、続いて、エッチングプロセスにより、ITO電気導電エレメント85とアモルファスシリコンセンサ11との間のオーミック接触用に用いられるリンドープ材料98を除去する。
【0074】
上記プロセスは、導電体材料が透明である場合に用いるのが好都合である。こうした材料は、これに限定されないが、インジウム錫酸化物(ITO)などである。これらに限定されないが、クロム金属やアルミニウム金属など、不透明な導電体を使用した場合、下記のプロセスが好ましい。即ち、センサ材料を上述のように成膜した後、正のフォトレジストからなるコーティングが、成膜したセンサ材料の上に塗布される。ウエハを裏返して、フォトレジストを不透明な暗シールド上に残して裏から露光する。そして、露光されたセンサ材料は、エッチング除去される。センサは、暗シールドの幾何形状に対応して、センサ材料からなる分離ブロックとなる。次の工程は、逆の金属接点パターンを持つフォトリソグラフのマスクを適用する。これは、先行技術でリフトマストとして知られたものを生成している。そして、接点金属は、リフトマストの頂上に成膜される。最後に、リフトマスクが、先行技術でよく知られたプロセスを用いてウエハから除去され、正の金属パターンを残して、センサとの接点を作成する。
【0075】
最後の保護誘電体層100は、センサ11をOLED素子10のアノードから分離する。この層は、先行技術でよく知られたポリイミド材料とすることができ、あるいは、例えば、二酸化シリコンや、OLED構造に適合し、センサアレイの頂部に成膜されべき他の絶縁性材料など、成膜した誘電体とすることができる。
【0076】
光源10が他の場所に設けられる場合は、製造はここで終了である。しかしながら、幾つかの実施形態では、OLED源10の形成とともに製造が続行する。何れかOLEDタイプの材料、例えば、コダック社の小分子(small molecule)OLED、ケンブリッジディスプレイテクノロジー(CDT)社のポリマーLED(PLED)、ユニバーサルディスプレイカンパニー(UDC)社の燐光(phosphorescent)LED(PHOLED)、他のタイプのOLEDなどが成膜される。ディスプレイを形成するためのこれらの材料の応用は、先行技術でよく知られており、OLEDタイプに従って変えられる。何れの場合も、OLEDディスプレイ中の画素は、センサ11が画素の中央に位置するようにセンサアレイに対して整列しており、隣接の列にあるセンサ11に影響を及ぼさないように、1つの列にあるセンサ11の分離を助けている。
【0077】
上述のように、センサ11は、入射光レベルと測定可能なセンサパラメータ値との間の関係を決定するように較正される。図3と図5でのセンサアレイの実施形態を参照して、光抵抗11を較正するための手順の一実施形態は、下記のようになる。較正に望ましい各輝度レベルに調整可能な均一または実質的に均一な光源が、光抵抗アレイのエリア上に照射される。較正の品質は、光源の均一性によって影響を受けるため、光源は、較正の所望の精度レベルに必要な程度に、均一すべきである。一実施形態では、センサアレイは、光アレイを、例えば、LCDラップトップに使用されるバックライトの上に重ねることによって、較正される。これは、光アレイに対してバックライトの同じ均一性を供与するであろうが、例えば、4096レベル(12ビット)階調にとって充分でないかもしれない。こうした応用は、有効エリアについて少なくとも約0.025%の均一性の光源を使用することができる。この高いレベルの光均一性は、市場において商業的に利用可能なデバイスおよび方法の中から利用可能である。
【0078】
第1レベルの階調が光アレイを照明すると、アレイ中の光抵抗11は、電圧源で供給された既知の電圧、及び/又は光抵抗の抵抗値が容易に計算できる電流で1つずつ(あるいは別の機構に従って)走査される。これらの抵抗値は、データ収集回路を用いてメモリに保存される。アレイは、次の値に大きくなった照明および抵抗値で再び走査され、そして再び保存される。この動作は、最も暗いものから最も明るいものまでの全て階調が完了するまで繰り返される。幾つかの実施形態では、1つの値だけが保存される。幾つかの実施形態では、5つの抵抗値が保存される。他の実施形態では、4096個の値が保存される。他の実施形態では、別の個数の抵抗値を保存してもよい。一般に、1個から識別可能な階調、輝度または色値の数までの任意の数の抵抗値を使用することができ、さらに(あまり実用的な利益はないが)識別可能な階調、輝度または色値の数より多い抵抗値を使用しても構わない。得られた値は、ルックアップテーブルや他のメモリデータ構造に保存される。ルックアップテーブルに個々に保存されていない値は、1つ又はそれ以上の保存した値から補間することができる。製造した各光アレイは、シリアル番号を付与してもよく、ルックアップデータをシリアル番号に関連したウエブサイトに保存してもよい。他の関連機構を、各センサアレイ用のルックアップテーブルを伝達するために用いてもよく、例えば、バーコードや、アレイ上またはアレイとともに保存したメモリなど、ルックアップテーブルをアレイとの通信に配置された受信器に送信するものであり、さらに他の実施形態は、別の方法でデータを提供する。光アレイは、ディスプレイと結び付き、整合し、あるいは識別された場合、ルックアップテーブルデータは、例えば、ウエブサイト(あるいは別の供給源)からディスプレイとともに使用されるメモリチップにダウンロードされる。
【0079】
図3と図5について説明したようなセンサアレイを用いたディスプレイは、種々の方法で組立て可能である。本発明の一実施形態では、行および列のアドレス指定が可能なセンサアレイ11は、図9に示すように、例えば、ガラス、ポリマーあるいは他の透明基板など、透明基板55に形成される。センサ素子アレイは、パッシブ発光ディスプレイの列数と等しい垂直パラレル導電ライン54と、ディスプレイの行数と等しい水平導電ライン53とで構成される。図3と図5でも示したように、垂直および水平導電ラインの接合点に、センサ11が配置される。
【0080】
図9は、列集積回路(IC)59に接続された光源アレイ58の分解図を示す。列集積回路(IC)59は、図3と図5で示した回路を含み得る。列IC59は、各列にあるセンサおよび光源に画像データを印加し、これらからセンサデータを受信するように動作する。光源アレイ58は、さらに行セレクタ60に接続され、行セレクタ60は図3と図5に示す回路を含み得る。行セレクタは、画像データの書き込み及び/又はセンサパラメータ値の読み取りのための行を選択するように動作する。光源アレイ58は、センサアレイ55を照射するように位置決めされる。図9中の点線は、光抵抗アレイ55上の電気接触パッド66,65がディスプレイ58上の電気接触パッド67,68とともに整列していることを示している。図10において、光抵抗アレイ55は、ディスプレイ58と接触している。一実施形態では、列電気ライン70,54がワイヤボンド71によって列IC59と接続され、行電気ライン53,72が、ワイヤボンド73によって行セレクタ60に接続されている。本発明の他の実施形態では、各センサアレイ55およびディスプレイ58が、これらに取り付けられた別々のケーブルを有し、行セレクタ60および列IC59を装着した印刷回路基板(PCB)に接続されるものである。先行技術で知られたような他の接続手段および方法を一緒にまたは代替として使用しても構わない。
【0081】
一実施形態では、1000レベルの階調を走査するのに必要な時間は、1秒当たり100フレームで、約10秒となるであろう。この手順は、光アレイでの各素子に関する光応答曲線を供与することになる。ディスプレイでのガンマ補正システムを有する必要はないであろう。光抵抗に用いる半導体での光応答の変動は、考慮されることになろう。例えば、赤、緑、青の光源など、異なる波長の光源は別個に較正してもよい。
【0082】
本発明の実施形態に係る方法および装置は、種々の応用での使用が見つかる。ディスプレイの好ましい実施形態は、例えば、ナビゲーションや音響/視聴ディスプレイ、チューナーディスプレイ、走行距離計と速度計ディスプレイなど、自動車の応用で利用することができる。他の応用は、テレビジョンディスプレイスクリーン(30インチより大きな対角線の画像を有するものなど、特別大きなTVディスプレイスクリーン)、コンピュータモニター、大スクリーン科学情報またはデータディスプレイ、セルラーフォン、PDA(personal data assistant)などがある。
【0083】
上述のように、本発明の特定の実施形態をここでは説明の目的で説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更が可能である。従って、本発明は、添付クレームによるものを除いて限定されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、図1の装置の実施の概略図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係るアクティブアドレスディスプレイの概略図である。
【図3B】本発明の一実施形態に係る、参照信号を提供する構成要素を含むアクティブアドレスディスプレイの概略図である。
【図3C】本発明の一実施形態に係る、周期的較正での使用のためのアクティブアドレスディスプレイの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るセンサアレイの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るパッシブアドレスディスプレイの概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るパッシブアドレスディスプレイの図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る、図6に示すディスプレイ実施形態から見た4画素の平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る、図7中の「A」で記した領域の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るディスプレイの図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るディスプレイの図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年6月18日提出の米国仮出願番号60/479342、発明の名称「発光帰還安定化フラットパネルディスプレイ」と、2003年11月19日提出の米国仮出願番号60/523396、発明の名称「パッシブマトリクス発光安定化フラットパネルディスプレイ」と、2003年12月22日提出の米国仮出願番号60/532034、発明の名称「安定化フラットパネルディスプレイ」について米国特許法第119条(e)の出願日の利益を主張する。これらの全ては参照により全体がここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、2004年5月6日提出の米国特許出願番号10/841198、発明の名称「画素発光制御方法および装置」の一部継続出願であり、該出願は、参照により全体がここに組み込まれる。
【0003】
本発明は、一般にディスプレイに関し、特に、ディスプレイおよびこうしたディスプレイの画要素のグレーレベルや色および輝度の制御に関する。
【背景技術】
【0004】
フラットパネルディスプレイは、典型的には、画像データを、画要素(画素)アレイへ供給されて変化する電圧に変換しており、画素は、液晶ディスプレイ(LCD)のようにバックライトからの光を通過させたり、あるいは、例えば、エレクトロルミネセンスや有機発光ダイオード(OLED)のディスプレイのように発光する。画要素(画素)に印加される画像電圧は、画素からの光量を決定する。
【0005】
現在のディスプレイ設計は、電圧が画素に印加されたとき、正確な光量が通過または発光しているかをチェックするようにしていない。例えば、LCDディスプレイ素子では、液晶セルを交差するように電圧が印加され、バックライトから一定の光量を通過させる。色情報を提供するLCDは、赤、緑、青のフィルタを使用している。LCDは、均一な製造プロセスに依存して、ディスプレイが高い均一性を有するという電気的特性に関して充分に接近した画素を生成する。幾つかのLCD技術および応用については、素子の寿命に関する均一性は、意図した応用にとって充分なものである。
【0006】
アクティブマトリクスOLEDディスプレイの場合、電圧が画素中のパワートランジスタのゲートに印加され、これがOLED画素に電流を供給する。ゲート電圧が高くなるほど、電流が大きくなり、画素からの発光も多くなる。
【0007】
均一な画素を生成することは困難であり、こうした均一な画素が生成できたとしても、こうした画素のアレイを含むディスプレイの寿命期間中に均一性を維持することは困難である。製造誤差の結果、トランジスタの電流パラメータは、典型的には画素ごとに変化する。OLED材料が放射する光量もまた、OLEDの電流−光変換効率、OLED材料の寿命、OLEDベースのディスプレイの個々の画素が曝される環境、および他の要因に依存して変化する。例えば、OLEDディスプレイの端にある画素は、中心近くの内側のものとは異なって経年変化することがあり、直射日光に曝された画素は、陰または部分的に陰になったものとは異なって経年変化することがある。発光ディスプレイでの均一性問題を克服するために、幾つかの回路構成および方法論が今日使用されている。1つの構成は、画素においてカレントミラーを使用し、画像電圧の代わりに画像電流が用いられ、特定の電流をパワートランジスタを経由してOLEDに供給する。さらに、パワートランジスタのしきい電圧を検査し、画像電圧をしきい電圧へ追加して、従って、しきい電圧の変動がOLEDの輝度を変化させないように、しきい電圧を引き算する回路も設計されている。これらの回路構成は、製造するには複雑かつ高価であり、完全に満足できるものではない。
【0008】
多数のグレー階調(gray shade)を必要とするディスプレイは、1つの階調レベル(shade of gray)より優れた均一性を必要とする。例えば、100階調レベルは、100個の輝度レベルを用いるために、1%のディスプレイ均一性を必要とする。1000階調レベルでは、0.1%の輝度均一性が望ましい。薄膜エリアにおいて0.1%の均一性を維持する量産プロセスが困難であることから、仮に実現可能であったとしても、ディスプレイ上の均一性を促進する他の手段を見つけなければならない。
【0009】
従前の1つのアプローチは、ある光学フィードバック回路を使用したものであり、光ダイオードまたは光トランジスタから特定タイプのフィードバックを用意し、画素発光の実際の輝度にデータを提供し、フィードバックされたデータを用いて、記憶キャパシタを放電して、パワートランジスタを停止させていた。これは、各画素に配置されたフォトダイオードだけでなく、フォトダイオードから供給されるデータに応答する手段を必要とする。各画素は、放電回路を有する必要がある。従って、各画素は、非常に複雑な回路を有することになる。さらに、フォトダイオードを含む回路素子自体が全て変動を導入して、不均一性をもたらす。さらに、このアプローチは、明るい画素はより急速に停止し、暗い画素はより長くオン状態となるが、正確な輝度レベルは参照値として測定または使用できないため、均一性を生じさせようとするだけである。
【0010】
第2のアプローチは、画素輝度、ダイオードの光応答、および画像ラインの書き込み時間中にパワートランジスタが供給する電流を決定する全てのパラメータによって決定される平衡輝度に到達する画素に依存している光ダイオードに阻止(blocking)トランジスタを追加したものである。しかしながら、平衡輝度は、上述したパラメータ全てによって決定され、これらのパラメータは画素ごとに変化し得る。従って、試みた補正は、画素個別のものでなく、時間に関する各画素の変化を考慮していなかった。
【0011】
他の問題は、特別のフィードバック回路および方法がシステムを発振させることがあり、ライン書き込み時間内で抑制されなければ、実際の輝度および電圧を書き込み時間の限界点において不定なものにするであろう。
【0012】
パッシブディスプレイは、1回に1つのラインが処理されて、ラインはアドレス期間中にのみオンになる。例えば、ディスプレイは50ラインを有し、1秒毎に60フレームで走査する場合は、アドレス期間は、1/(60*50)=333マイクロ秒となる。多くのパッシブディスプレイは、2つのレベルの階調(オンとオフ、白または黒)だけを有する。パッシブディスプレイでは、ラインは1回に1つ走査される。こうして1秒毎に60フレームで走査される50ラインのパッシブディスプレイについては、各ラインは333マイクロ秒だけオンになる。走査速度が高いため、眼はライン点滅を認識しないが、フレーム期間中の平均光量は認識する。このことは、ディスプレイが特定の認識輝度、例えば100cd/m2を有するためには、平均輝度はライン数で乗算しなければならないことを意味する。従って、50ラインディスプレイでの瞬間ライン輝度は5000cd/m2になる。このことは、ディスプレイ画素において極めて高い瞬間電流レベルを必要とし、加速した画素劣化とI2Xインピーダンス則による高い電力消費をもたらす。高い電力消費および加速した画素劣化は、不均一性の急速な進展を引き起こす。
【0013】
さらに、従来のパッシブマトリクスディスプレイでは、十文字に交差するワイヤは、各画素エレメントをアドレスする点に依存している。典型的な設計は、製造時に少なくとも2つの金属層を必要とし、2回のマスクしたフォトリソグラフ工程を必要とする。各フォトリソグラフ工程は、時間がかかりコスト高である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、ディスプレイを安定化し、フォトダイオードや他の回路パラメータの変動によってうまく影響を受けないような装置、システムおよび方法が必要である。装置、システムおよび方法は、好ましくはシステムを発振させるべきでがなく、ディスプレイ寿命に渡って全範囲の輝度を使用すべきである。さらに、パッシブマトリクスディスプレイは、画素をアドレスするために、ただ1つの金属層を必要とすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様において、所定の発光レベルに到達するように発光を制御するための方法が提供される。画素からの発光は、画素ドライバを用いて変化する。画素からの発光は、センサで受光される。測定可能なセンサパラメータの測定値は、受光した発光に応じて得られる。測定値は、画素ドライバに接続され、光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、画素に関する制御信号が生成される。測定値は、測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することができ、参照値は所定の発光レベルを示すものである。センサは、参照値を決定するために較正することができる。幾つかの実施形態では、複数の参照値が、発光制御に使用するルックアップテーブルに保存される。
【0016】
本発明の他の態様において、制御画素システムが提供される。測定可能なセンサパラメータを有するセンサは、画素から放射される光の少なくとも一部を受光するように位置決めされる。画素ドライバは、画素に接続され、駆動信号を画素に供給して、画素からの発光を変化させるように動作する。画素ドライバおよびセンサに接続された制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータの測定値に基づいて、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作し、一定の発光を所定の発光レベルに維持するように、画素ドライバ用の制御信号を生じさせる。
【0017】
本発明の一態様によれば、アクティブマトリクスディスプレイでの画素アレイを所定の発光レベルに制御する方法が提供される。画素は、複数の行(row)と複数の列(column)に配列しており、各画素はアクティブマトリクス素子を有する。この方法は、複数のセンサを利用するもので、各センサは、測定可能なセンサパラメータと少なくとも1つの画素ドライバを有する。画素における画素ドライバおよびアクティブマトリクス素子を用いて、発光は、第1行での複数の画素から変化する。発光は、画素からセンサで受光され、測定可能なセンサパラメータの測定値は、受光した発光に応じて得られる。各複数画素については、光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するように、画素用の制御信号が生成される。
【0018】
本発明の一態様によれば、パッシブマトリクスディスプレイにおいて発光を所定の発光レベルに制御する方法が提供される。第1行での複数の画素からの発光は、列画素ドライバを用いて変化する。第1行での複数の画素からの発光は、複数のセンサの各々の測定可能なセンサパラメータの実際の値を監視することによって、監視される。各複数のセンサは、第1行での複数の画素のうちの1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされる。第1行での複数の画素の各々の測定可能なセンサパラメータの実際の値は、画素ドライバに接続される。制御信号は、第1行での複数の画素について生成され、一定の発光を所定の発光レベルに維持する。
【0019】
他の態様において、パッシブマトリクスディスプレイを制御するための装置が提供される。複数の行と複数の列に配列されたセンサアレイが設けられる。各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、少なくとも1つの画素から放射される光の少なくとも一部を受光するように位置決めされる。行セレクタが、センサアレイに接続され、ディスプレイに接続可能である。行セレクタは、複数の行の少なくとも1つを選択するように動作する。複数のコンパレータが、共通の列に配置された複数のセンサにそれぞれ接続され、参照値は、選択された行での画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示すものであり、コンパレータは、センサパラメータの測定値と参照値とを比較するように動作し、制御信号を生成する。複数の画素ドライバは、共通の列に配置された画素にそれぞれ接続され、複数の画素の流れ(river)の各々は、複数のコンパレータのうち選択された1つに接続され、制御信号を受けて、画素から放射される光量を維持するように動作する。
【0020】
本発明の他の態様に従って、暗シールドをセンサおよび複数の接点と整列させるための方法が提供される。暗シールドは、第1面に対向する第2面を有する透明基板の第1面に形成される。絶縁材料が暗シールドの上に形成される。センサ用の材料は、絶縁材料および光源シールドの上に成膜される。基板には、電気接点用の材料の上方に負のフォトレジストがコートされる。負のフォトレジストは、透明基板を光が通過するように位置決めされた光源を用いて、光の一部が暗シールドによって阻止されるように露光され、そして現像される。電気接点用の材料は、現像した負のフォトレジストを介してエッチングされ、複数の電気接点がセンサ用の材料の上に形成され、複数の電気接点は暗シールドと整列する。こうしてセンサアレイとの接続用に1つの金属層だけを必要とするパッシブマトリクスディスプレイが提供できる。クロムやアルミニウムなどの不透明な導電材料を用いた場合、リア(rear)正フォトレジスト露光を用いる方法が提供され、硬化したフォトレジストを暗シールドの上に配置させて、センサ材料を暗シールドの幾何形状に規定する。そして、金属層は、産業で周知の方法を用いて堆積され規定される。
【0021】
さらに、列にあるセンサが金属の平行ラインによって接続される方法が提供され、センサは、接触する導電ライン間にはしご形状の「横木(rung)」を形成し、直交した接続導電ラインのような2つの金属層ではなく、ただ1つの金属層だけが必要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態は、画素からの発光ほ制御するためのシステム、方法、回路および装置を提供する。発光源は、一般に、供給電圧に応じて放射を生成するような、技術分野で知られた何れの光源でよく、例えば、発光ダイオード、白色有機発光ダイオードなど何れかの波長の有機発光ダイオードなどである。LCDディスプレイ等の幾つかの実施形態では、光源はバックライトであり、画素からの発光は、画素を通過した、バックライトからの光量を変化させることによって制御される。
【0023】
エレクトロルミネセンスセル、無機発光ダイオード、真空蛍光ディスプレイ、電界発光ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの、他の光源を使用してもよい。グラフィックス、画像、テキストまたは他のデータ、あるいは人視覚用の情報を表示するようにした放射(または照射)源は、主として可視波長(一般に、400〜700ナノメータ程度)内にあり、本発明は、例えば、これに限定されないが、紫外放射および赤外放射など、より短波長およびより長波長にも適用されものと理解される。
【0024】
図1に示すように、画素100からの発光は、センサ11で受光される。センサ11は、光感応性抵抗とすることができる。他の放射または光感応性センサは、例えば、これに限定されないが、光ダイオード及び/又は光トランジスタなどでもよい。センサ11は、少なくとも1つの測定可能なパラメータを有し、測定可能なパラメータの測定値は、画素100からの放射光を示すものである。
【0025】
例えば、センサ11は光感応性抵抗でもよく、抵抗値は、入射光レベルとともに変化する。光感応性抵抗を形成するのに用いられる放射または光学感応材料は、材料の表面に落射または衝突する放射光の強度(例えば、強度または輝度、可視光)に従って、1つ又はそれ以上の電気的特性を変化させる何れの材料でもよい。こうした材料は、これらに限定されないが、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン化カドミウム(CdSe)、シリコン(Si)、セレン(Se)などがある。
【0026】
センサ11は、制御ユニット13に接続され、制御ユニット13は、画素100の動作中にセンサの測定可能なパラメータの値を受信し、または決定する。目標値16も制御ユニット13に接続され、制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータと目標値16とを比較することができる。制御ユニット13は、この比較に基づいて制御信号を生成し、画素100からの発光に影響を与える。制御ユニット13は、ハードウエア、ソフトウエアまたはこれらの組合せとすることができる。一実施形態では、制御ユニット13は、電圧コンパレータとして実行する。他の比較回路やソフトウエアを使用してもよい。
【0027】
目標値16は、画素100の所望の発光を表現するものであり、例えば、これらに限定されないが、電流値、電圧値、静電容量値または抵抗値などであり、測定可能なセンサパラメータとの比較に適したものである。
【0028】
制御ユニット13は、画素ドライバ12と接続されている。画素ドライバ12は、画素100用の駆動信号を展開して、画素100からの発光を決定するように動作する。画素ドライバ12は、何れかのハードウエア、ソフトウエア、ファームウェアまたはこれらの組合せとすることができ、駆動信号を画素100へ提供するのに適したものである。画素ドライバ12は、幾つかの実施形態では、画素100の領域の外側に配置されている。即ち、画素100は、後述するように、ディスプレイ基板上に形成してもよい。画素ドライバ12は、好ましくは、ディスプレイ領域の外側に配置される。画素ドライバ12は、ディスプレイ基板と一体化してもよく、ディスプレイ基板から分離してもよい。幾つかの実施形態では、画素ドライバ12の一部が、画素100の内部に収容されている。本発明の実施形態は、画素100からの発光に関するセンサからの情報を画素ドライバ12と接続するようにしている。
【0029】
一実施形態では、画素ドライバ12は、測定可能なセンサパラメータが目標値16に到達したことを示すまで、画素100からの発光を変化させる。これは、値が、所定程度の確実さの範囲内に一致し、あるいは値が、ある所定の関係に到達したことを意味する。そして、制御ユニット13は、制御信号を画素ドライバ12と接続させて、発光の変動を停止し、発光レベルを維持する。従って、制御ユニット13が、センサ11の測定可能なセンサパラメータについてのその比較を基礎として、画素100での変動は処置される。
【0030】
幾つかの実施形態では、センサ11での変動は、さらに、任意ではあるが好都合に、発光制御13および目標値16に接続された較正テーブル17の使用によって処置される。センサ11は、測定可能なパラメータのうちの1つ又はそれ以上の値が、所定の光強度レベルに関して既知であるように、較正される。従って、センサ11が光感応性抵抗である実施形態では、センサの抵抗値は、関連した1つ又はそれ以上の光レベルに決定される。較正手順については後述する。較正値17は、例えば、ルックアップテーブル、メモリでの他のフォーマット、あるいは他の記憶素子に保存される。目標値16は、較正テーブル17に接続され、較正値は、センサ11の測定可能なセンサパラメータと比較のために、制御ユニット13に提供される。
【0031】
比較に基づいて、制御ユニット13は、制御信号を、画素100の発光を変化させる画素ドライバ12に接続させる。こうして画素100の発光は、センサ11の既知の目標値または較正値に基づいて、特定の発光または輝度レベルに制御される。センサ11の製造または動作での変動は、センサの較正プロセス中に処置してもよく、これは後述する。画素100での光または放射源10の動作は、放射出力がモニタされ、測定したセンサ出力の目標値に基づいたレベルに保持されるように、制御される。
【0032】
本発明に係る装置の構成要素を図1に示したが、図示した構成要素は、種々の方法で実行できると理解されるべきである。図2は、本発明のある実施形態に係る装置の一実施形態を示す。図2に示す実施形態において、画素100は、センサ11を照射するように位置決めされた光源10を含む。センサ11は、図2に示すように、光感応性抵抗であるが、光感応性のダイオードやトランジスタでもよく、図2に示すように、第2の抵抗25を持つ分圧器20において動作してもよい。従って、ノード26での電圧は、放射源10の輝度レベルが変化するにつれて、変化する。制御ユニット13は、ノード26およびノード36での目標値16に接続された電圧コンパレータ14として動作する。目標値16は、単なる目標値でもよく、あるいは上述のような較正テーブルによって調整された目標値でもよい。目標値16は、メモリやルックアップテーブルから供給してもよく、コンパレータ14のノード36に提供される。パワートランジスタ21は、光源10に接続される。パワートランジスタ21は、光源10に流れる電流を制御する。パワートランジスタ21のゲートは、データトランジスタ22に接続される。データトランジスタ22は、画素ドライバ12の一部を構成している。データトランジスタ22のゲートは、電圧コンパレータ14の出力に接続される。
【0033】
図2に示す実施形態において、コンパレータ14は、第1の信号をトランジスタ22に出力するように構成され、これは、ノード26がノード36より低い電圧であるとき、トランジスタ22をオンにする。コンパレータ14は、第2の信号をトランジスタ22に出力するように構成され、これは、ノード26での電圧がノード36と等しいか、それより低いとき、トランジスタ22をオフにする。連続的に変化する電圧、例えば電圧ランプ波形がノード28に印加されると、発光ダイオード10に流れる電流が上昇して、ダイオード10からの発光およびセンサ11への入射光を増加させ、ノード26での電圧を変化させる。ダイオード10の発光が所望の値に到達すると、ノード26での電圧はノード36での電圧と等しくなり、コンパレータ41は第2の信号をトランジスタ22へ出力し、トランジスタ22をオフにするため、ダイオード10に流れる電流の増加を停止する。記憶キャパシタ32は、パワートランジスタ21のゲートでの電圧を記憶して、発光レベルを所望の輝度レベルに維持する。
【0034】
こうして一般には、光源10からの発光を変化させ、測定したセンサパラメータが目標発光レベルに到達したことを示す場合に発光の変動を止めることによって、制御が設けられる。発光は、時間に関して何か変化するものでもよく、例えば、増加または減少するランプ波形、サイン波変動、矩形波変動、増加または減少するステップ波形、または時間を伴う実質的に他の変動などである。幾つかの実施形態では、発光は、光源を1回または複数回オンオフすることによって、変化している。ランプ電圧(リニアまたはノンリニア)を組み込んだ実施形態は都合よく動作し、幾つかの実施形態では、ランプ電圧は、矩形波電圧(ステップ電圧)を供給することによって発生させることができ、電圧ランプ波形は、記憶キャパシタおよびパワーTFTのゲート容量と結合した画素回路の寄生容量および抵抗に起因してライズタイムで生ずる。
【0035】
変動は、測定可能なセンサパラメータの値が目標発光レベルに到達したことを示す場合に停止する。従って、本発明の実施形態は、従来のシステムではフィードバック回路を利用していたような特定の回路ループ利得に依存したセトリング時間を持たないシステムを用いて、光源を制御する。
【0036】
本発明の実施形態に係る光源を安定化させるための方法および装置は、電子ディスプレイにおける1つ又は複数の光源を制御したり、安定化させるために、都合良く使用できる。画素の輝度を制御するために電圧または電流を用いた何れのタイプのディスプレイも、これらの技術を用いて使用できる。例えば1つ又はアレイ状の発光ダイオード、例えば有機発光ダイオードを含むものでは、各発光ダイオードはディスプレイ中の画素についての光源を表現するものであり、本発明の実施形態に従って制御することができる。制御された発光ダイオードアレイの一実施形態は、図3Aに示している。図3Aは、例示的な実施形態を描いているが、当業者は、他の設計構成でも上述した制御機構を達成するために採用できることを認識するであろう。図3Aに示す実施形態は、アクティブアドレスの発光ダイオードを示している。センサアレイ11は、有機発光ダイオードアレイOLED10または他の発光素子、あるいは上述したような別の光源からの光を捕獲するように、位置決めされる。アクティブマトリクス(AM)画素トランジスタアレイ30,31および記憶キャパシタ32が、光源10に接続され、アクティブマトリクス画素トランジスタ30,31の1つのペアは、記憶キャパシタ32とともに各光源10を駆動する。
【0037】
光源10は、図3Aに示すアレイ形式で配置され、列は1,2,…,Xで示し、行は1,2,…,Yで示している。直交した行列配置は、各行において等しい番号の光源、各列において等しい番号の光源で図3Aに示しているが、光源アレイは、他の実施形態ではそうした順番でなくてもよいことは理解されるであろう。どのような番号の行および列でも構わず、幾つかの実施形態では行および列は等しい番号の光源を含んでおらず、幾つかの実施形態では行および列は直交しておらず、あるいは直線ラインに配列していなくても構わない。ある実施形態では、単一行または単一列だけでもよく、あるいは、全ての行および列が画素を含まない、まばらに存在したアレイでもよい。非アレイ状の構成でも実施することができる。
【0038】
複数のセンサ11は、電圧コンパレータ14に接続されている。図3Aに示すように、1つの電圧コンパレータ14は、単一の列(1,2,…,Xで示す)における全てのセンサ11に接続されている。幾つかの実施形態では、複数の電圧コンパレータ14を列内のセンサ11のために設けてもよい。電圧ランプ回路35が、図3Aに示すように、各行でのアクティブマトリクス画素トランジスタ31に接続するように設けられる。AM素子30,31,32および光検出器11を持つ各光源は、電圧コンパレータ14およびランプ回路35の唯一の組合せと関連付けられる。即ち、各光源10は、図3Aに示すように、唯一の行列アドレスによって識別される。
【0039】
センサ11は、リニアアレイについては単なるパッシブ光抵抗器でもよいが、行の数が多くなれば、アクティブアレイがセンサ間のクロストークを低減するのに好都合となる。従って、1つ又はそれ以上の光検出器11は、図4に示すようにトランジスタ41または異なるスイッチに接続された光感応性抵抗40を含むものでもよい。センサアレイの回路は、周知の方法に従って変更できる。図4中の枠A,Bは、トランジスタ45を持つ光抵抗11を動作させる2つの方法を示している。
【0040】
光検出器は、測定可能なパラメータ、例えば、光抵抗を横断する電圧と入射光との間の関係を決定するために較正される。こうして、各画素の所望の輝度レベルは、測定可能なパラメータ値と相関させることができる。
【0041】
動作中は、画像データは第1行に書き込まれる。行は、電圧発生器37からの電圧を、選択される当該行のTFT33のゲートに印加することによって選択される。一方、他の行での全てのTFT33はオフ状態のままである。画像データは、画素の所望の輝度を示すものであり、所望の輝度に到達するのに必要な測定可能なセンサパラメータの値を表現する。図3Aに示す実施形態では、画像データは、各ノード36に接続される。典型的には、各ラインの書き込みの際に、トランジスタ31,33のゲートに電圧を供給して、ランプ発生器35を接地することによって、記憶キャパシタ32で何らかの既存する電圧が最初に消去される。従って、1つの行における各画素の所望の輝度を表現する電圧レベルは、ディスプレイでの複数の列1,2,…,Xについての各電圧コンパレータ14のピン36にダウンロードされる。図3Aに示す実施形態では、電圧コンパレータ14は、ピン26での電圧がピン36での電圧より小さいとき、トランジスタ31をオンにする電圧(一実施形態では、+10V)を出力するように設計される。従って、電圧コンパレータ14は、ターンオン電圧をトランジスタ31の各ゲートに供給する。電圧源37は、ターンオフ電圧をトランジスタ33の各ゲートに供給する。従って、トランジスタ33がオフのままである場合、光源による発光は開始しない。
【0042】
1つの行での電圧源37が、ターンオン電圧を1つの行のトランジスタ33のゲートに供給すると、ランプ発生器35は、1つの行のトランジスタ33のドレイン、そしてトランジスタ31のドレインに印加される電圧を上昇させ始めて、1つの行の記憶キャパシタ32および第1行だけのトランジスタ30のゲートでの電圧が上昇し始めて、電圧源38は、参照電圧(例えば、+10V)を1つの行でのセンサ11を含む分圧器に供給する。本明細書は、画像データを1つの行に書き込むときの方法に焦点を絞ったが、何れの行もここで説明した方法を用いて書き込み可能であることは理解されよう。
【0043】
従って、1つの行でのパワートランジスタ30のゲートでの電圧が上昇し始めて、1つの行での光源10に電流を流すようになる。電流は、1つの行でのセンサ11および抵抗25にも流れ始める。これにより電圧コンパレータ14のピン26での電圧が上昇する。光センサ11の抵抗値が安定している限りは、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は安定しており、電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧より下回っている。しかしながら、1つの行でのランプ発生器35からのランプ電圧により、OLEDは発光を増加させるため、1つの行での光検出器11の抵抗値は、照射輝度に従って減少するようになる。
【0044】
1つの行での光センサ11の抵抗値の減少により、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は、抵抗25をより多くの電流が流れることにより増加する。1つの行での画素の輝度は、ピン26での電圧を決定する。ピン26での電圧がピン36に供給されたデータ電圧と等しくなると、電圧コンパレータ14の出力電圧は、トランジスタ31のターンオン電圧からトランジスタ31のターンオフ電圧(例えば、+10Vから−10V)に切り換える。この時点で、1つの行での各画素の輝度が、各電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧によって決定される。
【0045】
各電圧コンパレータ14の電圧出力がターンオフ電圧(一実施形態では、−10V)に切り換わると、トランジスタ21のゲートがオフ状態になり、ランプ発生器35は、記憶キャパシタ32およびパワートランジスタ30での電圧を増加させることができなくなり、画素の輝度を固定する。全ての画素が、電圧コンパレータ25のピン30に供給されたデータ電圧で決定される輝度に到達できる時間は、ライン走査時間と称され、1秒当たりのフレーム数およびライン数によって決定される。例えば、60fpsのフレームレートは、各フレームにつき16.7msを要する。もし1000行(ライン)ある場合は、ライン走査時間は16.7マイクロ秒(μs)となる。従って、該ディスプレイ回路は、許容される最高輝度(最高階調)が、一実施形態において16.7μsより短く到達するように設計するのが好都合である。より低速な回路も、フレームレートまたは行の数を変更することによって使用することができる。速度および精度について別のトレードオフも可能である。
【0046】
1つの行が完了すると、1つの行の光源10は、パワートランジスタ30に供給される所望のゲート電圧とともに所望の輝度になり、記憶キャパシタ32によって保持される。そして、1つの行での電圧源37が、1つの行でのトランジスタ33のゲート電圧にオフ電圧を供給するように切り替わる。同時に、1つの行でのランプ発生器35が、任意にオフに切り換わって、電圧源38があるオフ電圧に切り換わると、1つの行でのセンサ11をオフにする。これによりトランジスタ31のゲート状態に関わらず、1つの行でのゲートおよび記憶キャパシタに供給された電圧のロックを完了する。そして、第2行については1つの行と同様な手法で制御することができる。
【0047】
よって、各画素の輝度は、画像データ電圧に接続された光抵抗11および接地抵抗25の抵抗値を知ること又は推測することに依存している。トランジスタ30,31での全ての変動は制御に影響を与えず、あるいは光源10の発光出力−電流特性や光源10の経年履歴の変動にも影響を与えない。さらに、光センシング回路は、周囲の光条件に関する情報も供与するものであり、光源アレイの全ての輝度を調整し、変化する光条件を補償するために使用可能である。もし、例えば、日陰が1つ又はそれ以上の光源10に落射していれば、日陰にあるこれらの光源を減光して、ディスプレイの均一な見映えを維持する。
【0048】
図3Bは、図3Aでのノード36についての参照電圧を提供するシステムの一実施形態を示す。画像データは、アナログ−デジタル変換器(A/D)110に提供できる。そして、デジタル値は、光学階調レベル計算機に接続可能であり、これは、デジタル画像データに対応した階調レベル数を決定する。幾つかの実施形態では、階調レベル計算機111は必要ではなく、A/D変換器110の出力は階調レベルを示すものである。行列追跡(tracker)ユニット112は、ライン数および列数を較正ルックアップテーブルアドレス指定器113へ接続させる。階調レベル計算機111は、さらに階調レベルを較正ルックアップテーブルアドレス指定器113に接続させる。ルックアップテーブルアドレス指定器113は、較正データを含む較正ルックアップテーブル114に接続される。アドレスがルックアップテーブル114に接続したとき、該アドレスに保存された参照番号がDAC116によってアナログ電圧に変換され、ラインバッファ115に接続されて、そして1つ又は複数の列に関する電圧コンパレータ14の1つ又は複数の参照ピンに接続される。こうして選択した行についての画像データは、電圧コンパレータに接続される。電圧ランプラインセレクタ120は、各行での画素に接続されるように設けられる。行セレクタ120は行を選択して、電圧ランプ波形を選択した行の画素に接続させる。電圧ラインセレクタ121は、電圧信号を選択した行のセンサに接続させる。
【0049】
図3Bに示す実施形態は、「リアルタイム」で使用でき、ディスプレイの連続的な制御であって、画像データは画素に供給され、画素の輝度は画像データ値に連続的に制御される。幾つかの実施形態では、画素の輝度レベルについての周期的または離散的な更新を提供するのに好都合である。こうした周期的な更新システムでは、ルックアップテーブルからの画像データは、データトランジスタのチャネルを経由してパワートランジスタのゲートに直接供給される。周期的に、ディスプレイがコンパレータを用いて走査され、画素に問い合わせして、パワートランジスタに供給される信号を調整する。
【0050】
周期的に更新または制御可能である制御されたディスプレイの実施形態を、図3Cに示す。各画素に印加される駆動信号は、ルックアップテーブル125に保存される。駆動信号は、動作中に、ラインバッファ128および行セレクタ130を用いて各画素に供給される。行セレクタ130は、行を選択すると、選択行にある画素のための駆動信号がラインバッファ128から接続される。ルックアップテーブル125に保存された初期値は、一般には、何れか適切な方法によって決定できる。ディスプレイの動作中は、較正は、一般に、何れかの周期的な間隔、または1回だけを含むランダムな間隔で行ってもよい。較正の段階では、図3Bについて上述したように、較正データがルックアップテーブル126によって供給され、ラインバッファ115を用いてコンパレータ14に供給される。行セレクタ120は、ランプ波形などの変化する信号を、選択行および較正トランジスタ131に出力する。上述のように、コンパレータ14は、変化する信号を中断して、画素の発光がコンパレータに供給された較正レベルに到達した時点で一定の発光を維持するために設けられている。図3Cに示す実施形態では、一定発光の期間中の駆動信号の値は、さらに較正トランジスタ131およびキャパシタ132を経由してラインバッファ127に保存される。ディスプレイの更なる動作中は、較正された画像データがラインバッファ127からルックアップテーブル125に伝送される。較正手順は、これらに限定されないが、1時間に1回、1日に1回、1年に一回、所有者ごとに1回、環境や応用ごとに1回等、何れかの頻度またはランダムに行ってもよい。その代わり、較正手順は、ディスプレイの使用者や管理者の指令で行ってもよい。
【0051】
図3Cに示す実施形態は、一体化してもよく、即ち、較正段階およびディスプレイ動作中で使用される構成部分が、一緒にパッケージ化しても構わない。幾つかの実施形態では、較正中に使用される構成部分(例えば、コンパレータ14、行セレクタ120、較正トランジスタ131及び/又はラインバッファ127,115など)は、較正モード期間だけ画素との通信に利用され、較正が行われていない場合、画素には接続していない。較正用構成部分は、例えば、1つ又は複数の追加の集積回路に設けてもよい。
【0052】
図5は、本発明の一実施形態に係るパッシブアドレス発光ダイオードアレイの実施形態を示す。センサアレイ11が、アレイ状の有機発光ダイオードOLED10や他の有機発光素子、上述したような何れかの他の光源からの光を捕獲するように位置決めされる。光源10は、図5に示すアレイ形式で配置され、列は1,2,…,Xで示し、行は1,2,…,Yで示している。直交した行列配置は、各行において等しい番号の光源、各列において等しい番号の光源で図5に示しているが、光源アレイは、他の実施形態ではそうした順番でなくてもよいことは理解されるであろう。どのような番号の行および列でも構わず、幾つかの実施形態では行および列は等しい番号の光源を含んでおらず、幾つかの実施形態では行および列は直交しておらず、あるいは直線ラインに配列していなくても構わない。ある実施形態では、単一行または単一列だけでもよく、あるいは、全ての行および列が画素を含まない、まばらに存在したアレイでもよい。
【0053】
複数のセンサ11は、電圧コンパレータ14に接続されている。図5に示すように、1つの電圧コンパレータ14は、単一の列(1,2,…,Xで示す)における全てのセンサ11に接続されている。幾つかの実施形態では、複数の電圧コンパレータ14を列内のセンサ11のために設けてもよい。パワートランジスタ30、アドレス指定トランジスタ31および記憶キャパシタ32が、図5に示すように、各列についてのコンパレータ14に接続されている。電圧ランプ回路35が、図5に示すように、各列でのデータトランジスタ31に接続するように設けられる。グランドセレクタ48が、行での光ダイオード10に接続されている。グランドセレクタ48は、必要なときにダイオードを接地する。電圧発生器38が設けられ、各行につき1つが、行での光センサ11に接続されている。電圧発生器38は、行での光抵抗に電圧を供給する。
【0054】
各光源および光検出器11は、電圧コンパレータ14、グランドセレクタ48および電圧発生器38の独自の組合せで関連付けられている。即ち、各光源10は、図5に示すように、独自の行アドレスおよび列アドレスによって識別される。光検出器は、測定可能なパラメータ(例えば、光抵抗を横断する電圧)と入射光との間の関係を決定するように較正することができる。こうして各画素の所望の輝度レベルが、測定可能なセンサパラメータの値と関連させることができる。
【0055】
動作中は、画像データは第1行に書き込まれる。画像データは、画素の所望の輝度を示すものであり、所望の輝度に到達するのに必要な測定可能なセンサパラメータの値を表現する。図5に示す実施形態では、画像データは、各ノード36に接続される。典型的には、各ラインの書き込みの際に、電圧発生器50が、トランジスタ49のゲートに電圧を供給して、キャパシタ32を接地することによって、記憶キャパシタ32で何らかの既存する電圧が最初に消去される。従って、1つの行における各画素の所望の輝度を表現する電圧レベルは、ディスプレイでの複数の列1,2,…,Xについての各電圧コンパレータ14のピン36にダウンロードされる。図5に示す実施形態では、電圧コンパレータ14は、ピン26での電圧がピン36での電圧より小さいとき、トランジスタ31をオンにする電圧(一実施形態では、+10V)を出力するように設計される。従って、電圧コンパレータ14は、ターンオン電圧をトランジスタ31の各ゲートに供給する。電圧源37は、ターンオフ電圧をトランジスタ33の各ゲートに供給する。従って、トランジスタ33がオフのままである場合、光源による発光は開始しない。
【0056】
電圧源37がターンオン電圧をトランジスタ33のゲートに供給すると、ランプ発生器35は、トランジスタ33のドレイン、そしてトランジスタ31のドレインに印加される電圧を上昇させ始めて、記憶キャパシタ32およびトランジスタ30のゲートでの電圧が上昇し始める。
【0057】
電圧源38は、選択行にある光センサ11に電圧を供給し、グランドスイッチ48は、選択行にある光ダイオードを接地する。従って、選択行にある光ダイオードは、発光を開始するとともに、他の行にある光ダイオードは発光しない。本明細書は画像データを1つの行に書き込むときの方法に焦点を当てたが、ここで説明した方法を用いて、何れの行についても書き込みや選択が可能であることは理解されよう。
【0058】
従って、選択行にある発光ダイオードが発光すると、電流は、選択行にあるセンサ11に流れ始める。これにより電圧コンパレータ14のピン26での電圧が上昇する。光センサ11の抵抗値が安定している限りは、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は安定しており、電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧より下回っている。しかしながら、選択行でのランプ発生器35からのランプ電圧により、OLEDは発光を増加させるため、選択行での光検出器11の抵抗値は、照射輝度に従って減少するようになる。
【0059】
選択行での光センサ11の抵抗値の減少により、電圧コンパレータ14のピン26での電圧は、抵抗25をより多くの電流が流れることにより増加する。選択行での画素の輝度は、ピン26での電圧を決定する。ピン26での電圧がピン36に供給されたデータ電圧と等しくなると、電圧コンパレータ14の出力電圧は、トランジスタ31のターンオン電圧からトランジスタ31のターンオフ電圧(例えば、+10Vから−10V)に切り換える。幾つかの実施形態では、コンパレータは、入力ピンの電圧が等しい場合に、出力信号をターンオン電圧からターンオフ電圧に切り換えるように設計しているが、コンパレータ14は、本発明の実施形態を実施するために使用する特定の回路構成に基づいて、入力ピンが相互の何れの関係を実質的に満足する場合に、出力信号を切り換えるように設計してもよい。この時点で、選択行での各画素の輝度が、各電圧コンパレータ14のピン36に供給されたデータ電圧によって決定される。
【0060】
各電圧コンパレータ14の電圧出力がターンオフ電圧(一実施形態では、−10V)に切り換わると、トランジスタ31のゲートがオフ状態になり、ランプ発生器35は、記憶キャパシタ32およびパワートランジスタ30での電圧を増加させることができなくなり、画素の輝度を固定する。全ての画素が、電圧コンパレータ25のピン30に供給されたデータ電圧で決定される輝度に到達できる時間は、ライン走査時間と称され、1秒当たりのフレーム数およびライン数によって決定される。例えば、60fpsのフレームレートは、各フレームにつき16.7msを要する。もし100行(ライン)ある場合は、ライン走査時間は167マイクロ秒(μs)となる。従って、該ディスプレイ回路は、許容される最高輝度(最高階調)が、一実施形態において167μsより短く到達するように設計するのが好都合である。より低速な回路も、フレームレートまたは行の数を変更することによって使用することができる。速度および精度について別のトレードオフも可能である。
【0061】
選択行が完了すると、選択行にある画素は所望の輝度になり、記憶キャパシタ32によってアドレス時間だけ保持される。パッシブディスプレイでは、ピン36に供給される画像の値は、典型的には暗状態の電圧または明状態の電圧(オンまたはオフ)になるであろう。選択行でオフであるこれらの画素について、ピン36でのデータ電圧は、暗状態の電圧より低い。暗状態の電圧を計算するには、光抵抗11の暗状態の抵抗値は測定することができ、分圧抵抗25の抵抗値を用いて、既知の電圧が光抵抗11に印加された場合に、ノード26での電圧が計算できる。選択行は、アドレス時間の期間中はオンのままになる。1秒当たり60フレームで走査する50ラインディスプレイでは、最大アドレス時間は、333マイクロ秒である。自動車ディスプレイでは、例えば、光抵抗11の電圧および較正は、自動車で予想される最も明るい周囲光条件においてオン画素の所望の輝度を表現する。電圧データがディスプレイ中の各光抵抗11について採用されるのは、この輝度レベルにおいてである。
【0062】
1つの行が完了すると、1つの行の光源10は、パワートランジスタ30に供給される所望のゲート電圧とともに所望の輝度になり、記憶キャパシタ32によって保持される。第2行およびさらに続く行については、最初の選択行と同様な手法で制御することができる。
【0063】
各光抵抗11は、同じ輝度では同じ電圧でを示すと予想されるが、実際には、センサ間で多少のばらつきがあり得る。従って、較正電圧は、ノード36に接続されたルックアップテーブルに保存して、センサ11に従って到来する画像データを調整することができる。
【0064】
電圧源38に供給された電圧は、輝度コントロールとして使用してもよい。電圧源38での電圧を増加させることによって、コンパレータ14の入力ノード26での電圧も増加する。これにより選択行にある画素の全体輝度を調整する。
【0065】
従って、各画素の輝度は、画像データ電圧に接続された光抵抗11および接地抵抗25の抵抗値を知ること又は推測することに依存している。トランジスタ30,31での全ての変動は制御に影響を与えず、あるいは光源10の発光出力−電流特性や光源10の経年履歴の変動にも影響を与えない。さらに、光センシング回路は、周囲の光条件に関する情報も供与するものであり、光源アレイの全ての輝度を調整し、変化する光条件を補償するために使用可能である。もし、例えば、日陰が1つ又はそれ以上の光源10に落射していれば、日陰にあるこれらの光源を減光して、ディスプレイの均一な見映えを維持する。
【0066】
図5に示す列および行のアドレス指定の実施形態は、実施の際、1層以上の導電性材料を使用してもよい。即ち、先行技術で知られているように、2つの金属層が、層間に位置決めされた絶縁体とともに必要であり、2つの導電ラインが相互に乗り越えつつ相互に電気接続されていない列および行のアドレス指定機構を提供する。先行技術で知られているように、複数の導電層は、典型的には、複数のマスクおよび製造工程を用いて実現される。複数のマスクおよび製造工程の条件は、アレイの製造を複雑化する。従って、アレイは、単一の導電層マスクおよび層のみを用いて都合良く製造される。単一の導電層のみを用いて列および行のアドレスラインを形成した、列および行のアドレス可能なディスプレイの一実施形態を、図6に示す。
【0067】
パッシブディスプレイは、図6に示すように、列集積回路59によって列駆動され、行セレクタ集積回路60によって行駆動される。図6に示す画素回路および駆動回路は、図5について上述したパッシブディスプレイと同様な方法で動作する。しかしながら、図6に示した実施形態では、電圧発生器38が列集積回路59の中に配置され、図5に示した実施形態のような行セレクタには配置されていない。従って、図6に示した実施形態は、各行にある各センサ11に接続された単一の電圧発生器38を設けており、各行につき電圧発生器38を設けていない。さらに、図6に示した実施形態は、センサ11は、センサ接続ライン85の間に「はしご状」配置で位置決めされている。こうしてセンサ11は、分圧抵抗25および電圧発生器38に接続されている。しかしながら、図6に示すセンサアレイ51の実施形態は、単一の導電層だけを用いて製造することができ、従来の製造技術を用いて単一のマスクだけを要する。
【0068】
図6に示すアレイの動作中は、電圧発生器38は、既知の電圧(一実施形態では10Vであるが、他の電圧を用いてもよい)をアレイ状のセンサ11全てに供給する。活性化しているラインを除いて、全ラインは暗状態であり、シールド44によってシールドされており、活性化ラインにあるこれらのセンサだけが機能している。活性化ラインは、行選択集積回路60によって選択される。照射中は、光センサ11は、暗状態にある光センサ11(一実施形態では、典型的に数千ギガオーム範囲)より極めて低い抵抗値(一実施形態では、典型的にギガオーム範囲、あるいは光トランジスタセンサについてメガオーム範囲)を有する。従って、電圧発生器28で発生した電流の大部分は、活性化した行にある1つの光センサを通過する。
【0069】
図7は、本発明の一実施形態に係る、図6に示した4画素のアレイに関する画素構造を示す。ディスプレイの光源部分は、カソードエレメント92で規定され、これは、共通グランドである。図7のカソード92は、動作中、図6に示した実施形態における行セレクタ60に電気接続されるであろう。行セレクタ60は、発光器10のカソードを選択的に接地する。他の行にある非接地のカソードは、これらの行を遮断している。カソードエレメント92は、典型的には、金属エレメントで形成され、不透明である。非活性センサについて暗状態を維持するために、カソードエレメント92は、不透明、幾つかの実施形態では黒であることが好都合である。動作中は、全てのカソードエレメント92は、オープン状態であり、何れの電流も阻止している。あるラインが活性化した場合、1つのカソード行は接地され(図3の行セレクタを参照)、列アノード94に供給された正の電圧によって、当該行にある何れのOLEDもオンすることが可能になる。何れかの特定の列アノード94に電圧が印加されているか否かは、どの画素をオンまたはオフにするかを決定する表示データに依存している。透明な誘電体は、図7には示していないが、センサ11からのアノード94およびセンサ電気接続ライン85を電気絶縁している。
【0070】
図6と図7に示したセンサアレイ51を形成するための例示的なプロセス流れを、図8を参照して説明する。図8は、図7中で印を付けたエリア44の断面を示す。プロセス流れは、単に例示的であって、本発明の実施形態、説明する特定の設備材料や製造プロセスの何れにも限定されない。センサアレイは、基板95の上に製造される。基板95は、完全または部分的に透明であることが好都合であり、一般に、例えば、ガラス、石英(quartz)、酸化物またはプラスチックなど、知られた何れかの適切な材料で製造することができる。センサアレイの製造に先だって、基板は必要に応じて清浄処理される。シールド44は、先行技術で知られた方法を用いて基板95の上に製造される。好ましい実施形態では、シールド44は、不透明インクを用いてスクリーン印刷される。暗シールド44の寸法は、一実施形態では、0.001”から0.002”のオーダーであるが、これにより大きい又は小さい他の暗シールド寸法でも構わない。暗シールド44は、不透明(または実質的に不透明)であるため、OLED素子で発光した光を部分的に阻止する。これは、1インチ当たり100ドットのディスプレイにおいて意図した発光の約5%の阻止率より小さい。
【0071】
典型的な半導体成膜設備(一実施形態では、プラズマ化学気相成長PECVD装置が使用される。)を用いて、誘電体層96が基板95上に成膜され、シールド44を覆う。誘電体層96は、一般に、二酸化シリコン、窒化シリコンなど、知られた何れの適切な誘電体とすることができる。そして、光センサ11に用いられる光感応性材料が成膜される。光感応性材料は、上述したように、アモルファスシリコン、セレン化カドミウム、ポリシリコン、硫化カドミウム等を含む何れか種々の材料などである。さらに、オーミック接触材料98が成膜され、光センサ11との電気接点を形成するのを助ける。例えば、アモルファスシリコンを光素子として使用した場合、オーミック接触材料98は、リン(P)ドープアモルファスシリコンとすることができる。最後に、インジウム錫酸化物(ITO)や他の透明導電材料が成膜され、センサ導電体85を形成する。これらの薄膜は、同じ装置や異なる装置、あるいは別々の設備で成膜することができる。
【0072】
フォトリソグラフのマスクが、先行技術でよく知られたようにして生成される。マスクは、センサ11用のパターンの境界を定め、導電エレメント58を1つの連続したはしご状パターンに描写する。パターンは、暗シールドが導電体パターンの「横木(rung)」に整列し中心にくるように塗布される。全ての層は、先行技術でよく知られ、使用する材料および厚さに適切なプロセスを用いてエッチング除去される。その結果、センサ素子11が
リンドープ層およびITO層の下に埋め込まれる。単一のリソグラフ工程だけを使用した点を覚えておくこと。
【0073】
2つの導電エレメント85を分離し、センサ材料11の中間部を露出させるために、更なるリソグラフ工程を使用しないで、ITO85およびリンドープアモルファスシリコン98がエッチング除去される。これを達成するため、基板51は、先行技術でよく知られているような、負のフォトレジストでコートされる。全ての成膜した層は、不透明な暗シールド44を除いて、透明である。フォトレジストは、成膜層の頂部にある。フォトレジストが塗布された基板は裏返して、裏面から露光する。フォトレジストは負であるため、レジスト中の孔が暗シールドの上方で現像される。この孔を通じて、短絡しているITO層は、先行技術でよく知られたプロセスを用いてエッチング除去され、続いて、エッチングプロセスにより、ITO電気導電エレメント85とアモルファスシリコンセンサ11との間のオーミック接触用に用いられるリンドープ材料98を除去する。
【0074】
上記プロセスは、導電体材料が透明である場合に用いるのが好都合である。こうした材料は、これに限定されないが、インジウム錫酸化物(ITO)などである。これらに限定されないが、クロム金属やアルミニウム金属など、不透明な導電体を使用した場合、下記のプロセスが好ましい。即ち、センサ材料を上述のように成膜した後、正のフォトレジストからなるコーティングが、成膜したセンサ材料の上に塗布される。ウエハを裏返して、フォトレジストを不透明な暗シールド上に残して裏から露光する。そして、露光されたセンサ材料は、エッチング除去される。センサは、暗シールドの幾何形状に対応して、センサ材料からなる分離ブロックとなる。次の工程は、逆の金属接点パターンを持つフォトリソグラフのマスクを適用する。これは、先行技術でリフトマストとして知られたものを生成している。そして、接点金属は、リフトマストの頂上に成膜される。最後に、リフトマスクが、先行技術でよく知られたプロセスを用いてウエハから除去され、正の金属パターンを残して、センサとの接点を作成する。
【0075】
最後の保護誘電体層100は、センサ11をOLED素子10のアノードから分離する。この層は、先行技術でよく知られたポリイミド材料とすることができ、あるいは、例えば、二酸化シリコンや、OLED構造に適合し、センサアレイの頂部に成膜されべき他の絶縁性材料など、成膜した誘電体とすることができる。
【0076】
光源10が他の場所に設けられる場合は、製造はここで終了である。しかしながら、幾つかの実施形態では、OLED源10の形成とともに製造が続行する。何れかOLEDタイプの材料、例えば、コダック社の小分子(small molecule)OLED、ケンブリッジディスプレイテクノロジー(CDT)社のポリマーLED(PLED)、ユニバーサルディスプレイカンパニー(UDC)社の燐光(phosphorescent)LED(PHOLED)、他のタイプのOLEDなどが成膜される。ディスプレイを形成するためのこれらの材料の応用は、先行技術でよく知られており、OLEDタイプに従って変えられる。何れの場合も、OLEDディスプレイ中の画素は、センサ11が画素の中央に位置するようにセンサアレイに対して整列しており、隣接の列にあるセンサ11に影響を及ぼさないように、1つの列にあるセンサ11の分離を助けている。
【0077】
上述のように、センサ11は、入射光レベルと測定可能なセンサパラメータ値との間の関係を決定するように較正される。図3と図5でのセンサアレイの実施形態を参照して、光抵抗11を較正するための手順の一実施形態は、下記のようになる。較正に望ましい各輝度レベルに調整可能な均一または実質的に均一な光源が、光抵抗アレイのエリア上に照射される。較正の品質は、光源の均一性によって影響を受けるため、光源は、較正の所望の精度レベルに必要な程度に、均一すべきである。一実施形態では、センサアレイは、光アレイを、例えば、LCDラップトップに使用されるバックライトの上に重ねることによって、較正される。これは、光アレイに対してバックライトの同じ均一性を供与するであろうが、例えば、4096レベル(12ビット)階調にとって充分でないかもしれない。こうした応用は、有効エリアについて少なくとも約0.025%の均一性の光源を使用することができる。この高いレベルの光均一性は、市場において商業的に利用可能なデバイスおよび方法の中から利用可能である。
【0078】
第1レベルの階調が光アレイを照明すると、アレイ中の光抵抗11は、電圧源で供給された既知の電圧、及び/又は光抵抗の抵抗値が容易に計算できる電流で1つずつ(あるいは別の機構に従って)走査される。これらの抵抗値は、データ収集回路を用いてメモリに保存される。アレイは、次の値に大きくなった照明および抵抗値で再び走査され、そして再び保存される。この動作は、最も暗いものから最も明るいものまでの全て階調が完了するまで繰り返される。幾つかの実施形態では、1つの値だけが保存される。幾つかの実施形態では、5つの抵抗値が保存される。他の実施形態では、4096個の値が保存される。他の実施形態では、別の個数の抵抗値を保存してもよい。一般に、1個から識別可能な階調、輝度または色値の数までの任意の数の抵抗値を使用することができ、さらに(あまり実用的な利益はないが)識別可能な階調、輝度または色値の数より多い抵抗値を使用しても構わない。得られた値は、ルックアップテーブルや他のメモリデータ構造に保存される。ルックアップテーブルに個々に保存されていない値は、1つ又はそれ以上の保存した値から補間することができる。製造した各光アレイは、シリアル番号を付与してもよく、ルックアップデータをシリアル番号に関連したウエブサイトに保存してもよい。他の関連機構を、各センサアレイ用のルックアップテーブルを伝達するために用いてもよく、例えば、バーコードや、アレイ上またはアレイとともに保存したメモリなど、ルックアップテーブルをアレイとの通信に配置された受信器に送信するものであり、さらに他の実施形態は、別の方法でデータを提供する。光アレイは、ディスプレイと結び付き、整合し、あるいは識別された場合、ルックアップテーブルデータは、例えば、ウエブサイト(あるいは別の供給源)からディスプレイとともに使用されるメモリチップにダウンロードされる。
【0079】
図3と図5について説明したようなセンサアレイを用いたディスプレイは、種々の方法で組立て可能である。本発明の一実施形態では、行および列のアドレス指定が可能なセンサアレイ11は、図9に示すように、例えば、ガラス、ポリマーあるいは他の透明基板など、透明基板55に形成される。センサ素子アレイは、パッシブ発光ディスプレイの列数と等しい垂直パラレル導電ライン54と、ディスプレイの行数と等しい水平導電ライン53とで構成される。図3と図5でも示したように、垂直および水平導電ラインの接合点に、センサ11が配置される。
【0080】
図9は、列集積回路(IC)59に接続された光源アレイ58の分解図を示す。列集積回路(IC)59は、図3と図5で示した回路を含み得る。列IC59は、各列にあるセンサおよび光源に画像データを印加し、これらからセンサデータを受信するように動作する。光源アレイ58は、さらに行セレクタ60に接続され、行セレクタ60は図3と図5に示す回路を含み得る。行セレクタは、画像データの書き込み及び/又はセンサパラメータ値の読み取りのための行を選択するように動作する。光源アレイ58は、センサアレイ55を照射するように位置決めされる。図9中の点線は、光抵抗アレイ55上の電気接触パッド66,65がディスプレイ58上の電気接触パッド67,68とともに整列していることを示している。図10において、光抵抗アレイ55は、ディスプレイ58と接触している。一実施形態では、列電気ライン70,54がワイヤボンド71によって列IC59と接続され、行電気ライン53,72が、ワイヤボンド73によって行セレクタ60に接続されている。本発明の他の実施形態では、各センサアレイ55およびディスプレイ58が、これらに取り付けられた別々のケーブルを有し、行セレクタ60および列IC59を装着した印刷回路基板(PCB)に接続されるものである。先行技術で知られたような他の接続手段および方法を一緒にまたは代替として使用しても構わない。
【0081】
一実施形態では、1000レベルの階調を走査するのに必要な時間は、1秒当たり100フレームで、約10秒となるであろう。この手順は、光アレイでの各素子に関する光応答曲線を供与することになる。ディスプレイでのガンマ補正システムを有する必要はないであろう。光抵抗に用いる半導体での光応答の変動は、考慮されることになろう。例えば、赤、緑、青の光源など、異なる波長の光源は別個に較正してもよい。
【0082】
本発明の実施形態に係る方法および装置は、種々の応用での使用が見つかる。ディスプレイの好ましい実施形態は、例えば、ナビゲーションや音響/視聴ディスプレイ、チューナーディスプレイ、走行距離計と速度計ディスプレイなど、自動車の応用で利用することができる。他の応用は、テレビジョンディスプレイスクリーン(30インチより大きな対角線の画像を有するものなど、特別大きなTVディスプレイスクリーン)、コンピュータモニター、大スクリーン科学情報またはデータディスプレイ、セルラーフォン、PDA(personal data assistant)などがある。
【0083】
上述のように、本発明の特定の実施形態をここでは説明の目的で説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の変更が可能である。従って、本発明は、添付クレームによるものを除いて限定されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態に係る装置の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、図1の装置の実施の概略図である。
【図3A】本発明の一実施形態に係るアクティブアドレスディスプレイの概略図である。
【図3B】本発明の一実施形態に係る、参照信号を提供する構成要素を含むアクティブアドレスディスプレイの概略図である。
【図3C】本発明の一実施形態に係る、周期的較正での使用のためのアクティブアドレスディスプレイの概略図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るセンサアレイの概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るパッシブアドレスディスプレイの概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るパッシブアドレスディスプレイの図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る、図6に示すディスプレイ実施形態から見た4画素の平面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る、図7中の「A」で記した領域の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るディスプレイの図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るディスプレイの図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素ドライバおよび測定可能なセンサパラメータを有するセンサを用いて、所定の発光レベルに到達するように、画素からの発光を制御するための方法であって、
画素ドライバを用いて画素からの発光を変化させることと、
画素からの発光をセンサで受光することと、
受光した発光に応じて、測定可能なセンサパラメータの測定値を取得することと、
該測定値を画素ドライバに接続することと、
光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、画素の制御信号を生成すること、を含む方法。
【請求項2】
画素は、光源を含むようにした請求項1記載の方法。
【請求項3】
画素ドライバは、画素に電圧を供給するようにした請求項1記載の方法。
【請求項4】
画素ドライバは、画素の内側に含まれていない請求項1記載の方法。
【請求項5】
画素は、液晶ディスプレイの画素である請求項1記載の方法。
【請求項6】
光源は、発光ダイオードを含むようにした請求項2記載の方法。
【請求項7】
光源は、白色発光ダイオードを含むようにした請求項2記載の方法。
【請求項8】
光源は、有機発光ダイオードを含むようにした請求項2記載の方法。
【請求項9】
センサは、光感応性抵抗、光ダイオードまたは光トランジスタを含むようにした請求項1記載の方法。
【請求項10】
センサは、光感応性抵抗を含み、測定可能なセンサパラメータは、抵抗を横切る電圧を含むようにした請求項1記載の方法。
【請求項11】
測定値を、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項12】
参照値は、画像電圧である請求項11記載の方法。
【請求項13】
参照値を決定するように、センサを較正することをさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項14】
センサを較正する動作は、較正光源を用いてセンサに照射することを含む請求項13記載の方法。
【請求項15】
光源は、ディスプレイの画素である請求項2記載の方法。
【請求項16】
光源は、有機発光ダイオードであり、制御信号を生成する動作は、該発光ダイオードを流れる電流を増加させることを含む請求項1記載の方法。
【請求項17】
測定値を参照値と比較する動作は、測定値および所定の値をコンパレータに接続することを含む請求項11記載の方法。
【請求項18】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給して、画素からの発光を増加させ、
制御信号を生成する動作は、変化する信号を一定の信号で置き換えて、光源から安定した発光を生じさせることを含む請求項1記載の方法。
【請求項19】
変化する信号は、ランプ波形信号を含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
ランプ波形信号は、電圧ランプ波形を含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
所定の発光レベルに到達するように、画素からの発光を制御するための装置であって、
測定可能なセンサパラメータを有し、画素からの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされたセンサと、
画素からの発光を変化させるために、画素と接続可能な画素ドライバと、
センサと接続され、制御信号を画素ドライバに接続して、所定の発光レベルに到達した場合、画素からの一定の発光を維持するように動作する制御ユニットとを備える装置。
【請求項22】
制御ユニットは、所定の発光レベルの期間中、測定可能なセンサパラメータの値を示す参照信号にさらに接続され、参照信号と測定値とを比較するように動作する請求項21記載の装置。
【請求項23】
制御ユニットに接続された較正ルックアップテーブルをさらに備え、
較正ルックアップテーブルは、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータのうちの少なくとも1つの値を保存するようにした請求項21記載の装置。
【請求項24】
画素エレメントと、
測定可能なセンサパラメータを有し、画素からの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされたセンサと、
画素と接続され、画素からの発光を変化させるため、駆動信号を画素に供給するように動作する画素ドライバと、
画素ドライバおよびセンサと接続され、測定可能なセンサパラメータの測定値に基づいて、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作し、一定の発光を所定の発光レベルに維持するように、画素ドライバのための制御信号を生じさせる制御ユニットとを備える、制御された画素システム。
【請求項25】
画素エレメントは、第1エリアに形成され、画素ドライバは、第1エリアの外側にあるようにした請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項26】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給するようにした請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項27】
前記制御ユニットは、所定の発光レベルを示す参照信号に接続され、
前記制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータの測定値を参照信号と比較して、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作する請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項28】
前記センサは、光感応性の抵抗、ダイオードまたはトランジスタを含むようにした請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項29】
複数の画素エレメントをさらに備える請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項30】
アクティブマトリクスディスプレイでの画素アレイを所定の発光レベルに制御する方法であって、画素は複数の行と複数の列に配列しており、各画素はアクティブマトリクス素子を有し、該方法は、複数のセンサを用いるものであり、各センサは、測定可能なセンサパラメータと少なくとも1つの画素ドライバを有するものであって、
少なくとも1つの画素ドライバおよびアクティブマトリクス素子を用いて、第1行にある複数の画素からの発光を変化させることと、
複数の画素からの発光を複数のセンサで受光することと、
受光した発光に応じて、複数のセンサの各々について測定可能なセンサパラメータの測定値を取得することと、
各複数画素について、光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、画素の制御信号を生成すること、を含む方法。
【請求項31】
各複数画素は、光源を含むようにした請求項30記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つの画素ドライバは、各複数画素に電圧を供給するようにした請求項30記載の方法。
【請求項33】
複数の画素は、液晶ディスプレイの画素である請求項30記載の方法。
【請求項34】
光源は、発光ダイオードを含むようにした請求項31記載の方法。
【請求項35】
光源は、白色発光ダイオードを含むようにした請求項31記載の方法。
【請求項36】
光源は、有機発光ダイオード、エレクトロルミネセンス、プラズマ発光、電界発光、または真空蛍光を含むようにした請求項31記載の方法。
【請求項37】
各複数センサは、光感応性抵抗、光ダイオードまたは光トランジスタを含むようにした請求項30記載の方法。
【請求項38】
複数のセンサの少なくとも1つが、光感応性抵抗を含み、測定可能なセンサパラメータは、抵抗を横切る電圧を含むようにした請求項30記載の方法。
【請求項39】
測定値を、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することをさらに含む請求項30記載の方法。
【請求項40】
参照値は、画像電圧である請求項39記載の方法。
【請求項41】
参照値を決定するように、センサを較正することをさらに含む請求項40記載の方法。
【請求項42】
センサを較正する動作は、較正光源を用いてセンサに照射することを含む請求項41記載の方法。
【請求項43】
光源は、有機発光ダイオードであり、制御信号を生成する動作は、該発光ダイオードを流れる電流を増加させることを含む請求項31記載の方法。
【請求項44】
測定値を参照値と比較する動作は、測定値および所定の値をコンパレータに接続することを含む請求項39記載の方法。
【請求項45】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給して、画素からの発光を増加させ、
制御信号を生成する動作は、変化する信号を一定の信号で置き換えて、光源から安定した発光を生じさせることを含む請求項30記載の方法。
【請求項46】
変化する信号は、ランプ波形信号を含む請求項45記載の方法。
【請求項47】
ランプ波形信号は、電圧ランプ波形を含む請求項46記載の方法。
【請求項48】
ランプ波形信号は、ステップ電圧を含む請求項46記載の方法。
【請求項49】
第1行にある複数の画素について所望の発光レベルを含む画像データを受けることをさらに含み、該画像データは、測定可能なセンサパラメータについての目標値を含む請求項30記載の方法。
【請求項50】
各センサの測定可能なセンサパラメータの値を画像データと比較することをさらに含む請求項49記載の方法。
【請求項51】
第2行にある複数の画素に関して、変化させ、受光し、取得し、生成する動作を繰り返すことをさらに含む請求項30記載の方法。
【請求項52】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイを含むアクティブマトリクスディスプレイを制御するための装置であって、各画素エレメントはアクティブマトリクス素子を含み、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光のうち少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイと接続され、ディスプレイと接続可能であって、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数の制御ユニットであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、制御ユニットは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作し、制御ユニットは、アクティブマトリクス素子とさらに接続され、アクティブマトリクス素子が制御信号を受けて、光源からの発光量を維持するようにした、複数の制御ユニットとを備える装置。
【請求項53】
複数の制御ユニットは、選択行にある各画素について所定の発光レベルの期間中に、測定可能なセンサパラメータの値を示す参照信号とさらに接続され、制御ユニットは、参照信号と測定値とを比較するように動作する請求項52記載の装置。
【請求項54】
制御ユニットに接続された較正ルックアップテーブルをさらに備え、
較正ルックアップテーブルは、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータのうちの少なくとも1つの値を保存するようにした請求項52記載の装置。
【請求項55】
該ルックアップテーブルおよび制御ユニットに接続されたラインバッファをさらに備える請求項54記載の装置。
【請求項56】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイであって、各画素エレメントは、画素を駆動するように構成されたアクティブマトリクス素子を含む、画素アレイと、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光のうち少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイおよび画素アレイと接続され、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数の制御ユニットであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、制御ユニットは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作する、複数の制御ユニットと、
アクティブマトリクス素子と接続され、少なくとも1つの画素からの発光量を変化させるように動作する画素ドライバであって、アクティブマトリクス素子は、制御信号を受けて、光源からの発光量を維持するようにした、画素ドライバとを備える制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項57】
画素ドライバは、変化する信号をアクティブマトリクス素子に供給するようにした請求項56記載の制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項58】
制御ユニットは、所定の発光レベルを示す参照信号にさらに接続され、
前記制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータの測定値を参照信号と比較して、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作する請求項56記載の制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項59】
前記センサは、光感応性の抵抗、ダイオードまたはトランジスタを含むようにした請求項56記載の制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項60】
複数の行と複数の列に配列した画素エレメントアレイを有するパッシブマトリクスディスプレイにおいて、発光を所定の発光レベルに制御する方法であって、測定可能なセンサパラメータおよび画素ドライバを有する複数のセンサを用いるものであり、
画素ドライバを用いて、第1行にある複数の画素からの発光を変化させることと、
各複数センサは、第1行にある複数の画素の1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされており、各複数センサの測定可能なセンサパラメータの実際値をモニタすることによって、第1行にある複数の画素からの発光を監視することと、
各複数画素の測定可能なセンサパラメータの実際値を画素ドライバに接続することと、
光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、各複数画素についての制御信号を生成すること、を含む方法。
【請求項61】
各複数画素は、光源を含むようにした請求項60記載の方法。
【請求項62】
画素ドライバは、各複数画素に電圧を供給するようにした請求項60記載の方法。
【請求項63】
画素ドライバは、何れの複数画素の内側にも含まれていない請求項60記載の方法。
【請求項64】
複数の画素は、液晶ディスプレイの画素である請求項60記載の方法。
【請求項65】
光源は、発光ダイオードを含むようにした請求項61記載の方法。
【請求項66】
光源は、白色発光ダイオードを含むようにした請求項61記載の方法。
【請求項67】
光源は、有機発光ダイオードを含むようにした請求項61記載の方法。
【請求項68】
各複数センサは、光感応性抵抗、光ダイオードまたは光トランジスタを含むようにした請求項60記載の方法。
【請求項69】
各複数センサは、光感応性抵抗を含み、測定可能なセンサパラメータは、抵抗を横切る電圧を含むようにした請求項60記載の方法。
【請求項70】
実際値を、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することをさらに含む請求項60記載の方法。
【請求項71】
参照値は、画像電圧である請求項70記載の方法。
【請求項72】
各複数センサについて参照値を決定するように、複数のセンサを較正することをさらに含む請求項70記載の方法。
【請求項73】
センサを較正する動作は、較正光源を用いてセンサに照射することを含む請求項72記載の方法。
【請求項74】
光源は、有機発光ダイオードであり、制御信号を生成する動作は、該発光ダイオードを流れる電流を増加させることを含む請求項61記載の方法。
【請求項75】
測定値を参照値と比較する動作は、測定値および所定の値をコンパレータに接続することを含む請求項60記載の方法。
【請求項76】
画素ドライバは、変化する信号を、第1行にある各複数画素に供給して、画素からの発光を増加させ、
制御信号を生成する動作は、変化する信号を一定の信号で置き換えて、第1行にある各複数画素から安定した発光を生じさせることを含む請求項60記載の方法。
【請求項77】
変化する信号は、ランプ波形信号を含む請求項76記載の方法。
【請求項78】
ランプ波形信号は、電圧ランプ波形を含む請求項77記載の方法。
【請求項79】
第2行にある複数の画素に関して、変化させ、監視し、接続し、生成し、生成する動作を繰り返すことをさらに含む請求項60記載の方法。
【請求項80】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイを含むパッシブマトリクスディスプレイを制御するための装置であって、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイと接続され、ディスプレイと接続可能であって、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数のコンパレータであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、コンパレータは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作する、複数のコンパレータと、
複数の画素ドライバであって、その各々が共通の列に配置された画素に接続され、複数の画素ドライバの各々が複数のコンパレータのうち選択された1つに接続され、制御信号を受けて、画素からの発光量を維持するように動作する、複数の画素ドライバと、備える装置。
【請求項81】
複数のコンパレータの少なくとも1つに接続された較正ルックアップテーブルをさらに備え、
較正ルックアップテーブルは、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータのうちの少なくとも1つの値を保存するようにした請求項80記載の装置。
【請求項82】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイと、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイおよび光源アレイと接続され、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数のコンパレータであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、コンパレータは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作する、複数のコンパレータと、
複数のコンパレータと接続された複数の画素ドライバであって、各画素ドライバは、共通の列にある画素とさらに接続されており、画素ドライバは、光源からの発光量を変化させて、制御信号に応じて画素からの発光量を維持するように動作する、複数の画素ドライバと、を備える制御されたパッシブマトリクスディスプレイ。
【請求項83】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給するようにした請求項82記載の制御されたパッシブマトリクスディスプレイ。
【請求項84】
コンパレータは、測定可能なセンサパラメータの測定値を参照信号と比較して、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作する請求項82記載の制御された画素システム。
【請求項85】
前記センサアレイは、光感応性の抵抗、ダイオードまたはトランジスタを含むようにした請求項82記載の制御された画素システム。
【請求項86】
暗シールドをセンサおよび複数の接点と整列させるための方法であって、
第1面に対向した第2面を有する透明基板の第1面の上に暗シールドを形成することと、
暗シールドの上に絶縁材料を成膜することと、
絶縁材料および暗シールドの上にセンサ用の材料を成膜することと、
センサ用の材料の上に電気接点用の材料を成膜することと、
電気接点用の材料の上部に負のフォトレジストで基板をコートすることと、
透明基板に光を通過させるように位置決めされた光源を用いて、光の一部が暗シールドによって阻止されるようにして、負のフォトレジストを露光することと、
負のフォトレジストを現像することと、
複数の電気接点がセンサ用の材料の上に形成され、複数の電気接点が暗シールドと整列するようにして、現像した負のフォトレジストを介して電気接点用の材料をエッチングすることと、を含む方法。
【請求項87】
暗シールドをセンサおよび複数の接点と整列させるための方法であって、
第1面に対向した第2面を有する透明基板の第1面の上に暗シールドを形成することと、
暗シールドの上に絶縁材料を成膜することと、
絶縁材料および暗シールドの上にセンサ用の材料を成膜することと、
センサ用の材料の上に正のフォトレジストで基板をコートすることと、
透明基板に光を通過させるように位置決めされた光源を用いて、光の一部が暗シールドによって阻止されるようにして、正のフォトレジストを露光することと、
正のフォトレジストを現像することと、
暗シールドと一致するように、センサ用の材料をエッチングすることと、
センサ用の材料の上に接点金属を成膜することと、
複数の電気接点が形成され、複数のセンサ用の材料に整列するようにして、接点金属をエッチングすることと、を含む方法。
【請求項1】
画素ドライバおよび測定可能なセンサパラメータを有するセンサを用いて、所定の発光レベルに到達するように、画素からの発光を制御するための方法であって、
画素ドライバを用いて画素からの発光を変化させることと、
画素からの発光をセンサで受光することと、
受光した発光に応じて、測定可能なセンサパラメータの測定値を取得することと、
該測定値を画素ドライバに接続することと、
光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、画素の制御信号を生成すること、を含む方法。
【請求項2】
画素は、光源を含むようにした請求項1記載の方法。
【請求項3】
画素ドライバは、画素に電圧を供給するようにした請求項1記載の方法。
【請求項4】
画素ドライバは、画素の内側に含まれていない請求項1記載の方法。
【請求項5】
画素は、液晶ディスプレイの画素である請求項1記載の方法。
【請求項6】
光源は、発光ダイオードを含むようにした請求項2記載の方法。
【請求項7】
光源は、白色発光ダイオードを含むようにした請求項2記載の方法。
【請求項8】
光源は、有機発光ダイオードを含むようにした請求項2記載の方法。
【請求項9】
センサは、光感応性抵抗、光ダイオードまたは光トランジスタを含むようにした請求項1記載の方法。
【請求項10】
センサは、光感応性抵抗を含み、測定可能なセンサパラメータは、抵抗を横切る電圧を含むようにした請求項1記載の方法。
【請求項11】
測定値を、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項12】
参照値は、画像電圧である請求項11記載の方法。
【請求項13】
参照値を決定するように、センサを較正することをさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項14】
センサを較正する動作は、較正光源を用いてセンサに照射することを含む請求項13記載の方法。
【請求項15】
光源は、ディスプレイの画素である請求項2記載の方法。
【請求項16】
光源は、有機発光ダイオードであり、制御信号を生成する動作は、該発光ダイオードを流れる電流を増加させることを含む請求項1記載の方法。
【請求項17】
測定値を参照値と比較する動作は、測定値および所定の値をコンパレータに接続することを含む請求項11記載の方法。
【請求項18】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給して、画素からの発光を増加させ、
制御信号を生成する動作は、変化する信号を一定の信号で置き換えて、光源から安定した発光を生じさせることを含む請求項1記載の方法。
【請求項19】
変化する信号は、ランプ波形信号を含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
ランプ波形信号は、電圧ランプ波形を含む請求項19記載の方法。
【請求項21】
所定の発光レベルに到達するように、画素からの発光を制御するための装置であって、
測定可能なセンサパラメータを有し、画素からの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされたセンサと、
画素からの発光を変化させるために、画素と接続可能な画素ドライバと、
センサと接続され、制御信号を画素ドライバに接続して、所定の発光レベルに到達した場合、画素からの一定の発光を維持するように動作する制御ユニットとを備える装置。
【請求項22】
制御ユニットは、所定の発光レベルの期間中、測定可能なセンサパラメータの値を示す参照信号にさらに接続され、参照信号と測定値とを比較するように動作する請求項21記載の装置。
【請求項23】
制御ユニットに接続された較正ルックアップテーブルをさらに備え、
較正ルックアップテーブルは、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータのうちの少なくとも1つの値を保存するようにした請求項21記載の装置。
【請求項24】
画素エレメントと、
測定可能なセンサパラメータを有し、画素からの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされたセンサと、
画素と接続され、画素からの発光を変化させるため、駆動信号を画素に供給するように動作する画素ドライバと、
画素ドライバおよびセンサと接続され、測定可能なセンサパラメータの測定値に基づいて、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作し、一定の発光を所定の発光レベルに維持するように、画素ドライバのための制御信号を生じさせる制御ユニットとを備える、制御された画素システム。
【請求項25】
画素エレメントは、第1エリアに形成され、画素ドライバは、第1エリアの外側にあるようにした請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項26】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給するようにした請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項27】
前記制御ユニットは、所定の発光レベルを示す参照信号に接続され、
前記制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータの測定値を参照信号と比較して、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作する請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項28】
前記センサは、光感応性の抵抗、ダイオードまたはトランジスタを含むようにした請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項29】
複数の画素エレメントをさらに備える請求項24記載の制御された画素システム。
【請求項30】
アクティブマトリクスディスプレイでの画素アレイを所定の発光レベルに制御する方法であって、画素は複数の行と複数の列に配列しており、各画素はアクティブマトリクス素子を有し、該方法は、複数のセンサを用いるものであり、各センサは、測定可能なセンサパラメータと少なくとも1つの画素ドライバを有するものであって、
少なくとも1つの画素ドライバおよびアクティブマトリクス素子を用いて、第1行にある複数の画素からの発光を変化させることと、
複数の画素からの発光を複数のセンサで受光することと、
受光した発光に応じて、複数のセンサの各々について測定可能なセンサパラメータの測定値を取得することと、
各複数画素について、光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、画素の制御信号を生成すること、を含む方法。
【請求項31】
各複数画素は、光源を含むようにした請求項30記載の方法。
【請求項32】
少なくとも1つの画素ドライバは、各複数画素に電圧を供給するようにした請求項30記載の方法。
【請求項33】
複数の画素は、液晶ディスプレイの画素である請求項30記載の方法。
【請求項34】
光源は、発光ダイオードを含むようにした請求項31記載の方法。
【請求項35】
光源は、白色発光ダイオードを含むようにした請求項31記載の方法。
【請求項36】
光源は、有機発光ダイオード、エレクトロルミネセンス、プラズマ発光、電界発光、または真空蛍光を含むようにした請求項31記載の方法。
【請求項37】
各複数センサは、光感応性抵抗、光ダイオードまたは光トランジスタを含むようにした請求項30記載の方法。
【請求項38】
複数のセンサの少なくとも1つが、光感応性抵抗を含み、測定可能なセンサパラメータは、抵抗を横切る電圧を含むようにした請求項30記載の方法。
【請求項39】
測定値を、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することをさらに含む請求項30記載の方法。
【請求項40】
参照値は、画像電圧である請求項39記載の方法。
【請求項41】
参照値を決定するように、センサを較正することをさらに含む請求項40記載の方法。
【請求項42】
センサを較正する動作は、較正光源を用いてセンサに照射することを含む請求項41記載の方法。
【請求項43】
光源は、有機発光ダイオードであり、制御信号を生成する動作は、該発光ダイオードを流れる電流を増加させることを含む請求項31記載の方法。
【請求項44】
測定値を参照値と比較する動作は、測定値および所定の値をコンパレータに接続することを含む請求項39記載の方法。
【請求項45】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給して、画素からの発光を増加させ、
制御信号を生成する動作は、変化する信号を一定の信号で置き換えて、光源から安定した発光を生じさせることを含む請求項30記載の方法。
【請求項46】
変化する信号は、ランプ波形信号を含む請求項45記載の方法。
【請求項47】
ランプ波形信号は、電圧ランプ波形を含む請求項46記載の方法。
【請求項48】
ランプ波形信号は、ステップ電圧を含む請求項46記載の方法。
【請求項49】
第1行にある複数の画素について所望の発光レベルを含む画像データを受けることをさらに含み、該画像データは、測定可能なセンサパラメータについての目標値を含む請求項30記載の方法。
【請求項50】
各センサの測定可能なセンサパラメータの値を画像データと比較することをさらに含む請求項49記載の方法。
【請求項51】
第2行にある複数の画素に関して、変化させ、受光し、取得し、生成する動作を繰り返すことをさらに含む請求項30記載の方法。
【請求項52】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイを含むアクティブマトリクスディスプレイを制御するための装置であって、各画素エレメントはアクティブマトリクス素子を含み、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光のうち少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイと接続され、ディスプレイと接続可能であって、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数の制御ユニットであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、制御ユニットは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作し、制御ユニットは、アクティブマトリクス素子とさらに接続され、アクティブマトリクス素子が制御信号を受けて、光源からの発光量を維持するようにした、複数の制御ユニットとを備える装置。
【請求項53】
複数の制御ユニットは、選択行にある各画素について所定の発光レベルの期間中に、測定可能なセンサパラメータの値を示す参照信号とさらに接続され、制御ユニットは、参照信号と測定値とを比較するように動作する請求項52記載の装置。
【請求項54】
制御ユニットに接続された較正ルックアップテーブルをさらに備え、
較正ルックアップテーブルは、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータのうちの少なくとも1つの値を保存するようにした請求項52記載の装置。
【請求項55】
該ルックアップテーブルおよび制御ユニットに接続されたラインバッファをさらに備える請求項54記載の装置。
【請求項56】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイであって、各画素エレメントは、画素を駆動するように構成されたアクティブマトリクス素子を含む、画素アレイと、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光のうち少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイおよび画素アレイと接続され、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数の制御ユニットであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、制御ユニットは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作する、複数の制御ユニットと、
アクティブマトリクス素子と接続され、少なくとも1つの画素からの発光量を変化させるように動作する画素ドライバであって、アクティブマトリクス素子は、制御信号を受けて、光源からの発光量を維持するようにした、画素ドライバとを備える制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項57】
画素ドライバは、変化する信号をアクティブマトリクス素子に供給するようにした請求項56記載の制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項58】
制御ユニットは、所定の発光レベルを示す参照信号にさらに接続され、
前記制御ユニットは、測定可能なセンサパラメータの測定値を参照信号と比較して、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作する請求項56記載の制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項59】
前記センサは、光感応性の抵抗、ダイオードまたはトランジスタを含むようにした請求項56記載の制御されたアクティブマトリクスディスプレイ。
【請求項60】
複数の行と複数の列に配列した画素エレメントアレイを有するパッシブマトリクスディスプレイにおいて、発光を所定の発光レベルに制御する方法であって、測定可能なセンサパラメータおよび画素ドライバを有する複数のセンサを用いるものであり、
画素ドライバを用いて、第1行にある複数の画素からの発光を変化させることと、
各複数センサは、第1行にある複数の画素の1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされており、各複数センサの測定可能なセンサパラメータの実際値をモニタすることによって、第1行にある複数の画素からの発光を監視することと、
各複数画素の測定可能なセンサパラメータの実際値を画素ドライバに接続することと、
光源からの一定の発光を所定の発光レベルに維持するために、各複数画素についての制御信号を生成すること、を含む方法。
【請求項61】
各複数画素は、光源を含むようにした請求項60記載の方法。
【請求項62】
画素ドライバは、各複数画素に電圧を供給するようにした請求項60記載の方法。
【請求項63】
画素ドライバは、何れの複数画素の内側にも含まれていない請求項60記載の方法。
【請求項64】
複数の画素は、液晶ディスプレイの画素である請求項60記載の方法。
【請求項65】
光源は、発光ダイオードを含むようにした請求項61記載の方法。
【請求項66】
光源は、白色発光ダイオードを含むようにした請求項61記載の方法。
【請求項67】
光源は、有機発光ダイオードを含むようにした請求項61記載の方法。
【請求項68】
各複数センサは、光感応性抵抗、光ダイオードまたは光トランジスタを含むようにした請求項60記載の方法。
【請求項69】
各複数センサは、光感応性抵抗を含み、測定可能なセンサパラメータは、抵抗を横切る電圧を含むようにした請求項60記載の方法。
【請求項70】
実際値を、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータの参照値と比較することをさらに含む請求項60記載の方法。
【請求項71】
参照値は、画像電圧である請求項70記載の方法。
【請求項72】
各複数センサについて参照値を決定するように、複数のセンサを較正することをさらに含む請求項70記載の方法。
【請求項73】
センサを較正する動作は、較正光源を用いてセンサに照射することを含む請求項72記載の方法。
【請求項74】
光源は、有機発光ダイオードであり、制御信号を生成する動作は、該発光ダイオードを流れる電流を増加させることを含む請求項61記載の方法。
【請求項75】
測定値を参照値と比較する動作は、測定値および所定の値をコンパレータに接続することを含む請求項60記載の方法。
【請求項76】
画素ドライバは、変化する信号を、第1行にある各複数画素に供給して、画素からの発光を増加させ、
制御信号を生成する動作は、変化する信号を一定の信号で置き換えて、第1行にある各複数画素から安定した発光を生じさせることを含む請求項60記載の方法。
【請求項77】
変化する信号は、ランプ波形信号を含む請求項76記載の方法。
【請求項78】
ランプ波形信号は、電圧ランプ波形を含む請求項77記載の方法。
【請求項79】
第2行にある複数の画素に関して、変化させ、監視し、接続し、生成し、生成する動作を繰り返すことをさらに含む請求項60記載の方法。
【請求項80】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイを含むパッシブマトリクスディスプレイを制御するための装置であって、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイと接続され、ディスプレイと接続可能であって、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数のコンパレータであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、コンパレータは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作する、複数のコンパレータと、
複数の画素ドライバであって、その各々が共通の列に配置された画素に接続され、複数の画素ドライバの各々が複数のコンパレータのうち選択された1つに接続され、制御信号を受けて、画素からの発光量を維持するように動作する、複数の画素ドライバと、備える装置。
【請求項81】
複数のコンパレータの少なくとも1つに接続された較正ルックアップテーブルをさらに備え、
較正ルックアップテーブルは、所定の発光レベルを示す測定可能なセンサパラメータのうちの少なくとも1つの値を保存するようにした請求項80記載の装置。
【請求項82】
複数の行と複数の列に配列した画素アレイと、
複数の行と複数の列に配列したセンサアレイであって、各センサは、測定可能なセンサパラメータを有し、画素の少なくとも1つからの発光の少なくとも一部を受光するように位置決めされた、センサアレイと、
センサアレイおよび光源アレイと接続され、複数の行のうちの少なくとも1つを選択するように動作する行セレクタと、
複数のコンパレータであって、その各々が、共通の列に配置された複数のセンサと、選択行にある画素について測定可能なセンサパラメータの目標値を示す参照信号とに接続されており、コンパレータは、センサパラメータの測定値を参照信号と比較して、制御信号を生成するように動作する、複数のコンパレータと、
複数のコンパレータと接続された複数の画素ドライバであって、各画素ドライバは、共通の列にある画素とさらに接続されており、画素ドライバは、光源からの発光量を変化させて、制御信号に応じて画素からの発光量を維持するように動作する、複数の画素ドライバと、を備える制御されたパッシブマトリクスディスプレイ。
【請求項83】
画素ドライバは、変化する信号を画素に供給するようにした請求項82記載の制御されたパッシブマトリクスディスプレイ。
【請求項84】
コンパレータは、測定可能なセンサパラメータの測定値を参照信号と比較して、所定の発光レベルに到達したかを決定するように動作する請求項82記載の制御された画素システム。
【請求項85】
前記センサアレイは、光感応性の抵抗、ダイオードまたはトランジスタを含むようにした請求項82記載の制御された画素システム。
【請求項86】
暗シールドをセンサおよび複数の接点と整列させるための方法であって、
第1面に対向した第2面を有する透明基板の第1面の上に暗シールドを形成することと、
暗シールドの上に絶縁材料を成膜することと、
絶縁材料および暗シールドの上にセンサ用の材料を成膜することと、
センサ用の材料の上に電気接点用の材料を成膜することと、
電気接点用の材料の上部に負のフォトレジストで基板をコートすることと、
透明基板に光を通過させるように位置決めされた光源を用いて、光の一部が暗シールドによって阻止されるようにして、負のフォトレジストを露光することと、
負のフォトレジストを現像することと、
複数の電気接点がセンサ用の材料の上に形成され、複数の電気接点が暗シールドと整列するようにして、現像した負のフォトレジストを介して電気接点用の材料をエッチングすることと、を含む方法。
【請求項87】
暗シールドをセンサおよび複数の接点と整列させるための方法であって、
第1面に対向した第2面を有する透明基板の第1面の上に暗シールドを形成することと、
暗シールドの上に絶縁材料を成膜することと、
絶縁材料および暗シールドの上にセンサ用の材料を成膜することと、
センサ用の材料の上に正のフォトレジストで基板をコートすることと、
透明基板に光を通過させるように位置決めされた光源を用いて、光の一部が暗シールドによって阻止されるようにして、正のフォトレジストを露光することと、
正のフォトレジストを現像することと、
暗シールドと一致するように、センサ用の材料をエッチングすることと、
センサ用の材料の上に接点金属を成膜することと、
複数の電気接点が形成され、複数のセンサ用の材料に整列するようにして、接点金属をエッチングすることと、を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−535683(P2007−535683A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517398(P2006−517398)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/019526
【国際公開番号】WO2004/114264
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505467719)ニューライト・コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】NUELIGHT CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/019526
【国際公開番号】WO2004/114264
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505467719)ニューライト・コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】NUELIGHT CORPORATION
【Fターム(参考)】
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