説明

番組データ通信システム

番組データ通信システムにおいて、番組データ送信装置は、番組データ受信装置からの、複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、デスクランブル部により、指定された番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信する。次いで、上記番組データ送信装置は、上記番組データ受信装置からの、上記指定された番組データを送信することを要求する送信要求コマンド信号に応答して、上記指定された番組データをデスクランブルした後、上記デスクランブルされた番組データを上記番組データ受信装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、放送番組や配信番組などの番組のコンテンツデータ(以下、番組データという。)を送信する番組データ送信装置と、送信された番組データを受信する番組データ受信装置と、これらの番組データ送信装置及び番組データ受信装置を備えた番組データ通信システムとに関する。ここで、番組データ送信装置は、例えば、放送番組を受信するテレビジョン受像機、放送番組を受信する機能を有するパーソナルコンピュータ、放送番組や配信番組を受信するケーブルテレビジョン(以下、CATVという。)などのためのセットトップボックス、インターネットなどに接続され、番組データをコンテンツサーバ装置から受信した後、転送して送信するキャッシュサーバ装置などである。また、番組データ受信装置は、例えば、番組データを受信して光ディスクなどの記録媒体に記録する、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、CD(Compact Disc)レコーダやハードディスクレコーダなどの記録再生装置、番組データを受信して表示するテレビジョン受像機、番組データを受信して表示する携帯電話機などの携帯端末装置などである。
【背景技術】
近年、デジタルテレビジョン放送が日本国において開始されたのに伴い、放送番組のデジタル信号での伝送や記録が行われている。このデジタルテレビジョン放送では、端末識別番号又は識別表示(以下、識別番号又は識別表示をIDという。)、ユーザ名称、ユーザID、パスワード、スクランブルのキー情報などのセキュリティ情報が格納されたIC(Integrated Circuit)カードをICカード挿入部に挿入しなければ、スクランブルされた放送番組を受信できず、さらに、有料放送の場合には、有料放送を購入する契約をオンライン又はオフラインで行い、当該ICカードに登録しなければ受信できない仕組みになっている。本明細書における「ICカード」は、デスクランブルするために必要なコンディショナル・アクセス・モジュール(CAモジュール)であるすべてのカードを含むことを意味している。カードの実現形態は、ICカードのみならず、PCカードなど他の形態であってもよい。具体的には、欧州のデジタルテレビジョン放送規格のDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)におけるCI(Common−Interface)がPCカードの形態、北アメリカのオープンケーブル(Open Cable)規格におけるケーブルカード(Cable CARD)がPCカードの形態であり、日本のデジタルテレビジョン放送規格のISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting−Terrestrial)では、ICカードの形態である。これらのCAモジュールは、いずれも物理的仕様及び電気的仕様が異なるが、すべてデスクランブルするために用いられるセキュリティモジュールであるCAモジュールであり、本明細書における「ICカード」の範囲内に含まれる。
例えば、日本国特許出願公開2002年111613号公報においては、スクランブルが施された番組データに、各放送受信装置が当該番組を視聴可能かどうかを判定するための契約確認情報が多重化されて配信された信号を受信して記録する蓄積型の放送受信装置(以下、第1の従来例という。)が開示されている。この第1の従来例に係る放送受信装置では、放送受信装置が現在蓄積している各番組と、それぞれの再生に用いるべき契約が有効なICカードとの対応を、視聴に先立ってユーザに即座に知らせるために、以下のように構成されている。番組記録装置は、RFモジュレータにより復調されたデータをスクランブルされた状態で記録する一方、契約確認情報フィルタは、番組記録装置に記録される復調データから、各番組に多重されている契約確認情報を抽出する。制御部は、各番組毎に契約確認情報フィルタにより抽出された契約確認情報とICカードのIDを対応付けて番組記録装置の特定領域に記録する。再生時に、制御部は、番組記録装置の特定領域に記録しておいた情報を読み出して、各番組の視聴条件等を求め、対応するICカードのIDとともに画面に表示する。すなわち、第1の従来例では、ハードディスクメモリなどの記録媒体に蓄積されているスクランブルされた番組データを再生する際に、どのICカードを用いるべきかの提示方法は開示されており、ICカードのIDと番組を関連付けた契約確認情報を記録媒体に記憶し、番組データの読み出し時に契約確認情報を参照して必要なICカードを認識することが開示されている。
また、日本国特許出願公開2002年064798号公報においては、複数の視聴契約に基づく複数のデジタル放送受信装置を使用する場合に、相互に視聴契約情報を融通し、視聴者の使用状況に応じて適切な視聴環境を実現するためのデジタル放送受信システム(以下、第2の従来例という。)が開示されている。この第2の従来例に係るデジタル放送受信システムは、具体的には、互いに通信可能に接続された複数の受信符号化統合装置(Integrated Receiver and Decoder;以下、IRD装置という。)等と視聴契約情報管理サーバ装置とを含み、視聴契約情報管理サーバ装置のICカードスロットにはICカードが装着される。各IRD装置等で選択された番組に対するスクランブルを解除するためのスクランブルキーを視聴契約情報管理サーバ装置に装着された複数のICカードから提供する際に、各ICカード等の視聴契約情報管理部に保持された視聴契約対象番組の情報に基づいて視聴契約を相互に融通することにより、選択された番組に対応するICカードを選択する。すなわち、スクランブルされている番組を異なるIRD装置間で視聴をする際に、サーバ受信機とIRD装置間で相互に視聴契約情報を融通する方法は開示されており、選択された番組が視聴可能か否かを判別し、視聴可能と判断された場合、選択された番組の復号化情報を送信する一方、送信された復号化情報を受信した後復号化して情報を抽出する。
【発明の開示】
しかしながら、第1の従来例において、DVDレコーダなどの記録装置がスクランブルされている番組を記録する際に、ユーザが放送事業者との契約で所有しているICカードが記録装置に挿入されておらず、受信装置であるテレビジョン受像機に挿入されている場合は、番組データを記録できないという問題点があった。すなわち、ユーザは、提示に従って受信装置にICカードを挿入する必要があり、また、番組データを配信するサーバ装置を用意する必要があった。
また、第2の従来例においては、デスクランブルキーをネットワークを介して伝送する必要があるために、セキュリティを保持できないという問題点があるとともに、北アメリカのオープンケーブル(Open Cable)の規格や、欧州のDVB−T(Digital Video Broadcasting−Terrestrial)の規格における限定受信方式ではICカード(実際はPCカードの形態)とデスクランブラが単一のCAモジュールで構成されているために、第2の従来例のシステムを構築できないという問題点があった。
さらに、番組データをデスクランブルできない第1の番組受信装置に、番組データをデスクランブルできる第2の番組受信装置を追加して接続することにより、番組データをデスクランブルして視聴することが考えられるが、これら2つの番組受信装置の番組の選局操作を統一できないという問題点があった。
またさらに、受信装置を移動して番組を視聴する際、当該番組の放送波の受信状態が悪くなった場合、番組データをデスクランブルできず、番組を視聴できない場合があるという問題点があった。
本発明の第1の目的は以上の問題点を解決し、送信側の片方の装置にセキュリティ保持用のICカードを挿入するのみで、番組データをスクランブルして番組を視聴できる番組データ通信システムを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は以上の問題点を解決し、セキュリティ情報のセキュリティを保持し、番組選局の操作を統一でき、良好な受信環境で番組データをスクランブルして番組を視聴できる番組データ通信システムを提供することにある。
第1の発明に係る番組データ送信装置は、
複数の番組データを受信し又は格納して配信する配信手段と、
上記複数の番組データのうち少なくとも1つの番組データをデスクランブルするデスクランブル手段と、
番組データ受信装置からの、複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、上記デスクランブル手段により当該指定された番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信する第1の通信手段と、
上記番組データ受信装置からの、上記指定された番組データを送信することを要求する送信要求コマンド信号に応答して、上記指定された番組データをデスクランブルした後、上記デスクランブルされた番組データを上記番組データ受信装置に送信する第2の通信手段とを備えたことを特徴とする。
上記番組データ送信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されるカードの有無に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
また、上記番組データ送信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されたカード識別情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
さらに、上記番組データ送信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納された番組の購入状況又は契約状況に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
またさらに、上記番組データ送信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、所定の会員情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
またさらに、上記番組データ送信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、上記カードに格納されたマスターキー情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データを復号化するための復号化キーを生成し、上記生成された復号化キーに基づいて、上記少なくとも1つの番組データを復号化することを特徴とする。
上記番組データ送信装置において、上記第1の通信手段は、好ましくは、上記番組データ受信装置からの、複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、上記指定された番組データに係る所定の付加的な提供サービスの購入の可否を通知する通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信し、これに応答して、上記番組データ受信装置からの、上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号を受信し、これに応答して、デスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信することを特徴とする。
また、上記番組データ送信装置において、上記第1の通信手段は、好ましくは、上記番組データ受信装置からの、複数の番組データのうちすべての番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、当該すべての番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信することを特徴とする。
さらに、上記番組データ送信装置において、上記第1の通信手段は、好ましくは、アイソクロナスプロトコルを用いて上記コマンド信号を送受信し、
上記第2の通信手段は、好ましくは、アシンクロナスプロトコルを用いて上記番組データを送信することを特徴とする。
第2の発明に係る番組データ受信装置は、
複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号を番組データ送信装置に送信する第3の通信手段と、
上記番組データ送信装置からの、上記指定された番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号に応答して、上記番組データをデスクランブルして送信することを要求する送信要求コマンド信号を上記番組データ送信装置に送信する第4の通信手段と、
上記番組データ送信装置からの、デスクランブルされた番組データを受信する第5の通信手段とを備えたことを特徴とする。
上記番組データ受信装置において、上記第3の通信手段は、好ましくは、上記番組データ送信装置からの、上記指定された番組データに係る所定の付加的な提供サービスの購入の可否を通知する通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に受信し、これに応答して、上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号を上記番組データ送信装置に送信することを特徴とする。
また、上記番組データ受信装置において、上記第3及び第4の通信手段は、好ましくは、アイソクロナスプロトコルを用いて上記コマンド信号を送受信し、
上記第5の通信手段は、好ましくは、アシンクロナスプロトコルを用いて上記番組データを受信することを特徴とする。
さらに、上記番組データ受信装置において、好ましくは、番組データを受信する受信手段と、
上記番組データをデスクランブルするデスクランブル手段とをさらに備え、
上記デスクランブル手段が上記受信手段が受信する番組データをデスクランブルできないときに、上記第4の通信手段は、上記番組データをデスクランブルして送信することを要求する送信要求コマンド信号を、上記番組データ送信装置に送信することを特徴とする。
また、上記番組データ受信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されるカードの有無に基づいて、上記番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
さらに、上記番組データ受信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されたカード識別情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
またさらに、上記番組データ受信装置において、上記デスクランブル手段は、好ましくは、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納された番組の購入状況又は契約状況に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
上記番組データ送信装置において、好ましくは、上記番組データ受信装置から、所定の会員情報を含む上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号を受信し、通信可能に接続されるコンテンツサーバ装置に上記所定の会員情報を転送し、これに応答して、上記コンテンツサーバ装置から認証結果を受信する第6の通信手段をさらに備え、上記認証結果に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする。
また、上記番組データ送信装置において、好ましくは、スクランブルされた番組データをデスクランブルするデスクランブル手段をさらに備え、
上記第6の通信手段は、上記番組データ送信装置から送信されるスクランブルされた番組データを受信し、上記受信された番組データを上記デスクランブル手段によりデスクランブルし、デスクランブルされた番組データを上記番組データ受信装置に送信することを特徴とする。
さらに、上記番組データ送信装置において、上記番組データ送信装置と、上記番組データ受信装置とは、好ましくは、無線通信回線を介して接続されたことを特徴とする。ここで、上記無線通信回線は好ましくは、無線LANであることを特徴とする。
第3の発明に係る番組データ通信システムは、上記番組データ送信装置と、上記番組データ受信装置とを備え、
上記番組データ送信装置と上記番組データ受信装置とは、所定の通信回線を介して接続されたことを特徴とする。
第4の発明に係る番組データ通信システムは、上記番組データ送信装置と、上記番組データ受信装置と、上記コンテンツサーバ装置とを備え、
上記番組データ送信装置と上記コンテンツサーバとは、所定の第1の通信回線を介して接続され、
上記番組データ送信装置と上記番組データ受信装置とは、所定の第2の通信回線を介して接続されたことを特徴とする。
上記番組データ通信システムにおいて、好ましくは、上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号のデータ領域において、ネットワークを識別する情報及びサービスを識別する情報及びCAモジュールを識別する情報が格納されることを特徴とする。
また、上記番組データ通信システムにおいて、好ましくは、上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号のデータ領域において、当該番組の契約状態を示すための情報、当該番組を購入可能/購入不可能の区別する情報が格納されることを特徴とする。
さらに、上記番組データ通信システムにおいて、好ましくは、上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号のデータ領域において、上記データ受信装置の端末IDが格納されることを特徴とする。
上記番組データ通信システムにおいて、好ましくは、上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号のデータ領域において、上記データ送信装置のユーザが視聴契約済みのパッケージ又は購入済みのサービスの一覧のデータが格納されることを特徴とする。
また、上記番組データ通信システムにおいて、好ましくは、上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号のデータ領域において、ユーザID、パスワード及び端末IDが格納されることを特徴とする。
さらに、上記番組データ通信システムにおいて、好ましくは、上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号のデータ領域において、当該番組の契約状態を示すための情報、当該番組を購入可能/購入不可能の区別する情報が格納されることを特徴とする。
またさらに、上記番組データ通信システムにおいて、好ましくは、上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号のデータ領域において、上記データ受信装置の端末IDが格納されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る番組データ通信システムの構成を示すブロック図である。
図2は、図1のテレビジョン受像機401の詳細構成を示すブロック図である。
図3は、図1のDVDレコーダ501の詳細構成を示すブロック図である。
図4は、図1のテレビジョン受像機401とDVDレコーダ501との間で、デスクランブルされたトランスポートストリーム信号(以下、TSという。)を送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。
図5は、図1のテレビジョン受像機401とDVDレコーダ501との間での通信手順でコマンド信号を伝送するためのAV/Cコマンドのフォーマットを示す図である。
図6は、図2のテレビジョン受像機401によって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図7は、図3のDVDレコーダ501によって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る番組データ通信システムの構成を示すブロック図である。
図9は、図8のCATV用セットトップボックス401Sの詳細構成を示すブロック図である。
図10は、図8のテレビジョン受像機401Aの詳細構成を示すブロック図である。
図11は、図8のCATV用セットトップボックス401Sとテレビジョン受像機401Aとの間で、デスクランブルされたTSを送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。
図12は、図11の通信手順において用いるデスクランブル可否の通知要求コマンドのフォーマットを示す図である。
図13は、図11の通信手順において用いるデスクランブル可否の通知コマンドのフォーマットを示す図である。
図14は、図11の通信手順において用いる購入要求及び端末ID通知コマンドのフォーマットを示す図である。
図15は、図9のCATV用セットトップボックス401Sによって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図16は、図15のサブルーチンであるペイパービュー(Pay Per View;以下、PPVという。)確認処理をフローチャートである。
図17は、図10のテレビジョン受像機401Aによって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図18は、図17のサブルーチンであるPPV確認処理を示すフローチャートである。
図19は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る通信手順であって、図8のCATV用セットトップボックス401Sとテレビジョン受像機401Aとの間で、デスクランブルされたTSを送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。
図20は、図19の通信手順において用いるデスクランブル可否の通知要求コマンドのフォーマットを示す図である。
図21は、図19の通信手順において用いるデスクランブル可否の通知コマンドのフォーマットを示す図である。
図22は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る通信手順で用いられ、図9のCATV用セットトップボックス401Sによって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図23は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る通信手順で用いられ、図10のテレビジョン受像機401Aによって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図24は、本発明の第3の実施形態に係る番組データ通信システムの構成を示すブロック図である。
図25は、図24の携帯端末装置603の詳細構成を示すブロック図である。
図26は、図24のキャッシュサーバ装置602の詳細構成を示すブロック図である。
図27は、図24のオリジナルコンテンツサーバ装置600とキャッシュサーバ装置602と携帯端末装置603との間で、デスクランブルされたTSを送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。
図28は、図27の通信手順で用いるデスクランブル可否の通知要求コマンドのフォーマットを示す図である。
図29は、図27の通信手順で用いるデスクランブル可否の通知コマンドのフォーマットを示す図である。
図30は、図26のキャッシュサーバ装置602によって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図31は、図30のサブルーチンである確認処理を示すフローチャートである。
図32は、図24のオリジナルコンテンツサーバ装置600によって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図33は、図25の携帯端末装置603によって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図34は、図33のサブルーチンである確認処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る種々の好ましい実施形態について説明する。なお、図面において、同様の構成要素については同一の符号を付し、詳細説明を省略する。
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る番組データ通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態に係る番組データ通信システムは、デジタルテレビジョン放送波の番組のコンテンツデータ(以下、番組データという。)を受信して表示するテレビジョン受像機401と、映像信号と音声信号とを含むAV信号をDVDに記録し、再生するDVDレコーダ501とを備えて構成される。これら2つの装置401,501は、種々のコマンド信号(以下、コマンドという。)を含むデジタルバス信号、並びに、テレビジョン受像機401により受信された後デスクランブルされた番組データのAV信号を送受信するためのバス配線431Bを介して互いに接続されるとともに、DVDレコーダ501により再生されたAV信号をテレビジョン受像機401に伝送して表示するため、又はテレビジョン受像機401により受信された後復調されたAV信号をDVDレコーダ501に伝送して記録するためのアナログ映像信号ケーブル409A及びアナログ音声信号ケーブル412Aを介して接続されている。
ここで、バス配線431Bは、例えばいわゆるアイリンク(i.link)と呼ばれるIEEE1394に準拠したシリアルデジタルバス信号を用いて通信を行うためのケーブル配線である。なお、IEEE1394に準拠したシリアルデジタルバス信号に代えて、例えばUSB(Universal Serial Bus)又はIEEE802.3に準拠したイーサネットのシリアルデジタルバス信号を用いてもよく、IEEE802.11又はUWBに準拠した無線LANを用いてもよい。さらに、HDMI(High−Definition Multi−media Interface)のようなパラレルバス信号であって、AV信号はベースバンド信号を伝送してもよい。
本実施形態に係るテレビジョン受像機401は、デジタルテレビジョン放送波の番組データをアンテナ438を用いて受信し、ICカード部450のスロットに挿入されたICカード内のセキュリティ情報に基づいて、受信した番組データをデスクランブルし、図4に示すように、DVDレコーダ501からの選局コマンド及びTS出力要求コマンドに応答して、デスクランブルされた番組データ(デジタル映像信号、デジタル音声信号、及び番組情報などを含む。)を含むトランスポートストリーム(以下、TSという。)をDVDレコーダ501に送信する。一方、DVDレコーダ501は、デスクランブルされたTSを受信して、DVDディスクに記録する。なお、本実施形態においては、テレビジョン受像機401のICカード部450には、識別情報、端末ID、ユーザ名称、ユーザID、パスワード、スクランブルのキー情報などのセキュリティ情報が格納された正規のICカードが挿入済みであるが、DVDレコーダ501のICカード部549のスロットには正規のICカードが未挿入であると仮定する。ここで、「正規のICカード」とは、ユーザが放送事業者との契約を行って、所有している番組データをデスクランブル可能なCAモジュールを意味している。なお、デスクランブルされた番組データはトランスポートストリームに替えてプログラムストリームであってもよい。
以下、図2及び図3を参照して、テレビジョン受像機401及びDVDレコーダ401の詳細構成について説明する。
図2は、図1のテレビジョン受像機401の詳細構成を示すブロック図である。図2において、デジタルテレビジョン放送波の無線信号は、例えばパラボラアンテナなどのアンテナ438により受信された後、受信部405に入力される。受信部405は、入力される無線信号に対して、高周波増幅、周波数変換、選局処理などの処理を実行した後、周波数変換後の中間周波信号を復調部406に出力する。ここで、無線信号及び中間周波信号は、デジタル映像信号と、デジタル音声信号と、番組データなどを多重化してなる、例えばMPEG−2(Motion Picture Expert Group−2)に規定するTSに従って搬送波信号を変調してなる変調信号である。復調部406は、入力される中間周波信号を所定の復調方式に従ってTSをデジタル復調した後、TSデコーダ407に出力する。
TSデコーダ407は、アンテナ438により受信されるデジタルテレビジョン放送の番組データをDVDレコーダ501に記録する際には、復調部406からのTSに対してパケットフィルタリングを行い、記録する番組に係るデジタル映像信号及びデジタル音声信号、データ放送、番組表データ(複数の番組について、番組名称、番組の日時、番組の内容に関する要旨情報などを含むデータである。)を含むTSを、AVデコーダ408、映像スイッチ409及び音声スイッチ412、並びに入出力端子T11,T12を介してDVDレコーダ501に出力する。とって代わって、上記TSを、後述するようにICカード部450及びデスクランブル部451がデスクランブルした後に、インターフェースLSI418を用いてバス配線431Bを介してDVDレコーダ501に出力する。また、TSデコーダ407は、アンテナ438により受信するデジタルテレビジョン放送の番組をディスプレイ411及びスピーカ413,414により視聴する際には、復調部406からのTSに対して、マイクロコンピュータ416の制御によりパケットフィルタリングやパケットに格納されているデータの抽出を行い、デジタル映像信号やデジタル音声信号のエレメンタリストリームと、データ放送のBML(Broadcasting Makeup Language)データと、番組表データとを抽出して、上記エレメンタリストリームをAVデコーダ408、映像スイッチ409、RGBプロセッサ410及びRGBスイッチ445を介して、例えば液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイなどのディスプレイ411に出力して、その画像を表示するとともに、上記BMLデータ及び番組表データをマイクロコンピュータ416に出力する。
さらに、TSデコーダ407に入力されるTSが有料放送番組などのためにスクランブルされている場合は、スクランブルされたTSからデスクランブルするための復号化キーを生成するためのスクランブルキー情報(当該スクランブルキー情報は、日本国におけるデジタル放送では、フラット契約、シリーズ契約、PPV(Pay Per View)契約などの各番組の契約条件の設定に依存して、番組に付随して放送波に含めて送出されて受信されるECM(Entitlement Control Message;共通情報ともいう。)に関する情報である。なお、各契約者の契約内容は、EMM(Entitlement Management Message;個別情報ともいう。)を用いて送出されて受信される。)を抽出し、所定のセキュリティ情報を格納したICカードを挿入するスロットを有するICカード部450に出力する。ICカード部450は、入力したスクランブルキー情報に基づき、指定された番組の購入状況、又は契約状況を確認し、ICカード部450のスロットに挿入されたICカード内のマスターキー情報を用いて解読された復号化キー情報(デスクランブルするためのキー情報)を生成してデスクランブル部451に出力するとともに、ICカードの挿抜状態をマイクロコンピュータ416に出力する。デスクランブル部451は、TSデコーダ407からのスクランブルされたTSを、上記解読された復号化キー情報を用いてデスクランブルした後、デスクランブルされたTSをTSデコーダ407に戻すように出力する。ここで、ICカード部450は、ICカードの挿抜状態、もしくはICカード内の識別情報、指定された番組の購入状況又は契約状況を、視聴したい指定された番組データをデスクランブル可能である否かを判断するための情報としてデスクランブル部451及びTSデコーダ407を介してマイクロコンピュータ416に出力する。
AVデコーダ408は、TSデコーダ407からのデジタル映像信号及びデジタル音声信号を含むエレメンタリストリームに対して、例えばMPEG−2などの放送規格に則った復号化処理を行ってアナログ映像信号及びアナログ音声信号を生成し、アナログ映像信号を映像スイッチ409に出力するとともに、アナログ音声信号を音声スイッチ412に出力する。また、AVデコーダ408は、アンテナ438により受信されるデータ放送の表示時には、データ放送の定義ファイルで指定される縮小率又は拡大率で映像信号に対してスケーリング処理を実行し、データ放送に基づく効果音の生成と、当該効果音と音声信号との合成処理も実行する。AVデコーダ408からのアナログ映像信号は、例えば、アナログYUV信号(輝度信号Y、Y−R=U信号、Y−B=V信号を含む。)であり、AVデコーダ408からのアナログ音声信号は、例えば、アナログの右音声信号及びアナログの左音声信号である。
映像スイッチ409は、DVDレコーダ501から入出力端子T11を介して入力されるアナログ映像信号と、AVデコーダ408から入力されるアナログ映像信号とを、マイクロコンピュータ416の制御に従って、選択的に切り換えてRGBプロセッサ410に出力する。RGBプロセッサ410は、映像スイッチ409から出力されるアナログ映像信号を、ディスプレイ411に表示するために適した信号レベルを有しかつディスプレイ411の同期制御回路から出力される同期信号に同期化するRGB信号に変換して、RGBスイッチ445を介してディスプレイ411に出力する。OSD(On Screen Display)コントローラ446は、マイクロコンピュータ16の制御に従って、バッファメモリ417に格納された、描画した番組関連情報や番組表やデータ放送の画面やGUI(Graphic User Interface)画面の画像データを、バッファメモリ417から読み出し、当該画像データを、ディスプレイ411に表示するために適した信号レベルを有しかつディスプレイ411の同期制御回路から出力される同期信号に同期化するRGB信号に変換して、RGBスイッチ445を介してディスプレイ411に出力する。ここで、RGBスイッチ445は、OSDコントローラ446を介したマイクロコンピュータ416の制御に基づいて、RGBプロセッサ410からのRGB信号と、OSDコントローラ446からのRGB信号とを合成し、又は選択的に切り換えてディスプレイ411に出力して表示する。
音声スイッチ412は、マイクロコンピュータ416の制御に従って、DVDレコーダ501から入出力端子T12を介して入力されるアナログ音声信号と、AVデコーダ408から出力されるアナログ音声信号とを合成し、又は選択的に切り換えて音声増幅器437を介して左右のスピーカ414,413に出力する。
リモートコントローラ434はユーザによりテレビジョン受信機401の動作を遠隔で制御するためのコントローラであって、種々の入力キー441乃至444及び447と、入力キーにより入力された指示情報に従って、例えば赤外線信号を変調し、変調された赤外線信号をテレビジョン受像機401の受光部439に送信する信号送信部434Aとを備える。ここで、入力キーは、DVDレコーダ501内のDVDディスク524に記録された番組データを再生することを指示するための再生キー442と、上記再生を停止することを指示するための停止キー441と、再生中や視聴中の番組に関連する番組情報を表示することを指示するための番組情報表示キー443と、操作した前の状態に戻ることを指示するための戻るキー444と、デジタルテレビジョン放送波を用いて送信されてくるデータ放送のデータ内容を表示することを指示するためのデータ放送表示キー447と、データ放送の画面を操作するための十字キーなどを備えている。リモートコントローラ434の信号送信部434Aから送信された赤外線信号は、テレビジョン受像機401内の受光部439により受信され、受光部439は受信した赤外線信号を電気信号に光電変換し、増幅しかつ復調して、指示情報のデータを取り出し、マイクロコンピュータ416に出力する。
マイクロコンピュータ416は、テレビジョン受像機401内の各構成要素を制御するとともに、受信部405から復調部406及びTSデコーダ407を介して入力されるデータ放送のBMLデータや番組表データに基づいて、それらの内容を解釈しバッファメモリ417を用いてデータ放送の画面を構築して描画するとともに、もしくは、番組表や番組関連情報を描画することにより画像データを発生してOSDコントローラ446に出力する。ここで、マイクロコンピュータ416には、現在日時を計時するクロック回路416Aと、ユーザがデータ放送のゲームやクイズ番組などで得たポイントや権利などを記憶する不揮発性ランダムアクセスメモリ(以下、NVRAMという。)452と、バス配線431Bを介して種々のコマンドを用いて接続機器と通信を行うときの種々のコマンドのフォーマットを予め格納するコマンド書式メモリ416Bと、テレビジョン受像機401自身の端末IDである自端末IDを格納する自端末IDメモリ416Cと、バス配線431B上に接続された接続機器の中で端末IDを用いた認証を通す機器の端末IDを登録して格納するための登録端末ID416Dとが接続されている。自端末IDは、テレビジョン受像機401の製造時に書き込まれることが考えられる。登録端末IDは、ユーザが図示していない入力装置を用いて端末IDを入力して登録する場合や、バス配線431B上に接続される機器の端末IDを後述するように非同期送受信部430を介して取得してマイクロコンピュータ416が登録する場合が考えられる。なお、マイクロコンピュータ416は、ユーザが次回視聴時に、NVRAM452に記憶されているポイントや権利を読み出してユーザが使用できるように制御する。
インターフェースLSI418は、バス配線431Bを介して接続機器とシリアル通信を実行するための通信インターフェース回路であって、種々の構成要素回路419,422,423,424,432,436,429,430,431を備えて構成される。ここで、PHY回路431は、バス配線431Bに接続され、例えばIEEE1394に準拠した物理層のインターフェース回路であり、LINK回路429から出力されるTS及びコマンド信号などをバス配線信号に変換した後、バス配線431Bを介してDVDレコーダ501などの接続機器に出力する一方、接続機器からバス配線431Bを介して送られてくるコマンド信号などを受信して回路内信号に変換してLINK回路429に出力する。TSインターフェース419は、TSデコーダ407から出力される例えばMPEG−2などの圧縮されたTSのパケット信号を、例えば映像信号や音声信号のエレメンタリストリームのパケット信号やデータ放送のBMLデータや番組関連情報をTS様式に格納したパケット信号に変換して同期送受信部424内の情報挿入部425に出力する。
同期送受信部424は、情報挿入部425と、TS送受信部426とを備えて構成され、受信されたサイクルスタートのパケット信号のタイミングに同期して同期パケット信号の送受信を行う。同期送受信部425は、帯域を保証するためのチャンネルや連続性を確保するためのデータを含む同期パケット用ヘッダーを送信データに付加し、又は受信データから同期パケット用ヘッダーを削除するプロトコルを備える。このプロトコルは、一般的にはアイソクロナスプロトコルと呼ばれている。ここで、情報挿入部425は、番組関連情報メモリ423に記憶されている番組関連情報を送信データをTS形式のパケット信号に変換し、変換されたパケット信号をTSインターフェース419から入力されるTSに重畳してTS送受信部426に出力する。重畳の方法として、例えば、入力されるTSのギャップに定期的に番組関連情報メモリ423から番組関連情報を読み出して挿入する方法を用いる。また、TS送受信部426は、送信時には情報挿入部425から出力される上記重畳されたTSのパケット信号に、同期パケット用ヘッダーを付加して同期パケット信号に変換してLINK回路429に出力する。
マイクロコンピュータインターフェース422はインターフェースLSI418の各構成要素回路を制御するためマイクロコンピュータ416に接続され、マイクロコンピュータ416から、非同期パケット信号の形式で送信するデータを、マイクロコンピュータ416の制御のもとで受信する。なお、番組関連情報とは記録し又は再生する番組に関連する情報であり、例えばタイトルや概要や出演者などの付加情報である。これらの付加情報は番組表の情報から当該する番組に関連する情報を抽出することで生成できる。番組関連情報メモリ423は、マイクロコンピュータインターフェース22から入力される上記番組関連情報を記憶する。また、ノード識別情報メモリ432は、バス配線431B上に接続されている接続機器の中でテレビジョン受信機401を識別するためのノード番号、及びバス配線431B上に接続されているDVDレコーダ501のノード番号を記憶する。さらに、チャンネル識別情報メモリ436は、バス配線431B上にテレビジョン受信機401とDVDレコーダ501間において、論理的に確保される伝送チャンネルを識別する情報を記憶する。
非同期送受信部430は、送信時には、マイクロコンピュータ416の制御に従って、マイクロコンピュータインターフェース422から入力されるデータを格納した非同期パケット信号を生成し、上記サイクルスタートパケットとは同期させずにLINK回路429に出力する。一方、受信時には、非同期送受信部430は、LINK回路429からの非同期パケット信号を受信し、マイクロコンピュータインターフェース422に出力する。さらに、非同期送受信部430は、送信時には、送信先ノードや自端末ノードのアドレスなどを含む非同期パケット用ヘッダーを、マイクロコンピュータ416の制御に従って、送信データに付加して送信し、受信時には、非同期パケット用ヘッダーを削除して出力するプロトコルを備えている。このプロトコルは、一般的にはアシンクロナスプロトコルと呼ばれている。LINK回路429は、送信時には同期送受信部424及び非同期送受信部430からの送信パケット信号を、PHY回路431に適合するデータに変換してPHY回路431に出力する一方、受信時にはPHY回路431からの入力データを同期送受信部424及び非同期送受信部430に適合するデータに変換して同期送受信部424及び非同期送受信部430に出力する。
本実施形態において、バス配線431Bに接続されている接続機器のノード番号は、バス配線431Bのコンフィギュレーション時に、非同期送受信部430などから受信可能であり、マイクロコンピュータ416はテレビジョン受信機401自身のノード番号やDVDレコーダ501などのノード番号を読み取り認識できる。なお、バス配線431Bに接続されているテレビジョン受信機401及びDVDレコーダ501とノード番号の関連付け情報は、接続機器の属性を示す情報が各ノードからマイクロコンピュータ416の制御で非同期送受信部430を介して取得することができる。例えば、インターフェースLSI418内のTS送受信部426を用いて、TSを含む同期パケット信号を伝送する場合、アイソクロナスプロトコルではそれぞれの同期パケットの送信時に、ノード間で論理的なチャンネルを確保するためにチャンネル番号が割り振られるため、マイクロコンピュータ416はDVDレコーダ501との間に確保されたチャンネル番号を認識でき、ノード識別情報はノード識別情報メモリ432に格納され、チャンネル識別情報はチャンネル識別情報メモリ436に格納される。
なお、PHY回路431はIEEE1394に準拠した回路に代えて、例えばUSB(Universal Serial Bus)又はIEEE802.3に準拠した回路を用いてもよく、さらに、とって代わって、IEEE802.11又はUWB(Ultra Wideband)に準拠した回路を用いてもよい。
図3は、図1のDVDレコーダ501の詳細構成を示すブロック図である。図3において、デジタルテレビジョン放送波は、例えばパラボラアンテナなどのアンテナ537により受信された後、受信部535に入力される。受信部535は、入力される無線信号に対して、高周波増幅、周波数変換、選局処理などの処理を実行した後、周波数変換後の中間周波信号を復調部536に出力する。ここで、無線信号及び中間周波信号は、デジタル映像信号と、デジタル音声信号と、番組データなどを多重化してなる、例えばMPEG−2に規定するTSに従って搬送波信号を変調してなる変調信号である。復調部536は、入力される中間周波信号を所定の復調方式に従ってTSをデジタル復調した後、記録ストリーム選択部522を介してTSデコーダ527に出力する。ここで、記録ストリーム選択部522は、マイクロコンピュータ520の制御に従って、復調部536からのTSと、TSインターフェース509からのTSとを選択的に切り換えてTSデコーダ527に出力する。
TSデコーダ527は、アンテナ537により受信されたデジタルテレビジョン放送波の番組データをDVDディスク524に記録するときには、復調部536から記録ストリーム選択部522を介してTSを入力し、マイクロコンピュータ520の制御によりパケットフィルタリングやデータの抽出を行い、記録する番組に係る映像信号と音声信号とデータ放送のBMLデータとを含むTS並びに番組表データを記録信号処理部523に出力する。このとき、TSデコーダ527は、マイクロコンピュータ520の制御により番組表データから記録番組に関連する番組関連情報を抽出して、番組関連情報を含むTSパケット信号を生成して記録信号処理部523に出力する。一方、テレビジョン受信機401から、バス配線431Bを介して送信されてくる、記録番組の映像信号と音声信号及びデータ放送又は番組関連情報を含むTSを受信するとき、インターフェースLSI517内のTSインターフェース509から記録ストリーム選択部522を介して受信し、パケットフィルタリングやパケットに格納されているデータの抽出を行い、映像や音声のエレメンタリストリームやデータ放送のBMLデータや番組関連情報を含むTSのパケット信号を生成して記録信号処理部523に出力する。
また、TSデコーダ527に入力されるTSが有料放送番組などのためにスクランブルされている場合は、スクランブルされたTSからデスクランブルするための復号化キーを生成するためのスクランブルキー情報を抽出し、所定のセキュリティ情報を格納したICカードを挿入するスロットを有するICカード部549に出力する。ICカード部549は、入力したスクランブルキー情報に基づいて、ICカード部540のスロットに挿入されたICカード内のマスターキー情報を用いて解読された復号化キー情報(デスクランブルするためのキー情報)を生成してデスクランブル部550に出力するとともに、ICカードの挿抜状態をマイクロコンピュータ520に出力する。なお、本実施形態においては、ICカード部549のスロットには正規のICカードが挿入されていないことを仮定している。ここで「正規のICカードが挿入されていない場合」とは、何もICカードが挿入されていないという場合や、ICカードが挿入されていたとしても、番組データをデスクランブル可能なユーザが放送事業者との契約を行って所有しているICカードでない場合を意味する。デスクランブル部550は、TSデコーダ527からのスクランブルされたTSを、上記解読された復号化キー情報を用いてデスクランブルした後、デスクランブルされたTSをTSデコーダ527に戻すように出力する。
記録信号処理部523は、デジタルデータをDVDディスク524に記録するためのスクランブル回路、変調回路及びレーザ等を備えて構成され、TSデコーダ527からの記録用TSを受信し、受信した記録用TSを、マイクロコンピュータ520の制御に従ってDVDディスク524に記録する。サーボコントローラ525は、DVDディスク524用モータのサーボ制御と、ディスク524の回転制御やトラッキング等をマイクロコンピュータ520の制御に従って実行する。ここで、DVDディスク524は例えば青色レーザ対応のDVDディスクなどである。
リモートコントローラ518はユーザによりDVDレコーダ501の動作を遠隔で制御するためのコントローラであって、種々の入力キー542,543,551,563,564,567と、入力キーにより入力された指示情報に従って、例えば赤外線信号を変調し、変調された赤外線信号をDVDレコーダ501の受光部519に送信する信号送信部518Aとを備える。ここで、入力キーは、DVDレコーダ501内のDVDディスク524に記録用TSを記録することを指示するための録画キー542と、DVDディスク524に記録されたTSを再生することを指示するための再生キー543と、上記記録又は再生を停止することを指示するための停止キー551と、記録中又は再生中や視聴中の番組に関連する番組情報を表示することを指示するための番組情報表示キー563と、操作した前の状態に戻ることを指示するための戻るキー564と、デジタルテレビジョン放送波を用いて送信されてくるデータ放送のデータ内容を表示することを指示するためのデータ放送表示キー567と、データ放送の画面を操作するための十字キーなどを備えている。リモートコントローラ518の信号送信部518Aから送信された赤外線信号は、DVDレコーダ501内の受光部519により受信され、受光部519は受信した赤外線信号を電気信号に光電変換し、増幅しかつ復調して、指示情報のデータを取り出し、マイクロコンピュータ520に出力する。
マイクロコンピュータ520は、DVDレコーダ501内の各構成要素を制御するとともに、DVDディスク524のファイルシステムを制御する。また、マイクロコンピュータ520は、受信部535から復調部536、記録ストリーム選択部522及びTSデコーダ527を介して入力されるデータ放送のBMLデータや番組表データに基づいて、それらの内容を解釈しバッファメモリ521を用いてデータ放送の画面を構築して描画するとともに、もしくは、番組表や番組関連情報を描画することにより画像データを発生してOSDコントローラ553に出力する。ここで、マイクロコンピュータ520には、現在日時を計時するクロック回路520Aと、ユーザがデータ放送のゲームやクイズ番組などで得たポイントや権利などを記憶するNVRAM520と、バス配線431Bを介して種々のコマンドを用いて接続機器と通信を行うときの種々のコマンドのフォーマットを予め格納するコマンド書式メモリ520Bと、DVDレコーダ501自身の端末IDである自端末IDを格納する自端末IDメモリ520Cと、バス配線431B上に接続された接続機器の中で端末IDを用いた認証を通す機器のIDを登録して格納するための登録端末ID520Dと、DVDディスク524に記録する番組データとDVDディスク524上の記録位置の情報をマイクロコンピュータ520の制御に従って関連付ける情報を記憶する番組インデックスメモリ529とが接続されている。自端末IDは、DVDレコーダ501の製造時に書き込まれる。登録端末IDは、ユーザが入力装置(図示せず。)を用いて端末IDを入力して登録され、もしくは、バス配線431B上に接続される機器の端末IDを後述するように非同期送受信部504を介して取得してマイクロコンピュータ520が登録端末IDを登録する。なお、マイクロコンピュータ520は、ユーザが次回視聴時に、NVRAM552に記憶されているポイントや権利を読み出してユーザが使用できるように制御する。
再生信号処理部545は、DVDディスク524に記録された番組データを再生するためのピックアップ、復調回路及びデスクランブル回路等を備えて構成され、DVDディスク524に記録されたデジタルデータを再生し、再生されたデジタルデータをマイクロコンピュータ520の制御に従ってTSに変換してTSデコーダ540に出力する。TSデコーダ540は、再生信号処理部545から入力されるTSについて、マイクロコンピュータ520の制御に従ってパケットフィルタリングやパケットに格納されているデータの抽出を行い、MPEG−2デコーダ546又はサブピクチャデコーダ530に対して映像信号や音声信号のエレメンタリストリーム又はサブピクチャのデータを出力する。また、TSデコーダ540は、再生されたTSに含まれるデータ放送のBMLデータや番組関連情報をマイクロコンピュータ520に出力する。MPEG−2デコーダ546は、TSデコーダ540から出力される映像信号や音声信号のエレメンタリストリームを受信し、受信したエレメンタリストリームに対してMPEG−2の復号化処理を行い、アナログ映像信号とアナログ音声信号に変換して出力するとともに、データ放送の表示時には、アナログ映像信号をデータ放送の定義ファイルで指定される縮小率又は拡大率でスケーリング処理を実行するとともに、効果音の生成と、生成された効果音と音声との合成処理を実行する。MPEG−2デコーダ546により発生されるアナログ映像信号は、例えばアナログYUV信号であり、MPEG−2デコーダ546により発生されるアナログ音声信号は、例えば左右の音声信号である。さらに、サブピクチャデコーダ530は、マイクロコンピュータ520の制御に従って、TSデコーダ540から入力されるサブピクチャのデータをアナログYUV信号に変換して映像合成部547に出力する。
OSDコントローラ553は、マイクロコンピュータ520の制御に従ってバッファメモリ521に描画した番組関連情報や番組表やデータ放送の画面やGUI画面の画像データをアナログYUV信号に変換するとともに、変換されたアナログYUV信号を、内部に備える同期生成回路から出力される同期信号に同期化した後出力する。この同期信号は、MPEG−2デコーダ546及びサブピクチャデコーダ530にも出力され、上記のアナログYUV信号は、当該同期信号に同期化される。映像合成部547は、MPEG−2デコーダ546、サブピクチャデコーダ530及びOSDコントローラ553からのアナログYUV信号を受信し、受信した複数のアナログYUV信号を、OSDコントローラ553を介したマイクロコンピュータ520の制御に従って合成して出力する。ここで、映像合成部546から出力されるアナログYUV信号と、MPEG−2デコーダ546から出力されるアナログ音声信号は、入出力端子T21,T22を介してテレビジョン受像機401に出力される。
インターフェースLSI517は、テレビジョン受像機401のインターフェースLSI418と、以下の相違点を除いて同様に構成される。
(1)番組関連情報メモリ423及び情報挿入部425を備えていない。
(2)TS送受信部426に代えてTSの受信のみを行うTS受信部506を備える。従って、図2の同期送受信部424は、TS受信部506のみを備える。
(3)その他の構成要素回路であるTSインターフェース509、LINK回路504、PHY回路502、マイクロコンピュータインターフェース512、ノード識別情報メモリ514、及びチャンネル識別情報メモリ515はそれぞれ、図2のTSインターフェース419、LINK回路429、PHY回路431、マイクロコンピュータインターフェース422、ノード識別情報メモリ432、及びチャンネル識別情報メモリ436と同様に構成される。
なお、PHY回路502により受信されたTSは、LINK回路503、TS受信部506、TSインターフェース509、及び記録ストリーム選択部522を介してTSデコーダ527に出力される。また、テレビジョン受像機401よりデスクランブルされた番組データはトランスポートストリームに代えてプログラムストリームを受信し、DVDディスク524にプログラムストリームを記録してもよい。
図4は、図1のテレビジョン受像機401とDVDレコーダ501との間で、デスクランブルされたトランスポートストリーム信号(以下、TSという。)を送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。なお、図4において、テレビジョン受像機401において正規のICカードが挿入される一方、DVDレコーダ501に正規のICカードが挿入されていないことを仮定している。
図4において、DVDレコーダ501はテレビジョン受像機401に対して、ICカードの識別情報を伴った正規のICカードの挿抜状態の通知要求コマンドを送信し、これに応答して、テレビジョン受像機401はDVDレコーダ501に対して、正規のICカードが挿入された状態であることを示すICカードの挿抜状態の通知コマンドを送信する。このとき、DVDレコーダ501はテレビジョン受像機401に対して、番組を指定しかつその番組データの出力を要求する選局コマンド及びTS出力要求コマンドを送信する。これに応答して、テレビジョン受像機401は、アンテナ438により受信した、スクランブルされた番組データをデスクランブルして、デスクランブルされたTSを発生してDVDレコーダ501に出力する。これに応答して、DVDレコーダ501は、受信したTSをDVDディスク524に記録し、記録終了時に、記録終了コマンドをテレビジョン受像機401に送信して当該通信手順が終了する。
図5は、図1のテレビジョン受像機401とDVDレコーダ501との間での通信手順でコマンド信号を伝送するためのAV/Cコマンドのフォーマットを示す図である。図5及び以降の図面において、Msbは最上位ビットであり、Lsbは最下位ビットである。当該通信手順では、図5に示すように、IEEE1394に準拠したアシンクロナス・ブロック・ライト・トランザクション(Asynchronous Block Write Transaction)でパケット信号化されたFCP(Function Control Protocol)フレーム内のAV/Cコマンドフレームのフォーマットを使用している。このAV/Cコマンドフレームでは、宛先ID(Destination_ID)、発信元ID(Source_ID)、データ長(Data_length)などのヘッダー情報に加えて、制御種類又は応答種類(Ctype/Response)及び制御指示情報(Opcode,Operand,Additional Operand)を送信する。ここで、制御種類又は応答種類(Ctype/Response)では、例えば「制御」のとき値「0」を挿入し、「受理応答」のとき値「9」を挿入し、「拒絶」のとき値「Ah」を挿入する。また、制御指示情報(Opcode,Operand,Additional Operand)においては、例えば、番組を指定する情報を含むコマンド情報を挿入して送信する。
なお、IEEE802.3やIEC802.11においても、同様なアシンクロナスパケットが定義されており、これらの規格に準拠したコマンド信号を本実施形態において伝送してもよい。具体的には、IEEE802.3やIEC802.11の上位プロトコルであるRFC793で規定されているTCPを用いて、コマンド信号を伝送してもよい。
図6は、図2のテレビジョン受像機401によって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図6において、まず、ステップS101においてDVDレコーダ501から正規のICカードの挿抜状態の通知要求コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS101の処理を繰り返し、YESとなったとき、ステップS102においてテレビジョン受像機401のICカードの挿抜状態(ICカード部450のスロットに正規のICカードが挿入されているか否かを示す状態)を確認する。次いで、ステップS103において正規のICカードがテレビジョン受像機401に挿入されているか否かが判断され、YESのときはステップS104に進む一方、NOのときはステップS109に進む。ステップS109では、正規のICカードが挿入されていないことを通知する正規のICカードの挿抜状態の通知コマンドを送信した後、当該TS送信処理を終了する。
一方、ステップS104においては、正規のICカードが挿入されていることを通知する正規のICカードの挿抜状態の通知コマンドをDVDレコーダ501に送信し、ステップS105において、DVDレコーダ501から記録番組の選局コマンド及びTS出力要求コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS105の処理を所定のタイムアウトの間繰り返し、YESとなったときステップS106に進む。ステップS106において記録番組を選局しデスクランブルしたTSをDVDレコーダ501に送信し、ステップS107においてDVDレコーダ501から記録終了コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS107の処理を繰り返し、YESとなったときステップS108に進み、TSの送信を終了して当該TS送信処理を終了する。
図7は、図3のDVDレコーダ501によって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図7において、まず、ステップS201において予約録画の実行時刻となったか否かが判断され、YESとなるまでステップS201の処理を繰り返し、YESとなったときステップS202に進む。次いで、ステップS202において、DVDディスク524における記録の開始位置を確認し、ステップS203において記録すべき番組データがスクランブルされているか否かが判断され、YESのときはステップS204に進む一方、NOのときはステップS213に進む。ステップS203においてスクランブルされているか否かは、当該番組の番組関連情報の内容を確認することや当該TSのヘッダー情報を確認することで可能である。さらに、ステップS204においてカード部549のスロットに正規のICカードが挿入されているか否かが判断され、YESのときはステップS213に進む一方、NOのときはステップS205に進む。
ステップS213では、記録すべき番組を選局し、番組データをDVDディスク524に記録し、ステップS214において予約録画の終了時間となったか否かが判断され、YESとなるまでステップS214の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS215において番組データの記録を終了し、当該TS受信処理を終了する。
一方、ステップS205では、テレビジョン受像機401にICカードの識別情報を伴った正規のICカードの挿抜状態の通知要求コマンドを送信し、ステップS206において正規のICカードの挿抜状態の通知パケットを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS206の処理を所定のタイムアウト間繰り返し、YESとなったときに、ステップS207に進む。ICカードの識別情報は当該番組の番組関連情報又はMPEG−2規格における番組特定情報の内容を確認することで可能である。ステップS207においてテレビジョン受像機401に正規のICカードが挿入されていたか否かが判断され、YESのときはステップS208に進む一方、NOのときはステップS212に進み、エラー処理を実行した後、当該TS受信処理を終了する。
次いで、ステップS208では、テレビジョン受像機401に選局コマンド及びTS出力要求コマンドを送信し、ステップS209において受信するデスクランブルされたTSをDVDディスク524に記録し、ステップS210において予約録画の終了時間となったか否かが判断される。ここで、YESとなるまでステップS210の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS211に進み、番組データのDVDディスク524への記録を終了し、記録終了を通知する記録終了コマンドをテレビジョン受像機401に送信し、当該TS受信処理を終了する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、テレビジョン受像機401とDVDレコーダ501とがデジタルバス信号を用いたバス配線431Bを介して接続され、DVDレコーダ501のICカード部549に正規のICカードが挿入されていなくても、テレビジョン受像機401のICカード部450に正規のICカードが挿入されていれば、図4に示すように、正規のICカードの挿抜状態の通知要求コマンド及びこれの応答信号である正規のICカードの挿抜状態の通知コマンドを用いて、テレビジョン受像機401での正規のICカードの挿入状態を確認した後、DVDレコーダ501はテレビジョン受像機401に対して、番組を指定しかつその番組データの出力を要求する選局コマンド及びTS出力要求コマンドを送信し、これに応答して、テレビジョン受像機401は、スクランブルされた番組データをデスクランブルしてバス配線431Bを介して伝送してDVDレコーダ501に出力する。従って、DVDレコーダ501は、テレビジョン受像機401で受信した番組データをDVDディスク524に記録することができる。
また、テレビジョン受像機401において、ICカード部とデスクランブル部とが単一のCAモジュール回路であっても本実施形態に係る番組データ通信システムを実施できる。さらに、DVDレコーダ501にテレビジョン受像機401を接続して追加することにより、バス配線431B上で接続機器を検索し、テレビジョン受像機401にデスクランブルの処理を実行させて、デスクランブルされた番組データをバス配線431Bを介して得ることができる。また、DVDレコーダ501での選局方法も変更することなく、当該デスクランブルの機能を追加できる。
第2の実施形態
図8は、本発明の第2の実施形態に係る番組データ通信システムの構成を示すブロック図である。図8において、第2の実施形態に係る番組データ通信システムは、CATVの番組データを受信し復調して出力するCATV用セットトップボックス401Sと、デジタルテレビジョン放送波の番組データを受信して表示するとともに、CATV用セットトップボックス401Sからの番組データを受信して表示するテレビジョン受像機401Aとを備えて構成される。これら2つの装置401S,401Aは、種々のコマンドを含むデジタルバス信号、並びに、CATV用セットトップボックス401Sにより受信された後デスクランブルされた番組データのAV信号を送受信するためのバス配線431Bを介して互いに接続されるとともに、CATV用セットトップボックス401Sにより受信されたアナログAV信号をテレビジョン受像機401Aに伝送して表示するためのアナログ映像信号ケーブル409A及びアナログ音声信号ケーブル412Aを介して接続されている。
本実施形態に係るCATV用セットトップボックス401Sは、CATVの番組データを同軸ケーブル405Cを介して受信し、ICカード部450Sのスロットに挿入されたICカード内のセキュリティ情報に基づいて、受信した番組データをデスクランブルし、図11に示すように、テレビジョン受像機401Aからの選局コマンド及びTS出力要求コマンドに応答して、デスクランブルされた番組データ(デジタル映像信号、デジタル音声信号、及び番組情報などを含む。)を含むTSをテレビジョン受像機401Aに送信する。一方、テレビジョン受像機401Aは、受信したTSのAV信号を受信して表示し出力する。なお、本実施形態においては、CATV用セットトップボックス401SのICカード部450Sには、識別情報、端末ID、ユーザ名称、ユーザID、パスワード、スクランブルのキー情報などのセキュリティ情報が格納された正規のICカードが挿入済みであるが、テレビジョン受像機401AのICカード部450のスロットには正規のICカードが未挿入であると仮定する。
ここで、「正規のICカード」とは、ユーザがCATV事業者との契約を行って所有している番組データをデスクランブル可能なCAモジュールを意味している。なお、デスクランブルされた番組データはトランスポートストリームに替えてプログラムストリームであってもよい。また、本実施形態におけるCATV用セットトップボックス401SはCATVの場合の例を説明するが、CATV網に替わりテレビジョン放送やインターネットから番組を受信するセットトップボックスでもよい。本実施の形態の番組データ通信システムの構成は、受信機と受像機とが接続される構成が趣旨である。
図9は、図8のCATV用セットトップボックス401Sの詳細構成を示すブロック図である。図9において、第2の実施形態に係るCATV用セットトップボックス401Sは、図2のテレビジョン受像機401に比較して以下のように異なる。
(1)デジタルテレビジョン放送波を受信するためのアンテナ438、受信部405、復調部406、ICカード部450、デスクランブル部451及びTSデコーダ407に代えて、それぞれ、CATVのデジタルテレビジョン信号を受信するための同軸ケーブル405C、受信部405S、復調部406S、ICカード部450S、デスクランブル部451S及びTSデコーダ407Sを設けた。
(2)映像スイッチ409及び音声スイッチ412を設けない。
(3)ディスプレイ411に代えて、YUVエンコーダ411S及び出力端子T31を設けた。
(4)左右のスピーカ414,413に代えて、出力端子T32を設けた。
(5)マイクロコンピュータ416に代えて、マイクロコンピュータ416Sを設けた。
以上の相違点について以下詳細説明する。
CATVのデジタルテレビジョン信号は、ヘッドエンド(図示せず。)から送信された後、同軸ケーブル405Cを介して受信部405Sに入力される。受信部405Sは、入力されるデジタルテレビジョン信号に対して、増幅、周波数変換、選局処理などの処理を実行した後、周波数変換後の中間周波信号を復調部406Sに出力する。ここで、デジタルテレビジョン信号及び中間周波信号は、デジタル映像信号と、デジタル音声信号と、番組データなどを多重化してなる、例えばMPEG−2に規定するTSに従って搬送波信号を変調してなる変調信号である。復調部406Sは、入力される中間周波信号を所定の復調方式に従ってTSをデジタル復調した後、TSデコーダ407Sに出力する。
TSデコーダ407Sは、同軸ケーブル405Cを介して受信されるCATVのデジタルテレビジョン信号の番組データをテレビジョン受像機401Aに対して出力する際には、復調部406SからのTSに対してパケットフィルタリングを行い、記録する番組に係るデジタル映像信号及びデジタル音声信号、データ放送、番組表データを含むTSをAVデコーダ408に出力した後、AVデコーダは入力されたTSをYUV信号及び左右の音声信号に変換しそれぞれ、RGBプロセッサ410、RGBスイッチ445、RGB信号をYUV信号に変換するYUVエンコーダ411S、並びに出力端子T31を介して、並びに、音声増幅器437及び出力端子T32を介して、テレビジョン受像機401Aに出力する。もしくは、上記TSを後述するようにICカード部450S及びデスクランブル部451Sがデスクランブルした後に、インターフェースLSI418を用いてバス配線431Bを介してテレビジョン受像機401Aに出力する。
さらに、TSデコーダ407Sに入力されるTSが有料放送番組などのためにスクランブルされている場合は、スクランブルされたTSからデスクランブルするための復号化キーを生成するためのスクランブルキー情報を抽出し、所定のセキュリティ情報を格納したICカードを挿入するスロットを有するICカード部450Sに出力する。ICカード部450Sは、入力したスクランブルキー情報に基づいて、ICカード部450Sのスロットに挿入されたICカード内のマスターキー情報を用いて解読された復号化キー情報(デスクランブルするためのキー情報)を生成してデスクランブル部451Sに出力するとともに、ICカードの挿抜状態をマイクロコンピュータ416に出力する。デスクランブル部451Sは、TSデコーダ407SからのスクランブルされたTSを、上記解読された復号化キー情報を用いてデスクランブルした後、デスクランブルされたTSをTSデコーダ407Sに戻すように出力する。
さらに、マイクロコンピュータ416Sは、CATV用セットトップボックス401S内の各構成要素を制御するとともに、受信部405Sから復調部406S及びTSデコーダ407Sを介して入力されるデータ放送のBMLデータや番組表データに基づいて、それらの内容を解釈しバッファメモリ417を用いてデータ放送の画面を構築して描画するとともに、もしくは、番組表や番組関連情報を描画することにより画像データを発生してOSDコントローラ446に出力する。なお、CATV用セットトップボックス401S内のインターフェースLSI418は、図2のそれと同様に構成され、同様に動作する。
図10は、図8のテレビジョン受像機401Aの詳細構成を示すブロック図である。図10において、第2の実施形態に係るテレビジョン受像機401Sは、図2のテレビジョン受像機401に比較して以下のように異なる。
(1)番組表メモリ416Eをさらに設けた。
(2)インターフェースLSI418に代えて、インターフェースLSI418Aを設けた。
以下、これらの相違点について詳細説明する。
図10において、アンテナ438により受信されたデジタルテレビジョン放送波の番組データに含まれる番組表データをTSデコーダ407により抽出し、当該抽出された番組表データは番組表メモリ416Eに格納された後、マイクロコンピュータ416により読み出される。また、マイクロコンピュータ416は、図19を参照して詳細後述するように、バス配線431Bを介してCATV用セットトップボックス401Sから受信されるデスクランブル可否の通知要求コマンドに含まれる番組の購入状況又は契約状況のデータを、PHY回路431、LINK回路429、非同期送受信部430及びマイクロコンピュータインターフェース422を介して受信し、OSDコントローラ446を用いてディスプレイ411に表示し、もしくは番組の購入状況又は契約状況のデータを用いてデスクランブルの可否を判断する。
インターフェースLSI418Aでは、図2のインターフェースLSI418の同期送受信部424内での情報挿入部425、及び図2の番組関連情報メモリ423を備えず、TS送受信部426のみを備えたことを特徴としている。ここで、PHY回路431及びLINK回路429で受信されたTSはTS送受信部426からTSインターフェース419を介してTSデコーダ407に送られる一方、TSデコーダ407からのTSはTSインターフェース419及びTS送受信部426を介してLINK回路429及びPHY回路431によりCATV用セットトップボックス401Sに送られる。
図11は、図8のCATV用セットトップボックス401Sとテレビジョン受像機401Aとの間で、デスクランブルされたTSを送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。図11において、CATV用セットトップボックス401Sでは正規のICカードが挿入される一方、テレビジョン受像機401Aに正規のICカードが挿入されていないことを仮定している。
図11において、テレビジョン受像機401AはCATV用セットトップボックス401Sに対して、正規のICカードの挿抜状態の通知要求コマンドを送信し、これに応答して、PPVモード処理において、CATV用セットトップボックス401Sはテレビジョン受像機401Aに対して、PPVで購入可否の通知コマンド(購入可能情報を含む。)を送信し、これに応答して、テレビジョン受像機401AはCATV用セットトップボックス401Sに対して、PPVで購入要求及び端末ID通知コマンドを返信する。次いで、CATV用セットトップボックス401Sはテレビジョン受像機401Aに対して、正規のICカードが挿入された状態で購入可能であることを示すデスクランブル可能の通知コマンドを送信する。このとき、テレビジョン受像機401AはCATV用セットトップボックス401Sに対して、番組を指定しかつその番組データの出力を要求する選局コマンド及びTS出力要求コマンドを送信する。これに応答して、CATV用セットトップボックス401Sは、CATVにより受信した、スクランブルされた番組データをデスクランブルして、デスクランブルされたTSを発生してテレビジョン受像機401Aに出力する。これに応答して、テレビジョン受像機401Aは、受信したTSをディスプレイ411及び左右のスピーカ414,413に出力し、番組データの出力終了時に、受信終了コマンドをCATV用セットトップボックス401Sに送信して当該通信手順が終了する。
なお、図11において、PPVモード処理の通信手順を示しているが、本発明はこれに限らず、PPVでないときは、当該PPVモード処理の通信手順を省略してもよい。また、PPVに限らず、シリーズ契約やセット契約など種々の契約の付加的な提供サービスの購入の可否について、上述のPPVモード処理と同様の通信手順で購入確認してもよい。
図12は、図11の通信手順において用いるデスクランブル可否の通知要求コマンドのフォーマットを示す図である。デスクランブル可否の通知要求コマンドには、図12に示すように、当該番組データ通信システムで用いるコマンドを示すオペコード(Opcode)における「CA ENABLE(CC)」及びオペランド(Operand)[O]におけるデータ長を含むヘッダー情報に加えて、付加的なオペランドにおいて、CATV事業者を識別するIDであるネットワークID、CATV事業者名を示す情報であるネットワーク名称、CATVの番組を識別するIDであるサービスID、CATVの番組名を示す情報であるサービス名称、CAシステムID(ここで、CAシステムとはCATVのコンディショナル・アクセス・システムを識別するIDであり、一意的にCAモジュールを示すものである。)を含む。オペランド[1]、[2]が空欄(FF)となっているのは、返答であるデスクランブル可否の通知コマンドがその領域を用いるためである。
図13は、図11の通信手順において用いるPPVで購入可否の通知コマンド又はデスクランブル可否の通知コマンドのフォーマットを示す図である。PPVで購入可否の通知コマンド又はデスクランブル可否の通知コマンドには、図13に示すように、当該番組データ通信システムで用いるコマンドを示すオペコード(Opcode)における「CA ENABLE(CC)」及びオペランド(Operand)[O]におけるデータ長を含むヘッダー情報に加えて、付加的なオペランドにおいて、当該番組の契約状態を示すための購入済み/契約外の区別する情報、当該番組をPPVなどによる購入可能/購入不可能の区別する情報、さらに、デスクランブル可否の通知要求コマンドに記述されていた情報のネットワークID、ネットワーク名称、サービスID、サービス名称、CAシステムIDを含む。なお、PPVで購入可能を通知する場合はオペランド[2]の情報は購入可能となり、デスクランブル可能を通知する場合はオペランド[1]の情報は購入済みとなる。
図14は、図11の通信手順において用いる購入要求及び端末ID通知コマンドのフォーマットを示す図である。購入要求及び端末ID通知コマンドには、図14に示すように、当該番組データ通信システムで用いるコマンドを示すオペコード(Opcode)における「CA ENABLE(CC)」及びオペランド(Operand)[O]におけるデータ長を含むヘッダー情報に加えて、付加的なオペランドにおいて、テレビジョン受像機401Aの端末ID、さらに、デスクランブル可否の通知要求コマンドに記述されていた情報のネットワークID、ネットワーク名称、サービスID、サービス名称、CAシステムIDを含む。このコマンドでは端末IDによる返答により購入要求となる。
図15は、図9のCATV用セットトップボックス401Sによって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図15において、まず、ステップS301において接続機器(当該制御フローにおいて、接続機器はバス配線431B上に接続されたテレビジョン受像機401Aである。)から番組データのデスクランブル可否の通知要求コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS301の処理を繰り返し、YESとなったときステップS302に進む。次いで、ステップS302において視聴したい番組はPPV対象か否かが判断され、YESのときはステップS303に進む一方、NOのときはステップS304に進む。ステップS303では、当該番組のデスクランブル可否を確認するPPV確認処理(図16のサブルーチン)を実行した後、ステップS304に進み、デスクランブル可能であるか否かが判断され、YESのときはステップS305に進む一方、NOのときはステップS312に進む。ステップS304におけるデスクランブル可能であるか否かの判断は、ICカードの挿抜状態、もしくは、ICカード内の識別情報、指定された番組の購入状況又は契約状況に基づいて判断される。ステップS312では、デスクランブル不可能の通信コマンドを接続機器に送信した後、当該TS送信処理を終了する。
一方、ステップS305においてデスクランブル可能の通知コマンドを接続機器に送信し、ステップS306において当該番組の選局要求コマンド及びTS出力要求コマンドを受信したか否かが判断され、YESのときはステップS307に進む一方、NOのときはステップS303でエラー処理を実行した後、当該TS送信処理を終了する。次いで、ステップS307において当該番組を選局し、デスクランブルされたTSを接続機器に送信し、ステップS308において当該番組が終了したか否かが判断され、YESとなるまでステップS308の処理を繰り返し、YESとなったときステップS309に進む。ステップS309においてTSの送信を終了し、ステップS310においてPPVで番組を購入したか否かが判断され、YESのときはステップS311に進む一方、NOのときは当該TS送信処理を終了する。さらに、ステップS311においてセキュリティ情報メモリ416E内の視聴履歴テーブルを更新した後、当該TS送信処理を終了する。なお、ステップS310及びS311は、ステップS309の後の代わり、ステップ303の後又はステップS307の後でもよい。
図16は、図15のサブルーチンであるペイパービュー(Pay Per View;以下、PPVという。)確認処理をフローチャートである。
図16において、まず、ステップS311において、ICカード部450Sのスロットに挿入されたCATV用ICカードに基づきCATV用のCAモジュールは有効か否かが判断され、YESのときはステップS312に進む一方、NOのときは元のメインルーチンに戻る。次いで、ステップS312において当該番組はパッケージ契約内で購入済みか否かが判断され、YESのときはPPVの認証は不要なので元のメインルーチンに戻る一方、NOのときはステップS313に進む。そして、ステップS313において当該番組はPPVで購入可能か否かが判断され、YESのときはステップS314に進む一方、NOのときは元のメインルーチンに戻る。さらに、ステップS314では、購入可の通知コマンドを接続機器に送信した後、ステップS315において接続機器から購入要求及び端末ID通知コマンドを所定のタイムアウト間に受信したか否かが判断され、YESのときはステップS316に進む一方、NOのときはステップS318でエラー処理を実行した後、元のメインルーチンに戻る。ステップS316では、当該端末機器IDを用いた認証はOKか否かが判断され、YESのときはステップS317に進む一方、NOのときはステップS319に進む。端末IDによる認証は、受信する購入要求及び端末ID通知コマンドに含まれる端末IDとCATV用セットトップボックス401Sにおける登録端末IDメモリ416Dに記憶されている端末IDとの照合結果が合致された場合にOKと判断される。ステップS317では、当該番組データはデスクランブル可能であると判断し、元のメインルーチンに戻る。一方、ステップS319では、当該番組データはデスクランブル不可能であると判断し、元のメインルーチンに戻る。
図17は、図10のテレビジョン受像機401Aによって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図17において、まず、ステップS401において所望する番組を選局し、アンテナ438を用いて番組データを受信し、ステップS402において番組データがスクランブルされているか否かが判断され、YESのときはステップS403に進む一方、NOのときはステップS411に進む。次いで、ステップS403において当該番組はテレビジョン受像機401Aでデスクランブル可能か否かが判断され、YESのときはステップS411に進む一方、NOのときはステップS404に進む。ステップS411では、当該番組データをテレビジョン受像機401Aで受信して視聴し、当該TS受信処理を終了する。デスクランブル可能か否かは、当該番組の番組関連情報の内容を確認することや、当該TSのヘッダー情報を確認することで可能である。
次いで、ステップS404では、バス配線431Bに接続された接続機器であるCATV用セットトップボックス401S(当該制御フローにおいて、接続機器はCATV用セットトップボックス401Sである。)に当該番組のデスクランブル可否の通知要求コマンドを送信し、ステップS405において接続機器からPPVで購入可能の通知コマンドを受信したか否かが判断され、所定のタイムアウトの間にYESのときはステップS406に進む一方、NOのときはステップS407に進む。ステップS406ではPPV確認処理(図18参照。)を実行し、ステップS407に進む。そして、ステップS407において接続機器からデスクランブル可能の通知コマンドを受信したか否かが判断され、YESのときはステップS408に進む一方、NOのときはステップS412に進み、エラー処理を実行した後、当該TS受信処理を終了する。
さらに、ステップS408において接続機器に当該番組の選局要求コマンド及びTS出力要求コマンドを送信し、ステップS409において当該番組のデスクランブルされたTSを接続機器から受信し、ステップS410において受信終了コマンドを接続機器に送信し、当該TS受信処理を終了する。なお、ステップS405のタイムアウト期間中に接続機器からデスクランブル可能の通知コマンドを受信した場合は、ステップS408に進むこともできる。
図18は、図17のサブルーチンであるPPV確認処理を示すフローチャートである。図18において、まず、ステップS421において当該番組データはPPVで購入必要であるか否か?の質問を表示し、ステップS422においてユーザにより購入OK否かが判断され、YESのときはステップS423に進む一方、NOのときは元のメインルーチンに戻る。さらに、ステップS423では、接続機器にテレビジョン受像機401Aにおける自端末IDメモリ416Cに記憶されている端末IDを含む購入要求及び端末機器ID通知コマンドを送信し、元のメインルーチンに戻る。
また、ステップS421、ステップS422、ステップS423の動作をユーザの操作を介さずに自動的に行ってもよい。ステップS421においてステップS405で受信したPPVで購入可能の通知コマンドに基づいてマイクロコンピュータ416は、当該番組データをPPVで購入する必要があると認識する。ステップS422において予めユーザがテレビジョン受像機401Aにおける登録端末IDメモリ416Dに登録しておいた端末IDを持つ端末からのPPV購入可否の通知コマンドに対しては購入OKとすると設定しておくことにより、マイクロコンピュータ416は端末IDと照合することで購入OK否かを判断する。さらに、ステップS423では、接続機器にテレビジョン受像機401Aにおける自端末IDメモリ416Cに記憶されている端末IDを含む購入要求及び端末機器ID通知コマンドをマイクロコンピュータ416は送信し、元のメインルーチンに戻る。この変形例において、テレビジョン受像機401Aにおける登録端末IDメモリ416Dに登録しておいた端末IDと照合するための接続機器の端末IDは、各機器からマイクロコンピュータ416の制御で非同期送受信部430を介して取得してもよいし、もしくはPPV購入可否の通知コマンドに含み伝送してもよい。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、CATV用セットトップボックス401Sとテレビジョン受像機401Aとがデジタルバス信号を用いたバス配線431Bを介して接続され、テレビジョン受像機401AのICカード部450に正規のICカードが挿入されていなくても、CATV用セットトップボックス401SのICカード部450Sに正規のICカードが挿入されていれば、図11に示すように、ICカードの挿抜状態の通知要求コマンド及びこれの応答信号であるICカードの挿抜状態の通知コマンドを用いて、CATV用セットトップボックス401SでのICカードの挿入状態を確認した後、テレビジョン受像機401AはCATV用セットトップボックス401Sに対して、番組を指定しかつその番組データの出力を要求する選局コマンド及びTS出力要求コマンドを送信し、これに応答して、CATV用セットトップボックス401Sは、スクランブルされた番組データをデスクランブルしてバス配線431Bを介して伝送してテレビジョン受像機401Aに出力する。従って、テレビジョン受像機401Aは、CATV用セットトップボックス401Sで受信した番組データをディスプレイ411に表示させ、スピーカ414,413に出力することができる。
また、図11に示すように、CATV用セットトップボックス401Sとテレビジョン受像機401Aとの間で、PPVでの購入可否の確認及び購入要求もできる。
さらに、CATV用セットトップボックス401Sにおいて、ICカード部とデスクランブル部とが単一のCAモジュールであっても本実施形態に係る番組データ通信システムを実施できる。さらに、テレビジョン受像機401AにCATV用セットトップボックス401Sを接続して追加することにより、バス配線431B上で接続機器を検索し、CATV用セットトップボックス401Sにデスクランブルの処理を実行させて、デスクランブルされた番組データをバス配線431Bを介して得ることができる。また、テレビジョン受像機401Aでの選局方法も変更することなく、当該デスクランブルの機能を追加できる。
なお、CATV用セットトップボックス401SはCATVに代わりテレビジョン放送から番組を受信するセットトップボックスであり、無線LANによりテレビジョン受像機401Aと接続される場合、テレビジョン受像機401Aを移動して番組を視聴する際、当該番組の放送波の受信状態が悪くなり、番組データをデスクランブルできず、番組を視聴できない場合に、セットトップボックスでデスクランブルを代行して番組を視聴できる。
第2の実施形態の変形例
図19は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る通信手順であって、図8のCATV用セットトップボックス401Sとテレビジョン受像機401Aとの間で、デスクランブルされたTSを送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。第2の実施形態の変形例においては、第2の実施形態と同様に、図9のCATV用セットトップボックス401Sと、図10のテレビジョン受像機401Aを備えた、図8の番組データ通信システムを用いるが、図11の第2の実施形態に比較して、CATV用セットトップボックス401Sからテレビジョン受像機401Aに送信するデスクランブル可否の通知コマンドにおいて、番組の購入状況又は契約状況のデータを含み送信することを特徴としている。ここで、番組の購入状況又は契約状況のデータとは、例えば、ユーザが視聴契約済みのパッケージ又は購入済みのサービス(又は番組)の一覧表のデータである。なお、図19の通信手順では、PPVモード処理の通信手順を省略しているが、本発明はこれに限らず、PPVモード処理の通信手順を実行してもよい。
図20は、図19の通信手順において用いるデスクランブル可否の通知要求コマンドのフォーマットを示す図である。図20のデスクランブル可否の通知要求コマンドには、番組の購入状況又は契約状況のデータを要求するので、図12のデスクランブル可否の通知要求コマンドと比較して、当該番組データ通信システムで用いるコマンドを示すオペコード(Opcode)における「CA ENABLE(CC)」を含むヘッダー情報を含み、番組を識別するための情報であるCATVのネットワークID、ネットワーク名称、CATVのサービスID、サービス名称、CAシステムIDを含まない。また、この場合のデスクランブル可否の通知要求コマンドはブロードキャストパケット内に格納されることが考えられる。
図21は、図19の通信手順において用いるデスクランブル可否の通知コマンドのフォーマットを示す図である。デスクランブル可否の通知コマンドには、図21に示すように、当該番組データ通信システムで用いるコマンドを示すオペコード(Opcode)における「CA ENABLE(CC)」及びオペランド(Operand)[O]におけるデータ長を含むヘッダー情報に加えて、付加的なオペランドにおいて、ネットワークID、ネットワーク名称、CAシステムID、CAモジュール名称、並びに、パッケージ数、各パッケージ毎に、パッケージID及びパッケージ名称、さらに、サービス数、各サービス毎に、サービスID及びサービス名称を含む。ここで、パッケージとは、CATV事業者が提供する複数の番組提供サービスを1つのパッケージにパッケージ化してなるものである。このデスクランブル可否の通知コマンドに格納されるパッケージ又はサービスは、CATV用セットトップボックス401Sでデスクランブル可能なユーザが視聴契約済みのパッケージあるいは購入済みのサービス(番組)である。
図22は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る通信手順で用いられ、図9のCATV用セットトップボックス401Sによって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図22において、まず、ステップS501において接続機器(当該制御フローでは、バス配線431B上に接続されたテレビジョン受像機401Aである。)からデスクランブル可否の通知要求コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS501の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS502に進む。次いで、ステップS502においてデスクランブル可能な番組を確認し、ステップS503において、デスクランブル可能なすべての番組に係る番組の購入状況又は契約状況のデータを含むデスクランブル可能の通知コマンドを接続機器に送信し、ステップS504において当該番組の選局要求コマンド及びTS出力要求コマンドを受信したか否かが判断される。ステップS504において、YESのときはステップS505に進む一方、NOのときはステップS508に進み、エラー処理を実行した後、当該TS送信処理を終了する。
一方、ステップS505では、当該番組を選局し、デスクランブルされたTSを接続機器に送信し、ステップS506において当該番組データが終了したか否かが判断され、YESとなるまでステップS506の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS507に進む。さらに、ステップS507において、TSの送信を終了し、当該TS送信処理を終了する。
図23は、本発明の第2の実施形態の変形例に係る通信手順で用いられ、図10のテレビジョン受像機401Aによって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図23において、まず、ステップS601において所望する番組を選局して、アンテナ438を用いて受信し、ステップS602において当該番組がスクランブルされているか否かが判断され、YESのときはステップS603に進む一方、NOのときはステップS611に進む。次いで、ステップS603において当該番組はデスクランブル部451でデスクランブル可能か否かが判断され、YESのときはステップS611に進む一方、NOのときはステップS604に進む。ステップS611では、当該番組データをテレビジョン受像機401Aで受信して視聴し、当該TS受信処理を終了する。
一方、ステップS604では、接続機器(当該制御フローでは、CATV用セットトップボックス401Sである。)にデスクランブル可否の通知要求コマンドを送信し、ステップS605において接続機器からデスクランブル可能の通知コマンドを所定のタイムアウト間に受信したか否かが判断され、YESのときはステップS606に進む一方、NOのときはステップS612に進み、エラー処理を実行した後、当該TS受信処理を終了する。ステップS606では、受信した通知コマンドに含まれる番組の購入状況又は契約状況のデータに基づきデスクランブル可能な番組を表示し、ステップS607において当該番組はデスクランブル可能であるか否かが確認されて判断され、YESのときはステップS608に進む一方、NOのときはステップS612に進む。そして、ステップS608において接続機器に当該番組の選局要求コマンド及びTS出力要求コマンドを送信し、ステップS609において接続機器から当該番組データのデスクランブルされたTSを受信し、ステップS610において受信終了コメントを接続機器に送信した後、当該TS受信処理を終了する。
なお、ステップS606及びステップS607においてユーザの操作を介さずにマイクロコンピュータ416が自動的に処理してもよい。具体的には、ステップS606において、マイクロコンピュータ416は受信した通知コマンドに含まれる番組の購入状況又は契約状況のデータを解析し、CATV用セットトップボックス401Sがデスクランブル可能な番組に当該番組が含まれるか否かを検証する。ステップS607において、マイクロコンピュータ41は、当該番組データについてCATV用セットトップボックス401Sがデスクランブル可能であるか否かを判断する。
以上説明したように、第2の実施形態の変形例によれば、第2の実施形態と同様の作用効果を有するとともに、テレビジョン受像機401AからCATV用セットトップボックス401Sに対して、デスクランブル可能な番組情報を含む番組の購入状況又は契約状況のデータを送信することを要求するデスクランブル可否の通知要求コマンドを送信し、これに応答して、CATV用セットトップボックス401Sはテレビジョン受像機401Aに対して、スクランブル可能な番組情報を含む番組の購入状況又は契約状況のデータを含むデスクランブル可否の通知コマンドを送信することにより、視聴したい番組をユーザが上記番組表データから検索して選択できるという特有の効果を有する。
第3の実施形態
図24は、本発明の第3の実施形態に係る番組データ通信システムの構成を示すブロック図である。従来、放送局装置601のコンテンツメモリ601Bに格納されている番組データは、放送局装置601の放送波送信装置601CからスクランブルされたTSを含む電波をアンテナ601Aから自由空間に送信し、携帯端末装置603などのテレビジョン受像機のアンテナ603Bにより受信して伝送し表示している。第3の実施形態に係る番組データ通信システムにおいては、放送局装置601のコンテンツメモリ601Bに格納されている番組データを専用回線600Cを介して、インターネット610に接続されたオリジナルコンテンツサーバ装置600のコンテンツメモリ600Aに転送しておき、番組のコンテンツデータを所定の会員の携帯端末装置603のみにインターネット610、キャッシュサーバ装置602−1,602−2及び無線LAN604を介して提供することを特徴としている。
図24において、オリジナルコンテンツサーバ装置600には、会員の携帯端末装置に係るユーザID、パスワード及び端末IDなどの会員情報を格納する会員データベースメモリ600Bが設けられる。インターネット610には、オリジナルコンテンツサーバ装置600、複数のキャッシュサーバ装置602−1,602−2などが接続され、各キャッシュサーバ装置602−1,602−2などはそれぞれ、ICカードを挿入するためのスロットを備えたICカード部716−1,716−2を備える。本実施形態では、携帯端末装置603とキャッシュサーバ装置602−1又は602−2との間を、無線LAN604を用いて接続し、それぞれのアンテナ603A,602A−1又は602A−2を用いて双方向の無線通信を行う。なお、ICカード部716−1,716−2はICカードと一体であってもよい。
本実施形態に係る番組データ通信システムにおいては、携帯端末装置603は、放送波から受信する番組データをデスクランブルできず視聴できない場合、オリジナルコンテンツサーバ装置600から送信される番組データをキャッシュサーバ装置602A−1又は602A−2を介して受信することができる。携帯端末装置603は、無線LAN604のエリア内にあるキャッシュサーバ装置602A−1又は602A−2を介して、さらにインターネット610を介してオリジナルコンテンツサーバ装置600との間で、会員認証を行う。その会員認証がOKであれば、キャッシュサーバ装置602−1又は602−2は、スクランブルされたTSをオリジナルコンテンツサーバ装置600から受信してバッファメモリ701に一時的に格納した後、当該スクランブルされたTSから携帯端末装置603が指定する番組のTSを抽出し、抽出した番組のTSをICカード部716−1又は716−2内の正規のICカードを用いてデスクランブルして無線LAN604を介して携帯端末装置603に無線伝送してユーザに視聴させる。
図25は、図24の携帯端末装置603の詳細構成を示すブロック図である。図25の携帯端末装置603は、例えば携帯電話機の機能又はPDA(Personal Digital Assistant)の機能を有するとともに、図25に示すテレビジョン受像機機能及び無線LANの接続機能を有する。図25の携帯端末装置603は、図10のテレビジョン受像機401Aに比較して以下の点が異なる。
(1)ICカード部450、デスクランブル部451、映像スイッチ409、音声スイッチ412を設けない。
(2)マイクロコンピュータ416に代えて、携帯端末装置603の各構成要素を制御するマイクロコンピュータ520を備える。
(3)リモートコントローラ434及び受光部439に代えて、マイクロコンピュータ520に接続され、テンキーを含む複数の入力キーを有するキーパッド416Gを備える。
(4)マイクロコンピュータ520に接続され、ユーザID、パスワード、及び端末IDなどを含む上記会員認証のためのセキュリティ情報を格納するセキュリティ情報メモリ416Eを備える。
(5)記録ストリーム選択部406Sをさらに備え、記録ストリーム選択部406Sは、復調部406からのTS又はTSインターフェース419からのTSを択一的に選択して、選択されたTSをTSデコーダ407に出力する。
(6)例えばパラボラアンテナなどのアンテナ438に代えて、例えば小型アンテナなどのアンテナ603Bを備える。
(6)インターフェースLSI418Aに代えて、インターフェースLSI418Bを備える。ここで、インターフェースLSI418Bでは、TS送受信部427を有する同期送受信部424Aに代えて、TS受信部426Bを有する同期受信部424Bを備える。また、バス配線431Bに接続されたPHY回路431に代えて、アンテナ603Aを有し無線LANの通信機能を有するPHY回路431Bを備える。ここで、PHY回路431Bはアンテナ603Aを用いて、例えばIEEE802.11a、b又はgに準拠した通信手順を用いて、キャッシュサーバ装置602−1又は602−2と無線通信を行う。
図26は、図24のキャッシュサーバ装置602の詳細構成を示すブロック図である。図26のキャッシュサーバ装置602は、インターネット610に接続されるとともに、無線LAN604の通信機能を有し、オリジナルコンテンツサーバ装置600と携帯端末装置603の間に挿入され、これらの装置600,603間での通信の送受信機能を有する。図26のキャッシュサーバ装置602は、図10のテレビジョン受像機401Aに比較して以下の点が異なる。
(1)図10のデジタルテレビジョン放送のためのアンテナ438に代えて、インターネット610に接続された専用回線600Cが接続される。
(2)図10のデジタルテレビジョン放送のための受信部405、復調部406、TSデコーダ407、ICカード部450、デスクランブル部451に代えて、インターネット610を介してTSなどの番組データ及びコマンドデータを送受信するための、TS受信部712を有する受信部711、送信部720、TSデコーダ714、ICカード部716、デスクランブル部715、TSメモリ713を備える。ここで、オリジナルコンテンツサーバ装置600からインターネット610を介して受信された番組データのTSは受信部711のTS受信部712で受信された後、一時格納メモリであるTSメモリ713を介してTSデコーダ714に出力され、図10の処理と同様の復号化の処理が、ICカード部716及びデスクランブル部715で実行され、次いで、デスクランブルされたTSはTSインターフェース419に出力される。
(3)図10のマイクロコンピュータ416に代えて、キャッシュサーバ装置602の各構成要素を制御するマイクロコンピュータ700を備え、マイクロコンピュータ700には、バッファメモリ701、クロック回路702、コマンド書式メモリ703、セキュリティ情報メモリ704及び認証結果メモリ705が接続される。マイクロコンピュータ700は、携帯端末装置603からの会員に関するセキュリティ情報を受信してセキュリティ情報メモリ704に一時的に格納した後、送信部720を用いてインターネット610を介してオリジナルコンテンツサーバ装置600に対して送信する。一方、マイクロコンピュータ700は、オリジナルコンテンツサーバ装置600から受信部711で受信される認証結果を認証結果メモリ705に一時的に格納した後、マイクロコンピュータインターフェース422を介してコマンド信号を用いて携帯端末装置603に送信する。
(4)インターフェースLSI418Aに代えて、インターフェースLSI418Cを備える。ここで、インターフェースLSI418Cでは、バス配線431Bに接続されたPHY回路431に代えて、アンテナ602Aを有し無線LANの通信機能を有するPHY回路431Bを備える。ここで、PHY回路431Bはアンテナ602Aを用いて、例えばIEEE802.11a、b又はgに準拠した通信手順を用いて、携帯端末装置603と無線通信を行う。
図27は、図24のオリジナルコンテンツサーバ装置600とキャッシュサーバ装置602と携帯端末装置603との間で、デスクランブルされたTSを送受信するための通信手順を示すシーケンス図である。
図27において、まず、携帯端末装置603は、番組表を用いて選択されたスクランブルされた番組を視聴するために、キャッシュサーバ装置602に対して、デスクランブル可否の通知コマンドを送信し、これに応答して、キャッシュサーバ装置602はオリジナルコンテンツサーバ装置600に対して認証要求コマンドを送信する。このとき、オリジナルコンテンツサーバ装置600は会員データベースメモリ600Bを参照して認証要求されてきた携帯端末装置603が会員であるか否かの会員認証を行い、その認証結果を含む認証結果コマンド(図27の制御フローでは認証OK)をキャッシュサーバ装置602に送信する。これに応答して、キャッシュサーバ装置602は、PPV処理モードに入り、PPVで購入可否の通知コマンド(図27の制御フローでは購入可能)を携帯端末装置603に送信する。これに応答して、携帯端末装置603はキャッシュサーバ装置602に対して、購入要求及び端末ID通知コマンドを送信し、キャッシュサーバ装置602は当該購入要求及び端末ID通知コマンドをオリジナルコンテンツサーバ装置600に転送する。これに応答して、オリジナルコンテンツサーバ装置600は、PPVで購入可能であるか否かを会員データベースメモリ600Bを参照して検証し、購入要求の可否通知コマンド(図27の制御フローではPPVで購入可能)をキャッシュサーバ装置602に送信し、このとき、キャッシュサーバ装置602はデスクランブル可否通知コマンドを携帯端末装置603に送信する。以上でPPVモード処理が終了するが、さらに、携帯端末装置603は選局コマンド及びTS出力要求コマンドをキャッシュサーバ装置602に送信する。これに応答して、キャッシュサーバ装置602は、オリジナルコンテンツサーバ装置600から受信したスクランブルされたTSから該当する番組のTSを抽出し、抽出した番組のTSを正規のICカードが挿入されたICカード部716−1からの復号化キー情報に基づいてデスクランブルし、デスクランブルされたTSを携帯端末装置603に送信する。携帯端末装置603では、デスクランブルされたTSを受信し、当該TSの番組表データの受信が終了すれば、受信終了コマンドをキャッシュサーバ装置602に送信し、当該通信手順を終了する。
図27の通信手順において、PPVモード処理を実行しているが、本発明はこれに限らず、購入する番組がPPVの番組でないときは当該処理を省略してもよい。
図28は、図27の通信手順で用いるデスクランブル可否の通知要求コマンドのフォーマットを示す図である。デスクランブル可否の通知要求コマンドには、図28に示すように、当該番組データ通信システムで用いるコマンドを示すオペコード(Opcode)における「CA ENABLE(CC)」及びオペランド(Operand)[O]におけるデータ長を含むヘッダー情報に加えて、付加的なオペランドにおいて、事業者を識別するIDであるネットワークID、事業者名を示す情報であるネットワーク名称、番組を識別するIDであるサービスID、番組名を示す情報であるサービス名称、コンディショナル・アクセス・システムを識別するIDであり、一意的にCAモジュールを示すIDであるCAシステムID、並びに、会員認証ためのユーザID、パスワード及び端末IDを含む。
図29は、図27の通信手順で用いるPPVで購入可否の通知コマンド又はデスクランブル可否の通知コマンドのフォーマットを示す図である。PPVで購入可否の通知コマンド又はデスクランブル可否の通知コマンドには、図29に示すように、当該番組データ通信システムで用いるコマンドを示すオペコード(Opcode)における「CA ENABLE(CC)」及びオペランド(Operand)[O]におけるデータ長を含むヘッダー情報に加えて、付加的なオペランドにおいて、当該番組の契約状態を示すための購入済み/契約外の区別する情報、当該番組をPPVなどによる購入可能/購入不可能の区別する情報、さらにデスクランブル可否の通知要求コマンドに記述されていた情報の、ネットワークID、ネットワーク名称、サービスID、サービス名称、ユーザID、パスワード、及び端末IDを含む。PPVで購入可能を通知する場合はオペランド[2]の情報は購入可能となり、デスクランブル可能を通知する場合はオペランド[1]の情報は購入済みとなる。
図30は、図26のキャッシュサーバ装置602によって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。
図30において、まず、ステップS701において接続機器(図30の制御フローでは携帯端末装置603であり、以下同様である。)から番組のデスクランブル可否の通知要求コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS701の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS702に進む。次いで、ステップS702において当該番組のデスクランブル可否を確認する確認処理(図31参照。)を実行し、ステップS703において、当該番組データはデスクランブル可能であるか否かが判断され、YESのときはステップS704に進む一方、NOのときはステップS711に進む。ステップS711では、接続機器にデスクランブル不可能の通知コマンドを送信し、当該TS送信処理を終了する。
一方、ステップS704では、接続機器にデスクランブル可能の通知コマンドを送信し、ステップS705において接続機器から当該番組の選局要求コマンド及びTS出力要求コマンドを所定のタイムアウト間で受信したか否かが判断され、YESのときはステップS706に進む一方、NOのときはステップS710に進み、エラー処理を実行して当該TS送信処理を終了する。一方、ステップS706においてスクランブルされたTSを受信してデスクランブルした後、デスクランブルされたTSから当該番組のTSを抽出し、デスクランブルした当該番組のTSを接続機器に送信し、ステップS707において当該番組が終了したか否かが判断される。そして、YESとなるまでステップS707の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS708に進み、TSの送信を終了し、ステップS709において接続機器から受信終了コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS709の処理を繰り返し、YESとなったときに、当該TS送信処理を終了する。
なお、ステップ706において、デスクランブルされたTSは、無線LAN604の伝送帯域内においてキャッシュサーバ602と携帯端末装置603間に確保される特定の伝送チャネルを介して無線伝送される。キャッシュサーバ602と携帯端末装置603間の無線伝送のセキュリティは、チャネルの接続管理並びにチャネル毎のローカルな暗号化処理により確保できる。
図31は、図30のサブルーチンである確認処理を示すフローチャートである。
図31において、まず、ステップS721においてCAモジュールは有効であるか否かが判断され、YESのときはステップS722に進む一方、NOのときはステップS731に進む。ステップS722において、オリジナルコンテンツサーバ装置600に対してユーザID、パスワード、端末IDを伴った認証要求コマンドを送信し、ステップS723においてオリジナルコンテンツサーバ装置600から認証結果コマンドを受信し、ステップS724においてユーザ認証及び端末認証はOKか否かが判断される。ステップS724において、YESのときはステップS725に進む一方、NOのときはステップS731に進む。
次いで、ステップS725において当該番組はPPVで購入するか否かが判断され、YESのときはステップS726に進む一方、NOのときはステップS730に進む。なお、ここでNOの場合は、既に購入又は契約済であり新たに購入する必要が無い場合である。そして、ステップS726において接続機器(図31の制御フローでは、携帯端末装置603である。)に購入可能の通知コマンドを送信し、ステップS727において接続機器から購入要求及び端末機器IDの通知コマンドを受信したか否かが判断され、YESのときはステップS728に進む一方、NOのときはステップS731に進む。さらに、ステップS728においてオリジナルコンテンツサーバ装置600に購入要求及び端末ID通知コマンドを送信し、ステップS729においてオリジナルコンテンツサーバ装置600から購入可能の通知コマンドを受信したか否かが判断され、YESのときはステップS730に進む一方、NOのときはステップS731に進む。さらに、ステップS730において当該番組をデスクランブル可能と判断し、元のメインルーチンに戻る。一方、ステップS731では、当該番組をデスクランブル不可能と判断し、元のメインルーチンに戻る。
図32は、図24のオリジナルコンテンツサーバ装置600によって実行されるTS送信処理を示すフローチャートである。図32の制御フローでは、オリジナルコンテンツサーバ装置600が、スクランブルされたTSをコンテンツメモリ600Aから読み出してキャッシュサーバ装置602に送信している状態からの動作を示している。
図32において、まず、ステップS801においてキャッシュサーバ装置602からユーザID、パスワード、端末IDを伴った認証要求コマンドを受信したか否かが判断され、YESとなるまでステップS801の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS802に進む。次いで、ステップS802においてユーザ認証及び端末認証はOKか否かが判断され、YESのときはステップS803に進む一方、NOのときはステップS808に進み、キャッシュサーバ装置602に対して認証結果不可のコマンドを送信し、当該TS送信処理を終了する。
一方、ステップS803においてキャッシュサーバ装置602に認証結果可のコマンドを送信し、ステップS804において、ステップS803で購入可のコマンドを送信した場合、キャッシュサーバ装置602から購入要求及び端末ID通知コマンドを受信したか否かが所定のタイムアウト間に判断され、YESのときはステップS805に進む一方、NOのときは当該TS送信処理を終了する。一方、ステップS805では、キャッシュサーバ装置602に購入可コマンドを送信し、ステップS806において番組を購入したか否かが判断され、YESのときはステップS807に進む一方、NOのときは当該TS送信処理を終了する。ステップS807では、上記の購入情報に基づいて会員データベースメモリ600B内の視聴履歴テーブルを更新し、当該TS送信処理を終了する。
図33は、図25の携帯端末装置603によって実行されるTS受信処理を示すフローチャートである。
図33において、まず、ステップS901において放送波の番組データ及び番組表データを受信し、ステップS902においてユーザが番組表を見て選択した番組の番組データがスクランブルされているか否かが判断され、YESのときはステップS903に進む一方、NOのときはステップS911に進む。次いで、ステップS903において当該番組データは携帯端末装置603自身によりデスクランブル可能か否かが判断され、YESのときはステップS911に進む一方、NOのときはステップS904に進む。ステップS911では、当該番組データを携帯端末装置603で受信して視聴し、当該TS受信処理を終了する。
一方、ステップS904においてキャッシュサーバ装置602に当該番組のデスクランブル可否の通知要求コマンドを送信し、ステップS905において購入是非を確認する確認処理(図34参照。)を実行し、ステップS906においてデスクランブル可能の通知コマンドを受信したか否かが判断され、YESのときはステップS907に進む一方、NOのときはステップS912に進み、エラー処理を実行して当該TS受信処理を終了する。
次いで、ステップS907においてキャッシュサーバ装置602に当該番組の選局要求コマンド及びTS出力要求コマンドを送信し、ステップS908においてキャッシュサーバ装置602から当該番組のデスクランブルされたTSを受信し、ステップS909において受信終了したか否かが判断され、YESとなるまでステップS908の処理を繰り返し、YESとなったときに、ステップS910に進む。さらに、ステップS910においてキャッシュサーバ装置602に受信終了コマンドを送信して当該TS受信処理を終了する。
図34は、図33のサブルーチンである確認処理を示すフローチャートである。
図34において、まず、ステップS911において購入可能の通知コマンドを受信したか否かが判断され、YESのときはステップS912に進む一方、NOのときは元のメインルーチンに戻る。次いで、ステップS912において番組は購入必要か否か?の質問を表示し、ステップS913において購入OKか否かが判断され、ここで、ユーザが判断して購入OKの入力がされてYESのときはステップS914に進む一方、NOのときは元のメインルーチンに戻る。さらに、ステップS914においてキャッシュサーバ装置602に購入要求及び端末ID通知コマンドを送信して元のメインルーチンに戻る。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、携帯端末装置603は無線LAN604を介してキャッシュサーバ装置602−1に無線接続され、さらに、キャッシュサーバ装置602−1はインターネット610を介してオリジナルコンテンツサーバ装置600に接続され、携帯端末装置603に正規のICカードが挿入されていなくても、キャッシュサーバ装置602−1に正規のICカードが挿入されかつ携帯端末装置603において会員認証データを保持していれば、図27に示すように、認証要求コマンド及びこれの応答信号である認証結果コマンドを用いて、オリジナルコンテンツサーバ装置600内の会員データベースメモリ600Bを参照して会員情報を検証した後、携帯端末装置603はキャッシュサーバ装置602−1に対して、番組を指定しかつその番組データの出力を要求する選局コマンド及びTS出力要求コマンドを送信し、これに応答して、キャッシュサーバ装置602は、オリジナルコンテンツサーバ装置600から受信するスクランブルされた番組データより該当する番組データを抽出し、抽出した番組データをデスクランブルし、デスクランブルされた番組データを携帯端末装置603に無線伝送して携帯端末装置603に出力して、そのユーザに視聴させることができる。
また、図27に示すように、オリジナルコンテンツサーバ装置600と携帯端末装置603との間でキャッシュサーバ装置602を介して、PPVでの購入可否の確認及び購入要求もできる。
さらに、キャッシュサーバ装置602において、ICカード部とデスクランブル部とが単一のCAモジュール回路であっても本実施形態に係る番組データ通信システムを実施できる。またさらに、携帯端末装置603は無線LAN604上でキャッシュサーバ装置602−1及びインターネット610を介してオリジナルコンテンツサーバ装置600を検索することができ、しかもキャッシュサーバ装置602−1にデスクランブルの処理を実行させて、デスクランブルされた番組データを無線LAN604を介して得ることができる。また、携帯端末装置603での選局方法も変更することなく、当該デスクランブルの機能を追加できる。
さらに、携帯端末装置603のユーザは、それを移動して放送番組を視聴するときに、デスクランブル可能なキャッシュサーバ装置602を無線LAN604を介して検索して、世帯内のサーバ装置で視聴可能な当該番組データを得ることができる。ここで、キャッシュサーバ装置602は、世帯内のサーバ装置に限らず、いわゆるホットスポットなど屋外にある一般的なサーバ装置を用いて携帯端末装置603を無線接続することができる。
以上の第3の実施形態においては、キャッシュサーバ装置602と携帯端末装置603とは無線LAN604で接続しているが、本発明はこれに限らず、他の無線通信回線、もしくは、有線LAN、IP回線、IP−VPN回線などの他の有線通信回線で接続してもよい。
以上の第3の実施形態においては、オリジナルコンテンツサーバ装置600において会員認証の確認によってデスクランブルするか否かを検証しているが、この検証方法は、第1及び第2の実施形態において適用してもよい。
変形例
以上の実施形態においては、番組データ受信装置の一例としてDVDレコーダ501及びテレビジョン受像機401Aを開示しているが、本発明はこれに限らず、番組データを受信して光ディスクなどの記録媒体に記録する、CD(Compact Disc)レコーダやハードディスクレコーダなどの記録再生装置であってもよい。
【産業上の利用の可能性】
以上説明したように、本発明に係る番組データ送信装置によれば、複数の番組データを受信し又は格納して配信する配信手段と、
上記複数の番組データのうち少なくとも1つの番組データをデスクランブルするデスクランブル手段と、
番組データ受信装置からの、複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、上記デスクランブル手段により当該指定された番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信する第1の通信手段と、
上記番組データ受信装置からの、上記指定された番組データを送信することを要求する送信要求コマンド信号に応答して、上記指定された番組データをデスクランブルした後、上記デスクランブルされた番組データを上記番組データ受信装置に送信する第2の通信手段とを備える。
一方、本発明に係る番組データ受信装置によれば、複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号を番組データ送信装置に送信する第3の通信手段と、
上記番組データ送信装置からの、上記指定された番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号に応答して、上記番組データをデスクランブルして送信することを要求する送信要求コマンド信号を上記番組データ送信装置に送信する第4の通信手段と、
上記番組データ送信装置からの、デスクランブルされた番組データを受信する第5の通信手段とを備える。
従って、上記番組データ送信装置と、上記番組データ受信装置とが、通信回線を介して接続され、上記番組データ受信装置において、例えば認証用のICカードが挿入されていなくても、上記番組データ送信装置において、例えば認証用のICカードが挿入されていれば、デスクランブル認証の通知要求コマンド及びこれの応答信号の通知コマンドを用いて、上記番組データ送信装置における認証状態を確認した後、上記番組データ受信装置は上記番組データ送信装置に対して、番組を指定しかつその番組データの出力を要求する送信要求コマンド信号を送信し、これに応答して、上記番組データ送信装置は、スクランブルされた番組データをデスクランブルして上記通信回線を介して伝送して上記番組データ受信装置に出力する。従って、上記番組データ受信装置は、上記番組データ送信装置で受信した番組データを上記番組データ受信装置に送信して出力することができる。
また、上記番組データ送信装置において、例えばICカード部とデスクランブル部からなるデスクランブル手段が単一のモジュール回路であっても番組データ通信システムを実施できる。
さらに、上記番組データ受信装置が番組データをデスクランブル不可能な端末装置であっても、上記番組データ受信装置に上記番組データ送信装置を単に接続して追加することにより、上記通信回線上で接続機器を検索し、上記番組データ送信装置にデスクランブルの処理を実行させて、デスクランブルされた番組データを上記通信回線を介して得ることができる。
またさらに、上記番組データ受信装置での選局方法も変更することなく、当該デスクランブルの機能を追加できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の番組データを受信し又は格納して配信する配信手段と、
上記複数の番組データのうち少なくとも1つの番組データをデスクランブルするデスクランブル手段と、
番組データ受信装置からの、複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、上記デスクランブル手段により当該指定された番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信する第1の通信手段と、
上記番組データ受信装置からの、上記指定された番組データを送信することを要求する送信要求コマンド信号に応答して、上記指定された番組データをデスクランブルした後、上記デスクランブルされた番組データを上記番組データ受信装置に送信する第2の通信手段とを備えたことを特徴とする番組データ送信装置。
【請求項2】
上記デスクランブル手段は、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されるカードの有無に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項1記載の番組データ送信装置。
【請求項3】
上記デスクランブル手段は、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されたカード識別情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項1記載の番組データ送信装置。
【請求項4】
上記デスクランブル手段は、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納された番組の購入状況又は契約状況に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項1記載の番組データ送信装置。
【請求項5】
上記デスクランブル手段は、所定の会員情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項1記載の番組データ送信装置。
【請求項6】
上記デスクランブル手段は、上記カードに格納されたマスターキー情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データを復号化するための復号化キーを生成し、上記生成された復号化キーに基づいて、上記少なくとも1つの番組データを復号化することを特徴とする請求項2乃至5のうちのいずれか1つに記載の番組データ送信装置。
【請求項7】
上記第1の通信手段は、上記番組データ受信装置からの、複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、上記指定された番組データに係る所定の付加的な提供サービスの購入の可否を通知する通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信し、これに応答して、上記番組データ受信装置からの、上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号を受信し、これに応答して、デスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信することを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載の番組データ送信装置。
【請求項8】
上記第1の通信手段は、上記番組データ受信装置からの、複数の番組データのうちすべての番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号に応答して、当該すべての番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に送信することを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載の番組データ送信装置。
【請求項9】
上記第1の通信手段は、アイソクロナスプロトコルを用いて上記コマンド信号を送受信し、
上記第2の通信手段は、アシンクロナスプロトコルを用いて上記番組データを送信することを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか1つに記載の番組データ送信装置。
【請求項10】
複数の番組データのうち指定する少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号を番組データ送信装置に送信する第3の通信手段と、
上記番組データ送信装置からの、上記指定された番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号に応答して、上記番組データをデスクランブルして送信することを要求する送信要求コマンド信号を上記番組データ送信装置に送信する第4の通信手段と、
上記番組データ送信装置からの、デスクランブルされた番組データを受信する第5の通信手段とを備えたことを特徴とする番組データ受信装置。
【請求項11】
上記第3の通信手段は、上記番組データ送信装置からの、上記指定された番組データに係る所定の付加的な提供サービスの購入の可否を通知する通知コマンド信号を上記番組データ受信装置に受信し、これに応答して、上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号を上記番組データ送信装置に送信することを特徴とする請求項10記載の番組データ受信装置。
【請求項12】
上記第3及び第4の通信手段は、アイソクロナスプロトコルを用いて上記コマンド信号を送受信し、
上記第5の通信手段は、アシンクロナスプロトコルを用いて上記番組データを受信することを特徴とする請求項10又は11記載の番組データ受信装置。
【請求項13】
番組データを受信する受信手段と、
上記番組データをデスクランブルするデスクランブル手段とをさらに備え、
上記デスクランブル手段が上記受信手段が受信する番組データをデスクランブルできないときに、上記第4の通信手段は、上記番組データをデスクランブルして送信することを要求する送信要求コマンド信号を、上記番組データ送信装置に送信することを特徴とする請求項10乃至12のうちのいずれか1つに記載の番組データ受信装置。
【請求項14】
上記デスクランブル手段は、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されるカードの有無に基づいて、上記番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項13記載の番組データ受信装置。
【請求項15】
上記デスクランブル手段は、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納されたカード識別情報に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項13記載の番組データ受信装置。
【請求項16】
上記デスクランブル手段は、カードの挿入スロットを有し、上記挿入スロットに挿入されるカードに格納された番組の購入状況又は契約状況に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項13記載の番組データ受信装置。
【請求項17】
上記番組データ受信装置から、所定の会員情報を含む上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号を受信し、通信可能に接続されるコンテンツサーバ装置に上記所定の会員情報を転送し、これに応答して、上記コンテンツサーバ装置から認証結果を受信する第6の通信手段をさらに備え、上記認証結果に基づいて、上記少なくとも1つの番組データをデスクランブル可能か否かを判断することを特徴とする請求項1記載の番組データ送信装置。
【請求項18】
スクランブルされた番組データをデスクランブルするデスクランブル手段をさらに備え、
上記第6の通信手段は、上記番組データ送信装置から送信されるスクランブルされた番組データを受信し、上記受信された番組データを上記デスクランブル手段によりデスクランブルし、デスクランブルされた番組データを上記番組データ受信装置に送信することを特徴とする請求項17記載の番組データ送信装置。
【請求項19】
上記番組データ送信装置と、上記番組データ受信装置とは、無線通信回線を介して接続されたことを特徴とする請求項17又は18記載の番組データ転送装置。
【請求項20】
上記無線通信回線は無線LANであることを特徴とする請求項19記載の番組データ転送装置。
【請求項21】
請求項1乃至9のうちのいずれか1つに記載の番組データ送信装置と、
請求項10乃至16のうちのいずれか1つに記載の番組データ受信装置とを備え、
上記番組データ送信装置と上記番組データ受信装置とは、所定の通信回線を介して接続されたことを特徴とする番組データ通信システム。
【請求項22】
請求項1乃至9のうちのいずれか1つに記載の番組データ送信装置と、
請求項17乃至20のうちのいずれか1つに記載の番組データ受信装置と、
請求項17記載のコンテンツサーバ装置とを備え、
上記番組データ送信装置と上記コンテンツサーバとは、所定の第1の通信回線を介して接続され、
上記番組データ送信装置と上記番組データ受信装置とは、所定の第2の通信回線を介して接続されたことを特徴とする番組データ通信システム。
【請求項23】
上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号のデータ領域において、ネットワークを識別する情報及びサービスを識別する情報及びCAモジュールを識別する情報が格納されることを特徴とする請求項21記載の番組データ通信システム。
【請求項24】
上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号のデータ領域において、当該番組の契約状態を示すための情報、当該番組を購入可能/購入不可能の区別する情報が格納されることを特徴とする請求項23記載の番組データ通信システム。
【請求項25】
上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号のデータ領域において、上記データ受信装置の端末IDが格納されることを特徴とする請求項24記載の番組データ通信システム。
【請求項26】
上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号のデータ領域において、上記データ送信装置のユーザが視聴契約済みのパッケージ又は購入済みのサービスの一覧のデータが格納されることを特徴とする請求項21記載の番組データ通信システム。
【請求項27】
上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの通知を要求する通知要求コマンド信号のデータ領域において、ユーザID、パスワード及び端末IDが格納されることを特徴とする請求項22記載の番組データ通信システム。
【請求項28】
上記番組データをデスクランブル可能であるか否かの情報を含む通知コマンド信号のデータ領域において、当該番組の契約状態を示すための情報、当該番組を購入可能/購入不可能の区別する情報が格納されることを特徴とする請求項27記載の番組データ通信システム。
【請求項29】
上記付加的な提供サービスの購入で要求する通知コマンド信号のデータ領域において、上記データ受信装置の端末IDが格納されることを特徴とする請求項28記載の番組データ通信システム。

【国際公開番号】WO2004/075549
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【発行日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502717(P2005−502717)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001759
【国際出願日】平成16年2月18日(2004.2.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】