説明

異材溶接用フラックス入りワイヤ並びに異材レーザ溶接方法及び異材MIG溶接方法

【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを溶接する場合に、溶接継手部の引張剪断強度及び溶接部界面の剥離強度を向上させることができる異材溶接用フラックス入りワイヤ並びに異材レーザ溶接方法及び異材MIG溶接方法を提供する。
【解決手段】フラックス入りワイヤ1は、アルミニウム又はアルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3との異材レーザ溶接に使用される。フラックス入りワイヤ1は、Siを0.8乃至1.9質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物であるアルミニウム合金からなる筒状の皮材と、この皮材内に充填されフッ化セシウムを20乃至60質量%含有するフラックスとを有する。皮材中の不可避的不純物としては、Mn、Mg又はFeがあり、その含有量は夫々皮材の全質量あたり0.1質量%以下である。フラックスの充填率は、ワイヤの全質量あたり5乃至20質量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の輸送機械、及び建材等用の部材を異材溶接する際に使用される異材溶接用フラックス入りワイヤと、この異材溶接用フラックス入りワイヤを使用した異材レーザ溶接方法及び異材MIG溶接方法に関し、特にアルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼板との溶接に使用するのに好適の異材溶接用フラックス入りワイヤ並びに異材レーザ溶接方法及び異材MIG溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の輸送機械において、車体等の材料としては、鋼材が使用されている。輸送機械等の部材として使用される鋼材は、使用時に雨水等に晒されるため、表面に防錆用の亜鉛メッキが施される。これにより、亜鉛メッキ表面に形成される酸化被膜で防水効果を得ると共に、鋼材表面に疵又はピンホール等がある場合においても亜鉛を鉄に優先して腐食(犠牲防食)させることが行われている。
【0003】
近時、環境保護の観点からハイブリッド自動車及び電気自動車等の研究開発が急速に進められており、燃費向上等のために、これらの自動車の車体等には軽量化が要求されている。そして、車体等の軽量化を達成するために、材料として使用されている鋼材の一部をアルミニウム又はアルミニウム合金材(以下、アルミニウム材及びアルミニウム合金材をまとめてアルミニウム合金材という)で構成することが検討されている。
【0004】
従って、車体等を製造するには、鋼材とアルミニウム合金材とを異材接合する必要がある。鋼材とアルミニウム合金材とを異材接合する技術としては、例えばフラックス入りワイヤを供給しながら母材間をMIG溶接又はレーザアーク溶接によって接合する方法がある(特許文献1)。
【0005】
MIG(Metal Inert Gas:ミグ)溶接は、接合しようとする部位の周辺にアルゴン又はヘリウム等の不活性ガスをシールドガスとして供給し、溶接ワイヤと前記部位との間にアークを発生させて、鋼材とアルミニウム合金材とを溶融接合する方法である。このミグ溶接は、シールドガスによって、大気と遮断された状態で溶接作業が行われるので、空気中の酸素の影響を受けずに溶接が進行するという特徴がある。一方、レーザ溶接は、継手部に溶接ワイヤを供給しつつ、この溶接ワイヤ及び継手部にレーザ光を照射して、レーザ光により溶接ワイヤ及び継手部を加熱溶融させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−211270号公報
【特許文献2】特開2008−68290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の従来技術には以下のような問題点がある。自動車の車体等の構造物において、鋼材とアルミニウム合金材とが突き合わせ溶接された場合には、溶接継手部に外力が印加された際に、母材間には引張応力及び剪断応力が作用する。一方、例えば鋼材とアルミニウム合金材とが重ね合わせて溶接された場合等において、溶接継手部に外力が印加された際に、母材間には引張応力及び剪断応力が作用すると共に、溶接部界面には2つの母材を互いに引き剥がす方向に剥離応力が作用する。従って、異材間を溶接する場合、溶接継手部には引張剪断強度だけでなく、高い剥離強度(ピール強度)も備えていることが求められる。しかしながら、従来、鋼材とアルミニウム合金材とを溶接により接合した場合、接合部には脆性が高い金属間化合物が生成し、同一種類の部材同士を溶接した場合に比して接合部の引張剪断強度及び剥離強度が低下するという問題点がある。
【0008】
また、特許文献1に開示されたフラックス入りワイヤを使用して異材溶接した場合、組成によっては接合部周辺の靱性が低下して剥離強度が低下する場合がある。
【0009】
本願発明者等は、特許文献2において、鋼材とアルミニウム合金材とをMIG溶接又はレーザアーク溶接する際に使用されるフラックス入りワイヤ及び異材接合方法を提案した。しかしながら、特許文献2に開示されたフラックス入りワイヤも、組成によっては接合部における剥離強度が低下する場合がある。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを溶接する場合に、溶接継手部の引張剪断強度及び溶接部界面の剥離強度を向上させることができる異材溶接用フラックス入りワイヤ並びに異材レーザ溶接方法及び異材MIG溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る異材溶接用フラックス入りワイヤは、アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材との異材接合に使用される異材溶接用フラックス入りワイヤであって、
Siを0.8乃至1.9質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物であるアルミニウム合金からなる筒状の皮材と、この皮材内に充填されフッ化セシウムを20乃至60質量%含有するフラックスと、を有し、
前記皮材中の不可避的不純物としては、Mn、Mg又はFeがあり、その含有量が夫々皮材の全質量あたり0.1質量%以下であり、
前記フラックスの充填率がワイヤの全質量あたり5乃至20質量%であることを特徴とする。
【0012】
この異材溶接用フラックス入りワイヤは、前記皮材を構成するアルミニウム合金のSiの含有量が0.8乃至1.4質量%であることが好ましい。
【0013】
本発明に係る異材レーザ溶接方法は、上記異材溶接用フラックス入りワイヤを使用し、
アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とによって継手部を構成し、
この継手部に前記異材溶接用フラックス入りワイヤを供給しながらレーザ光を照射して、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と前記亜鉛メッキ鋼材とを接合することを特徴とする。
【0014】
この異材レーザ溶接方法において、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材がレーザ光側となるように前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせて配置し、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせ溶接することが好ましい。
【0015】
また、この異材レーザ溶接方法において、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを突き合わせて配置し、前記異材溶接用フラックス入りワイヤの供給位置及び前記レーザ光の照射位置を前記突き合わせ部分よりもアルミニウム又はアルミニウム合金材側に寄せて、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを突き合わせ溶接することが好ましい。
【0016】
本発明に係る異材MIG溶接方法は、上記異材溶接用フラックス入りワイヤを使用し、
アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とによって継手部を構成し、
前記継手部と前記異材溶接用フラックス入りワイヤとの間にアークを形成し、アーク周辺部に不活性ガスを供給しつつ、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と前記亜鉛メッキ鋼材とを接合することを特徴とする。
【0017】
この異材MIG溶接方法において、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材が前記異材溶接用フラックス入りワイヤ側となるように前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせて配置し、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせ溶接することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の異材溶接用フラックス入りワイヤは、フラックス中のフッ化セシウム及び皮材中のSiの含有量を適正に規定しているため、アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材との異材レーザ溶接異材MIG溶接に使用すれば、溶接継手部の引張剪断強度及び溶接部界面の剥離強度を向上させることができる。
【0019】
また、フラックスの充填率を適正に規定しているため、フラックスによる還元効果を効果的に得ることができ、溶接継手部の引張剪断強度及び溶接部界面の剥離強度を更に効果的に向上させることができる。なお、フラックスによる還元効果とは、アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材との異材レーザ溶接又は異材MIG溶接において、アルミニウムの表面酸化膜並びに亜鉛メッキ鋼材の亜鉛メッキ層及び表面酸化膜が、溶接熱によるフラックスの活性化によって還元除去されやすくなることであると考えられる。このように、異材レーザ溶接又は異材MIG溶接において、接合対象の母材のメッキ層及び表面酸化膜を除去することにより、夫々の母材には、最表面層に金属の新生界面が現れる。従って、母材同士が強固に接合されるようになり、溶接継手部の引張剪断強度及び剥離強度が向上する。
【0020】
本発明の異材レーザ溶接方法又は異材MIG溶接によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材との異材接合において、溶接継手部の引張剪断強度及び溶接部界面の剥離強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の異材レーザ溶接方法による重ね合わせ溶接を示す模式図である。
【図2】本発明の異材レーザ溶接方法による突き合わせ溶接を示す模式図である。
【図3】本発明の異材MIG溶接方法による重ね合わせ溶接を示す模式図である。
【図4】本発明の異材MIG溶接方法による突き合わせ溶接を示す模式図である。
【図5】(a)乃至(d)は、異材溶接用フラックス入りワイヤの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る継手部の引張剪断強度試験を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る溶接部界面の剥離強度試験を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明の異材レーザ溶接方法による重ね合わせ溶接を示す模式図、図2は本発明の異材レーザ溶接方法による突き合わせ溶接を示す模式図、図5は異材溶接用フラックス入りワイヤの一例を示す図である。本発明の異材レーザ溶接方法によって重ね合わせ溶接を行う場合においては、図1に示すように、例えばアルミニウム合金材2をレーザ光側に配置して、板状のアルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とを重ね合わせる。そして、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3との重ね合わせ部4に異材溶接用フラックス入りワイヤ1を供給しながらレーザ光を照射してレーザ溶接し、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とを接合する。本発明の異材レーザ溶接方法によって突き合わせ溶接を行う場合においては、図2に示すように、板状のアルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とを突き合わせて配置し、これらの突き合わせ部6に異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1を供給しながらレーザ光を照射して、レーザ溶接する。レーザ光の出力装置としては、YAGレーザ、COレーザ及びファイバレーザ等、種々のものを使用することができる。
【0023】
アルミニウム合金材2の材料としては、例えばJIS A1000系、A2000系(Al−Cu系合金)、A3000系(Al−Mn系合金)、A4000系(Al−Si系合金)、A5000系(Al−Mg系合金)、A6000系(Al−Mg−Si系合金)、A7000系(Al−Zn−Mg系合金、Al−Zn−Mg−Cu系合金)を使用することができる。また、アルミニウム合金材2としては、例えば0.5乃至4.0mmの厚さの板材を使用することができる。
【0024】
鋼材としては、例えばSPCC(冷間圧延低炭素鋼板)、高張力鋼等、種々の鋼材を使用することができる。本発明においては、鋼材には溶融亜鉛メッキが施されて亜鉛メッキ鋼板3として構成されている。亜鉛メッキ鋼材3としては、例えば0.5乃至4.0mmの厚さの板材を使用することができ、アルミニウム合金材2と厚さが異なるものを使用してもよい。
【0025】
異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1は、例えば図5(a)乃至(d)に示すように、アルミニウム合金製の筒状の皮材1a内にフラックス1bを充填したものであり、ワイヤ1の外径は例えば0.8乃至1.6mmである。本発明において、ワイヤ1中のフラックス1bの充填率は、ワイヤの全質量あたり5乃至20質量%である。また、本発明のフラックス1bはフッ化セシウムを20乃至60質量%含有する。アルミニウム皮材1aはSiを0.8乃至1.9質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金で成形されている。このアルミニウム皮材1a中の不可避的不純物としては、例えばMg、Mn及びFeがあるが、その含有量は夫々皮材の全質量あたり0.1質量%以下である。
【0026】
以下、本発明の異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤの組成における数値限定の理由について説明する。
【0027】
「フラックス中のフッ化セシウムの含有量:フラックスの全質量あたり20乃至60質量%」
フッ化セシウムは、レーザ溶接時に、アルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材との間に高脆性の金属間化合物が生成することを抑制する作用がある。フラックス中のフッ化セシウムの含有量が20質量%未満であると、高脆性の金属間化合物の生成を抑制する効果が小さく、引張剪断強度及び剥離強度が低下する。一方、フラックス中のフッ化セシウムの含有量が60質量%を超えると、高脆性の金属間化合物の生成抑制作用の向上効果が飽和する一方、高価なセシウムの含有量が増加することにより、異材溶接用フラックス入りワイヤの製造コストが上昇する。従って、本発明においては、フラックス中のフッ化セシウムの含有量を、フラックスの全質量あたり20乃至60質量%と規定する。フラックス中の成分としては、フッ化セシウム以外に、例えばフッ化アルミニウム、フッ化カリウム、フッ化カリウムアルミニウム及びフッ化ランタン等を適宜組み合わせて含有させることができる。フッ化アルミニウム、フッ化カリウム及びフッ化カリウムアルミニウムは、フッ化カリウムアルミニウム系化合物といわれるものであり、アルミニウム酸化膜の除去、ワイヤの低融点での溶融促進とぬれ性確保、鋼材とアルミニウム材との間の界面における拡散抑制用バリア等の作用が考えられる。
【0028】
「皮材を構成するアルミニウム合金のSiの含有量:0.8乃至1.9質量%」
皮材を構成するアルミニウム合金が含有するSiは、溶接継手部の引張剪断強度の向上には必須の成分である。アルミニウム合金のSiの含有量が0.8質量%未満であると、溶接継手部の引張剪断強度の向上効果は不十分である。一方、アルミニウム合金のSiの含有量が1.9質量%を超えると、接合部近傍の靱性低下により剥離強度が低下する。従って、本発明においては、皮材を構成するアルミニウム合金のSiの含有量を、0.8乃至1.9質量%と規定する。また、アルミニウム合金のSi含有量が1.4質量%を超えると、溶接継手部の剥離剪断強度が低下し始めるため、望ましくは、皮材を構成するアルミニウム合金のSiの含有量は0.8乃至1.4質量%である。
【0029】
「皮材中の不可避的不純物としてのMn、Mg又はFeの含有量:夫々皮材の全質量あたり0.1質量%以下」
皮材中に不可避的不純物として、例えば、Mg、Mn又はFeが含まれるが、これらのMg、Mn又はFeは、その含有量が過剰となることで、Siの添加による溶接継手部の引張剪断強度の向上効果を低下させてしまう。Mg、Mn及びFeのいずれかの含有量が皮材の全質量あたり0.1質量%を超えると、溶接継手部の引張剪断強度が低下する。従って、皮材を構成するアルミニウム合金のMg、Mn及びFeの含有量は、夫々皮材の全質量あたり0.1質量%以下とする。
【0030】
「フラックス充填率:ワイヤの全質量あたり5乃至20質量%」
フラックスは、アルミニウム合金材及び亜鉛メッキ鋼材に対する還元効果を有する。フラックスの充填率がワイヤの全質量あたり5質量%未満であると、フラックスによる還元効果が低下し、引張剪断強度及び剥離強度が低下する。一方、フラックスの充填率がワイヤの全質量あたり20質量%を超えると、還元作用が大きくなりすぎ、かえって引張剪断強度及び剥離強度が低下する。従って、本発明においては、フラックスの充填率をワイヤの全質量あたり5乃至20質量%と規定する。
【0031】
次に、本実施形態の異材溶接用フラックス入りワイヤを使用した異材レーザ溶接方法について説明する。先ず、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とによって継手部を構成する。例えば、継手部を重ね合わせ溶接する場合においては、図1に示すように、板状のアルミニウム材2と亜鉛メッキ鋼材3とを重ね合わせて、例えばアルミニウム合金材2をレーザ光側に配置する。このように、アルミニウム合金材2をレーザ光側に配置することにより、融点が低いアルミニウム合金材2を亜鉛メッキ鋼材3よりも先に溶融させ、続いて、アルミニウム合金材2の下方に配置された亜鉛メッキ鋼材3を一部溶融させることができるため、亜鉛メッキ鋼材3をレーザ光側に配置して重ね合わせ溶接する場合に比して、溶融池からの溶融金属の垂れを防止して、重ね合わせ溶接を円滑に実施することができる。継手部を突き合わせ溶接する場合には、図2に示すように、アルミニウム材2と亜鉛メッキ鋼材3とを突き合わせて配置する。
【0032】
次に、溶接継手部を、例えばヘリウム又はアルゴン等のシールドガス雰囲気とした状態で、レーザ光の焦点位置を調整し、母材同士の重ね合わせ部4又は突き合わせ部6周辺にレーザ光を集光させる。そして、母材同士の重ね合わせ部4又は突き合わせ部6周辺に異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1を供給する。アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とを重ね合わせ溶接する場合においては、アルミニウム合金材2をレーザ光側に配置しているため、アルミニウム合金材2を積極的に溶かすことができる。そして、フラックスにより亜鉛メッキ鋼材3表面の亜鉛メッキ層及び表面酸化膜を還元して、鋼界面をアルミニウム合金の溶湯中に接触させ、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とをブレーズ溶接にて接合する。なお、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とのブレーズ溶接とは、融点の低いアルミニウム合金材2を溶融させつつ、溶融したアルミニウム合金をろう材として、亜鉛メッキ鋼材3と接合することを意味する。アルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを突き合わせ溶接する場合においては、異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1を突き合わせ部6に供給すると共に、レーザ光の焦点位置を突き合わせ部6に合わせてレーザ光を照射することにより、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とをブレーズ溶接にて接合する。これにより、溶融金属の溶け落ちを防止することができる。
【0033】
レーザ光の照射により、まず融点が低いアルミニウム合金材2が溶融する。続いて亜鉛メッキ鋼材3が溶融するが、まず鋼板上の亜鉛メッキ層が溶融し、これに続いて鋼部分が一部溶融する。そして、これらの溶融金属成分中に、同じくレーザ光の照射により溶融した異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1が供給される。
【0034】
そして、レーザ光の照射位置を溶接線に沿って移動させると、溶融したアルミニウム合金成分、亜鉛メッキ成分及び鋼成分と、フラックス入りワイヤ成分とが混合された状態で、順次、溶接方向に沿って後方側で凝固していき、ビードを形成する。このとき、接合対象のアルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3との間には、金属間化合物が生成する。本実施形態の異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1は、フラックス中のフッ化セシウムの含有量が適正な値に規定されている。従って、溶接部に生成する金属間化合物は、例えば脆性が大きいFeAl又はFeAl等よりも、脆性を低下させることがないFeAl、FeAl等の方が、生成量が多くなり、溶接継手部の引張剪断強度及び剥離強度を向上させることができる。
【0035】
また、異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1は、アルミニウム皮材1a中のSiの含有量が適正な範囲に規定されており、溶接継手部の剥離強度を低下させることなく引張剪断強度を向上させることができる。この場合、アルミニウム皮材1a中のMg、Mn及びFeの含有量を夫々皮材1aの全質量あたり0.1質量%以下にすれば、Siの添加による引張剪断強度の向上を更に効果的に得ることができる。
【0036】
更に、本実施形態の異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤ1は、フラックス1bの充填率が適正な範囲に規定されており、引張剪断強度及び剥離強度を低下させることなく、フラックスの還元作用を効果的に得ることができる。
【0037】
なお、本実施形態においては、前述の如く、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とを重ね合わせ溶接する場合には、アルミニウム合金材2をレーザ光側に配置することが望ましい。しかしながら、本発明においては、母材同士が溶融され、溶融金属の溶融池にフラックス入りワイヤ1を溶融させて適量供給することができる範囲において、レーザ光の照射位置及びフラックス入りワイヤ1の供給位置は限定されない。
【0038】
次に、本発明に係る異材MIG溶接方法の実施形態について説明する。MIG溶接においても、使用する溶接ワイヤは、異材レーザ溶接方法にて使用する溶接ワイヤ1と同一である。また、MIG溶接の条件等は、通常のMIG溶接と同様である。図3は、重ね合わせ溶接の場合の溶接方法を示す模式図である。先ず、アルミニウム合金材2と亜鉛メッキ鋼材3とによって継手部を構成する。継手部を重ね合わせ溶接する場合においては、図3に示すように、板状のアルミニウム材2と亜鉛メッキ鋼材3とを重ね合わせて、例えばアルミニウム合金材2をトーチ7側に配置する。このように、アルミニウム合金材2をトーチ7側に配置することにより、融点が低いアルミニウム合金材2を亜鉛メッキ鋼材3よりも先に溶融させ、続いて、アルミニウム合金材2の下方に配置された亜鉛メッキ鋼材3を一部溶融させることができるため、亜鉛メッキ鋼材3をトーチ7側に配置して重ね合わせ溶接する場合に比して、溶融池からの溶融金属の垂れを防止して、重ね合わせ溶接を円滑に実施することができる。
【0039】
継手部を突き合わせ溶接する場合には、図4に示すように、アルミニウム材2と亜鉛メッキ鋼材3とを突き合わせて配置する。図3及び図4のいずれの場合も、トーチ7から継手部に向けて送給される溶接ワイヤ1と溶融池の近傍に向けてアルゴンガス又はヘリウムガス等の不活性ガスを供給して、溶融池に空気中の酸素が侵入することを遮断し、溶融金属の酸化を抑制する。
【0040】
この本発明の異材溶接用フラックス入りワイヤを使用した異材MIG溶接方法も、本発明の異材溶接用フラックス入りワイヤを使用した異材レーザ溶接方法と同様の効果を奏する。
【実施例】
【0041】
(第1実施例)
以下、本発明の異材レーザ溶接用フラックス入りワイヤの効果を示す実施例について、その比較例と比較して具体的に説明する。アルミニウム合金材2としては、AA6022合金(JIS A 6000系合金)からなる板厚1.0mmの板材(例えば、幅100mm、長さ300mm)を使用した。また、板厚1.2mm(例えば、幅100mm、長さ300mm)の980MPa級冷間圧延鋼板に溶融亜鉛メッキを施し、亜鉛メッキ鋼材3とした。なお、溶接対象の共試材としては、板材のままのアルミニウム合金材2及び亜鉛メッキ鋼材3と、夫々板材端部から適長(アルミニウム合金材2については板材端部から10mm、亜鉛メッキ鋼材3については板材端部から60mm)離隔した位置にて90度曲げ加工した曲げ板材とを使用した。
【0042】
そして、これらのアルミニウム合金材2及び亜鉛メッキ鋼材3を重ね合わせ、図1に示すように、アルミニウム合金材2をレーザ光側に配置し、重ね合わせ部4周辺をシールドガス雰囲気とした。なお、シールドガスとしては、アルゴンガスを使用した。そして、重ね合わせ部4に実施例及び比較例の異材溶接用フラックス入りワイヤ(直径1.2mm)を供給しながらレーザ光を照射して、重ね合わせレーザ溶接を行った。重ね合わせ部4に照射するレーザとしては、連続発振方式のYAG(Yttrium−Aluminum Garnet)レーザ(レーザ出力4.0kW)を使用し、溶接速度を1.2m/分とした。
【0043】
なお、溶接対象部材として板材を使用する場合には、図6に示すように相互の部材の重ね合わせ部4の長さが50mmとなるように配置した。また、溶接対象部材として曲げ板材を使用する場合には、図7に示すように、夫々の部材2,3の曲げ位置が一致するように配置し、相互の部材の重ね合わせ部4の長さが10mmとなるように配置した。
【0044】
本実施例において使用した実施例及び比較例の異材溶接用フラックス入りワイヤについて、フラックスの組成、フラックス充填率及び皮材の組成を表1に示す。そして、これらの実施例及び比較例のフラックス入りワイヤを使用して、図6に示す板材及び図7に示す曲げ板材について、夫々重ね合わせ溶接を行った。そして、重ね合わせ溶接した溶接部5の引張剪断強度及び剥離強度を測定した。
【0045】
(引張剪断強度評価)
引張剪断強度評価については、図6に示す重ね合わせ溶接した板材を使用して行った。溶接後の板材をJIS Z 2201−1998に規定されているJIS5号試験片に加工した。このとき、溶接部5が平行部の中央部となるように調整した。そして、引張試験機(島津製作所製、一軸試験機 RS−2)を使用して、夫々の板材を図6の矢印方向に引っ張り、溶接部5の引張剪断強度を測定した。各実施例及び比較例のフラックス入りワイヤを使用して溶接した場合について、溶接部5の引張剪断強度を表1に示す。
【0046】
(剥離強度評価)
剥離強度評価については、図7に示す重ね合わせ溶接後の曲げ板材を使用して行った。溶接後の板材を幅25mmの短冊片に加工した。そして、引張試験機(島津製作所製、一軸試験機 RS−2)を使用して、夫々の板材を図5の矢印方向に引っ張り、溶接部5の剥離強度を測定した。各実施例及び比較例のフラックス入りワイヤを使用して溶接した場合について、溶接部5の剥離強度を表1にあわせて示す。
【0047】
各実施例及び比較例の試験片について、引張剪断強度が200[MPa]以上で剥離強度が50[MPa]以上の場合を◎、引張剪断強度が200[MPa]以上で剥離強度が40[MPa]以上50[MPa]未満の場合を○、引張剪断強度が200[MPa]以上で剥離強度が10[MPa]以上40[MPa]未満の場合を△、引張剪断強度が200[MPa]以上で剥離強度が10[MPa]未満の場合を×と評価し、更に、引張剪断強度が200[MPa]未満で剥離強度が15[MPa]以上の場合を△、引張剪断強度が200[MPa]未満で剥離強度が15[MPa]未満の場合を×と評価した。
【0048】
【表1】

【0049】
表1に示すように、実施例1乃至12は、フラックス中のフッ化セシウム、フラックスの充填率、並びに皮材中のSi、及び不純物としてのMn、Mg及びFeの組成が本発明の範囲を満足するので、本発明の範囲を満足しない比較例1乃至10に比して引張剪断強度及び剥離強度が向上した。
【0050】
また、本発明の範囲を満足する実施例1乃至12のうち、実施例10は、皮材中のSi含有量が本発明の請求項2の範囲(0.8乃至1.4質量%)を超えたので、皮材中のSi含有量が本発明の請求項2の範囲内である実施例1乃至9、11及び12に比して剥離強度が若干低下した。
【0051】
(第2実施例)
次に、本発明の異材溶接用フラックス入りワイヤを使用した異材MIG溶接方法の実施例について、その比較例と比較して具体的に説明する。アルミニウム合金材2としては、AA6022合金(JIS A 6000系合金)からなる板厚2.0mmの板材(例えば、幅100mm、長さ300mm)を使用した。また、板厚1.4mm(例えば、幅100mm、長さ300mm)の980MPa級冷間圧延鋼板に溶融亜鉛メッキを施し、亜鉛メッキ鋼材3とした。なお、溶接対象の共試材としては、板材のままのアルミニウム合金材2及び亜鉛メッキ鋼材3と、夫々板材端部から適長(アルミニウム合金材2については板材端部から10mm、亜鉛メッキ鋼材3については板材端部から60mm)離隔した位置にて90度曲げ加工した曲げ板材とを使用した。
【0052】
そして、これらのアルミニウム合金材2及び亜鉛メッキ鋼材3を重ね合わせ、図3に示すように、アルミニウム合金材2をミグトーチ7側に配置し、重ね合わせ部4周辺をシールドガス雰囲気とした。なお、シールドガスとしては、アルゴンガスを使用した。そして、重ね合わせ部4に実施例及び比較例の異材溶接用フラックス入りワイヤ(直径1.2mm)を用いて通電し、重ね合わせMIG溶接を行った。重ね合わせ部4を溶接するMIG溶接機としては、直流パルス方式のMIG溶接電源(電流90A、電圧16V)を使用し、溶接速度を0.5m/分とした。
【0053】
なお、溶接対象部材として板材を使用する場合には、図6に示すように相互の部材の重ね合わせ部4の長さが50mmとなるように配置した。また、溶接対象部材として曲げ板材を使用する場合には、図7に示すように、夫々の部材2,3の曲げ位置が一致するように配置し、相互の部材の重ね合わせ部4の長さが10mmとなるように配置した。
【0054】
本実施例において使用した実施例及び比較例の異材溶接用フラックス入りワイヤについて、フラックスの組成、フラックス充填率及び皮材の組成を下記表2に示す。なお、表2において、皮材の不純物であるFeの含有量は全て0.07質量%であった。そして、これらの実施例及び比較例のフラックス入りワイヤを使用して、図6に示す板材及び図7に示す曲げ板材について、夫々重ね合わせ溶接を行った。そして、重ね合わせ溶接した溶接部5の引張剪断強度及び剥離強度を測定した。
【0055】
(引張剪断強度評価)
引張剪断強度評価については、図6に示す重ね合わせ溶接した板材を使用して行った。溶接後の板材をJIS Z 2201−1998に規定されているJIS5号試験片に加工した。このとき、溶接部5が平行部の中央部となるように調整した。そして、引張試験機(島津製作所製、一軸試験機 RS−2)を使用して、夫々の板材を図4の矢印方向に引っ張り、溶接部5の引張剪断強度を測定した。各実施例及び比較例のフラックス入りワイヤを使用して溶接した場合について、溶接部5の引張剪断強度を表1に示す。
【0056】
(剥離強度評価)
剥離強度評価については、図7に示す重ね合わせ溶接後の曲げ板材を使用して行った。溶接後の板材を幅25mmの短冊片に加工した。そして、引張試験機(島津製作所製、一軸試験機 RS−2)を使用して、夫々の板材を図7の矢印方向に引っ張り、溶接部5の剥離強度を測定した。各実施例及び比較例のフラックス入りワイヤを使用して溶接した場合について、溶接部5の剥離強度を表2にあわせて示す。
【0057】
各実施例及び比較例の試験片について、引張剪断強度が160[MPa]以上で剥離強度が10[MPa]以上の場合を◎、引張剪断強度が160[MPa]以上で剥離強度が7[MPa]以上10[MPa]未満の場合を○、引張剪断強度が160[MPa]以上で剥離強度が7[MPa]未満であったか、又は剥離強度が7[MPa]以上で引張剪断強度が160[MPa]未満であった場合を△、引張剪断強度が160[MPa]未満で剥離強度が7[MPa]未満であった場合を×と評価した。なお、これらの評価方法において、レーザ溶接の場合と数値が異なる。これは評価したアルミニウム材料の板厚が異なること(レーザ溶接は1mm、MIG溶接は2mm)による。また、特に剥離強度の場合は、引張試験時の塑性変形抵抗及び引張試験方法が異なるので、MIG溶接では低い値になる。
【0058】
【表2】

【0059】
この表2に示すように、実施例1乃至12は、フラックス中のフッ化セシウム、フラックスの充填率、並びに皮材中のSi、及び不純物としてのMn、Mg及びFeの組成が本発明の範囲を満足するので、本発明の範囲を満足しない比較例1乃至10に比して引張剪断強度及び剥離強度が向上した。また、本発明の実施例1乃至12は剥離強度試験で界面剥離が生じなかったが、比較例5を除いて、他の比較例はいずれも界面剥離が生じた。
【符号の説明】
【0060】
1:異材溶接用フラックス入りワイヤ、1a:皮材、1b:フラックス、2:アルミニウム合金材、3:亜鉛メッキ鋼材、4:重ね合わせ部、5:溶接部、6:突き合わせ部、7:トーチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材との異材接合に使用される異材溶接用フラックス入りワイヤであって、
Siを0.8乃至1.9質量%含有し、残部がアルミニウム及び不可避的不純物であるアルミニウム合金からなる筒状の皮材と、この皮材内に充填されフッ化セシウムを20乃至60質量%含有するフラックスと、を有し、
前記皮材中の不可避的不純物としては、Mn、Mg又はFeがあり、その含有量が夫々皮材の全質量あたり0.1質量%以下であり、
前記フラックスの充填率がワイヤの全質量あたり5乃至20質量%であることを特徴とする異材溶接用フラックス入りワイヤ。
【請求項2】
前記皮材を構成するアルミニウム合金のSiの含有量は0.8乃至1.4質量%であることを特徴とする請求項1に記載の異材溶接用フラックス入りワイヤ。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の異材溶接用フラックス入りワイヤを使用し、
アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とによって継手部を構成し、
この継手部に前記異材溶接用フラックス入りワイヤを供給しながらレーザ光を照射して、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と前記亜鉛メッキ鋼材とを接合することを特徴とする異材レーザ溶接方法。
【請求項4】
前記アルミニウム又はアルミニウム合金材がレーザ光側となるように前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせて配置し、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせ溶接することを特徴とする請求項3に記載の異材レーザ溶接方法。
【請求項5】
前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを突き合わせて配置し、前記異材溶接用フラックス入りワイヤの供給位置及び前記レーザ光の照射位置を前記突き合わせ部分よりもアルミニウム又はアルミニウム合金材側に寄せて、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを突き合わせ溶接することを特徴とする請求項3に記載の異材レーザ溶接方法。
【請求項6】
前記請求項1又は2に記載の異材溶接用フラックス入りワイヤを使用し、
アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とによって継手部を構成し、
前記継手部と前記異材溶接用フラックス入りワイヤとの間にアークを形成し、アーク周辺部に不活性ガスを供給しつつ、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と前記亜鉛メッキ鋼材とを接合することを特徴とする異材MIG溶接方法。
【請求項7】
前記アルミニウム又はアルミニウム合金材が前記異材溶接用フラックス入りワイヤ側となるように前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせて配置し、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを重ね合わせ溶接することを特徴とする請求項6に記載の異材MIG溶接方法。
【請求項8】
前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを突き合わせて配置し、前記異材溶接用フラックス入りワイヤの供給位置を前記突き合わせ部分よりもアルミニウム又はアルミニウム合金材側に寄せて、前記アルミニウム又はアルミニウム合金材と亜鉛メッキ鋼材とを突き合わせ溶接することを特徴とする請求項6に記載の異材MIG溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−45926(P2011−45926A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161993(P2010−161993)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】