説明

異機種同時生産ラインにおける組立支援システム

【課題】 部品在庫カウンタを介して、前記部品棚を構成する各間口の部品在庫をリアルタイムに監視可能とする異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムを提供すること。
【解決手段】 生産工程管理装置と、部品棚と、部品棚管理装置とを含む異機種同時生産ラインにおける組立支援システムであって、部品棚管理装置には、部品棚の各間口の取出用開口の間口検知器からの検知信号に基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値を予め決められた部品取出個数相当値だけ減算する取出時の部品在庫カウンタ更新手段と、部品棚の各間口の投入用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値を予め決められた又は別途入力された部品投入個数相当値だけ加算する投入時の部品在庫カウンタ更新手段と、が含まれていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、前記複数の組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能とした異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、多品種少量生産に適する工業製品(例えば、自動車、各種電気製品、パソコン等々)の生産ラインとしては、複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、それらの組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能とした異機種同時生産ラインが知られている。
【0003】
このような異機種同時組立ラインの中には、各組立ステーションにおいて、様々な機種の組み立て作業を熟練作業員でなくとも誤りなく実施できるように、部品取り出しガイド表示器付きの部品棚を使用した組立支援システムが採用されているものも存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一般に、この種の部品取り出しガイド表示器付きの部品棚を使用した組立支援システムは、詳細は後述するが、「生産工程管理装置」と、「部品棚」と、「部品棚管理装置」と、を含んで次のように構成される。
【0005】
生産工程管理装置は、組立ラインに含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける組立工程を一括管理するコンピュータ・システムで構成されるものであり、通常、組立ラインの現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置される。
【0006】
部品棚は、組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、組立に必要な部品を収容するための複数の間口を有すると共に、それら複数の間口のそれぞれには、間口表示器と間口検知器とが設けられる。
【0007】
部品棚管理装置は、例えばプログラマブル・コントローラ(PLC)やプログラマブル・ターミナル(PT)等を含んで構成され、組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ生産工程管理装置と通信ネットワークを介して結ばれる。
【0008】
また、生産工程管理装置は、詳細は後述するが、「上位側受信手段」と、「使用部品テーブル記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「機種/部品・ベース変換手段」と、「生産計画ダウンロード手段」と、「部品割付テーブルダウンロード手段」とを含んで構成される。
【0009】
上位側受信手段は、各機種(例えば、自動車生産ラインであれば車種が相当)を示す機種情報とその機種の生産順番を示す生産順番情報とを含む機種ベースの生産計画情報を所定生産台数(例えば、100台)分について所定の上位装置(例えば、その会社の生産計画情報を生成する基幹システムが相当)から所定のネットワークを介して受信する。
【0010】
使用部品テーブル記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成され、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、各機種を示す機種情報とその機種のその組立ステーションにおける組立工程で使用される部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる機種別使用部品テーブルを記憶する。
【0011】
部品割付テーブル記憶手段は、、ハードディスク等の記憶装置で構成され、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、その組立ステーションに含まれる部品棚の各間口を示す間口情報とその間口に割り付けられる部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる間口別部品割付テーブルを記憶する。
【0012】
機種/部品・ベース変換手段は、使用部品テーブル記憶手段に記憶される機種別使用部品テーブルを参照することにより、受信手段にて上位装置から受信される機種ベースの生産計画情報を各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報へと変換する。
【0013】
生産計画ダウンロード手段は、機種/部品・ベース変換手段から得られる各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報を、各組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
【0014】
部品割付テーブルダウンロード手段は部品割付テーブル更新手段にて更新された間口別部品割付テーブルを、該当する組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
【0015】
また、各組立ステーションの部品棚管理装置は、詳細は後述するが、「生産計画記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「部品情報入力手段」と、「部品取出作業支援手段」と、を含んで次のように構成される。
【0016】
生産計画記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成されるもので、生産工程管理装置から生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報を記憶する。
【0017】
部品割付テーブル記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成されるもので、生産工程管理装置から部品割付テーブルダウンロード手段を介してダウンロードされる間口別部品割付テーブルを記憶する。
【0018】
部品情報入力手段は、プログラマブル・ターミナルやキーボード等の入力装置で構成されるもので、部品棚のいずれかの間口に投入しようとする部品及びその投入個数を含む部品情報を入力する。
【0019】
部品取出作業支援手段には、前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを参照することにより、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶された部品ベースの生産計画情報に基づいて、各機種の組立作業毎の使用部品対応間口を示す使用間口情報を生成する使用間口情報生成手段と、前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の取出用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各機種の組立作業における使用部品対応間口の取出用開口の間口表示器の表示動作を制御して部品取出案内を行う取出用間口表示器制御手段と、が含まれている。
【0020】
以上の構成よりなる組立支援システムによれば、各組立ステーションの部品棚においては、組立対象となる機種の順番に合わせて、その機種の組立に必要な部品を収めた間口の間口表示器が点灯するため、間口表示器の点灯にしたがって、その間口から部品を取り出すだけで、各機種の組立に必要な部品を容易に取得でき、様々な機種の組み立て作業を熟練作業員でなくとも誤りなく実施できる利点がある。
【0021】
しかも、生産計画情報の提供元となる上位装置と各組立ステーションの部品棚管理装置との間には、各組立すーションへの情報変換機能乃至情報仕分け機能を有する生産工程管理装置が介在されているため、上位装置の側では、単に、各機種(例えば、自動車生産ラインであれば車種が相当)を示す機種情報とその機種の生産順番を示す生産順番情報とを含む機種ベースの生産計画情報を送り出すだけで、各組立ステーションの部品棚管理装置にはその部品棚の制御の適した情報が自動的に提供される利点もある。
【特許文献1】特開2003−40406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
この種の組立ラインでは、部品棚への部品補充は部品投入を専門とする物流担当者が行うことが一般的である。物流担当者は、基本的には所定数の部品を定期的に補充する「定期供給」にて部品の補充を行うが、この定期供給のみでは、多品種少量生産を行う異機種同時生産ラインにおいては、特定品種の生産が集中した場合などに供給が間に合わない虞がある。そこで、物流担当者が生産ラインの各部品棚を巡回監視し、予定以上に減少している部品などを臨時で補充する「巡回監視供給」を、定期供給に加えて行うことがある。
【0023】
しかしながら、このような巡回監視供給は部品の使用状況によっては必ずしも必要ではなく、無駄な作業となることもある。また、物流担当者は部品の使用予定を把握していないため、予定よりも減っているが次の定期供給による補充で間に合う場合と、定期供給前に不足してしまう場合との判断が付かず、結果としてその時点では不要な補充を行うこともままある。また、物流担当者が必要な補充数が把握できていないことにより、過剰な量の部品を補充用に持参し、部品棚に収まりきらなかった部品を部品棚近くの床に放置し、これにより管理範囲外の部品が生じることもしばしばある。
【0024】
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、前記部品棚を構成する各間口の部品在庫をリアルタイムに監視可能とする異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムを提供することにある。
【0025】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上述の技術的課題は、以下の構成を有する異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムにより解決することができる。
【0027】
すなわち、この組立支援システムは、複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、前記複数の組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能とした異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムである。
【0028】
この組立支援システムには、詳細は後述するが、「生産工程管理装置」と、「部品棚」と、「部品棚管理装置」と、が含まれている。
【0029】
生産工程管理装置は、前記組立ラインに含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける組立工程を一括管理するもので、前記組立ラインの現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置される。
【0030】
部品棚は、前記組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ組立に必要な部品を収容するための複数の間口を有すると共に、前記複数の間口のそれぞれには、間口表示器と間口検知器とが設けられる。
【0031】
部品棚管理装置は、前記組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ前記生産工程管理装置と通信ネットワークを介して結ばれる。
【0032】
また、前記生産工程管理装置には、
「上位側受信手段」と、「使用部品テーブル記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「機種/部品・ベース変換手段」と、「生産計画ダウンロード手段」と、「部品割付テーブルダウンロード手段」とが含まれている。
【0033】
上位側受信手段は、各機種を示す機種情報とその機種の生産順番を示す生産順番情報とを含む機種ベースの生産計画情報を所定生産台数分について所定の上位装置から受信する。
【0034】
使用部品テーブル記憶手段は、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、各機種を示す機種情報とその機種のその組立ステーションにおける組立工程で使用される部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる機種別使用部品テーブルを記憶する。
【0035】
部品割付テーブル記憶手段は、自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、その組立ステーションに含まれる部品棚の各間口を示す間口情報とその間口に割り付けられる部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる間口別部品割付テーブルを記憶する。
【0036】
機種/部品・ベース変換手段は、前記使用部品テーブル記憶手段に記憶される機種別使用部品テーブルを参照することにより、受信手段にて上位装置から受信される機種ベースの生産計画情報を各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報へと変換する。
【0037】
生産計画ダウンロード手段は、前記機種/部品・ベース変換手段から得られる各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報を、各組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
【0038】
部品割付テーブルダウンロード手段は、間口別部品割付テーブルを該当する組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする。
【0039】
また、各組立ステーションの部品棚管理装置は、詳細は後述するが、「生産計画記憶手段」と、「部品割付テーブル記憶手段」と、「部品情報入力手段」と、「部品取出作業支援手段」と、「部品投入作業支援手段」と、を含んで次のように構成される。
【0040】
生産計画記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成されるもので、生産工程管理装置から生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報を記憶する。
【0041】
部品割付テーブル記憶手段は、ハードディスク等の記憶装置で構成されるもので、生産工程管理装置から部品割付テーブルダウンロード手段を介してダウンロードされる間口別部品割付テーブルを記憶する。
【0042】
部品情報入力手段は、タッチパネル、一次元又は二次元の光学コードを読取可能な光学コードリーダ、磁気コードリーダ、又はRFIDタグリーダなどの入力装置で構成されるもので、前記部品棚のいずれかの間口に投入しようとする部品及びその投入個数を含む部品情報を入力する。
【0043】
部品取出作業支援手段には、部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを参照することにより、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶された部品ベースの生産計画情報に基づいて、各機種の組立作業毎の使用部品対応間口を示す使用間口情報を生成する使用間口情報生成手段と、前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の取出用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各機種の組立作業における使用部品対応間口の取出用開口の間口表示器の表示動作を制御して部品取出案内を行う取出用間口表示器制御手段と、前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の取出用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値を予め決められた部品取出個数相当値だけ減算する取出時の部品在庫カウンタ更新手段と、が含まれている。
【0044】
部品投入作業支援手段には、部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを参照することにより、前記部品情報入力手段により入力された投入用部品の部品情報に基づいて、投入部品対応間口を示す投入間口情報を生成する投入間口情報生成手段と、前記投入間口情報生成手段により生成される投入間口情報と、前記部品棚の各間口の投入用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各部品の部品棚投入作業における投入部品対応間口の投入用開口の間口表示器の表示動作を制御して部品投入案内を行う投入用間口表示器制御手段と、前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の投入用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値を予め決められた又は別途入力された部品投入個数相当値だけ加算する投入時の部品在庫カウンタ更新手段と、が含まれている。
【0045】
このような構成によれば、前記各組立ステーションにおいて、使用間口情報生成手段により生成された使用間口情報に基づいて使用部品を部品棚から取り出すと、取出用開口の間口検知器からの検知信号に基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値が予め決められた部品取出個数相当値だけ減算される。また、投入間口情報生成手段により生成された投入部品対応間口情報に基づいて部品投入を行うと、投入用開口の間口検知器からの検知信号に基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値が予め決められた又は別途入力された部品投入個数相当値だけ加算される。
【0046】
そのため、本発明によれば、部品棚の各間口の部品在庫数が部品在庫カウンタを介してリアルタイムで監視可能となり、部品在庫の減少を確実に把握可能である。このため、物流担当者は予め定められた定期供給と部品在庫減少時の臨時投入とを行うだけでよく、巡回監視による部品数の監視は不要となり、無駄な労力が省かれる。
【0047】
上記の組立支援システムは、好ましい実施形態においては、前記生産工程管理装置及び前記各組立ステーションの部品棚管理装置は、次のように構成されていてもよい。
【0048】
すなわち、前記生産工程管理装置において、前記生産計画ダウンロード手段は、前記機種/部品・ベース変換手段から得られる各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報を、各組立ステーションの部品棚管理装置へと所定生産台数分だけまとめてダウンロードするように仕組まれている。
【0049】
また、前記各組立ステーションの部品棚管理装置において、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段は、前記生産工程管理装置から前記生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報を所定生産台数分まとめて記憶できる記憶容量を有している。
【0050】
また、前記通常モード用の制御手段において、前記間口表示器制御手段は、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶された所定生産台数分の間口ベースの生産計画情報から順次に読み出される各1台分の使用間口対応の間口情報と、前記部品棚の各間口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各生産機種の組立作業に必要な部品と対応する各間口の間口表示器の表示動作を制御するように仕組まれている。
【0051】
このような構成によれば、各組立ステーションの部品棚管理装置においては、生産工程管理装置から前記生産計画ダウンロード手段を介して予めダウンロードされる所定生産台数分の生産計画情報に基づいて、各生産機種の組立作業に必要な部品と対応する各間口の間口表示器の表示動作が制御されるため、ネットワークの異常が発生する等してダウンロードが一時的に不能となる事態が発生したとしても、直ちに生産ラインにおける組み立て作業が停止しないと言う利点がある。
【0052】
このとき、前記部品棚管理装置において、前記部品情報入力手段を、機械読取可能なコードを使用して記録された部品情報を読み取り可能な部品情報読取器としてもよい。
【0053】
このような構成によれば、部品情報の入力が機械読み取り可能なコードを使用して行われるため、作業者が入力時に部品情報を打ち間違うなどの人的ミスを回避することが出来、入力時間も短縮される。
【0054】
また、前記部品棚管理装置において、動作モードを仕損処理モードに設定するための仕損モード設定手段と、動作モードが仕損モードに設定されていることを条件として、部品棚の全間口の取出側開口の間口表示器を点滅させる表示制御手段と、動作モードが仕損モードに設定されていることを条件として、部品棚の取出側開口の各間口検知器のうちで、作動した間口検知器に対応する間口に割り付けられた部品に関する在庫カウンタの現在カウント値を部品取出個数相当値だけ減算する在庫カウンタ減算手段とをさらに具備するようにしてもよい。
【0055】
ここで「仕損処理」とは、破損部品や不良部品などを破棄することである。仕損処理を行う際には、通常の動作モードとは異なる仕損処理モードに切り替えて仕損処理を行うこととする。
【0056】
そしてこのような構成によれば、通常の動作モードでは部品取出案内がなされている間口以外からの部品取出は不可とし、指示外の間口からの部品取出が認められた場合には警告を発し、その一方で、破損部品や不良部品が生じた場合には仕損処理モードに設定することですべての間口について生産計画外の部品取出を許容することができる。これにより、通常の動作モードでは部品の取出ミスなどを防ぐことが可能となり、しかも破損部品や不良部品が生じた場合にはその数だけ適切に部品在庫カウンタの減算処理を行うことができるため、破損部品等により部品棚に収められた実際の部品在庫数と部品在庫カウンタとの間のズレを防ぐことが出来る。
【0057】
前記部品棚管理装置には、部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルに登録された部品のそれぞれについて、その部品に対応する在庫カウンタのカウント値が規定値を下回ったことを在庫低下として検知する在庫低下検知手段と、前記在庫低下検知手段でいずれかの部品に関して在庫低下が検出されたときに、その部品について、前記生産計画記憶手段に記憶された部品ベースの生産計画情報を検索することにより、投入がなかったとした場合に、想定される生産計画台数の範囲内で部品不足となる場合にはこれを不足見込みと判定する不足見込み判定手段と、部品不足に至るまでの生産台数に1台当たりのタクトタイムを乗ずることにより、その部品が不足すると見込まれる不足見込み時点を算出する不足見込み時点算出手段と、前記不足見込み判定手段により、不足見込みと判定されるときには、当該不足見込みに係る部品情報と不足見込み時点と不足見込みである旨とを含む部品供給要求を所定の通知先へと通信を介して通知する不足見込み通知手段とを具備するようにしてもよい。
【0058】
ここで不足見込みの基準となる規定値については、部品毎の使用頻度等の条件を考慮して適宜設定することができる。例えば、使用頻度の高い部品は高めに設定し、使用頻度の低い部品は低めに設定するということが考えられる。また、補充に時間がかかる部品については、使用頻度が低くても規定値を高めに設定するなどの工夫をしてもよい。
【0059】
そしてこのような構成によれば、在庫カウンタのカウント値が規定値を下回り在庫低下とされた場合であっても、生産計画記憶手段に記憶されている生産計画情報の範囲内で部品不足が生じない場合には部品不足と判定されない。すなわち、規定値を下回っているものの補充せずとも間に合うような場合には補充要求が行われず、物流担当者は不要な補充を行わずに済み、労力が軽減される。
【0060】
一方で、生産計画記憶手段に記憶されている生産計画情報の範囲内で部品不足が発生する場合には不足見込みを所定の通知先に通知することにより、迅速な部品補充が可能となる。
【0061】
このとき、前記在庫カウンタのカウント値と比較されるべき規定値としては、所定の設定操作によって、当該部品棚管理装置のメモリ内に部品毎に予め記憶されたものが使用されるようにしてもよい。
【0062】
また、前記在庫カウンタのカウント値と比較されるべき規定値としては、その都度、部品情報読取器により読み取られた部品情報に含まれたものが使用されるようにしてもよい。
【0063】
更に、前記不足見込みに関する所定の通知先として機能する在庫管理装置をさらに有し、前記在庫管理装置には、前記部品棚管理装置から部品供給要求が通知されるのに応答して、その部品に関する定期供給スケジュールを上位装置から受信する定期供給スケジュール受信手段と、前記部品棚管理装置から通知された不足見込み時点と前記定期供給スケジュール受信手段により受信された定期供給スケジュールにより規定される次回の定期供給時点とを比較し、不足見込み時点までに次回の定期供給時点が到来しないときには、これを定期供給時不足確定と判定する定期供給時不足確定判定手段と、前記定期供給時不足確定判定手段により定期供給時不足確定と判定されるときには、所定の情報を含む部品供給要求を所定の物流担当者側の端末へと通知する定期供給時不足確定通知手段とを具備するようにしてもよい。
【0064】
このような構成によれば、部品棚管理装置から通知された不足見込み時点と次回の定期供給時点とを比較し、不足見込み時点が次回の定期供給時点よりも遅かった場合には次回の定期供給による補充で間に合うと判断し、臨時供給を行わずに済ませることが出来る。即ち、現在の部品在庫数では生産計画の途中で部品不足が生じるものの、定期的に行われる定期供給による補充で間に合うような場合には補充要求が行われず、物流担当者は不要な補充を行わずに済み、労力が軽減される。
【0065】
一方で、次回定期供給時までに部品不足が発生すると判定された場合には、所定の情報を含む部品供給要求を所定の物流担当者側の端末へと通知することにより、速やかな部品補充を行うことが可能である。
【0066】
前記定期供給時不足確定通知手段により、所定の物流担当者側の端末へと通知される部品供給要求に含まれる所定の情報には、供給要求の発生している間口、該当部品番号、及び部品名称を含まれるように構成してもよい。
【0067】
前記定期供給時不足確定通知手段により、所定の物流担当者側の端末へと通知される部品供給要求に含まれる所定の情報には、その間口に補充可能な部品数又は部品箱数をさらに含まれるようにしてもよい。
【0068】
このような構成によれば、物流担当者は補充可能な部品個数を把握することが可能となり、必要以上の個数の部品を運び、それにより部品棚に収まりきらず部品棚近辺に放置する、などといった事態が起こらなくなる。
【0069】
前記定期供給時不足確定通知手段により、所定の物流担当者側の端末へと通知される部品供給要求に含まれる所定の情報が、該当部品の置かれている部品置き場、及び物流担当者をさらに含むようにしてもよい。
【0070】
前記定期供給時不足確定通知手段により、部品供給要求が通知されるべき所定の物流担当者側の端末が、物流作業者の所持するPDAや無線ハンディーターミナル、物流搬送者が移動車両内で取り扱うPC端末やパルコンピュータ、物流詰所に設置されたPC端末、又は物流側部品置き場に設置された大画面ディスプレイ又はプロジェクタ付きのPC端末であってもよい。
【0071】
ここで、前記補充可能な部品数が、次式により算出されるようにしてもよい。
補充可能な部品数=Max格納数−現在在庫数 ・・・(式)
【0072】
また、前記補充可能な部品箱数が、次式により算出されるようにしてもよい。
補充可能な部品箱数=INT{(Max格納数−現在在庫数)/1箱当たりの部品数}
・・・(式)
【0073】
前記部品棚管理装置から部品供給要求が通知されるのに応答して、その部品に関するサプライヤ供給スケジュールを上位装置から受信するサプライヤ供給スケジュール受信手段と、前記部品棚管理装置から通知された不足見込み時点と前記サプライヤ供給スケジュール受信手段により受信されたサプライヤ供給スケジュールにより規定される次回のサプライヤ供給時点とを比較し、不足見込み時点までに次回のサプライヤ供給時点が到来しないときには、これをサプライヤ供給時不足確定と判定するサプライヤ供給時不足確定判定手段と、前記サプライヤ供給時不足確定判定手段により定期供給時不足確定と判定されるときには、所定の情報を含む部品供給要求を上位装置へと通知するサプライヤ供給時不足確定通知手段とをさらに具備するように構成してもよい。
【0074】
このような構成によれば、次回のサプライヤによる供給までに部品不足が生じる場合に、迅速にサプライヤへ通知を行うことができ、速やかな補充が可能となる。
【0075】
なお、以上一連の発明において、前記間口検知器は、各間口の部品取出側の面又は部品投入側の面に設けられ、手動操作で作動するスイッチであってもよいし、各間口の部品取出側の面又は部品投入側の面に設けられ、間口への物体侵入により作動する光電センサであってもよい。又、以上一連の発明において、前記間口表示器は、各間口の部品取出側の面又は部品投入側の面に設けられる表示ランプであってもよい。
【0076】
このような構成によれば、それらのスイッチや光電センサ、さらには表示ランプは、元々この種の取り出しガイド機能付の部品棚においては付属されているものであるから、既存の設備を流用することで、格別のコストアップを来さない利点がある。
【0077】
又、以上一連の発明において、前記部品情報読取器は、部品収容箱等に表示された一次元又は二次元の光学コードを読取可能な光学コードリーダ、磁気コードリーダ、又はRFIDタグリーダであってもよい。
【0078】
このような構成によれば、部品棚の各間口に部品箱ごと部品を収納するような場合には、その部品箱の側面等や別途用意した部品情報リスト表示シートに、一次元や二次元の光学コード、磁気コード、RFIDタグ等により部品情報を付することとすれば、部品情報読取器を使用した読み取り操作を行うだけで、部品コードと言った組立作業者にとっては通常接し難い複雑な情報を知らずとも、部品情報を簡単に入力させることができる。
【0079】
また、以上一連の発明において、前記部品棚管理装置は、クライアント本体として機能するプログラマブル・コントローラと、ヒューマンマシン・インタフェースとして機能するプログラマブル・ターミナルとから構成され、前記部品棚管理装置を構成する生産計画記憶手段、部品割付テーブル記憶手段、運転モード用の制御手段、及び登録モード用の制御手段の各機能は、前記プログラマブル・コントローラのユーザプログラムにより実現され、かつ前記部品棚管理装置を構成する動作モード設定手段の機能は、前記プログラマブル・ターミナルにより実現されるものであれば、本発明を特別な専用制御装置を使用せずとも手軽に実現することができる。
【発明の効果】
【0080】
本発明によれば、前記各組立ステーションにおいて、使用間口情報生成手段により生成された使用間口情報に基づいて使用部品を部品棚から取り出すと、取出用開口の間口検知器からの検知信号に基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値が予め決められた部品取出個数相当値だけ減算される。また、投入間口情報生成手段により生成された投入部品対応間口情報に基づいて部品投入を行うと、投入用開口の間口検知器からの検知信号に基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値が予め決められた又は別途入力された部品投入個数相当値だけ加算される。
【0081】
そのため、本発明によれば、部品棚の各間口の部品在庫数が部品在庫カウンタを介してリアルタイムで監視可能となり、部品在庫の減少を確実に把握可能である。このため、物流担当者は予め定められた定期供給と部品在庫減少時の臨時投入とを行うだけでよく、巡回監視による部品数の監視は不要となり、無駄な労力が省かれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0082】
以下に、この発明に係る組立支援システムの好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0083】
先に説明したように、本発明に係る組立支援システムが適用される異機種同時生産ラインは、複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、前記複数の組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能としたものである。
【0084】
この異機種同時生産ラインは、自動車、家電製品、コンピュータ、各種電子機器等々のような様々な工業製品に適用することができ、またその全長も、電子機器の製造ライン等のような10m乃至数10mの小規模なものから、自動車の製造ライン等の数100m又はそれ以上の大規模なものまで様々である。
【0085】
また、ここで言う「複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ライン」には、連続する1本の搬送ラインに沿って、複数の組立ステーションが配置されていて、組立途中製品は一切停止せずに、各組立ステーションの前を通過するもの(連続搬送式)と、相前後する組立ステーション間を独立した搬送ラインで結び、個々の組立ステーションでは、上流側の搬送ラインから組立途中製品を受け取ったのちに、静止状態において、決められた組立作業を実行し、組立作業が完了したのちの組立途中品を下流側の搬送ラインに送り出すもの(断続搬送式)との双方が含まれている。
【0086】
さらに、連続搬送式の組立ラインには、組立作業者を各組立ステーションに配置したままで、各組立ステーションの前を通過する間に、組立途中製品に対して所定の組立作業を行うもの(作業者静止型)と、組立作業者を搬送ライン上に載せて組立途中品と一緒に一定の搬送区間流れながら所定の組み立て作業を行うもの(作業者移動型)とが含まれている。
【0087】
異機種同時生産ラインの一例を示すレイアウト図が図1に示されれている。なお、図示の異機種同時生産ラインは、自動車の製造ラインとして構成されるものであり、また前述の連続搬送式かつ作業者移動型のものに相当するものである。
【0088】
同図に示されるように、組立ライン1は、自動車の組立途中製品を搬送する機能を有する連続する1本の搬送帯10で構成されており、この搬送帯10の進行方向右脇には、複数の組立ステーションが互いに適当な前後距離を隔てて配置されている。なお、この例では、それら複数の組立ステーションのうちの相前後する2つの組立ステーション、すなわち、(N)番目の組立ステーションと(N+1)番目の組立ステーションのみが示されている。また、符号13は、投入されるべき部品を運搬するための多連運搬車である。
【0089】
搬送帯10は、進行方向へ等間隔に区切られて複数の区画領域10a,10a,・・・が形成されている。それらの区画領域10a,10a,・・・のそれぞれには、一台の自動車の組立途中品11と、その組立途中品の組立作業を担当する一人の組立作業者12とが載せられている。
【0090】
各組立ステーション(例えば第(N)組立ステーション、第(N+1)組立ステーション)のそれぞれには、詳細は後述する、部品取出用ガイド機能付きの部品棚2と、その部品棚を管理する部品棚管理装置3とが配置されている。
【0091】
部品棚の一例を示す説明図(取出側)が図7に、同(投入側)が図8にそれぞれ示されている。図7は部品棚2を表側(部品を取り出す側)から見たものであり、図8は部品棚2を裏側(部品を投入する側)から見たものである。それらの図から明らかなように、部品棚2は複数の間口(部品収容部の意味)21を有する。図では、各間口21は同一形状とされ、また縦横に配列されているが、実際のところ、各間口21の形状乃至配列は区々であり、縦長のもの、横長のもの、背の高いもの又は低いもの等々が混在した部品棚も存在する。
【0092】
間口21を形作る構造材としては、自動車部品を扱うような場合には、一般的には、図12及び図13に示されるように、パイプ材が使用される。各間口21は、組立ライン1に面する部品取出用開口と、それと反対側に位置する部品投入用開口とを有する。各間口21の底板は、部品棚によっては、部品投入用開口から部品取出用開口へ向かうにつれて降下する傾斜面とされ、この傾斜面には、好ましくは、転動用ローラや転動用鋼球が配置されている。
【0093】
各間口21に収容されるべき部品は、大型の部品については、そのまま、バラバラの状態で直に収容されるのに対して、比較的に小型で定型の部品については、例えば図13に示されるように、一定個数まとめて部品箱5ごと収容される。
【0094】
のちに詳細に説明するように、各部品箱5のそれぞれには、部品箱内に収容される部品に関する部品関連情報をバーコードで表示してなるラベル51が貼付されている。ここで、ラベル51にバーコードで表示される部品関連情報としては、当該部品の部品名、部品識別コード、1箱あたりの収容個数、製造者コード、製造年月日等々を挙げることができる。
【0095】
各間口21の部品投入用開口から供給される部品箱5は、傾斜底面を有する場合には、各間口21の傾斜底面に配置された転動用ローラや転動用鋼球に案内されて、部品投入用開口の側から部品取出用開口の側へと自重で移動する。これにより、部品箱5は間口21内を自重で移動して、部品の取り出し易い開口の間近の所定位置へとセットされる。
【0096】
部品棚2において、各間口21の部品取出用開口及び部品投入用開口には、間口表示器22と間口検知器23とが取り付けられる。部品取出用開口に取り付けられる間口表示器22a及び間口検知器23aは、主として、部品取出用間口の案内(間口表示器22aの場合)及び部品が取り出されたことの確認(間口検知器23aの場合)のために供される。これに対して、部品投入用開口に取り付けられる間口表示器22b及び間口検知器23bは、部品投入のための案内(間口表示器22bの場合)及び部品が投入されたことの確認(間口検知器23bの場合)のために供される。なお、図2の例にあっては、間口表示器22はPLC31のOUTスレーブ24の出力でオンオフ駆動され、間口検知器23からの入力信号はINスレーブ25を介してPLCに取り込まれる。
【0097】
間口表示器22及び間口検知器23の具体的な構造としては、様々な態様のものを採用することができる。図7に示される部品棚の取出側開口の場合、間口表示器22としては表示ランプ22aが、また間口検知器23としてはレバースイッチ23aがそれぞれ採用されている。一方、図8に示される投入側開口の例にあっては、間口表示器22としては表示ランプ22bが、また間口検知器23としては多光軸光電センサ23bがそれぞれ採用されている。図7,8の例では、取出側開口と投入側開口とで異なる間口検知器を採用しているが、双方の開口で同種の間口検知機を採用してもよいし、それぞれの側に間口毎に異なる間口検知機を採用するようにしてもよい。
【0098】
なお、図7及び図8において、符号32は後述する部品棚管理装置3の操作部として機能するプログラマブル・ターミナル(PT)であり、画面321を有している。また、符号34は部品棚周辺の組立作業者に対して各種の警告を与えるための警告灯である。図7,8の例においては、取出側にはプログラマブル・ターミナル32aと警告灯34aが設けられており、投入側にはプログラマブル・ターミナル32bと警告灯34bが設けられている。
【0099】
次に、本発明に係る組立支援システムの全体構成図が図2に示されている。同図に示されるように、この組立支援システムには、詳細は後述するが、生産工程管理装置4と、部品棚2と、部品棚管理装置3と、在庫管理装置6と、が含まれている。
【0100】
生産工程管理装置4は、組立ライン1に含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける組立工程を一括管理するもので、組立ライン1の現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置されている。
【0101】
部品棚2は、組立ライン1に含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ組立に必要な部品を収容するための複数の間口21を有すると共に、複数の間口21のそれぞれには、先に図7及び図8を参照して説明したように、取出側と投入側のそれぞれに間口表示器22と間口検知器23とが設けられている。
【0102】
部品棚管理装置3は、先に図1を参照して説明したように、組立ライン1に含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ生産工程管理装置4と通信ネットワーク(NET2)を介して結ばれる。
【0103】
在庫管理装置6は、組立ライン1に含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける在庫管理を一括管理するもので、組立ライン1の現場とは離隔された事務所等の遠隔場所に設置されており、コンピュータにより構成される。
【0104】
以下、生産工程管理装置4、部品棚管理装置3、及び部品棚2のそれぞれについて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成をより詳細に説明する。
【0105】
先ず、生産工程管理装置4について説明する。生産工程管理装置4は、図2に示されるように、サーバを含む複数のコンピュータにより構成され、そのハードディスク等の記憶手段には、後述する、部品マスタ(MST)が記憶される記憶手段(M1)と、機種ベースの生産計画情報(INFO12)が記憶される記憶手段(M2)と、使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)が記憶される記憶手段(M3)と、使用部品テーブル(TB1が記憶される記憶手段(M4)と、部品割付テーブル(TB21)が記憶される記憶手段(M5)と、が少なくとも設けられている。
【0106】
生産工程管理装置4の基本処理を示すフローチャートが図11に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、ステップ1101では、上位装置100から機種ベースの生産計画情報(INFO11)を受信して、記憶手段(M2)に機種ベースの生産計画情報(INFO12)として記憶する処理(上位側受信手段)が実行される。
【0107】
上位装置100の構成図が図3に示されている。同図に示されるように、上位装置100と生産工程管理装置4とはネットワーク(NET1)で結ばれている。上位装置100のハードディスク等の記憶手段(M0)には、図示のように、各機種(自動車の場合には車種に相当)を示す機種情報(機種1、機種1、機種5・・・・・機種3)と、その機種の生産順番を示す生産順番情報(1、2、3,・・・・・n)と、を含む機種ベースの生産計画情報(INFO11)が記憶されている。
【0108】
そして、ステップ1101の処理においては、この機種ベースの生産計画情報(INFO11)が、上位装置100から生産工程管理装置4へと、ネットワーク(NET1)を介して送信され、生産工程管理装置4ではこれを受信して、記憶手段(M2)に機種ベースの生産計画情報(INFO12)として記憶するのである。
【0109】
図11に戻って、続くステップ1102においては、機種ベースの生産計画情報(INFO12)を記憶手段(M2)から読み出すと共に、これを記憶手段(M4)に記憶された機種別使用部品テーブル(TB1)を参照することにより、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)に変換し、これを記憶手段(M3)に記憶する処理(機種/部品・ベース変換手段)が実行される。
【0110】
各組立ステーション毎の機種別使用部品テーブル(TB1)の内容を示す説明図が図4に、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)が図5に示されている。図4に示されるように、記憶手段(M4)には、自己が管理する複数の組立ステーション(組立ステーション1、組立ステーション2、組立ステーション3、・・・)のそれぞれ毎に、各機種を示す機種情報(機種1、機種2、機種3、・・・)とその機種のその組立ステーションにおける組立工程で使用される部品を示す部品情報(部品1、部品2、・・・部品n)とを互いに関連づけて登録してなる機種別使用部品テーブル(TB1)が格納されている。なお、図の例にあっては、組立ステーション1に関しては、機種1の場合、部品1は使用(○)、部品2は不使用、・・・部品nは使用(○)、同様にして、機種2の場合、部品1は不使用、部品2は使用(○)、・・・部品nは使用(○)とされている。
【0111】
また、使用部品ベースの生産計画情報においては、図5に示されるように生産計画順に使用部品情報が登録されている。同図の例にあっては、1件目の生産予定製品では部品1は使用(○)、部品2は不使用(×)、部品3は使用(○)、・・・、同様にして、2件目の生産予定製品の場合、部品1は不使用(×)、部品2は使用(○)、部品3は使用(○)、・・・、とされている。
【0112】
部品マスタ(MST)は記憶手段(M1)に格納されており、その内容が図6に示されている。同図に示されるように、部品マスタ(MST)には、登録済みの部品に対応する部品コード(部品0001、部品0002、部品0003、・・・)のそれぞれについて、メーカー、型式、置き場所、1箱の収容個数等々の部品関連情報が互いに関連づけて記憶されている。
【0113】
そして、ステップ1102の処理においては、図3に示されるものと同様な機種ベースの生産計画情報(INFO12)に含まれる各順番の機種(機種1、機種2、機種3、・・・)をキーとして、図4に示される機種別使用部品テーブル(TB1)を参照することにより、機種ベースの生産計画情報(INFO12)を、図5に示されるように、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)に変換すると共に、これを記憶手段(M3)に格納するのである。
【0114】
図11に戻って、続くステップ1103においては、各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)を記憶手段(M3)から読み出すと共に、これをネットワーク(NET2)を介して、各該当する組立ステーション(・・・,N−1,N,N+1,・・・)の部品棚管理装置3を構成するPLC(・・・,31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)へとダウンロードする処理(生産計画ダウンロード手段)が実行される。後述するように、こうしてダウンロードされる使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)は、各該当するPLC(31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)のメモリ内に設けられた記憶手段(M6)に使用部品ベースの生産計画情報(INFO22)として格納される。
【0115】
次に、部品棚管理装置3について説明する。各組立ステーションの部品棚管理装置3は、図2の例にあっては、制御の中枢機能を担うプログラマブル・コントローラ(PLC)(・・・,31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)と、入力操作部や出力表示部として機能するプログラマブル・ターミナル(PT)(・・・,32(N−1),32(N),32(N+1),・・・)と、機械読取可能なコードを使用して記録された部品情報を読み取り可能な部品情報読取器33として機能するバーコードリーダ(・・・,33(N−1),33(N),33(N+1),・・・)と、を含んで構成されている。
【0116】
そして、各PLC(・・・,31(N−1),31(N),31(N+1),・・・)のメモリ内には、生産工程管理装置4から生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報(INFO21)を記憶するための生産計画記憶手段(M6)(図5参照)と、生産工程管理装置4から部品割付テーブルダウンロード手段を介してダウンロードされる間口別部品割付テーブル(TB21)を記憶するための部品割付テーブル記憶手段(M7)(図9参照)と、が設けられている。
【0117】
さらに、後述する部品棚管理装置3の各機能(モード設定手段、運転モードの制御手段、)は、PLC31に所定のユーザプログラムを組み込むことにより実現されている。
【0118】
生産計画記憶手段(M6)に記憶された部品ベースの生産計画情報(INFO22)の内容が図5に示されている。同図に示されるように、部品ベースの生産計画情報(INFO22)は、この例にあっては、各生産順番の機種とその機種の一連の使用部品とを互いに関係付けて記憶することにより構成されている。また、部品割付テーブル記憶手段(M7)に記憶された間口別部品割付テーブル(TB22)の内容が図9に示されている。同図に示されるように、間口別部品割付テーブル(TB22)は、この例にあっては、各間口番号(間口コード)とその間口の割付部品(部品コード)とを互いに関連づけて記憶することにより構成されている。さらに、生産機種毎の使用部品対応の間口情報(INFO31)が図10に示されている。同図に示されるように、生産機種毎の使用部品対応の間口情報(INFO31)は、この例にあっては、各生産順番の機種とその機種の一連の使用部品対応の間口番号(間口コード)とを互いに関係付けて記憶することにより構成されている。
【0119】
次に、本発明における部品在庫管理処理について説明する。在庫管理処理のゼネラルフローが図14に示されている。同図の処理が開始されると、先ず部品棚管理装置おいて部品在庫カウンタ更新処理が行われ(ステップ1401、詳細は後述)、続けて更新後の部品在庫数が予め定められた規定値を下回っていないか否かの判定が行われる(ステップ1402)。部品在庫数が規定値を下回っていない場合には問題なしと判断され、次に部品在庫カウンタが更新されるまで待機する(ステップ1402YES)。一方、部品在庫数が規定値を下回った場合には(ステップ1402NO)、部品棚管理装置に記憶されている生産計画情報との照合が行われる(ステップ1403、詳細は後述)。ここで、このステップ1402による判定は、本願発明における在庫低下検知手段に相当する。
【0120】
生産計画情報と照合した結果、部品棚管理装置に記憶された生産計画情報の範囲において部品不足が生じないと判定された場合には不足は発生せず問題なしと判断され、次に部品在庫カウンタが更新されるまで待機する(ステップ1404NO)。一方、部品棚管理装置に記憶された生産計画情報の範囲内で部品不足が生じると判定され、且つ在庫管理装置より不足対応済みとの通知がなされていなかった場合には(ステップ1404YES、ステップ1405NO)、在庫管理装置に対して不足見込みが生じた部品の情報と、部品不足が生じる予定時間とを通知する(ステップ1406)。部品不足が発生すると判断されたものの、在庫管理装置から既に不足対応済みとの通知が届いていた場合には(ステップ1404YES、ステップ1405YES)、部品在庫カウンタ更新処理の待機に戻る。ここで、ステップ1403、及びステップ1404によるバッファされた生産計画内での部品不足の発生有無の判定は、本発明における不足見込み判定手段に相当する。
【0121】
次に、在庫管理装置側の処理について説明する。在庫管理装置は、部品棚管理装置より部品不足見込み情報を受信したことを契機として処理を開始し(ステップ1411)、部品不足見込みが生じた部品について定期供給予定検索処理を行う(ステップ1412、詳細は後述)。定期供給予定と照合した結果、定期供給による補充で間に合うと判定された場合には(ステップ1413YES)、不足は発生せず問題ないとの旨を部品棚管理装置へと送信し、処理を終了する(ステップ1414、ステップ1407)。一方、定期供給による補充では間に合わないと判定された場合には(ステップ1413NO)、引き続きサプライヤ供給予定検索処理へと移行する(ステップ1415、詳細は後述)。このサプライヤ供給予定検索の結果によって、物流担当のみに補充要求を行う「供給通知1」と、物流担当とサプライヤの双方に補充要求を行う「供給通知2」のいずれかの通知処理を行い(ステップ1416)、不足対応処理を完了した旨を部品棚管理装置へと送信して同図に示された処理を終了する(ステップ1417)。なお、供給通知1又は2を行う方法としては、物流担当者への補充要求は物流担当者の所持する端末に無線で送信、サプライヤへの補充要求はメール等で通知、などが考えられる。ここで、ステップ1413、及び後述する図17のステップ1702による定期供給による補充が間に合うか否かの判定は、本発明における定期供給時不足確定判定手段に相当する。また、ステップ1416よる物流担当者への通知は、、本発明における定期供給時不足確定通知手段に相当する。
【0122】
次に、部品棚管理装置における部品在庫カウンタ更新処理(図14ステップ1401)の詳細について、図15を参照しつつ説明する。部品在庫カウンタ更新処理においては、取出間口用表示器による指示通りに部品棚より部品が取り出され、取出間口用検知器からの部品が取出済みである通知がなされると、該当間口の現在在庫数について検知器からの通知毎に1の減算処理がなされる(ステップ1501YES、ステップ1502)。1つの間口から複数個の部品を取り出す場合には、同様の処理を繰り返せば良い。一方、部品取出がなされなかった場合には、部品取出による減算処理は行われず、現在在庫数は更新されない(ステップ1501NO)。
【0123】
ここで、部品取出処理の一例について図7を参照しつつ説明する。製品の組み立て作業が開始されると、部品棚管理装置から部品棚2に対して生産計画情報に従った部品取出指示が行われ、該当する間口の取出側間口表示器22が点灯する。このとき、間口表示器点灯による部品取出指示は、その製品についてその組立ステーションで用いる全ての部品について同時に行われても良いし、1部品ずつ順次指示するようにしてもよい。取出作業者は取出指示がなされた間口の部品を取り出して組み立て作業を行い、当該間口より部品を取り出した旨を取出側間口検知器23aを用いて部品棚管理装置へ通知する。同図の例ではレバースイッチ23aを操作することで部品の取出を部品棚管理装置に通知することが可能であるが、間口検知器として多光軸光電センサが採用されていた場合には、作業者が取出作業を行うことで間口検知器が自動的に作動し、部品棚管理装置に通知される。部品棚管理装置に部品取出が正常に行われた旨が通知されると、取出部品指示が1部品ずつ行われている場合には部品取出が行われた間口の表示器を消灯し、次の部品についての部品取出指示が行われる。一方、取出部品指示がまとめて行われている場合には、部品取出が行われた間口の表示器消灯のみを行う。ここで、指示とは異なる間口からの部品取出が行われた場合には部品棚管理装置は警告灯34aを点灯させるなどして取出作業者に取出間口が誤っている旨を通知する。
【0124】
図15に戻って、仕損処理モードに設定され仕損処理が行われた場合には、部品取出と同様に該当間口の現在在庫数について減算処理がなされる(ステップ1503YES、ステップ1504)。複数個の仕損処理が行われた場合には、取出間口用検知器にて仕損処理が検知された回数だけ減算処理を行えば良い。一方、仕損処理がなされなかった場合には、仕損処理による減算処理が行われず現在在庫数は更新されない(ステップ1503NO)。
【0125】
ここで「仕損処理」とは破損部品や不良部品などを破棄することであり、この例においては、仕損処理を行う際には通常の動作モードとは異なる仕損処理モードに切り替えて行うこととする。このような構成とすることで、通常の動作モードでは部品取出案内がなされている間口以外からの部品取出は不可とし、指示外の間口からの部品取出が認められた場合には警告を発し、その一方で、破損部品や不良部品が生じた場合には仕損処理モードに設定することですべての間口について生産計画外の部品取出を許容することができる。これにより、通常の動作モードでは部品の取出ミスなどを防ぐことが可能となり、しかも破損部品や不良部品が生じた場合にはその数だけ適切に部品在庫カウンタの減算処理を行うことができるため、破損部品等により部品棚に収められた実際の部品在庫数と部品在庫カウンタとの間のズレを防ぐことが出来る。
【0126】
以下において、仕損処理の一例について図7を参照しつつ説明する。破損部品や不良部品などが発生した場合には、取出作業者はプログラマブル・ターミナル32aにて所定の操作を行い、仕損処理モードに設定する。仕損処理モードに設定されると、部品棚2の全間口の取出側間口表示器22aが点滅し仕損処理が可能状態となり、この状態で取出側間口検知器23aにて仕損処理が検知されると、該当間口の部品在庫数が減算される。一例として、取出側間口検知器23aとしてレバースイッチを採用した場合には、仕損処理を行う間口について仕損処理個数分レバースイッチを操作することで、仕損処理を行うことができる。仕損処理が完了した場合には、仕損処理モードを終了することで通常の動作モードに復帰可能である。
【0127】
図15に戻って、部品投入間口側から部品投入が行われた場合には、補充された数だけ部品在庫数の加算処理がなされる(ステップ1505YES、ステップ1506)。一方、部品補充がなされなかった場合には、加算処理が行われず現在在庫数は更新されない(ステップ1505NO)。
【0128】
本発明においては、物流担当者14による部品補充は定期供給時、もしくは臨時補充の必要が生じたときに行われる。ここで、部品投入処理の一例について図8,図12,図13を参照しつつ説明する。物流担当者14は、補充用部品を多連運搬車13に積載するなどして部品棚2の近辺まで搬送する。次いで、バーコードリーダ33により、部品箱5の側面に貼付されたラベル51に対する読み込み操作を行うと、ラベル51に表示された部品情報(例えば、部品コード、メーカー名、型式、置き場所、1箱の収容個数等々)がバーコードリーダ33により光学的に読み取られ、読み取られた情報が通信を介して部品棚管理装置に送られる(図12参照)。部品棚管理装置は、受信した部品情報に対応する投入側間口表示器22bを点灯させて部品投入を行う間口21を指示し、物流担当者14は指示に従って間口21へ部品の投入を行う(図13参照)。指示通りの間口に部品投入が行われたことが投入側間口検知器23bより部品棚管理装置に通知されると、部品棚管理装置は警告灯34bを緑色に点灯させるなどして投入処理が正常に行われた旨を物流担当者14に通知する。一方、不正な間口に部品が投入された場合には、警告灯34bを赤色に点灯させるなどして投入処理が正常に行われなかった旨を物流担当者14に通知する。
【0129】
ここで、部品投入時の加算処理としては、部品毎に予め定められた個数を加算するという方法と、投入時に加算個数を別途入力する方法とがある。予め設定した個数を加算する方法としては、例えば各部品毎に1箱毎の部品収容個数を登録しておき、投入処理が検知されると1箱分の部品個数が加算されると構成が考えられる。また、投入時に加算個数を別途入力する方法としては、投入作業時に投入する部品の部品箱に付されたバーコードをバーコードリーダで読み取ることで、その箱の収容個数だけ在庫数が加算されるという構成などが考えられる。
【0130】
例えば、図12,13の例においてバーコードリーダによる部品情報送信を行わず直接該当間口に部品を投入するような場合には、投入個数が特に指定されていないため予め設定された個数が自動的に加算される。このように構成することにより、部品投入が常に同数ずつ加算されるような部品の場合には、特に投入個数の入力作業を行わずとも設定個数分だけ部品在庫を加算処理することができ、労力が省ける。一方、投入個数が別途入力された場合には入力された個数を優先するように構成すれば、収容個数の異なる部品箱(例えば、5個入りと10個入り)がある部品の場合などは、バーコードリーダでバーコードを読み取ることで投入する内容に応じて適宜部品在庫の加算処理を行うことが可能となる。
【0131】
なお、図12の例では部品情報の入力はバーコードリーダ33にて行われているが、プログラマブル・ターミナルやキーボードなどで行われてもよいことは、言うまでもない。また、投入側間口検知器23bについても、レバースイッチを採用して投入作業時に物流担当者が操作するように構成してもよい。
【0132】
以上より明らかなように、本願の部品在庫カウンタ更新処理によれば、部品の取出、仕損処理、部品の補充のいずれによる部品在庫の加減も把握でき、リアルタイムで監視可能となる。
【0133】
次に、部品棚管理装置における生産計画検索処理(図14ステップ1403)の詳細について、図16を参照しつつ説明する。生産計画検索処理が開始されると、先ずはじめに現在在庫数が規定値を下回った部品についての今後の生産スケジュール検索が行われ、1件目から順に生産計画が読み出される(ステップ1601〜1603、図5参照)。読み出された生産スケジュールについて該当部品を使用するか否かの判定が行われ、該当部品が使用される場合には使用予定数量に使用予定分だけ部品数が加算される(ステップ1604YES、ステップ1605)。次いで、更新された使用予定数量と現在在庫数との比較が行われ、使用予定数量が現在在庫数を超えていなかった場合には次の生産スケジュールの読み出し、及び該当部品の使用有無確認に移り、これを最後の生産スケジュールまで繰り返す(ステップ1603〜1608)。一方、読み出された生産スケジュールにおいて該当部品が使用されない場合にも(ステップ1604NO)、同様に次の生産スケジュールの読み出し処理に移行し、同様の処理を繰り返す。
【0134】
ここで、すべての生産スケジュールを読み出し終える前に部品の使用予定数量が現在在庫数を上回った場合には(ステップ1606YES)、使用予定数量が現在在庫数を上回ったスケジュールが何件後のスケジュールであるかを記憶し、
件数分×タクトタイム
の計算により、何分後に該当部品が不足するかの不足見込み時点を算出する(ステップ1610、ステップ1611)。この部品不足に至るまでの生産台数と不足見込み時点は、後の工程において在庫管理装置へ通知されるものである(図14ステップ1406参照)。ここで、ステップ1610、及びステップ1611による部品が不足するであろう時間の算出は、本発明における不足見込み時点算出手段に相当する。
【0135】
ここでステップ1603〜1608の処理について、図5を参照しつつ別の側面から説明する。図5には各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報が示されているが、このような生産計画において部品1の在庫数が規定値を下回ったとする。部品1は、1件目の生産計画では使用(○)、2件目の生産計画では未使用(×)、3件目の生産計画では使用(○)、・・・、m件目で使用(○)となっており、m件目の時点で部品1の在庫数が0となると、n件目の生産計画で使用予定であるにも拘わらず部品1は間口に在庫が存在しないこととなる。すなわち、ステップ1606における使用予定数量が現在在庫数を上回る時点とは、この例におけるn件目の時点のことである。
【0136】
図16に戻って、すべての生産スケジュールの読み出しを終了しても使用数量が現在在庫数を上回らなかった場合には(ステップ1607YES)、現時点では問題なしと判定して同処理を終了する(ステップ1609)。
【0137】
なお先にも述べたように、生産計画情報はある程度の件数ずつまとめて上位装置より送られ部品棚管理装置に保存され、この生産計画に沿って順次生産が行われる。ここで、部品棚管理装置に保存された生産計画情報の残りが所定の件数以下になった場合には、上位装置に通知して補充するように構成してもよい。
【0138】
次に、在庫管理装置における定期供給予定検索処理(図14ステップ1412)の詳細について、図17を参照しつつ説明する。在庫管理装置において定期供給予定検索処理が開始されると、先ずはじめに定期供給予定の検索が行われ、次の定期供給が何分後であるかが抽出される(ステップ1701)。次いで、得られた次の定期供給時点と、部品棚管理装置より通知された部品不足見込み時点(i×タクトタイム)との比較が行われ、部品不足発生見込み時点前に定期供給が行われるか否かの判定が実行される(ステップ1702)。部品不足発生見込み時点前に次の定期供給が行われると判定された場合には(ステップ1702YES)、部品不足が発生せず問題なしと判定され、その旨部品棚管理装置へ通知される(ステップ1703、図14ステップ1414)。一方、次の定期供給が部品不足発生見込み時点より後であると判定された場合には(ステップ1702NO)、定期供給が間に合わないと判断してサプライヤ供給予定検索処理へと移行する(ステップ1704、図14ステップ1413NO)。
【0139】
次に、在庫管理装置におけるサプライヤ予定検索処理(図14ステップ1415)の詳細について、図18を参照しつつ説明する。在庫管理装置においてサプライヤ供給予定検索処理が開始されると、先ず始めに物流の保管場所に収められた在庫数について、上位システムへの問い合わせが行われる(ステップ1801)。予め定められた供給予定数が物流在庫数内に収まった場合には(ステップ1802NO)、物流担当者のみに供給要求が必要であると判定され、供給通知1が行われる(ステップ1806、図14ステップ1416)。一方、予め定められた供給予定数が物流在庫数を上回った場合には(ステップ1802YES)、サプライヤ供給情報の検索へと移行し、次回のサプライヤによる補充がいつ行われるかの確認が行われる(ステップ1803)。サプライヤによる部品供給が次回定期供給前に行われる場合には(ステップ1804YES)、サプライヤへの補充要求は不要であると判定され、物流担当者のみを対象とした供給通知1が行われる(ステップ1806、図14ステップ1416)。一方、サプライヤによる部品供給が次回定期供給までに行われない場合には(ステップ1804NO)、サプライヤに対しても補充要求が必要であると判定され、物流担当者とサプライヤの双方を対象とした供給通知2が行われる(ステップ1805、ステップ1416)。
【0140】
ここで、物流担当者に対して供給要求が行われる際の通知先としては、物流担当者が所持するPDAや無線ハンディターミナル、物流担当者が部品の搬送に用いる搬送車内で取り扱うPC端末やパルコンピュータ、物流詰所に設置されたPC端末、又は物流側部品置き場に設置された大画面ディスプレイ又はプロジェクタ付きのPC端末などが考えられる。通知先には表示器を設け、供給要求内容が表示されるように構成することが望ましい。しかしながら、設置スペース等の問題で表示器の設置が困難であるような場合には、ブザーやランプ等で物流担当者に対して供給要求がなされた旨の通知のみを行い、具体的な供給要求内容については各物流担当者が所定の表示器設置場所で別途確認するようにしてもよい。
【0141】
また、物流担当者に行われる供給通知の内容としては、供給要求の発生している間口情報、該当部品の部品番号及び部品名称、該当部品の置かれている物流側部品置き場の情報、該当部品の物流担当者名、該当間口に補充可能な部品箱数及び/又は部品数、などが考えられる。
【0142】
物流担当者に対して供給要求がなされた場合に、該当間口に補充可能な部品箱数及び/又は部品数については、それぞれ以下の式により算出することができる。
補充可能な部品箱数=INT{(Max格納数−現在在庫数)/1箱当たりの部品数}
・・・(式)
補充可能な部品数=Max格納数−現在在庫数 ・・・(式)

これらの式により、補充可能な部品箱数及び/又は部品数が次のように求められる。1箱あたりの部品数が20個、間口最大格納数が100個(5箱)である部品について、部品棚の部品在庫が規定値10を下回り9個となった。この場合、上記の2式で補充可能な部品箱数及び/又は部品数は以下の通りである。
補充可能な部品箱数=INT{(100−9)/20}=INT{91/20}=4
補充可能な部品数=100−9=91
したがって、この場合物流担当者は、箱単位で補充するならば4箱(80個)の部品を補充することが可能であり、バラ部品で補充するならば91個の部品を補充することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0143】
以上より明らかなように、本発明によれば、部品棚の各間口の部品在庫数がリアルタイムで監視可能となり、部品在庫の減少を確実に把握可能である。このため、物流担当者は予め定められた定期供給と部品在庫減少時の臨時投入とを行うだけでよく、巡回監視による部品数の監視は不要となり、無駄な労力が省かれる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】異機種同時生産ラインの一例を示すレイアウト図である。
【図2】本発明にかかる組立支援システムの全体構成図である。
【図3】上位装置の構成図である。
【図4】各組立ステーション毎の機種別使用部品テーブル(TB1)の内容を示す説明図である。
【図5】各組立ステーション毎の使用部品ベースの生産計画情報(INFO21)の内容を示す説明図である。
【図6】部品マスタ(MST)の内容を示す説明図である。
【図7】部品棚の一例を示す説明図(取出側)である。
【図8】部品棚の一例を示す説明図(投入側)である。
【図9】各組立ステーション毎の部品棚における部品割付テーブル(TB22)の内容を示す説明図である。
【図10】各組立ステーションにおける各生産機器毎の使用部品対応の間口情報の説明図である。
【図11】生産工程管理装置の基本処理を示すフローチャートである。
【図12】バーコードリーダによる部品情報読み取り操作の説明図である。
【図13】物流担当者による部品投入作業の説明図である。
【図14】在庫管理処理ゼネラルフローである。
【図15】部品在庫カウンタ更新処理詳細フローである。
【図16】生産計画検索処理詳細フローである。
【図17】定期供給予定検索処理詳細フローである。
【図18】サプライヤ供給予定検索処理詳細フローである。
【符号の説明】
【0145】
1 組立ライン
2 部品棚
3 部品棚管理装置
4 生産工程管理装置
5 部品箱
6 在庫管理装置
10 組立ライン
10a 区画領域
11 組立途中品
12 組立作業者
13 多連運搬車
14 物流担当者
21 間口
22 間口表示器
22a 取出側表示ランプ
22b 投入側表示ランプ
23 間口検知器
23a 取出側間口検知器(レバースイッチ)
23b 投入側間口検知器(多光軸光電センサ)
24 出力スレーブユニット
25 入力スレーブユニット
31 プログラマブル・コントローラ(PLC)
32a 取出側プログラマブル・ターミナル(PT)
321a 取出側画面
32b 投入側プログラマブル・ターミナル(PT)
321b 投入側画面
33 バーコードリーダ
34a 取出側警告灯
34b 投入側警告灯
51 ラベル
100 上位装置
INFO11 上位装置保存の生産計画情報(機種ベース)
INFO12 生産工程管理装置保存の生産計画情報(機種ベース)
INFO21 生産工程管理装置保存の生産計画情報(部品ベース)
INFO22 部品棚管理装置保存の生産計画情報(部品ベース)
INFO31 使用間口情報
MST 部品マスタ
TB1 機種別使用部品テーブル
TB21 生産工程管理装置保存の間口別部品割付テーブル
TB22 部品棚管理装置保存の間口別部品割付テーブル
NET1 上位装置と生産工程管理装置とを結ぶネットワーク
NET2 生産工程管理装置と部品棚管理装置とを結ぶネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の組立ステーションを一連に配置してなる組立ラインに、異なる機種の組立途中製品を同時に流し、前記複数の組立ステーションのそれぞれにおいて、各機種別の組立作業を行うことにより、異なる機種の製品を同一の組立ラインにて同時に生産可能とした異機種同時生産ラインに適用される組立支援システムであって、
前記組立ラインに含まれる全組立ステーション又は予め割り当てられた複数の組立ステーションにおける組立工程を一括管理する生産工程管理装置と、
前記組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、組立に必要な部品を収容するための複数の間口を有すると共に、前記複数の間口の部品取出側開口及び部品投入側開口のそれぞれには、間口表示器と間口検知器とが設けられた部品棚と、
前記組立ラインに含まれる複数の組立ステーションのそれぞれの現場に設置され、かつ前記生産工程管理装置と通信ネットワークを介して結ばれた部品棚管理装置と、を含み、
前記生産工程管理装置には、
各機種を示す機種情報とその機種の生産順番を示す生産順番情報とを含む機種ベースの生産計画情報を所定生産台数分について所定の上位装置から受信する上位側受信手段と、
自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、各機種を示す機種情報とその機種のその組立ステーションにおける組立工程で使用される部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる機種別使用部品テーブルを記憶する使用部品テーブル記憶手段と、
自己が管理する複数の組立ステーションのそれぞれ毎に、その組立ステーションに含まれる部品棚の各間口を示す間口情報とその間口に割り付けられる部品を示す部品情報とを互いに関連づけて登録してなる間口別部品割付テーブルを記憶する部品割付テーブル記憶手段と、
前記使用部品テーブル記憶手段に記憶される機種別使用部品テーブルを参照することにより、受信手段にて上位装置から受信される機種ベースの生産計画情報を各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報へと変換する機種/部品・ベース変換手段と、
前記機種/部品・ベース変換手段から得られる各組立ステーション毎の部品ベースの生産計画情報を、各組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする生産計画ダウンロード手段と、
前記部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを、該当する組立ステーションの部品棚管理装置へとダウンロードする部品割付テーブルダウンロード手段と、が設けられており、
前記各組立ステーションの部品棚管理装置には、
前記生産工程管理装置から生産計画ダウンロード手段を介してダウンロードされる部品ベースの生産計画情報を記憶する生産計画記憶手段と、
前記生産工程管理装置から部品割付テーブルダウンロード手段を介してダウンロードされる間口別部品割付テーブルを記憶する部品割付テーブル記憶手段と、
前記部品棚のいずれかの間口に投入しようとする部品及びその投入個数を含む部品情報を入力するための部品情報入力手段と、
部品取出作業支援手段と、
部品投入作業支援手段と、が設けられており、
前記部品取出作業支援手段には、
前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを参照することにより、前記部品棚管理装置内の生産計画記憶手段に記憶された部品ベースの生産計画情報に基づいて、各機種の組立作業毎の使用部品対応間口を示す使用間口情報を生成する使用間口情報生成手段と、
前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の取出用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各機種の組立作業における使用部品対応間口の取出用開口の間口表示器の表示動作を制御して部品取出案内を行う取出用間口表示器制御手段と、
前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の取出用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値を予め決められた部品取出個数相当値だけ減算する取出時の部品在庫カウンタ更新手段と、が含まれており、
前記部品投入作業支援手段には、
前記部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルを参照することにより、前記部品情報入力手段により入力された投入用部品の部品情報に基づいて、投入部品対応間口を示す投入間口情報を生成する投入間口情報生成手段と、
前記投入間口情報生成手段により生成される投入間口情報と、前記部品棚の各間口の投入用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、各部品の部品棚投入作業における投入部品対応間口の投入用開口の間口表示器の表示動作を制御して部品投入案内を行う投入用間口表示器制御手段と、
前記使用間口情報生成手段により生成される使用間口情報と、前記部品棚の各間口の投入用開口の間口検知器からの検知信号とに基づいて、該当する間口の部品在庫カウンタのカウント値を予め決められた又は別途入力された部品投入個数相当値だけ加算する投入時の部品在庫カウンタ更新手段と、が含まれており、
それにより、前記部品在庫カウンタを介して、前記部品棚を構成する各間口の部品在庫をリアルタイムに監視可能とする、ことを特徴とする異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項2】
前記部品棚管理装置において、
前記部品情報入力手段が、機械読取可能なコードを使用して記録された部品情報を読み取り可能な部品情報読取器である、ことを特徴とする請求項1に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項3】
前記部品棚管理装置において、
動作モードを仕損処理モードに設定するための仕損モード設定手段と、
動作モードが仕損モードに設定されていることを条件として、部品棚の全間口の取出側開口の間口表示器を点滅させる表示制御手段と、
動作モードが仕損モードに設定されていることを条件として、部品棚の取出側開口の各間口検知器のうちで、作動した間口検知器に対応する間口に割り付けられた部品に関する在庫カウンタの現在カウント値を部品取出個数相当値だけ減算する在庫カウンタ減算手段とをさらに具備する、ことを特徴とする請求項1に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項4】
前記部品棚管理装置には、
部品棚管理装置内の部品割付テーブル記憶手段に記憶された間口別部品割付テーブルに登録された部品のそれぞれについて、その部品に対応する在庫カウンタのカウント値が規定値を下回ったことを在庫低下として検知する在庫低下検知手段と、
前記在庫低下検知手段でいずれかの部品に関して在庫低下が検出されたときに、その部品について、前記生産計画記憶手段に記憶された部品ベースの生産計画情報を検索することにより、投入がなかったとした場合に、想定される生産計画台数の範囲内で部品不足となる場合にはこれを不足見込みと判定する不足見込み判定手段と、
部品不足に至るまでの生産台数に1台当たりのタクトタイムを乗ずることにより、その部品が不足すると見込まれる不足見込み時点を算出する不足見込み時点算出手段と、
前記不足見込み判定手段により、不足見込みと判定されるときには、当該不足見込みに係る部品情報と不足見込み時点と不足見込みである旨とを含む部品供給要求を所定の通知先へと通信を介して通知する不足見込み通知手段とを具備する、ことを特徴とする請求項1に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項5】
前記在庫カウンタのカウント値と比較されるべき規定値としては、所定の設定操作によって、当該部品棚管理装置のメモリ内に部品毎に予め記憶されたものが使用される、ことを特徴とする請求項4に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項6】
前記在庫カウンタのカウント値と比較されるべき規定値としては、その都度、部品情報読取器により読み取られた部品情報に含まれたものが使用される、ことを特徴とする請求項4に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム
【請求項7】
前記不足見込みに関する所定の通知先として機能する在庫管理装置をさらに有し、
前記在庫管理装置には、
前記部品棚管理装置から部品供給要求が通知されるのに応答して、その部品に関する定期供給スケジュールを上位装置から受信する定期供給スケジュール受信手段と、
前記部品棚管理装置から通知された不足見込み時点と前記定期供給スケジュール受信手段により受信された定期供給スケジュールにより規定される次回の定期供給時点とを比較し、不足見込み時点までに次回の定期供給時点が到来しないときには、これを定期供給時不足確定と判定する定期供給時不足確定判定手段と、
前記定期供給時不足確定判定手段により定期供給時不足確定と判定されるときには、所定の情報を含む部品供給要求を所定の物流担当者側の端末へと通知する定期供給時不足確定通知手段とを具備する、ことを特徴とする請求項4に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項8】
前記定期供給時不足確定通知手段により、所定の物流担当者側の端末へと通知される部品供給要求に含まれる所定の情報が、
供給要求の発生している間口、該当部品番号、及び部品名称を少なくとも含んでいる、ことを特徴とする請求項7に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項9】
前記定期供給時不足確定通知手段により、所定の物流担当者側の端末へと通知される部品供給要求に含まれる所定の情報が、
その間口に補充可能な部品数又は部品箱数をさらに含んでいる、ことを特徴とする請求項8に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項10】
前記定期供給時不足確定通知手段により、所定の物流担当者側の端末へと通知される部品供給要求に含まれる所定の情報が、
該当部品の置かれている部品置き場、及び物流担当者をさらに含んでいる、ことを特徴とする請求項9に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項11】
前記定期供給時不足確定通知手段により、部品供給要求が通知されるべき所定の物流担当者側の端末が、
物流作業者の所持するPDAや無線ハンディーターミナル、
物流搬送者が移動車両内で取り扱うPC端末やパルコンピュータ、
物流詰所に設置されたPC端末、又は
物流側部品置き場に設置された大画面ディスプレイ又はプロジェクタ付きのPC端末である、ことを特徴とする請求項7に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。
【請求項12】
前記補充可能な部品数が、次式により算出される、ことを特徴とする請求項9に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。

補充可能な部品数=Max格納数−現在在庫数 ・・・(式)
【請求項13】
前記補充可能な部品箱数が、次式により算出される、ことを特徴とする請求項9に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。

補充可能な部品箱数=INT{(Max格納数−現在在庫数)/1箱当たりの部品数}
・・・(式)
【請求項14】
前記部品棚管理装置から部品供給要求が通知されるのに応答して、その部品に関するサプライヤ供給スケジュールを上位装置から受信するサプライヤ供給スケジュール受信手段と、
前記部品棚管理装置から通知された不足見込み時点と前記サプライヤ供給スケジュール受信手段により受信されたサプライヤ供給スケジュールにより規定される次回のサプライヤ供給時点とを比較し、不足見込み時点までに次回のサプライヤ供給時点が到来しないときには、これをサプライヤ供給時不足確定と判定するサプライヤ供給時不足確定判定手段と、
前記サプライヤ供給時不足確定判定手段により定期供給時不足確定と判定されるときには、所定の情報を含む部品供給要求を上位装置へと通知するサプライヤ供給時不足確定通知手段とをさらに具備する、ことを特徴とする請求項7に記載の異機種同時生産ラインにおける組立支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−307645(P2008−307645A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158127(P2007−158127)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】