説明

発熱デバイス

【課題】放熱性に優れた発熱デバイスを提供すること。
【解決手段】発熱デバイス1は、板状をなすベース基板2と、ベース基板2の一方の面側に配置され、通電により発熱する第1の発熱体4aと、ベース基板2の一方の面側に第1の発熱体4aに対し離間して配置され、通電により発熱する第2の発熱体4bと、少なくとも第1の発熱体4aと第2の発熱体4bとの間をつなぐように設けられ、第1の発熱体4aと第2の発熱体4bとからそれぞれ発生する熱を放熱する、主として樹脂材料で構成された放熱体5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体装置として、ベース基板に発光ダイオード素子(LEDチップ)を備える発光体を搭載したものが知られている。このような半導体装置は、ベース基板と、ベース基板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成された導体パターンとを有しており、さらに、発光体を絶縁層上に設置するとともに、発光体と導体パターンと電気的に接続することにより構成されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の半導体装置において、さらに発光体を絶縁層上に設置しようとした場合、発光体同士は、絶縁層上に形成された前記導体パターンを介して電気的に接続されることとなる。
【0003】
しかしながら、このような2つの発光体を有する半導体装置では、各発光体の駆動によりそれぞれ発生する熱を、1つの発光体を有する半導体装置よりも、外部に十分に放出することができず、放熱性が低いという問題がある。具体的には、各発光体がそれぞれ外部へ露出しているため、当該発光体からの熱は、直に空気中に放出されるが、このような放出は十分に行われない。特に、半導体装置が比較的小さい気密空間内に設置されている場合には、空気の対流も発生せず(発生しても僅かであり)、その放熱性がより悪化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−259839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、放熱性に優れた発熱デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 板状をなすベース基板と、
前記ベース基板の一方の面側に配置され、通電により発熱する第1の発熱体と、
前記ベース基板の一方の面側に前記第1の発熱体に対し離間して配置され、通電により発熱する第2の発熱体と、
少なくとも前記第1の発熱体と前記第2の発熱体との間をつなぐように設けられ、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とからそれぞれ発生する熱を放熱する、主として樹脂材料で構成された放熱体とを備えることを特徴とする発熱デバイス。
【0007】
(2) 前記放熱体は、前記第1の発熱体および前記第2の発熱体のうちの少なくとも一方の発熱体の周りを囲むように設けられている上記(1)に記載の発熱デバイス。
【0008】
(3) 前記放熱体は、前記第1の発熱体および前記第2の発熱体のうちの少なくとも一方を覆っている上記(1)または(2)に記載の発熱デバイス。
【0009】
(4) 前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その長手方向の中央部で幅が最大となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【0010】
(5) 前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その両端部で幅が最大となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【0011】
(6) 前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その長手方向の中央部で厚さが最大となっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【0012】
(7) 前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その両端部で厚さが最大となっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【0013】
(8) 前記樹脂材料は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【0014】
(9) 前記放熱体は、前記樹脂材料中に熱伝導性を有するフィラーが分散されたものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【0015】
(10) 前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とを電気的に接続する配線パターンをさらに備える上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【0016】
(11) 前記配線パターンは、前記ベース基板上または前記放熱体上に設けられている上記(10)に記載の発熱デバイス。
【0017】
(12) 前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とは、それぞれ、光を発する発光体である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の発熱デバイス。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通電により第1の発熱体から生じた熱は、放熱体に伝わりつつ、当該放熱体を介して経時的に放熱される。これと同様に、通電により第2の発熱体から生じた熱も、放熱体に伝わりつつ、当該放熱体を介して経時的に放熱される。
【0019】
このような放熱のメカニズムにより、各発熱体でそれぞれ生じた熱を一括して放熱体で確実に放熱することができ、よって、放熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の発熱デバイスの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線断面図である。
【図3】本発明の発熱デバイスの第2実施形態を示す平面図である。
【図4】本発明の発熱デバイスの第3実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明の発熱デバイスの第4実施形態を示す部分縦断面図である。
【図6】本発明の発熱デバイスの第5実施形態を示す部分縦断面図である。
【図7】本発明の発熱デバイスの第6実施形態を示す平面図である。
【図8】図1に示す発熱デバイスを組み込んだ照明器具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の発熱デバイスを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、本発明の発熱デバイスの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図8は、図1に示す発熱デバイスを組み込んだ照明器具を示す断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、図2および図8中(図5および図6についても同様)の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。
【0023】
図1に示す発熱デバイス1は、ベース基板2と、配線パターン6と、第1の発熱体4aとしての第1の発光体と、第2の発熱体4bとしての第2の発光体と、放熱体5を備え、例えば、照明器具100(図8参照)に用いることのできるものである。以下、各部の構成について説明する。
【0024】
図1、図2に示すように、ベース基板2は、平面視で例えば長方形をなす板状部材であり、金属層21と、絶縁層22とで構成された積層基板である。
【0025】
金属層21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、銅、真鍮、アルミニウム、チタン、マグネシウム等の各種金属、またはこれらを含む合金を用いることができ、これらの中でも特にアルミニウムが好ましい。アルミニウムは、比較的熱伝導率が高い材料である。アルミニウムで金属層21を構成した場合、放熱性に優れたベース基板2となる。さらに、金属層21の裏面(下面)211にアルマイト処理等の化学的あるいは物理的処理を行うと熱輻射効率が高くなり、放熱性の観点から好ましい。
【0026】
金属層21の表面(上面)212には、絶縁層22が設けられている。絶縁層22は、金属層21と配線パターン6とを絶縁する層である。絶縁層22の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
【0027】
絶縁層22の表面(上面)221には、配線パターン6が形成されている。ベース基板2の上面(一方の面)側には、配線パターン6が形成されている領域の所定箇所に、第1の発熱体4aが設置される(配置される)第1の発熱体設置部23aと、第2の発熱体4bが設置される第2の発熱体設置部23bとが確保されている。第1の発熱体設置部23a上の第1の発熱体4aと、第2の発熱体設置部23b上の第2の発熱体4bとは、配線パターン6の一部(以下この部分を「中継部61」と言う)を介して電気的に接続される。また、配線パターン6は、外部の電力供給源(図示せず)と電気的に接続されている。そして、この電力供給源からの電力を、配線パターン6を介して、第1の発熱体4a、第2の発熱体4bに一括して供給することができる。
【0028】
なお、配線パターン6は、例えば、絶縁層22の表面221全域に積層された金属箔(金属層)をエッチング等により形成されたものである。配線パターン6の構成材料としては、導電性を有していれば、特に限定されず、例えば、銅、銀、アルミニウム等の各種金属材料を用いることができ、これらの中でも、特に銅が好ましい。銅で構成した配線パターン6は、比較的抵抗値が小さく、優れた電気特性を発揮することができる。
【0029】
ベース基板2上では、第1の発熱体4aは第1の発熱体設置部23aに設置され、第2の発熱体4bは第2の発熱体設置部23bに設置されており、これら発熱体同士は互いに離間した状態となる。なお、第1の発熱体4aと第2の発熱体4bとは、ベース基板2に対する配置位置が異なること以外は、同じ構成であるため、以下、第1の発熱体4aについて代表的に説明する。
【0030】
図2に示すように、第1の発熱体4aは、板状の基板41と、基板41の上面に設けられた発光ダイオード42と、基板41の底部に設けられた1対の外部端子43とを有している。
【0031】
基板41は、樹脂材料やセラミックス材料等の絶縁性材料で構成された小片である。また、基板41には、発光ダイオード42と1対の外部端子43とを電気的に接続する図示しない配線が設けられている。
【0032】
発光ダイオード42は、基板41に、GaAlN、ZnS、ZnSe、SiCGaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものである。
【0033】
1対の外部端子43は、導電性を有する例えばAl、Ti、Fe、Cu、Ni、Ag、Au、Pt等の金属材料を主材料として構成されている。また、これらの外部端子43のうちの一方は、アノード電極(陽極)であり、他方は、カソード電極(陰極)であり、それぞれ配線パターン6と電気的に接続される。
【0034】
このような第1の発熱体4aは、配線パターン6から1対の外部端子43を介して発光ダイオード42に電圧が印加されると、発光ダイオード42でエレクトロルミネッセンス効果に基づく光Lの照射が生じる。また、このとき、第1の発熱体4aからは熱が生じる。
【0035】
図1、図2に示すように、放熱体5は、平面視で帯状(長尺状)をなし、その第1の発熱体4a側の端部51aが第1の発熱体4aと接し、第2の発熱体4b側の端部51bが第2の発熱体4bと接して設けられている。これにより、第1の発熱体4aと第2の発熱体4bとの間を、放熱体5を介して、つなぐことができる。
【0036】
また、放熱体5は、その長手方向に沿って、厚さt、幅wがそれぞれ一定となっている。厚さtは、本実施形態では、第1の発熱体4aの基板41と外部端子43との総厚と同じである(図2参照)。幅wは、基板41の幅と同じである(図1参照)。
【0037】
このような放熱体5により、通電時に第1の発熱体4aと第2の発熱体4bとからそれぞれ発生する熱を放熱することができる(図2参照)。以下、これのメカニズムについて説明する。
【0038】
第1の発熱体4aで生じた熱は、主に、放熱体5に直接伝わる熱と、中継部61を介して放熱体5に間接的に伝わる熱とに分かれる。このように2つに分かれた熱のうちの前者の熱は、放熱体5の端部51aから端部51b側に向かいつつ、徐々に当該放熱体5から放熱される。また、後者の熱は、中継部61の第1の発熱体4a側の端部611aからそれと反対側の端部611b側に伝わり、その過程で放熱体5にも伝わることとなり、当該放熱体5を介して放熱される。
【0039】
これと同様に、第2の発熱体4bで生じた熱は、主に、放熱体5に直接伝わる熱と、中継部61を介して放熱体5に間接的に伝わる熱とに分かれる。このように2つに分かれた熱のうちの前者の熱は、放熱体5の端部51bから端部51a側に向かいつつ、徐々に当該放熱体5から放熱される。また、後者の熱は、中継部61の端部611bから端部611a側に伝わり、その過程で放熱体5にも伝わることとなり、当該放熱体5を介して放熱される。
【0040】
以上のような放熱のメカニズムにより、第1の発熱体4a、第2の発熱体4bでそれぞれ生じた熱を一括して放熱体5で放熱することができる。これにより、発熱デバイス1は、放熱性に優れたものとなる、すなわち、効率よく放熱することができるものとなる。
【0041】
なお、中継部61は、第1の発熱体4aと第2の発熱体4bとを電気的に接続する機能の他に、各発熱体からの熱を放熱体5に伝える伝熱部としての機能も有するものであるということができる。
【0042】
放熱体5は、主として樹脂材料で構成されており、その樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、樹脂材料は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであるのが好ましい。ここで、放熱体5中の樹脂材料が占める割合としては、特に限定されず、例えば、80〜100%であるのが好ましく、85〜95%であるのがより好ましい。
【0043】
このような樹脂材料を用いることにより、放熱体5が確実に放熱性を有するものとなるとともに、放熱体5を簡単かつ安価に形成することができる。
【0044】
さらに、前記樹脂材料で放熱体5を成形する際、当該樹脂材料中に、例えば、アルミナ等の金属酸化物、窒化ホウ素等の窒化物に代表される絶縁性の高熱伝導性フィラーが分散されていてもよい。これにより、放熱体5の熱伝導性が向上し、第1の発熱体4a、第2の発熱体4bから発生する熱を、放熱体を介して、より効率的に外部へ放出することができる。
【0045】
次に、発熱デバイス1を組み込んだ照明器具100について簡単に説明する。
図8に示す照明器具100は、本体110と、口金120と、カバー130とで構成された電球である。
【0046】
本体110は、筒状のハウジング(筐体)111と、ハウジング111内に収納された発熱デバイス1とを備えている。
【0047】
ハウジング111は、その両端が開口した筒体で構成されている。また、ハウジング111は、その中心軸方向の途中の部分にて内径および外径が急峻に変化しており、下側の大径部111aと、上側の小径部111bとに分けることができる。
【0048】
ハウジング111は、金属材料で構成され、具体的には、例えば、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、銅、真鍮、アルミニウム、チタン、マグネシウム等の各種金属、またはこれらを含む合金を用いることができ、これらの中でも特にアルミニウムが好ましい。アルミニウムは、比較的熱伝導率が高い材料である。アルミニウムでハウジング111を構成した場合、当該ハウジング111は、放熱性に優れたものとなる。さらに、ハウジング111の外側表面にアルマイト処理等の化学的あるいは物理的処理を行うと熱輻射効率が高くなり、放熱性の観点から好ましい。
【0049】
このようなハウジング111の大径部111aには、発熱デバイス1が収納されており、当該発熱デバイス1での第1の発熱体4a、第2の発熱体4bは、それぞれ、カバー130側へ光Lを発することができる。
【0050】
また、ハウジング111には、発熱デバイス1の裏面側の空間に連通する開口112が形成されている。この開口112を介して、第1の発熱体4a、第2の発熱体4bでそれぞれ発生した熱を放熱することができる。
【0051】
また、ハウジング111の小径部111bには、制御手段150が収納されている。制御手段150は、照明器具100の駆動を制御する手段である。このような制御手段150は、照明器具100のON/OFFや明るさを制御することができる。
【0052】
口金120は、ハウジング111の上端部に設置されている。この口金120は、JIS規格等で規定され、図示しない電球ソケットに装着されるものである。
【0053】
カバー130は、ハウジング111の下端部を覆うように設置されている。また、カバー130は、例えば嵌合によりハウジング111に対し固定されている。このようなカバー130は、透明の樹脂材料またはガラス材料等で構成されている。なお、カバー130には、第1の発熱体4a、第2の発熱体4bからの光Lを拡散するために、凹凸が形成されていてもよい。また、カバー130には、第1の発熱体4a、第2の発熱体4bからの光Lにより励起されて発光する蛍光体が設けられていてもよい。
【0054】
<第2実施形態>
図3は、本発明の発熱デバイスの第2実施形態を示す平面図である。
【0055】
以下、この図を参照して本発明の発熱デバイスの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、放熱体の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0056】
図3に示す本実施形態の発熱デバイス1では、放熱体5Aは、第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bのそれぞれの外周部(周り)411を囲むように設けられている。すなわち、放熱体5Aは、平面視で第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bを包含するように設けられている。
【0057】
このように放熱体5Aが設けられていることにより、当該放熱体5Aと第1の発熱体4aとの接触面積が増大し、放熱体5Aと第2の発熱体4bとの接触面積も増大する。これにより、第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bからのそれぞれの熱が放熱体5Aに伝わり易くなり、放熱性が向上する。
【0058】
また、放熱体5Aは、その長手方向の中央部で幅wが最大幅wmaxとなる最大幅部52を有している。
【0059】
ところで、第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bは、それぞれ、その発熱量によっては、熱が放熱体5Aで十分に放熱されずに反対側まで伝わってしまうことがある。この場合、放熱体5Aの長手方向の中央部で双方の熱が最も行き来し合うので、最大幅部52で当該双方の熱を放熱し易くすることができる。このように最大幅部52を設けることにより、放熱性が向上する。
【0060】
なお、発熱デバイス1は、図3に示す構成では第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bの双方を囲むよう構成されているが、これに限定されず、例えば、第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bの一方を囲むよう構成されていてもよい。
【0061】
<第3実施形態>
図4は、本発明の発熱デバイスの第3実施形態を示す平面図である。
【0062】
以下、この図を参照して本発明の発熱デバイスの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0063】
本実施形態は、放熱体の最大幅部の形成位置が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
【0064】
図4に示す本実施形態の発熱デバイス1では、放熱体5Bの端部51a、51bは、それぞれ、その幅wが最大幅wmaxとなる最大幅部52a、52bとなっている。これにより、第1の発熱体4aの熱が第2の発熱体4bに向かう前に、当該熱を最大幅部52aである程度放熱することができる。これと同様に、第2の発熱体4bの熱が第1の発熱体4aに向かう前に、当該熱を最大幅部52bである程度放熱することができる。これにより、放熱体5Bでの放熱性が向上する。
【0065】
<第4実施形態>
図5は、本発明の発熱デバイスの第4実施形態を示す部分縦断面図である。
【0066】
以下、この図を参照して本発明の発熱デバイスの第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、放熱体の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0067】
図5に示す本実施形態の発熱デバイス1では、放熱体5Cは、端部51aから長手方向の中央部に向かって厚さtが漸増しており、端部51bから長手方向の中央部に向かっても厚さtが漸増している。放熱体5Cの中央部には、最大厚さtmaxとなる最大厚さ部53が形成される。
【0068】
そして、前述したように、第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bは、それぞれ、その発熱量によっては、熱が放熱体5Cで十分に放熱されずに反対側まで伝わってしまうことがある。この場合、放熱体5Cの長手方向の中央部で双方の熱が最も行き来し合うので、る最大厚さ部53で当該双方の熱を放熱し易くすることができる。このようにる最大厚さ部53を設けることにより、放熱性が向上する。
【0069】
<第5実施形態>
図6は、本発明の発熱デバイスの第5実施形態を示す部分縦断面図である。
【0070】
以下、この図を参照して本発明の発熱デバイスの第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、放熱体の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0071】
図6に示す本実施形態の発熱デバイス1では、放熱体5Dは、第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bをそれぞれその上側から覆っている。なお、この場合、放熱体5Dは、光透過性を有するものとなっている。
【0072】
そして、このように放熱体5Dが設けられていることにより、当該放熱体5Dと第1の発熱体4aとの接触面積がさらに増大し、放熱体5Aと第2の発熱体4bとの接触面積もさらに増大する。これにより、第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bからのそれぞれの熱が放熱体5Dに伝わり易くなり、放熱性がさらに向上する。
【0073】
また、放熱体5Dの端部51a、51bは、それぞれ、その厚さtが最大厚さtmaxとなる最大厚さ部53a、53bとなっている。これにより、第1の発熱体4aの熱が第2の発熱体4bに向かう前に、当該熱を最大厚さ部53aである程度放熱することができる。これと同様に、第2の発熱体4bの熱が第1の発熱体4aに向かう前に、当該熱を最大厚さ部53bである程度放熱することができる。これにより、放熱体5Dでの放熱性が向上する。
【0074】
<第6実施形態>
図7は、本発明の発熱デバイスの第6実施形態を示す平面図である。
【0075】
以下、この図を参照して本発明の発熱デバイスの第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0076】
本実施形態は、配線パターンの配置位置が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0077】
図7に示す本実施形態の発熱デバイス1では、配線パターン6の中継部61が放熱体5上に設けられている。これにより、中継部61からも第1の発熱体4aおよび第2の発熱体4bからそれぞれ中継部61に伝わった熱を、当該中継部61でも放熱することができる。よって、中継部61での放熱作用と放熱体5の放熱作用との相乗効果により、放熱性がさらに向上する。
【0078】
以上、本発明の発熱デバイスを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発熱デバイスを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0079】
また、本発明の発熱デバイスは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0080】
また、発熱デバイスは、各実施形態ではそれぞれ2つの発熱体を有するものであるが、これに限定されず、3つ以上の発熱体を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 発熱デバイス
2 ベース基板
21 金属層
211 裏面(下面)
212 表面(上面)
22 絶縁層
221 表面(上面)
23a 第1の発熱体設置部
23b 第2の発熱体設置部
4a 第1の発熱体
4b 第2の発熱体
41 基板
411 外周部(周り)
42 発光ダイオード
43 外部端子
5、5A、5B、5C、5D 放熱体
51a、51b 端部
52、52a、52b 最大幅部
53、53a、53b 最大厚さ部
6 配線パターン
61 中継部
611a、611b 端部
100 照明器具
110 本体
111 ハウジング(筐体)
111a 大径部
111b 小径部
112 開口
120 口金
130 カバー
150 制御手段
L 光
t 厚さ
max 最大厚さ
w 幅
max 最大幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状をなすベース基板と、
前記ベース基板の一方の面側に配置され、通電により発熱する第1の発熱体と、
前記ベース基板の一方の面側に前記第1の発熱体に対し離間して配置され、通電により発熱する第2の発熱体と、
少なくとも前記第1の発熱体と前記第2の発熱体との間をつなぐように設けられ、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とからそれぞれ発生する熱を放熱する、主として樹脂材料で構成された放熱体とを備えることを特徴とする発熱デバイス。
【請求項2】
前記放熱体は、前記第1の発熱体および前記第2の発熱体のうちの少なくとも一方の発熱体の周りを囲むように設けられている請求項1に記載の発熱デバイス。
【請求項3】
前記放熱体は、前記第1の発熱体および前記第2の発熱体のうちの少なくとも一方を覆っている請求項1または2に記載の発熱デバイス。
【請求項4】
前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その長手方向の中央部で幅が最大となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の発熱デバイス。
【請求項5】
前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その両端部で幅が最大となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の発熱デバイス。
【請求項6】
前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その長手方向の中央部で厚さが最大となっている請求項1ないし5のいずれかに記載の発熱デバイス。
【請求項7】
前記放熱体は、平面視で帯状をなし、その両端部で厚さが最大となっている請求項1ないし5のいずれかに記載の発熱デバイス。
【請求項8】
前記樹脂材料は、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである請求項1ないし7のいずれかに記載の発熱デバイス。
【請求項9】
前記放熱体は、前記樹脂材料中に熱伝導性を有するフィラーが分散されたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の発熱デバイス。
【請求項10】
前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とを電気的に接続する配線パターンをさらに備える請求項1ないし9のいずれかに記載の発熱デバイス。
【請求項11】
前記配線パターンは、前記ベース基板上または前記放熱体上に設けられている請求項10に記載の発熱デバイス。
【請求項12】
前記第1の発熱体と前記第2の発熱体とは、それぞれ、光を発する発光体である請求項1ないし11のいずれかに記載の発熱デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45968(P2013−45968A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183971(P2011−183971)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】